説明

低オクタノエート型ヒトアルブミン

【課題】 治療的使用、特にヒト血漿の解毒療法における使用、例えば急性または慢性の肝疾患の静脈内処置のための、およびMARSシステム(分子吸着剤再循環システム)または「シングルパス式」透析におけるアルブミンによる体外肝透析の透析液としての、低温殺菌後オクタノエートを減少させたヒトアルブミンを提供することである。
【解決手段】 患者のヒト血漿の解毒用の医薬品の製造のための、本質的にオクタノエートおよびN−アセチル−トリプトファンを含まないアルブミン製剤の有効量の使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルブミンの結合部位を飽和させそれによりその最終製品の結合特性および輸送特性を損なわせる物質をその製造過程でアルブミンに添加する、工業スケールで、例えばコーン法または組換え法により製造されたアルブミンの輸送特性の改善に関する。本発明の特別な実施態様は、治療的使用、特にヒト血漿の解毒療法における使用、例えば急性または慢性の肝疾患の静脈内処置のための、およびMARSシステム(分子吸着剤再循環システム)または「シングルパス式」透析におけるアルブミンによる体外肝透析の透析液としての、低温殺菌後オクタノエートを減少させたヒトアルブミンに関する。
【背景技術】
【0002】
アルブミンは血漿中で最も代表的なタンパク質である。アルブミンは血漿の浸透圧に大いに貢献しており、従って血漿および組織液の量を調節するための重要な因子である。従ってアルブミンの最も代表的な臨床用途は、血漿増量剤としての用途である。
【0003】
しかしこの10年の間に、アルブミンには、その生理学的特性から輸送タンパク質としてのさらなる治療用途があることが見出された。
【0004】
アルブミンはヒト血漿において中心的な輸送タンパク質である。アルブミンは幅広い化合物および代謝産物、例えばステロイド、胆汁酸、脂肪酸およびアミノ酸、重金属、ならびに薬理学的物質、例えばワルファリンに結合する。これらの物質は、主に、アルブミンの二つのサブドメインであるSudlow I(ビリルビン、ワルファリン)およびSudlow II(トリプトファン、オクタノエート、脂肪酸)に結合し、重金属は主にそのN末端に結合する(Peters et al.“All about albumin”;1996;Academic Press)。
【0005】
解毒療法はアルブミンの輸送機能を利用するものである。その主たる適応には、慢性または急性の肝疾患患者の静脈内処置、解毒(例えば高ビリルビン血症)、ならびに肝疾患および腹水患者(Gentilini et al.,1999)またはネフローゼ症候群患者(Gines et al.,1998)における利尿改善、さらには細菌性腹膜炎患者における抗生物質との併用療法(Sort et al.,2000)が含まれる。
【0006】
MARS(分子吸着剤再循環システム)肝透析またはいわゆる「シングルパス式」透析による臨床治療においては、急性または慢性の肝疾患患者における解毒のために、毒性代謝産物(例えば胆汁酸、ビリルビン)または医薬品(例えばフェニトイン)のアルブミンに対する結合が利用される。アルブミンに対する体外透析を通じて患者の血液は解毒され、患者の生存率が大きく上昇する(Heemann et al.,1999)。
【0007】
多くの製造工程の過程において、アルブミンに結合し、これらの結合部位の占拠を通じて最終製品におけるアルブミンの他の物質に対する結合キャパシティを低下させる物質がアルブミンに添加される。一例として、例えば低温殺菌の前に、低温殺菌工程の間のアルブミンの変性またはポリマー形成を防止するため、通常、安定剤、例えばオクタノエート(カプリレート)またはN−アセチル−トリプトファンがアルブミンに添加される。低温殺菌工程を考える必要性が必ずしもない他の製造法において、例えば組換えアルブミンの製造においては、オクタノエートは、例えば保存時のポリマー形成を防止するために添加される。
【0008】
Shanbrom(US 5,919,907,優先日:1997年12月22日)は、オクタノエート等の安定剤が低温殺菌したアルブミンの結合部位を占拠することに言及し、低温殺菌によるウイルスの不活性化工程をヨウ素処理に置き換えることでオクタノエートの添加を回避する代替の製造工程を提案している。この製法で製造されたアルブミンは、特に、高ビリルビン血症の処置に適すると述べられている。
【0009】
