説明

低塩化された食肉加工食品の製造方法

【課題】新たな添加物を使用することなく、製造工程の改良により良好な結着性、保水性を維持したまま、低塩化が可能な食肉加工食品の製造方法を提供する。
【解決手段】単一肉塊又は非単一肉塊に塩化物を添加し、得られた混合物をケーシングに充填し、加熱した後に、脱塩処理液に浸漬する脱塩工程を行う。その結果、食肉加工食品特有の肉色が固定され、脱塩処理液に浸漬しても食肉加工食品の色素が流出することなく、しかも、食肉加工食品としての良好な保形性を維持したまま、低塩化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新たな添加物を使用することなく、製造工程の改良により良好な結着性、保水性を維持したまま、低塩化が可能な食肉加工食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食塩は、食物の旨味の発現、及び保存性を高めるものとしてよく知られている物質である。しかし、食塩の過剰な摂取は血圧上昇の一因であり、脳卒中や心臓疾患の原因と考えられている。食肉加工食品は通常1.5〜2.0%の塩分が含まれているが、近年、健康志向が高まっている中、食肉加工食品においても、消費者より低塩化が求められている。
【0003】
しかし、食肉加工食品の良好な食感の発現のためには、食塩添加により、ミオシンやアクトミオシンといった塩溶性タンパク質を溶出させることが重要であり、塩溶性タンパク質を十分溶出させることで、食肉加工食品の食感に影響を及ぼす保水性と結着性が発揮される。即ち、保水性とは、食肉が加圧、細切、加熱などの処理を受ける間に食肉中の水分を保持する力のことをいい、一方、結着性とは、加塩操作により、保水性の向上した塩漬肉をさらに細切・混合すると粘稠性に著しい増加が観察されるが、これを加熱すると細切肉は互いに密着し、連続した組織となる性質をいう。
【0004】
よって、食肉加工食品の製造工程においては、良好な食肉加工食品の食感の発現のために、食塩の添加は必須であり、なかなか低塩化が難しいのが実情である。
【0005】
これまで、食塩代替物を使用することで食塩の低減化を行うことがなされており、塩化カリウムと乳清ミネラルを併用することで、塩化カリウムの苦味、渋味をマスキングし、食塩代替物として使用する方法(特許文献1)、さらには、塩化カリウムに乳清ミネラルの他、グルコン酸ナトリウムあるいはカリウムを併用し、食塩代替物として使用する方法(特許文献2)、トランスグルタミナーゼ、蛋白加水分解物を添加することで、低食塩存在下でも良好な食感が得られる方法(特許文献3)、α,α―トレハロースの糖質誘導体を食塩代替物として使用する方法(特許文献4)、グルタミン酸マグネシウムを食塩代替物として使用する方法(特許文献5)が提案されている。
【0006】
さらに、脱塩による塩蔵肉の脱塩方法(特許文献6)、及び脱塩した塩蔵肉を使ってビーフソーセージを製造する方法も提案されている(特許文献7)。
【0007】
しかし、特許文献1〜2の方法によれば、食塩代替物として使用はできるものの、塩化カリウムに由来するエグ味が残っており、マスキングの効果はやや不十分である。また、特許文献3の方法によれば、トランスグルタミナーゼの作用により物性は良好であるものの、食べた時の食感は硬いものとなってしまう。さらに、特許文献4〜5の方法によれば、低塩濃度下でも塩味増強効果により十分塩味を感じることができるが、物性の改良には結びつかない。一方、特許文献6又は7の方法では、原料である塩蔵肉の脱塩であり、加熱処理した食肉加工食品の脱塩処理ではない。しかも、ソーセージの製造工程で、結着性、保水性の発現のために別途食塩を添加するために、最終製品の低塩化にはつながらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】第2513691号
【特許文献2】特開2008−289426
【特許文献3】特開平10−117729
【特許文献4】特開2009−82070
【特許文献5】特開2010−11807
【特許文献6】特公昭61−40370
【特許文献7】特開昭57−150343
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の通り、食塩の代替効果を有する新たな添加物を使用することなく、良好な結着性、保水性を有しながら、低塩化が可能な食肉加工食品の製造方法は知られていなかった。
【0010】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、新たな添加物を使用することなく、製造工程の改良により、良好な結着性、保水性を維持したまま、低塩化が可能な食肉加工食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、単一肉塊又は非単一肉塊に塩化物を添加し、得られた混合物をケーシングに充填し、加熱した後に、脱塩処理液に浸漬する脱塩処理を施すことで、食肉加工食品がその物性を保持したまま低塩化されることを見出し、本発明に至った。
【0012】
即ち、本発明は、(1)食肉加工食品の製造方法であって、単一肉塊又は非単一肉塊に塩化物を添加し、得られた混合物をケーシングに充填し、加熱した後に、脱塩処理液に浸漬する脱塩処理を施すことを特徴とする食肉加工食品の製造方法。(2)前記ケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする前記(1)記載の食肉加工食品の製造方法。(3)前記塩化物は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の食肉加工食品の製造方法。(4)前記塩化ナトリウムの添加量は、前記単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.2重量部以上であることを特徴とする前記(3)記載の食肉加工食品の製造方法。(5)前記塩化カリウムの添加量は、前記単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.5重量部以上であることを特徴とする前記(3)記載の食肉加工食品の製造方法。(6)前記脱塩処理液は10℃以下の水であり、かつ、前記脱塩処理の時間は24時間以上であることを特徴とする(1)〜(5)記載の食肉加工食品の製造方法。(7)前記(1)〜(6)記載の製造方法によって製造されることを特徴とする食肉加工食品、に関する。
