説明

低ラクトース乳組成物及び関連方法

【課題】乳糖分解酵素欠損に伴う症状を軽減する組成物を提供すること。
【解決手段】この組成物は、低ラクトース乳製品と、プロバイオティック、プレバイオティック、または、これらの混合物の有効量と、を含む。低ラクトース乳製品は、液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料から選択される。乳糖不耐症の治療が必要な患者を治療する方法であり、その方法は、低ラクトース乳製品、および、有効量の、プロバイオティック、プレバイオティック、または、これらの混合物を有する組成物を提供すること、を含む。低ラクトース乳製品は、液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料から選択される。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、ヒトに起こる乳糖分解酵素欠損に関連した症状を低減するための低ラクトース乳組成物と関連方法に関する。より詳細には、本発明はシンバイオティックの組成物であるか、あるいはプレバイオティックまたはプロバイオティックのいずれかを有する、乳組成物、液体またはその他に関する。
【0002】
〔発明の背景〕
ラクトースは、全哺乳類の液状乳及び乳製品に見いだされる天然の糖類である。ラクトースは単糖類のグルコースとガラクトースから構成されるニ糖類である。ラクターゼ酵素は、ラクトースを組成物の成分である単糖類(すなわち、グルコースとガラクトース)に分け、加水分解して細胞膜を透過させる。ラクターゼ酵素は、小腸内に自然分泌される。ラクターゼが存在しない場合、あるいはその存在が十分なレベルを満たさない場合、ラクトースは小腸から大腸に移行し大腸菌によって発酵される。この発酵過程において水素とメタンが発生する。結腸(すなわち大腸)は、発酵によって生成されたガスの吸収及び呼吸作用による除去能力に限界があるので、限界を超えた容量のガスが発生すると膨満感、胃拡張・胃痛、鼓腸の原因となる。
【0003】
乳糖不耐症は、世界人口の75%に及ぶ自然現象であり、アメリカ合衆国では全人口の20%、5千万人が該当する。この現象は特にある一定の人種及び民族人口に頻繁に見られる。例えば、罹患率は、ラテン系アメリカ人の50%、アフリカ系アメリカ人の80%、アジア系アメリカ人の90%と推定されている。乳糖不耐症は、一般に個人が20代に達するまでに顕在化する。ただし、乳製品による消化疾患は何歳でも起こり得る。
【0004】
乳糖不耐症を患う個人には、乳糖不耐症に伴う不快な症状を避けるために現在、数種類の選択がある。以下に詳細を示すように、これらの選択には、非発酵乳製品の摂取を控えること、固体ラクターゼ補助剤の摂取、無ラクトースまたは低ラクトース食品のみを摂取することが含まれる。
【0005】
非発酵乳製品などラクトースを含有する製品の摂取を控えることによって、乳糖不耐症に伴う症状を排除できるが、非発酵乳製品は現在の食生活の重要な部分を占めるため、この摂取制限は理想からかけ離れている。
【0006】
乳糖不耐症の治療または制御に役立つ経口的投与形態は、以前から知られている。例として、米国特許第3,627,583号を参照されたい。固形ラクターゼ錠剤を用いることは乳糖不耐症の個人が牛乳及び乳製品を消化する助けとなる。
【0007】
固形ラクターゼ錠剤の潜在的な欠陥として、胃内に見られるような酸性環境では典型的なラクターゼ酵素を不活性にしたり破壊したりすることが知られる。さらに、酵素すなわちプロテアーゼが胃腸管に存在し、ラクターゼなどの活性酵素を分解または不活性化する。このような不活性化が起こると、典型的なラクターゼ酵素の調合によって製剤化された固体状経口投薬形態の有効性と効力が低下する。この問題を解決する試みでは、例えばラクターゼを生成する真菌または酵母の成長に適用される環境PHを使用したラクターゼ酵素に焦点を当ててきた。
【0008】
別の試みとして、移動中の酵素を保護し、小腸に達してから放出するために当業者に周知の被覆剤を使用して、ラクターゼ酵素を被覆することに焦点が当てられた。被覆剤によりラクターゼ酵素が小腸へ到達するのを可能にする一方、ラクターゼ酵素の放出特性は胃腸経路における局所的条件に大きく左右される。酵素の放出が早すぎると、胃内の状態によって非活性化される可能性がある。放出が遅すぎると、酵素は、ラクトースの分解を触媒し、かつ逆作用を回避するために適切な場所に存在しないことになってしまう。