Gehringer(WO 2004/071524,優先日2003年2月13日)もまた、低温殺菌安定剤の結合によるアルブミンの結合キャパシティの低下の問題を指摘している。その結果、医薬品に対する結合キャパシティがこのように低下したアルブミンを注入された患者は、薬学的活性物質の投与に際して、かなり高濃度の遊離の(すなわちアルブミンに結合していない)活性物質にさらされることになり、当然これは患者にとって過剰な薬理学的効果および副作用の危険が高まることを意味する。従って、低温殺菌安定剤を添加する必要性を回避することによって結合部位の占拠も回避するよう、低温殺菌をSD(溶媒/界面活性剤)法で置き換えたアルブミンを使用することを提唱している。
【0010】
Chen(JBC,1967)は、オクタノエートを含む脂肪酸が活性炭を用いることでアルブミンから除去できること、およびこれがとりわけ低pH、特にpH3〜4で効果的であることに言及している。
【0011】
Olsen et al.(BMC Clin Pharm,2004)は、医薬用アルブミンが、低温殺菌安定剤、例えばオクタノエートまたはN−アセチル−DL−トリプトファンによるアルブミンの結合部位の占拠により、多くの医薬品に対する結合キャパシティを顕著に低下させることを示している。その結合キャパシティは、これらの安定剤を非負荷型アルブミンに添加した後に医薬用アルブミン(オクタノエート負荷型)のそれまで低下すること、および逆に、オクタノエート負荷型の医薬用アルブミン製剤は、活性炭処理によって、結合性に関して非負荷型アルブミンと相違ない形態に変換できることが示された。
【0012】
アルブミンの輸送機能を利用する適応において、アルブミンに対する医学的な要望が高まっている。アルブミンは、現時点では、血漿からしかラージスケールで経済的に製造することができない。コーン法は主としてこのために使用される。血漿から精製された治療用タンパク質は、ヒトに投与する前に、有効なウイルス不活性化法により処理されなければならない。これまでその方法で処理された血漿製剤に起因する感染の症例が知られていない、現在も使用されている最古の信頼できるウイルス不活性化工程は、低温殺菌である。従って、市販のアルブミンの大部分は未だに、その製造時に低温殺菌に供されている。低温殺菌時に安定剤、例えばオクタノエートが添加された場合、安定剤の結合によってその結合キャパシティが低下するために、この方法で獲得されたアルブミンは安定剤非含有型または低安定剤型のアルブミンよりも輸送機能に関する適性が低い。同じことが、低温殺菌を必ずしも行う必要がない他の方法、例えば組換えアルブミン製法によって製造され、保存時のポリマー形成を防止するために安定剤、例えばオクタノエートが添加されたアルブミンにも当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って本発明は、特定の適応のために、アルブミンに基づく医薬品を提供する目的を有し、ここでその特定の適応における医薬品の作用様式とはアルブミンの輸送機能、すなわちアルブミンに対する他の物質の結合に基づくものであり、それらの製造過程で、この製法で製造されたアルブミンの結合部位を占拠しブロックする物質がアルブミン製剤に添加されたことが原因で、その特定の適応におけるアルブミンの使用の効果が低下する結果が生じるものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
安定剤非含有型または低安定剤型のアルブミンは、上記の適応において、従来型のアルブミンよりも著しく高い解毒能および毒素(活性代謝物)に対する結合キャパシティを有する。本発明は、その計画されている応用分野に加えて、新製品の製造および新規の分析方法(ESR(電子スピン共鳴分光法)によるアルブミンの輸送および結合特性の改善の分析)による製品の改善の検出に及ぶ(Matthes et al.,2000)。ESRにおいては、脂肪酸に対応するスピンプローブ(例えば16−ドキシルパルミチン酸)をアルブミンにロードすることによって、脂肪酸に関するアルブミンの輸送機能および結合キャパシティがエタノールの存在下で測定される。このESRシグナルから、負荷キャパシティ 対 非負荷キャパシティの比(DTE=解毒能(Matthes et al.2002,Transfus Apheres Sci.))を算出することができる。ある物質がアルブミンに対して堅固に結合すればするほど、DTE比は高くなる。
【0015】
解毒における安定剤非含有型または低安定剤型のアルブミンの使用はこれまで記載されていない。ESRにより輸送パラメータを決定することにより、コーン法に基づくアルブミンの商業的生産において、その製造過程で必要とされるオクタノエートの添加がアルブミンの輸送特性を著しく低下させる原因となっていることが示された。この製法で製造されたアルブミンからオクタノエートを除去すれば(例えば、酸条件下での活性炭処理により可能である)、本来の輸送特性が回復、つまりネイティブの血清アルブミンの解毒能が回復する。
