説明

位置決め情報の表示方法、ユーザインターフェースおよび削岩リグ

本発明は、穿孔穴を扇形状パターンとして穿孔するときに削岩リグの穿孔ユニットの位置決め情報を表示する方法に関する。さらに本発明は、ユーザインターフェースおよび削岩リグに関する。ディスプレイ装置(25)によって、穿孔穴の情報および扇形部平面に対する穿孔ユニット(6)の位置および方向を表示する。ディスプレイ装置は、少なくとも2つの分割画面(31a、31b)を有する表示画面(30)を操作者に示し、これに基づいて操作者は、位置決めに関する全自由度の情報を同時に得ることができる。操作者は、制御装置(16)に接続されたディスプレイ装置および少なくとも1つの操作部材(15)を含むユーザインターフェース部(29)により位置決めを制御する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、例えば補強穴を穿孔する際の扇状パターンとして穴を岩盤洞穴に穿孔するときに位置決め情報を表示する方法に関するものである。補強穴は、穿孔ユニットを有する少なくとも1本のブームを備えた削岩リグにより穿孔される。削岩リグの制御装置のディスプレイ装置によって、補強穴の位置および方向などの補強穴の情報を表示することができる。さらに、穿孔ユニットの実際の位置および方向を判定し、穿孔ユニットを補強穴と関連してディスプレイ装置に表示する。穿孔ユニットの位置および方向は、穿孔ユニットを補強穴の開始点で所期の方向に位置決めできるように、少なくとも1つの操作部材によって変更することができる。操作者は、ディスプレイ装置に表示された情報を使用して容易に位置決めをすることができる。
【0002】
本発明はさらに、削岩リグの制御装置のユーザインターフェースに関するものである。また本発明は、上述の方法およびユーザインターフェースを適用できる削岩リグにも関する。
【0003】
本発明の分野は、本願の独立請求項の前提部においてより詳細に表される。
【0004】
岩盤は複数の円形に穿孔されることがある。そこでまず、穿孔穴を岩盤に穿孔し、その後、穿孔穴に装薬して発破する。岩盤物質を穿孔円の奥行の分だけ岩盤から取り除き、次の穿孔円の穿孔前にどこか他の場所に移送する。種々のトンネル、地下倉庫、貯蔵施設、駐車場または他の同様の岩盤洞穴を掘削によって岩盤内に形成できる。しかし、このような岩盤洞穴が掘削される岩盤が常に、そのままで十分に堅く、均一で、安定しているわけではない。また、円形部を発破することにより、岩盤洞穴を形成する岩盤を破壊したり、そうでなくても弱くなったりして、掘削後に岩盤の堅さが不十分となる場合がある。したがって、岩盤洞穴の天井および壁、ときには床も、補強しなければならないことは、むしろ通常のことである。補強は、複数の岩盤補強穴を穿孔し、そこに岩盤ボルト、ケーブルまたは同様な強化部材または強化材料を入れることで行うことができる。一般的に補強穴は、穿孔ユニットと穿孔穴内に補強材を取り付ける手段とを有する穿孔ブームを備えた別の採掘車両を使用して穿孔される。補強穴は通常、補強穴がトンネル線に対して横断する向きになるように扇状パターンとして穿孔される。
【0005】
一般的に、岩盤洞穴を補強する計画を作り、例えば、岩盤タイプについての情報を予め判断する。また、岩盤洞穴の注文者は補強のさまざまな条件を設定する。これらの条件を満たすように、この岩盤洞穴の補強パターンをデスクワークで予め設計し、このパターンを削岩リグに配備して所期の補強条件を正確に正しいやり方で設定できるようにする。
【0006】
補強パターンを施工するとき、このパターンで決定したように穿孔ユニットを補強穴の開始点に開始方向へ手動で位置決めすることができる。位置決めは、削岩リグの制御装置のディスプレイ装置によって容易にすることができ、ディスプレイ装置は、設計された補強パターンおよびこのパターンに対する穿孔ユニットの実際の位置を表示できる。しかし、2次元のディスプレイ装置において、3次元の位置決めの全自由度を表示することは困難であるため、穿孔ユニットの位置決めは労力を要する。
【発明の簡単な説明】
【0007】
本発明は、削岩リグのディスプレイ装置に位置決め情報を表示する新規で改良された方法を提供し、さらに、この方法が適用される新規で改良されたユーザインターフェースおよび削岩リグを提供することを目的とする。
【0008】
本発明による方法は、同時にアクティブな少なくとも第1分割画面および第2分割画面を含む表示画面を表示し、各分割画面には、異なる画像を用いることによって扇形平面および穿孔ユニットの互いに対する位置を表示することを特徴とする。
【0009】
本発明によるユーザインターフェースは以下の特徴を有する。すなわち、ディスプレイ装置の表示画面は、同時にアクティブな少なくとも第1分割画面および第2分割画面を含み、これら分割画面は、扇形平面および穿孔ユニットの相対的位置を示す別々の画像を有し、表示画面により表示される方向および操作部材の物理的な動きの方向が直観的な関連性を有することである。
【0010】
本発明による削岩リグは以下の特徴を有する。すなわち、ディスプレイ装置の表示画面は、同時にアクティブな少なくとも第1分割画面および第2分割画面を含み、これら分割画面は、扇形平面および穿孔ユニットの相対的位置を示す別々の画像を有することである。
【0011】
