説明

位置特定装置、位置特定方法、及び位置特定プログラム

【課題】移動体の現在位置を正確に特定することができる、位置特定装置、位置特定方法、及び位置特定プログラムを提供すること。
【解決手段】位置特定装置2は、移動体の現在位置を特定する現在位置検出処理部23と、音声を検出するマイク22と、マイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正する位置補正部24aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置特定装置、位置特定方法、及び位置特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歩行者が携帯している携帯型情報端末や車両等の移動体の位置を特定するための位置特定装置が用いられている。この位置特定装置においては、例えば、GPS(Global Positioning System)やジャイロセンサ等を用いて移動体の現在位置を特定する。
【0003】
また、駐車場等の特定施設に車両が入退場したことを検出するための入退場検出装置も提案されている。この入退場検出装置は、車両外部の音声を集音するマイクロホンと、マイクロホンによって集音した音声に対して音声認識処理を行う音声認識部と、特定施設の入退出時に出力される音声候補が格納される音声候補格納部と、音声認識部による音声認識処理によって得られた結果と音声候補格納部に格納された音声候補とを比較した結果に基づいて特定施設への入場あるいは退場を判定する入退場判定部とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−252088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GPSやジャイロセンサ等を用いて特定可能な移動体の現在位置には誤差が含まれていることから、高精度に移動体の現在位置を特定する必要がある場合(例えば車両と比較して細かな移動が可能な歩行者が携帯している携帯型情報端末の現在位置を特定する場合)、GPSやジャイロセンサ等のみを用いて特定される現在位置では所望の精度が得られない可能性があった。
【0006】
また、上述の如き従来の入退場検出装置は、単に特定施設の入退出時に出力される特有の音声が認識された場合に、当該特定施設への入退場を検出するものに過ぎず、移動体の現在位置の特定精度を向上させるものではなかった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動体の現在位置を正確に特定することができる、位置特定装置、位置特定方法、及び位置特定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の位置特定装置は、移動体の現在位置を特定する現在位置特定手段と、音声を検出する音声検出手段と、前記音声検出手段により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、前記現在位置特定手段により特定された前記現在位置を補正する位置補正手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2に記載の位置特定装置は、請求項1に記載の位置特定装置において、前記位置補正手段は、前記音声検出手段により検出された前記音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した前記音響装置付信号機の設置位置を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置に基づき、前記現在位置を補正する。
【0010】
また、請求項3に記載の位置特定装置は、請求項2に記載の位置特定装置において、前記位置補正手段は、前記音声検出手段により検出された前記音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した前記音響装置付信号機の設置位置を特定すると共に、当該出力音が検出された検出方向を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置及び検出方向と、前記音量が最大であった出力音の種別に基づき特定された前記音響装置付信号機の設置位置とに基づき、前記現在位置を補正する。
【0011】
また、請求項4に記載の位置特定方法は、移動体の現在位置を特定する現在位置特定ステップと、音声を検出する音声検出ステップと、前記音声検出ステップで音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、前記現在位置特定ステップで特定された前記現在位置を補正する位置補正ステップと、を含む。
【0012】
また、請求項5に記載の位置特定プログラムは、請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の位置特定装置、請求項4に記載の位置特定方法、及び請求項5に記載の位置特定プログラムによれば、位置補正手段は、音声検出手段により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、現在位置特定手段により特定された現在位置を補正するので、音響装置付信号機と移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を正確に特定することができる。
【0014】
請求項2に記載の位置特定装置によれば、位置補正手段は、音声検出手段により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置に基づき、現在位置を補正するので、移動体の現在位置に最も近い音響装置付信号機と当該移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を正確に特定することができる。
【0015】
請求項3に記載の位置特定装置によれば、位置補正手段は、音声検出手段により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定すると共に、当該出力音が検出された検出方向を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置及び検出方向と、音量が最大であった出力音の種別に基づき特定された音響装置付信号機の設置位置とに基づき、現在位置を補正するので、移動体の現在位置から離れた音響装置付信号機(例えば車道を挟んで移動体の現在位置と反対側に位置する音響装置付信号機)と当該移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を一層正確に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施の形態に係る位置特定システムを例示するブロック図である。
【図2】位置補正テーブルに格納されている情報を例示した表である。
【図3】位置特定処理のフローチャートである。
【図4】異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置された十字路交差点を例示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る位置特定装置、位置特定方法、及び位置特定プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(構成)
最初に、実施の形態に係る位置特定システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る位置特定システムを例示するブロック図である。図1に示すように、位置特定システム1は、位置特定装置2とセンター装置3とを備えており、これらの位置特定装置2とセンター装置3とはネットワーク4を介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