【0016】
本法は主に、それらの製造過程で添加された、その製法で製造されたアルブミン中の結合部位を占拠しブロックする物質を最大限除去することにより、これらのアルブミン製剤の結合キャパシティが改善または回復される、使用されるアルブミンへの他の物質の結合にその薬理学的作用機構が依存する医薬品の製造のための、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用に適している。例えば、アルブミンに当初結合していた物質の>50%、例えば>75%、または例えば>95%が除去される。特に、この製法で製造されたアルブミンは、ヒト血漿の解毒用の医薬品の製造に適している。
【0017】
本発明の好ましい実施態様は、その結合キャパシティが血漿アルブミンを上回るアルブミン製剤に関連する。これらのアルブミン製剤においては、その製造過程で場合により添加される安定剤だけでなく、血漿中でアルブミンに自然に結合する物質までもが減少または完全除去されている。これらのアルブミン製剤は、例えば100%以上(100%=血漿アルブミン)、例えば200%以上、例えば250%以上のDTE比に達している。
【0018】
本発明の一つの実施態様は、アルブミンに結合した低温殺菌安定剤を除去後の、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用に関連する。この場合の好ましい低温殺菌安定剤は、オクタノエートおよび/またはN−アセチル−トリプトファンである。
【0019】
本発明のさらなる実施態様は、アルブミンのポリマー形成を防止するアルブミン結合性物質の除去後の、特にオクタノエートの除去後の、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用に関する。
【0020】
本発明は、液体状または凍結乾燥したアルブミン製剤にも等しく関連する。
【0021】
本発明に従うアルブミン製剤は、例えば、非経口的に、例えば静脈内投与される。本発明の一つの実施態様は、体外血漿透析、例えばMARS透析または「シングルパス式」透析における、本発明に従い製造されたアルブミンの使用に関する。
【0022】
本発明に従い製造されたアルブミン製剤は、特に、慢性または急性の肝疾患(例えば腹水を伴う慢性肝硬変、脳症を伴う急性肝性中毒(肝性昏睡))の処置、医薬品(例えばワルファリン過剰投与)または代謝産物(例えば高ビリルビン血症)の解毒、ならびに肝疾患および腹水患者(Gentilini et al.,1999)またはネフローゼ症候群患者(Gines et al.,1998)における利尿改善、ならびに細菌性腹膜炎患者における抗生物質との併用療法(Sort et al.,2000)用の医薬品の製造に適している。
【実施例】
【0023】
実施例1.市販のアルブミンの輸送パラメータおよび解毒能の分析
第一工程において、8つの異なる市販のアルブミン製品を、それらの輸送特性についてESRにより調査した。これらの調査結果(図1)は、Matthes et al.,2000の結果を追認した。市販のアルブミンは、それらの輸送性能およびそれらの解毒能(DTE)が大きく異なり、その最も良い製品でさえ、血漿血清アルブミン(100%)と比較しておよそ40%程度であった。
【0024】
実施例2.輸送パラメータの低下の原因となるオクタノエートによる安定化
市販のアルブミン製剤の製造における中間体をESRにより調査した。製造過程の第3工程における5%オクタノエートの添加および、程度は小さいが、第5工程における16mMオクタノエートおよびN−アセチルトリプトファンへの調整が、その製造過程において、正常な血漿と比較して解毒能を顕著に低下させる決定的工程であることが確認された(図2)。
【0025】
実施例3.オクタノエートを除去したアルブミンの生成
150mlの「Human−Albumin 20% Behring」、低塩、製造番号444(正規の市販品)を150mlのWFIで希釈した。次いで、1M塩酸を添加することによってpHをpH3.0に調整した。次に活性炭3g(アルブミン希釈溶液1
00mlあたり1g)を加え、室温で60分間撹拌した。この溶液を深層フィルターおよび0.2μm膜フィルターで濾過した。次いで、1M水酸化ナトリウム溶液を添加するこ
とによってpH値をpH7に調整した。このアルブミン溶液は、実質的にカプリル酸ナトリウムを含まない、すなわち当初アルブミンに結合していたオクタノエートの<95%を含まないものであった(DMSOによる誘導体化後のガスクロマトグラフィ測定(ヘッドスペースクロマトグラフィ)による分析)。最後に、この溶液を0.2μm膜フィルター
