説明

低タンパク質及び無タンパク質で、保存期限が延長され(ESL)保存安定性のある、無菌の液体クリーマー、及びこれらの製造方法

本発明は、低タンパク質及び無タンパク質の液体クリーマー組成物、並びにこれらを製造する方法を提供する。液体クリーマー組成物は、少なくとも2種の低分子量乳化剤の組合せを含む乳化成分、微晶質セルロース(MCC)/カルボキシメチルセルロース(CMC)/カラギーナンを含む親水コロイド系、有機酸若しくは無機酸、又は有機酸塩若しくは無機酸塩の少なくとも1種のキレート化剤を含むキレート系、少なくとも1種のバッファー剤を含むバッファー系、及びクリーマーを加える水性媒体をさらに白色化するのに十分な量の白色剤を含有する。組成物の植物油含有量は、組成物の約0.1重量%〜約33重量%であり、タンパク質含有量は組成物の3重量%以下である。組成物は、少なくとも9カ月間保存安定性のある、無菌の液体クリーマーの形態であり、様々なpH、硬度及び温度の飲料の水性媒体に加えると、高い白色化能及び認識できるフェザリング又は脂肪分離の無い心地よい口当たりをもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保存期限が延長され(ESL)保存安定性のある、無菌包装された非乳製品の液体クリーマーのための安定化系及び組成物、並びにこれらを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホワイトナーとしても知られるクリーマーは、白色剤として、コーヒー、ココア及び紅茶などの、熱い飲料及び冷たい飲料と一緒に広く使用されている。クリーマーは、粉末又はシリアルなどの粒子と共に、ミルク又は乳性クリームの代用品として使用することもできる。クリーマーは、望ましい口当たり、こく、及び滑らかな質感をもたらす様々な香味で入手可能である。
【0003】
クリーマーは、液体及び粉末の両方の形態で入手可能である。しかし、粉末形態のクリーマーは、これまでの乳製品クリーマーの印象はもたらさない。さらに、粉末クリーマーは、コーヒーなどの飲料に加えると溶解しにくいことがあり、これによって非均質的な飲料となることがある。
【0004】
乳製品ホワイトナーは、通常、良好な口当たりをもたらすが、乳製品不耐性のある人々には許容されない。また、液体乳製品クリーマーは、その短い保存力及び冷蔵条件下でさえ急速に傷んでしまうその傾向があるため、使用が不便である。したがって、非乳製品の液体クリーマーの市場は急速に成長しており、米国はこのタイプの製品の主要市場である。
【0005】
コーヒー及び紅茶などの熱い飲料又は冷たい飲料に優れた風味をもたらすために、非乳性液体クリーマーは、良好な白色化能を有し、急速に溶解し、フェザリング、エマルションの崩壊、油の分離、綿状沈殿及び沈殿の無い安定した状態を保つべきであり、このことを高温で酸性の環境において達成することは、特に難しい。
【0006】
欧州特許出願第0457002号及び米国特許第3,935,325号などのいくつかの特許は、水、植物油、タンパク質又はタンパク質加水分解物、炭水化物、バッファー塩、乳化剤及びその他の材料から製造されるコーヒークリーマーを記載している。しかし、これらのコーヒークリーマーには、保存安定性が無い。
【0007】
複数の特許が、二酸化チタンなどの白色剤を含有するクリーマーを開示している。例えば、米国特許第4,784,865号は、低脂肪乳、脱脂粉乳、モノグリセリド及びジグリセリドなどの乳化剤、並びに白色剤としてのTiOを含む乳製品コーヒークリーマーを記載している。この製品は殺菌されており(pasteurized)、冷蔵条件下及び非冷蔵条件下で、それぞれ少なくとも90日間及び30日間、安定した状態を保つ。安定化系が無いために、保存中のTiOの深刻な沈殿が予想される。さらに、この製品は無菌処理されていないので、保存期限の延長(少なくとも6カ月)を達成することができない。
【0008】
米国特許第5,571,334号は、デンプンマトリックス中に組み込まれたTiOなどの乳白剤を含む白色剤を含有する液体クリーマーの別の例を記載している。開示されたクリーマーは、無菌処理されていないので、保存期限の延長(少なくとも6カ月)を達成することができない。さらに、クリーマーのエマルション安定性を達成するために、大量のカゼインナトリウムが使用される。
【0009】
保存安定性のあるクリーマーが、いくつかの特許に記載されてきた。例えば、米国特許第4,748,028号特許は、無菌の液体クリーマー及びその調製方法を開示している。この方法は、水、植物性脂肪、乳化剤、乳タンパク質、塩及びその他の材料を含む混合物のUHT滅菌を行うこと、冷却すること、均質化すること、及びさらに冷却すること、並びに得られた液体を、無菌条件下で無菌容器に充填することを含む。このクリーマーの主な欠点は、高濃度の脂肪が必要とされること、及び脂肪濃度を低下させると白色化力が不十分になることである。このクリーマーは、冷蔵条件下で褐色化に対してのみ安定である(最大4カ月)。
【0010】
