説明

低い外形の織物ワイヤ束状スリーブ

長手部材を束ねるための低い外形の折り曲げ保護織物スリーブは、縦横方向に織り交ぜられたモノフィラメントの縦糸および横糸を有する。扁平な外形のモノフィラメントは縦糸方向に用いられ、丸いモノフィラメントは横糸方向に用いられる。扁平なモノフィラメントはその厚さより著しく幅が広く、スリーブに柔軟性およびスリーブの面からの湾曲を与える。丸いモノフィラメントはその直径が扁平なモノフィラメントの厚さとほぼ同じであるよう大きさを定めることができ、各束の実効幅が織り合わせられる扁平なモノフィラメント糸の幅とほぼ同じとなるように互いに束ね合わせることができる。丸いモノフィラメントはその長さの少なくとも一部に沿って熱処理されて、スリーブの偏倚された一体ヒンジ領域を形成し、かつ横糸方向に沿ってスリーブに強度および堅さを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願のクロスリファレンス
本願は2006年3月3日に出願された米国特許仮出願第60/779,289号および2006年9月29日に出願された米国特許仮出願第60/827,556号の優先権主張を伴い、両方はその全体において引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は一般にワイヤの束を被覆するためのスリーブ、特に低い外形の織物スリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
電線は多くの場合丸い束に束ねられ、円筒形のスリーブによって保護されている。丸い束はそのパッケージサイズが嵩張ることにより困難を引起すことがある。たとえば、ワイヤを車のカーペットの下にまたは表面に沿って平らに経路付ける場合、丸い外形は問題となり、多くの場合代替の配線オプションを考えなければならなくなる。
【0004】
一部のスリーブプロダクトはより平たい外形を有し、これによりワイヤを平坦に束ねることを可能にするが、この種のスリーブは一般に堅く(たとえば、成形プラスチック材)、経路が湾曲したり曲がったりする必要がある場合に簡単に経路付けることができない。このようなプロダクトを用いる場合、代替の配線オプションを考えなければならないこともある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のスリーブは、上記の先行技術の制約を解消または著しく低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明の好ましい局面により、複数のワイヤを扁平に束ねるために用いる、低い外形の折り曲げ保護織物スリーブは、一般に扁平な折り曲げ構造に熱処理される、縦横に織り交ぜられたモノフィラメントの縦糸および横糸を含む。好ましい一実施例において、扁平な外形のモノフィラメントは縦糸方向に用いられ、丸いモノフィラメントは横糸方向に用いられ、これは同義的に緯方向とも言う。扁平なモノフィラメントにより、スリーブは柔軟性を有し、スリーブの面から湾曲して、ワイヤの束を角や起伏のある面に沿って経路付けるのを助ける。扁平なモノフィラメントにより、スリーブは低い外形を有することとなる。なぜなら、糸はその厚さよりもかなり太いからである。丸いモノフィラメントは、その直径が扁平なモノフィラメントの厚さとほぼ同じであるようにサイズが定められてもよい。したがって、丸いモノフィラメントは、各束の実効幅が織り合わせられる扁平なモノフィラメント糸の幅とほぼ同じになるよう、互いにまとめられる、または束ねることができる。丸いモノフィラメントは少なくともその長さの一部分に沿って熱処理されて、スリーブの偏倚された一体ヒンジ領域を形成し、さらに横糸方向に沿ってスリーブに強度および剛性を与える。
【0007】
好ましいスリーブ構造はベース部と、ベース部のそれぞれ横の対向側部から延在する少なくとも2つの折り返し部とを含む。折り返し部は対向する側部に隣接するそれぞれの一
体ヒンジ領域によってベース部につながり、それにより折り返し部は互いに内側に折り返されて互いにかつベース部に重畳する。上述のように、ヒンジ領域は横糸の束の熱処理された領域によって形成される。織り交ぜられた縦糸および横糸は、スリーブに一般的に開口した構造を与え、それにより水分を通過させることができる。
【0008】
