説明

低い水分活性を有する動物フード

低水蒸気透過率を有するパッケージ内に収容できる低水分活性を有する活性物質又はプロバイオティクス動物フード。この動物フードは、目標投与量のプロバイオティクスを動物に送達するのに十分な貯蔵寿命を有することができる。この動物フードの水分活性は、制御することができる。このプロバイオティクスの活性レベルは、制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、動物フードの分野に関する。本発明の実施形態は、より詳細には、限定はされないが、低い水分活性を有し、かつプロバイオティクス微生物を有するペットフードキブルに関し、このペットフードは、低い透過性を有するパッケージ内に収容することができる。
【背景技術】
【0002】
例えばドッグフード及びキャットフードなどのキブルタイプの動物飼料は、乾燥された、そのまま食べられるペットフード製品である。キブルは、キブルの原材料が熱と圧力下で、ペレット化したキブル形状に形成される押出成形プロセスによって形成することができる。押出成形技術は、例えばデンプンマトリックスを有するものなどの、動物飼料キブルを配合する安価かつ効率的な方法を提供する。この押出成形プロセスの間に、デンプンマトリックスは通常、押出成形条件下でゼラチン化される。
【0003】
病原菌によるコロニー形成から哺乳類の胃腸(GI)管を保護する防衛機構は、非常に複雑である。大抵の哺乳類のGI管は、天然微生物相、及び体を蝕む病原微生物によってコロニー形成されている。健康な状態の個体では、これらの競合する微生物相は平衡状態にある。腸の微生物相の平衡状態を修正することで、ヒトにおいても、また例えばネコ、イヌ、及びウサギを包含するコンパニオンアニマルのような他の哺乳類種においても、多くのGI疾患が引き起こされ得、あるいは多くのGI疾患が予防され得る。コンパニオンアニマルの健康は、食餌の摂取及びGIの健康に密接に関係しており、これらの動物における腸内微生物相の平衡の維持が、ペットの健康の向上をもたらす可能性がある。
【0004】
腸の微生物相の数及び組成は、安定する傾向にあるが、年齢及び食餌によって変化し得る。胃の活性、胆汁、腸の蠕動運動、及び局所免疫は、ヒト及び他の様々な哺乳類の小腸における細菌相の調節において重要であると考えられている因子である。イヌ科動物及びネコ科動物で見られるGI疾患を含むペットのGI疾患は、細菌の異常増殖及び病原菌による腸毒素の産生に関連していることが多い。これらの因子は、腸の微生物相平衡を乱し、炎症及び異常な免疫反応を促進させ得る。
【0005】
研究によって、いくつかの有益な細菌株及びそれらのプロバイオティクス剤としての利用可能性が強調され始めている。プロバイオティクスは典型的には、生細菌の調製物であると考えられる。プロバイオティクス関与物質は、タンパク質若しくは炭水化物、又は細菌発酵素の精製画分などのプロバイオティクスの成分を含む。プロバイオティクス及び/又はその成分は、GI管内の天然微生物相を保存及び/又は促進すること、並びに、異常な免疫反応に対する正常な制御を強化することにより、哺乳類の健康を促進し得る。
【0006】
したがって、プロバイオティクスを動物に供給することによりコンパニオンアニマルの健康を改善するという所望される目標は、存在する。しかしながら、これらの成分の多くは高価であるか、押出成形若しくはその他の製造方法の影響を受けやすく、及び/又は製品安定性に関する感受性(酸素又は水分への曝露など)を有し得る。これらの課題が克服された新製品の形態及び設計を特定することにより、コンパニオンアニマルに対し改善された健康上の利益をもたらすという消費者の目的を満足させる製品を生み出すことが可能になり得る。このように、改善されたキブルマトリックス、並びに、コンパニオンアニマル用のプロバイオティクスキブル及びキブル動物飼料に対するニーズが存在する。
【0007】
これらのプロバイオティクス又は更には他の活性物質若しくは成分を分解、加水分解又は酸化から保護する方法としては、主栄養成分の加熱に続く製造プロセスにおける工程にて活性物質をフード製品の中に組み込むことを挙げることができる。最近の方法では、活性物質はキャリア剤で運搬させることができ、このキャリア剤は酸素及び水分バリアとして働くことができ、任意の追加的製造及びフード製品の保管の間、活性物質に安定性を供給することもできる。一般的なキャリア剤としては、脂肪、油及び蝋を挙げることができる。
【0008】
キャリア剤を利用する際の技術的問題が残っている。キャリア剤を利用する際の一部の技術的問題としては、不均一なコーティング、フード製品の凝集、キャリア剤の造粒、機械装置への付着及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。プロバイオティクスなどの活性物質を含むペットフード製品を開発するためには、これらの技術的問題の多く又は一部をなくす又は解決することが望ましい。
【0009】
したがって、必要領域の1つとして、ペットに対してのプロバイオティクスの容易な送達が挙げられる。説明するように、プロバイオティクスの封入、プロバイオティクスでの材料のコーティング及びプロバイオティクスとの混合、キブル上のコーティングへのプロバイオティクスの適用及び多くの他のものなどの多くの方法及び製品形態が現存しており、そのうちの一部は、国際公開第2008/076975号で取り上げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2008/076975号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
キブル送達形態を用いて動物にプロバイオティクスを供給するためのより容易でより対費用効果的なアプローチが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、約10−5グラム/日/cm/mmHg以下の透過係数を有することができるバリアを含むパッケージと、0.3以下の水分活性を有することができ、パッケージ内に収容できる栄養的にバランスのとれた動物フードと、を含むことができる商品が提供される。この動物フードは、初期活性レベルを有する活性成分を含むことができるキブルを含むことができる。このパッケージは、6ヶ月の貯蔵寿命後に、活性成分の活性を活性成分の初期活性の90%以上に維持することにおいて有効であることができる。乾燥剤をパッケージ内に収容することができる。
【0013】
一実施形態では、商品が提供される。この物品は、約10−5グラム/日/cm/mmHg以下の透過係数を有することができるバリアを含むパッケージと、約0.3以下の水分活性を有することができ、パッケージ内に収容できる栄養的にバランスのとれた動物フードと、を含むことができる。この動物フードは、初期活性レベルを有するプロバイオティクス成分を含むことができるキブルを含むことができる。このパッケージは、6ヶ月の貯蔵寿命後に、プロバイオティックス成分の活性をプロバイオティックス成分の初期活性の2log以上に維持するのに有効であることができる。乾燥剤をパッケージ内に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による、乾燥剤使用時の水分活性(Aw)効果を示す図。
【図2】本発明の一実施形態による、乾燥剤使用時の水分活性(Aw)効果を示す図。
【図3】本発明の一実施形態による、乾燥剤使用時の水分活性(Aw)効果を示す図。
【図4】本発明の一実施形態による、乾燥剤使用時の水分活性(Aw)効果を示す図。
【図5】本発明の一実施形態による、乾燥剤使用時の水分活性(Aw)効果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用するとき、「the」、「a」及び「an」を包含する冠詞は、特許請求又は明細書の範囲で使用されるときには、請求又は記載されるものの1つ以上を意味するものと理解される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「包含する/挙げられる(include)」、「包含する/挙げられる(includes)」及び「包含している/挙げられている/などの(including)」という言葉は、限定することを意図しない。
【0017】
本明細書で使用するとき、「複数」という言葉は、1を超えることを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「マイクロメートル」は、ミクロンと同義である。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「水分活性」は、ペットフードなどのサンプル上の水蒸気圧を同一温度における純水の蒸気圧により除算したものとして定義され、通常、化学反応に参加できる遊離水の量を指す。水分活性は、多くの場合、数学等式:a=p/pにより表示され、式中、pはサンプル中の水の蒸気圧であり、pは同一温度における純水の蒸気圧である。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「キブル」は、例えばイヌ飼料又はネコ飼料などの動物飼料の粒子状ペレット様の要素を包含し、典型的には含水量又は水量が12重量%未満である。キブルは、硬質から軟質までの範囲の質感であり得る。キブルは、膨張状態から稠密状態までの範囲の内部構造であり得る。キブルは、押出成形プロセスによって形成され得る。このキブルは、ゼラチン化デンプンマトリックスを含むことができる。このキブルは別の方法としては又は追加的にタンパク質系コアマトリックスを含むことができる。このキブルの変更態様が本明細書で開示される。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「動物」又は「ペット」は、家畜を意味しており、人家で飼うイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、フェレット、ウサギ、ブタ、及びこれらに類するものが挙げられるが、これらに限定されない。人家で飼うイヌ及びネコが、ペットの具体的な例である。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「動物飼料」、「動物飼料組成物」、「動物飼料キブル」、「ペットフード」又は「ペットフード組成物」は全て、ペットにより摂取されることを目的とした組成物を意味する。ペットフードとしては、毎日の食事に好適な栄養的にバランスのとれた組成物、並びに栄養的にバランスのとれ得る又はとれていなくてもよいサプリメント及び/又はペットスナックを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「プロバイオティクス」、「プロバイオティクス要素」、「プロバイオティクス成分」又は「プロバイオティクス微生物」は、GI管内の自然の微生物相を保護及び/又は促進すること、並びに、異常免疫反応に対する正常な制御を強化することによって哺乳類の健康を促進することができる細菌又は他の微生物、典型的には生細菌の調製物を意味し、生細菌には休眠状態のものを含む。プロバイオティクスは、タンパク質若しくは炭水化物、又は細菌発酵素の精製画分などのプロバイオティクスの成分を含むことができる。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「栄養的にバランスのとれた」は、水に対する追加的必要を除いて、ペットフードなどの組成物が、生命を維持するために既知の必要とされる栄養素を、ペット栄養分野における、米国食品医薬品局動物薬センター、米国飼料検査官協会が挙げられるがこれらに限定されない行政機関などの公認権威の推奨に基づく適切な量及び割合で有することを意味する。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「コア」又は「コアマトリックス」は、キブルの微粒子ペレットを意味し、成分のコアマトリックスから典型的に形成され、12重量%未満の含水量又は水量を有する。微粒子ペレットは、散粉されて、コア上にダスティングを形成することができ、これが散粉キブルとなることができる。コアは、ダスティングなしであってもよく、コアを完全に包囲するダスティングを有してもよく、あるいは、コアを部分的に包囲するダスティングを有してもよい。ダスティングなしの実施形態では、微粒子ペレットは、キブル全体を含んでもよい。コアは、デンプン質材料、タンパク質材料及びこれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。一実施形態では、コアは、タンパク質、炭水化物及び脂肪のコアマトリックスを含むことができる。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「コーティング」は、例えば、コアの表面といった、表面の少なくとも一部分を被覆する、典型的にはコア上の、部分又は完全被覆を意味する。一例では、コアは、コアの一部が被覆され、かつコアの一部は被覆されずにそのため露出されるように、コーティングで部分被覆され得る。別の例では、コアは、コア全体が被覆されてそのため露出されないように、コーティングで完全被覆され得る。したがって、コーティングは、無視できる量から全表面まで被覆し得る。コーティングはまた、コーティングの層が存在できるように、他のコーティング上にコーティングすることができる。例えば、コアは、コーティングAで完全にコーティングすることができ、コーティングAは、コーティングAとコーティングBが互いに層を形成するように、コーティングBで完全にコーティングすることができる。本明細書で使用するとき、特に記載がない限り、コーティングは、プロバイオティクス又は他の活性物質を含むコーティングを意味する。したがって、例えば、通常、キブルを被覆する又はキブルに適用する量の脂肪は、コーティングとして特に提供されない限り、本定義内のコーティングとして考慮しないものとする。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「押出成形する」は、押出成形機により、例えば、押出成形機を通して送達されることにより、加工された動物飼料を意味する。押出成形の一実施形態では、キブルは、押出成形プロセスにより形成され、ここで、デンプンを含む原材料は、熱及び圧力下で押出成形されて、デンプンがゼラチン化され、ペレット化キブル形状を形成することができ、これがコアとなることができる。任意のタイプの押出成形機を使用することができ、その非限定例としては、単軸押出成形機及び二軸押出成形機が挙げられる。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「貯蔵安定性」又は「貯蔵寿命」は、プロバイオティクス微生物が摂取時に動物の標的投与レベル以上になるように、プロバイオティクスなどの活性物質が十分に活性化されないパッケージ内の生存条件を意味する。
【0029】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0030】
例えば、成分のリストなどの品目の全てのリストは、マーカッシュグループのリストであることが意図されている。したがって、全てのリストは、リストの品目「からなる群から選択される」品目「並びにこれらの組み合わせ及び混合物」として読むこと及び解釈することができる。
【0031】
本開示において利用する様々な成分を包含する構成要素の商標名が本明細書で参照され得る。本発明者らは、本明細書における特定の商標名の物質により限定されることを意図していない。商品名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0032】
本開示の様々な実施形態の記述において、様々な実施形態又は個別の特徴が開示される。当業者には明らかなように、このような実施形態及び特徴の全ての組み合わせが可能であり、そして本開示の好ましい実施態様とすることができる。本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるであろうが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0033】
当該技術分野において周知のように、プロバイオティクスは、予防的、治療的及び非治療的処置を提供して、病気又は健康条件を和らげること又は動物の健康全般を高めることができる。プロバイオティクスは、動物に、動物フードなどのその栄養供給源を通して送達することができる。動物フードを通してプロバイオティクスを供給し、それによりプロバイオティクスそれ自体の利益を供給することにおいて克服すべき障壁の1つは、比較的高水分及び比較的高酸素の環境における特定のプロバイオティクスの死亡率の高さであることが判明している。したがって、プロバイオティクス保護の多くの道筋がたどられ、開発されてきた。
【0034】
本発明の一部の実施形態は、プロバイオティクスを有するペットフード組成物に関する。このペットフード組成物は、プロバイオティクスの活性が所望のレベルに留まるように、臨界水分活性以下であることができる。このペットフードは、容器により収容することができる。この容器は、所望のレベルのプロバイオティクス活性を維持するのを助ける特性を有することができる。所望により、所望のレベルのプロバイオティクス活性を維持するのを助けるためにも、乾燥剤を使用することができる。このペットフード組成物、容器、及び所望により乾燥剤は、一緒になって商品を形成し、ここで、この商品は、所望のレベルのプロバイオティクス活性を有するプロバイオティクス含有ペットフード組成物を送達するのに有効であることができる。
【0035】
安定なプロバイオティクスについて、プロバイオティクス微生物は、動物により摂取されるまで、休眠状態で維持することができる。プロバイオティクス微生物の安定性は、一実施形態では、少なくとも部分的に、コーティングが、一実施形態で使用された場合に、水の透過を防止又は低減する能力に依存し得る。例えば、水は、細菌又は微生物の成長を可能にする。したがって、プロバイオティクス微生物を取り囲む環境が(例えば湿気又は他のソースからの)水の透過を予防しない又は低減しない場合、プロバイオティクス微生物は水に曝され得、これによりプロバイオティクス微生物が休眠状態を脱して成長を始め得る。プロバイオティクス微生物は、微生物に利用可能な食物を消費して死んでしまうまでの短期間しか成長できないため、この成長の開始は懸念となり得る。プロバイオティクス微生物の死によって、プロバイオティクスの活性が低減し、プロバイオティクス動物食物組成物の全体の活性の低減がもたらされる。したがって、動物による消費に先立つプロバイオティクス微生物の未成熟な活性化及び成長を防止するために、一実施形態でのプロバイオティクスの環境が十分に低い水透過性を有することが有利であり得る。
【0036】
特にプロバイオティクスを含有する動物フードの場合には、温度がプロバイオティクスの活性、したがって、貯蔵寿命に影響することが、更に判明している。一般に、温度が上昇するにつれて、プロバイオティクスを含有する動物フードの水分活性は、特定の臨界レベル以下になるように制御される必要がある。理論に束縛されるものではないが、温度が上昇するほど、水分は速く作用し、より速く作用する水分は、プロバイオティクスの活性に悪影響を与え得る。したがって、本発明の一実施形態では、本明細書に開示されるような商品及びその要素を使用することによるなどして、プロバイオティクスを含有する動物フードの温度、水分活性及び湿度を制御する方法が開示される。この方法は、一実施形態では、プロバイオティクスを含有する動物フードの所望の貯蔵寿命をもたらすことができる。
【0037】
したがって、プロバイオティクスなどの活性成分を含む動物飼料キブルの製造は、特定の配合問題及び困難を提示し得る。例えば、プロバイオティクスを有するキブルなどのキブルを製造する際、キブルとその結果として得られる動物飼料は、消費者への販売及び動物による摂取の時点で、プロバイオティクス微生物がその活性を維持するよう、十分な貯蔵寿命を有していなければならない。それゆえに、消費者の満足という観点から、また規制の観点から、プロバイオティクスの安定性又は活性が必要である。例えば、プロバイオティクスは、製造工場における配合の時点から動物による摂取の時点までの間に、例えば、プロバイオティクス微生物の死によるなどして、プロバイオティクス活性の顕著な量を失うことのないよう、十分な安定性を有していなければならない。プロバイオティクスが利益をもたらしていることに消費者が気づかなければ又は信じなければ、消費者はその製品を買わない。加えて、製品が、プロバイオティクスを含有し、プロバイオティクスにより生じる特定の健康上の利益をもたらすということをラベル表示し、保証し、又は宣伝している場合、プロバイオティクスの少なくとも一定量が活性であることが、特定の行政規制機関から求められる。少なくともこれら2つの理由から、食物組成物中のプロバイオティクスは、承認できる安定性を示さなければならない。
【0038】