アイデアのひとつは、互いに異なる画像を有する少なくとも2つの分割画面を含む表示画面をディスプレイ装置に表示することであり、言い換えると、これらの分割画面では表示する方向が異なっている。これらの分割画面は、決定した穿孔ユニットの位置および方向を被穿孔穴の開始点が位置するxz方向の扇形平面に関連して表示する。各分割画面は表示画面内で同時にアクティブである。こうしてディスプレイ装置は、穿孔ユニットの位置決めに関するすべての重要な情報を単一の表示画面に同時に表示する。これは、予め設計された穿孔パターンを施工する場合だけでなく、穿孔を操作者の計画通りに実行する場合にも適用可能である。いずれの場合も、扇形平面およびいくつかの穿孔穴情報とともに、これらに関連する穿孔ユニットの位置を表示する必要がある。
【0012】
ひとつの利点は、この新規な表示画面により、分割画面の助けで操作者が穿孔穴情報および扇形平面に対する穿孔ユニットの位置を見て、穿孔ユニットを被穿孔穴の開始点に位置決めし、穿孔ユニットを配向することが容易になることである。操作者は、単一の表示画面において、穿孔ユニットの位置決めに影響を与える全座標方向を同時に見ることができる。したがって操作者は、ディスプレイ装置にロードされる異なる画面の間で何らかの変更を行う必要がない。制御装置の新規な表示画面および新規なユーザインターフェースによって、位置決めが迅速化され、穿孔の施工精度が向上する。
【0013】
一実施例の概念によると、表示画面において、トンネル線の方向における扇形線のxz画像が第1分割画面として表示され、すなわち扇形平面がy方向から表示され、xy方向における同じ扇形平面の画像は、その扇形平面が上方から、つまりz軸方向から見たように第2分割画面として表示される。したがって第1分割画面では、穿孔ユニットの位置決めをする動きが扇形平面の方向に表示され、第2分割画面では、穿孔ユニットの位置決めをする動きが奥行方向に表示される。
【0014】
一実施例の概念によると、第1分割画面および第2分割画面が表示画面内に同時に表示され、かつディスプレイ装置の垂直方向に上下に表示される。さらに、両分割画面は、横方向に見て同じ点に穿孔ユニットを示す記号を表示する。そのような表示画面は、とりわけ図式的であり、位置決め状況の明瞭なイメージを操作者に与える。
【0015】
一実施例の概念によると、第2分割画面は、表示する扇形平面を線として提示し、その線上に被穿孔穴の開始点が位置する。扇形平面または穿孔される穴の他の情報は必ずしも必要でない。第2分割画面により、穿孔ユニットおよび扇形平面の相互位置がy方向に表現され、言い換えると第2分割画面は「奥行図」である。
【0016】
一実施例の概念によると、表示画面は、穿孔ユニットの記号およびそれから延びる線または同様の印を表示し、これは、仮に表示された穿孔ユニットの位置および方向から開始して穿孔を行った場合の穿孔穴の方向および長さを示す。穿孔穴の長さは、初期設定長さ、選択された長さ、または穿孔パターンで定義された穴の長さに応じて表示することができる。
【0017】
本発明の一実施例の概念によると、表示画面は、穿孔ユニットの記号およびそれから延びる破線または同様の印を表示し、これは、穿孔ユニットに備えられた送りビームの方向および長さを示す。この適用例によれば、表示画面において穿孔の遂行に必要な空間条件が操作者に表示される。
【0018】
本発明の一実施例の概念によると、予め設計された補強パターンに従い岩盤洞穴を補強する。補強パターンは、制御装置にロードされ、ディスプレイ装置により表示される。補強パターンは、1つまたは複数の補強扇形部を有し、補強扇形部において、いくつかの補強穴の位置、方向および長さが定義される。1つの補強扇形部は、扇形部の補強穴の開始点が位置する1つの補強平面を形成する。補強扇形部は、表示画面の分割画面において少なくとも2つの異なる画像で表示される。
【0019】
一実施例の概念によると、表示画面の第1分割画面は、補強パターンの1つの補強扇形部とともに、少なくとも1つの穿孔ユニットの位置および方向を表示する。第1分割画面は、トンネル線の方向におけるxz画像であり、言い換えれば、補強扇形部はy方向から見たものである。第1分割画面は少なくとも、補強扇形部の補強プロファイルおよびそこに位置する補強穴を表示する。さらに、ユーザインターフェースの第2分割画面は、上方からすなわちz軸方向から見た対応する補強扇形部を表示し、これはxy平面の方向における画像である。第2分割画面は、補強扇形部のxz平面、すなわちトンネル線に対して交差する方向に単なる線として補強平面を表示する。実際、この線は、ディスプレイ装置に水平線として表示してもよい。制御装置はさらに、穿孔ユニットを示す記号をこの分割画面に配置し、それにより補強扇形部のxz方向の平面に対する穿孔ユニットのy方向の位置をディスプレイ装置で見ることができる。この画面に基づいて操作者は、「奥行図」を有し、穿孔ユニットをトンネル線の方向で前後に移動させることができる。
【0020】
一実施例の概念によると、補強パターンは、いくつかの、例えば2つないし5つの扇形部を含み、各扇形部は、補強パターン内で定められたy方向の相互距離だけ離れて位置する横断線として第2分割画面に示される。この適用例に基づけば操作者は、他の補強平面の位置も知ることができる。
【0021】
一実施例の概念によると、表示画面は、上下に位置する分割画面を有する1つのディスプレイウィンドウを含む。
【0022】
一実施例の概念によると、表示画面は、表示画面内に所望の方法で配置可能な2つの別々のディスプレイウィンドウを有する。これらのディスプレイウィンドウは、表示画面内で、例えば上下に、あるいは横に並んで位置してもよい。
