説明

低減された細胞毒性を有するアルキルリン脂質誘導体並びにそれらの使用

本発明は、微生物、特に細菌、菌類、原生動物及び/又はウイルスによって引き起こされる哺乳動物、好ましくはヒトにおける種々の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療に有用な低減された細胞毒性を有する新規のアルキルリン脂質誘導体を提供する。係るアルキルリン脂質は、単独薬剤として、又は組み合わせ療法の過程において使用することができ、また腫瘍の治療のためにも使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物、特に細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルスによって引き起こされる哺乳動物における種々の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療において有用な、低減された細胞毒性を有する新規のアルキルリン脂質誘導体に関する。係るアルキルリン脂質は、単独医薬として又は組合せ療法において使用することができ、それはまた、抗腫瘍特性を示すこともある。
【0002】
先行技術
アルキルリン脂質(APL)は、1つの物質クラスとして、数十年間にわたって、複数の特性を有し、かつ好ましくは種々の医学的適用における治療のために活用できる生物学的活性を示すことは知られていた。
【0003】
例えばアルキルホスホコリン類の種々の作用と使用の総括的な概要は、Drugs of Today,Vol.34,Suppl.F,1998に示されている。
【0004】
アルキルリン脂質、それらの種々の使用並びに関連の適用(それぞれの標準的な療法を含む)に関する更なる文献は、以下のものを含む。
【0005】
EP0108565号は、アルキルホスホコリン類を開示し、それらは、抗腫瘍特性を有するものとして特許の保護が請求されている。WO87/03478号は、抗腫瘍医薬として使用するためのアルキルリン脂質を開示している。US5,219,866号は、癌の治療に有用なオクタデシル−[2−(N−メチルピペリジノ)−エチル]−ホスフェート並びにその製造方法を記載している。US6,172,050号、US6,479,472号及びEP0579939号は全て、特定のリン脂質誘導体と、該誘導体を治療剤、特に腫瘍に対する治療剤として用いる使用方法を開示している。US5,449,798号及びUS5,958,906号は、抗腫瘍剤として作用すると思われる、より高級な5番目の基の要素を有するリン脂質誘導体に関する。US6,093,704号は、ミルテフォシンなどのアルキルホスホコリン類の潜在的な副作用を軽減する待期的腫瘍療法におけるドーパミン受容体アンタゴニストの使用を記載している。WO2004/012744号は、アルキルホスホコリン類を抗腫瘍医薬と組み合わせて用いる使用に関する。
【0006】
EP0108565号は、アルキルホスホコリン類を開示し、それらは、とりわけ抗真菌特性を有するものとして特許の保護が請求されている。Lu他は、天然のビスホスホコリンであるイリバコリンとその合成類似体を抗真菌剤として用いる使用を記載している(Lu Q他著のJ.Nat.Prod.1999,62(6):824−828)。Ganendrenとその同僚により、真菌性病原菌からのホスホリパーゼのインヒビターとして、リン脂質基質に構造的類似性を有する化合物について研究された(Ganendren R他著のAntimicrob.Agents Chemother.2004,48(5):1561−1569)。
【0007】
Koufaki M他は、腫瘍の治療のための抗腫瘍剤としての、アルキルリン脂質及びアルコキシエチルリン脂質を記載している(Koufaki他著のJ.Med.Chem.1996,39:2609−2614)。Konstatinov他は、選択されたアルキルリン脂質のアポトーシス的な作用様式を解明している(Konstatinov他著のCancer Chemother.Pharmacol.1998,41:210−216)。Engel他は、抗腫瘍医薬としてのペリフォシンの薬理学的活性を議論の対象としている(Engel他著のDrugs of the Future 2000,25(12):1257−1260)。WO00/33917号は、腫瘍の治療に使用できる、ミルテフォシンもしくはペリフォシンを含有してよいリポソームを基礎とする剤を開示している。EP0284395号は、血圧を低下させるための新規のグリセロール誘導体及び血圧降下剤を記載している。Andresenとその同僚により、腫瘍組織においてホスホリパーゼA2により特異的に放出される合成された抗癌剤であるエーテル脂質の生物学的活性が研究された(Andresen TL他著のJ.Med.Chem.2005,48:7305−7314)。
【0008】
原生動物疾病は、世界的な苦悩であり続けている。これらの殆どの疾病に対しては、治癒療法は利用できない。リーシュマニア症とシャーガス病は、このクラスの疾病に属する目立った2種である。
【0009】
リーシュマニア症は、WHOの顧みられない病気リストにおいて、年間致死数に関して3位にランクする。年間60000もの死亡例で、マラリアと結核だけがより多くの犠牲者を出している。世界的に350百万人の人々が危険な状態にあり、現在では12百万人の人々が感染していると見積もられている。前記疾病は、新世界と旧世界の88カ国に見られ、その殆どの感染人口は、インド、バングラディシュ、ブラジル、そしてスーダンで生活している。毎年、1〜1.5百万の新たな事例が報告されている。WHO/TDRによって、DALY負担は、男性については860000人、そして女性については1200000人であると報告されている。
【0010】
リーシュマニア症は、スナバエ(フレボトムス種及びルツォミア種)によって媒介されるリーシュマニア属の原生動物によって引き起こされる。その疾病には2つの形態が存在する。内部リーシュマニア症もしくは内臓リーシュマニア症は、最も危険な形態であり、治療しなければ6〜12ヶ月以内に死に至る。皮膚リーシュマニア症と呼ばれる他の形態は、皮膚に病巣をもたらし、治療しなければ潰瘍をもたらす。自然治癒が起こらない場合には、身体と顔面に瘢痕をもたらす。未治療のリーシュマニア症の考えられる合併症は、潰瘍の二次感染と、粘膜皮膚の形の進行を含み、それは顔面皮膚と粘膜部の破壊を招きうる。
【0011】
内臓の形態は、旧世界(リーシュマニア種:L.ドノヴァニ、L.インファンツム)及び新世界(L.シャーガシ)に見られる。それは、南インド大陸(インド、バングラディシュ及びネパール)、東アフリカの部分(スーダン及びエチオピア)並びに南アフリカの部分(ブラジル及びコロンビア)に影響を及ぼしている。毎年の新たな事例の数は、高い死亡率で500000件である。内臓リーシュマニア症は、高熱、減量、脾臓と肝臓の腫脹を伴う。それを治療しなければ、死に至る傾向がある。
【0012】
皮膚の形態は、両方の世界で広く蔓延している。旧世界においては、大型リーシュマニアと熱帯リーシュマニアが目立った病原体である。大型リーシュマニアは、農村地域で見られる一方で、熱帯リーシュマニアは、市街地で見られる。主要な国は、アフガニスタン、パキスタン、そして中東全般、特にイラン、イラク、シリア及びサウジ・アラビアである。
【0013】
最近では、瘢痕と痛みのある潰瘍が生命を危うくしないものと見なされるため、その患者が放置される傾向がある。しかしながら、恐らく、経過観察の位置を説明できた最近の治療によって引き起こされる副作用の危険性は高くなる。新世界では、その事態がより危険なことである。皮膚リーシュマニア症を患う患者は、粘膜皮膚の形を発症し、それは顔面部分の痛みと変形を伴う崩壊に導く。前記疾病は、中南米のすべてにわたって、ベネズエラ、ペルー、ボリビア及びグァテマラで集中的に見られる。
【0014】
現在の標準的な療法は、病院で非経口的に行う必要があり、高度に毒性である。AIDSや他の栄養失調などの免疫抑制状態は、危険性を高める。事実問題として、内臓リーシュマニア症が流行している多くの国々では、AIDSと栄養失調に関するホットスポットでもある。現在の治療の選択肢は制限されている。50年来、非経口アンチモン剤(スチボグルコン酸ナトリウム、SSG、ペントスタム(商標)及びスチボグルコン酸メグルミン、グルカンチム(商標))は、リーシュマニア症のための標準的療法であった。副作用は、嘔吐、吐き気、下痢及び食欲不振を含む非常に深刻なものである。全治療期間の間に、クレアチン値を観察する必要があり、かつECG値をモニタリングする必要があり、そして規則的なECGモニタリングが必要となる。
【0015】
代替的な第二の処置であるアンフォテリシンBは、耐性がないことにその利点を有する。しかしながら、高い入院費用に加えて、高価な薬剤価格がある。副作用は、同様に付加的な薬剤誘発熱を伴う深刻なものであり、その薬剤は、内臓リーシュマニア症についてのみ承認されている。副作用を克服するための更なる選択肢は、リポソーム状のアンフォテリシンBの使用である。そのパロモマイシンという薬剤は、現在、フェーズIIIの臨床試験を受けており、95%の事例において有効であり、一般に、より許容性の高い全ての処置は、非経口であり、より長い期間の入院を必要とする。
【0016】
リーシュマニア症と比較して、シャーガス病については、その状況はより問題が大きい。シャーガス病は、アメリカトリパノソーマ症とも呼ばれ、それは、寄生原虫のトリパノソーマ・クルジによって引き起こされる。その病気は、南米とラテンアメリカの21カ国における風土病である。最近では、16〜18百万人の人々が感染し、そして100百万人の人々が危険な状態にある。その病気は、吸血昆虫を介して伝達され、その際、寄生虫は、該昆虫が犠牲者の血液を導入する間に胃腸経路から伝達される。
【0017】
ヒトにおいては、その病気は、急性段階をもって始まり、引き続き生涯の慢性段階となる。その急性段階では、時として、高熱、リンパ節の腫脹、肝臓と脾臓の腫脹並びに局所的な炎症を伴う。その急性段階は、しばしば全く正しく診断されなければ、その感染は未処置のままとなる。結果として、シャーガス病は、心筋の寄生虫侵入、重度の局所的炎症及び慢性心臓病を特徴とする慢性段階に突入する。通常は、患者は、これらの心臓病のため早期に死亡する。
【0018】
[シャーガス病についての一般文献:Guzman−Bracho C著のTrends Parasitol.2001,17(8):372−376;Roberts A他著のJ.Am.Acad.Nurse Pract.2001,13(4):152−153;Tarleton RL他著のParasitol.Today.1999,15(3):94−99;Anez N他著のMem.Inst.Oswaldo Cruz 2004,Rio de Janeiro,99(8):781−787;Second Report of the WHO Expert Committee,WHO technical report series 905,WHO 2002;Behbehani K著のBull World Health Organ.1998,76(Suppl.2):64−67;Umezawa ES他著のLancet.2001,357(9258)797−799]
これまで、その治療の選択肢は、制限されていた。シャーガス病のための承認されたのは2種の薬剤:ベンゾニダゾール(ラダニル(商標))及びニフルチモックス(ランピット(商標))だけである。それらは、非常に毒性が高く、その使用は、その病気の急性段階だけに限られている。その2種の薬剤の少なくとも1つは、慢性段階において若干の効力があることは、乏しい証拠で報告されているに過ぎない。
【0019】
最近では、選択される薬剤はベンゾニダゾールであり、その薬剤は、体重1kgあたり5〜7mgで60日間にわたり与えられる。副作用は、非常に重度であることもあり、医師への迅速な届出が求められる。報告される非常に一般的な副作用は、痙攣(発作)、麻痺、刺痛、手もしくは足の衰弱、皮膚の帯赤変色、腹痛もしくは胃痛、下痢、吐き気及び嘔吐である。稀な副作用は、高熱もしくは悪寒、皮膚上の一点赤斑、皮疹、咽頭炎、異常出血もしくは挫傷、錯乱、めまい感、頭痛、情動不安、一時的な記憶喪失、睡眠異常、集中困難、異常な疲労もしくは衰弱である。
【0020】
より以前の物質であるニフルチモックスは、ベンゾニダゾールと比べてほとんど使用されない。ニフルチモックスは、体重1kgあたり8〜10mgで50日間にわたり与える必要がある。知られている副作用は、腹痛もしくは胃痛、めまい感、頭痛、食欲不振、吐き気、嘔吐、減量、皮疹、悪寒もしくは咽頭炎、無器用もしくは不安定、錯乱、痙攣(発作)、性衝動もしくは生殖能力の減退、高熱、健忘、過敏症、気分もしくは精神の変化、筋肉衰弱、麻痺、刺痛、手もしくは足の衰弱、振戦、睡眠障害、眼球の前後及び/又は回転の運動の不可制御、異常興奮、神経質及び情動不安である。
【0021】
[シャーガス病の(標準的)処置についての文献:Coura JR他著のMem.Inst.Oswaldo Cruz 2002,Rio de Janeiro,97(1):3−24;Docampo R著のCurr.Pharm.Des.2001,7(12):1157−1164;Kayser O他著のPharm.Unserer Zeit.1999,28(4):177−185;Cerecetto H他著のCurr.Top.Med.Chem.2002,2(11):1187−1213;Urbina JA著のCurr.Opin.Infect.Dis.2001,14(6):733−741;Paulino M他著のMini−Reviews in Medicinal Chemistry 2005,5:499−519;Campos RF他著のRev.Soc.Bras.Med.Trop.2005,38(2):142−146;Garcia S他著のAntimicrob.Agents Chemother.2005,49(4):1521−1528;Schenone H他著のRev.Med.Chile 2003;131:1089−1090;Marcondes MC他著のMicrobes Infect.2000,2(4):347−352;Corrales M他著のAntimicrob.AgentsChemother.2005,49(4):1556−1560;Urbina JA他著のInt.J.Antimicrob.Agents 2003,21(1):39−48;Maya JD他著のBiochem.Pharmacol.2003,65(6):999−1006;Lockman JW他著のCurr.Med.Chem.2005,12(8):945−959]
原生動物疾病、特にリーシュマニア症及びシャーガス病におけるアルキルリン脂質の使用は、報告もされている。ミルテフォシンは、リーシュマニア症の治療において、現在使用されているアンフォテリシンBと同様に効力が高いことが判明している。ミルテフォシンは、皮膚リーシュマニア症及び内臓リーシュマニア症のために、幾つかの国々で初めての経口薬剤として登録されている。しかしながら、依然として、治療計画の改善をする必要があり、リーシュマニア症治療の過程の効力を向上させる必要がある。その薬剤の代謝的半減期が長く、28日間という長期的な治療(患者によって完全に継続されないこともある)のため、薬剤耐性の発生が起こるという危険性が高くなっている。アルキルリン脂質は、また、前臨床試験において、インビボ及びインビトロにおいて急性段階でトリパノソーマ・クルジに対して有効であることが示されている。
【0022】
[リーシュマニア症及びシャーガス病におけるAPLの使用についての文献:Croft SL他著のMol.Biochem.Parasitol.2003,126(2):165−172;Saraiva VB他著のAntimicrob.Agents Chemother.2002,46(11):3472−3477;de Castro SL他著のMini−Reviews in Medicinal Chemistry 2004,4:141−151;Berman J著のExpert Opin.Pharmacother.2005,6(8):1381−1388;Bhattacharya SK他著のClin.Infect.Dis.2004,38(2):217−221;Jha TK他著のN.Engl.J.Med.1999,341(24):1795−1800;Jacobs S著のN.Engl.J.Med.2002,347(22):1737−1738;Sundar S他著のN.Engl.J.Med.2002,347(22):1739−1746;Sindermann H他著のClin.Infect.Dis.2004,39(10):1520−1523;Soto J他著のClin.Infect.Dis.2004,38(9):1266−1272;Soto J他著のClin.Infect.Dis.2001,33(7):E57−61;Sundar S他著のPediatr.Infect.Dis.J.2003,22(5):434−438;Croft SL他著のJ.Antimicrob.Chemother.1996,38(6):1041−1047;Santa−Rita RM他著のActa Trop.2000,75(2):219−228;Sundar S他著のLancet.1998,352(9143):1821−1823;Sundar S他著のAnn.Trop.Med.Parasitol.1999,93(6):589−597;Sundar S他著のClin.Infect.Dis.2000,31(4):1110−1113;Lux H他著のMol.Biochem.Parasitol.2000,111(1):1−14;US5,980,915号、US6,521,879号、US6,506,393号;US2003/0216355号;US2004/0242543号;Verma NK他著のAntimicrob.Agents Chemother.2004,48(8):3010−3015;Walochnik J他著のAntimicrob.Agents Chemother.2002,46(3):695−701;Seifert K他著のAntimicrob.Agents Chemother.2006,50(1):73−79]
原生動物疾病、特にリーシュマニア症及びシャーガス病に関して、組合せ療法の試みは、まれにしか報告されていない。ピクロリブとミルテフォシンとを組み合わせた効力は、Guptaとその同僚によって説明された(Gupta S他著のActa Trop.2005,94(1):41−47)。リゾリン脂質類似体とケトコナゾールのトリパノソーマ・クルジに対する強力な抗増殖性の相乗作用は、Santa−Ritaとその共同研究者によって議論の対象となった(Santa−Rita RM他著のJ.Antimicrob.Chemother.2005,55(5):780−784)。原生動物の寄生虫であるトリパノソーマ・クルジに対する抗増殖性リゾリン脂質類似体の作用機構は、Lira他によって解明され、Lira他は、ステロール生合成のインヒビターであるケトコナゾールによるインビトロ活性の増強作用を仮定している(Lira R他著のJ.Antimicrob.Chemother.2001,47(5):537−546)。Araujoとその同僚は、ベンゾニダゾールとケトコナゾールの組み合わせが実験的なシャーガス病の化学療法の効力を増強することを実証した(Araujo MS他著のJ.Antimicrob.Chemother.2000,45(6):819−824)。
【0023】
Kanetani/Kanaya F他は、長鎖のアルキルホスホリルコリン類の合成、生理化学的特性及び抗細菌特性を記載している。前記の著者は、研究された化合物が、事実上、エシェリキア・コリ及びスタフィロコッカス・アウレウスに対する抗細菌特性を示さないことを示している。しかしながら、それらの化合物の2つは、アスペルギルス・オリザエに対する抗真菌作用を示す(Kanetani/Kanaya F他著のNippon Kagaku Zasshi 1984,9:1452−1458)。Bergerとその同僚により、腫瘍退縮とウイルス感染細胞に対するデキサデシルホスホコリンの影響が研究された(Berger MR他著のJ.Cancer Res.Clin.Oncol.1993,119:541−548)。Ng他により、第四級二アンモニウム塩を用いて、抗真菌活性と真菌ホスホリパーゼ阻害との相関関係が調査された(Ng他著のJ.Med.Chem 2006,49:811−816)。Widmer他は、マウスのクリプトコックス症モデルにおけるヘキサデシルホスホコリンの殺真菌活性を記載している(Widmer F他著のAntimicrob.Agents Chemother.2006,50(2):414−421)。
【0024】
しかしながら、先行技術において知られるアルキルリン脂質とその使用は、まさに固有の欠点を示す。特に、細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルスの疾病に対する標準的な医薬品処置(APLなど)は、標的とされるべき微生物の耐性、適用されるべき化合物の高い毒性により引き起こされる重度の副作用並びに長い治療過程などの幾つかの欠点をはらんでいる。
【0025】
発明の説明
本発明の課題は、哺乳動物における、微生物、特に細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルスによって引き起こされる疾病もしくは病態生理学的な状態の治療のために使用できる新規のアルキルリン脂質を提供することである。本発明のもう一つの課題は、抗腫瘍特性を示し、かつ哺乳動物における腫瘍の治療のために使用できる新規のアルキルリン脂質を提供することである。本発明の更なる課題は、哺乳動物における、微生物、特に原生動物によって引き起こされる疾病もしくは病態生理学的な状態の治療のための、アルキルリン脂質誘導体と好適な公知の薬剤との新規の組合せ療法を提供することである。
【0026】
本発明の課題は、驚くべきことに、一態様においては、式(I)
【化1】

