説明

位置測定装置

【課題】操作の容易な高感度の位置測定装置を提供する。
【解決手段】第1の電気装置及び/又は第2の電気装置の電圧のそれぞれの比が予め定められた比に対し所定の基準よりも大きく異なっていると、物体が検出されたことを表す信号を形成するよう構成されている比較器と、第1の電気装置及び/又は第2の電気装置の電圧のそれぞれの比が予め定められた比に対し所定の基準よりも大きく異なっていると、物体を表す信号を出力する出力装置とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置測定装置に関する。本発明は特に、請求項1の特徴部分に記載されている構成を備えている、媒体に包囲されている物体を検出するための位置測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
壁の中に隠れている対象物を検出するために様々な位置測定装置が知られている。壁の中に隠れている対象物として挙げられるのは、例えば水道管、電線又はガス管などであり、壁を処理する際にそれらを損傷してはならない。他方、対象物として木の梁や他の支持構造を挙げることができ、処理はそのような支持構造の領域において行われることになる。
【0003】
鋼鉄製の水道管のような金属の対象物壁内部で探り出す目的で、一般的に磁界が生成され、対象物が磁界に作用を及ぼしているか否かが検査される。その影響が所定の基準を超えた場合、対象物が検出されることになる。例えば木の梁といった非金属の対象物は、その誘電特性に基づき検出することができる。この目的で電界が生成され、対象物が電界にどの程度まで作用を及ぼすかが検査される。その影響が所定の基準を超えた場合、対象物が検出されることになる。対象物が電流又は電圧を案内する導体であるならば、導体を取り囲む電磁界を検出することもできる。金属でもなく誘電特性を簡単に検出することもできない対象物、例えばプラスチックによって被覆されている銅製の電流導体などは、そのようにして検出することができる。
【0004】
位置測定装置における基本的な問題点は、検出感度を高めると誤測定が起こりやすくなることである。従って測定を行なう場所で、ユーザが位置測定装置を較正しなければならない。そのような較正により、測定プロセスが煩雑になり曖昧になってしまう虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、操作の容易な高感度の位置測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によればこの課題は、請求項1の特徴部分に記載されている構成を備えている位置測定装置によって解決される。従属請求項には本発明の有利な実施の形態が開示されている。
【発明の効果】
【0007】
対象物、特に媒体に包囲されている物体を検出するための本発明による位置測定装置は、第1の電磁装置及び/又は第2の電磁装置を制御するためのプッシュプル測定ブリッジを備えている。その種のプッシュプル測定ブリッジは、誘導性の電磁装置に関する、例えばDE 10 2010 028 723 A1又はDE 10 2010 031 147 A1から公知である。DE 10 2010 028 718 A1には、容量性の電磁装置のためのその種のプッシュプル測定ブリッジが開示されている。その種のプッシュプル測定ブリッジは、(容量性の電磁装置の場合には)容量性の電極もしくは(誘導性の電磁装置の場合には)コイルに位相シフトされた複数の交流電圧を供給するための発振器を備えている。更に、その種のプッシュプル測定ブリッジは、それらの交流電圧の内の少なくとも一つの交流電圧の振幅を制御するための制御装置を備えている。
【0008】
誘導性の電磁装置の場合には、送信コイルに交番電圧が印加され、それにより、その交番電圧とクロック同期された交流電圧成分の絶対値が最小にされる。その種の交流電圧成分は例えば受信コイルによって検出される。即ち、その種の交流電圧成分は受信コイルに誘導される。
【0009】
それに対する代案として、誘導性の電磁装置において受信コイルを省略することもでき、差電圧の、交番電圧とクロック同期された交流電圧成分が測定され、その絶対値が最小にされる。その目的で、例えば直列に接続されている二つのオーム抵抗から成る装置を形成することができる。それら二つのオーム抵抗はそれぞれ送信コイルの複素抵抗の一部で良い。
【0010】
容量性の電磁装置の場合には、容量装置、即ち容量性の電極に交番電圧が印加される。その目的で制御装置は、交番電圧とクロック同期された交流電圧成分が最小となるように、その交番電圧を増幅するよう構成されている。交流電圧成分を例えば、DE 10 2010 028718 A1の図1に示されている装置に対応する電位プローブを用いて測定することができる。
【0011】
第1の電磁装置は、前述の制御に依存して、対象物の領域内に交番電磁界を形成する。位置測定装置の比較器は、予め定められた比に対し所定の基準よりも可変の比が大きく異なっているならば、対象物を検出する。
【0012】
プッシュプル測定ブリッジは、上述のように、別の用途において従来技術で原理的に知られており、例えばDE 10 2008 005 783 A1から公知である。もっとも媒体に隠れている物体を検出するための位置測定装置は公知ではない。
【0013】
その種のプッシュプル測定ブリッジを用いることにより、電磁界を補償しながら測定を行うことができるので、広い測定範囲と位置測定装置の高い感度とを両立させることができる。更には、プッシュプル測定ブリッジを用いることにより差分測定を行うことができるので、位置測定装置のユーザによる較正を省略することができる。択一的に磁界又は電界によって測定を行なうためにプッシュプル測定ブリッジを使用することができる。この場合、電磁界のそれぞれ別の成分はゼロに近付くことになる。
【0014】
本発明による位置測定装置の一つの実施の形態によれば、切替スイッチによって第1の電気装置及び/又は第2の電気装置を選択的に制御するためにプッシュプル測定ブリッジが設けられている。
【0015】
第1の電気装置は少なくとも二つのコイル、特に二つの送信コイルを備えており、例えば金属製の物体を検出することができる誘導性のセンサとして使用される。
【0016】
第2の電気装置は少なくとも二つの容量性の電極を備えており、例えば誘電性の物体を検出することができる容量性のセンサとして使用される。
【0017】
有利には、プッシュプル測定ブリッジとして形成されている制御装置はIC(集積回路)、特にASICとして形成されており、装置のケーシング内に配置されている。
【0018】
本発明による位置測定装置は特に、例えばLCDディスプレイのような面状ディスプレイとしての出力装置を有しており、この出力装置により、物体を示唆する信号、特に光学信号を出力することができる。本発明による位置測定装置は物体を示唆する信号を出力することができ、特に、どのような種類の対象物(金属製、磁気性、木材、電線等)が検出されたかを示唆することもできる。
【0019】
位置測定装置はユーザによる所定の基準の変更のための装置を備えることができる。これによって、ユーザは位置測定装置の感度を調整することができる。所定の基準の調整を制御信号の増幅と一致させて実施することができる。この制御信号は第1の電磁装置及び第2の電磁装置に供給され、その結果、形成された電磁界は相応に増幅されている。一つの実施の形態によれば、所定の基準を複数の予め定められた値の間で切替えることができ、例えば二つ又は三つの値の間で切替えることができ、その結果、位置測定装置は種々の感度を使用することができ、ユーザはそれらの感度を簡単に選択することができる。
【0020】
