説明

位置表示装置

【課題】地図上に自車の位置だけでなく通信相手車両の位置も表示するカーナビゲーションシステムにおいて、相手車両の位置を常に最新の位置情報に反映させるための通信方法を提供する。
【解決手段】自車と他車との間でなされる近距離無線通信による位置情報の交換を行う際に、両車間の距離が大きくなった際においても確実に両車間で近距離無線通信による位置情報の交換を行うため、近距離無線通信の冗長度を変化させる処理を行う。両車間の距離が大きくなった際には無線通信による同一の位置情報の送信回数を増やすことで送信するデータの冗長度を上げ、受信側での受信確率を上げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地図上に移動体の位置を表示する位置表示装置としては、GPS情報を利用したカーナビゲーション装置が一般的であるが、近年、携帯電話においても自分の位置を地図上に表示するサービスが開始されている。 一方、近距離の無線通信と電話による遠距離の無線通信を切り替えてお互いの位置を自分の地図上に表示するカーナビゲーションシステムも提案されている。
【特許文献1】特開2000−331284号公報
【特許文献2】特開2005−17200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自分の地図上に表示する相手の位置をより正確に更新するためにはお互いの間でなされる通信の品質が健全でなければならない。従来のカーナビゲーションシステムでは、例えばお互いの間で通信が遮断される様な事態が起きた場合、自らの地図上に表示する相手の位置を推測して表示していた。
【0004】
本発明の課題は、上記に鑑み、お互いの間でなされる通信の品質を確保することで、自らの地図上に表示する相手の位置を正確にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は、自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、第一絶対位置取得手段に基づいて取得された第一絶対位置情報を送信し、かつ外部で取得され外部から送信される第二絶対位置情報を受信する近距離無線送受信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置とを互いに識別可能に表示する地図表示手段と、無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、通信品質測定手段により算出された値に基づいて、無線通信手段より送信される第一絶対位置情報であって同一のものを送信する回数を可変し、送信信号の冗長度を変化させることで遠距離通信対応処理を行う同一絶対位置情報送信回数設定手段と、を備えることを特徴とする位置表示装置を提供する。この実施の形態によると、ツインナビを行う二車間の距離が広がった場合に、近距離無線送信部から送信される同一の絶対位置情報を持つツインナビパケットの送信回数を増やすことで送信情報の冗長度をあげることができる。これにより、安易に有料の遠距離無線通信に切り替えることがなくなるため通信コストの削減を図ることが出来る。
【0006】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、第一絶対位置取得手段に基づいて取得された第一絶対位置情報を送信し、かつ外部で取得され外部から送信される第二絶対位置情報を受信する近距離無線送受信を行う無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で第一絶対位置情報に基づく位置と第二絶対位置情報に基づく位置とを互いに識別可能に表示する地図表示手段と、無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、通信品質測定手段により算出された値に基づいて、無線通信手段より送信される第一絶対値情報を送信するための送信信号のガードインターバル長を可変することで遠距離通信対応処理を行うガードインターバル長可変手段と、を備えることを特徴とする。ガードインターバル長を大きくとることで、二車間の距離が広がった場合に、二車間で直接やりとりされた送信信号と、建物などで反射されてやりとりされる送信信号とが重畳し、受信した信号を展開できないという事態を回避するためのマージンとして設けられる。
【0007】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、遠距離通信対応処理がなされた際には、無線通信手段から送信される第一絶対位置情報であって異なる情報を保有する第一絶対位置情報同士の送信時間間隔が大きくなることを特徴とする。単位時間あたりに送信できる、異なる絶対位置情報の情報量は少なくなることになるが、二車間での近距離無線通信の通信距離を上げるため必要な構成である。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、撮像手段を備え、無線通信手段は、撮像手段により撮像された画像データを第一絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする。これにより、ツインナビを行う二車間において、一方の通信車両内部の情報を他方にて取得することが出来る。本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、無線通信手段は、外部の撮像手段により撮像された画像データを第二絶対位置情報とともに受信し、地図表示手段に画像データを表示させる付加サービスを行うことを特徴とする。これにより、ツインナビを行う二車間において、一方の通信車両内部の情報を他方にて取得することが出来る。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、音声入力手段を備え、無線通信手段は、音声入力手段に入力された音声データを第一絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする。これにより、ツインナビを行う二車間において、一方の通信車両内部の情報を他方にて取得することが出来る。
【0010】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、音声出力手段を備え、無線通信手段は、外部の音声入力手段により入力された音声データを第二絶対位置情報とともに受信し、音声出力手段から音声データを出力させる付加サービスを行うことを特徴とする。これにより、ツインナビを行う二車間において、一方の通信車両内部の情報を他方にて取得することが出来る。
【0011】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、ユーザに提供するサービスを切替える提供サービス切換手段を備え、付加サービスの動作は、通信品質測定手段からの信号に基づいて動作する提供サービス切換手段からの信号により切り替えられることを特徴とする。付加されるサービスには音声データの送信や音声データの受信、画像データの送信や画像データの受信などが含まれる。これにより、二車間でなされる通信の品質に応じた付加サービスをユーザに提供することが出来る。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置の備える通信品質測定手段は第一絶対位置取得手段と第二絶対位置取得手段との距離を測定することを特徴とする。これにより、近距離において二車間の通信を遮断するような建物がある場合に二車間の通信の品質が落ちても、それを二車間の距離が離れたために通信の品質が落ちたと判断されるケースを回避することが出来る。
【0013】
本発明の他の特徴によれば、位置表示装置は、自らの絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、絶対位置取得手段に基づいて取得された絶対位置情報を外部に送信する無線通信手段と、地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で絶対位置情報に基づく位置を表示する地図表示手段と、無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、通信品質測定手段により算出された値に基づいて、無線通信手段より送信される第一絶対位置情報であって同一のものを送信する回数を上げることにより送信信号の冗長度を上げ、遠距離通信対応処理を行う同一絶対位置情報送信回数設定手段と、を備えることを特徴とする。これにより、道路に備え付けられている近距離無線通信用のアンテナが頻繁に設けられているようなエリアにおいて、一方的にこちらからの情報を送信するようなアプリケーションへの応用が可能となる。これにより近距離無線通信の通信距離が上がれば、近距離無線通信用のアンテナを備え付ける本数も減ることになるので、通信設備のコスト削減にもつながる。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。第一実施例は車両のナビゲーションシステムを構成しており、第一車両2、第二車両4、およびカーナビ基地局6を含む。なお、図1では簡単のために二つの車両のみ図示しているが、本発明は第三、第四の車両等を含む複数の車両間にも適用可能なシステムとなっている。
第一車両2は、車両全体を制御するコンピュータからなる第一制御部8を有し、車両の運転者による第一操作部10の操作に応じて、第一車機能部12を制御する。この第一制御部8の機能は第一記憶部14に格納されたソフトウエアによって実行される。第一記憶部14は、また車両全体の制御に必要な種々のデータを一時的に格納する。また、第一制御部8は、第一表示部16を制御し、第一操作部10の操作に必要なGUI表示を行うとともに制御結果の表示を行う。
【0015】
第一GPS部18は、GPSシステムに基づいて衛星および最寄の放送局より第一車両2の絶対位置情報である緯度、経度、および高度の情報を得て第一制御部8に送る。第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示する。 第一車両2は、さらに第一電話機能部22および第一電話通信部24を備えている。これらは通常の通話を含む電話回線を介した無線通信のためのものである。第一車両2には、これと別に無線LANなどによる第一近距離通信部26が備えられており、近距離通信圏内を走行する他の車両との無線通信が可能となっている。
【0016】
一方、第二車両4には、第二制御部28、第二操作部30、第二車機能部32、第二記憶部34、第二表示部36、第二GPS部38、第二カーナビゲーション機能部40、第二電話機能部42および第二電話通信部44、第二近距離通信部46が備えられている。この第二近距離通信部46は第一車両2の第一近距離通信部26との間の通信によりお互いのGPS部で得られた絶対位置情報を交換する。その詳細については後述する。なお、第二車両4のその他の各構成の機能は第一車両2の対応する構成と同様であるので説明は省略する。 カーナビ基地局6は、基地局全体を制御するコンピュータからなる基地局制御部48を有し、基地局記憶部50に格納されたソフトウエアによって必要な機能を実行する。基地局記憶部50は、また基地局制御部48での機能実行に必要な種々のデータを一時的に格納する。 基地局電話通信部52は、第一電話通信部24および第二電話通信部44との間で電話回線による通信が可能であり、基地局制御部48の制御の下で第一車両2および第二車両4の機能をサポートする。基地局カーナビゲーション管理部54および基地局GPS管理部はこれらのサポートに関するものであるがその詳細については後述する。
【0017】
次に、第一車両2と第二車両4の間の連携について第一車両2を中心に説明する。既に述べたように、第一カーナビゲーション機能部20は、第一制御部8経由で得られる第一GPS部18からの絶対位置情報を処理し、地図上での第一車両2の位置を第一表示部16に表示している。 第一近距離通信部26は、上記に加え、第二近距離通信部46との通信により、第二GPS部38からの第二車両4の絶対位置情報を第二制御部28経由で受信する。受信された第二車両4の絶対位置情報は、第一制御部8経由で第一カーナビゲーション機能部20に送られ、第一GPS部18からの第一車両2の絶対位置情報と同様にして第一カーナビゲーション機能部20で処理され、地図上での第二車両4の位置が第一表示部16に表示される。これによって、第一表示部16には第一車両2自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第二車両4の位置が地図上で表示され、双方の位置関係を同一の地図上で一覧することが可能となる。これによって仲間同士でツーリングをしている場合など、先行車両と後続車両をお互いに目視できなくても、後続車両が迷うのを防止できる。このような連携状態を以下「ツインナビ」と略称する。 上記の機能は第二車両4でも同様であって、第二近距離通信部46で受信される第一車両2の絶対位置情報が第二カーナビゲーション機能部40で処理され、第二車両4自身の位置とともに、近距離通信圏内を走行している第一車両2の位置が同一の地図上で一覧表示される。以上のように「ツインナビ」では、第一車両2と第二車両4は相互に相手の絶対位置情報を共有する状態となる。 なお、第一車両2と第二車両4の間の連携に関しては、上記の他、両車両は第一車機能部12および第二車機能部32から得られるそれぞれの速度情報を第一近距離通信部26および第二近距離通信部46の間で交換している。これらの速度情報の活用については後述する。
【0018】
カーナビ基地局6は、上記においてシステムのメンテナンスおよび、車両が相互に近距離通信圏外となったときのサポートを行う。まず、後者のサポートについては、第一車両2と第二車両4が近距離通信部による絶対位置情報の交換ができなくなったときの中継を行う。上記のような事態が生じると、例えば第二車両4の絶対位置情報が第二電話通信部44から基地局電話通信部52に送られ、基地局制御部48の制御、および必要に応じ基地局カーナビゲーション管理部54での処理に基づいて、これが基地局電話通信部52から第一電話通信部24に転送される。 なお、電話回線による通信は、このようなカーナビ基地局6による中継によらなくても、第一電話通信部24と第二電話通信部44との間で直接行うことも可能である。しかし、上記のようなカーナビ基地局6の中継によれば、各車両はいずれの場合にもカーナビ基地局6を通信相手としてすることができ、個別に相手を選んで通信するのに比べ通信の設定や通信条件を一元化することができる。 一方、システムのメンテナンスに関しては、カーナビゲーションシステムまたはGPSシステムについて機能のバージョンアップやメンテナンスデータが発生したときなど、基地局カーナビゲーション管理部54または基地局GPS管理部56から基地局電話通信部52を介して第一車両2や第二車両4などシステムに加入している車両にバージョンアップデータやメンテナンスデータが送信される。第一車両2や第二車両4はこれらのデータを第一電話通信部24や第二電話通信部44で受信し、それぞれのカーナビゲーション機能部20、40およびGPS部18、38のメンテナンスを行う。
【0019】
図2は、図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートであり、車両のエンジン始動またはカーナビゲーション機能部のオンによってスタートする。なお、以下の説明は第一車両2を中心として行う。従って、特に断わらない限り以後のフローチャートは第一制御部8の機能として説明する。 第一車両2のエンジン始動または第一カーナビゲーション機能部のオンによってフローがスタートすると、ステップS2において、近距離通信を通じて他車から「ツインナビ」が要求されているかどうかチェックする。そして要求があればステップS4に進み、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。このとき、第一カーナビゲーション機能部20がオンでなければステップS6に進み、これを自動的にオンにしてステップS8に進む。一方ステップS4において第一カーナビゲーション機能部20がエンジン始動とともにオンとなっていれば直接ステップS8に移行する。このようにステップS4およびステップS6は、他車からの制御により自車のカーナビゲーションシステムが自動的にオンになる機能を実行する。
【0020】
ステップS8では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートするが、さらにステップS9に進んでこのとき他車からの「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加する。なお、このメニューは、他車からの「ツインナビ」要求がなければ表示されないものである。次いでステップS10では第一車両2が走行中かどうかチェックする。そして走行中であれば、ステップS11で「可能ならば停車して操作を行う」等の勧告を行ってステップS12に移行する。また走行中でなければ直接ステップS12に移行する。これは、走行中に注意が散漫となるようなカーナビゲーション操作を行うことについて運転者に危険防止を喚起するためである。 ステップS12では、第一車両2の運転者による「ツインナビ」合意操作がなされたかどうかチェックする。そして合意操作があればステップS14に進み、「ツインナビ」を要求してきた他車に合意の旨の返答を送信する。この後、ステップS16で「ツインナビ」停止の操作をいつでも受付けられるよう処置してステップS18の「ツインナビ」処理に入る。その詳細については後述する。
【0021】
一方、ステップS2で近距離通信による他車からの「ツインナビ」要求がなかったときは、ステップS20に移行し、自車の第一カーナビゲーション機能部20がオンしているかどうかチェックする。オンでなければステップS22に進み、運転者によるオン操作があったかどうかチェックする。そしてオン操作がなければステップS2に戻り、以下、他車からの「ツインナビ」要求、又は運転者自身のオン操作がない限り、ステップS2、ステップS20、ステップS22のループを繰り返す。 ステップS22で、運転者が第一カーナビゲーション機能部20をオンする操作をしたことが検知されるとステップS24に進み、第一カーナビゲーション機能部20のオンを実行してステップS26に進む。また、ステップS20で既に第一カーナビゲーション機能部20がオンであった場合は直接ステップS24に進む。
【0022】
ステップS26では、カーナビゲーション機能のメニュー表示をスタートし、ステップS28で他車が第一近距離通信部26の通信圏内にあるかどうかをチェックする。そして、通信圏内に他車が存在すればステップS30に進んでこのとき他車に対する「ツインナビ」要求に関する表示をメニューに追加してステップS32に移行する。一方、ステップS28で通信圏内に他車が存在しないときはメニューに「ツインナビ」に関する項目は表示せず、直接ステップS32に移行する。 なお、ステップS2で他車からの「ツインナビ」要求があった結果ステップS12に至り、ここで他車からの「ツインナビ」要求に合意する操作をしなかった場合は、ステップS32に進むことになる。 ステップS32では、他車に「ツインナビ」を要求し、これに対する他車からの合意があったかどうかをチェックする。そして要求への合意が成立する他車があった場合はステップS16に移行し、ステップS18の「ツインナビ」処理に入る。一方、ステップS32で「ツインナビ」要求をしなかったか又は要求をしたがいずれの他車からも合意の返答がなかったときはステップS34に進む。上記においてステップS28から直接ステップS32に至った場合、またはステップS12からステップS32に至った場合は、通常はステップS34に移行する。ステップS34では、他車からの「ツインナビ」要求をいつでも受付けられるよう処置してステップS36の通常ナビゲーション処理に入る。上記のステップS32における処理の判断処理の詳細については後述する。
【0023】
図3は、図2のステップS18における「ツインナビ」処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS42で「ツインナビ」に合意した他車のカーナビゲーションシステムの識別情報(ID)を確認する。そしてステップS44に進み、確認した識別情報に基づいてその他車のカーナビゲーションシステムに対応可能なよう第一カーナビゲーション機能部20が設定済みかどうかチェックする。 ステップS44で、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものでなければステップS46に進み、他車のカーナビゲーションシステムから受信した他車の緯度・経度・高度データを取り扱う通信フォームを第一カーナビゲーション機能部20で対処できるよう変換する。さらに、ステップS48において他車の緯度・経度・高度のデータ内容を第一カーナビゲーション機能部20で取り扱える表現に変換する。そして以上の変換設定を他車の識別情報毎に第一記憶部14に記憶してステップS52に進む。 一方、ステップS44において、チェックした他車のカーナビゲーションシステムが設定済みのものであれば、直接ステップS52に進む。従って
、一度ステップS46からステップS50を経過した識別情報をもつ他車の場合は、ステップS44から直接ステップS52に至ることになる。
【0024】
ステップS52では、他車がその時点において依然として第一近距離通信部26の通勤圏内にあるかどうかチェックする。そして近距離通信圏内にあればステップS54に進み、他車、例えば第二車両4の第二GPS部38で取得された第二車両4の絶対位置情報を第一近距離通信部26にて受信する。なお、ステップS54においては、第二車機能部32からの第二車両4の速度情報もあわせて受信する。ステップS54ではさらに、受信した絶対位置情報および速度情報を履歴として少なくとも一連の「ツインナビ」が終了するまで、第一記憶部14に記憶して保存する。この履歴情報の活用については後述する。 上記において、例えば第二車両4が先行しており第一車両2にさらに第三車両が近距離通信圏内で後続している場合は、ステップS54において第二車両4の絶対位置情報および速度情報を第三車両にも中継する。これによって第二車両4と第三車両が直接的には互いに近距離通信圏外にあっても、両車両の中間にあって両車両それぞれとは近距離通信圏内にある第一車両2の中継機能によって、両車両は近距離通信による互いの絶対位置情報および速度情報を交換することが可能となる。