[式中、
W、X、Yは、無関係に、"酸素原子、硫黄原子"からなる群から選択される;
R1は、"−[(CR3R4)m−Z]n−R5"である;
R2は、"−(CR6R7)p−R8"である;
R3及びR4は、互いに無関係に、"水素原子;置換もしくは非置換のC1〜C12−アルキル、置換もしくは非置換の(C1〜C12−アルキル)q−A−(C1〜C18−アルキル)r、−OH、置換もしくは非置換の−C(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−OC(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−NHCO−C1〜C12−アルキル、置換もしくは非置換の−N(C1〜C12−アルキル)CO−C1〜C12−アルキル"からなる群から選択される;もしくは
場合により、R3及びR4は、一緒になって、"酸素原子、硫黄原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する3、4、5、6、7もしくは8個の環原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の複素環式の環系を形成する;
R5は、無関係に、"置換もしくは非置換のC8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−C(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換のステロイド部"からなる群から選択される;
R6及びR7は、互いに無関係に、"水素原子、−OH、ハロゲン原子、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、C1〜C6−アルキル、−CF3、−N3、−NH2、−NO2、−OCF3、−SH"からなる群から選択される;もしくは
場合により、R6及びR7は、一緒になって、3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系を形成する;もしくは
場合により、pが1である場合に、"−(CR6R7)p"は、R6及びR7によって一緒になって形成された3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系であってもよい;
R8は、"−VR9R10R11;置換もしくは非置換の複素環"からなる群から選択され、その際、複素環は、以下の(i)から(iii)のいずれかである:
(i)5員、6員もしくは7員の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の単環式の炭素原子環系であって、"窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ヒ素原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有するが、但し、少なくとも1つのヘテロ原子は、第四級窒素原子もしくは第四級ヒ素原子である炭素原子環系、もしくは
(ii)7員、8員、9員、10員、11員もしくは12員の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の二環式の炭素原子環系であって、"窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ヒ素原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有するが、但し、少なくとも1つのヘテロ原子は、第四級窒素原子もしくは第四級ヒ素原子である炭素原子環系、もしくは
(iii)トロピン部
その際、複素環の2つ以上の環原子は、付加的にアルキレン架橋を介して結合されていてよく、かつ複素環は、置換されている場合には、少なくとも1つの基R12で置換されており、該基R12は、その基が2つ以上の場合には、互いに無関係に、同一、部分的に同一もしくは異なっている;
R9、R10、R11、R12は、互いに無関係に、"水素原子、置換もしくは非置換のC1〜C18−アルキル、置換もしくは非置換のC3〜C8−シクロアルキル、置換もしくは非置換の(C1〜C12−アルキル)s−B−(C1〜C12−アルキル)t−C−(C1〜C12−アルキル)u、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアルコキシ、−OH、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、=O、−C(O)O−C1〜C12−アルキル、−C(O)O−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)−C1〜C12−アルキル、−C(O)−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクリル"からなる群から選択される;かつ
場合により、2つの置換基R12は、一緒になって、3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系を形成する;
Zは、無関係に、"酸素原子;硫黄原子"からなる群から選択される;
Vは、無関係に、"窒素原子、ヒ素原子"からなる群から選択される;
A、B、Cは、互いに無関係に、"酸素原子;硫黄原子;S(O2)"からなる群から選択される;
mは、無関係に、1、2もしくは3である;
nは、無関係に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10であり、有利には0、1、2もしくは3である;
pは、無関係に、0、1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には0、1、2もしくは3である;
q、r、s、t、uは、互いに無関係に、0もしくは1である]で示されるアルキルリン脂質誘導体であって、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体を提供することによって解決された。
【0027】
R1が"−[(CR3R4)m−Z]n−R5"であり、かつnが≧2である場合に、それぞれの"−[(CR3R4)m−Z]"基について、Z、R3及びR4は、同一、部分的に同一もしくは異なっていてよく、例えば"−CH2−O−CHCH3−S−CH2−O−"である。
【0028】
好ましい一実施態様においては、前記の式(I)によるアルキルリン脂質誘導体であって、式中、pが0であり、R2がR8であり、R8が"置換もしくは非置換の複素環"であり、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体が提供される。
【0029】
好ましいもう一つの実施態様においては、前記の式(I)によるアルキルリン脂質誘導体であって、式中、pが無関係に1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には2もしくは3であり、R8が"置換もしくは非置換の複素環"であり、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体が提供される。
【0030】
好ましい更なるもう一つの実施態様においては、前記の式(I)によるアルキルリン脂質誘導体であって、式中、pが無関係に1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には2もしくは3であり、R8が"−VR9R10R11"であり、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体が提供される。
【0031】
好ましい更なる一実施態様においては、前記の式(I)によるアルキルリン脂質誘導体であって、式中、R1がR5であり、nが0であり、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体が提供される。
【0032】
好ましいもう一つの実施態様においては、前記の式(I)によるアルキルリン脂質誘導体であって、式中、mが2もしくは3であり、nが1もしくは2であり、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用できるアルキルリン脂質誘導体が提供される。
【0033】
もう一つの態様において、本発明の課題は、驚くべきことに、以下の化合物1〜317からなる群から選択される新規のアルキルリン脂質誘導体を提供することによって解決された:
これらのアルキルリン脂質誘導体(化合物1〜317)は、哺乳動物における、微生物によって引き起こされる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができる。
【0034】
不確かさを避けるために、前記の説明された化合物の化学名及び化学構造が瑕疵により対応しないのであれば、その化学構造は、その化合物を明確に定義するものと見なす。
【0035】
好ましい一実施態様においては、前記の全ての、一般的にもしくは明確に開示されたアルキルリン脂質誘導体は、式(I)の好ましい部分集合と化合物1〜317を含み、以下で、本発明の化合物として呼称し、本発明の化合物は、哺乳動物における、"細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルス"からなる群から選択される微生物によって引き起こされる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができる。
【0036】
前記の本発明の化合物の説明に示された用語は、常に、明細書又は特許請求の範囲に特に記載がない限りは、以下の意味を有する:
【化2】