更に一つの実施の形態によれば、本発明による位置測定装置は対象物に対する位置測定装置の移動を検出するための変位センサを有している。位置測定装置は特に、プッシュプル測定ブリッジの測定結果を装置の移動ポジションに対応付けるために構成されている。そのようにして、誘電性の物体にも位置座表を対応付けることができる。
【0021】
本発明による位置測定装置の一つの実施の形態によれば、別の電磁装置を備えている別のプッシュプル測定ブリッジが設けられている。この別の電磁装置として誘導性又は容量性のセンサユニットが考えられる。しかしながら、別の電磁装置は他のセンサユニットであっても良い。
【0022】
この別のプッシュプル測定ブリッジを、第1のプッシュプル測定ブリッジと同じIC/ASICに組み込むことができるが、しかしながらまた、別のプッシュプル測定ブリッジを第2のIC/ASICに組み込みこともでき、また位置測定装置に取り付けることができる。
【0023】
本発明による位置測定装置においては、プッシュプル測定ブリッジを用いて制御される複数の電磁装置の内の少なくとも一つの電磁装置を位置測定装置のケーシングの一つの面、特にケーシングにおいて出力装置が設けられている面とは反対側の面においてケーシングの内部に配置することができる。
【0024】
本発明による位置測定装置は、エネルギー供給のために少なくとも一つのバッテリ、特に、再充電可能な蓄電池としての少なくとも一つのバッテリを有している。
【0025】
本発明による位置測定装置の択一的な実施の形態によれば、第1の電磁装置は対象物の領域において磁界と電界を順次発生させることができる。その目的で、電磁装置はコイル及び電極を備えることができ、それらは順次、プッシュプル測定ブリッジに接続される。
【0026】
一つの実施の形態によれば、相互に対応する複数の電磁装置が用いられる。その際、第3の電磁装置のところに、他の二つの電磁装置に対し可変の比を有している電磁界が生じるよう、プッシュプル測定ブリッジを構成することができる。これに対する代案として、可変の比を求めるために、第1の電磁装置の電気的特性量と第2の電磁装置の電気的特性量を相互に比較することができる。別の実施の形態によれば、第2の電磁装置は電磁界を発生させるのではなく、プッシュプル測定ブリッジに対する電気的負荷を形成し、この負荷は、第1の電磁装置の電気的負荷と可変の比を成すものである。
【0027】
付加的に位置測定装置は、対象物の電界を求めるための装置を備えることができ、その場合、対象物の検出はプッシュプル測定ブリッジ及び装置に基づき順次行うことができる。前述の三つのやり方の内の一つのやり方で対象物が検出されたときに、対象物が検出されたとするのが有利である。その場合、対象物が検出されたときに位置測定装置の出力装置が、どの種類の電磁界に基づき対象物が検出されたのか、もしくはどのような種類の物体であるかを表す信号を出力することができる。第1の信号が、プッシュプル測定ブリッジと磁界により実行された測定であることを表し、第2の信号が、プッシュプル測定ブリッジと電界により実行された測定であることを表し、また第3の信号が、対象物の電界を求めるための装置によって実行された測定であることを表すことができる。信号を、視覚的な信号及び音響的な信号の内の少なくとも一方とすることができる。
【0028】
本発明による位置測定装置の一つの実施形態によれば、並置された複数の第1の電磁装置が設けられており、それらの第1の電磁装置はプッシュプル測定ブリッジにおいて順次駆動される。これによって対象物の検出を一次元又は二次元で実行することができ、この検出によって対象物をいっそう精密に位置特定することができ、もしくは、対象物の境界、例えばエッジをいっそう容易に見つけ出すことができる。
【0029】
一つの実施の形態によれば、種々の第1の電磁装置を用いて達成される測定結果が視覚化され、その際、複数の第1の電磁装置の内それぞれ一つの電磁装置に対応付けられる表示領域が光学式出力装置上で規定される。その場合、表示装置の配置構成は有利には、複数の第1の電磁装置の配置構成に対応する。ユーザに対し、直観的に把握可能であり、且つ、極めて詳細な測定結果の光学的な表示を提供することができる。
【0030】
位置測定装置からの対象物の距離を光学式出力装置のカラー変化と対応させることができる。光学式出力装置を単純にし、ひいては例えば僅かな発光ダイオードを用いて低コストで抑えた構成とするならば、カラー変化によってコストをかけずに測定結果をいっそう精密に表示することができ、その際に多色LED又はバックライドLCDディスプレイを利用することができる。例えばグラフィック対応液晶ディスプレイといったカラー対応のグラフィック平面出力を用いるなどして、光学式出力装置にもっとコストをかけるならば、擬似カラー表示によって対象物の距離をグラフィック表示することができる。この場合にも、測定結果のカラー表示によりユーザの操作性を向上させることができる。
【0031】
測定面に対する位置測定装置の平面的な配置を確保する目的で間隔センサを設けることができる。測定面は一般的に、測定装置の領域に位置する実質的に平坦な面であり、例えば壁、特に軽量パネル、天井又は床などである。位置測定装置において測定面に対向する側は通常、やはり平坦であり、また間隔センサは測定平面と位置測定装置との間が少なくともおおよそ平行であるか否かを監視する。位置測定装置が測定面に対し十分に平坦に配置されていなければ、測定結果を一定に維持する目的で、平行性からの逸脱に応じて予め定められた比を適合させることができる。これに加えて、あるいはこれに代わる構成として、位置測定装置のユーザに警報を出力することができる。
【0032】
対象物に対する位置測定装置の移動を検出するために、位置測定装置に変位センサを設けることもでき、その場合、測定結果はプッシュプル測定ブリッジの測定結果を移動ポジションに対応付けるように構成されている。これによってユーザは、測定領域全体にわたり位置測定装置による走査を行なうことができ、それによって多くの測定結果を記録して、それらの測定結果を例えばグラフィック表示させることができる。一つの実施の形態によれば、グラフィック表示の画像セクション及び/又は拡大レベルを選択して、位置測定装置の光学式出力装置に表示させることができる。
【0033】
更にこの位置測定装置に、別の第1の電磁装置及び別の第2の電磁装置を備えた別のプッシュプル測定ブリッジを設けることができる。その場合、プッシュプル測定ブリッジにおける第1の電磁装置は無視できる程度に僅かな磁気成分を含む電磁界を発生させる一方、別のプッシュプル測定ブリッジにおける第1の電磁装置は、無視できる程度に僅かな電気成分を含む電磁界を発生させ、それにより対象物が電界と磁界に同時に基づいて検出される。
【0034】
以下では添付の図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】プッシュプル測定ブリッジのブロック回路図を示す。
【図2】図1のプッシュプル測定ブリッジを備えた位置測定装置を示す。
【図3】図1のプッシュプル測定ブリッジの種々の電磁装置を示す。
【図4】図2の位置測定装置のグラフィック表示を示す。
【図5】図3による位置測定装置の一例の平面図を示す。
【図6】一例のセンサを備えている、本発明による位置測定装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1には、プッシュプル測定ブリッジ100のブロック回路図が示されている。プッシュプル測定ブリッジ100は、対象物、特に壁、天井又は床のような媒体に包囲されている物体を検出する位置測定装置105の一部である。位置測定装置(図5も参照されたい)は特に手持ち式の測定装置として形成されている。実施の形態に応じて、誘電性の対象物、例えば例えば木製の対象物を検出するために、又は、金属製の対象物、例えば鋼鉄製の対象物を検出するために、プッシュプル測定ブリッジ100を用いることができる。以下では最初に、誘電性の対象物を検出可能な実施の形態について説明する。
