説明

位置決定装置、位置決定装置の制御方法、および位置決定装置の制御プログラム

【課題】複数の人物の好ましい作業位置を決定することができる位置決定装置を提供する。
【解決手段】位置決定装置は、電話、電子メール、会議スケジュール管理、およびタスク管理などのコミュニケーションツールの利用状況を収集する収集部403を備える。収集部403により収集された利用状況に基づいて、コミュニケーションツールを利用する複数の人物がグループに分けられる。最適配置算出部407は、グループ分けに従って、複数の人物の作業位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置決定装置、位置決定装置の制御方法、および位置決定装置の制御プログラムに関し、より特定的には、グループ分けに従って複数の人物の作業位置を決定する位置決定装置、位置決定装置の制御方法、および位置決定装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどの室内における個人の座席の配置を最適化したり、MFP(Multi Function Peripheralの略語)や複写機、ファクシミリ装置、プリンタなどの画像形成装置の配置を最適化することで、業務を効率化することが行われている。
【0003】
例えば下記特許文献1には、ネットワーク上のプリンタ装置、複写装置、スキャナ装置の最適配置を提案する情報処理装置が開示されている。情報処理装置は、印刷機器の性能と総実印刷枚数を取得し、印刷機器に予め設定されている所定の閾値と比較する。これにより印刷機器の利用程度が判定され、それに基づいて最適配置が提案される。
【0004】
下記特許文献2には、複合機の各機能の操作頻度を考慮して最適な配置場所を分析することで、複合機を効果的に運用できる環境を構築することが可能な最適配置分析装置が開示されている。複合機の各機能の使用状況とユーザの位置情報とから、複合機の最適配置位置を算出、表示するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−169764号公報
【特許文献2】特開2004−289642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術は、オフィス内などの環境において複合機などの最適な配置を決定するためのものであり、以下のような課題があった。
【0007】
(1)オフィスでの各人の座席位置(作業位置の一例)を定量的に測定して判断を行うことが困難であり、また、効率的な座席位置を判断するものではない。
【0008】
(2)出力環境最適化サービス(OPS:Optimized Print Services)や、複合機の最適配置サービス(MPS:Managed Print Services)により画像形成装置を移動する場合、画像形成装置の設置場所、ネットワーク、電源の確保や、移動労力が必要となる。そのため、頻繁に画像形成装置の最適配置を見直すことは困難であり、見直しには一定の期間が必要となってくる。
【0009】
(3)現在の各人の座席位置が効率的かどうかを判断し、その結果を伝えること(アセスメント)の必要があるが、そのようなアセスメントを行う技術が存在していない。
【0010】
本発明の目的は、複数の人物の好ましい作業位置を決定することができる位置決定装置、位置決定装置の制御方法、および位置決定装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、位置決定装置は、コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集手段と、収集手段により収集された利用状況に基づいて、コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化手段と、グループ化手段によるグループ分けに従って、複数の人物の作業位置を決定する位置決定手段とを備える。
【0012】
好ましくは作業位置を含む室内には、画像形成装置が設置されており、位置決定装置は、グループにおける画像形成装置の使用履歴を取得する取得手段をさらに備え、位置決定手段は、取得手段によって取得された使用履歴に基づいて、グループ化手段によってグループ化された、ある1つのグループの作業位置を決定する。
【0013】
好ましくは位置決定手段は、グループ化手段によってグループ化された、ある1つのグループを構成する人物それぞれにおける画像形成装置の使用履歴に基づいて、グループを構成する人物それぞれの作業位置を決定する。
【0014】
好ましくは位置決定手段は、画像形成装置の使用頻度の高いグループから順に、画像形成装置に近い場所から作業位置を割り振る。
【0015】
好ましくは位置決定手段は、画像形成装置の使用頻度の高い人物から順に、画像形成装置に近い場所から作業位置を割り振る。
【0016】
好ましくは収集手段は、複数種類のコミュニケーションツールの利用状況を収集し、グループ化手段は、複数種類のコミュニケーションツールの各々に重み付けを行い、複数種類のコミュニケーションツールの利用状況に基づいて、コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分ける。
【0017】
好ましくはコミュニケーションツールは、電話、電子メール、会議スケジュール管理、およびタスク管理の少なくとも1つを含む。
【0018】
好ましくは収集手段は、少なくとも電子メールの利用状況を収集し、グループ化手段は、複数の人物のうちの第1の人物が送信した電子メールの宛先に基づいてグループ化を行う。
【0019】
好ましくはグループ化手段は、複数の人物のうちの第1の人物が送信した電子メールに、複数の人物のうちの第2の人物が宛先として含まれている回数が基準値を超えている場合に、第1の人物と第2の人物とを同一グループとする。
【0020】
好ましくはグループ化手段は、複数の人物のうちの第1の人物が受信した電子メールに、複数の人物のうちの第2の人物が送り主として含まれている回数が基準値を超えている場合に、第1の人物と第2の人物とを同一グループとする。
【0021】
好ましくはグループ化手段は、コミュニケーションを行った回数が基準値を超えている人物同士を同一グループとする。
【0022】
好ましくは位置決定装置は、位置決定手段により決定された作業位置を表示する表示手段をさらに備える。
【0023】
好ましくは位置決定装置は、複数の人物の実際の作業位置と、位置決定手段により決定された作業位置とを比較し、一致度を算出する算出手段をさらに備える。
【0024】
この発明の他の局面に従うと位置決定装置の制御方法は、コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集ステップと、収集ステップにより収集された利用状況に基づいて、コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化ステップと、グループ化ステップによるグループ分けに従って、複数の人物の作業位置を決定する位置決定ステップとを備える。
【0025】
この発明のさらに他の局面に従うと、位置決定装置の制御プログラムは、コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集ステップと、収集ステップにより収集された利用状況に基づいて、コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化ステップと、グループ化ステップによるグループ分けに従って、複数の人物の作業位置を決定する位置決定ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の人物の好ましい作業位置を決定することができる位置決定装置、位置決定装置の制御方法、および位置決定装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける座席位置管理システムの構成を概略的に示す図である。
【図2】MFP1を示す斜視図である。
【図3】MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】PC200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】座席位置表示部320の正面図である。
【図7】座席位置表示部320の表示内容の具体例を示す図である。
【図8】座席位置管理システムが適用される室内の具体例を示す図である。
【図9】アセスメントサーバ100Aの実行する個人の着座位置の収集処理を示すフローチャートである。
【図10】アセスメントサーバ100Aの実行する個人の最適着座位置の算出処理を示すフローチャートである。
