説明

低密度の疎水性物質、および、その製造方法

低密度であって浮揚性を有する物質、特に疎水性エアロゲルを使用して、疎水性液体を吸収する。この物質は水溶液に浮くように構成されており、水溶液をほとんど吸収せずに、油などの疎水性液体を該溶液の表面から吸収することができる。上記物質を生成および利用する方法について開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、米国特許仮出願第61/268,335(出願日2009年6月11日)に基づいて特典を主張し、該特許仮出願の内容は全て参照によってここに引用されるものとする。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、一般にエアロゲルおよびエアロゲル状の多孔性物質に関し、具体的には疎水性エアロゲル組成物および複合材料、ならびに、これらの製造方法に関する。
【0003】
〔背景技術〕
水溶液(例えば、水、塩水、冷却剤、および、その他の各種流体など)は、漏出、人為的ミス、機械の故障などによって汚染されることがある。油などの疎水性液体を水溶液から除去する方法には、例えば、油を水面から掬い、真空システムを介して油および水を水面からタンクに吸い込み、水域が広い場合には、油をロープを張ったその中で引きながら吸い取る方法がある。
【0004】
〔発明の概要〕
本発明は、浮揚性を有し、水溶液の表面に浮き、水溶液の表面に存在する例えば油などの疎水性液体を吸収し、さらに、水溶液自身を大量に吸収せずに疎水性液体を吸収する、新規な組成物を提供する。
【0005】
1つの態様では、本質的に疎水性を有し、疎水性液体を一般に大量に吸収する能力を有するエアロゲル組成物を提供する。
【0006】
別の態様では、疎水性液体を吸収し、構造上の統合性を維持するエアロゲル組成物を提供する。
【0007】
さらに別の態様では、ポリマー組成物を例えば分散液の形態、または、昇華可能な分散媒もしくは分散溶媒中の乳濁液の形態で提供するステップと、該組成物を凍結させるステップと、該組成物を凍結乾燥させて分散媒を昇華させることによってエアロゲルを形成するステップとを含み、疎水性液体を吸収するエアロゲルを製造する方法を提供する。一実施形態では、この方法は、形成されたエアロゲルを十分な温度で十分な時間をかけて加熱して、疎水特性を有する硬化エアロゲルを生成するステップをさらに含む。
【0008】
1つの態様では、エアロゲルを水面に配置するステップと、エアロゲルを水溶液の表面に存在する疎水性の化合物に接触させることによって、疎水性の化合物をエアロゲルに吸収させるステップと、その後、飽和したエアロゲルを水溶液から取り除くステップとを含む、吸収性を有する疎水性エアロゲルを利用する方法を提供する。エアロゲルが吸収した疎水性の化合物は、例えば、少なくとも部分的に飽和したエアロゲルを圧搾または圧縮して、エアロゲルが吸収した疎水性の化合物を放出させることによって、エアロゲルから回収すればよい。
【0009】
1つの態様では、上記疎水性液体を吸収するエアロゲル組成物は、少なくとも1つの親水性ポリマー、硬化した疎水性ポリマー、または、これらの組み合わせを含有する多孔性エアロゲルであってもよい。
【0010】
別の態様では、疎水性液体を吸収するエアロゲルを製造する方法が、分散媒および疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマー誘導体を含有する混合物を提供するステップと、この混合物を凍結させるステップと、混合物を減圧下で乾燥させて分散媒を混合物から昇華させ、こうすることによって疎水性エアロゲルを生成するステップとを含む。
【0011】
一実施形態では、上記疎水性エアロゲルの疎水性ポリマーはポリアミド−イミドを含有する。別の一実施形態では、該疎水性エアロゲルはポリイミドを含有する。さらに別の一実施形態では、上記疎水性ポリマーは、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、および、ジエンから選択される少なくとも1つのモノマーを含有するモノマー系に由来する、乳化重合された疎水性ポリマーである。
【0012】
一実施形態では、油を吸収する浮揚性物質が、中空の微小球体を含有する疎水性ポリマーエアロゲルを含有する。この疎水性ポリマーエアロゲルは粘土を含有してもよい。一実施形態では、該疎水性ポリマーエアロゲルは粘土をほとんど含有しない。
【0013】
1つの態様では、疎水性エアロゲルを形成する方法が、疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマーの前駆物質と分散媒とを含有する分散液を準備するステップと、該分散液を凍結させて分散媒を凝固させるステップと、該分散液を凍結乾燥法させて分散媒を除去し、エアロゲルを形成するステップとを含む。
【0014】
上記分散液の疎水性ポリマーの前駆物質は、構造式Aによって表されるアミド−アミド酸ユニットと、構造式Bによって表されるアミド−イミドユニットとの混合物を含有するポリマー物質を含有してもよい。
【0015】
【化1】