【発明の効果】
【0013】
食塩の代替効果を有する新たな添加物を使用することなく、製造工程の改良により、良好な結着性、保水性を有しながら、低塩化された食肉加工食品を製造することができる。また、本発明の製造方法により製造される食肉加工食品により、消費者に新たな食肉加工食品の食べ方を提案することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例2で製造されたソーセージにおいて、脱塩0日目(脱塩前)、2日目、5日目の歩留りの測定結果を示すグラフ
【図2】実施例2で製造されたソーセージにおいて、脱塩0日目(脱塩前)の破断歪率に対する破断荷重値の測定結果を示すグラフ
【図3】実施例2で製造されたソーセージにおいて、脱塩2日目の破断歪率に対する破断荷重値の測定結果を示すグラフ
【図4】実施例2で製造されたソーセージにおいて、脱塩5日目の破断歪率に対する破断荷重値の測定結果を示すグラフ
【図5】実施例3で製造されたソーセージにおいて、脱塩0日目(脱塩前)、5日目の歩留りの測定結果を示すグラフ
【図6】実施例3で製造されたソーセージにおいて、脱塩0日目(脱塩前)の破断歪率に対する破断荷重値の測定結果を示すグラフ
【図7】実施例3で製造されたソーセージにおいて、脱塩5日目の破断歪率に対する破断荷重値の測定結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、食肉加工食品の製造方法であって、単一肉塊又は非単一肉塊に塩化物を添加し、得られた混合物をケーシングに充填し、加熱した後に、脱塩処理液に浸漬する脱塩処理を施すことを特徴とする食肉加工食品の製造方法、に関する。
【0016】
本発明において、食肉加工食品とは、食肉を原料としていれば特に限定されず、例えば、ロースハム、ボンレスハム、ベーコン、プレスハム、チョップドハム、ボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ、ウインナーソーセージ等が挙げられる。食肉の種類は、豚肉、牛肉、家禽肉等を利用することができるが、食肉であれば特に種類は限定されない。
【0017】
本発明において、単一肉塊とは、ロースハムやボンレスハム、ベーコン等の製造時に、加工に適した大きさにカットされる原料肉塊であり、一方、非単一肉塊とは、ソーセージ、プレスハム、チョップドハム製造のため、チョッパー、グラインダー等により、3〜30mmの大きさにミンチされてできる原料肉である。非単一肉塊がつなぎ合わさり一体化することで、ソーセージ等が製造される。使用する部位はウデ、カタ、ロース、モモ、バラいずれの部位でもよく特に限定されない。
【0018】
本発明においてケーシングとは、食肉及び食肉製品において塩漬肉、調味肉を直接充填する一次包装用の資材を称してケーシングといい、食肉製品にくん煙等の処理を施すことによって保存性を付加したり、整形したりする品質上極めて重要な役割を果たすものである。本発明において、単一肉塊により製造される脱塩ハムの場合は、必ずしもケーシングは必要ではないが、一定の形状を維持しながら大量に生産することに鑑みれば、ケーシングを使用することが好ましい。尚、ケーシングの種類としては、ケーシング充填後、加熱し、脱塩処理液に浸漬する脱塩処理を行うことから、ファイブラスケーシングといった通気性ケーシングを用いることが好ましいが、アミノ酸、タンパク質が漏出しないケーシングであれば、より好ましい。ケーシングの径は、特に限定されないが、径が小さいほど、脱塩処理に要する時間を短くすることができ、製造期間を短縮することができる。
【0019】
本発明において、塩化物とは塩化ナトリウム、塩化カリウムなどを利用することができるが、食用であれば特に限定されない。
【0020】
塩化物を、単一肉塊あるいは非単一肉塊に対して添加する際には、水に溶解させたものを添加してもよいし、固体の状態で添加し、肉中に含まれる水分に溶解させる手法を用いてもよい。塩化物と単一肉塊あるいは非単一肉塊との接触方法は特に限定されないが、単純に添加した後、両者を十分に混合する他、単一肉塊あるいは非単一肉塊を塩化物が溶解した溶液に浸漬させる浸漬法、添加後に真空タンブラー等により浸透させるタンブラー法、塩化物が溶解した溶液を肉に注入するインジェクション法等があげられる。接触条件は、−10℃〜20℃、より好ましくは−5℃〜10℃で10分〜72時間である。20℃以上になると食肉に含まれるタンパク質が熱変性を伴う場合がある。また、接触時間が72時間にわたる場合でも、温度が10℃以下にコントロールされていれば、品質上大きな影響はない。
【0021】
本発明においては、塩化物以外に、食肉加工食品に一般に添加され得る添加剤、例えば、発色剤、酸化防止剤、香辛料、調味料、pH調整剤等を適宜添加することができる。さらに、脱塩ハムの製造においては、塩化物以外に、アルギニンも併せて添加することで、脱塩処理後も良好な食感を維持することができる。
【0022】