【図11】アセスメントサーバ100Aの実行する着座位置のアセスメント処理を示すフローチャートである。
【図12】アセスメントサーバ100Aの実行する入室者への着座位置の提案処理を示すフローチャートである。
【図13】図10の重み付けテーブルD9の内容を示す図である。
【図14】図10のステップS201における関係度の算出処理を示す図である。
【図15】図10のステップS203で実行されるグルーピング処理の具体例を示す図である。
【図16】グループ化の結果の具体例を示す図である。
【図17】図10のMFP使用履歴データベースD10に格納される情報の具体例を示す図である。
【図18】図10のステップS205において算出される個人のカラーMFPの使用度を示す図である。
【図19】図10のステップS205において算出される個人のモノクロMFPの使用度を示す図である。
【図20】図10のステップS205において算出される個人のカラーMFPの平均出力枚数を示す図である。
【図21】図10のステップS205において算出される個人のモノクロMFPの平均出力枚数を示す図である。
【図22】図18〜図21の演算結果をまとめたテーブルを示す図である。
【図23】座席位置を決定する室内の具体例を示す平面図である。
【図24】図23の室内において1つ目のグループの座席配置を行った結果を示す図である。
【図25】Aさん、Bさん、およびEさんのグループ内での座席配置を決定する処理を示す図である。
【図26】図23の室内において2つ目のグループの座席配置を行った結果を示す図である。
【図27】着座実績記録部405によって記録された各人の着座実績と、最適な座席配置を算出する算出部407の算出した座席位置との一致度の算出方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
【0029】
本発明の実施の形態における座席位置管理システムは、画像形成装置が設置された室内における、個人の好ましい作業位置を決定する機能を有している。このような決定においては、画像形成装置とコミュニケーションツールの個人の使用状況が判断される。また、決定された作業位置と、実際の作業位置とのマッチング度が算出され、評価(アセスメント)が実行される。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける座席位置管理システムの構成を概略的に示す図である。
【0031】
図を参照して座席位置管理システムは、壁Wで区切られた部屋の中の座席Z1〜Z6に着座する人物(個人)の位置管理を行うシステムである。壁には個人が出入りするドアDが設けられている。ドアD付近の壁には、入室を行う者を撮影するカメラを備えた座席位置表示部320が取り付けられている。座席位置表示部320は、入室を行う者に対して好ましい座席の位置を表示するためにも用いられる。
【0032】
座席位置管理システムは、複数のPC(パーソナルコンピュータ)200A〜200Dと、MFP(画像形成装置の具体例である、Multi Function Peripheralの略語)1と、動画や静止画の撮影が可能なカメラを含む座席位置表示部320と、複数のPC200A〜200Dのユーザのそれぞれが保持するRFIDタグ300A〜300Dと、RFIDタグと通信を行うRFIDアンテナ310と、アセスメントサーバ100Aと、電子メール・会議スケジュール・タスク管理のためのサーバ100Bと、個人が現実に座っている座席の位置(着座位置)を特定する座席認識部401と、個人のコミュニケーションツールの使用状況をカウントするカウント部(利用状況収集部)403と、個人が現実に座った座席位置の実績を記録する着座実績記録部405と、MFP1の使用履歴を取得し蓄積するMFP使用履歴記録部413と、カウント部403のカウントデータ、およびMFP使用履歴記録部413の使用履歴に基づいて、個人の最適な座席配置を算出する算出部407と、個人が現実に座った座席位置の実績および算出された個人の最適な座席配置に基づいて、両者の一致度を算出し表示する一致度表示部409と、算出された個人の最適な座席配置を表示する最適配置表示部411とを備える。
【0033】
本実施の形態においては、アセスメントサーバ100Aが人物の作業位置を決定する位置決定装置として機能する。すなわち、座席認識部401、カウント部403、着座実績記録部405、MFP使用履歴記録部413、算出部407、一致度表示部409、および最適配置表示部411は、アセスメントサーバ100A内に設けられる。しかしながら、他のサーバやMFP1が位置決定装置として機能してもよい。また、複数の機器によって位置決定装置の機能を担うようにしてもよい。
【0034】
複数のPC200A〜200Dのそれぞれは、デスクトップパソコンであってもよいし、ノートパソコンであってもよいし、PCでなくPDA(Personal Digital assistant)、スマートフォンなどのモバイル機器であってもよい。PC200A〜200Dのそれぞれのユーザを、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんと呼ぶ。PC200A〜200Dは、無線によりLAN390に接続することもできるし、有線によりLAN390に接続することもできる。
【0035】
座席認識部401は、有線によりLANにPCが接続されたときにそのPCに記録されているユーザIDに基づいて、そのユーザIDに対応するユーザが着座したものと判定する。また、座席位置表示部320に含まれるカメラが撮影したユーザの顔を認識することで、そのユーザが誰であるかを特定する。さらに、ユーザが所持するRFIDタグ300A〜300Dからの電波をRFIDアンテナ310(これは室内に複数設けられていてもよい)で検出し、追尾することで、そのRFIDタグに対応するユーザがどの位置にいるかを特定する。さらにRFIDタグの移動が所定時間(x秒)なかったことを検出すると、そのユーザが着座したものと判断する。座席認識部401により、現実に特定のユーザがどの位置に座ったか(どの位置で作業を行っているか)が判定される。
【0036】
コミュニケーションツールカウントデータを取得するカウント部403は、個人間のコミュニケーションツールである、電話、電子メール、会議スケジュール管理ソフトウェア、およびタスク管理ソフトウェアの使用情報に基づいて、コミュニケーションの頻度の高い人物をグループにまとめる。
【0037】
最適配置算出部407は、MFP使用履歴記録部413から、人物のグループごとにそのグループにおけるMFPの使用履歴を取得する。取得された使用履歴に基づいて、そのグループをどの位置に配置するのがよいかを判断し、そのグループの作業位置(座席位置)を決定する。また、最適配置算出部407は、MFP使用履歴記録部413から、グループを構成する個人ごとにMFPの使用履歴を取得し、その個人をグループ内でどの位置に配置するのがよいかを判断し、その個人の作業位置(座席位置)を決定する。決定されたグループの作業位置と、個人のグループ内での作業位置とは、最適配置表示部411に表示される(決定された個人の作業位置のみが表示されてもよい)。また、決定された個人の作業位置と、その個人の過去の実際の作業位置の履歴である、座席(着座)実績記録部405の情報とが比較され、その一致度が一致度表示部409に表示される。
【0038】
以下、複数のPC200A〜200Dのうちの1つを指してPC200と呼ぶ。また、サーバ100A,100Bのうちの1つを指してサーバ100と呼ぶ。なお、図1においてはMFP1は模式的に1台のみを記載しているが、実際のMFPの数、ならびにPCの数および机の数などは図1に示される数に限られるものではない。
【0039】
MFP1は、プリンタ機能、ファクシミリ機能、コピー機能、スキャナ機能、プレゼンテーション機能など複数の機能を有する。図1のネットワークはインターネットにも接続されている。
【0040】
PCで処理された文書データや画像データ等のジョブデータは、MFP1へ送信され、MFP1でプリントすることが可能である。MFP1で原稿を読み取ることにより作成された画像データは、PCへ送信してPC側で表示又は格納したりすることが可能である。またMFP1は、原稿に基づき作成した画像データを、例えば他のネットワーク上にある遠隔の端末へインターネット経由で送信したり、ジョブデータを遠隔の端末からインターネット経由で受信し、それに基づきプリント出力したりすることも可能である。
【0041】
図1に示すものに限られず、ネットワークの構成としては、例えばプロキシサーバ、メールサーバ、ルータ等を有する構成であってもよい。
【0042】
[MFP1の構成]
【0043】
図2は、MFP1を示す斜視図である。
【0044】