【0037】
【化3】

【0038】
【化4】

【0039】
【化5】

【0040】
【化6】

【0041】
【化7】

【0042】
【化8】

【0043】
【化9】

【0044】
【化10】

【0045】
【化11】

【0046】
【化12】

【0047】
【化13】

【0048】
【化14】

【0049】
【化15】

【0050】
【化16】

【0051】
【化17】

【0052】
【化18】

【0053】
【化19】

【0054】
【化20】

【0055】
【化21】

【0056】
【化22】

【0057】
【化23】

【0058】
【化24】

【0059】
【化25】

【0060】
【化26】

【0061】
【化27】

【0062】
【化28】

【0063】
【化29】

【0064】
【化30】

【0065】
【化31】

【0066】
【化32】

【0067】
【化33】

【0068】
【化34】

【0069】
【化35】

【0070】
【化36】

【0071】
【化37】

【0072】
【化38】

【0073】
【化39】

【0074】
【化40】

【0075】
【化41】

【0076】
【化42】

【0077】
【化43】

【0078】
【化44】

【0079】
【化45】

【0080】
【化46】

【0081】
【化47】

【0082】
【化48】

【0083】
【化49】

【0084】
【化50】

【0085】
【化51】

【0086】
【化52】

【0087】
【化53】

【0088】
【化54】

【0089】
【化55】

【0090】
【化56】

【0091】
用語"非置換"とは、相応の残基、基もしくは部が置換基を有さないことを意味する。
【0092】
用語"置換"とは、相応の残基、基もしくは部が1つ以上の置換基を有することを意味する。1つの残基が複数の置換基を有し、かつ様々な置換基の選択肢が明記されている場合に、それらの置換基は、互いに無関係に選択され、同一である必要はない。
【0093】
用語"アルキル"は、本発明の目的のためには、非環式の及び環式の、飽和の、不飽和のもしくは部分的に不飽和の炭化水素であって、直鎖状もしくは分枝鎖状もしくは環式であってよいものを含むか、又は直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素系の部分としての環式の炭化水素であって、1つ以上の二重結合及び/又は三重結合を有してよいものも含む。この関連で、C1〜C6−アルキル、C1〜C12−アルキル、C1〜C18−アルキル、C8〜C30−アルキルなどは、1〜6個の、1〜12個の、1〜18個の、8〜30個の炭素原子などを有する前記定義のものを指す。
【0094】
好適なアルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、2−もしくは3−メチル−ペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、n−イコサニル、n−ドコサニル、エチルエニル(ビニル)、プロペニル(−CH2CH=CH2;−CH=CH−CH3、−C(=CH)−CH3)、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタデセニル、オクタデセ−9−エニル、イコセニル、イコセ−11−エニル、(Z)−イコセ−11−エニル、ドコセニル、ドコセ−13−エニル、(Z)−ドコセ−13−エニル、エチニル、プロピニル(−CH2−C=CH、−C=C−CH3)、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクタジエニルである。
【0095】
用語"C3〜C8−シクロアルキル"は、3〜8個の炭素原子を有する、飽和のもしくは部分的に不飽和の、非芳香族の環式の炭化水素基/残基であって、場合により、ここで定義した意味を有するアルキル基を介して結合されていてよいもの、有利にはC3〜C8−シクロアルキル−C1〜C4−アルキル残基を表す。係る"C3〜C8−シクロアルキル"残基は、任意の環員を介して結合されていてよい。
【0096】
好適なシクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロオクタジエニル、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキセニルエチルである。
【0097】
本発明の目的のためには用語"ステロイド部"は、例えばK.Peter C.Vollhardtによる"Organische Chemie"(VCH Weinheim,第1改訂再版、1990年、第1版 1988,ISBN3−527−26912−6)の第131頁に概説される基本ステロイド構造を指す。係る"ステロイド部"は、該部の任意の原子を介して結合されていてよい。
【0098】
用語"アリール"は、3〜14個の、有利には5〜14個の炭素原子を有する芳香族炭化水素を指す。また、用語"アリール"は、芳香族環が二環式もしくは多環式の、飽和の、部分的に不飽和の及び/又は芳香族の系の一部である系、例えば芳香族環が、ここで定義された"アリール"、"C3〜C8−シクロアルキル"、"ヘテロアリール"もしくは"ヘテロシクリル"基に、該アリール基の任意の所望の可能な環員を介して縮合されている系をも含む。係る"アリール"残基は、任意の環員を介して結合されていてよい。"アリール"の例は、とりわけ、フェニル、ビフェニル、ナフチル及びアントラセニルであるが、またインダニル、インデニル又は1,2,3,4−テトラヒドロナフチルである。用語"アリール"は、また、アリール基がC1〜C18−アルキル基、有利にはC1〜C12−アルキル基を介して結合されている残基を含むことを意図する。最も好ましいのは、アリール−C1〜C4−アルキル残基、有利にはベンジルもしくはフェニルエチル残基である。
【0099】
用語"ヘテロアリール"は、5員、6員又は7員の環式の芳香族基であって、少なくとも1個、適宜、2個、3個、4個又は5個のヘテロ原子、有利には窒素、酸素及び/又は硫黄を有する基を指し、その際、ヘテロ原子は同一又は異なる。窒素原子の数は、有利には0、1、2もしくは3であり、かつ酸素原子及び硫黄原子の数は、無関係に、0もしくは1である。また、用語"ヘテロアリール"は、芳香族環が二環式もしくは多環式の、飽和の、部分的に不飽和の及び/又は芳香族の系の一部である系、例えば芳香族環が、ここで定義された"アリール"、"C3〜C8−シクロアルキル"、"ヘテロアリール"もしくは"ヘテロシクリル"基に、該ヘテロアリール基の任意の所望の可能な環員を介して縮合されている系をも含む。係る"ヘテロアリール"残基は、任意の環員を介して結合されていてよい。"ヘテロアリール"の例は、ピロリル、チエニル、フリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリダジニル、フタラジニル、インダゾリル、インドリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、アクリジニルを含む。用語"ヘテロアリール"は、また、ヘテロアリール基がC1〜C18−アルキル基、有利にはC1〜C12−アルキル基を介して結合されている残基を含むことを意図する。最も好ましいのは、ヘテロアリール−C1〜C4−アルキル残基、有利にはインドリル−C1〜C4−アルキル残基、例えば1H−インドール−3−イル−メチルもしくは2−(1H−インドール−3−イル)−エチルである。
【0100】
用語"ヘテロシクリル"は、炭素原子と、1、2、3、4もしくは5個のヘテロ原子、特に窒素、酸素及び/又は硫黄を同一もしくは異なって有する、3〜20個の、有利には5もしくは6個ないし14個の環原子の単環式もしくは多環式の系を指す。該環系は、飽和、一不飽和もしくは多不飽和であってよいが、芳香族でなくてもよい。少なくとも2個の環からなる環系の場合に、該環は、縮合されていても、又はスピロ結合もしくは他の結合がなされていてもよい。係る"ヘテロシクリル"残基は、任意の環員を介して結合されていてよい。また、用語"ヘテロシクリル"は、また、複素環が二環式もしくは多環式の、飽和の、部分的に不飽和の及び/又は芳香族の系の一部である系、例えば芳香族環が、ここで定義された"アリール"、"C3〜C8−シクロアルキル"、"ヘテロアリール"もしくは"ヘテロシクリル"基に、該ヘテロシクリル基の任意の所望の可能な環員を介して縮合されている系をも含む。"ヘテロシクリル"の例は、ピロリジニル、チアピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサピペラジニル、オキサピペリジニル、オキサジアゾリル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロピラニルを含む。用語"ヘテロシクリル"は、また、ヘテロシクリル基がC1〜C18−アルキル基、有利にはC1〜C12−アルキル基を介して結合されている残基を含むことを意図する。最も好ましいのは、ヘテロシクリル−C1〜C4−アルキル残基である。
【0101】
用語"アルコキシ"は、"アルキル"、"C3〜C8−シクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"及び/又は"ヘテロシクリル"基が、酸素原子(−O−基)を介して結合されており、"アルキル"、"C3〜C8−シクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"及び"ヘテロシクリル"がここに定義される意味を有する残基を指す。
【0102】
用語"ハロゲン"、"ハロゲン原子"又は"ハロゲン置換基"(Hal−)は、1個の、適宜、複数のフッ素(F、フルオロ)原子、臭素(Br、ブロモ)原子、塩素(Cl、クロロ)原子又はヨウ素(I、ヨード)原子を指す。表記"ジハロゲン"、"トリハロゲン"及び"ペルハロゲン"は、それぞれ2個、3個及び4個の置換基であって、それぞれの置換基が、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から無関係に選択できる置換基を指す。"ハロゲン"は、有利には、フッ素原子、塩素原子又は臭素原子を意味する。
【0103】
"ステロイド部"、"アルキル"、特にC1〜C6−アルキル、C1〜C12−アルキル、C1〜C18−アルキル、C8〜C30−アルキル、"C3〜C8−シクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"ヘテロシクリル"、"複素環"及び"アルコキシ"に関連する用語"置換"は、発明の詳細な説明もしくは特許請求の範囲において特に記載がない限り、1つ以上の水素原子を、"−NO2、−NO、−CN、−OH、ハロゲン、F、Cl、Br、I、−NH2、−NHNH2、−N3、−SH、−SO3H、−COOH、−CONH2、−CHO、−CHNOH、−NH−C(NH2)=NH、−C(NH2)=NH、−CF3、−OCF3、−OSO3H、−OP(O)(OH)2、−P(O)(OH)2、−NH−C1〜C12−アルキル、−N(C1〜C12−アルキル)2、−NH−アリール、−N(アリール)2、−N−A5A6、−NH−C(NH2)=N−C1〜C12−アルキル、−C(NH2)=N−C1〜C12−アルキル、−NH−C(NH2)=N−アリール、−C(NH2)=N−アリール、−OP(O)(O−C1〜C12−アルキル)2、−OP(O)(O−アリール)2、−OP(O)(O−ヘテロアリール)2、−OP(O)(O−A7)(O−A8)、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−C3〜C8−シクロアルキル、−O−ヘテロシクリル、−S−C1〜C12−アルキル、−S−アリール、−S−ヘテロアリール、−S−C3〜C8−シクロアルキル、−S−ヘテロシクリル、−SO−C1〜C12−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO−C3〜C8−シクロアルキル、−SO−ヘテロシクリル、−SO2−C1〜C12−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、−SO2−C3〜C8−シクロアルキル、−SO2−ヘテロシクリル、−SO3−C1〜C12−アルキル、−SO3−アリール、−SO3−ヘテロアリール、−SO3−C3〜C8−シクロアルキル、−SO3−ヘテロシクリル、−OC(O)−C1〜C12−アルキル、−OC(O)−C3〜C8−シクロアルキル、−OC(O)−アリール、−OC(O)−ヘテロシクリル、−OC(O)−ヘテロアリール、−C(O)−C1〜C12−アルキル、−C(O)−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロシクリル、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)O−C1〜C12−アルキル、−C(O)O−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)O−ヘテロアリール、−OC(O)NH−C1〜C12−アルキル、−OC(O)NH−C3〜C8−シクロアルキル、−OC(O)NH−アリール、−OC(O)NH−ヘテロアリール、−OC(O)NH−ヘテロシクリル、−OC(O)N−A1A2、−OC(O)N−ヘテロシクリル、−C(O)NH−C1〜C12−アルキル、−C(O)NH−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−ヘテロアリール、−C(O)NH−ヘテロシクリル、−C(O)N−A3A4、−C(O)N−ヘテロシクリル、C1〜C12−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル"(式中、A1、A2、A3、A4、A5、A6、A7、A8、A9、A10は、無関係に、"C1〜C12−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル"からなる群から選択される)からなる群から無関係に選択される置換基によって無関係に交換/置換されていることを意味する。
【0104】
本発明の目的のためには、前記の微生物の群の説明について指摘された用語は、常に、発明の詳細な説明もしくは特許請求の範囲に特に記載がない限りは、以下の意味を有する:
用語"複数の細菌"もしくは"細菌"は、全ての既知の好気性細菌、絶対的/選好性の嫌気性細菌及び通性嫌気性細菌を含むことを意図している。これらは、グラム陽性菌株もしくはグラム陰性菌株のいずれであってもよく、又はグラム染色が困難であってもよく(異型)、また胞子形成細菌及び細菌性胞子をも含み、例えばアクチノバクテリア門(Actinobacteria)、アキフェックス門(Aquificae)、バクテロイデス門/緑色硫黄細菌門(Bacteroidetes/Chlorobi)、クラミディア門/ヴェルコミクロビウム門(Chlamydiae/Verrucomicrobia)、緑色非硫黄細菌門(Chloroflexi)、クリシオゲネス門(Chrysiogenetes)、シアノバクテリア門(Cyanobacteria)、デフェリバクター門(Deferribacteres)、デイノコックス・テルムス門(Deinococcus−Thermus)、ディクチオグロムス門(Dictyoglomi)、フィブロバクター門/アシドバクテリア門(Fibrobacteres/Acidobacteria)、グラム陽性細菌門(Firmicutes)、フソバクテリウム門(Fusobacteria)、ゲマティモナス門(Gemmatimonadetes)、ニトロスピラ門(Nitrospirae)、オムニバクテリア門(Omnibacteria)、プランクトミセス門(Planctomycetes)、プロテオバクテリア門(Proteobacteria)、スピロケータ門(Spirochaetes)、テルモデスルフォバクテリウム門(Thermodesulfobacteria)、サーモミクロビア門(Thermomicrobia)及び/又はサーモトガ門(Thermotogae)のメンバーであってよい。
【0105】
係る細菌の例は、アシネトバクター種(Acinetobacter spp.)、アクチノバシラス種(Actinobacillus spp.)、アクチノマイセス種(Actinomyces spp.)、アエロモナス種(Aeromonas spp.)、アグロバクテリウム種(Agrobacterium spp.)、アルカリゲネス種(Alcaligenes spp.)、アナプラズマ種(Anaplasma spp.)、アキフェックス種(Aquifex spp.)、バシラス種(Bacillus spp.)、バクテロイデス種(Bacteroides spp.)、ビフィドバクテリウム種(Bifidobacterium spp.)、ボルデテラ種(Bordetella spp.)、ボレリア種(Borrelia spp.)、ブラジリゾビウム種(Bradyrhizobium spp.)、ブランハメラ種(Branhamella spp.)、ブルセラ種(Brucella spp.)、ブフネラ種(Buchnera spp.)、ブルクホルデリア種(Burkholderia spp.)、カンピロバクター種(Campylobacter spp.)、カプノサイトファガ種(Capnocytophaga spp.)、カルジオバクテリウム種(Cardiobacterium spp.)、カウロバクター種(Caulobacter spp.)、クラミディア種(Chlamydia spp.)、クラミドフィラ種(Chlamydophila spp.)、クロロビウム種(Chlorobium spp.)、シトロバクター種(Citrobacter spp.)、クロストリジウム種(Clostridium spp.)、コリネバクテリウム種(Corynebacterium spp.)、コキシエラ種(Coxiella spp.)、デイノコッカス種(Deinococcus spp.)、エールリッヒア種(Ehrlichia spp.)、エイケネラ種(Eikenella spp.)、エンテロバクター種(Enterobacter spp.)、エンテロコッカス種(Enterococcus spp.)、エリシペロトリックス種(Erysipelothrix spp.)、エシェリキア種(Escherichia spp.)、フランシセラ種(Francisella spp.)、フソバクテリウム種(Fusobacterium spp.)、ガルドネレラ種(Gardnerella spp.)、ゲメラ種(Gemella spp.)、ハエモフィルス種(Haemophilus spp.)、ヘリコバクター種(Heliobacter spp.)、キンゲラ種(Kingella spp.)、キタサトスポラ種(Kitasatospora spp.)、クレブシエラ種(Klebsiella spp.)、ラクトバシラス種(Lactobacillus spp.)、レジオネラ種(Legionella spp.)、レプトスピラ(Leptospira spp.)、リステリア種(Listeria spp.)、マンハイミア種(Mannheimia spp.)、メソリゾビウム種(Mesorhizobium spp.)、モラキセラ種(Moraxella spp.)、モルガネラ種(Morganella spp.)、マイコバクテリウム種(Mycobacterium spp.)、マイコプラズマ種(Mycoplasma spp.)、ネイセリア種(Neisseria spp.)、ネオリケッチア種(Neorickettsia spp.)、ニトロソモナス種(Nitrosomonas spp.)、ノカルディア種(Nocardia spp.)、オセアノバシラス種(Oceanobacillus spp.)、オリエンチア種(Orientia spp.)、パラコッカス種(Paracoccus spp.)、パスツーレラ種(Pasteurella spp.)、ペプトストレプトコッカス種(Peptostreptococcus spp.)、プラスモジウム種(Plasmodium spp.)、プレシオモナス種(Plesiomonas spp.)、ポルフィロモナス種(Porphyromonas spp.)、プレボテラ種(Prevotella spp.)、プロピオニバクテリウム種(Propionibacterium spp.)、プロテウス種(Proteus spp.)、プロビデンシア種(Providencia spp.)、シュードモナス種(Pseudomonas spp.)、サイコバクター種(Psychobacter spp.)、ラルストニア種(Ralstonia spp.)、ロドバクター種(Rhodobacter spp.)、ロドコッカス種(Rhodococcus spp.)、リケッチア種(Rickettsia spp.)、サルモネラ種(Salmonella spp.)、セラチア種(Serratia spp.)、シェバネラ種(Shewanella spp.)、シゲラ種(Shigella spp.)、スピリルム種(Spirillum spp.)、スタフィロコッカス種(Staphylococcus spp.)、ステノトロフォモナス種(Stenotrophomonas spp.)、ストレプトバシラス種(Streptobacillus spp.)、ストレプトコッカス種(Streptococcus spp.)、ストレプトマイセス種(Streptomyces spp.)、シネココッカス種(Synechococcus spp.)、シネコシスティス種(Synechocystis spp.)、タンネレラ種(Tannerella spp.)、サーモアナエロバクター種(Thermoanaerobacter spp.)、サーモトガ種(Thermotoga spp.)、トレポネマ種(Treponema spp.)、トロフェリマ種(Tropheryma spp.)、ウレアプラズマ種(Ureaplasma spp.)、ベイロネラ種(Veillonella spp.)、ビブリオ種(Vibrio spp.)、ウィグルスウォルチア種(Wigglesworthia spp.)、ウォルバヒア種(Wolbachia spp.)、キサントモナス種(Xanthomonas spp.)、キシレラ種(Xylella spp.)、エルシニア種(Yersinia spp.)及び/又はザイモモナス種(Zymomonas spp)である。
【0106】
