説明

低カロリー内服液剤組成物

【課題】従来の高カロリー甘味料に代えて低カロリー甘味料を使用しても、従来の高カロリー甘味料を使用したビタミン含有内服液剤に優る美味しさ及びボリューム感を有する、新規な低カロリー内服液剤組成物を提供する。
【解決手段】低カロリー甘味料及びビタミンを含む低カロリー内服液剤組成物において、クコシ及び/又はケイヒを含むことを特徴とする低カロリー内服液剤組成物であり、好ましくは、低カロリー甘味料が、糖アルコール及び高甘味度甘味料から成り、かつ糖アルコールと高甘味度甘味料との配合比が、(糖アルコール)/(高甘味度甘味料)の質量比で125〜750である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低カロリー内服液剤組成物に関し、更に詳しくは、高カロリー甘味料に代えて低カロリー甘味料を使用した低カロリー内服液剤組成物に関する。ここで、低カロリー甘味料とは、糖アルコール及び高甘味度甘味料の両者を意味する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品、医薬部外品及び食品用のビタミン含有飲料には、ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖及び蜂蜜等のいわゆる高カロリー甘味料が添加されており、これにより、ビタミン等が有する独特の苦味をマスクすると共に、美味しさとボリューム感を該飲料に付与していた。
【0003】
近年の健康志向の高まりと共に、肥満の原因となる上記高カロリー甘味料に代えて、比較的低カロリーの甘味料、いわゆる低カロリー甘味料、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファム等を添加した低カロリーのビタミン含有飲料が開発され、上市されるようになってきている。しかし、これらの低カロリー甘味料を使用したビタミン含有飲料は、従来の高カロリー甘味料を使用したものに比べて、味のボリューム感が不足し、嗜好性の面で著しく劣ると言う欠点があった。
【0004】
該欠点を解決するために、これまでにいくつかの試みがなされている。例えば、スクラロース、ステビア及びアセスルファムカリウムのような高甘味度甘味料と所定量のブランデーアブソリュート及びワインリースオイルの少なくとも1種を含有する低カロリー飲料(特許文献1)、上記高甘味度甘味料又は、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール及び還元麦芽糖水飴のような糖アルコールと所定量の酢酸を含有する飲料(特許文献2)、並びに上記高甘味度甘味料と所定量のリキュールを含有する低カロリー飲料(特許文献3)が知られている。これらの発明は、上記の各物質を添加することにより、甘味質をショ糖様に改善したり、又は味にボリューム感を付与しようとするものである。
【0005】
桂皮、芍薬、甘草、大棗及び生姜からなる生薬群より選ばれる1種又は2種以上、ビタミン及びアミノ酸を含有する疲労改善内服剤が知られている(特許文献4)。しかし、特許文献4には、甘味料に関する記載はなく、もちろん低カロリー甘味料を使用する旨の記載もない。該発明は、低カロリー甘味料が有する甘味質の改善を図るものではない。ビタミンB1類及びビタミンB12類を含有し、pHが5.8〜7.5である内服用液剤が知られている(特許文献5)。特許文献5の実施例6には、ケイヒ油を含むビタミン内服用液剤が開示されている。しかし、該ビタミン内服用液剤は、精製白糖、即ち、高カロリー甘味料を含むものであり、低カロリーの内服液剤組成物を開示するものではない。また、低カロリー甘味料が有する甘味質の改善を意図するものでもない。また、アスコルビン酸、ビタミンB1及びビオチンから選ばれる1種又は2種以上とスクラロースを含有する内服液剤組成物が知られている(特許文献6)。特許文献6の実施例2及び6には、夫々、クコシ流エキス、又はクコシ流エキス及びケイヒ流エキスを含む上記内服液剤組成物が開示されている。しかし、該発明は、アスコルビン酸、ビタミンB1又はビオチンを含む内服液剤組成物にスクラロースを含有せしめて、アスコルビン酸、ビタミンB1又はビオチンを水溶液中で安定に保持することを解決課題としている。スクラロース等の低カロリー甘味料の甘味質の改善を図るものではない。また、上記のように実施例にはクコシ流エキス及びケイヒ流エキスが挙げられてはいるものの、その他、多種類の生薬エキス等をも同時に含むものであり、クコシ流エキス及びケイヒ流エキスがスクラロース等の低カロリー甘味料の甘味質の改善に寄与するか否かは到底推し量ることはできない。加えて、特許文献6は、生薬中のクコシ及びケイヒが、低カロリー甘味料が有する甘味質の改善に寄与することを開示も示唆もしていない。
【0006】
【特許文献1】特開2006−345810号公報
【特許文献2】特開2006−345854号公報
【特許文献3】特開2007−82491号公報
【特許文献4】特開2007−161675号公報
【特許文献5】特開2001−72594号公報
