説明

低アウトガスケーブル

【課題】配線されたケーブルからのアウトガスが極めて少ないケーブルを提供することを目的とする。
【解決手段】導体上に順次、絶縁層およびシース層を有するケーブルにおいて、
前記シース層の最外層が、エチレン系共重合体50〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、炭酸カルシウム10〜50質量部および金属水和物50〜200質量部を含有する層からなり、前記シース層の最外層以外の層がポリオレフィン系樹脂からなり、前記絶縁層が非架橋のポリエチレンからなることを特徴とする低アウトガス用ケーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線およびケーブルに関し、さらに詳しくは、クリーンルームなどで用いられる低アウトガスの電線およびケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電線やケーブルの導体を被覆する被覆材には、PVC(ポリ塩化ビニル)の他、オレフィン系樹脂などのベース樹脂に、難燃剤、難燃助剤、安定剤などの添加剤を配合した樹脂組成物が使用される。
【0003】
前記樹脂組成物の添加剤には、わずかではあるが揮発性の有機化合物を含有しているものがあり、前記有機化合物が有機ガス(アウトガス)として発生することがある。アウトガスを発生する材料を含有する樹脂組成物を被覆したケーブルを、半導体や液晶の製造装置におけるクリーンルーム内に配線すると、ケーブルから発生したアウトガスが半導体ウエハなどの表面にアウトガス成分が付着して汚染し、デバイスの製造に影響を及ぼすことが近年問題となってきている。
【0004】
前記アウトガスを抑制するために、たとえばケーブルの絶縁層や外層として、ポリエチレンやポリプロピレンに有機揮発成分を含有しない可塑剤や酸化防止剤を配合した樹脂組成物を使用する方法(特許文献1)や、ポリ塩化ビニル系樹脂に高分子の可塑剤を入れることにより、揮発成分をおさえる方法(特許文献2)などが検討されている。しかし、特許文献1および特許文献2のように、有機揮発成分を含有しないような酸化防止剤および可塑剤は特殊なため、コストアップにつながる。さらに、樹脂自体も有機揮発成分を有するため、クリーンルーム等で使用するには未だ問題があった。
【特許文献1】特開2002−190217号公報
【特許文献2】特開2002−352629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記全ての問題を解決し、配線されたケーブルからのアウトガスが極めて少ないケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
我々はエチレン系共重合体を含有する樹脂成分に、特定量の金属水和物および炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物からなる最外層およびポリオレフィンからなる中間層を設けたシース層と、非架橋のポリエチレンからなる絶縁層を有するケーブルとすることにより、ケーブルからのアウトガスの発生を削減することができることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)導体上に順次、絶縁層およびシース層を有するケーブルにおいて、
前記シース層の最外層が、エチレン系共重合体50〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、炭酸カルシウム10〜50質量部および金属水和物50〜200質量部を含有する層からなり、前記シース層の最外層以外の層がポリオレフィン系樹脂からなり、前記絶縁層が非架橋のポリエチレンからなることを特徴とする低アウトガスケーブル、
(2)前記シース層の最外層以外の層がポリエチレンであることを特徴とする(1)に記載の低アウトガスケーブル、
(3)前記シース層の最外層に金属石鹸が配合されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の低アウトガスケーブル、
によって達成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の低アウトガスケーブルは、エチレン系共重合体を含有する樹脂成分に特定量の金属水和物および炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物からなる最外層およびポリオレフィン層からなる中間層を有するシース層と、非架橋のポリエチレンからなる絶縁層を有するケーブルとしたことにより、ケーブルに必要とされる難燃性や機械的強度を保持しながら、アウトガスを大幅に減少させることが可能であり、クリーンルーム内等で使用されるアウトガス対策用低アウトガスケーブルとして好適に用いることが出来る。
さらに、シース層の中間層としてポリエチレン層を用いた場合には、さらにアウトガス低減効果が向上する。