したがって、他の実施形態でも、プロバイオティクスなどの活性物質を含む動物フード組成物を供給するための商品、動物フード組成物、パッケージング、水分活性制御方法、動物フード供給方法、製造プロセスは全て本明細書に開示される。一実施形態では、約10−5グラム/日/cm/mmHg以下の透過係数を有するバリアを備える外層を備えるパッケージを備える商品が開示される。これは、約0.3以下の水分活性を有する動物フードを含むことができる。この動物フードは、初期活性レベルを有するプロバイオティクスなどの活性成分を含むキブルを含むことができる。このパッケージは、一定の貯蔵寿命後に活性物質の活性を特定のレベル以上に維持するのに有効であり得る。別の実施形態では、活性成分を有する動物フードを供給する方法は、動物フードと約10−5グラム/日/cm/mmHg以下の透過性を有するパッケージとを供給することと、動物フードをパッケージの中にパッキングすることと、を含む。動物フードは、パッキングされると、約0.3未満の水分活性を有することができ、パッケージは、一定の貯蔵寿命後に活性物質の活性を特定のレベル以上に維持するのに有効であり得る。
【0039】
一実施形態では、プロバイオティクスの活性の目標投与レベルは、プロバイオティクスが動物による摂取時に少なくとも目標投与レベルにあるように、選択することができる。この目標投与レベルに基づき、一実施形態では、目標投与レベルに到達するように、以下の特性を制御及び変更することができる:パッケージ、乾燥剤、動物フードの初期水分活性、及び動物フード内のプロバイオティクスの初期活性レベル。それゆえに、一実施形態では、動物フード1グラム当たり少なくとも約1×10CFU、動物フード1グラム当たり1×10CFU、動物フード1グラム当たり1×10CFU、動物フード1グラム当たり1×1010CFU、動物フード1グラム当たり1×1012CFU、又はそれ以上のプロバイオティクスの目標投与レベルは、少なくとも約6ヶ月、又は約8ヶ月、又は10ヶ月、又は約12ヶ月、又は約14ヶ月、又は約16ヶ月、又は約18ヶ月、又は約20ヶ月、又は約22ヶ月、又は24ヶ月の貯蔵寿命に合わせて選択することができ、対数損失は貯蔵寿命にわたって約0.5以下、又は約1.0、又は約1.5、又は約2.0、又は約2.5、又はそれ以上であり、結果として、動物フード1グラム当たり少なくとも約1×10CFU、又は動物フード1グラム当たり少なくとも約1×10CFU、又は動物フード1グラム当たり少なくとも約1×10CFU、又は動物フード1グラム当たり少なくとも約1×1011CFU、又は動物フード1グラム当たり少なくとも約1×1013CFUの適用された活性レベル、約0.3以下、又は約0.25以下、又は約0.20以下、又は約0.15以下、又は約0.10以下、又は約0.05以下、又は約0.01以下のパッキング時の初期水分活性、並びに約0.5以下、又は約0.45以下、又は約0.40以下、又は約0.35以下、又は約0.30以下、又は約0.25以下、又は約0.20以下の貯蔵寿命期間における最終水分活性をもたらす。動物フードは、動物フードのこれらの所望の特性に到達するように、本明細書に開示されているようないずれかのパッケージを使用して、乾燥剤を用いるか又は用いずに、パッケージ化することができる。
【0040】
一実施形態では、約0.30未満、又は約0.25未満、又は約0.20未満、又は約0.15未満、又は約0.10未満、又は約0.05未満の水分活性を有する動物フードが開示される。貯蔵安定性を維持する、すなわち、より長い貯蔵寿命を有する製品を配合するために、本明細書に開示されているように、動物フード栄養物において、水分活性を使用することができる。したがって、一実施形態では、動物フードが特定の水分活性よりも低く維持される場合には、バクテリア増殖を遅らせる又は更には不可能にすることができる。本明細書で使用するとき、「貯蔵安定性」又は「貯蔵寿命」は、プロバイオティクス微生物が摂取時に動物の標的投与レベル以上になるように、プロバイオティクスなどの活性物質が十分に活性化されないパッケージ内の生存条件を意味する。更に、一部の実施形態では、水分活性の制御は、非酵素性褐変、脂肪酸化、ビタミン分解、酵素反応、タンパク質変性、デンプンゼラチン化及びデンプン老化(これら全ては貯蔵寿命を低下させ得る)などの特定の望ましくない反応を制限する又は遅らせるのを助けることができる。したがって、水分活性は、動物フード、特にプロバイオティクスを含有するもの、の生存能力を制御する重要な起点となることができる。
【0041】
一実施形態では、動物フード組成物の貯蔵寿命は、最大で約24ヶ月であることができる。別の実施形態では、貯蔵寿命は、最大で約20ヶ月であることができる。別の実施形態では、貯蔵寿命は、最大で約16ヶ月であることができる。別の実施形態では、貯蔵寿命は、最大で約12ヶ月であることができる。他の実施形態では、貯蔵寿命は、動物の摂取についての目標投与レベルなどの臨界レベルよりも活性物質の活性が低くなる時間であることができる。一実施形態では、活性物質は、動物フード中のプロバイオティクスであることができる。一実施形態では、動物フードの貯蔵寿命は、動物フード中のプロバイオティクスの活性が動物フード1グラム当たり約1×1012CFUよりも低くなる時間であることができる。一実施形態では、動物フードの貯蔵寿命は、動物フード中のプロバイオティクスの活性が動物フード1グラム当たり約1×1010CFUよりも低くなる時間であることができる。一実施形態では、動物フードの貯蔵寿命は、動物フード中のプロバイオティクスの活性が動物フード1グラム当たり約1×10CFUよりも低くなる時間であることができる。一実施形態では、動物フードの貯蔵寿命は、動物フード中のプロバイオティクスの活性が動物フード1グラム当たり約1×10CFUよりも低くなる時間であることができる。一実施形態では、動物フードの貯蔵寿命は、動物フード中のプロバイオティクスの活性が動物フード1グラム当たり約1×10CFUよりも低くなる時間であることができる。したがって、目標貯蔵寿命は、動物による摂取までの数ヶ月間及び摂取時に、動物フードのプロバイオティクスなどの活性物質の少なくとも目標投与レベルを維持すると考えることができる。一実施形態では、目標貯蔵寿命は、動物フード1グラム当たり約1×1012CFUの目標投与レベルにて最大約24ヶ月であることができる。他の実施形態では、目標貯蔵寿命は、動物フード1グラム当たり約1×1012CFU、動物フード1グラム当たり1×1010CFU、動物フード1グラム当たり1×10CFU、動物フード1グラム当たり1×10CFU、動物フード1グラム当たり1×10CFUについて、最大で約24ヶ月、20ヶ月、約16ヶ月及び約12ヶ月、並びに、これらの全ての組み合わせ及び混合であることができる。
【0042】
一実施形態では、動物フードは、いずれかの本明細書に開示の方法又は当業者に既知の方法により、適用活性レベルにてプロバイオティクスなどの活性物質と共に適用することができる。本明細書に記載されているような条件を経た後、プロバイオティクスの活性レベルは、一実施形態では、本明細書に開示されているように、貯蔵寿命の経過につれて低下する。一実施形態では、活性レベルは、例えば、動物フード1グラム当たり約1×1012CFUから動物フード1グラム当たり約5×1011CFUに、約0.5logで低下し得る。別の実施形態では、活性レベルは、約1.0logで低下し得る。別の実施形態では、活性レベルは、約1.5logで低下し得る。別の実施形態では、活性レベルは、約2.0logで低下し得る。これらの活性レベルの低下又は対数減少は、本明細書に開示されているような動物フード組成物の貯蔵寿命のいずれかの持続時間の経過につれて生じる。
【0043】
別の実施形態では、方法が開示される。この方法は、一実施形態では、活性成分を含む動物フードを供給することと、活性成分が目標投与レベルにて貯蔵寿命期間後に動物フードを通じて動物に送達される活性成分の目標投与レベルを同定することと、動物フードの水分活性及び少なくとも1つの許容条件を決定することと、を含むことができ、ここで、水分活性及び許容条件は、活性成分が動物に目標投与レベルにて送達することが可能であるように、決定される及び関係付けられる。
【0044】
本明細書の説明に基づいて、プロバイオティクス微生物などの活性成分の水分活性許容レベル又は許容条件の決定方法が与えられる。プロバイオティクス微生物の許容レベル又は許容条件は、非限定的な環境及びプロバイオティクス微生物条件の中の、本明細書に記載されているような、温度、湿度、水分活性などのプロバイオティクス微生物の保存の特定の条件、並びにこれらの混合及び組み合わせに基づくことができる。一実施形態では、特定の許容レベル又は許容条件に関して、プロバイオティクス微生物は、特定の活性レベルよりも下方の特定の時間量にわたって許容条件に持ちこたえることができる。これらの特定の時間量及び特定の活性レベルは、本明細書に開示されるような、標的投与レベルなどの、貯蔵寿命及び活性レベルであることができる。
【0045】
それゆえに、一実施形態では、許容レベル又は許容条件は、所望されるプロバイオティクス微生物活性レベルを生じる、例えば、本明細書に開示されているような温度及び水分活性などの、本明細書に記載の条件のいずれかの組み合わせであることができる。このような活性レベルは、動物による動物フードの摂取時に所望される目標投与レベルであることができる。したがって、一実施形態では、許容レベル又は許容条件は、プロバイオティクス微生物などの活性物質に関して、並びに、許容レベル又は許容条件に基づいて選択することができ、商品及びパッキングの方法は、貯蔵寿命に基づいて所望の目標投与レベルにてプロバイオティクス微生物などの活性物質の送達を生じるように、本明細書に開示されているように、適切に調整することができる。
【0046】
パッケージング
一実施形態では、パッケージは、水分活性を制御して、動物フードのプロバイオティクス活性を制御するために、使用することができる。動物フードは、パッケージ内に収容することができる。一実施形態では、パッケージは、パッケージ内部の水分変化を制御する水分保護特性を有することができ、これは動物フードの水分活性の制御をもたらすことができ、動物フードはプロバイオティクスを含有することができる。一実施形態では、バリア層を有するパッケージを使用することができる。バリア層は、水蒸気透過及び酸素浸透を制限することができる。このような水蒸気透過及び酸素浸透の制限は、動物フードの水分活性の制御の補助を行うことができる。本明細書で述べているように、このような制御は、プロバイオティクスを含有する動物フードの望ましい貯蔵寿命を可能にすることができる。
【0047】
したがって、封止パッケージの中で、プロバイオティクス及びパッケージ内部の空気を含有する動物フードは、水分活性がある程度平衡している。パッケージ内部の水分活性の平衡は、水分が拡散によりパッケージング材料を通して移動するにつれて、変化させることができる。パッケージング材料を通しての水分の移動は、パッケージ外部の水分活性に対するパッケージ内部の水分活性の差により、引き起こすことができる。一実施形態では、パッケージは、紙、プラスチック、並びにこれらの組み合わせ及び混合物から製造することができる。好適なパッケージング及び商品のいくつかの実施形態は、米国公開特許第2009/0136163号(2009年5月28日公開、The Procter & Gamble Companyに譲渡)に開示されている。一実施形態では、前記特許に開示されているような穿孔は、使用されなくてもよい。一実施形態では、パッケージは、エチレン由来のポリマー、ポリプロピレン、ポリエステル、テレフタレート、ポリオレフィン、ホモポリマー及び/又はコポリマーポリオレフィン、織布ポリプロピレン、並びに、これらの混合物及び組み合わせからなる群から選択されるプラスチック積層体から形成できるバッグであることができる。より具体的には、プラスチック積層体は、ポリエチレンをポリエチレンテレフタレート(PET)などのテレフタレートと組み合わせたものなど、エチレン由来のポリマーからなる群から選択することができる。一実施形態では、プラスチック積層体は、本明細書に開示されているようなポリエチレン上に積層されたナイロンフィルムから構成することができる。一実施形態では、プラスチック積層体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり得る外層、及び、直鎖低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンと直鎖低密度ポリエチレンとの共押出成形ブレンドであり得る内層から構成することができる。本明細書で使用するとき、ポリエチレンの「低密度」、「中密度」、「高密度」及び「超低密度/極低密度」は、そのような材料の技術分野において使用され理解されているような意味を有する。
【0048】
別の実施形態では、パッケージは、保護層を含むことができ、その非限定例としては、蝋、パラフィン、脂肪、並びにこれらの組み合わせ及び混合物が挙げられる。別の実施形態では、保護層を変性させるために、水分ブロック及び/又はシンクを使用することができる。
【0049】
本発明の実施形態のために、任意のタイプのパッケージングが使用できることを理解すべきである。パッケージの非限定例としては、バッグ、パウチ、任意の可撓性形態の箱、任意の吹込み成形パッケージ、任意の射出成形パッケージ、バッグ・イン・ボックス、ラインボックス、段ボール箱、ボール箱、熱成形パッケージ、布パッケージ、ガラスパッケージ、ゴムパッケージ、木製ラインボックス、織布材料及びポリカーボネートパッケージが挙げられる。
【0050】
一実施形態では、パッケージは、約0.45Kg(1ポンド)の動物フードから、例えば、約45.4kg(100ポンド)といった任意の所望量のペットフードまでの範囲、並びにそれらの間の全範囲を含有するように寸法を取ることができる。別の実施形態では、パッケージは、約2.27kg〜約22.7kg(5ポンド〜50ポンド)を含有するように寸法を取ることができる。別の実施形態では、パッケージの表面積は、所望の重量の動物フードを収容するように好適に寸法取りされたバッグを用いたときに得られる表面積であることができる。一実施形態では、表面積は、約500cm〜約20,000cm、及びそれらの間の全範囲であることができる。しかしながら、任意の寸法のパッケージを使用することができ、使用されるサイズは、パッケージ業者により指定することができる。
【0051】
パッケージ内に収容された動物フードの水分活性を制御するのを補助するために、非限定例としてプラスチック積層体が挙げられる本明細書に開示されているパッケージング材料によるパッケージは、酸素及び水分バリア特性を提供することができる。したがって、パッケージの透過性は様々にすることができる。一実施形態では、パッケージの透過性は、異なるタイプのパッケージ材料及びその組み合わせを用い、1つ以上のバリア材料及び/又は1つ以上のタイプのバリア材料を層化することにより、並びに、とりわけ、パッケージの厚さを様々にすることにより、様々にすることができる。一実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約10−5グラム/日/cm/mmHg以下であり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約10−6グラム/日/cm/mmHg以下であり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約10−7グラム/日/cm/mmHg以下であり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約グラム/日/cm/mmHg以下であり得る。一実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約1×10−6〜約9×10−6グラム/日/cm/mmHgであり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約3×10−6〜約7×10−6グラム/日/cm/mmHgであり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約5×10−6〜約7×10−6グラム/日/cm/mmHgであり得る。別の実施形態では、パッケージング材料の透過係数は、約6×10−6〜約7×10−6グラム/日/cm/mmHgであり得る。
【0052】
一実施形態では、パッケージの透過性、例えば、本明細書に開示されているようなパッケージ透過性を、動物フードの水分活性を制御するために使用することができる。一実施形態では、パッケージ内の動物用組成物の水分活性を、一定期間後にも特定の臨界レベルよりも低く維持することができる。パッケージ内の時間経過は、温度及び相対湿度条件などの様々な環境条件の組み合わせによるものであり得る。温度及び相対湿度条件は、動物フードのライフサイクル中に通常生じるよう変化してよく、これらの条件は絶えず変化し得る。一実施形態では、動物フード及びパッケージは、約20℃〜約50℃の温度及び約30%〜約80%の相対湿度、並びに、これらの条件の全範囲を含む提示範囲内の温度及び相対湿度条件に、動物用組成物の貯蔵寿命の期間にわたってさらすことができる。一実施形態では、動物用組成物の初期Aw(水分活性)は、約0.05〜約0.15であることができ、あるいは、パッケージ化されたものの中に最初に収容された際に約0.10であることができ、動物用組成物の最終Awは、動物用組成物の貯蔵寿命時に約0.20〜0.30であることができる。別の実施形態では、動物用組成物の初期Aw(水分活性)は、約0.10〜約0.20であることができ、あるいは、パッケージ化されたものの中に最初に収容された際に約0.15であることができ、動物用組成物の最終Awは、動物用組成物の貯蔵寿命時に約0.20〜0.30であることができる。一実施形態では、動物用組成物の初期Aw(水分活性)は、約0.15〜約0.25であることができ、あるいは、パッケージ化されたものの中に最初に収容された際に約0.20であることができ、動物用組成物の最終Awは、動物用組成物の貯蔵寿命時に約0.25〜0.35であることができる。一実施形態では、動物用組成物の初期Aw(水分活性)は、約0.20〜約0.30であることができ、あるいは、パッケージ化されたものの中に最初に収容された際に約0.25であることができ、動物用組成物の最終Awは、動物用組成物の貯蔵寿命時に約0.25〜0.35であることができる。一実施形態では、動物用組成物の初期Aw(水分活性)は、約0.25〜約0.35であることができ、あるいは、パッケージ化されたものの中に最初に収容された際に約0.30〜0.40であることができ、動物用組成物の最終Awは、動物用組成物の貯蔵寿命時に約0.30〜0.40であることができる。
【0053】
一実施形態では、パッケージの透過性、例えば、本明細書に開示されているようなパッケージの透過性を、特定日数及び週数経過後の動物フードの水分活性を制御するために使用することができる。一実施形態では、水分活性を、最大約5週間で、約0.05〜約0.15、又は約0.10〜約0.20、又は約0.15〜約0.25、又は約0.20〜約0.30、又は約0.25〜約0.35から、約0.15〜約0.25、又は約0.20〜約0.30、又は約0.25〜約0.35、又は約0.30〜約0.40、又は約0.35〜約0.45に、並びにこれらの全ての組み合わせ及び混合範囲に増加させることができる。
【0054】
一実施形態では、パッケージの透過性、例えば、本明細書に開示されているようなパッケージの透過性を、特定の日数及び週数経過後の動物フードにおいて、プロバイオティクスなどの活性物質の活性を制御するために使用することができる。一実施形態では、プロバイオティクスの活性は、動物フード1グラム当たり約1×1012CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×1011CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×1010CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×1011CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×1010CFUから、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、又は動物フード1グラム当たり約1×10CFUに、それぞれ全ての組み合わせ及び混合で、低下させることができる。
【0055】
一実施形態では、パッケージの透過性は、動物フードの水分活性を制御するために使用することができる。一実施形態では、動物用組成物の水分活性は、パッケージを多数回開けた後でも、特定の臨界レベルよりも低く維持することができる。封止パッケージの中で、プロバイオティクス及びパッケージ内部の空気を含有する動物フードは、水分活性がある程度平衡している。この平衡は、パッケージが封止されているのを維持したままで、パッケージング材料を介し拡散によって水を進入させることで調整することができる。更に、この平衡は、空気がパッケージの中に入るようにする、パッケージの開け閉めにより調整することができる。平衡は、湿度、温度、及び生じる空気交換百分率で変化し得る。開封前、動物用組成物は、初期Awにある。その後、パッケージを開封し、動物フードを一部取り出し、空気を循環させ、その後パッケージを再封止することができる。この時点で、パッケージ中の動物用組成物の重量は低下し、パッケージ中の空気の容量は増加する。その後、パッケージは、水分活性の新たな平衡状態に到達することができる。その後、同様の効果をもって、パッケージの追加の開け閉めを行うことができる。
【0056】
乾燥剤