【0009】
ラクターゼ酵素が適時、適所で被覆剤から放出されたとしても、小腸における酵素の滞留時間は体中の物質の自然な流れによって制限される。実際的には、ラクターゼ酵素を一定のレベルに保つには、ラクターゼ酵素を常に摂取する必要があり、また代替的に、ラクトースを含む可能性のある食品を摂取する前にラクターゼ酵素を摂取し得る。非連続投与法において有効性を実現するために、ラクターゼを摂取する個人は酵素を適切な位置まで送達し、適切な位置で放出するために必要とされる先行時間を推定する必要があろう。
【0010】
第3に、低ラクトース乳製品についても消費者が取得可能である。そのような製品の1つに、アメリカ合衆国では、商標名LACTAIDの低ラクトース乳が販売されている。この製品は、ラクターゼ酵素を使用したラクトースの前加水分解によってラクトース含有を低減させた牛乳である。液体乳のラクトース含有量を低減させる別の方法には、例えば限外濾過を使用することも可能である。低ラクトース製品の中には入手が可能なものがあり、消費者は普通乳または低脂肪乳、ヨーグルト、チーズ、アイスクリームを含めて選択できる。
【0011】
これらの製品は消化路のラクターゼを代替しないが、食品からラクトースを除去することによって胃の不快感を回避する。消費者は、乳製品を摂取することができ、結腸で発酵し、不快感の原因となるラクトースの短所を受け入れることなしに栄養分摂取に伴うメリットを享受することができる。低ラクトース製品により、有効な解決策が提供される一方、乳糖分解酵素欠損症を患う消費者は、彼等が食事をするすべての場所で、すべての乳製品について低ラクトースのバージョンを入手できると思われがちである。しかし、これは事実とまったく異なり、外食する場合には、特に低ラクトース食品の入手が困難であり、異なる解決策が必要になる。
【0012】
最近では、LACTAGENの商標名で市販されている製品が導入されている。この製品はシステムベースのアプローチを取り、体に乳製品を消化するように「教え」ようとしているもののようである。www.lactagen.com/aboout.do によると、生菌ヨーグルトを食べ、この配合物を食事と共に摂取し、ラクトース、リン酸三カルシウム、ラクトバチルス アシドフィルス(lactobacillus Acidophilus)、フラクトオリゴ糖(FOS)、セルロースガム、および二酸化ケイ素から構成される配合物を特定量摂取すると、体に乳製品を消化するように「教える」ことになる。
【0013】
当業者は小腸で容易に消化されない他の糖に対する耐性をつけるため腸内細菌叢を適用することを高く評価するであろう。ニンニク、タマネギ、チコリまたはキクイモのような植物塊茎に含まれるフラクトオリゴ糖のイヌリンに対する耐性は、定期的に摂取することによって増加し得ることは周知である。特定の理論に固執することを望まないが、腸内細菌叢を酸生産菌にシフトさせることによって発酵速度が遅くなり、ガス生成食品をより多く摂取することが可能になると考えられる。イヌリンの場合、発酵基質自身が酸生産菌の選択的成長を促進する。これらの細菌の成長が促進されると、個人が胃部不快感を覚えることなしに、さらに多くのイヌリンを摂取でき、これにより有益な菌の成長をさらに促進することになる。継続的に摂取を少量増分させ、有効性が構築される一方、同様に可逆作用も起こし得る。すなわち、消費者がイヌリンの摂取をやめた場合、結腸細菌叢はイヌリンへの耐性がほとんどない状態に戻ることがある。さらに、この有効性には上限があり、ほとんどの人は、結腸細菌叢に適合している人でも、摂取できるイヌリンの量に限界がある。
【0014】
ラクトースは、上記のケースと異なり、ラクトースの摂取自体では酸生産菌を選択的にサポートしない。しかし、乳酸桿菌属やビフィズス菌属のさまざまな酸生産菌を日常的に摂取することにより、ガス生成を遅延するのに適した環境が作られ、よってラクトースを摂取しても胃部不快感が低減する。このアプローチは少量のラクトース摂取時に、またはある程度の内因性ラクターゼを生成する個人に有効であるが、比較的短期間に大量のラクトースを摂取した場合、結腸は、疼痛または鼓腸を覚えることなしに、ガスを除去できない。
