説明

低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体を含有する医薬

【課題】アレルギー性疾患の予防及び/又は治療に有用な低分子量の多硫酸化ヒアルロン酸誘導体の提供。
【解決手段】下記一般式(IA)又は(IB)で表される低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩。


〔式中、nは0〜15の数、Rはそれぞれ独立して水素原子又はSO3H基、等〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体(HAPS)を含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
β−D−N−アセチルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互に結合してできた直鎖状の高分子多糖であるヒアルロン酸は、ムコ多糖類の中でも比較的容易に入手でき、特異な物理化学的性質及び生理的性質を示すことから、それ自体又はその各種誘導体が医薬品や化粧品として使用されている。
【0003】
例えば、ヒアルロン酸の誘導体である多硫酸化ヒアルロン酸は、カリクレイン−キニン系の阻害活性(特許文献1)及びホスホリパーゼA2の阻害活性(特許文献2)があり、アレルギー性疾患の治療薬として使用できること(特許文献3)、接着因子の一つであるセレクチン介在性の炎症に対する強い抗炎症作用を示すこと(特許文献4)等が知られている。
【0004】
また、粘度平均分子量が10000以下のような、低分子量のオリゴ多硫酸化ヒアルロン酸が皮膚透過性に優れた化粧料の有効成分として使用できること(特許文献5)、及び4〜20糖の多硫酸化ヒアルロン酸オリゴ糖が、抗血液凝固活性及び抗ヒアルロニダーゼ活性を有し、抗癌剤となり得る可能性があることが報告されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−147901号公報
【特許文献2】特開平11−269077号公報
【特許文献3】特開平11−335288号公報
【特許文献4】特開平8−277224号公報
【特許文献5】特開平10−195107号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Glycobiology, vol.11, No.1, pp.57-64, 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような多硫酸化ヒアルロン酸及び多硫酸化ヒアルロン酸オリゴマーには、それ自体が血管透過性亢進能等の刺激作用を有することから臨床応用に不適切なものもあり、薬理活性・安全性等の全てを満足するものは少ないのが実情である。
本発明は、このような問題点のないアレルギー性疾患の予防及び/又は治療に有用な低分子量のヒアルロン酸誘導体を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、アレルギー性疾患の予防及び/又は治療に有用な化合物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(IA)及び(IB)で示される低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体が、抗アレルギー作用及び抗炎症作用を持ち、かつ血管透過性亢進能を有さず、医薬品として有用であることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の1)〜6)に係るものである。
1)下記一般式(IA):
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、nは0〜15の数を示し、Xは次式(a)又は(b):
【0012】
【化2】

Yは次式(c)又は(d):
【0013】
【化3】

【0014】
を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又はSO3H基を示し(但し、Rの総数当たり8
0〜100%をSO3H基が占める)、R1は−OH、−OSO3H又は−NZ12(ここ
で、Z1及びZ2は、独立して水素原子、−SO3H、置換されていてもよい低級アルキル
基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示すか、或いは−NZ12全体でアミノ酸の残基もしくはペプチドの残基を示す。)を示し、*は酸素原子との結合部位を示す。〕、
又は、下記一般式(IB):
【0015】
【化4】