図を参照してMFP1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部(操作受付手段の一例)11と、制御部20と、プリント部30と、スキャン部40とを備える。制御部20は、後述するように、CPU21(図3に示す)などを有し、MFP1の動作を制御する。制御部20及びプリント部30は、MFP1の筐体の内部に配置されている。
【0045】
このMFP1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、MFP1の下部に、MFP1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、プリント部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
【0046】
排紙トレイ5は、MFP1の筐体のうちプリント部30が収納されている部位の上方でスキャン部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、プリント部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
【0047】
操作部11は、MFP1の上部前面(図において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル(表示手段の一例)13が配置されている。表示パネル13は、例えば、タッチパネルを備えたLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU21により制御されて表示を行う。操作部11は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU21に送信する。すなわち、ユーザは、操作部11に操作を行うことにより、MFP1に種々の動作を実行させることができる。
【0048】
プリント部30は、大まかに、トナー像形成部と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。プリント部30は、電子写真方式で用紙に画像を形成する。
【0049】
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、MFP1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
【0050】
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
【0051】
スキャン部40は、MFP1の筐体の上部に配置されている。スキャン部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。スキャン部40は、上述のスキャナ機能を実行する。スキャン部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、スキャン部40は、原稿トレイにセットされた複数枚の原稿をADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサによりその画像データを読み取る。
【0052】
図3は、MFP1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0053】
図を参照して、MFP1は、上述の各部のほか、HDD(Hard Disk Drive)27と、通信ユニット29とを有している。
【0054】
HDD27は、通信ユニット29を介して外部から送られた印刷ジョブのデータや、スキャン部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、HDD27は、MFP1の設定情報や、MFP1の種々の動作を行うための制御プログラム27aや、後述するユーザ認証機能に用いられる認証データベース27bなどを記憶する。HDD27は、1つのPC200又は複数のPCなどから送信された複数の印刷ジョブを記憶可能である。
【0055】
通信ユニット29は、ハードウェア部と、所定の通信プロトコルで通信を行うソフトウェア部とが組み合わされて構成されている。通信ユニット29は、MFP1をネットワークに接続する。これにより、MFP1は、ネットワークに接続されているPC200などの外部装置と通信可能になる。MFP1は、PC200やサーバ100などから印刷ジョブを受信可能である。また、MFP1は、スキャン部40で読み取った画像データを、PC200に送信したり、メールサーバ(図示せず)などを介してE−mailにより送信したりすることができる。
【0056】
なお、制御部20は、CPU21と、ROM23と、RAM25とを有している。制御部20は、操作部11、プリント部30、及びスキャン部40などとともにシステムバスに接続されている。これにより、制御部20とMFP1の各部とが、信号を送受可能に接続されている。
【0057】
CPU21は、ROM23、RAM25、又はHDD27などに記憶された制御プログラム27aなどを実行することにより、MFP1の種々の動作を制御する。CPU21は、操作部11から操作信号が送られたり、PC200などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム27aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、MFP1の所定の機能が実行される。
【0058】
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、MFP1の動作を行うために用いられるデータが記憶されている。ROM23には、HDD27と同様に、種々の制御プログラムや、MFP1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU21は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書き換え不可能なものであってもよい。
【0059】
RAM25は、CPU21のメインメモリである。RAM25は、CPU21が制御プログラム27aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
【0060】
スキャン部40は、上述のように、スキャナ機能を実行し、原稿から画像データを読み取る。スキャン部40により読み取られた画像データは、CPU21によりアプリケーションデータ形式に変換され、HDD27などに記憶される。CPU21は、HDD27などに記憶された画像データを、PC200などに送信可能である。
【0061】
ここで、MFP1は、後処理部90を有している。後処理部90は、例えば用紙の排紙トレイ5への排出口の近傍に設けられている。後処理部90は、MFP1に外付けされ、排紙トレイ5に排出される用紙を搬入して後処理を行う装置であってもよい。後処理部90は、例えば、画像が形成された用紙に、パンチ穴を開けるせん孔処理や複数の用紙をステープルなどで綴じる綴じ処理などを行い、排出する。後処理部90による後処理の実行が行われるかどうかは、例えば、各印刷ジョブの印刷設定に応じて異なる。換言すると、制御部20は、印刷ジョブの実行時に、その印刷設定に基づいて後処理部90を制御する。なお、各MFP1は、後処理部90を有していても、有していなくても、いずれであってもよい。
【0062】
なお、各MFP1は、ユーザ認証機能を有している。本実施の形態において、ユーザ認証機能は、例えば以下のようにして実現されている。すなわち、MFP1のHDD27に記録されている認証データベース27bには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベース27bには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。ユーザは、操作部11を操作し、MFP1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU21は、認証データベース27bを参照し、認証可否を判断する。認証可能であれば、CPU21は、そのユーザについて認証成立とし、認証データベース27bに基づいて、そのユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、ユーザはMFP1にログインした状態になる。ユーザ認証機能を用いることにより、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにしてMFP1の利便性を高められる。また、他のユーザの目に触れないようにして、認証されたユーザがMFP1の近くにいるときに印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。なお、ユーザ認証の方式としては、例えば接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用してもよい。