【0015】
よりよい解決策が望まれる。本発明はそのような解決策を目指すものである。上記の課題すべてを克服する解決策をここに開示し、乳糖分解酵素欠損症の消費者に液体乳や他のラクトース含有製品を含めた乳製品の摂取、健康や味覚の恩恵の享受、胃部分不快感からの解放の機会を提供する。さらに本発明は経済的であり乳糖分解酵素欠損症消費者のライフスタイルへの容易な適合達成能力を提供する。最後に、本発明は問題の原因が解決策の根源となるような解決策を提供する。
【0016】
〔詳細な説明〕
本発明の組成物は、プレバイオティック、プロバイオティック、またはこれらの混合物を含有する低ラクトース乳組成物に関する。本発明の組成物は発酵性炭水化物に対する耐性を高めるように腸内細菌叢を変動すると考えられる。さらに、発酵性炭水化物に対する個人の耐性能力を高めることが知られている細菌を結腸内細菌叢に補給することが定期的に達成される。この補給によってさらなる結腸内のガス処理能力が確保される。腸内細菌叢を改善すると、非−低ラクトース乳製品に対する処理能力を増加させる。腸内細菌叢に変化を起こすことによって、膨満感、下痢、胃拡張・胃痛、及び鼓腸を低減させる。この新しい乳組成物を定期的に摂取することにより一般的な乳製品に対する利用者の耐性が高まる。
【0017】
典型的なプレバイオティックには炭水化物が挙げられる。本発明において、プレバイオティックは発酵を遅延させる腸内細菌叢の形成を促進するものである必要がある。例えば、フラクトオリゴ糖として知られるフルクトースの炭水化物重合体は、乳酸桿菌属やビフィズス菌属の菌種のような結腸内酸生成細菌の成長を促進することで知られる。プレバイオティックとして分類されるオオバコ(psyllium)、グアー(guar)、トチャカ(carrageen)、ゲラン(gellan)、こんにゃく(konjac)、FOS、ネオシュガー(別名イヌリン)、フルクトイヌリン、ラクチトール、ラクトスクロース(lactosucrose)、ラクツロース、オリゴフルクトース(oligofructose)、ピロデキストリン(pyrodextrins)、大豆オリゴ糖(soy oligosaccharides)、トランスガラクトオリゴ糖(transgalacto-oligosaccharides)(TOS)、及びキシロオリゴ糖(xylo-oligosaccharides)などのさまざまなオリゴ糖類は、ガラクタン、炭水化物ベースのガムを含む加工食品や補助食品に添加される。プレバイオティック材は有効量が使用されうる。例えば、フラクトオリゴ糖は一日1〜5グラムの摂取量が有効とされてきた。カルシウムを適切に摂るには、1日に3食分の乳製品の摂取が推奨される。乳製品の典型的な1食分分量は、液体乳で摂取すると、約240gである。1日の繊維摂取量は、乳製品の摂取ごとに分けることができる。通常、最小有効量を摂取することが望ましい。プレバイオティックとしての炭水化物は発酵を遅らせる腸内細菌叢の形成を促進するものである必要がある。例えば、ネオシュガー、別名イヌリンに含まれるフルクトースの炭水化物重合体であるフラクトオリゴ糖は、乳酸桿菌属やビフィズス菌属の菌種のような結腸内酸生成細菌の成長を促進することで知られる。さまざまなガラクタンなどの他の重合体やオオバコ、グアー、トチャカ、ゲラン、こんにゃくなどの炭水化物ベースのガムは、胃腸の健康を増進することが知られている。炭水化物ラクツロースは、胃腸のガス処理能力を増進することでも知られている。
【0018】
プロバイオティックは一般に「善玉」菌と呼称され、健康的な免疫機構維持するために、体内に生息していなければならない。プロバイオティックとは、発酵速度を遅延させる結腸能力を増進する任意の細菌でありうる。乳酸桿菌属やビフィズス菌属の菌種のようなこのクラスの典型的な細菌は、結腸を酸性化することが知られている。ラクトバチルス アシドフィルスまたはビフィドバクテリウム ビフィダムには、この機能があることが知られている。1食分のプロバイオティックの量は結腸に有効な菌叢を提供できる任意の量にすることができる。本発明のプロバイオティックは、1食分につき約1x10から1x10CFU(コロニー形成単位)の量で摂取される。