【0016】
〔式中、nは0〜15の数を示し、Wは次式(e)又は(f):
【0017】
【化5】

【0018】
を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又はSO3H基を示し(但し、Rの総数当たり8
0〜100%をSO3H基が占める)、R1は−OH、−OSO3H又は−NZ12(ここ
で、Z1及びZ2は、独立して水素原子、−SO3H、置換されていてもよい低級アルキル
基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示すか、或いは−NZ12全体でアミノ酸の残基もしくはペプチドの残基を示す。)を示し、*は酸素原子との結合部位を示す。〕
で表される低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬。
2)一般式(IA)において、Xが式(a)である、上記1)の医薬。
3)一般式(IB)である、上記1)記載の医薬。
4)nが3、4又は5である、上記2)又は3)の医薬。
5)nが4又は5である、上記2)又は3)の医薬。
6)花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎及び喘息から選ばれるアレルギー性疾患の予防及び/又は治療剤である上記1)−5)の医薬。
【発明の効果】
【0019】
本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、優れた抗アレルギー作用及び抗炎症作用を有すると共に、血管透過性亢進能を有さないことから、副作用が少なく安全性に優れる医薬として、具体的には、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎及び喘息等の、アレルギー性疾患の予防及び/又は治療剤として使用できる。また、本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、水溶液中での安定性が高く、製剤化が容易であるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】製造例1で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図2】製造例2で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図3】製造例3で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図4】製造例4で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図5】製造例5で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図6】製造例6で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図7】製造例7で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図8】製造例8で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図9】製造例9で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図10】製造例10で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図11】製造例11で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図12】製造例14で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図13】製造例15で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図14】製造例16で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図15】製造例17で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図16】製造例18で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図17】製造例19で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図18】製造例20で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図19】製造例21で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図20】製造例22で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図21】製造例23で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図22】製造例24で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図23】製造例25で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図24】製造例26で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図25】製造例27で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図26】製造例28で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図27】製造例29で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図28】製造例30で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図29】製造例31で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図30】製造例32で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図31】製造例33で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図32】製造例34で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図33】製造例35で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図34】製造例36で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図35】製造例37で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図36】製造例38で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図37】製造例39で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図38】製造例40で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図39】製造例41で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図40】製造例42で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図41】製造例43で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図42】製造例44で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図43】製造例45で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図44】製造例46で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図45】製造例47で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図46】製造例48で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図47】製造例49で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図48】製造例50で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図49】製造例51で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図50】製造例52で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図51】製造例53で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図52】製造例54で得られた化合物の1H−NMRチャート図。
【図53】化合物1の1H−NMRチャート図。
【図54】化合物2の1H−NMRチャート図。
【図55】化合物3の1H−NMRチャート図。
【図56】化合物4の1H−NMRチャート図。
【図57】化合物5の1H−NMRチャート図。
【図58】化合物6の1H−NMRチャート図。
【図59】化合物7の1H−NMRチャート図。
【図60】化合物8の1H−NMRチャート図。
【図61】化合物9の1H−NMRチャート図。
【図62】化合物10の1H−NMRチャート図。
【図63】化合物11の1H−NMRチャート図。
【図64】化合物14の1H−NMRチャート図。
【図65】化合物15の1H−NMRチャート図。
【図66】化合物16の1H−NMRチャート図。
【図67】化合物17の1H−NMRチャート図。
【図68】化合物18の1H−NMRチャート図。
【図69】化合物19の1H−NMRチャート図。
【図70】化合物20の1H−NMRチャート図。
【図71】化合物21の1H−NMRチャート図。
【図72】化合物22の1H−NMRチャート図。
【図73】化合物23の1H−NMRチャート図。
【図74】化合物24の1H−NMRチャート図。
【図75】化合物25の1H−NMRチャート図。
【図76】化合物26の1H−NMRチャート図。
【図77】化合物27の1H−NMRチャート図。
【図78】化合物28の1H−NMRチャート図。
【図79】化合物29の1H−NMRチャート図。
【図80】化合物30の1H−NMRチャート図。
【図81】化合物31の1H−NMRチャート図。
【図82】化合物32の1H−NMRチャート図。
【図83】化合物33の1H−NMRチャート図。
【図84】化合物34の1H−NMRチャート図。
【図85】化合物35の1H−NMRチャート図。
【図86】化合物36の1H−NMRチャート図。
【図87】化合物37の1H−NMRチャート図。
【図88】化合物38の1H−NMRチャート図。
【図89】化合物39の1H−NMRチャート図。
【図90】化合物40の1H−NMRチャート図。
【図91】化合物41の1H−NMRチャート図。
【図92】化合物42の1H−NMRチャート図。
【図93】化合物43の1H−NMRチャート図。
【図94】化合物44の1H−NMRチャート図。
【図95】化合物45の1H−NMRチャート図。
【図96】化合物46の1H−NMRチャート図。
【図97】化合物47の1H−NMRチャート図。
【図98】化合物48の1H−NMRチャート図。
【図99】化合物56のH−NMRチャート図。
【図100】即時型アレルギー反応抑制効果を示すグラフ。###: p<0.01, ## : p<0.01, †: p<0.05, * :p<0.05, **: P<0.01,N = 8, mean +/- SE
【図101】即時型アレルギー反応抑制効果を示すグラフ。###: p<0.01, ## : p<0.01, †: p<0.05, * :p<0.05, **: P<0.01,N = 8, mean +/- SE
【図102】遅発型アレルギー反応抑制効果を示すグラフ。###: p<0.01, ## : p<0.01, †: p<0.05, * :p<0.05, **: P<0.01,N = 8, mean +/- SE
【図103】遅発型アレルギー反応抑制効果を示すグラフ。###: p<0.01, ## : p<0.01, †: p<0.05, * :p<0.05, **: P<0.01,N = 8, mean +/- SE
【図104】血管透過亢進能を示すグラフ。dex:デキストラン投与のスポット,Control:硫酸化ヒアルロン酸 投与のスポット
【図105】血管透過亢進能を示すグラフ。dex:デキストラン投与のスポット,Control:硫酸化ヒアルロン酸 投与のスポット
【図106】血管透過亢進能を示すグラフ。dex:デキストラン投与のスポット,Control:硫酸化ヒアルロン酸 投与のスポット
【図107】血管透過亢進能を示すグラフ。dex:デキストラン投与のスポット,Control:硫酸化ヒアルロン酸 投与のスポット
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体は、ヒアルロン酸オリゴマーの総水酸基が過剰に硫酸化されたものであるが、硫酸化の程度は、式(IA)及び(IB)のRの総数(オリゴマー全体)当たり、SO3H基の占める割合(又は置換度)が、80〜10085〜100%、90〜100%であるものが挙げられ、91〜100%であるものが好ましい。尚、オリゴマーにおけるSO3H基は偏在していてもよいが、通常、分子全体に均一に存在するものが、調製及
び使用の観点からは好ましい。
【0022】
本発明の化合物は、文献未記載の新規化合物である。
上記式(IA)及び(IB)において、Z1及びZ2で示される、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリール基における、「低級アルキル」としては、直鎖又は分枝状の炭素数1〜6(以下、「C1-6」のように略す)のアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等が挙げられる。このうち、好ましくは、C1-4アルキルであり、より好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルであり、更に好ましくは、メチル、エチルである。
【0023】
「アリール基」としては、C6-14の単環乃至三環式芳香族炭化水素環基が挙げられ、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニルが挙げられ、好ましくはフェニルである。
【0024】
「ヘテロアリール基」としては、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ有する、飽和又は不飽和の単環又は多環複素環式基が挙げられる。
具体的には、1〜4の窒素原子を有する3〜6員の不飽和複素単環式基、例えばピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、テトラヒドロピリジル等;
1〜4の窒素原子を有する3〜7員の飽和複素単環式基、例えばピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ホモピペリジル等;
1〜5の窒素原子を有する不飽和縮合複素環式基、例えばインドリル、イソインドリル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、イミダソピリジル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリジニル、キノキサリニル、ピリジノテトラヒドロピリジル、テトラヒドロイソキノリル、インドリニル、ジヒドロピロロピリジル等;
1〜5の窒素原子を有する飽和縮合複素環式基、例えばピロリジノピペラジニル、キヌクリジニル、ピロリジノピペリジル等;
酸素原子を有する3〜6員の不飽和複素単環式基、例えばピラニル、フリル等;
酸素原子を有する3〜6員の飽和複素単環式基、例えば1H−テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル等;
1又は2の硫黄原子を有する3〜6員の不飽和複素単環式基、例えばチエニル等;
1又は2の酸素原子及び1〜3の窒素原子を有する3〜6員の不飽和複素単環式基、例えばオキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジリニル等;
1又は2の酸素原子及び1〜3の窒素原子を有する3〜6員の飽和複素単環式基、例えばモルホリニル等;
1又は2の酸素原子及び1〜3の窒素原子を有する飽和縮合複素環式基、例えばベンゾフラザニル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル等;
1又は2の硫黄原子及び1〜3の窒素原子を有する3〜6員の不飽和複素単環式基、例えばチアゾリル、チアジアゾリル等;
1又は2の硫黄原子及び1〜3の窒素原子を有する3〜6員の飽和複素単環式基、例えばチアゾリジニル等;
1又は2の硫黄原子及び1〜3の窒素原子を有する不飽和縮合複素環式基、例えばベンゾチアゾリル、チアゾロテトラヒドロピリジル等;
1又は2の酸素原子を有する不飽和縮合複素環式基、例えばベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、クロマニル等;
が挙げられる。
【0025】
上記「低級アルキル基」に置換し得る基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、アリール基、低級アルコキシル基、アシル基等が挙げられ、「アリール基」及び「ヘテロアリール基」に置換し得る基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、低級アルキル基、低級アルコキシル基、アシル基等が挙げられる。
【0026】
ここで、アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、低級アルキル基としては、上述したC1-6アルキルが挙げられる。
【0027】
また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
【0028】
また、低級アルコキシ基としては、直鎖又は分枝状のC1-6アルコキシ、例えばメトキ
シ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-
ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ等が挙げられる。このう
ち、好ましくは、C1-4アルコキシルであり、より好ましくは、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシであり、更に好ましくは、メトキシ、エトキシである。
【0029】
アシル基としては、CHO、C1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル、アリールカルボニル、アリール-C1-6アルキレン−カルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリール-C1-6アルキレン−カルボニル基等が挙げられる。
ここで、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アリール、ヘテロアリールは前記したものと同様の基が挙げられる。また、C1-6アルキレンとしては、直鎖又は分枝状のC1-6アルキレン、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチルメチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエチレン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等が挙げられ、好ましくは、メチレン、エチレン、トリメチレンである。
【0030】
また、「アラルキル基」としては、例えばアリール−C1-6アルキルが挙げられる。こ
こで、アリール、C1-6アルキルとしては前記と同様の基が例示できるが、好適なアラル
キル基としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
当該アラルキル基に置換し得る基としては、上記のアリール基、低級アルキル基に置換し得る基として例示したものが挙げられる。
【0031】
1及びZ2で示される、「置換されていてもよい低級アルキル基」としては、トリフルオロメチル、ベンジル、2−、3−あるいは4−メチルベンジル、2−、3−あるいは4−メトキシベンジル、メトキシメチル、メトキシカルボニルメチル基等が好ましく、
「置換されていてもよいアリール基」としては、2−、3−あるいは4−メチルフェニル、2−、3−あるいは4−メトキシフェニル、2−、3−あるいは4−フルオロフェニ
ル、2−、3−あるいは4−トリフルオロメチル、2−、3−あるいは4−カルボキシフェニル基等が好ましく、
「置換されていてもよいアラルキル基」としては、ベンジル、2−、3−あるいは4−メチルベンジル、2−、3−あるいは4−メトキシベンジル等が好ましく、
「置換されていてもよいヘテロアリール基」としては、2−、3−あるいは4−メチルピリジル、2−、3−あるいは4−メトキシピリジル、2−、3−あるいは4−フルオロピリジル、2−、3−あるいは4−トリフルオロピリジル、2−、3−あるいは4−カルボキシピリジル基等が好ましい。
−NZ12が全体としてアミノ酸の残基もしくはペプチドの残基を示す場合における、「アミノ酸の残基もしくはペプチドの残基」としては、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、β-アラニン、サルコシン、フェニルグリシン、N−エチルグリシン、N−n−プロピルグリシン、N−イソプロピルグリシン、N−n−ブチルグリシン、N−tert−ブチルグリシン、N−n−ペンチルグリシン、N−n−ヘキシルグリシン等のアミノ酸の残基;サルコシルグリシン、グリシルグリシン、グリシルサルコシン、サルコシルサルコシン、アラニルグリシン、β-アラニルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニン、フェニルアラニルグリシン、フェニルアラニルフェニルアラニン、グリシルグリシルグリシン、N−エチルグリシルグリシン、N−n−プロピルグリシルグリシン、サルコシルグリシルグリシン、N−エチルグリシルグリシルグリシン、フェニルアラニルグリシルグリシン等のペプチドの残基が挙げらる。尚、−NZがアミノ酸の残基を示す場合、当該窒素原子はα−アミノ基又はβ−アミノ基の窒素原子を意味し、ペプチドの残基を示す場合、当該窒素原子はN末端アミノ基の窒素原子を意味する。また、当該アミノ酸残基もしくはペプチド残基は、末端のカルボキシル基がアミド化され−CONHとなっていてもよい。
【0032】
式(IA)及び(IB)で表される化合物において、nは0〜15の数を示すが、1〜15であるのが好ましく、3〜9であるのがより好ましく、3、4又は5であるのがより好ましく、4又は5であるのがさらに好ましい。
【0033】
尚、上記一般式(IA)及び(IB)で表される化合物には、各種立体異性体、光学異性体、水和物等の溶媒和物が包含される。
【0034】
また、本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体の好適な塩は、製薬学的に許容される塩であって、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、アルカリ金属(ナトリウムやカリウム等)及びアルカリ土類金属(マグネシウムやカルシウム等)の水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩等の無機塩基との塩、もしくは、有機アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリン等の有機塩基との塩等を挙げることができる。
【0035】
本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩の分子量は、塩の種類によっても異なるが、その平均分子量は、1500〜13500であるのが好ましい。
【0036】
本発明の一般式(IA)あるいは(IB)で示される化合物は、例えば、下記の反応式−1に示すように、一般式(IIA)あるいは(IIB)で示される低分子量ヒアルロン酸誘導体を硫酸化することにより製造することができる。尚、原料化合物及び目的化合物は、前記した適切な塩であっても良い。
また、下記式中、Z3及びZ4で示される各置換基は、Z1及びZ2に対応し、各置換基の意味は前述したとおりである。
【0037】
【化6】

