低損失蓄電池
【課題】 公知の蓄電池の有するセキュリティレベルを害することなく、公知の蓄電池が有する欠点を解消する
【解決手段】 直列接続された第1(E1,1,E1,2)及び第2(E2,1,E2,2)のセルを有する第1及び第2のブランチ(Br1,Br2)と、それにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されるスイッチ(D2,1)を備え、該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように設計されている。
【解決手段】 直列接続された第1(E1,1,E1,2)及び第2(E2,1,E2,2)のセルを有する第1及び第2のブランチ(Br1,Br2)と、それにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されるスイッチ(D2,1)を備え、該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように設計されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的蓄電池に関する。この蓄電池は、例えば電気車両及びハイブリッド輸送車両又は車上システムの分野で使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
電気化学的電池は、通常、次のオーダーの公称電圧を有する。
−NiMHタイプの電池について1.2V。
−リチウムイオン−リン酸鉄(LiFePO4)技術について3.3V。
−酸化コバルト系のリチウムイオンタイプの技術について4.2V。
【0003】
これらの公称電圧は、電力供給する多くのシステムにおける要求に対して低すぎる。適切な電圧レベルを得るためには、複数のセルを直列に配置する。高電力と高容量レベルを得るためには、複数のセルを並列に配置する。段数(直列接続されたセルの数)及び各段の並列接続されるセルの数は、所望の電圧、所望の電流、及び所望の蓄電池の容量に応じて変化する。複数のセルの組み合わせを蓄電池と呼ぶ。
【0004】
蓄電池を設計する際に、設定した作動電圧下で、特定の電力レベルを供給することが目的とされる。電力を最大にするには、蓄電池の寄生内部抵抗を可能な限り減少させて、供給電流を最大にすることが必要である。
【0005】
リチウムイオン蓄電池は、小さい質量中に、大量のエネルギを貯蔵できる能力を有するため、輸送用として非常に適している。リチウムイオン蓄電池の技術の中で、リン酸鉄系蓄電池は、単位質量あたりのエネルギがやや小さいという欠点のある、酸化コバルト系リチウムイオン蓄電池と比較して、高レベルの固有安全性を有している。更にリチウムイオン蓄電池の最低電圧は、電池を劣化させてしまうほど低い。
【0006】
図1は、公知のリチウムイオン蓄電池を示している。この蓄電池は、直列接続された4段Et1、Et2、Et3及びEt4から成っている。各段は、並列接続された4個の同様のセルから成っている。所定の段のセルの端子は、大面積の電気的接続により互いに接続されている。各段も、大表面積の電気的接続により隣接する段に接続され、段のセルの電流の合計に対応する大電流を流す。1又は2以上の負荷が、蓄電池1のN及びP端子間に接続されている。
【0007】
前記4段の端子の電圧は、それぞれU1、U2、U3及びU4で示してある。図では、蓄電池1の端子N及びP間の全電圧Uは、電圧U1、U2、U3及びU4の合計である。第4段Et4の各セルを流れる電流は、それぞれI1、I2、I3及びI4示してある。蓄電池1の端子Pにおける電流Iは、電流I1、I2、I3及びI4の合計である。
【0008】
ショートしたセルから、前記蓄電池1を保護するために、セルには、ヒューズが直列接続されている。セルがショートすると、それを流れる電流が実質的に増加して、直列接続された前記ヒューズを溶融させ、これにより、前記蓄電池1の残りの部分は保護される。もしヒューズがないと、ショートとした時に、セル内でエネルギが放散して、このセル及び他のセルは過熱し、放電する。このような放散は、発火の原因になることがある。酸化コバルト系やリン酸鉄系のリチウムイオン技術は、蓄電池の段が、大量のエネルギを貯蔵するために並列接続された多数のセルを有する場合に、特にそのリスクが大きい。従って、ヒューズを使用することは、この分野の技術において、特に適切であることが分かっている。
【0009】
リチウムイオン蓄電池におけるセルの端子の電圧が低下することは、避けることができない。従って、各段毎に、各段Et1からEt4を正確に充電するための、補助充電制御/平衡回路2を追加することが必要になる。直列接続された4個のセルを4段に配置するには、各段に、充電制御/平衡機能を付与することが必要である。従って、前記回路2は、蓄電池1の各段の充電及び平衡を制御する。
【0010】
セルの充電は、その端子の電圧を増加させることにより行われる。セルは、その電気化学的プロセスにより、公称電圧に達したときに、充電されたことになる。この電圧に到達する前に充電が停止されると、セルは完全には充電されない。
【0011】
蓄電池の全寿命の中で、蓄電池を構成するセルに欠陥が顕れることがある。セルの欠陥は、一般に、セル内の短絡、開回路又は高漏洩電流のいずれかとして顕れる。蓄電池のセルの故障の影響を知ることは重要である。開回路又は短絡は、蓄電池全体に、損傷を与えることがある。
【0012】
各段のセルに大漏洩電流が顕れると、蓄電池は抵抗としての挙動を示し、対象となる各段のセルを、ゼロまで放電させる。エネルギの放散は比較的ゆっくり起こるため、発火の危険は小さい。リチウムイオン技術の場合、各段のセルを電圧ゼロにまで放電させると、セルは故障し、これは該当する欠陥セルだけではなく、他のセルも交換する必要があることを意味する。それらの間の電気的接続が大きい断面積を有するため、1個のセルが短絡すると、同じ段の他の3個のセルも放電する。短絡したセルに直列接続されたヒューズは、他の3個のセルが望ましくない放電をするのを止める。
【0013】
このような蓄電池は、多くの欠点を有する。前記ヒューズは、大電流を通すようになっているため、コスト高になる。更に、前記ヒューズの内部抵抗は、蓄電池内部のジュール損失を増大させ、その電力性能を大きく低下させる。
【0014】
特許文献1は、並列接続された2本のブランチを備える蓄電池を開示している。各ブランチは、直列接続された3個のセルを備えている。各セルは、2個の出力端子を経て、充電及び放電が行われる。保護トランジスタが、前記出力端子の一方と、前記セルのブランチ間に位置している。追跡回路は、各部の過度の充電及び放電を検出する。このような事態が起こると、前記追跡回路は、セルの出力端子とブランチとの間の保護トランジスタを開く。
【0015】
各ブランチのセルは、他のブランチのセルに並列接続されている。直列接続された2個のヒューズは、2個のセルを接続する。前記追跡回路は、直列接続された2個のヒューズ間の各ノードに接続されている。
【0016】
この蓄電池は、ブランチと保護トランジスタの間に直列接続されたヒューズを備えている。
【0017】
このような蓄電池には、多くの欠点がある。
−蓄電池の稼動時に、直列接続されたヒューズ及び保護トランジスタに起因して、大きなジュール損失が生じる。
−セルが故障すると、追跡回路により、直ちに蓄電池の稼動は停止させられる。
−蓄電池の容量は、最適ではない。充電の間、他のセルが最適充電量に達していないと、最も充電されたセルは、他のセルの充電を止めさせる。放電の間、他のセルが放電閾値に達していないと、最も放電されたセルの放電は遮断される。