【0019】
プレバイオティックとプロバイオティックの両方を含む組成物はシンバイオティック製品(symbiotic product)として知られる(プロバイオティック+プレバイオティック=シンバイオティック)。
【0020】
乳製品は、生菌の運搬及び保存に適し、一般的に冷蔵チャネルを介した配送形態をとり、確かな量の細菌の輸送ができる貯蔵寿命を持つため、理想的なプロバイオティックのキャリアーである。他の細菌輸送方法にすると、輸送中、また倉庫、店舗、貯蔵庫での保管中に細菌の損失が起こるため、非常に濃度の高い細菌調合を行う必要がある。
【0021】
乳製品は一日を通して摂取するものであるが、ほとんどの場合、朝食時に摂取するのでプレバイオティック及びプロバイオティックの摂取が定時的に行える。液体乳製品は固形経口摂取形態よりも摂取しやすく、特に嚥下障害を患う個人に有益である。既存する他の解決策では、消費者のライフスタイルに新しい定期的手順を加える必要があるが、それは非常に行い難い。プロバイオティック剤またはプレバイティック剤を定期的に摂取しないと、腸内細菌叢がラクトース処理能力の低い状態に戻ってしまう。
【0022】
牛乳由来のラクトースは典型的消費者によって摂取されるラクトースの約71%を占める。このラクトース摂取源一つを省いただけで、結腸の負担を軽減し、存在する最適化した腸内細菌叢の能力が向上し、他の摂取ラクトースの処理が担える。食事によるラクトースの主要供給源を省くことなしに腸内細菌叢を変動させるだけでは、結腸のガス処理能力の限度を超え、膨満感、痛み、鼓腸を起こす。
【0023】
平均的個人は、ラクトースを1日に約21.9g+/−0.5g摂取する。この量のうち、約15.7g+/−0.4gは、牛乳から摂取し、約6.2g+/−0.2gは、他の摂取源から摂取する。平均的個人は、牛乳を1日に約330g+/−0.7g摂取する。
【0024】
典型的低ラクトース乳は、ラクトースがほとんど100%除去されている。この新組成物によって、より低い除去レベルが可能となる。結腸の発酵性炭水化物の処理能力を向上させることにより、食事から摂取するラクトースすべてを除去するための必要性が緩和され得、有効性を損失することなく柔軟性のある調合と経済的な生産が可能となる。
【0025】
乳製品はいかなる種類の液体乳または乳ベース製品でもよい。そのような製品として、チョコレート乳、全乳、無脂肪乳、例えばスムージー、リクアド(liquado)(乳部分が無ラクトースでありうる、果汁および乳ベースのインスタント飲料、または果汁及び水成分インスタント飲料。両方とも、シェイク、スムージーまたはモルトとして呼称されるものと同様な形態を含む)、あるいはその他の乳製品混合飲料が挙げられる。発酵ヨーグルト製品、またはヨーグルト飲料、チーズ、アイスクリーム、その他同類の製品を含みうる。本発明の組成物は、発酵性炭水化物、例えばラクトースに対する摂取者の耐性を増進できるように、低ラクトース乳製品、及び有効量のプレバイオティックもしくはプロバイオティックまたはその両方を含む。
【0026】
乳製品は、一食分のパッケージを含め、さまざまな形態で販売され得、消費者が簡易性を犠牲にすることなく、また新しい定期手順を必要とすることなくバラエティに富んだ形態を提供する。
【0027】
低ラクトース乳製品は当該技術分野の当業者に既知の任意の方法によって生産することができる。例えば通常の牛乳をラクターゼ酵素で処理し、ラクトースをその構成炭水化物グルコースおよびガラクトースに加水分解することによって生産することができる。別の方法として、限外濾過を行うことによって低ラクトース乳製品を生産することができる。また、別の方法では、ラクトースを米国特許第5,952,205号及び米国特許第6,423,833号で開示された単独分岐炭水化物重合体への酵素触媒重合のための基質またはドナーとして使用する。ラクトースの低減レベルはほとんど100%またはそれ以下の完全低減まで達成し得る。
【0028】
プロバイオティックは、処理中に細菌が不活性化されない限り、いかなる生産過程においてでも乳製品に添加し得る。
【0029】
一実施形態において、プレバイオティックはいかなる生産段階であってもプレバイオティックが処理後に生存能力のあるエネルギー源であり続ける限り、低ラクトース製品に添加されることができる。