(構成−位置特定装置)
位置特定装置2は、通信部20、入力部21、マイク22、現在位置検出処理部23、制御部24、及び、データ記録部25を備えている。この位置特定装置2の適用対象は任意で、例えばスマートフォンの如き携帯型情報端末に搭載することができる。
【0020】
(構成−位置特定装置−通信部)
通信部20は、センター装置3との間でネットワーク4を介して各種情報の送受信を行うための通信手段であり、公知のネットワークインタフェースを用いて構成することができる。
【0021】
(構成−位置特定装置−入力部)
入力部21は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力手段である。この入力部21の具体的な構成は任意であり、例えば、タッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、マイク22により検出された音声を認識する音声認識手段等を用いて入力部21を構成することができる。
【0022】
(構成−位置特定装置−マイク)
マイク22は、音響装置付信号機からの出力音を含む各種音声を検出する音声検出手段である。本実施の形態では、位置特定装置2は指向性を有するマイク22を複数備え、各マイク22による検出出力に基づいて音声が検出された検出方向を特定することができるものとする。なお「音響装置付信号機」とは、歩行者用信号機の内、青信号の場合に所定の誘導音をスピーカから出力させる音響装置を備えた信号機を意味する。
【0023】
(構成−位置特定装置−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部23は、位置特定装置2が搭載された移動体(例えばスマートフォン)の現在位置を特定する現在位置特定手段である。具体的には、現在位置検出処理部23は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、移動体の現在の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0024】
(構成−位置特定装置−制御部)
制御部24は、位置特定装置2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(後述するセンター装置3の制御部31についても同じ)。特に、実施の形態に係る位置特定プログラムは、任意の記録媒体又はネットワーク4を介して位置特定装置2にインストールされることで、制御部24の各部を実質的に構成する。
【0025】
この制御部24は、機能概念的に、位置補正部24aを備えている。位置補正部24aは、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正する位置補正手段である。この制御部24の構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0026】
(構成−位置特定装置−データ記録部)
データ記録部25は、位置特定装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)の如き磁気的記録媒体を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、フラッシュメモリの如き半導体型記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(後述するセンター装置3のデータ記録部32についても同じ)。
【0027】
このデータ記録部25は、位置補正テーブル25aを備えている。位置補正テーブル25aは、位置補正部24aが現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正する際に参照するテーブルであり、音響装置付信号機の設置位置を特定する位置情報と、現在位置の補正内容を特定する補正情報とを、相互に関連付けて格納する補正情報格納手段である。図2は、位置補正テーブル25aに格納されている情報を例示した表である。この図2に示すように、位置補正テーブル25aには、項目「最大音量信号機の設置位置」、「最大音量以外の信号機の設置位置」、「最大音量以外の信号機の検出方向」及び「補正内容」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。この内、項目「最大音量信号機の設置位置」に対応して格納される情報は、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定する位置情報である。図2の例では、音響装置付信号機の設置位置を車道を基準とする方位で示した情報(図2では、南北方向に沿った車道の東側に音響装置付信号機が設置されている場合に「東」、南北方向に沿った車道の西側に音響装置付信号機が設置されている場合に「西」、東西方向に沿った車道の南側に音響装置付信号機が設置されている場合に「南」、東西方向に沿った車道の北側に音響装置付信号機が設置されている場合に「北」)が格納されている。また、項目「最大音量以外の信号機の設置位置」に対応して格納される情報は、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定する位置情報である(図2では「東」等)。また、項目「最大音量以外の信号機の検出方向」に対応して格納される情報は、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向を特定する情報である。図2の例では、位置特定装置2の現在位置を基準とする方位で示した情報(図2では、位置特定装置2の現在位置の南方向から出力音が検出された場合に「南」、位置特定装置2の現在位置の南西方向から出力音が検出された場合に「南西」等)が格納されている。また、項目「補正内容」に対応して格納される情報は、現在位置の補正内容を特定する補正情報である(図2では、例えば十字路交差点における北東側の角に現在位置を補正する旨を示す「交差点の北東に補正」等)。
【0028】
(構成−センター装置)
図1に戻り、センター装置3は、通信部30、制御部31、及び、データ記録部32を備えている。
【0029】
(構成−センター装置−通信部)
通信部30は、位置特定装置2との間でネットワーク4を介して各種情報の送受信を行うための通信手段であり、公知のネットワークインタフェースを用いて構成することができる。
【0030】
(構成−センター装置−制御部)
制御部31は、センター装置3を制御する制御手段である。この制御部31によって実行される処理の詳細については後述する。
【0031】
(構成−センター装置−データ記録部)
データ記録部32は、センター装置3の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。このデータ記録部32は、地図情報データベース32a(以下、データベースを「DB」と称する)を備えている。地図情報DB32aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、法定速度、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、施設データ(各施設の位置、各施設の種別等)、地形データ等を含んで構成されている。
【0032】
(処理−位置特定処理)
次に、このように構成された位置特定システム1によって実行される位置特定処理について説明する。図3は、位置特定処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この位置特定処理は、例えば、位置特定装置2に電源が投入された場合に所定周期で繰り返し起動される。