一実施形態では、動物フードを有するパッケージ内で乾燥剤を使用することができ、水分活性を制御するために使用することができ、したがって、動物フードのプロバイオティクス活性を制御するために使用することができる。乾燥剤は、別の物質の水分活性又は含水量を、あるいは容器の内側などの特定の領域若しくは区域において水分活性又は含水量を維持する又は低下させる物質である。固体乾燥剤は、水の吸収若しくは吸着、又はその2つの組み合わせにより、作用することができる。しかしながら、固体以外のものを包含する任意の種類及び形態の乾燥剤を使用することができる。通常使用される乾燥剤の非限定例としては、塩化カルシウム、分子篩(molecular sieve)、シリカ、粘土、ゼオライト、並びにこれらの組み合わせ及び混合物を挙げることができる。乾燥剤の組み合わせ及び混合物では、乾燥剤の量は様々であることができる。したがって、乾燥剤が本明細書で説明されている場合はいつでも、乾燥剤の混合物を使用することができることを理解すべきである。一実施形態では、シリカと分子篩との乾燥剤混合物を使用することができる。一実施形態での乾燥剤混合物は、約60%〜約80%のシリカと、約20%〜40%の分子篩と、を含むことができる。別の実施形態では、混合物は、約70%のシリカと、約30%の分子篩と、を含むことができる。しかしながら、任意の量のシリカと分子篩とを混合物中で使用できることを理解すべきである。別の実施形態では、シリカと塩化カルシウムとの乾燥剤混合物を使用することができる。一実施形態での乾燥剤混合物は、約30%〜約60%のシリカと、約40%〜70%の塩化カルシウムとを含むことができる。一実施形態での乾燥剤混合物は、約40%〜約50%のシリカと、約50%〜60%の塩化カルシウムとを含むことができる。しかしながら、任意の量のシリカと塩化カルシウムとを混合物中で使用できることを理解すべきである。乾燥剤は、Desiccare,Inc.(Pomona,CA及びRichland,MS)から市販されている。
【0057】
一実施形態では、乾燥剤をプレパッケージ化材料として使用することができ、並びに、動物フードの容器に添加することができる。このような実施形態では、乾燥剤は、通常、動物フードから分離され、したがって、例えば、バッグ又はサッシェなどの保護パッケージ内に包むことができるので、動物フードと直接接触に至らない。別の実施形態では、乾燥剤は、直接適用され、したがって、動物フードに直接接触することができる。別の実施形態では、プレパッケージ化された乾燥剤及び直接適用された乾燥剤を使用することができる。様々な量の乾燥剤を使用することができる。一実施形態では、乾燥剤と動物フードと比は、約1:100〜約1:2であることができる。別の実施形態では、乾燥剤と動物フードと比は、約1:50〜約1:10であることができる。別の実施形態では、乾燥剤と動物フードと比は、約1:50〜約1:20であることができる。別の実施形態では、乾燥剤と動物フードと比は、約1:50〜約1:30であることができる。これらの範囲内の全て比は、更なる実施形態でも使用することができる。特定の実施形態では、約100グラム〜約1000グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。別の実施形態では、約200グラム〜約600グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。別の実施形態では、約250グラム〜約500グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。別の実施形態では、約200グラム〜約300グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。別の実施形態では、約400グラム〜約600グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。特定の実施形態では、約250グラムの乾燥剤又は約500グラムの乾燥剤を動物フード9.1kg(20ポンド)毎に使用することができる。
【0058】
上記のように、乾燥剤並びにその組み合わせ及び混合物は、本明細書に記載しているようないずれかの容器などの容器中で動物フードなどの物質の水分活性を維持する又は更には低下させるのに有効であることができる。したがって、一実施形態では、初期水分活性は、最終水分活性まで低下させることができる。一実施形態では、乾燥剤は、水分活性を少なくとも90%低下させるのに有効であることができる。一実施形態では、乾燥剤は、水分活性を少なくとも75%低下させるのに有効であることができる。一実施形態では、乾燥剤は、水分活性を少なくとも50%低下させるのに有効であることができる。一実施形態では、乾燥剤は、水分活性を少なくとも25%低下させるのに有効であることができる。一実施形態では、乾燥剤は、水分活性を少なくとも10%低下させるのに有効であることができる。一実施形態では、水分活性は、約10%〜約90%及びそれらの間の全範囲、低下させることができる。一実施形態では、動物フードの水分活性は約0.6から約0.06に低下させることができる。一実施形態では、動物フードの水分活性は約0.6から約0.15に低下させることができる。別の実施形態では、動物フードの水分活性は、約0.6から約0.3に低下させることができる。別の実施形態では、動物フードの水分活性は、約0.6から約0.45に低下させることができる。別の実施形態では、動物フードの水分活性は、約0.6から約0.54に低下させることができる。もちろん、水分活性が低下する量は、初期水分活性に依存する。例えば、動物フードの初期水分活性が0.4であり、90%低下する場合、最終水分活性は0.04になる。
【0059】
一実施形態では、乾燥剤は、パッケージの複数回開封時に、パッケージの内側で作用することができる。例えば、パッケージを開けることにより、パッケージの中に水分を導入し得る。乾燥剤は、パッケージの開け閉めの際に入る水分の少なくとも一部を吸収することにより作用することができ、その結果、水分活性を維持することができる又は本明細書に開示されているような特定のレベル以上に保つことができる。
【0060】
乾燥剤による水分活性の低下効果は、時間と共に変化することができる。一実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから18週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから16週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから14週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから12週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから10週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから8週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから6週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから4週間後、90%低下させることができる。別の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから2週間後、90%低下させることができる。他の実施形態では、水分活性は、乾燥剤がパッケージに添加されてから18週間後、16週間後、14週間後、12週間後、10週間後、8週間後、6週間後、4週間後、又は2週間後、75%、50%、25%、又は10%低下させることができる。
【0061】
キブル
ドッグフード及びキャットフードなどのキブルタイプの動物飼料は、乾燥した、そのまま食べられるペットフード製品であることができる。キブルは、キブルの原材料が熱と圧力下で、ペレット化したキブル形状又はコアに形成される押出成形プロセスによって形成することができる。押出成形技術は、デンプンマトリックスを有するものなどの、動物飼料キブルを配合する安価かつ効率的な方法を提供することができる。押出成形プロセス中、デンプンマトリックスを含むことができるキブル原材料は、典型的には、押出成形条件下でデンプンマトリックスのゼラチン化を生じ、ゼラチン化デンプンマトリックスを形成する。したがって、一実施形態では、コアは、12%未満の含水量を有することができ、ゼラチン化デンプンマトリックスを含むことができ、これは本明細書に記載の押出成形プロセスにより形成することができる。一実施形態では、コアは、栄養的にバランスをとることができる。
【0062】
ペットフード製品の製造プロセスは、通常、コア材料混合物を形成するために成分を混合することと、コアペレットを形成するためにコア材料混合物を押出成形することと、コアペレットを乾燥させることと、所望により、フードペレットを形成するために乾燥させたコアペレットにダスティング成分を適用することと、フードペレットをパッケージ化することと、を含むことができる。一実施形態では、フードペレットは、最終的に所望されるフード製品であることができる。一実施形態では、フードペレットは、所望されるようなフード製品を形成するためにダスティング工程を経ることができる。
【0063】
コア材料混合物を形成するために使用される成分は、任意の個々の出発材料であることができ、デンプン質材料、タンパク質材料、並びにこれらの混合物及び組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、コア材料としては、タンパク質材料、デンプン材料、繊維材料、脂肪材料、無機質材料、ビタミン材料、並びにこれらの混合物及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。タンパク質材料としては、鶏粉、鶏肉、鶏副産物粉、ラム肉、ラム粉末、七面鳥肉、七面鳥粉末、牛肉、牛副産物、内臓、魚粉、臓腑、及びこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。デンプン材料としては、穀類、穀物、トウモロコシ、小麦、米、燕麦、トウモロコシ粒、サトウモロコシ、グレインソルガム、小麦ふすま、燕麦ふすま、アマランス、デュラム小麦、並びにこれらの混合物及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。繊維材料としては、フルクトオリゴ糖、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖、燕麦繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース、アラビアガム、グアーガム及びキャラガン(carragan)などのガム、リンゴ及びトマトの搾り粕、柑橘繊維、繊維抽出物、繊維誘導体、乾燥ビート繊維、蒸留乾燥穀物固形物、並びにこれらの混合物及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。脂肪材料としては、家禽油、鶏脂、七面鳥脂、豚脂、ラード、タロー、牛脂、植物油、トウモロコシ油、綿実油、菜種油、魚油、メンハーデン油、アンチョビ油、パーム油、パーム核油、ココナッツ油、並びにこれらの混合物及び組み合わせ、並びに上記油のいずれかの部分又は完全水素添加バージョンを挙げることができるが、これらに限定されない。無機質材料としては、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム、炭酸コバルト、並びにこれらの混合物及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。ビタミン材料としては、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンAアセタート、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント、イノシトール、塩酸ピリドキシン、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC、並びにこれらの混合物及び組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。一実施形態では、コア材料は、牛ブロス、ビール酵母、卵、卵製品、亜麻粉、DLメチオニン、ロイシン、リシン、トリプトファン、アルギニン、システイン、アスパラギン酸、タウリンなどのアミノ酸、が挙げられるがこれらに限定されない追加的成分を含むことができる。
【0064】
コアは、コアマトリックスを形成する複数の成分を含むことができる。1つの非限定例では、コアは、炭水化物源、タンパク質源及び/又は脂肪源を含むことができる。一実施形態では、コアは、20〜100%の炭水化物源を含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜80%のタンパク質源を含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜15%の脂肪源を含むことができる。コアはまた、他の成分も同様に含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜80%の他の成分を含むことができる。
【0065】
炭水化物源又はデンプン成分又は材料は、非限定例では、穀類、穀物、トウモロコシ、小麦、米、燕麦、トウモロコシ粒、サトウモロコシ、グレインソルガム/マイロ、小麦ブラン、燕麦ブラン、アマランス、デュラム及び/又はセモリナを含むことができる。タンパク質源、成分又は材料は、非限定例では、鶏粉、鶏肉、鶏副産物粉、ラム肉、ラム粉末、七面鳥肉、七面鳥粉末、牛肉、牛副産物、内臓、魚粉、臓腑、カンガルー、白身魚、鹿肉、大豆粉末、大豆タンパク質分離物、大豆タンパク質濃縮物、トウモロコシグルテン粉末、トウモロコシタンパク質濃縮物、蒸留乾燥穀物固形物及び/又は蒸留乾燥穀物固形物可溶性物質を含むことができる。脂肪源、成分又は材料は、非限定例では、家禽油、鶏脂、七面鳥脂、豚脂、ラード、タロー、牛脂、植物油、トウモロコシ油、大豆油、綿実油、パーム油、パーム核油、亜麻仁油、キャノーラ油、菜種油、魚油、メンハーデン油、アンチョビ油及び/又はオレストラを含むことができる。
【0066】
一実施形態によると、コアは、70重量%超の植物性タンパク質であり得るタンパク質系コアマトリックスを含むことができ、タンパク質系コアは、ゼラチン化デンプンのマトリックスを実質的に含まない。特定の実施形態において、タンパク質ベースコアマトリックスは、植物性タンパク質を80重量%より多く含み得る。更に別の実施形態において、このタンパク質ベースコアマトリックスは、植物性タンパク質を85重量%、90重量%、又は更には95重量%より多く含み得る。植物性タンパク質の具体例としては、ゼラチン化デンプンを実質的に含まない植物性誘導タンパク質、又は、ゼラチン化デンプンを実質的に含まないよう改変又は製造され得る植物性誘導タンパク質が挙げられる。本開示の様々な実施形態での使用に好適な植物性タンパク質の例としては、蒸留乾燥穀物(DDG:distiller’s dried grains)、蒸留乾燥穀物可溶性物質(DDGS:distiller’s dried grain solubles)、トウモロコシタンパク質濃縮物(CPC)、トウモロコシグルテンミール(CGM)、大豆タンパク質分離物(SPI)、大豆タンパク質濃縮物(SPC)、小麦グルテン(WG)、米タンパク質分離物(RPI)、米タンパク質濃縮物(RPC)、サトウモロコシタンパク質濃縮物(SorgPC)、燕麦タンパク質濃縮物(OPC)、大麦タンパク質濃縮物(BPC)、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
特定の実施形態では、コアは、25重量%〜99.99重量%のコアマトリックスを含むことができる。他の実施形態では、コアは、50重量%〜99重量%のコアマトリックスを含むことができる。コアの特定の実施形態としては、加工、安定性、及び/若しくは美味性、を改善し得る成分、又は特定の栄養要件を提供する成分などの、1つ以上の他の成分を更に含み得るコアマトリックスを挙げることができる。例えば、コアマトリックスは更に、固形コーンシロップ、無機質、ビタミン、プレバイオティクス(例えばフルクトオリゴ糖、オリゴフルクト糖、イヌリン、チコリー、キシロオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、ラクトスクロース、ガラクトオリゴ糖、又は難消化性デンプン)、植物性油、動物性脂肪、魚油、鉱油、アミノ酸、繊維、動物性タンパク質、魚タンパク質、乳化剤、加工助剤、保湿剤、及びデキストリンのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0068】
多くの用途において、例えば成分をキブルの形状に保持することによって安定性を改善するために供給されるコアの、タンパク質成分に、デンプンを添加することができる。特定の用途において、デンプンを実質的に含まないキブルを提供することが望ましいことがある。しかしながら、デンプンを含まないキブルの安定性は低下するため、例えばデンプンを含まないタンパク質ベースキブルなどのキブルの形成は容易ではない。本開示の様々な実施形態で、発明者らは、ゼラチン化デンプンのマトリックスを実質的に含まず、70重量%を超える植物性タンパク質を含む、押出成形されたタンパク質ベースコアマトリックスキブルを製造する方法を開発した。よって、本開示の1つの実施形態は、タンパク質ベースコアがゼラチン化デンプンのマトリックスを実質的に含まない、タンパク質ベースコアマトリックスを提供する。特定の実施形態では、ゼラチン化デンプンを5重量%、2重量%、1重量%、又は更には0.5重量%未満有する、タンパク質ベースコアが含まれ得る。更に他の実施形態では、タンパク質ベースコアマトリックスは、ゼラチン化デンプンを本質的に含まないものであり得る。本明細書で使用するとき、組成物中の特定の成分の濃度に関して使用される場合の「本質的に含まない」という用語は、当該分野において一般的な、濃度測定方法を用いて、測定可能な量を下回ることを意味する。
【0069】
他の成分としては、非限定例では、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣体成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、更に他の成分の供給源などの活性物質成分を含み、これらのうちのいずれかは、第一成分、第二成分、第三成分などと考えることができる(任意の数の成分に向けて)。好適な他の活性物質としては、例えば、酵素、抗体、免疫グロブリン、サイトカイン、エピジェネティクス剤、ビタミン、プロバイオティクス微生物並びにこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される生物製剤が挙げられるがこれらに限定されない生物製剤を挙げることができる。繊維成分の供給源としては、非限定例では、フルクトオリゴ糖(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖(MOS)、燕麦繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアガム、リンゴの搾り粕、柑橘繊維、繊維抽出物、繊維誘導体、乾燥ビート繊維(糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、並びに、デンプン、イヌリン、チコリー、オオバコ、ペクチン、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸塩、アラビアガム、タルハガム、β−グルカン、キチン、リグニン、セルロース、非デンプン多糖、カラギーナン、還元デンプン、大豆オリゴ糖、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン、ゲンチオオリゴ糖、ペクチン由来オリゴ糖、及び/又はヘミセルロースからのオリゴ誘導体を挙げることができる。無機質成分の供給源としては、非限定例では、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、非限定例では、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンAアセタート、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、非限定例では、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロズマリン酸、コーヒー抽出物、カフェ酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物、及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、l−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン、グルタミン酸、プロリン、ペプチド及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロチンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、非限定例では、トコフェノール(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来物質、カロテノイド(上記)、セレン及び/又はCoQ10(補酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γ−リノレン酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又は、EPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油を挙げることができる。グルコース模倣体成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースなどのグルコース代謝拮抗剤、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マニトール、マンノヘプツロースなどの無水糖、並びに/又は、マンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更に他の成分としては、牛ブロス、ビール酵母、卵、卵製品、亜麻粉、DLメチオニン、アミノ酸、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどのポリリン酸塩;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第一スズ、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、塩酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、緑イ貝、紫イ貝(blue lipped mussel)、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン、フィトアンドロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、トリピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基変性剤、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム;ユ−カリ油、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤、着色剤、風味剤、甘味料、緩衝剤、スリップ助剤、キャリア、pH調整剤、天然成分、安定剤、酵素などの生物学的添加剤(例えば、プロテアーゼ及びリパーゼ)、化学添加物、冷却剤、キレート剤、変性剤、薬物収斂剤、乳化剤、外用鎮痛剤、芳香剤化合物、保湿剤、乳白剤(酸化亜鉛及び二酸化チタンなど)、消泡剤(シリコーンなど)、保存料(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン及びこれらの混合物)、還元剤、溶媒、ヒドロトロープ、溶解剤、懸濁剤(非界面活性剤)、溶媒、増粘剤(水性又は非水性)、隔離剤、及び/又は角質溶解剤を挙げることができる。
