説明

位置決め装置

【課題】透明性基板上に形成された不透明なデバイスパターンを観察像において明確に識別することができる観察方法、および観察装置を提供する。
【解決手段】デバイスパターン3が形成されている側に粘着シート4を貼り付けたうえで透明なステージ7に固定し、ステージ7の上方から同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2とを重畳的に照射するとともに、ステージ7の下方側からステージ7を介して裏面観察手段6で観察することで、観察像においては、デバイスパターン3に対応して、暗い(黒色の)デバイスパターン像が観察され、デバイスパターン像IP1以外の部分は明るく観察される。また、気泡5に対応する部分IB1についても十分に明るく観察される。これにより、観察像においてデバイスパターン3の形状を明確に特定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明または半透明の基板の上に設けられたデバイスパターンを観察像において明確に識別することが出来る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サファイアなど硬度が高く、かつ脆性を有する材料を基板に用いて短波長LD(レーザーダイオード)やLED(発光ダイオード)などのデバイスパターンを形成したものに対し、パルスレーザーを照射することによって分割のための起点を形成する方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている装置やその他の装置で基板をデバイスチップ単位に分割するための分割起点を形成する場合、分割位置は、基板上に設けられている所定の位置基準物をCCDカメラなどからなる観察光学系を用いて観察・撮像し、得られた撮像データに基づいて特定される該位置基準物の座標を元に、演算処理によって決定される。なお、位置基準物としては、あらかじめ形成しておいた位置決め用マーカーなどが用いられるほか、デバイスパターン自体が位置基準物を兼ねる場合もある。
【0004】
分割位置の決定精度は、観察光学系によって得られる位置基準物の像の状態に依存する。従って、観察光学系による観察・撮像に際しては、位置基準物の像が明瞭に得られること、および、位置基準物が基板や基板に付着した異物などと明確に区別されることが求められる。そのために、観察光学系による観察は、同軸照明(明視野照明)や斜光照明(暗視野照明)による照明光を観察面に照射しつつ行われることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/062017号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、サファイアなどの透明または半透明の基板(以下これらを「透明性基板」と称する)を所定位置で分割しようとする場合など、透明性基板上の任意の位置を正確に特定することが必要となる場合がある。そうした場合に、透明性基板上に形成されてなる不透明部分の配置位置や配置形状を手がかりとして当該位置の特定を行うことは一般的である。例えば、金属薄膜などの不透明なデバイスパターンを形成したものを個々のデバイス単位に分割しようとする場合に、デバイスパターンが形成されている側の主面に所定の粘着シートを貼り付け、透明性基板のデバイスパターンが形成されていない(粘着シートが貼り付けられていない)側の主面が、加工手段や観察光学系などが設けられている側を向くように固定することがある。この場合、観察光学系からは、透明性基板越しにデバイスパターンを裏側から観察することになる。
【0007】
このような場合、粘着シートと透明性基板との界面部分や、デバイスパターンの端部部分などに、粘着シートの密着性が十分でないことが原因となって生じた気泡が存在していると、該気泡からの乱反射が生じることによって、該気泡とデバイスパターンとの識別が難しくなり、観察像(撮像画像)に基づいてデバイスパターンの形状を正確に特定できない場合がある。
【0008】
また、デバイスパターンと透明性基板との間に、観察用の照明光を拡散させる作用を有する拡散層が設けられている場合、つまりは、透明性基板の上に下地層として拡散層を形成し、該拡散層の上にデバイスパターンが設けられている場合も、観察光学系は透明性基板のみならず拡散層もが介在した状態でデバイスパターンを観察するため、正確な像を得ることが出来ない場合がある。拡散層には、光デバイスにおける光取り出し効率を高めることを目的として、透明性基板の表面にエンボス処理を施すことによって形成される層などが、該当する。
【0009】
図9は、係る場合に得られる観察像について説明するための図である。なお、ここでは、図9(a)に示すように、透明性基板101の一方主面上に拡散層102が下地層として設けられた上でデバイスパターン103が形成されることで構成された積層体100の、デバイスパターン103が形成された側の主面に粘着シート104を貼り付けた上で、該粘着シート104の側をステージ107に吸引固定し、観察手段106にて観察を行う場合を例として示している。なお、粘着シート104と透明性基板101との界面や、デバイスパターン103の端部部分に、気泡105が存在しているものとする。
【0010】
