説明

低出生体重児用使い捨ておむつ

【課題】装着者の体寸に合わせて容易に寸法変更が可能であるとともに、その寸法変更後のおむつの重量を容易に知ることができる低出生体重児用使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】上記課題は、おむつの幅方向に沿ってかつおむつの前後方向に間隔を空けて形成された幅方向ミシン目10によりおむつが複数の区画1A〜1Eに区切られており、任意の幅方向ミシン目10の切り離しにより一部の区画を切除し、その後側の一つ又は連続する複数の区画が残留使用部分となるように構成されるとともに、各区画1A〜1Eには、自身及び自身よりも後側に位置する全区画の重量を表示する重量表示20が設けられている、ことを特徴とする低出生体重児用使い捨ておむつ1によって、解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、低出生体重児への使用に適した使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、出生体重が2,500g以下の新生児は低出生体重児、1,500g以下の新生児は極低出生体重児、1,000g以下の新生児は超低出生体重児と呼ばれており、母体内にいる期間が短いことに起因して様々な面で抵抗力がなく、肌も弱いため、新生児集中治療室(NICU)において保育器内で保育される。低出生体重児は、角質層が極端に薄く肌が弱いため、おむつとの摩擦だけでも角質が剥がれ、その部分から細菌が侵入し炎症等のトラブルを引き起こすことがある。
【0003】
このような低出生体重児用の使い捨ておむつの提案もいくつかなされているが、他の新生児と同様に通常のテープタイプ使い捨ておむつ(例えば特許文献1、2参照)やパッドタイプ使い捨ておむつと同素材、同構造で、ただ単にサイズを小さくしたものを用いており、またそのサイズも2種類程度しか提供されていないのが現状である。
【0004】
そのため現場では、おむつを折ることにより装着者の体寸に合わせるようにしているが、その作業が煩雑であるのはもちろんのこと、折り返した部分が対象児のお腹部分を圧迫する。また、折り返すことで吸収体に厚みが出て、剛性が増し、摩擦などによる炎症などのトラブルを引き起こす心配があり、対象児の体寸に合わせたサイズのおむつが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−136702号公報
【特許文献2】特開2005−287871号公報
【特許文献3】特開2009−82484号公報
【特許文献4】特開2008−73187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この問題点を解決するものとして、本発明者はミシン目により部分的に切除を行う構造(例えば特許文献4参照)を利用して装着者の体寸に合わせることを考えた。
【0007】
しかしながら、低出生体重児用の使い捨ておむつは、尿量測定のために使用前重量が定められており、現場で必要に応じて切除してしまうと重量の再測定が必要となり、尿量計算(使用後のおむつの重量から使用前のおむつの重量を差し引くこと)も煩雑となる。なお、低出生体重児は、栄養を吸収したのか体外にきちんと排泄されたのかを見るために、尿量管理は欠かせないものである。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、装着者の体寸に合わせて容易に寸法変更が可能であるとともに、その寸法変更後のおむつの重量を容易に知ることができる低出生体重児用使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
ミシン目により区切られた複数の区画を有し、ミシン目の切り離しにより各区画が他の区画から切り離しできるように構成されるとともに、
前記ミシン目の切り離しにより一部の区画を切除した後の残留使用部分に、当該残留使用部分のみの重量を表示する又は算出するための重量表示が設けられた、
ことを特徴とする低出生体重児用使い捨ておむつ。
【0010】
(作用効果)
本発明では、ミシン目の切り離しにより一部の区画を切除し、装着者の体寸に合わせて寸法変更することができ、しかも、そのような部分切除を行っても、残留使用部分に、当該残留使用部分のみの重量を表示する又は算出するための重量表示が設けられているため寸法変更後のおむつの重量を容易に知ることができる。
【0011】
<請求項2記載の発明>