【0025】
次いで、ステップS56では、絶対位置情報を受信した他車との車間距離を計算する。このとき、自車を含めて三つ以上の車両があるときはそれぞれのあらゆる組合せにおける車間距離をそれぞれ計算する。 さらに、ステップS58では、「ツインナビ」車間における近距離通信のための電波環境の情報として、第一カーナビゲーション機能部20の有する地図情報を取得する。これはステップS56で計算した車間距離だけからでは近距離通信が可能であっても地形などから電波環境が通常より悪くなる状況を把握するためである。以上を経てステップS60に至り、近距離通信圏の限界にあってこのままでは圏外となるリスクがあるかどうかをチェックする。そして、リスクがあればステップS62で「圏外注意」の警告表示を行ってステップS64に移行する。一方、ステップS60で近居通信圏外リスクがない場合は直接ステップS64に移行する。このような「圏外注意」の警告に接することにより、先導車は速度を落とし、後続車は安全を確認しながら速度を上げるなどの対処が可能となり、近距離通信を維持することができる。
【0026】
ステップS64では「ツインナビ」表示処理を行うがその詳細は後述する。ステップS64の処理の後、フローはステップS52に戻り、以下、ステップS52で近距離通信圏外であることが検出されない限り、ステップS52からステップS64を繰り返して「ツインナビ」機能を継続する。 ステップS52で他車が近距離圏外に出たことが検出されるとステップS66に移行して近距離圏外となる直前に通信で得た他車の絶対位置情報および速度の情報を保存し、ステップS68に進む。ステップS68では、近距離外処理により補完的に「ツインナビ」状態を維持するが、その詳細は後述する。 次いでステップS70で他車が近距離通信圏内に復帰したかどうかがチェックされ、通信圏内になればステップS54に移行してステップS52からステップS64のループに復帰する。一方、ステップS70で他車が近距離通信圏内であることが検出できなければステップS68に戻り、以下、ステップS70で近距離圏内への復帰が検出できない限りステップS68と70のループで補完的な「ツインナビ」状態を継続する。
【0027】
図4は、図2のステップS32における「ツインナビ」要求および合意処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS82で自車から他車に「ツインナビ」を要求する操作をしたかどうかがチェックされる。他車への「ツインナビ」要求操作があればステップS84に進み、「ツインナビ」を要求する他車の識別情報の指定操作があったかどうかをチェックする。 ステップS84に至ると一定時間だけ運転者の操作を待ち、この一定時間内に他車識別情報を指定する操作がなければステップS86に移行する。ステップS86では、ステップS50の機能により過去記憶された識別情報の中から現在通信圏内にあるすべての他車の識別情報を自動指定してステップS88に移行する。一方、ステップS84で所定時間内に識別情報の指定があれば指定された特定の車両のみを指定状態として直接ステップS88に移行する。
【0028】
ステップS88では、指定された識別情報をもつ全ての他車に対して「ツインナビ」要求信号を第一近距離通信部26から送信する。そしてステップS90で指定した全ての他車からの応答を受信したかどうかチェックする。応答のない他車があればステップS92に進み、送信後所定時間が経過したかどうかチェックする。そして所定時間が経過していなければステップS90に戻り、以下、全ての他車からの応答を受信するか所定時間が経過するまでステップS90とステップS92を繰り返す。 ステップS92で所定時間が経過したことが確認されるとステップS94に進み、未だ応答のない他車からの「ツインナビ」への合意返信があったときに割込みがかかることを可能にした上でステップS96に進む。一方、ステップS90で識別情報を指定して「ツインナビ」要求信号を送信した全ての車両から応答を受信したことが確認されると直接ステップS96に移行する。 ステップS96では受信した応答に基づいて「ツインナビ」に合意した他車があるかどうかチェックし、一つでも合意した車両がある場合には図2のステップS16に移行する。一方、ステップS96で「ツインナビ」要求に合意した車両がなければ図2のステップS34に移行する。なお、ステップS82において他車への「ツインナビ」要求をしなかった場合は直接ステップS34に移行する。
【0029】
図5は、図1の第一表示部16に表示される「ツインナビ」表示の一例を示す表示画面図であり、図3のステップS64によるツインナビ表示処理によって実現されるものである。図5は、第一車両2が先導車である場合であり、表示画面62において第一車両2は自車両指標64として地図66上に表示される。図5は「ツインナビ」に合意している後続車が第二車両4を含めて二台ある場合を示しており、第二車両4が第一他車指標68、第三車両が第二他車指標70として共通の地図66に同時に表示されている。 「ツインナビ」合意車表示エリア72は、現在「ツインナビ」に参加している車両の存在を表示するためのものであり、第一他車存在表示74、第二他車存在表示76に地図上の他車と同一シンボルが表示されている。なお、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。
【0030】
近距離通信圏外表示エリア80には、図3のステップS62における「圏外注意」警告をはじめとし、「圏外」警告、または「表示不可」を示す表示が、それぞれ該当する状況が生じたときに行われる。「圏外」警告、または「表示不可」表示の意義については後述する。なお、図5の場合は、いずれにも該当しない状態なので近距離通信圏外表示エリア80には何も表示されない。 後続車状況表示エリア82には、後続車が正しく追従しているかどうかを確認すべき状況になったときに表示を行う。図5はこの状況ではない例なので何も表示されていない。後続車状況表示エリア82の表示については後述する。
【0031】
図6は、第二他車が図5の位置よりも遅れて走行していた場合の表示画面62の表示状態を示すものである。なお、自車および第一他車は図5と同じ位置にあるものとする。この場合は、地図の縮尺が図5のままであると、第二他車が表示範囲から外れてしまう。従って図6における地図92の縮尺は、図5における地図66の縮尺よりも広域表示となるよう自動変更されている。 具体的に述べると、図6における領域94が図5において地図66が表示されていた部分であり、第二他車指標70はこの領域94からはみ出している。従って図6では、表示範囲が第二他車指標70を含む広域に広がるよう地図の縮尺が自動変更されている。 なお、図6は、図3のステップS60において第二他車が近距離通信圏外リスクありと判断された状態を示しており、この結果ステップS62によって近距離通信圏外表示エリア80には「圏外注意」の警告が行われているが、この状態では第二他車はまだ近距離通信圏内にある。これに対し、第二他車が近距離通信圏外に出てしまったときには近距離通信圏外表示エリア80の表示が「圏外」の警告表示に変わる。この場合でも、図3のステップS68の近距離圏外処理に基づき第二他車指標70の表示は継続される。 また、図6では、図5の状態から地図の縮尺を変更することに伴って地図表示の中心位置を自動的に変更するスクロールが行われている。図6は自車指標64を基準としてスクロールされており、第二他車が表示範囲に入るよう考慮しつつできるだけ自車指標64が地図の中心になるようスクロールされる。
【0032】
図7は、図6と同じ状態を示すが、図5の状態から縮尺を変更する際、「ツインナビ」に参加している全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的にスクロールが行われた例である。図6と比較すると、図7では地図100のように地図表示全体が上方にシフトされている。 図6における表示のように自車を基準として自動スクロールを行うか、図7における表示のように全車の中心を中心位置として自動スクロールを行うかは、予め任意に設定しておくことができる。なお、特に運転者が変更設定を行わない限り、図6における表示のように自車を基準とした自動スクロールが行われる。 なお、上記の設定に従った自車基準の自動スクロールまたは全車中心を基準の自動スクロールは、地図の縮尺が変更されたときだけでなく、縮尺変更のない場合にも自車の進行に従って常に実行される。
【0033】
図8は、自車と第二他車の距離が近距離通信圏を外れて「圏外」となったあと更に両車両の距離が離れ、もはや図3のステップS68の近距離圏外処理に基づいても第二他車の表示を継続するのが無意味となった状態の表示画面62を示す。このとき近距離通信圏外表示エリア80の表示は「表示不可」に変わる。さらに、表示不可の状態となった車両を明示するため、「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加される。また、地図上において第二他車指標70は非表示となり、表示対象から除外される。信頼性のない他車車両の位置を地図上に表示すると混乱を招くからである。
【0034】
図8のように第二他車指標70が非表示となると、もはや第二車両を考慮した広域表示を行う必要がないので表示は図9のように変わる。つまり、図9では、図8から地図の縮尺が自動変更され、より拡大状態の地図66に基づく表示となる。なお、縮尺を自動変更しない設定としておけば、第二他車指標70が非表示となっても、図8の縮尺での地図表示が継続される。
【0035】
図10は、図5の状態から先導車である自車が郵便局の角を右折した場合の表示画面62を示す。この場合、自車両指標64を基準として、進行方向が表示上方となるよう地図104は90度回転させられる。なお、当然ながら、まだ右折していない第一他車指標68および第二他車指標70の進行方向は地図の上方とはならない。このように複数車両がある場合の地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 なお、車両の進行方向に係わらず北を地図上方として表示するよう設定している場合は、自車と他車の進行方向に係わらず地図の回転は行われない。
【0036】
また、図10においては、後続車である第二車両と第三車両が追従して右折するかどうかを確認するため、後続車状況表示エリア82において、第一他車存在表示74および第二他車存在表示76に隣接してそれぞれ第一他車要確認マーク106および第二他車要確認マーク108が「?」シンボルで表示される。
【0037】
図11は、図1
0の状態からさら時間が経過し、第二車両が正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において第一他車存在表示74に対応して表示されていた要確認マーク「?」が消え、その代わりに「OK」シンボルで表示される第一他車確認済マーク112が表示される。この「OK」表示は後述する後続車簡略表示となる。
【0038】
図12は、図11の状態からさら時間が経過し、第三車両も正しく追従して右折した場合の表示画面62を示す。この場合、後続車状況表示エリア82において、第二他車存在表示76に対応する表示も第二他車確認済マーク114に変わり、第一他車確認済マーク112とともに「OK」シンボルで表示される。 さらに、このようにして後続車両のすべてが正しく追従して右折したことが確認されると、後続車表示が簡略化され、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となる。これは、例えばしばらく道なりが続くなど後続車の確認を必要としない状況において自車とともに後続車を表示するのは煩わしいので、自車が交差点にさしかかるなど後続車の確認が再び必要となる状況が発生するまでは後続車の表示を省略するものである。なお、このように地図上での後続車の表示を省略する場合でも、後続車状況表示エリア82においては第一他車確認済マーク112および第二他車確認済マーク114の「OK」シンボルの表示が継続される。このような後続車簡略表示により、地図上の位置までは確認できないものの、後続車が正しく追従していること自体の確認が可能となる。 なお、このような後続車簡略表示を予め設定していないときは、後続車確認の必要性如何にかかわらず、表示可能な後続車の位置が常に自車とともに地図上に表示される。
【0039】
図13は、図12のようにして後続車簡略表示が始まり、後続車の地図上での表示が不要となったときの表示画面62を示す。図12では全車が地図上に入ることを考慮して地図104のスクロールが行われるが、図13では専ら自車を基準として地図120をスクロールする。具体的には、自車が先導車の場合、自車両指標64が図12よりも図13において画面のより下方となるようスクロールが行われる。 なお、図13のように自車しか表示しない場合は、通常ナビゲーションにおけるように前方の情報を重視して自車両指標64がもっと画面62の下部に配置されるようなスクロールも可能である。しかしながら、「ツインナビ」では、後続車の表示が必要となったときへの対応のため、図13のように自車の後方にも相応の地図スペースが確保されるよう配慮してスクロールが行われる。このように、自車のみを地図上に表示する場合においても、通常ナビゲーションの場合と「ツインナビ」の場合とでは自車両指標64の配置が異なるよう地図のスクロール制御を行う。
【0040】
図14は、各車両が図10の位置にあるときの第三車両の表示画面130を示す。図14では、自車両指標134が、第一他車指標136および第二他車指標138に後続して最後尾にある。つまり、図14では第一他車が先導車であり、図10と同様郵便局の角を右折している。これに対応して、「ツインナビ」合意車表示エリア72には、第一他車存在表示140および第二他車存在表示142が地図上と同一シンボルで表示されている。なお、図14でも、破線で示した第三他車存在表示部分78には現在対象車両がないので他車存在表示はなされていない。 また、図14における自車はまだ郵便局角で右折していないので、地図66は図5と同様の状態にあり、図10のように90度回転していない。このように、複数車両の指標が同時に地図上に表示される「ツインナビ」では、自車が先導車であろうと後続車であろうと、また、他車の向きがどうであろうと、地図の上方は常に自車の進行方向を基準として決定される。 さらに、自車に後続車がない場合は後続車に対する配慮は不要なので、後続車状況表示エリア82は表示画面130には表示されない。
【0041】
図15は、図3のステップS64における「ツインナビ」表示処理の詳細を示すフローチャートであり、図5から図14において説明した種々の表示を実現するためのものである。フローがスタートすると、ステップS101で、「ツインナビ」合意車の有無を表示する。これは、図5等における合意車表示エリア72における表示を行うことに該当する。次にステップS102で自車を地図上で表示する処理を行う。これは、図5の自車両指標64または図14の自車両指標134を地図66等で表示することに該当する。 次いでステップS103では自車が先導車かどうかをチェックし、先導車であった場合はステップS104で後続車状況表示エリアを表示する。これは、図5などにおける後続車状況表示エリア82を表示することに該当する。さらにステップS105で後続車確認状況が発生したかどうかをチェックする。これは、図10において自車が右折した場合などのように交差点などで後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。
【0042】
ステップS105で後続車確認状況が発生しているとステップS106に進み、確認の必要な対象車別に確認が必要な旨の表示を行う。これは、図10図における第一他車要確認マーク106や第二他車要確認マーク108の「?」シンボルを後続車状況表示エリア82に表示することに該当する。 次いで、ステップS107でこのような後続車確認状況が解消したかどうかチェックし、解消していればステップS108で対象車別に正常追従の確認表示を行う。これは、図11などにおいて「?」シンボルに代えて「OK」シンボルを後続車状況表示エリア82内に表示することに該当する。 次いで、対象車別確認表示を継続しながらステップS109に進み、予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS110に進み、所定時間後に対象車別確認表示を消す処理をしてからステップS111に移行する。
【0043】
ステップS111では、「ツインナビ」に参加している表示可能な全対象車両を自車とともに地図上に表示する処理をおこなう。そしてステップS112で地図の縮尺変更・地図回転処理を行い、フローを終了する。なお、図15のフローが終了すると図3のステップS52に戻るので、近距離通信による「ツインナビ」が可能な限り図3のステップS52からステップS62を経て図15のフローのスタートに至り、図15のフローが繰り返される。上記ステップS112の詳細は後述する。
【0044】
図15のステップS103において自車が先導車でなければ直接ステップS111に移行し、全対象地図縮尺変更・回転処理に入る。さらに、ステップS107において後続車確認状況が解消していない場合も直接ステップS111に移行する。この場合は、ステップS106で行われた対象車別要確認表示が継続される。 また、ステップS105において後続車確認状況が発生していなければステップS113に進むので対象車別要確認表示は非表示となる。これは図5などにおいて後続車状況表示エリア82内に何も表示されていない状態に該当する。そして、ステップS114で予め後続車簡略表示設定がされているかどうかをチェックする。そしてこの設定がされていることが検知できなければステップS111に移行する。
【0045】
一方、ステップS114において後続車簡略表示設定が行われていることが検知された場合は、ステップS115に進み、対象車別正常追従表示を行う。この表示としては、ステップS108で行われるのと同じ表示を流用する。具体的には、後続車状況表示エリア82において「OK」シンボルで表現されている第一他車確認済マーク112や第二他車確認済マーク114を流用する。運転者にとっては、現在正常に後続車が追従しているかどうかが関心の対象であって、確認が必要な状況を経たのかどうかの履歴は問題でないからである。なお、特に必要な場合は、ステップS108で行われる確認済表示とステップS115で行われる正常追従表示を異なる表示としてもよい。 次にステップS116に進み、対象後続車の地図上での表示を省略する表示を行う。これは図12や図13において、地図上での第一他車指標68および第二他車指標70が非表示となることに該当する。この後、ステップS112の地図縮尺変更・地図回転処理に移行する。 なお、ステップS109において後続車簡略表示設定がされていることが検知されたときはステップS114に移行する。なお、この場合はステップS114から必ずステップS115に移行する。 また、ステップS114において、後続車簡略表示設定がされていることが検知されないときは、ステップS111に移行する。
【0046】
図16は、図15のステップS112における地図縮尺変更・回転処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS122で地図縮尺の初期値を設定する。この初期値としては、既に「ツインナビ」が開始されているときは現在の地図縮尺を初期値として設定する。また新たに「ツインナビ」を開始したときは、運転者が設定した地図縮尺を設定する。この場合、特に設定がなければデフォルト設定の地図縮尺を設定する。そしてステップS124で、車両の進行方向に係わらず方角の「北」を地図の上方に固定して表示する設定が予め行われているかどうかチェックする。 そして、特に設定が行われたことが検知できなければデフォルトとして自動的にステップS125に進む。ステップS125では、複数の車両が地図に表示されている状態において自車を基準としてその進行方向が常に地図の上方となるよう地図を自動回転する処理を行い、ステップS126に移行する。ステップ125の処理は、図5から図10の状態へ自車が右折することに伴って地図が90度回転させられる状態や、図10と図14において、自車が先導車か後続車かに対応して地図が90度回転させられている状態に該当する。 一方、ステップS124において北を上方に固定設定する設定が運転者により予め行われていることが検知されたときは、ステップS128で北を地図の上方に固定する処理を行い、ステップS126に移行する。
【0047】
ステップS126では、「ツインナビ」において表示可能な対象車がステップS122で設定された地図縮尺において全て表示範囲に入るかどうかチェックされる。表示範囲に入らない車両がある場合はステップS130に進み、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。 ステップS130で自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS132に進み、全車表示を優先した地図のスクロールに移行する。これは、例えば先導車として後方スペースが少ない自車基準の自動スクロールを行っている場合において、スクロールによって自車の表示位置を上方に移動させれば地図縮尺を広域に変更しなくても後続車の表示が可能になる場合があるからである。
【0048】