係る細菌の更なる例は、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、アシネトバクター・ヘモリチクス(Acinetobacter haemolyticus)、アクチノバシラス・アクチノマイセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アクチノバシラス・プリューロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumoniae)、アクチノマイセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)、アエロモナス・ヒドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アルカリゲネス・キシロソキシダンス(Alcaligenes xylosoxidans)、アナプラズマ・ファゴサイトフィルム(Anaplasma phagocytophilum)、アキフェックス・アエオリクス(Aquifex aeolicus)、バシラス・アントラシス(Bacillus anthracis)、バシラス・セレウス(Bacillus cereus)、バシラス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・シータイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、バルトネラ・バシリフォルミス(Bartonella bacilliformis)、バルトネラ・ヘンセラエ(Bartonella henselae)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ボルデテラ・ブロンキセプティカ(Bordetella bronchiseptica)、ボルデテラ・ペルツシス(Bordetella pertussis)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ボレリア・レクレンティス(Borrelia recurrentis)、ブラジリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、ブランハメラ・カタラリス(Branhamella catarrhalis)、ブルセラ・アボルツス(Brucella abortus)、ブルセラ・カニス(Brucella canis)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、ブフネラ・アフィジコラ(Buchnera aphidicola)、ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、ブルクホルデリア・マレイ(Burkholderia mallei)、ブルクホルデリア・シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)、カンピロバクター・フェツス(Campylobacter fetus)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カプノサイトファガ・グラニュロサ(Capnocytophaga granulosa)、カプノサイトファガ・ヘモリティカ(Capnocytophaga haemolytica)、カルジオバクテリウム・ホミニス(Cardiobacterium hominis)、カウロバクター・クレセンツス(Caulobacter crescentus)、カウロバクター・ビブリオイデス(Caulobacter vibrioides)、クラミディア・ムリダルム(Chlamydia muridarum)、クラミディア・ニューモニアエ(Chlamydia pneumoniae)、クラミディア・プシタシ(Chlamydia psittaci)、クラミディア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、クラミドフィラ・カビアエ(Chlamydophila caviae)、クラミドフィラ・ニューモニアエ(Chlamydophila pneumoniae)、クラミドフィラ・プシタシ(Chlamydophila psittaci)、クロロビウム・テピヅム(Chlorobium tepidum)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、クロストリジウム・アセトブチリクム(Clostridium acetobutylicum)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、クロストリジウム・ノヴィイ(Clostridium novyi)、クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)、コリネバクテリウム・ジフテリアエ(Corynebacterium diphtheriae)、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)、コキシエラ・ブルネチイ(Coxiella burnetii)、デイノコッカス・ラジオデュランス(Deinococcus radiodurans)、エールリヒア・カニス(Ehrlichia canis)、エールリヒア・チャフェンシス(Ehrlichia chaffensis)、エイケネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、エンテロバクター・クロアサエ(Enterobacter cloacae)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・ファエシウム(Enterococcus faecium)、エリシペロトリックス・ルシオパチアエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、エシェリキア・コリO157:1−17、フランシセラ・ツラレンシス(Francisella tularensis)、フランシセラ・ツラレンシス・ツラレンシス(Francisella tularensis tularensis)、フソバクテリウム・ネクロフォルム(Fusobacterium necrophorum)、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleatum)、ガルドネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)、ゲメラ・モルビロルム(Gemella morbillorum)、ハエモフィルス・デュクレイイ(Haemophilus ducreyi)、ハエモフィルス・インフルエンザエ(Haemophilus influenzae)、ハエモフィルス・パラインフルエンザエ(Haemophilus parainfluenzae)、ヘリコバクター・ピロリ(Heliobacter pylori)、キンゲラ・キンギイ(Kingella kingii)、キタサトスポラ・グリセオラ(Kitasatospora griseola)、クレブシエラ・アエロゲネス(Klebsiella aerogenes)、クレブシエラ・グラニュロマティス(Klebsiella granulomatis)、クレブシエラ・ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae)、クレブシエラ・ニューモニアエ・オザエナエ(Klebsiella pneumoniae ozaenae)、クレブシエラ・ニューモニアエ・ニューモニアエ(Klebsiella pneumoniae pneumoniae)、クレブシエラ・ニューモニアエ・リノスクレロマティス(Klebsiella pneumoniae rhinoscleromatis)、ラクトバシラス・アビアリウス(Lactobacillus aviarius)、ラクトバシラス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、レプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)、レプトスピラ・ノグチイ(Leptospira noguchii)、リステリア・イノクア(Listeria innocua)、リステリア・イヴァノヴィイ(Listeria ivanovii)、リステリア・イヴァノヴィイ・イヴァノヴィイ(Listeria ivanovii ivanovii)、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)、マンハイミア・ヘモリティカ(Mannheimia haemolytica)、メソリゾビウム・ロチ(Mesorhizobium loti)、モラキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)、モルガネラ・モルガニイ・モルガニイ(Morganella morganii morganii)、マイコバクテリウム・アブセッサス(Mycobacterium abscessus)、マイコバクテリウム・アフリカヌム(Mycobacterium africanum)、マイコバクテリウム・アヴィウム(Mycobacterium avium)、マイコバクテリウム・アヴィウム・パラツベルクロシス(Mycobacterium avium paratuberculosis)、マイコバクテリウム・ボビス(Mycobacterium bovis)、マイコバクテリウム・ボビス・ボビス(Mycobacterium bovis bovis)、マイコバクテリウム・ボビス・カプラエ(Mycobacterium bovis caprae)、マイコバクテリウム・チェロナエ(Mycobacterium chelonae)、マイコバクテリウム・フォーチュイツム(Mycobacterium fortuitum)、マイコバクテリウム・イントラセルラレ(Mycobacterium intracellulare)、マイコバクテリウム・カンサイイ(Mycobacterium kansasii)、マイコバクテリウム・レプラエ(Mycobacterium leprae)、マイコバクテリウム・マルモエンセ(Mycobacterium malmoense)、マイコバクテリウム・マリヌム(Mycobacterium marinum)、マイコバクテリウム・スクロフラセウム(Mycobacterium scrofulaceum)、マイコバクテリウム・スメグマティス(Mycobacterium smegmatis)、マイコバクテリウム・ツベルクロシス(Mycobacterium tuberculosis)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)、マイコプラズマ・ゲニタリウム(Mycoplasma genitalium)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ペネトランス(Mycoplasma penetrans)、マイコプラズマ・ニューモニアエ(Mycoplasma pneumoniae)、ネイッセリア・ゴノロエアエ(Neisseria gonorrhoeae)、ネイッセリア・メニンギチディス(Neisseria meningitidis)、ネオリケッチア・センネツ(Neorickettsia sennetsu)、ニトロソモナス・ユーロパエア(Nitrosomonas europaea)、ノカルディア・アルトリチディス(Nocardia arthritidis)、ノカルディア・アステリオデス(Nocardia asteriodes)、ノカルディア・シリアシゲオルジカ(Nocardia cyriacigeorgica)、オセアノバシラス・イヘエンシス(Oceanobacillus iheyensis)、オリエンチア・ツツガムシ(Orientia tsutsugamushi)、パラコッカス・ゼアキサンチニファシエンス(Paracoccus zeaxanthinifaciens)、パ
スツーレラ・ヘモリティカ(Pasteurella haemolytica)、パスツーレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ペプトストレプトコッカス・パルヴルス(Peptostreptococcus parvulus)、ペプトストレプトコッカス・テトラジウス(Peptostreptococcus tetradius)、ペプトストレプトコッカス・バギナリス(Peptostreptococcus vaginalis)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、ポルフィロモナス・ギンギバリス(Porphyromonas gingivalis)、プレボテラ・インテルメディア(Prevotella intermedia)、プレボテラ・メラニノゲニカ(Prevotella melaninogenica)、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、プロビデンシア・アルカリファシエンス(Providencia alcalifaciens)、プロビデンシア・フリーデンシアナ(Providencia friedericiana)、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas alcaligenes)、シュードモナス・フルレッセンス(Pseudomonas flurescens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・スツッツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、ラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum)、ロドバクター・カプスラツス(Rhodobacter capsulatus)、ロドコッカス・エキイ(Rhodococcus equi)、リケッチア・アカリ(Rickettsia akari)、リケッチア・プロワゼキイ(Rickettsia prowazekii)、リケッチア・チケチイ(Rickettsia rickettsii)、リケッチア・タイフィイ(Rickettsia typhi)、サルモネラ・コレラエスイス(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、サルモネラ・エンテリチディス(Salmonella enteritidis)、サルモネラ・パラタイフィイ(Salmonella paratyphi)、サルモネラ・タイフィイ(Salmonella typhi)、サルモネラ・タイフィムリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセッセンス(Serratia marcescens)、シェワネラ・オネイデンシス(Shewanella oneidensis)、シェワネラ・プトレファシエンス(Shewanella putrefaciens)、シゲラ・ジセンテリアエ(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレクスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、シノリゾビウム・メリロチ(Sinorhizobium meliloti)(リゾビウム・メリロチ(Rhizobium meliloti))、スピリルム・マイナス(Spirillum minus)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、スタフィロコッカス・ヘモリティクス(Staphylococcus hemolyticus)、スタフィロコッカス・サプロフィティクス(Staphylococcus saprophyticus)、ステノトロフォモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophilia)、ストレプトバシラス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ファエカリス(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ミレリ(Streptococcus milleri)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)、ストレプトコッカス・ヴィリダンス(Streptococcus viridans)、ストレプトマイセス・アヴェルミチリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・ハイグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)、ストレプトマイセス・リヴィダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトマイセス・リシリエンシス(Streptomyces rishiriensis)、シネココッカス・エロンガテス(Synechococcus elongates)、シネココッカス・レオポリエンシス(Synechococcus leopoliensis)、タンエレラ・フォルシンテンシス(Tannerella forsynthensis)、サーモアナエロバクター・テングコンゲンシス(Thermoanaerobacter tengcongensis)、サーモトガ・マリチメ(Thermotoga maritime)、トレポネマ・カラテウム(Treponema carateum)、トレポネマ・デンチコラ(Treponema denticola)、トレポネマ・エンデミクム(Treponema endemicum)、トレポネマ・パリヅム(Treponema pallidum)、トレポネマ・ペテヌエ(Treponema petenue)、トロフェリマ・ウィップレイ(Tropheryma whipplei)、ウレアプラズマ・ウレアリティクム(Ureaplasma urealyticum)、ベイロネラ・アルカレッセンス・アルカレッセンス(Veillonella alcalescens alcalescens)、ベイロネラ・パルブラ・アチピカ(Veillonella parvula atypica)、ビブリオ・コレラエ(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティクス(Vibrio parahemolyticus)、ビブリオ・ヴルニフィクス(Vibrio vulnificus)、ウィグレスウォルチア・グロスインディア(Wigglesworthia glossinidia)、キサントモナス・アクソノポディス(Xanthomonas axonopodis)、キサントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、キサントモナス・マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)、キシレラ・ファスチヂオサ(Xylella fastidiosa)、エルシニア・エンテロコリティカ(Yersinia enterocolitica)、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)、エルシニア・シュードツベルクロシス(Yersinia pseudotuberculosis)及び/又はザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)である。
【0107】
細菌を、"グラム陽性"、"グラム陰性"もしくは"グラム染色が困難な細菌(異型)"に分類すること、並びに好気的状態もしくは嫌気的状態の決定は、当業者によってその専門知識に基づき、例えば好適な染色及び通常の実験に過ぎない代謝アッセイによって、容易に実施することができる。
【0108】
この関連で、用語"グラム陰性"は、本発明のなかでは、グラム染色できない細菌並びにグラム染色が困難な細菌(異型)を含むことを意図している。それに対して、用語"グラム陽性"は、細菌に関連して、本発明の目的のためには、グラム染色できる、及び/又はグラム陽性であると知られる全ての細菌を含むことを意図している。
【0109】
用語"真菌"は、真菌界の全ての公知の単細胞及び/又は多細胞のメンバー、例えばツボカビ門(Chytridiomycota)、接合菌門(Zygomycota)、グロムス菌門(Glomeromycota)、子嚢菌門(Ascomycota)及び/又は担子菌門(Basidiomycota)に加えて、粘菌門(Myxomycota)、卵菌門(Oomycota)及び/又はサカゲツボカビ門(Hypochytriomycota)を含むことを意図している。
【0110】
係る真菌の例は、アブシディア種(Absidia spp.)、アクレモニウム種(Acremonium spp.)、アルタナリア種(Alternaria spp.)、アスペルギルス種(Aspergillus spp.)、ビポラリス種(Bipolaris spp.)、カンディダ種(Candida spp.)、クラドフィアロフォラ種(Cladophialophora spp.)、クラドスポリウム種(Cladosporium spp.)、コッキディオイデス種(Coccidioides spp.)、コニオチリウム種(Coniothyrium spp.)、クリプトコッカス種(Cryptococcus spp.)、クニングハメラ種(Cunninghamella spp.)、クルブラリア種(Curvularia spp.)、エピデルモフィトン種(Epidermophyton spp.)、エキソフィアラ種(Exophiala spp.)、エキセロヒルム種(Exserohilum spp.)、フォンセカエア種(Fonsecaea spp.)、フサリウム種(Fusarium spp.)、ヒストプラズマ種(Histoplasma spp.)、ラカジア種(Lacazia spp.)、ラシオジプロディア種(Lasiodiplodia spp.)、レプトスファエリア種(Leptosphaeria spp.)、マデュレラ種(Madurella spp.)、ミクロスポルム種(Microsporum spp.)、ムコール種(Mucor spp.)、ムコラレス種(Mucorales spp.)、ネオテスツディナ種(Neotestudina spp.)、オクロコニス種(Ochroconis spp.)、オニココラ種(Onychocola spp.)、パエシロマイセス種(Paecilomyces spp.)、パラコッキディオイデス種(Paracoccidioides spp.)、ペニシリウム種(Penicillium spp.)、フィアロフォラ種(Phialophora spp.)、シューダレシェリア種(Pseudallesheria spp.)、ピレノカエタ種(Pyrenochaeta spp.)、リゾムコール種(Rhizomucor spp.)、リゾプス種(Rhizopus spp.)、スケドスポリウム種(Scedosporium spp.)、スコプラリオプシス種(Scopulariopsis spp.)、スシタリジウム種(Scytalidium spp.)、スポロトリクス種(Sporothrix spp.)、トリコフィトン種(Trichophyton spp.)及び/又はワンギエラ種(Wangiella spp.)である。
【0111】
係る真菌の更なる例は、アブシディア・コリムビフェラ(Absidia corymbifera)、アクレモニウム・ファルシフォルメ(Acremonium falciforme)、アクレモニウム・レシフェイ(Acremonium recifei)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・グラウクス(Aspergillus glaucus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、ビポラリス・オーストラリエンシス(Bipolaris australiensis)、カンディダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンディダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンディダ・クルセイ(Candida krusei)、カンディダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンディダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、クラドフィアロフォラ・バンティアナ(Cladophialophora bantiana)、クラドフィアロフォラ・カリオニイ(Cladophialophora carrionii)、コッキディオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)、コニオチリウム・フッケリイ(Coniothyrium fuckelii)、クリプトコッカス・ガチイ(Cryptococcus gattii)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、クニングハメラ・ベルトレチタエ(Cunninghamella bertholletitae)、エピデルモフィトン・フロッコスム(Epidermophyton floccosum)、エキソフィアラ・ジーンセルメイ(Exophiala jeanselmei)、エキソフィアラ・スピニフェラ(Exophiala spinifera)、フォンセカエア・コンパクタ(Fonsecaea compacta)、フォンセカエア・ペドロソイ(Fonsecaea pedrosoi)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、フサリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ヒストプラズマ・カプスラツム・カプスラツム(Histoplasma capsulatum capsulatum)、ヒストプラズマ・カプスラツム・ドゥボイシイ(Histoplasma capsulatum duboisii)、ラカジア・ロボイ(Lacazia loboi)、ラシオジプロディア・テオブロマエ(Lasiodiplodia theobromae)、レプトスファエリア・セネガレンシス(Leptosphaeria senegalensis)、マデュレラ・グリセア(Madurella grisea)、マデュレラ・マイセトマティス(Madurella mycetomatis)、ミクロスポルム・アウドウイニイ(Microsporum audouinii)、ミクロスポルム・カニス(Microsporum canis)、ミクロスポルム・ギプセウム(Microsporum gypseum)、ネオテスツディナ・ロサティイ(Neotestudina rosatii)、オクロコニス・ガロパヴァ(Ochroconis gallopava)、オニココラ・カナデンシス(Onychocola Canadensis)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)、パラコッキディオイデス・ブラシリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、フィアロフォラ・パラシティカ(Phialophora parasitica)、フィアロフォラ・レペンス(Phialophora repens)、フィアロフォラ・ベルコサ(Phialophora verrucosa)、シューダレシェリア・ボイディイ(Pseudallesheria boydii)、ピレノカエタ・ロメロイ(Pyrenochaeta romeroi)、リゾムコール・プシルス(Rhizomucor pusillus)、リゾプス・アリズス(Rhizopus arrhizus)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)、スケドスポリウム・アピオスペルムム(Scedosporium apiospermum)、スケドスポリウム・インフラツム(Scedosporium inflatum)、スケドスポリウム・プロリフィカンス(Scedosporium prolificans)、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)、スシタリジウム・ジミジアツム(Scytalidium dimidiatum)、スポロトリクス・シェンキイ(Sporothrix schenckii)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)、トリコフィトン・ショーンレイニイ(Trichophyton schoenleinii)、トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)及び/又はワンギエラ・デルマチティディス(Wangiella dermatitidis)である。