【0037】
クロック発生器110は二つの出力端子を有しており、クロック発生器110はこれらの出力端子から、位相シフトされた、有利には180°位相シフトされた、周期的な交流信号を供給する。交流信号は特に矩形信号、三角波信号又は正弦波信号を含んでいて良い。クロック発生器の出力端子は、第1の制御可能な増幅器115もしくは第2の制御可能な増幅器120と接続されている。制御可能な増幅器115,120の各々は、これら制御可能な増幅器115,120の増幅率を制御する信号を受信する制御入力端子を有している。
【0038】
プッシュプル測定ブリッジの信号は、切替スイッチ600(図6を参照されたい)を用いて、第1の電気装置190及び/又は第2の電気装置195に供給される。
【0039】
説明を目的として、第1の電子装置及び第2の電子装置は図1において単一のユニットとして示されているが、しかしながら第1の電子装置及び第2の電子装置に対しては異なる参照番号を付した。
【0040】
以下では、差し当たり第2の電子装置をその電極と共に説明する。
【0041】
第1の制御可能な増幅器115の出力端子は、第2の電子ユニット195の第1の送信電極125と接続されており、第2の制御可能な増幅器120の出力端子は、第2の電子ユニット195の第2の送信電極130と接続されている。受信電極135は電位センサとして用いられ、入力増幅器140と接続されている。この場合、電極125〜135の領域に示されている補償回路網165については、差し当たり考察せず、インピーダンス170は考慮しない。この装置は本明細書の枠内で第2の電気ユニットと称される。第2の電気ユニットは、以下において説明する第1の電気ユニットと同様に、プッシュプル測定ブリッジ100によって制御される。
【0042】
入力増幅器140は、ここでは増幅率が一定のものとして描かれているが、別の実施の形態において入力増幅器140の増幅率を制御可能にすることもできる。これによって例えば、プッシュプル測定ブリッジ100の空間分解能及び/又は感度を制御可能に構成することができ、例えば入力増幅器140の測定信号に応じて制御可能に構成することができる。
【0043】
入力増幅器140の出力端子は同期復調器145と接続されている。同期復調器145は更にクロック発生器110と接続されていて、このクロック発生器110から、クロック発生器110の出力端子に供給される信号の位相関係を示唆するクロック信号を受信する。一つの簡単な実施の形態によれば、クロック発生器110から供給される信号が対称の矩形信号であり、制御可能な増幅器115,120に供給される出力信号の内の一方をクロック信号として用いることができる。同期復調器145は基本的に、クロック発生器110から供給されるクロック信号に基づき、入力増幅器140から受信した測定信号を交互に切替えて、上方の出力端子又は下方の出力端子に供給する。
【0044】
同期復調器145のこれら両方の出力端子は積分器(積分作用をもつ比較器)150と接続されており、この積分器はここでは二つの抵抗及び二つのコンデンサとが接続されているオペアンプとして表されている。他の実施の形態として、例えば能動的なローパスフィルタとして構成することも可能である。その場合、同期復調器145に続く構成をディジタルで実装することも考えられる。その場合、同期復調器145の出力端子に生じる信号が、一つの半端内の一つ又は複数の時点でアナログからディジタルに変換され、次の半波における対応する値と比較される。その差が積分されて、例えばアナログ信号に再び変換され、増幅器115,120の制御に用いられる。入力増幅器140から受信した測定信号を同期復調器145が二つの出力端子のうちの下方の出力端子に供給している間、積分器150はこの信号を時間積分し、その結果を出力端子に供給する。入力増幅器140から受信した測定信号を同期復調器145が上方の出力端子に供給している間、積分器150はこの測定信号を反転して時間積分し、その結果を積分器150の出力端子に供給される。積分器150の出力端子における電圧は、同期復調器145のローパスフィルタリングされた複数の出力の差を積分したものである。
【0045】
第1の送信電極125における容量が、第2の送信電極130における容量と正確に同じ大きさであるならば、同期復調器145の出力端子に供給される信号は、時間平均に関して同じ大きさであり、積分器150の出力端子には、ゼロ(アース)に向かう信号が供給される。しかしながら、例えば送信電極125,130の一方の領域だけに誘電性の対象物があることから、これらの容量が等しくなければ、同期復調器145の出力端子に供給される信号はその平均がもはや等しくはならず、積分器150の出力端子には正の信号又は負の信号が供給される。信号の極性符号及び絶対値は容量の比を表し、その際、信号がゼロであるということは、比が1であることに相応する。
【0046】
積分器150から供給される信号は端子155を介して、梁探知機105の図示されていない評価及び出力装置へ供給される。評価装置は例えば閾値との比較を行うことができ、それによって位置測定装置105のユーザは、積分器150から供給された信号が予め定められた閾値を超えた場合、光学的及び/又は音響的な出力を得る。その際、信号全体を閾値と比較することができるか、又は信号の絶対値を閾値と比較することもできる。
【0047】
積分器150から供給される信号は、制御可能な増幅器115及び120の増幅率の制御にも用いられる。その際、第2の制御可能な増幅器120は、積分器150の出力端子と直接的に接続されており、第1の制御可能な増幅器115は、インバータ160を介して積分器150の出力端子と接続されている。インバータ160は、このインバータ160に供給される信号の反転を行うが、この反転は、積分器150の出力信号に依存して、第1の制御可能な増幅器115の増幅率を、第2の制御可能な増幅器120の増幅率の減少に応じて増大するように、もしくはその逆に増大に応じて減少するようにして行われる。更にその際、制御可能な増幅器のうちの一方の増幅器115,120の増幅率のみが制御されるようにし、他方の制御可能な増幅器120,115の増幅率は一定の値に保持されるようにすることも考えられる。
【0048】
制御可能な増幅器115及び120の増幅率は、送信電極125及び130に印加される交流電圧に同期して受信電極に印加される交流電圧成分の絶対値が最小になるまで、増大もしくは減少する。
【0049】
プッシュプル測定ブリッジ100は、予め定められた比が送信電極125及び130において維持されるように設計されている制御回路である。予め定められた比は、送信電極125及び130の構造及び相互間のポジショニングもしくは受信電極135に対するポジショニングによって定められる。送信電極125及び130と受信電極135とにより形成される容量において形成される容量によって可変の比が生じる。積分器150から供給される信号は、例えば誘電性の対象物などによりこの容量に非対称に及ぼされる影響を補償するための制御信号である。別の実施の形態によれば、上述の可変の比は、電極における電流又は電圧に基づき求められる。
【0050】
補償回路網165は送信電極125,130の各々において、二つのインピーダンスから成る分圧器を有している。その際、分圧された電圧は、それぞれ一つの別のインピーダンスを介して、入力増幅器140へ供給される。受信電極135は、直接ではなく、インピーダンス170を介して、入力増幅器140と接続されている。前述の個々のインピーダンスを相応に選択することによって、制御可能な増幅器115,120の出力端子に作用するインピーダンスを変化させることができる。これにより例えば、電極125〜135の非対称的なポジショニングを補償することができる。
【0051】
