位置決め装置
【課題】可動プレートのXY並進方向の可動範囲から独立してθ方向の可動範囲を制限することを可能とする位置決め装置を提供する。
【解決手段】XYθステージ1は、可動プレート3に載置される半導体ウエハWのXYθ方向の位置決めを行う装置であり、前記可動プレート3を、XYθ方向に駆動するアクチュエータ41x,43x,41y〜44yと、θ方向の可動範囲を制限する回転制限部20と、を備えている。前記回転制限部20は、前記可動プレート3に対するX方向の並進移動とY方向の並進移動とが許容され、かつθ方向の回転移動が規制されるように前記可動プレート3にリンクされた円筒部材25と、前記基台フレーム5に対して固定され、前記円筒部材25の内壁面との間に間隙をもって円筒部材25に挿通された丸棒部材27と、を有している。
【解決手段】XYθステージ1は、可動プレート3に載置される半導体ウエハWのXYθ方向の位置決めを行う装置であり、前記可動プレート3を、XYθ方向に駆動するアクチュエータ41x,43x,41y〜44yと、θ方向の可動範囲を制限する回転制限部20と、を備えている。前記回転制限部20は、前記可動プレート3に対するX方向の並進移動とY方向の並進移動とが許容され、かつθ方向の回転移動が規制されるように前記可動プレート3にリンクされた円筒部材25と、前記基台フレーム5に対して固定され、前記円筒部材25の内壁面との間に間隙をもって円筒部材25に挿通された丸棒部材27と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部材に載置される対象物のXYθ方向の位置決めを行う位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の位置決め装置が知られている。この位置決め装置は、基台に対して可動プレートをX方向に進退させる第1のアクチュエータと、基台に対して可動プレートをY方向に進退させる第2及び第3のアクチュエータとを備えている。この位置決め装置では、第1のアクチュエータにより可動プレートをX方向に並進移動させ、第2及び第3のアクチュエータを同方向に同量駆動することで可動プレートをY方向に並進移動させる。そして、第2及び第3のアクチュエータを異なる量駆動することで可動プレートをθ方向に回転移動させる。更に、この位置決め装置では、可動プレートの側面に取り付けられたバーミラーとレーザ測長器とを利用して可動プレートの位置検出が行われて、可動プレート位置の制御が行われ、可動プレートの位置決めが行われる。
【特許文献1】特開平9−216137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この位置決め装置では、可動プレートが規定の位置からθ方向に大きく傾いた場合には、可動プレート上のバーミラーも傾いてしまうので、レーザ測長器による位置測定が不可能となり、可動プレートの位置が制御不能に陥ってしまう場合もある。このような事態を回避するためには、可動プレートのθ方向の可動範囲を制限する必要があるが、この位置決め装置の機構によれば、θ方向の可動範囲は、Y方向の可動範囲に依存して決定される。そして、この種の位置決め装置におけるXY方向の並進移動の可動範囲は、ある程度大きく設定する必要があるので、それに伴いθ方向の可動範囲も必然的に大きくならざるを得ないといった状態にあり、θ方向の可動範囲を適切に制限することが困難であった。
【0004】
そこで、このような問題点に鑑み、本発明は、可動部材の第1及び第2の各軸方向の並進方向の可動範囲から独立して、第3の軸周りの回転方向の可動範囲を制限することを可能とする位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の位置決め装置は、基台と、第1の軸に沿った方向及び該第1の軸に直交する第2の軸に沿った方向に基台に相対的に移動可能であり且つ第1及び第2の各軸に直交する第3の軸の周りに基台に相対的に回転可能とされた可動部材とを備え、該可動部材の位置制御によって、当該可動部材上に載置される対象物の基台に対する第1及び第2の各軸に沿った方向及び第3の軸周りの方向の位置決めを行う位置決め装置において、可動部材を、第1及び第2の各軸方向及び第3の軸周り方向に駆動する駆動部と、可動部材の第3の軸周り方向の可動範囲を制限する回転制限部と、を備え、回転制限部は、基台に固定され、第1の軸及び第2の軸を含む平面に沿って延在する延在部材と、第1の軸方向の並進運動と可動部材に対する第2の軸方向の並進運動とが許容されるように可動部材に設けられ、該可動部材が第3の軸周りの所定の回転位置を越えて回転することを規制するための規制部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
この位置決め装置では、駆動部によって可動部材が駆動され、当該可動部材の位置制御が行われる。そして、この可動部材の第3の軸周りの回転方向の可動範囲は、回転制限部により制限されている。回転制限部は、可動部材に設けられ当該可動部材に対して第1及び第2の軸方向に並進移動が可能であり、可動部材の第3の軸周りの所定以上の回転を規制する規制部材を有している。従って、回転制限部によれば、可動部材の第1及び第2の軸方向の並進移動とは無関係に、可動部材の第3の軸周りの方向の可動範囲を制限することができる。
【0007】
また、規制部材は、平面に沿う方向であって延在部材の延在方向に直交する方向で互いに対向し且つ延在部材に間隙をおいて該延在部材を挟んで配置される一対の側壁部を有し、該各側壁部は、それぞれ可動部材の所定の回転位置で延在部材に係合することとしてもよい。
