説明

低刺激性透明半固形外用剤

【課題】使用感が良い殺菌消毒用の低刺激性透明半固形外用剤を提供すること。
【解決手段】固体薬物、1,3−ブチレングリコール並びに、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種のみのヒドロキシアルキルセルロース誘導体を含有し、油性成分及び低級アルコールを含有しない低刺激性透明半固形外用剤。該固体薬物としては、四級アンモニウム塩である殺菌消毒剤(特に、塩化ベンゼトニウム)、アラントイン及び抗ヒスタミン剤(特に、マレイン酸クロルフェニラミン)であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低刺激性透明半固形外用剤に関する。より詳細には、傷に塗布することによって速やかに被膜を形成して患部に作用するとともに患部を保護することができ、透明で使用感に優れ、基剤として刺激性成分を含まないことから低刺激性であり、当該外用剤中に水溶成分だけしか含有しないことから水洗いで容易に洗い流せることができる低刺激性透明半固形外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
1.半固形剤について
一般に、医薬の分野で半固形剤とは、液剤と固形剤の中間に位置するものであれば特に限定されないが、例えば、ローション、乳液、クリーム、ゲル、ゲル軟膏、軟膏などが挙げられる。ゲルのような半固形剤には、製剤の安定化等を目的として水溶性高分子が使用されている。このような水溶性高分子としては、使用感に優れているカルボキシビニルポリマー(以下、CVPと称することがある。)が汎用されている。ところが、CVPを用いて、ゲルを調製した場合には、含有する固形薬物によっては溶解性が悪く透明なゲルが得られないことがある。また、アラントインのようなアルカリ条件下で不安定な薬物を製剤中に含有する場合には、pHによる影響を受けやすいゲル化剤であるCVPを用いると、優れたゲル剤が得にくいという問題があった。さらに、ゲルの安定性の問題を解決するために、ゲル化剤としてCVPと他のゲル化剤との混合物が使用できることが報告されているが(特許文献1)、優れた使用感が得られるとは限らない。
【0003】
2.殺菌消毒剤について
殺菌消毒剤としては、アクリノール、イソプロパノール、エタノール、オキシドール、希ヨードチンキ、グルコン酸クロルヘキシジン、消毒用エタノール、ベンザルコニウム塩化物、ベンザルコニウム塩化物液、ベンゼトニウム塩化物、ポビドンヨード、マーキュロクロム液、無水エタノール等が知られているが、その製剤のほとんどが液剤である(非特許文献1)。例外的に、有効成分にグルコン酸クロルヘキシジンを含有するオロナインH軟膏(大塚製薬株式会社)等が液剤以外の剤形として知られている。
【0004】
また、有効成分として、塩化ベンゼトニウム、アラントイン及びマレイン酸クロルフェニラミンを含有する殺菌消毒剤である液剤が知られている(非特許文献2)。塩化ベンゼトニウム、アラントイン及びマレイン酸クロルフェニラミンを含有する殺菌消毒剤である液剤は、殺菌消毒作用で傷の化膿を防いだり、組織修復作用で傷の直りを助けたり、抗炎症作用で炎症を抑え、不快なかゆみを抑えたりする作用を兼ね備えている傷のトータルケアのための優れた処方である。
【特許文献1】特開平6−199700号公報
【非特許文献1】日本医薬品集 一般薬〈2007‐08年版〉、じほう、2006年、p578
【非特許文献2】日本医薬品集 一般薬〈2007‐08年版〉、じほう、2006年、p593
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、通常半固形製剤の分野で、油性製剤の利点と水性製剤の利点を併せ持つ半固形製剤について長年にわたり鋭意研究を行ってきた。油性製剤は、使用感や傷の保護能力等の観点からみると非常に優れているが、使用後の粘々感や患部に残った製剤が衣類に付いて汚れの原因になるなどの欠点が考えられた。一方、水性製剤では傷の保護能力が劣ったり、油性軟膏製剤のように製剤の伸びが良くなかったりなどの欠点はあるものの、透明で使用しても目立たないこと、水性であることから、衣類の汚れなどを気にせずにどこにでも塗布でき、必要があれば簡単に水で洗い流すことができるという便利さが考えられた。また、低刺激性の製剤を製造しようとした場合には、低級アルコールを使用することができないことから、ゲル化剤としてCVPを使用すると必要量の固体薬物を溶解することができず、透明な製剤を製造できないという問題点があることがわかった。このような場合に、一般的に使用されている溶解補助剤を添加するとゲル強度が保たれないという問題点もあった。
【0006】
本発明者は、上述のような問題点を克服した優れた低刺激性透明半固形外用剤を見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明を以下に説明する。本発明は、(1)固体薬物、1,3−ブチレングリコール並びに、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種のみのヒドロキシアルキルセルロース誘導体を含有し、油性成分及び低級アルコールを含有しない使用感に優れた低刺激性透明半固形外用剤であり、好適には、