【0038】
[式中、X1は次の(a1)又は(b1
【0039】
【化7】

【0040】
1は次の(c1)又は(d1
【0041】
【化8】

【0042】
、W1は次の(e1)又は(f1
【0043】
【化9】

【0044】
を示し、R1'は−OH又は−NZ34(ここで、Z3及びZ4は、独立して水素原子、置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示すか、或いは−NZ3
4全体でアミノ酸残基もしくはペプチド残基を示し、n、X、Y、W、R及び*は前記
と同じものを示す。〕
【0045】
本反応は、既知の硫酸化反応、例えば化合物(IIA)あるいは(IIB)と硫酸化剤を適当な溶媒に溶解させ、加熱下に反応させることにより行うことができる。
尚、硫酸化度の調整は、公知の方法(例えば、特開2000−80102号公報参照)に従い、用いる硫酸化剤の使用量を適宜変更することにより行うことができる。また、硫酸化度の測定は、酸加水分解して生成する硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーによって定量することにより行うことができる。
【0046】
ここで使用される溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、ピリジン、N,N−ジメチルアクリルアミド、あるいは、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−1−メチルピロリジニウム テトラフルオロボレート、1−ブチルピリジニウム クロリド等のイオン性液体等、又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0047】
硫酸化剤としては、特に限定されるものではないが、無水硫酸とピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン等の錯体、若しくは、硫酸−ジシクロヘキシルカルボジイミド、クロロスルホン等を使用するのが好ましい。一般に硫酸化剤は化合物(IIA)あるいは(IIB)に対して1〜100等量使用するのが好ましい。また、本反応の系内には、トリフルオロ酢酸やトリフルオロメタンスルホン酸等の酸触媒を添加しても良い。
【0048】
反応温度及び反応時間は、特に限定されるものではないが、例えば、0〜120℃で、30分〜20日が挙げられる。
【0049】
式(IIA)中、Y1で示される式(c1)又は(d1)において、R1'が−OHである
化合物、あるいは式(IIB)中、R1'が−OHである化合物は、反応−2で示される還元反応により製造することができる。尚、原料化合物及び目的化合物は、前記した適切な塩であっても良い。
【0050】
【化10】

【0051】
[式中、A1は次の(g)又は(h)
【化11】

【0052】
、A2は次の(i)又は(j)
【0053】
【化12】

【0054】
を示し、n、X1及び*は前記と同じものを示す。]
【0055】
すなわち、化合物(III-1)あるいは(III-2)を、例えば適当な溶媒中還元剤の存在下に還元反応に付すことにより化合物(II−1)あるいは(II-2)を製造す
ることができる。
本反応に使用される溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール類、アセトニトリル、蟻酸、酢酸等の脂肪酸、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0056】
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、水素化ホウ素亜鉛、トリ第二ブチル水素化ホウ素リチウム、ボラン類縁体、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化リチウムアルミニウム等を例示できる。
還元剤は、化合物(III-1)あるいは(III-2)に対して、通常0.1倍モル〜60倍モル程度用いられる。
【0057】
本反応の系内には、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム等の無機塩基又は/及びジメチルグリオキシム、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナンスロリン等のリガンドの存在下、塩化亜鉛、塩化コバルト(II)、塩化サマリウム(III)、塩化セリウム(III)、塩化チタン(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化ニッケル(II)等を添加しても良い。
なお、本還元反応は、パラジウム、白金などの遷移金属触媒存在下での接触水素化によって行なうこともできる。
【0058】
本反応は、通常−80〜100℃程度、好ましくは−80〜70℃程度にて行なうことができるが、一般に、30分〜60時間程度で終了する。
【0059】
式(IIA)中、Y1で示される式(c1)又は(d1)において、R1'が−NZ34
ある化合物、あるいは式(IIB)中、R1'が−NZ34である化合物は、次反応式−3で示される還元的アミノ化反応により製造することができる。尚、原料化合物及び目的化合物は、前記した適切な塩であっても良い。
【0060】
【化13】

【0061】
〔式中、A1、A2、Z3及びZ4は、前記と同じものを示す。〕
【0062】
本反応は、例えば、適当な溶媒中、還元剤の存在下、化合物(III-1)又は(II
I-2)にアミン(IV)を反応させてシッフ塩基を形成させ、次いで還元する、いわゆ
る還元的アミノ化反応である。
【0063】
アミン(IV)は、化合物(III-1)又は(III-2)に対して、通常1倍モル〜5倍モル程度用いられる。
【0064】
ここで使用される溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、エチレングリコール等の低級アルコール類、アセトニトリル、蟻酸、酢酸等の脂肪酸、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、ジグライム等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド又はこれらの混合溶媒等を例示できる。
【0065】
ここで使用される還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラブチルアンモニウム、シアノトリヒドロホウ酸ナトリウム、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウム等を例示できる。還元剤は、化合物(III)に対して、通常0.1倍モル〜60倍モル程度用いられる。
【0066】
本反応は、通常−80〜100℃程度、好ましくは−80〜70℃程度にて行うことができるが、一般的に、30分〜60時間程度で終了する。
【0067】
必要に応じて、1倍モル〜50倍モルの有機酸類もしくはその塩の存在下で反応を行なってもよい。有機酸類もしくはその塩としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸やこれらのアルカリ金属塩(例えば酢酸ナトリウム等)等が挙げられる。
【0068】
本反応の系内には、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム等の無機塩基又は/及びジメチルグリオキシム、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナンスロリン等のリガンドの存在下、塩化亜鉛、塩化コバルト(II)、塩化サマリウム(III)、塩化セリウム(III)、塩化チタン(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化ニッケル(II)等を添加しても良い。
また、該反応の反応系内に、適当量のホウ酸を添加しても良い。
【0069】
偶数の糖で構成される化合物群と奇数糖で構成される化合物群の変換は、次反応式−4又は5により、原料化合物より構成糖の一つ少ない化合物を製造できる。
【0070】
【化14】