本発明の別の局面に従い、スリーブのヒンジ領域は硬化糸を中に織り交ぜることによって補強できる。硬化糸は縦糸および横糸と異なり、マルチフィラメント糸として設けることができる。硬化糸は、ベース部および折り返し部の一般的に開口した構造に対して、ヒンジ領域において一般に閉ざされた構造を与える。したがって、補強されたヒンジ領域は、スリーブの全体の構造に対して、特にヒンジ領域に対して、構造的に整合性のある本体を提供し、2つの折り返し部がベース部に重なる折り返された位置に偏倚するのを容易にする。
【0009】
したがって、本スリーブは空間が制約されている領域、または一般に平たい束が好ましい場合に、ワイヤの束をまとめて経路付けるための低い外形の平たい束の構造に維持するために有用である。縦糸および横糸のモノフィラメントとして選択された材料および材料のサイズならびにヒンジ領域での硬化糸の織り交ぜにより、それ自体外形は低いが、ワイヤの束に十分な閉じ力を与えて束を扁平構造に付勢させて支持するスリーブが提供できる。
【0010】
縦糸および横糸のモノフィラメントの組合せにより、水分をスリーブから逃がすことができるよう、隙間による開口した構造を有するスリーブを提供する。硬化糸はヒンジ領域に剛性を与え、一般に頑丈な強化された一体ヒンジとなるよう、織り合わせるまたは織り込むことができるマルチフィラメント糸として設けることができる。折り返し部は折り返された状態の場合、折り返し部の自由端が互いに重畳するよう寸法決められてもよい。一実施例において、折り返し部の一方は他方よりも幅が広く、短い方の折り返し部は相対的に堅いフラップとして働き、その下に広い方の折り返し部の自由端が折り込まれて、スリーブがワイヤの束の周りに配置されると、閉ざされた状態に保持するのを容易にする。
【0011】
扁平な折り曲げ構造として、折り返し部がベース部の上にまたは少し間隔があけられて載る、真の折り曲げ扁平スリーブの態様で、またはより大きいワイヤの束を収納するために、折り返し部が折り曲げられた状態の場合にベース部に対して十分間隔があけられている、やや箱型の態様のどちらかがもたらされる。後者の箱型構造は、丸い電線の一本の束または複数の束を扁平に束ね、かつワイヤ重みによりその長さ方向に沿って垂れ下がるまたは撓まないよう、スリーブの長さに沿って剛性を維持するのに適する。したがって、本発明の別の局面により、スリーブの箱型の程度は織り合わせられる硬化糸によって調整でき、より広い実効ヒンジ領域をもたらすより広い糸の編みこみにより、箱構造の側部は本質的に閉ざされたものとなる。
【0012】
本発明のさらに別の局面により、箱型の程度はヒンジ領域の緯糸モノフィラメントを熱処理しながら調整することができる。スリーブの対向する側部に1つのヒンジを形成するよりも、スリーブの各側部に1対のヒンジを熱処理し、それにより所望の高さの対向する側壁をスリーブに設けることができる。
【0013】
本発明のさらに別の局面により、スリーブはマルチフィラメントの縦糸を横糸のモノフィラメントで織り交ぜることにより構成でき、それによりマルチフィラメントはベース部および/または折り返し部においてスリーブの長さに沿って延在する。マルチフィラメントは縦糸のモノフィラメントに対して、横糸モノフィラメントをその意図される場所に維持するために働く。したがって、縦糸のマルチフィラメントはスリーブの外周に沿って横方向に間隔があけられてかつ均一に配置されて、織り交ぜられた縦横のモノフィラメント
間に均一の隙間または開口を維持する。
【0014】
糸用に選択される材料は複数であっても、また組合せてもよく、非可燃性のものを含む。材料の選択はスリーブが用いられる条件によっても定めることができ、温度定格、可燃性、磨耗性、ノイズ、およびEMIのような条件も材料を選択する際に考慮できる。
【0015】
本発明の上記の局面および他の局面、特徴、および利点は、以下の好ましい実施例および最良のモードの詳細な説明、ならびに添付されている特許請求の範囲および図面と関連して考慮されると容易に理解できるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
好ましい実施例の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1−図2は総称的に10と示される、複数のワイヤを束ねるために用いられる低い外形の保護織物スリーブを示す。スリーブ10は長手方向に延在する複数のモノフィラメント縦糸12、および緯度方向に延在する複数の緯糸すなわち縦のモノフィラメント糸14を含む。糸12および14は互いに織り合わせられて熱処理され、スリーブ10の概して扁平な折り曲げ構造を形成する。織り合わせられた糸12および14はスリーブ10の開口した構造をもたらす。糸12および14は機織によって、たとえば細い織物編み針の織機もしくは幅広織機、または縦編み(たとえば、ラッシェルまたはクロッシェ)によって織り合わせられてもよい。開口または隙間は図面において15で示され、スリーブ10内のワイヤ束に対して水分が溜まるのをできるだけ減らすよう、水分を通すための開いたスペースをもたらし、かつスリーブ構造の重量を減少させる。