【0016】
ただし、芳香環に対する2つのアミド基の結合は、1,3および1,4ポリアミド−アミド酸配置を表す。
【0017】
【化2】

【0018】
ただし、Rは、
【0019】
【化3】

【0020】
からなる群より選択される置換型または非置換型の二価のアリーレン部分であって、Aは−SO−、−CO−、−(CH−、−O−、−S−、および、直接的な化学結合(direct chemical bond)からなる群より選択される二価のラジカルである。上記疎水性ポリマーの前駆物質は三級アミンをさらに含有してもよい。疎水性エアロゲルを製造する上記方法は、上記エアロゲルを加熱してポリアミド−イミドのエアロゲルを形成するステップをさらに含んでもよい。
【0021】
一実施形態では、上記方法において使用する疎水性ポリマーエアロゲルは、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、および、ジエンから選択される少なくとも1つのモノマーを含有するモノマー系に由来する、乳化重合された疎水性ポリマーを含有する。
【0022】
中空の微小球体が凍結に先立って上記分散液に添加されてもよい。上記の構成の替わりに、あるいは、上記の構成に加えて、粘土が凍結に先立って上記分散液に添加されてもよい。
【0023】
1つの態様では、油を吸収する疎水性エアロゲルを形成する方法が、疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマーの前駆物質と分散媒とを含有する分散液を準備するステップと、該分散液を凍結させて分散媒を凝固させるステップと、該分散液を凍結乾燥法させて分散媒を除去し、エアロゲルを形成するステップとを含む。
【0024】
油を吸収する疎水性エアロゲルを形成する上記方法では、上記疎水性ポリマーの前駆物質は、アミド−アミド酸ユニットとアミド−イミドユニットとの混合物を含有するポリマー物質を含有してもよい。上記分散液は三級アミンをさらに含有してもよく、上記凍結乾燥させたエアロゲルは続いて加熱されて上記アミド酸部分と三級アミンとの間のイミド化反応を促進する。
【0025】
〔詳細な説明〕
浮揚性を有し、例えば水、塩水、海水など(ただしこれらの例に限定されるものではない)の水溶液に浮く能力を有する疎水性エアロゲルを提供する。この浮揚性エアロゲルは疎水性液体を吸収する能力を有し、特に、該疎水性エアロゲルは油と水との混合物から油を分離する能力を有する。上記エアロゲルは流出した油の回収または汚染からの回復に特に有用である。疎水性エアロゲルは疎水性液体を吸収保持するが、水性混合物を大量に吸収することがなく、疎水性液体を十分に回収することを可能にする。
【0026】
疎水性エアロゲルは、少なくとも1つの疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマー誘導体と、溶媒または分散媒(以下、分散媒と称する)とを含有する組成物に由来してもよい。
【0027】
エアロゲルはゲルから形成される多孔性の固体であって、固体の細孔を満たす液体が気体で置換されたものである。エアロゲルは、一般に超臨界乾燥法または凍結乾燥法のいずれかによってゲルを乾燥させることによって製造される。乾燥時のゲルの固体ネットワークの縮小は、該液体が費やされるにつれてネットワークに作用する毛管力が極小化されることなどが理由となって、無視できる程度であるか、または、完全に防止される。
【0028】
エアロゲルは一般に、高い空隙率(約94%〜98%)および大きな比表面積を特徴とする。エアロゲルはさらに、一般に0.004g/cm〜0.5g/cmの範囲にある比較的低い密度を有する。エアロゲルは優れた荷重負荷特性および絶縁特性を有することができ、触媒としても、または、触媒過程との関連において(例えば、触媒支持構造物として)も使用可能である。
【0029】
ここに記載するように、三次元の開放気泡体を有し多孔性が非常に高いエアロゲル状構造が、分散液、乳濁液、溶液、懸濁液、および、ラテックスを含んだ二相系を用いて形成されてもよい。第一相(例えばポリマーまたはポリマーの前駆物質)を第二相(以下、分散媒と称する)中で分散、懸濁、または、乳化させて、上記二相系(以下、分散液と称する)を形成する。この分散液は、まず、分散媒を凝固させるために凍結させ、次に、分散媒の大部分を除去して、分散液の、ポリマーを含有する固体の骨格を残すように凍結乾燥させる。これらの非常に高い多孔性を有する構造はゲルから形成されるものではないが、「エアロゲル」という用語には、ここで使用する場合には、これらの分散液に由来する構造を含める。
【0030】
好適な実施形態では、上記疎水性エアロゲルは、三級アミンを用いて高温で硬化させることによって疎水性ポリアミド−イミド形態に転化される、ポリアミド−アミド酸エアロゲル中間体から形成される。このポリアミド−アミド酸エアロゲル中間体は、ポリアミド−アミド酸の水溶液を凍結乾燥させることによって形成される。このポリアミド−アミド酸の水溶液を形成するためには、例えば、水および脂肪族アミン(好ましくは三級アミン)を含有する混合物中で固体樹脂を分散または溶解させればよい。
【0031】
上記ポリアミド−アミド酸固体樹脂を、アミド酸の官能性をほぼ中和し、対応するアミン塩を形成するために効果的な量の適切なアミンと組み合わせれば、ポリアミド−アミド酸を十分に溶解できる可能性がある。ポリアミド酸と、ポリマー中に存在するアミド酸基の量を基準にすると化学量論量または中和量の100%を超える(さらに具体的には約110%〜約150%の)量のアミンとを含有する水性組成物は、加水分解に対してはるかに安定しているので、同様に高レベルのアミンを含有するポリアミド−アミド酸に基づく調合が好ましい。化学量論量を大きく超える(もっとも好ましくは化学量論量の150%から5倍までの)量の三級アミンを含有する水性のポリアミド−アミド酸組成物がより好ましい。さらに高レベルのアミンを使用することも好都合であって、ポリアミド−アミド酸樹脂のコーティング特性に悪影響を及ぼすことはない。大過剰のアミンを用いると、これらの組成物の溶液安定性の改善が見られるだけではなく、固体樹脂の溶解速度の改善も見られることがある。
【0032】
また、使用するポリアミド−アミド酸は、構造式Aによって表され得るアミド−アミド酸ユニットと、構造式Bによって表され得るアミド−イミドユニットとの混合物を含有するポリマー物質であると言ってもよい。
【0033】
【化4】