図9(a)に示すように、透明性基板101に向けて落射照明光L1001を照射した状態で観察手段106により観察を行うと、照明光は拡散層102で吸収や反射を受ける。そのため、図9(b)に示すように、観察像I1001は全体が明るい像となり、気泡の影響は相殺されるものの、デバイスパターン像IP1001が不明瞭となってしまうことになる。
【0011】
係る問題を解決する方法として、ステージを透明な石英にて構成し、ステージよりも下側からステージを介して粘着シートに貼り付けられた基板に同軸照明(透過照明)を照射する、透過照明系を用いて、デバイスパターンを観察する態様が考えられる。
【0012】
図10は、係る場合に得られる観察像について説明するための図である。図10(a)に示すように、観察手段106とは石英製の透明なステージ207を隔てて反対側の空間から透明性基板101に対して透過照明光L1002を照射した状態で、観察手段106により観察を行うと、デバイスパターン103の部分は照明が透過しないものの、それ以外のところでは透過するので、観察手段106においてはこの透過光L1002tによる像が観察される。具体的にいうと、図10(b)に示すように、観察像I1002は、粘着シート104や拡散層102による吸収や拡散(乱反射)に伴う減光を受けるものの全体的には比較的明るい像として得られる。ただし、照明光が透過しないデバイスパターン103の部分については、暗い(黒色の)デバイスパターン像IP1002が観察される。従って、デバイスパターン103自体については、透明性基板101に対して高いコントラストで識別可能に観察される。しかしながら、気泡105が存在すると、そこで照明光が屈折するため、気泡105に対応する部分の像IB1002は、周囲よりも暗く観察されてしまう。この気泡部分を明るくすべく照射光の光量を上げると、デバイスパターン103の部分においても透過が生じ、コントラストが低下する場合もある。そのため、観察像I1002において気泡105とデバイスパターン103とを明瞭に識別することが難しい、という問題が残ることになる。
【0013】
また、このような透過照明の場合、基板のロット間で透過度にばらつきがあることに起因して、デバイスパターンを観察した場合のコントラスト(観察・撮像されるデバイスパターンの像の明瞭さ)が個々の透明性基板によって異なり、分割位置の決定精度が一定しないという問題が生じることもある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、透明性基板上に形成された不透明なデバイスパターンを観察像において明確に識別することができる観察方法、および係る観察方法を利用して加工位置を正確に特定することが出来る観察装置と、その応用としてのレーザー加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、透明性基板の一方の主面側に形成された不透明性部分を観察するための観察装置を備える位置決め装置であって、前記観察装置は、粘着シートが貼り付けられた前記透明性基板を支持する支持手段と、同軸照明光を照射する同軸照明光源と、斜光照明光を照射する斜光照明光源と、前記透明性基板の第1の主面の側から前記透明性基板を観察する観察手段と、前記観察手段によって把握される、観察領域における前記透明性基板の前記不透明部分以外についての光量が前記観察領域の全体について略同一となるように、前記同軸照明光と前記斜光照明光の少なくとも一方についての照射状態を調整する調整手段と、を備え、前記支持手段は、前記観察手段が観察可能に前記透明性基板を支持し、前記同軸照明光源と前記斜光照明光源は前記透明性基板の前記第1の主面と反対側の主面である第2の主面の側から前記透明性基板に対して前記同軸照明光と前記斜光照明光とをそれぞれ照射する、ことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る位置決め装置であって、前記透明性基板に前記同軸照明光と前記斜光照明光とを重畳的に照射した状態で、前記観察手段が前記透明性基板の観察像を取得することを特徴とする。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明に係る位置決め装置であって、前記透明性基板に前記同軸照明光を照射したときに前記観察手段によって観察される第1観察像と、前記透明性基板に前記斜光照明光を照射したときに前記観察手段によって観察される第2観察像との合成画像を得る合成手段、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし請求項3の発明によれば、透明性基板の上にデバイスパターンなどの不透明部分が形成されている場合に、観察像においてデバイスパターンなどの不透明部分の形状を明確に特定することが可能となる。
【0019】
特に、請求項1ないし請求項3の発明によれば、不透明部分を有する透明性基板の位置決めする場合に、透明性基板の上の不透明部分の形状を明確に特定することが可能となるため、精度の高い位置決めを行うことができる。
【0020】
特に、請求項2または請求項3の発明によれば、同軸照明光と斜光照明光との光量を好適に調整したうえで観察を行えるので、透明部分と不透明部分とのコントラストが向上した良好な観察結果を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る観察方法について説明するための図である。