(2)ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース以外のゲル化剤及び乳化剤を含有しない(1)に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(3)ゲルである(1)〜(2)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(4)殺菌消毒用である(1)〜(3)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(5)固形薬物として四級アンモニウム塩である殺菌消毒剤、アラントイン及び抗ヒスタミン剤を含有する(1)〜(4)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(6)四級アンモニウム塩である殺菌消毒剤が塩化ベンゼトニウムである(5)に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(7)抗ヒスタミン剤がマレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン及びクロモグリク酸ナトリウムからなる群より選ばれる1又は2以上である(5)〜(6)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(8)抗ヒスタミン剤がマレイン酸クロルフェニラミンである(5)〜(6)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(9)ヒドロキシアルキルセルロース誘導体が、ヒドロキシエチルセルロースである(1)〜(8)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(10)低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体の含有量が0.1〜10重量%である(1)〜(9)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(11)低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、固体薬物の全含有量が0.05〜5重量%である(1)〜(10)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、
(12)低刺激性透明半固形外用剤のpHが3〜6である(1)〜(11)から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤、並びに、
(13)低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、
塩化ベンゼトニウム0.02〜0.5重量%、
マレイン酸クロルフェニラミン0.04〜1.0重量%、
アラントイン0.04〜1.0重量%、
1,3−ブチレングリコール1〜10重量%及び
ヒドロキシエチルセルロース1〜5重量%
を含有するゲル状殺菌消毒用である請求項1に記載の使用感に優れた低刺激性透明半固形外用剤である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、油性製剤の利点と水性製剤の利点を兼ね備えており、傷に塗布することによって速やかに被膜を形成して患部に作用するとともに患部を保護することができ、透明で使用感に優れ、基剤として刺激性成分を含まないことから低刺激性であり、当該外用剤中に水溶成分だけした含有しないことから水洗いで容易に洗い流せることから有用である。また、本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、その使用に際して手や衣類を汚すことなく衛生的に使用できる点でも有用である。さらに、本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、液ダレせず必要量をスポット的に塗布できることからも有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の「固形薬物」とは、通常の外用剤に用いられる固形薬物であれば特に限定はないが、例えば、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、抗コリン剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、殺菌消毒剤及びアラントインであり、好適には、抗ヒスタミン剤、殺菌消毒剤及びアラントインを組み合わせて用いる。
【0010】
本発明の「消炎鎮痛剤」とは、通常、ステロイド系消炎鎮痛剤及び非ステロイド系消炎鎮痛剤として用いられるものであれば特に限定はないが、好適には、非ステロイド系消炎鎮痛剤であり、例えば、テノキシカム、オキサプロジン、ピロキシカム、メロキシカム、ナブメトン、スリンダク、フェンブフェン、ナプロキセン、インドメタシン、イブプロフェン、チアプロフェン、プラノプロフェン、ロキソプロフェン、ジクロフェナク、アルミノプロフェン並びにその薬理上許容される塩及びその薬理上許容される誘導体等である。
【0011】
本発明の「抗真菌剤」とは、例えば、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、イソコナゾール、スルコナゾール、エクセルダーム、オキシコナゾール、クロコナゾール、ビホナゾール、マイコスポール、ネチコナゾール、ラノコナゾールのようなイミダゾール系抗真菌剤、フルコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾールのようなトリアゾール系抗真菌剤、テルビナフィンのようなアリルアミン系抗真菌剤、リラナフタートのようなチオカルバメート系抗真菌剤、ブテナフィンのようなベンジルアミン系抗真菌剤並びにその薬理上許容される塩及びその薬理上許容される誘導体等である。
【0012】
本発明の「抗コリン剤」とは、副交感神経遮断薬とも呼ばれ、一般に医薬の分野でアセチルコリン受容体拮抗薬として作用するものであれば特に限定されないが、例えば、ベラドンナ総アルカロイド、ベラドンナエキス、アトロピン、ホマトロピン、スコポラミン、ロートエキス、イソプロパミド、ダツラエキス、ベナクチジウム、プロパンテリン、トロピカミド、ピペリドレート並びにその薬理上許容される塩及びその薬理上許容される誘導体等である。