【0008】
また、規制部材は、一対の側壁部を互いに連結する連結部を更に有し、一対の側壁部の少なくとも一方は、他方との間隔が可変となるように連結部に設けられていることとしてもよい。また、延在部材は棒状をなしており、規制部材は、延在部材の延在方向に沿って伸び、該延在部材が挿入される筒状部材であることとしてもよい。
【0009】
また、駆動部は、可動部材を第1の軸方向に進退させる第1の駆動部と、可動部材を第2の軸方向に進退させる2つの第2の駆動部と、を有することとしてもよい。このような構成により、駆動部は、第1の軸方向の並進移動、第2の軸方向の並進移動、及び第3の軸周りの回転移動といった3自由度で、可動部材を駆動することができる。
【0010】
また、回転制限部は、可動部材と規制部材との間に介在する介在部材を有し、介在部材は、第1の軸方向又は第2の軸方向のうちの一方向へ可動部材に相対的に並進移動可能であり、規制部材は、第1の軸方向又は第2の軸方向のうちの他方向へ介在部材に相対的に並進移動可能であることとしてもよい。このような構成により、回転制限部の規制部材は、可動部材に対して、第1及び第2の軸方向の並進移動が許容され、かつ第3の軸周りの回転移動が規制される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の位置決め装置によれば、可動部材の第1及び第2の各軸方向の並進方向の可動範囲から独立して、第3の軸周りの回転方向の可動範囲を制限することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る位置決め装置の好適な実施形態について詳細に説明する。図1〜図4に、本発明の位置決め装置の一実施形態であるXYθステージ(位置決め装置)1を示す。以下では、各図に示すように、水平方向にX軸(第1の軸)とY軸(第2の軸)を取り鉛直方向にZ軸(第3の軸)を取ったXYZ座標系を設定し、説明に用いる。また、XY平面に平行な平面内での回転の方向を「θ方向」とする。
【0013】
各図に示すように、XYθステージ1は、位置決めされる半導体ウエハWを載置する可動プレート(可動部材)3を備えている。可動プレート3の下面には、XY平面に平行に広がり、上記半導体ウエハWを吸着させるための載置面3aが形成されている。この可動プレート3は、XYθステージ1の土台(図示せず)に固定された基台フレーム(基台)5に対して可動であり、X方向の並進移動、Y方向の並進移動、及び、θ方向の回転移動が可能である。XYθステージ1では、可動プレート3を微少駆動してXYθ位置を制御することにより、載置面3aに載置された半導体ウエハWの高精度の位置決めを行う。
【0014】
次に、この可動プレート3をXYθ方向に微少駆動させる駆動機構について説明する。可動プレート3の上下方向の中央部には、YZ平面に平行な互いに対向する側面にそれぞれ設けられた1対のX操作面31x,33xと、XZ平面に平行な互いに対向する側面にそれぞれ設けられた1対のY操作面31y,33yと、が形成されている。そして、基台フレーム5には、X操作面31xの中央を押すためのアクチュエータ(第1の駆動部)41xと、X操作面33xの中央を押すためのアクチュエータ(第1の駆動部)43xとが対向して固定されている。また、基台フレーム5には、Y操作面31yを押すための2つのアクチュエータ(第2の駆動部)41y,42yが、Y操作面31yの中央を基準として対称に配列されて固定されている。更に、その各アクチュエータ41y,42yにそれぞれ対向する位置に、Y操作面33yを押すための2つのアクチュエータ(第2の駆動部)43y,44yが配列されて固定されている。
【0015】
以上のような駆動機構の構成によって、XYθ方向の3自由度での可動プレート3の微少駆動が実現される。すなわち、アクチュエータ41xがX操作面31xを押すと、可動プレート3は+X方向に並進移動し、アクチュエータ43xがX操作面33xを押すと、可動プレート3は−X方向に並進移動する。また、アクチュエータ41y,42yが同速度でY操作面31yを押すと、可動プレート3は+Y方向に並進移動し、アクチュエータ43y,44yが同速度でY操作面33yを押すと、可動プレート3は−Y方向に並進移動する。
【0016】
また、アクチュエータ42y,43yが、同時に、それぞれY操作面31y,33yを押すことにより、可動プレート3は、+θ方向(上から見て反時計方向)に回転移動し、アクチュエータ41y,44yが、同時に、それぞれY操作面31y,33yを押すことにより、可動プレート3は、−θ方向(上から見て時計方向)に回転移動する。
【0017】
また、可動プレート3の側面には、レーザ測長器用のバーミラー7x,7yが取り付けられており、バーミラー7x,7yの側方には、XYθステージ1の土台に固定されたレーザ測長器(図示せず)が位置している。そして、このXYθステージ1では、このバーミラー7x,7yと、レーザ測長器とを利用して可動プレート3のXYθ位置の検出が行われ、可動プレート3のXYθ位置の制御が行われることで、載置面3aに載置された半導体ウエハWの位置決めが行われる。
【0018】
このようなXYθステージ1では、可動プレート3が、規定の位置からθ方向に大きく傾いた場合には、バーミラー7x,7yも大きく傾いてしまうので、レーザ測長器による位置測定が不可能となり、可動プレート3の位置が制御不能に陥ってしまう場合もある。このような事態を回避するためには、可動プレート3のθ方向の可動範囲を制限する必要があるが、上述の駆動機構によれば、θ方向の可動範囲は、Y方向の可動範囲に依存して決定される。そして、この種の位置決め装置では、XY方向における並進移動の可動範囲は、ある程度大きく設定する必要があるので、それに伴いθ方向の可動範囲も必然的に大きくならざるを得なくなる。なお、θ方向の可動範囲の制限は、別途、アクチュエータ41y〜44yの制御により行うことも考えられるが、制御プログラムの複雑化を招いてしまうので、可動範囲は機械的に制限することが望まれる。