【図2】同軸透過照明光L1の照射と斜光透過照明光L2の照射とについて、より詳細に示す図である。
【図3】レーザー加工装置50の構成を概略的に示す模式図である。
【図4】第2の実施の形態に係るレーザー加工装置500の構成を概略的に示す模式図である。
【図5】同軸照明光L1を照射したときに、CCDカメラ6aによって撮像される観察像I2の一例を示す図である。
【図6】斜光照明光L2を照射したときに、CCDカメラ6aによって撮像される観察像I3の一例を示す図である。
【図7】図5に示す観察像I2と図6に示す観察像I3とに基づいて合成された、合成画像I4を示す図である。
【図8】変形例に係る観察方法について説明するための図である。
【図9】デバイスパターンと透明性基板との間に拡散層が設けられている積層体を落射照明を用いて観察する場合について説明するための図である。
【図10】デバイスパターンと透明性基板との間に拡散層が設けられている積層体を透過照明を用いて観察する場合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<1.第1の実施の形態>
<1.1.観察のための原理的構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る観察方法について説明するための図である。本実施の形態においては、観察対象が、図1(a)に示すような、サファイアのような透明性基板1の一方主面側に、観察用の照明光を拡散させる作用を有する拡散層2が下地層として設けられた上で、金属配線や電極などの不透明なデバイスパターン3が形成されてなる積層体10である場合を例に説明する。なお、透明性基板1とデバイスパターン3との間に、GaNなどのIII族窒化物などからなり、透明性を有する半導体層が設けられている態様であってもよい。
【0023】
また、本実施の形態においては、図1(a)に示すように、積層体10のデバイスパターン3が形成された側の主面に粘着シート4を貼り付けた上で、該粘着シート4の側を透明な例えば石英で形成されたステージ7に固定して、デバイスパターン3の観察を行う場合を例として説明する。なお、粘着シート4と透明性基板1との界面や、デバイスパターン3の端部部分には、気泡5が存在しているものとする。本実施の形態に係る観察方法は、係る態様で固定された積層体10の観察を行う場合に、より作用効果を奏する。
【0024】
このような固定は、公知の手法によって実現可能である。例えば、吸引固定を行う場合であれば、ステージ7の上面に、同心円状に複数の吸引溝を設けるとともに該吸引溝の底部に放射状に吸引孔を設け、被加工物をステージ7の上面に載置した状態で、吸引孔に接続された例えば吸引ポンプなどの吸引手段を動作させることにより、被加工物に対して吸引溝に沿って吸引力を作用させることによって実現される。
【0025】
本実施の形態においては、このような積層体10に対して、ステージ7の上方から、つまりは透明性基板1の裏面側から、入射角が90°である(基板の主面に略垂直な光軸を有する)同軸照明光(明視野照明光)L1と入射角が鋭角である斜光照明光(暗視野照明光)L2とを同時に照射するとともに、例えばCCDカメラや所定の表示装置などからなる裏面観察手段6をステージ7の下方に設け、ステージ7を介してデバイスパターン3を観察するようにする。すなわち、同軸照明光L1と斜光照明光L2とを透過照明光として重畳的に与えつつ、裏面観察手段6によって観察を行うものとする。これに対応して、以降の説明においては、同軸照明光L1と斜光照明光L2とをそれぞれ、同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2とも称する。
【0026】
同軸照明光L1と斜光照明光L2との光源としては、例えば、指向性が強い(照射角度15°程度の)高輝度の白色LEDなどが好適である。他には、ランプや光ファイバーの出射端面などを用いることが出来る。
【0027】
図1(b)は、この場合に裏面観察手段6において得られる観察像I1を例示する図である。係る場合、デバイスパターン3の部分では、同軸透過照明光L1、斜光透過照明光L2ともに透過しない。よって、観察像I1においては、デバイスパターン3に対応して、暗い(黒色の)デバイスパターン像IP1が観察される。一方、デバイスパターン3以外の部分においては透過光L1tが得られる。この透過光L1tは、同軸透過照明光L1がダイレクトに透過した成分と、斜光透過照明光L2が粘着シート4と拡散層2とによって拡散(乱反射)を受けて結果的に透過した成分が重畳してなるものである。その結果、観察像I1においては、デバイスパターン像IP1以外の部分は明るく観察される。また、気泡5においては、同軸透過照明光L1、斜光透過照明光L2ともに屈折するが、斜光透過照明光L2が上記のように拡散することから、観察像I1においては、気泡5に対応する部分IB1についても十分に明るく観察されることになる。これは、気泡5などが存在する場合であっても、観察像I1における、デバイスパターン3が形成された不透明部分以外の部分の光量のバラツキが、斜光透過照明L2を照射することによって抑制されることを意味している。結果として、観察像I1においては、黒色のデバイスパターン像IP1が、他の部分と十分なコントラストをもって明瞭に識別されることになる。