【特許文献6】特開2001−10955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の高カロリー甘味料に代えて低カロリー甘味料を使用したにもかかわらず、従来の高カロリー甘味料を使用したビタミン含有内服液剤に優る美味しさ及びボリューム感を有する、新規な低カロリー内服液剤組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従来の高カロリー甘味料を使用すれば、ビタミン含有内服液剤に美味しさとボリューム感を付与することができる。その一方で内服液剤は高カロリーになってしまうと言う欠点を有していた。該欠点を解決すべく、高カロリー甘味料に代えて、糖アルコール及び高甘味度甘味料のような低カロリー甘味料を使用する試みがなされた。これによれば、内服液剤を低カロリーにすることはできる。しかし、反面、その味は淡白になり、従来の高カロリー甘味料が持つ美味しさ及びボリューム感がなくなり、満足する味覚が得られなかった。本発明者らは、美味しさ及びボリューム感を有すると共に、低カロリーであると言う、上記相反する特性をビタミン含有内服液剤に付与すると言う極めて困難な課題を解決すべく種々の検討を試みた。その結果、従来の高カロリー甘味料に代えて低カロリー甘味料を使用したビタミン含有内服液剤に、クコシ及び/又はケイヒを添加すると、驚くべきことに、低カロリー甘味料が持つ独特の甘味を改善して、低カロリーのビタミン含有内服液剤に、従来の高カロリー甘味料にも優る美味しさ及びボリューム感を付与し得ることに成功した。更に好ましくは、低カロリー甘味料として、糖アルコールと高甘味度甘味料との両者を併用し、かつこれらの配合比を所定範囲にすれば、低カロリーのビタミン含有内服液剤に、より一層優れた美味しさ及びボリューム感を付与し得ることを見出したのである。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)低カロリー甘味料及びビタミンを含む低カロリー内服液剤組成物において、クコシ及び/又はケイヒを含むことを特徴とする低カロリー内服液剤組成物である。
【0010】
好ましい態様として、
(2)クコシ含有量が、原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して0.55〜10.98質量部である上記(1)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(3)クコシ含有量が、原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して0.82〜8.20質量部である上記(1)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(4)ケイヒ含有量が、原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して1.84〜37.64質量部である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(5)ケイヒ含有量が、原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して2.76〜27.64質量部である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(6)低カロリー甘味料が、糖アルコール及び高甘味度甘味料より成る群から選ばれる一種以上である上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(7)低カロリー甘味料が、糖アルコールと高甘味度甘味料とから成る上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(8)糖アルコールと高甘味度甘味料との配合比が、(糖アルコール)/(高甘味度甘味料)の質量比で125〜750である上記(7)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(9)糖アルコールと高甘味度甘味料との配合比が、(糖アルコール)/(高甘味度甘味料)の質量比で150〜400である上記(7)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(10)糖アルコールが、エリスリトール及びキシリトールより成る群から選ばれる一種以上であり、かつ高甘味度甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース及びステビアより成る群から選ばれる一種以上である上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(11)糖アルコールがエリスリトールであり、高甘味度甘味料がスクラロース及びアセスルファムカリウムである上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(12)スクラロースとアセスルファムカリウムとの配合比が、(スクラロース)/(アセスルファムカリウム)の質量比で0.36〜1.4である上記(11)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(13)スクラロースとアセスルファムカリウムとの配合比が、(スクラロース)/(アセスルファムカリウム)の質量比で0.5〜1.0である上記(11)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(14)ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖及び蜂蜜を実質的に含まない上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(15)ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖及び蜂蜜の含有量が、組成物100ミリリットルに対して5グラム以下である上記(14)記載の低カロリー内服液剤組成物、