一つの別の実施の形態によれば、図1に示した構成とは異なり、補償回路網165から第1の送信電極125の領域におけるインピーダンス並びに第2の送信電極130が省かれる。従って、制御可能な増幅器115,120の交流電圧は、第1の(ただ一つの)送信電極125における容量と、補償回路網165により形成された基準容量との間で補償調整される。基準容量は誘電性の対象物とは異なり不変である。測定には第1の送信電極125と受信電極135だけしか必要とされない。
【0052】
図1に示されているものとは異なる実施の形態も可能であり、図1とは逆にこの実施の形態によれば、補償回路網165から第2の送信電極130の領域におけるインピーダンス並びに第1の送信電極120が省かれる。
【0053】
スイッチを設けることによって既述の実施の形態によるプッシュプル測定ブリッジ100を、両方の送信電極125及び130を利用する3電極測定モードと、第1の送信電極125及び受信電極135を利用する第1の2電極測定モードと、第2の送信電極130及び受信電極135を利用する第2の2電極測定モードとにおいて、作動させることができる。種々の測定モード間の切替を周期的に行うこともできるし、あるいはユーザが制御することもできる。
【0054】
2電極測定モード中、図1のプッシュプル測定ブリッジ100の端子155に印加される電圧が最大になるのは、誘電性の対象物が受信電極135の最も近くにあるときであり、3電極測定モード中、この電圧の絶対値が最大となるのは、誘電性の対象物が送信電極125又は130の一方の最も近くにあるときである。ここで電圧の極性符号は、それぞれ最も近くに位置する送信電極を表す。つまり対象物が電極のところを通過するとき、3電極測定モードであれば極性符号の変化を伴う信号が発生し、2電極測定モードであれば通過する瞬間に局所的な最大値を有する信号が発生する。
【0055】
更には、プッシュプル測定ブリッジ100は金属製の対象物の検出にも用いることができる。これに関して、切替スイッチ600(これについては図6を参照されたい)を用いて、プッシュプル測定ブリッジ100の電圧信号が誘導性の電子装置に出力される。この誘導性の電子装置を本明細書の範囲においては第1の電気ユニット190と称する。
【0056】
プッシュプル測定ブリッジ100は切替スイッチ600を介して、第1の電気ユニット及び/又は第2の電気ユニットを制御する。第2の電気ユニットの電極の代わりに、第1の電気ユニットでは実質的にコイルが利用される(以下の記述及び説明を参照されたい)。
【0057】
第1の電気装置190、即ち誘導性の装置の制御を記述及び説明するために、ここで再び図1を参照する。ここでは、第2の電気ユニットの送信電極が観念的に送信コイルに置換されているものとする。
【0058】
特に、第1の電気装置については以下のことが当てはまる:第1の送信電極125は第1の送信コイル175と置き換えられ、第2の送信電極130は第2の送信コイル180と置き換えられる。受信電極135は、単一の受信コイル185に置き換えられるか、又は、複数の受信コイル、有利には相互に直列に接続されている二つの受信コイルから成るシステムによって置き換えられる。有利には、それら複数のコイルの内の少なくとも一つのコイルを、回路基板上の導体構造(「プリントコイル」)として実装することができる。別の実施の形態によれば、受信電極135を単一の磁気抵抗型磁界センサ、有利にはホールセンサに置き換えることができるか、又は複数の磁気抵抗型センサ、有利には相互に直列に接続されている二つの磁気抵抗型センサから成るシステムに置き換えることができる。更に別の実施の形態によれば、受信電極135の代わりに磁気抵抗型磁界勾配センサも用いることができる。
【0059】
次に、受信コイル185を用いたプッシュプル測定ブリッジ100について説明する。複数の受信コイルから成るシステム185、又は複数の磁気抵抗型磁界センサから成るシステム、又は複数の磁界勾配センサから成るシステムは同じようなやり方で用いられる。
【0060】
送信コイル175,180は、振幅及び位相が周期的に変化する重畳された磁界を形成する。有利には、両方の送信コイル175,180は、それらのコイルの給電電圧の半波毎に、振幅が等しく且つ主磁界方向の向きが平行である磁界を形成する。その際、磁界の極性符号は半波毎に変化する。この目的で、送信コイル175及び180は互いに逆方向に巻回されており、且つ、それらの自由端はアースと接続されている。制御可能な増幅器115,120による電圧供給は、アースとは逆の電圧によって行われる。これに対する代案として、送信コイル175及び180は一つの半波内で、振幅がそれぞれ異なり、且つ主磁界方向の向きが平行又は逆平行の磁界を形成する。一つの半波内で送信コイル175によって形成される磁界の振幅及び極性符号は、先行の半波内又は後続の半波内で送信コイル180によって形成される磁界の振幅及び極性符号に対応している。この目的で、送信コイル175,180の巻回方向並びにアースに向かう送信コイル175,180の給電電圧を相応に適合させることができる。
【0061】
受信コイル185は、両方の送信コイル175及び180の重畳された磁界に晒されるよう、送信コイル175及び180の領域内に配置されている。有利には、送信コイル175から180の配置構成は、制御可能な増幅器115及び120の両方が等しい増幅率を有しているときに、送信コイル175及び180の磁界により受信コイル185において誘導される電圧がゼロとなるが、少なくとも一定となるように選定されている。
【0062】
受信コイル185が一つだけ用いる場合には、例えば送信コイル175及び180を平行な二つの平面内に同軸に配置することができ、また、受信コイル185は前述の二つの平面からそれぞれ等しい間隔を有している第3の平行な平面内に配置される。相互に接続されている二つの受信コイル185から成るシステムが用いられる場合、送信コイル175及び180を二つの平面に配置することができる。相互に接続されている二つの受信コイル185を、二つの平行な平面の一方にそれぞれ配置することができ、有利には、送信コイル175,180のそれぞれ一方の向き及びポジションが受信コイル185のそれぞれ一方の向き及びポジションに対応するように配置することができる。受信コイル185の巻回方向及び結線は、制御可能な増幅器115及び120双方が等しい増幅率を有しているときに、複数の受信コイル185から成るシステムに誘導される電圧がゼロになるという条件に基づき決定される。両方の送信コイル175及び180が、振幅が等しく主磁界方向の向きが平行な磁界をそれぞれ半波内で形成し、且つ、磁界の極性符号が半波毎に変化する場合、例えば、二つの受信コイル185が直列に接続され、且つ、巻回方向が相互に逆無であれば上記の条件が満たされる。二つの受信コイル185を逆直列接続で動作させる場合、受信コイル185を同じ向きで巻回する必要がある。複数の送信コイルによって形成されて重畳される交番磁界の上述の別の実施の形態に関して、受信コイル185の結線と、受信コイル185の巻回方向の相対的な向きによって目的に適った組み合わせが得られる。送信コイル175及び180に関して予め定められた比はこのケースでは1である。
【0063】
コイル180,185の省略並びに補償回路網165及びインピーダンス170の利用に関して、誘電性の対象物を検出する実施の形態に関する既述の説明と同様のことが当てはまる。
【0064】