【0070】
したがって、キブルの形態のペットフードは、コアマトリックスとして形成することができる。ペレットとしてコアマトリックスを形成する際に、一実施形態では、コアマトリックスは、いくつかの方式で、非限定例ではプロバイオティクスである活性物質でダスティング又はコーティングすることができる。本発明の一実施形態は、上記のように押出成形することができるコアと、このコア上にダスティングされたコーティング及び/又はダスティングと、を備えるキブルの形態で、ペットフードを提供する。一実施形態では、コアは、全体がコーティング/ダスティングされたキブルの50〜100%を構成することができる。
【0071】
本開示の様々な実施形態は更に、少なくとも1つの添加剤を含む少なくとも1つのコーティング又はダスティングを含んだ動物飼料キブルを提供することができる。本明細書に記載されるように、コーティング又はダスティングがコアマトリックスの表面上にあるとされる場合、そのコーティングはコアマトリックスに直接接触しているか、又は、コアマトリックス上の1つ以上の他の中間コーティングに(すなわち、コアマトリックスの表面にある一連のコーティング層のうちの特定の層として)接触することができる。特定の実施形態では、このコーティングは、少なくとも1つの添加剤に加えて、脂肪を含むことができる。他の実施形態では、本明細書に開示しているように、粉末をコア上にダスティングすることができる。
【0072】
特定の実施形態では、少なくとも1つのコーティング又はダスティングは、コアマトリックスの表面上の少なくとも1つの活性コーティング又はダスティングを含むことができる。本明細書で使用するとき、用語「活性」は、例えば、その動物飼料を摂取する動物の栄養状態若しくは健康に何らかの望ましい利益を付与できる成分、又は、その動物飼料に美的若しくは美味性の利益を付与できる成分、を含むが、これらに限定されないような、活性成分を含むコーティング又は粉末を意味する。活性コーティング又はダスティングのための粉末に、組み込む又は添加することができる活性成分の例としては、本明細書に開示されている活性成分のいずれか、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣体成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分及び更に他の成分の供給源が挙げられるが、これらに限定されず、これらのいずれかは第一成分、第二成分、第三成分などと考えることができる(任意の数の成分に向けて)。繊維成分の供給源としては、非限定例では、フルクトオリゴ糖(FOS)、ビートパルプ、マンナンオリゴ糖(MOS)、燕麦繊維、柑橘果肉、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、アラビアガム、リンゴの搾り粕、柑橘繊維、繊維抽出物、繊維誘導体、乾燥ビート繊維(糖除去)、セルロース、α−セルロース、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、並びに、デンプン、イヌリン、チコリー、オオバコ、ペクチン、柑橘ペクチン、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸塩、アラビアガム、タルハガム、β−グルカン、キチン、リグニン、セルロース、非デンプン多糖、カラギーナン、還元デンプン、大豆オリゴ糖、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、ラクツロース、ポリデキストロース、オリゴデキストラン、ゲンチオオリゴ糖、ペクチン由来オリゴ糖、及び/又はヘミセルロースからのオリゴ誘導体を挙げることができる。無機質成分の供給源としては、非限定例では、亜セレン酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸銅、酸化マンガン、ヨウ化カリウム及び/又は炭酸コバルトを挙げることができる。ビタミン成分の供給源としては、非限定例では、塩化コリン、ビタミンEサプリメント、アスコルビン酸、ビタミンAアセタート、パントテン酸カルシウム、パントテン酸、ビオチン、チアミン硝酸塩(ビタミンB1の供給源)、ビタミンB12サプリメント、ナイアシン、リボフラビンサプリメント(ビタミンB2の供給源)、イノシトール、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6の供給源)、ビタミンD3サプリメント、葉酸、ビタミンC及び/又はアスコルビン酸を挙げることができる。ポリフェノール成分の供給源としては、非限定例では、茶抽出物、ローズマリー抽出物、ロズマリン酸、コーヒー抽出物、カフェ酸、ウコン抽出物、ブルーベリー抽出物、ブドウ抽出物、ブドウ種子抽出物、及び/又は大豆抽出物を挙げることができる。アミノ酸成分の供給源としては、I−トリプトファン、タウリン、ヒスチジン、カルノシン、アラニン、システイン、アルギニン、メチオニン、トリプトファン、リシン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、ロイシン、グリシン、グルタミン、タウリン、チロシン、ホモシステイン、オルニチン、シトルリン、グルタミン酸、プロリン、ペプチド及び/又はセリンを挙げることができる。カロテノイド成分の供給源としては、ルテイン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ビキシン、リコピン及び/又はβ−カロチンを挙げることができる。酸化防止剤成分の供給源としては、非限定例では、トコフェノール(ビタミンE)、ビタミンC、ビタミンA、植物由来物質、カロテノイド(上記)、セレン及び/又はCoQ10(補酵素Q10)を挙げることができる。脂肪酸成分の供給源としては、アラキドン酸、α−リノール酸、γ−リノレン酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、並びに/又は、EPA及び/若しくはDHAの供給源としての魚油を挙げることができる。グルコース模倣体成分の供給源としては、2−デオキシ−D−グルコース、5−チオ−D−グルコース、3−O−メチルグルコースなどのグルコース代謝拮抗剤、1,5−無水−D−グルシトール、2,5−無水−D−グルシトール及び2,5−無水−D−マニトール、マンノヘプツロースなどの無水糖、並びに/又は、マンノヘプツロースを含むアボカド抽出物を挙げることができる。更に他の成分としては、牛ブロス、ビール酵母、卵、卵製品、亜麻粉、DLメチオニン、アミノ酸、ロイシン、リシン、アルギニン、システイン、シスチン、アスパラギン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP)、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどのポリリン酸塩;塩化亜鉛、グルコン酸銅、塩化第一スズ、フッ化スズ、フッ化ナトリウム、トリクロサン、塩酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、緑イ貝、紫イ貝(blue lipped mussel)、メチルスルホニルメタン(MSM)、ホウ素、ホウ酸、フィトエストロゲン、フィトアンドロゲン、ゲニステイン、ダイゼイン、L−カルニチン、ピコリン酸クロム、トリピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、酸/塩基変性剤、クエン酸カリウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム;ユ−カリ油、ラベンダー、ペパーミント、可塑剤、着色剤、風味剤、甘味料、緩衝剤、スリップ助剤、キャリア、pH調整剤、天然成分、安定剤、酵素などの生物学的添加剤(例えば、プロテアーゼ及びリパーゼ)、化学添加物、冷却剤、キレート剤、変性剤、薬物収斂剤、乳化剤、外用鎮痛剤、芳香剤化合物、保湿剤、乳白剤(酸化亜鉛及び二酸化チタンなど)、消泡剤(シリコーンなど)、保存料(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、塩化ベンザルコニウム、EDTA、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、パラベン及びこれらの混合物)、還元剤、溶媒、ヒドロトロープ、溶解剤、懸濁剤(非界面活性剤)、溶媒、増粘剤(水性又は非水性)、隔離剤、及び/又は角質溶解剤を挙げることができる。
【0073】
一実施形態では、活性物質は、プロバイオティクスを含むことができる。特定の実施形態によると、この活性物質は、ペットの消費に好適であり、ペットの胃腸管における微生物バランスの改善又はペットにとってのその他の利点(例えば疾患や病状の緩和又は予防)に有効であるような、1つ以上の細菌性プロバイオティクス微生物を含むことができる。当該技術分野において既知の様々なプロバイオティクス微生物が、本発明での使用に適している。例えば、国際公開第03/075676号、及び米国特許第2006/0228448(A1)号を参照のこと。特定の実施形態では、プロバイオティクス成分は、細菌、酵母、又は、バチルス属、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム属、腸球菌属(例えばEnterococcus faecium DSM 10663及びEnterococcus faecium SF68)、乳酸桿菌属、リューコノストック属、サッカロミケス属、カンジダ属、連鎖球菌属の微生物、及びこれらの混合物から選択することができる。他の実施形態では、プロバイオティクスは、ビフィドバクテリウム属、乳酸桿菌属、及びこれらの組み合わせから選択することができる。バチルス属のものは、胞子を形成することができる。他の実施形態において、プロバイオティクスは胞子を形成しない。別の実施形態では、プロバイオティクスは、フリーズドライ又は凍結乾燥することができる。本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、Streptococcus lactis、Streptococcus cremoris、Streptococcus diacetylactis、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus acidophilus(例えばLactobacillus acidophilus strain DSM 13241)、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus bifidus、Lactobacillus casei、Lactobacillus lactis、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus delbrukii、Lactobacillus thermophilus、Lactobacillus fermentii、Lactobacillus salvarius、Lactobacillus reuteri、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium pseudolongum、及びPediococcus cerevisiaeの菌株、又はそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、プロバイオティクス強化コーティングは、菌株Bifidobacterium animalis AHC7 NCIMB 41199を含むことができる。プロバイオティクス強化コーティングの他の実施形態は、米国特許第2005/0152884(A1)号、同第2005/0158294(A1)号、同第2005/0158293(A1)号、同第2005/0175598(A1)号、同第2006/0269534(A1)号、及び同第2006/0270020(A1)号、並びに国際公開第2005/060707(A2)号に特定されている1つ以上の微生物を含むことができる。
【0074】
特定の実施形態では、活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、キブル1グラム当たり少なくとも約10コロニー形成単位(CFU)、又はキブル1グラム当たり少なくとも約10CFU、又はキブル1グラム当たり約10CFUの生存可能なプロバイオティクス微生物数を有することができる。例えば、コーティング又はダスティングは、キブル1グラム当たり最大約1011CFU、キブル1グラム当たり最大約1011CFU、キブル1グラム当たり最大約10CFU、又はキブル1グラム当たり最大約10CFUの生存可能なプロバイオティクス微生物数を有することができる。CFUによって定義される算出方法は、例えば米国特許第2006/0228448(A1)号に開示されているような方法を用いて判定される。有利なことに、本明細書で提供されるプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、少なくとも約3ヶ月、あるいは少なくとも約6ヶ月、あるいは約3ヶ月〜約24ヶ月、あるいは約6ヶ月〜約18ヶ月の貯蔵寿命を有する。特定の実施形態では、プロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは少なくとも16ヶ月の貯蔵寿命を有することができる。本明細書で使用するとき、用語「貯蔵寿命」とは、プロバイオティクス強化コーティングのプロバイオティクス微生物の約1%以上、あるいは約5%以上、あるいは約10%以上、あるいは約25%以上、あるいは約50%以上、あるいは約75%以上が、周囲環境条件への曝露後の、参照期間において生存可能であるという、第二成分の特性を指す。
【0075】
特定の実施形態では、活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、酵母を含むことができる。種々の酵素のいずれでも使用でき、当該技術分野において周知であり、例えば、酵母菌属(例えば、Saccharomyces cervisiae(時に「パン酵母」と呼ばれる)、及びCandida utilis(これはTorulopsis utilisとも呼ばれ得る))などがある。本明細書で使用するとき、酵母としては、ミネラル強化酵母など、酵母がその上で培養された環境培地から取り込まれる1つ以上の成分を取り込んだものが挙げられるが、これらに限定されない。様々な発酵プロセスが、当該技術分野において周知である。
【0076】
他の実施形態では、活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、1つ以上の酵素を含むことができる。酵素としては、とりわけ消化酵素又は他の治療用酵素など、ペットにおいて有益な生物活性を有するものが挙げられる。非限定例としては、プロテアーゼ、コラゲナーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リゾチーム、カンジダーゼ(candidases)、ラクターゼ、キナーゼ、インベルターゼ、ガラクトシダーゼ、ペクチナーゼ、リボヌクレアーゼ(デオキシリボヌクレアーゼを含める)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0077】
他の実施形態では、活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、1つ以上の抗体を含むことができる。ウイルス、病原菌、寄生生物、又は同様物、に対する抗体を、本明細書のコーティングに使用することができる。非限定例としては、ネコ鼻気管炎、ネコ汎白血球減少症、ネコカリシウイルス、ネコ肺炎、ネコ白血病、イヌジステンパー、イヌパルボウイルス、コロナウイルス、ボレリア・ブルグドルフェリ(ライム病)、トキソプラズマ・ゴンディ、大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ、クロストリジウム(clostridia)、バクテロイド(bacteriodes)、ジアルジア、条虫、回虫、球虫(coccidian)、クリプトスポリジウム、及びそれらの組み合わせに対する抗体が挙げられる。
【0078】
特定の実施形態では、活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングは、1つ以上の免疫グロブリンを含むことができる。非限定例としては、免役グロブリンA(IgA)、免役グロブリンM(IgM)、免役グロブリンG(IgG)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の実施形態では、プロバイオティクス強化コーティングは1つ以上のサイトカインを含むことができる。非限定例としては、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF−ベータ)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−アルファ)、インターロイキン−4、インターロイキン−10、インターロイキン−12、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0079】
活性若しくはプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングはまた、プレバイオティクスを含むことができる。「プレバイオティクス」には、ペットの腸内細菌叢によって発酵されることにより、病原菌を低減させてペットの消化管内の乳酸菌の増殖又は発達を促進する物質又は化合物が含まれる。この発酵の結果は、結腸での脂肪酸の、特に短鎖脂肪酸の放出を含むことができる。これは、結腸においてpH値を低下させる効果を有し得る。好適なプレバイオティクスの非限定例としては、イヌリン及びその加水分解生成物、オリゴフルクトース、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、又はデンプンのオリゴ誘導体などの、オリゴ糖が挙げられる。プレバイオティクスは、いずれか好適な形態で提供することができる。例えば、プレバイオティクスは、繊維を含有する植物材料の形態で提供することができる。好適な植物材料としては、アスパラガス、アーティチョーク、玉ねぎ、小麦、若しくはチコリー、又はこれらの植物材料の残渣が挙げられる。あるいは、プレバイオティクス繊維は、イヌリン抽出物として提供することができ、例えば、チコリーからの抽出物が好適である。好適なイヌリン抽出物は、Orafti SA(Tirlemont 3300,Belgium)から商標「RAFTILINE」で入手することができる。あるいは、繊維は、Orafti SA(Tirlemont 3300,Belgium)から、商標「RAFTILOSE」として入手されるものなどのフルクトオリゴ糖の形態であり得る。さもなければ、フルクトオリゴ糖は、イヌリンを加水分解することにより、酵素による方法により、又は微生物を使用することにより、得ることができる。