【0017】
スリーブ10はベース部すなわちベースセクション16および少なくとも2つの折り返し部すなわち折り返しセクション18、20を含む。折り返し部18および20はベース部16の対向する横の側部から延在し、横の側部に隣接する一体ヒンジ領域22および24によってベース部16とつながる。一体ヒンジ領域22および24により、折り返し部18および20は互いに内側に、ベース部16に対して重畳するように折り返され、スリーブ10の一般的に扁平な折り曲げ状態をもたらし、かつワイヤの束を挿入また取り外すために折り返し部18および20が与えられた力に対しては外側に偏倚できるようにする。
【0018】
ヒンジ領域22および24は横糸14の熱処理された領域によって形成され、弛緩した状態の場合、ヒンジ領域22および24はスリーブ10を折り曲げた状態にする。折り返し部18および20を広げてスリーブ10を開くと、熱処理されたヒンジ領域22および24の抵抗に合い、これは力が取除かれるとスリーブ10が閉じるよう対抗するものである。図4において最もよく示されるヒンジ領域22および24は硬化糸26によって補強でき、ヒンジ22および24の領域において硬化糸26は縦方向に横糸14ときつく織り合わせられる。硬化糸26はヒンジ領域に構造的整合性を与え、熱処理された糸14が折り返し部18および20に強い閉じ力を与えるのを助けて、スリーブ10内のワイヤの束を扁平にして支える。
【0019】
折り返し部18および20の幅は異なっていてもよく、一例として折り返し部18は折り返し部20より広くてもよいが、これに限定されない。図1で最もよく示されるように、広い方の部分18の自由端は短い方のより堅い部分20の自由端縁の下に折り込まれて、使用の際に折り返し部18および20を閉じた状態に維持するのを助ける。硬化糸26は好ましくはマルチフィラメントであり、たとえば2/2山形の破れ斜紋織で編みこまれてもよい。モノフィラメント12および14は一例として横糸14の二重横方向挿入で平織模様に編み込まれてもよいが、これに限定されない。
【0020】
縦糸12および横糸14のモノフィラメントの種類及びサイズならびにヒンジ領域22および24における硬化糸26の織り交ぜにより、外形は低いが、ワイヤの束に十分な閉じ力を与えて束を扁平な構造に付勢させて支持するスリーブ10が提供できる。縦糸12は扁平な外形のモノフィラメントであってもよい。これによりスリーブ10はワイヤの束を角や起伏のある表面に沿って経路付けるのを助けるために、スリーブ10の面から湾曲するための柔軟性を保つ。扁平なモノフィラメント12は低い外形を与える。なぜなら、糸はその厚さよりも好ましくはかなり広いからである。扁平なモノフィラメント12は約0.02から0.059インチの範囲の幅および約0.004から0.059インチの範囲の厚さを有し得るが、これらの寸法は用途に応じて変えることができる。図1−図4に示される実施例において、扁平なモノフィラメント12の幅は約0.01インチであり、厚さは約0.04インチである。
【0021】
横糸14に用いられる糸は丸いモノフィラメントであってもよい。図3に最もよく示されるように、丸いモノフィラメント14の寸法が扁平なモノフィラメント12の厚さとほぼ同じであるよう、扁平なモノフィラメント糸12に対してサイズ決めされてもよい。たとえば、丸いモノフィラメント14は約0.006から0.050インチの範囲の直径を有することができ、図示される実施例では、丸いフィラメント14は約0.01の直径を有する。丸いモノフィラメント糸14は、その一グループまたは一束の実効幅W1が、織り合わせられる扁平なモノフィラメント糸12の幅W2とほぼ等しくなるように、(二重挿入により)一緒にまとめられてもよい。図示している例では、丸いモノフィラメント14は3本のグループにまとめられ、これは扁平なモノフィラメント12の幅W2とほぼ同じであり、スリーブ10に開口した構造を与える。モノフィラメント12の平らな性質により、スリーブ10は設置の際に曲がったりその面から湾曲したりして経路付できる柔軟性を与えるが、丸いモノフィラメント14は一体ヒンジ領域22および24に強度および整合性を与えるよう好ましくは熱処理される。それにより、ワイヤの束がスリーブ10内に配置されると、スリーブ10はワイヤの束に強い閉じ力を与えてワイヤが扁平なまとめられた構造となるように付勢して維持する。熱処理された丸いモノフィラメント14はさらに硬化糸26と協働して折り返し部18および20への閉じ力を強める。