前記ミシン目として、おむつの第1の方向に間隔を空けて形成された第1の方向と直交する第2の方向に沿うミシン目を有しており、各区画に自身及び自身よりも第1の方向における一方側に位置する全区画の重量を表示する重量表示が設けられており、第1の方向における一方側の一つ又は連続する複数の区画が前記残留使用部分となるように構成された、請求項1記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
このような構成を採用することにより、おむつ寸法を容易に変更できるとともに、寸法変更後のおむつの重量(残留使用部分のみの重量)を、残留使用部分のうちの最も切除部分側に位置する区画の重量表示により一目で知ることができる。
【0013】
<請求項3記載の発明>
背側部分の両側部を腹側部分に対して係止することにより装着するように構成され、前記第1の方向における一方側が後側とされている、請求項2記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
請求項2の構成は、特に背側部分の両側部を腹側部分に対して係止することにより装着するタイプの使い捨ておむつのように、残留使用部分が背側となる必要があるものに好適である。
【0015】
<請求項4記載の発明>
前記ミシン目として、おむつの前後方向に間隔を空けて形成されたおむつの幅方向に沿う幅方向ミシン目と、おむつの前後方向に沿う前後方向ミシン目とを有しており、各区画に自身のみの重量表示が設けられている、請求項1記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。
【0016】
(作用効果)
このように、前後方向ミシン目と幅方向ミシン目とを組み合わせ、おむつの幅及び前後方向長さの両方を調整できるようにすることも可能であり、その場合には各区画に自身のみの重量表示を設け、残留使用部分に残る重量表示の総和により、寸法変更後のおむつの重量を算出するように構成するのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上のとおり本発明によれば、装着者の体寸に合わせて容易に寸法変更が可能であるとともに、その寸法変更後のおむつの重量を容易に知ることができる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】使い捨ておむつの展開状態の内面側を示す平面図である。
【図2】使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】図1のC−C断面図である。
【図6】装着状態を示す斜視図である。
【図7】使い捨ておむつの展開状態の外面側を示す平面図である。
【図8】図7のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
<テープタイプ使い捨ておむつの例>
図1〜図6は、背側部分B(前後方向中央より後側の部分)B及び腹側部分F(前後方向中央より前側の部分)Fを有し、装着に際して図6に示されるように、背側部分Bの両側部を腹側部分Fに対して係止することにより装着する、いわゆるテープタイプ使い捨ておむつ1を示している。なお、図3中の点模様部分はホットメルト接着剤を示しており、その塗布パターンとしては、ベタ塗りの他、サミット塗布、スパイラル塗布、ビード塗布など特に限定無く採用することができるが、間欠的なパターンが好ましい。
【0020】
より詳細には、この使い捨ておむつ1は、幅方向中央に沿って下腹部から股間部を通り臀部までを覆うように延在する部分であって、且つ身体側表面を形成する透液性トップシート2と、外面側に位置する液不透過性シート3と、これらの間に吸収体4が介在する部分である吸収性本体部を有している。液不透過性シート3の外面は外装シート5により被覆されている。この外装シート5は液不透過性シート3よりも幅方向外側に延在しており、同じく液不透過性シート3よりも幅方向外側に延在するトップシート2の側部とホットメルト接着剤により貼り合わされ、吸収体4の存在しないサイドフラップ部SFを形成しており、このサイドフラップ部SFの側部は外装シート5のみからなり、その側縁がおむつの両側縁を形成している。背側部分Bの両側部には、外装シート5が幅方向外側に突出して形成された突出部を有しており、この突出部の裏面に、腹側外面に対して連結されるファスニングテープ7が取り付けられている。
【0021】