【0080】
特定の実施形態では、本開示の動物飼料キブルは、0.01重量%〜75重量%のプロバイオティクス強化コーティングを含むことができる。他の実施形態では、キブルは、0.3重量%〜50重量%、又は0.4重量%〜25重量%のプロバイオティクス強化コーティングを含むことができる。この動物飼料キブルの特定の実施形態に使用されるプロバイオティクス強化コーティングの量は、プロバイオティクスのタイプ、動物の食餌、動物の栄養上のニーズ、及び/又は動物飼料の配合が挙げられるがこれらに限定されない、様々な要素に依存し得る。例えば、特定の実施形態において、動物飼料又は動物の食餌は、本開示によるキブルを主に含むことができる。このような場合、キブルは、より低いパーセント(重量)濃度でプロバイオティクス強化コーティングを含み得る。他の実施形態では、動物飼料又は食餌は、1つ以上の他の成分を含むことができる。例えば、一実施形態では、動物飼料は、ゼラチン化デンプンを実質的に含まない植物性タンパク質ベースコアマトリックスと、少なくとも1つのプロバイオティクス強化コーティング(詳細は本明細書に記述される)と、を有する活性キブル、及び、1つ以上の従来型キブルを含む、2つ以上のキブルタイプ成分を含むことができる。このような場合、活性キブルは、より高いパーセント(重量)濃度でプロバイオティクス強化コーティングを含み得る。キブルに含まれるプロバイオティクスコーティングの濃度は、その動物に投与するのに望ましいプロバイオティクス(又はその他の活性成分)の量から容易に決定することができる。
【0081】
プロバイオティクス強化コーティングなどの活性コーティングにおいての使用のためのコーティング材料は、本明細書に上記されている。
【0082】
本開示の特定の実施形態は、コアマトリックスと、コアマトリックスの表面の少なくとも一部分の上の少なくとも1つの活性コーティングと、を含む動物飼料キブルを提供する。特定の実施形態では、少なくとも1つの活性コーティングは、本明細書に記述されている1つ以上のプロバイオティクス微生物で強化されたコーティングのような、少なくとも1つのプロバイオティクス強化コーティングを含む。
【0083】
特定の実施形態では、本明細書に記載の様々な実施形態の動物飼料キブルは、25重量%〜99.99重量%のコアマトリックスと、0.01重量%〜75重量%の少なくとも1つの活性コーティングと、を含む。動物飼料キブルの他の実施形態は、50重量%〜99.7重量%のコアマトリックスと、0.3重量%〜50重量%の少なくとも1つの活性コーティングと、を含むことができる。動物飼料キブルの更に他の実施形態は、75重量%〜99.6重量%のコアマトリックスと、0.4重量%〜25重量%の少なくとも1つの活性コーティングと、を含むことができる。これらの実施形態による動物飼料キブルは、本明細書の記載のように、少なくとも1つの追加コーティングを活性コーティングの表面の少なくとも一部分上(又は活性コーティング上の1つ以上の中間コーティング上)に、追加的に含むことができる。
【0084】
本開示の更なる実施形態は、本明細書に詳細を記載の動物飼料キブルの様々な実施形態などの、動物飼料キブルを形成するプロセスを提供する。特定の実施形態によると、このプロセスは、本明細書に記載のようにコアマトリックスを押出成形することと、プロバイオティクス強化コーティングなどの活性成分を含むコーティングのようなコーティングでコアマトリックスの表面の少なくとも一部分をコーティングすることと、を含む。他の実施形態では、このプロセスは更に、第二コーティング又は層でプロバイオティクスコーティングの表面の少なくとも一部分をコーティングすることを含むことができる。
【0085】
特定の実施形態では、コアマトリックスの押出成形は、単軸押出成形機を使用して実施することができ、一方他の実施形態は、二軸押出成形機を使用して実施することができる。
【0086】
別の実施形態では、本開示は、第一キブルと、第二キブルとを含み、第一キブルが、第一キブルの約16重量%〜約50重量%のタンパク質源と、第一キブルの約5重量%〜約35重量%の脂肪源と、炭水化物源と、を含み、第二キブルが、例えば本明細書に記載の、任意のタンパク質ベースコアマトリックスのような、ゼラチン化デンプンのマトリックスを実質的に含まない、タンパク質ベースコアマトリックスを含む、ペットフードを提供する。
【0087】
これらの実施形態によると、第一キブルは、動物の良好な栄養状態を維持するための食餌に必要なタンパク質、脂肪及び炭水化物を提供するキブルであることができる。特定の実施形態では、第一キブルは、第一キブルの0重量%〜50重量%の範囲のタンパク質源を含むことができる。他の実施形態では、このタンパク質源は第一キブルの16重量%〜50重量%、又は更には20重量%〜50重量%の範囲であることができる。追加のタンパク質、脂肪及び炭水化物の望ましい量を提供するために、多くのキブル配合を第一キブルに使用できることが、当業者には認識されよう。加えて、第一キブルは、例えばビタミン、無機質、着色料、風味剤、及びこれらに類するものなどの追加成分を含むことができる。
【0088】
特定の実施形態では、第二キブルは、ペットフードのキブルの最大90%まで含まれ得る。例えば、第二キブルは、ペットフードのキブルの2%〜90%又はキブルの2%〜50%、又は更にはキブルの2%〜25%含まれ得る。別の方法としては、キブルは、第一キブルと第二キブルの特定比率で存在し得る。本開示のペットフード組成物において、例えば、第一キブルと第二キブルは、少なくとも約2:1、又は少なくとも約5:1、又は少なくとも約10:1の重量比で存在し得る。本開示の他の実施形態において第一キブルと第二キブルとは、約2:1〜約50:1、又は約5:1〜約25:1、又は約10:1〜約20:1の重量比で存在し得る。
【0089】
様々な実施形態では、第二キブルは更に、タンパク質ベースコアマトリックスの表面の少なくとも一部分上に、少なくとも1つの活性コーティングを含み得る。例えば、少なくとも1つの活性コーティングは、本明細書に記載の任意の活性コーティングを含むことができる。一実施形態では、活性コーティングは、本明細書に記載の脂肪及び添加剤などの、添加剤を含有している脂肪を含み得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの活性コーティングは、プロバイオティクス強化コーティングであり得る。プロバイオティクス強化コーティングの例は、本明細書に詳細に記述されている。
【0090】
ペットフード組成物は、物理的に区別される構成要素(すなわち、第一キブルと第二キブル)から構成することができる。ペットフードは、第一キブルと第二キブルの様々な異なる提示として提供することができる。例えば、ペットフード組成物は、第一キブルと第二キブルの不均質な混合物として提供することができる。あるいは、給餌の時点で、第一キブルと第二キブルとを任意の方法又は望ましい量で組み合わせることのできる、別個に包装された構成要素として提供することができる。例えば、ペットフード組成物は、第一収容機構と第二収容機構とを備えることができ、ここで、第一収容機構は、少なくとも一部の第一成分を収容し、第二収容機構は、少なくとも一部の第二成分を収容し、例えば、第一収容機構はバッグであり得、それに対して第二収容機構はキャニスタであり得る。消費者の利便性のために、少なくとも一部の第一成分を収容するバッグは、少なくとも一部の第二成分を収容するキャニスタもまた収容することができる。他の様々な体裁のいずれも、当業者には十分に理解される。
【0091】
ペットフード組成物、又はそれらの成分は、栄養的にバランスのとれたものであっても、栄養的にバランスのとれたものでなくてもよい。
【0092】
本開示のペットフード組成物の第一キブルは、タンパク質源と、脂肪源と、炭水化物源と、を含むことができる。第一キブルの例には、従来型のペットフードキブルが挙げられる。第一キブル自体は、栄養的にバランスのとれたものであっても、栄養的にバランスのとれたものでなくてもよい。一実施形態では、第一成分は、栄養的にバランスのとれたものである。
【0093】
一実施形態では、第一キブルは、乾燥重量基準で、第一キブルの約20重量%〜約50重量%の粗タンパク質、又は約22重量%〜約40重量%の粗タンパク質を含み得る。粗タンパク質材料は、タンパク質含量が少なくとも約15重量%のいずれかの材料を含んでもよく、その非限定例としては、大豆、綿実及び落花生などの植物性タンパク質、カゼイン、アルブミン、及び肉組織などの動物性タンパク質が挙げられる。本発明で有用な肉組織の非限定的な例としては、新鮮な肉、及び魚粉、家禽粉、肉粉、骨粉などの乾燥又は精製粉が挙げられる。他の種類の好適な粗タンパク質源としては、小麦グルテン又はトウモロコシグルテン、並びに酵母などの微生物源から抽出されたタンパク質が挙げられる。
【0094】
第一キブルは、脂肪源を含むことができる。一実施形態では、第一キブルは、乾燥重量基準で、第一成分の約5重量%〜約35重量%の脂肪、好ましくは約10重量%〜約30重量%の脂肪を含み得る。脂肪源は広く知られており、本明細書で例えば蝋、脂肪、脂肪酸、及び脂質を含むものと定義される、脂肪源を含む任意の成分が挙げられる。蝋、脂肪、脂肪酸、又は脂質の具体例は、しばしば、当該技術分野において一般的な命名法によれば交換可能であり得、例えば、脂質はまた、しばしば脂肪として特徴付けられ得る。本発明者らは、命名法のいずれか特定の表記だけに限定されることを意図しておらず、蝋、脂肪、脂肪酸、脂質といった具体的な材料分類は便宜上なされるものにすぎない。
【0095】
例えば、この脂質成分は、ココアバター成分、又は植物油若しくは部分的に水素添加された植物油である脂肪を含み得る。脂質成分は、代替的に又は追加的に、動物由来脂肪成分を含むことができる。当該技術分野では一般的に知られているように、動物由来脂肪成分は、動物から得られる脂肪を含む。非限定的な例としては、牛肉、家禽肉、豚肉、及びラム肉(例えば、ラード及びタロー)が挙げられる。また酪農脂肪としては、例えば、乳脂肪、分画乳脂肪、及びバター脂肪を挙げることができる。脂質成分は、代替的に又は追加的に、脂肪酸を含むことができる。例示的な供給源としては、ω−3又はω−6脂肪酸が挙げられる。好適な脂肪酸の他の例としては、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びラウリン酸を挙げることができ、それらの好適な塩がそれに含まれる。好適な脂肪酸の更なる例としては、パルミチン酸セチル、酢酸、乳酸、若しくはクエン酸モノ−及びジ−グリセリド脂肪酸、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、並びにモノ−、ジ−、及びトリグリセリド(それらのいくつかは、また、脂肪としても特徴付けられ得る)など、エステル又はそれらの他の誘導体が挙げられる。組成物は、代替的に又は追加的に、蝋を含むことができる。例えば、例示的な蝋としては、パラフィン蝋、蜜蝋(例えば、白色若しくは黄色)、カルナバ蝋、キャンデリラ蝋、マイクロクリスタリンワックス、コメヌカ蝋、セチルエステル蝋、及び乳化蝋が挙げられる。
【0096】
例示的な炭水化物源としては、米、トウモロコシ、ミロ、サトウモロコシ、大麦、アルファルファ、小麦などのグレイン又は穀物がある。これらの炭水化物源及びそれらの典型的な濃度は、伝統的なペットフード組成物において広く知られている。
【0097】
ダスティング
本発明の一実施形態は、上記のように押出成形することができるコアと、このコア上にダスティングされたダスティングと、を備えるダスティングされたキブルの形態で、ペットフードを提供する。一実施形態では、コアは、全体がダスティングされたキブルの50〜100%を構成することができる。一実施形態では、コアは、12%未満の含水量を有することができ、ゼラチン化デンプンマトリックスを含むことができ、これは本明細書に記載の押出成形プロセスにより形成することができる。一実施形態では、コアは、栄養的にバランスをとることができる。
【0098】
一実施形態では、ダスティングされたキブルは、コアとダスティングとを備える。コアは、コアマトリックスを形成する複数の成分を含むことができる。1つの非限定例では、コアは、炭水化物源、タンパク質源及び/又は脂肪源を含むことができる。一実施形態では、コアは、20〜100%の炭水化物源を含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜80%のタンパク質源を含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜15%の脂肪源を含むことができる。コアはまた、他の成分も同様に含むことができる。一実施形態では、コアは、0〜80%の他の成分を含むことができる。
【0099】
本開示の実施形態は、本明細書に記載のようなコアマトリックスとダスティングとを備えたキブルを含む動物飼料キブルを含むことができる。ダスティングは、コアマトリックスの表面上の少なくとも1つの活性成分ダスティングを含むことができ、活性ダスティングとして又は活性物質若しくは活性成分を含むダスティングとして参照することができる。好適な活性物質は、本明細書に開示され、例えば、酵素、抗体、免疫グロブリン、サイトカイン、エピジェネティクス剤、ビタミン並びにプロバイオティクス微生物及び材料が挙げられる。更に、ダスティングは、本明細書に列挙されている活性成分のいずれかを含むことができる。
【0100】
特定の実施形態では、活性ダスティングは、少なくとも1つのプロバイオティクス強化ダスティングを含むことができる。このプロバイオティクス強化コーティングは、非限定例では、1グラム当たり少なくとも10CFUのプロバイオティクス微生物活性を有するプロバイオティクス成分、酵母、酵素、抗体、免疫グロブリン、サイトカイン、エピジェネティクス剤及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるプロバイオティクスを含むことができる。他の実施形態では、プロバイオティクスは、キブルの重量に対して測定され得る。本明細書で使用するとき、用語「プロバイオティクス」、「プロバイオティクス成分」、「プロバイオティクス微生物」及び「プロバイオティクス剤」は、全て同義で互換的に使用される。
【0101】
上記のように、ダスティングは、上記のような活性物質などの第一成分を含むことができ、活性物質としては、プロバイオティクス微生物を挙げることができるが、これに限定されない。一実施形態では、第一成分には、ダスティングが他の物質を実質的に含まないように、ダスティング全体を含むことができる。一実施形態では、ダスティングには、上記のような第二活性物質などの第二成分を含むことができ、第二活性物質としてはビタミンを挙げることができるが、これに限定されない。更に別の実施形態では、ダスティングは、上記のような第三活性物質などの第三成分を含むことができ、第三活性物質としてはグルコース模倣体を挙げることができるが、これに限定されない。他の実施形態は、上記のような追加的活性物質などの任意の数の成分を含むことができる。したがって、ダスティングは、活性物質などの任意の数の成分を含むことができる。
【0102】
一実施形態では、ダスティング及び/又はコアは、コア上でダスティングされるダスティング、又は、複数のダスティングの場合の他のダスティングのために、結着剤、結合材及び/又はキャリア/キャリア基材を、含まない又は実質的に含まなくてもよい。一実施形態では、結合剤、結着剤、又はキャリアは、物質又は組成物を、他の物質又は組成物に固定、結合、取り付け、結着、接着又は粘着するために主に使用される又は補助に使用される物質又は組成物を意味する。例えば、脂肪成分、タンパク質、水、風味コーティングは、プロバイオティクスがペットフードキブルなどの動物飼料に接着又は粘着するように、結合剤、結着剤、又はキャリア/キャリア基材として使用することができる。したがって、一実施形態では、ダスティングされたキブルは、コアと、ダスティングと、を含むことができ、この場合、実質的に、結着剤、結合剤又はキャリアは全く使用されない。本明細書に記載のように、ダスティングは、1つの非限定例では、プロバイオティクスを含むことができる。
【0103】
ダスティング
一実施形態では、ダスティングプロセスを使用して活性物質をコアに適用することで、ダスティングされたキブルをもたらすことができる。活性物質は、プロバイオティクスを含むことができる。ダスティング実施形態はコア上へのプロバイオティクス成分のダスティングに関して記載されるが、ダスティングの助けとなる任意成分が使用できることが理解されるべきであり、そのため、本出願人はプロバイオティクスのみに制限しようと意図していない。理論に束縛されるものではないが、ファンデルワールス力は、プロバイオティクス粒子とコアとの間に適切な接着を提供するため、プロバイオティクス粒子を含むダスティングは結合剤又は結着剤を実質的に含まなくてもよいと考えられている。理論に束縛されるものではないが、ファンデルワールス力は、ダスティングとコアとの間に引力を提供すると考えられている。更に、理論に束縛されるものではないが、水素結合も接着において役割を果たすと考えられている。水素結合は、窒素、酸素及びフッ素などの電気陰性原子に共有結合した水素原子と、別個の分子の別の電気陰性原子との間の引力である。電気陰性原子は原子周辺を負に帯電させる、より大きな電子引力を有する。この電子の不均一分布は、水素領域に正電荷を帯びさせ、2分子間の双極子分子間相互作用を可能にする。この結合は、ファンデルワールス結合よりも強いが、分子内共有結合よりも弱い。ほとんどのタンパク質及び炭水化物は、水素結合を形成できる複数の基を含有する。
【0104】
したがって、一実施形態では、ダスティングは、プロバイオティクスを含み、結合剤又は結着剤を実質的に含まないものであることが可能である。したがって、ダスティングプロセスは、コア上にダスティングをダスティングすることを含むことができ、ここで、ダスティングはプロバイオティクスを含み、結合剤又は結着剤を実質的に含まない。
【0105】
本発明の一実施形態では、ペットフードキブルをダスティングするためのプロセスは、表面を有するコアマトリックスの形状でペットフードキブルを供給することと、第一成分を含む粉末を供給することと、粉末をペットフードキブル又はコアマトリックス又はキブルの表面上にダスティングすることと、を含み、ここで、ダスティングは実質的に結着剤又はキャリアを含まずに生じる。本明細書で使用するとき、用語「ダスティング」又は「ダスティングされる」又は「ダスティングする」は、粉末、微粒子又はダスト様物質で適用すること、例えば、固体粒子の形状である、プロバイオティクス微生物及び/又はその成分及び/又は任意の安定/保存助剤を含む粉末を適用すること、を意味する。一実施形態では、ダスティングは、本明細書に開示されているようなキブルなどの動物フード上への、プロバイオティクスなどの活性物質のような粉末の乾燥混合であることができる。乾燥混合プロセスはまた、本明細書に開示されているように、結合剤、結着剤及び/又はキャリア基材を実質的に含まないで行うことができる。ダスティングは、一実施形態では、その目的がダスティングされる一群のキブルを通して実質的に均質な適用を確かにすることができるように、行うことができる。一実施形態では、キブルのほとんど又は実質的に全ての表面積は、プロバイオティクス粉末にさらすことができる。一実施形態では、粉末の分布は、キブルの表面にわたって実質的に均質であることができる。本明細書で使用するとき、ダスティングは、少なくとも表面の大半にわたって、粉末又はダストを分散させる意図を有することができる。ダスティングの一実施形態では、本明細書に開示されるように、機械的ミキサーを使用することができる。一方で、ふりかけることでキブル上の粉末を散乱させるか又はランダムに配置することができ、この場合、粉末にキブルの実質的に全ての表面積をさらさない。ふりかけることはまた、対象物の一部分のみ又は限定された表面にわたっての局所適用の一形態である。更に、ふりかけることは通常、手作業であり、例えば、動物フードの塊の上にヒトが粉末をふりかける。一実施形態では、ふりかけることをダスティングと比較すると、ダスティングは、ふりかけることで得られるよりもはるかに高レベルの粉末の接着をもたらす。プロバイオティクス微生物のダスティングは、本明細書に記載のような混合装置により適用され、キブルのバッチを通してほぼ均質な適用を確かにすることができる、粉末形状の混合物などの混合物を使用して実施することができる。したがって、混合物又は粉末は、ある数のプロバイオティクス微生物を含むことができ、混合物又は粉末はプロバイオティクス微生物だけであってもよく、又は、本明細書に記載のように、安定助剤及び/又は保存助剤などの別の成分と混合されてもよい。本明細書に開示されているような実施形態を包含する特定の非限定例では、プロバイオティクス粉末は、10,000,000グラムのキブル当たり約1グラム〜10グラムのキブル当たり約1グラム、並びにこれらの間の全ての数を構成することができる。これらの重量の粉末は、例えば、マルトデキストリン及びアスコルビン酸などの本明細書に記載のような安定所剤と保存助剤を含むことができる。一部の実施形態では、ダスティングは、コアの表面にわたって実質的に均質であることができる。他の実施形態では、ダスティングは、コアの表面にわたって実質的に均質ではない。