【0028】
すなわち、透明性基板1の上にデバイスパターン3が形成されている積層体10については、該デバイスパターン3が形成されている側に粘着シート4を貼り付けたうえで透明なステージ7に固定し、ステージ7の上方から同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2とを重畳的に照射するとともに、ステージ7の下方側からステージ7を介して裏面観察手段6で観察することで、観察像においてデバイスパターン3の形状を明確に特定することが可能となる。また、デバイスパターンに限らず、同様の不透明部分が形成されている場合においても、上述の方法を適用すれば当該不透明部分の形状を明確に識別することが可能となる。なお、粘着シート4を備えることは観察に際して必須ではないので、透明性基板1を直接にステージ7に載置して観察することも原理的には可能である。係る場合、粘着シート4による乱反射の影響を受けずに観察することができる。
【0029】
図2は、同軸照明光源S1からの同軸透過照明光L1の照射と斜光照明光源S2からの斜光透過照明光L2の照射の態様について、より詳細に示す図である。具体的には、同軸照明光源S1から発せられた同軸透過照明光L1と、斜光照明光源S2から発せられた斜光透過照明光L2とが、ステージ7の上方から透明性基板1に照射されるようになっている。
【0030】
ただし、上述のような、斜光透過照明光L2を照射することによる不透明部分のコントラスト向上の効果をより好適に得るためには、観察領域における透明性基板1の不透明部分以外についての光量が、該観察領域の全体について略同一となるように(少なくとも肉眼で見た場合の明るさが同程度となるように)、同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2の少なくとも一方についての照射状態を調整可能とされてなるのが好ましい。例えば、図1の場合であれば、同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2との照射バランスによっては、観察像I1において気泡5に対応する部分IB1が、透過光L1が直接に得られる部分と異なるコントラストで観察される場合も有り得る。係る場合に、両者のコントラストが同程度となるように該照射状態を調整できれば、不透明部分をより確実に識別することが出来るようになる。
【0031】
その1つの方策として、同軸透過照明光L1を照射する同軸照明光源S1と斜光照明光L2を照射する斜光照明光源S1の少なくとも一方と、透明性基板1との距離を調整することで、観察領域全体の不透明部分以外の光量を略同一にする態様がある。図2は、同軸照明光源S1を斜光照明光源S2よりも透明性基板1から遠ざけた場合を例示している。
【0032】
あるいは、同軸照明光源S1と斜光照明光源S2との少なくとも一方が輝度を調整する態様ことで、観察領域全体の不透明部分以外の光量を略同一にする態様であってもよい。あるいはさらに、図2に示すように、同軸照明光源S1と照射位置との間に拡散板Dを設けるようにしてもよい。
【0033】
さらに、斜光透過照明光L2の入射角θを調整することで、観察領域全体の不透明部分以外の光量を略同一にする態様であってもよい。
【0034】
なお、これらの調整手法は、観察対象に応じて適宜に選択され、あるいは重畳的に用いられてもよい。
【0035】
また、観察手段が例えばCCDカメラなどの撮像素子である場合、観察領域についての光量を画素単位で数値化して把握できるので、撮像素子によって取得された数値データに基づき、最適な照射状態(光源の位置、輝度、角度などの最適条件)を決定するようにされていてもよい。
【0036】
なお、図2においては、斜光照明光源S2が同軸透過照明光L1の照射方向を対称軸として左右対称に2つ設けられている場合を例示しているが、斜光照明光源S2の数はこれに限定されず、さらに多くの数の斜光照明光源S2が、同軸透過照明光L1の照射方向が対称軸となるように対称配置されてなる態様であってもよい。
【0037】
<1.2.レーザー加工装置への適用>
次に、上述のような原理で観察を行うことが出来る観察装置の一例としてのレーザー加工装置について説明する。図3は、係るレーザー加工装置50の構成を概略的に示す模式図である。なお、図3においては、加工対象(観察対象)である被加工物が粘着シート4に貼り付けられた積層体10である場合を例示しているが、被加工物は、これに限られるものではない。また、レーザー加工装置50の以下に示す各部の動作(レーザー光の照射、ステージの移動、照明光の照射、加工位置決定のための演算処理など)は、いずれも図示しないコンピュータなどからなる所定の制御手段によって制御されるものとする。
【0038】
レーザー加工装置50は、表面観察部50Aと、裏面観察部50Bと、両者の間で移動可能な、例えば石英などからなる透明なステージ7とを主として備える。表面観察部50Aは、ステージ7に載置された被加工物をレーザー光が照射される側(これを表面と称する)から観察する観察部であり、裏面観察部50Bは、該積層体10をステージ7に載置された側(これを裏面と称する)から該ステージ7を介して観察する観察部である。また、ステージ7は、移動機構7mによって水平方向に移動可能とされてなる。