本発明における脱塩処理としては、加熱処理を行ったケーシング充填物を、ケーシングを開封、又は、ケーシングを開封することなく、数時間〜数日間、脱塩処理液に浸漬する方法や、流水中に電極を設けて、電気透析により脱塩する方法等が挙げられる。脱塩処理液に浸漬する方法を採用する場合、脱塩処理液としては、水、温水、熱湯、調味料が溶解された調味液等を使用することができる。脱塩処理を施すことで、塩化物に由来する塩味、苦味の他、亜硝酸塩やリン酸塩等の残存している添加物を効果的に除去することができる。また、脱塩処理液としては、10℃以下の水を使用し、脱塩処理の時間は24時間以上行うことが好ましい。脱塩処理液の温度が10〜60℃の範囲では微生物汚染等、衛生管理上好ましくなく、60℃以上とすれば殺菌効果が得られ、脱塩速度が上がるものの、食感が悪くなり物性は低下する。一方、脱塩時間は、単一肉塊を使用した脱塩ハムの製造の際に、脱塩処理前にあらかじめ一定の厚さにスライスしたり、あるいは、脱塩ソーセージの製造の際に、直径17mm以下のケーシングを使用すれば、24時間未満でも脱塩することができるものの、完全に塩味が残らないようにするためには24時間以上脱塩処理を施すことが好ましい。
【0023】
また、本発明は、塩化物を添加し、ケーシングに充填した混合物をそのまま脱塩するのではなく、加熱してから脱塩処理することに特徴がある。加熱せずに脱塩処理すると、食肉加工食品の色素が脱塩処理液に流出したり、食肉加工食品の形状が崩れてしまう問題があるが、加熱することで、食肉加工食品特有の肉色(ニトロソヘモクロム)が固定され、脱塩処理液に浸漬しても食肉加工食品の色素が流出することはない。また、ミオシンやアクチンといった肉に含まれる蛋白質が相互作用を起こし、強固な網目構造を形成することができる。その結果、脱塩処理液に浸漬させても食肉加工食品としての保形性を維持したまま、脱塩処理を行うことが可能となる。
【0024】
本発明による脱塩処理を施した食肉加工食品は、もちろんそのまま喫食できるが、表面にごく少量の食塩を付着させれば、先味として塩味を感じて、低塩ながらもより美味しく本発明の食肉加工食品を喫食することができる。
【0025】
さらに、本発明は、前記塩化物が塩化ナトリウムであり、その添加量が、単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.2重量部以上であることを特徴とする食肉加工食品の製造方法、又は、前記塩化物が塩化カリウムであり、その添加量が、単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.5重量部以上であることを特徴とする食肉加工食品の製造方法、にも関する。
【0026】
前記塩化ナトリウムの添加量が、単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.2重量部未満、又は、前記塩化カリウムの添加量が単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.5重量部未満だと、ミオシン、アクトミオシンといった塩溶性タンパク質が溶出されにくくなる結果、ソーセージの硬さが脆く、良好な食感が得られない。前記塩化ナトリウムの添加量が、単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.2重量部以上、又は、前記塩化カリウムの添加量が、単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.5重量部以上であれば、塩溶性タンパク質が溶出し、その結果、結着性、保水性が良好となる。塩化カリウムは、添加すると苦味を感じるが、脱塩処理することで、苦味は抜けるため、本発明に好適に利用することができる。
【0027】
発明の製造方法によって製造される食肉加工食品を、喫食時に表面にごく少量の食塩を付着させれば、先味として塩味を感じて、低塩ながらもより美味しく本発明の食肉加工食品を喫食することができる。また、食塩以外にも塩味を感じさせるようなタレ類でもその役割は達せられる。また、可食性の皮膜で覆った塩水や調味液等を食肉加工品内部に練り込んでも、噛んだときに先味として塩味を感じさせれば同様のことが言える。通常の食肉加工食品の食塩濃度は1.2〜2.0%の範囲だが、本法によれば0.5〜0.6%で十分美味しく喫食することができる。また、本発明の食肉加工食品の表面に塩味の付いた可食性の油脂や油脂分に富んだ食品をコーティングしたりすることもでき、消費者に食肉加工食品の新たな食べ方を提案することができる。
【0028】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0029】
(実施例1)脱塩ソーセージの製造(塩化ナトリウムを使用)
以下の試験区に示すソーセージの製造を行い、ソーセージの呈味、食感を評価することで、最適な脱塩処理方法を検証した。
【0030】
(試験区1)
豚肉850gを3mm目のチョッパーにて挽肉とし、表1に示すAの配合で副原料を加え、カッターで生地の温度が約7℃になるまでカッティングした。その後、直径40mmの塩化ビニリデンケーシングに充填し、75℃の湯浴で中心が70℃になるまで加熱をした。
【0031】
(試験区2)
豚肉850gを3mm目のチョッパーにて挽肉とし、表1に示すBの配合で副原料を加え、カッターで生地の温度が7℃になるまでカッティングした。その後、直径30mmのセルロースケーシングに充填し、充填後、75℃の湯浴で中心温度が70℃になるまで湯浴で加熱を行った。
【0032】
(試験区3)
豚肉850gを3mm目のチョッパーにて挽肉とし、表1に示すBの配合で副原料を加え、カッターで生地の温度が7℃になるまでカッティングした。その後、直径30mmのセルロースケーシングに充填し、充填後、75℃の湯浴で中心温度が70℃になるまで湯浴で加熱を行った。その後、4℃の冷蔵庫で冷水に漬け、2回冷水を入れ替えながら2日浸漬して脱塩処理を行った。
【0033】
【表1】