【0034】
ただし、示された芳香環に対する2つのアミド基の結合は、1,3および1,4ポリアミド−アミド酸配置を表すと理解すべきものである。
【0035】
【化5】

【0036】
ただし、上記構造中のRは、芳香族ジアミン成分に由来する部分である。また、Rは、
【0037】
【化6】

【0038】
からなる群より選択される置換型または非置換型の二価のアリーレン部分であると言ってもよく、Aは例えば−SO−、−CO−、−C(CH−、−O−、−S−、および、直接的な化学結合(direct chemical bond)からなる群より選択される二価のラジカルである。他の結合基を有する芳香族ジアミンも当該技術分野において公知であって、ポリアミド−イミド樹脂の生成においてモノマーとして使用され、本発明の実施に係る使用にもっとも適していると考えられる。
【0039】
一実施形態では、上記芳香族ジアミン成分は4,4’−メチレンジアニリン(MDA)であって、ユニットAおよびユニットBはさらに具体的には、構造式
【0040】
【化7】

【0041】
および、
【0042】
【化8】

【0043】
によって表される。
【0044】
使用するポリアミド−アミド酸における、A(アミド−アミド酸ユニット)のB(アミド−イミドユニット)に対する比は、通常高く、適切には約20:1〜約1.01:1、好ましくは約18:1〜約5:1、もっとも好ましくは約16:1〜約8:1である。したがって、ポリアミド−アミド酸のユニットAは、適切には上記ポリマー中のアミド−アミド酸ユニットおよびアミド−イミドユニット全体の50モル%を超える割合を占め、好ましくは75モル%を超える割合を占め、もっとも好ましくは90モル%を超える割合を占める。したがって、上記ポリアミド−アミド酸中のユニットの大部分はアミド酸の形態、つまり上記Aである。
【0045】
上記ポリアミド−アミド酸の酸価(1グラム中のKOHのmg数)は、適切には100を超え、好ましくは100以上の範囲であり、より好ましくは110以上の範囲であり、さらにより好ましくは120を超え、上限は最大で上記構造ユニットAだけを含有する樹脂の理論的な酸価であってもよい。完全に洗った樹脂の酸価は、ほぼ、樹脂中に存在するアミド酸成分(つまりユニットA)の量の関数であって、理論的には次式
理論的な酸価(KOHのmg数)=(ユニットAのモル画分)・56×100/ユニットAの分子量
のように近似可能である。
【0046】
水性のポリアミド−アミド酸組成物を溶液中で形成するために、上述のほぼ有機溶剤を含まない固体のポリアミド−アミド酸を、アミン(例えば三級アミン)の存在下で水と混合する。このアミンは、水に対して混和性を有し、揮発性を有するように選択され、好ましくは、熱処理中に容易に揮発して上記ポリアミド−アミド酸を環化および硬化させる、低沸点の三級アミンである。限られた水溶性しか有しないトリアルキルアミン(例えばトリ−n−ブチルアミン)も、特に上記アミンのための適切な水混和性を有する共溶媒(例えばイソプロパノール)とともに使用すれば、有用であろう。アンモニアも、水混和性を有する一級および二級アルキルアミンとともに、上記ポリアミド−アミド酸を溶解させる際に効果的であろう。ただし、これらのアミンは一般にアミド官能基と反応性を有することが知られており、上記ポリアミド−アミド酸のアミドの官能性を破壊し、その結果、鎖を切断してしまいかねない。したがって、これらの反応性アミンはあまり好ましくない。
【0047】
上記三級アミンはトリ−(C〜Cのアルキル)アミンであってもよく、例としては、トリメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、トリエチルアミンなどがあげられる。環状の三級アミンも、N,N’−ジメチルエタノールアミンを含めた水混和性を有する周知の三級アルカノールアミンのうちの任意の三級アルカノールアミンと同様に、有用であろう。例えばN,N’−ジメチルピペリジンなどの多官能性アミンも、N,N,N’N’−テトラアルキル−アルカリジアミンおよびポリ−N−アルキル化アルカレントリアミンとともに、効果的かもしれないが、上記多官能性アミンは連結性の架橋結合およびゲルを形成する傾向がある可能性があり、好ましくない。
【0048】
水とアミンとの混合物に溶解するポリアミド−アミド酸の量は、部分的には意図する利用法に依存する。大半の目的の場合であれば、上記溶液は、ポリアミド−アミド酸、水、および、三級アミンを合わせた重量を基準にすると、約0.25重量%〜約15重量%、好ましくは約0.5重量%〜約8重量%、より好ましくは最大で約5重量%までのポリアミド−アミド酸を含有する。
【0049】