【0112】
用語"原生動物"は、胞子虫(Sporozoa)、簇虫(Gregarinida)、球虫(Coccida)、ピロプラズマ類(Piroplasminda)、バベシア属(Babesia)、微胞子虫(Microsporidia)、ギアルディア亜科(Giardiinae)、トリコモナス目(Trichomonadida)、ディプロモナス目(Diplomonadida)、超鞭毛虫類(Hypermastigida)、トリパノソーマ(Trypanosoma)、エントアメーバ科(Entamoebidae)、キネトプラスト亜門(Kinetoplasta)、トリポソマト科(Tryposomatidea)、トリポソマト科(Tryposomatidae)、アピコンプレックス門(Apicomplexa)、住血胞子虫目(Haemosporida)、プラスモジウム科(Plasmodiidae)、根足虫門(Rhizopoda)及び/又はアメーバ類(Amoebina)の全ての公知の単細胞及び/又は多細胞のメンバーを含むことを意図している。
【0113】
係る原生動物の例は、アカントアメーバ種(Acanthamoeba spp.)、アメーバ種(Amoeba spp.)、バベシア種(Babesia spp.)、バランチディウム(Balantidium spp.)、クリプトスポリジウム種(Cryptosporidium spp.)、シクロスポラ種(Cyclospora spp.)、ジエントアメーバ種(Dientamoeba spp.)、エキアメーバ種(Echinamoeba spp.)、エンドリマックス種(Endolimax spp.)、エントアメーバ種(Entamoeba spp.)、エンテロサイトゾーン種(Enterocytozoon spp.)、ギアルディア種(Giardia spp.)、ハルトマネラ種(Hartmanella spp.)、イソスポラ種(Isospora spp.)、ヨードアメーバ種(Jodamoeba spp.)、ランブリア種(Lamblia spp.)、リーシュマニア種(Leishmania spp.)、ミクロスポリディウム種(Microsporidium spp.)、ナエグレリア種(Naegleria spp.)、ノセマ種(Nosema spp.)、パラメシウム種(Paramecium spp.)、パラアメーバ種(Paramoeba spp.)、ペヌモシスティス種(Penumocystis spp.)、プラモジウム種(Plasmodium spp.)、サルコシスティス種(Sarcocystis spp.)、テトラヒメナ種(Tetrahymena spp.)、トキソプラズマ種(Toxoplasma spp.)、トリコモナス種(Trichomonas spp.)及び/又はトリパノソーマ種(Trypanosoma spp.)である。
【0114】
係る原生動物の更なる例は、アメーバ・プロテウス(Amoeba proteus)、バベシア・ミクロチ(Babesia microti)、バランチディウム・コリ(Balantidium coli)、クリプトスポリジウム・パルヴム(Cryptosporidium parvum)、シクロスポラ・カエタネンシス(Cyclospora cayetanensis)、ジエントアメーバ・フラジリス(Dientamoeba fragilis)、エンドリマックス・ナナ(Endolimax nana)、エントアメーバ・コリ(Entamoeba coli)、エントアメーバ・ギンギバリス(Entamoeba gingivalis)、エントアメーバ・ハルトマンニ(Entamoeba hartmanni)、エントアメーバ・ヒストリティカ(Entamoeba histolytica)、エンテロサイトゾーン・ビエネウシ(Enterocytozoon bieneusi)、エンテロサイトゾーン、クニクリ(Enterocytozoon cuniculi)、ギアルディア・ランブリア(Giardia lamblia)、ギアルディア・ランブリア・インテスティナリス(Giardia lamblia intestinalis)、イソスポラ・ベリ(Isospora belli)、ヨードアメーバ・ブチュリイ(Jodamoeba butschlii)、ランブリア・インテスティナリス(Lamblia intestinalis)、リーシュマニア・ブラジリエンシス・ブラジリエンシス(Leishmania braziliensis braziliensis)、リーシュマニア・シャーガシ(Leishmania chagasi)、リーシュマニア・ドノヴァニ(Leishmania donovani)、リーシュマニア・インファンツム(Leishmania infantum)、リーシュマニア・メジャー(Leishmania major)、リーシュマニア・メキシカーナ(Leishmania mexicana)、リーシュマニア・メキシカーナ・アマゾネンシス(Leishmania mexicana amazonensis)、リーシュマニア・メキシカーナ・メキシカーナ(Leishmania mexicana mexicana)、リーシュマニア・トロピカ(Leishmania tropica)、リーシュマニア・ビアンニア(Leishmania Viannia)、リーシュマニア・ビアンニア・ブラジリエンシス(Leishmania Viannia braziliensis)、リーシュマニア・ビアンニア・グヤネンシス(Leishmania Viannia guyanensis)、リーシュマニア・ビアンニア・パナメンシス(Leishmania Viannia panamensis)、リーシュマニア・ビアンニア・ペルヴィアナ(Leishmania Viannia peruviana)、ナエグレリア・フォウレリ(Naegleria fowleri)、ノセマ・コルネウム(Nosema corneum)、プラスモジウム・ファルシパルム(Plasmodium falciparum)、プラスモジウム・マラリアエ(Plasmodium malariae)、プラスモジウム・オヴァレ(Plasmodium ovale)、プラスモジウム・ヴィヴァックス(Plasmodium vivax)、ニューモシスティス・カリニイ(Pneumocystis carinii)、サルコシスティス・ボヴィホミンス(Sarcocystis bovihomins)、サルコシスティス・スイホミニス(Sarcocystis suihominis)、テトラヒメナ・ピリフォルミス(Tetrahymena pyriformis)、トキソプラズマ・ゴンディイ(Toxoplasma gondii)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)、トリパノソーマ・ブルセイ・ブルセイ(Trypanosoma brucei brucei)、トリパノソーマ・ブルセイ・ガンビエンセ(Trypanosoma brucei gambiense)、トリパノソーマ・ブルセイ・ロデシエンセ(Trypanosoma brucei rhodesiense)、トリパノソーマ・クルジ(Trypanosoma cruzi)、トリパノソーマ・クルジ・クルジ(Trypanosoma cruzi cruzi)、トリパノソーマ・クルジ・マリンケレイ(Trypanosoma cruzi marinkellei)、トリパノソーマ・エキナム(Trypanosoma equinum)、トリパノソーマ・エキペルドゥム(Trypanosoma equiperdum)、トリパノソーマ・エヴァンシ(Trypanosoma evansi)、トリパノソーマ・テイレリ(Trypanosoma theileri)及び/又はトリパノソーマ・ヴィヴァックス(Trypanosoma vivax)である。
【0115】
用語"ウイルス"は、全ての公知のDNAウイルス、例えばdsDNAウイルス(二本鎖DNA)及びssDNAウイルス(一本鎖DNA);RNAウイルス、例えばdsRNAウイルス(二本鎖RNA)、(+)ssRNAウイルス(ポジティブ一本鎖RNAもしくはmRNA様)及び(−)ssRNAウイルス(ネガティブ一本鎖RNA);並びにDNA及びRNA逆転写ウイルス(レトロウイルス)、例えばssRNA−RTウイルス(一本鎖RNA)及びdsDNA−RTウイルス(二本鎖DNA)を含むことを意図している。これらのウイルスは、外殻を有しても、有さなくてもよい。
【0116】
係るウイルスの例は、カウドウイルス目(Caudovirales)、マイオウイルス科(Myoviridae)、ポドウイルス科(Podoviridae)、サイフォウイルス科(Siphoviridae)、アスコウイルス科(Ascoviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、アスフィウイルス科(Asfiviridae)、バキュウロウイルス科(Baculoviridae)、コルチコウイルス科(Corticoviridae)、フセロウイルス科(Fuselloviridae)、グッタウイルス科(Guttaviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、リポトリックス科(Lipothrixviridae)、ニマウイルス科(Nimaviridae)、パピローマウイルス科(Papillomaviridae)、フィコドナウイルス科(Phycodnaviridae)、プラズマウイルス科(Plasmaviridae)、ポリオーマウイルス科(Polyomaviridae)、ポックスウイルス科(Poxviridae)、ルディウイルス科(Rudiviridae)、テクチウイルス科(Tectiviridae)、イノウイルス科(Inoviridae)、ミクロウイルス科(Microviridae)、ジェミニウイルス科(Geminiviridae)、サーコウイルス科(Circoviridae)、ナノウイルス科(Nanoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、アネロウイルス科(Anellovirus)、ビルナウイルス科(Birnaviridae)、クリソウイルス科(Chrysoviridae)、シストウイルス科(Cystoviridae)、ハイポウイルス科(Hypoviridae)、パルチチウイルス科(Partitiviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、トチウイルス科(Totiviridae)、エンドルナウイルス科(Endornavirus)、ニドウイルス科(Nidovirales)、アルテリウイルス科(Arteriviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、ロニウイルス科(Roniviridae)、アストロウイルス科(Astroviridae)、バルナウイルス科(Barnaviridae)、ブロモウイルス科(Bromoviridae)、カリシウイルス科(Caliciviridae)、クロステロウイルス科(Closteroviridae)、コモウイルス科(Comoviridae)、ジシストロウイルス科(Dicistroviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、フレキシウイルス科(Flexiviridae)、ヘペウイルス科(Hepeviridae)、レビウイルス科(Leviviridae)、ルテオウイルス科(Luteoviridae)、マルナウイルス科(Marnaviridae)、ナルナウイルス科(Narnaviridae)、ノダウイルス科(Nodaviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)、ポティウイルス科(Potyviridae)、セキウイルス科(Sequiviridae)、テトラウイルス科(Tetraviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、トンブスウイルス科(Tombusviridae)、ティモウイルス科(Tymoviridae)、ベニウイルス(Benyvirus)、チェラウイルス(Cheravirus)、フロウイルス(Furovirus)、ホルデイウイルス(Hordeivirus)、イダエオウイルス(Idaeovirus)、マクロモウイルス(Machlomovirus)、ウルミアウイルス(Ourmiavirus)、ペクルウイルス(Pecluvirus)、ポモウイルス(Pomovirus)、サドワウイルス(Sadwavirus)、ソベモウイルス(Sobemovirus)、トバモウイルス(Tobamovirus)、トブラウイルス(Tobravirus)、アンブラウイルス(Umbravirus)、モノネガウイルス目(Mononegavirales)、ボルナウイルス科(Bornaviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、アレナウイルス科(Arenaviridae)、ブニヤウイルス科(Bunyaviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、デルタウイルス(Deltavirus)、オフィオウイルス(Ophiovirus)、テヌイウイルス(Tenuivirus)、バリコサウイルス(Varicosavirus)、メタウイルス科(Metaviridae)、シュードウイルス科(Pseudoviridae)、レトロウイルス科(Retroviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)及び/又はカウリモウイルス科(Caulimoviridae)である。
【0117】
係るウイルスの更なる例は、アデノウイルス1型、2型、3型、5型、11型、21型、アデノウイルス、アルファウイルス、アルボウイルス、アレナウイルス、ボルナ病ウイルス、ブニヤウイルス、カリシウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、コロナウイルス牛痘ウイルス、コクサッキーA型ウイルス、コクサッキーB型ウイルス、コクサッキーウイルスA−16型、A−24型、コクサッキーウイルスB1型、B2型、B3型、B4型、B5型、サイトメガロウイルス(CMV)、デルタウイルス、デングウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、EEEウイルス、エンテロウイルス7型、70型、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、フィロウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、FSMEウイルス、ハンタウイルス ハンタン型、ソウル型、ドブラヴァ型(ベオグラード型)、プーマラ型、シンノンブレ型、ブラッククリークカナル型、バイユー型、ニューヨーク−1型、ハンタウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)、ヘルペスシンプレックスウイルス1型及び2型(HSV−1、HSV−2)、ヘルペスウイルス、HIV、HIV−1、HIV−2、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒトTリンパ球ウイルスI型及びII型(HTLV−I、−II)、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスA型(H5N1)及び(H3N2)、インフルエンザウイルスA型、B型、C型、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、アルボウイルス、カポジ肉腫随伴ウイルス、ラクロスウイルス、ラッサウイルス、レンチウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マクポウイルス、マールブルクウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ノーウォークウイルス、オルフウイルス、オルトミクソウイルス、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、2型、3型、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス1型、2型、3型、4型、パラミクソウイルス、パルボウイルスB19型、パルボウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、狂犬病ウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、呼吸系発疹ウイルス、ラブドウイルス、リノウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、リビウイルス、SARSウイルス、シミアンウイルス40、SLEウイルス、トガウイルス、トークテノウイルス、ワクシニアウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ソラマメエンドルナウイルス、WEEウイルス、西ナイルウイルス及び/又は黄熱ウイルスである。
【0118】
任意の微生物に関連する用語"種(spp.)"は、本発明の目的のためには、所定の属の全てのメンバーであって、種、亜群などを含むものを包含することを意図している。例えば、"トリパノソーマ種"は、トリパノソーマ属の全てのメンバー、例えばトリパノソーマ・クルジ、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・ブルセイ・ブルセイ及びトリパノソーマ・ブルセイ・ガンビエンセを包含することを意図している。
【0119】
本発明の目的のためには、用語"治療"は、予防的治療又は緩和を含むことも意図している。
【0120】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、哺乳動物における、細菌である微生物によって引き起こされる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができる。
【0121】
好ましいもう一つの実施態様においては、本発明の化合物は、哺乳動物における、グラム陽性細菌である微生物によって引き起こされる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができる。
【0122】
好ましい更にもう一つの実施態様においては、本発明の化合物は、哺乳動物における、グラム陰性細菌である微生物によって引き起こされる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができる。
【0123】
より好ましくは、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用でき、その際、前記微生物は、細菌、有利にはグラム陽性細菌もしくはグラム陰性細菌であり、かつ"アシネトバクター種、アクチノバシラス種、アクチノマイセス種、アエロモナス種、アグロバクテリウム種、アルカリゲネス種、アナプラズマ種、アキフェックス種、バシラス種、バクテロイデス種、ビフィドバクテリウム種、ボルデテラ種、ボレリア種、ブラジリゾビウム種、ブランハメラ種、ブルセラ種、ブフネラ種、ブルクホルデリア種、カンピロバクター種、カプノサイトファガ種、カルジオバクテリウム種、カウロバクター種、クラミディア種、クラミドフィラ種、クロロビウム種、シトロバクター種、クロストリジウム種、コリネバクテリウム種、コキシエラ種、デイノコッカス種、エールリッヒア種、エイケネラ種、エンテロバクター種、エンテロコッカス種、エリシペロトリックス種、エシェリキア種、フランシセラ種、フソバクテリウム種、ガルドネレラ種、ゲメラ種、ハエモフィルス種、ヘリコバクター種、キンゲラ種、キタサトスポラ種、クレブシエラ種、ラクトバシラス種、レジオネラ種、レプトスピラ、リステリア種、マンハイミア種、メソリゾビウム種、モラキセラ種、モルガネラ種、マイコバクテリウム種、マイコプラズマ種、ネイセリア種、ネオリケッチア種、ニトロソモナス種、ノカルディア種、オセアノバシラス種、オリエンチア種、パラコッカス種、パスツーレラ種、ペプトストレプトコッカス種、プラスモジウム種、プレシオモナス種、ポルフィロモナス種、プレボテラ種、プロピオニバクテリウム種、プロテウス種、プロビデンシア種、シュードモナス種、サイコバクター種、ラルストニア種、ロドバクター種、ロドコッカス種、リケッチア種、サルモネラ種、セラチア種、シェバネラ種、シゲラ種、スピリルム種、スタフィロコッカス種、ステノトロフォモナス種、ストレプトバシラス種、ストレプトコッカス種、ストレプトマイセス種、シネココッカス種、シネコシスティス種、タンネレラ種、サーモアナエロバクター種、サーモトガ種、トレポネマ種、トロフェリマ種、ウレアプラズマ種、ベイロネラ種、ビブリオ種、ウィグルスウォルチア種、ウォルバヒア種、キサントモナス種、キシレラ種、エルシニア種及び/又はザイモモナス種"からなる群から選択される。
【0124】
更により好ましくは、細菌は、"バクテロイデス種、ブランハメラ種、クラミジア種、エシェリキア種、ハエモフィルス種、クレブシエラ種、マイコバクテリウム種、マイコプラズマ種、プロテウス種、シュードモナス種、セラチア種、スタフィロコッカス種及び/又はストレプトコッカス種"からなる群から選択される。
【0125】
より好ましくは、細菌は、"バクテロイデス・フラジリス、ブランハメラ・カタラリス、クラミディア・ニューモニアエ、クラミディア・プシタシ、クラミディア・トラコマチス、エシェリキア・コリ、ハエモフィルス・デュクレイイ、ハエモフィルス・インフルエンザエ、ハエモフィルス・パラインフルエンザエ、ハエモフィルス・デュクレイイ、クレブシエラ・グラニュロマティス、クレブシエラ・ニューモニアエ、クレブシエラ・ニューモニアエ・オザエナエ、クレブシエラ・ニューモニアエ・ニューモニアエ、クレブシエラ・ニューモニアエ・リノスクレロマティス、マイコバクテリウム・アフリカヌム、マイコバクテリウム・アヴィウム、マイコバクテリウム・アヴィウム・パラツベルクロシス、マイコバクテリウム・ボビス、マイコバクテリウム・ボビス・ボビス、マイコバクテリウム・ボビス・カプラエ、マイコバクテリウム・チェロナエ、マイコバクテリウム・フォーチュイツム、マイコバクテリウム・イントラセルラレ、マイコバクテリウム・カンサイイ、マイコバクテリウム・レプラエ、マイコバクテリウム・マルモエンセ、マイコバクテリウム・マリヌム、マイコバクテリウム・スクロフラセウム、マイコバクテリウム・ツベルクロシス、マイコバクテリウム・ウルセランス、マイコプラズマ・ゲニタリウム、マイコプラズマ・ホミニス、マイコプラズマ・ニューモニアエ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、シュードモナス・アエルギノーザ、シュードモナス・アルカリゲネス、シュードモナス・フルレッセンス、シュードモナス・プチダ、シュードモナス・スツッツェリ、セラチア・マルセッセンス、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミディス、スタフィロコッカス・ヘモリティクス、スタフィロコッカス・サプロフィティクス、ストレプトコッカス・アガラクチアエ、ストレプトコッカス・ファエカリス、ストレプトコッカス・ミレリ、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ニューモニアエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ストレプトコッカス・サリバリウス及び/又はストレプトコッカス・ヴィリダンス"からなる群から選択される。
【0126】
更により好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、殺細菌性(細菌を殺す)及び/又は静細菌性(細菌の成長/繁殖を阻害する)である。この関連において、本発明の化合物は、1つ以上の一定の細菌の属、種、亜種、菌株などにさえも殺細菌性であるが、別のもしくは更なる細菌の属、種、亜種、菌株などに対して静細菌性であるにすぎなくてよく、その逆であってもよい。
【0127】
もう一つの好ましい実施態様においては、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記微生物は細菌、有利にはグラム陽性細菌もしくはグラム陰性細菌、より好ましくは、本願に概説される種々の好ましい細菌であり、その際、本発明による化合物は、殺細菌性(細菌を殺す)及び/又は静細菌性(細菌の成長/繁殖を阻害する)であり、その際、アルキルリン脂質誘導体は、本願に一般的にもしくは明示的に開示された式(I)によるアルキルリン脂質誘導体、例えば式(I)の部分集合及び化合物1〜317から選択されるが、
但し、R8が"−VR9R10R11"である場合に、Vは窒素原子であり、
更にR8が"置換もしくは非置換の複素環"である場合に、その"置換もしくは非置換の複素環"は、1つ以上のヒ素原子を含まず、かつ1つ以上の第四級ヒ素原子を含まず、
更に以下の化合物は、式(I)、例えば式(I)の好ましい部分集合及び化合物1〜317から排除する:
【化57】