【0018】
特許文献2は、並列接続された2本のブランチを備える蓄電池を開示している。その一態様では、各ブランチには、直列接続した4個のセルが設けられている。前記2本のブランチは、異なったタイプで、第1のブランチは、高出力セルを備え、他のブランチは、高容量セルを備えている。各高容量セルは、抵抗を介して、高出力セルに並列接続されている。このような蓄電池は、同時に所要のピーク電流に対応し、かつ高容量を有する。
【0019】
実際には、このような蓄電池も欠点を有する。高出力セルは、蓄電池の容量を顕著に改良するものではない。更に、前記蓄電池は、誤作動することがないようになっていない。従って、1個のセルが短絡すると、抵抗を介してそれに並列接続されているセルに過電流を生じさせることがある。2本のブランチのセルも異なるタイプであり、セルが故障した際の補償は考えられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許明細書第6051955号
【特許文献2】国際公開公報第2009/021762号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、蓄電池の有するセキュリティレベルを低下させることなく、前記欠点の1つ又は2つ以上を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、各々が、直列接続された少なくとも第1及び第2のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ、並びに、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチを備える蓄電池に関する。前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように定められている。
【0023】
一態様では、この蓄電池は、直列接続された第1及び第2のセルを有する第3のブランチを備え、更に、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されている他のスイッチを備えている。
【0024】
他の態様では、前記第1のセルは、前記蓄電池の第1段を形成し、前記第2のセルは、前記蓄電池の第2段を形成し、かつ前記蓄電池は、更に、前記セルの充電をバランスさせるための、各段の端子に接続されたバランス回路を備えている。
【0025】
更に他の態様では、並列接続されたセル間の各接合は、前記バランス回路にリンクされている。
【0026】
更に他の態様では、第1及び第3のブランチのセルは隣接しておらず、前記バランス回路は、第1及び第3のブランチのセルの端子に接続されている。
【0027】
他の態様では、並列接続されたセル間の接合の断面積は、直列接続されたセル間の接合の断面積よりも小さい。
【0028】
更に他の態様では、前記スイッチは、可溶融性の電気接点である。
【0029】
更に他の態様では、前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルのいずれかが短絡したときに、前記スイッチが開くようになっている。
【0030】
他の態様では、前記セルの端子に、その公称電圧より15%高い電圧が印加されても、それらが故障しないタイプとなっている。
【0031】
更に他の態様では、前記セルは、リチウムイオン系である。
【0032】
他の態様では、前記ブランチには、前記セルと直列接続された保護スイッチが設けられていない。
【0033】
他の態様では、前記セルの内部抵抗は、前記スイッチの内部抵抗以下である。
【0034】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して行う以下の非限定的な実施例の説明により、更に明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】公知の蓄電池の概略図である。
【図2】本発明の蓄電池の一態様の概略図である。
【図3】通常の運転で、蓄電池のセルを流れる電流を概略的に示す図である。
【図4】スイッチが切られたときに、短絡が存在する蓄電池の電流を概略的に示す図である。
【図5】短絡後の、蓄電池のセルを通って流れる電流を概略的に示す図である。
【図6】蓄電池の放電プロフィールを示すグラフである。
【図7】セルが開回路となったときの電流を概略的に示す図である。
【図8】本発明の蓄電池の他の態様を概略的に示す図である。
【図9】本発明の蓄電池の更に他の態様を概略的に示す図である。
【図10】本発明の蓄電池の他の態様における、セルの配列を例示する分解斜視図である。
【図11】本発明の蓄電池の他の態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、直列接続された少なくとも第1及び第2のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ、更にそれにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチを備える蓄電池を提案するものである。該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように設計する。
【0037】
前記スイッチは、低コストで及び通常時のジュール散逸が少なくなるように、異常時の過電流から、蓄電池のセルを、効果的に保護する。更に前記スイッチは、全ての機能性セルが、短絡電池の故障を補償することにより、蓄電池を続けて使用することを可能にする。
【0038】
図2は、本発明の第1態様の蓄電池4を示す。蓄電池4は、正の端子Pと負の端子Nを有する。両端子P及びN間には、1又は2以上の負荷が接続されている。前記蓄電池4は、数個のブランチBr1からBr5を備えている。図示の例では、前記蓄電池4は、5本のブランチを有している。以後、添字「j」は、ブランチBrjに対応する。各ブランチBrjは、リン酸鉄系のリチウムイオンタイプの、直列接続された複数のセルEijを備えている。ブランチBr1は、セルE1,1、E2,1、E3,1、E4,1、及びE5,1を備えている。図示の例では、各ブランチBrjは、5個のセルEijを備えている。以後、添字「i」は、それぞれブランチの各々に属する5個のセルを含む段Etjに対応している。
【0039】
所定段のセルは、スイッチにより、並列接続されている。用語「スイッチ」は、電流が流れることを防止し、過負荷の際に、スイッチを切り替えて、それが接続されている素子を保護するスイッチを意味する。
【0040】
第1段Et1のセルE1,jは、並列接続されている。このセルE1,jは、その正の端子を介して、蓄電池の端子Pに接続されている。この正の端子は、大断面積のコネクタを介して、端子Pに接続されていることが好ましい。その理由は、この接続が、種々のブランチの並列電流を集める機能を有するからである。第1段Et1のセルE1,jの負の端子は、スイッチを介して、互いに接続されている。これにより、前記スイッチD2,1は、前記セルE1,1の負の端子を、セルE1,2の負の端子に接続する。
【0041】
第2段Et2のセルE2,jも並列接続されている。第3段Et3のセルE3,j及び第4段Et4のセルE4,jも、並列接続されている。これら中間段では、特定の段のセルの正の端子は、スイッチを介して互いに接続され、負の端子は、スイッチを介して互いに接続されている。