【0071】
[式中、A2は前記と同じものを示す。]
【0072】
本反応は、弱アルカリ加熱処理によるN-アセチルグルコサミンの脱離反応である。
化合物(V)をReissigらの方法(Reissig, J. L., et al., J. Biol. Chem., 217, 959 (1955))に準じて、PH9.18のホウ酸塩緩衝液中で加熱攪拌することで、化合物(VI)を製造できる。
本反応は、通常50〜120℃程度、好ましくは70〜90℃程度にて行うことができるが、一般的に、30分〜60時間程度で終了する。
【0073】
【化15】

【0074】
[式中、D1は次の(r)又は(s)
【0075】
【化16】

【0076】
を示し、n及び*は前記と同じものを示す。]
【0077】
本反応は、β−グルクロニダーゼを用いたグルクロン酸の脱離反応である。
化合物(VII)を、β-グルクロニダーゼ存在下、適当なバッファー中で攪拌するこ
とで、化合物(VIII)を製造できる。
本反応は、通常室温〜60℃程度、好ましくは30〜40℃程度にて行うことができるが、一般的に、30分〜60時間程度で終了する。
【0078】
上記の各反応式で得られる各々の目的化合物は、各種修飾多糖類で常用されている精製操作により精製することができる。具体的な精製操作には、ゲルろ過、中和、透析による
脱塩、有機溶媒添加の沈殿操作による回収操作、もしくは凍結乾燥による回収操作等が挙げられる。
【0079】
本発明の化合物は、後記実施例に示すように、抗アレルギー作用及び抗炎症作用を持ち、かつ血管透過性亢進能を示さないことから、医薬として、具体的には花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎及び喘息等のアレルギー性疾患の予防及び/又は治療するための医薬として有用である。
斯かる医薬は、本発明の化合物を通常の医療製剤の形態に製剤したものであって、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。
【0080】
このような医薬としては、治療目的に応じて種々の形態の中から選択でき、その代表的なものとして、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、点眼剤、軟膏剤、吸入剤等が挙げられる。
【0081】
錠剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が挙げられる。
【0082】
更に錠剤は、必要に応じて通常の錠皮を施した錠剤、例えば、糖衣剤、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
【0083】
丸剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、寒天等の崩壊剤等が挙げられる。
【0084】
坐剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル、ゼラチン、半合成グリセライド等が挙げられる。
【0085】
注射剤として調整される場合は、液剤、乳剤、及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これらの液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形する際に用いられる希釈剤としては、公知の広く用いられているものを使用することができ、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。なお、この場合、等張性の溶液を調整するのに十分な量の食塩、ブドウ糖或いはグリセリンを医療製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を、更に必要に応じて、着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させても良い。
【0086】
斯かる医薬中に含有される本発明化合物の量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選
択することができるが、通常、医薬中に本発明化合物を1〜70重量%含有させるのが好ましい。
本発明に係る医薬の投与方法としては、特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、疾患の状態、その他の条件に応じた方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また、注射剤の場合には、単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内に投与したり、更には必要に応じて、単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内に投与したりすることができる。坐剤の場合には、直腸内に投与される。
【0087】
上記医薬の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、1日あたり体重1kgに対して、0.001〜100mg、好ましくは0.001〜50mgを1回〜数回に分けて投与される。尚、上記投与量は、種々の条件で変動するので、上記範囲より少ない投与量で十分な場合もあるし、また上記範囲を超えた投与量が必要な場合もある。
【実施例】
【0088】
以下、実施例を掲げて、本発明をより詳細に説明する。
なお、1H−NMRは、溶媒として重水(D2O)を用い、AVANCEIII 400(B
URKER社製)あるいはAVANCE 500(BURKER社製)により測定した。製造例1〜54 原料化合物の製造
以下の製造例1〜54に記載の方法により、表1〜7で示される原料化合物を製造した。
なお、質量分析は、Voyager DE−PRO(アプライドシステムズジャパン株式会社)による。
製造例1
ヒアルロン酸ナトリウム(資生堂製、BIO Sodium Hyaluronate
HA9)とウシ精巣由来ヒアルロニダーゼ(calbiochem社製、Hyaluro
nidase Bovine T 100KU)から、文献Glycobiology, vol.12, No.7, pp.421-426, 2002に従って分離したヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(20mg)を、メタノール(1ml)と水(0.5ml)に溶解し、氷冷
下、水素化ホウ素ナトリウム(10mg)を加えて撹拌した。室温に戻して一晩撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。
氷冷下で10%酢酸メタノール溶液(0.5ml)と水(1ml)を加えた後、減圧下で濃縮した。10%酢酸メタノール溶液(0.5ml)を加えて共沸した後、メタノール(2ml)を加えて共沸を2回行なった。
残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。ショートカラム(Aldrich社製、Dowex(登録商標)50W x
8 hydrogen form)に通してプロトン化体とした後、減圧濃縮した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマト
グラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(12mg、白色粉末)
MS[M+Na]+:846.21
1H−NMR:チャートを図1に示す。
【0089】
製造例2
原料をヒアルロン酸オリゴ糖6-mer(60mg)に変えたこと以外、製造例1と同
様に反応して、目的物を得た。(50mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1157.81
1H−NMR:チャートを図2に示す。
【0090】
製造例3
ヒアルロン酸オリゴ糖8-mer(60mg)を製造例1と同様に反応して、目的物を
得た。(51mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1535.57
1H−NMR:チャートを図3に示す。
【0091】
製造例4
ヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(60mg)を製造例1と同様に反応して、目的物
を得た。(48mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1915.72
1H−NMR:チャートを図4に示す。
【0092】
製造例5
ヒアルロン酸オリゴ糖12-mer(60mg)を製造例1と同様に反応して、目的物
を得た。(60mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2294.98
1H−NMR:チャートを図5に示す。
【0093】
製造例6
原料をヒアルロン酸オリゴ糖14-mer(20mg)に変えたこと以外、製造例1と
同様にして、目的物を得た。(20mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図6に示す。
【0094】
製造例7
ヒアルロン酸オリゴ糖16-mer(10mg)を、メタノール(0.6ml)と水(
0.3ml)に溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(5mg)を加えて撹拌した。室温に戻して一晩撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。
氷冷下で10%酢酸メタノール溶液(0.1ml)と水(0.2ml)を加えた後、減圧下で濃縮した。
残渣を水(1ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用い
てゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図7に示す。
【0095】
製造例8
原料をヒアルロン酸オリゴ糖18-mer(20mg)に変えたこと以外、製造例1と同様にして、目的物を得た。(20mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図8に示す。
【0096】
製造例9
原料をヒアルロン酸オリゴ糖20-mer(42mg)に変えたこと以外、製造例1と
同様にして、目的物を得た。(40mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図9に示す。
【0097】
製造例10
ヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(20mg)を、水(0.8ml)に溶解し、氷冷
した。アントラニル酸(30mg)、ボロン酸(40mg)、酢酸ナトリウム(80mg)及びシアノトリヒドロホウ酸ナトリウム(5mg)をメタノール(1ml)と水(0.2ml)に溶解し、この溶液を加えて80℃で5時間撹拌した。質量分析にて反応の終了
を確認した。
減圧下で濃縮した後、残渣をメタノール(1ml)と水(1ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。ゲルろ過クロマトグラフィー(LH−20、18mm × 500mm、水:メタノール=1:1)を行い精製し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(24mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図10に示す。
【0098】
製造例11
ヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(20mg)を、水(0.8ml)に溶解し、氷冷
した。アニリン(30mg)、ボロン酸(40mg)、酢酸ナトリウム(80mg)及びシアノトリヒドロホウ酸ナトリウム(5mg)をメタノール(1ml)と水(0.2ml)に溶解し、加えて80℃で5時間撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。
減圧下で濃縮した後、残渣をメタノール(1ml)と水(1ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。ゲルろ過クロマトグラフィー(LH−20、18mm × 500mm、水:メタノール=1:1)を行い精製し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(17mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図11に示す。
【0099】
製造例12
原料をヒアルロン酸オリゴ糖24〜32-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例1と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
【0100】
製造例13
原料をヒアルロン酸オリゴ糖34〜46-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例1と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
【0101】
製造例1〜13の目的物の構造を下記表1に記す。
【0102】
【表1】