【0033】
位置特定処理が起動されると、位置補正部24aは、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている十字路交差点から所定距離内(例えば15m以内)か否かを判定する(SA1)。ここで「異種鳴き交わし方式」とは、車道を挟んで対向設置された音響装置付信号機の一方から出力される誘導音と他方から出力される誘導音とが相互に異なっており、これらの誘導音が交互に出力される方式を示す。例えば位置補正部24aは、現在位置検出処理部23により特定された現在位置周辺の地図情報を、ネットワーク4を介してセンター装置3の地図情報DB32aから取得し、現在位置が異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている十字路交差点から所定距離内か否かを判定する。
【0034】
その結果、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている十字路交差点から所定距離内ではない場合(SA1、No)、現在位置の補正を行うことはできないものとし、制御部24は位置特定処理を終了する。
【0035】
一方、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている十字路交差点から所定距離内である場合(SA1、Yes)、位置補正部24aは、マイク22により所定時間(例えば5秒)集音させる(SA2)。
【0036】
続いて位置補正部24aは、SA2においてマイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出されたか否かを判定する(SA3)。例えば、音響装置付信号機が出力する誘導音を予めデータ記録部25に記録させておき、マイク22により検出された音声とデータ記録部25に記録されている誘導音とが一致するか否かを、公知の音声認識技術を用いて判定する。その結果、マイク22により検出された音声とデータ記録部25に記録されている誘導音とが一致する場合、マイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出されたと判定する。
【0037】
その結果、マイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出されていない場合(SA3、No)、現在位置の補正を行うことはできないものとし、制御部24は位置特定処理を終了する。
【0038】
一方、マイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合(SA3、Yes)、位置補正部24aは、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音の種別を特定する(SA4)。例えば、音響装置付信号機が出力する複数種別の誘導音を予めデータ記録部25に記録させておき、当該データ記録部25に記録されている誘導音と一致した検出音声の内、音量が最大(すなわちマイク22による検出出力が最大)であった検出音声が一致した誘導音の種別を特定する。
【0039】
ここで「出力音の種別」とは、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機により出力される誘導音の種別を意味する。図4は、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置された十字路交差点を例示した平面図である。この図4の例では、南北方向に沿った車道の東側に設置されている音響装置付信号機(図4ではb及びd)により出力される誘導音は「カッコー」、南北方向に沿った車道の西側に設置されている音響装置付信号機(図4ではa及びc)により出力される誘導音は「カカッコー」、東西方向に沿った車道の南側に設置されている音響装置付信号機(図4ではf及びh)により出力される誘導音は「ピヨピヨ」、東西方向に沿った車道の北側に設置されている音響装置付信号機(図4ではe及びg)により出力される誘導音は「ピヨ」である。
【0040】
図3に戻り、SA4の処理の後、位置補正部24aは、SA4で特定した種別に基づき、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定する(SA5)。例えば、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音が「カッコー」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音が「カカッコー」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音が「ピヨ」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音が「ピヨピヨ」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定する。
【0041】
続いて位置補正部24aは、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音の種別と、当該出力音が検出された検出方向とを特定する(SA6)。例えば、音響装置付信号機が出力する複数種別の誘導音を予めデータ記録部25に記録させておき、当該データ記録部25に記録されている誘導音と一致した検出音声の内、音量が最大(すなわちマイク22による検出出力が最大)ではなかった検出音声が一致した誘導音の種別を特定すると共に、指向性を有する複数のマイク22による検出出力に基づき、当該検出音声が検出された検出方向を特定する。この際、地磁気センサ(図示省略)を用いて各マイク22が向いている方位を特定することにより、音量が最大ではなかった検出音声が検出された方位を特定することができる。なお、SA2において、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が複数検出された場合には、位置補正部は、各出力音について種別と当該出力音が検出された検出方向とを特定する。
【0042】
次に、位置補正部24aは、SA6で特定した種別に基づき、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定する(SA7)。例えば、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が「カッコー」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が「カカッコー」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が「ピヨ」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定する。また、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が「ピヨピヨ」であった場合、位置補正部24aは、その出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定する。
【0043】
次に、位置補正部24aは位置補正テーブル25aを参照し、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置、及び、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向に対応する補正内容を特定する(SA8)。なお、SA2において、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音が複数検出された場合には、位置補正部は、音量が最大ではなかった出力音を出力した複数の音響装置付信号機の内の少なくとも1つの設置位置、及び当該音響装置付信号機による出力音が検出された検出方向に対応する補正内容を特定する。