送信コイル175及び180は、軸方向又は横方向に相互に少なくとも僅かにずらされたポジションに置かれており、従って金属製の対象物は一般に、送信コイル175及び180に対して異なる距離を取ることになる。送信コイル175と送信コイル180との間の平面内に対象物が留まり、送信コイル175,180が軸方向にずらされているケースにおいて、対象物が送信コイル175及び180に対して等しい間隔を有しているような状況は、位置測定装置105における送信コイル175及び180の配置構成によって回避することができる。送信コイル175及び180に関する対象物の非対称的なポジションによって、送信コイル175及び180の磁界は対象物に対し、それぞれ異なる影響が及ぼされる。同様にそれらの磁界に対しても、金属製の対象物によってそれぞれ異なる影響が及ぼされるので、重畳された磁界によって受信コイル185において誘導される電圧はもはやゼロにはならない。プッシュプル測定ブリッジ100は、上述したように、重畳された磁界によって受信コイル185において誘導される電圧の値が再びゼロになるまで、増幅器115及び120の内の一方が他方の増幅器よりも高い増幅率となるよう制御されることによってこの非対称性を補償する。このような場合、送信コイル175と180との間の可変の比はもはや1とは一致せず、ゼロではない電圧が端子155に印加される。端子155に印加される電圧を予め定められた値ゼロ(予め定められた比である1に対応)と比較することによって、金属製の対象物を検出することができる。
【0065】
図6には、一つの有利な実施の形態による本発明の位置測定装置の概略的な構造が再度示されている。位置測定装置は、上述したようなプッシュプル測定ブリッジ100を少なくとも一つ有している。更には、切替スイッチ600を介してプッシュプル測定ブリッジ100から信号を供給することができる、第1の電気装置190及び第2の電気装置195が設けられている。つまり、プッシュプル測定ブリッジ(だけ)を用いて二つの電気装置、即ち二つのセンサを動作させることができる。
【0066】
図2には、図1のプッシュプル測定ブリッジ100を備えている位置測定装置105の概略図が示されている。プッシュプル測定ブリッジ100は有利にはIC、例えばASIC(特定用途向けIC)に集積されている。
【0067】
位置測定装置105は、プッシュプル測定ブリッジ100と接続されている処理装置205を有している。更に、処理装置205は電圧センサ210及びエネルギー制御装置215と接続されており、このエネルギー制御装置215自体はバッテリ220、例えば再充電可能な蓄電池及び充電端子225と接続されている。更には、処理装置205はデータインタフェース230、光学式出力装置235、音響式出力装置240、入力装置245及びポジションセンサ250と接続されている。
【0068】
図示の実施の形態の場合、プッシュプル測定ブリッジ100は処理装置205とは別個に構成されている。但し別の実施の形態として、プッシュプル測定ブリッジ100の素子を処理装置205によって形成することもできる。特に、第1の電気装置と第2の電気装置との間の切替スイッチは処理装置205の一部であっても良い。処理装置205は有利には、動作クロック発生器及びプログラムメモリ並びにデータメモリを備えている、一般的なディジタルマイクロコンピュータである。処理装置205のディジタル信号とプッシュプル測定ブリッジ100内のアナログ信号との間の変換を行なうため、一つ又は複数のディジタル/アナログ変換器(DAC)と少なくとも一つのアナログ/ディジタル変換器(ADC)を設けることができる。特に、処理装置205によって、クロック発生器110、制御可能な増幅器115,120、同期復調器145、積分器150及び/又はインバータ160を実装することができる。
【0069】
第1の電磁装置190及び第2の電磁装置195に関する可変の比率を表す、プッシュプル測定ブリッジ100の端子155から供給される信号の評価も処理装置205によって行うことができる。信号の評価として、信号と予め定められた値との比較、また、この信号と予め定められた値との差が所定量を超えているか否かを決定することが含まれる。別の実施の形態によれば、既述の機能を別個の素子によって実装することもでき、例えばアナログ電子回路によって、又は特定用途向けIC(ASIC)として実装することができる。
【0070】
電圧センサ210は、電流又は電圧を案内する導体から発せられる電磁界を検出する公知のセンサである。一つの実施の形態によれば、専ら、予め定められた周波数範囲の交番電磁界が電圧センサ210によって検出され、例えば20Hzよりも高い周波数範囲で、有利には約45Hzから65Hzの範囲で検出される。更に有利には、電圧センサ210は電圧センサ210の測定電極に印加される電圧の電界に基づき電磁界を求める。
【0071】
電圧センサ210に加えて、プッシュプル測定ブリッジ100の測定結果を向上させるために、図示されていない別の補助センサを処理装置210と接続することができる。これには、電磁装置190〜198が測定面に関して要求通りに配向されているか否か、殊に測定面と電磁装置190〜198との間隔が等しいか否かを検出するセンサが含まれる。これによって、位置測定装置105が測定面に対して傾いてしまうのを防止することができる。測定面は通常、検出すべき対象物が含まれている物体の表面である。そのような物体として挙げられるのは、中に対象物が隠れている可能性のある塀や壁である。
【0072】
エネルギー制御装置215は、動作に必要とされる電圧を位置測定装置105に供給する。通常、そのために必要とされる電気エネルギーはバッテリ220、例えば再充電可能な蓄電池から取り出される。バッテリ220を充電するために、エネルギー制御装置215に対し充電端子225を介して電気エネルギーを供給することができ、その際、エネルギー制御装置215はバッテリ220の充電を制御及び監視する。位置測定装置105を、専ら充電端子225を介して供給される電気エネルギーに基づき動作させることも可能である。充電端子225は通常、低電圧のプラグであり、このプラグのペアとなる部材は電源装置と接続されている。一つの実施の形態によれば、位置測定装置105が装填される充電ステーションを設けることができ、充電端子225は電源装置と電気的に接続されるので、それによってバッテリ220を充電することができる。更に別の実施の形態によれば、電源を位置測定装置105内にも収容することができ、また、充電端子225を通常の電力網と接続することができる。
【0073】
位置測定装置105への電気エネルギーの供給並びにバッテリ220の充電過程の制御のためのロジックの一部分を処理装置205によって実装することができる。更に、処理装置205がエネルギー制御装置215の動作に関与することができる。例えば、位置測定装置105が使用されなかった、予め定められた時間後に位置測定装置105を自動的に遮断したり、バッテリ220の目下の充電状態を問い合わせたりすることができる。
【0074】
データインタフェース230によって、処理装置205は外部機器と情報を交換することができる。その種の情報として挙げられるのは、集計された測定結果、又は処理装置205の記憶装置内に格納されている測定結果に係るものである。データインタフェース230及び充電端子225を相互に統合させて実装することができる。有利には、データインタフェース230はディジタルシリアルデータインタフェース、特にUSBインタフェースである。
【0075】
第1の実施の形態によれば、光学式出力装置235がプッシュプル測定ブリッジ100の測定結果を視角的に表示するための複数の発光ダイオードを備えている。同様に位置測定装置105の内部状態を表示するため、例えばバッテリの状態を表示するための別の発光ダイオードも備えることができる。
【0076】
第1の実施の形態と組み合わせることもできる第2の実施の形態によれば、光学式表示装置235はグラフィックディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を有している。LCDには例えばLED又はOLEDによるバックライトを設けることができ、更に個々のドットを選択的に表示可能なドットマトリックスを備えた領域を設けることができる。LCDもバックライトも、又は第1の実施例の発光ダイオードも、複数の出力色をサポートすることができる。一つの有利な実施の形態によれば、光学式出力装置は、周囲が明るくても暗くても位置測定装置105の動作が可能であるように構成されている。この目的で、LEDの輝度もしくはLCDのバックライトの輝度を周囲の明るさに適合させることができる。