本発明の別の一実施形態では、上記疎水性エアロゲルは、少なくとも1つの乳化重合された疎水性ポリマーに由来する。この疎水物を形成するために使用するモノマー系の例としては、非酸性官能性モノマー、特に、スチレンそのもの、α−メチルスチレン、o−、m−、および、p−メチルスチレン、o−、m−、および、p−エチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレンなどのスチレン;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、n−メタクリル酸ブチル、t−メタクリル酸ブチル、2−メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、および、対応するアクリル酸エステルなどの、アルカノール(通常炭素数は1〜12)およびシクロアルカノール(通常炭素数は5〜12)の直鎖状および分岐鎖状アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル;酢酸ビニルおよびアルカン酸ビニルなどのビニルエステル;塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;1,3−ブタジエンやイソプレンなどのジエンがあげられる。架橋結合能力を付与するための官能性モノマー(通常は酸性モノマーではない)が随意的に含有されてもよく、例としては、メタクリル酸ヒドロキシアルキル(通常炭素数は1〜12)(例えば2−メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、および、対応するアクリル酸エステル)などのヒドロキシおよびエポキシ官能(メタ)アクリル酸エステル;さらに、アクロレイン、メタクロレイン、メチルビニルケトンなどのケトおよびアルデヒド官能モノマー;アクリル酸またはメタクリル酸アセトアセトキシエチルなどのアクリル酸およびメタクリル酸ヒドロキシアルキル(通常炭素数は1〜12)のアセトアセトキシエステル;また、ジアセトンアクリルアミドなどのケトまたはアルデヒドを含有するアミドがあげられる。
【0050】
疎水性ポリマーの乳化重合に使用可能な乳化剤は、例えば陰イオン性および/または非イオン性の乳化剤である。陰イオン性乳化剤の例としては、アルキルエトキシレート硫酸およびスルフォン酸、アルキルフェノールエトキシレート硫酸およびスルフォン酸、硫酸およびスルフォン酸アルキル、アルキルエトキシレートリン酸、アルキルフェノールエトキシレートリン酸、リン酸アルキル、スルフォン酸アルキルアリール、スルホサクシネート、これらの混合物などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルエトキシレート、酸化エチレンブロックコポリマー、酸化プロピレンブロックコポリマー、酸化ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル、これらの混合物などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。一実施形態では、使用する乳化剤の量は、モノマーの総重量を基準にすると、0.3重量%〜2重量%である。別の一実施形態では、使用する乳化剤の量は0.3重量%〜1重量%である。
【0051】
上記ポリマーを水性分散媒と組み合わせて混合して、懸濁液、分散液、乳濁液、または、溶液を形成してもかまわない。ここで使用するように、分散媒は例えば、凍結させると結晶相を形成し、また、昇華可能である、任意の適した液体化合物または複数の化合物の混合物であればよい。分散媒の例としては、水、tert−ブタノールなどのアルコール、酢酸、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン、ベンゼン、o−、m−、または、p−キシレンなどの溶媒を含有する酸基、これらの組み合わせなどがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。分散媒は、ポリマー、コポリマー、モノマー、または、これらの組み合わせを溶解する溶媒であってもよい。例えば、非水溶性のポリマーを、該ポリマーに合った適切な溶媒に溶解させてもよく、例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール;ギ酸や酢酸などの溶媒を含有する酸基;ホルムアミド;アセトン;テトラヒドロフラン;メチルエチルケトン;酢酸エチル;アセトニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;ヘキサン;トルエン;ベンゼン;ジエチルエーテルなどのエーテル;、塩化メチレン;四塩化炭素などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。
【0052】