【0030】
一実施形態において、低ラクトース乳製品にはプロバイオティック及びプレバイオティックの両方が含まれる。この実施形態において、プレバイオティックは結腸内のプロバイオティックがプロバイオティックの成長を維持または促進できるエネルギー源を確保するための助けとなる。
【0031】
本発明の一実施形態は、ラクトースが除去または低減された乳製品、例えば低脂肪乳または脂肪分を除いていない牛乳(full fat milk)、アイスクリーム、ヨーグルト、チーズ、またはチーズ製品またはワンショット、スムージー、シェイク、モルト、クリーマーまたはその他として説明される可能性のあるその他乳製品である。これらの乳製品は、プロバイオティック及び/またはビフィズス菌あるいはラクトバチルス菌プレバイオティックを供給し1食分につき約1g〜約15gのプレバイオティックを供給する。このプレバイオティックには一食分につきラクツロース、短鎖及び長鎖イヌリン、短鎖及び長鎖フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、または部分的に加水分解されたグアーガムが含まれるがこれらに限定されず、またプレバイオティックは最終配合品の約0.5%から約20%W/Wであり、プレバイオティックの例は上記と同様である。望ましくない菌叢よりも有益な細菌の増殖を助長するのにプレバイオティックが特に有効な場合、例えば、1食分0.5g、または1食分0.1gの低量も使用できる。重要なのは、発酵速度が遅くなることである。
【0032】
ここに挙げる例は、限定を意図するものではなく、単に、本発明がヒトの乳糖不耐性に伴う症状を軽減する方法の一部として使用できうる形態の例示にすぎない。
【0033】
〔実施例 1〕
低ラクトース乳は、以下に示すようにプロバイオティックが添加されている。
【0034】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に約8x10CFUのラクトバチルス アシドフィルスが添加され、これは1食分につき約1x10CFUが含まれることを示す。
【0035】
〔実施例 2〕
低ラクトース乳は、プロバイオティックが添加されている。
【0036】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に、約1x10CFUのビフィドバクテリウム ロンガムが添加される。これは、1食分につき約0.2x10CFU、または全米乳製品協会(National Dairy Council)の推奨に基づいて1日に牛乳を3食分摂取すると、1日につき約0.6x10CFU摂取することを示す。
【0037】
〔実施例 3〕
低ラクトース乳は、プロバイオティックが添加されている。
【0038】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に、約66x10CFUのビフィドバクテリウム ビフィダムが添加される。これは、1食分につき約8.3x10CFU、または全米乳製品協会(National Dairy Council)の推奨に基づいて1日に牛乳を3食分摂取すると、1日につき約25x10CFU摂取することを示す。
【0039】
〔実施例 4〕
低ラクトース乳は、プレバイオティックが添加されている。
【0040】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に約8gのフラクトオリゴ糖が添加される。これは1食分につき1gを示す。
【0041】
〔実施例 5〕
低ラクトース乳は、プレバイオティックが添加されている。
【0042】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に約2.6gのフラクトオリゴ糖が添加される。これは、全米乳製品協会(National Dairy Council)の推奨に基づいて、1食分につき約0.33gを示し、1日に牛乳を3食分摂取すると、約1gを示す。
【0043】
〔実施例 6〕
低ラクトース乳は、シンバイオティックが添加されている。
【0044】