【0034】
(脱塩評価)
原子吸光分析法によって、試験区2〜4に残存するナトリウムを測定したところ、122mg/100gとなり、添加量(770mg/100g)よりも大幅にナトリウムを除くことができた。
【0035】
(官能評価と外観評価)
8名のパネルに、食感、塩味を評価してもらった。その結果を表2に示す。食感の項目については、○は良好、×は不良である。塩味の項目について、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味あり、である。
【0036】
【表2】

【0037】
(まとめ)
食塩を添加処理した試験区2及び3のソーセージは、食塩を添加しない試験区1のソーセージと比較して食感は良好であった。さらに、脱塩処理した試験区3のソーセージ
は、脱塩処理していない試験区2のソーセージと比較して塩味が低減されており、本発明の目的を達成することができた。
【0038】
(実施例2)最適な食塩添加量の検証(塩化ナトリウムを使用)
原料に添加する食塩添加量がいかにソーセージの食感、呈味に影響しているのか検証を行った。
【0039】
豚肉510gを3mm目のチョッパーにて挽肉とし、表3の配合で副原料を加え、卓上プロセッサーでカッティングした。直径30mmのビスコースケーシングに充填し、75℃で60分間蒸煮し、中心温度が70℃になるまで加熱をした。その後、4℃の冷蔵庫で冷水に浸漬させ、1日2回冷水を入れ替えながら浸漬して2日間及び5日間脱塩処理を行った。表3中の数字はg、試験区のカッコ内の数字は原料肉の重量に対する食塩濃度である。
【0040】
【表3】