【0077】
音響式出力装置240がスピーカ又は圧電変換器を備えることができる。プッシュプル測定ブリッジ100の測定結果の表示を、光学式出力装置235及び音響式出力装置240によって、視覚的又は聴覚的に、又はそれらを組み合わせて出力することができる。例えば、検出された対象物のポジションを光学式出力装置235上で表示させることができる一方、特有のサウンドが音響式出力装置240から出力されて対象物の金属特性が通知される。視覚的に表示される対象物の色により、対象物の距離、特に対象物の深さをシンボリックに表現することができる。色及びサウンドと対象物の特性(金属、誘電性、通電性)との対応付けを変更可能であり、一つの実施の形態によれば、これを位置測定装置105のユーザによって変更することもできる。
【0078】
入力装置245によってユーザは位置測定装置105を操作することができる。入力装置245は複数のキーを備えることができ、それらのキーを一つのキーボードとしてまとめることができる。一つの実施の形態によれば、入力装置245にはただ一つのボタンだけが設けられており、位置測定装置の全ての操作がその一つのボタンによって保証されている。入力装置245に対し部分的に又は完全に、バックライト照明を行なうことができる。このバックライトを光学式出力装置235のバックライトと結合することができる。これに対する代案として、又はこれに加えて、バックライトがユーザにより制御されるように構成することができる。更に入力装置245は、特に回転式又はスライド式のコントローラといった他の入力手段を備えることもできる。その種のコントローラをアナログ又はディジタルで捕捉することができ、特に、無段階式で、又は細粒度で、位置測定装置105のパラメータを変更するために用いることができる。その種のコントローラを用いて、プッシュプル測定装置100の感度を調整することができる。しかも入力装置245を全て、又は部分的に、接触感応式のディスプレイ(タッチスクリーン)として出力装置235と統合して実装することができる。
【0079】
ポジションセンサ250は、測定面に関する位置測定装置105の移動量を検出することによって、測定面に関する位置測定装置105のポジションを検出するために用いられる。この検出を一次元又は二次元で行うことができる。この目的で、例えば加速度センサ、有利にはマイクロメカニカル加速度センサを用いることができる。これに対する代案として、位置測定装置105と測定面との間の領域にホイールを配置することができ、ホイールの回転が処理装置205によって移動量に換算される。二次元で検出を行なう場合、コンピュータマウスにおいて用いられるものと同様の機構を使用することができる。これによれば、位置測定装置105と測定面との間にロールボールが保持されており、位置測定装置105の移動量がロールボールの運動に基づき二次元でサンプリングされる。更に別の実施の形態によれば、光学コンピュータマウスと類似の光学式捜査を実施することができる。これによれば、ポジションセンサ250は測定面に向けられているカメラを備えており、ポジションセンサ250はカメラによって記録された画像の移動量を測定面に関する位置測定装置105の移動量に換算する。この換算を処理装置205によって実施することもできる。カメラの領域に光源を配置することができ、例えば一つ又は複数の発光ダイオードとして配置することができる。
【0080】
図示されているプッシュプル測定ブリッジ100の他に、別の複数のプッシュプル測定ブリッジ100も位置測定装置105に含ませることができ、それらを処理装置205と接続することもできる。
【0081】
更には、処理装置205によって制御される種々の電磁装置190〜198を一つ又は複数のプッシュプル測定ブリッジ100と接続することができるので、それぞれ異なるように構成された、又はそれぞれ異なるポジションに位置する電磁装置190〜198を用いて測定を実施することができる。
【0082】
図3には、図1に示したプッシュプル測定ブリッジ100における電磁装置190〜198の種々の配置構成が示されている。図3Aにはマトリックス状の配置構成が示されている。第3の電磁素子198は3×3マトリックスにおける中央の素子を成しており、このマトリックスにおける残りの素子は第1の電磁装置190及び第2の電磁装置195によって形成されている。第3の電磁素子198を中心に、それぞれ第1の電磁素子190と第2の電磁素子195とが相互に向き合っている。
【0083】
相互に向き合っている第1の電磁装置190乃至第2の電磁装置195の種々のペアが、切替スイッチを用いて時間順序でプッシュプル測定ブリッジ100と接続されるので、相互に向き合っている第1の電磁装置190と第2の電磁装置195とを結ぶラインに沿って、第3の電磁装置198のいずれの側に対象物が位置しているのかを求めることができる。これによって、対象物のポジションを、第3の電磁装置と関連付けて電磁装置190から198の平面において複数の方向で求めることができる。
【0084】
図3Bには、電磁装置190から198のハニカム状の配置構成が示されている。この場合、第3の電磁装置198は、8個ではなく6個の隣接する電磁装置190,195を有している。特に、電磁装置190,195がコイルを備えている場合、図3Bに示されている実施の形態は有利となる可能性がある。何故ならば、コイルは図3Aに示した矩形形状よりもハニカム形状に近似させやすいからである。従って、電磁装置190から198の平面実装密度をハニカム状の配置構成において高めることができる。
【0085】
図3A及び図3Bに示されている配置構成を、図平面において任意の方向に続けて拡げていくことができる。これによって原則的に、任意の大きさで配置された電磁装置190から198をサポートできるようになる。複数のプッシュプル測定ブリッジ100が位置測定装置105に設けられている場合には、複数の測定を同時に行なうこともできる。その場合、相互作用を回避するために、アクティブな電磁装置190から198の間隔を十分にとるよう留意する必要がある。一回の測定に関与する電磁装置190から198は相互に隣り合っている必要は無く、有利には結線されていない他の電磁装置190から198によって相互に隔てることができる。
【0086】
第1の電気装置の2電極測定モード(図1に関する既述の説明を参照)であれば、図3A及び図3Bに示された配置構成を相応のやり方で結線することができる。
【0087】
図3Cは、第1の電気ユニット及び第2の電気ユニットに関する組み合わせられた測定素子310の実施の形態が例示されている。組み合わされた測定素子310は円形ディスク状の電極125〜135を備えており、それらの電極125〜135が円形コイル175〜185によって取り囲まれている。電極125〜135とコイル175〜185の中心は一致しており、それによって、それぞれ異なる特性(金属、誘電性)を持つ複数の対象物を同じ位置で検出することができる。
【0088】
この測定素子310を図3A及び図3Bに示した配置構成で使用することができる。電圧センサ210を電磁装置190から198の内の一つと統合して実装することができる。また、電圧センサを電磁装置190から198の測定面側とは反対側の面に配置することもできる。
【0089】