1.89L(半ガロン)の無ラクトース2%乳(商標:LACTAID(登録商標))に約2.6gのフラクトオリゴ糖とラクトバチルス アシドフィルスが約2.6x10CFU 添加される。これは、フラクトオリゴ糖1食分につき約0.33g、ラクトバチルス アシドフィルス1食分につき約333x10CFU、全米乳製品協会(National Dairy Council)の推奨に基づいて1日に3食分の牛乳を摂取した場合、フラクトオリゴ糖約1g、ラクトバチルス アシドフィルス約1x10CFU摂取することを示す。
【0045】
〔実施例 7〕
低ラクトース乳製品は、以下の手順によって準備された。無脂肪乳、水、イチゴピュレー、砂糖、クリーム、改変コーンスターチ、カラギナン、ペクチン、培養デキストロース、天然香料、人工香料、ソルビン酸カリウム(potasium sorbate)、ラクターゼ、リンゴ酸、着色料、ビタミンAパルミチン酸塩及びD2。配合物は、以下の栄養学的特性を持つ。
全体容量: 10 オンス カロリー: 220

%RDI 量
飽和脂肪 5% 3.5g
トランス脂肪 0% 0g
コレステロール 5% 15 mg
ナトリウム 4% 100 mg
全炭水化物 14%
食物繊維 2% 0.5g
砂糖 35g
たんぱく質 12% 6g
ビタミンA 15%
ビタミンC 10%
ビタミンD 30%
カルシウム 20%

この配合物には1食分につき約0.5gのプレバイオティック繊維が含まれる。
【0046】
〔実施例 8〕
低ラクトース乳製品は、以下の手順によって準備された。無脂肪乳、水、マンゴーピュレー、砂糖、クリーム、改変コーンスターチ、カラギナン、ペクチン、柑橘類果肉、培養デキストロース、天然香料、人工香料、ソルビン酸カリウム、ラクターゼ酵素、リンゴ酸、着色料、ビタミンAパルミチン酸塩及びD2。調合は、以下の栄養学的特性を持つ。
全体容量: 8オンス カロリー: 180

%RDI 量
飽和脂肪 9% 1.5g
トランス脂肪 0% 0g
コレステロール 4% 10mg
ナトリウム 3% 80mg
全炭水化物 12%
食物繊維 1% 0.25g
砂糖 29g
たんぱく質 10% 5g
ビタミンA 10%
ビタミンC 6%
ビタミンD 25%
カルシウム 15%

この配合物には1食分につき約0.25gのプレバイオティック繊維が含まれる。
【0047】
本発明は、上記で特定の実施形態を参照しながら例示及び説明されるが、本発明は記載の詳細に制限することを意図しない。むしろ、本発明相当のコンポーネント及び手順のスコープ及び範囲内から逸脱せずに、詳細に種々の変更がなされてよい。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) 乳糖分解酵素欠損に伴う症状を軽減する組成物において、
低ラクトース乳製品と、
有効量のプロバイオティック、プレバイオティック、あるいはこれらの混合物と、
を含む、組成物。
(2) 実施態様1に記載の組成物において、
前記低ラクトース乳製品が液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料からなる群の構成物から選択される、組成物。
(3) 実施態様1に記載の組成物において、
前記プレバイオティックが炭水化物重合体である、組成物。
(4) 実施態様3に記載の組成物において、
前記炭水化物重合体がフルクタン、ガラクタン、食品用ガム、フラクトオリゴ糖、オオバコ、ラクツロース、グアー、カラギナン、これらの混合物からなる群から選択される、組成物。
(5) 実施態様4に記載の組成物において、
前記炭水化物重合体の量が1食分240gにつき約0.1gから約15g存在する、組成物。
(6) 実施態様4に記載の組成物において、
1食分240gにつき前記炭水化物重合体が約0.33gである、組成物。
(7) 実施態様1に記載の組成物において、
前記プロバイオティックが乳酸桿菌属、ビフィズス菌属、及びその混合物の菌種の構成物からなる群から選択されるプロバイオティックである、組成物。
(8) 実施態様1に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約1x10gから約1x10cfu存在する、組成物。
(9) 実施態様8に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約10x10gから約0.5x10cfu存在する、組成物。