【0019】
そこで、このXYθステージ1は、可動プレート3の上方に回転制限部20を備えており、可動プレート3のXY並進方向の可動範囲から独立してθ方向の可動範囲を制限するようにしている。
【0020】
この回転制限部20は、可動プレート3の上方に位置する案内部材(介在部材)23を備えている。また、上記可動プレート3の上面3bには、Y方向に延びる2本のガイドレール21が取り付けられており、案内部材23の下面には、Y方向に延びる2本のスライダ23aが取り付けられている。そして、この2つのスライダ23aと上記2つのガイドレール21とが係合するように案内部材23が配置されるので、案内部材23は、可動プレート3に対してY方向にのみ案内されて並進移動する。
【0021】
更に回転制限部20は、案内部材23の上方に位置しX方向に延びる円筒部材(規制部材)25を備えている。また、上記案内部材23の上面には、X方向に延びるガイドレール23bが設けられており、円筒部材25の下面には、X方向に延びるスライダ25aが取り付けられている。そして、このスライダ25aと案内部材23のガイドレール23bとが係合するように円筒部材25が配置されるので、円筒部材25は、案内部材23に対してX方向にのみ案内されて並進移動する。
【0022】
また、円筒部材25の中空部には、X方向に延びる丸棒部材(延在部材)27が挿通されている。この丸棒部材27は、可動プレート3の上方を横切って架け渡されており、丸棒部材27の両端は、基台フレーム5の両端から上方に延びたアーム5a,5aに固定されている。この丸棒部材27は、円筒部材25の内径よりもわずかに小径に形成されているので、丸棒部材27の外周面と円筒部材25の内壁面との間にはわずかな隙間が形成される。なお、円筒部材25と丸棒部材27とは、可動プレート3のX方向のほぼ全幅に亘る長さを有している。
【0023】
このような回転制限部20の構成に基づき、可動プレート3がX方向又はY方向の並進移動を行うと、この並進移動は案内部材23の動きにより吸収され、円筒部材25は丸棒部材27に対して移動しない。従って、このような回転制限部20は、可動プレート3のXY方向の並進移動を制限しない。
【0024】
一方、この回転制限部20の機構によれば、円筒部材25は、可動プレート3に対してθ方向に回転移動することはできない。従って、可動プレート3がθ方向の回転移動を行うと、この回転移動は、案内部材23の動きに吸収されず、可動プレート3と同じ移動量をもって、円筒部材25がθ方向に回転移動することになる。そして、図5に示すように、この円筒部材25の回転移動量がθ1に達すると、円筒部材25の内壁面の端部25hが、丸棒部材27の外周面に当たり、それ以上の回転移動が規制される。すなわち、円筒部材27の内壁面と丸棒部材25との間に設けられた間隙によって可動プレート3のθ方向の回転移動が許容されると共に、この回転移動の可動範囲は、円筒部材25の内壁面の端部25hが丸棒部材27の外周面に当たる角度±θ1以下に制限される。
【0025】
また、別の見方をすると、図6に示すように、円筒部材25は、Y方向で対向する一対の円筒内壁面(側壁部)25s,25tを有し、丸棒部材27は、この円筒内壁面25sと25tとの間のみを移動可能であると考えることができる。そして、円筒部材25の回転移動量が+θ1或いは−θ1に達した場合には、円筒部材25の外周面が、円筒内壁面25s或いは円筒内壁面25tの端部に当たることにより、円筒部材25のそれ以上の回転移動が規制される。
【0026】
以上のように、このXYθステージ1の回転制限部20によれば、可動プレート3のXY方向の並進移動とは無関係に、可動プレート3のθ方向の可動範囲を機械的に制限することができる。従って、このXYθステージ1によれば、バーミラー7x,7yが所定以上に傾いてしまうことがなく、レーザ測長器による可動プレート3の位置制御が、制御不能に陥ることを防止することができる。
【0027】
また、XYθステージ1では、可動プレート3のθ方向の可動範囲を決定する部材として、X方向に長く延びる円筒部材25及び丸棒部材27が用いられている。このような部材は、比較的作製容易であり、高い位置精度で設置しやすいので、θ方向の可動範囲の制限を精度よく設定することができる。
【0028】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、回転制限部20に、比較的作製容易である円筒部材25及び丸棒部材27を用いているが、これに代えて、他の断面形状の規制部材及び延在部材を用いてもよい。すなわち、例えば、図7に示すように、Y方向で互いに対向する鉛直壁225a,225bを有する矩形断面の四角筒225を、規制部材として用いてもよい。また、この場合、図8に示すように、矩形断面の角棒227を延在部材として用いてもよい。
【0029】
また、規制部材は筒状の部材に限られず、図9に示すように、上方に開放されたコ字断面の部材325を用いてもよい。この部材325は、Y方向で互いに対向する鉛直壁325a,325bを備え、更に、水平の板状部材で構成され鉛直壁325a,325bを下端で連結する連結部325cを備えている。また、この場合、連結部325bに代えて、板状部材以外の部材で連結部を構成してもよい。また、部材325を、下方に開放される向きに配置してもよい。また、図10に示すように、規制部材として部材325を用い、延在部材として角棒227を用いてもよい。