【0022】
扁平なまたは低い外形の折り曲げ構造により、折り返し部18および20がベース部16に載る真の折り曲げ扁平スリーブとして、または折り返し部が折り畳まれた状態においてベース部から間隔があけられるやや箱型の構造としてもたらされる。後者の箱型の構造は、後述の好ましい実施例に関連して説明されるが、丸い電線の束を平たく束ねるのに適する。なぜなら、スリーブの開いた中央は、実質的にワイヤを収納することができる低い外形の矩形の導管またはジャケットを形成するからである。箱状の程度は織り合わせられる硬化糸26によって調整でき、より広い実効ヒンジ領域をもたらすより広い糸の編みこみにより、スリーブ10の箱構造の側部は本質的に閉ざされたものとなる。箱状の程度はヒンジ領域22および24における横糸モノフィラメント14の熱処理構造によっても制御できる。スリーブ10は最初は平坦に処理され、次に熱および圧力によって平たく折り畳まれた(真の扁平なまたは箱状の三次元の)外形に形成できる。
【0023】
モノフィラメントおよびマルチフィラメントの糸12および14用に選択される材料は複数であっても、また組合せてもよく、非可燃性のものを含む。材料の選択はスリーブ10が用いられる条件によっても定めることができ、温度定格、可燃性、磨耗性、ノイズ、およびEMIのような条件も材料を選択する際に考慮できる。平坦なモノフィラメント12および丸いモノフィラメント14の材料として、PET、ナイロン、PPS、PEEK、PP、PE、PFA、複合紡糸、およびPETやナイロンの非可燃性(FR)のものを含み得るが、これに限定されない。マルチフィラメント硬化糸26も同様に異なる材料から作られてもよく、PET、ナイロン、PPS、PP、PE、PTFE、パノックス、ノ
ーメックス、ケブラーや他のメタアラミド、ファイバグラス、およびシリカを挙げることができるが、これに限定されない。
【0024】
図5および図6は本発明の別の好ましい実施例に従って構成された、総称的に110と示される低い外形の織物スリーブを示す。スリーブ110は上記と同じように構成されるので、同様のものは100番台が異なる参照番号で示される。スリーブ110は前の実施例に示されるものよりも高いヒンジ領域122および124を有し、それによりスリーブ110は横方向の断面において一般に矩形の箱型を有する。ヒンジ領域122および124の各々は、箱型のスリーブを形成する側壁36および38の対向する側部において、1対の熱処理された折り曲げ32および34によって形成される。尚、側部36および38は意図される用途の所望の高さを有するよう形成できる。したがって、スリーブ110は扁平な折り曲げされた実施例と比べてより高い高さを有し、そのおかげでより大きい直径のワイヤの束を収納することができる。
【0025】
前の実施例のように概して扁平な縦糸モノフィラメント112を有することに加え、スリーブ110はスリーブ10の長さに沿って、横糸モノフィラメント114と一般に垂直に織り交ぜられるマルチフィラメント縦糸30を有する。マルチフィラメント糸30は横糸モノフィラメント114に対して安定性および摩擦の源となり、それにより縦糸モノフィラメント112に対して横糸モノフィラメント114をその意図される位置に維持するよう働く。したがって、スリーブ110の織り交ぜられた繊維は互いの間隔を維持し、それにより使用の際にそれぞれの糸の間に均一の開口および隙間を維持する。
【0026】
マルチフィラメント縦糸30の各々は二重のマルチフィラメント糸(図8)を含むことができるが、単一のマルチフィラメント糸30を用いることもできる。縦糸30はベース部116ならびに折り返し部118および120の幅方向に沿って互いに等間隔に位置付けることができるが、所望なら他の態様の間隔を有することができる。マルチフィラメント30は横方向に一般に互いに約5mmから20mmの間隔で平行に配置するのが好ましく、これは一般に約4から8の縦糸間隔に対応し、ここで一例として6縦糸間隔が示されるが、これに限定されない。したがって縦糸方向に沿って延在するマルチフィラメント糸30の対は、スリーブ110の外周に沿って均一に6本の縦糸モノフィラメント112ごとにある。
【0027】