これら部品の素材としては、公知のものを適宜用いることができる。例えば、トップシート2としては、目付け15〜35g/m2程度の各種不織布の他、多数の孔を有する孔開きフィルム等を用いることができ、必要に応じて、ビタミンE等のように皮膚の酸化劣化を抑制する酸化防止剤、皮膚の角質層の水分を保持し皮膚を柔軟にする動植物性油脂やグリセリン脂肪酸エステルのようなエモリエント剤・保湿剤等のスキンケア成分を含有させることができる。不織布としてはエアスルー、ポイントボンド、スパンボンド等、特に限定されないが、トップシート2に原料段階(原綿)でスキンケア成分を塗工する場合は短繊維不織布が好ましく、製品の製造ラインでスキンケア成分を塗工するのであれば、表面の平滑性が高いスパンボンド不織布が好ましい。また、不織布としては疎水性のものであっても良いが、肌に優しいという点で、親水性を有する不織布、中でも親水性天然繊維を含む不織布が好適である。
【0022】
液不透過性シート3としては、ポリエチレンフィルム等からなる非通気性フィルムまたは通気性多孔質フィルムを用いることができる。外装シート5としては、目付け10〜40g/m2程度の各種不織布、特に強度および柔軟性の両立の観点から、SMS不織布やSMMS不織布等の積層不織布を好適に用いることができる。
【0023】
外装シート5を形成する不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
【0024】
吸収体4としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体4は、厚みを薄くするためエアレイド法により形成するのが好ましい。吸収体4における繊維目付けは80〜150g/m2程度であるのが好ましく、ポリマー目付けは90〜160g程度であるのが好ましい。吸収体4に用いる高吸収性ポリマーとしては抗菌ポリマーが好ましい。吸収体4は、矩形や砂時計形などの形状であり、必要に応じて薄葉紙等の透液性シートで包装することができる。
【0025】
ファスニングテープ7は、不織布やプラスチックフィルム等からなるシート基材の端部がテープ取付部7Cとしておむつに取り付けられており、おむつ側縁から突出する先端側部分であるテープ本体部7Bには腹側に対する係止部7Aとして、メカニカルファスナーのフック材が設けられている。テープ取付部7Cは、外装シート5の突出部の裏面にホットメルト接着剤により接着されており、また、フック材はシート基材にホットメルト接着剤により接着されている。フック材は、その外面側に多数の係合突起を有する。係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。係止部7Aとしては、フック材に代えて、ファスニングテープ7の係止部7Aとして粘着材層を設けることもできる。
【0026】
図示形態では、腹側部分Fの外面をなす外装シート5が不織布からなるため、フック材をこの不織布の繊維に直接に係止する形態とすることにより、おむつの柔軟性の低下を抑制しているが、腹側部分Fにおけるファスニングテープ7の係止箇所には、係止を容易にするためのターゲットシートを設けることも可能である。ターゲットシートは、係止部7Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また係止部7Aが粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。
【0027】
また、図示形態においては、サイドフラップ部SFにおけるトップシート2と液不透過性シート3との間に、弾性伸縮部材6が前後方向(縦方向)に伸張した状態でそれぞれ固定されている。弾性伸縮部材6としては、図示例のように糸ゴム等の細長状のものが好ましいが、シート状や網状のものを用いることができる。糸ゴムとしては、合成ゴム、天然ゴムを問わず用いることができ、太さは470dtex以上(合成ゴムの場合、天然ゴムも同程度であるのが好ましい)のものが好ましく、前後方向に沿って120〜250%伸張した状態で固定されているのが好ましい。このような弾性伸縮部材6が設けられていると、おむつのサイドフラップ部SFが収縮して脚周りにフィットするようになる。なお、弾性伸縮部材6の収縮が肌の弱い低出生体重児にとって、過剰な刺激となり肌トラブルを誘発する場合もあるため、弾性伸縮部材6は省略しても良い。
【0028】
特徴的には、おむつの幅方向に沿ってかつおむつの前後方向に間隔を空けて形成された幅方向ミシン目10によりおむつが複数の区画1A〜1Eに区切られており、任意の幅方向ミシン目10の切り離しにより一部の区画を切除し、その後側の一つ又は連続する複数の区画が残留使用部分となるように構成されている。図示形態では、このような分割を容易にするために、吸収体4が予め分割されて前後方向に間隔を空けて配置され、この間隔部分にミシン目が位置するように構成されている。また、幅方向ミシン目10の切り離し部分が開いて吸収体4が出てこないように、幅方向ミシン目10の両側において、トップシート2と液不透過性シート3とがミシン目部ホットメルト接着剤8により貼り合わされている。