【0106】
更に、本発明の一実施形態では、ダスティングは、結合剤、結着剤又はキャリアを実質的に含まないで実施することができる。一実施形態では、結合剤、結着剤又はキャリアは、本明細書に記載のような安定及び/又は保存助剤などのプロバイオティクス粉末に含まれる粒子又は成分を含まない。他の実施形態では、プロバイオティクス粉末は、安定及び/又は保存助剤を実質的に含まないことが可能である。一実施形態では、「実質的に含まない」は、5ppm未満のダスティングを意味する。結合剤、結着剤及びキャリアの非限定例としては、乾燥粒子又は物体の接着用途のためにキブルの表面に適用される液化剤を挙げることができる。非限定例としては、例えば、大豆油、綿実油、家禽油、タロー、部分硬化脂肪、脱蝋脂肪、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドなどの部分グリセリド及びこれらの組み合わせ;蝋;などだがこれらに限定されない脂肪及び脂肪マトリックス;タンパク質又は、鶏ブロス、乳清、卵白、加水分解タンパク質、トウモロコシゼイン及びゼラチンなどだがこれらに限定されないタンパク質材料;糖及び糖マトリクス;デンプン及び/又は変性デンプンを挙げることができる。これらの結合剤は、典型的には、結合剤を溶解又は懸濁した液体又は溶媒を使用して表面に適用することができる。
【0107】
ダスティングできるプロバイオティクス粉末は、安定及び/若しくは保存助剤を含むことができることを理解すべきである。安定助剤は、遊離水を除去すると考えることができる。保存助剤は、遊離ラジカルを除去すると考えることができる。例えば、プロバイオティクスの場合、粉末は、マルトデキストリン及び/若しくは糖などだがこれらに限定されない安定助剤、並びに/又は、アスコルビン酸などだがこれに限定されない保存助剤を含有することができる。したがって、一実施形態では、粉末は、プロバイオティクス微生物と、安定助剤と、保存助剤と、を含む。一実施形態では、粉末は、100%プロバイオティクス微生物を含むことができる。別の実施形態では、粉末は、約50%〜約99%のプロバイオティクス、約60%〜約90%のプロバイオティクス、約65%〜約85%のプロバイオティクス、約65%〜約75%のプロバイオティクス、約1%〜50%の安定助剤、約10%〜40%の安定助剤、約15%〜35%の安定助剤、約25%〜35%の安定助剤(非限定例は、マルトデキストリンなど)、並びに、約0%〜約5%の保存助剤、約0%〜約3%の保存助剤、約0%〜約2%の保存助剤、約0.5%〜約1.5%の保存助剤(非限定例はアスコルビン酸)、並びにこれらの全ての組み合わせ及び混合物を含むことができ、これらの間の全範囲を包含する。これらの安定助剤及び保存助剤は、一実施形態では、結合剤、結着剤又はキャリアと考えず、粉末には結合(ペットフードキブルへの結合など)を目的とした、追加的なキャリア又は結合剤を全く添加しない。これらの安定及び/又は保存助剤は、プロバイオティクス微生物の安定性のために添加することができる。したがって、一実施形態では、ダスティング粉末は、1グラム当たり10CFU超、1グラム当たり1011CFU超及び1グラム当たり1013CFU超であることができるCFUを有する、20%超のプロバイオティクスを含有する。別の実施形態では、粉末は、プロバイオティクス微生物、マルトデキストリン及びアスコルビン酸を含むことができる。
【0108】
各プロバイオティクス微生物又は粉末形状の混合物の粒径は、キブルのコアマトリックスなどの基材への、少なくとも1つのプロバイオティクス微生物の接着を、しかしながら長期にわたってもたらす任意の寸法であることができる。一実施形態では、プロバイオティクス微生物の混合物は、100マイクロメートル未満の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。一実施形態では、プロバイオティクス微生物の混合物は、75マイクロメートル未満の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。一実施形態では、プロバイオティクス微生物の混合物は、75マイクロメートル未満であるが10マイクロメートル超の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。別の実施形態ではプロバイオティクス微生物の混合物は、一部が100マイクロメートル未満であり、一部が100超であるような、様々な粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。少なくとも一実施形態では、500マイクロメートル超の粒径を有する一部のプロバイオティクス微生物は、キブルに対する接着が容易に又は簡単に生じない点で、ダスティングを助けない恐れがある。これらの実施形態のいずれかでは、プロバイオティクス微生物の混合物は、特定の範囲外の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができ、あるいは、特定の範囲内のみの粒径を有するプロバイオティクス微生物のみを含むことができる。ダスティングを助ける粒径としては、500マイクロメートル未満、400マイクロメートル未満、300マイクロメートル未満、200マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、並びに10マイクロメートル程度、並びにこれらの全ての範囲内の粒径を挙げることができる。一実施形態では、粒径は、10マイクロメートル〜75マイクロメートルであり得る。
【0109】
寸法を更に参照し、一部の実施形態で粒径が複数の形状、不規則な形状及び寸法を取ることができることを評価すると、粒子の寸法が議論されるときはいつでも、その寸法は、ASTM E 11−70(1995)を使用するメッシュスクリーンにより決定又は測定できることを理解すべきである。したがって、本明細書に記載のような75マイクロメートル未満の寸法は、No.200メッシュを通過する粒子により決定することができる。これにより、適切なメッシュ寸法を使用して、本明細書に記載のような必要とされる粒径を決定又は測定することができる。
【0110】
本明細書に記載のプロバイオティクス微生物の粒径を理解するのを助けるために、以下の説明を提供する。プロバイオティクス粉末は、一実施形態では、プロバイオティクス細菌を非常に大きな撹拌槽内の富栄養ブロス中で発酵させることにより、製造することができる。発酵が完了すると、固体のみが残るまでブロスを乾燥させる。次に、この固体を粉末に粉砕し、フリーズドライ又は凍結乾燥することができ、並びに、ダスティングのために本明細書に開示されている本発明の実施形態において使用することができる。この粉末は、乾燥発酵ブロスであることができ、栄養、細菌副産物及び/又は休眠プロバイオティクス細菌/微生物を有することができる。粉末は、マルトデキストリン及び/若しくは糖などだがこれらに限定されない安定助剤、並びに/又は、アスコルビン酸などだがこれに限定されない保存助剤を含有することができる。したがって、一実施形態では、粉末の一部分のみがプロバイオティクス微生物を含む。更に、粉末粒子は一般に不規則形状粒子から構成することができ、本明細書に記載のように測定又は決定することができる。上記は、プロバイオティクスの製造の一プロセスのみであり、製造プロセスがどのようなものであれ、ダスティングを助ける任意のプロバイオティクスが使用できることを理解すべきである。
【0111】
一実施形態では、ダスティングされる混合物は、本明細書に記載されているような他の成分及び/又は活性成分のいずれかを含むことができる。他の成分としては、非限定例では、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣体成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、並びにこれらの混合物及び組み合わせの供給源などの活性成分を含むことができる。ダスティングされる混合物は、キブルに接着するようにダスティングするのに最適である適切な寸法の粒子を含むことができる。
【0112】
したがって、本明細書に記載の動物飼料キブルの様々な他の実施形態は、ダスティングできる少なくとも1つの追加的な活性成分を更に含むことができる。追加的な活性成分はまた、一実施形態では、結合剤を使用してコーティングすることができる。例えば、少なくとも1つの追加的なダスティング又はコーティングは、追加的な活性成分(本明細書に記載のものなど)を含有する1つ以上のダスティング又はコーティング、あるいは、1つ以上のプロバイオティクス強化コーティング又はダスティングを含むことができる。他の実施形態では、1つ以上の追加的なコーティング又はダスティングは、コーティング材料のみを含んでもよく、ここで、1つ以上の追加的なダスティング又はコーティングは、この食物組成物の安定性を向上させることができる。
【0113】
本開示内でプロバイオティクス粒子の寸法が開示されているが、これらの寸法は、任意の寸法の粒子がダスティングに使用できることを制限するのを決して意図していないことを理解すべきである。その上、複数の寸法の粒子の任意の混合物を使用することができる。したがって、混合物は、複数の寸法の粒子を含むことができる。混合物は、実質的に同じ寸法の、又は異なる寸法の粒子を含むことができ、その全て又は一部はダスティングを助ける。他の混合物は、ダスティングを助けることができる混合物の粒子を含むことができ、一方で、混合物の他の粒子は、ダスティングを助けなくてもよい。もちろん、本明細書に記載のように、異なるタイプの粒子を使用することができる。
【0114】
したがって、本発明の実施形態は、ダスティングされたキブルを形成するために、結合剤又はキャリアを実質的に使用することなく、プロバイオティクス微生物をキブルコアの表面上にダスティングすることによるなどして、固体のプロバイオティクス微生物又は任意の他の活性物質をキブル上に接着することを含むことができる。一実施形態では、ダスティングされたキブルは、上記のようなコアマトリックスと、プロバイオティクス微生物粒子を含む粉末と、を含むキブルを含み、粉末は、コアマトリックス上にダスティングを含んで、実質的に結合剤、結着剤及び/又はキャリアを含まないダスティングされたペットフードキブル(a dusted pet food kibble)を形成する。一実施形態では、ダスティングは、キブルの表面に接着する。しかしながら、キブルの表面が、通常、均一な平滑表面ではないことを理解すべきである。ほとんどの状況では、キブルの表面は、通常、粗いものであり得、したがって、隈、くぼみ、陥没、凹部、圧痕及びこれらに類するものを有し得る。したがって、少なくとも一実施形態では、本明細書に記載の粉末がキブル上にダスティングされると、粉末の粒子は、キブルの表面だけでなく、これらの隈、くぼみ、陥没、凹部、圧痕及びこれらに類するものの中に接着することができる。
【0115】
上記のように、一実施形態では、キブルは、実質的に結合剤、結着剤又はキャリアを含まなくてもよい。したがって、この実施形態では、ダスティングは、キブルへのプロバイオティクス微生物の結合での又は接着での使用のために、実質的に結合剤、結着剤又はキャリアを使用することなく行うことができる。結合剤又はキャリアは、典型的には、キブルにプロバイオティクス微生物などの活性成分を接着又は保護する際に補助するために使用することができる。例えば、脂肪コーティングはコアに適用することができ、これは、コアがプロバイオティクス微生物を受容及び接着するのにより受容的になるという点で、プロバイオティクス微生物の適用を補助することができるが、これは脂肪の性質からコーティングがより接着性になるからである。代替としては、プロバイオティクス微生物のカプセル化、他のコーティング、特にコアのコーティングに接着するプロバイオティクス混合物中のキャリア、が挙げられる。
【0116】
したがって、ダスティングが実質的に結合剤又はキャリア剤を含まないことが可能である実施形態では、ダスティングプロセス中に粉末の接着特性に影響し得る多くの可変要素が存在する。更には、理論に束縛されるものではないが、可変要素のうちの多くは、ダスティングプロセス中か又はコアそれ自体に対してかのいずれかで調整することができ、結果として、商業的に実現可能な粉末のダスティングを有するペットフードキブルをもたらす。粉末の接着特性に影響し得る可変要素のいくつかは、粉末中の粒子の粒径、粉末接着に利用可能であるコアの表面積、ダスティング時のコアの温度、コアの表面粗さ、使用される粉末の量、コアに対する粉末の適用方法、静電荷、及び、コアに対する粉末の適用時の局所環境の相対湿度であり得る。これらの可変要素の各々についてこれから順番に扱う。
【0117】
上記のように、一実施形態では、粉末中の粒子の粒径は、コア上への粉末の接着特性に影響を与えることができる。一実施形態では、粉末は100マイクロメートル未満の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。別の実施形態では、粉末は75マイクロメートル未満の粒径を有するプロバイオティクス微生物を含むことができる。一実施形態では、プロバイオティクス微生物は、約10マイクロメートル〜約75マイクロメートルの粒径を有することができる。これらの実施形態のいずれかでは、安定助剤及び/又は保存助剤を含有できるプロバイオティクス粉末はまた、本明細書に記載のように、プロバイオティクスの粒径に適合する粒径を有することができる。前述のように、粒径は、ISO 13320の下でのレーザー回折分析により測定されるような粒径として定義される。本発明者らが発見したところでは、少なくとも一実施形態では、本明細書に記載しているようなプロバイオティクス微生物を含む粉末を使用する際、粉末の粒径が低下する又は小さくなるにつれて、より大きな粒子において優勢である重力が目立たなくなり、ファンデルワールス力が優勢になる。通常、ファンデルワールス力は、100マイクロメートル未満の粒径に対して優勢であり、結果として、100マイクロメートル未満の粒径が特に有利となるが、これに限らない。本明細書に開示されているような粒径が粉末の粒子の一部のためのものであり得ることを更に理解すべきである。したがって、一実施形態では、粒子の一部が本明細書に開示されているような粒径を有する粉末をダスティングすることができる。
【0118】
一実施形態では、粉末接着に利用可能であるコアの表面積も、コア上の粉末の接着特性に影響を与えることができる。一実施形態では、利用可能なコアの表面積は、最小限でも、適用される各粒子がコアの表面に接触できるのに十分である。別の実施形態では、当業者であれば気付くように、押出成形された乾燥ペットフードコアは、不規則な非平坦表面を有し、結果として広い表面積、並びに、上記のような小窩、孔、間隙及びこれらに類するものを生じ、その中に多くの粒子が留まるようになり、ひいてはキブルコア上に付着することができる。一実施形態では、約1m/9L(体積)〜10m/9L(体積)のキブル表面積、並びにこれらの間の全数範囲を、使用することができる。別の実施形態では、約4m/9L〜約6m/9Lの表面積を使用することができる。
【0119】
一実施形態では、本開示にわたって更に詳細に記載するように、複数の温度可変要素もまた、コア上への粉末の接着特性に影響を与えることができる。例えば、コアの温度、粉末の温度及びダスティングプロセスの温度は全て、個々に及び総じて、コア上への粉末の接着特性に影響を与えることができる。一実施形態では、コア温度は、0℃、又は水の凝固点よりも高くすることができる。水の凝固点よりも低い温度では、氷晶がコアの表面上に形成される場合があり、表面硬度の上昇が生じる。この表面硬度の上昇は、粉末の接着を妨げ得る。別の実施形態では、コア温度は、ダスティングプロセスの任意の部分中、0℃〜20℃に維持される。別の実施形態では、コア温度は、ダスティングプロセスの任意の部分中、0℃〜80℃、又は0℃〜60℃、又は20℃〜80℃に維持される。別の実施形態では、コア温度は、ダスティングプロセスの任意の部分中、20℃〜80℃に維持される。更に、別の実施形態では、コア温度は、プロバイオティクス微生物又は他の活性物質の失活点よりも低くすることもできる。
【0120】
一実施形態では、ダスティング中の湿度を変更することができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、20%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、30%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、40%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、50%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、60%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、70%未満であることができる。一実施形態では、ダスティング中の湿度は、80%未満であることができる。別の実施形態では、湿度は、ダスティング中のコアの温度に依存して変わることができる。コアの温度が約40℃である一実施形態では、湿度は30%以下であることができる。コアの温度が40℃よりも高い別の実施形態では、湿度は30%以下である。
【0121】
別の実施形態では、キブルの水分活性は、ダスティングに影響を与えることができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.1以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.2以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.3以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.4以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.5以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0.6以下の水分活性を有するキブル上で実施することができる。一実施形態では、コアは、ダスティング中12%未満の含水量であることができる。
【0122】
別の実施形態では、プロバイオティクスの失活を低減できるプロバイオティクス粉末のダスティングを実施することができる。一実施形態では、ダスティングは、約0の活性の対数損失を生じることができる。別の実施形態では、ダスティングは、約0.5の活性の対数損失を生じることができる。別の実施形態では、ダスティングは、約1.0の活性の対数損失を生じることができる。別の実施形態では、ダスティングは、約1.5の活性の対数損失を生じることができる。別の実施形態では、ダスティングは、約2.0の活性の対数損失を生じることができる。ダスティング及び関連する活性の対数損失は、本明細書に開示されているような任意の寸法の粒子に対して生じることができる。
【0123】
したがって、本発明の実施形態は、上記可変要素の任意の組み合わせ又は混合物を含むことができる。
【0124】
本開示を通して、コーティング実施形態及びダスティング実施形態は使用されること、本開示内であればどこでも用語「コーティング」が使用されることが理解されるべきであり、ダスティングも又使用できることが理解されるべきである。したがって、任意のペットフード実施形態は、ダスティング及び/又はコーティングすることができる。
【0125】
プロセス
乾燥ペットフードを製造するのに一般的なプロセスとしては、ミリング、バッチング、調湿、押出成形、乾燥及びダスティングを挙げることができる。ミリングは、成分全体又は部分をより小さな形状に低減するために使用される任意のプロセスを包含することができる。配合物全体又は部分は、乾燥及び/又は液体成分を混合することによるバッチングのためにプロセス工程にて作ることができる。多くの場合、これらの成分は、ほぼ栄養価の高い又は消化可能な形態ではなく、したがって、これらの成分を調理プロセスを介して消化可能な形態に更に転化するプロセスが必要とされる。
【0126】
ミリングプロセス中、コア材料の個々の出発成分は、コア材料を形成するために、所望比率で一緒に混合及びブレンドすることができる。一実施形態では、得られるコア材料は、そこからの材料の任意の大きな粒塊を除去するために、篩にかけることができる。プローミキサー、パドルミキサー、流動ミキサー、コーンミキサー、ドラムミキサー及びこれらの混合物及び組み合わせなどであるがこれらに限定されない任意の種類の従来の固体ミキサーをこの工程で使用することができる。固体混合業者であれば、固体混合の主題の多数の広範なテキスト及び論文の任意の1つから、材料のタイプ、粒径及びスケールに基づいて混合条件を最適化できるであろう。
【0127】
次に、コア材料混合物は、調湿機の中に送り込むことができる。調湿は、成分を前処理するために使用することができ、水和、他の成分の添加/混合、部分調理、並びにこれらの混合物及び組み合わせを含むことができる。調理は、多くの場合、流体の形態での加熱により達成することができ、約45℃〜約100℃(約113〜約212°F))の排出温度を生じることができる。約100℃(212°F)超の温度など、温度が標準的な大気条件を超えることが必要とされる場合には、加圧調湿を使用することができる。調湿された成分は、次に、更なる加工のために押出成形機に移送することができる。