PCT出願国際公開第2007/044782号パンフレットは、安定なエマルションを達成するために、乳化剤濃度が少なくとも1%の非乳製品で無菌の液体クリーマーを記載している。この乳化剤は、クリーマーの安定性を達成するために、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、又はカゼインカリウムなどの乳タンパク質と組み合わされる。
【0011】
まとめると、現在、既存のクリーマー技術は、エマルション安定性を達成するために、通常非常に高濃度でのタンパク質の使用が必要とされる。タンパク質は強力な乳化剤として知られ、カゼイン、カゼインナトリウム及び乳清タンパク質などの乳タンパク質が、これらの独特の乳化特性のために好ましい。しかし、超高温(UHT)処理した液体クリーマーにタンパク質を加えることによって、タンパク質の変性及びタンパク質又はこれらの誘導体の水溶性の低下による沈殿が引き起こされることがある。その上、タンパク質と低分子量乳化剤との間の競合によって、エマルションが不安定になり、その結果製品にクリーミングが起こることがある。
【0012】
タンパク質を、保存期限が延長された(ESL)又は無菌の液体クリーマーに使用することにおける別の欠点は、保存中に凝集することである。例えば、クリーマーを、冷蔵温度、室温又は高温で保存すると、一晩で「塊(plug)」が形成され、注ぐことが困難になり、製品が使用できなくなることがある。さらに、コーヒーに加えると、この高温で酸性の環境で、とりわけCa2+及び/又はMg2+イオンの存在下で、タンパク質のエマルションが不安定になることによってフェザリングが起こることがある。
【0013】
最後に、カゼインなどのタンパク質の原価の上昇に伴い、クリーマー中のタンパク質を低減又は排除することが望ましい。低タンパク質又は無タンパク質クリーマーを作る際の課題は、保存中、及び飲料、とりわけ高温で酸性の飲料に戻した(reconstitution)後に、相分離(例えば、クリーミング、ゲル化、離液)の無い安定なエマルションを達成することである。
【0014】
消費者の健康に対する意識が高まっているので、低脂肪及び無脂肪クリーマーに対する需要も高まっている。脂肪はエマルションの達成を助けるので、所望の安定性、色、質感、こく、及び香味を有するが、低脂肪又は無脂肪の非乳製品の液体クリーマーを提供することが、さらなる課題である。低脂肪又は無脂肪クリーマーに関する別の問題は、その白色化能の低下である。脂肪の低減によって生じる白色化能の低下を補うためにTiOなどの白色剤を加えることができるが、TiOの添加に関連する問題、即ち、保存中の沈殿、エマルションの物理的不安定性及び相分離を解決するための課題が残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、低タンパク質又は無タンパク質で、脂肪分無調整(full fat)、低脂肪又は無脂肪であるが、新鮮なクリーマーの所望の特性を依然として保つ、保存期限が延長された(ESL)かつ無菌の液体クリーマーが必要とされている。具体的には、このような低タンパク質又は無タンパク質クリーマーは、保存期限を通して良好な物理化学的安定性(クリーミング及び沈殿の無い)、及びコーヒーや紅茶などの液体の飲料に加えたときに、フェザリング、エマルションの崩壊、油の分離、綿状沈殿及び沈殿の無い心地よい口当たりを有していなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書に記載の本発明は、油/脂肪、炭水化物、二酸化チタン、並びに乳化剤(複数可)、親水コロイド(複数可)、バッファー(複数可)及びキレート化剤(複数可)を含む安定化複合系を含有する低タンパク質又は無タンパク質で、保存期限が延長された(ESL)かつ無菌の非乳製品の液体クリーマー組成物を提供することによって、当技術分野の対処されていないニーズを満たす。この無菌液体クリーマーは、少なくとも9カ月間保存安定性がある。
【0017】
本発明の液体クリーマーは、保存中に良好な物理化学的安定性を有し、コーヒー、紅茶又はココアなどの熱い又は冷たい酸性の飲料に容易に分散される。これらの組成物は、様々なpH、水の硬度及び温度の飲料の水性媒体に加えると、高い白色化能及び認識できるフェザリング又は脂肪分離の無い心地よい口当たりをもたらす。
【0018】
本発明の一実施形態において、低タンパク質又は無タンパク質液体クリーマー組成物は、(i)少なくとも2種の低分子量乳化剤の組合せを有利に含む1種又は複数の乳化成分、(ii)微晶質セルロース(MCC)/カルボキシメチルセルロース(CMC)/カラギーナンを含む親水コロイド系、(iii)有機酸若しくは無機酸、又は有機酸塩若しくは無機酸塩の少なくとも1種のキレート化剤を含むキレート系、(iv)少なくとも1種のバッファー剤を含むバッファー系、及び(v)クリーマーを加える水性媒体をさらに白色化するのに十分な量の白色剤を含む。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1種のキレート化剤は、クエン酸、アミノ酸、アミノ酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム若しくはカリウム、トリ、テトラ及びその他のポリリン酸ナトリウム若しくはカリウム、クエン酸ナトリウム若しくはカリウム、EDTA、EDTAのナトリウム塩若しくはカリウム塩、酒石酸ナトリウム若しくはカリウム、又はこれらの組合せであり、約0.02〜1.4wt%、好ましくは0.05〜1wt%、最も好ましくは0.1〜最大約0.3〜0.5wt%の量で存在する。親水コロイド系とキレート化剤(複数可)との間のwt/wt比は、(0.035〜100):1、好ましくは(1〜50):1、より好ましくは(1〜10):1、最も好ましくは(2〜5):1とすることができる。