(16)上記組成物100ミリリットル当たりのカロリー量が、20キロカロリー以下である上記(1)〜(15)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(17)ビタミンが、ビタミンB群から選ばれる一種以上である上記(1)〜(16)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(18)ビタミンが、ビタミンB1の塩及び誘導体、ビタミンB2、ビタミンB6並びにニコチン酸アミドより成る群から選ばれる一種以上である上記(1)〜(16)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物、
(19)ビタミンが、ビタミンB1の塩及び誘導体より成る群から選ばれる一種以上である上記(1)〜(16)のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の低カロリー内服液剤組成物は、従来の低カロリー内服液剤組成物にはない美味しさ及びボリューム感を有するばかりではなく、従来の高カロリー甘味料を含む内服液剤組成物の味にも優る美味しさ及びボリューム感をも有する。従って、飲みやすくビタミン補給が容易であると共に、低カロリーであることから肥満の抑制にもつながり、人体の健康増進に大いに貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の低カロリー内服液剤組成物に含まれるクコシ及びケイヒは、従来公知であり、例えば、第15改正日本薬局方に収載されている。
【0013】
クコシは、ナス科に属する植物であり、果実、葉、根皮は古くから漢方薬や民間薬として利用されてきた。クコシには、カロテノイド、ベタイン、ビタミンB1、ビタミンB2、リノレン酸、アミノ酸、多種類のミネラル及び微量元素が含まれている。本発明において、クコシは好ましくはクコシエキスとして使用される。該クコシエキスは、その果実、葉、根皮部分をそのまま粉砕したもの又は乾燥した後粉砕したものを、公知の方法により抽出したものである。例えば、抽出溶媒を用いて、低温、室温又は加熱した適度な温度において、粉砕した原料から抽出する方法により実施することができる。抽出溶媒としては、好ましくは、水、エタノール等の親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒が使用される。クコシエキスは、液状抽出物自体を使用することができるほか、水で希釈したもの、液状抽出物の濃縮物、液状抽出物の乾固物として使用することもできる。即ち、クコシエキスには、乾燥エキス、軟エキス、流エキス、チンキ等のいずれのものも含まれる。このクコシエキスには、各種市販品があり、例えば、丸善製薬株式会社製枸杞子エキスパウダーMF(商標)、松浦薬業株式会社製クコシエキス末、日本粉末薬品株式会社製クコシエキス、小城製薬株式会社製クコシエキス、三国株式会社製クシエキス等を挙げることができる。
【0014】
本発明の低カロリー内服液剤組成物におけるクコシ含有量はクコシ原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して、上限が好ましくは10.98質量部、より好ましくは8.20質量部であり、下限が好ましくは0.55質量部、より好ましくは0.82質量部である。上記上限を超えては、内服液剤組成物中のクコシの風味が必要以上に増大して、全体としての風味を損なうことがある。一方、上記下限未満では、内服液剤組成物に美味しさ及びボリューム感を付与し得ないことがある。
【0015】
ケイヒはクスノキ科の植物、例えば、ケイの樹皮等から得られ、一般にカシア(ベトナム及び中国産)、シナモン(スリランカ及びインドネシア産)、ニッケイ(日本産)として知られている。ケイヒは好ましくはケイヒエキスとして使用される。該ケイヒエキスは、上記のクコシエキスと同様にして得ることができる。このケイヒエキスには、各種市販品があり、例えば、日本粉末薬品株式会社製ケイヒエキス、理研化学工業株式会社製ケイヒエキス、小城製薬株式会社製ケイヒチンキ、三国株式会社製ケイヒ流エキス、等を挙げることができる。
【0016】
本発明の低カロリー内服液剤組成物におけるケイヒ含有量は、ケイヒ原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して、上限が好ましくは37.64質量部、より好ましくは27.64質量部であり、下限が好ましくは1.84質量部、より好ましくは2.76質量部である。上記上限を超えては、内服液剤組成物中のケイヒの風味、例えば、シナモンの風味が必要以上に増大し、全体としての風味を損なうことがある。一方、上記下限未満では、内服液剤組成物に美味しさ及びボリューム感を付与し得ないことがある。