【0023】
一実施例の概念によると、第2分割画面は、穿孔ユニットの円錐頂角θを数値として示し、その正の値は、穿孔ユニットがy方向前方に傾けられることを示し、その負の値は、穿孔ユニットがy方向後方に傾けられることを示す。
【0024】
一実施例の概念によると、操作者は、すべての穴が穿孔されると制御装置によって通知される。この情報は、ディスプレイ装置に示される視覚的なメッセージまたは記号、例えば「準備完了」の記号でもよい。
【0025】
一実施例の概念によると、岩盤洞穴の切羽における掘削穴および扇形状パターンとしての補強穴の両方の穿孔に同じ削岩リグを用いることができ、ディスプレイ装置の表示画面を掘削画面または補強画面に選択することができる。
【0026】
一実施例の概念によると、掘削穴および補強穴の両方を同時に穿孔するのに同じ削岩リグを用いる。この場合、削岩リグは、両方の穴タイプの穿孔に使用可能な2つ以上の穿孔ユニットを備える。どのユニットが岩盤洞穴の切羽における掘削パターンを穿孔し、どのユニットが扇状パターンとして補強パターンを穿孔するかは、制御装置のユーザインターフェース部で選択することができる。表示画面は、取扱い中のものが掘削穴であるか補強穴であるかによって変化する。
【0027】
一実施例の概念によると、2つ以上の扇形平面で同じ削岩リグによって同時に穿孔を行う。どの扇形平面および穿孔ユニットの状況をディスプレイ装置で示すかは、ユーザインターフェース部で選択することができる。
【0028】
一実施例の概念によると、表示画面は、表示する穿孔ユニットに最も近い扇形平面(y方向)、および(xz平面上の)計画された最も近い穿孔穴を示す。前の穴の穿孔を完了すると、表示画面はその穿孔ユニットについて計画された次に最も近い穿孔穴の拡大画像を自動的に示すことができる。これは、自動プログラムを穿孔パターンの施工に用いない場合に、位置決めを容易にし、かつ迅速化する。
【0029】
一実施例の概念によると、補強穴は、予め設計された補強パターンなしで、つまり、現場での補強と称するものを用いて穿孔される。そのような場合、削岩リグの操作者は、その専門的技術に基づいて岩盤洞穴内に補強物を位置決めする。この適用例では、すでに穿孔された補強穴の位置および方向がディスプレイ装置によって表示されることが特に役立つ。なぜなら、そうすれば操作者が次の被穿孔補強穴の位置および方向を計画することが容易になるからである。操作者は、水平線として既穿孔の補強穴の開始点を通るxz方向平面と、これに対する穿孔ユニットの位置を表示画面の第2分割画面で見れば、同じxz方向の補強平面上で補強穴の開始位置も位置決めできる。
【0030】
発明の概念によると、制御装置は、位置決めに影響を及ぼす穿孔ユニットのアクチュエータを制御するように構成されている。操作者は、制御装置に接続された少なくとも1つの操作部材により穿孔ユニットに目標位置を与え、制御装置は穿孔ユニットをこの目標位置に向かって動かす。かくして、操作者が直接操作しないでも、位置決めに影響を及ぼすアクチュエータがコンピュータ制御される。しかし、位置決め自体は手動である。加えて、制御装置のユーザインターフェースは、表示画面に示された方向が操作部材の動きの物理的な方向に対応する直観的対応性を有している。穿孔ユニットを反時計回りに回転させたい場合、操作者は、この移動を制御する操作部材を対応する方向に導く。さらに、操作部材をある座標または方向に対して動かしても、他の座標または方向には影響を及ぼさない。この適用例によると、操作者は、穿孔ユニットの所望の動きを達成するのにブームの継ぎ手または運動学を考慮する必要がなく、制御システムに穿孔ユニットの目標位置および目標方向を与えることにのみ集中することができ、穿孔ユニットに対して制御装置が必要な動きを自動的に行う。これによって操作者の精神的な負担が減少し、制御が迅速化する。
【0031】
一実施例の概念によると、削岩リグは、切羽穿孔穴および補強穴の両方を穿孔することを意図している。この場合、削岩リグの制御システムは、切羽穿孔モードおよび扇形穿孔モードを含んでもよく、これらのモードにおいて操作者は、穿孔される穿孔穴の開始点に穿孔ユニットを手動で位置決めすることができる。制御モードを選択することで、制御システムに備えられた手操作部材の動きが穿孔ユニットの実際の動きに及ぼす影響の仕方が決まる。穿孔ユニットは、操作部材の動きに応答して動き、この応答は、切羽穿孔モードと扇形部穿孔モードとで異なっている。したがって、モードが異なれば、穿孔ユニットは、手操作の動きに対して異なる方法で反応する。加えて、手操作部材を動かすことで制御システムが穿孔ユニットの位置および方向に影響を及ぼすように構成され、そうすることで操作部材は、個々のアクチュエータまたはブームの継ぎ手を直接的に制御しない。制御システムは、ブーム継ぎ手の動きの必要な変更を決定し、それに応じて、穿孔ユニットの位置決めに影響を及ぼすアクチュエータを導く。この適用例の利点は、切羽掘削についておよび岩盤洞穴を画成する表面の補強についての双方で削岩リグを以前より効率的に使用できることである。これは、例えば掘削および補強用に別々に構成された制御モードによって、操作者が操作部材を操作することで行われる手動制御が本質的に容易になることから生じる。操作者は、操作部材により穿孔ユニットに新しい目標位置を指示し、制御システムは必要な測定を実行して、これによって操作者の示した目標が実際に達成される。