【0020】
別の実施形態において、本発明のクリーマーの乳化成分は、低HLB乳化剤及び中HLB乳化剤の組合せを含む。好ましくは、低HLB乳化剤は、モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタントリオレエート、グリセロールジオレエート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート及びモノステアレート、並びにこれらの組合せからなる群から選択され、中HLB乳化剤は、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ステアロキシル−2−乳酸カルシウム、グリセロールソルビタンモノパルミテート、大豆レシチン、モノグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0021】
有利には、組成物の植物油含有量は、組成物の約0.1重量%〜約33重量%であり、タンパク質含有量は組成物の3重量%以下である。
【0022】
本発明の液体クリーマーの実施形態において、少なくとも1種の乳化剤成分は、組成物の0.05重量%〜1.8重量%の量で存在する疎水性/親油性バランス(HLB)が中程度の乳化剤である。好ましくは、中HLB乳化剤は、スクシニル化モノグリセリド、スクシニル化ジグリセリドなどのグリセリド化合物、又はこれらの組合せを含む。好ましくは、組合せが使用される場合、ジグリセリドは、組成物中の総グリセリドの0.01重量%〜25重量%の量で存在する。スクシニル化ジグリセリドの脂肪酸鎖長はC−4〜C−24である。
【0023】
好ましくは、白色剤は、粒径が約0.1〜約0.7ミクロンで、平均粒径が0.3ミクロンの二酸化チタンであり、組成物の約0.1〜約1重量%の量で存在する。
【0024】
本発明の好ましい一実施形態において、少なくとも1種のバッファー剤は、リン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム若しくはカリウム、アスコルビン酸ナトリウム若しくはカリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択される、有機酸若しくは無機酸の食品グレードの塩である、又は有機酸若しくは無機酸と併用され、組成物の約0.05重量%〜約2.1重量%、好ましくは0.1〜0.8wt%、最も好ましくは0.3〜0.6wt%の量で存在する。
【0025】
本発明は、水性液体、コーヒー、紅茶、チョコレート又は果実飲料などの飲料形成成分、及び飲料にクリーム効果をもたらすのに十分な量の本発明のクリーマーを含む飲料をさらに提供する。本発明のクリーマーは、シリアルやベリー類などの食品と共に摂取するため又はスープやその他の用途のためのクリーマーとして調理に使用するための乳製品代用品としても使用できる。本発明のクリーマーは、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、亜硫酸塩及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の食品グレードの保存料をさらに含むことができる。
【0026】
本発明は、粉末若しくは液体形態、又はこれらの組合せで、乳化成分、親水コロイド系、キレート化剤(複数可)、バッファー剤(複数可)、及び白色剤を用意するステップ、並びに粉末成分を撹拌しながら水に溶解するステップを含む、本発明の液体クリーマーの製造方法をさらに提供する。水は、冷水、熱水、又は冷水の後、加熱した水、又は熱水の後、冷やした水とすることができる。一実施形態において、この方法は、粉末形態若しくは液体形態又はこれらの組合せで甘味料を、撹拌しながら水に加えるステップをさらに含む。加えて、植物油を水に加えてすべての成分の混合物を作製し、続いて、この混合物を、超高温(UHT)殺菌(pasteurize)若しくは滅菌(sterilization)、レトルト処理及びその他の熱処理手順からなる群から選択される熱処理に供し、均質化し、冷却し、次いで、無菌条件下で容器に充填して、液体クリーマーを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】市販の無脂肪液体コーヒーメイト(CML)を熱いコーヒーに加えることによって生じる不安定化の例を示す図である。
【図1B】市販の無脂肪液体コーヒーメイト(CML)を熱いコーヒーに加えることによって生じる不安定化の例を示す図である。
【図2A】白色化したコーヒーの不安定性(2A)を、キレート化剤の添加(2B)によって回復させる例を示す図である。
【図2B】白色化したコーヒーの不安定性(2A)を、キレート化剤の添加(2B)によって回復させる例を示す図である。