【0029】
各部の寸法等は適宜定めることができるが、通常の場合、おむつの全長Lは80〜 400mm程度、各切除可能区画1A〜1D(最も背側の区画1A〜1E以外の区画1A〜1E)の前後方向長さは30〜250mm程度、切除可能区画1A〜1Dの数は1〜 10個程度とすることができる。各区画1A〜1Eの重量はばらばらであっても良く、一部の複数の区画の重量のみが均等であっても良く、全区画1A〜1Eの重量が均等であっても良い。
【0030】
また特徴的には、各区画1A〜1Eには、自身及び自身よりも後側に位置する全区画の重量を表示する重量表示21が設けられている。例えば図示形態では、未切り離しのおむつの総重量がTW、最も背側の区画のみの重量がMW、他の区画の重量が等しくAWであるとすると、最も前側の区画1Aに総重量TWが表示され、その後側の一つめの(後側に隣接する)区画1BにはTW−AWが表示され、さらに2つめの区画1CにはTW−2×AWが表示され、最も背側の区画1Eの前の区画1Dまでは同様に総重量から当該区画よりも前側の区画の重量を差し引いた重量が表示され、最も背側の区画1EにはTW−4×AW(図示形態ではMW)が表示されることになる。このような重量表示21は、おむつ1の外面等に直接印刷することにより形成する他、予め印刷を施したシートをおむつ1の外面等に貼り付けることにより形成することもできる。
【0031】
使用に際しては、必要に応じて、例えばおむつ1の寸法が装着者の体寸よりも大きい場合や、お腹を大きく空けておきたい場合等には、適所の幅方向ミシン目10を切り離すことにより前側の区画1A〜1Eを一つ又は複数切除し、残りの部分を残留使用部分として装着者に装着する。この際、残留使用部分の最も前側の区画には、残留使用部分のみの重量が表示されているため、寸法変更後のおむつ1の重量を、計算のような煩雑かつ誤りのおそれがある作業をすることなく容易に知ることができ、尿量管理も容易となる。
【0032】
<パッドタイプ使い捨ておむつの例>
図7及び図8は、いわゆるパッドタイプ使い捨ておむつ1の例を示している。サイドフラップ部SFの突出部及びファスニングテープ7が無い点及び外形が長方形である点を除けば、基本構造は前述のテープタイプ使い捨ておむつ1と同様であるため、同じ符号を用いている。
【0033】
図示形態では、おむつの区画1a〜1fを区切る切り離し用ミシン目として、前述のテープタイプ使い捨ておむつ1と同様に、おむつの前後方向に間隔を空けて形成されたおむつの幅方向に沿う幅方向ミシン目10を有しているだけでなく、さらに、おむつの幅方向中央に形成されたおむつの前後方向に沿う前後方向ミシン目15を有しており、幅方向ミシン目10の切り離しによる前後方向寸法の調整だけでなく、前後方向ミシン目15の切り離しによる幅方向寸法も変更可能となっている。前後方向ミシン目15も、幅方向ミシン目10と同様に、間隔を空けて複数形成することができる。
【0034】
また、各区画1a〜1fには自身(一区画)のみの重量AWを表示する単独重量表示21が設けられており、任意のミシン目の切り離しにより任意の一つ又は連続する複数の区画を切除した後に、残留使用部分に残る各区画の単独重量表示21の総和により、寸法変更後のおむつの重量を算出することができるようになっている。この場合、各区画1a〜1fの重量はばらばらであっても良く、一部の複数の区画の重量が均等であっても良く、全区画1a〜1fの重量が均等であっても良い。
【0035】
図示しないが、パッドタイプ使い捨ておむつ1においても、前述のテープタイプ使い捨ておむつ1と同様に、幅方向ミシン目10のみ設ける形態とすることもできる。
【0036】
その他は、前述のテープタイプ使い捨ておむつ1の形態と同様であるため、敢えて説明は省略する。
【0037】
<その他>
上述の使い捨ておむつ1の各形で、ともに幅方向ミシン目10を有しているが、幅方向ミシン目10を有しない形態、例えば前後方向ミシン目15のみ有する形態としても良い。
【0038】