【0032】
一実施例の概念によると、削岩リグの制御システムは上述の切羽穿孔モードおよび扇形部穿孔モードを含み、また、扇形部穿孔モードに接続されている場合、所望の方向へ手操作部材を動かすと、示された方向への穿孔ユニットの位置決め動作が生じる。他の座標および方向は変化しないままである。例えば、穿孔ユニットの向きを回転角θの方向に変える場合、穿孔ユニットのy方向の座標および円錐頂角θは変化しない。さらに、穿孔ユニットがトンネル線の方向に動く場合、y座標のみが変化するが、残りの座標および方向角は変化しないままである。これによって操作者の作業が本質的に容易になる。
【0033】
一実施例の概念によると、制御モードにおいて、穿孔ユニットの動きは、そのモードにより定められた穿孔方向に自然になるように構成されている。切羽穿孔モードは、前方に向かって行われる穿孔を考慮に入れる。扇形穿孔モードでは、穿孔ユニットの動きは、例えば補強扇形部として上方および横方向への穿孔を行うことが自然になるように構成されている。これらのモードにおいて手操作部材の作用する方向は、穿孔ユニットの論理的な動きの方向に対応するように選択され、したがって操作部材をある操作方向に動かすと、実際に穿孔ユニットは操作部材のその操作方向に動くことになる。こうして、制御装置の直観的動作が達成される。穿孔ユニットの位置および方向は、記号によって制御装置のディスプレイ装置に示され、したがって操作部材をある方向に動かすと、その記号は対応する方向に動くことになる。例えば操作者が穿孔ユニットの記号をディスプレイ装置上で反時計回りに回転したい場合、操作部材を使って穿孔ユニットを反時計回りに回転させる命令を与える。操作者がディスプレイ上で記号を自分の方へ戻したい場合、自分に向かう制御命令を与える。操作部材がジョイスティックであれば、操作者は、ディスプレイ上で生じて欲しい操作の方向にジョイスティックを物理的に傾ける。この直観的な操作原理によって、位置決めがかなり容易になる。
【0034】
一実施例の概念によると、扇形部の穿孔中に得られる岩盤洞穴のプロファイルの情報を収集する。扇形部の穿孔中、穿孔ユニットを被穿孔穴に位置決めし、それによりドリルビットはいくつかの点で岩盤洞穴のプロファイルと接触するようになる。こうして、いわゆる岩盤識別点が被穿孔穴ごとに形成され、これらの岩盤識別点の座標は、制御装置で判定して記憶することができる。岩盤識別点に基づいて、岩盤洞穴の実際のプロファイルを描くことができ、例えばディスプレイ装置にこれを表示することができる。補強扇形部等のいくつかの扇形部の穿孔で得られたプロファイル情報に基づいて、岩盤洞穴またはその一部の実際のプロファイルの3次元表示も形成し、ディスプレイ装置に表示することができる。この適用例によると、前の掘削が成功した様子、すなわち掘削計画通りに掘削がなされたか、または例えば過大な掘削若しくは過小な掘削が行われたかが評価できる。
【0035】
一実施例の概念によると、穿孔された補強穴の開始位置および終了位置の座標とともに方向および長さの情報を収集し、補強物の位置を後に発見できるようにこの情報を記憶する。このようなやり方で、岩盤洞穴の補強のドキュメンテーションを同時に得ることができる。さらに、岩盤タイプの情報など穿孔中に得られる情報も記憶することができる。
【0036】
一実施例の概念によると、掘削穴が削岩リグによって扇状パターンに穿孔される。この場合、削岩リグは、量産型穿孔に適用できる扇形穿孔リグである。したがって、本発明によるユーザインターフェース部およびそれに備えられる表示画面は、位置決めに、また視覚ツールとして、効率的に利用することができる。本願に示される個々の特徴事項およびそれらの組合せは、扇形穿孔を意図した量産型穿孔リグにも適用可能であり、その場合、掘削穴は、予め設計された穿孔パターンに応じてトンネル線を横切る扇状パターンに、または、ときに操作者自身によって選択された点においても、穿孔される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を添付図面においてより詳細に説明する。
【図1】岩盤洞穴の切羽に配置され補強穴を穿孔する削岩リグの概略図である。
【図2】トンネルの切羽に位置決めされた掘削パターン、ならびにすでに掘削されたトンネル部分に位置決めされ2つの補強扇形部を含む補強パターンの概略斜視図である。
【図3】補強パターンに用いられるx、y、z直交座標系、ならびに方向角θおよびθの概略図である。
【図4】本発明によるユーザインターフェース部およびその接続の概略図である。
【図5】ディスプレイ装置に表示され上下に配置された2つの分割画面を有し、これによって補強パターンまたは表示すべき他の補強平面、および穿孔ユニットを別々の画像で示す表示画面の概略図である。
【図6】ユーザインターフェース部において補強モードが選択された場合の穿孔ユニットの位置決めを示す概略図である。
【0038】
各図は、明確にするため本発明のいくつかの実施形態を簡略化して示す。図において、同様の部分は同じ参照番号で示す。
【発明のいくつかの実施形態の詳細な説明】
【0039】