上記ポリマーを、ポリマー/分散媒混合物全体の約1重量%〜約40重量%の割合で、分散媒と組み合わせても、および/または、混合してもかまわない。一実施形態では、上記ポリマーを、約0.5重量%〜約30重量%の割合で分散媒と組み合わせる、および/または、混合する。別の一実施形態では、上記ポリマーを、約1重量%〜約10重量%の割合で、分散媒と組み合わせる、および/または、混合する。溶液中のポリマーの濃度が高ければ、一般的に堅牢な構造が生成されるが、空隙率を低下させて密度を増加させる。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記疎水性ポリマーエアロゲルは粘土を含有しない。その他の実施形態では、上記疎水性ポリマーエアロゲルは、凍結乾燥に先立ってポリマーおよび分散媒と混合された1種類以上の粘土を含んでもよい。粘土は一般に、例えばアルミニウム、鉄、マグネシウム、カリウム、水和アルミナ、酸化鉄などの元素のケイ酸塩水和物を含有する物質として規定される。このような粘土の各ケイ酸層はマイナスに帯電し、プラスに帯電したイオン(例えばナトリウムやカリウムなどの元素)の層によって離間している。本発明では特に必要とされるわけではないが、自然発生した粘土をイオン交換プロセスで転化することによって、例えばナトリウムイオンを四級アンモニウムイオンで置換して、本発明において使用してもかまわない。粘土は、粘土が得られた位置によって異なる、その他の自然発生した鉱物および元素を不純物として含有することが時折ある。本発明に関して注目している粘土を、採取したままでも使用しても、粘土製品製造業者にとって公知の方法で精製してもよい。
【0054】
一実施形態では、上記疎水性ポリマーエアロゲル中において使用してもかまわない粘土は、剥離または分裂させて個々の層に分けてもかまわない。別の一実施形態では、上記ポリマーエアロゲル中において使用してもかまわない粘土は、水などの溶媒中において、少なくとも1重量%〜5重量%までの割合で可溶性または分散可能性を有していてもよい。適切な粘土の例としては、アタパルジャイト、海泡石、アロフォン(allophone)などのイライト粘土;モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、サポーナイト、ソーコナイトなどのスメクタイト粘土;カオリナイト、ディッカイト、ネークライト、アナウキサイト、ハロイサイト−エンデライトなどのカオリン粘土;ラポナイトおよびフルオロヘクトライトなどの合成粘土などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。
【0055】
上記粘土は、含有されるのであれば、ポリマー/分散媒/粘土の混合物の全重量の約0.25重量%〜約10重量%の割合で存在すればよい。一実施形態では、上記粘土は、ポリマー/分散媒/粘土の混合物の全重量の約0.25重量%〜約5重量%の割合で存在すればよい。別の一実施形態では、上記粘土は、ポリマー/分散媒/粘土の混合物の全重量の約0.25重量%〜約2.5重量%の割合で存在すればよい。
【0056】
米国特許出願公開第2007/0208124号明細書および2008/0132632号明細書はここで全て参照によって引用されるものとし、一般に粘土エアロゲルポリマー複合材料を扱っている。該米国特許出願公開に開示されているように、エアロゲルが、形成されたエアロゲルが約1重量%〜約99重量%の粘土を含有するように、粘土および1種類以上のポリマーから形成される。分散媒中にポリマーおよび粘土だけを含有する一実施形態では、粘土に対するポリマーの重量比は1:99〜約99:1の範囲であればよい。
【0057】
上記ポリマーエアロゲルの特性を修正するために有用な添加物を、エアロゲルポリマー複合体が含有してもよい。例えば、着色剤(染料、色素)、帯電防止剤、化学カップリング剤、導電性の賦形剤(例えば、導電性炭素および金属薄片/粒子の形態の賦形剤など。ただしこれらの例に限定されるものではない)などの添加物や;光活性を有する種(例えば希土類イオン。ただしこれらの例に限定されるものではない)などが、それぞれエアロゲル複合体の構造に組み込まれてもかまわない。一実施形態では、上記添加物が、エアロゲルポリマー複合体の約1重量%未満の割合で含有されてもよい。別の一実施形態では、上記添加物が、約0.1重量%未満の割合で含有されてもよい。
【0058】
一実施形態では、浮揚性物質、好ましくは全体の密度が1.0g/cm未満の浮揚性物質が、エアロゲル物質を形成するために使用する分散液に添加される。浮揚性物質の例としては、中空のミクロンサイズの球体、中空のナノ球体、その他の中空構造体などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。中空の球体を組み込もうとすると、この粒子は浮力によって分散媒に浮くので問題が発生する。この浮力に対しては、エアロゲル物質の形成に先立って、エアロゲルを形成する分散液の粘性を増加させることによって、または、凍結速度を増加させて粒子が氷によって捕捉される前に大して移動できないようにすることによって、または、これらの組み合わせによって対抗できることがわかった。
【0059】