【0063】
音声入出力部50は、マイクやスピーカなどで構成され、例えばMFP1が設置された会議室内の音声を入力したり、インターネットを介して送信された音声データを再生する。遠隔にいる者の声を出力することによって、その者を会議に参加させることが可能となる。
【0064】
[サーバ100の構成]
【0065】
図4は、サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0066】
図を参照して、サーバ100は、制御部120と、ネットワーク部129と、HDD(記憶手段の一例)140と、通信ユニット131とを有している。制御部120は、CPU121、ROM123、及びRAM125を有している。制御部120、ネットワーク部129、通信ユニット131、及びHDD140は、共にシステムバスに接続されている。これにより、制御部120、ネットワーク部129、通信ユニット131、及びHDD140の各部は、信号を送受可能に接続されている。
【0067】
ネットワーク部129は、サーバ100をインターネット800に接続する。これにより、サーバ100は、外部ネットワークに接続可能となる。
【0068】
また、サーバ100は、通信ユニット131を制御することで、MFP1やPC200などの外部装置と通信可能になる。サーバ100は、例えばMFP1のスキャン部40で読み取られた画像データやPC200から送信された印刷ジョブなどのデータを受信可能である。受信されたデータは、必要に応じて、HDD140に記憶される。
【0069】
CPU121は、ROM123、RAM125、又はHDD140などに記憶された制御プログラム150などを実行することにより、サーバ100の種々の動作を制御する。CPU121は、PC200などから送信された操作コマンドや、MFP1から送信された情報などに応じて、制御プログラム150を実行する。これにより、サーバ100の種々の機能が実行される。
【0070】
ROM123やRAM125は、例えば、MFP1のROM23やRAM25と同様に動作する。CPU121は、ROM123やRAM125へデータの書き込みや読み込みなどを行うことで、サーバ100の動作を制御する。HDD140には、ジョブデータ160やジョブ状況テーブル170が記憶される。
【0071】
[PC200の構成]
【0072】
図5は、PC200のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0073】
図を参照して、PC200は、入力装置211と、表示装置213と、制御部220と、通信ユニット229と、HDD240と、音声入出力部231とを有している。制御部220は、CPU221、ROM223、及びRAM225を有している。PC200の各部は、共にシステムバスに接続されており、信号を送受可能に接続されている。
【0074】
制御部220及び通信ユニット229の構成は、例えば、サーバ100の制御部120及び通信ユニット131の構成と略同様である。PC200は、通信ユニット229がネットワークに接続されていることで、MFP1やサーバ100などの外部装置と通信可能になる。CPU221は、HDD240に記憶されている制御プログラム250を実行して、ROM223やRAM225へデータの書き込みや読み込みなどを行うことで、PC200の動作を制御する。
【0075】
入力装置211は、例えば、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスなどである。ユーザは、入力装置211を操作して種々の指示をPC200に入力できる。入力装置211が操作されると、操作信号が制御部220に送信される。CPU221は、操作信号に応じて、PC200の動作の制御を行う。
【0076】
表示装置213は、例えば、LCDディスプレイなどのモニタ機器である。制御部220により表示装置213に種々の表示がなされることで、ユーザは、それを確認しながら、PC200に種々の指示を入力できる。
【0077】
HDD240には、例えば、制御プログラム250のほか、ユーザの文書データ280などが記憶されている。文書データ280は、例えば、テキスト形式のファイルや、PC200で動作するアプリケーションプログラムにより編集可能なデータ形式のファイルである。
【0078】
上記通信ユニット29,131,229は、それぞれ近距離無線通信装置であってもよいし、有線LANに接続する装置であってもよい。
【0079】
[座席位置表示部の構成と動作]
【0080】
図6は、座席位置表示部320の正面図である。
【0081】
図を参照して座席位置表示部320は、カメラ330と、表示部340と、カード認証装置350とを含んでいる。
【0082】
カメラ330は、部屋に入る人物の顔を撮影する。撮影により得られた画像はアセスメントサーバ100Aに送られる。アセスメントサーバ100Aは、撮影された顔画像をデータベースに基づいて分析し、入室する人物が誰であるかを判定する。
【0083】
カード認証装置350は、部屋に入る人物が有しているRFIDタグの情報を読み取る。読み取られた情報はアセスメントサーバ100Aに送られる。アセスメントサーバ100Aは、読み取られた情報をデータベースに基づいて分析し、入室する人物が誰であるかを判定する。
【0084】
表示部340は、アセスメントサーバ100Aからの信号に基づいて表示を行い、入室する人物に対して最も好ましい座席位置を表示する。
【0085】
図7は、座席位置表示部320の表示内容の具体例を示す図である。
【0086】
表示部340には図6のように、アセスメントサーバ100Aにより判定された入室する人物名と、その人物に対して最も好ましい位置を知らせるメッセージが表示されてもよいし、図7のように部屋内の地図を表示して、その地図上に入室する人物に対しての最も好ましい位置を表示してもよい。すなわち図6の例では、最適な座席位置が「A−5」の位置であることが文章で示されている。図7の例では、全ての人物の最適な座席位置が地図上に名前を表示することで示されている。入室する人物に対しての最も好ましい位置は、白黒反転により示されている(図7中の「小西」の反転表示を参照)。白黒反転の部分をフラッシングさせ、位置を分かり易く伝えるようにしてもよい。ここでは図7で示されるように、室内には6つの座席からなるグループが3つ設けられており、室内に18人が収容される状況を示している。
【0087】
図6や図7の表示を見ることで、入室する人物は、自分がどこに座るのが最もよいかを知ることができる。
【0088】
図8は、座席位置管理システムが適用される室内の具体例を示す図である。
【0089】
図8で示されるように、室内には6つの座席からなるグループが3つ設けられており、室内に18人が収容される状況を示している(18人の座席と机とからなる作業位置に「1」〜「18」の番号を振っている)。部屋に入るための2つのドアが設けられており、それぞれのドアの付近に座席位置表示部320a,320bが設けられている。一点鎖線の楕円で囲まれる位置において、入室する人物の顔画像によってその人物が誰であるかが特定される。
【0090】
モノクロの印刷を行うMFP1Aは、部屋を示す図8の左下の位置(座席「3」の近く)に置かれており、カラーの印刷を行うMFP1Bは、部屋を示す図8の右下の位置(座席「18」の近く)に置かれている。
【0091】
実線の太線で示される有線LAN390は、各机とアセスメントサーバ100Aなどとを結ぶものである。これにより座席に座った人物は自己のノートパソコンをLAN390に接続したり、デスクトップパソコンをLAN390に接続させることができる。
【0092】
図8の点線の楕円で囲まれるエリアは、RFIDタグ300A〜300Dの検出可能位置を示している。このエリア内に、RFIDタグ300A〜300Dを保持した人物が入ることで、RFIDアンテナ310がRFIDタグ300A〜300Dと通信を行い、その中に記載された情報を読み取る。
【0093】
図9は、アセスメントサーバ100Aの実行する個人の着座位置の収集処理を示すフローチャートである。
【0094】
個人が入室するときから着座までにおいて、ステップS101〜S113の処理が実行される。個人が着座してPCをLAN390に接続すると、ステップS115移行の処理が実行される。なお、図9および10のデータベースD1〜D9は、アセスメントサーバ100Aなどのサーバ内に設けられるデータベースである。
【0095】