以上のスクロールを試みた後、ステップS134において表示可能な対象車が全て表示範囲に入るようになったかどうか再度チェックする。そして、スクロールによっては全車を表示範囲に入れることができなかった場合はステップS136に進み、自車基準に配慮しながら全対象車が表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。 一方ステップS130において自動スクロールが自車基準でなかったときは、既に全車が最も効率よく表示可能なようスクロールが試みられており、これ以上のスクロールで全車を表示範囲に入れる余地はないのでステップS140に進む。ステップS140では、全対象車が最も効率よく表示可能な地図縮尺への自動広域化を行ってステップS138に移行する。通常、ステップS136で決定される地図縮尺の方がステップS140で決定される地図縮尺よりも広域のものとなる。
【0049】
上記ステップS126において全車が表示範囲内に入っていた場合はステップS146の設定配慮処理を
行ってステップS138に移行する。ステップS146の処理は、先導車と最後尾の後続車との車間距離が縮まり、全車が表示範囲に入るようになった場合は当初の設定に配慮して地図を拡大するよう地図縮尺を自動変更する処理である。 具体的には、まず一段階拡大状態とした地図縮尺において全車が表示範囲に入るかどうかのチェックを行い、表示範囲に入る場合は地図の拡大が自動的に実行される。以下さらに拡大が可能ならこれが繰り返され、それ以上拡大すると全車表示が不可能となる地図縮尺または運転者が設定した地図縮尺となるまで拡大が自動的に繰り返される。なお、広域化の場合と同様、全車表示可能性や縮尺の判断を行うにあたっては、自車基準自動スクロール設定が行われているかどうかで判断基準を変える。この場合も自車基準自動スクロール設定が行われているときの方が、より広域の地図縮尺が採用される結果となる。 なお、上記のような処理において、ステップS126からステップS138に至ったとき、ステップS122で設定された初期値が結果的に変更されず、地図縮尺には変化がない場合がある。むしろ「ツインナビ」において全車が安定走行しているときは地図縮尺変化がない場合が普通である。
【0050】
ステップS138では、自車基準の自動スクロール設定になっているかどうかをチェックする。そして自車基準自動スクロール設定になっていることが検知されたときは、ステップS142に進み、自車基準の自動スクロールを実行してフローを終了する。一方、ステップS138で自車基準自動スクロール設定になっていることが検出できなければステップS144に進み、全社中心自動スクロールを実行してフローを終了する。ステップS142およびステップS144による自動スクロールの違いは、それぞれ図6の表示および図7の表示の違いに該当する。
【0051】
図17は、図3のステップS68における近距離圏外処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過したかどうかがチェックされる。所定時間が未だ経過していなければ、ステップS154に進み、「圏外」表示を行う。これは、図6または図7の近距離通信圏外表示エリア80における表示が「圏外注意」警告から「圏外」警告に変わることを意味する。 次いでステップS156において圏外車を確認する状況が発生しているかどうかをチェックする。圏外車確認状況とは、自車が交差点などを通過し、後続車の進路に選択肢が生じた場合に相当する。この状況の発生は地図情報と自車の位置情報に基づいて判断される。このような状況が発生していなければステップS158に進み、圏外車の絶対位置情報を通信により入手してから所定時間が経過したかどうかをチェックする。この通信とは、第一電話通信部24および第一近距離通信部26のいずれによる通信の場合も該当する。
【0052】
最後の通信後所定時間が経過していなければステップS160に移行し、履歴による圏外車位置推測処理を行う。この処理は、過去受信して蓄積した複数の絶対位置情報とそのときの時刻の履歴から現在の圏外車の絶対位置を推測する。このとき最後に受信した絶対位置情報が発生したときの圏外車の速度情報も補足的に活用される。 ステップS162では、このようにして推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS164のツインナビ表示処理に入る。ステップS164は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS164の処理が終わるとフローはステップS156に戻り、以下ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過しない限り、ステップS156からステップS164を繰り返す。
【0053】
ステップS156で圏外車確認状況が発生するかまたはステップS158で通信後所定時間が経過したときはステップS166に移行し、第一電話通信部24から基地局電話通信部52に自車の絶対位置情報を自動送信する。これは、圏外他車の利用に供するためである。 なお、ステップS166ではさらに、指定した圏外他車から基地局電話通信部52への絶対位置情報送信を要求する信号を自動送信する。カーナビ基地局6では、この要求信号を指定された圏外他車に自動転送する。圏外他車はこれに応答して圏外他車の絶対位置情報を基地局電話通信部52に自動送信するので、これが基地局記憶部50に記憶されている。 ステップS168では、指定した圏外車の絶対位置情報を基地局電話通信部52から自動受信する。次いでステップS170では、直前に受信していた圏外他車の絶対位置情報と今回受信した絶対位置情報に基づいて、両情報の間の情報を補間するとともに将来の推測情報を作成する処理を行う。電話通信部による通信は有料なので無料の近距離通信よりも少ない頻度でおこなわれるが、擬似的に近距離通信による頻度に合わせた絶対位置情報を作成するのがステップS170の意義である。 さらにステップS172では、このようにして補間・推測された絶対位置情報を実際に他車のGPS部から得た絶対位置情報と同様に取り扱うべき処理をし、ステップS174のツインナビ表示処理に入る。ステップS174は図3のステップS64と同じものであり、その内容は図15のとおりである。ステップS174の処理が終わるとフローを終了し、図3のステップS70に移行する。
【0054】
上記においてステップS156からステップS166に移行する理由は、圏外車確認状況が発生したときは選択肢が複数となるので履歴による絶対位置推測が不可能となるからである。また、ステップS158からステップS166に移行する理由は、最後の通信後所定時間が経過すると推測の信頼性が低下するからである。このように推測による圏外車絶対位置推測が不適当になったときはステップS166に移行して電話通信部によって圏外他車の絶対位置情報を直接取得する。
【0055】
ステップS152で、圏外車が発生してから所定時間が経過した場合は、ステップS176に移行し、「表示不可」との表示を行う。さらに、ステップS178では、該当する圏外車を地図か羅非表示とする。また、ステップS180で圏外車を特定する表示を行ってステップS174に移行する。 上記ステップS176からステップS180の処理は、図8または図9において、近距離通信圏外表示エリア80に「表示不可」が表示されるとともに「ツインナビ」合意車表示エリア72における第二他車存在表示76に表示不可マーク102が付加されていること、並びに、第二他車指標70が地図上で非表示となっていることに該当する。 このような処理を行う意義は、ステップS152で圏外車が発生してから所定時間が経過した場合、これ以上「ツインナビ」を続けると有料の電話通信部による他車の絶対位置情報取得が常態化するので、これを避けるため該当する対象車を「ツインナビ」から除外することにある。
【0056】
なお、図17のフロー実行中においては、常に近距離通信圏内に復帰したかどうかのチェックが行われており、近距離通信圏内復帰の際には直ちに割込みがかかって図3のステップS54にジャンプする。
【0057】
図18は、本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。第二実施例は、携帯電話システムを構成しており、第一携帯電話302、第二携帯電話304、および携帯電話基地局306を含む。なお、図1では簡単のために二つの携帯電話のみ図示しているが、本発明は第三、第四の携帯電話等を含む複数の携帯電話間にも適用可能なシステムとなっている。
図18の第二実施例は、基本的には図1の第一実施例に概略対応する構成を持っており、図18において一の位および十の位が共通する二百番台の符号はそれぞれ図1の符号が対応する構成に該当するので、特に必要がない限り説明は省略する。また、第一実施例において説明した各機能はカーナビゲーションに特有の機能でないかぎり、第二実施例においても適用可能なので、特に必要がない限り、説明は繰り返さない。
図18の第二実施例も、第一携帯電話302と第二携帯電話304との間で、それぞれの第一GPS部218および第二GPS部238で得た携帯電話保持者の絶対位置情報を第一近距離通信部226および第二近距離通信部246を通して交換するものである。そして交換した相手の絶対位置情報を自分の絶対位置の情報とともに携帯電話表示画面として構成される第一表示部216および第二表示部236にて地図上に同時表示する。これによって第一実施例と同様「ツインナビ」が可能となり、待ち合わせなどのときにお互いの位置を地図上で相互に同時確認しながら接近することができる。
【0058】
図18の第二実施例において特徴的なのは、第一電話通信部224と第二電話通信部244による電話回線での通信が本来の機能となっていることである。これに伴って、携帯電話基地局306の性質も第一実施例のカーナビゲーション基地局6とは少し異なっている。具体的に述べると、携帯電話基地局306は、電話回線管理部358を有しており、携帯電話基地局306の第一義的な機能は、第一電話通信部224や第二電話通信部244などの通常携帯電話機能における携帯電話同士の電話回線による会話やメール交信の管理にある。
携帯電話基地局306はさらに、第一実施例の構成にほぼ対応する基地局制御部348、基地局記憶部350、基地局ナビゲーション管理部354および基地局GPS管理部356を有する。但し、これら「ツインナビ」に関する機能も、第一実施例と少し異なる。これに対応して、第一携帯電話302および第二携帯電話304において「ツインナビ」に関連する第一制御部308、第二制御部328、第一記憶部314、第二記憶部334、第一ナビゲーション機能部320および第二ナビゲーション機能部340の機能も第一実施例と少し異なる。その詳細は後述する。
また、図1の第一実施例における第一車機能部12および第二車機能部32に該当する構成は図18の第二実施例には存在せず、代わりに第一カメラ部302および第二カメラ部304を有する。これらのカメラ部で撮影した画像は電話通信部によるメール通信に添付されて交換される。
【0059】
次に、「ツインナビ」に関する図18の第二実施例特有の機能について説明する。第一実施例は車載機器であるカーナビゲーションシステムなので、必要な地図情報(例えば日本全国)がすべて第一記憶部14または第二記憶部34に記憶されているとともに、第一GPS部18または第二GPS部からの絶対位置情報を地図データ上で表示する機能は、第一制御部8および第一カーナビゲーション機能部20または第二制御部28および第一カーナビゲーション機能部40により実行することができる。つまり、第一実施例では近距離通信部による通信が可能な限り、「ツインナビ」機能は、カーナビゲーション基地局6の助けなしに機能することができる。 これに対し、第二実施例は携帯電話に基づくシステムなので、第一制御部308、第二制御部328、第一ナビゲーション機能部320、第二ナビゲーション機能部340の能力に制限があるとともに、第一記憶部314、第二記憶部334の記憶容量にも制限がある。従って、「ツインナビ」機能は携帯電話基地局306との連携により実行されることになる。
【0060】
具体的に説明すると、図18の第二実施例における地図情報は、基本的には携帯電話基地局306の基地局記憶部350に格納して準備される。そして携帯電話基地局306は、携帯電話から要求があった区画単位で所定縮尺の地図情報を電話回線通信経由で送信する。なお、携帯電話は、受信した区画の地図情報を第一記憶部314や第二記憶部334などに保存するので、地図の要求に先立ってその区画の地図がすでに携帯電話に保存されていないかどうかチェックし、保存がなければ携帯電話基地局306に必要な区画の地図情報を要求することになる。 これによって、例えば第一携帯電話302内では、過去に受信した区画の地図情報の保存、および保存した区画の地図確認と必要に応じた新しい区画の地図の受信、および自分と相手の絶対位置図1情報に基づく必要な区画の地図上における表示の処理を担当するので、第一記憶部314、第一ナビゲーション機能部320および第一制御部308の負担が軽くなる。 第二実施例におけるような携帯電話同士の「ツインナビ」では、例えば待ち合わせ場所近辺の限られた区画の地図情報があれば目的が達成でき、カーナビゲーションのような高速での対象地図区画の遷移に対応する必要がないので、上記のような処理可能となる。
【0061】
図18の第二実施例は、上記のように携帯電話をベースにしており、携帯電話によるメールや会話が前提となる。従って、「ツインナビ」機能を携帯電話回線による通話に連動して開始するよう構成してもよい。この場合、電話通信部による通信と近距離通信部による通信が並行して行われることになる。
【0062】
なお、図18では、携帯電話基地局306が電話回線管理と「ツインナビ」機能を兼ねた構成となっているが、これらを通常の電話回線管理を行う携帯電話基地局と「ツインナビ」機能を有する携帯電話基地局に分離した構成とするシステムも可能である。 また、第三実施例として、図18の構成を変形し、第一GPS部218および第二GPS部238からそれぞれ自分と相手の絶対位置情報をまず携帯電話基地局306に送信して集結するようにし、携帯電話基地局306の基地局ナビゲーション管理部にて地図上に両者を表示した画像情報まで作成し、これをそれぞれ第一携帯電話302および第二携帯電話304に配信するようにしてもよい。このような構成によれば、「ツインナビ」のための携帯電話側の負担がさらに軽くなる。但し、近距離通信によらず電話回線によるシステムとなるので回線使用の課金がなされることになる。
【0063】
以上のように、各実施例にはカーナビゲーションおよび携帯電話に特有な機能も含まれるが、大半の特徴は両者に共通して適用可能なものである。さらに、本発明の種々の特徴はカーナビゲーションや携帯電話に限らず、通信機能を有するモバイル機器や移動対通信機器にも広く応用可能である。
【0064】
ここで、図15における「ツインナビ」表示処理の変形実施例について説明する。図15はステップS103を設けることにより先導車でない場合はステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116に入ることながいよう構成している。つまり、先導車であるか後続車であるかによって表示を異ならしめている。 これに対し、変形実施例は、先導車であるか否かにかかわらず図15の処理を実行するようにするものであって、具体的にはステップS103を省略するものである。なお、ステップS107で確認状況が解消したときは図15と同様、ステップS111に移行する。また、ステップS104からステップS110およびステップS113からステップS116において、「後続車」とあるのを「他車」と読替えるものとする。 このような変形実施例においては、後続車であっても先行車が分岐点にさしかかったときなどにおける先行車の動向の確認のためのステップS106やステップS108が実行されるとともに、他車簡略表示設定がなされている場合には、ステップS115やステップS116が実行されて地図上の表示が煩雑にならないようにする。
【0065】
さて、図18の第二実施例に戻って、その機能についてする。ここで、本発明に特有の構成ではないが、後述する機能に関係があるので、図18の構成について、若干の補足を行う。すでに述べたように、第一電話機能部222または第二電話機能部242は、通常の通話を含む電話回線を介した無線通信のためのものである。これらの電話機能部は通常の携帯電話と同様、電話機能のための音声処理部を有するとともに、使用者の声を拾うマイクロフォンおよび使用者の耳近くに配されるスピーカを備えている。 また、第一電話機能部222または第二電話機能部242は、テレビ電話も可能となっており、テレビ電話機能も備えている。そして、テレビ電話モードの際は、第一携帯電話302または第二携帯電話304においてマイクロフォンの感度が高められるとともに指向性が狭められ、これに伴ってスピーカの音量が高められるとともに指向性が狭められる。また、テレビ電話の際は、第一カメラ部302または第二カメラ部304において撮影される通話者の顔が、相手側の第二表示部236または第一表示部216に表示される。 なお、第一表示部216および第二表示部236は、第一携帯電話302および第二携帯電話304が折り畳み式の場合、折り畳んだ内側に設けられる主表示部と、携帯電話を折り畳んだ際にも観察できるよう携帯電話外面に設けられた副表示部からなる。上記で説明した各機能はそれぞれ主表示部においてなされるものである。
【0066】
図19は、図18の第二実施例における第一制御部308または第二制御部328の基本機能を示すフローチャートであり、第一携帯電話302または第二携帯電話304の電源オンによってスタートする。なお、以下の説明は第一携帯電話302を中心として行う。従って、特に断わらない限り以後のフローチャートは第一制御部308の機能として説明する。 フローがスタートすると、ステップS202において、第一携帯電話302の第一近距離通信部226の通信圏内に他の携帯電話を持っている者がいるかどうかがチェックされる。例えば、第一近距離通信部226と通信可能な第二近距離通信部246を持つ第二携帯電話304が近距離通信圏内に存在するかどうかがチェックされる。なお、後述のように、新たに近距離通信圏内に入ってくる者があれば、このステップS202がそれを検出する。 ステップS202において近距離通信圏内者の存在が検出されるとステップS204に進み、ナビ可能報知処理が行われる。これは、近距離通信圏内者が存在するか又は新たに近距離通信圏内に入ってくる者があったとき、これを第一携帯電話302の保持者に報知するものであって、その詳細は後述する。
【0067】
ナビ可能報知処理が完了すると、ステップS206に進み、ツインナビ開始操作が行われたかどうかがチェックされる。ツインナビ操作がなかったときはステップS208に進み、通常の携帯電話の着信があったかどうかがチェックされる。そして着信がなければステップS210に進み、通常の携帯電話の発呼操作が行われたかどうかがチェックされる。 発呼操作があったときはステップS212に進み、発呼相手の携帯電話が近距離圏内に存在するかどうかがチェックされる。相手が近距離圏内に存在すればステップS214に進み、発呼相手とのツインナビが可能であることを第一表示部302に表示する。また、これに伴って第一電話機能部222のスピーカから音声で通話相手とのツインナビが可能であることを報知してもよい。 次にステップS216で通話相手に対してツインナビを要求する操作が行われたかどうかをチェックする。これは、ステップS214における表示に応じて行われ、この操作が行われると、近距離通信部226からツインナビ要求信号が送信される。そしてステップS218に進み、相手からのツインナビ合意信号を受信したかどうかチェックする。 以上の経過を経て、ステップS218において相手からのツインナビ合意信号が受信できないときは、ステップS220に進み、電話が接続されたかどうかチェックする。ステップS220に至った場合は、ツインナビ機能を伴わない通常電話モードである。そしてステップS220で電話が接続されていなかったときはステップS222に移行する。
【0068】
なお、ステップS210において電話発呼操作がなかったときも直接ステップ220に移行する。このように、電話の着信も発呼もなく第一携帯電話302が通常会話のために使用されていないときは、ステップS202において近距離通信圏内者があっても使用者に何も通知せず、ステップS220に至り、電話の接続もないのでステップS222に至る。 また、ステップS212において、発呼相手が近距離圏内にない場合は近距離圏内にいるのが発呼相手ではないことを意味するので、使用者に何も通知せずステップS220に至り、電話が接続されなければステップS222に進む。 さらに、ステップS216において使用者がツインナビ要求の操作をしなかったときも、ステップS220に至り、電話が接続されなければステップS222に進む。
【0069】
ステップS222では、地図自動予備ダウンロード処理を行う。これは、電話が使用されていない待ち受け時間を利用し、ツインナビに必要な地図を予備的に自動ダウンロードする処理であるが、その詳細は後述する。そしてステップS222からはステップS202に戻る。また、ステップS220において電話が接続された場合は、直接ステップS202に戻る。 以下、近距離通信圏内者がいてナビ開始操作が行われず、また電話の着信もなく、かつ電話が繋がって相手からツインナビ合意信号が受信されることもない限り、ステップS202からステップS222の処理を繰り返す。また、ステップS202において近距離通信圏内者がない場合は、直接ステップS220に移行する。
【0070】
一方、ステップS206においてツインナビ開始操作が行われたときはステップS224に移行し、電話通話中かどうかをチェックする。そして電話通話中でなければステップS226に進み、ステップS202でチェックされた近距離通信圏内者のリストを第一表示部216に表示する。そしてステップS228でツインナビの相手を指定する操作を待ち、指定があるとステップS230に進む。なお、この指定にあたっては複数の相手を指定することも可能である。なお、ステップS224において電話通話中であれば、ツインナビの相手を通話中の相手に自動指定してステップS230に移行する。 ステップS230では、指定した相手が近距離通信圏内にいるかどうかを再チェックする。通常はステップS202でチェックされた近距離通信圏者の中から指定が行われるので、短時間の間に指定相手が圏外に出ない限り、再チェックの結果は「イエス」であり、フローはステップS232に進む。なお、ステップS208で電話の着信があったときもステップS230に移行す
