説明

位置監視システム

【課題】低コストで位置の特定精度を向上させることができる位置監視システムを提供する。
【解決手段】位置監視システムは、それぞれ固有の識別子を有し互いに異なる位置に設置された複数の識別部材30と、識別部材30の識別子を読み取るリーダを有する携帯端末70と、携帯端末70から該携帯端末70が読み取った識別子を特定する情報を受信し該情報に基づいて該携帯端末70の位置を特定する監視装置60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人又は携帯端末の位置を監視する位置監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の位置を監視するシステムとして、PHS端末が複数のPHSアンテナのうちどのPHSアンテナのカバーエリア内に位置するかを特定するシステムがある。
【特許文献1】特開2007−133655号公報
【特許文献2】特開2002−087542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような位置監視システムでは、位置の特定精度は、PHSアンテナのカバーエリアの大きさに依存する。位置の特定精度を向上させようとすると、個々のPHSアンテナのカバーエリアを狭くするとともに、より多くのPHSアンテナを設置する必要がある。これが位置監視システムの設備費を高くする。そもそも、PHSを利用した位置監視システムは、通話のために必要な設備を利用することによって設備費を抑えることに優位性があるものである。よって、通話のために増設する必要がないPHSアンテナを増設することは合理性を欠く選択肢である。
【0004】
本発明は、上記の課題認識を基礎としてなされたものであり、例えば、低コストで位置の特定精度を向上させることができる位置監視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の位置監視システムは、それぞれ固有の識別子を有し互いに異なる位置に設置された複数の識別部材と、前記識別部材の識別子を読み取るリーダを有する携帯端末と、前記携帯端末から前記携帯端末が読み取った前記識別子を特定する情報を受信し該情報に基づいて前記携帯端末の位置を特定する監視装置とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、例えば、低コストで位置の特定精度を向上させることができる位置監視システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0008】
図1は、本発明の好適な実施形態の位置監視システムの概略構成を示す図である。本発明の好適な実施形態の位置監視システム100は、施設10に設置されて、携帯端末70又はそれを所持している人の位置を監視する。
【0009】
施設10は、例えば、ブロック12、14、16、18、20、22、24、26を有しうる。ブロックは、例えば、部屋、空間又は領域等を意味する。施設10内には、それぞれ固有の識別子(位置ID)を有し互いに異なる位置に設置された複数の識別部材30が配置されている。図2は、識別部材30を模式的に示す図である。識別部材30は、識別子(位置ID)32を有する。識別子32は、例えば、リーダによって光学的に読み取り可能なバーコード等の媒体、電気的又は磁気的に読み取り可能な媒体を含みうるが、識別子32は、設置コストの点でバーコードであることが好ましい。
【0010】
この実施形態では、ブロック26は、監視室として使用される。監視室としてのブロック26には、監視装置60が配置されている。監視装置60は、携帯端末70から該携帯端末70が読み取った識別子(位置ID)を特定する情報を受信し該情報に基づいて該携帯端末70の位置(結果として、それを所持している人の位置)を特定する。
【0011】
図3は、携帯端末70の構成例を示す図である。携帯端末70は、識別子(位置ID)32を読み取るためのリーダ71と、自己の端末IDを保持するメモリ72と、送信部73とを有し、リーダ71で読み取った識別子(位置ID)32と自己のメモリ72に保持された端末IDとを送信部73によって監視装置60に送信する。この送信は、典型的には、無線で行われる。
【0012】
図4は、監視装置60の構成例を示す図である。監視装置60は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置200と通信部(受信部)270とを接続して構成されうる。情報処理装置200は、CPU210、メモリ(例えば、ハードディスク)220、RAM230、ディスプレイ240、入力装置(例えば、キーボード)260、インターフェース250等を備えうる。
【0013】
メモリ220には、例えば、位置テーブル221、端末テーブル222、情報処理装置200の機能を定義するためのプログラム(コンピュータ読み取り可能なプログラム)223を格納している。位置テーブル221は、図5に模式的に示すように、識別部材30とそれが配置されている位置とを対応付ける情報を含む。端末テーブル222は、図6に模式的に示すように、携帯端末70に割り当てられた固有の端末IDとそれを所持する人の氏名(又は、人のID)とを付ける情報を含む。CPU210は、プログラム223を実行することによって監視装置60としての機能を提供する。
【0014】
監視装置60は、携帯端末70からその端末IDと、それが読み取った識別子(位置ID)32を特定する情報とを受信すると、位置テーブル221を参照することによって、その識別子(位置ID)32を有する識別部材30が設置されている位置を特定する。監視装置60はまた、端末テーブル222を参照することによって、その端末IDを保持している人の氏名(又は、その人のID)を特定する。
【0015】
そして、監視装置60は、携帯端末70および/またはそれを保持している人を特定する情報とその位置とをディスプレイ240に表示する。更に、監視装置60は、以上のような情報を他の装置に伝送したり、メモリ220又は他のメモリに時刻情報とともに蓄積したりしうる。
【0016】
本発明の好適な実施形態の位置監視システムによれば、監視装置60又は当該他の装置を監視する監視員は、施設10内の人が何処にいるかを認識することができる。また、この位置監視システムによれば、施設10内における人の動きを追跡しその情報をメモリに蓄積することができる。
【0017】
この位置監視システムは、識別子(位置ID)32を有する識別部材30の設置コストをきわめて低く抑えることができる点で優れており、位置の特定精度を高めたい場合には、単純に識別部材30の設置箇所を増やし、その識別部材30に割り当てる識別子を位置テーブル221に登録すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の好適な実施形態の位置監視システムの概略構成を示す図である。
【図2】識別部材を模式的に示す図である。
【図3】携帯端末の構成例を示す図である。
【図4】監視装置の構成例を示す図である。
【図5】位置テーブルを模式的に示す図である。
【図6】端末テーブルを模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10 施設
12、14、16、18、20、22、24 ブロック
26 ブロック(監視室)
30 識別部材
32 識別子(位置ID)
60 監視装置
70 携帯端末
221 位置テーブル
222 端末テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置監視システムであって、
それぞれ固有の識別子を有し互いに異なる位置に設置された複数の識別部材と、
前記識別部材の識別子を読み取るリーダを有する携帯端末と、
前記携帯端末から前記携帯端末が読み取った前記識別子を特定する情報を受信し該情報に基づいて前記携帯端末の位置を特定する監視装置と、
を備えることを特徴とする位置監視システム。
【請求項2】
前記携帯端末から前記監視装置への前記情報の送信が無線で行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の位置監視システム。
【請求項3】
前記識別部材は、施設に設置されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の位置監視システム。
【請求項4】
前記識別子は、バーコードを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位置監視システム。
【請求項5】
前記監視装置は、前記識別子と、前記識別子を有する前記識別部材が設置された位置とを対応つける情報を含むテーブルを有し、前記テーブルを参照することによって前記携帯端末の位置を特定する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の位置監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−65470(P2009−65470A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231795(P2007−231795)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000000055)アサヒビール株式会社 (535)
【出願人】(501130556)株式会社アイネット (1)
【Fターム(参考)】