図を参照して、ステップS101においてカメラ330(図6)により入室しようとしている人物の顔が撮影されると、それが顔データベースD1内のデータと比較され、個人の特定が行われる。ステップS103において個人の特定ができたかが判定され、YESであれば個人の特定結果のデータを保持し、ステップS113へ進む。ステップS103でNOであればここでの処理を終了する。
【0096】
一方、ステップS105においてRFIDアンテナ310によりRFIDタグの電波をキャッチしたのであれば、ステップS107に進み、そのRFIDタグに記録されている識別情報に基づいて、そのRFIDタグの所有者を特定する。
【0097】
ステップS109において、RFIDアンテナ310を用いてRFIDタグの移動(RFIDタグがどの位置にあるか、すなわちそのRFIDを所持している個人がどの位置にいるか)を追尾する。ステップS111において所定時間RFIDタグが移動していないかが検出される。ステップS111でNOであれば、ステップS107に戻り、YESであればステップS113でその人物が着座したものと判断する。
【0098】
またステップS115において、接続監視データベースD3および有線LANデータベースD4を用いて、有線LAN390にPCが接続されたかが判断される。接続されたのであれば、ステップS117でPCの識別情報に基づいてそのPCの所有者が誰であるかが判定される。ステップS117で判定ができたのであれば、ステップS119においてその人物が着座したものと判断する。判断ができなければ、ここでの処理を終了する。
【0099】
個人の着座とその場所とが確認されると、着座実績データベースD2にそのデータが格納される。実際の着座位置の特定としては、以下の(1)〜(3)の手法を用いることができる。
【0100】
(1)有線LANと情報端末(PC等)の個別識別番号により着座位置を認識する。
【0101】
(2)顔認証と、顔認証後のRFIDタグの追跡により個人の着座位置を認識する。
【0102】
(3)RFIDタグの検知により個人の着座位置を認識する。
【0103】
ここでは、(1)〜(3)の全てにおいて情報を収集し、(1)から(3)の優先順に情報を採用するものとする。すなわち、(1)〜(3)の情報の全てが取得できた場合には、(1)の情報により得られる座席位置を採用し、(2)および(3)の情報が取得できた場合には、(2)の情報により得られる座席位置を採用する。情報の信用性は、(1)から(3)の順に低くなるからである。
【0104】
図10は、アセスメントサーバ100Aの実行する個人の最適着座位置の算出処理を示すフローチャートである。
【0105】
アセスメントサーバ100Aは、室内の電話(内線電話)380の使用履歴、メールサーバのデータベースD5に格納されたデータ、会議スケジュールサーバのデータベースD6に格納されたデータ、およびタスク管理サーバのデータベースD7に格納されたデータに基づいて、これらコミュニケーションツールの使用状況をカウントデータベースD8に格納する。カウントデータベースD8内のデータ、および重みつけテーブルデータベースD9のデータに基づいて、アセスメントサーバ100Aは、ステップS201で複数の人物のうちの2名の組み合わせの全てについて、関係度を算出する。この関係度については後述する。
【0106】
ステップS203において、アセスメントサーバ100Aは、関係度に基づいて複数の人物をグループ分けする。ステップS205においてアセスメントサーバ100Aは、グループ毎の画像形成装置(MFP)の使用履歴を、MFP使用履歴データベースD10から取得する。取得された画像形成装置の使用履歴に基づいて、各グループにおける画像形成装置の使用頻度が算出される。画像形成装置の使用頻度の高いグループから順にグループが特定される。さらに、各グループ内のそれぞれの個人における画像形成装置の使用頻度が計算される。画像形成装置の使用頻度の高い者から順に個人が特定される。
【0107】
ステップS207において、各グループにおける画像形成装置の使用頻度とグループ内での個人の画像形成装置の使用頻度とに基づいて、好ましい座席位置が算出される。ステップS209においてある人物の入室回数が、所定回数以上であるかが判定される。YESであればここでの処理を終了し、NOであれば好ましい座席位置を表示などすることで提案する。
【0108】
図11は、アセスメントサーバ100Aの実行する着座位置のアセスメント処理を示すフローチャートである。
【0109】
図9の座席実績データベースD2の情報と、図10のステップS207で算出された好ましい座席位置とに基づいて、ステップS301において両者の一致率を算出する。ステップS303において、算出の結果がアセスメント実行者(管理者)に対して表示される。
【0110】
図12は、アセスメントサーバ100Aの実行する入室者への着座位置の提案処理を示すフローチャートである。
【0111】
ステップS401において、座席位置表示部320の前において個人が特定されたのであれば、ステップS403において特定された個人の最適座席位置を図10のステップS207での算出結果から取得し、ステップS405で表示装置340にそれを表示する。
【0112】
このようにして、個人が座席へ着く前に好ましい座席位置を知らせることができる。また、最適座席の表示は、入退室カードリーダの画面に表示してもよいし、個人の有する携帯端末に表示してもよい。携帯端末に表示する場合、最適位置をアセスメントサーバ100Aから携帯端末へメールで通知することが可能である。また、職場の大型ディスプレイに最適位置を表示してもよい。
【0113】
図13は、図10の重み付けテーブルD9の内容を示す図である。
【0114】
ここではコミュニケーションツールとしては、電話、電子メール、会議スケジュール、およびタスク管理が用いられているものとする。テーブルには重み付け計数がそれぞれ「1.0」、「2.0」、「2.0」、「1.5」と定義されている。これは、電子メールと会議スケジュールの情報に最も重きをおき、次にタスク管理、電話の順に重要度を低下させていくものである。この重み付けは、全メンバー(全ての人物)に適用される。
【0115】
図14は、図10のステップS201における関係度の算出処理を示す図である。
【0116】
ここではAさん〜Eさんの5人がコミュニケーションツールの利用者であり、その5人をグループ化する場合について説明する。各人が使用するコミュニケーションツールである電話、電子メール、会議スケジュール、およびタスク管理のそれぞれが使用される毎に、誰に対して(誰と)コミュニケーションを行ったかが特定される。例えば電子メールであれば宛先を検出することで、誰とコミュニケーションを取ったかが判定される。これにより、所定の期間内に各コミュニケーションツールによって、他の特定の人物と何回コミュニケーションを行ったかが記録される。
【0117】
図14では、AさんとBさんとの間で、電話により10回のコミュニケーションを行ったことが記録されており、電子メールにより25回のコミュニケーションを行ったことが記録されている。また、会議スケジュールによるとAさんとBさんとを含む8回の会議を行ったことが記録されており、タスク管理によるとAさんとBさんとで8回の同じタスクを行ったことが記録されている。
【0118】
これらの回数のそれぞれに、図13の重み付け計数が掛け合わせられることで、電話に関しては10回×1.0=10.0のコミュニケーションを行ったことが記録され、電子メールに関しては25回×2.0=50.0のコミュニケーションを行ったことが記録されている。また、会議スケジュールに関しては8回×2.0=16.0の会議を行ったことが記録されており、タスク管理に関しては8回×1.5=12.0のタスクを行ったことが記録されている。また、この係数を掛け合わせた後の数の合計が関係度として記録される。
【0119】
AさんとCさん、AさんとDさん、AさんとEさんのコミュニケーションに関しても、AさんとBさんとのコミュニケーションと同様に記録が行われる。
【0120】
また、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの間のコミュニケーションに関しても同様に記録が行われる。
【0121】
図15は、図10のステップS203で実行されるグルーピング処理の具体例を示す図である。
【0122】
図15(A)は、図14で算出された各人物間の関係度を示している。例えばAさんとBさんとの関係度である「88.0」の数値は、図15(A)においてAB=88.0と記録され、AさんとCさんとの関係度である「12.5」の数値は、図15(A)においてAC=12.5と記録される。
【0123】
図15(B)で示すように、関係度の大きいものから順にソートが行われる。ここで、しきい値である「50.0」以上の関係度を有する人物のペアを抽出する。ここではAE、BE、AB、CDの4組がしきい値以上である。