図1は、トンネル2または同様の岩盤洞窟の切羽3においてナビゲートされる削岩リグ1を示す。削岩リグ1は、1本または複数本の穿孔ブーム5を有する可動キャリア4を備え、各々の穿孔ブーム5はその最外側端部に削岩ユニット6を有している。削岩ユニット6は削岩機7を含み、削岩機7は送り装置8によって移動可能で、送りビーム9により案内される。削岩機7は、削岩機に取り付けられた工具10に衝撃パルスを与える衝撃装置を備えてもよい。削岩機7はさらに、工具10を回転させる回転装置を備えてもよい。削岩ユニット6は、ブーム5を動かすことによって、予め計画された穿孔穴の開始位置11aに配置することができる。穿孔ごとに穿孔パターンを予め設計することができ、穿孔パターンは、作業現場の座標系において、穿孔される穿孔穴の開始位置、終点、方向、長さおよび寸法を定めることができる。穿孔円12の穿孔用と岩盤ボルト扇形部13とで別々の穿孔パターンを設計してもよい。削岩リグ1を穿孔位置へ向かわせるとき、まずナビゲーションを実行して、削岩リグの座標系を作業現場の座標系に関連づける。
【0040】
実際の穿孔サイクルは、穿孔パターンで定められた開始位置および方向に穿孔ユニット6をまず位置決めした後、各穿孔穴ごとに自動的に行うことができる。穿孔ユニット6は手動で位置決めしてもよい。つまり操作者14は、操作部材15を使って穿孔ユニット6に新しい目標位置を与え、この新しい目標位置に基づいて、制御システムがブーム5の必要な動きを決定する。制御システムは、1台または複数台の制御装置16を含んでよく、これはブームの物理的構造および現在位置に基づいて必要な動きを決定できるコンピュータまたはプロセッサであってもよい。ブーム5は、継ぎ手17aによって互いに連結された2つ以上の部分ブーム5a、5bを含んでよい。さらに、ブーム5は継ぎ手17bによってキャリアに、また継ぎ手17cによって穿孔ユニット6に連結されている。穿孔ブーム5は、多様な方法で動くことのできる構造体であるが、図1では、明確にするために非常に単純化されたブームのみを示している。継ぎ手17と関連して、センサ18または同様の測定装置があってもよく、これらから得られた位置情報に基づいて制御装置16は、ブームの位置、ならびに穿孔ユニット6の位置および方向を判定することができる。ブーム5およびその部分ブームは、アクチュエータ19で動かすことができ、アクチュエータは、操作者14により指示された目標位置およびブーム5の位置情報に基づいて制御装置16により制御することができる。明確にするために、図1は、センサとアクチュエータをそれぞれ1つずつのみ示している。
【0041】
位置決めにおいて、穿孔ユニット5の位置は、工具10の最外端部でドリルビット20の位置に基づいて観測することができるが、これは、穿孔する穿孔穴の開始位置11aまでドリルビット20を運ぶのが目的であるためである。方向は、工具10の長手方向軸の方向として観測することができる。図1では、穿孔ユニット5は、穿孔される掘削穿孔穴21の箇所に配置されている。トンネル2は、切羽3においていくつかの掘削穴21を実質的にトンネル線Lの方向に穿孔することで掘削され、これらの掘削穴は穿孔後に装薬される。発破において、岩盤物質は穿孔円12の分だけ岩盤から取り除かれる。掘削穴21の唯一の目的は、所望の穿孔円長を確実に形成し、計画されたやり方で正しいサイズの破片として岩盤を確実に取り除くことである。トンネルを形成する岩盤は穿孔円の発破で損傷することがあり、安全なトンネルを保証するために、そのままでは岩盤の堅さが不十分となる場合がある。したがって、トンネル2の天井22および壁23を補強することが必要な場合がある。岩盤は、予め決められたパターンに従っていくつかの隣接した補強穴24を穿孔し、そこに岩盤ボルトまたは同様の補強物を取り付けることによって、補強してもよい。補強穴24の数、深さ、直径、開始位置および方向は、補強パターンにおいて定めてもよい。補強穴24は、扇形の形状に穿孔してもよく、それによりトンネルの両壁23上および天井22に穿孔穴が出来る。若しくは、補強穴24を天井22にのみ穿孔して頭上の補強ビームを設けられるようにしてもよい。補強穴24の方向は、トンネル線Lを横切る方向である。しかし、穿孔ブーム5は、補強穴24の開始位置11bにおいて穿孔ユニット6が上方向または横方向を指向するように配置可能に構成されている。当然、下方向に向いた補強穴を穿孔してもよい。
【0042】
掘削穴21を穿孔する場合、操作者14は制御装置16を掘削モードに接続し、同じ穿孔ユニット6を補強穴24の穿孔に用いる場合、操作者14は補強モードを選択する。これらのモードにより、制御装置16が操作者14の手操作の動きに応動して穿孔ユニット5の実際の位置決め動作を行う方法に影響を及ぼすことが可能である。操作部材15はジョイスティックでもよく、ジョイスティックを所与の方向に倒すことにより、補強モードでは掘削モードと異なる穿孔ユニット6の動きを実現することができる。
【0043】
制御システムはさらに、穿孔パターンおよび穿孔する穴に対する穿孔ユニット6の位置を示すことができるディスプレイ装置25を備えてもよい。操作者14は、ディスプレイ装置25から得られる情報に基づいて手動操作を行ってもよい。
【0044】
図2は切羽3でのトンネル2を示し、切羽の掘削パターンに従った穿孔穴21を穿孔して穿孔円12を掘削することができ、切羽は、トンネルの天井22および壁23の補強パターン27に従い補強物を配置することによって補強することができる。補強パターン27は、トンネル線Lに対して横切る方向、通常は垂直なxz方向の補強平面を定め、この補強平面上に補強穴24の開始位置が配置されている。補強穴24の方向は、トンネル線Lを横切る方向である。補強パターン27は1つまたは複数の補強扇形部、例えば1つないし5つの補強扇形部28a、28bを含んでよく、これら補強扇形部は、トンネル線Lの方向に見て互いに所定の距離Lyだけ離れて位置している。この距離Lyは、補強パターン27により構成される各扇形部28が同じナビゲーション位置から穿孔できるように定める。