【0128】
次に、コア材料は、膨潤コアペレットを得るために、押出成形操作にかけることができる。一実施形態では、コア材料は、押出成形操作に先立って、ホッパーに送ることができる。押出成形機は、任意の好適な単軸又は二軸調理押出成形機であることができる。好適な押出成形機は、Wenger Manufacturing Inc.(Clextral SA,Buhler AG)などから入手することができる。押出成形機の条件は、製造される特定の製品に依存して様々であり得る。例えば、押出成形された製品の質感、硬度又はバルク密度は、押出成形機の操作パラメータを使用して変更することができる。調湿と同様に、押出成形は、押出成形機供給ポート、バレル又はダイの長さに沿っていずれかの場所で乾燥及び/又は液体成分流を加えられることによる、他の成分(炭水化物、タンパク質、脂肪、ビタミン、無機質及び保存剤など)の組み込みに使用することができる。押出成形機は、設計上単軸又は二軸であること、並びに最大1700rpm又は更にはそれ以上で操作できるように設計することができるがそれらに限定されない。押出成形プロセスは、多くの場合、高圧(最大10.3MPa(1500psig))及び高温(最大250℃)を伴うことができる。押出成形は、連続的なロープ又はシートだけではなく、食べることができる食物の分離性の形状及び寸法の製造を達成するために、使用することができる。これらの形態、形状及び寸法は、多くの場合、ダイ又はダイのセットの開口部に材料を押し通すことと、より小さな部分に切断又は破断することの結果であり得る。
【0129】
押出成形されたロープ、シート、形状又は部分は、押出成形後の操作に移送することができる。これらは、任意の組み合わせ又は複数のプロセスフローにおいて、クリンピング、裁断、スタンピング、搬送、乾燥、冷却及びダスティングを含むことができる。クリンピングは、食物を一緒につまむ任意のプロセスであることができる。裁断は、押出成形時に好ましくは引き裂くことにより食物の寸法を減少させる任意のプロセスである。スタンピングは、表面をエンボス加工する又は食物を切り通す任意のプロセスであることができる。搬送は、食物を1つの操作から別の操作へ移送するために使用することができ、移送中に食物の状態を変化させる又は維持することができ、多くの場合は、機械的又は空気圧プロセスである。乾燥は、プロセス水分を最終製品の貯蔵寿命に好適なレベルに低減するために使用することができる。膨潤ペレットは、典型的には、搬送、空気搬送又はオージェ(augering)システムにより、押出成形機出口から乾燥機まで典型的には移送することができる。膨張及び乾燥機の入り口までの移送の後、キブルは、典型的には85〜95℃に冷却され、蒸発により水分が約25〜35%から約20〜28%に減少する。乾燥オーブンの温度は、約90℃〜約150℃であることができる。乾燥オーブンを出るコアペレットの温度は、約90℃〜約99℃であることができる。ダスティングプロセスは、次に、炭水化物、タンパク質、脂肪、水、ビタミン、無機質、活性物質及び他の栄養若しくは健康上の利益のための成分を食物に添加して、以降でより詳細に記載する中間体又は最終製品を作製するために、行うことができる。食品の冷却は、押出成形及び/又は乾燥から温度を低下させるために使用することができる。
【0130】
代替の乾燥プロセスは、以下の通りであることができる。典型的なペットフード乾燥のために、約24%含水量のキブルコアは、連続的ベルト乾燥機に特定の滞留時間にわたって入って、約25℃にて測定したときに約6〜約10%含水量及び約0.3〜約0.6の水分活性になるまで乾燥させる。含水量及び水分活性を低下させるために、より高い乾燥温度を使用することができる。含水量及び水分活性を更に低下させるためには、乾燥時間の増加を行うことができる。更に一層の乾燥は、乾燥時間及び温度を上昇させることにより達成することができる。一実施形態では、連続的な乾燥は、単一若しくは複数の空気領域及び/又は単一若しくは複数の経路乾燥機において達成することができる。例えば、複数の経路を有する複数の空気領域における乾燥は、例えば、約6%又は約1%〜約6%の含水量に、並びに、これらの間の全ての範囲といったように、含水量及び水分活性を更に低下させることができる。水分活性は、0.5未満、更には0.1未満に低下させることができ、0.05〜約0.5、それらの間の全範囲にすることができる。別の実施形態では、バッチ乾燥を使用することができる。キブル床高、温度及び乾燥時間は、連続乾燥に関して記載しているのと同様に、含水量及び水分活性に到達するように、変更することができる。1つの非限定例では、8.9cm(3.5インチ)の床高及び154℃(310°F)の温度を使用して、0.1の水分活性に到達することができる。更に、乾燥ベルト幅及びベルト速度も改変することができる。
【0131】
一実施形態では、次に、粉末をコア上にダスティングすることができる。一実施形態では、粉末は、流動パドルミキサーを使用して、コアに適用され得る。コアペレットは、ダスティングされたペットフードキブルの製造時に粉末を適用するために、流動ミキサーに送り込むことができる。
【0132】
一実施形態では、流動ミキサーは、逆回転二軸パドルミキサーであることができ、この軸は、逆回転軸に取り付けられたパドルと水平に配向されている。好適な逆回転二軸パドルミキサーは、Forberg International AS(Larvik,Norway)、Eirich Machines,Inc(Gurnee,Ill.,USA)及びDynamic Air Inc.(St.Paul,Minn.,USA)から入手することができる。シャフト間内のパドルの運動が収束流れ領域を構成することができ、ミキサーの中心で粒子の実質的な流動をもたらす。ミキサーの操作の間、各シャフトのパドルの傾斜が、軸方向に対向する対流流れをもたらすことができ、収束流れ領域内に追加の剪断場を生成する。シャフトの外側のパドルの下向きの軌道が、下向きの対流流れを構成することができる。したがって、一実施形態では、流動ミキサーは、収束流れ領域を逆回転パドル軸のシャフト間内に配置する。
【0133】
一実施形態では、粉末は、粉末成分が逆回転パドル軸間の収束領域中の上方に配向されるように、逆回転二軸パドルミキサーに導入することができる。一態様では、逆回転二軸パドルミキサーは、逆回転パドル軸間の収束流れ領域を有することができ、逆回転パドル軸の押退け体積は、収束流れ領域内に重ならない。粉末は、押退け体積と逆回転パドル軸の間の間隙の中に配向することができる。一態様では、粉末の二軸パドルミキサー内への進入は、逆回転パドル軸の収束流れ領域の下に位置する分配パイプを通して生じる。分配パイプは、少なくとも一つの開口部を備えることができ、開口部を通じて粉末は二軸パドルミキサーに進入する。
【0134】
一実施形態では、粉末は、粉末が逆回転パドル軸間の収束領域の上に下方に配向されるように、逆回転二軸パドルミキサーに導入することができる。
【0135】
一実施形態では、パドル先端と流動ミキサー壁との間の間隙は、ダスティングされているコアペレットの最大寸法を超えることができる。理論に束縛されるものではないが、このような間隙は、コアペレットがパドル先端と壁との間に留まるようになるのを妨げ、おそらくはコアペレットの破断を生じさせると考えられる。
【0136】
一実施形態では、流動パドルミキサーのフルード数は、0.1〜1.5に維持される。フルード数は、無次元数(Fr)=(DN/g)と定義され、重力に対する慣性力に関する。Dはパドルの長さであり、Nはプロペラの回転頻度(rev/秒)であり、gは重力定数である。フルード数は、慣性力と重力を比較する無次元数である。一実施形態では、慣性力は、キブルと粉末を周囲に回転させている遠心力である。過度に高いフルード数では、コアと粉末は、流動化され過ぎて、コアへの粉末のより非効率な適用を生じる。過度に低いフルード数では、混合が遅くなり過ぎて、効果的に粉末をコアに適用できない。
【0137】
一実施形態では、ミキサーを使用してのコアへの粉末の適用の長さは、1秒〜10分、並びにこれらの間の全範囲の秒であり得る。一実施形態では、10〜60秒の適用時間が、コアへの粉末の適用レベルを改善することが判明しているが、これらの適用時間は、制限を意図するものではない。
【0138】
通常、一部の粉末は、本明細書に記載されているような適用プロセス中にコアに接着しなくてもよい。一実施形態では、粉末をコアに適用した後、コアに接着しなかった粉末は、任意の便利な手段(非限定例は篩)によりダスティングされたコアから除去することができる。この粉末は次に、ダスティングの次のバッチで使用することができる。一実施形態では、遊離粉末及びダスティングされたコアは両方とも製造プロセスの次の工程に一緒に送ることができる。
【0139】
一実施形態では、粉末の静電荷は、コアへの粉末の接着に影響を与えるために変更することができる。「静電荷」により、周囲条件中に存在する静電荷を上回る、粉末及び/又はコアに対する静電荷の精密な加減を意味する。静電荷は、任意の便利な方法により、粉末及び/又はコアに印加することができる。ダスティング目的のために粒子に電荷を印加するための様々なタイプの装置が、市販されている。このような装置の非限定例は、Nordson(登録商標)Encore(商標)又はITW Ransburg(登録商標)No.2 Gun/Deuce Unit(商標)である。電荷タイプ(正又は負)及び電荷量は、コア及び粉末の組成物の材料並びに必要とされる静電接着の量に依存して変更することができる。
【0140】
一実施形態では、コアへの粉末の適用方法は、コアへの粉末の接着に影響を与えるために変更することができる。一実施形態では、粉末をキブルに分散させる方法としては、手作業での適用(その非限定例としては、ふりまくこと、噴霧すること、又は重量供給機、オーガー又はベルトを使用せずに調量すること、並びにこれらの混合及び組み合わせが挙げられる)を挙げることができるが、これらに限定されない。コア表面についての粉末の分散及び接触を改善するために、様々なタイプの装置を使用することができる。プローミキサー、パドルミキサー、流動ミキサー、コーンミキサー、ドラムミキサー及びこれらの混合物及び組み合わせなどであるがこれらに限定されない任意の種類の従来の固体ミキサーをこの工程で使用することができる。固体混合の業者であれば、固体混合の主題の多数の広範なテキスト及び論文の任意の1つから、材料のタイプ、粒径及びスケールに基づいて混合条件を最適化できるであろう。
【0141】
一実施形態では、コアは、本明細書に記載のようにダスティングされる前を除き、コアに形成された後には加湿されない。したがって、一実施形態では、コアは、ダスティングプロセスに先立って及び/又はダスティングプロセス中、12%よりも低い含水量であることができる。別の実施形態では、コアは、本明細書に提供されているものを除き、粉末粒子の接着を補助するための任意の他の方法で処理される。
【0142】
一実施形態では、ダスティングプロセス中、コアは、本明細書に開示されているような活性物質などの第一成分により、本明細書に記載されているようにダスティングすることができる。次に、コアは、本明細書に記載されているように、第二成分でダスティング又はコーティングすることができる。更なる成分が、最大で所望されるだけの数の成分について、ダスティングすることができる。更に、一実施形態では、所望される数の成分を、同時に又は任意の順番で又は可能なタイミングでダスティングすることができる。したがって、第一成分及び第二成分は、同時にダスティングすることができる;又は、第一成分は第一時期にわたってダスティングされ、その間に第二成分及び第三成分のダスティングを開始することができる。当業者であれば分かるように、タイミング及び成分の任意の変動を想定することができる。
【0143】
更に、ダスティングプロセスが任意のコアキブル、追加の層について実施された後、ダスティング又は更にはコーティングを、当業者に既知であるように適用できることが理解されるべきである。脂肪などの任意の成分のコーティングを提供することができる。本明細書に開示しているような他のダスティングを提供することができる。したがって、本明細書に記載の成分及び動物飼料に使用される成分の任意の量及び数のコーティング及びダスティングを提供することができる。
【0144】
活性物質の研磨/ミリング
一実施形態では、プロバイオティクス微生物、その成分、保存助剤及び/又は安定助剤などの活性成分は、本明細書に記載のようなダスティングにおける使用のために研磨又はミリングして、粉末にすることができる。任意の研磨機又はミルを使用することができる。使用できる研磨プロセス及び/又はミルの非限定例としては、圧縮研磨、ジェットミル、空気分級ミル、万能ミル、ピンミル、ハンマーミル、及び更にはモルタル及びペスタルが挙げられる。
【0145】
一実施形態では、ミリング中の温度制御が、プロバイオティクス微生物などの活性成分に有害な影響を与えない補助できることが判明した。例えば、一部の実施形態では、高温は、研磨又はミリング中の摩擦から生じ得、高温は活性成分に負の影響を与えて、燃焼点に至らしめ、活性物質を破壊する恐れがある。例えば、一部の研磨及び/又はミリングプロセスは、活性成分が通過しなければならない篩を有することができる。しかしながら、べたっとした傾向又は特定の接着特性を有する活性物質を使用する場合、篩は、凝集した活性成分で詰まってしまう恐れがあり、この詰まりはミルの中に摩擦を発生させ得、摩擦は今度は活性成分を台無しにする熱を生じる恐れがある。
【0146】
一実施形態では、ミリングプロセスは約65℃未満の温度に至る活性成分を生じ得る。別の実施形態では、活性成分は、約50℃未満の温度に達し得る。別の実施形態では、活性成分は、約35℃未満の温度に達し得る。別の実施形態では、活性成分は、約25℃〜約65℃の温度に達し得る。別の実施形態では、活性成分は、約25℃〜約50℃の温度に達し得る。別の実施形態では、活性成分は、約25℃〜約35℃の温度に達し得る。別の実施形態では、活性成分は、約30℃〜約35℃の温度に達し得る。別の実施形態では、研磨/ミリングは、それぞれ20〜25℃及び20〜30%の相対湿度などの、周囲温度及び湿度にて行われる。
【0147】
別の実施形態では、研磨機又はミルは、温度を制御するのを助ける空気流と共に使用することができる。一実施形態では、冷気を研磨/ミリングプロセス中に活性物質の上に吹き込むことができる。冷気は、活性成分を台無しにする有害な熱生成を防止するのに有効であり得る。
【0148】
本明細書で開示しているように、キブルの水分活性は、一部の実施形態では、約0.6以下、0.5以下、0.4以下、0.3以下、0.2以下、及び0.1以下であることができる。これらの低水分活性のいくつかは、従来のペットフードキブルに通常使用されない追加的な乾燥から生じる。しかしながら、一部の実施形態では、この追加的な乾燥を利用して、プロバイオティクスなどの活性成分の生存を確かにすることができる。一部の実施形態では、この追加的な乾燥、及び、したがってこれらの低水分活性が、動物による食物選好に負の影響を与えないことが判明した。更に、一部の実施形態では、実際に、動物による食物選好が増大し得ることが判明した。
【0149】
ペットフード混合物
別の実施形態では、第一キブル及び第二キブルを含む、キブルタイプのペットフードを提供することができる。第一キブルは、第一キブルの約16重量%〜約50重量%のタンパク質源と、第一キブルの約5重量%〜約35重量%の脂肪源と、約15重量%〜約50重量%の炭水化物源と、を含むことができる。第二キブルは、本明細書に上記されるようなプロバイオティクスなどだがこれに限定されない活性物質上のダスティングを含むキブルを含むことができる。第一キブルは、活性物質を有しても有さなくてもよく、活性物質を含むダスティングを有しても有さなくてもよい。
【0150】
これらの実施形態によると、第一キブルは、動物の良好な栄養状態を保持するための食餌に必要なタンパク質、脂肪及び炭水化物を提供するキブルであることができる。特定の実施形態では、第一キブルは、第一キブルの0重量%〜50重量%の範囲のタンパク質源を含むことができる。他の実施形態では、このタンパク質源は第一キブルの16重量%〜50重量%、又は更には20重量%〜50重量%の範囲であることができる。追加のタンパク質、脂肪及び炭水化物の望ましい量を提供するために、多くのキブル配合を第一キブルに使用できることが、当業者には認識されよう。加えて、第一キブルは、例えばビタミン、無機質、着色料、風味剤、及びこれらに類するものなどの追加成分を含むことができる。
【0151】
特定の実施形態では、第二キブルは、ペットフードのキブルの最大90%で含まれ得る。例えば、第二キブルは、ペットフードのキブルの1%〜90%又はキブルの1%〜50%、又はキブルの1%〜25%、又は1%〜15%、又は10%含まれ得る。別の方法としては、キブルは、第一キブルと第二キブルの特定比率で存在し得る。例えば、本開示のペットフード組成物の一実施形態では、第一キブルと第二キブルは、少なくとも2:1、又は少なくとも5:1、又は少なくとも9:1、又は少なくとも10:1比で存在することができ、全ては、パッケージ中のキブルなどの、存在するキブルの数による。本開示の別の実施形態では、第一キブルと第二キブルは、約2:1〜約50:1、又は約5:1〜約25:1、又は約10:1〜約20:1比で存在することができる。更に、第一キブル及び第二キブルの形態のペットフードキブルは、様々な重量比で存在することができる。特定の実施形態では、第一キブルと第二キブルは、少なくとも1:1、又は少なくとも2:1、又は少なくとも5:1、又は少なくとも9:1、又は少なくとも10:1比で存在することができ、全ては、パッケージ中のキブルなどの、存在するキブルの重量による。本開示の別の実施形態では、第一キブルと第二キブルは、約2:1〜約50:1、又は約5:1〜約25:1、又は約10:1〜約20:1の重量比で存在することができる。
【0152】
様々な実施形態では、本明細書に開示するように、第二キブルは、コアの表面の少なくとも一部分上にダスティングされた少なくとも1つの活性物質を更に含むことができる。例えば、少なくとも1つの活性ダスティングは、本明細書に記載の活性物質のいずれかを含むことができる。特定の実施形態では、少なくとも1つの活性物質は、本明細書に記載のようなプロバイオティクス粉末であることができる。
【0153】
ペットフード組成物は、物理的に区別される構成要素(すなわち、第一キブルと第二キブル)から構成することができる。ペットフードは、第一キブルと第二キブルの様々な異なる提示として提供することができる。例えば、ペットフード組成物は、第一キブルと第二キブルの不均質な混合物として提供することができる。あるいは、給餌の時点で、第一キブルと第二キブルとを任意の方法又は望ましい量で組み合わせることのできる、別個に包装された構成要素として提供することができる。例えば、ペットフード組成物は、第一収容機構と第二収容機構とを備えることができ、第一収容機構は、少なくとも一部の第一成分を収容し、第二収容機構は、少なくとも一部の第二成分を収容し、例えば、第一収容機構はバッグであり得、それに対して第二収容機構はキャニスタであり得る。消費者の利便性のために、少なくとも一部の第一成分を収容するバッグは、少なくとも一部の第二成分を収容するキャニスタもまた収容することができる。他の様々な体裁のいずれも、当業者には十分に理解される。
【0154】
ペットフード組成物、又はそれらの成分は、栄養的にバランスをとることができる。本開示のペットフード組成物の第一キブルは、タンパク質源と、脂肪源と、炭水化物源とを含む。第一キブルの例には、従来型のペットフードキブルが挙げられる。第一キブル自体は、栄養的にバランスのとれたものであっても、栄養的にバランスのとれたものでなくてもよい。一実施形態では、第一成分は、栄養的にバランスをとることができる。
【0155】
一実施形態では、第一キブルは、乾燥重量基準で、第一キブルの約20重量%〜約50重量%のタンパク質源、又は約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含み得る。タンパク質材料は、タンパク質含量が少なくとも約15重量%のいずれかの材料を含んでもよく、その非限定例としては、大豆、綿実及び落花生などの植物性タンパク質、カゼイン、アルブミン、及び肉組織などの動物性タンパク質が挙げられる。本発明で有用な肉組織の非限定的な例としては、新鮮な肉、及び魚粉、家禽粉、肉粉、骨粉などの乾燥又は精製粉が挙げられる。他の種類の好適な粗タンパク質源としては、小麦グルテン又はトウモロコシグルテン、並びに酵母などの微生物源から抽出されたタンパク質が挙げられる。
【0156】
第一キブルは、脂肪源を含むことができる。一実施形態では、第一キブルは、乾燥重量基準で、第一成分の約5重量%〜約35重量%の脂肪、好ましくは約10重量%〜約30重量%の脂肪を含み得る。脂肪源は広く知られており、本明細書で例えば蝋、脂肪、脂肪酸、及び脂質を含むものと定義される、脂肪源を含む任意の成分が挙げられる。蝋、脂肪、脂肪酸、又は脂質の具体例は、しばしば、当該技術分野において一般的な命名法によれば交換可能であり得、例えば、脂質はまた、しばしば脂肪として特徴付けられ得る。本発明者らは、命名法のいずれか特定の表記だけに限定されることを意図しておらず、蝋、脂肪、脂肪酸、脂質といった特定の材料分類は便宜上なされるものにすぎない。
【0157】