図4には、図2に示した位置測定装置105のグラフィックディスプレイが示されている。一つのグラフィック出力部分410がマトリックス状に複数の表示領域420,430に分割されている。表示領域420は明るく着色されており、表示領域430は暗く着色されている。暗く着色された表示領域430は対象物が検出されたポジションを表している。暗い領域と明るい領域とに分割するのではなく、グレー階調もしくは擬似カラーによる表示を用いることもできる。その場合、描かれたグレー階調もしくはカラーによって、対象物の距離あるいは対象物の特性(金属、誘電性、通電性)が通知される。表示領域420,430の各々は、図3Aに示したようなマトリックス状の配置構成における第3の電磁装置198に対応する。
【0090】
出力部分410により、検出すべき対象物の大きさ及び位置に関して視覚的な印象が与えられる。図4においては、出力部分410の外側に別の表示領域420,430がシンボリックに存在している。それら別の表示領域は、位置測定装置105により別のポジションで実行され記憶された測定結果を表している。測定装置105を測定面上で移動させることによって、出力部分410において描かれるセクション、記憶されているそれらの測定値の上に移動させることができる。これにより、記憶された測定値の種々のグラフィック処理を実行することができる。例えば、それらの測定値がそれぞれ可変の比率を表すようにすることができ、予め定められた比との比較、並びに、出力部分410における明又は暗の相応の表示を、表示領域420,430に対してその都度「最新状態で」出力部分41の領域において実行させることができる。その際、予め定められた比を、ユーザ入力に応じて適合させることができる。これによってユーザは、位置測定装置105を測定面に対向して移動させ、出力部分410のための対応する表示パラメータを調節することによって、出力部分410における対象物の輪郭を容易に視覚化することができる。パラメータの適合を特に移動コントローラ又は回転コントローラによって行なうことができる。
【0091】
別の実施の形態によれば、表示領域420,430をグレー階調もしくはカラーで表す代わりにバー表示とすることができ、その場合、バーの長さを可変の比の値又は可変の比と予め定められた比との偏差に対応させることができる。そのような表示形式は、特に、測定面に対し位置測定装置105を一次元でしか移動させられない場合に適している。この場合、出力部分410の外側に記憶されている表示領域420,430は一つの平面方向でのみ、即ち水平方向又は垂直方向でのみ存在している。位置測定装置105を垂直方向に移動できる場合にはバーは有利には水平方向に表示され、また、位置測定装置105を水平方向に移動できる場合にはバーは有利には垂直方向に表示される。
【0092】
別の実施の形態によれば、記憶されている表示領域をディスプレイ内において例えばルーペで見たように拡大することができ、それにより相互に接している表示領域420,430から成る一つのグループによって一つの測定値だけが視覚化されるようになる。
【0093】
図5には、例示的な位置測定装置105の平面図が示されている。位置測定装置105はディスプレイとしての光学式出力装置及び入力装置を備えている。
【0094】
位置測定装置105はケーシング510内に収容されている。ケーシングの下側の領域にはハンドグリップが配置されているが、このハンドグリップはケーシングの上側に形成されていても良い。位置測定装置105をIP54標準に準拠してシーリングすることができる。
【0095】
測定結果の表示、即ち、発見された物体の検出の通知を例えばセグメントディスプレイ又はドットマトリックスディスプレイを介して視角化することができる。
【0096】
その他の実施の形態と組み合わせることもできる一つの別の実施の形態によれば、光学式表示装置235はグラフィックディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を有している。LCDには例えばLED又はOLEDによるバックライトを設けることができ、更に個々のドット選択的に表示可能なドットマトリックスを備えた領域を設けることができる。LCDもバックライトも、又は第1の実施例の発光ダイオードも、複数の出力色をサポートすることができる。一つの有利な実施の形態においては、光学式出力装置は、周囲が明るくても暗くても位置測定装置105の動作が可能であるように構成されている。この目的で、LEDの輝度もしくはLCDのバックライトの輝度を周囲の明るさに適合させることができる。
【0097】
この場合、表示装置はタッチ機能を備えたディスプレイであっても良い。
【0098】
以下の機能を有利には個別に又は本発明による装置の出力ユニットと組み合わせることによりカバーすることができる:
−物体の種類(強磁性/非強磁性/非金属)をシンボルによって表すことができる。
−視角化する感度を高めるためにズーム表示を設定することができ、例えばオプションとしてユーザによって選択することができる。
−その場合、特にセンタリング部、例えばバーグラフを有するズーム表示が有利である。
−発見された物体の深さ表示も有利である。
−例えばバーグラフを用いる信号強度表示を本発明による装置のディスプレイによって実現することができる。
−出力ユニットのためのバックライトは、周囲が暗い場合の可読性を改善することができる。その場合、本発明による位置測定装置のバックライトを例えばLED/OLEDによって構成することができる。
【0099】
手持ち式の位置測定装置は更にキーもしくはキーボードとしての入力ユニットを有している。その場合、特に以下のヴァリエーションをカバーすることができる:
−1ボタン操作(種々のセンサを用いる同時の測定)。
−センサ能力を最適化するためのマニュアルでのモード事前選択。
−オン/オフスイッチ。
−バックライト式キーボード。
−感度選択。
【0100】
図5の実施例によれば、例えばキー245が位置測定装置105の全ての機能を制御する。最も簡単な場合には、キー245のみを用いて位置測定装置105のオン/オフが制御される。キー245を比較的長く又は比較的短く単純に複数回押すことによって、位置測定装置105の別の機能、例えば感度の切替、較正、バッテリ220の充電状態の出力も制御することができる。
【0101】
これに代わる実施の形態によれば、複数の操作キーを持つキーフィールド、例えば第1の電気ユニット又は第2の電気ユニットのどちらによって測定が行なわれるべきかを選択するキーを備えたキーフィールドも設けることができる。
【0102】
本発明による装置は更に、バッテリによって形成することができるか、又は再充電可能な蓄電池によっても形成することができる、装置に内蔵されたエネルギー供給部を有している。
【0103】
蓄電池を固定的に装置内に組み込むことができるが、充電のために装置から取り出すこともできる。
【0104】
有利には、充電装置が装置内に組み込まれている。外部からのエネルギーの供給は装置のケーシングにおけるインタフェース、例えば低電圧のプラグ又はUSB端子を介して行うことができる。
【0105】
有利には、図5に示されているように、USB端子をデータインタフェース230と充電端子225の組み合わせとして設けることができる。
【0106】
これに対する代案として、又はこれに加えて、出力ユニットはLEDを介する測定結果の表示も実現することができる。個々のLEDの閾値を装置に組み込まれているコントローラ又はアナログ装置を介して生じさせることができる。その場合、例えばカラーLEDを介してセンタリングを視角化することができるか、又はACケーブルも表示することができる。
【0107】
図5の実施例による発光ダイオード235はケーシング510上の中央マーク520の左側もしくは右側で、対象物のポジションを表示する。図示されていない電磁装置190〜198は、中央マーク520に関してセンタリングされて配置されている。両方の発光ダイオード235が同じ明るさで発光すれば、対象物は中央マーク520の下に均等に存在していることになる。対象物のエッジを探し出すためには、発光ダイオード235がそれぞれ異なる明るさで発光するまで、位置測定装置105を移動させる必要がある。理想的には、一方の発光ダイオード235が消灯し、他方の発光ダイオード235が最大輝度に達した場合、対象物のエッジは中央マーク520の直下に存在する。