【0103】
製造例14
ヒアルロン酸ナトリウム(資生堂製、BIO Sodium Hyaluronate
HA9)とウシ精巣由来ヒアルロニダーゼ(calbiochem社製、Hyaluro
nidase Bovine T 100KU)から、文献Glycobiology, vol.12, No.7, pp.421-426, 2002に従って分離したヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(40mg)を、ホウ酸塩緩衝液(pH9.18)(3ml)に溶解し、8
0℃にて1時間攪拌した。室温に戻し、メタノール(3ml)を加えた後、減圧濃縮した。残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した後、AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用
いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を濃縮することで白色粉末を得た。
続いて、得られた白色粉末(25mg)をメタノール(1ml)と水(0.5ml)に溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(10mg)を加えて撹拌した。室温に戻して一晩撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。氷冷下で10%酢酸メタノール溶液(0.2ml)を加えた後、減圧下で濃縮した。残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した後、AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−1
0、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(18mg、白色粉末)
MS[M-H]-:573.45
1H−NMR:チャートを図12に示す。
【0104】
製造例15
原料をヒアルロン酸オリゴ糖6-mer(60mg)に変えたこと以外、製造例14と
同様にして、目的物を得た。(34mg、白色粉末)
MS[M-H]-:953.02
1H−NMR:チャートを図13に示す。
【0105】
製造例16
原料をヒアルロン酸オリゴ糖8-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例14と
同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1331.54
1H−NMR:チャートを図14に示す。
【0106】
製造例17
原料をヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例14
と同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1710.28
1H−NMR:チャートを図15に示す。
【0107】
製造例18
原料をヒアルロン酸オリゴ糖12-mer(20mg)に変えたこと以外、製造例14
と同様にして、目的物を得た。(16mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2090.01
1H−NMR:チャートを図16に示す。
【0108】
製造例19
原料をヒアルロン酸オリゴ糖14-mer(18mg)に変えたこと以外、製造例14
と同様にして、目的物を得た。(11mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2469.52
1H−NMR:チャートを図17に示す。
【0109】
製造例20
原料をヒアルロン酸オリゴ糖16-mer(7mg)に変えたこと以外、製造例14と
同様にして、目的物を得た。(5mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2848.59
1H−NMR:チャートを図18に示す。
【0110】
製造例21
原料をヒアルロン酸オリゴ糖18-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例14
と同様にして、目的物を得た。(9mg、白色粉末)
MS[M-H]-:3225.70
1H−NMR:チャートを図19に示す。
【0111】
製造例22
原料をヒアルロン酸オリゴ糖20-mer(15mg)に変えたこと以外、製造例14
と同様にして、目的物を得た。(13mg、白色粉末)
MS[M-H]-:3604.16
1H−NMR:チャートを図20に示す。
【0112】
製造例14〜22の目的物の構造を下記表2に記す。
【0113】
【表2】

【0114】
製造例23
製造例1で得られた化合物(17mg)を、バッファー(塩化ナトリウム水溶液(300mM、1ml)及び酢酸ナトリウム水溶液(200mM、1ml)を混合して、氷酢酸にてpHを5.2に調整したもの)(2ml)に溶解し、bovine liver β-glucuronidase Type B-1(Sigma-Aldrich社製)(8mg)を加えて、37℃にて8時間インキュベー
トした。反応液を限外ろ過(ミリポア社製、Amicon Ultra 4ml 10K Nominal Molecular Weight Limit)して精製した後、AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:601.18
1H−NMR:チャートを図21に示す。
【0115】
製造例24
原料を製造例2で得られた化合物(11mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(4mg、白色粉末)
MS[M-H]-:980.29
1H−NMR:チャートを図22に示す。
【0116】
製造例25
原料を製造例3で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1359.37
1H−NMR:チャートを図23に示す。
【0117】
製造例26
原料を製造例4で得られた化合物(30mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(15mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1738.15
1H−NMR:チャートを図24に示す。
【0118】
製造例27
原料を製造例5で得られた化合物(14mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(7mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2117.50
1H−NMR:チャートを図25に示す。
【0119】
製造例28
原料を製造例9で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(5mg、白色粉末)
MS[M-H]-:3633.84
1H−NMR:チャートを図26に示す。
【0120】
製造例23〜28の目的物の構造を下記表3に記す。
【0121】
【表3】

【0122】
製造例29
原料を製造例15で得られた化合物(15mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(9mg、白色粉末)
MS[M-H]-:777.28
1H−NMR:チャートを図27に示す。
【0123】
製造例30
原料を製造例16で得られた化合物(11mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(7mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1156.41
1H−NMR:チャートを図28に示す。
【0124】
製造例31
原料を製造例17で得られた化合物(23mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(15mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1535.07
1H−NMR:チャートを図29に示す。
【0125】
製造例32
原料を製造例18で得られた化合物(14mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1914.60
1H−NMR:チャートを図30に示す。
【0126】
製造例33
原料を製造例22で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、製造例23と同様にして、目的物を得た。(5mg、白色粉末)
MS[M-H]-:3430.67
1H−NMR:チャートを図31に示す。
【0127】
製造例29〜33の目的物の構造を下記表4に記す。
【0128】
【表4】

【0129】
製造例34
ヒアルロン酸ナトリウム(フードケミファ製、ヒアルロン酸 FCH-SU)とStreptomyces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(アマノエンザイム製、ヒアルノニダーゼ
“アマノ”1)から、文献Glycobiology, vol.11, No.1, pp.5
7-64, 2001に従って分離した不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(8mg)を、メタノール(2ml)と水(1ml)に溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(4mg)を加えて撹拌した。室温に戻して一晩撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。氷冷下で10%酢酸メタノール溶液(0.2ml)を加えた後、減圧下で濃縮した後、AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過ク
ロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(3mg、白色粉末)
MS[M-H]-:759.61
1H−NMR:チャートを図32に示す。
【0130】
製造例35
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖6-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例
34と同様にして、目的物を得た。(9mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1139.15
1H−NMR:チャートを図33に示す。
【0131】
製造例36
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖8-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例
34と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1518.49
1H−NMR:チャートを図34に示す。
【0132】
製造例37
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例34と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1897.57
1H−NMR:チャートを図35に示す。
【0133】
製造例38
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖12-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例34と同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2276.99
1H−NMR:チャートを図36に示す。
【0134】
製造例39
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖20-mer(12mg)に変えたこと以外、製造
例34と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
MS[M-H]-:3792.03
1H−NMR:チャートを図37に示す。
【0135】
製造例34〜39の目的物の構造を下記表5に記す。
【0136】
【表5】

【0137】
製造例40
ヒアルロン酸ナトリウム(フードケミファ製、ヒアルロン酸 FCH-SU)とStreptomyces hyalurolyticus由来のヒアルロニダーゼ(アマノエンザイム製、ヒアルノニダーゼ
“アマノ”1)から、文献Glycobiology, vol.11, No.1, pp.5
7-64, 2001に従って分離した不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(10mg)を、ホウ酸塩緩衝液(pH9.18)(1ml)に溶解し、80℃にて1時間攪拌した。室温に戻し、メタノール(3ml)を加えた後、減圧濃縮した。残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した後、AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラ
フィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を濃縮することで白色粉末を得た。
続いて、得られた白色粉末(6mg)をメタノール(1ml)と水(0.5ml)に溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(10mg)を加えて撹拌した。室温に戻して一晩撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。氷冷下で10%酢酸メタノール溶液(0.2ml)を加えた後、減圧下で濃縮した。残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した後、AKTAシステム(GEヘル
スケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10
、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(4mg、白色粉末)
MS[M-H]-:556.77
1H−NMR:チャートを図38に示す。
【0138】
製造例41
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖6-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例
40と同様にして、目的物を得た。(7mg、白色粉末)
MS[M-H]-:935.49
1H−NMR:チャートを図39に示す。
【0139】
製造例42
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖8-mer(10mg)に変えたこと以外、製造例
40と同様にして、目的物を得た。(6mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1314.21
1H−NMR:チャートを図40に示す。
【0140】
製造例43
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例40と同様にして、目的物を得た。(7mg、白色粉末)
MS[M-H]-:1693.58
1H−NMR:チャートを図41に示す。
【0141】
製造例44
原料を不飽和ヒアルロン酸オリゴ糖12-mer(10mg)に変えたこと以外、製造
例40と同様にして、目的物を得た。(6mg、白色粉末)
MS[M-H]-:2073.41
1H−NMR:チャートを図42に示す。
【0142】
製造例40〜44の目的物の構造を下記表6に記す。
【0143】
【表6】