ミシン目10,15の形成部位が複数の異なる素材層の貼り合わせにより形成されている場合(図示例ではトップシート2、液不透過性シート3及び外装シート5が積層されている)、ミシン目のカット長さ及び切り残り(タイ)長さが全層で同じあると、弱い素材の層は誤ってミシン目が千切れるおそれがあり、強い素材の層は切り離しにくくなるおそれがある。よって、ミシン目のカット長さ及び切り残り長さを、一層又は複数層ごとに他の層と異なる適切な長さとするのが好ましい。例えば、弱い素材の層は切り残り長さを長くし、強い素材の層は切り残り長さを短くすることができ、図示形態の場合、トップシート2の切り残り長さを液不透過性シート3及び外装シート5よりも長くすることができる。
【0039】
また、図1に示す幅方向ミシン目10のように、ミシン目10が細長状弾性伸縮部材6を横切る形態では、ミシン目10のカット位置が細長状弾性伸縮部材6に合うようにミシン目10を形成しないと、ミシン目の切り離しの際に、細長状弾性伸縮部材6が繋がったままとなり、手で千切るのが困難となるおそれがある。よって、このような場合には、ミシン目を平行に複数ライン形成するとともに、各ラインのミシン目のカット部分と切り残り(タイ)部分が互い違いになるようにするのも好ましい形態である。これにより、ミシン目を横切る細長状弾性伸縮部材はいずれかのラインのカット部分と必ず交差するため、細長状弾性伸縮部材はミシン目位置で確実に切断され、ミシン目の切り離しの際に、細長状弾性伸縮部材6が繋がったままとなることがなく、手で容易に千切れるものとなる。
【0040】
他方、図2に示される形態のように幅方向のミシン目のみ有する形態においても、前述のパッドタイプ使い捨ておむつ1の形態のように、各区画1A〜1Eに自身(一区画)のみの単独重量表示を設け、残留使用部分に残る単独重量表示の総和により、寸法変更後のおむつの重量を算出するように構成しても良い。
【0041】
また、残留使用部分の重量表示20及び一区画のみの単独重量表示21を両方付与してもすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、低出生体重児用使い捨ておむつに利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…使い捨ておむつ、1A〜1E,1A〜1F,1a〜1f…区画、1A〜1D…切除可能区画、2…トップシート、3…液不透過性シート、4…吸収体、5…外装シート、6…弾性伸縮部材、7…ファスニングテープ、7A…係止部、7B…テープ本体部、7C…テープ取付部、8…ミシン目部ホットメルト接着剤、10…幅方向ミシン目、15…前後方向ミシン目、20…重量表示、21…単独重量表示、F…腹側部分、B…背側部分、SF…サイドフラップ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミシン目により区切られた複数の区画を有し、ミシン目の切り離しにより各区画が他の区画から切り離しできるように構成されるとともに、
前記ミシン目の切り離しにより一部の区画を切除した後の残留使用部分に、当該残留使用部分のみの重量を表示する又は算出するための重量表示が設けられた、
ことを特徴とする低出生体重児用使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記ミシン目として、おむつの第1の方向に間隔を空けて形成された第1の方向と直交する第2の方向に沿うミシン目を有しており、各区画に自身及び自身よりも第1の方向における一方側に位置する全区画の重量を表示する重量表示が設けられており、第1の方向における一方側の一つ又は連続する複数の区画が前記残留使用部分となるように構成された、請求項1記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。
【請求項3】
背側部分の両側部を腹側部分に対して係止することにより装着するように構成され、前記第1の方向における一方側が後側とされている、請求項2記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記ミシン目として、おむつの前後方向に間隔を空けて形成されたおむつの幅方向に沿う幅方向ミシン目と、おむつの前後方向に沿う前後方向ミシン目とを有しており、各区画に自身のみの重量表示が設けられている、請求項1記載の低出生体重児用使い捨ておむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74976(P2013−74976A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216099(P2011−216099)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】