【0041】
(歩留りの評価)
試験区1〜10について、食塩濃度の変化及び脱塩処理の経時変化により、ソーセージの保水性に影響が出るかどうか確認するため、ソーセージの歩留りの変化を調べた。その結果を図1に示す。歩留りの測定は、加熱前のソーセージの重量に対して、加熱・脱塩後のソーセージの重量の割合を計算することにより行った。
【0042】
(結果)
試験区7(食塩濃度2.9%)までは、ソーセージ中の食塩濃度の上昇に伴って、歩留りも上昇したことから、ソーセージの保水性も向上していることが分かった。また、脱塩0日目(脱塩前)、2日目、5日目で歩留りの変化に差異は認められず、脱塩による経時変化によりソーセージの保水性は影響を受けなかった。
【0043】
(破断荷重値、破断歪率の測定)
食塩濃度の変化及び脱塩処理の経時変化による物性の変化を調べるため、山電社製クリープメーターRE2−33005Bし、破断に必要な荷重と歪みの測定を行い、ソーセージ破断時の波形を調べた。測定時のサンプルサイズは幅10mm、高さ10mm、長さ20mmとし、中央部を垂直に破断した。プランジャーはくさび型で、破断面は1mm幅とし、圧縮速度は10mm/minで等速とした。破断荷重値が高いほど、硬く弾力があり、食感が良好であることを意味する。破断歪率は、ソーセージが破断するまでの歪みの大きさを表しており、これが大きいほど、ソーセージが変形に耐え、弾力があることを意味する。また、脱塩0日目(脱塩前)、脱塩2日目、脱塩5日目のそれぞれのソーセージについて、破断歪率に対する破断荷重値を測定し、ソーセージ破断時の波形を調べた。その結果を図2〜4に示す。図2は脱塩0日目(脱塩前)、図3は脱塩2日目、図4は脱塩5日目である。
【0044】
(結果)
図2より、試験区1〜3と試験区4〜10の間で波形に差異が見られた。即ち、試験区1〜3(0.6%以下)では破断歪率に対して破断荷重値はゆるやかな山を描いており、食べた時の歯切れが悪いことを示された。一方、試験区4(1.2%)において、破断歪率40%付近でピークが発生しており、ソーセージに弾力が付与されたことが分かった。試験区6(2.1%)及び試験区10(4.7%)もほぼ同様の波形を描いており、試験区4〜10(1.2%以上)においては食塩濃度を増しても物性に大きな違いが見られなかった。図3及び4も同様の結果であった。以上のことから、脱塩処理の経時変化により、ソーセージの弾力に変化は見られなかったが、食塩濃度の上昇に伴い、1.2%からソーセージの弾力の向上が認められた。
【0045】
(官能評価)
8名のパネルに、脱塩0日目(脱塩前)及び脱塩2日目、5日目のソーセージについて、食感、塩味についてそれぞれ評価してもらった。その結果を表4に示す。食感の評価について、○は良好、△はやや良好、×は不良である。また、塩味の評価については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味を感じる、+++は強い塩味を感じる、である。
【0046】
【表4】

【0047】
(結果)
食感について、同じ試験区で脱塩0日目(脱塩前)及び脱塩2日目、5日目を比較すると食感に差異は見られず、脱塩処理の経時変化により食感に変化は見られなかった。食塩濃度による食感の変化については、試験区3(0.6%)までは全く弾力がなく、ボソボソと切れるような食感だったが、試験区4(1.2%)からやや弾力が出始め、試験区5(1.5%)以上で良好な弾力となった。特に試験区7(2.9%)が最も硬さと弾力が適当だった。塩味については、脱塩日数が経過するにつれ塩味が薄れ、5日目では塩味のないソーセージになっていった。脱塩2日目において、食塩濃度による塩味の変化を調べたところ、試験区3(0.6%)以上で塩味を感じた。
【0048】
(脱塩評価)
原子吸光分析法によって、脱塩5日目の試験区1、6、10に残存するナトリウムを測定した。残存するナトリウムが40ppm未満であれば、脱塩効果は十分と判断し測定を行ったところ、いずれの検体からも40ppm以上のナトリウムは検出されなかった。
【0049】
(まとめ)
本実施例より、食塩の添加量としては、1.2%で弾力が付与され始めるが、2.9%添加するのが、歩留り、弾力等、良好な物性の付与に効果的であった。また、脱塩を行ってもソーセージの良好な物性は保たれることから、本発明の脱塩処理が有効であることが示された。
【0050】
(実施例3)最適な塩化カリウム添加量の検証
塩化物として塩化カリウムを使用し、実施例2と同様の方法により、ソーセージの製造を行った。副原料の配合は表5に示す。表5中の数字はg、試験区のカッコ内の数字は原料肉の重量に対する食塩濃度である。
【0051】
【表5】