【0144】
製造例45
ヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(10mg)に、ベンジルアミン(24mg)、ボロ
ン酸(20mg)、酢酸ナトリウム(40mg)及びシアノトリヒドロホウ酸ナトリウム(15mg)をメタノール(0.5ml)と水(0.5ml)に溶解した溶液を加えて50℃で6時間撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。
減圧下で濃縮した後、水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。ゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い精製し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図43に示す。
【0145】
製造例46
ヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(10mg)に、フェニルアラニン(5mg)、酢酸
(10μl)、酢酸ナトリウム(10mg)及びシアノトリヒドロホウ酸ナトリウム(10mg)を、メタノール(0.2ml)と水(0.2ml)に溶解した溶液を加えて60℃で6時間撹拌した。質量分析にて反応の終了を確認した。
減圧下で濃縮した後、残渣にジクロロメタン(5ml)と水(5ml)を加えて抽出した。水相を減圧下で濃縮した後、水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。ゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い精製し、目的の画分を凍結乾燥して、目的物を得た。(11mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図44に示す。
【0146】
製造例47
フェニルアラニンをプロリンに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(8mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図45に示す。
【0147】
製造例48
フェニルアラニンをトリプトファンに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(7mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図46に示す。
【0148】
製造例49
フェニルアラニンをグリシルフェニルアラニンアミドに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(4mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図47に示す。
【0149】
製造例50
フェニルアラニンをフェニルアラニルグリシンに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(14mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図48に示す。
【0150】
製造例51
出発物質をヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(10mg)からヒアルロン酸オリゴ糖1
0-mer(20mg)に、またベンジルアミンを4−クロロアニリンに変えたこと以外
、製造例45と同様にして、目的物を得た。(10mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図49に示す。
【0151】
製造例52
ヒアルロン酸オリゴ糖4-merをヒアルロン酸オリゴ糖10-merに、ベンジルアミンを2−アミノピリジンに変えたこと以外、製造例45と同様にして、目的物を得た。(
12mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図50に示す。
【0152】
製造例53
ヒアルロン酸オリゴ糖4-merをヒアルロン酸オリゴ糖10-merに、フェニルアラニンをフェニルアラニルグリシルグリシンに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(5mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図51に示す。
【0153】
製造例54
ヒアルロン酸オリゴ糖4-merをヒアルロン酸オリゴ糖10-merに変えたこと以外、製造例46と同様にして、目的物を得た。(5mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図52に示す。
【0154】
製造例45〜54の目的物の構造を下記表7に記す。
【0155】
【表7】

【0156】
実施例1〜48 本発明化合物の製造
以下の実施例1〜48に記載の方法により、表8〜14で示される本発明化合物を製造した。なお、質量分析は、QSTAR pulsar i(アプライドシステムズジャパ
ン株式会社)による。
【0157】
実施例1
製造例1で合成した化合物(12mg)を水(1ml)に溶解し、トリブチルアミン(100μl)を加えて撹拌した後、減圧下で濃縮した。N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)を加えて共沸を2回行なった。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、ピリジン・三酸化硫黄(150mg)を加えて、窒素雰囲気下42℃で3時間撹拌した。
4℃下、水(1ml)を加えた後、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(30ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。再度、上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣を水(2ml)に溶解した後、減圧濃縮した。
残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用い
てゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、化合物1を得た。(24mg、白色粉末)
[M+2Na]2+:994.75
1H−NMR:チャートを図53に示す。
【0158】
実施例2
原料を製造例2で得られた化合物(47mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物2を得た。(76mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図54に示す。
【0159】
実施例3
原料を製造例3で得られた化合物(51mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物3を得た。(108mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1210.10
1H−NMR:チャートを図55に示す。
【0160】
実施例4
原料を製造例4で合成した化合物(48mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物4を得た。(92mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1479.73
1H−NMR:チャートを図56に示す。
実施例5
原料を製造例5で得られた化合物(60mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物5を得た。(112mg、白色粉末)
[M+4Na]4+:1317.74
1H−NMR:チャートを図57に示す。
【0161】
実施例6
原料を製造例6で得られた化合物(20mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物6を得た。(22mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図58に示す。
【0162】
実施例7
製造例7で得られた化合物(10mg)にをN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、ピリジン・三酸化硫黄(150mg)を加えて、窒素雰囲気下42℃で3時間撹拌した。
4℃下、水(1ml)を加えた後、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。再度、上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣を水(2ml)に溶解した後、減圧濃縮した。
残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用い
てゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、化合物7を得た。(16mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図59に示す。
【0163】
実施例8
原料を製造例8で得られた化合物(20mg)に変えたこと以外、実施例7と同様にして、化合物8を得た。(33mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図60に示す。
【0164】
実施例9
原料を製造例9で得られた化合物(39mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物9を得た。(90mg、白色粉末)
[M+5Na]5+:1707.07
1H−NMR:チャートを図61に示す。
【0165】
実施例10
原料を製造例10で得られた化合物(24mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物10を得た。(48mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1493.42
1H−NMR:チャートを図62に示す。
【0166】
実施例11
原料を製造例11で得られた化合物(17mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物11を得た。(34mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1505.11
1H−NMR:チャートを図63に示す。
【0167】
実施例12
原料を製造例12で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物12を得た。(10mg、白色粉末)
実施例13
原料を製造例13で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例1と同様にして、化合物13を得た。(21mg、白色粉末)
【0168】
化合物1〜13の構造を下記表8に記す。
【0169】
【表8】

【0170】
実施例14
製造例14で得られた化合物(18mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、ピリジン・三酸化硫黄(300mg)を加えて、窒素雰囲気下42℃で3時間撹拌した。
4℃下、水(1ml)を加えた後、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。再度、上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣を水(2ml)に溶解した後、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株
式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、化合物14を得た。(30mg、白色粉末)
[M+2Na]2+:791.30
1H−NMR:チャートを図64に示す。
【0171】
実施例15
原料を製造例15で得られた化合物(34mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物15を得た。(72mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:804.83
1H−NMR:チャートを図65に示す。
【0172】
実施例16
原料を製造例16で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物16を得た。(11mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1074.42
1H−NMR:チャートを図66に示す。
【0173】
実施例17
原料を製造例17で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物17を得た。(14mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1344.06
1H−NMR:チャートを図67に示す。
【0174】
実施例18
原料を製造例18で得られた化合物(16mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物18を得た。(23mg、白色粉末)
[M+4Na]4+:1217.00
1H−NMR:チャートを図68に示す。
【0175】
実施例19
原料を製造例19で得られた化合物(11mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物19を得た。(9mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図69に示す。
【0176】
実施例20
原料を製造例20で得られた化合物(5mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物20を得た。(8mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図70に示す。
【0177】
実施例21
原料を製造例21で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物21を得た。(11mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図71に示す。
【0178】
実施例22
原料を製造例22で得られた化合物(13mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物22を得た。(14mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図72に示す。
【0179】
化合物14〜22の構造を下記表9に記す。
【0180】
【表9】