【0013】
本発明の上述の「薬理上許容される塩」とは、本発明の固形薬剤が、酸性基または塩基性基を有する場合に、塩基又は酸と反応させることにより、塩基性塩又は酸性塩にすることができるので、その塩を示す。
【0014】
「塩基性塩」としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;N−メチルモルホリン塩、トリエチルアミン塩、トリブチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチルピペリジン塩、ピリジン塩、4−ピロリジノピリジン塩、ピコリン塩のような有機塩基塩類又はグリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、更に好適には、アルカリ金属塩である。
【0015】
「酸性塩」としては、好適には、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、更に好適には、無機酸塩又は有機酸塩である。
【0016】
本発明の上述の「薬理上許容される誘導体」としては、例えば、アミノ基が炭素数1乃至6のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基)で置換された誘導体である。
【0017】
本発明の「抗アレルギー剤」とは、例えば、トラニラスト、アンレキサノクス、ペミロラストカリウムのような化学伝達物質遊離抑制剤、後述のような抗ヒスタミン剤、ラマトロバンのような抗トロンボキサン剤、プランルカストのような抗ロイコトリエン剤及びトシル酸スプラタストのような抗サイトカイン剤がある。
本発明の「抗ヒスタミン剤」とは、例えば、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、イプロヘプチン、ケトチフェン、エメダスチン、クレマスチン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパタジン、クロモグリク酸、トラニラスト、アンレキサノクス、メキタジン、ロラタジン、フェキソフェナジン、セチリジン、イブジラスト、スプラタスト、ペミロラスト、レピリナスト、タザノラスト、オキサトミド、テルフェナジン、エピナスチン、アステミゾール及びエバスチン並びにそれらの塩(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン及びクロモグリク酸ナトリウム)であり、好適には、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン及びクロモグリク酸ナトリウムであり、更に好適には、マレイン酸クロルフェニラミンである。
【0018】
なおこれらの抗ヒスタミン剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に選択組み合わせて使用することもできる。また、これらの抗ヒスタミン剤の含有比は、特に制限されず適宜選択して用いることができるが、好適には、殺菌消毒用水性半固形製剤全体の重量に対して0.02〜4.0重量%であり、より好適には、0.04〜1.0重量%である。
【0019】
本発明の「殺菌消毒剤」とは、例えば、アクリノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリン、クレゾール、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、スルファミン、マーキュロクロム、ラクトフェリンまたはその加水分解物、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン及びクジンであり、好適には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化メチルロザニリンなどの四級アンモニウム塩であり、更に好適には、塩化ベンゼトニウムである。
【0020】
なおこれらの殺菌消毒剤は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に選択組み合わせて使用することもできる。また、これらの殺菌消毒剤の含有比は、特に制限されず適宜選択して用いることができるが、好適には、殺菌消毒用水性半固形製剤全体の重量に対して0.01〜2.0重量%であり、より好適には、0.02〜0.5重量%である。
本発明のアラントインの含有比は、特に制限されず適宜選択して用いることができるが、好適には、殺菌消毒用水性半固形製剤全体の重量に対して0.02〜4.0重量%であり、より好適には、0.04〜1.0重量%である。
【0021】
一般にゲル化剤としては、トウモロコシデンプンやジャガイモデンプン等の未処理デンプン、ヒシデンプン、カルボキシメチルデンプン及びトウモロコシ膨潤デンプン等のカルボキシル化デンプン、及びデンプングリコール酸ナトリウムなどのデンプン誘導体を含む各種デンプン;カラギーナンなどの海藻多糖類、グアガム,カロブビーンガム、タラガム及びタマリンドシードガム等の種子多糖類、アラビアガム,トラガントガム及びカラヤガムなどの樹脂多糖類、ペクチンなどの果皮多糖類、キサンタンガム,ジェランガム,カードラン及びプルラン等の発酵多糖類、ガラクトマンナンやグルコマンナンなどのマンナン類;並びにファセルラン等といった各種増粘多糖類(膨潤性多糖類)及びその誘導体;ゼラチンや膠などのタンパク性ゲル化剤;セルロース並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カルシウム等のアルギン酸の塩並びにアルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸誘導体;グリコールアルギン酸プロピレンなどのアルギン酸誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの合成膨潤性ポリマー及びその誘導体等を挙げることができる。