【0042】
図示の通り、各スイッチは、隣接する2段の並列接続に使用される(2段共有接続ノード)。スイッチD2,1は、セルE1,1とE1,2を並列接続するために使用されるが、セルE2,1とE2,2も並列接続されている。
【0043】
第5段Et5のセルE5,jは並列接続されている。第5段Et5のセルE5,jの正の端子は、スイッチによって接続されている。スイッチD5,1は、セルE5,1の正の端子を、セルE5,2の正の端子に接続している。セルE5,jは、その負の端子を通して、蓄電池4の端子Nに接続されている。これらの負の端子は、大断面積のコネクタを介して、端子Nに接続されていることが好ましい。これは、この接続が、種々のブランチの並列電流を注入する機能を有するからである。
【0044】
充電/放電回路5は、各段の端子に接続されている。当業者であれば、各段のセルの電圧をバランスさせるため、及びそれぞれのセルの充電を制御するための好適な回路5を決定することができる。
【0045】
セルEi,jを流れる電流は、Ii,jで示している。スイッチDi,jを流れる電流は、Iti,jで示している。段iの端子電圧は、Uiで示している。段iの正の端子を通して、充電/バランス回路5と交換される電流は、Ieq(i)で示している。
【0046】
スイッチは、電気回路に過負荷が掛かった際に、それを通って流れる電流を遮断するか、あるいは実質的に制限する(例えば100倍)機能を有する電気的保護デバイスである。図示のスイッチについては、後述する。
【0047】
図3は、その端子P及びN間に接続された負荷3が存在する、通常運転における蓄電池4の理論的な例を示す。前記負荷3は、0.2オームの抵抗にリンクしている。各セルは、0.01オームの抵抗(代表的には、その内部抵抗)に直列接続されている3.3V電圧源にリンクしている。スイッチは、0.015オームの抵抗にリンクし、そのカットオフ閾値は、6Aである。所定のブランチの直列接続されたセル間の接続は、前記ブランチの公称電流に耐えるように、適切に設計されている。
【0048】
本例では、各セルは最大充電状態にあり、全てが同じ充電量を有する。従って、スイッチには電流は流れない。通常の運転では、スイッチを流れる電流はゼロであるため、スイッチは、ジュール損失を生じさせないように見える。ここでは、蓄電池4内のジュール損失は、セルの内部抵抗のみによって生じる。従って、蓄電池の電力効率は最適化される。各ブランチには、15.7Aの電流が流れ、78.5A(四捨五入値)の電流が負荷3を通って流れる。
【0049】
スイッチが、セル間に並列接続されている。通常運転では、小電流のみが、これらの接続部を流れ、種々のセルが充電されるか、あるいはバランスする(特に蓄電池4の充電の終期)。通常運転では、スイッチを通って流れる電流は、常にカットオフ閾値未満である。そのため、使用するスイッチは、直列に配置されたスイッチに必要な量より十分小さくなるように設計される。使用するスイッチの数は、直列接続されるスイッチに必要な数よりも少ないことにも注目すべきである。従って、蓄電池4のコストも大きく減少する。
【0050】
セルを好適に保護するためには、スイッチは、セルが耐えられる最大充電又は放電電流未満のカットオフ閾値を有するようにする。本例では、カットオフ閾値は6Aであり、図3のセルを通る電流15.7Aよりかなり小さい。
【0051】
図4は、セルE3,3が短絡し、スイッチのカットオフがない状態での、理論的な電流値を示す。電池の最大充電又は放電電流が30Aであると仮定すると、第3段の全てのセルは故障しやすくなると考えられる。比較的大電流がセル間の並列接続部を通って流れると考えられる。スイッチD2,2、D2,3、D3,2、D3,3、D4,2、D4,3、D5,2及びD5,3を通って流れる電流は、それらのカットオフ閾値よりも大きい。
【0052】
従って、図5に示すように、セルE3,3により生じる過電流のため、スイッチD2,2、D2,3、D3,2、D3,3、D4,2、D4,3、D5,2及びD5,3は開く。前記過電流は、時間が経つにつれて減少し、セルの過熱による発火の危険を回避できる。
【0053】
遷移状態では、ブランチ3の低抵抗のため、該ブランチは、他のブランチにより再充電され、全てのブランチの電圧レベルがバランスする。この負電流は、セルE1,3、E2,3、E4,3、E5,3が電圧3.88Vまで充電されることを可能にし、短絡したセルE3,3の故障を補償する。この過電圧は、その電解液の品質低下が4.5V以上で生じる、リン酸鉄系のセルに劣化を生じさせない。公称電圧以上である、それらの端子間の電圧に耐えられる他のタイプのセルも使用できる。特に、公称電圧より15%高い電圧を、それらの端子に印加されても故障しないタイプのセルの使用が可能である。蓄電池の段数が増えるほど、短絡後のその公称電圧に対して、セルに印加される過電圧がより制限される。ブランチBr3のセルが、他のブランチのセルで充電された後のこのブランチを流れる電流はゼロである。この時点で、セルの公称電流である30A未満の19.4Aの電流が、ブランチBr1、Br2、Br3、及びBr4を流れる。従って、種々のブランチのセルは、1個のセルの短絡で生じる過電流から良好に保護される。横方向電流Iti,jはゼロである。負荷3を流れる電流は77.6Aであり、蓄電池4の通常運転時の電流に近い値である。一旦、ブランチBr3のセルが再充電されると、このブランチは、より小さい電流を負荷3に供給する。
【0054】
図6は、蓄電池4の放電の際の放電プロフィールで、実線は通常運転、点線は短絡セルが存在する場合を示す。完全に充電された蓄電池4の端子N及びP間の電圧は、同じレベルに維持されることが判る。1個セルが故障した場合、蓄電池4の放電限界閾値Sには、より早い時間であるT2で到達する。通常運転では、この放電限界閾値には、時間T1で到達する。従って、故障が存在すると、蓄電池4の性能は低下する。前記回路3は、放電時間が予備設定された閾値未満になることを検知して、セルの故障を検出する。この故障を、信号で、蓄電池4の使用者に通知し、蓄電池を修理する必要がある旨の示唆を与えることができる。しかし、蓄電池4は、修理前の数回の充電/放電サイクルに亘って、その機能を保持できる。前記スイッチは、他のセルの劣化を防止しているので、修理は、故障したセルの充電のみである。
【0055】
図7は、開回路又は短絡したセル、この場合セルE3,3が故障した蓄電池4を示す。並列接続を形成するスイッチは、他のセルが、セルE3,3の故障を補償することを可能にする。0.5Aの電流が、スイッチD2,1、D2,4、D5,1、及びD5,4を流れる。0.9Aの電流が、スイッチD3,1、D3,4、D4,1、及びD4,4を流れる。1.4Aの電流が、スイッチD2,2、D2,3、D5,2、及びD5,3を流れる。5.3Aの電流が、スイッチD3,2、D3,3、D4,2、及びD4,3を流れる。このように、各スイッチを流れるそれぞれの電流は、これらのスイッチのカットオフ閾値を超えない。従って、全ての機能性セルは放電し、蓄電池4の容量は僅かに減少する。蓄電池4は、一定数の充電/放電サイクルについて、その機能を維持する。16.6A、15.7A、13.6A、15.7A及び16.6Aの電流が、第1段Et1のそれぞれのセルEi,jを流れ、これらの電流は、これら各セルの公称限界未満である。
【0056】
前記回路5は、特に第3段Et3の放電がより速いため、セル3,3の故障を特定できる。この故障は、蓄電池4の使用者に、信号で伝えられ、修理の必要性を知らせる。