【0181】
実施例23
原料を製造例23で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物23を得た。(14mg、白色粉末)
[M+2Na]2+:793.81
1H−NMR:チャートを図73に示す。
【0182】
実施例24
原料を製造例24で得られた化合物(4mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物24を得た。(7mg、白色粉末)
[M+2H]2+:1176.25
1H−NMR:チャートを図74に示す。
【0183】
実施例25
原料を製造例25で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物25を得た。(11mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1076.10
1H−NMR:チャートを図75に示す。
【0184】
実施例26
原料を製造例26で得られた化合物(15mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物26を得た。(26mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1345.72
1H−NMR:チャートを図76に示す。
【0185】
実施例27
原料を製造例27で得られた化合物(7mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物27を得た。(11mg、白色粉末)
[M+4Na]4+:1616.67
1H−NMR:チャートを図77に示す。
【0186】
実施例28
原料を製造例28で得られた化合物(5mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物28を得た。(7mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図78に示す。
【0187】
化合物23〜28の構造を下記表10に記す。
【0188】
【表10】

【0189】
実施例29
原料を製造例29で得られた化合物(9mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物29を得た。(16mg、白色粉末)
[M+2H]2+:972.77
1H−NMR:チャートを図79に示す。
【0190】
実施例30
原料を製造例30で得られた化合物(7mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物30を得た。(8mg、白色粉末)
[M+2H]2+:1377.20
1H−NMR:チャートを図80に示す。
【0191】
実施例31
原料を製造例31で得られた化合物(15mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物31を得た。(21mg、白色粉末)
[M+3Na]3+:1210.07
1H−NMR:チャートを図81に示す。
【0192】
実施例32
原料を製造例32で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物32を得た。(9mg、白色粉末)
[M+3H]3+:1458.34
1H−NMR:チャートを図82に示す。
【0193】
実施例33
原料を製造例33で得られた化合物(5mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物33を得た。(7mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図83に示す。
【0194】
化合物29〜33の構造を下記表11に記す。
【0195】
【表11】

【0196】
実施例34
製造例36で合成した化合物(7mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(0.7ml)に溶解し、トリエチルアミン・三酸化硫黄(75mg)、トリフルオロメタンスルホン酸(12μl)を加えて、窒素雰囲気下0℃で48時間撹拌した。
0℃下、水(1ml)を加えた後、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。再度、上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣を水(2ml)に溶解した後、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm × 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、化合物34を得た。(9mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図84に示す。
【0197】
実施例35
原料を製造例37で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例34と同様にして、化合物35を得た。(14mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図85に示す。
【0198】
実施例36
原料を製造例38で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例34と同様にして、化合物36を得た。(15mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図86に示す。
【0199】
化合物34〜36の構造を下記表12に記す。
【0200】
【表12】

【0201】
実施例37
原料を製造例41で得られた化合物(9mg)に変えたこと以外、実施例34と同様にして、化合物37を得た。(11mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図87に示す。
【0202】
実施例38
原料を製造例44で得られた化合物(12mg)に変えたこと以外、実施例34と同様にして、化合物38を得た。(20mg、黄色粉末)
1H−NMR:チャートを図88に示す。
【0203】
化合物37〜38の構造を下記表13に記す。
【0204】
【表13】

【0205】
実施例39
原料を製造例45で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物39を得た。(12mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図89に示す。
【0206】
実施例40
原料を製造例46で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物40を得た。(16mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図90に示す。
【0207】
実施例41
原料を製造例47で得られた化合物(8mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物41を得た。(14mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図91に示す。
【0208】
実施例42
原料を製造例48で得られた化合物(7mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物42を得た。(12mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図92に示す。
【0209】
実施例43
原料を製造例49で得られた化合物(4mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物43を得た。(9mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図93に示す。
【0210】
実施例44
原料を製造例50で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物44を得た。(24mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図94に示す。
【0211】
実施例45
原料を製造例51で得られた化合物(10mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物45を得た。(21mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図95に示す。
【0212】
実施例46
原料を製造例52で得られた化合物(12mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物46を得た。(15mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図96に示す。
【0213】
実施例47
原料を製造例53で得られた化合物(5mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物47を得た。(9mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図97に示す。
【0214】
実施例48
原料を製造例54で得られた化合物(5mg)に変えたこと以外、実施例14と同様にして、化合物48を得た。(9mg、白色粉末)
1H−NMR:チャートを図98に示す。
【0215】
化合物39〜48の構造を下記表14に記す。
【0216】
【表14】

【0217】
実施例49
製造例4の方法に従って製造したヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(20mg)を、N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、ピリジン・三酸化硫黄(100mg)を加えて、窒素雰囲気下42℃で2.5時間撹拌した。
4℃下、水(1ml)を加えた後、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(25ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。再度、上清を捨て、残渣に水(1ml)を加えて溶解し、飽和酢酸ナトリウムエタノール溶液(20ml)を加えて沈殿化させ、Voltex mixerで撹拌した後、冷却遠心分離(4℃、3000rpm、15分)して、沈殿物を捕集した。上清を捨て、残渣を水(2ml)に溶解した後、減圧濃縮した。
残渣を水(2ml)に溶解し、ディスクフィルター(日本ポール社製、0.45μm)にてろ過した。AKTAシステム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィー(G−10、16mm x 600mm、水)を行い脱塩し、目的の画分を凍結乾燥して、化合物56を得た(19mg、白色粉末)。
H−NMR:チャートを図99に示す。
【0218】
<硫酸化度の測定>
試料溶液(1mg/mL)1mLに1NHC1水溶液0.3mLを加えて封管した後、120℃にて1時間放置した。生成した硫酸イオンをイオンクロマトグラフィーIC-2001(TOSOH)で定量した。
モード:サプレスアニオンモード
カラム:TSKgel Supper IC-AZ(4.6×150mm)
温度 :40℃
流量 :0.8 ml/min
移動相:1.9 mM炭酸水素ナトリウム、3.2mM炭酸ナトリウム水溶液
検出 :電気伝導度
【0219】
得られた化合物56の硫酸化度は21、すなわちオリゴマー全体で23個ある水酸基のうち21個が硫酸化されていた。従って、Rの総数当たりのSOH基が占める割合は、20〜21であり、91〜95%である。
【0220】
参考例1〜7
表15で示される本発明化合物(既知化合物)を、文献Glycobiology, vol.11, No.1, pp.57-64, 2001に記載の方法に従って製造した。
【0221】
参考例1
購入入手したヒアルロン酸ナトリウム(資生堂製、BIO Sodium Hyaluronate HA9)とウシ精巣由来ヒアルロニダーゼ(calbiochem社製、Hyaluronidase Bovine T 100KU)から、文献Glycobiology, vol.12, No.7, pp.421-426, 2002に従って分離したヒアルロン酸オリゴ糖4-mer(20mg)を原料にし、上記文献Glycobiology,
vol.11, No.1, pp.57-64, 2001に従って、化合物49を得た。(21mg、白色粉末)
【0222】
参考例2
原料をヒアルロン酸オリゴ糖10-mer(43mg)に変えたこと以外、参考例1と
同様にして、化合物50を得た。(86mg、白色粉末)
【0223】
参考例3
原料をヒアルロン酸オリゴ糖16-mer(75mg)に変えたこと以外、参考例1と
同様にして、化合物51を得た。(80mg、白色粉末)
【0224】
参考例4
原料をヒアルロン酸オリゴ糖20-mer(23mg)に変えたこと以外、参考例1と
同様にして、化合物52を得た。(42mg、白色粉末)
【0225】
参考例5
原料をヒアルロン酸オリゴ糖22-mer(17mg)に変えたこと以外、参考例1と
同様にして、化合物53を得た。(25mg、白色粉末)
【0226】
参考例6
原料をヒアルロン酸オリゴ糖24〜32-mer(20mg)に変えたこと以外、参考
例1と同様にして、化合物54を得た。(18mg、白色粉末)
【0227】
参考例7
原料をヒアルロン酸オリゴ糖34〜46-mer(24mg)に変えたこと以外、参考
例1と同様にして、化合物55を得た。(39mg、白色粉末)
化合物49〜55の構造を下記表15に記す。
【0228】
【表15】