【0128】
【化58】

【0129】
更により好ましくは、前記に示した細菌に対する使用に関して、アルキルリン脂質誘導体は、"化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、34、37、38、62、66、67、89、90、107、117、144、260、266、301、307及び/又は化合物314"からなる群から選択される。
【0130】
更に好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記微生物は、真菌であり、かつ"アブシディア種、アクレモニウム種、アルタナリア種、アスペルギルス種、ビポラリス種、カンディダ種、クラドフィロフラ種、クラドスポリウム種、コッキディオイデス種、コニオチリウム種、クリプトコッカス種、クニングハメラ種、クルブラリア種、エピデルモフィトン種、エキソフィアラ種、エキセロヒルム種、フォンセカエア種、フサリウム種、ヒストプラズマ種、ラカジア種、ラシオジプロディア種、レプトスファエリア種、マデュレラ種、ミクロスポルム種、ムコール種、ムコラレス種、ネオテスツディナ種、オクロコニス種、オニココラ種、パエシロマイセス種、パラコッキディオイデス種、ペニシリウム種、フィアロフォラ種、シューダレシェリア種、ピレノカエタ種、リゾムコール種、リゾプス種、スケドスポリウム種、スコプラリオプシス種、スシタリジウム種、スポロトリクス種、トリコフィトン種及び/又はワンギエラ種"からなる群から選択される。より好ましくは、真菌は、"アブシディア種、アスペルギルス種、ビポラリス種、カンディダ種、クリプトコッカス種、クニングハメラ種、エキソフィアラ種、フサリウム種、パエシロマイセス種、リゾプス種及び/又はスケドスポリウム種"からなる群から選択される。より好ましくは、真菌は、"アブシディア・コリムビフェラ、アスペルギルス・フラブス、アスペルギルス・フミガツス、アスペルギルス・テレウス、ビポラリス・オーストラリエンシス、カンディダ・アルビカンス、カンディダ・グラブラタ、カンディダ・クルセイ、カンディダ・パラプシロシス、カンディダ・トロピカリス、クリプトコッカス・ガチイ、クリプトコッカス・ネオフォルマンス、クニングハメラ・ベルトレチタエ、エキソフィアラ・ジーンセルメイ、エキソフィアラ・スピニフェラ、フサリウム・ソラニ、パエシロマイセス・リラシヌス、リゾプス・オリザエ、スケドスポリウム・アピオスペルムム及び/又はスケドスポリウム・プロリフィカンス"からなる群から選択される。更により好ましくは、アルキルリン脂質誘導体は、"化合物1、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、18、19、20及び/又は22"からなる群から選択される。
【0131】
もう一つの好ましい実施態様においては、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記微生物は原生動物であり、"アカントアメーバ種、アメーバ種、バベシア種、バランチディウム、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ジエントアメーバ種、エキアメーバ種、エンドリマックス種、エントアメーバ種、エンテロサイトゾーン種、ギアルディア種、ハルトマネラ種、イソスポラ種、ヨードアメーバ種、ランブリア種、リーシュマニア種、ミクロスポリディウム種、ナエグレリア種、ノセマ種、パラメシウム種、パラアメーバ種、ペヌモシスティス種、プラモジウム種、サルコシスティス種、テトラヒメナ種、トキソプラズマ種、トリコモナス種及び/又はトリパノソーマ種"からなる群から選択される。より好ましくは、原生動物は、"リーシュマニア種、プラスモディウム種、トキソプラズマ種及び/又はトリパノソーマ種"からなる群から選択される。最も好ましくは、原生動物は、"リーシュマニア・ブラジリエンシス・ブラジリエンシス、リーシュマニア・シャーガシ、リーシュマニア・ドノヴァニ、リーシュマニア・インファンツム、リーシュマニア・メジャー、リーシュマニア・メキシカーナ、リーシュマニア・メキシカーナ・アマゾネンシス、リーシュマニア・メキシカーナ・メキシカーナ、リーシュマニア・トロピカ、リーシュマニア・ビアンニア、リーシュマニア・ビアンニア・ブラジリエンシス、リーシュマニア・ビアンニア・グヤネンシス、リーシュマニア・ビアンニア・パナメンシス、リーシュマニア・ビアンニア・ペルヴィアナ、プラスモジウム・ファルシパルム、プラスモジウム・マラリアエ、プラスモジウム・オヴァレ、プラスモジウム・ヴィヴァックス、トキソプラズマ・ゴンディイ、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・ブルセイ・ブルセイ、トリパノソーマ・ブルセイ・ガンビエンセ、トリパノソーマ・ブルセイ・ロデシエンセ、トリパノソーマ・クルジ、トリパノソーマ・クルジ・クルジ、トリパノソーマ・クルジ・マリンケレイ、トリパノソーマ・エキナム、トリパノソーマ・エキペルドゥム、トリパノソーマ・エヴァンシ、トリパノソーマ・テイレリ及び/又はトリパノソーマ・ヴィヴァックス"からなる群から選択される。更により好ましくは、アルキルリン脂質誘導体は、"化合物1、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、18、19及び/又は20"からなる群から選択される。
【0132】
もう一つの好ましい実施態様においては、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記微生物は、ウイルスであり、かつ"DNAウイルス;dsDNAウイルス、ssDNAウイルス;RNAウイルス;dsRNAウイルス;(+)ssRNAウイルス;(−)ssRNAウイルス;DNA/RNA逆転写ウイルス;ssRNA−RTウイルス及び/又はdsDNA−RTウイルス"からなる群から選択される。より好ましくは、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記微生物は、ウイルスであり、かつ"アデノウイルス1型、2型、3型、5型、11型、21型、アデノウイルス、アルファウイルス、アルボウイルス、アレナウイルス、ボルナ病ウイルス、ブニヤウイルス、カリシウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、コロナウイルス牛痘ウイルス、コクサッキーA型ウイルス、コクサッキーB型ウイルス、コクサッキーウイルスA−16型、A−24型、コクサッキーウイルスB1型、B2型、B3型、B4型、B5型、サイトメガロウイルス(CMV)、デルタウイルス、デングウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、EEEウイルス、エンテロウイルス7型、70型、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、フィロウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、FSMEウイルス、ハンタウイルス ハンタン型、ソウル型、ドブラヴァ型(ベオグラード型)、プーマラ型、シンノンブレ型、ブラッククリークカナル型、バイユー型、ニューヨーク−1型、ハンタウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)、ヘルペスシンプレックスウイルス1型及び2型(HSV−1、HSV−2)、ヘルペスウイルス、HIV、HIV−1、HIV−2、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒトTリンパ球ウイルスI型及びII型(HTLV−I、−II)、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスA型(H5N1)及び(H3N2)、インフルエンザウイルスA型、B型、C型、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、アルボウイルス、カポジ肉腫随伴ウイルス、ラクロスウイルス、ラッサウイルス、レンチウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マクポウイルス、マールブルクウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ノーウォークウイルス、オルフウイルス、オルトミクソウイルス、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、2型、3型、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス1型、2型、3型、4型、パラミクソウイルス、パルボウイルスB19型、パルボウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、狂犬病ウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、呼吸系発疹ウイルス、ラブドウイルス、リノウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、リビウイルス、SARSウイルス、シミアンウイルス40、SLEウイルス、トガウイルス、トークテノウイルス、ワクシニアウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ソラマメエンドルナウイルス、WEEウイルス、西ナイルウイルス及び/又は黄熱ウイルス"からなる群から選択される。更により好ましくは、アルキルリン脂質誘導体は、"化合物1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、18、19及び/又は20"からなる群から選択される。
【0133】
本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物においても又は純粋形もしくは実質的に純粋形において考慮される。本発明の化合物は、任意の炭素原子に不斉中心を有してよい。従って、本発明の化合物は、それらのラセミ体の形で、純粋なエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの形で、又はこれらのエナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物の形で存在してよい。該混合物は、立体異性体の任意の所望の混合比を有してよい。
【0134】
従って、例えば、本発明の化合物であって、1個又はそれ以上のキラリティーを有し、かつラセミ体又はジアステレオマー混合物として生ずる化合物は、自体公知の方法によって分別して、それらの光学的に純粋な異性体、すなわちエナンチオマー又はジアステレオマーを得ることができる。本発明の化合物の分割は、カラム分割によってキラル相又は非キラル相で、又は再結晶化によって、場合により光学活性な溶剤からもしくは光学活性の酸もしくは塩基を用いて、又は光学活性試薬、例えば光学活性アルコールによる誘導体化とそれに引き続く該基の脱離によって実施することができる。
【0135】
本発明の化合物は、それらの二重結合異性体の形で、"純粋な"E異性体もしくはZ異性体として、又はこれらの二重結合異性体の混合物の形で存在することができる。
【0136】
可能であれば、本発明の化合物は、互変異性体の形であってよい。
【0137】
同様に、本発明の化合物は、任意の所望のプロドラッグの形、例えばエステル、炭酸塩、カルバミン酸塩、尿素、アミド又はリン酸塩の形であってよく、その場合に、代謝を通してのみ事実上生物学的に活性な形が放出される。生体内で変換して生体活性剤を提供しうる任意の化合物(すなわち本発明の化合物)は、本発明の範囲及び趣旨におけるプロドラッグである。
【0138】
様々な形のプロドラッグは、当該技術分野においてよく知られており、例えば以下の(i)〜(iii)に記載されている:
(i)Wermuth CG他、第31章:671〜696、The Practice of Medicinal Chemistry、Academic Press 1996年;
(ii)Bundgaard H、Design of Prodrugs、Elsevier 1985年;及び
(iii)Bundgaard H、第5章:113〜191、A Textbook of Drug Design and Development、Harwood Academic Publishers 1991年。
【0139】
前記の参考文献は、参照をもって開示されたものとする。化学物質は、体内で代謝産物に変換されて、それらが適宜、同様に幾つかの環境においてより顕著な形でさえも所望の生物学的作用を顕現させることは更に知られている。
【0140】
生体内で代謝によって本発明の任意の化合物から変換された任意の生物学的に活性な化合物は、本発明の範囲及び趣旨における代謝物である。
【0141】
本発明の化合物は、それらが十分に塩基性の基、例えば第二級又は第三級のアミンを有するのであれば、無機酸及び有機酸を用いて変換して、その塩を得ることができる。本発明の化合物の製剤学的に認容性の塩は、有利には塩酸、臭化水素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、炭酸、ギ酸、酢酸、スルホ酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、ラセミ酸、リンゴ酸、エンボン酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、クエン酸、タウロコール酸、グルタル酸、ステアリン酸、グルタミン酸又はアスパラギン酸を用いて形成される。形成される塩は、とりわけ、塩酸塩、塩化物、臭化水素塩、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、リン酸塩、メタンスルホン酸塩、トシル酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、スルホ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、エンボン酸塩、マンデル酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、グルタル酸塩、ステアリン酸塩、アスパラギン酸塩及びグルタミン酸塩である。本発明の化合物から形成された塩の化学量論は、更に、1の整数倍数又は非整数倍数であってよい。
【0142】
本発明の化合物は、それらが十分に酸性の基、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基又はフェノール性基を有するのであれば、無機塩基及び有機塩基を用いて変換して、それらの生理学的に許容される塩を得ることができる。
【0143】
好適な無機塩基の例は、アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムであり、かつ有機塩基の例は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、t−ブチルアミン、t−オクチルアミン、デヒドロアビエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジベンジルエチレン−ジアミン及びリジンである。本発明の化合物から形成された塩の化学量論は、更に、1の整数倍数又は非整数倍数であってよい。
【0144】
同様に、本発明の化合物は、それらの溶媒和物、特に水和物の形であってよく、それらは、例えば溶剤又は水溶液から結晶化によって得ることができる。更に、1つ、2つ、3つ又は任意の数の溶媒和物又は水分子を、本発明の化合物と化合させて、溶媒和物及び水和物を得ることができる。
【0145】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、それらの水和物であって、そこに化合/錯化した任意の数の水分子との水和物の形で得られ、整数比及び非整数比、例えば1:0.5;1:1;1:1.5;1:2;1:2.5;1:3;1:3.5;1:4などを含む。
【0146】
化学物質が固体を形成し、それが多形又は多形変態として呼称される種々の秩序状態で存在する。多形物質の種々の変態は、それらの物理特性において大きく異なることがある。本発明の化合物は、種々の結晶多形で存在してよく、更に一定の変態は、転移可能であってよい。本発明の化合物のこれらの全ての結晶多形は、本発明に属するものと見なされるべきである。
【0147】
本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のために適しており、その際、特に、前記微生物は、"細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルス"からなる群から選択される。
【0148】
本発明の目的のためには、哺乳動物における全ての公知の疾病及び/又は病態生理学的な状態は、細菌によって引き起こされるものを含むことを意図している。
【0149】
係る細菌性の疾病及び/又は病態生理学的な状態の例は、放線菌症、急性咽頭蓋炎、急性中耳炎、化膿性(敗血症性)関節炎、急性化膿性髄膜炎、炭疽、虫垂炎、赤痢、菌血症、黒死病、境界域らい、ボレリア症、ボツリヌス中毒、乳房膿腫、気管支炎、ブルセラ症、腺ペスト、よう、小胞炎、頭部破傷風、脳炎、子宮頚炎、コレラ、結膜炎、皮膚炭疽、膀胱炎、皮膚炎、下痢、蓄膿、脳炎群、心内膜炎、腸熱、腸炎、全腸炎、精巣上体炎、丹毒、エリシペロトリックス病、表皮剥脱、肺外結核、食中毒、フルンケル、ガス壊疽、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、胃腸結核、尿生殖器結核、糸球体腎炎、血行性もしくはリンパ血行性結核、インペチゴ、腹腔内感染、咽頭炎、らい腫らい、らい、レプトスピラ症、リステリア症、限局性破傷風、ライム病、乳腺炎、類鼻疽、髄膜炎、髄膜脳炎、粟粒結核、筋壊死、悪心、壊死性腸炎、新生児リステリア症、新生児敗血症、ノカルジア症、眼炎、骨髄炎、骨髄炎、中耳炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心嚢炎、腹膜炎、百日咳、ペスト、咽頭炎、悪疫、肺炎、産褥敗血症、原発性リステリア血症(Primary Listeremia)、直腸炎、前立腺症、産褥敗血症、肺炭疽、肺結核、膿疱性もしくは水疱性皮下膿瘍、腎盂腎炎、膿皮症、シカバエ/ウサギバエ熱、鼠咬症、回帰熱、リウマチ熱、鼻炎、菱脳炎、サルモネラ症、耳管炎、熱傷様皮膚症候群、猩紅熱、敗血症、敗血症性関節炎、敗血症性血栓静脈炎、毒血症、細菌性赤痢、副鼻腔炎、皮膚感染、縫合部膿瘍、梅毒、テタヌス、ダニ熱/回帰熱/飢餓熱、扁桃炎、トキシックショック症候群、気管気管支炎、トレポネーマ症、結核、結核様らい、結核性リンパ節炎、結核性髄膜炎、結核性心嚢炎、結核性腹膜炎、ツラレミア、腸チフス、潰瘍、波状熱/マルタ熱/地中海熱/ジブラルタル熱、尿道炎、尿路感染(UTI)、嘔吐及び/又は傷感染並びにそれらの種々の形及び派生形である。好ましくは、細菌によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"急性中耳炎、気管支炎、皮膚炎、脳炎、心内膜炎、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、咽頭炎、髄膜炎、中耳炎、心嚢炎、咽頭炎、肺炎、敗血症、副鼻腔炎、皮膚感染、結核及び/又は尿路感染(UTI)並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0150】
本発明の目的のためには、哺乳動物における全ての公知の疾病及び/又は病態生理学的な状態は、真菌によって引き起こされるものを含むことを意図している。
【0151】
係る真菌性の疾病及び/又は病態生理学的な状態の例は、アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンディダ症、色素酵母菌症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、白癬、表在性白癬、ヒストプラズマ症、ロボ真菌症、ムコール菌症、菌腫、糸状菌性角膜炎、眼真菌症、爪甲真菌症、耳真菌症、パラコクシジオイデス症、褐藻菌類症(phaeohyphomycosis)、砂毛症、粃糠疹、でん風、リノスポリジウム症、スポロトリクス症、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒色癬、足白癬、爪白癬及び/又は接合菌症並びにそれらの種々の形及び派生形である。
【0152】
本発明の目的のためには、哺乳動物における全ての公知の疾病及び/又は病態生理学的な状態は、原生動物によって引き起こされるものを含むことを意図している。
【0153】
係る原生動物性の疾病及び/又は病態生理学的な状態の例は、アフリカトリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、アメーバ症、アメーバ赤痢、アメーバ角膜炎、アメーバ髄膜脳炎、アメーバ膣炎、バベシア症、シャーガス病、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、皮膚リーシュマニア症、サイクロスポーラ症、二核アメーバ症、エントアメーバ症、ジアルジア虫症、イソスポリア症、ランブル鞭毛虫症、リーシュマニア症、マラリア、4日熱、3日熱、熱帯マラリア、小胞子虫症、粘膜皮膚リーシュマニア症、ニューモシスティス症、住肉胞子虫症、睡眠病、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症及び/又は内臓リーシュマニア症並びにそれらの種々の形及び派生形である。好ましくは、原生動物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア、熱帯マラリア及び/又はトキソプラズマ症並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0154】
本発明の目的のためには、哺乳動物における全ての公知の疾病及び/又は病態生理学的な状態は、ウイルスによって引き起こされるものを含むことを意図している。
【0155】
ウイルス性の疾病及び/又は病態生理学的な状態の例は、急性熱性呼吸器疾患(AFRD)、急性出血性結膜炎、急性出血性膀胱炎、急性咽頭結膜熱(APC)、急性後部神経節炎、急性呼吸器疾患(ARD)、AIDS、アルボウイルス脳炎、無菌性髄膜炎、ボルナ病、ボルンホルム病(胸膜痛)、デング熱、細気管支炎、気管支炎、バーキットリンパ腫、カリフォルニア脳炎、カストルマン病、子宮頚癌、水痘、チクングンヤ病、コロラドダニ熱、かぜ症候群、結膜炎、牛痘、クロイツフェルト・ヤコブ病、クルップ、巨細胞性封入体病、デング、デング出血熱、デビルグリップ(Devil’s grip)(胸膜痛)、東部ウマ脳脊髄炎、エボラ出血熱、エボラウイルス感染、脳脊髄炎、流行性角結膜炎(EKC)、流行性腎症腎炎、伝染性紅斑、致死性家族性不眠症、第五病、インフルエンザ、口蹄疫(手足口病)、胃腸炎、膝帯状疱疹、性器ヘルペス、陰部疣贅、風疹、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、歯肉口内炎、ハンターン・コリア出血熱、ハンタウイルス出血熱、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、腎症候性出血熱(HFRS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヘルパンギーナ、口唇ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性口内炎、HIV感染、ホジキン病、HTLV−I関連脊髄症、狂犬病、感染性心筋症、感染性心嚢炎、インフルエンザ、日本脳炎、ジャングル(森林)黄熱、フニンアルゼンチン出血熱、カポジ肉腫、角膜炎、角結膜炎、コリアン出血熱、クールー、ラクロス脳炎、喉頭炎、喉頭気管気管支炎(1型及び2型)、ラッサ出血熱、白血病、リンパ球性脈絡膜髄膜炎、リンパ腫、ボリビア出血熱、マールブルク出血熱、マヤロ病、麻疹、髄膜脳炎、伝染性軟属腫、単核細胞症、単核細胞症様症候群、多巣性白質脳症、流行性耳下腺炎、上咽頭癌、悪心、新生児ヘルペス、流行性ネフロパシー、ガン部帯状疱疹、睾丸炎、羊鵞口瘡、パラインフルエンザ、耳下腺炎、咽頭炎、咽頭結膜熱、胸膜痛、肺炎、ポリオ、灰白髄炎、進行性多病巣性白質脳障害(PML)、恐水症、突発性発疹、三日ばしか、風疹全脳炎、硬化性全脳炎、重度急性呼吸器症候群(SARS)、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、紅斑病(伝染性紅斑)、天然痘、ソエオラ(soeola)、セントルイス脳炎、側頭葉脳炎、気管気管支炎、伝染性海綿状脳症、局所性痙攣性不全対麻痺、都市型黄熱、尿道炎、水痘、疣贅、嘔吐、いぼ、西部ウマ脳炎、黄熱、帯状疱疹及び/又は帯状ヘルペスである。