【0124】
図16は、グループ化の結果の具体例を示す図である。
【0125】
図15(B)のしきい値での抽出の結果のAE、BE、AB、CDの4組をグループ化すると、図16のようにAさん、Bさん、Eさんからなる第1のグループと、Cさん、Dさんからなる第2のグループとが形成される。
【0126】
図17は、図10のMFP使用履歴データベースD10に格納される情報の具体例を示す図である。
【0127】
ここでは縦方向にAさん〜Eさんの情報が配列されており、横方向にそれぞれの個人のMFPの総使用回数、そのうちのプリントおよびコピーとしての使用回数、さらにそのうちのプリントとしての使用回数およびコピーとしての使用回数、ならびにスキャンとしての使用回数が記録されている。また各使用回数は、カラー(C)のMFP1Bの使用回数と、モノクロ(BW)のMFP1Aの使用回数と、それらの合計(TTL)とが記録されている。
【0128】
より具体的には、図17においてAさんが所定期間内にカラーのMFP1Bでプリントを行った回数は15回であり、モノクロのMFP1Aでプリントを行った回数は20回である。これにより、プリントとしての総使用回数(TTL)は35回である。また、Aさんが所定期間内にカラーのMFP1Bでコピーを行った回数は5回であり、モノクロのMFP1Aでコピーを行った回数は6回である。これにより、コピーとしての総使用回数(TTL)は11回である。
【0129】
以上の結果として、Aさんが所定期間内にカラーのMFP1Bでプリントまたはコピーを行った回数は20回、モノクロのMFP1Aでプリントまたはコピーを行った回数は26回であると記録される。AさんのプリントまたはコピーとしてのMFP1A、1Bの総使用回数(TTL)は46回であると記録される。
【0130】
さらに、図17においてAさんが所定期間内にカラーのMFP1Bでスキャンを行った回数は0回であり、モノクロのMFP1Aでスキャンを行った回数は2回である。従って、スキャンとしてのMFPの総使用回数(TTL)は2回である。
【0131】
これにより、AさんのカラーのMFP1Bの総使用回数は20、モノクロのMFP1Aの総使用回数は28、カラーまたはモノクロのMFPの総使用回数は48として記録されている。
【0132】
Bさん〜Eさんにおいても、同様に記録が行われている。
【0133】
図18は、図10のステップS205において算出される個人のカラーMFPの使用度を示す図である。
【0134】
図を参照して、図17のテーブルからAさん〜Eさん各人のカラーMFPによるプリントまたはコピーの回数、カラーMFPによるプリントの回数、およびカラーMFPによるコピーの回数が読み出され、図18のテーブルに転記される。例えばAさんを例にとると、図17のテーブルからAさんのカラーMFPによるプリントまたはコピーの回数である「20」と、カラーMFPによるプリントの回数である「15」と、カラーMFPによるコピーの回数である「5」とが読み出され、図18のテーブルに転記される。
【0135】
さらに図18の各人の記録において、カラーMFPによるプリントまたはコピーの回数×(カラーMFPによるプリントの回数+カラーMFPによるコピーの回数)、すなわちカラーMFPによるプリントまたはコピーの回数の二乗が、カラー使用度として算出され、記録される。例えば図18のAさんのカラー使用度は、20×20=400となる。
【0136】
図18の右においては、図15のグルーピングがなされた各グループ毎に、そのグループを構成する各人のカラー使用度と、カラー使用度の高い者からの順位と、グループ内でのカラー使用度の平均とが記録されている。例えばABEのグループでは、Aさんのカラー使用度である「400」と、Bさんのカラー使用度である「484」と、Eさんのカラー使用度である「225」と、その平均値である「370」が記録されている。また、Bさん、Aさん、Eさんの順にカラー使用度が高いことが示されている。CDグループに関しても同様である。
【0137】
図18のデータを参照することにより、CDグループは、平均してABEグループよりもカラーMFPの使用度が高いことがわかる。また、CDグループ内ではCさんよりもDさんの方がカラーMFPの使用度が高いことがわかる。
【0138】
図19は、図10のステップS205において算出される個人のモノクロMFPの使用度を示す図である。
【0139】
図を参照して、図17のテーブルからAさん〜Eさん各人のモノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数、モノクロMFPによるプリントの回数、およびモノクロMFPによるコピーの回数が読み出され、図18のテーブルに転記される。例えばAさんを例にとると、図17のテーブルからAさんのモノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数である「26」と、モノクロMFPによるプリントの回数である「20」と、モノクロMFPによるコピーの回数である「6」とが読み出され、図19のテーブルに転記される。
【0140】
さらに図19の各人の記録において、モノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数×(モノクロMFPによるプリントの回数+モノクロMFPによるコピーの回数)、すなわちモノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数の二乗が、モノクロ使用度として算出され、記録される。例えば図18のAさんのモノクロ使用度は、26×26=676となる。
【0141】
図19の右においては、図15のグルーピングがなされた各グループ毎に、そのグループを構成する各人のモノクロ使用度と、モノクロ使用度の高い者からの順位と、グループ内でのモノクロ使用度の平均とが記録されている。例えばABEのグループでは、Aさんのモノクロ使用度である「676」と、Bさんのモノクロ使用度である「784」と、Eさんのモノクロ使用度である「3844」と、その平均値である「1768」が記録されている。また、Eさん、Bさん、Aさんの順にモノクロ使用度が高いことが示されている。CDグループに関しても同様である。
【0142】
図19のデータを参照することにより、ABEグループは、平均してCDグループよりもモノクロMFPの使用度が高いことがわかる。また、CDグループ内ではDさんよりもCさんの方がモノクロMFPの使用度が高いことがわかる。
【0143】
図20は、図10のステップS205において算出される個人のカラーMFPの平均出力枚数を示す図である。
【0144】
図を参照して、図17のテーブルからAさん〜Eさん各人のカラーMFPによるプリントまたはコピーの回数が読み出され、図20のテーブルに転記される。例えばAさんを例にとると、図17のテーブルからAさんのカラーMFPによるプリントまたはコピーの回数である「20」が読み出され、図20のテーブルに転記される。
【0145】
さらに別途MFP使用履歴データベースD10に記録されている、個人毎の所定期間内のカラーMFPでのプリント枚数と、所定期間内のカラーMFPでのコピー枚数と、その合計(出力枚数合計:TTL/V)とが読み出され、図20のテーブルに記録される。例えば、AさんのカラーMFPによるプリント枚数は50枚、コピーの枚数は20枚で、その出力枚数合計は70枚であったものとする。
【0146】
さらに各人の出力枚数合計(TTL/V)の値が、カラーMFPによるプリントまたはコピーの回数の値で割られ、四捨五入されることでカラー平均出力枚数が算出される。例えばAさんの場合、70÷20=3.5であり、四捨五入した4の値がカラー平均出力枚数となる。
【0147】
図20の右においては、図15のグルーピングがなされた各グループ毎に、そのグループを構成する各人のカラー平均出力枚数と、カラー平均出力枚数の多い者からの順位と、グループ内でのカラー平均出力枚数の平均とが記録されている。例えばABEのグループでは、Aさんのカラー平均出力枚数である「4」と、Bさんのカラー平均出力枚数である「6」と、Eさんのカラー平均出力枚数である「12」と、その平均値である「7」が記録されている。また、Eさん、Bさん、Aさんの順にカラー平均出力枚数が多いことが示されている。CDグループに関しても同様である。
【0148】
図20のデータを参照することにより、ABEグループは、平均してCDグループよりも1回のカラーMFPの使用により出力する用紙枚数が多いことがわかる。また、グループ内でのカラー平均出力枚数も把握することができる。カラー平均出力枚数が多い人に対しては、より高速のカラーMFPを使用させた方が効率がよい。
【0149】