【0229】
試験例1:抗アレルギー作用;モルモットアレルギー性鼻炎モデル(鼻閉モデル)
実験には、Hartley系モルモット(雄、初回感作時6〜7週齢)を用いた。
入荷した動物は、検疫及び順化のため、7日間以上の予備飼育後、実験に使用した。
初回感作として、1ml中に卵白アルブミン(OVA)1mg及び水酸化アルミニウムゲル(Alum)10mgを含有する生理食塩水溶液を、動物あたり1ml背部皮下に投与した。初回感作1週間後の1回、又は1週間後と2週間後の2回、10mg/mlのO
VA生理食塩水溶液を20μlずつ、マイクロピペットを用いて両側の鼻腔内に投与することで局所感作を行った。
群分けは、感作終了日の体重及び感作開始日から感作終了日までの体重変動を指標とし、二次元層別無作為抽出法により行なった。
最終感作1週間後、20mg/mlのOVA生理食塩水溶液を10μlずつ、両側の鼻腔内に投与し、抗原抗体反応を誘発した。Control群(非誘発群)には同様に生理食塩水
を投与した。
被験物質は、誘発30分前に、10μlずつ、両側の鼻腔内に投与した。被験物質は、生理食塩水に溶解し、500μg/mlの濃度の溶液を投与に使用した。Control群(非誘発群)及びSaline群(溶媒対照群)には、同様に生理食塩水を投与した。尚、対照薬(化合物0)として「Flunase」(グラクソ・スミスクライン株式会社製)を
使用した。
鼻腔抵抗の測定は、誘発当日の誘発前、誘発10分後、2、3、4、5、6及び7時間後に行った。各測定時間に1回、それぞれ100呼吸分の鼻腔抵抗(nasal air
way resistance, nRaw)を測定し、その平均値を各測定時間における
nRawとし、nRawの増加率を算出して鼻腔抵抗の指標とした。
鼻腔抵抗(nRaw)の増加率(%)は次式で求めた。
【0230】
【数1】

【0231】
評価は、誘発10分後におけるnRawの増加率(即時型鼻腔抵抗)及び誘発後3〜7時間におけるnRawの増加率の曲線下面積(AUC3-7hr,遅発型鼻腔抵抗)で行った。
【0232】
【数2】

【0233】
結果を図100及び図103に示す。
図100及び図103から、本発明化合物は、即時型アレルギー反応抑制効果を示すとともに、遅発型アレルギー反応抑制効果を示す。
【0234】
試験例2:PCA(Passive Cutaneous Anaphylaxis:受動皮膚アナフィラキシー反応)抑制効果
実験には、Hartley系モルモット(雄、5週齢以上)を用いた。
モルモットにOVAを免疫して得た抗OVA血清を生理食塩水で500倍に希釈した(A液)。
下記表16に示す被験物質を生理食塩水で200μg/mlに希釈した(B液)。
B液を250倍に希釈したモルモット抗OVA血清と等量ずつ混合し、最終濃度を被験物質100μg/ml、抗OVA血清500倍にした(C液)。
エーテル麻酔後に背部剪毛したモルモットの背部に、1スポットあたり100μlの生理食塩水、A液、あるいはC液を皮内注射した。
約3時間後に、0.2〜0.4%のOVAを含む0.5%エバンスブルー生理食塩水溶液を0.8〜1ml/bodyで静脈内投与した。
30分以内に放血して皮を剥ぎ、各スポットの色素量を画像処理により定量した。画像処理において、抗OVA血清のみ投与のスポットの色素量を100%とした時の被験物質による抑制度を調べた。結果を表16に示す。(N = 3 or 6)
【0235】
【表16】

【0236】
上記表16から本発明化合物はPCA抑制効果を示す。
【0237】
試験例3:血管透過性亢進能試験
実験には、Hartley系モルモット(雄、5週齢以上)を用いた。
被験物質を生理食塩水にて100μg/mlに希釈した。
また、コントロールとして硫酸化ヒアルロン酸(4糖〜約70糖の混合物;特開平11−147901号公報の実施例(製造例1)などに従って合成。)を用いた。
エーテル麻酔後に背部剪毛したモルモットの背部に、1スポットあたり100μlの生理食塩水、あるいは被験物質の生理食塩水溶液を皮内注射した。
0.5%エバンスブルー生理食塩水溶液を1ml/bodyで静脈内投与した。
30分以内に放血して皮を剥ぎ、各スポットの色素量を画像処理により定量した。
結果を、デキストラン(dextran sulfate 10000)投与のスポットの色素量を100%とした時の被験物質の血管透過率として図104〜図107に示す。
【0238】
図104〜図107から、本発明化合物は、公知の高分子の多硫酸化ヒアルロン酸と異なり、血管透過亢進能がなく、それ自体副作用となる刺激作用を示さないことがわかる。
【0239】
試験例4:長期安定性(水溶液中)
化合物4及び化合物50について、1mg/ml水溶液を調整し、HPLC分析を行なった。
これらの溶液を冷所(2〜8℃)及び室温でそれぞれ保存し、経時的に4ヶ月までHPLC分析を行い、それぞれのピークのパターン変化を調べた。
【0240】
HPLC条件:
カラム:Mightysil RP−18 GP(3μm、4.6x50mm)
カラム温度:40℃
移動相A:2mMのTBAPを含む20mM KH2PO4/MeCN(70:30)
移動相B:MeCN/2mMのTBAPを含む20mM KH2PO4(80:20)
グラジエント条件:Initial;A 100%、B0%
0分〜20分で、A 100→95%、B 0→5%,直線
流量:1ml/min
検出:UV(210nm)
注入量:約5μg/5μl
(TBAP:tetrabutylammonium phosphate)
結果を下記表17に示す。
【0241】
【表17】

【0242】
上記表17から、化合物50は、冷所保存においても3本認められる主ピークのうちの2本目の経時的増加と3本目の経時的減少が認められ、水溶液中で不安定であるのに対し、化合物4は室温保存においても4ヶ月間ピークパターンに変化は認められず、水溶液中で安定であることがわかった。
本発明の化合物群は、低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体の中でも、水溶液中での安定性の高い化合物として、特に有用である。
【産業上の利用可能性】
【0243】
本発明の低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩は、血管透過性亢進能が少なく、従って炎症性の副作用が少なく安全性に優れた、アレルギー性疾患の予防及び/又は治療剤として使用しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(IA):
【化1】

〔式中、nは0〜15の数を示し、Xは次式(a)又は(b):
【化2】

Yは次式(c)又は(d):
【化3】

を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又はSO3H基を示し(但し、Rの総数当たり8
0〜100%をSO3H基が占める)、R1は−OH、−OSO3H又は−NZ12(ここ
で、Z1及びZ2は、独立して水素原子、−SO3H、置換されていてもよい低級アルキル
基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示すか、或いは−NZ12全体でアミノ酸の残基もしくはペプチドの残基を示す。)を示し、*は酸素原子との結合部位を示す。〕、
又は、下記一般式(IB):
【化4】

〔式中、nは0〜15の数を示し、Wは次式(e)又は(f):
【化5】

を示し、Rはそれぞれ独立して水素原子又はSO3H基を示し(但し、Rの総数当たり8
0〜100%をSO3H基が占める)、R1は−OH、−OSO3H又は−NZ12(ここ
で、Z1及びZ2は、独立して水素原子、−SO3H、置換されていてもよい低級アルキル
基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアラルキル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示すか、或いは−NZ12全体でアミノ酸の残基もしくはペプチドの残基を示す。〕
で表される低分子量多硫酸化ヒアルロン酸誘導体又はその製薬学的に許容される塩を含有する医薬。
【請求項2】
一般式(IA)において、Xが式(a)である、請求項1記載の医薬。
【請求項3】
一般式(IB)である、請求項1記載の医薬。
【請求項4】
nが3、4又は5である、請求項2又は3記載の医薬。
【請求項5】
nが4又は5である、請求項2又は3記載の医薬。
【請求項6】
花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎及び喘息から選ばれるアレルギー性疾患の予防及び/又は治療剤である請求項1〜5の何れか1項記載の医薬。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【公開番号】特開2012−46511(P2012−46511A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167126(P2011−167126)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000206901)大塚化学株式会社 (55)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】