【図3】CMLで白色化したコーヒーの安定性に対する、様々な濃度のキレート化剤、クエン酸ナトリウムの効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、油、炭水化物、二酸化チタンの相互作用によって形成され、親水コロイド、乳化剤、pHバッファー及びキレート化剤を含む新規な複合安定化系によって安定化される、低タンパク質及び無タンパクで保存期限が延長された(ESL)かつ無菌の液体クリーマーを提供する。本発明の無菌の液体クリーマーは、少なくとも9カ月間保存安定性がある。
【0029】
本発明のクリーマーは、コーヒー、紅茶、ココア又は果実飲料などの液体又は粉末の飲料用のホワイトナーとして使用して、良好な口当たり、十分なこく、滑らかな質感、及び異臭(off−flavor notes)の無い心地よい風味を有する物理的に安定で均質な飲料を作製することができる。クリーマーは、直接又はシリアルと一緒に摂取され得る乳製品代用品として、ベリー類用のクリームや、スープ用のクリーマーとして、及びその他の多くの調理用途にも使用することができる。本発明のクリーマーは、RTDの飲料、2イン1又は3イン1液体濃縮物、及び2イン1又は3イン1粉末混合物などのその他の製品の一部としても使用できる。
【0030】
従来の液体クリーマーにおける脂肪の存在は、その白色化能にとって極めて重要である。クリーマー中のトランス脂肪酸(TFA)濃度を低減してほしいという消費者の増加する要望を満たすために、低脂肪クリーマー中の脂肪濃度の低減によって生じる白色化力の低下を補うために、二酸化チタン(TiO)などの白色剤を使用する試みが行われてきた。しかし、脂肪の代わりにTiOを加えることによって、保存中の沈殿、エマルションの物理的不安定性及び相分離などの、他の問題が生じる。さらに、このような低脂肪又は無脂肪液体クリーマーは、たとえこのクリーマーが保存中例えば、38℃で3週間、30℃で3カ月及び室温(20〜25℃)で9カ月間での保存安定性試験に耐えたとしても、コーヒーなどの高温で酸性の飲料に加えると、最終製品の不安定化を引き起こすこともある。例えば、図1A及び図1Bに示すように、物理的に安定な無脂肪液体コーヒーメイト(CML)を熱いコーヒーに加えることによって、相分離、綿状沈殿又は油の分離を引き起こすエマルション不安定化、及び/又はTiOの沈殿が生じる。
【0031】
CMLの添加によって生じる最終製品の不安定化の問題に対する解決策を提供するために、いくつかの取り組みが取られた。驚くべきことに、クエン酸、クエン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム及びEDTAなどのキレート化剤の添加によって、不安定性が克服されることが見出された。図2に示すように、白色化したコーヒーの不安定性(図2A)は、キレート化剤の添加によって回復する(図2B)。その一方、CMLのpHを変えるための、NaHCOバッファー塩、NaOH及びHPOなどのキレート化剤の添加は、コーヒーを白色化するために加えた場合のCMLの不安定性の問題点を解決しなかった。
【0032】
さらに、キレート化剤の濃度は、液体クリーマーで白色化したコーヒーなどの飲料の物理的安定性にとって重大であることが見出された。例えば、図3に示すように、熱いコーヒーの安定性に対するキレート化剤、クエン酸カリウムの効果は、その濃度によって決まる。
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、新しい安定化系は、乳化剤(複数可)、親水コロイド系、バッファー(複数可)及びキレート化剤(複数可)を特定の比で含む。
【0034】
一実施形態において、キレート化剤(複数可)は、約0.02〜1.4wt%、好ましくは0.05〜1wt%、最も好ましくは0.1〜0.3wt%の量で存在する。親水コロイド系とキレート化剤(複数可)との間のwt/wt比は、(1〜50):1、好ましくは(1〜10):1、最も好ましくは(2〜5):1とすることができる。
【0035】
好ましくは、キレート化剤は、クエン酸、アミノ酸、アミノ酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム若しくはカリウム、トリ、テトラ及びその他のポリリン酸ナトリウム若しくはカリウム、クエン酸ナトリウム若しくはカリウム、EDTA、EDTAのナトリウム塩若しくはカリウム塩、酒石酸ナトリウム若しくはカリウム、又はこれらの組合せである。
【0036】
安定化系の乳化部分は、少なくとも2種の低分子量乳化剤の組合せを特定の比で含む。エマルションのタイプは乳化剤によって左右され、この乳化剤は、連続相に可溶なはずであることが知られている。したがって、安定な水中油エマルションにとって、高い疎水性/親油性バランス(HLB)値を有する乳化剤は、最高の安定性をもたらすはずである。しかし、低度及び中程度のHLBを有する低分子量乳化剤の組合せは、低度及び中程度のHLB値を有するこれらの乳化剤の間の比が約5:1〜約1:20、好ましくは約3:1〜約1:10、最も好ましくは約2:1〜約1:5である場合に、液体クリーマーの最高のエマルション安定性をもたらすことが、驚くべきことに見出された。