【0045】
図3は、補強パターンにおいて用いられる座標系ならびに方向角を示す。図から分かるように、補強パターンにはx、y、z直交座標系を用いることができる。図3の参照番号24は補強穴とその方向を示す。開始点および終点の座標に加えて、補強穴24は、複数の方向角、すなわち円錐頂角θおよび回転角θを有する。円錐頂角θは、補強穴24がトンネル面に向かって傾いた角度を指向する場合に正であり、補強穴24がトンネル面から離れる方向に傾いて指向する場合、負である。zx平面上の補強穴24の方向は、回転角θによって決まる。回転角θは、補強穴24がy方向に見て右方向を指向する場合、正の値をとる。回転角θは、補強穴24がy方向に見て左方向を指向する場合、負の値である。
【0046】
図4はさらに、削岩リグの制御装置16のユーザインターフェース部29およびその接続を示す。ユーザインターフェース部29は、ディスプレイパネルなどの1つまたは複数のディスプレイ装置25と、ジョイスティックなどの1つまたは複数の操作部材15を含む。ユーザインターフェース部29により操作者14は、制御装置16とともにそのプログラムおよび動作原理を使用して穿孔ユニットを所望の方法で運転できるようにする。
【0047】
ディスプレイ装置25は、制御装置16に入力可能な補強パターン27を表示してもよい。ディスプレイ装置25の表示画面30は、2つ以上の分割画面31a、31bを有してもよく、これらの画面は別々の方向から見た補強平面32と穿孔ユニット6を示す。そこで操作者14は、表示画面30における位置決め状況を見て、操作部材15により制御命令を制御装置16に与えることができ、制御装置16はこれに応動して1つまたは複数のアクチュエータ19を制御し、制御命令に応じた穿孔ユニットの位置または方向への動きが実現される。操作者14は、個々のアクチュエータ19は制御しないが、制御装置に目標位置または方向を与え、これらを制御装置が実現する。穿孔ユニットの位置および方向は、1つまたは複数のセンサ18または同様の測定装置によって判定され、これらの測定情報が制御装置16に送信される。
【0048】
図5は、上下に配置された2つの分割画面31a、31bを有する表示画面30を概略的に示す。第1分割画面31aは、y方向から見た補強パターン27の1つの補強扇形部28を示し、第2分割画面は、z方向から見た同じ補強扇形部28を示す。したがって補強扇形部28のxz平面は、両分割画面における補強平面を形成している。第1分割画面31aは、xz平面上の補強穴24の位置および方向、ならびに穿孔ユニット6の位置を示す。設計した補強穴24aは、補強プロファイルから延びる線として示すことができる。穿孔した補強穴24bは、施工した位置に、その開始点に四角形などの印を使用することによって示すことができる。この施工した開始点は、岩盤識別点42と呼ばれるものである。次に穿孔予定の補強穴24cは、太く示すことができる。第2分割画面31bは奥行図として用いることができる。言い換えれば、補強平面に、すなわち補強扇形部のxz平面について、穿孔ユニット6の位置を図中に表示することができる。穿孔ユニット6は、表示画面30内に適切な記号で示すことができる。図5では、穿孔ユニット6の記号32は丸印であり、この丸印から実線33が延び、この線は、仮に穿孔が穿孔ユニット6の現在の位置および方向で開始された場合に形成されるであろう仮想の補強穴を示している。表示画面30はさらに、送りビームを破線34として示してもよく、この破線に基づいて操作者は穿孔に必要な空間を判断することができる。上述の記号32、ならびに関連する穴線33および送りビーム線34の代わりに、他の適切な印および表示方法を使用してもよい。第2分割画面31bでは、円錐頂角の値を数値として表示することができる。さらに第2分割画面31bは、第1分割画面31aに対応する補強平面を水平線35aとして示してもよい。補強パターン27により形成される可能性がある他の補強扇形部も、水平線35bおよび35cとして示してよい。図5によれば表示画面30は、第1分割画面31aおよび第2分割画面31bが垂直方向に上下に配置されているが、これは明瞭かつ図式的であり、操作者の作業が容易になる。
【0049】
図5による表示画面30は、操作者の作業を容易にする視覚ツールである。両分割画面31aおよび31bにおいて、ブーム記号32の穴線33および補強パターンで定められた補強穴を示す線24cが上下に位置すれば、穿孔ユニットは正しい位置と向きにある。
【0050】
図5はさらに、表示画面30の下方に、ユーザインターフェース部29に備えられた操作部材15aおよび15bを上方から見た状態で示す。操作部材は、例えば操作席と関連して制御パネル41a、41bに取り付けられたジョイスティックでもよい。図は、矢印s1およびs2によってジョイスティックの動きを示し、穿孔ユニットが表示画面内でどのように動くかを示す。スイッチ40を選択すると、図の矢印s3によって示されるように穿孔ユニットのy座標が影響を受ける。右手側のジョイスティック15bによって、矢印s4およびs5で示すように方向角が影響を受ける。
【0051】