で濾過(滅菌濾過)した。
【0026】
実施例4.ESRおよびAbiCによるオクタノエート非含有型アルブミンの結合および輸送特性の分析
実施例3に従いオクタノエートを除去したアルブミンおよびオクタノエートを含有する製品を、実験用透析設定(Mini MARS、図3を参照のこと)におけるESRおよびAbiC(アルブミンの結合部位Sudlow IIにおけるダンシルサルコシンによるアルブミンの結合キャパシティの測定(Klammt S,2000))により調査した。6.4mM、3.2mM、1.6mMのオクタノエートを含むおよびオクタノエートを
含まないHSA製剤を使用した。HSAから除去されるオクタノエートが多いほど、AbiCにおいて測定される結合キャパシティは高くなった。AbiCによるこのキャパシティ測定値は、ESRによるDTE測定の結果(データは示さず)を定性的に追認した。
【0027】
次いで、これらのHSA製剤を、以下の毒素を加えた血漿に対して透析した:
結合部位IIリガンドとしての10mg/dl(127μmol/l)のブロモスルホフタレイン(BSP)および20mg/lのフェニトイン、ならびに結合部位Iリガンドとしての10mg/dl(256μmol/l)のケノデオキシコール酸(胆汁酸)および600μg/lのジアゼパムを、プールしたヘパリン処理済ヒト血漿1000mlに加えた。
【0028】
透析液に含まれるオクタノエートが少ないほど、DTEは高くなった(図4)。さらに、血漿のDTEが、透析回路のオクタノエート精製型アルブミンによって経時的に回復されることも示された。これにより、血漿回路におけるアルブミンのDTEの最大の増加がもたらされた(透析回路においてオクタノエート非含有型アルブミンを用いた「アルブミンの解毒」(図5))。
【0029】
実施例5.オクタノエート除去後のアルブミンの安定化
実施例3によるオクタノエート除去後のアルブミン製剤の安定性を、凍結乾燥後に、欧州薬局方(第4.0版、2002年)に従い、凝集物形成に関して、Toso Haas TSK 300 SWXLカラムを用いて排除クロマトグラフィを行うことにより調査した。次いで、凝集物形成を欧州薬局方に従い算出した。
【0030】
【表1】

【0031】
このように、例えば凝集防止のために添加されたオクタノエートの除去後の凝集物形成に関する安定化は、オクタノエート非含有型アルブミンの凍結乾燥により達成できることが示された。
【0032】
以上、本発明を要約すると下記のとおりである。
1.ラージスケールで製造されたアルブミン製剤中のアルブミンタンパク質に結合する物質の約50%より多くを除去することにより、アルブミン製剤の結合キャパシティが改善されることを特徴とする、使用するアルブミンへの他の物質の結合にその薬理学的作用機構が依存する医薬品の製造のための、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用。
2.ラージスケールで製造されたアルブミンの結合部位を占拠しブロックする、製造過程で添加された物質の約50%より多くを除去することにより、これらのアルブミン製剤の結合キャパシティが改善されることを特徴とする、使用するアルブミンへの他の物質の結合にその薬理学的作用機構が依存する医薬品の製造のための、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用。
3.ラージスケールで製造されたアルブミンの結合部位を占拠しブロックする、製造過程で添加された物質の約50%より多くを除去することにより、これらのアルブミン製剤の結合キャパシティが改善されることを特徴とする、ヒト血漿の解毒のための医薬品の製造のための、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の使用。
4.アルブミンの結合部位をブロックする物質が低温殺菌安定剤である、上記1または2に記載の使用。
5.低温殺菌安定剤がオクタノエートおよび/またはN−アセチル−トリプトファンである、上記1〜3に記載の使用。
6.結合部位をブロックする物質がアルブミンのポリマー形成を減少させる物質である、上記1または2に記載の使用。
7.アルブミンのポリマー形成を減少させる物質がオクタノエートである、上記5に記載の使用。
8.医薬品が静脈内投与される、上記1〜6に記載の使用。
9.医薬品が体外血漿透析に使用される、上記1〜6に記載の使用。
10.体外血漿透析がMARS(分子吸着剤再循環システム)としてまたは「シングルパス式」透析として行われる、上記8に記載の使用。