【0039】
移動機構7mは、図示しない駆動手段の作用により水平面内で所定のXY2軸方向にステージ7を移動させる。これにより、係る表面観察部50Aと裏面観察部50Bとの間のステージ7の移動、および、それぞれの観察部内における観察位置の移動やレーザー光照射位置の移動が実現されてなる。すなわち、レーザー加工装置50においては、移動機構7mによってステージ7を移動させることによって、表面観察部50Aによる表面側の観察と、裏面観察部50Bによる裏面側の観察とを切替可能に行えるようになっている。これにより、被加工物の材質や状態に応じた最適な観察を柔軟かつ速やかに行うことが出来る。なお、移動機構7mについては、所定の回転軸を中心とした、水平面内における回転(θ回転)動作も、水平駆動と独立に行えることが、アライメントなどを行う上ではより好ましい。
【0040】
表面観察部50Aは、ステージ7に載置された被加工物に対してレーザー光の照射を行えるようにも構成されている。すなわち、表面観察部50Aは、レーザー加工装置50におけるレーザー光の照射部でもある。これは、例えば、レーザーの照射系と観察光学系とが同軸に構成されることで実現されてなる。より具体的には、表面観察部50Aが特許文献1に開示されているレーザー加工装置の基本的構成と同様の構成を有することによって実現可能である。
【0041】
より詳細にいえば、表面観察部50Aにおいては、レーザー光源SLからレーザー光LBを発し、図示を省略する鏡筒内に備わるハーフミラー51にて反射させた後、該レーザー光LBを、表面観察部50Aにステージ7が位置する状態でステージ7に載置された被加工物の被加工部位にて合焦するよう集光レンズ18にて集光し、被加工物に照射することによって、被加工物の加工、例えば分割の起点となる融解改質領域の形成やアブレーションなどを実現することが出来るようになっている。
【0042】
その一方で、表面観察部50Aにおいては、落射照明光源S5から発せられた落射照明光L5が、図示しない鏡筒内に設けられたハーフミラー52で反射され、集光レンズ18にて集光されたうえで、(表面観察部50Aにステージ7が位置する状態で)レーザー光LBと同軸に被加工物に照射されるようになっている。また、表面観察部50Aは、ハーフミラー52の上方(鏡筒の上方)に設けられたCCDカメラ16aと該CCDカメラ16aに接続されたモニタ16bとを含む表面観察手段16を備えており、落射照明光L5を照射させた状態でリアルタイムに被加工物の明視野像の観察を行うことが出来るようになっている。
【0043】
表面観察部50Aにおいて得られた観察像に基づき加工位置が決定された場合は、引き続き、係る決定内容に基づいてレーザー光LBの照射による加工を行うことができる。
【0044】
なお、加工位置の決定は、図示しない制御手段によって実現されるGUIを利用して、レーザー加工装置50のオペレータがモニタ16bに表示されたCCDカメラ16aによる撮像画像を視認しつつ行うことが出来るようにされてなるのが好ましい。すなわち、オペレータによって加工位置を決定するための所定の指示入力がGUIによって与えられ、その入力内容に基づく所定の演算処理を制御手段が行うことよって、加工位置が決定されるのが好ましい。
【0045】
裏面観察部50Bは、上述した原理的構成に基づき、裏面観察部50Bにステージ7が位置する状態で、ステージ7に載置された被加工物に対してステージ7の上方から同軸照明光源S1からの同軸透過照明光L1の照射と斜光照明光源S2からの斜光透過照明光L2の照射とを重畳的に行いつつ、ステージ7の下方側から裏面観察手段6によって該被加工物を観察できるように構成されている。
【0046】
また、裏面観察部50Bにおいては、ステージ7の下方に、より好ましくは、後述するハーフミラー9の下方(鏡筒の下方)に設けられたCCDカメラ6aと該CCDカメラ6aに接続されたモニタ6bとを含む裏面観察手段6を備えている。なお、モニタ6bと表面観察手段16に備わるモニタ16bとは共通のものであってもよい。
【0047】
被加工物が透明性基板1の上にデバイスパターン3が形成されているものであり、該デバイスパターン3が形成されている側に粘着シート4を貼り付けたうえでステージ7に固定されている積層体10である場合、ステージ7を裏面観察部50Bの所定の観察位置に配置し、同軸透過照明光L1と斜光透過照明光L2とを重畳的に照射させた状態で裏面観察手段6によって観察を行うことで、デバイスパターン3を良好なコントラストで観察することが出来る。すなわち、例えば図1(b)のような、デバイスパターン3を正確に特定することが出来る観察像を得ることが出来る。
【0048】
裏面観察部50Bにおいて得られた観察像に基づき加工位置が決定された場合は、引き続き、ステージ7をレーザー光の照射部がある表面観察部50Aの側に移動させた上で、レーザー光LBの照射による加工を行うことになる。係る場合も、加工位置の決定は、GUIを用いた、観察像に基づくオペレータによる所定の指示入力が与えられることによって行われるのが好ましい。
【0049】
好ましくは、表面観察部50Aが斜光照明光源S6を備えており、斜光照明光L6をステージ7上の被加工物に対して照射できるようになっていてもよい。斜光照明光L6が照射される場合、表面観察手段16においては観察対象の暗視野像を得ることが出来る。被加工物の材質や表面状態に応じて落射照明光L5と斜光照明光L6とを適宜に切り替えることによって、材質等によらず好適な観察像を得ることが出来る。