本発明のさらなる局面に従って構成されるスリーブ210および310はそれぞれ図9および図10に示される。スリーブ210はスリーブ10と同様に構成されるが、スリーブ10のマルチフィラメント縦糸26はスリーブ210のヒンジ領域222および224に導入されていない。したがって、マルチフィラメント縦硬化糸26がないことを除き、スリーブ210はスリーブ10と同様である。スリーブ310はスリーブ110と同様に構成されるが、スリーブ110のマルチフィラメント縦糸30はスリーブ310には導入されていない。したがって、マルチフィラメント縦糸30がないことを除き、スリーブ310はスリーブ110と同様である。
【0028】
本発明の別の局面に従い、スリーブ10、110、210、および310の縦糸モノフィラメントは一般に方形の、または他の形状の中空である丸いモノフィラメント40として設けることができ、その後平坦化できる(図11)。これはたとえば調整された熱および/または圧力を加えることによって行なわれる。こうして、それぞれのスリーブ10、110、210、および310を構成することができ、熱処理された一体ヒンジ部分を用いるための熱処理の際、中空のモノフィラメント40も加熱されて平坦化することができる。中空のモノフィラメント40は固有の性質として、エアポケット42を保有し、スリーブに対する絶縁特性を高める。
【0029】
本発明に従って構成されるスリーブ10、110、210、および310は、扁平な縦糸モノフィラメント12、112、212および312ならびに丸い横糸モノフィラメント14、114、214および314の使用に限定されない。縦糸および横糸の両方を丸く、または扁平にすることができるが、図示される実施例が好ましい。
【0030】
本発明において同じような役割を果たす他の実施例も、特許請求の範囲内において組込まれることは理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好ましい実施例に従い構成される、閉じた状態のスリーブの斜視図である。
【図2】開いた状態にある、図1のスリーブの斜視図である。
【図3】スリーブの編み込まれた糸の詳細を示す、図1のスリーブの拡大部分図である。
【図4】ヒンジ領域の詳細を示す、図1のスリーブの拡大部分斜視図である。
【図5】本発明の別の好ましい実施例に従い構成される、閉じた状態のスリーブの斜視図である。
【図6】開いた状態にある、図5のスリーブの斜視図である。
【図7】図5のスリーブの編み込まれた構造の詳細を示す拡大部分図である。
【図8】図7の線8−8に沿って取られた断面図である。
【図9】本発明の別の好ましい実施例に従い構成される、閉じた状態のスリーブの斜視図である。
【図10】本発明のさらに他の好ましい実施例に従い構成される、閉じた状態のスリーブの斜視図である。
【図11】本発明の別の局面に従って構成される、縦糸モノフィラメントを通る断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低い外形の織物スリーブであって、
ベース部と、
1対の折り返し部と、
前記折り返し部を前記ベース部に作動可能に接続する少なくとも1対のヒンジ領域とを備え、
前記ベース部および前記折り返し部は、互いに織り交ぜられた縦糸モノフィラメントおよび横糸モノフィラメントを含んで概して均一に配分された隙間を規定し、前記横糸モノフィラメントの少なくとも一部は2本以上のモノフィラメントの束として互いに並んで隣接して配置され、前記横糸モノフィラメントは熱処理されて前記ヒンジ領域を形成し、前記ヒンジ領域は前記折り返し部を前記ベース部に対して重畳する態様で偏倚する、スリーブ。
【請求項2】
前記ヒンジ領域において、織り交ぜられた縦糸マルチフィラメントをさらに備える、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項3】
前記ベース部または前記折り返し部の少なくとも一方において、前記横糸モノフィラメントと織り交ぜられる縦糸マルチフィラメントをさらに備える、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項4】
前記縦糸マルチフィラメントは前記ベース部および前記折り返し部の各々にある、請求項3に記載のスリーブ。
【請求項5】
前記縦糸マルチフィラメントは互いに平行に均一に間隔があけられている、請求項4に記載のスリーブ。
【請求項6】
前記マルチフィラメントは少なくとも2本のマルチフィラメントの束として織り交ぜられる、請求項3に記載のスリーブ。
【請求項7】
前記縦糸モノフィラメントは扁平である、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項8】
前記横糸モノフィラメントは丸い、請求項7に記載のスリーブ。
【請求項9】