【0057】
前記スイッチは、短絡したセルが、少なくとも1個のスイッチにより、カットオフを生じさせること、及び開回路電池が、カットオフを生じさせないように種々のスイッチに電流を流すように、設計されていることが望ましい。
【0058】
図3から図7の例では、前記回路5は、ブランチBr5のノードを介して、ブランチBr1からBr4に接続されている。スイッチがカットオフして、故障したセルを含むブランチを分離した後は、その先にあるブランチは、最早前記回路5に接続されず、バランスされない。図4から図7の故障を示す例では、ブランチBr1及びBr2は、回路5によりバランスされない。
【0059】
図8は、この欠点を解消した蓄電池4の一態様を示す。この態様の原理は、1つの同じ段の対向するブランチのノードを相互接続することである。つまり、ブランチBr1及びBr5のノードを、それぞれスイッチD2からD5で相互接続する。これにより、前記回路5は、故障したブランチがある場合でも、故障していない全てのブランチを充電しバランスさせることを進行させる。更に、所定段の隣接していない2個のセルを、バランス回路5に接続することも考えられる。
【0060】
図9は、所定段のセルの端子が、全て、前記回路5の1つの同じ端子の接続されている他の態様を示す。このような接続は、前記回路5により行われる充電バランスを容易にすることを可能にする。更に、このような接続は、各段が放射方向に配置された数個のセルで形成され、図10に示すような実質的に円筒形の蓄電池を形成する場合に、特に有利である。表示した点線は、蓄電池4の種々の段間の直列接続に相当する。
【0061】
図11は、本発明の蓄電池4の他の態様の概略図である。図8の例の場合のように、ブランチBr1及びBr5のノードを、それぞれスイッチD2からD5で相互接続し、これにより、故障したブランチがある場合でも、故障していない全てのブランチを充電しバランスさせる。前記回路5は、前記L1からL6を介して、セルの各段の端子に接続されている。更に、前記回路5は、この場合には、ノードN2からN5であるブランチBr1からBr5のそれぞれへの直接接続(2個のセル間の接続ノードを通らない接続)を有する。前記回路5に直接接続されたノードN2からN5は、所定段の2個のセルを直列接続する。従って、任意のブランチに関し、このようなノードと端子P間の電圧、及びこのようなノードと端子N間の電圧を決定することが可能になる。このように、どの段で、セルが短絡し、あるいは開回路となっているかを特定することが可能になる。短絡したセルは、前記ノードと端子P間の電圧だけでなく、前記ノードと端子N間の電圧も修正する。図示の例では、回路5からノードN2からN5までの接続は、故障したブランチと、蓄電池の段の充電の進行の両方を決定することが可能になる。
【0062】
これらのセルの並列接続の抵抗(例えば、スイッチの内部抵抗)は、セルの内部抵抗より高いと有利である。セル内の電流は、スイッチがカットオフを生じさせる前に、制限される。遠いブランチのセルの故障の効果も軽減される。前記回路5が単一ブランチのノードを介して接続されていると、スイッチの抵抗は減少して、前記回路5から離れたブランチを充電する時間が過度に増加することが防止される。
【0063】
この場合、スイッチの例は、ヒューズである。ヒューズを流れる電流が公称閾値電流を超えると、前記ヒューズの導電部は、溶融する。他のタイプのスイッチも、勿論使用できる。特に、リセットできるスイッチを使用できる。温度とともに、抵抗が突然かつ大きく増加するPTC(正の温度係数)タイプのスイッチも使用できる。このようなスイッチの抵抗増加は、それを流れる電流を小さい値に限定して、溶融を行うことなく、ジュール効果により生じるエネルギを散逸させる。スイッチの電流に関する欠陥がなくなると、スイッチは、当初の通電レベルに徐々に復帰する。PTCタイプのスイッチは市販されている。
【符号の説明】
【0064】
P、N 端子
Brj ブランチ
Eij セル
Etj 段
Dij スイッチ
I1〜I4 電流
Ui 端子電圧
T1、T2 時間
N2〜N5 ノード
3 負荷
4 蓄電池
5 回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的蓄電池に関する。この蓄電池は、例えば電気車両及びハイブリッド輸送車両又は車上システムの分野で使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
電気化学的電池は、通常、次のオーダーの公称電圧を有する。
−NiMHタイプの電池について1.2V。
−リチウムイオン−リン酸鉄(LiFePO4)技術について3.3V。
−酸化コバルト系のリチウムイオンタイプの技術について4.2V。
【0003】
これらの公称電圧は、電力供給する多くのシステムにおける要求に対して低すぎる。適切な電圧レベルを得るためには、複数のセルを直列に配置する。高電力と高容量レベルを得るためには、複数のセルを並列に配置する。段数(直列接続されたセルの数)及び各段の並列接続されるセルの数は、所望の電圧、所望の電流、及び所望の蓄電池の容量に応じて変化する。複数のセルの組み合わせを蓄電池と呼ぶ。
【0004】
蓄電池を設計する際に、設定した作動電圧下で、特定の電力レベルを供給することが目的とされる。電力を最大にするには、蓄電池の寄生内部抵抗を可能な限り減少させて、供給電流を最大にすることが必要である。
【0005】
リチウムイオン蓄電池は、小さい質量中に、大量のエネルギを貯蔵できる能力を有するため、輸送用として非常に適している。リチウムイオン蓄電池の技術の中で、リン酸鉄系蓄電池は、単位質量あたりのエネルギがやや小さいという欠点のある、酸化コバルト系リチウムイオン蓄電池と比較して、高レベルの固有安全性を有している。更にリチウムイオン蓄電池の最低電圧は、電池を劣化させてしまうほど低い。
【0006】
図1は、公知のリチウムイオン蓄電池を示している。この蓄電池は、直列接続された4段Et1、Et2、Et3及びEt4から成っている。各段は、並列接続された4個の同様のセルから成っている。所定の段のセルの端子は、大面積の電気的接続により互いに接続されている。各段も、大表面積の電気的接続により隣接する段に接続され、段のセルの電流の合計に対応する大電流を流す。1又は2以上の負荷が、蓄電池1のN及びP端子間に接続されている。
【0007】
前記4段の端子の電圧は、それぞれU1、U2、U3及びU4で示してある。図では、蓄電池1の端子N及びP間の全電圧Uは、電圧U1、U2、U3及びU4の合計である。第4段Et4の各セルを流れる電流は、それぞれI1、I2、I3及びI4示してある。蓄電池1の端子Pにおける電流Iは、電流I1、I2、I3及びI4の合計である。
【0008】
ショートしたセルから、前記蓄電池1を保護するために、セルには、ヒューズが直列接続されている。セルがショートすると、それを流れる電流が実質的に増加して、直列接続された前記ヒューズを溶融させ、これにより、前記蓄電池1の残りの部分は保護される。もしヒューズがないと、ショートとした時に、セル内でエネルギが放散して、このセル及び他のセルは過熱し、放電する。このような放散は、発火の原因になることがある。酸化コバルト系やリン酸鉄系のリチウムイオン技術は、蓄電池の段が、大量のエネルギを貯蔵するために並列接続された多数のセルを有する場合に、特にそのリスクが大きい。従って、ヒューズを使用することは、この分野の技術において、特に適切であることが分かっている。
【0009】