図5はまた、岩盤識別点42を表示画面30に示すことがあることを示す。また、岩盤識別点42の情報は制御装置に記憶し処理してもよい。さらに表示画面は、岩盤識別点42を通るグラフ43を示してもよい。これは、扇形部の一点に岩盤表面が実際に配置される場所を示す。実際の岩盤表面上の情報を記憶してもよく、削岩リグ内またはその外部でこれを処理し利用してもよい。
【0052】
図6は、2つのジョイスティック15aおよび15bによる穿孔ユニット6の手動での位置決めを示す。図は、ジョイスティックの操作方向を矢印で示し、この矢印と関連して穿孔ユニット6の位置および方向の動きの影響が示されている。動きの最中にスイッチ40が選択された場合の動きの方向への影響が丸括弧内に示されている。スイッチ40によって、別の機能を選択することができる。図に見られるように、ジョイスティック15a、15bの操作方向は穿孔ユニット6の実際の動きの方向と論理的に関連している。ユーザインターフェース部において切羽穿孔モードが選択された場合、動きの制御は扇形穿孔モードとは異なる。
【0053】
削岩リグは、例えばトンネルレーザまたはタキメータを用いることで穿孔位置にナビゲートできることに、さらに注目する。ナビゲーションにおいて、削岩リグの座標系を岩盤洞穴の座標系に関連づける。補強パターンすなわち掘削扇形部の穿孔パターンは、典型的には別々の座標系で設計されるが、いくつかの場合では、岩盤洞穴の座標系、すなわち投影座標系と称するもので設計してもよい。2つ以上の座標系が用いられるため、各座標系をナビゲーションによって互いに関連づけることが必要である。したがって、各座標系において必要な変更を投影座標系、削岩リグの座標系、および穿孔パターンの座標系の間で行うことができ、それによりそれぞれの座標系を他の座標系に関連して表示することができる。さらに、ナビゲーションの後で最初に、穿孔ユニットおよびその内部のドリルビットを扇形部の一点に進ませることで、被穿孔扇形部の位置を示すことができる。次いで、この最初に示された扇形部の点にナビゲーション平面が位置決めされるようになる。
【0054】
本願で開示された位置決め情報の表示は、削岩リグの制御装置およびディスプレイ装置を技術的手段として使用することを含む技術的処理である。さらに、操作部材によって制御命令を与えることは、技術的判断および技術的ステップを必要とする。そのうえ、目的は、穿孔ユニットを所望の位置に位置決めし所望の方法で配向させるという具体的な最終結果を得ることである。説明した構成は、ディスプレイ装置に具体的に図示され、削岩リグによって実行され、それにより実際の物理的な現象を得る。ディスプレイ装置およびこれに表示される情報は視覚ツールとして使用され、これに基づいて操作者は穿孔ユニットの位置決めおよび配向を行う。このように、ここに含まれるものは抽象的な視覚化ではなく、むしろ視覚化を実現するための構成は実際の位置決めおよび配向の一部である。上述の側面に基づけば、専門的事項を使用することなく抽象的に発生し得る何らかの純粋な精神的活動が本願から除かれていることは明らかである。
【0055】
いくつかの場合、本願に示された特徴それ自体を他の特徴に関わらず用いることができる。一方、本願に示された特徴を、必要であれば組み合わせて種々の組合せを形成してもよい。
【0056】
図面および関連する記述は、本発明の概念の例示を企図しているにすぎない。本発明の詳細は請求の範囲内で変更することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動キャリア(4)と、該可動キャリア(4)に対して移動可能な少なくとも1つの穿孔ブーム(5)と、該穿孔ブーム(5)上に配置され、少なくとも1つの送りビーム(9)を含む穿孔ユニット(6)と、送り装置(8)と、削岩機(7)と、および工具(10)と、さらに、少なくとも1つの制御装置(16)および少なくとも1つのディスプレイ装置(25)と、これに接続された少なくとも1つの操作部材(15)とを含む削岩リグ(1)において、
前記制御装置(16)にて前記穿孔ユニット(6)の位置および方向を決定し、
ディスプレイ装置(25)に被穿孔穴(24)の情報を表示し、
選択された穴(24)を穿孔可能な位置および方向に前記穿孔ユニット(6)を位置決めし、
少なくとも1つの操作部材(15)により前記制御装置(16)に制御命令を与えることで前記位置決めを手動で行い、
前記選択された穿孔穴の開始点が位置する扇形平面に関連して前記穿孔ユニット(6)の位置および方向を前記ディスプレイ装置(25)の表示画面(30)で操作者(14)に対して提示することを含む位置決め情報の表示方法において、該方法は、
同時にアクティブな少なくとも第1分割画面(31a)および第2分割画面(31b)を含む表示画面(30)を表示し、
異なる画像を用いることにより前記扇形平面および前記穿孔ユニットの互いに対する位置を前記分割画面(31a、31b)に表示することを特徴とする位置決め情報の表示方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
いくつかの穿孔穴および3次元座標系におけるこれら穿孔穴の位置ならびに方向を定義する少なくとも1つの穿孔扇形部(28)を含む穿孔パターン(27)を前記ディスプレイ装置(25)に表示し、
トンネル線(L)の方向から見た前記穿孔扇形部(28)の画像を第1分割画面(31a)に表示し、