しかし、本発明では、これらのゲル化剤の中から好適なゲル化剤として「セルロース誘導体」に包含される「ヒドロキシアルキルセルロース誘導体」を使用している。「ヒドロキシアルキルセルロース誘導体」とは、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910及びヒドロキシプロピルメチルセルロース2910・酸化チタン・マクロゴール400混合物を含む)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートであり、好適には、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、特に好適には、ヒドロキシエチルセルロースである。
【0022】
なおこれらのヒドロキシアルキルセルロース誘導体は1種単独で使用しても、また2種以上を任意に選択組み合わせて使用することもできるが、本発明の優れた効果を発揮するためには、単独で使用することが好ましい。また、これらのヒドロキシアルキルセルロース誘導体の含有比は、特に制限されず適宜選択して用いることができるが、好適には、殺菌消毒用水性半固形製剤全体の重量に対して0.1〜10重量%であり、より好適には、1〜5重量%である。
【0023】
本発明の「油性成分」とは、通常医薬品添加物として用いられる親油性物質であれば特に限定はないが、例えば、イソパラフィン、ウイキョウ油、オクチルドデカノール、オリブ油、オレイン酸、オレイン酸エチル、グリセリン脂肪酸エステル、クロタミトン、合成スクワラン、ゴマ油、小麦胚芽油、酢酸エチル、酢酸ブチル、サフラワー油、サフラワー油脂肪酸、シクロヘキサノン、シソ油、ジメチルポリシロキサン、スクワレン、ステアリルアルコール、セバシン酸ジエチル、ダイズ油、中鎖脂肪酸グリセリド、ツバキ油、トウモロコシ油、トリオレイン酸ソルビタン、ヒマシ油、マシン油、ミリスチン酸イソプロピル、ヤシ油、ラッカセイ油、流動パラフィンである。
【0024】
本発明の「低刺激性」とは、基剤に刺激性のある物質を含有しないことであり、例えば、低級アルコールを含有しないことである。「低級アルコール」とは、エタノール、プロパノール、イソポロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノールのような炭素数が1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキルモノアルコールである。
【0025】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤全重量中、固形薬物の含有量は、その固形薬物が薬効を発現するのに必要な量によって異なるが、好適には、0.05〜5重量%であり、さらに好適には、0.1〜2重量%である。
【0026】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、含有する固形薬物の安定性を確保し、また、低刺激性を保つために、製剤のpHが、3〜6であることが望ましい。さらに、好適には、4〜5である。
【0027】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、可塑剤として1,3−ブチレングリコールを含有することが必要である。可塑剤としては、グリセリンやプロピレングリコールなども考えられるが、使用感に優れたゲルを形成するためには、1,3−ブチレングリコールを使用することが必要である。その含有量は、好適には、0.5〜20重量%であり、さらに好適には、1〜10重量%である。
【0028】
本発明の「使用感に優れた」とは、体に塗布したときの感触が優れていることを示し、一般的に外用剤の分野で用いられる方法で評価を行い総合的に判断できる。
【0029】
本発明の「油性成分及び低級アルコールを含有しない」とは、通常の測定方法では検出できない量の油性成分及び低級アルコールを含有すること、又は、全く油性成分及び低級アルコールを含有しないことを意味する。
【0030】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、成分として上述のとおりであれば、その他含有する薬効成分を特に制限するものではなく、目的とする用途等に応じて適宜選択使用することができる。なおこれらは目的に応じて、1種単独で使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。これらの薬効成分の含有割合は、特に制限されず適宜選択して用いることができるが、好適には、低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して0.01〜50重量%、より好適には、0.05〜10重量%である。
【0031】
さらに本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、本発明の効果を損なわない限り、上記成分に加えて任意の成分を含有していてもよい。任意の成分としては、例えば外用剤の医薬品に用いられる担体、基剤、溶媒若しくは各種の添加剤があり、具体的には、溶媒、その他安定剤,保存剤,溶解補助剤,乳化剤,懸濁化剤、pH調整剤、香料等の添加剤である。
本発明の低刺激性透明半固形外用剤の使用量は、疾患の種類や症状の程度、患部の大きさによって異なり一概に規定できないが、通常は1日当たり0.01〜10g程度の範囲で用いることでき、これを1日1回乃至は適当な回数に分けて患部に適用する。