【0017】
本発明の低カロリー内服液剤組成物は低カロリー甘味料を含む。本明細書において、低カロリー甘味料とは、糖アルコール及び高甘味度甘味料を意味する。ここで、糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール及び粉末還元麦芽糖水飴等が挙げられる。これらのうち、好ましくはキシリトール、エリスリトールが使用され、より好ましくはエリスリトールが使用される。高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム及びソーマチン等が挙げられる。これらのうち、好ましくはスクラロース、ステビア、アセスルファムカリウムが使用され、より好ましくはスクラロース及びアセスルファムカリウムが使用される。
【0018】
上記の低カロリー甘味料は、内服液剤組成物が低カロリーの範囲を逸脱しない量で組成物中に含まれる。ここで、低カロリーとは、内服液剤組成物100ミリリットル当たりの総カロリー量が好ましくは20キロカロリー以下であることを意味する。低カロリー甘味料の含有量は、内服液剤組成物100ミリリットル当たり、上限が好ましくは6,000ミリグラムであり、下限が好ましくは3,000ミリグラムである。上記下限未満では、ビタミン等が有する独特の苦味をマスクすること及びボリューム感を付与することができない。上記上限を超えては、内服液剤組成物を低カロリーにすることが困難になる。
【0019】
上記の低カロリー甘味料として、糖アルコール及び高甘味度甘味料の両者を併用することが好ましい。このとき、糖アルコールと高甘味度甘味料との配合比は、(糖アルコール)/(高甘味度甘味料)の質量比で、上限が好ましくは750、より好ましくは400であり、下限が好ましくは125、より好ましくは150である。また、高甘味度甘味料として、スクラロース及びアセスルファムカリウムを併用した際には、スクラロース/アセスルファムカリウムの質量比の上限が、好ましくは1.4、より好ましくは1.0であり、下限が、好ましくは0.36、より好ましくは0.5であるように配合される。上記のように配合することにより、低カロリーのビタミン含有内服液剤に、より一層優れた美味しさ及びボリューム感を付与することができる。
【0020】
本発明の低カロリー内服液剤組成物は、従来の高カロリー甘味料、例えば、ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖及び蜂蜜を実質的に含まないことが好ましい。ここで、「実質的に含まない」とは、低カロリー内服液剤組成物100ミリリットルに対して5グラム以下であることを言う。上記高カロリー甘味料を全く含まないことがより好ましい。これにより、内服液剤組成物の低カロリー化を図ることができ、肥満の抑制に寄与することができる。
【0021】
本発明の低カロリー内服液剤組成物に含まれるビタミンとしては、特に制限はなく公知のものを含めることができる。好ましくは、ビタミンB群が含められる。ビタミンB群としては、ビタミンB1、例えば、チアミン、硝酸チアミン、塩酸チアミン、ベンフォチアミン、その他のビタミンB1誘導体等;ビタミンB2、例えば、リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム、酪酸リボフラビン等;ビタミンB6、例えば、ピリドキシン、ピリドキサル、ピリドキサミン及びこれらのリン酸又は塩酸塩等;ビタミンB12、例えば、コバラミン、シアノコバラミン、メチルコバラミン等;ビタミンB、例えば、カルニチン塩化物;ニコチン酸アミド等が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、ビタミンB1の塩及び誘導体、ビタミンB2、ビタミンB6並びにニコチン酸アミドが使用され、更に好ましくは、ビタミンB1の塩及び誘導体が使用される。これらビタミンの配合量にも特に制限はなく、従来公知の量で含めることができる。
【0022】
本発明の低カロリー内服液剤組成物には、上記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、生薬・漢方薬類、ミネラル類、カフェイン類、アミノ酸類、有機酸類、精油成分、溶解補助剤、pH調整剤、界面活性剤、保存剤、香料、着色剤、矯味剤等を含めることができる。
【0023】
本発明の低カロリー内服液剤組成物は、公知の方法で製造することができる。例えば、各成分を適量の精製水で溶解した後、pH調整し、次いで、残りの精製水を加えて容量調整をすることにより製造することができる。また、必要に応じて、濾過及び減菌処理をすることもできる。
【0024】
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
実施例及び比較例で使用した主要な成分は下記の通りである。
【0026】
<クコシ及びケイヒ>
クコシエキス:日本粉末薬品株式会社製クコシエキス
ケイヒエキス:日本粉末薬品株式会社製ケイヒエキス
<低カロリー甘味料>
エリスリトール:物産フードサイエンス株式会社製エリスリトール
アセスルファムカリウム:キリンフードテック株式会社製サネット(商標)