また、前記最外層に滑剤として金属石鹸を使用することにより、さらにアウトガスの低減を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明においては、導体上に被覆を施した電線、ケーブル、コードなどをケーブルと総称する。
【0010】
本発明の低アウトガスケーブルは、導体上に順次絶縁層とシース層を有している。以下各被覆層について詳細に説明する。
【0011】
(シース層)
本発明のシース層はその最外層がエチレン系共重合体と特定量の金属水和物および炭酸カルシウムを含有した樹脂組成物からなる層であり、中間層としてポリオレフィンからなる層を有する。前記構成により、ケーブルに必要とされる難燃性や機械的強度を保持しながら、最外層に含有される金属水和物および炭酸カルシウムが、各種添加剤もしくは樹脂自体から発生するアウトガスを吸収することにより、ケーブルから発生するアウトガス成分を大幅に削減することが可能である。中間層がポリエチレンからなる層の場合には、アウトガス抑制効果がさらに優れたものになる。また、滑剤として金属石鹸を使用した場合はさらにアウトガスの発生を抑えることが可能である。
【0012】
本発明において、シース層の最外層に使用する樹脂としては、エチレン系共重合体が挙げられる。エチレン系共重合体としては例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体などが挙げられる。具体的には例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体ではエバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、レバプレン(商品名、バイエル社製)などが、エチレン・メタクリル酸共重合体ではニュクレル(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)などが、エチレン・アクリル酸エチル共重合体ではエバルロイ(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)などが挙げられる。
【0013】
エチレン系共重合体は1種を単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。使用するエチレン系共重合体のメルトフローレート(以下MFRと記す)は0.05〜20g/min、さらに好ましくは0.5〜5g/minである。
【0014】
エチレン系共重合体の配合量は樹脂成分中50〜100質量%、好ましくは75〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%である。配合量が少なすぎると機械特性と難燃性が低下する。
【0015】
本発明においてシース層の最外層は、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂を含有してもよい。含有することの出来る樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレンゴムなどのポリオレフィン、スチレン系共重合体やその水素添加物、アクリルゴム、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたエチレン共重合体、不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたスチレン系共重合体などをあげることが出来る。配合量としては0〜49質量%が好ましい。
【0016】
本発明においてシース層の最外層には、前記エチレン系共重合体を含有する樹脂成分に金属水和物および炭酸カルシウムが配合される。前記金属水和物および炭酸カルシウムを配合することで、樹脂もしくはその他の添加剤より発生するアウトガスが吸収され、結果として発生するアウトガスを低減することが可能となる。
【0017】
本発明の金属水和物とは例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水和珪酸アルミニウム、水和珪酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、オルト珪酸アルミニウム、ハイドロタルサイトなどの水酸基あるいは、結晶水を有する金属化合物が挙げられる。
本発明の炭酸カルシウムとしては例えば、重炭酸カルシウムおよび軽炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0018】
本発明で使用する金属水和物、炭酸カルシウムは通常市販されているものが使用でき、特に限定はないが、粒径0.1〜15μmのものが好ましい。
【0019】
本発明においては、シース層の最外層における金属水和物の配合量は樹脂成分100質量部に対して、50〜200質量部、より好ましくは50〜100質量部である。配合量が少なすぎると難燃性やアウトガス吸収力が劣り、多すぎると機械的強度が劣化する。
【0020】
また、シース層の最外層における炭酸カルシウムの配合量は樹脂成分100質量部に対して、10〜50質量部、より好ましくは20〜40質量部である。配合量が少なすぎると、アウトガスの吸収力が低下し、多すぎると機械的強度が劣化する。