【実施例】
【0032】
以下、本発明を実施例及び試験例によって更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例等によって何ら制限されるものではない。
【0033】
(実施例1)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(92.0g)に加え充分に溶解するまで攪拌し、さらにこの溶液に水酸化ナトリウム(0.041g)、酒石酸(0.51g)を加え攪拌し溶液を調製した。別にヒドロキシエチルセルロース(2.3g)を1,3−ブチレングリコール(5.0g)に加え攪拌し分散液としたものを上記で得た有効成分溶液に加え60℃前後に加温しながら全体が均質になるまで充分に攪拌しゲルを得た。
【0034】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
ヒドロキシエチルセルロース(ゲル化剤) 2.30
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.041
酒石酸(pH調整剤) 0.051
精製水 適量
(実施例2)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(92.5g)に加え充分に溶解するまで攪拌し、更に1,3−ブチレングリコール(5.0g)、水酸化ナトリウム(0.062g)、酒石酸(0.10g)を加え均質になるまで充分に攪拌し溶液を調整した。この溶液にヒドロキシプロピルメチルセルロース(2.0g)を50℃前後に加温しながら均質に分散するよう攪拌したあと冷却しゲルを得た。
【0035】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ゲル化剤) 2.00
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.062
酒石酸(pH調整剤) 0.10
精製水 適量
(比較例1)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(30.0g)に加え充分に溶解するまで攪拌した。この溶液に1,3−ブチレングリコール(5.0g)を加え攪拌し均質な溶液とした。別に精製水(63.0g)CVP(1.5g)を加えて充分に攪拌して均一な溶液とし、さらに水酸化ナトリウム(0.12g)を加えてゲル化し均質になるまで充分に攪拌した。このゲルに上記で得た溶液を加え全体が均質になるまで充分に攪拌し、ゲルを得た。
【0036】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
CVP(ゲル化剤) 1.50
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.12
精製水 適量
(比較例2)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(13.0g)に加え充分に溶解するまで攪拌した。この溶液に1,3−ブチレングリコール(5.0g)を加え攪拌し均質な溶液とした。別に精製水(40.0g)にCVP(1.5g)を加えて充分に攪拌して均一な溶液とし、さらに水酸化ナトリウム(0.12g)を加えてゲル化し均質になるまで充分に攪拌した。このゲルに上記で得た溶液を加え全体が均質になるまで充分に攪拌した。さらにこのゲルにエタノール(40.0g)を徐々に加え均質になるよう充分攪拌しゲルを得た。
【0037】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
CVP(ゲル化剤) 1.50
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.12
エタノール(基材) 40.0
精製水 適量
(比較例3)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(91.5g)に加え充分に溶解するまで攪拌し、更に1,3−ブチレングリコール(5.0g)、水酸化ナトリウム(0.041g)、酒石酸(0.05g)を加え均質になるまで充分攪拌し溶液を調整した。この溶液にヒドロキシプロピルセルロース(3.0g)を50℃前後に加温しながら均質に分散するよう攪拌したあと冷却しゲルを得た。
【0038】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
ヒドロキシプロピルセルロース(ゲル化剤) 3.00
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.041
酒石酸(pH調整剤) 0.05
精製水 適量
(比較例4)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(92.5g)に加え充分に溶解するまで攪拌し、更に1,3−ブチレングリコール(5.0g)、水酸化ナトリウム(0.062g)、酒石酸(0.10g)を加え均質になるまで充分に攪拌し溶液を調整した。この溶液に疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2.0g)を70℃前後に加温しながら均質に分散するよう攪拌したあと冷却しゲルを得た。
【0039】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ゲル化剤) 2.00
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.062
酒石酸(pH調整剤) 0.10
精製水 適量