【0030】
また、図11に示すように、鉛直壁の間隔が可変とされたコ字断面部材425を規制部材としてもよい。すなわち、この部材425は、Y方向で互いに対向する鉛直壁425a,425bを備え、更に、水平の板状部材で構成され鉛直壁425a,425bを下端で連結する連結部425cを備えている。そして、鉛直壁425bの固定位置は、連結部425c上においてY方向に移動可能である。また、この場合、鉛直壁425a,425bの双方の固定位置を移動可能としてもよい。このような構成によれば、延在部材の径の大きさに応じて、規制部材における側壁部同士の間隔を変更することができるので、延在部材の径の大きさに拘わらず、延在部材を規制部材内に収容することができる。また、規制部材として円筒部材や四角筒を用いる場合においても、少なくとも何れかの側壁部を移動可能とする構成を採用してもよい。
【0031】
以上説明した各延在部材及び各規制部材が備える各構成は、適宜組み合わせて採用してもよい。
【0032】
また、可動プレート3を駆動するアクチュエータ41x,43x,41y〜44yとしては、エアシリンダ機構を用いたアクチュエータや、リニアモータを用いたアクチュエータ等を適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の位置決め装置の一実施形態であるXYθステージを示す正面図である。
【図2】図1に示すXYθステージの平面図である。
【図3】図2に示すIII-III線に沿うXYθステージの断面図である。
【図4】図1のXYθステージの回転制限部を示す分解斜視図である。
【図5】図1のXYθステージにおいて円筒部材と丸棒部材との位置関係を拡大して示す平面図である。
【図6】図5に示した円筒部材と丸棒部材との位置関係を示す側面図である。
【図7】本発明における規制部材及び延在部材の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図9】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図10】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図11】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…XYθステージ(位置決め装置)、3…可動プレート(可動部材)、5…基台フレーム(基台)、20…回転制限部、23…案内部材(介在部材)、25…円筒部材(規制部材)、25s,25t…円筒内壁面(側壁部)、27…丸棒部材(延在部材)、41x,43x…アクチュエータ(第1の駆動部)、41y,42y,43y,44y…アクチュエータ(第2の駆動部)、225,325,425…規制部材、227…延在部材、225a,225b,325a,325b,425a,425b…側壁部、425c…連結部、W…半導体ウエハ(対象物)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部材に載置される対象物のXYθ方向の位置決めを行う位置決め装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の位置決め装置が知られている。この位置決め装置は、基台に対して可動プレートをX方向に進退させる第1のアクチュエータと、基台に対して可動プレートをY方向に進退させる第2及び第3のアクチュエータとを備えている。この位置決め装置では、第1のアクチュエータにより可動プレートをX方向に並進移動させ、第2及び第3のアクチュエータを同方向に同量駆動することで可動プレートをY方向に並進移動させる。そして、第2及び第3のアクチュエータを異なる量駆動することで可動プレートをθ方向に回転移動させる。更に、この位置決め装置では、可動プレートの側面に取り付けられたバーミラーとレーザ測長器とを利用して可動プレートの位置検出が行われて、可動プレート位置の制御が行われ、可動プレートの位置決めが行われる。
【特許文献1】特開平9−216137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この位置決め装置では、可動プレートが規定の位置からθ方向に大きく傾いた場合には、可動プレート上のバーミラーも傾いてしまうので、レーザ測長器による位置測定が不可能となり、可動プレートの位置が制御不能に陥ってしまう場合もある。このような事態を回避するためには、可動プレートのθ方向の可動範囲を制限する必要があるが、この位置決め装置の機構によれば、θ方向の可動範囲は、Y方向の可動範囲に依存して決定される。そして、この種の位置決め装置におけるXY方向の並進移動の可動範囲は、ある程度大きく設定する必要があるので、それに伴いθ方向の可動範囲も必然的に大きくならざるを得ないといった状態にあり、θ方向の可動範囲を適切に制限することが困難であった。
【0004】