る。この場合は、ステップS202でチェックされた近距離通信圏内者からの電話着信である保証はない。ステップS230は、主にこのために設けられているもので、近距離通信圏内者からの電話着信に限りステップS232に移行する。一方、ステップS230で相手が近距離通信圏内に内場合はステップS220に移行する。
【0071】
ステップS232では、指定した相手からのツインナビ要求を受信しているかどうかがチェックされる。このツインナビ要求は、近距離通信部を介して行われるので、この要求があるのは通常電話の着信または通話中に限らない。ツインナビ要求があるとステップS234に進み、第一表示部216でツインナビ要求がある旨の表示を行ってステップS236に移行する。 ステップS234での表示から所定時間内にツインナビに合意する旨の操作が行われたことがステップS236において検知されるとステップS238に進み、要求相手にツインナビ合意信号を第一近距離通信部から送信する。そして、ステップS240のツインナビ処理に移行するが、その詳細については後述する。なお、ステップS236においてツインナビ要求表示から所定時間内に合意操作がなされたことが検出されない場合、ステップS220に移行する。
【0072】
ステップS232において指定相手または電話着信相手からツインナビ要求信号を受信したことが検知されなければステップS212に移行する。そして、ステップS212からステップS216を経てステップS218に至り、ツインナビ要求をした相手から合意信号を受信したことが検知されるとステップS240に移行する。
【0073】
図20は、図19のステップS240におけるツインナビ処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとまずステップS242で、ツインナビに合意した相手の携帯電話である他機のナビゲーションシステムのID確認を行う。以後、ステップS250のID毎の諸変換設定記憶までのステップは、基本的には、第一実施例における図3のステップS42からステップS50までと同様なので、説明は省略する。 ステップS244またはステップS250からステップS252に至ると、ツインナビの相手と電話通話中であるかどうかがチェックされる。そして通話中であればステップS254でテレビ電話モードにて通話中であるかどうかチェックする。テレビ電話モードでなければステップS256に進み、マイクとスピーカを通常通話モードからテレビ電話モードに切換えた上でステップS258のナビ画面表示処理に進む。これは、通常電話モードにおいてツインナビの画面を見るために携帯電話を耳から話すと通話の継続ができなくなるからである。一方、ステップS254でテレビ電話モードであれば、そのままステップS258に進む。
【0074】
ステップS252において電話通話中でなければステップS260に進み、電話が着信したかどうかチェックする。そして電話が着信したときはテレビ電話モードにて受信を始めるようステップS256に移行する。一方、電話が着信していなければステップS262で電話発呼操作が行われたかどうかチェックする。ここでも発呼操作が行われたときは以後の通話がテレビ電話モードで行われるよう、ステップS256に移行する。なお、ステップS262で電話発呼操作も行われていなかったときは電話通話を伴わないツインナビなので直接ステップS258に移行する。
【0075】
図21は、図20のステップS258におけるツインナビ画面表示処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとまずステップS272で第一携帯電話302の絶対位置情報を受信するとともに、ステップS274では、この情報をツインナビの相手の携帯電話に第一近距離通信部226から送信する。 次に、ステップS276でツインナビの相手の携帯電話の絶対位置情報を第一近距離通信部226で受信する。そしてステップS228で相手の携帯電話のツインナビシステムのIDを確認し、確認できたIDに基づき、ステップS280で絶対位置情報を自分の携帯電話で表示可能な情報に変換する。なお、IDが自分と相手のツインナビシステムが同一であることを示していれば、ステップS280では結果的に何も行われない。
【0076】
次いで、ステップS282では、自分と相手の絶対位置を表示可能な最適縮尺の地図が既にダウンロードされていて第一記憶部314に記憶されているかどうかチェックする。そして、記憶がなければステップS284に進む。なお、このチェックでは、両者の絶対位置を表示可能な地図が全くない場合だけでなく、表示可能な広域縮尺の地図はダウンロードされているが、両者の絶対位置を拡大してより適切に表示できる縮尺の地図がダウンロードされていない場合も、ステップS284に進む。 ステップS284では、ツインナビの相手と電話通話中であるかどうかがチェックされ、通話中でなければステップS292の地図情報ダウンロード処理に入る。一方、ステップS284で電話通話中であればステップS286に進み、第一携帯電話302の第一表示部216に「自機地図情報不適」の表示がなされる。この表示では、地図が全くないのかまたは縮尺が広域過ぎるのかの別まで表示してもよい。次にステップS288で相手の携帯電話に第一近距離通信部226から「自機地図情報不適」の情報を送信する。これによって、自分側のツインナビ表示可能状況を相手に知らせることができる。 以上の後、ステップS290では電話切断勧告が行われる。この勧告は音声または表示またはその両者によって行う。その目的は、電話通話中で第一電話通信部224の回線が塞がっていると、インターネットによる地図のダウンロードができないからである。そしてフローはステップS282に戻り、以下、両者の位置が変わることで必要な地図が変わるかまたは電話が切断されるまで、ステップS282kらステップS290が繰り返される。なお、この繰り返しの間、電話通話を継続することは任意である。
【0077】
ステップS292の地図情報ダウンロード処理の詳細は後述するが、このダウンロードが終了するとステップS294に進む。なお、ステップS282で両機表示可能最適縮尺地図が既に第一記憶部314に記憶されている場合はダウンロードの必要がないので、直接ステップS294に移行する。 ステップS294では、ツインナビ表示処理が行われるがその詳細は後述する。ついでステップS296では、相手の携帯電話の地図情報が不備である旨の信号が第一近距離通信部226で受信されているかどうかがチェックされる。そして受信があればステップS298でその旨を第一表示部216で表示し、フローはステップS272に戻る。なお、ステップS296で他機地図情報不備の旨の受信がなかったときは直ちにステップS272に戻る。 以下、ツインナビを終了する旨の操作によって割り込みがかかるまで、ステップS272からステップS298が繰り返され、両者の絶対位置情報の変化に応じたツインナビ画面表示が実行される。
【0078】
図22は、図19のステップS204におけるツインナビ可能報知処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS302で電話通話中かどうかのチェックが行われる。通話中でなければステップS304に進み、近距離通信圏内者からのツインナビの要求を第一近距離通信部226で受信しているかどうかをチェックする。そして、ツインナビ要求があればステップS306でツインナビ要求の着信メロディーを再生する。この着信メロディーは第一電話通信部224の回線による通常の電話やメールの着信メロディーとは異なるよう設定しておく。併せて、ステップS308でツインナビ要求が着信している旨の外部表示を第一表示部216の副表示部にて行う。このように本発明の電話機は、通常の電話回線を介した着信だけでなく、近距離通信によるローカルな着信についても使用者に報知することが可能となっている。
【0079】
次いでステップS310では、ツインナビ操作が可能なよう、ツインナビに関するメニューを表示メニューに追加する。これらのツインナビメニューは、使用上の混乱を避けるため、近距離圏内者がいない場合にはメニューに追加されない。なお、ステップS304において近距離圏内者からツインナビ要求がない場合には、差しあたって近距離圏内者の存在を使用者に放置する必要がなく、単にツインナビ操作を可能にするだけでよいので、直接ステップS310に移行する。 ステップS310に次いで、ステップS312では、折り畳み式の携帯電話の開放に応じて近距離通信者のリストを自動表示するよう表示データの準備を行う。さらに、ステップS314において、電話発光操作を行ったときに近距離通信者のリストを自動表示するよう表示データの準備を行ってフローを終了する。
【0080】
一方、ステップS302で電話通話中であったときはステップS316に進み近距離圏内に入ったのが通話中の相手かどうかチェックする。そして通話中の相手であった場合はステップS318に進み、テレビ電話中かどうかをチェックする。テレビ電話中であれば第一表示部216が観察中なので、通話中の相手とツインナビが可能になった旨を第一表示部216上に表示する。併せて、ステップS322で同様の趣旨を音声でも通知しフローを終了する。なお、ステップS318でテレビ電話中でなかったときは、直接ステップS322に進み、音声による通知のみを行ってフローを終了する。また、ステップS316で近距離圏内に入ったのが通話中の相手でないときは、当面の関心時ではないので、この時点では何もせずにフローを終了する。
【0081】
図23は、図21のステップS292における地図情報ダウンロード処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS332で、第一記憶部314に自分と相手の双方を表示可能な地図が全くないのかどうかをチェックする。両者表示可能地図の記憶が全くなければステップS334に進み、自分の携帯電話には両者を表示可能な地図が全くない旨の表示を第一表示部216に表示し、ステップS336に移行する。一方、ステップS332において、縮尺が広域過ぎて最適ではないが両者を表示可能な地図がある場合には直接ステップS336に移行する。 ステップS336では、第一携帯電話302が第一電話通信部224の回線圏内にあるかどうかをチェックする。これは携帯電話におけるいわゆる「圏外」表示の際の判定と同様のものである。回線圏内であればステップS338に進み、第一電話通信部224による電話回線を接続しインターネット経由で携帯電話基地局306から必要な地図のダウンロードを開始する。
【0082】
そしてダウンロードを継続しながらステップS340に移行し、電話発呼操作がなされたかどうかチェックする。そして操作がなされたときは、ステップS342で発呼不可の表示を行う。これは、ダウンロード中は電話回線が塞がっていて発呼ができないことに気づかずにこの操作をした使用者が混乱しないようにするためのものである。この表示を開始した後フローはステップS344に移行するが、表示自体は操作後所定時間継続される。一方、電話発呼の操作がない場合は直接ステップS344に移行する。 ステップS344では、メール送信操作がなされたかどうかチェックする。そして操作がなされたときは、ステップS346で送信不可の表示を行う。これは、ダウンロード中は電話回線が塞がっていてメール送信ができないことに気づかずにこの操作をした使用者が混乱しないようにするためのものであり、趣旨は電話発呼操作の場合と同様である。この表示を開始した後フローはステップS348に移行するが、表示自体は操作後所定時間継続される。一方、メール送信操作がない場合は直接ステップS348に移行する。
【0083】
ステップS348では、ダウンロードが完了したかどうかをチェックする。そして完了していればステップS350に移行し、ダウンロードした地図情報を第一記憶部314に記憶する。そして、ステップS352に進んで電話回線を切断してフロー
を終了する。なお、ステップS336において電話回線が圏外であれば、直ちにフローを終了する。 一方、ステップS348でダウンロードが完了していなければステップS354に進み、縮尺は広域過ぎるとしても自分と相手を表示可能な地図があるかどうかをチェックする。そして、表示可能な地図情報が全くなければステップS340に戻り、以下、ダウンロードが完了するまでステップS340からステップS348およびステップS354のループを繰り返す。 これに対し、ステップS354で表示可能な地図があった場合は、ダウンロードが未完であっても直ちにフローを終了して次の処理に進む。つまり、図21のステップS294のツインナビ表示処理に進む。但し、ダウンロード処理はツインナビ表示処理と並行して継続される。このように、表示可能な地図情報が全くない場合は必要な地図のダウンロードが完了するまではダウンロード処理を終了しないのに対し、縮尺が不適当であっても表示可能な地図情報が第一記憶部314に存在する場合では、最適地図情報のダウンロード完了を待たず、ツインナビ表示とダウンロード処理が並行して行われる。
【0084】
図24は、図19のステップS222における地図自動予備ダウンロード処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS362で、第一記憶部314のうち地図の記憶に割り当てられた記憶容量が所定以上残っているかどうかがチェックされる。既に述べたように、地図自動予備ダウンロード処理は待ち受け時間を利用してツインナビに必要な地図を予め予想して自動ダウンロードする処理であるが、ダウンロードした地図が必ずしもその後使用されるかどうかはわからない。従って、ステップS362を設け、地図記憶に割り当てられた残記憶容量が所定以上の場合のみ自動ダウンロードを行うようにして、使用可能性の不明な地図で記憶容量が占められてしまわないよう配慮する。 ステップS362で残記憶容量が所定以上であればステップS364に進み、縮尺が常用のものでない地図情報が第一記憶部314に記憶されているかどうかチェックする。常用外縮尺地図としては、ツインナビ以外の目的でダウンロードされた広域の地図または、詳細情報を得るためにダウンロードされた特定地域の拡大地図などであってツインナビに常用される縮尺ではない地図情報である。なお、ツインナビに常用される地図とは、ほぼ第一近距離通信部226の通信圏をカバーする縮尺の地図である。 ステップS364で常用外縮尺地図があればステップS366に進み、携帯電話基地局306との通信に基づいて、その地図に対応する常用縮尺地図を選択する。具体的には、広域地図の場合、これを分割した常用縮尺地図の全てまたはそのうちの予め定めた優先ルールに基づく高順位のものが第一携帯電話302側から指定される。また、詳細地図の場合、その地域を中心とするかまたは予め定めた所定ルールで領域を広げた常用縮尺地図が第一携帯電話302側から指定される。携帯電話基地局306では、この指定に最も近い常用縮尺地図を選択する。 そして、上記の選択の後、ステップS368に移行する。なお、ステップS364で常用外縮尺地図がなければ、直接ステップS368に移行する。
【0085】
ステップS368では、第一記憶部314に記憶されている常用縮尺地図をチェックし、ある地域についての常用縮尺地図が相当数ある場合はこれを隣接して欠落する部分があるかどうか判定する。そして欠落部分があればステップS370に進み、携帯電話基地局306との通信に基づいて、欠落部分に対応する常用縮尺地図を選択する。具体的には、第一携帯電話302側からの欠落部分の指定に基づき、携帯電話基地局306で、その指定に最も近い常用縮尺地図を選択する。 そして、上記の選択の後、ステップS372に移行する。なお、ステップS368で常用縮尺の地域内欠落地図がなければ、直接ステップS372に移行する。
【0086】
ステップS372では、携帯電話基地局306との通信に基づいて、指定条件に合致する新規の地図情報があるかどうかチェックする。具体的には、例えば「新しいショッピングスポットや観光スポット」というような条件を指定しておいた場合、条件に合致するスポットを含む新規の地図情報があればステップS374に進み、対応する常用縮尺地図が携帯電話基地局306で選択される。そして、この選択の後、ステップS376に移行する。なお、ステップS372で指定条件に合致する新規の地図情報がなければ、直接ステップS376に移行する。 ステップS376では、以上の処理により選択された地図があるかどうかチェックし、選択された地図がある場合は電話回線を接続してダウンロードを開始してステップS378に進む。
【0087】
ステップS372では、第一記憶部314において記憶容量が所定残っているかどうかチェックする。なお、このチェックはステップS362における残容量のチェックに比べ緩やかなもので、差し迫って容量が少なくなっているかどうかをチェックするものではない。 そして、残された記憶容量が所定以下であればステップS380に進み、長期間不使用であった地図情報を第一記憶部314から削除してステップS382に進む。一方、ステップS378で記憶容量が所定以上残っていれば、直接ステップS382に進む。
【0088】
ステップS382では、電話発呼操作があったかどうかチェックする。発呼操作がなければステップS384に進み、メール送信操作があったかどうかチェックする。そして送信操作もなければステップS386でダウンロードが完了したかどうかチェックし、完了していればステップS390に進んで自動ダウンロードした地図情報を第一記憶部314に記憶するとともにステップS392で電話回線を切断してフローを終了する。 なお、ステップS386でダウンロードが完了していなければステップS382に戻り、以下、ダウンロードが完了するまでは、電話発呼やメール送信がない限りステップS382からステップS386を繰り返す。 一方、ステップS382で電話発呼操作があるか、またはステップS384でメール送信操作があれば、ダウンロードが未完であっても直ちにステップS392に移行し、電話回線を切断して地図自動予備ダウンロード処理を中断し、フローを終了する。これは、電話発呼操作やメール送信操作を優先し、不急の地図自動予備ダウンロード処理で回線を塞がないようにするためである。 なお、ステップS362で残記憶容量が所定以下であった場合、またはステップS376で選択地図がなく電話回線を接続しなかった場合は、直ちにフローを終了する。
【0089】
図25は、図21のステップS294におけるツインナビ表示処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS402で、新しく第一記憶部314に記憶された新着地図情報があるかどうかチェックし、新着地図情報の記憶があればステップS404でこれをツインナビ表示に用いる選定地図候補に追加してステップS406に移行する。また、新着地図情報の記憶がなければ直接ステップS406に移行する。 ステップS406では、自分と相手の携帯電話の両機の位置を表示可能な地図情報が第一記憶部314に記憶されているかどうかチェックする。そして記憶があればステップS408に進み、両機を表示可能な地図情報の内、最適の縮尺の地図を選定する。地図情報が一つしかなければ当然それを選定する。
【0090】
ステップS408で表示に用いる地図が選定されるとステップS410に進み、今回のツインナビにおける自分の携帯電話の刻々の絶対位置情報の変化の履歴が第一記憶部314に記憶されているかどうかがチェックされる。履歴が記憶されているとステップS412に進み、自機絶対位置情報変化履歴に基づいて今回のツインナビにおける自分の携帯電話の進行方向を判定して、ステップS414に移行する。なお、自機絶対位置情報の変化の履歴が第一記憶部314にない場合は進行方向が判定できないので直接ステップS414に移行する。 ステップS414では、今回のツインナビにおいて受信した相手の携帯電話の刻々の絶対位置情報の変化の履歴が第一記憶部314に記憶されているかどうかがチェックされる。履歴が記憶されているとステップS416に進み、他機絶対位置情報変化履歴に基づいて今回のツインナビにおける相手の携帯電話の進行方向を判定して、ステップS418に移行する。なお、他機絶対位置情報の変化の履歴が第一記憶部314にない場合は進行方向が判定できないので直接ステップS418に移行する。
【0091】
ステップS418以降は地図の上方をどの方向にして表示するかを決めるためのものであり、まずステップS418では、今回のツインナビにおける初回表示であるかどうかがチェックされる。そして初回表示であればステップS420に進み、自機の方向判定があるかどうかをチェックする。ツインナビの初回表示であっても表示を出す前に複数の絶対位置情報履歴があれば進行方向の判定が可能なので、判定がある場合はステップS424に進む。ステップS424では、自機の進行方向が地図の上になるよう第一表示部216での地図の方向を決め、このように方向を決めた地図上においてステップS326で進行方向付きの両機に位置を表示してフローを終了する。 なお、ステップS420において自機方向の判定がない場合はステップS422に進み、地図の北方を地図の上方とするよう設定してステップS426に以降する。
【0092】
ステップS418において今回のツインナビにおける初回表示でなかったときはステップS428に進み、他機の方向判定があるかどうかをチェックする。他機方向判定がない場合は、ステップS420に進み、既に述べたのと同様の流れとなる。一方、ステップS428において他機方向判定があればステップS430に進み、他機の進行方向を優先した表示とする設定となっているかどうかチェックする。他機の進行方向を優先した表示設定は、例えば電話通話しながらツインナビを行う際など、相手側から見た方向の地図を互いに共有して会話する際に有用なものである。 ステップS430において他機優先設定がなされていない場合はステップS432に進み、第一カメラ部302による写真撮影のための予備操作が行われたかどうかチェックする。そして、この予備操作が行われた場合は他機進行方向を地図の上方に設定した地図表示が行われる。第一カメラ部302の撮影レンズの光軸は第一表示部216の上方と対応しているので、このような表示とすることにより、第一カメラ302による写真撮影の方向は進行してくる相手から見える風景を撮影できる方向となる。これによって、容易に相手から見える方向の風景を撮影し、相手の携帯電話に送信することによって自分に近づいてくる相手の参考情報とすることができる。ステップS434によって他機進行方向を地図情報に設定した場合もステップS426に進み、その方向での地図上で両機の位置を表示する。