(比較例5)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(92.5g)に加え充分に溶解するまで攪拌し、更に1,3−ブチレングリコール(5.0g)を加え均質になるまで充分に攪拌し溶液を調整した。この溶液にアルギン酸ナトリウム(3.0g)を50℃前後に加温しながら均質に分散するよう充分攪拌したあと冷却しゲルを得た。
【0040】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
アルギン酸ナトリウム(ゲル化剤) 3.00
精製水 適量
(比較例6)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(22.3g)に加え充分に溶解するまで攪拌した。この溶液に1,3−ブチレングリコール(5.0g)、プロピレングリコール(10.0g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2.0g)を加え攪拌し均質な溶液とした。別に精製水(60.0g)にCVP(0.2g)を加えて充分に攪拌して均一な溶液とし、さらに水酸化ナトリウム(0.12g)を加えてゲル化し均質になるまで充分に攪拌した。このゲルに上記で得た溶液を加え全体が均質になるまで充分に攪拌し、ゲルを得た。
【0041】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
プロピレングリコール(可塑剤) 10.0
CVP(ゲル化剤) 0.20
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.00
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.12
精製水 適量
(比較例7)
塩化ベンゼトニウム(0.1g)、マレイン酸クロルフェニラミン(0.2g)、アラントイン(0.2g)を精製水(27.3g)に加え充分に溶解するまで攪拌した。この溶液に1,3−ブチレングリコール(5.0g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(2.0g)を加え攪拌し均質な溶液とした。別に精製水(65.0g)にCVP(0.2g)を加えて充分に攪拌して均一な溶液とし、さらに水酸化ナトリウム(0.12g)を加えてゲル化し均質になるまで充分に攪拌した。このゲルに上記で得た溶液を加え全体が均質になるまで充分に攪拌し、ゲルを得た。
【0042】
成分(g/100g中) 配合量
塩化ベンゼトニウム(有効成分) 0.10
マレイン酸クロルフェニラミン(有効成分) 0.20
アラントイン(有効成分) 0.20
1,3−ブチレングリコール(可塑剤) 5.00
CVP(ゲル化剤) 0.20
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.00
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 0.12
精製水 適量。
【0043】
(試験例)
1.透明度の評価方法並びに評価基準
(1)評価方法
実施例及び比較例で調整した製剤各々約10gを試験管にとり、黒色背景で目視にてその透明度を評価基準に照らし点数化した。
(2)評価基準
1:透明:製剤をとおし黒色背景がはっきり確認できる
2:やや透明:製剤をとおし黒色背景は確認できるが、その透明度は基準1に比べ劣る
3:わずかに透明:製剤をとおし黒色背景がわずかに確認できる
4:混濁又は白濁:黒色背景が確認できない。
【0044】
2.刺激性の評価方法並びに評価基準
(1)評価方法
実施例及び比較例で調製した製剤の成分に刺激性のある成分が含有しているかどうかで判断した。
(2)評価基準
有:低級アルコール又はプロピレングリコールを含む
無:低級アルコール又はプロピレングリコールを含まない
3.ゲルの状態の評価方法並びに評価基準
(1)評価方法
実施例及び比較例で調製した製剤を摂氏60度で一昼夜保存し、室温まで冷後、製剤から離水(ゲルより水分が染み出す)の有無で判断した。
(2)評価基準
有:離水あり
無:離水なし
4.感触の評価方法ならびに評価基準
(1)評価方法
実施例及び比較例で調製した製剤0.3gを被検者10人の手の甲に塗布して、感触(のび、べとつき感)を評価した。
(2)評価基準
評価の結果を以下のような基準で数値化して、10人の平均値で評価した。
【0045】
1:良い:のび、べとつき感ともに良好で使用感がよい
2:やや良い:使用感はよいが基準1よりも劣る
3:普通:使用感は良いとも悪いともいえない。
【0046】
4:やや悪い:のび、べとつき感などの使用感がよくない
5:悪い:使用するのに耐えない。
【0047】
(表1)

【0048】
表1の結果から以下のことがわかった。実施例1又は2のように、基剤としてヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いたときには、ゲルの状態が良好(離水が無い)であるとともに感触評価についても良好であった。なかでも、基剤としてヒドロキシエチルセルロースを用いたときに、特に優れた結果が得られることがわかった。これに対して、比較例1(基剤としてCVPを使用)の場合では、透明度が非常に悪かった。また、比較例2のように、基剤としてCVPを使用した場合でも、エタノールを加えることによって透明性は改善するが、刺激性のある製剤となってしまうことから好ましくない。その他のヒドロキシセルロース誘導体(比較例3:ヒドロキシプロピルセルロース、比較例4:疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を基剤として使用した場合では、ゲルの状態及び感触の評価が悪かった。