【0050】
また、ステージ7の下方には、同軸照明光源S3から発せられた同軸照明光L3が、図示しない鏡筒内に設けられたハーフミラー9で反射され、集光レンズ8にて集光されたうえで、ステージ7を介して被加工物に照射されるようになっていてもよい。さらに好ましくは、ステージ7の下方に斜光照明光源S4を備えており、斜光照明光L4をステージ7を介して被加工物に対して照射できるようになっていてもよい。これらの同軸照明光源S3や斜光照明光源S4は、例えば被加工物の表面側に不透明な金属層などがあって表面観察部50Aによる表面側からの観察が該金属層からの反射が生じて困難な場合などに、裏面観察部50Bによって被加工物の裏面側を観察する際に好適に用いることできる。
【0051】
以上、説明したように、本実施の形態に係るレーザー加工装置50は、レーザー光による加工に際して被加工物の表面側からの照明光の照射と観察とを行う表面観察部50Aを備えるとともに、被加工物の表面側から透過照明を照射しつつ裏面側から観察を行うことができる裏面観察部50Bをも備えることで、落射照明による被加工物の表面側からの観察のみならず、裏面からの観察も行うことができ、それぞれの観察結果に基づいて加工位置を特定することが出来るので、より様々な材質や状態の被加工物の加工を行うことが出来る。特に、透明性基板の上にデバイスパターンが形成されている積層体10については、該デバイスパターンが形成されている側に粘着シート4を貼り付けたうえで透明なステージ7に固定し、裏面観察部50Bにて観察することで、デバイスパターンの形状を明確に特定することが出来る。これにより、観察結果に基づいて精度良く加工位置を決定することが可能となる。
【0052】
<2.第2の実施の形態>
上記実施の形態では、例えばレーザー加工装置50の裏面観察部50Bにおいて、入射角が90°の同軸照明光L1と入射角が鋭角である斜光照明光L2とを同時に照射した状態で、積層体10を観察すると説明したが、観察方法はもちろんこれに限られるものではない。
【0053】
図4は、第2の実施の形態に係るレーザー加工装置500の構成を概略的に示す模式図である。なお、第1の実施の形態に係るレーザー加工装置50と同様の構成については、同符号を付し、適宜説明を省略する。
【0054】
レーザー加工装置500は、一般的なコンピュータなどからなる制御部Cを備えている。制御部Cは、図示しないケーブルによりレーザー加工装置500に付属する各機構と接続されており、オペレータからの入力指示や各種センサなどからの信号に基づいて、レーザー加工装置500の各機構を制御する。
【0055】
図3には図示されていないが、第1の実施の形態に係るレーザー加工装置50においても、一般的なコンピュータなどからなる制御部を備えており、既述した各制御はその制御部による制御下で行われる。しかしながら、この第2の実施の形態のレーザー加工装置500で使用される制御部Cは、後述するように、2種類の照射光の交互照射制御と、各照射光を単独で発生させたときの2種類の観察画像の画像合成演算を実行するという点で、第1の実施の形態における制御部と異なる機能を持つ。
【0056】
図5は、同軸照明光L1を照射したときに、カメラ6aによって撮像される観察像I2の一例を示す図である。また、図6は、斜光照明光L2を照射したときに、カメラ6aによって撮像される観察像I3の一例を示す図である。
【0057】
本実施の形態では、制御部Cは、同軸照明光源S1および斜光照明光源S2をそれぞれ独立して駆動することにより、積層体10に対して同軸照明光L1と斜光照明光L2とを別々に、すなわち時間的にずらせて照射する。そして、制御部Cは、積層体10に対して同軸照明光L1のみを照射したときにカメラ6aによって撮像される観察像I2と、積層体10に対して斜光照明光L2のみを照射したときにカメラ6aによって撮像される観察像I3とを、制御部Cが備える記憶部(図示せず)に格納する。なお、観察像I2と観察像I3とが取得される順番は、どちらが先であってもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、カメラ6aは、1ビット表現(2階調)を用いたモノクロ(2値)画像を取得するものとするが、これに限られるものではなく、複数ビットを用いたモノクロ多階調(例えば4ビット=16階調、8ビット=256階調)での2値画像を取得してもよい。もっとも、ここでの「多階調」とは、各画素が複数ビットで表現されているというだけであり、実際には「黒」、「白」の2つのレベル(例えば4ビット表現では階調値=0,15、8ビット表現では階調値=0,255)が用いられる。またその他にも、裏面観察部50Bを、カメラ6aによりグレースケール(またはフルカラー)の観察像を撮像し、当該観察像を制御部Cにおいてモノクロ化(2値化)する構成としてもよい。
【0059】
ステージ7に載置した積層体10に対して上側から同軸照明光L1を照射し、積層体10の下側(照射と反対の側)からカメラ6aによって撮像した場合には、図5に示すように、明視野像の観察像I2が取得される。観察像I2では、デバイスパターン3部分については、暗い(黒色の)デバイスパターン像IP2が観察される。すなわちデバイスパターン3自体については、透明性基板101に対して高いコントラストで識別可能に観察される。さらに、図5に示すように、気泡5に対応する部分の観察像IB2についても、照明光の屈折により暗く観察される。