前記縦糸モノフィラメントは幅および高さを有し、前記横糸モノフィラメントは前記高さとほぼ同じ直径を有する、請求項8に記載のスリーブ。
【請求項10】
前記束は、前記縦糸モノフィラメントの前記幅とほぼ同じ幅を有する、請求項9に記載のスリーブ。
【請求項11】
前記ベース部と前記折り返し部との間に延在する、横方向に離れている側壁を設けるために、前記少なくとも1対のヒンジ領域から離れている、別の対のヒンジ領域をさらに備える、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項12】
前記スリーブは横方向の断面において矩形である、請求項11に記載のスリーブ。
【請求項13】
前記縦糸モノフィラメントの少なくとも一部は中空である、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項14】
前記縦糸モノフィラメントの少なくとも一部は幅および高さを有して扁平であり、前記
束を形成する前記横糸モノフィラメントは丸く、前記高さとほぼ同じ直径を有する、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項15】
前記束の幅は前記縦糸モノフィラメントの前記幅とほぼ同じである、請求項14に記載のスリーブ。
【請求項16】
前記横糸モノフィラメントは互いに間隔があけられている複数の前記束を形成するよう配置される、請求項1に記載のスリーブ。
【請求項17】
前記複数の束は、前記スリーブの長さに沿って互いに均等に間隔があけられて配分される、請求項16に記載のスリーブ。
【請求項18】
長手の部材を保護するための織物スリーブを構成する方法であって、
複数のモノフィラメントを設けるステップと、
2本以上のモノフィラメントの束として、互いに並んだ関係で前記モノフィラメントの少なくとも一部を配置するステップと、
前記複数のモノフィラメントを互いに織り交ぜるステップと、
前記モノフィラメントの少なくとも一部を熱処理して、少なくとも1対の一体ヒンジ領域を形成するステップとを備え、前記一体ヒンジ領域はベース部を1対の折り返し部に接続する、方法。
【請求項19】
前記束は横糸方向に延在して、前記複数のモノフィラメントを互いに編み込むステップをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記モノフィラメントの少なくとも一部を、前記スリーブの長さに沿って延在する中空フィラメントとして設けるステップをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記熱処理の際に前記中空フィラメントを平坦化するステップをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ヒンジ領域においてマルチフィラメントを織り交ぜるステップをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ベース部および前記折り返し部の少なくとも一方においてマルチフィラメントを織り交ぜるステップをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記スリーブの外周に沿って、互いに均一に間隔があけられる態様で前記マルチフィラメントを配置するステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記縦糸モノフィラメントの少なくとも一部を、幅および高さを有する扁平な部材として設け、さらに前記束を形成する前記横糸モノフィラメントを、前記高さとほぼ同じ直径を有する丸い部材として設けるステップをさらに備える、請求項19に記載のスリーブ。
【請求項26】
前記扁平な部材の前記幅とほぼ同じ幅を有する前記束を形成するステップをさらに備える、請求項25に記載のスリーブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−529101(P2009−529101A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557513(P2008−557513)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/063160
【国際公開番号】WO2007/103779
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(599058372)フェデラル−モーグル コーポレイション (234)
【Fターム(参考)】