本願に係るエアロゲルは、エアロゲル形成混合物(例えば、ポリマー、分散媒、および、随意的に1種類以上の粘土、賦形剤、添加物などの混合物)を凍結乾燥過程に供することによって形成されてもよい。凍結乾燥過程によって、分散液の液体成分は除去される一方で、エアロゲルの固体構造物はそのまま残される。
【0060】
ポリマーエアロゲルを形成する場合、ポリマー、コポリマー、モノマー、または、これらの組み合わせを、十分な量の分散媒と組み合わせて、混合物を形成してもよい。1種類以上の添加物をポリマーエアロゲル中に含有させるのであれば、ポリマーを分散媒に付加するまでの任意の時点において、ポリマーを分散媒と組み合わせた後の時点において、または、これら両方の時点において、これらの添加物をポリマーと組み合わせても、および/または、混合してもよい。
【0061】
上記エアロゲル形成混合物は、一般に、ポリマーが分散媒中で懸濁または溶解するまで、ある長さの期間混合される。混合は、例えば混合や剪断などの任意の適した手段によって、所望の懸濁液が達成されるまで、任意の適した期間実施すればよい。例えば、混合プロセスの持続期間は約1分間〜約120分間の範囲であればよく、この混合プロセスによって均質なまたはほぼ均質な混合物が得られる。一実施形態では、上記分散媒を加熱して、ポリマーおよび/または添加物の溶解度を増加させてもよい。
【0062】
上記混合物は、モールドとして作用する任意の所望の構造物に注入しても、または、別の方法で転送してもよい。ただし、いくつかの実施形態では、上記エアロゲル形成混合物はモールド内において混合されてもよい。
【0063】
その後、上記エアロゲル形成混合物を、例えばドライアイスおよびエタノールバス中で凍結させる。別の一実施形態では、液体窒素を使って混合物を凍結させる(ただし液体窒素は混合物に接触しない)。一般に、分散媒は凍結すると結晶相を形成する。一般に、分散媒の結晶成長はエアロゲル構造の形成に寄与する。一実施形態では、エアロゲル前駆物質は約−1℃〜約−196℃の範囲の温度に置かれる。別の一実施形態では、エアロゲル前駆物質は約−40℃〜約−196℃の範囲の温度に置かれる。さらに別の一実施形態では、エアロゲル前駆物質は約−60℃〜約−100℃の範囲の温度に置かれる。一実施形態では、エアロゲル前駆物質は約−60℃の温度に置かれる。別の一実施形態では、エアロゲル前駆物質は約−10℃の温度に置かれる。
【0064】
分散媒中にポリマーだけを含有する実施形態では、ポリマーの結合力が形成された構造を維持する。続いて、凍結した混合物を減圧下で乾燥(つまり凍結乾燥)させて、分散媒を昇華させる。次に、形成されたエアロゲルをモールドから取り外す。
【0065】
上記エアロゲルは、エアロゲルをモールドから取り外す前に、または、これに続いて、随意的に減圧下でオーブン硬化させる。硬化プロセスでは、エアロゲルを、約150℃〜約1200℃の範囲の温度まで任意の適した期間加熱してもよい。硬化エアロゲル構造は密度が低く、機械的弾性を有し、取り扱いやすく、高温で使用しても安定している。
【0066】
一実施形態では、上記エアロゲルは、凍結させ、続いて凍結乾燥させて水を除去した、ポリアミド−アミド酸の水溶液から形成される。そして、エアロゲルは約150℃〜約250℃、好ましくは約200℃〜約220℃の温度まで、好ましくは減圧下で加熱される。凍結乾燥後の加熱ステップはイミド化反応を促進するために十分である。この結果として得られる高度に層状化した硬化構造物は疎水性である。
【0067】
本発明の重要な態様は、形成された疎水性エアロゲルが浮揚性を有し、例えば水などの水性混合物に浮くことである。エアロゲルの典型的な密度は約0.05g/cm〜約0.2g/cmである。この浮揚性エアロゲルは、例えば、水または他の水性混合物の表面の油を吸収することによって、油を水から除去するために使用される。上記疎水性エアロゲルの利用法としては、海上での油の漏出の他に、例えば、水性冷却剤が潤滑油および機械油によって汚染される冷却設備からの油などの漏出物の吸収などがある。この油は冷却剤によって洗い落とされて、最終的に保持タンクの表面に集まって、そこで蓄積される。本発明のエアロゲルを用いて油を吸収することによって、冷却剤の交換から交換までの間の期間を延長する方法が提供できる。
【0068】
本発明のエアロゲルのもう1つの利用法は、大量の藻類が生成するバイオディーゼル燃料などのバイオ燃料の回収である。上記疎水性エアロゲルの弾力性によって、油などの疎水性液体を該エアロゲルから搾出することが可能になり、その結果、エアロゲルを後に再利用することができる。別の処理方法によれば、油をエアロゲルから蒸発させることが可能になり、その結果、特に上記エアロゲルポリマーが比較的高温ポリマーである場合に、エアロゲルを再度使用することができる。
【0069】
さらに、上記エアロゲル物質は、濾過に応用する膜として形成されてもよく、この場合、支持材と接触、または、動作可能に接触する。
【0070】
本発明の好適な実施形態では、上記疎水性エアロゲルは、疎水性液体中では、自身の体積の少なくとも50%を吸収し、好ましくは自身の体積の少なくとも80%を吸収する。