図21は、図10のステップS205において算出される個人のモノクロMFPの平均出力枚数を示す図である。
【0150】
図を参照して、図17のテーブルからAさん〜Eさん各人のモノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数が読み出され、図21のテーブルに転記される。例えばAさんを例にとると、図17のテーブルからAさんのモノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数である「26」が読み出され、図21のテーブルに転記される。
【0151】
さらに別途MFP使用履歴データベースD10に記録されている、個人毎の所定期間内のモノクロMFPでのプリント枚数と、所定期間内のモノクロMFPでのコピー枚数と、その合計(出力枚数合計:TTL/V)とが読み出され、図21のテーブルに記録される。例えば、AさんのモノクロMFPによるプリント枚数は50枚、コピーの枚数は20枚で、その出力枚数合計は70枚であったものとする。
【0152】
さらに各人の出力枚数合計(TTL/V)の値が、モノクロMFPによるプリントまたはコピーの回数の値で割られ、四捨五入されることでモノクロ平均出力枚数が算出される。例えばAさんの場合、70÷26=2.6であり、四捨五入した3の値がモノクロ平均出力枚数となる。
【0153】
図21の右においては、図15のグルーピングがなされた各グループ毎に、そのグループを構成する各人のモノクロ平均出力枚数と、モノクロ平均出力枚数の多い者からの順位と、グループ内でのモノクロ平均出力枚数の平均とが記録されている。例えばABEのグループでは、Aさんのモノクロ平均出力枚数である「3」と、Bさんのモノクロ平均出力枚数である「4」と、Eさんのモノクロ平均出力枚数である「3」と、その平均値である「3」が記録されている。また、Bさん、Eさん、Aさんの順にモノクロ平均出力枚数が多いことが示されている。CDグループに関しても同様である。
【0154】
図21のデータを参照することにより、ABEグループは、平均してCDグループよりも1回のモノクロMFPの使用により出力する用紙枚数が少ないことがわかる。また、グループ内でのモノクロ平均出力枚数も把握することができる。モノクロ平均出力枚数が多い人に対しては、より高速のモノクロMFPを使用させた方が効率がよい。
【0155】
図22は、図18〜図21の演算結果をまとめたテーブルを示す図である。
【0156】
図を参照してABEのグループと、CDのグループとのそれぞれにおける、カラー使用度と、モノクロ使用度と、カラー平均出力枚数と、モノクロ平均出力枚数とが記録されている。また、グループ内の各メンバーの各項目の順位が記録されている。
【0157】
このような情報を用いることで、グループを構成する人物同士を近くに配置したり、各グループおよび各人がよく使う画像形成装置の側に、そのグループやその人物を配置することができる。
【0158】
次に、図22のテーブルに基づいて座席位置を決定する方法について説明する。
【0159】
図23は、座席位置を決定する室内の具体例を示す平面図である。
【0160】
図を参照して、2×2の4名が座ることができる座席群G1およびG2が存在している。座席群G1の図面右上の席の近くに、カラーMFP1Bと、比較的高速での用紙出力が可能なモノクロMFP1Aが存在している。座席群G2の図面右上の席の近くに、比較的低速での用紙出力を行うモノクロMFP1Cが存在している。
【0161】
図24は、図23の室内において1つ目のグループの座席配置を行った結果を示す図である。
【0162】
ここではアセスメントサーバ100Aが、図22の情報を元にAさん〜Eさんの座席配置を決定する処理について説明する。
【0163】
先ず、2つのグループであるABEグループとCDグループとでカラーMFPの使用度(カラー使用度)が高いグループを決定する。これは、図22の「カラー使用度」の平均が最も高いグループを選択するものである。図22においては、カラー使用度の平均が1751であるCDグループが最もカラー使用度が高いので、CDグループが選択される。
【0164】
同一のグループの人物を同一の座席群内に配置させ、最もカラー使用度が高いグループをカラーMFP1Bの近くに配置するように、CDグループに対しては座席群G1が選択される。
【0165】
またCDグループ内において、CさんとDさんそれぞれのモノクロ使用度とカラー使用度とが比較される。ここではカラー使用度はCさんよりもDさんの方が高く、モノクロ使用度はDさんよりもCさんの方が高い。これにより、CさんをモノクロMFPの近くに配置し、DさんをカラーMFPの近くに配置する。例えば、図24に示されるようにCさんとDさんとが配置される。
【0166】
グループを構成する人員が2名であるとき、または座席群の近くにカラーMFPがあるときには、上述のようにして座席の配置が決定される。
【0167】
次に、座席群G2に対してABEグループの人員を配置する。座席群G2の近くには、高速のモノクロMFP1Aと低速のモノクロMFP1Cとが存在する。このように座席群の近くに複数種類のモノクロMFPが存在する場合、以下のようにして座席配置が決定される。
【0168】
図25は、Aさん、Bさん、およびEさんのグループ内での座席配置を決定する処理を示す図である。
【0169】
図22の情報の中から、Aさん、Bさん、およびEさんのモノクロ使用度の順位、モノクロ平均出力枚数の順位、カラー使用度の順位、およびカラー平均出力枚数の順位が読み出され、図25のように各人のモノクロ使用度の順位とモノクロ平均出力枚数の順位との和が求められる。また、各人のカラー使用度の順位とカラー平均出力枚数の順位との和が求められる。例えば図25においてAさんのモノクロ使用度の順位は「3」であり、モノクロ平均出力枚数の順位は「3」であり、その和は「6」である。
【0170】
図26は、図23の室内において2つ目のグループの座席配置を行った結果を示す図である。
【0171】
アセスメントサーバ100Aは、先ず図25左のモノクロ使用度の順位とモノクロ平均出力枚数の順位との和に基づいて、その値が小さい者であるBさん(和が「3」)とEさん(和が「3」)をモノクロ高速のMFP1Aの近くに配置するように処理を行う。また、図25右のカラー使用度の順位とカラー平均出力枚数の順位との和に基づいて、その値が小さい者であるBさん(和が「3」)、Eさん(和が「4」)、Aさん(和が「5」)の順に、カラーMFP1Bの近くに配置するように処理を行う。
【0172】
例えば、モノクロ使用度の順位とモノクロ平均出力枚数の順位との和に関しては、Bさん(和が「3」)とEさん(和が「3」)とは同じ値であるが、カラー使用度の順位とカラー平均出力枚数の順位との和に関しては、Bさん(和が「3」)が最も小さい。このため、BさんとEさんとで比較すると、Bさんの方がカラーMFPの近くに配置されるように座席の配置が行われる。
【0173】
このように、モノクロのMFPの使用履歴とカラーMFPの使用履歴に基づいて、図26のようにAさん、Bさん、Eさんの配置が行われる。
【0174】
図26では、それぞれのグループの人員がまとめられて座席に配置されている。また、カラーMFP1Bを最も多く使用するDさんがカラーMFP1Bの最も近くに配置されている。モノクロのMFPの使用頻度と出力枚数が多く、かつカラーMFPを比較的よく使うBさんが、高速のモノクロMFP1Aの側に配置されている。
【0175】
なお、グループ内の人材の配置は、モノクロ使用度とカラー使用度のいずれかに基づいて決定してもよい。または、モノクロ平均出力枚数、カラー平均出力枚数のいずれかに基づいて決定してもよい。
【0176】
図27は、着座実績記録部405によって記録された各人の着座実績と、最適な座席配置を算出する算出部407の算出した座席位置との一致度の算出方法を示す図である。
【0177】
ここでは16の座席のそれぞれに1〜16の番号が振られており、それぞれの座席に過去に座った人物(a〜pのいずれか)の記録(実績)と、算出された最適な座席配置におけるそれぞれの座席に座るのが望ましい人物(各座席における最適な人物の提案であり、a〜pのいずれか)とが記録されている。さらに、各座席において、実績と提案とがマッチしていた場合には、フラグ(○)が付与される。
【0178】
一致度表示部409は、座席の総数中のフラグが付された座席の数の割合を算出する。図27においては座席の総数は16であり、フラグが付された座席の数は9である。フラグが付された座席の数の座席の総数中の割合は、9÷16×100=56[%]であると評価(アセスメント)される。
【0179】
[実施の形態における作用および効果]
【0180】