【0037】
使用される乳化剤は、単一アシル又は脂肪酸成分、例えば特定の炭素鎖長又は不飽和度、の乳化剤には限らない。好ましくは、乳化剤は、モノグリセリド及びモノグリセリドの酸エステルであり、最も好ましくは、乳化剤は、モノグリセリド及びモノグリセリドの酸エステルの組合せである。
【0038】
低度のHLB値を有する低分子量乳化剤には、モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタントリオレエート、グリセロールジオレエート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート及びモノステアレートが、単独で又は組み合わせて挙げられ得るが、これらだけには限らない。中程度のHLB値を有する低分子量乳化剤には、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ステアロキシル−2−乳酸カルシウム、グリセロールソルビタンモノパルミテート、大豆レシチン、モノグリセリドのジアセチル化酒石酸エステルが、単独で又は組み合わせて挙げられ得るが、これらだけには限らない。
【0039】
一実施形態において、乳化成分(複数可)は、クリーマー組成物の約0.05〜約1.8wt%、好ましくは約0.1〜約1.2wt%、最も好ましくは約0.2〜約0.6wt%の量で存在する。
【0040】
また、上記のエマルション安定化系は、微晶質セルロース(MCC)/カルボキシメチルセルロース(CMC)/カラギーナン、バッファー及びキレート化剤と組み合わせるだけで十分であることが驚くべきことに見出された。したがって、低分子量乳化剤単独では、親水コロイド安定化系の無い本発明の液体クリーマーに物理化学的安定性をもたらさない。さらに、(5〜200):(1〜50):(1〜40)、好ましくは(5〜120):(1〜15):(1〜15)、最も好ましくは(10〜90):(1〜10):(1〜5)のwt/wt比を有するMCC/CMC/カラギーナン親水コロイド安定化系だけが、無タンパク質液体クリーマーに物理化学的安定性をもたらす。その一方、好ましい乳化剤を、カラギーナン/キサンタン/CMC、カラギーナン/キサンタン/MCC、カラギーナン/ゲラン/MCC、カラギーナン/ゲラン/CMC、及びグアーガム/カラギーナン/MCCなどのその他の親水コロイド系と組み合わせたことによって、液体クリーマーの深刻な相分離が生じた。
【0041】
一実施形態において、親水コロイド系は、クリーマー組成物の約0.05〜約1.5wt%、好ましくは約0.15〜約0.65wt%、最も好ましくは約0.25〜約0.55wt%の量で存在する。
【0042】
好ましい一実施形態において、本発明のクリーマー中の白色剤は、光散乱/回折を最大限に利用するために、粒径が約0.1〜約0.7ミクロンで、平均粒径が約0.3ミクロンの二酸化チタンである。白色剤は、組成物の約0.1〜約1wt%、好ましくは組成物の約0.2〜約0.8wt%、最も好ましくは組成物の約0.3〜約0.6wt%の量で存在する。
【0043】
本発明のクリーマーは、リン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、又はこれらの組合せなどの少なくとも1種のバッファーを含む。
【0044】
一実施形態において、バッファー系は、クリーマー組成物の約0.05〜約2.1wt%、好ましくは約0.1〜約0.8wt%、最も好ましくは約0.3〜約0.6wt%の量で存在する。
【0045】
存在する場合、本発明の液体クリーマー中のタンパク質としては、カゼイン、乳清、大豆、小麦、卵白、これらの誘導体又はこれらの組合せを挙げることができるが、これらだけには限らない。好ましくは、タンパク質源は、カゼイン、カゼインナトリウム、乳清タンパク質、大豆タンパク質、これらの単離物又は加水分解物である。最も好ましくは、タンパク質はカゼイン及びカゼインナトリウムである。その他の実施形態において、組成物の液体クリーマーは、タンパク質を含有しない。
【0046】
本発明の液体クリーマーはまた、約0.1〜33wt%の植物油(複数可)を含有することができる。植物油(複数可)は、部分又は完全水素化油を、単独で又は組み合わせて含むことができる。植物油としては、大豆油、ココナツ油、パーム油、綿実油、キャノーラ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ベニバナ油を挙げることができるが、これらだけには限らない。
【0047】
任意選択で、クリーマーは、これらだけには限らないが、スクロース、フルクトース、マルトデキストリン、高フルクトースコーンシロップ、その他の天然甘味料、及び/又は人工甘味料、若しくはこれらの組合せを含めた甘味料を含有することができる。甘味料は、約0.1〜55重量%、好ましくは5〜30重量%の濃度で存在することができる。さらに、本発明のクリーマーは、香味料(複数可)及び/又は着色料(複数可)を、単独で又は組み合わせて任意選択で含有することができる。
【0048】