【0156】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、微生物によって引き起こされる哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために使用することができ、その際、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンディダ症、色素酵母菌症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、白癬、表在性白癬、ヒストプラズマ症、ロボ真菌症、ムコール菌症、菌腫、糸状菌性角膜炎、眼真菌症、爪甲真菌症、耳真菌症、パラコクシジオイデス症、褐藻菌類症、砂毛症、粃糠疹、でん風、リノスポリジウム症、スポロトリクス症、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒色癬、足白癬、爪白癬、接合菌症、アフリカトリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、アメーバ症、アメーバ赤痢、アメーバ角膜炎、アメーバ髄膜脳炎、アメーバ膣炎、バベシア症、シャーガス病、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、皮膚リーシュマニア症、サイクロスポーラ症、二核アメーバ症、エントアメーバ症、ジアルジア虫症、イソスポリア症、ランブル鞭毛虫症、リーシュマニア症、マラリア、4日熱、3日熱、熱帯マラリア、小胞子虫症、粘膜皮膚リーシュマニア症、ニューモシスティス症、住肉胞子虫症、睡眠病、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症、内臓リーシュマニア症、放線菌症、急性咽頭蓋炎、急性中耳炎、化膿性(敗血症性)関節炎、急性化膿性髄膜炎、炭疽、虫垂炎、赤痢、菌血症、黒死病、境界域らい、ボレリア症、ボツリヌス中毒、乳房膿腫、気管支炎、ブルセラ症、腺ペスト、よう、小胞炎、頭部破傷風、脳炎、子宮頚炎、コレラ、結膜炎、皮膚炭疽、膀胱炎、皮膚炎、下痢、蓄膿、脳炎群、心内膜炎、腸熱、腸炎、全腸炎、精巣上体炎、丹毒、エリシペロトリックス病、表皮剥脱、肺外結核、食中毒、フルンケル、ガス壊疽、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、胃腸結核、尿生殖器結核、糸球体腎炎、血行性もしくはリンパ血行性結核、インペチゴ、腹腔内感染、咽頭炎、らい腫らい、らい、レプトスピラ症、リステリア症、限局性破傷風、ライム病、乳腺炎、類鼻疽、髄膜炎、髄膜脳炎、粟粒結核、筋壊死、悪心、壊死性腸炎、新生児リステリア症、新生児敗血症、ノカルジア症、眼炎、骨髄炎、骨髄炎、中耳炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心嚢炎、腹膜炎、百日咳、ペスト、咽頭炎、悪疫、肺炎、産褥敗血症、原発性リステリア血症、直腸炎、前立腺症、産褥敗血症、肺炭疽、肺結核、膿疱性もしくは水疱性皮下膿瘍、腎盂腎炎、膿皮症、シカバエ/ウサギバエ熱、鼠咬症、回帰熱、リウマチ熱、鼻炎、菱脳炎、サルモネラ症、耳管炎、熱傷様皮膚症候群、猩紅熱、敗血症、敗血症性関節炎、敗血症性血栓静脈炎、毒血症、細菌性赤痢、副鼻腔炎、皮膚感染、縫合部膿瘍、梅毒、テタヌス、ダニ熱/回帰熱/飢餓熱、扁桃炎、トキシックショック症候群、気管気管支炎、トレポネーマ症、結核、結核様らい、結核性リンパ節炎、結核性髄膜炎、結核性心嚢炎、結核性腹膜炎、ツラレミア、腸チフス、潰瘍、波状熱/マルタ熱/地中海熱/ジブラルタル熱、尿道炎、尿路感染(UTI)、嘔吐、傷感染、急性熱性呼吸器疾患(AFRD)、急性出血性結膜炎、急性出血性膀胱炎、急性咽頭結膜熱(APC)、急性後部神経節炎、急性呼吸器疾患(ARD)、AIDS、アルボウイルス脳炎、無菌性髄膜炎、ボルナ病、ボルンホルム病(胸膜痛)、デング熱、細気管支炎、気管支炎、バーキットリンパ腫、カリフォルニア脳炎、カストルマン病、子宮頚癌、水痘、チクングンヤ病、コロラドダニ熱、かぜ症候群、結膜炎、牛痘、クロイツフェルト・ヤコブ病、クルップ、巨細胞性封入体病、デング、デング出血熱、デビルグリップ(胸膜痛)、東部ウマ脳脊髄炎、エボラ出血熱、エボラウイルス感染、脳脊髄炎、流行性角結膜炎(EKC)、流行性腎症腎炎、伝染性紅斑、致死性家族性不眠症、第五病、インフルエンザ、口蹄疫(手足口病)、胃腸炎、膝帯状疱疹、性器ヘルペス、陰部疣贅、風疹、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、歯肉口内炎、ハンターン・コリア出血熱、ハンタウイルス出血熱、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、腎症候性出血熱(HFRS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヘルパンギーナ、口唇ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性口内炎、HIV感染、ホジキン病、HTLV−I関連脊髄症、狂犬病、感染性心筋症、感染性心嚢炎、インフルエンザ、日本脳炎、ジャングル(森林)黄熱、フニンアルゼンチン出血熱、カポジ肉腫、角膜炎、角結膜炎、コリアン出血熱、クールー、ラクロス脳炎、喉頭炎、喉頭気管気管支炎(1型及び2型)、ラッサ出血熱、白血病、リンパ球性脈絡膜髄膜炎、リンパ腫、ボリビア出血熱、マールブルク出血熱、マヤロ病、麻疹、髄膜脳炎、伝染性軟属腫、単核細胞症、単核細胞症様症候群、多巣性白質脳症、流行性耳下腺炎、上咽頭癌、悪心、新生児ヘルペス、流行性ネフロパシー、ガン部帯状疱疹、睾丸炎、羊鵞口瘡、パラインフルエンザ、耳下腺炎、咽頭炎、咽頭結膜熱、胸膜痛、肺炎、ポリオ、灰白髄炎、進行性多病巣性白質脳障害(PML)、恐水症、突発性発疹、三日ばしか、風疹全脳炎、硬化性全脳炎、重度急性呼吸器症候群(SARS)、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、紅斑病(伝染性紅斑)、天然痘、ソエオラ、セントルイス脳炎、側頭葉脳炎、気管気管支炎、伝染性海綿状脳症、局所性痙攣性不全対麻痺、都市型黄熱、尿道炎、水痘、疣贅、嘔吐、いぼ、西部ウマ脳炎、黄熱、帯状疱疹及び/又は帯状ヘルペス並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択され、好ましくは、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア、熱帯マラリア、急性中耳炎、気管支炎、皮膚炎、脳炎、心内膜炎、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、喉頭炎、髄膜炎、中耳炎、心嚢炎、咽頭炎、肺炎、敗血症、副鼻腔炎、皮膚感染、結核及び/又は尿路感染(UTI)並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0157】
もう一つの態様において、本発明の目的は、驚くべきことに、哺乳動物における腫瘍の治療のための医薬品の製造のために使用するための本発明の化合物を提供することによって解決された。
【0158】
用語"腫瘍"もしくは"癌"は、本発明の目的のためには、全ての公知の哺乳動物の良性及び/又は悪性の腫瘍、すなわち哺乳動物における任意の組織及び/又は器官の様々な公知の腫瘍、癌、新生物及び/又は潰瘍、例えば"Encyclopedic Reference of Cancer,Ed:Manfred Schwab,Springer−Verlag Berlin Heidelberg 2001(ISBN3−540−66527−7)"に例として概説されるものを含むことを意図している。
【0159】
上記説明のように、本発明の化合物は、本願に定義される哺乳動物における疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のために有用である。これらの化合物は、様々な哺乳動物の種、例えばヒトに投与することができる。
【0160】
本発明の目的のためには、全ての哺乳動物種が、含まれるものと見なす。好ましい一実施態様においては、係る哺乳動物は、"ヒト、家畜、ウシ、家畜、ペット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、ポニー、ロバ、ヒニー、ラバ、野ウサギ、ウサギ、ネコ、イヌ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス"からなる群から選択される。より好ましくは、係る哺乳動物は、ヒトである。
【0161】
本発明の更なる一態様においては、本発明の化合物は、少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質と組み合わせて使用される。
【0162】
組合せ使用の目的に応じて、係る付加的な薬理学的に活性な物質は、他のアルキルリン脂質誘導体(本発明の化合物及び/又は公知のアルキルリン脂質誘導体、例えばミルテフォシン、ペリフォシン及び/又はエルシルホスホコリン)及び/又は前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防に有用な他の"好適な治療剤"であってよい。付加的な薬理学的に活性な物質の選択と組み合わせは、当業者によってその専門知識に基づき、組み合わせ使用及び標的とされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の目的に応じて容易に実施することができる。
【0163】
上述の"好適な治療剤"は、ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド;CAS登録番号:22994−85−0);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド;CAS登録番号:23256−30−6];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸;CAS登録番号1397−89−3];リポソーム性アンフォテリシンB(AmBisome(商標);Gilead Sciences,Inc.、Astellas Pharma US,Inc.)、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン;CAS登録番号:57695−04−2)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン;CAS登録番号:7542−37−2]を含み、有利には"好適な治療剤"は、これらの剤からなる群から選択される。
【0164】
前記の他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用する場合に、例えば医療診察参考書(PDR)に指示される量で、又は当業者によって他に方法で決められる量で使用することができる。
【0165】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のために、少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質を含む医薬品の形で使用される。
【0166】
もう一つの好ましい実施態様においては、本発明の化合物は、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のために、治療の前及び/又は間及び/又は後に少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質と一緒に適用される医薬品の形で使用される。
【0167】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のために医薬品の形で使用され、その際、係る医薬品は、少なくとも1つの本発明の化合物と、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン;CAS登録番号:57695−04−2)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質とを含有する。
【0168】
より好ましくは、係る疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア及び/又は熱帯マラリア並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0169】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物は、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のために医薬品の形で使用され、その際、少なくとも1つの本発明の化合物を含有する医薬品は、少なくとも1つの本発明の化合物と、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン;CAS登録番号:57695−04−2)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質での治療の前及び/又は間及び/又は後に適用される。
【0170】
より好ましくは、係る疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア及び/又は熱帯マラリア並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0171】
なおも更なる一態様においては、本発明の目的は、驚くべきことに、"ミルテフォシン(ヘキサデシルホスホコリン)、ペリフォシン(オクタデシル−1,1−ジメチル−ピペリジノ−4−イル−ホスフェート)及び/又はエルシルホスホコリン[(13Z)−ドコセニルホスホコリン]"からなる群から選択されるアルキルリン脂質誘導体を、本願に様々に概説された微生物によって引き起こされる哺乳動物における前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品であって、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン;CAS登録番号:57695−04−2)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質と、"ミルテフォシン(ヘキサデシルホスホコリン)、ペリフォシン(オクタデシル−1,1−ジメチル−ピペリジノ−4−イル−ホスフェート)及び/又はエルシルホスホコリン[(13Z)−ドコセニルホスホコリン]"からなる群から選択されるアルキルリン脂質誘導体とを含有する医薬品の形で使用することによって解決された。
【0172】
なおも更なる一態様においては、本発明の目的は、驚くべきことに、"ミルテフォシン(ヘキサデシルホスホコリン)、ペリフォシン(オクタデシル−1,1−ジメチル−ピペリジノ−4−イル−ホスフェート)及び/又はエルシルホスホコリン[(13Z)−ドコセニルホスホコリン]"からなる群から選択されるアルキルリン脂質誘導体を、本願に様々に概説された微生物によって引き起こされる哺乳動物における前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のための医薬品であって、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン;CAS登録番号:57695−04−2)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択される少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質での治療の前及び/又は間及び/又は後に適用される医薬品の形で使用することによって解決された。
【0173】
より好ましくは、係る疾病及び/又は病態生理学的な状態は、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア及び/又は熱帯マラリア並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択される。
【0174】
更により好ましくは、係る医薬品は、ミルテフォシンとアンフォテリシンB、リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン及び/又はパロモマイシンを含有し、かつリーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症及び/又は内臓リーシュマニア症並びにそれらの種々の形及び派生形の治療のために使用される。
【0175】
更により好ましくは、係る医薬品は、ミルテフォシンとベンゾニダゾール及び/又はニフルチモックスを含有し、かつトリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症及び/又はシャーガス病並びにそれらの種々の形及び派生形の治療のために使用される。
【0176】
最も好ましくは、係る医薬品は、ミルテフォシンとベンゾニダゾールとを含有し、トリパノソーマ・クルジの上鞭毛型及び/又は特にトリパノソーマ・クルジの無鞭毛型によって引き起こされる、トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症及び/又はシャーガス病、特に慢性型のトリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症及び/又はシャーガス病の治療のために使用される。トリパノソーマ・クルジの無鞭毛型は、トリパノソーマ・クルジ寄生体の細胞内型を表し、それらは主に疾病の慢性過程の原因となる。トリパノソーマ・クルジの無鞭毛型は、心筋中に病巣を形成し、それは心不全と、最終的には心筋症をひきおこす。トリパノソーマ・クルジの上鞭毛型及び/又は特にトリパノソーマ・クルジの無鞭毛型に対する治療もしくは予防、特にこれらの寄生体型によって引き起こされる心不全及び/又は心筋症の治療もしくは予防が従って好ましい。
【0177】
好ましい一実施態様においては、本発明の化合物もしくは"ミルテフォシン(ヘキサデシルホスホコリン)、ペリフォシン(オクタデシル−1,1−ジメチル−ピペリジノ−4−イル−ホスフェート)及び/又はエルシルホスホコリン[(13Z)−ドコセニルホスホコリン]"からなる群から選択されるアルキルリン脂質誘導体は、前記の疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療及び/又は予防のために、本願に記載される少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質を含む医薬キットの形で使用される。
【0178】
本発明の化合物は、驚くべきことに、種々の細菌、真菌、原生動物及び/又はウイルスに対する、並びにそれらの各疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療における改善された作用及び/又は改善された効力の点で特徴的である。その驚くべほど強力な作用及び/又は効力のため、本発明の化合物は、好ましくは、他の公知であるが、より効力が低いAPLもしくは他の関連の療法剤と比較してより低い用量で投与しても、同等の又は更に優れた所望の生物学的作用を達成することができる。更に、そのような用量の低減は、好ましくは、より低い医薬的副作用をもたらすか、又は医薬的副作用をもたらしさえしないとも言える。
【0179】
更に、本発明の化合物は、驚くべきことに、公知のAPLもしくは他の関連の療法剤と比較してより低い細胞毒性である一方で、効力が優れていないとしても、少なくとも同等である。従って、本発明の化合物は本願に挙げられる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療において、低減された用量でさえ使用されるので、医薬品による副作用はほとんど無いか、あるいは副作用はないことがある。
【0180】
更に、本発明の化合物は、驚くべきことに、公知のAPLもしくは他の関連の療法剤の全てと比較してより低い胎芽毒性であるか胎芽毒性がない一方で、効力が優れていないとしても、少なくとも同等である。胎芽毒性は、ある物質が、胎芽に害を与える/毒性であり、異常な発生もしくは死を引き起こす能力である。
【0181】
更に、本発明の化合物、またミルテフォシン、ペリフォシン及び/又はエルシルホスホコリンと、公知の標準的な療法剤(例えば、ベンゾニダゾール、ニフルチモックス、アンフォテリシンB、リポソーム性アンフォテリシンB及び/又はパロモマイシン)とを、本願に挙げられる疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療において組み合わせて使用することは、驚くべきことに、単独の療法剤だけで(標準的な)治療をしたのと比較して優れた効力を有する点で特徴的である。
【0182】
更に、係る組み合わせ治療は、驚くべきことに、それらの単独使用と比較して適用される付加的な療法剤(例えばベンゾニダゾール、ニフルチモックス、アンフォテリシンB、リポソーム性アンフォテリシンB及び/又はパロモマイシン)の容量低下を可能にする一方で、効力が優れていないとしても、少なくとも同等である。更に、そのような用量の低減は、好ましくは、より低い医薬的副作用をもたらすか、又は医薬的副作用をもたらしさえしないとも言える。
【0183】
更に、係る組み合わせ治療は、驚くべきことに、大きな時間削減、すなわち短期間の治療を可能にし、それは患者コンプライアンス及び経済的な健康管理の観点で好ましい。
【0184】
本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物及び/又は、適宜、付加的な薬理学的に活性な物質は、公知の様式で投与することができる。投与の経路は、従って、活性な化合物を、適切な又は所望の作用部位に効果的に輸送する任意の経路であってよく、例えば経口もしくは非経口であり、特に局所的、経皮的、経肺的、膣内的、経鼻的又は非経口もしくは内植的であってよい。経口投与が好ましい。
【0185】
本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物及び/又は、適宜、付加的な薬理学的に活性な物質は、投与可能な形に変換され、そして適宜、製剤学的に認容性の担体もしくは希釈剤と混合される。好適な賦形剤及び担体は、例えばZanowiak P著のUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 2005,Pharmaceutical Dosage Forms,1−33;Spiegel AJ他著のJournal of Pharmaceutical Sciences 1963,52:917−927;Czetsch−Lindenwald H著のPharm.Ind.1961,2:72−74;Fiedler HP著のLexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie,Kosmetik and angrenzende Gebiete 2002,Editio Cantor Verlag,p65−68に記載されている。
【0186】
経口投与は、例えば固体形で、錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、被覆錠剤、顆粒又は粉末として実施できるが、可飲溶液の形でも実施できる。本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物は、経口投与のために、公知でかつ通常使用される生理学的に許容される賦形剤及び担体、例えばアラビアゴム、タルク、デンプン、糖類、例えばマンニトール、メチルセルロース、ラクトース、ゼラチン、界面活性剤、ステアリン酸マグネシウム、シクロデキストリン、水性もしくは非水性の担体、希釈剤、分散剤、乳化剤、滑沢剤、保存剤及びフレーバー(例えば精油)と組み合わせることができる。また、本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物を分散させて、マイクロ粒子、例えばナノ粒子組成物とすることもできる。
【0187】
非経口投与は、例えば滅菌された水溶液もしくは油溶液の静脈内、皮下、筋内の注射によってか、インプラントによってか、又は軟膏、クリーム剤又は坐剤によって実施することができる。徐放性形としての投与も適宜可能である。インプラントは、不活性材料、例えば生分解性ポリマー又は合成シリコーン、例えばシリコーンゴムを含んでよい。経膣投与は、例えばリングによって可能である。子宮内投与は、例えばダイアフラム又は他の好適な子宮内装置を用いて可能である。経皮投与は、更に、特にこの目的のために適した製剤及び/又は好適な措置、例えばパッチを用いて提供される。
【0188】
この投与量は、疾病及び/又は病態生理学的な状態の種類及び/又は重度、投与様式、治療されるべき被験体の年齢、性別、体重及び感受性に応じて広範に変更できる。当業者の能力の範囲内で、本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物び/又は付加的な薬理学的に活性な物質の"薬理学的に効果的な量"が決定される。投与は、一回量又は複数の別々の投与量で実施することができる。
【0189】
好適な単位用量は、例えば有効成分、すなわち本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物少なくとも1種と、適宜、少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質0.001mg〜100mgを患者の体重1kgあたりである。
【0190】
化学合成
本願に開示されるアルキルリン脂質誘導体化合物の合成は、先行技術によく記載され、かつ当業者にその専門知識のため知られている手順である。この関連において、表現的には、以下の特許文献並びにそこで引用される文献:EP0108565号A2;WO87/03478号;US5,980,915号;US6,254,879号;US6,506,393号;US6,172,050号;US6,479,472号;US5,449,798号;US5,958,906号が参照される。
【0191】
以下に、特定のヘッド基及びテイル基の合成の更なる詳細を示す。疑いを避けるために、化学合成の部分で命名される種々のR残基は、式(I)について前記定義のもの及び特定の部分集合に相当しないことを明示する。従って、それらは異なっても、又は同じ意味をゆうしてもよい。
【0192】
A)
幾つかの窒素含有のヘッド基を、アミンのアルキル化によって合成した(第1表及び一般的方法1を参照)。
【0193】
第1表
【表1】