そこで、このような問題点に鑑み、本発明は、可動部材の第1及び第2の各軸方向の並進方向の可動範囲から独立して、第3の軸周りの回転方向の可動範囲を制限することを可能とする位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の位置決め装置は、基台と、第1の軸に沿った方向及び該第1の軸に直交する第2の軸に沿った方向に基台に相対的に移動可能であり且つ第1及び第2の各軸に直交する第3の軸の周りに基台に相対的に回転可能とされた可動部材とを備え、該可動部材の位置制御によって、当該可動部材上に載置される対象物の基台に対する第1及び第2の各軸に沿った方向及び第3の軸周りの方向の位置決めを行う位置決め装置において、可動部材を、第1及び第2の各軸方向及び第3の軸周り方向に駆動する駆動部と、可動部材の第3の軸周り方向の可動範囲を制限する回転制限部と、を備え、回転制限部は、基台に固定され、第1の軸及び第2の軸を含む平面に沿って延在する延在部材と、第1の軸方向の並進運動と可動部材に対する第2の軸方向の並進運動とが許容されるように可動部材に設けられ、該可動部材が第3の軸周りの所定の回転位置を越えて回転することを規制するための規制部材と、を有することを特徴とする。
【0006】
この位置決め装置では、駆動部によって可動部材が駆動され、当該可動部材の位置制御が行われる。そして、この可動部材の第3の軸周りの回転方向の可動範囲は、回転制限部により制限されている。回転制限部は、可動部材に設けられ当該可動部材に対して第1及び第2の軸方向に並進移動が可能であり、可動部材の第3の軸周りの所定以上の回転を規制する規制部材を有している。従って、回転制限部によれば、可動部材の第1及び第2の軸方向の並進移動とは無関係に、可動部材の第3の軸周りの方向の可動範囲を制限することができる。
【0007】
また、規制部材は、平面に沿う方向であって延在部材の延在方向に直交する方向で互いに対向し且つ延在部材に間隙をおいて該延在部材を挟んで配置される一対の側壁部を有し、該各側壁部は、それぞれ可動部材の所定の回転位置で延在部材に係合することとしてもよい。
【0008】
また、規制部材は、一対の側壁部を互いに連結する連結部を更に有し、一対の側壁部の少なくとも一方は、他方との間隔が可変となるように連結部に設けられていることとしてもよい。また、延在部材は棒状をなしており、規制部材は、延在部材の延在方向に沿って伸び、該延在部材が挿入される筒状部材であることとしてもよい。
【0009】
また、駆動部は、可動部材を第1の軸方向に進退させる第1の駆動部と、可動部材を第2の軸方向に進退させる2つの第2の駆動部と、を有することとしてもよい。このような構成により、駆動部は、第1の軸方向の並進移動、第2の軸方向の並進移動、及び第3の軸周りの回転移動といった3自由度で、可動部材を駆動することができる。
【0010】
また、回転制限部は、可動部材と規制部材との間に介在する介在部材を有し、介在部材は、第1の軸方向又は第2の軸方向のうちの一方向へ可動部材に相対的に並進移動可能であり、規制部材は、第1の軸方向又は第2の軸方向のうちの他方向へ介在部材に相対的に並進移動可能であることとしてもよい。このような構成により、回転制限部の規制部材は、可動部材に対して、第1及び第2の軸方向の並進移動が許容され、かつ第3の軸周りの回転移動が規制される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の位置決め装置によれば、可動部材の第1及び第2の各軸方向の並進方向の可動範囲から独立して、第3の軸周りの回転方向の可動範囲を制限することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る位置決め装置の好適な実施形態について詳細に説明する。図1〜図4に、本発明の位置決め装置の一実施形態であるXYθステージ(位置決め装置)1を示す。以下では、各図に示すように、水平方向にX軸(第1の軸)とY軸(第2の軸)を取り鉛直方向にZ軸(第3の軸)を取ったXYZ座標系を設定し、説明に用いる。また、XY平面に平行な平面内での回転の方向を「θ方向」とする。
【0013】
各図に示すように、XYθステージ1は、位置決めされる半導体ウエハWを載置する可動プレート(可動部材)3を備えている。可動プレート3の下面には、XY平面に平行に広がり、上記半導体ウエハWを吸着させるための載置面3aが形成されている。この可動プレート3は、XYθステージ1の土台(図示せず)に固定された基台フレーム(基台)5に対して可動であり、X方向の並進移動、Y方向の並進移動、及び、θ方向の回転移動が可能である。XYθステージ1では、可動プレート3を微少駆動してXYθ位置を制御することにより、載置面3aに載置された半導体ウエハWの高精度の位置決めを行う。
【0014】
次に、この可動プレート3をXYθ方向に微少駆動させる駆動機構について説明する。可動プレート3の上下方向の中央部には、YZ平面に平行な互いに対向する側面にそれぞれ設けられた1対のX操作面31x,33xと、XZ平面に平行な互いに対向する側面にそれぞれ設けられた1対のY操作面31y,33yと、が形成されている。そして、基台フレーム5には、X操作面31xの中央を押すためのアクチュエータ(第1の駆動部)41xと、X操作面33xの中央を押すためのアクチュエータ(第1の駆動部)43xとが対向して固定されている。また、基台フレーム5には、Y操作面31yを押すための2つのアクチュエータ(第2の駆動部)41y,42yが、Y操作面31yの中央を基準として対称に配列されて固定されている。更に、その各アクチュエータ41y,42yにそれぞれ対向する位置に、Y操作面33yを押すための2つのアクチュエータ(第2の駆動部)43y,44yが配列されて固定されている。
【0015】
以上のような駆動機構の構成によって、XYθ方向の3自由度での可動プレート3の微少駆動が実現される。すなわち、アクチュエータ41xがX操作面31xを押すと、可動プレート3は+X方向に並進移動し、アクチュエータ43xがX操作面33xを押すと、可動プレート3は−X方向に並進移動する。また、アクチュエータ41y,42yが同速度でY操作面31yを押すと、可動プレート3は+Y方向に並進移動し、アクチュエータ43y,44yが同速度でY操作面33yを押すと、可動プレート3は−Y方向に並進移動する。