【0044】
例えば、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北側、すなわち十字路交差点における北東側の角(図4ではbの位置)であると推測されることによる。
【0045】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北東側、すなわち十字路交差点における北東側の角(図4ではbの位置)であると推測されることによる。
【0046】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南側、すなわち十字路交差点における南東側の角(図4ではdの位置)であると推測されることによる。
【0047】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南東側、すなわち十字路交差点における南東側の角(図4ではdの位置)であると推測されることによる。
【0048】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北西側、すなわち十字路交差点における北西側の角(図4ではaの位置)であると推測されることによる。
【0049】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北側、すなわち十字路交差点における北西側の角(図4ではaの位置)であると推測されることによる。
【0050】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の東側(図4ではbまたはdの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南西側、すなわち十字路交差点における南西側の角(図4ではcの位置)であると推測されることによる。
【0051】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が南北方向に沿った車道の西側(図4ではaまたはcの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南側、すなわち十字路交差点における南西側の角(図4ではcの位置)であると推測されることによる。
【0052】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して西側、すなわち十字路交差点における南西側の角(図4ではfの位置)であると推測されることによる。
【0053】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南西側、すなわち十字路交差点における南西側の角(図4ではfの位置)であると推測されることによる。
【0054】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して東側、すなわち十字路交差点における南東側の角(図4ではhの位置)であると推測されることによる。
【0055】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が北西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の南東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が北西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して南東側、すなわち十字路交差点における南東側の角(図4ではhの位置)であると推測されることによる。
【0056】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北西側、すなわち十字路交差点における北西側の角(図4ではeの位置)であると推測されることによる。
【0057】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が東であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北西に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が東であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して西側、すなわち十字路交差点における北西側の角(図4ではeの位置)であると推測されることによる。
【0058】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が南西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の南側(図4ではfまたはhの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が南西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して北東側、すなわち十字路交差点における北東側の角(図4ではgの位置)であると推測されることによる。
【0059】
また、SA5において、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が、東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA7において、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると特定され、SA6において、音量が最大ではなかった出力音が検出された検出方向が西であると特定された場合、図2の位置補正テーブル25aによれば、補正内容は「交差点の北東に補正」であると特定される。これは、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機(すなわち位置特定装置2に最も近い音響装置付信号機)の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であることから、位置特定装置2の現在位置は東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であると推測され、更に、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置が東西方向に沿った車道の北側(図4ではeまたはgの位置)であり、当該出力音が検出された検出方向が西であることから、位置特定装置2の現在位置は、音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に対して東側、すなわち十字路交差点における北東側の角(図4ではgの位置)であると推測されることによる。
【0060】
図3に戻り、SA8の処理の後、位置補正部24aは、SA8で特定した補正内容に基づき、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正する(SA9)。SA9の処理の後、制御部24は位置特定処理を終了する。
【0061】
(効果)
このように実施の形態によれば、位置補正部24aは、マイク22により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正するので、音響装置付信号機と移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を正確に特定することができる。
【0062】