【0052】
(歩留りの評価)
試験区1〜10について、塩化カリウム濃度の変化及び脱塩処理の経時変化により、ソーセージの保水性に影響が出るかどうか確認するため、ソーセージの歩留りの変化を調べた。その結果を図5に示す。歩留りの測定方法は、実施例2と同様である。
【0053】
(結果)
試験区8(3.5%)までは、濃度上昇に伴って、歩留りも上昇したが、特に、試験区4(1.2%)〜試験区6(2.1%)の上昇度が大きかった。さらに、脱塩0日目(脱塩前)から5日目にかけて歩留りの変化は認められず、脱塩による経時変化によりソーセージの保水性は影響を受けなかった。
【0054】
(破断荷重値、破断歪率の測定)
実施例2と同様の方法により、脱塩0日目(脱塩前)、脱塩5日目それぞれについて、破断荷重値、破断歪率の測定を行い、ソーセージ破断時の波形について調べた。その結果を図6及び7に示す。
【0055】
(結果)
図6より、試験区1〜4、試験区5〜10の間で波形に差異が見られた。即ち、試験区1〜4(1.2%以下)では破断歪率に対して破断荷重値はゆるやかな山を描いており、食べた時の歯切れが悪いことを示された。一方、試験区5(1.5%)において、破断歪率30%のところで小さいピークが発生しており、ソーセージに弾力が付与されたことが分かった。試験区6〜10(2.1%以上)も破断歪率40〜50%付近で明らかに破断ピークが発生しており、以上のことから、脱塩処理の経時変化により、ソーセージの弾力に変化は見られなかったが、塩化カリウム濃度の上昇に伴い、試験区5(1.5%)から弾力の向上が認められた。図7も同様の結果であった。以上のことから、脱塩処理の経時変化により、弾力に変化は見られなかったが、塩化カリウム濃度の上昇に伴い、試験区5(1.5%)から物性の向上が認められた。
【0056】
(官能評価)
8名のパネルに、脱塩0日目(脱塩前)及び脱塩5日目のソーセージについて、食感、苦味についてそれぞれ評価してもらった。苦味を評価するのは、塩化カリウムが抜けているかどうかを調べるためである。その結果を表6に示す。食感の項目について、○は良好、△はやや良好、×は不良である。また、苦味については、−は苦味を感じない、+はやや苦味を感じる、++は苦味を感じる、+++は強い苦味を感じるである。
【0057】
【表6】

【0058】
(結果)
食感について、脱塩0日目(脱塩前)のソーセージは、試験区6(2.1%)から良好な食感となったのに対して、脱塩5日目のソーセージは試験区8(3.5%)から良好な食感となり、脱塩処理の有無でやや差異が見られた。また、苦味については、脱塩0日目(脱塩前)のソーセージは、試験区3(0.6%)から苦味を感じ始め、試験区4(1.2%)から強い苦味となったが、脱塩5日目のソーセージは、試験区8(3.5%)に至るまで苦味を感じなかった。
【0059】
(まとめ)
本実施例より、塩化カリウム濃度が1.5%以上からソーセージに弾力が付与され始め、2.1%以上から弾力、食感とも良好となるが、3.5%添加するのが、歩留り、弾力、食感等、物性の付与に効果的であった。また、塩化カリウム濃度を3.5%以下とすると、苦味は脱塩5日目でほぼ抜けていることから、塩化カリウムを用いても本発明の脱塩処理が有効であることが示された。
【0060】
(実施例4)最適な脱塩条件の検証(脱塩処理に使用する水の温度、脱塩時間)
豚肉850gを3mm目のチョッパーにて挽肉とし、表7の配合で副原料を加え、卓上プロセッサーでカッティングした。そして、ビスコースケーシングに充填し、75℃で60分間蒸煮し、中心温度が76℃になるまで加熱をした。その後、0℃、4℃、10℃、18℃、60℃、70℃、80℃、100℃の水あるいは湯にソーセージを浸漬し、脱塩処理を行った。脱塩処理の時間は、それぞれの水あるいは湯の温度において、30分、1時間、3時間、6時間、24時間行った。
【0061】
【表7】

【0062】
(官能検査)
8名のパネルに、脱塩処理に使用する水及び湯の温度、及び脱塩処理時間の経過により食感及び塩味がどのように変化するか評価してもらった。その結果を表8に示す。食感の評価について、○は良好、△はやや良好、×は不良である。また、塩味の評価については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味を感じる、+++は強い塩味を感じる、である。
【0063】
【表8】