【0016】
また、アクチュエータ42y,43yが、同時に、それぞれY操作面31y,33yを押すことにより、可動プレート3は、+θ方向(上から見て反時計方向)に回転移動し、アクチュエータ41y,44yが、同時に、それぞれY操作面31y,33yを押すことにより、可動プレート3は、−θ方向(上から見て時計方向)に回転移動する。
【0017】
また、可動プレート3の側面には、レーザ測長器用のバーミラー7x,7yが取り付けられており、バーミラー7x,7yの側方には、XYθステージ1の土台に固定されたレーザ測長器(図示せず)が位置している。そして、このXYθステージ1では、このバーミラー7x,7yと、レーザ測長器とを利用して可動プレート3のXYθ位置の検出が行われ、可動プレート3のXYθ位置の制御が行われることで、載置面3aに載置された半導体ウエハWの位置決めが行われる。
【0018】
このようなXYθステージ1では、可動プレート3が、規定の位置からθ方向に大きく傾いた場合には、バーミラー7x,7yも大きく傾いてしまうので、レーザ測長器による位置測定が不可能となり、可動プレート3の位置が制御不能に陥ってしまう場合もある。このような事態を回避するためには、可動プレート3のθ方向の可動範囲を制限する必要があるが、上述の駆動機構によれば、θ方向の可動範囲は、Y方向の可動範囲に依存して決定される。そして、この種の位置決め装置では、XY方向における並進移動の可動範囲は、ある程度大きく設定する必要があるので、それに伴いθ方向の可動範囲も必然的に大きくならざるを得なくなる。なお、θ方向の可動範囲の制限は、別途、アクチュエータ41y〜44yの制御により行うことも考えられるが、制御プログラムの複雑化を招いてしまうので、可動範囲は機械的に制限することが望まれる。
【0019】
そこで、このXYθステージ1は、可動プレート3の上方に回転制限部20を備えており、可動プレート3のXY並進方向の可動範囲から独立してθ方向の可動範囲を制限するようにしている。
【0020】
この回転制限部20は、可動プレート3の上方に位置する案内部材(介在部材)23を備えている。また、上記可動プレート3の上面3bには、Y方向に延びる2本のガイドレール21が取り付けられており、案内部材23の下面には、Y方向に延びる2本のスライダ23aが取り付けられている。そして、この2つのスライダ23aと上記2つのガイドレール21とが係合するように案内部材23が配置されるので、案内部材23は、可動プレート3に対してY方向にのみ案内されて並進移動する。
【0021】
更に回転制限部20は、案内部材23の上方に位置しX方向に延びる円筒部材(規制部材)25を備えている。また、上記案内部材23の上面には、X方向に延びるガイドレール23bが設けられており、円筒部材25の下面には、X方向に延びるスライダ25aが取り付けられている。そして、このスライダ25aと案内部材23のガイドレール23bとが係合するように円筒部材25が配置されるので、円筒部材25は、案内部材23に対してX方向にのみ案内されて並進移動する。
【0022】
また、円筒部材25の中空部には、X方向に延びる丸棒部材(延在部材)27が挿通されている。この丸棒部材27は、可動プレート3の上方を横切って架け渡されており、丸棒部材27の両端は、基台フレーム5の両端から上方に延びたアーム5a,5aに固定されている。この丸棒部材27は、円筒部材25の内径よりもわずかに小径に形成されているので、丸棒部材27の外周面と円筒部材25の内壁面との間にはわずかな隙間が形成される。なお、円筒部材25と丸棒部材27とは、可動プレート3のX方向のほぼ全幅に亘る長さを有している。
【0023】
このような回転制限部20の構成に基づき、可動プレート3がX方向又はY方向の並進移動を行うと、この並進移動は案内部材23の動きにより吸収され、円筒部材25は丸棒部材27に対して移動しない。従って、このような回転制限部20は、可動プレート3のXY方向の並進移動を制限しない。
【0024】
一方、この回転制限部20の機構によれば、円筒部材25は、可動プレート3に対してθ方向に回転移動することはできない。従って、可動プレート3がθ方向の回転移動を行うと、この回転移動は、案内部材23の動きに吸収されず、可動プレート3と同じ移動量をもって、円筒部材25がθ方向に回転移動することになる。そして、図5に示すように、この円筒部材25の回転移動量がθ1に達すると、円筒部材25の内壁面の端部25hが、丸棒部材27の外周面に当たり、それ以上の回転移動が規制される。すなわち、円筒部材27の内壁面と丸棒部材25との間に設けられた間隙によって可動プレート3のθ方向の回転移動が許容されると共に、この回転移動の可動範囲は、円筒部材25の内壁面の端部25hが丸棒部材27の外周面に当たる角度±θ1以下に制限される。
【0025】
また、別の見方をすると、図6に示すように、円筒部材25は、Y方向で対向する一対の円筒内壁面(側壁部)25s,25tを有し、丸棒部材27は、この円筒内壁面25sと25tとの間のみを移動可能であると考えることができる。そして、円筒部材25の回転移動量が+θ1或いは−θ1に達した場合には、円筒部材25の外周面が、円筒内壁面25s或いは円筒内壁面25tの端部に当たることにより、円筒部材25のそれ以上の回転移動が規制される。
【0026】