例えば、この脂質成分は、ココアバター成分、又は植物油若しくは部分的に水素添加された植物油である脂肪を含み得る。脂質成分は、代替的に又は追加的に、動物由来脂肪成分を含むことができる。当該技術分野では一般的に知られているように、動物由来脂肪成分は、動物から得られる脂肪を含む。非限定的な例としては、牛肉、家禽肉、豚肉、及びラム肉(例えば、ラード及びタロー)が挙げられる。また酪農脂肪としては、例えば、乳脂肪、分画乳脂肪、及びバター脂肪を挙げることができる。脂質成分は、代替的に又は追加的に、脂肪酸を含むことができる。例示的な供給源としては、ω−3又はω−6脂肪酸が挙げられる。好適な脂肪酸の他の例としては、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びラウリン酸を挙げることができ、それらの好適な塩がそれに含まれる。好適な脂肪酸の更なる例としては、パルミチン酸セチル、酢酸、乳酸、若しくはクエン酸モノ−及びジ−グリセリド脂肪酸、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、並びにモノ−、ジ−、及びトリグリセリド(それらのいくつかは、また、脂肪としても特徴付けられ得る)など、エステル又はそれらの他の誘導体が挙げられる。組成物は、代替的に又は追加的に、蝋を含むことができる。例えば、例示的な蝋としては、パラフィン蝋、蜜蝋(例えば、白色若しくは黄色)、カルナバ蝋、キャンデリラ蝋、マイクロクリスタリンワックス、コメヌカ蝋、セチルエステル蝋、及び乳化蝋が挙げられる。
【0158】
例示的な炭水化物源としては、米、トウモロコシ、ミロ、サトウモロコシ、大麦、アルファルファ、小麦などのグレイン又は穀物がある。これらの炭水化物源及びそれらの典型的な濃度は、伝統的なペットフード組成物において広く知られている。
【0159】
本組成物の使用が、経口消費後においてペットなどの動物に利益をもたらし得る。この効果は、一般に、動物の全体的な健康を維持し、改善するようなものである。症状を治療的に緩和する際、又は予防による疾病の防止、又は全体的な健康改善に利益となる、動物の健康及び生理機能の非限定的な要素としては、免疫系の処置、胃腸系の処置、皮膚又は毛の処置、ストレスの処置、並びにこれらの混合及び組み合わせが挙げられる。非限定例としては、炎症性疾患、免疫不全症、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、癌(特に胃腸及び免疫系の癌)、外耳炎、下痢性疾患、抗生物質起因性の下痢、虫垂炎、自己免疫疾患、多発性硬化症、アルツハイマー病、アミロイド症、リウマチ様関節炎、関節炎、関節可動性(joint mobility)、股関節異形成、真性糖尿病、インスリン耐性、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症、歯周病、泌尿生殖器疾患、突発性膀胱炎、間質性膀胱炎、外科手術による外傷、外科手術によって誘発される転移性疾患、敗血症、体重減少、体重増加、過度の脂肪組織蓄積、拒食症、発熱の抑制(fever control)、悪液質、創傷治癒、潰瘍、腸バリア感染症、アレルギー、喘息、呼吸器疾患、循環器疾患、冠状動脈性心疾患、貧血、血液凝固系の疾患、腎疾患、中枢神経系の疾患、肝疾患、虚血、栄養障害、視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸に関与する疾患の処置又は予防、骨粗鬆症、内分泌疾患、及び表皮疾患が挙げられる。処置としては、下痢の処置又は防止を包含する胃腸管の処置;免疫系調節の処置又は防止、好ましくは自己免疫疾患及び炎症の処置又は防止;皮膚及び/又は外被物系の健康の維持又は改善、好ましくは皮膚のアトピー性疾患(例えば皮膚炎又は湿疹)の処置又は防止;視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸を包含する疾患の処置又は防止、精神的認識及び活性水準を包含する老化の影響の改善又は低減;並びに感染中及び感染後の体重減少の防止が挙げられる。本明細書に記述される様々な疾患の治療は、例えば米国特許第2006/0228448(A1)号に開示されている測定方法など、当業者に既知の技法を用いて測定することができる。
【実施例】
【0160】
経時的水分活性
ポリエチレンテレフタレート(PET)の外層と、直鎖低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンと直鎖低密度ポリエチレンとの共押出成形ブレンドの内層と、のプラスチック積層体製の9.1kg(20lb)プラスチックバッグの中にパラフィン及びプロバイオティクスでコーティングされたキブル化ドッグフードをパッキングした。バッグは、約6×10−6ply/d/cm/mmHgの透過係数を有した。ドッグフードは、0.037の初期水分活性、3.31%の含水量にてパッキングされ、キブル1グラム当たり2.54×10CFUのプロバイオティクス活性レベルを有した。5週間後、水分活性は0.228に増加し、プロバイオティクス活性レベルはキブル1グラム当たり1.15×10CFUに減少し、含水量は4.99%に増加した。環境は、40℃及び80%の相対湿度であった。
【0161】
ライフサイクルの例
小型犬用ドッグフードをキブル1グラム当たり約1010CFUであるプロバイオティクスでダスティングし、ポリエチレンテレフタレート(PET)の外層と、直鎖低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンと直鎖低密度ポリエチレンとの共押出成形ブレンドの内層と、のプラスチック積層体製の9.1kg(20lb)プラスチックバッグの中にパッキングした。バッグは、約6×10−6ply/d/cm/mmHgの透過係数を有した。ドッグフードを0.10の初期水分活性にてパッキングした。バッグを30℃及び65%の相対湿度にて14日にわたって倉庫に保管した。このとき、ドッグフードの水分活性は0.10であった。次に、バッグを38℃及び65%の相対湿度にて7日にわたって輸送トラックで移送した。このとき、ドッグフードの水分活性は0.11であった。次に、バッグを30℃及び65%の相対湿度にて35日にわたって配送センターに保存した。このとき、ドッグフードの水分活性は0.15であった。次に、バッグを38℃及び65%の相対湿度にて7日にわたって輸送トラックで移送した。このとき、ドッグフードの水分活性は0.16であった。次に、バッグを22℃及び35%の相対湿度にて14日にわたって小売店の保管場所に保存した。このとき、水分活性は0.17であった。次に、バッグを22℃及び35%の相対湿度にて14日にわたって小売店の棚に置いた。このとき、最終的な水分活性は、0.28であった。
【0162】
乾燥剤実施例
図1〜4は、Desiccare,Inc.から購入された3つのタイプの乾燥剤(粘土、篩及びシリカ)を使用した際の水分活性(Aw)効果を示す。各乾燥剤の3つの異なるレベルを使用した。使用した動物フードは、市販の小型犬用ドッグフードであり、これをポリエチレンテレフタレート(PET)の外層と、直鎖低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンと直鎖低密度ポリエチレンとの共押出成形ブレンドの内層と、のプラスチック積層体製の9.1kg(20lb)プラスチックバッグの中に移した。バッグは約6×10−6ply/d/cm/mmHgの透過係数を有し、ジッパー閉鎖部を有していた。各バッグは、9.1kg(20lb)のドッグフードの上に、a)453.6g(1lb)、1.1kg(2.5lb)又は2.3kg(5lb)の粘土乾燥剤;b)453.6g(1lb)、0.9kg(2lb)又は1.8kg(4lb)のシリカゲル乾燥剤;c)453.6g(1lb)、1.0kg(2.2lb)又は2.0kg(4.4lb)の分子篩乾燥剤を収容していた。乾燥剤を製品と混合し、キブルと直接接触させた。乾燥剤はいずれの保護バッグ又はサッシェにも収容させなかった。ドッグフードのバッグを、およそ21〜24℃(70〜75°F)及び30〜35%の相対湿度の、周囲温度及び湿度で保管した。各バッグを開け、サンプルを毎週取り出した。各サンプル採取後、バッグを閉じ、周囲保存に戻した。
【0163】
図1は、粘土乾燥剤のAw低下ポテンシャルを示す。粘土乾燥剤による水分の最大取り込みは、保存の最初の2〜3週に生じており、Awは28%低下している(1.0kg(2.2lb)の粘土)。低下は経時的に持続し、9〜12週で安定状態に到達した。12週の最後における総Aw低下は、2.3kg(5lb)の粘土については50%、1.0kg(2.2lb)の粘土については38%に到達し、Awは、0.6から0.29に(2.3kg(5lb)の粘土)及び0.37に(1.0kg(2.2lb)の粘土)低下した。
【0164】
図2は、シリカ乾燥剤のAw低下ポテンシャルを示す。シリカ乾燥剤による水分の最大取り込みは、保存の最初の3週に生じており、Awは各々1.8kg(4lb)及び0.9kg(2lb)のシリカ各々について37%及び32%低下している。低下は経時的に持続し、8〜12週で安定状態に到達した。12週の最後における総Aw低下は、1.8kg(4lb)及び0.9kg(2lb)のシリカについて各々51%及び37%に到達した。
【0165】
図3は、分子篩のAw低下ポテンシャルを示す。分子篩乾燥剤による水分の最大取り込みは、保存の最初の3週に生じており、Awは各々2.0kg(4.4lb)及び1.0kg(2.2lb)の分子篩各々について38%及び35%低下している。低下は経時的に持続し、8〜12週で安定状態に到達した。12週の最後における総Aw低下は、2.0kg(4.4lb)及び1.0kg(2.2lb)の篩について各々61%及び41%に到達した。
【0166】
図4は、対応する最大有効レベルにおける乾燥剤間の直接比較を示す。グラフは、最も早い初期Aw低下は、保存の最初の2週でシリカ乾燥剤で達成することができ(31%低下)、篩(25%低下)及び粘土(14%低下)が続いていることを示す。篩は、経時的に最良の全体性能を示しており、Awは12週で61%低下している。
【0167】
図5については、商業的な小型犬用ドッグフードも使用した。小型犬用ドッグフードをキブル1グラム当たり約1010CFUであるプロバイオティクス微生物でダスティングし、ポリエチレンテレフタレート(PET)の外層と、直鎖低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンと直鎖低密度ポリエチレンとの共押出成形ブレンドの内層と、のプラスチック積層体製のプラスチックバッグの中に移した。バッグは約6×10−6ply/d/cm/mmHgの透過性を有し、ジッパー閉鎖部を有していた。9.1g(20lb)のドッグフードの各バッグに異なる量のCaCl(2.3kg(5lb)、1.5kg(3.3lb)、0.9kg(2lb)、0.45kg(1lb)又は0.24kg(0.5lb))を添加し、室温にて保存した。サンプルを各バッグから周期的に取り出し、水分及びAwを調べた。本実施例では、バルクのCaClを使用し、キブルと直接接触させた。
【0168】
方法
粒径
粒径を決定するとき、粒径は、国際標準化機構(ISO)方法13320によるなどの、レーザー回折分析により測定されるような粒径として定義することができる。
【0169】
不規則形状及び寸法の粒子については、粒径は、ASTM E 11−70(1995)を使用するメッシュスクリーンにより測定されるものとして定義することができる。
【0170】
水分活性
水分活性は、当業者に既知の方法を使用して決定することができる。水分活性は、25℃にてNovaSina TH200水分活性計又は当該技術分野において既知であるような他の好適な装置を使用して、決定することができる。簡単に言えば、このメーターは較正塩を用いて較正される。測定すべきサンプルをメーター内で温度平衡状態とし、次いで平衡に達した後の(通常は10〜20分)相対湿度パーセント(RH%)を100で割ったものとして水分活性を決定する。
【0171】
プロバイオティクスの活性
動物フード中のプロバイオティクスの活性レベルを決定する試験方法は、以下のように行うことができる。
【0172】
滅菌ストマックバッグ(Interscience Laboratories Inc.(Weymouth,MA)から市販)の中に、測定用のサンプルを無菌的に量り入れ、重量を記録する。室温のバターフィールドのリン酸緩衝希釈水(Butterfield’s Phosphate Buffered Dilution Water)(Bacteriological Analytical Manual,8th Edition)を、1:10希釈まで加える(すなわち、サンプルの重量が3グラムの場合、はかりが30グラムを示すまで緩衝剤を加える)ことによって、試料を希釈する。約20〜30分にわたってサンプルを軟化させておき、次に、平坦にし、小片に破断し、次にMINIMIXストマッカー(Interscience Laboratories Inc.(Weymouth,MA)から市販)中に速度9にて2分にわたって定置する。
【0173】
サンプル希釈:ストマッキングが完了したら、混合された試料1ミリリットルを、バターフィールドのリン酸緩衝希釈水の入った9ミリリットル希釈管内に移す(−2希釈液を作る)。−2希釈液から1ミリリットルを異なる9ミリリットル希釈管内に移すことによって、サンプルを連続して希釈する(−3希釈液を作る)。この工程を、プレーティングに望ましい希釈が達成されるまで繰り返す。次の希釈を実施する前に、各管をボルテックス処理する。
【0174】
サンプルプレーティング:サンプルをDifco Lactobacilli MRS Agar(DeMan,Rogosa and Sharpe Agar)上で−6希釈、−7希釈、及び−8希釈でプレーティングする。−8希釈液をプレーティングするには、−7希釈管から0.1ミリリットルを室温MRSプレート上に移す。適切な希釈を繰り返し、プレーティングの直前に管をボルテックス処理する。滅菌スプレッダを使用して、試料をプレートの表面全体に均一に広げる。プレートを7リットル嫌気ジャー(三菱)内に位置決めし、ひっくり返す。嫌気度指示剤(Oxoid)をジャーの内側に置く。3つのアネロパック(三菱)サッシェを取り、開き、その際に片側の区画に1つのサッシェ、他方の側の区画に2つのサッシェとする。ジャーの上に蓋を置き、良好なシールを保証する。嫌気ジャーを、37℃±2℃で48時間のインキュベーション期間にわたってインキュベータ内に置く。
【0175】
プロバイオティクス微生物計数:48時間のインキュベート後、プレートをインキュベータから取り出し、コロニーを拡大するためにQuebec Colony Counterを使用して典型的な細菌コロニーを手作業で計数する。プレートは、コロニー数25〜250個の範囲で計数される。未加工カウント(プレート上でカウントされるコロニーの数)が完了したら、希釈を考慮する。したがって、未加工カウント数に希釈の逆数を乗じて、試料1グラム当たりのCFUを得る。
【0176】
透過性
材料の透過性(P)は、下式から計算される:
【数1】

式中、
P=バリア材料の透過係数
Δm/Δt=水蒸気透過率(時間当たり水蒸気質量)
A=バリアの面積
L=バリアの厚さ
Δp=バリアを横切っての分圧差
【0177】
水の分圧(p(HO))は、与えられた温度における、相対湿度(%RH)と水の蒸気圧(p(HO))から決定される:
p(HO)=(%RH)(p(HO)) (2)
【0178】
したがって、材料/バリア層のパッケージングについての透過係数は、測定された質量透過率、計算された分圧差、及びバリアの物理寸法を上の等式(1)に代入することにより求められる。上の等式に関し、水蒸気透過率は、Payne Cup法の修正版を使用することにより測定した。パッケージのバリア材料を通しての水分損失は、既知の一定温度及び湿度条件下で重力測定的に経時的に測定した。システムの内側はKCl飽和溶液の使用により85%相対湿度に維持し、システムの外側はEnvirotronics Model FLX300−1−2−AC−H環境チャンバを使用することにより10%の相対湿度に維持した。温度は25℃であり、これも環境チャンバにより維持した。
【0179】
水蒸気透過率を測定する追加的方法は当業者には周知であり、非限定例としてはASTM法F−1249、ASTM法E−96、ASTM法F−372、ASTM法F−1770及びASTM法DIN−53122が挙げられる。
【0180】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0181】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0182】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約10−5グラム/日/cm/mmHg以下の透過係数を有するバリアを含むパッケージと、
0.3以下の水分活性を有し、前記パッケージ内に収容された栄養的にバランスのとれた動物フードと、
を含む商品であって、
前記動物フードは、初期活性レベルを有する活性成分を含むキブルを含み、
ここで、前記パッケージは、6ヶ月の貯蔵寿命後に、前記活性成分の活性を前記活性成分の初期活性の90%以上に維持することにおいて有効である、商品。
【請求項2】
前記パッケージ内に収容された乾燥剤を更に含み、前記乾燥剤が前記動物フードを約0.3未満の水分活性に維持するのに有効である、請求項1に記載の商品。
【請求項3】
前記乾燥剤が前記動物フードの水分活性を低下させるのに有効である、請求項1又は2に記載の商品。
【請求項4】
前記乾燥剤が動物フード9.1kg(20ポンド)当たり約100グラム〜1000グラムで存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の商品。
【請求項5】
前記乾燥剤が、シリカと、分子篩及び塩化カルシウムからなる群から選択される乾燥剤と、の混合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の商品。
【請求項6】
前記活性成分が、繊維成分、無機質成分、ビタミン成分、ポリフェノール成分、アミノ酸成分、カロテノイド成分、酸化防止剤成分、脂肪酸成分、グルコース模倣体成分、プロバイオティクス成分、プレバイオティクス成分、酵素、抗体、免疫グロブリン、サイトカイン、エピジェネティクス剤、ビタミン及びプロバイオティクス微生物、並びにこれらの混合物及び組み合わせの供給源からなる群から選択される活性物質を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の商品。
【請求項7】
前記動物フードが、コアと、コーティング又はダスティングとを含み、前記コーティング又はダスティングが前記活性物質を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の商品。
【請求項8】
前記活性成分がプロバイオティクス成分を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の商品。
【請求項9】
前記パッケージが6ヶ月の貯蔵寿命後に、前記プロバイオティックス成分の活性を前記プロバイオティックス成分の初期活性の2log以上を維持するのに有効である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の商品。
【請求項10】
前記プロバイオティクス成分が、芽胞形成性ではなく、乳酸桿菌ではない凍結乾燥ビフィズス菌を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の商品。
【請求項11】
前記プロバイオティクス成分がNCIMB 41199を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の商品。
【請求項12】
前記プロバイオティクス成分の初期活性が、動物フード1グラム当たり約1010CFUである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の商品。
【請求項13】
前記動物フードが、10ヶ月の貯蔵寿命後に、動物フード1グラム当たり約10CFUを超えるプロバイオティクス活性レベルを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の商品。
【請求項14】
前記ダスティングが、前記プロバイオティクス成分を含む粉末を含み、ここで、前記ダスティングが結着剤を実質的に含まない、請求項1〜13のいずれか一項に記載の商品。
【請求項15】
少なくとも一部の前記プロバイオティクス成分が、約10マイクロメートル〜75マイクロメートルの粒径を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の商品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−500020(P2013−500020A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521884(P2012−521884)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/043694
【国際公開番号】WO2011/014644
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】