【0064】
(結果)
食感の評価については、10℃以下の水で脱塩処理を行った場合は、脱塩時間が経過しても食感が悪くなることはないが、18℃の水で脱塩処理を行った場合は、1時間以上の脱塩時間で食感がやや悪くなる結果となった。さらに、60℃以上の湯で脱塩処理を行った場合は、脱塩時間の経過とともに食感は悪くなった。塩味の評価については、18℃以下の水で脱塩処理を行った場合は、24時間の浸漬で塩味が抜けた。また、60℃以上の湯で脱塩処理を行った場合は、6時間で塩味が抜け、70℃以上の湯で脱塩処理を行った場合は、3時間で塩味が抜けた。
【0065】
(まとめ)
本実施例より、60℃の湯で6時間以上脱塩すれば、塩味を抜くことができるが、食感は悪くなった。ソーセージの食感、塩味の抜け具合、衛生管理面を考慮すると、10℃以下の低温で、24時間以上の脱塩を行うことが好ましい。
【0066】
(実施例5)最適なソーセージ径の検証
3mm目のチョッパーで処理した挽肉に、表7と同様の配合比で、副原料を卓上プロセッサーでカッティングした。その後、直径17mmと40mmのビスコースケーシングに充填し、直径17mmのソーセージは76℃で40分、直径40mmのソーセージは76℃で60分それぞれ加熱処理し、ウインナーソーセージ(直径17mm)とボロニアソーセージ(直径40mm)の製造を行った。その後、それぞれのソーセージを、10℃の水に24時間、48時間、72時間、96時間浸漬し脱塩処理を行った。
【0067】
8名のパネルに、ウインナーソーセージ(直径17mm)とボロニアソーセージ(直径40mm)、それぞれのソーセージについて、脱塩処理時間の経過に伴い、塩味がどのように変化するか評価してもらった。その結果を表9に示す。塩味の評価については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味を感じる、+++は強い塩味を感じる、である。
【0068】
【表9】

【0069】
(結果)
直径17mmのウインナーソーセージと40mmのボロニアソーセージで比較したところ、ウインナーソーセージは24時間で塩味が抜けたのに対し、ボロニアでは72時間を要した。
【0070】
(まとめ)
ソーセージの径が小さくなるほど、脱塩処理にかける時間を短くでき、短期間で脱塩ソーセージを製造できることが示唆された。
【0071】
(実施例6)ブロック状の脱塩ハムの製造
以下の試験区に示すハムの製造を行い、ハムの食感及び塩味を評価することで、最適な脱塩処理方法を検証した。
【0072】
(試験区1)
豚肉ブロック500gに対して、表10(試験区1〜4)に示す配合割合で調製されたピックル液をそれぞれ150gずつ注入した。ピックル液注入後の、原料肉中の食塩及びアルギニン濃度を表11に示す。その後、タンブリング処理を6時間施し、4℃の冷蔵庫で3日間熟成後、ファイブラスケーシングに充填し、加熱及び冷却を行った。そして、4℃の冷蔵庫で冷水に漬け、2回冷水を入れ替えながら2日間又は8日間浸漬して脱塩処理を行った。表10中の数値の単位はg、表11中の単位は%である。
【0073】
【表10】

【0074】
【表11】

【0075】
(官能評価)
8名のパネルに、脱塩2日目と脱塩8日目の食感及び塩味を評価してもらった。その結果を表12に示す。食感の項目について、○は良好、×は不良である。一方、塩味については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味あり、+++強い塩味を感じる、である。
【0076】
【表12】

【0077】
(結果)
食感については、ピックル液に食塩が含まれていない試験区4を除いて、食感はいずれも良好であり、経時変化によって、食感は変化することはなかった。一方、塩味については、脱塩2日目の段階では、試験区1〜3いずれも脱塩処理が進んでおらず、強い塩味を感じる結果となった。また、ピックル液に食塩を添加しなかった試験区4においては、塩味を感じることはなかった。脱塩8日目まで経過すると、試験区3で塩味は薄まってきているものの、やや塩味を感じる結果となった。
【0078】
(まとめ)
本実施例より、脱塩8日目まで経過しても塩味が抜けないことから、ブロック状のハムは脱塩処理に適さないことが明らかとなった。
【0079】
(実施例7)スライス状の脱塩ハムの製造
豚肉塊500gに対して、表10(試験区1〜4)に示す配合割合で調製されたピックル液を150g注入した。食感に影響を及ぼす原料肉中の食塩濃度(ピックル液注入後)は表11に示されている通りである。その後、タンブリング処理を6時間施し、4℃の冷蔵庫で3日間熟成後、ファイブラスケーシングに充填し、加熱及び冷却処理を行った。さらに、1.5mmの厚さとなるようスライス処理を行い、スライスされたハムを4℃の冷蔵庫で冷水に漬け、2回冷水を入れ替えながら2日間浸漬して脱塩処理を行った。
【0080】
(官能評価)
8名のパネルに、脱塩2日目の食感及び塩味を評価してもらった。その結果を表13に示す。食感の項目について、○は良好、×は不良である。一方、塩味については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味あり、+++強い塩味を感じる、である。
【0081】
【表13】