【0093】
ステップS430で他機の進行方向を優先した表示設定をしていることが検出されたときもステップS434に以降し、他機進行方向を地図の情報をする設定が行われる。 一方、ステップS432において写真撮影予備操作をしていることが検出されない場合はステップS420に以降する。 なお、ステップS406において両機を表示可能な地図がなければツインナビ表示ができないので直ちにフローを終了する。
【0094】
以上、第二実施例では、自分と相手の二者間でのツインナビについて説明してきたが、本発明は携帯電話における実施においても二者間に限らず、上記で説明してきた二者間での機能を組み合わせれば三者以上の間でツインナビを楽しむことが可能である。例えば、図18において第三携帯電話があれば、第一携帯電話302と第二携帯電話304との関係を第一携帯電話302と第三携帯電話との関係、及び第二携帯電話304と第三携帯電話との関係に置き換えて同時に実施すれば、三者の位置を、第一携帯電話302、第二携帯電話304、および第三携帯電話のそれぞれの表示部にお
いて共有して表示することができる。 また、二者間の距離、例えば第一携帯電話302と第二携帯電話304との距離が互い近距離通信の圏外であっても、第一携帯電話302と第三携帯電話、および第二携帯電話304と第三携帯電話がそれぞれ近距離通信の圏内にあれば、第三携帯電話による中継を介し、第一携帯電話302と第二携帯電話304との間で近距離通信部によるツインナビを行うことができる。
【0095】
また、以上の実施例の説明では、ツインナビという概念の下に、自分の位置と他者の位置を表示することについて説明してきた。しかしながら、他者の絶対位置情報を受信して自分の地図情報の上でこれを表示することに関する本発明の種々の特徴は、このような「ツインナビ」における実施に限られものではなく、自分の位置を表示せずに他者の位置のみを表示する場合にも有用なものである。 このような自分の位置を表示しない実施にあたっては、例えば図21以下のフローにおいて「両機」を「他機」と読替えるとともに、自機絶対位置に関する機能を省略するよう変形した実施例によって実施することが可能である。具体的には、図21において、ステップS272やステップS274を省略するとともに、ステップS282に「両機」とあるのを「他機」と読替える。但し、地図は自機のものを使用するので、ステップS286等は必要である。なお、当然ながら、ステップS294等において「ツインナビ」とあるのは「他者位置ナビ」と読替える。 なお、このような変形実施例においては、自機絶対位置の表示に関する表示を完全に省略するのではなく、図21以下のとおりの「ツインナビ」の機能と上記のようなフローの省略読替えを行った機能とを適宜切換えることができるよう構成してもよい。
【0096】
本発明における地図情報の入手に関する種々の特長は、さらに、他機の絶対位置情報を取扱わない通常のナビゲーションにおいても有用なものである。 このような他機の絶対位置情報を取扱わないナビゲーションでの実施にあたっては、例えば図18図以下において、他機との「ツインナビ」に関する機能を省略するよう変形するとともに、「ツインナビ」とあるのを「ナビゲーション」と読替えることによって可能である。 なお、このような変形実施例においては、「ツインナビ」に関する機能を完全に省略するのではなく、「ツインナビ」の機能はそのまま温存するとともに、上記のような省略を行った通常のナビゲーションの機能、あるいは上記のような「他者位置ナビ」の機能と適宜切換えることができるよう構成してもよい。
【0097】
上記の実施例では、図23の地図情報ダウンロード処理では電話発呼やメール送信操作よりも地図情報のダウンロードを優先し、図24における地図自動予備ダウンロード処理では地図情報のダウンロードよりも電話発呼やメール送信操作を優先するフローとした。しかしながら、本発明の実施に当たっては、これらのいずれの場合にいずれを優先するかを使用者が任意に予め設定できるように構成することも可能である。 この場合、図23の地図情報ダウンロード処理において地図情報のダウンロードよりも電話発呼やメール送信操作を優先するよう設定したときは、ステップS340で電話発呼操作があったときまたはステップS344でメール送信操作があったときは直ちにステップS352に移行して電話回線を切断するようにする。 また、図24における地図自動予備ダウンロード処理において電話発呼やメール送信操作よりも地図情報のダウンロードを優先するよう設定したときは、ステップS382で電話発呼操作があったときまたはステップS384でメール送信操作があったときはステップS342およびステップS346に準じてこれらの操作が不能である旨表示したあとステップS386に移行し、ダウンロードの完了を待つようにする。
【0098】
上記のように携帯電話として実施される第二実施例は、本来の電話機能と地図上での位置表示機能の組合せによる種々の機能が可能であるが、電話機能における着信報知と地図上での位置表示要求の着信報知をさらに充実させることも可能である。 具体的には、例えば図19のステップS234のナビ要求表示の際、図22のステップS306のような着信メロディーを再生するようにする。これによって、電話通話中においてツインナビの要求を受信したときにも使用者はその旨を着信メロディーによって知ることができる。 一方、例えば図20のステップS260の電話着信の際、電話着信メロディーを再生するようにする。これによって、ツインナビ中に電話着信があったときにも使用者はその旨を着信メロディーによって知ることができる。 以上のように本発明では、本来の電話機能と地図上での位置表示機能の一方が特定の相手との間で機能中であるときにおいて他方の機能の開始が同一の相手から要求されたとき、これを着信メロディーなどによって報知するという特徴がある。
【0099】
図26は、図1の第一実施例に関する図2のステップS36における通常ナビ処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図18の第二実施例においても通常ナビ処理は可能であり、図19の基本機能フローチャートにおいて通常ナビ操作を行うことにより割込みがかかって図26のフローに移行する。なお、図26は第一実施例に基づいておこなうが、第二実施例として理解する場合は、フロー中「自車」とあるのを「自機」と読替えることとする。また、図26のフローは「通常ナビ処理」と称しているが、従来どおりの機能ではなく、ツインナビの機能と連携する本発明に関する機能も有している。つまり、自車のみに関するナビ機能ではあるが、そのナビ情報においてツインナビと関連する機能と連携している。 さて、図26における通常ナビ処理がスタートすると、ステップS442で複数目的地表示モードが設定されているかどうかチェックする。複数目的地表示モードとは地図上で複数の目的地を同時に表示するモードであり、実際にその目的地に行くかどうかに係らず、その候補となる目的地を地図上で一覧するためのものである。その詳細は後述する。
【0100】
このような複数目的地表示モードでないときは、ステップS444に進み、受信目的地のみを選択する設定がなされているかどうかをチェックする。この部分がツインナビと関連があり、「受信目的地」とはツインナビ機能により他車の絶対位置情報を受信して目的地として記憶させてあるものを指す。このような記憶は、例えば他車が既に目的地に到達しているとき、または他車が駐車場に置かれている家を訪問する際に可能であるが、その記憶の詳細は後述する。ステップS444はこのような他車から受信した目的地のみを選択して目的地メニューを表示する設定がなされているかどうかをチェックしている。 ステップS444で、受信目的地のみを選択する設定がなされていないときにはステップS446に進み、記憶されている目的地のリストを示す目的地メニューの中で受信目的地を通常設定で記憶された目的地と区別できるよう、例えば表示色を変えるなどして識別可能化する。そしてステップS448の目的地リスト表示に進む。なお、ステップS444で受信目的地のみを選択する設定がなされているときは目的地リストに表示される目的地はすべて受信目的地であるのでこのような処理は不要であり、直接ステップS448に進む。
【0101】
ステップS448で目的地メニューを表示するとステップS450に進み、その中から一つの目的地が選択されたかどうかチェックする。そして選択があれば、ステップS452に進む。一方、ステップS450で目的地選択が行われたことが確認できないとステップS442に戻る。なお、ステップS442で複数目的地表示モードが設定されていることが検出されたときはステップS454の複数目的地表示処理を経てステップS452に至る。以下、ステップS442で複数目的地表示モードが設定されたことが検出されるか、またはステップS450で目的地選択が行われたことが検出されるまで、ステップS442からステップS450を繰り返す。
【0102】
ステップS452では、ステップS450で選択された目的地の絶対位置情報が読み取られる。さらに、ステップS456で自車の絶対位置情報を読取るとともに、ステップS458に進み、現在地から目的地に至るルート指定情報があるかどうかのチェックが行われる。このルート指定情報は、主にステップS454経由でステップS458に至ったときに存在する場合があり、該当するときはステップS460でそのルート指定情報を取得してステップS462に至る。なお、ステップS458でルート指定情報がない場合は直接ステップS462に地図情報準備処理に至る。
【0103】
ステップS462における地図情報準備処理は、第一実施例における地図のスクロールや縮尺変更に該当するが、第二実施例の場合はさらにダウンロードによる地図情報の取得処理も含まれる。なお、ステップS462の場合、ルート指定情報も加味して地図の準備が行われ、自車の現在位置と目的地だけでなく途中のルートが地図から外れることのないよう配慮して地図の縮尺選択およびスクロールが行われる。次いで、ステップS464では、以上の情報に基づき、自車の現在位置および目的地までのルートを地図上に表示するための自車/ルート地図上表示処理が行われる。 そしてステップS466でナビ処理を終了する操作があったかどうかかチェックされ、この操作が検出されるとフローを終了する。なお、ステップS466でナビ処理終了操作が検出されなければステップS456に戻り、以下、ナビ処理終了操作が検出されない限り、自車絶対位置の変化に対応しながらステップS456からステップS466が繰り返される。
【0104】
図27は、図26のステップS454における複数目的地表示処理の詳細を示すフローチャートである。図27においても、説明は図26の第一実施例に基づいておこなうが、第二実施例として理解する場合は、フロー中「自車」とあるのを「自機」と読替えることとする。 図27のフローがスタートするとステップS472において複数目的地を抽出するための目的地条件が設定を待ち、設定が行われるとステップS474で条件に合致した目的地のリストを表示する。 そしてステップS476において絞込みOKかどうかのチェックを行う。この絞込みOKの判断は絞込み操作および完了の操作が行われたかどうかによるが、リストどおりで絞込み操作なしに完了操作をした場合も絞込みOKと判断されるようになっており、いずれの場合も絞込みOKであればステップS478に移行する。一方、ステップS476で絞込みOKであることが検出できなければステップS472に戻る。これにより目的地条件設定の変更にも対応できる。そしてステップS476で絞込みOKであることが検出されるまでステップS472からステップS476を繰り返す。
【0105】
ステップS478では、ステップS476で確定した複数の目的地絶対位置情報を読取る。このとき読取られる情報には、図26のステップS444で説明した「受信目的地」も含まれる。なお、この受信目的地を通常の目的地と区別するため、ステップS474を図26のステップS444からステップS448のように構成してもよい。また、ステップS476で絞込まれた目的地が結果的に単一であった場合、ステップS476で読取られる目的地絶対位置情報は当然単一の目的地に関するものとなるとともに、以下のステップでもこのような単一目的地の場合にも対応できる。 次にステップS480で自車の絶対位置情報を取得するとともに、ステップS482に進んで個別到達路表示モードが設定されているかどうかチェックする。この個別到達路表示モードは、ステップS476で絞込まれた複数の目的地毎にそれぞれ個別に到達路を表示するモードであり、該当すればステップS484に進んでそれぞれの到達路を演算する。
【0106】
次に、ステップS486の地図情報準備処理に進む。この処理は、図26のステップS462に該当するが、ステップS484で演算した個別到達路も加味して地図の準備が行われる。そしてステ
ップS488では、準備された地図情報に基づいて、自車の現在位置および各目的地それぞれへの個別到達路の地図上表示処理が行われる。 ステップS490では、個別到達路付きで表示されている副うす目的地のうちの一つが選択されたかどうかをチェックする。そして選択されていなければステップS492に進んでナビ処理終了操作が行われたかどうかチェックし、ナビ処理終了操作が行われればフローを終了する。この場合は、個別到達路つきの複数目的地が地図上に一覧表示されたことをもって充分であると使用者が満足した場合に相当する。 一方ステップS492でナビ終了操作が検出されなかったときはステップS480に戻り、以下ステップS482における個別到達路表示モードの解除、またはステップS490における目的地選択、またはステップS492におけるナビ処理終了操作がない限り、ステップS480からステップS492が繰り返され、ステップS480において取得される自車絶対位置の変化に応じて個別到達路つきの複数目的地の地図上表示が継続される。
【0107】
一方、ステップS490で一つの目的地が選択された場合はステップS494に移行し、ルート指定操作があったかどうかチェックする。この操作は目的地選択操作の一環として行われるもので選択された目的地についてステップS488で表示されている到達路を承認する操作をした場合またはこれを任意に変更する操作をした場合が、「ルート指定操作あり」に該当する。逆に、ステップS488で表示されている到達路をキャンセルし、かつこれに変わるルート指定をしなかった場合が、「ルート指定操作なし」に該当する。 ステップS490における目的地選択操作の一環として行われるルート指定操作としては、上記のもののほか、次のようにフローを構成することも可能である。すなわち、ステップS490において一つの目的地を最終目的地として選択した場合は、この選択に応答し、個別到達路に代えて、他の目的地を順々に経由して選択された目的地に最終的に至るための最も効率のよいルートを自動演算してこれを推奨ルートとして表示するようにする。そしてこの推奨ルートの承認操作、またはさらにそれを任意に修正する操作を行うことをもって「ルート指定あり」に該当する操作があったものとする。 ステップS494において以上のような何らかのルート指定操作が検出されたときはステップS496に進み、指定されたルート指定情報を記憶して図26のステップS452に移行する。一方、ルート指定操作が検出されなかったときは直接ステップS452に移行する。
【0108】
次に、ステップS482で個別到達路表示モードを設定しなかった場合について説明する。この場合は、ステップS498に移行し、地図情報準備処理が行われる。この処理はステップS486における地図情報準備処理と同様のものであるが、個別到達路を加味せずに地図縮尺およびスクロールを決定するので処理が簡単であるとともに、地図縮尺選択への制限も少ない。 次いで、ステップS500において、複数目的地と自車の位置を地図上で表示する処理を行う。さらにステップS502において訪問情報を付加表示する処理を行ってステップS490に移行する。ステップS502の処理は、地図上で表示されている複数目的地について、例えば既に訪問したかどうかの別を表示色の差により識別可能とするとともに訪問済みの場合はその回数などを地図上に付記表示時させるなどの処理である。 このような機能は、例えば第二実施例による携帯電話での本発明の実施において、比較的狭い地域の顧客回りをする場合などにおいて、新規顧客開拓を含む顧客への対応、訪問優先順位、順路などを決定する際に有用である。つまり、この機能を採用すれば、地域内の顧客が単なるリストではなく、地図上情報としてビジュアルに一覧表示され、その対応のための有用な情報となる。
【0109】
図28は、図1の第一実施例における第一制御部8または第二制御部28の機能および図18の第二実施例における第一制御部308または第二制御部328の機能を示すフローチャートであり、いずれにも共通である。以下の説明は図1の第一車両または図8第一携帯電話302を中心として行う。従って、特に断わらない限り以後のフローチャートは図1の第一制御部8の機能として説明する。なお、図28のフローを図18の第一制御部308の機能として理解する場合は、フロー中「他車」とあるのを「他機」と読替えることとする。 図28のフローは、図26のフローにおいて使用される記憶絶対位置の記憶処理に関するものであって、絶対位置記憶指示信号により割込みがかかり、フローがスタートする。この絶対位置記憶指示信号は、ツインナビ処理において他者の絶対位置を記憶すべく他車が発したものを受信する場合と、自車の絶対位置を記憶すべく自車における操作により発生させる場合がある。なお、絶対位置記憶指示信号が他車から発せられ、これに応じて記憶のために他車の絶対位置情報を受信する場合は、必ずしも他車が近距離通信圏内にあるとは限らないので近距離通信部によるよりも電話通信部による通信により絶対位置記憶指示信号および絶対位置情報を受信することが多くなる。
【0110】
絶対位置記憶指示信号によって記憶処理がスタートすると、ステップS512で他車よりの記憶指示信号によって記憶処理がスタートしたのかどうかチェックする。他車よりの記憶指示信号であればステップS514に進み、記憶指示時点で受信していた他車絶対位置情報がナビ途中で取得したものかどうかをチェックする。そしてナビ途中で取得された他車位置でなかった場合はステップS516に進み、受信していた他車の絶対位置情報を受信目的地として記憶する。この記憶は一時的なものである。 既に説明してきた「ツインナビ」においては、通常、自車は他車の近くに存在するはずなので、他車が現に存在する位置で他車が取得した絶対位置情報の転送を受け、これを他車からの指示により記憶する意義は薄い。しかしながら、ナビ途中でない場合、自車がこれから訪問しようとしている住宅の駐車場に置かれている場合や、例えば前日に先発した他車が既に目的地に着いている場合において他車が取得した絶対位置情報がこれに該当し、これらの場合に他車の絶対位置情報を受信して自車の目的地として記憶することの意義は大きい。つまり、図28のステップS512からステップS516への一連の機能は、このような場合において、現地にいる他車側からの操作で指示信号を出してもらい、そのときに受信できる他車絶対位置情報を記憶することを可能にするためのものであって、自車側で単独に目的地を検索して入力記憶するのに比べ、目的地の記憶が極めて容易に実現する。この利点は、第二実施例の携帯電話においても、例えば相手の自宅を訪問する場合や、相手が先に喫茶店で待っている場合などに有用である。
【0111】
次いで、ステップS518では他車側から、目的地名等の情報を受信する。これは、他車側にすでにその目的地に関する情報が入力されている場合にその情報の転送受信を行うことに該当する。この場合においてもわかるように、受信して記憶する他車の絶対位置情報は、記憶指示信号が送信された時点において現に他車が取得した絶対位置情報だけでなく、他車が既に記憶している目的地の絶対位置情報でもよい。この場合は他車が現地にいなくてもよいので、ツインナビ開始時点において目的地を共有するため、いずれかの車で手動入力した目的地の絶対位置情報を通信手段により転送してもらう場合にも利用できる。図28のステップS512からステップS516への一連の機能は、このように現地にいない他車からの絶対位置情報の場合においても利用可能である。なお、他車に目的地名等の情報がない場合はステップS518では何も起こらない。 次にステップS520ではステップS516で記憶した受信絶対位置情報、ステップS518で受信することのできた目的地名等、および受信日時を関連付けて記憶部に正式に格納し、フローを終了する。 一方、ステップS514で他車よりの記憶指示信号があったときに受信していた絶対位置情報がナビ途中で他車により取得されたものであったときは、その時点の他車絶対位置情報を目的地として格納するのは不合理なので、受信した他車の絶対位置情報をルート指定情報として記憶し、フローを終了する。この場合、他車が道案内に詳しい先導車であれば、このように他車の指示によりルートの要所の位置を記憶することは有用である。
【0112】
次に、ステップS512において記憶指示信号が他車よりのものでなかった場合について説明する。この場合は、自車での操作によって自ら記憶指示信号を発生させたことによってフローがスタートしたことを意味するので、ステップS524に移行する。 ステップS524では、記憶指示時点において取得している自車絶対位置情報がナビ途中のものかどうかをチェックする。そしてナビ途中の自車絶対位置情報でなかった場合はステップS526に進み、取得した自車の絶対位置情報を受信目的地として記憶する。この記憶は一時的なものである。次いで、ステップS528ではステップS526で記憶した取得絶対位置情報、取得日時に併せ、必要に応じ入力される目的地名などを関連付けて記憶部に正式に格納し、フローを終了する。 なお、ステップS524で、取得した自車の絶対位置情報がナビ途中で取得されたものであったときは、その時点の自車絶対位置情報を目的地として格納するのは不合理なので、取得した他車の絶対位置情報をルート指定情報として記憶し、フローを終了する。このようにナビ中の任意の時点において、自らの判断により、ルートの要所の位置を記憶することができる。