以上のように、人物の最適配置およびアセスメントシステムは、個人単位のMFP(画像形成装置の一例)の使用履歴を収集する機能と、メンバー間の交流を行うコミュニケーションツールの利用度を収集する機能と、収集された結果に基づいてメンバーから複数のグループを作成する機能と、作成したグループに属するメンバーの画像形成装置の使用頻度から、各グループ毎の画像形成装置の使用度を算出する機能と、使用度の高いグループから順に、画像形成装置に近い場所に配置する機能と、グループ内において画像形成装置を使用する回数の高いメンバーから順に、画像形成装置に近い場所に配置する機能とを有する。
【0181】
グループを作成する機能においては、各コミュニケーションツールの重み付けを行い、それを補正値として複数のグループが作成される。
【0182】
コミュニケーションツールとしての電子メールの使用頻度収集については、同一宛先として含まれている回数、および送受信の回数の双方が基準値を超えている場合に同一グループ候補とみなすこととしてもよい。また、第1の人物が送信(または受信)した電子メールに、第2の人物が宛先(または送り主)として含まれている回数が基準値を超えている場合に、それら第1および第2の人物を同一グループと判断してもよい。
【0183】
最適な配置位置は、入室時に入室者に伝えることができる。また、最適な配置位置と、所定期間内における着座実績位置とを比較し、一致度を算出して表示することとしてもよい。
【0184】
本実施の形態においては、フリーアドレス状況下(各個人が専用の座席を有せず、好きな位置に座ることができる状況)において、画像形成装置の移動による最適配置ではなく、人を移動させることによる最適配置を行うことができる。これにより、少ない労力でタイミング良く効率的にOPS(MPS)が実行できる。すなわち、MFPなどのIT機器を使用する頻度が高いユーザをIT機器の近くに位置させること、個人の移動する時間を短縮させることができ、デスクワークの時間を増加させることができる。また、業務上関係の深いメンバーが近くに集まることにより、簡単にFace to Faceのコミュニケーションを行うことができるので、コミュニケーション時間を短縮でき、業務効率が向上する。
【0185】
また、アセスメントツールが導出する最適配置により、現座席の効率を認識/是正することができる。
【0186】
なお座席などの作業位置の決定装置は、上述の実施の形態のようにサーバ内に備えさせることとしてもよいし、MFP1やPC内に備えさせることとしてもよい。
【0187】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0188】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0189】
1,1A〜1C MFP
21 CPU
29 通信ユニット
100,100A,100B サーバ
121 CPU
131 通信ユニット
200A〜200D PC
221 CPU
229 通信ユニット
300A〜300D RFIDタグ
310 RFIDアンテナ
320 座席位置表示部
401 座席認識部
403 コミュニケーションツールカウント部(利用状況収集部)
405 着座実績記録部
407 最適配置算出部
409 一致度表示部
411 最適配置表示部
413 MFP使用履歴記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集手段と、
前記収集手段により収集された利用状況に基づいて、前記コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化手段と、
前記グループ化手段によるグループ分けに従って、前記複数の人物の作業位置を決定する位置決定手段とを備えた、位置決定装置。
【請求項2】
前記作業位置を含む室内には、画像形成装置が設置されており、
前記位置決定装置は、前記グループにおける前記画像形成装置の使用履歴を取得する取得手段をさらに備え、
前記位置決定手段は、前記取得手段によって取得された使用履歴に基づいて、前記グループ化手段によってグループ化された、ある1つのグループの作業位置を決定する、請求項1に記載の位置決定装置。
【請求項3】
前記位置決定手段は、前記グループ化手段によってグループ化された、ある1つのグループを構成する人物それぞれにおける前記画像形成装置の使用履歴に基づいて、前記グループを構成する人物それぞれの作業位置を決定する、請求項2に記載の位置決定装置。
【請求項4】
前記位置決定手段は、前記画像形成装置の使用頻度の高いグループから順に、前記画像形成装置に近い場所から作業位置を割り振る、請求項2または3のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項5】
前記位置決定手段は、前記画像形成装置の使用頻度の高い人物から順に、前記画像形成装置に近い場所から作業位置を割り振る、請求項2から4のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項6】
前記収集手段は、複数種類のコミュニケーションツールの利用状況を収集し、
前記グループ化手段は、前記複数種類のコミュニケーションツールの各々に重み付けを行い、前記複数種類のコミュニケーションツールの利用状況に基づいて、前記コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分ける、請求項1から5のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項7】
前記コミュニケーションツールは、電話、電子メール、会議スケジュール管理、およびタスク管理の少なくとも1つを含む、請求項1から6のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項8】
前記収集手段は、少なくとも電子メールの利用状況を収集し、
前記グループ化手段は、前記複数の人物のうちの第1の人物が送信した電子メールの宛先に基づいてグループ化を行う、請求項1から7のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項9】
前記グループ化手段は、前記複数の人物のうちの第1の人物が送信した電子メールに、前記複数の人物のうちの第2の人物が宛先として含まれている回数が基準値を超えている場合に、前記第1の人物と前記第2の人物とを同一グループとする、請求項8に記載の位置決定装置。
【請求項10】
前記グループ化手段は、前記複数の人物のうちの第1の人物が受信した電子メールに、前記複数の人物のうちの第2の人物が送り主として含まれている回数が基準値を超えている場合に、前記第1の人物と前記第2の人物とを同一グループとする、請求項8または9に記載の位置決定装置。
【請求項11】
前記グループ化手段は、コミュニケーションを行った回数が基準値を超えている人物同士を同一グループとする、請求項1から10のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項12】
前記位置決定手段により決定された作業位置を表示する表示手段をさらに備えた、請求項1から11のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項13】
前記複数の人物の実際の作業位置と、前記位置決定手段により決定された作業位置とを比較し、一致度を算出する算出手段をさらに備えた、請求項1から12のいずれかに記載の位置決定装置。
【請求項14】
コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された利用状況に基づいて、前記コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化ステップと、
前記グループ化ステップによるグループ分けに従って、前記複数の人物の作業位置を決定する位置決定ステップとを備えた、位置決定装置の制御方法。
【請求項15】
コミュニケーションツールの利用状況を収集する収集ステップと、
前記収集ステップにより収集された利用状況に基づいて、前記コミュニケーションツールを利用する複数の人物をグループに分けるグループ化ステップと、
前記グループ化ステップによるグループ分けに従って、前記複数の人物の作業位置を決定する位置決定ステップとをコンピュータに実行させる、位置決定装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−234420(P2012−234420A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103463(P2011−103463)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】