【0071】
独創的な組成物および方法の実施形態について、以下の例において説明する。これらの例は、例示を目的として提供するのであって、独創的な組成物および方法の範囲に対して限定を加えると理解するべきものではない。
【0072】
〔実施例〕
〔実施例1〕
5重量部のTorlon(登録商標)AI−30(注釈)(Solvay Advanced Polymers社から入手可能なポリアミド−アミド酸の水溶液)を100重量部の水中で混合することによって、低密度であって浮揚性を有する疎水性エアロゲルを形成する。このポリアミド−アミド酸溶液中には、三級アミン(ジエチルアミノエタノール)が存在する。ポリアミド−アミド酸溶液と水とを混合し、次に、混合物をドライアイスおよびエタノールバスの中で凍結させる。凍結した組成物を凍結乾燥によって減圧下で乾燥させて、水を昇華させる。乾燥後に、試料を200℃まで減圧下で2時間〜24時間、好ましくは2時間〜8時間加熱して、イミド化反応を促進する。以上の手順によって、高度に層状化した疎水性構造物が得られる(注釈 Torlon(登録商標)AI−30は、Torlon(登録商標)AI−10の水溶性類似体であって、35%の固体成分、63%の水、および、2%のNMPからなり、ポリアミド−アミド酸のポリマー主鎖のアミド酸基とアンモニウム塩を形成することによって水溶性を有する)。
【0073】
〔比較例A〕
実施例1に記載した手順にしたがって、10重量%のエポキシおよび2.5重量%の粘土を用いて、エアロゲルを生成する。
【0074】
実施例1および比較例Aのエアロゲルを、Fisher(商標)の機械ポンプ用流体と水道水との混合物の表面に載置し、完全に飽和するまで放置した。飽和に達したことは、色がわずかに暗くなることによって判断した。次に、飽和したエアロゲルを取り除いて評価した。比較例Aのエアロゲルは水も油もともに吸収したが、水を油よりはるかに速く吸収した。実施例1の油で飽和したエアロゲルは、上記油と水との混合物の表面から取り除いても吸収した油を保持することができ、さらに、油を漏出させずに運ぶことができた。実施例1の飽和したエアロゲルは、圧縮すると構造から油を放出し、吸収した油の一部を回収することができた。上記油と水との混合物の表面に、実施例1のエアロゲルを再度載置すると、油をさらに吸収した。
【0075】
実施形態に関して本発明について示し記載したが、本明細書および添付の図面を読んで理解すれば、当業者が等価な変更および修正に想到することは自明である。特に、上述の部材(成分、アッセンブリー、デバイス、組成物など)によって実施される各種機能に関連して、これらの部材の記載に使用する用語(”手段”への言及を含む)は、特に明記しないかぎり、たとえ本発明のここで説明した一例としての実施形態において記載の部材の特定の機能を果たす開示した構造と構造的には等価ではなくても、該機能を果たす任意の部材に対応させる(つまり、機能的に等価である)ことを意図して用いている。さらに、本発明の特定の特徴が複数の示された実施形態のうちの1つ以上の実施形態のみとの関連において上記において記載されているかもしれないが、このような特徴は、任意のまたは特定の応用事例にとって望ましく好適となるように、残りの実施形態の1つ以上のその他の特徴と組み合わせもかまわない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性ポリマーエアロゲルを含有する、油を吸収する浮揚性物質。
【請求項2】
上記疎水性ポリマーがポリアミド−イミドを含有する、請求項1に記載の油を吸収する浮揚性物質。
【請求項3】
上記疎水性ポリマーが、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、および、ジエンから選択される少なくとも1つのモノマーを含有するモノマー系に由来する、乳化重合された疎水性ポリマーである、請求項1に記載の油を吸収する浮揚性物質。
【請求項4】
上記エアロゲルが中空の微小球体をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の油を吸収する浮揚性物質。
【請求項5】
上記エアロゲルが粘土をさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の油を吸収する浮揚性物質。
【請求項6】
疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマーの前駆物質と分散媒とを含有する分散液を準備し、
該分散液を凍結させて分散媒を凝固させ、
該分散液を凍結乾燥させて分散媒を除去し、エアロゲルを形成することを含む、疎水性エアロゲルを形成する方法。
【請求項7】
上記疎水性ポリマーの前駆物質が、構造式Aによって表されるアミド−アミド酸ユニットと、構造式Bによって表されるアミド−イミドユニットとの混合物を含有するポリマー物質を含有する、請求項6に記載の方法。
【化1】