従って、本発明においては、ヒドロキシセルロース誘導体のなかでも、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースを基剤として用いたときに特に優れた効果を発揮することが明らかとなった。特に、基剤としてヒドロキシエチルセルロースを用いたときに優れた効果を示すことがわかった。さらに、ヒドロキシセルロース誘導体以外の基剤として比較例5のように、アルギン酸ナトリウムを使用したところ透明度及び感触評価ともに悪い結果が得られた。CVP使用時の透明性を改善する目的で、CVPと同時にヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用することも試みたが(比較例7)、良好な結果は得られなかった。さらに、プロピレングリコールを添加(比較例6)しても、透明性は改善しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、油性製剤の利点と水性製剤の利点を兼ね備えており、傷に塗布することによって速やかに被膜を形成して患部に作用するとともに患部を保護することができ、透明で使用感に優れ、基剤として刺激性成分を含まないことから低刺激性であり、当該外用剤中に水溶成分だけした含有しないことから水洗いで容易に洗い流せることから有用である。また、本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、その使用に際して手や衣類を汚すことなく衛生的に使用できる点でも有用である。さらに、本発明の低刺激性透明半固形外用剤は、液ダレせず必要量をスポット的に塗布できることからも有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体薬物、1,3−ブチレングリコール並びに、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種のみのヒドロキシアルキルセルロース誘導体を含有し、油性成分及び低級アルコールを含有しない使用感に優れた低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項2】
ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース以外のゲル化剤及び乳化剤を含有しない請求項1に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項3】
ゲルである請求項1〜2から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項4】
殺菌消毒用である請求項1〜3から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項5】
固形薬物として四級アンモニウム塩である殺菌消毒剤、アラントイン及び抗ヒスタミン剤を含有する請求項1〜4から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項6】
四級アンモニウム塩である殺菌消毒剤が塩化ベンゼトニウムである請求項5に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項7】
抗ヒスタミン剤がマレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸イプロヘプチン、フマル酸ケトチフェン、フマル酸エメダスチン、フマル酸クレマスチン、塩酸アゼラスチン、塩酸レボカバスチン、塩酸オロパタジン及びクロモグリク酸ナトリウムからなる群より選ばれる1又は2以上である請求項5〜6から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項8】
抗ヒスタミン剤がマレイン酸クロルフェニラミンである請求項5〜6から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項9】
ヒドロキシアルキルセルロース誘導体が、ヒドロキシエチルセルロースである請求項1〜8から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項10】
低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体の含有量が0.1〜10重量%である請求項1〜9から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項11】
低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、固体薬物の全含有量が0.05〜5重量%である請求項1〜10から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項12】
低刺激性透明半固形外用剤のpHが3〜6である請求項1〜11から選択されるいずれか1項に記載の低刺激性透明半固形外用剤。
【請求項13】
低刺激性透明半固形外用剤全体の重量に対して、
塩化ベンゼトニウム0.02〜0.5重量%、
マレイン酸クロルフェニラミン0.04〜1.0重量%、
アラントイン0.04〜1.0重量%、
1,3−ブチレングリコール1〜10重量%及び
ヒドロキシエチルセルロース1〜5重量%
を含有するゲル状殺菌消毒用である請求項1に記載の使用感に優れた低刺激性透明半固形外用剤。

【公開番号】特開2008−255103(P2008−255103A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53124(P2008−53124)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(306014736)第一三共ヘルスケア株式会社 (176)
【Fターム(参考)】