【0113】
ここで、「ツインナビ」の機能に戻り、図21のステップS288、さらにはステップS296およびステップS298における他機との間での地図情報不備情報共有について補足説明する。既に説明したように、ステップS288は自機の地図情報が不備のときこれを他機に知らせる機能をもつ。一方、ステップS296およびステップS298は他機における地図情報の不備の情報を受けてこれを自機で表示する機能をもつ。これらによって、自機または他機に地図情報の不備があり、同一の地図を共有していない状況が生じればその旨をお互いに知ることができる。換言すれば、このような地図不備の連絡がないことをもってお互いに同一の地図を共有していることを確認することができる。そして両者が同じ地図を見ていることを互いに確認しながら、その同じ地図上での表示について情報交換ができる。 上記のような相手側が何を見ているかの確認機能は、地図不備の場合に限るものではなく、広く応用が可能である。例えば図25のステップS426の後に両機位置地図上表示が始まった旨を他機に自動送信するステップを設けることにより他機は自機における表示内容を確認できる。さらに、その後に他機から両機位置地図上表示が始まった旨の受信があったときにこれを自動表示するステップを設けることにより、他機における表示内容を自機で確認できる。このようにして、表示内容に関しても、相手が同じものを見ていることを前提として、それについて情報交換ができる。この利点は、特に第二実施例においてツインナビ表示を見ながら携帯電話で会話するときに有用である。 なお、このように相手が見ているのと同じ表示を見ながら携帯電話で会話する際に奏される上記の利点は、表示されるのが地図の場合に限られるものではなく、送りあった写真やインターネット画面などが表示されている場合においても有用なものである。
【0114】
次に図29について説明する。同図は、本発明の実施の形態に係る第三実施例の基本フローチャートである。第三実施例は本発明における通信の詳細を示すもので、基本ブロック図は第一実施例および第二実施例と共通である。また、第三実施例の各フローは第一実施例および第二実施例にも適宜にも適用可能である。 なお、第三実施例における近距離通信は、無線LANに用いられる通信モジュールによる通信を意味し、送信と受信とを同時に行えず、送信と受信とを切り替えて行う通信モ
ジュールを用いるものである。また、第三実施例では、上記のような近距離通信を前提として種々の理由で近距離通信ができなくなったときの取扱いについて検討している。 図29は、上記のような第三実施例において、近距離通信によるツインナビの接続が確立され、その後近距離通信の品質が確保されなくなった場合(すなわち送受信のエラーレートが一定以上になった場合)に近距離通信から電話通信によるツインナビへの切換を行うとともに、電話通信によるツインナビが接続されている状態において近距離通信によるツインナビの品質が確保される環境になった場合に、電話通信によるツインナビから近距離通信によるツインナビへと再び切り替えるための一連の手順を詳細に述べたものである。また以下の実施例を説明するためのフローチャートでは分岐の際にフラグのオンオフを分岐条件とする箇所が存在する。このフラグはプログラムにおける変数と等価的な役割を果たす。
【0115】
図29のフローチャートは車のエンジンがスタートすると同時に開始し、ステップS1000にて近距離通信によるツインナビの接続確立処理、すなわちツインナビに参加する他車の情報を取得するまでの処理が行われた後、ステップS1003にて近距離通信によるツインナビが開始される。そしてステップS1006にて近距離通信によるツインナビの品質計算を行い、ステップS1009にて近距離通信の品質が確保されていると判断(フラグがオンであれば品質確保)される場合はステップS1003に戻って近距離通信によるツインナビが継続される。ステップS1009にて近距離通信の品質が確保されていなかった場合はステップS1012にて近距離通信の品質改善処理が済んでいるか否かの判断(フラグがオンであれば処理済み)がなされ、済んでいなければステップS1015にて近距離通信の品質改善処理が行われ、ステップS1003へと戻る。 ステップS1012にて近距離通信品質改善が済んでいると判断される場合はステップS1018へ進み、電話通信が禁止されているかどうかの判断(フラグがオンであれば電話通信禁止)を行う。ここで電話通信が禁止されている場合はステップS1003へと戻って近距離通信によるツインナビが継続される。しかし電話通信が禁止されていない場合はステップS1021にて電話通信接続確立処理がなされ、ステップS1024にて電話通信確立成功であると判断(フラグがオンであれば電話通信確立成功)される場合はステップS1027にて電話通信によるツインナビが開始され、電話通信確立が失敗した場合はステップS1003にて近距離通信によるツインナビが継続されることになる。 ステップS1027にて電話通信によるツインナビが行われている間も、ステップS1030にて近距離通信によるツインナビに復帰可能かどうかの判断(フラグがオンであれば復帰可能と判断)がされ、近距離通信に復帰可能であると判断されるまではステップS1027へと戻り電話通信によるツインナビが継続されることになる。しかし近距離通信によるツインナビに復帰可能であると判断された場合にはステップS1033にて電話通信接続確立成功フラグをオフにしてステップS1036にて電話を切断してステップS1003へと戻り近距離通信によるツインナビが再開される。
【0116】
図29のフローチャートをより詳細に説明するため、以下図30から図42を用いて説明する。 まず図30について図31を用いながら説明する。図30は図29におけるステップS1000の詳細、すなわち近距離通信によるツインナビの接続が確立されるまでの処理を詳細に述べるものである。図31は図30のフローチャートに従って二車間でやりとりされるパケットを図示したものであり、図31で左右にやりとりされる矢印が送信パケットであり、斜線長方形は受信状態を示している。 図30において、ステップS1050にて近距離通信部は受信開始を始め、ステップS1053にてパケットを受信したか否かの判断を行い、パケットを受信していない場合はステップS1056へと進み、他車に対してツインナビの接続要求をしない限りはステップS1053へと戻るループ処理を行いパケット受信状態になる。ステップS1056にてツインナビ接続要求が行われた場合(この要求がなされるのはツインナビの参加車を募る側である)はステップS1059に進んでツインナビ要求パケット(このパケットは不特定多数の受信機に無造作に送信されることになるが、後述する受信側の車により受け取ったパケットがツインナビ接続要求パケットであるか否かが判別され、ツインナビ要求に合意するか等の処理がなされる)を10秒間送信し続ける(図31のa)。近距離通信部は送信と受信とを同時に行うことができないことから、この10秒間においては受信は中断されたままの状態である。ステップS1059にてツインナビ要求パケットが10秒間送信された後は、ステップS1062にて近距離通信部は送信を停止し受信を開始する(図31のb)。そしてステップS1065にて他者からの存在応答パケット(このパケットは、ツインナビを要求する車から送信されたツインナビ要求パケットを受け取った受信車側が、無条件でツインナビ要求車へと返信するパケットである。このパケットは単にツインナビに参加する可能性がある車が近距離通信の圏内にいることを確認するためのものである。したがってこの存在応答パケットのみをもってツインナビ要求に対して合意がなされるわけではない)が返信されない場合はステップS1068にて近距離通信部が受信開始後10秒経過するまでステップS1065へと戻るループ処理を行い、受信開始後10秒が経過した場合は通信可能他車がないものと判断してステップS1071にて通信可能他車不在画面を表示してステップS1053へと戻る。 ステップS1065にて他車からの存在応答パケットが確認された場合はステップS1074へと進んで通信可能他車確認の画面、および他車の応答待ち画面を表示する。ステップS1077にて応答が確認された場合(図31のc)はステップS1080にてツインナビ確立合意の応答であるか否かの判断を行い、合意応答である場合はステップS1083へと進んで「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したことを記録する。「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したことを記録するのは、後述するツインナビの処理をスムーズにすすめるためである。ステップS1077にて応答が確認されなかった場合はステップS1086にて応答待ち画面が表示された後10秒が経過するまでステップS1074へと戻る処理を繰り返し、10秒経過するとステップS1089にて他車非合意画面を表示し、ステップS1053に戻って近距離通信部はパケット受信状態に戻る。
【0117】
ステップS1053にて近距離通信部がパケットを受信した場合(図31のd)はステップS1092にて受信したパケットがツインナビ要求パケットであるか否かを判断し、ツインナビ要求パケット以外であればステップS1095にてその他の処理を、ツインナビ要求パケットであれば(このパケットを受信するということは、ツインナビに参加することを誘われる側である)ステップS1098にてパケット受信後10秒待機(図31のe)する。そしてステップS1101にて要求他車に対して存在応答パケットを送信(図31のf)し、ステップS1104にてツインナビに合意するか否かの確認画面を表示し、ステップS1107にて確認操作が行われたか否かの判断がなされ、確認操作がなさなければステップS1110を経てステップS1107へと戻るループ処理を行う。ステップS1107にて確認画面表示後10秒経過後であっても確認操作がなされないと判断される場合はステップS1113にてツインナビ断りパケットを他車に対して送信するとともにツインナビ非合意画面を表示する。 ステップS1107にて確認操作があればステップS1116にてその確認操作が合意操作であるか否かの判断を行い、合意操作であると判断された場合にはステップS1119において他車に対してツインナビ合意パケットを送信(図31のg)し、ステップS1122にて「ツインナビを要求してきた他社情報」を「合意プロセス」により確保したことを記録する。ステップS1116にて非合意の操作がなされた場合もステップS1113に進んでツインナビ断りパケットを他車に対して送信するとともにツインナビ非合意画面を表示する。 以上の処理によってツインナビの接続確立がなされる場合は「ツインナビ要求に合意した他車情報」と、それが「要求プロセス」と「合意プロセス」のいずれにより確保されたかが記録される。
【0118】
図32について図33を用いながら説明する。図32は図29におけるステップS1003の近距離通信によるツインナビの送受信を詳細に説明するフローチャートであり、図33は図32のフローチャートに基づいて二車間でやりとりされるツインナビパケット(パケット送信側の絶対位置が含まれたパケット)について図示したものである。また他車情報を「要求プロセス」により確保した車の近距離通信部を図33に示す第一近距離通信部とし、他車情報を「合意プロセス」により確保した車の近距離通信部を図33に示す第二近距離通信部とする。 図32のステップS1150にて「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かの判断がなされ、「要求プロセス」により確保した場合、すなわちツインナビの参加車を募ってツインナビ接続確立を行った第一近距離通信部側ではステップS1153へと進んで近距離通信によりツインナビパケットを送信(図33のa)する。その後ステップS1156に進んで近距離通信部は受信を開始し、ステップS1159にて他車からの近距離通信によるツインナビパケットを受信したか否かを判定し、受信した場合(図33のb)はステップS1162に進み前回送信後1秒経過するまでステップS1159へと戻るループ処理を行い、ステップS1162にて前回送信後1秒経過したと判断された場合はフローチャートを終了する。
【0119】
ステップS1159にて他車からの近距離ツインナビパケットを受信しなかったと判断された場合は、ステップS1165にて、前回送信後1秒が経過するか、あるいは前回タイムアウト送信(タイムアウト送信については後述)から1秒経過するかのどちらかの条件が満たされるまでステップS1159へと戻るループ処理を行い、いずれかの条件が満たされればステップS1168へと進んでタイムアウト送信回数をカウントアップ(図33のgに示すパケット不受信が起こった場合、dで示すタイムアウト送信はここでは行われずあくまでタイムアウト送信回数のカウントアップがなされるのみである。図29のステップS1003の処理が再び行われるときに送信されるパケットがこの図33のdに示すタイムアウト送信パケットである)してフローチャートを終了する。 なお、タイムアウト送信とは「相手から送信されたパケットを待っていたが、待ち時間が一定時間になったので、相手から送信されたパケットを待つことを断念し、それを受け取ることないままに自分から相手に対して行われる送信」をいう。この現象が発生する時には両車間の通信品質が良くないことが想定される。このタイムアウト送信回数をカウントすることにより両車間の通信品質を観測することができる。
【0120】
また図33において送受信されるツインナビパケットの時間間隔に余裕を持たせているのは、かりにこの時間間隔を短くすると送受信のツインナビパケットが頻発し、正確にタイムアウト送信回数を測定できなくなるのを防止するためである。これにより「第二近距離通信部から前々回送られたツインナビパケットが建物に反射して第一近距離通信部に届く」といった現象が防止される。 またこの時間間隔を短くすることで近距離通信部にて消費される電力が大きくなることが予測されるので、車に搭載された近距離通信部のみならず携帯機器に搭載された近距離通信部などへの応用が可能となる。
【0121】
図32のステップS1150にて「ツインナビ要求に
合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かの判断がなされ、「要求プロセス」により確保していない場合、すなわちツインナビの参加募集に対して参加合意した第二近距離通信部側ではステップS1171へと進んで近距離通信部は受信を開始する。そしてステップS1174にて近距離ツインナビ送信パケットを受信したか否かの判断を行い、受信した場合(図33のe)はステップS1177に進んで近距離ツインナビ送信パケットを他車に対して送信(図33のf)した後にフローチャートを終了する。ステップS1174にてツインナビパケットを受信しなかったと判断された場合は、他車情報を「合意プロセス」により確保後1秒経過するか、あるいは前回近距離送信経過後1秒経過するか、あるいは前回タイムアウト送信後1秒経過するか、のいずれかの条件が満たされるまでステップS1174へと戻るループ処理を行い、いずれかの条件が満たされるとステップS1183に進んで近距離ツインナビパケットを送信する。そしてステップS1186にてタイムアウト送信回数をカウントアップしてフローチャートは終了する。なお、他車情報を「合意プロセス」により確保後1秒後経過するまで受信状態になるのは、ツインナビが開始される際に最初に受信状態を作り出すための条件である。すなわち、他車情報を「合意プロセス」により確保した側は、相手からのツインナビパケットの送信待ち状態となる。
【0122】
図34について説明する。同図は、図29のステップS1006の近距離通信の品質計算についての詳細な説明をするためのもので、近距離通信の品質が保たれているか否かの判断をするためのフローチャートである。 図34において、ステップS1200でその処理の開始の際に直近20秒におけるツインナビパケットのタイムアウトによる送信回数のカウント数が3回以上であるか否かを判断し、3回以上ではないと判断される場合はステップS1203において、その処理が行われる直近10秒に他車からの近距離ツインナビパケットを一度も受信していないかどうかの判断を行い、受信している場合はステップS1206に進んで近距離通信品質確保フラグをオンにして(品質は確保されていると判断)フローチャートは終了する。ステップS1200にて直近20秒のタイムアウト送信回数が3回を超える場合、あるいはステップS1203にて直近10秒に他車からのツインナビパケットを一度も受信していない場合はステップS1209に進んで近距離通信品質確保フラグをオフにして(品質は確保されていないと判断)フローチャートは終了する。 なお図34のフローチャートにおいては省略したが、品質が確保されているか否かの計算はツインナビを中断する処理が行われるまでのツインナビパケットの送受信の状況に基づいて計算される。例えば、第一近距離通信部が第二近距離通信部からのツインナビ中断パケットを受け取った場合は、第一近距離通信部での近距離通信の品質の計算は第二近距離通信部からのツインナビ中断パケットを受け取る以前のツインナビパケットの送信回数に基づく情報と、第二近距離通信部からのツインナビパケットの受信回数に基づく情報とによって算出されてもよい。
【0123】
図35について説明する。同図は図29のステップS1015の近距離通信品質改善処理について詳細に説明したものであり、近距離通信における品質を改善するための処理を施すためのフローチャートである。 図35において、ステップS1250にてツインナビ他車情報を「要求プロセス」により確保したか否かの判断を行い、「要求プロセス」により確保したと判断される場合はステップS1253にて近距離通信の品質を改善するためのパラメータ補正(図32に示すステップS1162およびステップS1165に示すパラメータ、及び図34のステップS1200に示すパラメータの補正)が行われ、ステップS1256にて近距離送信部の送信電力をアップし、ステップS1259にて近距離通信品質改善処理済フラグをオンにしてフローチャートを終了する。 ステップS1250においてツインナビ他車情報を「要求プロセス」により確保しなかったと判断される場合はステップS1262にて近距離通信の品質を改善するためのパラメータ補正(図32のステップS1180に示すパラメータ、及び図34のステップS1200に示すパラメータの補正)が行われ、ステップS1265に進んで近距離送信部の送信電力をアップし、近距離通信品質改善処理済フラグをオンにしてフローチャートを終了する。
【0124】
なお、ステップS1253により近距離通信用パラメータが変更された場合(第一近距離通信部側の近距離通信用パラメータが変更された場合)、またステップS1262により近距離通信用パラメータが変更された場合(第二近距離通信部側の近距離通信用パラメータが変更された場合)のいずの場合においても、両近距離通信部の送信頻度を同じにする必要が生じる。本実施例において説明は省略するが、いずれか一方の近距離通信部の近距離通信用パラメータが変更された場合は、他方の近距離通信部の近距離通信用パラメータを変更させるためにの処理が行われている。例えば、第一近距離通信部にて近距離通信部用パラメータが変更されたときは、第一近距離通信部から第二近距離通信部に送信されるツインナビパケットに「第二近距離通信部の近距離通信用パラメータを変更させる」という情報が即座に送られる。これにより第二近距離通信部と第一近距離通信部のツインナビパケットの送信頻度が同じになる。なおこの情報は通常のツインナビパケットと異なり、時間間隔を設けずに複数回連続で相手方に送信されることで相手方に確実に受信されるので、第一近距離通信部と第二近距離通信部のそれぞれが異なる送信頻度による送信を行うという事態が回避される。
【0125】
図36について説明する。同図は図29のステップS1021の電話通信接続確立処理を詳細に説明したものである。 図36のステップS1300にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビ送受信処理フラグ」がオンされる(このフラグのオンをきっかけに、電話通信接続確立中においても近距離通信によるツインナビが行われることになる。この処理については後述するのでここでは説明しない)。そしてステップS1303にて通信手段を電話に切り替えるかどうかの確認画面が表示され、ステップS1306にてユーザによる確認がない場合はステップS1309にて確認動作がなされるまで10秒間のループ処理がステップS1306へ戻ることにより行われる。ステップS1306にてユーザ確認があった場合はステップS1312に進んでその確認が近距離通信を電話通信へと切り替えることを確認する確認動作であるかどうかが判断される。確認動作が電話通信切換である場合はステップS1315に進んでツインナビ他車への電話接続コールが開始される(なお、ステップS1309にてユーザによる確認動作がないままに10秒が経過した場合であってもステップS1315に進んで強制的に他車への電話接続コールをするように構成されている)。ステップS1318にて他車から応答がない場合はステップS1321に進んで接続コール開始後10秒が経過するまではステップS1318へ戻るループ処理を行い、ステップS1321にて10秒が経過したと判断された場合はステップS1324に進んで電話通信相手非合意画面を表示する。そしてステップS1327にて品質保持警告画面を表示した後電話通信禁止フラグをオン(このフラグがオンになることにより、電話通信への接続確立が繰り返されることが回避される)にしてステップS1330にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグ」をオフ(このフラグがオフになると電話通信接続確立中における近距離通信がオフされる)にしてフローチャートは終了する。ステップS1318にてツインナビ他車からの応答があった場合はステップS1333にてツインナビ他車が電話接続応答合意であるか否かの判断がなされ、合意でない場合はステップS1324にて電話通信相手非合意画面を表示してその後ステップS1327にて品質保持警告画面を表示するとともに電話通信禁止フラグをオンにする。そしてステップS1330へと進み「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグ」をオフにしてフローチャートが終了する。ステップS1333にて他車がツインナビ電話接続合意応答であると確認できた場合はステップS1336にて電話通信を開始し、電話通信接続確立成功フラグをオンにしてステップS1330にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信フラグ」をオフにしてフローチャートが終了する。