リチウムイオン蓄電池におけるセルの端子の電圧が低下することは、避けることができない。従って、各段毎に、各段Et1からEt4を正確に充電するための、補助充電制御/平衡回路2を追加することが必要になる。直列接続された4個のセルを4段に配置するには、各段に、充電制御/平衡機能を付与することが必要である。従って、前記回路2は、蓄電池1の各段の充電及び平衡を制御する。
【0010】
セルの充電は、その端子の電圧を増加させることにより行われる。セルは、その電気化学的プロセスにより、公称電圧に達したときに、充電されたことになる。この電圧に到達する前に充電が停止されると、セルは完全には充電されない。
【0011】
蓄電池の全寿命の中で、蓄電池を構成するセルに欠陥が顕れることがある。セルの欠陥は、一般に、セル内の短絡、開回路又は高漏洩電流のいずれかとして顕れる。蓄電池のセルの故障の影響を知ることは重要である。開回路又は短絡は、蓄電池全体に、損傷を与えることがある。
【0012】
各段のセルに大漏洩電流が顕れると、蓄電池は抵抗としての挙動を示し、対象となる各段のセルを、ゼロまで放電させる。エネルギの放散は比較的ゆっくり起こるため、発火の危険は小さい。リチウムイオン技術の場合、各段のセルを電圧ゼロにまで放電させると、セルは故障し、これは該当する欠陥セルだけではなく、他のセルも交換する必要があることを意味する。それらの間の電気的接続が大きい断面積を有するため、1個のセルが短絡すると、同じ段の他の3個のセルも放電する。短絡したセルに直列接続されたヒューズは、他の3個のセルが望ましくない放電をするのを止める。
【0013】
このような蓄電池は、多くの欠点を有する。前記ヒューズは、大電流を通すようになっているため、コスト高になる。更に、前記ヒューズの内部抵抗は、蓄電池内部のジュール損失を増大させ、その電力性能を大きく低下させる。
【0014】
特許文献1は、並列接続された2本のブランチを備える蓄電池を開示している。各ブランチは、直列接続された3個のセルを備えている。各セルは、2個の出力端子を経て、充電及び放電が行われる。保護トランジスタが、前記出力端子の一方と、前記セルのブランチ間に位置している。追跡回路は、各部の過度の充電及び放電を検出する。このような事態が起こると、前記追跡回路は、セルの出力端子とブランチとの間の保護トランジスタを開く。
【0015】
各ブランチのセルは、他のブランチのセルに並列接続されている。直列接続された2個のヒューズは、2個のセルを接続する。前記追跡回路は、直列接続された2個のヒューズ間の各ノードに接続されている。
【0016】
この蓄電池は、ブランチと保護トランジスタの間に直列接続されたヒューズを備えている。
【0017】
このような蓄電池には、多くの欠点がある。
−蓄電池の稼動時に、直列接続されたヒューズ及び保護トランジスタに起因して、大きなジュール損失が生じる。
−セルが故障すると、追跡回路により、直ちに蓄電池の稼動は停止させられる。
−蓄電池の容量は、最適ではない。充電の間、他のセルが最適充電量に達していないと、最も充電されたセルは、他のセルの充電を止めさせる。放電の間、他のセルが放電閾値に達していないと、最も放電されたセルの放電は遮断される。
【0018】
特許文献2は、並列接続された2本のブランチを備える蓄電池を開示している。その一態様では、各ブランチには、直列接続した4個のセルが設けられている。前記2本のブランチは、異なったタイプで、第1のブランチは、高出力セルを備え、他のブランチは、高容量セルを備えている。各高容量セルは、抵抗を介して、高出力セルに並列接続されている。このような蓄電池は、同時に所要のピーク電流に対応し、かつ高容量を有する。
【0019】
実際には、このような蓄電池も欠点を有する。高出力セルは、蓄電池の容量を顕著に改良するものではない。更に、前記蓄電池は、誤作動することがないようになっていない。従って、1個のセルが短絡すると、抵抗を介してそれに並列接続されているセルに過電流を生じさせることがある。2本のブランチのセルも異なるタイプであり、セルが故障した際の補償は考えられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許明細書第6051955号
【特許文献2】国際公開公報第2009/021762号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、蓄電池の有するセキュリティレベルを低下させることなく、前記欠点の1つ又は2つ以上を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、各々が、直列接続された少なくとも第1及び第2のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ、並びに、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチを備える蓄電池に関する。前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように定められている。
【0023】
一態様では、この蓄電池は、直列接続された第1及び第2のセルを有する第3のブランチを備え、更に、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されている他のスイッチを備えている。
【0024】
他の態様では、前記第1のセルは、前記蓄電池の第1段を形成し、前記第2のセルは、前記蓄電池の第2段を形成し、かつ前記蓄電池は、更に、前記セルの充電をバランスさせるための、各段の端子に接続されたバランス回路を備えている。
【0025】
更に他の態様では、並列接続されたセル間の各接合は、前記バランス回路にリンクされている。
【0026】
更に他の態様では、第1及び第3のブランチのセルは隣接しておらず、前記バランス回路は、第1及び第3のブランチのセルの端子に接続されている。
【0027】
他の態様では、並列接続されたセル間の接合の断面積は、直列接続されたセル間の接合の断面積よりも小さい。
【0028】
更に他の態様では、前記スイッチは、可溶融性の電気接点である。
【0029】
更に他の態様では、前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルのいずれかが短絡したときに、前記スイッチが開くようになっている。
【0030】
他の態様では、前記セルの端子に、その公称電圧より15%高い電圧が印加されても、それらが故障しないタイプとなっている。
【0031】
更に他の態様では、前記セルは、リチウムイオン系である。
【0032】
他の態様では、前記ブランチには、前記セルと直列接続された保護スイッチが設けられていない。
【0033】
他の態様では、前記セルの内部抵抗は、前記スイッチの内部抵抗以下である。
【0034】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して行う以下の非限定的な実施例の説明により、更に明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】公知の蓄電池の概略図である。
【図2】本発明の蓄電池の一態様の概略図である。
【図3】通常の運転で、蓄電池のセルを流れる電流を概略的に示す図である。
【図4】スイッチが切られたときに、短絡が存在する蓄電池の電流を概略的に示す図である。
【図5】短絡後の、蓄電池のセルを通って流れる電流を概略的に示す図である。
【図6】蓄電池の放電プロフィールを示すグラフである。