11.医薬品が以下の適応:慢性または急性の肝疾患において、解毒(例えば高ビリルビン血症)において、肝疾患、腹水、またはネフローゼ症候群の患者における利尿の改善のために、および細菌性腹膜炎患者における抗生物質との併用療法において使用される、上記1〜9に記載の使用。
12.ラージスケールで製造されたアルブミンの結合部位を占拠しブロックする、製造過程で添加された物質の約50%より多くをアルブミン製剤から除去し、次いでアルブミン製剤を凍結乾燥することを特徴とする、ラージスケールで製造されたアルブミン製剤の安定化方法。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】8つの異なる市販のアルブミン製剤の解毒能(DTE)。
【図2】市販のアルブミン製剤の製造過程における中間体の解毒能(DTE)の変動。
【図3】実験用のMini−MARS透析の設定。解毒のために使用されるアルブミンを含む透析液は、血漿回路と逆方向に流した。
【図4】透析液回路におけるHSAの解毒能(DTE)。DTEはオクタノエート含有量の減少と共に増加する。
【図5】血漿回路におけるHSAの解毒能(DTE)。DTEの最大の増加(「血漿アルブミンの解毒」)は、透析液回路においてオクタノエート非含有型アルブミンを用いた場合に見られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者のヒト血漿の解毒用の医薬品の製造のための、本質的にオクタノエートおよびN−アセチル−トリプトファンを含まないアルブミン製剤の有効量の使用。
【請求項2】
アルブミン製剤の製造中においてオクタノエートおよびN−アセチル−トリプトファンが低温殺菌前に添加され、そして95%より多くのオクタノエートおよびN−アセチル−トリプトファンが低温殺菌後に除去される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
アルブミン製剤が、アルブミン結合部位IまたはIIリガンドに対して血漿アルブミンよりも高い解毒能を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
アルブミン製剤が、少なくとも3ヶ月の保存後に使用される、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
アルブミン製剤が、凍結乾燥製剤である、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
3ヶ月保存後のアルブミン製剤中の凝集物の割合が再構成時に3.9%よりも低い、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
アルブミン製剤が、少なくとも3ヶ月の保存後に使用される、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
患者が肝疾患の患者である、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
患者が腹水の患者である、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
患者がネフローゼ症候群の患者である、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
患者が細菌性腹膜炎の患者である、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
医薬品が患者に静脈内に又は非経口的に投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
医薬品が体外血漿透析で患者に体外で与えられる、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
体外血漿透析が分子吸着剤再循環システム(MARS)またはシングルパス式透析である、請求項13に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−233007(P2012−233007A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187111(P2012−187111)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2008−546199(P2008−546199)の分割
【原出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【出願人】(597070264)ツェー・エス・エル・ベーリング・ゲー・エム・ベー・ハー (32)
【Fターム(参考)】