【0021】
本発明においては、シース層の最外層に金属石鹸を配合してもよい。金属石鹸を滑剤として使用することにより、他の滑剤を使用した場合と比べてアウトガスが発生しにくく、かつ金属剥離性を向上させることが可能となる。
【0022】
本発明における金属石鹸としては例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、p−t−ブチル安息香酸バリウム、p−t−ブチル安息香酸亜鉛などが挙げられる。
【0023】
本発明においては、最外層の内側に中間層としてポリオレフィンからなる層を有する。ポリオレフィンとしては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。中間層を設けることによりアウトガス抑制効果がより高くなる。中でもポリエチレンの使用がアウトガス抑制という点で好ましい。
【0024】
(絶縁層)
本発明においては絶縁層として、非架橋のポリエチレンを使用する。本発明のポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンや、αオレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン等が好適に使用できる。非架橋のポリエチレンを絶縁層として有することにより、アウトガスの削減を図ることが可能である。
【0025】
シース層および絶縁層には、電線、ケ−ブルにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。
【0026】
酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などがあげられる。
【0027】
金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などがあげられる。
【0028】
難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどがあげられる。
【0029】
本発明の低アウトガスケーブルにおいては、必要に応じて介在、押さえテープなどをその構成として含んでもよい。
【0030】
本発明において介在に使用される樹脂は特に限定しないが、加工性やアウトガス削減の観点から、ポリオレフィンの使用が好ましい。
【0031】
また、押さえテープとしては特に限定しないが、やはり加工性やアウトガス削減の観点から、ポリオレフィンやポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が好ましく、ポリエチレンテレフタレートの使用が特に好ましい。
【0032】
本発明の低アウトガスケーブルは、通常の電線もしくはケーブルを製造する方法で作成することが可能である。例えば、押出機を使用して導体上に本発明の絶縁層を押出被覆した絶縁電線を製造した後、複数本の絶縁電線を撚り合わせ、その上に本発明のシース層を被覆することにより製造される。
【実施例】
【0033】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
実施例1〜13、比較例1〜8、10、11
直径1mmの導体上に絶縁層として表1および表2に記載の材料を被覆し、その上に表1および表2に記載の配合で中間層および最外層を順次押出被覆してシース層とし、ケーブルを作製した。
【0035】
比較例9
直径1mmの導体上に絶縁層としてポリエチレン(NUC9060(商品名)日本ユニカー(株)製)100質量部、過酸化物(パークミルD(商品名)日本油脂(株)製)0.1質量部、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン 信越化学(株)製)2.5質量部、ジブチル錫ジラウレート0.05質量部および酸化防止剤としてペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジーターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート(イルガノックス1010(商品名)日本チバガイギー(株)製)0.5質量部を含有する樹脂組成物を被覆した。その後、70℃の温水中に8hr浸漬して架橋処理を行った。
上記により得られた絶縁層上に、表2に記載の配合で中間層および最外層を順次押出被覆してシース層とし、ケーブルを作製した。
【0036】
得られたケーブルに対して下記の評価を行い、結果を表1および表2に示した。
(1)引張強度
JIS C 3005に準拠して試験片を作製し、引張試験を行った。引張強度10Mpa以上が合格である。
(2)難燃性
JIS C 3005に準拠して60度傾斜難燃試験を行った。
(3)発生ガス量
社団法人日本空気清浄協会編によるクリーンルーム構成材料から発生する分子状汚染物質の測定方法指針に従って、ガスクロマトグラフにて発生ガス量を測定した。本発明においては、得られた発生ガス量(単位:μgC/m・h)に応じて以下のように評価した。