【図7】セルが開回路となったときの電流を概略的に示す図である。
【図8】本発明の蓄電池の他の態様を概略的に示す図である。
【図9】本発明の蓄電池の更に他の態様を概略的に示す図である。
【図10】本発明の蓄電池の他の態様における、セルの配列を例示する分解斜視図である。
【図11】本発明の蓄電池の他の態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、直列接続された少なくとも第1及び第2のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ、更にそれにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチを備える蓄電池を提案するものである。該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるように設計する。
【0037】
前記スイッチは、低コストで及び通常時のジュール散逸が少なくなるように、異常時の過電流から、蓄電池のセルを、効果的に保護する。更に前記スイッチは、全ての機能性セルが、短絡電池の故障を補償することにより、蓄電池を続けて使用することを可能にする。
【0038】
図2は、本発明の第1態様の蓄電池4を示す。蓄電池4は、正の端子Pと負の端子Nを有する。両端子P及びN間には、1又は2以上の負荷が接続されている。前記蓄電池4は、数個のブランチBr1からBr5を備えている。図示の例では、前記蓄電池4は、5本のブランチを有している。以後、添字「j」は、ブランチBrjに対応する。各ブランチBrjは、リン酸鉄系のリチウムイオンタイプの、直列接続された複数のセルEijを備えている。ブランチBr1は、セルE1,1、E2,1、E3,1、E4,1、及びE5,1を備えている。図示の例では、各ブランチBrjは、5個のセルEijを備えている。以後、添字「i」は、それぞれブランチの各々に属する5個のセルを含む段Etjに対応している。
【0039】
所定段のセルは、スイッチにより、並列接続されている。用語「スイッチ」は、電流が流れることを防止し、過負荷の際に、スイッチを切り替えて、それが接続されている素子を保護するスイッチを意味する。
【0040】
第1段Et1のセルE1,jは、並列接続されている。このセルE1,jは、その正の端子を介して、蓄電池の端子Pに接続されている。この正の端子は、大断面積のコネクタを介して、端子Pに接続されていることが好ましい。その理由は、この接続が、種々のブランチの並列電流を集める機能を有するからである。第1段Et1のセルE1,jの負の端子は、スイッチを介して、互いに接続されている。これにより、前記スイッチD2,1は、前記セルE1,1の負の端子を、セルE1,2の負の端子に接続する。
【0041】
第2段Et2のセルE2,jも並列接続されている。第3段Et3のセルE3,j及び第4段Et4のセルE4,jも、並列接続されている。これら中間段では、特定の段のセルの正の端子は、スイッチを介して互いに接続され、負の端子は、スイッチを介して互いに接続されている。
【0042】
図示の通り、各スイッチは、隣接する2段の並列接続に使用される(2段共有接続ノード)。スイッチD2,1は、セルE1,1とE1,2を並列接続するために使用されるが、セルE2,1とE2,2も並列接続されている。
【0043】
第5段Et5のセルE5,jは並列接続されている。第5段Et5のセルE5,jの正の端子は、スイッチによって接続されている。スイッチD5,1は、セルE5,1の正の端子を、セルE5,2の正の端子に接続している。セルE5,jは、その負の端子を通して、蓄電池4の端子Nに接続されている。これらの負の端子は、大断面積のコネクタを介して、端子Nに接続されていることが好ましい。これは、この接続が、種々のブランチの並列電流を注入する機能を有するからである。
【0044】
充電/放電回路5は、各段の端子に接続されている。当業者であれば、各段のセルの電圧をバランスさせるため、及びそれぞれのセルの充電を制御するための好適な回路5を決定することができる。
【0045】
セルEi,jを流れる電流は、Ii,jで示している。スイッチDi,jを流れる電流は、Iti,jで示している。段iの端子電圧は、Uiで示している。段iの正の端子を通して、充電/バランス回路5と交換される電流は、Ieq(i)で示している。
【0046】
スイッチは、電気回路に過負荷が掛かった際に、それを通って流れる電流を遮断するか、あるいは実質的に制限する(例えば100倍)機能を有する電気的保護デバイスである。図示のスイッチについては、後述する。
【0047】
図3は、その端子P及びN間に接続された負荷3が存在する、通常運転における蓄電池4の理論的な例を示す。前記負荷3は、0.2オームの抵抗にリンクしている。各セルは、0.01オームの抵抗(代表的には、その内部抵抗)に直列接続されている3.3V電圧源にリンクしている。スイッチは、0.015オームの抵抗にリンクし、そのカットオフ閾値は、6Aである。所定のブランチの直列接続されたセル間の接続は、前記ブランチの公称電流に耐えるように、適切に設計されている。
【0048】
本例では、各セルは最大充電状態にあり、全てが同じ充電量を有する。従って、スイッチには電流は流れない。通常の運転では、スイッチを流れる電流はゼロであるため、スイッチは、ジュール損失を生じさせないように見える。ここでは、蓄電池4内のジュール損失は、セルの内部抵抗のみによって生じる。従って、蓄電池の電力効率は最適化される。各ブランチには、15.7Aの電流が流れ、78.5A(四捨五入値)の電流が負荷3を通って流れる。
【0049】
スイッチが、セル間に並列接続されている。通常運転では、小電流のみが、これらの接続部を流れ、種々のセルが充電されるか、あるいはバランスする(特に蓄電池4の充電の終期)。通常運転では、スイッチを通って流れる電流は、常にカットオフ閾値未満である。そのため、使用するスイッチは、直列に配置されたスイッチに必要な量より十分小さくなるように設計される。使用するスイッチの数は、直列接続されるスイッチに必要な数よりも少ないことにも注目すべきである。従って、蓄電池4のコストも大きく減少する。
【0050】
セルを好適に保護するためには、スイッチは、セルが耐えられる最大充電又は放電電流未満のカットオフ閾値を有するようにする。本例では、カットオフ閾値は6Aであり、図3のセルを通る電流15.7Aよりかなり小さい。
【0051】
図4は、セルE3,3が短絡し、スイッチのカットオフがない状態での、理論的な電流値を示す。電池の最大充電又は放電電流が30Aであると仮定すると、第3段の全てのセルは故障しやすくなると考えられる。比較的大電流がセル間の並列接続部を通って流れると考えられる。スイッチD2,2、D2,3、D3,2、D3,3、D4,2、D4,3、D5,2及びD5,3を通って流れる電流は、それらのカットオフ閾値よりも大きい。
【0052】
従って、図5に示すように、セルE3,3により生じる過電流のため、スイッチD2,2、D2,3、D3,2、D3,3、D4,2、D4,3、D5,2及びD5,3は開く。前記過電流は、時間が経つにつれて減少し、セルの過熱による発火の危険を回避できる。
【0053】