(10) 実施態様9に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約0.3x10cfu存在する、組成物。
(11) 乳糖不耐症の治療が必要な患者にその治療をする方法において、
低ラクトース乳製品、および、有効量のプロバイオティック、プレバイオティック、あるいはこれらの混合物、を含む組成物を提供すること、
を含む、方法。
(12) 実施態様11に記載の方法において、
前記低ラクトース乳製品が液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料からなる群の構成物から選択される、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳糖分解酵素欠損に伴う症状を軽減する組成物において、
低ラクトース乳製品と、
有効量のプロバイオティック、プレバイオティック、あるいはこれらの混合物と、
を含む、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、
前記低ラクトース乳製品が液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料からなる群の構成物から選択される、組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物において、
前記プレバイオティックが炭水化物重合体である、組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の組成物において、
前記炭水化物重合体がフルクタン、ガラクタン、食品用ガム、フラクトオリゴ糖、オオバコ、ラクツロース、グアー、カラギナン、これらの混合物からなる群から選択される、組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の組成物において、
前記炭水化物重合体の量が1食分240gにつき約0.1gから約15g存在する、組成物。
【請求項6】
請求項4に記載の組成物において、
1食分240gにつき前記炭水化物重合体が約0.33gである、組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物において、
前記プロバイオティックが乳酸桿菌属、ビフィズス菌属、及びその混合物の菌種の構成物からなる群から選択されるプロバイオティックである、組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約1x10gから約1x10cfu存在する、組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約10x10gから約0.5x10cfu存在する、組成物。
【請求項10】
請求項9に記載の組成物において、
前記プロバイオティックの量が1食分240gにつき約0.3x10cfu存在する、組成物。
【請求項11】
乳糖不耐症の治療が必要な患者にその治療をするための方法において、
低ラクトース乳製品、および、有効量のプロバイオティック、プレバイオティック、あるいはこれらの混合物、を含む組成物を提供すること、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記低ラクトース乳製品が液体乳、スムージー、リクアド、アイスクリーム、ヨーグルト、及びヨーグルト飲料からなる群の構成物から選択される、方法。

【公表番号】特表2009−526528(P2009−526528A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554463(P2008−554463)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/061464
【国際公開番号】WO2007/095425
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(505161460)マクニール ニュートリショナルズ,エル エル シー (11)
【Fターム(参考)】