A:非常に良好 発生ガス量:0以上300以下
B:良好 発生ガス量:300を超え600以下
C:使用可 発生ガス量:600を超え1000以下
D:使用不可 発生ガス量:1000を超えるもの
【0037】
【表1】

【0038】
【表2】

【0039】
なお、表1および表2で使用した各成分の詳細は下記の通りである。
エチレン系共重合体
EVA:ウルトラセン635(商品名 東ソー(株)製)
酸変性ポリエチレン
酸変性PE:アドマーXE070(商品名 三井化学(株)製)
水添スチレン・ブタジエンブロックコポリマー
SEBS:タフテックH1041(商品名 旭化成(株)製)
金属水和物
Al(OH):ハイジライトH42S(商品名 昭和電工(株)製)
Mg(OH):キスマ5(商品名 協和化学(株)製)
炭酸カルシウム
CaCO:ソフトン1500(商品名 備北粉化(株)製)
金属石鹸
StCa:ステアリン酸カルシウム(耕正(株)製)
滑剤
オレアミド:アーモスリップCP(商品名 ライオンアクゾ(株)製)
直鎖状低密度ポリエチレン
LLDPE1:MORETEC0218CN(商品名 出光石油化学(株)製)
LLDPE2:NUCG-9121(商品名 日本ユニカー(株)製)
LLDPE3:DFDJ-7540(商品名 日本ユニカー(株)製)
低密度ポリエチレン
LDPE1:UVEC720(商品名 宇部興産(株)製)
LDPE2:UBEC530(商品名 宇部興産(株)製)
ポリ塩化ビニル
PVC:5470(商品名 アプコ(株)製)
【0040】
表1に示すように、実施例1〜13は引張強度、難燃性、発生ガス量の全てにおいて良好な値が得られている。対して表2に示すように、EVAの含有量が規定量より少ない比較例1および比較例3では、引張強度および難燃性が不合格となる。さらに金属水和物が規定量より少ない場合(比較例2、比較例4)は、難燃性に劣り、発生ガス量も増加する結果となり、逆に多すぎる場合(比較例5)は、引張強度が不合格となる。また、炭酸カルシウムが規定量より少ない場合(比較例7)は、発生ガス量が使用不可なレベルとなり、逆に多すぎる場合(比較例6)は引張強度が劣る結果となる。また、中間層にポリオレフィン以外の樹脂を使用した場合(比較例8)や、絶縁層に架橋したポリエチレンやポリエチレン以外の樹脂を使用した場合(比較例9、比較例10)では、発生ガス量が非常に多く使用不可となる。
さらに、最外層をポリエチレンのみとし、中間層に金属水和物と炭酸カルシウムを配合した比較例11では、難燃性が不合格となる。
【0041】
以上のように、本発明の低アウトガスケーブルは、エチレン系共重合体を含有する樹脂成分に特定量の金属水和物および炭酸カルシウムを配合した樹脂組成物からなる最外層およびポリオレフィン層からなる中間層を有するシース層と、非架橋のポリエチレンからなる絶縁層を有するケーブルとしたことにより、ケーブルに必要とされる難燃性や機械的強度を保持しながら、アウトガスを大幅に減少させることが可能であり、クリーンルーム内等で使用されるアウトガス対策用低アウトガスケーブルとして好適に用いることが出来る。
さらに、シース層の中間層としてポリエチレン層を用いた場合には、さらにアウトガス低減効果が向上する。
また、前記最外層に滑剤として金属石鹸を使用することにより、さらにアウトガスの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明における低アウトガスケーブルの一実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0043】
1:導体
2:絶縁層
3:シース層
31:中間層
32:最外層
4:低アウトガスケーブル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体上に順次、絶縁層およびシース層を有するケーブルにおいて、
前記シース層の最外層が、エチレン系共重合体50〜100質量%を含有する樹脂成分100質量部に対して、炭酸カルシウム10〜50質量部および金属水和物50〜200質量部を含有する層からなり、前記シース層の最外層以外の層がポリオレフィン系樹脂からなり、前記絶縁層が非架橋のポリエチレンからなることを特徴とする低アウトガスケーブル。
【請求項2】
前記シース層の最外層以外の層がポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の低アウトガスケーブル。
【請求項3】
前記シース層の最外層に金属石鹸が配合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低アウトガスケーブル。


【図1】
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【公開番号】特開2006−147236(P2006−147236A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333148(P2004−333148)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】