【0126】
図37について説明する。同図は図29のステップS1027の電話通信によるツインナビを詳細に説明したものである。 図37のステップS1350にて電話通信によるツインナビ開始画面が表示され、ステップS1353にて「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオンされ、ステップS1356にて電話受信部の受信が開始される。そしてステップS1359にて電話送信部からのツインナビパケットを送信し、ステップS1362にて「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオン(このフラグがオンになるのは近距離通信の品質が確保される環境であることが検出された時であり、検出方法は後述している)であるか否かを確認し、オンでなければステップS1359へと戻るループ処理を行い、オンであればステップS1362を抜けてフローチャートは終了する。
【0127】
図38について説明する。同図は図37のステップS1353における「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオンになった場合のみ作動する処理である。この処理は電話通信によるツインナビが行われている間に、近距離通信に復帰することができる環境が再度形成されているかどうかについて調べるためのテストパケットの送受信について説明するものであり、電話通信から近距離通信に復帰する際のスムーズな切換を実現するために重要な役割を果たす。 図38において、ステップS1400は近距離通信用パラメータ(図32に示すステップS1162およびステップS1165及びステップS1180に示すパラメータ、及び図34のステップS1200に示すパラメータ)を初期化し、近距離通信部は受信を開始する。ステップS1403にて「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かが判断され、「要求プロセス」により確保したと判断される場合はステップS1406にてテストパケットを近距離送信部から送信する。そしてステップS1409にて近距離受信部の受信を開始し、ステップS1412にて品質テストパケットを受信したか否かのチェックを行う。品質テストパケットを受信した場合はステップS1415にて前回送信後1秒経過したか否かの判断を行い、1秒が経過するまではステップS1412へ戻るループ処理を行い、1秒が経過するとステップS1418にて近距離通信テスト用の品質計算がなされ、ステップS1445にて近距離通信品質確保フラグ2がオン(このフラグがオンであれば近距離通信の品質が確保できる環境が形成されていると判断する)でなければステップS1403に戻るループ処理を行う。ステップS1445にて近距離通信品質確保フラグ2がオンであると判断された場合にはステップS1448にて近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグがオフ(すなわち、図38に示すフローチャート全体の動作が終わる)されてフローチャートは終了する。 なお、この実施例の品質テストでやりとりされる品質テストパケットは、通常のツインナビでやりとりされるツインナビパケットと同じ時間間隔で送受信され、かつ同じ品質測定方法を用いて品質測定を行うことになる。そのため信頼性の高いテストが実現されることになる。すなわち、この品質テストをクリアするということは、電話通信によるツインナビから近距離通信によるツインナビに切り替わった際には必ず近距離通信を行うことができる通信品質であることが少なくとも確保されていることに
なる。
【0128】
図39について説明する。同図は図38におけるステップS1418の近距離通信テスト用品質計算を詳細に述べたフローチャートであり、電話通信によるツインナビが行われている間に近距離通信に復帰するための環境が確保されているか否かの目的で送受信されるテストパケットの品質計算を行う。 図39のステップS1450にて「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオンしてから20秒が経過したか否かの判断(「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオン後20秒経過するまでは「Y」と判断される事はない。これは後の処理で直近20秒のテストパケットのタイムアウト送信回数を判断するため、「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオン後20秒経過する前は必ずステップS1453に進むよう構成されている)がなされ、経過していない場合はステップS1453に進んで近距離通信品質確保フラグ2をオフにしてフローチャートは終了する。ステップS1450にて「近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグ」がオン後20秒経過していると判断される場合はステップS1456にてその処理の直近20秒のタイムアウト近距離テストパケットの送信回数が3回以上であるか否かの判断がなされ、3回以上であればステップS1453に進んで近距離通信品質確保フラグ2をオフにしてフローチャートは終了する。ステップS1456にてテストパケットの送信回数が3回以下であると判断される場合はステップS1459に進み、その処理の開始後直近10秒以内に他車からの近距離通信によるテストパケットを一度も受け取っていないかどうかの判断がなされる。一度も受け取っていないと判断される場合はステップS1453にて近距離通信品質確保フラグ2をオフにしフローチャートは終了し、一度でも受け取っていると判断される場合にはステップS1462に進んで近距離通信品質確保フラグ2をオンにして(近距離通信に復帰できる環境が整ったと判断)フローチャートは終了する。
【0129】
図40について説明する。同図は、図36のステップS1300において「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグ」がオンになった際にのみ作動するものである。この処理は電話通信接続確立中においても近距離通信によるツインナビを継続するためのものであり、実際に稼働する時間は極めて短いが近距離通信から電話通信へとスムーズに切り替えるための重要な役割を果たす。なおこの図40は電話接続確立中の近距離通信によるツインナビついて説明するものであるため、その処理の多くは図32(近距離通信によるツインナビ)と多くの部分において共通するものの図32とは別個の番号を付し共通する部分についても説明を省略せずに記載する。 図40のステップS1480は「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かを判断し、「要求プロセス」により確保したと判断された場合にはステップS1483にて近距離ツインナビパケットを送信し、ステップS1486にて近距離通信部の受信を開始し、ステップS1489にて他車近距離ツインナビパケットを受信したか否かの判断をする。受信したと判断される場合はステップS1492にて前回送信後0.5秒経過したか否かが判断され、経過したと判断されるまでステップS1489へ戻るループ処理を行う。ステップS1492にて前回送信後0.5秒経過したと判断される場合にはステップS1501にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグ」がオフであるか否かを確認(このフラグがオンである場合は電話通信接続確立の最中であることを示す)し、オフでない場合はステップS1480へ戻るループ処理を行い、オフであると判断される場合はフローチャートは終了する。ステップS1489にてツインナビパケットを受信しなかったと判断される場合はステップS1495にて前回近距離送信後1秒経過したか、あるいは前回タイムアウト送信後1秒経過したかのいずれかの2つの条件を満たすまではステップS1489へ戻るループ処理を行う。いずれかの条件を満たしたと判断される場合はステップS1498にてタイムアウト送信回数をカウントアップしてステップS1501に進んで「電話接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信フラグ」がオフであるか否かを確認し、オフでないと判断される場合はステップS1480へ戻るループ処理を行い、オフであると判断された場合はフローチャートは終了する。
【0130】
ステップS1480にて「要求プロセス」により確保しなかったと判断される場合(合意プロセスにより合意したと判断される場合)は、ステップS1504にて近距離通信部の受信が開始され、ステップS1507にて他車近距離ツインナビパケットを受信したか否かを判断し、受信したと判断される場合はステップS1510に進んでツインナビパケットを他車に送信する。そしてステップS1501にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビ送受信処理フラグ」がオフであればフローチャートは終了し、オフでなければステップS1480に戻るループ処理を行う。 ステップS1507にて他車からの近距離ツインナビ送信パケットを受信しなかったと判断されるときはステップS1513に進んで「電話通信接続確立中の近距離通信におけるツインナビパケット送受信処理フラグ」がオンであるか、あるいは前回近距離送信後0.5秒経過しているか、あるいは前回タイムアウト送信後0.5秒経過しているかの判断をし、3つのうちいずれかの条件を満たすまではステップS1507へ戻るループ処理を行う。いずれかの条件が満たされるとステップS1516にて近距離ツインナビパケットを送信し、ステップS1519にてタイムアウト送信回数をカウントアップしてステップS1501にて「電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグ」がオフであるか否かを判断し、オフでないと判断される場合はステップS1480に戻るループ処理を行い、オフであると判断される場合はフローチャートは終了する。
【0131】
図41について説明する。同図は電話通信部の待ち受け状態について説明したフローチャートであり、車のエンジンがスタートされると作動し始める。このフローチャートは電話通信接続確立処理において電話を受ける側についての詳細な説明であり、図36で説明した電話コールによる接続要求する側のフローチャートと関連して動作するものである。 図41のステップS1550で電話通信部は待ち受け状態となり、ステップS1503にて他車からの電話接続コール(図36のステップS1315の電話接続コール)があるまではステップS1503に戻るループ処理を行う。他車からの電話接続コールがあればステップS1506に進んで電話が着信中である旨の画面を表示し、ステップS1509に進んでユーザによる着信に対する応答操作があるか否かが判断される。着信に対する操作がない場合は、ステップS1512に進み、着信開始から10秒が経過するまではステップS1509に戻るループ処理を行う。ステップS1512で着信開始から10秒経過してしまった場合はフローチャートは終了する。 ステップS1509にて着信に対する応答操作があると判断された場合はステップS1515にてその操作が電話接続合意応答であるか否かが判断され、電話接続合意応答であると判断される場合はステップS1518にて電話通信によるツインナビが開始され、電話接続合意応答でないと判断された場合はそのままフローチャートは終了する。
【0132】
図42について説明する。同図は通信品質測定モジュールについて説明するものである。このフローチャートはツインナビの接続が確立すると開始し、ステップS1520にて通信パラメータを解放し(後述するが、通信品質測定センサが異常環境を測定すると図32や図35や図38や図40で示した通信パラメータに代わり、優先的に異常環境通信パラメータを利用する動作を行う)、ステップS1523にてツインナビ他車との距離が300m以上であるか、あるいはツインナビ他車との相対速度が時速50Km/h以上であるか、あるいはツインナビ他車との進行方向が50度以上ずれているか否かの判断を行い、いずれかの条件を満たすと判断される場合はステップS1526にて近距離通信用パラメータの使用を中止し、「異常環境時通信パラメータ」を使用するように変更する。そしてステップS1523に戻るループ処理を行い、ステップS1523にていずれかの条件が満たされた場合はステップS1520に戻り通信パラメータを解放する(異常環境時通信パラメータの使用をやめて通信パラメータを使用する)。ツインナビ他車との距離は、受信したツインナビから他車の絶対座標がわかるので自車の絶対座標と比較することにより算出される。ツインナビ他車との相対速度は、受信したツインナビパケットを複数用いて他車の絶対速度を算出し、自車の絶対速度と比較することで算出される。他車の速度算出は、他車から送られてくるツインナビパケットに含まれる他車速度情報を用いても良いし、他車の絶対位置を複数用いて経時的に算出しても良い。ツインナビ他車との進行方向のずれは、受信したツインナビパケットを複数用いて経時的に他車の進行方向を算出し、自車の絶対位置を複数用い経時的に算出した自車の進行方向と比較することで算出される。
【0133】
また図示しないものの、ステップS1523で用いられている二台の車の進行方向のずれではなく、一台の車の進行方向の一定時間内における変化量をもとに異常環境用通信パラメータを優先的に使用させるということもできる。これによると、二台の車を用いる場合に比較して一台の車のみにより異常環境が検出できるのでプログラムを容易な構成とすることができる。 また本実施例においては近距離通信の品質を改善しきれない場合は電話通信によりツインナビへと切り替えることのみが記載されているが、近距離通信の品質を確保しきれない場合には表示画面に表示される車両の更新頻度を下げる処理を行うことも考えられる。例えば車両の更新頻度が遅くなるものの常に一定の更新頻度を保つ事ができる更新頻度へと切り替える処理を行うことが考えられる。これによると更新頻度の切換前に比較して車両の位置の更新頻度は小さくなるが、常に一定の更新頻度を維持でき、ある瞬間においては更新されるものの、ある瞬間においては更新されない、といった現象を回避することができる。
【0134】
以上、図29から図42を用いてツインナビの接続確立から近距離通信のツインナビが行われ、環境に応じて電話通信によるツインナビに切り替えられる手順について詳細に説明したが、これを第三実施例とする。次に、近距離通信によるツインナビの第四実施例について図43から図46を用いて説明する。第四実施例は、第三実施例の図32と図33と図34と図39の4つの図面が、図43と図44と図45と図46とに置き換わったものである。
【0135】
図43について図44を用いて説明する。図43は図32に示した近距離通信に比較して簡素な構成であり、全て異なる番号を付し説明も省略せず以下で述べる。図44は図43に示すフローチャートに従って送受信されるパケットを示したものである。 図43において、「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かの確認をし、「要求プロセス」により確保したと判断される場合はステップS1603にて近距離ツインナビパケットを送信する(図44のa)。そしてステップS1606にて近距離通信部は受信を開始し、ステップS1609にて前回の近距離ツインナビパケット送信後1秒を経過するまではループ処理を繰り返し、1秒経過するとフローチャートを終了する。
【0136】
ステップS1600にて「要求プロセス」により確保していないと判断される場合はステップS1612にて近距離通信部は受信を開始し、ステップS1615にてツインナビ接続合意パケット送信から0.5秒経過するか、前回近距離ツインナビパケット送信から1秒経過したか否かを判断し、いずれかの条件が満たされるまでは
ステップS1615に戻るループ処理を行い、いずれかの条件を満たすとステップS1618にて近距離ツインナビパケットを送信(図44のb)する。 この実施例によると、ツインナビパケットを受信できなかった場合(図44のc)においても、受信した場合と同じタイミングで送信する(図44のd)ことになる。
【0137】
図45について説明する。図45は図34と比較して簡素な構成であり、全て異なる番号を付し説明も省略せずに以下で述べる。 図45のステップS1630において、その処理が開始される直近20秒における近距離ツインナビパケットの送信回数と近距離ツインナビパケットの受信回数との差が3以上であるかどうかが判断され、3以上である場合(品質が確保できていない)はステップS1633にて近距離通信品質確保フラグをオフにしてフローチャートを終了する。ステップS1630において差が3以上ではないと判断される場合はステップS1636に進んで近距離通信品質確保フラグをオンにしてフローチャートは終了する。
【0138】
図46について説明する。図46は図39と比較して簡素な構成であり、全て異なる番号を付し説明も省略せずに以下で述べる。 図46において、ステップS1640において、その処理が開始される直近20秒における近距離ツインナビテストパケットの送信回数と近距離ツインナビパテストケットの送信回数との差が3以上であるかが判断され、3以上である場合(品質が確保できていない)はステップS1643にて近距離通信品質確保フラグをオフにしてフローチャートを終了する。ステップS1640において差が3以上ではないと判断される場合はステップS1646に進んで近距離通信品質確保フラグをオンにしてフローチャートは終了する。
【0139】
第四実施例では、第一近距離通信部と第二近距離通信部とのそれぞれが、自身の前回送信した時間からの経過時間をもって次の送信タイミングを決定するので、第三実施例に比較して簡素な構成のプログラムを構成することができる。また送信と受信のリズムが一定であるため、図47のように受信時間を短くすることで近距離通信によるツインナビを行っている時間の消費電力を小さくした第五実施例への応用も可能である。
【0140】
次に図48について説明する。同図は、本発明の実施の形態に係る第六実施例の基本フローチャートである。第六実施例は本発明における近距離通信による通信距離の拡張の手順の詳細を示すものである。また、第六実施例の各フローは第一実施例および第二実施例にも適宜にも適用可能である。 なお、第六実施例における近距離通信は、無線LANに用いられる通信モジュールによる通信を意味し、送信と受信とを同時に行えず、送信と受信とを切り替えて行う通信モジュールを用いるものである。第六実施例は近距離通信による通信距離の拡張を試みるものであるため、遠距離通信による通信は記載していないが、近距離通信による通信距離の拡張を試みたあとでもツインナビを行う二車間の距離が広がり過ぎて近距離通信によるツインナビが不可能になった場合には遠距離通信によるツインナビを行うことができるのは当然である。
【0141】
図48に示すフローチャートの概略について説明する。同図は要約すると、ツインナビを行う二車間の距離を測定し、その距離が300m以下である場合は、同一の絶対位置情報を持つツインナビパケットを1回送信し、かつツインナビパケットのガードインターバル長を無線LANの標準規格と同様の長さとし、二車間の距離が300m以上である場合は、同一の絶対位置情報を持つツインナビパケットを3回送信することにより送信の冗長度を上げ、かつガードインターバル長を大きくする動作を行うものである。ツインナビパケットは図50のaに示すようなMACヘッダ、ガードインターバル、絶対位置情報、から構成されているが、それ以外の音声データ等が含まれていても良い。MACヘッダにはネットワークアドレスや自身のMACアドレスが含まれている。ガードインターバルは二車間で直接やりとりされたツインナビパケットと、建物などで反射されてやりとりされるツインナビパケットとが重畳し、受信したツインナビパケットを展開できないという事態を回避するためのマージンとして設けられる。絶対位置情報にはツインナビパケットを送信する側の絶対位置情報が格納されている。
【0142】