【0108】
発光ダイオード235の代わりに、又は発光ダイオード235に加えて、光学式表示装置235はグラフィックディスプレイ、例えば液晶ディスプレイ(LCD)を有することができる。LCDには例えばLED又はOLEDによるバックライトを設けることができ、更に個々のドットを選択的に表示可能なドットマトリックスを備えた領域を設けることができる。LCDもバックライトも、又は第1の実施例の発光ダイオードも、複数の出力色をサポートすることができる。一つの有利な実施の形態においては、光学式出力装置は、周囲が明るくても暗くても位置測定装置105の動作が可能であるように構成されている。この目的で、LEDの輝度もしくはLCDのバックライトの輝度を周囲の明るさに適合させることができる。
【0109】
光学式出力ユニットの代わりに、又は光学式出力ユニットに加えて、本発明による位置測定装置は音響発生器を有することができる。音響発生器として、例えばスピーカ又は圧電変換器が考えられ、それらを用いて例えばACケーブルの検出を通知することができる。また、音響発生器を、コントローラ(又はアナログ式の閾値発生装置)を介して測定システムの信号強度に依存して種々の周波数/リズムによって駆動させ、それにより物体の検出及び差を通知することができる。
【0110】
更には、本発明による位置測定装置は機械的又は光学的な変位センサを有することができる。機械的な変位センサ(フォトセンサ及びセグメントディスクを備えた車輪)又は光学的な変位センサ(例えば光学式マウスセンサ)又は加速度センサは、手持ち式の位置測定装置がある表面上を移動した際のストローク距離を検出する。その情報は例えばセンサ出力又は表示を改善するために、信号処理部に供給される。特に、これによって検出データを装置の具体的なポジションに対応付けることができる。
【0111】
装置のケーシング内に配置されている電子装置は、有利には少なくとも一つのコントローラを有しており、このコントローラを用いて、本明細書において説明した測定方法及び(既に部分的に説明したような)装置の機能を制御することができる。コントローラは複数の機能、例えばNMIインタフェース、充電装置の閉ループ又は開ループ制御部、又は、「自動スイッチオフ」機能もコントロール乃至カバーすることができる。これに対する代案として、コントローラの機能、特にケーシング機能に関する機能をアナログ式装置によってもカバーすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に包囲されている物体を検出するための位置測定装置(105)、特に手持ち式位置測定装置であって、
少なくとも、
ケーシングと、
前記ケーシング内又は前記ケーシング上に設けられている、ディスプレイとしての出力装置と、
制御に依存して物体の領域内に交番電磁界を形成するよう構成されており、且つ、前記ケーシング内に配置されている、少なくとも二つの電磁コイルとしての第1の電気装置(190)と、
制御に依存して物体の領域内に電界を形成する構成されており、且つ、前記ケーシング内に配置されている、少なくとも二つの電極としての第2の電気装置(195)と、
前記ケーシング内に配置されており、且つ、前記第1の電気装置(190)及び/又は前記第2の電気装置(195)それぞれを、可変の比を有する交番電圧によって制御する、プッシュプル測定ブリッジ(100)としての制御装置(100)と、
を有する位置測定装置において、
比較器(205)が設けられており、該比較器(205)は、前記第1の電気装置及び/又は前記第2の電気装置の電圧のそれぞれの比が予め定められた比に対し所定の基準よりも大きく異なっていると、物体が検出されたことを表す信号を形成するよう構成されており、
前記第1の電気装置及び/又は前記第2の電気装置の電圧のそれぞれの比が予め定められた比に対し所定の基準よりも大きく異なっていると、前記物体を表す信号を出力する出力装置が設けられていることを特徴とする、位置測定装置。
【請求項2】
前記交番電圧は相互に位相シフトされた交流電圧である、請求項1に記載の位置測定装置(105)。
【請求項3】
前記交番電圧は180°位相シフトされた交流電圧である、請求項2に記載の位置測定装置(105)。
【請求項4】
前記制御装置は、前記交番電圧を相互に逆方向に増幅するよう構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項5】
前記所定の基準のパラメータを変更するための装置(245)が設けられている、請求項1に記載の位置測定装置(105)。
【請求項6】
切替スイッチ(600)が設けられており、該切替スイッチ(600)は、前記プッシュプル測定ブリッジの信号を前記第1の電気装置(190)又は前記第2の電気装置(195)に交互に供給する、請求項1に記載の位置測定装置(105)。
【請求項7】
プッシュプル測定ブリッジ(100)として形成されている前記制御装置はICとして、特にASICとして形成されており、且つ、装置のケーシング内に配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項8】
前記出力装置からの、前記対象を表す信号は、どの種類の対象物が検出されたかを表す、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項9】
前記位置測定装置(105)からの対象物の距離は、前記出力装置(235)の色変化に対応する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項10】
測定面上の前記位置測定装置(105)の平面的な配置を確保する間隔センサが設けられている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項11】
対象物に対する前記位置測定装置の移動を検出する変位センサが設けられており、
前記位置測定装置(105)は、前記プッシュプル測定ブリッジ(100)の測定結果を移動ポジションと対応付けるよう構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項12】
別の電磁装置(190)を備えている別のプッシュプル測定ブリッジ(100)が設けられている、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項13】
前記電磁装置(190,195)の内の少なくとも一つの電磁装置が、前記ケーシング(510)の一つの面において、特に、前記ケーシングにおいて前記出力装置が設けられている面とは反対側の面において、前記ケーシングの内部に配置されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。
【請求項14】
エネルギー供給のための少なくとも一つのバッテリ(220)、特に、再充電可能な蓄電池としての少なくとも一つのバッテリを有している、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の位置測定装置(105)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−101121(P2013−101121A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−245657(P2012−245657)
【出願日】平成24年11月7日(2012.11.7)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】