スクラロース:三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製スクラロース
<ビタミン類>
ベンフォチアミン:目黒化工株式会社製ビオタミン(商標)
ビタミンB2リン酸エステル:第一ファインケミカル株式会社製リボフラビン酸エステルナトリウム
ビタミンB6塩酸塩:第一ファインケミカル株式会社製ビタミンB6「第一」(商標)
ニコチン酸アミド:DSMニュートリションジャパン株式会社製ニコチン酸アミド
カルニチン塩化物:金剛科学株式会社製ビーテミン(商標)
<その他>
ショウキョウエキス:日本粉末薬品株式会社製ショウキョウエキス
pH調整剤:昭和化工株式会社製クエン酸(結晶)
【0027】
実施例及び比較例における各特性評価は下記の通りに実施した。
【0028】
<美味しさ及びボリューム感>
実施例及び比較例の各内服液剤組成物の「美味しさ」及び「ボリューム感」について、パネラー6名により評価を行った。表2の対照例1の、従来の高カロリー甘味料を使用した組成物を基準(スコア3)として各内服液剤組成物の「美味しさ」及び「ボリューム感」を表1の判断基準により評価した。評価結果はパネラー6名の平均値で示した。
【0029】
【表1】

【0030】
[実施例1〜6、比較例1及び対照例1]
表2に示した量の各成分を精製水に溶解した後、pH調整剤を加えて組成物のpHを3.0とした。ここで、香料は各組成物共、同一物を同一量で配合した。また、実施例及び比較例のいずれの組成物についても、総カロリー量は約3キロカロリー/50ミリリットルであった。なお、対照例1の組成物の総カロリー量は約29キロカロリー/50ミリリットルであった。評価結果を表2に示す。表中、各組成物とも、全容量は50ミリリットルであり、各物質の数値は、特記なき場合ミリグラムである。また、[ ]内の数値は、低カロリー甘味料100質量部に対するクコシ及びケイヒの質量部を表示したものである。
【0031】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明の低カロリー内服液剤組成物は、美味しさ及びボリューム感に優れる故に、飲みやすくビタミン補給が容易であると共に、低カロリーであることから肥満の抑制にもつながり、人体の健康増進に大いに貢献することができる。従って、清涼飲料、栄養補助飲料等の食品のみならず、ビタミン含有保健薬等の医薬品液剤にも極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低カロリー甘味料及びビタミンを含む低カロリー内服液剤組成物において、クコシ及び/又はケイヒを含むことを特徴とする低カロリー内服液剤組成物。
【請求項2】
クコシ及びケイヒの含有量が、いずれも原生薬換算で、低カロリー甘味料100質量部に対して、夫々、0.55〜10.98質量部及び1.84〜37.64質量部である請求項1記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項3】
低カロリー甘味料が、糖アルコールと高甘味度甘味料とから成り、かつ糖アルコールと高甘味度甘味料との配合比が、(糖アルコール)/(高甘味度甘味料)の質量比で125〜750である請求項1又は2記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項4】
糖アルコールが、エリスリトール及びキシリトールより成る群から選ばれる一種以上であり、かつ高甘味度甘味料が、アセスルファムカリウム、スクラロース及びステビアより成る群から選ばれる一種以上である請求項3記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項5】
糖アルコールがエリスリトールであり、高甘味度甘味料がスクラロース及びアセスルファムカリウムであり、かつスクラロースとアセスルファムカリウムとの配合比が、(スクラロース)/(アセスルファムカリウム)の質量比で0.36〜1.4である請求項3記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項6】
ショ糖、ブドウ糖、果糖、果糖ブドウ糖液糖及び蜂蜜を実質的に含まない請求項1〜5のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項7】
上記組成物100ミリリットル当たりのカロリー量が、20キロカロリー以下である請求項1〜6のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物。
【請求項8】
ビタミンが、ビタミンB群から選ばれる一種以上である請求項1〜7のいずれか一つに記載の低カロリー内服液剤組成物。

【公開番号】特開2010−143827(P2010−143827A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319145(P2008−319145)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【出願人】(391062137)田村薬品工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】