【0060】
一方、ステージ7に載置した積層体10に対して上側から斜光照明光L2を照射し、積層体10の下側(照射と反対の側)からカメラ6aによって撮像した場合には、図6に示すように、暗視野像の観察像I3が取得される。観察像I2と比較したとき、観察像I3では、図5および図6に示すように、デバイスパターン像IP3以外の部分の明暗が反転している。すなわち、デバイスパターン3に対応する部分は、暗いデバイスパターン像IP3として観察されるが、気泡5に対応する部分IB3は、明るく(白色として)観察される。
【0061】
図7は、図5に示す観察像I2と図6に示す観察像I3とに基づいて合成された、合成画像I4を示す図である。観察像I2と観察像I3とを記憶部に格納した制御部Cは、これら観察像I2,I3に基づいて、図示しない演算部によりビット演算処理(具体的には、論理和演算処理)を行う。より具体的には、演算部は、観察像I2に含まれる特定画素の階調値と、当該特定画素と位置的に対応する観察像I3に含まれる画素の階調値とが、ともに「黒(階調値=0)」であるときには、当該特定画素の階調値を0とする処理を行う。また、その他の組合せ(すなわち、観察像I2に含まれる特定画素の階調値、および、当該特定画素と位置的に対応する観察像I3に含まれる画素の階調値のうちの少なくとも一方の階調値が「白(階調値=1)」)のときには、当該特定画素の階調値を常に1とする処理を行う。制御部Cは、以上のような演算処理を行うことによって、図7に示すような、合成画像I4を取得する。
【0062】
図7に示すように、合成画像I4では、気泡5に対応する部分IB4がほぼ消失しているとともに、デバイスパターン3に対応する部分(デバイスパターン像IP4)が透明性基板1に対して高いコントラストで識別される。すなわち、本実施の形態では、裏面観察部50Bにおいて積層体10を観察する際に、同軸照明光L1と斜光照明光L2とをそれぞれ別個に照射して、観察像I2,I3を取得して制御部C内の記憶手段に記憶させ、しかる後に演算処理により当該観察像I2,I3を画像合成(論理和演算処理)する。これにより、透明性基板1の透明部分とデバイスパターン3の不透明部分とを明瞭に識別することが可能となる。
【0063】
また、第1の実施の形態では、同軸照明光L1と斜光照明光L2とを同時に照射していたため、光量などを調整する場合に、どちらか一方の光量を固定して調整する必要がある。そのため、例えば両照明光の光量を3段階に分けて調整する場合には、計9回(=3×3)の撮像作業が必要となる。一方、本実施の形態では、計6回(=3+3)の撮像作業を行い、制御部Cによって全9パターンの画像合成を行うことができるため、裏面観察部50Bにおける照明関係の調整時間を短くすることができる。
【0064】
なお、詳細な説明を省略するが、上述のような観察方法は、裏面観察部50Bにおいて、積層体10に同軸照明光L3および斜光照明光L4を照射して観察する場合にも適用することができる。
【0065】
<3.変形例>
上述の実施の形態においては、斜光照明光源S2は例えば白色LEDなどで同軸透過照明光L1の照射方向が対称軸となるように対称配置するようにしているが、これに代わり、該対称軸を取り囲むようなドーナツ型の照明光源や、ドーム型の照明光源を、斜光照明光源S2として用いる態様であってもよい。
【0066】
上述の第1の実施の形態においては、同軸照明光L1と斜光照明光L2とをステージの上方側から透過照明光として重畳的に与えつつ、ステージの下方に備わる裏面観察手段6によって観察を行うようにしているが、これに代わり、透明性基板1の上にデバイスパターン3が形成されている積層体10を上述の場合と同様に粘着シート4を用いてステージ7に固定した状態で、ステージ7の下方から同軸照明光L1と斜光照明光L2とを重畳的に与え、ステージ7の上方に設けた観察手段26にて観察を行うようにしてもよい。図8は、係る場合の観察方法について説明するための図である。この場合も、観察像においては、デバイスパターン3に対応して、暗い(黒色の)デバイスパターン像が観察され、デバイスパターン像IP1以外の部分は明るく観察される。また、気泡5に対応する部分IB1についても十分に明るく観察される。すなわち、図8のような構成で観察を行う場合も、黒色のデバイスパターン像が、他の部分と十分なコントラストをもって明瞭に識別されることになる。また、このような変形例に係る観察装置の構成においても、第2の実施の形態で説明した観察方法を適用してもよい。
【0067】
なお、係る態様は、例えば上述したレーザー加工装置50の表面観察部50Aにおいてステージ7の下方に同軸照明光L1と斜光照明光L2の照射光源を設けることでも実現可能ではあるが、係る場合、加工時に照射されるレーザー光がステージ7透過してこれらの照射光源にまで達し、これらの照明光源に悪影響を与えるおそれがあるため、このような構成を取る場合には、少なくともレーザー光の照射時における照明光源の配置を工夫する必要がある。これは、装置構成が複雑化するというデメリットを招来することにもなる。このような配慮が不要である点において、上述の実施の形態の方が優れているとも言える。