図48のフローチャートの詳細について説明する。同図のステップS1700は、上述した第三実施例の説明の際に用いた図29のステップS1000と同じで、ツインナビの接続が確立されるまでの二車間の通信手順を示すものであるためここでは説明を省略する。 ステップS1700にてツインナビの接続が確立されたあとは、ステップS1703にて二車間の距離が測定される。この距離の測定はお互いの絶対位置情報を用いることで求めることができる。絶対位置情報はツインナビ接続が確立される過程においても交換されているので、ツインナビ接続確立直後はツインナビ接続確立の過程で交換された絶対位置情報を用いて二車間の距離を測定する。ツインナビの接続が確立された後でツインナビパケットが二車間で交換されるようになれば、そのツインナビパケットの有する絶対位置情報を用いてお互いの距離を測定する。 図48のステップS1706にて二車間の距離が300m以下であると判断された場合にはステップS1709にて通信距離拡張フラグがオンであるか否かが判断される。このステップS1709における判断が行われるのは、二車間の距離が300m以下であって、かつ通信距離の拡張がなされている場合においては、通信距離の拡張をとりやめる必要があるからである。 二車間の距離が300m以内のとき、ステップS1709にて通信距離拡張フラグがオフであると判断された場合は、通信距離の拡張処理をとりやめる処理を行うことなくそのまま近距離通信によるツインナビを行うためにステップS1712へと進む。二車間の距離が300m以内のとき、ステップS1709にて通信距離拡張フラグがオンであると判断された場合は、通信距離の拡張をとりやめる処理を行うべくステップS1715へと進み、絶対位置が同一のパケットを送信する回数を1に設定し、ステップS1718にてツインナビパケットのガードインターバル長の間隔を標準に設定する。そして今現在は通信距離の拡張がなされていないことを示すべくステップS1721にて通信距離拡張フラグをオフにする。以上より、ステップS1706にて二車間の距離が300m以下であると判断される場合は、その後のテップS1712にて通信距離の拡張が行われていないツインナビパケットが送信されることになる。
【0143】
図48のステップS1706にて二車間の距離が300m以上であると判断された場合にはステップS1724にて通信距離拡張フラグがオンであるか否かが判断される。このステップS1724における判断は、二車間の距離が300m以上であって、かつ通信距離の拡張が行われていない場合において通信距離の拡張処理を行うためになされる判断である。 二車間の距離が300m以上のとき、ステップS1724にて通信距離拡張フラグがオンであると判断された場合は、通信距離の拡張処理をあらためて行うことなくそのまま近距離通信によるツインナビを行うためにステップS1712へと進む。二車間の距離が300m以上のとき、ステップS1724にて通信距離拡張フラグがオフであると判断された場合は、通信距離の拡張を行うべくステップS1727へと進み、絶対位置が同一のパケットを送信する回数を3に設定し、ステップS1730にてツインナビパケットのガードインターバル長の間隔を標準の2倍に設定する。そして今現在は近距離通信の通信距離の拡張がなされていることを示すべくステップS1733にて通信距離拡張フラグをオンにする。以上より、ステップS1706にて二車間の距離が300m以上であると判断された場合は、その後のステップS1712にて通信距離の拡張が行われたツインナビパケットが送信されることになる。
【0144】
以上図48で説明したフローチャートに従ってツインナビパケットになされる設定変更の技術的意義について述べる。図48のフローチャートに従うと、ツインナビを行う二車間の距離が300m以上である場合は、同一の絶対位置情報を持つツインナビパケットの送信回数を3回とすることにより送信される情報の冗長度を上げることになる。同一の絶対位置情報をもつツインナビパケットを3回送信することにより、同一の絶対一情報を1回だけ送信する場合に比較してツインナビの相手車の絶対位置を取得する確率を上げることができるということが、ツインナビパケットになされる設定変更の技術的意義である。 また図48のフローチャートに従うと二車間の距離が300m以上になると、ツインナビパケットのガードインターバル長を大きくする動作を行うことになる。二車間の距離が300m以上になると、反射することなく二車間でやりとりされるツインナビパケットと、反射物を介して二車間でやりとりされるツインナビパケットとの到達時間の差が大きくなるため、パケットを受信した側では両受信波形が重畳してツインナビパケットを受信することになり、その受信パケットを展開できないという現象が生じてしまう。 そのため二車間の距離が300m以上になり二車間の距離が大きくなった場合、送信されるパケットのガードインターバル長を大きくすることで受信波形が重畳して展開できなくなるという現象を回避することができるということが、ツインナビパケットになされる設定変更の技術的意義である。
【0145】
図49にて、図48のステップS1712に示す近距離通信によるツインナビの詳細を示すフローチャートについて説明する。なお、この図49に示すフローチャート内のみでは送信と受信とが複数回繰り返して行われる訳ではなく、図48に示すフローが複数回ループされることによって図49に示すフローも複数回走査されることになり、ツインナビを行う二車間にて送信と受信とが複数回繰り返されることになる。また、以下では図49に示すフローチャートの説明の便宜のため図50を適宜用いている。
【0146】
図49のステップS1740にて「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したか否かが判断される。「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保したと判断された場合、すなわちツインナビ参加車を募るために呼びかけてツインナビ接続を確立した第一近距離通信部側は、ステップS1743にてツインナビパケットを送信する。送信されるツインナビパケットは、上述したとおり二車間の距離が300m以上であるかそうでないかに対応したフォーマットとなる。ステップS1746にて通信距離拡張フラグがオフであると判断された場合、通信距離の拡張がなされていないツインナビパケット(図50のa)を送信してステップS1749にて近距離通信部は受信状態になる(図50のb)。そしてステップS1752にて近距離ツインナビパケット送信後1秒が経過するまで受信状態を続け、その後フローを終了する。 ステップS1746にて通信距離拡張フラグがオンであると判断された場合、通信距離の拡張がなされたツインナビパケット(図50のc)を送信してステップS1755にて近距離ツインナビパケット送信後2秒が経過するまで受信状態を続け(図50のd)、その後フローを終了する。 受信時間が1秒のものと2秒のものと2種類存在するのは、近距離通信の通信距離の拡張処理が行われているかそうでないかにあわせるためである。
【0147】
図49のステップS1740にて「ツインナビ要求に合意した他車情報」を「要求プロセス」により確保しなかったと判断された場合、すなわちツインナビ参加の呼びかけに応じてツインナビ接続を確立した第二近距離通信部側は、ステップS1761にて通信距離拡張フラグがオンであるか否かを判断する。これは近距離通信の通信距離拡張処理が行われているか否かによって受信状態を続ける時間が異なるので、今現在は通信距離の拡張が行われているかそうでないかを判断するためである。 ステップ
S1761にて通信距離拡張フラグがオフであると判断された場合はステップS1764にて通信距離拡張がなされていない場合に応じた受信を開始する。そしてステップS1767にて、ツインナビ接続確立直後の場合は接続合意パケット送信(図50のe)から0.5秒が経過するまで受信状態を続け(図50のf)、ツインナビパケットの交換を行っている際には、自身の前回近距離ツインナビパケット(図50のg)送信後1秒が経過するまで受信状態を続ける(図50のh)。その後ステップS1770にて通信拡張処理のなされていないツインナビパケット(図50のi)を送信しフローを終了する。 ステップS1761にて通信距離拡張フラグがオンであると判断された場合、ステップS1773にて二車間の距離が300m以上である場合に応じた受信を開始する。 そしてステップS1776にて前回近距離ツインナビパケット(図50のj)送信から2秒が経過するまでステップS1776へと戻るループ処理を繰り返し、前回近距離ツインナビパケット送信から2秒経過後にステップS1770に移行して二車間の距離が300m以上である場合に応じたツインナビパケットを送信する。
【0148】
この第六の実施形態によると、単位時間あたりに取得することができる相手車の異なる位置情報の絶対数は少なくなるものの、それらを遠距離においても確実に取得することができる。従って、通信距離を拡張する前に比較して、ディスプレイに表示される二車の位置の更新頻度が落ちることも考えられるが、安易に遠距離通信に切り替えなくても済むことになり、基地局を介した有料の通信を安易に行わなくてもツインナビを継続することができる。また、二車間の距離が短い場合は、遠距離でツインナビパケットを交換する場合に比較してより確実にツインナビパケットを交換できるので、二車間の距離が短い場合は送信するツインナビパケットに、自車の絶対位置のみではなく、自車内の音声データや自車内の風景画像データを付加して送信することで、二車間の通信速度に応じたサービスを提供することも可能である。提供されるサービスは二車間の通信速度に応じて自動的に切り替えられる構成であっても良い。
【0149】
さらに、第六の実施形態で説明した無線通信手段は、ツインナビのみならずその他のサービスにも応用することができる。特に、それほど通信速度を必要としないが、300m以上の送信距離が必要であり、かつ有料の遠距離通信を行うにはコストが高すぎるようなサービスが応用例として考えられる。例えば、自車内の画像を数秒おきに警備会社に送付することにより自車の安全を確認するようなサービスなどにおいてはこの応用例はうってつけであるといえる。なおこの場合無線通信手段は受信を行う必要はないので受信手段は必ずしも必要はないが、警備会社が監視対象の車からの近距離無線通信を受信するためのアンテナが一定間隔で必要となる。また、車の動きを観測することにより統計データを集める必要がある際には、同じく第六の実施形態で説明した無線通信手段を応用することで、遠距離通信手段を用いることなく統計データを集めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の第一制御部8または第二制御部28の基本機能を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップS18の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2のステップS32の詳細を示すフローチャートである。
【図5】自車が先導車である場合における表示の一例を示す表示画面図である。
【図6】後続車が遅れ、地図縮尺が広域化された場合の表示画面図である。
【図7】全車の中心が地図表示の中心位置となるよう自動的スクロールされた場合の表示画面図である。
【図8】第二他車の表示継続が不可能となった状態の表示画面図である。
【図9】地図の縮尺がより拡大側に自動変更された場合の表示画面図である。
【図10】先導車である自車が右折した場合の表示画面図である。
【図11】第二車両が追従して右折した場合の表示画面図である。
【図12】全ての後続車の追従右折が完了し、地図表示を省略した簡略表示となった場合の表示画面図である。
【図13】後続車簡略表示となって自車基準の自動スクロールが行われた場合の表示画面図である。
【図14】各車両が図10の位置にある場合における第三車両の表示画面図である。
【図15】図3のステップS64の詳細を示すフローチャートである。
【図16】図15のステップS112の詳細を示すフローチャートである。
【図17】図3のステップS68の詳細を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態に係る位置表示装置の第二実施例を示すブロック図である。
【図19】図18の第二実施例における第一制御部308または第二制御部328の基本機能を示すフローチャートである。
【図20】図19のステップS240におけるツインナビ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図21】図20のステップS258におけるツインナビ画面表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図22】図19のステップS204におけるツインナビ可能報知処理の詳細を示すフローチャートである。
【図23】図21のステップS292における地図情報ダウンロード処理の詳細を示すフローチャートである
【図24】図19のステップS222における地図自動予備ダウンロード処理の詳細を示すフローチャートである。
【図25】図21のステップS294におけるツインナビ表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図26】図1の第一実施例に関する図2のステップS36における通常ナビ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図26のステップS454における複数目的地表示処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】図26のフローにおいて使用される記憶絶対位置の記憶処理に関する第一実施例または第二実施例の制御部の機能を示すフローチャートである。
【図29】本発明の実施の形態に係る第三実施例の基本フローチャートであり、近距離通信によるツインナビの接続確立からツインナビが開始されるまで、および電話通信によるツインナビへの切換、および近距離通信によるツインナビへの再度の切換を示すものである。
【図30】図29におけるステップS1000の近距離通信によるツインナビの接続が確立されるまでの処理の詳細を示すフローチャートである。
【図31】図30のフローチャートに従って二車間でやりとりされるパケットを図示したものである。
【図32】図29におけるステップS1003の近距離通信によるツインナビの送受信を詳細に示すフローチャートである。
【図33】図32のフローチャートに従って二車間でやりとりされるツインナビパケットを図示したものである
【図34】図29のステップS1006の近距離通信の品質計算についての詳細を示すフローチャートである。
【図35】図29のステップS1015の近距離通信品質改善処理について詳細に説明したフローチャートである。
【図36】図29のステップS1021の電話通信接続確立処理を詳細に示すフローチャートである。
【図37】図29のステップS1027の電話通信によるツインナビを詳細に示すフローチャートである。
【図38】図37のステップS1353における近距離通信復帰可能かどうかの検査フラグがオンになった場合に動作する処理を詳細に示すフローチャートである。
【図39】図38におけるステップS1418の近距離通信テスト用品質計算を詳細に示すフローチャートである。
【図40】図36のステップS1300の電話通信接続確立中の近距離通信によるツインナビパケット送受信処理フラグがオンになった場合に動作する処理を詳細に示すフローチャートである。
【図41】電話通信部の待ち受け状態についての詳細を示すフローチャートである。
【図42】通信品質測定モジュールについての詳細を示すフローチャートである。
【図43】第四実施例におけるツインナビパケットの送受信の手順を詳細に示すフローチャートである。
【図44】図43のフローチャートに従って二車間でやりとりされるツインナビパケットを図示したものである。
【図45】第四実施例における近距離通信の品質計算についての詳細を示すフローチャートである。
【図46】第四実施例における近距離通信テスト用品質計算を詳細に示すフローチャートである。
【図47】第五実施例における二車間でやりとりされるツインナビパケットを図示したものである。
【図48】第六実施例の基本フローチャートであり、近距離通信における通信距離の拡張手順を示すものである。
【図49】第六実施例におけるツインナビパケットの送信の手順を詳細に示すフローチャートである。
【図50】第六実施例における二車間でやりとりされるツインナビパケットを図示したものである。
【符号の説明】
【0151】
226 無線通信手段 314、320 地図情報提供手段 216、320 地図表示手段 308、320 判定手段 308 制御手段 218 絶対位置取得手段 308、320 自位置変化判定手段 308、210、302 指示手段 302 写真撮影手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、 前記第一絶対位置取得手段に基づいて取得された第一絶対位置情報を送信し、かつ外部で取得され外部から送信される第二絶対位置情報を受信する近距離無線送受信を行う無線通信手段と、 地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、 前記地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で前記第一絶対位置情報に基づく位置と前記第二絶対位置情報に基づく位置とを互いに識別可能に表示する地図表示手段と、 前記無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、 前記通信品質測定手段により算出された値に基づいて、前記無線通信手段より送信される第一絶対位置情報であって同一のものを送信する回数を可変し、送信信号の冗長度を変化させることで遠距離通信対応処理を行う同一絶対位置情報送信回数設定手段と、を備えることを特徴とする位置表示装置。
【請求項2】
自らの第一絶対位置情報を取得する第一絶対位置取得手段と、 前記第一絶対位置取得手段に基づいて取得された第一絶対位置情報を送信し、かつ外部で取得され外部から送信される第二絶対位置情報を受信する近距離無線送受信を行う無線通信手段と、 地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、 前記地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で前記第一絶対位置情報に基づく位置と前記第二絶対位置情報に基づく位置とを互いに識別可能に表示する地図表示手段と、 前記無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、 前記通信品質測定手段により算出された値に基づいて、前記無線通信手段より送信される第一絶対値情報を送信するための送信信号のガードインターバル長を可変することで遠距離通信対応処理を行うガードインターバル長可変手段と、を備えることを特徴とする位置表示装置。
【請求項3】
前記遠距離通信対応処理がなされた際には、無線通信手段から送信される第一絶対位置情報であって異なる情報を保有する第一絶対位置情報同士の送信時間間隔が大きくなることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項4】
撮像手段を備え、 前記無線通信手段は、前記撮像手段により撮像された画像データを前記第一絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項5】
前記無線通信手段は、外部の撮像手段により撮像された画像データを前記第二絶対位置情報とともに受信し、前記地図表示手段に前記画像データを表示させる付加サービスを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項6】
音声入力手段を備え、前記無線通信手段は、前記音声入力手段に入力された音声データを前記第一絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項7】
音声出力手段を備え、 前記無線通信手段は、外部の音声入力手段により入力された音声データを前記第二絶対位置情報とともに受信し、前記音声出力手段から前記音声データを出力させる付加サービスを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項8】
ユーザに提供するサービスを切替える提供サービス切換手段を備え、前記付加サービスの動作は、通信品質測定手段からの信号に基づいて動作する前記提供サービス切換手段からの信号により切り替えられることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項9】
前記通信品質測定手段は第一絶対位置取得手段と前記第二絶対位置取得手段との距離を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項10】
自らの絶対位置情報を取得する絶対位置取得手段と、 前記絶対位置取得手段に基づいて取得された絶対位置情報を外部に送信する無線通信手段と、 地図情報を提供可能な地図情報提供手段と、 前記地図情報提供手段が提供する地図情報に基づく地図上で前記絶対位置情報に基づく位置を表示する地図表示手段と、 前記無線通信手段と外部との間の通信品質を測定する通信品質測定手段と、 前記通信品質測定手段により算出された値に基づいて、前記無線通信手段より送信される第一絶対位置情報であって同一のものを送信する回数を上げることにより送信信号の冗長度を上げ、遠距離通信対応処理を行う同一絶対位置情報送信回数設定手段と、を備えることを特徴とする位置表示装置。
【請求項11】
前記遠距離通信対応処理がなされた際には、無線通信手段から送信される絶対位置情報であって異なる情報を保有する絶対位置情報同士の送信時間間隔が大きくなることを特徴とする請求項10に記載の位置表示装置。
【請求項12】
撮像手段を備え、 前記無線通信手段は、前記撮像手段により撮像された画像データを前記絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする請求項10または請求項11のいずれかに記載の位置表示装置。
【請求項13】
音声入力手段を備え、 前記無線通信手段は、前記音声入力手段により入力された音声データを前記絶対位置情報に付加して外部に送信する付加サービスを行うことを特徴とする請求項10または請求項11のいずれかに記載の位置表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2008−281490(P2008−281490A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127228(P2007−127228)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】