本発明によれば、低タンパク質及び無タンパク質で非乳製品の、無菌で保存期限が延長された(ESL)液体クリーマーは均質であり、様々な保存条件の間で、数カ月間の常温保存中に、相分離、ゲル化及び沈殿の無い管理可能な粘度を有する。本発明の液体クリーマーで白色化したコーヒーの官能評価は、良好な口当たり、十分なこく、滑らかな質感及び異臭(off flavor)や望ましくない後味の無い良好な風味を示した。一実施形態において、組成物は、冷蔵温度で少なくとも6カ月安定な、保存期間の延長された液体クリーマーの形態である。別法として、組成物は、少なくとも9カ月間保存安定性のある、無菌の液体クリーマーの形態とすることができる。有利には、これらのクリーマーは、様々なpH、硬度及び温度の飲料の水性媒体に加えると、高い白色化能及び認識できるフェザリング又は脂肪分離の無い心地よい口当たりをもたらす。
【0049】
本発明は、粉末若しくは液体形態、又はこれらの組合せで、乳化成分、親水コロイド系、キレート化剤(複数可)、バッファー剤(複数可)及び白色剤を用意するステップ、及びこれらの成分を撹拌しながら水に溶解するステップを含めた、本発明の液体クリーマーの製造方法をさらに提供する。粉末形態の甘味料などのその他の任意選択の成分も、このステップに含めることができる。次に、植物油を熱水に加え、すべての成分の混合物を作製する。次いで、混合物に、UHT熱処理、均質化、冷却を行い、無菌条件下で容器に充填する。均質化は、熱処理前及び/又は熱処理後に実施することができる。
【0050】
本発明には利点が多数ある。まず、本発明は、カゼイン又はその誘導体を限定的に使用する又は全く使用しないが、コーヒーなどの飲料に加えると、高い白色化能、心地よい口当たり及び異臭(off note)の無い良好な香味を有する、低タンパク質又は無タンパク質で、乳製品を全く含まないクリーマーを達成する。その上、本発明の保存期限が延長された(ESL)かつ無菌の液体クリーマーは、冷蔵温度(約4℃)で、又は室温(20℃、25℃)及び高温(例えば、30℃、38℃)での保存中にクリーミング、ゲル化、離液又は沈殿などの相分離の無い、優れた物理化学的安定性(少なくとも9カ月の保存期限)を達成する。その上、本発明のクリーマーは、冷蔵温度及び室温で少なくとも9カ月間、酸化も変色もしないので、脂肪を含まなくても高い白色化能をもたらす。さらに、本発明のクリーマーは、コーヒー及び紅茶などの飲料に容易に分散可能で、高温で酸性で高Ca2+及びMg2+の環境においても、油の分離、綿状沈殿、フェザリング及び/又は沈殿が無く、安定である。重要なことには、カゼインなどの乳タンパク質の必要性が低減される又は排除さえされることによって、著しいコストの削減ももたらす。その上、本発明のクリーマーは、すべての温度条件下で、液体クリーマーの保存期限を通して、完全に懸濁した状態で維持される、二酸化チタン(TiO)などの白色剤を含有する。
【実施例】
【0051】
本発明は、以下の例示的だが非制限的な実施例を参照することにより、さらに定義される。
【0052】
実施例1
スクロース500gを、κ−カラギーナン20g、ι−カラギーナン40g、及び10:1のMCC/CMCブレンド200gと一緒に混合した。この乾燥ブレンドを、高速撹拌しながら約75℃の熱水(65〜70℃)60kgに加えた。さらに、リン酸二ナトリウム300g及びトリポリリン酸ナトリウム100gを、連続撹拌しながらタンクに加えた。
【0053】
スクロース1kg、二酸化チタン500g、カゼインナトリウム50g、着色剤5g及び香味料500gを、一緒にブレンドした。この乾燥ブレンドを、撹拌しながら上述の安定剤と共に、熱水のタンクに加えた。5〜10分の混合後、ディモダン(Dimodan)(登録商標)120g及びパノダン(Panodan)(登録商標)300gを、連続撹拌しながら加えた。植物油4kgを、高速撹拌しながら加え、続いて、スクロース25kgを加えた。次いで、液体を、143℃で5秒間UHT処理し、180/40バールで均質化し、冷却し、コーヒーホワイトナーを、ジャー、ジャグ又は密封容器に無菌充填した。
【0054】
液体コーヒーホワイトナーの最終組成物は、以下の通りである。
乳化成分 0.51重量%
親水コロイド系 0.28重量%
キレート系 0.11重量%
バッファー系 0.32重量%
スクロース 28.61重量%
植物油 4.32重量%
二酸化チタン 0.54重量%
水 64.77重量%
その他の成分 0.55重量%
【0055】
製品を、室温で9カ月間保存した。保存中、クリーミング、相分離、ゲル化、沈殿及び実質的な粘度の変化は見られなかった。さらに、この物理的に安定なホワイトナーを熱いコーヒーに加えても、白色化したコーヒー中での、相分離、エマルション不安定化、フェザリング、綿状沈殿、又は油の分離、及び/又はTiO沈殿は生じなかった。
【0056】
コーヒーホワイトナーを入れたコーヒーの口当たりを、訓練していない6人の審査員によって審査し、全ての審査員が、その製品がワックスのような感覚の無い良好な口当たり、十分なこく、滑らかな質感、及び変質した香味又は「不快な(off)」風味の無い良好な香味を有することを見出した。
【0057】
実施例2
コーヒーホワイトナーを、トリポリリン酸ナトリウムを、100gの代わりに15g使用する以外は実施例1と同様に調製した。