遷移状態では、ブランチ3の低抵抗のため、該ブランチは、他のブランチにより再充電され、全てのブランチの電圧レベルがバランスする。この負電流は、セルE1,3、E2,3、E4,3、E5,3が電圧3.88Vまで充電されることを可能にし、短絡したセルE3,3の故障を補償する。この過電圧は、その電解液の品質低下が4.5V以上で生じる、リン酸鉄系のセルに劣化を生じさせない。公称電圧以上である、それらの端子間の電圧に耐えられる他のタイプのセルも使用できる。特に、公称電圧より15%高い電圧を、それらの端子に印加されても故障しないタイプのセルの使用が可能である。蓄電池の段数が増えるほど、短絡後のその公称電圧に対して、セルに印加される過電圧がより制限される。ブランチBr3のセルが、他のブランチのセルで充電された後のこのブランチを流れる電流はゼロである。この時点で、セルの公称電流である30A未満の19.4Aの電流が、ブランチBr1、Br2、Br3、及びBr4を流れる。従って、種々のブランチのセルは、1個のセルの短絡で生じる過電流から良好に保護される。横方向電流Iti,jはゼロである。負荷3を流れる電流は77.6Aであり、蓄電池4の通常運転時の電流に近い値である。一旦、ブランチBr3のセルが再充電されると、このブランチは、より小さい電流を負荷3に供給する。
【0054】
図6は、蓄電池4の放電の際の放電プロフィールで、実線は通常運転、点線は短絡セルが存在する場合を示す。完全に充電された蓄電池4の端子N及びP間の電圧は、同じレベルに維持されることが判る。1個セルが故障した場合、蓄電池4の放電限界閾値Sには、より早い時間であるT2で到達する。通常運転では、この放電限界閾値には、時間T1で到達する。従って、故障が存在すると、蓄電池4の性能は低下する。前記回路3は、放電時間が予備設定された閾値未満になることを検知して、セルの故障を検出する。この故障を、信号で、蓄電池4の使用者に通知し、蓄電池を修理する必要がある旨の示唆を与えることができる。しかし、蓄電池4は、修理前の数回の充電/放電サイクルに亘って、その機能を保持できる。前記スイッチは、他のセルの劣化を防止しているので、修理は、故障したセルの充電のみである。
【0055】
図7は、開回路又は短絡したセル、この場合セルE3,3が故障した蓄電池4を示す。並列接続を形成するスイッチは、他のセルが、セルE3,3の故障を補償することを可能にする。0.5Aの電流が、スイッチD2,1、D2,4、D5,1、及びD5,4を流れる。0.9Aの電流が、スイッチD3,1、D3,4、D4,1、及びD4,4を流れる。1.4Aの電流が、スイッチD2,2、D2,3、D5,2、及びD5,3を流れる。5.3Aの電流が、スイッチD3,2、D3,3、D4,2、及びD4,3を流れる。このように、各スイッチを流れるそれぞれの電流は、これらのスイッチのカットオフ閾値を超えない。従って、全ての機能性セルは放電し、蓄電池4の容量は僅かに減少する。蓄電池4は、一定数の充電/放電サイクルについて、その機能を維持する。16.6A、15.7A、13.6A、15.7A及び16.6Aの電流が、第1段Et1のそれぞれのセルEi,jを流れ、これらの電流は、これら各セルの公称限界未満である。
【0056】
前記回路5は、特に第3段Et3の放電がより速いため、セル3,3の故障を特定できる。この故障は、蓄電池4の使用者に、信号で伝えられ、修理の必要性を知らせる。
【0057】
前記スイッチは、短絡したセルが、少なくとも1個のスイッチにより、カットオフを生じさせること、及び開回路電池が、カットオフを生じさせないように種々のスイッチに電流を流すように、設計されていることが望ましい。
【0058】
図3から図7の例では、前記回路5は、ブランチBr5のノードを介して、ブランチBr1からBr4に接続されている。スイッチがカットオフして、故障したセルを含むブランチを分離した後は、その先にあるブランチは、最早前記回路5に接続されず、バランスされない。図4から図7の故障を示す例では、ブランチBr1及びBr2は、回路5によりバランスされない。
【0059】
図8は、この欠点を解消した蓄電池4の一態様を示す。この態様の原理は、1つの同じ段の対向するブランチのノードを相互接続することである。つまり、ブランチBr1及びBr5のノードを、それぞれスイッチD2からD5で相互接続する。これにより、前記回路5は、故障したブランチがある場合でも、故障していない全てのブランチを充電しバランスさせることを進行させる。更に、所定段の隣接していない2個のセルを、バランス回路5に接続することも考えられる。
【0060】
図9は、所定段のセルの端子が、全て、前記回路5の1つの同じ端子の接続されている他の態様を示す。このような接続は、前記回路5により行われる充電バランスを容易にすることを可能にする。更に、このような接続は、各段が放射方向に配置された数個のセルで形成され、図10に示すような実質的に円筒形の蓄電池を形成する場合に、特に有利である。表示した点線は、蓄電池4の種々の段間の直列接続に相当する。
【0061】
図11は、本発明の蓄電池4の他の態様の概略図である。図8の例の場合のように、ブランチBr1及びBr5のノードを、それぞれスイッチD2からD5で相互接続し、これにより、故障したブランチがある場合でも、故障していない全てのブランチを充電しバランスさせる。前記回路5は、前記L1からL6を介して、セルの各段の端子に接続されている。更に、前記回路5は、この場合には、ノードN2からN5であるブランチBr1からBr5のそれぞれへの直接接続(2個のセル間の接続ノードを通らない接続)を有する。前記回路5に直接接続されたノードN2からN5は、所定段の2個のセルを直列接続する。従って、任意のブランチに関し、このようなノードと端子P間の電圧、及びこのようなノードと端子N間の電圧を決定することが可能になる。このように、どの段で、セルが短絡し、あるいは開回路となっているかを特定することが可能になる。短絡したセルは、前記ノードと端子P間の電圧だけでなく、前記ノードと端子N間の電圧も修正する。図示の例では、回路5からノードN2からN5までの接続は、故障したブランチと、蓄電池の段の充電の進行の両方を決定することが可能になる。
【0062】
これらのセルの並列接続の抵抗(例えば、スイッチの内部抵抗)は、セルの内部抵抗より高いと有利である。セル内の電流は、スイッチがカットオフを生じさせる前に、制限される。遠いブランチのセルの故障の効果も軽減される。前記回路5が単一ブランチのノードを介して接続されていると、スイッチの抵抗は減少して、前記回路5から離れたブランチを充電する時間が過度に増加することが防止される。
【0063】
この場合、スイッチの例は、ヒューズである。ヒューズを流れる電流が公称閾値電流を超えると、前記ヒューズの導電部は、溶融する。他のタイプのスイッチも、勿論使用できる。特に、リセットできるスイッチを使用できる。温度とともに、抵抗が突然かつ大きく増加するPTC(正の温度係数)タイプのスイッチも使用できる。このようなスイッチの抵抗増加は、それを流れる電流を小さい値に限定して、溶融を行うことなく、ジュール効果により生じるエネルギを散逸させる。スイッチの電流に関する欠陥がなくなると、スイッチは、当初の通電レベルに徐々に復帰する。PTCタイプのスイッチは市販されている。
【符号の説明】
【0064】
P、N 端子
Brj ブランチ
Eij セル
Etj 段
Dij スイッチ
I1〜I4 電流
Ui 端子電圧
T1、T2 時間
N2〜N5 ノード
3 負荷
4 蓄電池
5 回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、直列接続された少なくとも第1(E1,1,E1,2)及び第2(E2,1,E2,2)のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ(Br1,Br2)、更にそれにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチ(D2,1)を備え、該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるようになっていることを特徴とする蓄電池(4)。