【0082】
(結果)
試験区1〜3のいずれも塩味は抜けており、脱塩処理の効果は出ていたものの、食感はアルギニンが添加されている試験区3を除いて、いずれもパサパサした食感であり、食感は不良であった。
【0083】
(まとめ)
スライス状のハムは、ブロック状のハムに比べて、脱塩処理の効果は認められたものの、逆に食感が悪くなってしまった。但し、アルギニンを添加した場合は、脱塩効果に加えて食感も良好に保たれることが明らかとなった。
【0084】
(実施例8)脱塩ハムの製造(アルギニン添加の影響)
厚さ15mmに整形された豚肉50gを、表14(試験区1〜8)に示す配合割合により調製されたピックル液15gに3日間浸漬処理した。食感に影響を及ぼす原料肉中の食塩、アルギニン及びリン酸塩の濃度(ピックル液浸漬後)を表15示す。その後、タンブリング処理を6時間施し、ケーシングに充填することなく、加熱及び冷却処理を行った。そして、4℃の冷蔵庫で冷水に漬け、2回冷水を入れ替えながら、1日間浸漬して脱塩処理を行い、脱塩ハムの製造を行った。表14中の数値の単位はg、表15中の単位は%である。
【0085】
【表14】

【0086】
【表15】

【0087】
(官能評価)
8名のパネルに、脱塩前と脱塩後の食感及び塩味を評価してもらった。その結果を表16に示す。食感の項目について、○は良好、△はやや良好、×は不良である。一方、塩味については、−は塩味を感じない、+はやや塩味を感じる、++は塩味あり、+++強い塩味を感じる、である。
【0088】
【表16】

【0089】
(結果)
塩味の評価では、脱塩後はすべての試験区において、塩味が抜けているのが確認された。一方、食感の評価では、食塩のみが添加されている試験区(試験区2及び3)と食塩及びリン酸塩が添加されている試験区(試験区7及び8)は、脱塩後にパサパサし、食感が悪くなったのに対して、食塩とアルギニンが併用されている試験区(試験区5及び6)は、試験区5でやや軟らかい食感だったものの、全体的にプリプリしており、脱塩後も良好な食感が維持されていることが確認された。尚、食塩、アルギニン及びリン酸塩いずれも添加されていない試験区(試験区1)とアルギニンのみが添加されている試験区(試験区4)は、脱塩処理の前後において食感は不良であった。
【0090】
(まとめ)
本実施例より、食塩に加えてアルギニンも併せて添加することにより、脱塩後もしっとりと弾力のある食感の脱塩ハムを製造することができた。特に、食塩濃度3.5%、アルギニン濃度0.7%の添加で最も弾力のある食感の脱塩ハムを製造することができた。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明により、新たな添加物を使用することなく、製造工程の改良により良好な保水性、結着性を維持したまま低塩化が可能な食肉加工食品の製造方法を提供することができる。また、本発明の製造方法により製造される食肉加工食品により、喫食時に表面にごく少量の食塩を付着させれば、先味として塩味を感じて、低塩ながらもより美味しく本発明の食肉加工食品を喫食することができる等、消費者に新たな食肉加工食品の食べ方を提案することもできる。さらに、ナトリウムの摂取制限が必要とされる疾病患者に対して、良質な高タンパク食品を供給することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉加工食品の製造方法であって、単一肉塊又は非単一肉塊に塩化物を添加し、得られた混合物をケーシングに充填し、加熱した後に、脱塩処理液に浸漬する脱塩処理を施すことを特徴とする食肉加工食品の製造方法。
【請求項2】
前記ケーシングは、通気性ケーシングであることを特徴とする請求項1記載の食肉加工食品の製造方法。
【請求項3】
前記塩化物は、塩化ナトリウム又は塩化カリウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の食肉加工食品の製造方法。
【請求項4】
前記塩化ナトリウムの添加量は、前記単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.2重量部以上であることを特徴とする請求項3記載の食肉加工食品の製造方法。
【請求項5】
前記塩化カリウムの添加量は、前記単一肉塊又は非単一肉塊100重量部に対して、1.5重量部以上であることを特徴とする請求項3記載の食肉加工食品の製造方法。
【請求項6】
前記脱塩処理液は10℃以下の水であり、かつ、前記脱塩処理の時間は24時間以上であることを特徴とする請求項1〜5記載の食肉加工食品の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6記載の製造方法によって製造されることを特徴とする食肉加工食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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