前記トンネル線(L)に対して横断する方向から見た対応する穿孔扇形部(28)の画像を第2分割画面(31b)に表示し、
前記表示画面(30)に第1分割画面(31a)および第2分割画面(31b)を上下に表示することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、該方法は、
表示すべき扇形平面を第2分割画面(31b)に前記トンネル線(L)を横切る線(35a)として表示し、この線上に穿孔穴(24)の開始点が位置することを特徴とする方法。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、該方法は、
前記表示画面(30)の前記分割画面(31a、31b)により前記穿孔ユニット(6)の位置決めの全自由度を同時に表示することを特徴とする方法。
【請求項5】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、該方法は、
前記操作部材(15)を用い、かつ前記表示画面(30)に示された方向を用いることにより新しい目標位置を前記穿孔ユニット(6)に与え、
前記制御装置(16)の制御により、前記穿孔ユニット(6)を選択された方向に動かし、他の方向は不変に保つことを特徴とする方法。
【請求項6】
穿孔ユニットの位置を示す記号の位置および方向を有する表示画面(30)を被穿孔穴の開始点が位置する扇形平面に関連して表示するよう構成された少なくとも1つのディスプレイ画面(25)と、
制御命令を制御装置(16)に与えて、削岩リグに備えられた穿孔ユニット(6)を穿孔穴(24)の開始点に位置決めする少なくとも1つの操作部材(15)とを含む削岩リグの制御装置のユーザインターフェースにおいて、
前記ディスプレイ装置(25)の前記表示画面(30)は、同時にアクティブな少なくとも第1分割画面(31a)および第2分割画面(31b)を含み、両分割画面は、前記扇形平面および穿孔ユニットの相対的位置を示す別々の画像を有し、
前記表示画面(30)により表示される方向および前記操作部材(15)の物理的な動き方向が直観的な関連性を有することを特徴とする削岩リグの制御装置のユーザインターフェース。
【請求項7】
請求項6に記載のユーザインターフェースにおいて、
前記操作部材(15)をある選択された方向に動かすことが、前記表示画面(30)内の前記穿孔ユニットの位置に対して、該選択された方向にのみ影響を与えるように構成されていることを特徴とするユーザインターフェース。
【請求項8】
請求項6または7に記載のユーザインターフェースにおいて、
前記表示画面(30)は、前記穿孔ユニットの記号(32)を表示し、この記号(32)に関連して、被形成穿孔穴を示す穴記号(33)とともに送りビームを示す送りビーム記号(34)を表示するように構成されていることを特徴とするユーザインターフェース。
【請求項9】
請求項6ないし8のいずれかに記載のユーザインターフェースにおいて、
前記表示画面(30)は、穿孔された各穴の開始点に岩盤識別点(42)を表示するように構成され、それにより、施工された岩盤洞穴のプロファイルを前記表示画面(30)において前記表示すべき扇形平面の点として表示できることを特徴とするユーザインターフェース。
【請求項10】
請求項9に記載のユーザインターフェースにおいて、
前記表示画面(30)は、2つ以上の岩盤識別点を通るグラフを表示するように構成され、該グラフは、前記表示すべき扇形平面の点で岩盤洞穴の施工されたプロファイルを示すことを特徴とするユーザインターフェース。
【請求項11】
可動キャリア(4)と、
少なくとも1つの穿孔ブーム(5)と、
該穿孔ブーム(5)上に配置された穿孔ユニット(6)とを含み、該穿孔ユニットは、少なくとも送りビーム(9)、該送りビーム上で支持される削岩機(7)、該削岩機を前記送りビーム上で移動させる送り装置(8)、および前記削岩機に取り付けられた工具(10)を含み、さらに
前記穿孔ユニット(6)の位置および方向を測定する測定手段(18)と、
測定情報に基づいて前記穿孔ユニットの位置および方向を決定するように構成された少なくとも1つの制御装置(16)と、
少なくとも1つのディスプレイ装置(25)とを含み、前記制御装置(16)は、被穿孔穴(24)の開始点を通る扇形平面に関連して前記穿孔ユニット(6)を前記ディスプレイ装置の表示画面(30)に表示するように構成され、さらに
手動制御命令を与えて前記穿孔ユニットを位置決めする少なくとも1つの操作部材(15)を含む削岩リグにおいて、
前記ディスプレイ装置(25)の前記表示画面(30)は、同時にアクティブな少なくとも第1分割画面(31a)および第2分割画面(31b)を含み、両分割画面は、前記扇形平面および前記穿孔ユニットの相対的位置を示す別々の画像を有することを特徴とする削岩リグ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518202(P2013−518202A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551657(P2012−551657)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/FI2011/050165
【国際公開番号】WO2011/104440
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY
【Fターム(参考)】