【0068】
あるいは、ステージの配置は水平である必要はなく、垂直あるいは傾斜させて設けられていてもよい。係る場合、照明光源や観察手段は、ステージとの相対的な位置関係が図1に示す場合と同様となるように配置されればよい。
【0069】
また、上述の実施の形態においては、透明なステージに観察対象である積層体を固定しているが、これに代わり、観察手段が、同軸透過照明光と斜光透過照明光を照射した状態でデバイスパターンを得ることが出来る態様であれば、固定方法はこれに限られるものではない。例えば、積層体の観察対象部分以外(例えば端部のみ)を所定の支持手段によって粘着シートごと保持し、観察対象部分(の粘着シート)が観察手段に対して直接に露出するような態様で観察を行うようにしても、上述の実施の形態と同様の観察結果を得ることが可能である。
【0070】
また、上述の実施の形態においては、デバイスパターン3を主たる観察対象としているが、より一般化な、透明性基板の上に形成された不透明部を周囲の部分と識別することを目的とする観察を行う際には、上述した観察方法を同様に適用することが出来る。
【0071】
また、上述の実施の形態に係るレーザー加工装置50,500では、裏面観察部50Bにてデバイスパターン3(不透明部分)の位置が、あらかじめ、詳細に特定される。そしてレーザー加工装置50,500は、移動機構7mによってステージ7を表面観察部50Aへ向けて移動させることで、積層体10を表面観察部50Aに搬送し、透明性基板1に分割起点を形成するためのレーザー加工を行う。すなわち、レーザー加工装置50,500において、主に裏面観察部50Bと移動機構7mとが、位置決め機構としての機能を有している。透明性基板1の上に、デバイスパターン3のような不透明部分が形成されているような場合、このような位置決め機構を適用することによって、基板の精密な位置決めを行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1、101 透明性基板
2、102 拡散層
3、103 デバイスパターン
4、104 粘着シート
5、105 気泡
6 裏面観察手段
6a、16a CCDカメラ
6b、16b モニタ
10、100 積層体
16 表面観察手段
7、107、207 ステージ
7m 移動機構
26、106 観察手段
50、500 レーザー加工装置
50A 表面観察部
50B 裏面観察部
C 制御部
D 拡散板
I1、I2、I3、I1001、I1002 観察像
I4 合成画像
IP1、IP2、IP3、IP1001、IP1002 デバイスパターン像
L1 同軸(透過)照明光
L1t、L1002t 透過光
L2 斜光(透過)照明光
L3 同軸照明光
L4、L6 斜光照明光
L5、L1001 落射照明光
L1002 透過照明光
LB レーザー光
S1、S3 同軸照明光源
S2、S4、S6 斜光照明光源
S5 落射照明光源
SL レーザー光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明性基板の一方の主面側に形成された不透明性部分を観察するための観察装置を備える位置決め装置であって、
前記観察装置は、
粘着シートが貼り付けられた前記透明性基板を支持する支持手段と、
同軸照明光を照射する同軸照明光源と、
斜光照明光を照射する斜光照明光源と、
前記透明性基板の第1の主面の側から前記透明性基板を観察する観察手段と、
前記観察手段によって把握される、観察領域における前記透明性基板の前記不透明部分以外についての光量が前記観察領域の全体について略同一となるように、前記同軸照明光と前記斜光照明光の少なくとも一方についての照射状態を調整する調整手段と、
を備え、
前記支持手段は、前記観察手段が観察可能に前記透明性基板を支持し、
前記同軸照明光源と前記斜光照明光源は前記透明性基板の前記第1の主面と反対側の主面である第2の主面の側から前記透明性基板に対して前記同軸照明光と前記斜光照明光とをそれぞれ照射する、
ことを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
請求項1に記載の位置決め装置であって、
前記透明性基板に前記同軸照明光と前記斜光照明光とを重畳的に照射した状態で、前記観察手段が前記透明性基板の観察像を取得することを特徴とする位置決め装置。
【請求項3】
請求項1に記載の位置決め装置であって、
前記透明性基板に前記同軸照明光を照射したときに前記観察手段によって観察される第1観察像と、前記透明性基板に前記斜光照明光を照射したときに前記観察手段によって観察される第2観察像との合成画像を得る合成手段、
をさらに備えることを特徴とする位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−79963(P2013−79963A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236703(P2012−236703)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2008−56422(P2008−56422)の分割
【原出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】