【0058】
製品を、室温で9カ月間保存した。保存中、クリーミング、相分離、ゲル化、沈殿及び実質的な粘度の変化は見られなかった。しかし、この物理的に安定なホワイトナーを熱いコーヒーに加えたことによって、白色化したコーヒー中での相分離、エマルション不安定化、フェザリング、及びTiO沈殿が観測される、許容できない視覚的な外観が引き起こされた。
【0059】
コーヒーホワイトナーを入れたコーヒーの口当たりを、訓練していない6人の審査員によって審査し、全ての審査員が、その製品が十分なこく及び変質した香味又は「不快な(off)」風味の無い良好な香味を有するが、許容できない粒子の知覚(砂っぽさ)を有することを見出した。
【0060】
実施例3
コーヒーホワイトナーを、トリポリリン酸ナトリウムを、100gの代わりに1300g使用する以外は実施例1と同様に調製した。
【0061】
製品を、室温で9カ月間保存した。保存中、クリーミング、相分離、ゲル化、沈殿及び実質的な粘度の変化は見られなかった。しかし、この物理的に安定なホワイトナーを熱いコーヒーに加えたことによって、白色化したコーヒー中での相分離、エマルション不安定化、フェザリング、及びTiO沈殿が存在する、許容できない視覚的な外観が引き起こされた。
【0062】
コーヒーホワイトナーを入れたコーヒーの口当たりを、訓練していない6人の審査員によって審査し、全ての審査員が、その製品は、十分なこくを有するが、許容できない風味(苦み)、さらに許容できない視覚(いくらかの綿状沈殿)を有することを見出した。
【0063】
実施例4
コーヒーホワイトナーを、キレート化剤(0%、対照として)を加えない、またキレート化剤、クエン酸ナトリウムをそれぞれ0.01、0.02、0.03、0.05及び0.1wt%の量で加えた以外は、実施例1と同様に調製した。キレート化剤を含まない又は0.01〜0.1wt%の範囲の様々な量のキレート化剤(0.01、0.02、0.03、0.05及び0.1wt%のキレート化剤を含むコーヒーホワイトナーにそれぞれ対応する0.05、0.10、0.15、0.25及び0.50gのキレート化剤)を含むコーヒーホワイトナー30gを熱いコーヒー180mlに加えた(図3を参照されたい)。結果は以下の通りである。
【0064】
キレート化剤を含まないコーヒーホワイトナーは、図3に示すように、著しい相分離(即ち、白色化したコーヒーの上部に大きなクリームの層が、底部に凝集し沈殿する)を示した。0.01wt%のキレート化剤を含有するクリーマーを使用して白色化したコーヒーも、かなりのクリーム層及びいくらかの沈殿物を形成したが、キレート化剤を含まない対照のものと比較して少ない量であった。コーヒーホワイトナー中のキレート化剤の量(0.02〜0.03wt%)の増加によって、上部のクリーム層は著しく減少し、白色化したコーヒー飲料中において沈殿物は無かった(図3を参照)。これらの試料は、実際の用途に許容されることが分かった。さらに、0.5及び0.1wt%のキレート化剤を含有するコーヒーホワイトナー試料は、相分離の問題点を全く引き起こさなかった、即ち、クリーマーをコーヒーに加えても、上部のクリーム層又は沈殿物は発生しなかった(図3)。
【0065】
本明細書で例示及び考察した実施形態及び実施例は、本発明を製造及び使用する本発明者らに知られている最良の方法を、当業者に教示することのみを意図する。上記の本発明の実施形態は、上述の教示に照らし、当業者によって容易に理解される通り、本発明から逸脱すること無く、変形又は変更することができる。したがって、本明細書の開示から当業者が容易に成し得る全ての適切な変形形態も、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の精神及び範囲内に含まれるものとみなされる。
【図1Aand1B】

【図2Aand2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化成分、
セルロース成分を含む親水コロイド系、
有機酸若しくは無機酸、又はこれらの塩の少なくとも1種のキレート化剤を含むキレート系、
少なくとも1種のバッファー剤を含むバッファー系、並びに
クリーマーを加える水性媒体をさらに白色化するのに十分な量の白色剤
を含む、低タンパク質又は無タンパク質の液体クリーマー組成物であって、
組成物の植物油含有量は、組成物の約0.1重量%〜約33重量%であり、タンパク質含有量は組成物の3重量%以下であり、
組成物は、冷蔵温度で少なくとも6カ月安定な、保存期限が延長された液体クリーマーの形態であり、
組成物は、少なくとも9カ月間保存安定性がある、無菌の液体クリーマーの形態であり、