【請求項2】
更に、直列接続された第1(E1,3)及び第2(E2,3)のセルを有する第3のブランチ(Br3)を備え、更に前記蓄電池(4)は、それにより、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されている他のスイッチ(D2,2)を備える請求項1記載の蓄電池。
【請求項3】
前記第1のセルは、前記蓄電池の第1段を形成し、前記第2のセルは、前記蓄電池の第2段を形成し、かつ前記蓄電池は、更に、前記セルの充電をバランスさせるための、各段の端子に接続されたバランス回路(5)を備える請求項1又は2記載の蓄電池。
【請求項4】
並列接続されたセル間の各接合は、前記バランス回路(5)にリンクされている請求項3記載の蓄電池。
【請求項5】
第1及び第3のブランチ(Br1,Br3)のセルは隣接せず、前記バランス回路(5)は、第1及び第3のブランチのセルの端子に接続されている請求項2又は3記載の蓄電池。
【請求項6】
前記バランス回路(5)は、直列接続されたブランチの2個のセルを接続する各ブランチのノードを介して、各ブランチに接続されている請求項3記載の蓄電池。
【請求項7】
並列接続されたセル間の接合部の断面積は、直列接続された電池間の接合部の断面積よりも小さい請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項8】
前記スイッチは、可溶融性の電気接点である請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項9】
前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルのいずれかが短絡したときに、前記スイッチが開くように設計されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項10】
前記セルは、その端子に、その公称電圧より15%高い電圧が印加されても、故障しないタイプである請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項11】
前記セルは、リチウムイオン系である請求項1〜10のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項12】
前記ブランチには、前記セルと直列接続された保護スイッチが設けられていない請求項1〜11のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項13】
前記セルの内部抵抗は、前記スイッチの内部抵抗より小である請求項1〜12のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項1】
各々が、直列接続された少なくとも第1(E1,1,E1,2)及び第2(E2,1,E2,2)のセルを有する少なくとも第1及び第2のブランチ(Br1,Br2)、更にそれにより前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されているスイッチ(D2,1)を備え、該スイッチのカットオフ閾値は、前記セルの1個が開回路を形成する際に、電流が流れるようになっていることを特徴とする蓄電池(4)。
【請求項2】
更に、直列接続された第1(E1,3)及び第2(E2,3)のセルを有する第3のブランチ(Br3)を備え、更に前記蓄電池(4)は、それにより、前記第1のセルが並列接続され、かつ前記第2のセルが並列接続されている他のスイッチ(D2,2)を備える請求項1記載の蓄電池。
【請求項3】
前記第1のセルは、前記蓄電池の第1段を形成し、前記第2のセルは、前記蓄電池の第2段を形成し、かつ前記蓄電池は、更に、前記セルの充電をバランスさせるための、各段の端子に接続されたバランス回路(5)を備える請求項1又は2記載の蓄電池。
【請求項4】
並列接続されたセル間の各接合は、前記バランス回路(5)にリンクされている請求項3記載の蓄電池。
【請求項5】
第1及び第3のブランチ(Br1,Br3)のセルは隣接せず、前記バランス回路(5)は、第1及び第3のブランチのセルの端子に接続されている請求項2又は3記載の蓄電池。
【請求項6】
前記バランス回路(5)は、直列接続されたブランチの2個のセルを接続する各ブランチのノードを介して、各ブランチに接続されている請求項3記載の蓄電池。
【請求項7】
並列接続されたセル間の接合部の断面積は、直列接続された電池間の接合部の断面積よりも小さい請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項8】
前記スイッチは、可溶融性の電気接点である請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項9】
前記スイッチのカットオフ閾値は、前記セルのいずれかが短絡したときに、前記スイッチが開くように設計されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項10】
前記セルは、その端子に、その公称電圧より15%高い電圧が印加されても、故障しないタイプである請求項1〜9のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項11】
前記セルは、リチウムイオン系である請求項1〜10のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項12】
前記ブランチには、前記セルと直列接続された保護スイッチが設けられていない請求項1〜11のいずれか1項に記載の蓄電池。
【請求項13】
前記セルの内部抵抗は、前記スイッチの内部抵抗より小である請求項1〜12のいずれか1項に記載の蓄電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−533145(P2012−533145A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518973(P2012−518973)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059674
【国際公開番号】WO2011/003924
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(510132347)コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ (51)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059674
【国際公開番号】WO2011/003924
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(510132347)コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ (51)
【Fターム(参考)】
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