以上のように、このXYθステージ1の回転制限部20によれば、可動プレート3のXY方向の並進移動とは無関係に、可動プレート3のθ方向の可動範囲を機械的に制限することができる。従って、このXYθステージ1によれば、バーミラー7x,7yが所定以上に傾いてしまうことがなく、レーザ測長器による可動プレート3の位置制御が、制御不能に陥ることを防止することができる。
【0027】
また、XYθステージ1では、可動プレート3のθ方向の可動範囲を決定する部材として、X方向に長く延びる円筒部材25及び丸棒部材27が用いられている。このような部材は、比較的作製容易であり、高い位置精度で設置しやすいので、θ方向の可動範囲の制限を精度よく設定することができる。
【0028】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、回転制限部20に、比較的作製容易である円筒部材25及び丸棒部材27を用いているが、これに代えて、他の断面形状の規制部材及び延在部材を用いてもよい。すなわち、例えば、図7に示すように、Y方向で互いに対向する鉛直壁225a,225bを有する矩形断面の四角筒225を、規制部材として用いてもよい。また、この場合、図8に示すように、矩形断面の角棒227を延在部材として用いてもよい。
【0029】
また、規制部材は筒状の部材に限られず、図9に示すように、上方に開放されたコ字断面の部材325を用いてもよい。この部材325は、Y方向で互いに対向する鉛直壁325a,325bを備え、更に、水平の板状部材で構成され鉛直壁325a,325bを下端で連結する連結部325cを備えている。また、この場合、連結部325bに代えて、板状部材以外の部材で連結部を構成してもよい。また、部材325を、下方に開放される向きに配置してもよい。また、図10に示すように、規制部材として部材325を用い、延在部材として角棒227を用いてもよい。
【0030】
また、図11に示すように、鉛直壁の間隔が可変とされたコ字断面部材425を規制部材としてもよい。すなわち、この部材425は、Y方向で互いに対向する鉛直壁425a,425bを備え、更に、水平の板状部材で構成され鉛直壁425a,425bを下端で連結する連結部425cを備えている。そして、鉛直壁425bの固定位置は、連結部425c上においてY方向に移動可能である。また、この場合、鉛直壁425a,425bの双方の固定位置を移動可能としてもよい。このような構成によれば、延在部材の径の大きさに応じて、規制部材における側壁部同士の間隔を変更することができるので、延在部材の径の大きさに拘わらず、延在部材を規制部材内に収容することができる。また、規制部材として円筒部材や四角筒を用いる場合においても、少なくとも何れかの側壁部を移動可能とする構成を採用してもよい。
【0031】
以上説明した各延在部材及び各規制部材が備える各構成は、適宜組み合わせて採用してもよい。
【0032】
また、可動プレート3を駆動するアクチュエータ41x,43x,41y〜44yとしては、エアシリンダ機構を用いたアクチュエータや、リニアモータを用いたアクチュエータ等を適宜採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の位置決め装置の一実施形態であるXYθステージを示す正面図である。
【図2】図1に示すXYθステージの平面図である。
【図3】図2に示すIII-III線に沿うXYθステージの断面図である。
【図4】図1のXYθステージの回転制限部を示す分解斜視図である。
【図5】図1のXYθステージにおいて円筒部材と丸棒部材との位置関係を拡大して示す平面図である。
【図6】図5に示した円筒部材と丸棒部材との位置関係を示す側面図である。
【図7】本発明における規制部材及び延在部材の他の例を示す断面図である。
【図8】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図9】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図10】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【図11】本発明における規制部材及び延在部材の更に他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…XYθステージ(位置決め装置)、3…可動プレート(可動部材)、5…基台フレーム(基台)、20…回転制限部、23…案内部材(介在部材)、25…円筒部材(規制部材)、25s,25t…円筒内壁面(側壁部)、27…丸棒部材(延在部材)、41x,43x…アクチュエータ(第1の駆動部)、41y,42y,43y,44y…アクチュエータ(第2の駆動部)、225,325,425…規制部材、227…延在部材、225a,225b,325a,325b,425a,425b…側壁部、425c…連結部、W…半導体ウエハ(対象物)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、第1の軸に沿った方向及び該第1の軸に直交する第2の軸に沿った方向に前記基台に相対的に移動可能であり且つ前記第1及び第2の各軸に直交する第3の軸の周りに前記基台に相対的に回転可能とされた可動部材と、を備え、該可動部材の位置制御によって、当該可動部材上に載置される対象物の前記基台に対する前記第1及び第2の各軸に沿った方向及び前記第3の軸周りの方向の位置決めを行う位置決め装置において、
前記可動部材を、前記第1及び第2の各軸方向及び前記第3の軸周り方向に駆動する駆動部と、
前記可動部材の前記第3の軸周り方向の可動範囲を制限する回転制限部と、を備え、
前記回転制限部は、