また、位置補正部24aは、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置に基づき、現在位置を補正するので、移動体の現在位置に最も近い音響装置付信号機と当該移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を正確に特定することができる。
【0063】
また、位置補正部24aは、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定すると共に、当該出力音が検出された検出方向を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置及び検出方向と、音量が最大であった出力音の種別に基づき特定された音響装置付信号機の設置位置とに基づき、現在位置を補正するので、移動体の現在位置から離れた音響装置付信号機(例えば車道を挟んで移動体の現在位置と反対側に位置する音響装置付信号機)と当該移動体との相対的な位置関係を利用して、移動体の現在位置を一層正確に特定することができる。
【0064】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0065】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0066】
(位置特定装置の構成について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成できる。例えば、センター装置3のデータ記録部32が備える地図情報DB32aを、位置特定装置2のデータ記録部25が備えるようにしてもよい。
【0067】
(ナビゲーション処理について)
上述の実施の形態では、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている十字路交差点から所定距離内である場合に、現在位置の補正を行う場合を例として説明したが、三叉路交差点や五叉路交差点等から所定距離内である場合に、現在位置の補正を行うようにしてもよい。この場合、例えば、現在位置の補正内容を特定する補正情報を格納した位置補正テーブル25aを、三叉路交差点や五叉路交差点等、交差点の種別毎にデータ記録部25に格納する。そして、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている交差点から所定距離内である場合に、当該交差点の種別を特定し、当該特定した種別に対応する位置補正テーブル25aを参照して、位置補正部24aが現在位置の補正を行う。
【0068】
また、交差点に限らず、現在位置検出処理部23により特定された現在位置が、異種鳴き交わし方式の音響装置付信号機が設置されている横断歩道から所定距離内である場合に、現在位置の補正を行うようにしてもよい。この場合、位置補正部は、音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置に基づき、位置特定装置の現在位置が所定方向に沿った車道のどちら側であるか(例えば、南北方向に沿った車道の東側又は西側のいずれか、あるいは東西方向に沿った車道の南側又は北側のいずれか)を特定し、当該特定結果に基づき現在位置の補正を行う。
【0069】
また、上述の実施の形態では、南北方向に沿った車道と東西方向に沿った車道とが交差する十字路交差点において現在位置の補正を行う場合を例として説明したが、交差点で交差する各車道の方向が南北方向や東西方向からずれている場合においても、音響装置付信号機が車道を挟んで相対的に東側又は西側のいずれに設置されているか、あるいは音響装置付信号機が車道を挟んで相対的に南側又は北側のいずれに設置されているかに対応して、各音響装置付信号機により出力される誘導音の種別が設定されているという前提において、図2に例示した位置補正テーブル25aを参照して現在位置の補正を行うことができる。
【0070】
また、上述の実施の形態では、位置補正部24aが、検出された音量が最大であった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置や、検出された音量が最大ではなかった出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置及び当該出力音の検出方向等に基づき、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正すると説明したが、他の情報に基づいて現在位置を補正するようにしてもよい。例えば、交差点に設置されている各音響装置付信号機から誘導音が出力される順序が、当該交差点における音響装置付信号機の設置位置に応じて定められている場合、マイク22により検出された音響装置付信号機からの出力音の検出順序に基づき、各出力音を出力した音響装置付信号機の設置位置を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置に基づき、現在位置検出処理部23により特定された現在位置を補正するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 位置特定システム
2 位置特定装置
3 センター装置
4 ネットワーク
20、30 通信部
21 入力部
22 マイク
23 現在位置検出処理部
24、31 制御部
24a 位置補正部
25、32 データ記録部
25a 位置補正テーブル
32a 地図情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
音声を検出する音声検出手段と、
前記音声検出手段により音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、前記現在位置特定手段により特定された前記現在位置を補正する位置補正手段と、
を備える位置特定装置。
【請求項2】
前記位置補正手段は、前記音声検出手段により検出された前記音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大であった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した前記音響装置付信号機の設置位置を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置に基づき、前記現在位置を補正する、
請求項1に記載の位置特定装置。
【請求項3】
前記位置補正手段は、前記音声検出手段により検出された前記音響装置付信号機からの出力音の内、音量が最大ではなかった出力音の種別に基づき、当該出力音を出力した前記音響装置付信号機の設置位置を特定すると共に、当該出力音が検出された検出方向を特定し、当該特定した音響装置付信号機の設置位置及び検出方向と、前記音量が最大であった出力音の種別に基づき特定された前記音響装置付信号機の設置位置とに基づき、前記現在位置を補正する、
請求項2に記載の位置特定装置。
【請求項4】
移動体の現在位置を特定する現在位置特定ステップと、
音声を検出する音声検出ステップと、
前記音声検出ステップで音響装置付信号機からの出力音が検出された場合、当該検出された出力音に基づき、前記現在位置特定ステップで特定された前記現在位置を補正する位置補正ステップと、
を含む位置特定方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法をコンピュータに実行させる位置特定プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−53857(P2013−53857A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190140(P2011−190140)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】