ただし、芳香環に対する2つのアミド基の結合は、1,3および1,4ポリアミド−アミド酸配置を表す。
【化2】

ただし、Rは、
【化3】

からなる群より選択される置換型または非置換型の二価のアリーレン部分であって、Aは−SO−、−CO−、−C(CH−、−O−、−S−、および、直接的な化学結合からなる群より選択される二価のラジカルである。
【請求項8】
上記疎水性ポリマーの前駆物質が三級アミンをさらに含有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
上記エアロゲルを加熱してポリアミド−イミドのエアロゲルを形成するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
上記疎水性ポリマーが、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、および、ジエンから選択される少なくとも1つのモノマーを含有するモノマー系に由来する、乳化重合された疎水性ポリマーを含有する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
上記分散媒が水を含有する、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
上記分散液に、凍結に先立って複数の中空の微小球体を添加することをさらに含む、請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
上記分散液に、凍結に先立って粘土を添加することをさらに含む、請求項6〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
疎水性ポリマーまたは疎水性ポリマーの前駆物質と分散媒とを含有する分散液を準備し、
該分散液を凍結させて分散媒を凝固させ、
該分散液を凍結乾燥させて分散媒を除去し、エアロゲルを形成することを含む、油を吸収する疎水性エアロゲルを形成する方法。
【請求項15】
上記疎水性ポリマーの前駆物質が、構造式Aによって表されるアミド−アミド酸ユニットと、構造式Bによって表されるアミド−イミドユニットとの混合物を含有するポリマー物質を含有する、請求項14に記載の方法。
【化4】

ただし、芳香環に対する2つのアミド基の結合は、1,3および1,4ポリアミド−アミド酸配置を表す。
【化5】

ただし、Rは、
【化6】

からなる群より選択される置換型または非置換型の二価のアリーレン部分であって、Aは−SO−、−CO−、−C(CH−、−O−、−S−、および、直接的な化学結合からなる群より選択される二価のラジカルである。

【公表番号】特表2012−530154(P2012−530154A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515182(P2012−515182)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/038316
【国際公開番号】WO2010/144802
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(597138069)ケース ウエスタン リザーブ ユニバーシティ (16)
【Fターム(参考)】