前記基台に固定され、前記第1の軸及び前記第2の軸を含む平面に沿って延在する延在部材と、
前記第1の軸方向の並進運動と前記可動部材に対する前記第2の軸方向の並進運動とが許容されるように前記可動部材に設けられ、該可動部材が前記第3の軸周りの所定の回転位置を越えて回転することを規制するための規制部材と、を有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記規制部材は、
前記平面に沿う方向であって前記延在部材の延在方向に直交する方向で互いに対向し且つ前記延在部材に間隙をおいて該延在部材を挟んで配置される一対の側壁部を有し、
該各側壁部は、それぞれ前記可動部材の前記所定の回転位置で前記延在部材に係合することを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記規制部材は、一対の前記側壁部を互いに連結する連結部を更に有し、一対の前記側壁部の少なくとも一方は、他方との間隔が可変となるように前記連結部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記延在部材は棒状をなしており、前記規制部材は、前記延在部材の延在方向に沿って伸び、該延在部材が挿入される筒状部材であることを特徴とする請求項2又は3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記駆動部は、
前記可動部材を前記第1の軸方向に進退させる第1の駆動部と、
前記可動部材を前記第2の軸方向に進退させる2つの第2の駆動部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記回転制限部は、
前記可動部材と前記規制部材との間に介在する介在部材を有し、
前記介在部材は、
前記第1の軸方向又は前記第2の軸方向のうちの一方向へ前記可動部材に相対的に並進移動可能であり、
前記規制部材は、
前記第1の軸方向又は前記第2の軸方向のうちの他方向へ前記介在部材に相対的に並進移動可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の位置決め装置。
【請求項1】
基台と、第1の軸に沿った方向及び該第1の軸に直交する第2の軸に沿った方向に前記基台に相対的に移動可能であり且つ前記第1及び第2の各軸に直交する第3の軸の周りに前記基台に相対的に回転可能とされた可動部材と、を備え、該可動部材の位置制御によって、当該可動部材上に載置される対象物の前記基台に対する前記第1及び第2の各軸に沿った方向及び前記第3の軸周りの方向の位置決めを行う位置決め装置において、
前記可動部材を、前記第1及び第2の各軸方向及び前記第3の軸周り方向に駆動する駆動部と、
前記可動部材の前記第3の軸周り方向の可動範囲を制限する回転制限部と、を備え、
前記回転制限部は、
前記基台に固定され、前記第1の軸及び前記第2の軸を含む平面に沿って延在する延在部材と、
前記第1の軸方向の並進運動と前記可動部材に対する前記第2の軸方向の並進運動とが許容されるように前記可動部材に設けられ、該可動部材が前記第3の軸周りの所定の回転位置を越えて回転することを規制するための規制部材と、を有することを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記規制部材は、
前記平面に沿う方向であって前記延在部材の延在方向に直交する方向で互いに対向し且つ前記延在部材に間隙をおいて該延在部材を挟んで配置される一対の側壁部を有し、
該各側壁部は、それぞれ前記可動部材の前記所定の回転位置で前記延在部材に係合することを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記規制部材は、一対の前記側壁部を互いに連結する連結部を更に有し、一対の前記側壁部の少なくとも一方は、他方との間隔が可変となるように前記連結部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記延在部材は棒状をなしており、前記規制部材は、前記延在部材の延在方向に沿って伸び、該延在部材が挿入される筒状部材であることを特徴とする請求項2又は3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記駆動部は、
前記可動部材を前記第1の軸方向に進退させる第1の駆動部と、
前記可動部材を前記第2の軸方向に進退させる2つの第2の駆動部と、を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記回転制限部は、
前記可動部材と前記規制部材との間に介在する介在部材を有し、
前記介在部材は、
前記第1の軸方向又は前記第2の軸方向のうちの一方向へ前記可動部材に相対的に並進移動可能であり、
前記規制部材は、
前記第1の軸方向又は前記第2の軸方向のうちの他方向へ前記介在部材に相対的に並進移動可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の位置決め装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−250835(P2009−250835A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−100465(P2008−100465)
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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