クリーマーは、様々なpH、硬度及び温度の飲料の水性媒体に加えたときに、高い白色化能及び認識できるフェザリング若しくは脂肪分離の無い心地よい口当たりをもたらす、組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のキレート剤が、約0.02〜1.4wt%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のキレート化剤が、約0.05〜0.5wt%の量で存在し、乳化成分が、少なくとも2種の低分子量乳化剤の組合せを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のキレート化剤が、約0.05〜1wt%の量で存在し、親水コロイド系が、微晶質セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カラギーナン、又はこれらの組合せを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のキレート化剤が、クエン酸、アミノ酸、アミノ酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩、ヘキサメタリン酸ナトリウム若しくはカリウム、トリ、テトラ及びその他のポリリン酸ナトリウム若しくはカリウム、クエン酸ナトリウム若しくはカリウム、EDTA、EDTAのナトリウム塩若しくはカリウム塩、酒石酸ナトリウム若しくはカリウム、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
親水コロイド系と少なくとも1種のキレート化剤との間のwt/wt比が、約(100:1)〜約(1:30)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
親水コロイド系と少なくとも1種のキレート化剤との間のwt/wt比が、(0.035〜100):1であり、白色剤が、粒径が約0.1〜約0.7ミクロンの二酸化チタン(TiO)であり、組成物の約0.1〜約1重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
親水コロイド系と少なくとも1種のキレート化剤との間のwt/wt比が、(0.035〜100):1であり、少なくとも1種のバッファー剤は、リン酸カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム若しくはカリウム、アスコルビン酸ナトリウム若しくはカリウム、及びこれらの組合せからなる群から選択される、有機酸若しくは無機酸の食品グレードの塩であるか、又は有機酸若しくは無機酸と併用される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のバッファー剤が、組成物の約0.05%〜約2.1重量%、好ましくは0.1〜0.8重量%、最も好ましくは0.3〜0.6重量%の量で存在する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
乳化成分が、低HLB乳化剤及び中HLB乳化剤の組合せを含み、低HLB乳化剤が、モノグリセリド、ジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビタントリオレエート、グリセロールジオレエート、ソルビタントリステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、グリセロールモノオレエート及びモノステアレート、並びにこれらの組合せからなる群から選択され、中HLB乳化剤が、ソルビタンモノオレエート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ステアロキシル−2−乳酸カルシウム、グリセロールソルビタンモノパルミテート、大豆レシチン、モノグリセリドのジアセチル化酒石酸エステル、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
水性液体、飲料形成成分、及び飲料にクリーム効果をもたらすのに十分な量の請求項1に記載のクリーマー組成物を含む、飲料。
【請求項12】
飲料形成成分が、コーヒー、紅茶、チョコレート又は果実飲料である、請求項11に記載の飲料。
【請求項13】
食品と共に摂取するため又は調理に使用するための、請求項1に記載の組成物を含む乳製品代用品。
【請求項14】
粉末形態若しくは液体形態、又はこれらの組合せで、乳化成分、親水コロイド系、キレート化剤、バッファー剤、白色剤、及び任意選択で甘味料を用意するステップ、並びにこれらの成分を撹拌しながら水に溶解するステップを含む、請求項1に記載のクリーマーを製造する方法。
【請求項15】
植物油を水に加えてすべての成分の混合物を作製し、続いて、混合物を、ESL又はUHT熱処理に供し、均質化し、冷却し、無菌条件下で容器に充填するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。

【図3】
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【公表番号】特表2012−517232(P2012−517232A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549484(P2011−549484)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000869
【国際公開番号】WO2010/091871
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】