【0194】
一般的方法1:
R1は、コリン誘導体を表し、かつR2は、本願に開示される置換及び/又は非置換のアルキル基を表す。
【0195】
0.3モルのアミンと、150mlのCH3CNと、触媒量のKIとを、反応容器中に入れる。臭化アルコキシを、この混合物に室温で滴加し、15分間撹拌し、次いで2日間にわたり加熱還流させる。真空中で濃縮した後に、残留物をアセトンから晶出させる。収率は、10〜50%で変動する。
【0196】
適宜、他のアミンアルキル化剤(例えば臭化ベンジルもしくは臭化フェネチル)を使用してもよい。
【0197】
B)
他の窒素含有ヘッド基を、メチル化によって合成した(第2表及び一般的方法2を参照)。
【0198】
第2表
【表2】

【0199】
一般的方法2:
R3は、コリン誘導体を表し、かつR4は、本願に開示される置換及び/又は非置換のアルキル基を表す。
【0200】
0.5モルのコリン誘導体と、125mlのCH3CNを、反応容器に入れる。0.5モルのp−トルエンスルホン酸メチルエステルを125mlのCH3CN中に入れたものを、反応温度を10℃未満に保ちつつ滴加する。室温で30分間撹拌した後に、該混合物を更に30分間にわたり加熱還流させ、そして室温に冷却する。得られた固体("トシル酸塩")を単離し(不活性雰囲気下で適用可能であれば)、125mlのイソプロパノールから晶出させ、そしてP205上で真空中で乾燥させる。収率は、40〜60%で変動する。
【0201】
選択的に、メチルハロゲン化物を、メチル化のために使用してもよい。
【0202】
C)
他の窒素含有ヘッド基を、エチル化によって合成した(第3表及び一般的方法3を参照)。
【0203】
第3表
【表3】

【0204】
一般的方法3:
R5は、コリン誘導体を表し、かつR6は、本願に開示される置換及び/又は非置換のアルキル基を表す。
【0205】
0.5モルのコリン誘導体と、125mlのCH3CNを、反応容器に入れる。0.5モルの臭化エチルを125mlのCH3CN中に入れたものを、反応温度を10℃未満に保ちつつ滴加する。室温で30分間撹拌した後に、該混合物を更に30分間にわたり加熱還流させ、そして室温に冷却する。得られた固体("臭化物")を単離し(不活性雰囲気下で適用可能であれば)、125mlのイソプロパノールから再結晶化させ、そしてP205上で真空中で乾燥させる。収率は、40〜60%で変動する。
【0206】
選択的に、ヨウ化エチルを使用してもよい。
【0207】
D)
ホスフェート部に結合される様々な親油性テイル基は、以下に例示されるように使用してよい(第4表を参照)。
【0208】
第4表
【表4】

【0209】
E)
アルキルリン脂質誘導体化合物1〜20を、以下に挙げられる一般的方法4に従って合成した。その際、"トシル酸塩"は、窒素含有ヘッド基を表し、"アルコール"は、親油性テイル基を表す。
【0210】
一般的方法4:
【化59】

【0211】
反応容器中で、0.1モルのPOCl3を50mlのクロロホルム中に入れ、そして氷浴中で冷却する。0.9モルの"アルコール"と32mlのピリジンとを100mlのCH2Cl2中に溶かした溶液を、そのPOCl3溶液に、温度を5〜12℃に保ちつつ滴加する。室温で30分間撹拌した後に、0.12モルの"トシル酸塩"を添加し、10℃に冷却し、そして40mlのピリジンをこの溶液に滴加する。該混合物を、室温で2.5時間にわたり撹拌する。15mlの水を添加し(温度は20℃未満)、そして撹拌を更に30分間にわたり継続する。該混合物を、200mlのH2O:MeOH(1:1 v/v)、200mlの3%HCl:MeOH(1:1 v/v)及び200mlのH2O:MeOH(1:1 v/v)で洗浄する。有機相を真空中で濃縮する(イソプロパノールを添加して、発泡を抑える)。粗生成物を、200mlのメチルエチルケトンから再結晶化させる。得られた固体を、150mlのEtOH中で加熱し、濾過し、5〜7℃で4時間冷却し、そして再び濾過する。85gのAmberlite MB3を、その濾液に添加し、そして室温で3時間撹拌する。濾過後に、澄明な溶液を真空中で濃縮し、そして150mlのメチルエチルケトンから再結晶化させる。適用可能であれば、該生成物を、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/NH3(25%)80:25:5)によって精製する。収率は、25〜50%で変動する。
【0212】
全ての参考文献及び特許の内容は、全てにおいて参照をもって開示されたものとする。
【0213】
本発明を、以下の実施例によって詳細に説明するが、これらの実施例に制限されるものではない。
【0214】
実施例
I) 選択されたアルキルリン脂質誘導体化合物の合成/物理化学的特徴付け
実施例1: 化合物1
リン酸 1−ベンジル−1−メチル−ピペリジン−4−イル エステル ヘキサデシルエステル
3.1g(6%)の化合物1は、ヘキサデカン−1−オール及び1−ベンジル−ピペリジン−4−オールから出発して、一般的方法4に従って、1−ベンジル−ピペリジン−4−オールの一般的方法2に従ったメチル化の後に得られた。
【0215】

【0216】
実施例2: 化合物2
リン酸 ヘキサデシルエステル 2−(1−メチル−ピペリジン−1−イル)−エチルエステル
5.8g(13%)の化合物2は、ヘキサデカン−1−オール及び2−ピペリジン−1−イル−エタノールから出発して、一般的方法4に従って、2−ピペリジン−1−イル−エタノールの一般的方法2に従ったメチル化の後に得られた。
【0217】

【0218】
実施例3: 化合物3
リン酸 2−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチ−1−イル)−エチルエステル ヘキサデシルエステル
2.0g(5%)の化合物3は、ヘキサデカン−1−オール及び1−(2−ヒドロキシ−エチル)−キヌクリジンから出発して、一般的方法4に従って、キヌクリジンの一般的方法1に従ったアルキル化の後に得られた。
【0219】

【0220】
実施例4: 化合物4
リン酸 ヘキサデシルエステル 1−メチル−1−フェネチル−ピペリジン−4−イルエステル
6.3g(12%)の化合物4は、ヘキサデカン−1−オール及び1−フェネチル−ピペリジン−4−オールから出発して、一般的方法4に従って、1−フェネチル−ピペリジン−4−オールの一般的方法2に従ったメチル化の後に得られた。
【0221】

【0222】
実施例5: 化合物5
リン酸 1,1−ジエチル−ピペリジン−4−イルエステル オクタデシルエステル
6.9g(14%)の化合物5は、オクタデカン−1−オール及び1−エチル−ピペリジン−4−オールから出発して、一般的方法4に従って、1−エチル−ピペリジン−4−オールの一般的方法4に従ったアルキル化の後に得られた。
【0223】

【0224】
実施例6: 化合物8
リン酸 3−ヘキサデシルオキシ−プロピルエステル 2−トリメチル−アンモニウム−エチルエステル
9.3g(20%)の化合物8は、3−ヘキサデシルオキシ−プロパノール−1−オール及び2−ジメチルアミノ−エタノールから出発して、一般的方法4に従って、2−ジメチルアミノ−エタノールの一般的方法2に従ったメチル化の後に得られた。
【0225】

【0226】
実施例7: 化合物22
リン酸 オクタデシルエステル 2−(N,N,N−トリメチル−アルセン)−エチルエステル

【0227】
実施例8: 化合物89
リン酸 ヘキサデシルエステル 2−(1−メチル−アゼパン−1−イル)−エチルエステル

【0228】
実施例9: 化合物107
リン酸 ヘキサデシルエステル 2−(N−フェニル−N,N−ジメチル−アミノ)−エチルエステル

【0229】
更なる例示されるアルキルリン脂質誘導体化合物の物理化学データを、以下の第5表にまとめる:
第5表: 例示されるアルキルリン脂質誘導体化合物と、合成スキーム及びMSデータ:
【表5】

【0230】
【表6】

【0231】
II) 哺乳動物細胞系統に対する細胞毒性を評価するためのアッセイ
本発明の選択された化合物の種々の哺乳動物細胞系統に対する細胞特性を、以下のとおり評価した。
【0232】
ヒト腫瘍細胞系統KB/Hela(ATCC CCL17、ヒト子宮頚癌)、PCS(ATCC CRL1435、ヒト前立腺癌)及びPKOp21(ヒト結腸腺癌;Schmidt他著のOncogene 2000,19:2423−2429)細胞を、細胞毒性の評価のための自動化されたXTTスクリーニングアッセイにおいて使用した。
【0233】
細胞毒性の評価のための自動化されたXTTスクリーニングアッセイにおいて試験できる更なる哺乳動物細胞系統は、FDCP−1(DSMZ ACC368、マウス骨髄)、H9c2(2−1)(ECACC88092904、ラット心臓)、L8(ECACC95102434、ラット骨格筋)、C2C12(ECACC91031101、マウス骨格筋)、CHO(ECACC85050302、チャイニーズハムスター卵巣)、NRK−52E(ECACC87012902、ラット腎臓)、NRK−49F(ECACC86101301、ラット腎臓)、MDCK(ECACC84121903/ATCC CCL−34、コッカースパニエル犬腎臓)、HepG2(ATCC HB−8065、ヒト肝細胞癌)、NIH3T3(ATCC CRL−1658、マウス線維芽細胞)、HaCaT(ドイツ癌研究所(DKFZ)、ヒトケラチノサイト)並びに原発細胞、例えば原発ラット肝細胞である。
【0234】
XTTアッセイは、細胞生死及び細胞数と関連する細胞代謝活性を定量化する。試験化合物(本発明の選択された化合物及びコントロールとしての公知の物質)を、培養培地中に600μMで溶解させ、そして腫瘍細胞に10の異なる濃度で半対数的に最高濃度としての100μMから出発して添加する。
【0235】
PC3、RKOp21及びSKOV−3(ATCC HTB−77、ヒト卵巣腺癌)細胞を使用する第二の実験セットにおいて、試験化合物及び参照化合物を、70%エタノール/30%H2O中に10mMのストック濃度で溶解し、そして細胞培養培地中で希釈して、31.6μM(PC3及びRKOp21)もしくは100μM(SKOV−3)のいずれかの最終濃度を得る。
【0236】
48時間後に、試験化合物で処理した細胞の細胞代謝活性を、未処理のコントロール細胞(100%生存率)と比較して、490nm(XTT色素の転化)での吸収の測定によって定量化する。
【0237】
KB/Hela細胞及びPC3細胞を、10%の熱失活した仔ウシ血清(FCS、Biochrom AG、カタログ番号SOU5)、2mMのL−グルタミン(Gibco、カタログ番号25030−24)及び2%のペニシリン−ストレプトマイシン(PenStrep、Gibco、カタログ番号15140−122)を補ったRPMI1640培地(Gibco、カタログ番号42401−018)中で培養した。RKOp21細胞を、10%の熱失活した仔ウシ血清(FCS、Biochrom AG、カタログ番号SOU5)、2mMのL−グルタミン(Gibco、カタログ番号25030−24)、2%のペニシリン−ストレプトマイシン(PenStrep、Gibco、カタログ番号15140−122)及び1%のHEPES(Gibco、カタログ番号15630−056)を補ったDMEM+GlutaMAXTM−I培地(Gibco、カタログ番号61965−026)中で培養した。全ての細胞は、5%CO2の加湿空気中で37℃において培養した。
【0238】
実験の1日目に、細胞を対数期培養からトリプシン処理によって回収し、計数し、そして以下に列記される細胞系統に応じて96ウェルの平底マイクロタイタープレート中に入れた。
【0239】
【表7】

【0240】
24時間回復させて細胞の対数増殖をさせた後に、試験化合物を使用直前に希釈し、そしてウェルに25μlで移した。
【0241】
連続的な薬剤暴露の2日後に、50μlの新たに調製したXTT−PMS溶液{PBS中の2%の0.386mg/mlのPMS(N−メチルジベンゾピラジンメチルスルフェート;Sigma、カタログ番号P9625)+フェノールレッドを含まないRPMI1640培地中の98%の1mg/mlのXTT(ナトリウム 2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウム;Serva、カタログ番号38450)}をウェルに添加した。生存細胞の割合の測定のために、細胞をXTT−PMS試薬と一緒に37℃、5%CO2の加湿雰囲気で3時間インキュベートして、ホルマザン塩を形成させた。XTTの細胞性還元によって生成した可溶性のホルマザン塩の量を、Biomek(登録商標)2000ELISAプレートリーダーを用いて490nmでの吸収を測定することによって定量化した。
【0242】
それぞれの試験化合物の%阻害(細胞毒性)を、未処理のコントロール細胞に関連して計算した。阻害曲線を生成し、IC50値をGraphPad Prismを使用することによって計算した。
【0243】
以下の第6表において、本発明の選択された化合物について得られた細胞毒性結果(IC50値)を、従来技術の例(ペリフォシン、ミルテフォシン)と比較して表す。
【0244】
第6表: 哺乳動物のRKOp21、KB/Hela及びPCS細胞系統についての細胞毒性アッセイ結果(多くの選択された例示化合物についてのIC50値)
【表8】

【0245】
【表9】

【0246】
【表10】

【0247】
第6表に表される結果は、明らかに、本発明による選択された化合物が、先行技術の化合物であるペリフォシン及びミルテフォシンと比較して好ましいより低い細胞毒性であることを裏付けている。
【0248】
以下の第7表において、本発明の選択された化合物についての第二の実験セットにおいて得られた結果(細胞増殖の%阻害)を、先行技術の例(ペリフォシン、ミルテフォシン)と比較して表す。表される結果は、それぞれの細胞系統についての個々の値並びに試験された全ての3種の細胞系統にわたる平均値である。
【0249】
第7表: PCS、RKOp21及びSKOV−3細胞系統についての細胞毒性アッセイ結果(%阻害、%INH)
【表11】

【0250】
第7表に表される結果は、明らかに、本発明による選択された化合物が、3種全ての細胞系統にわたって、先行技術の化合物であるペリフォシン及びミルテフォシンと比較して好ましいより低い細胞毒性であることを裏付けている。
【0251】
III) 哺乳動物細胞系統に対する胎芽毒性を評価するためのアッセイ
化学物質と胎児発達の間の分化過程との相互作用は、胎芽毒性をもたらしうる。インビトロ胚幹細胞試験(EST)のモデルは、前記の分化過程と相互作用しそれをかく乱する能力について、インビトロで化学的化合物をスクリーニングする能力を有する。
【0252】
器官形成の間に形成される最初の器官は心臓なので、マウス胚幹細胞(D3多能性胚幹細胞系統)の心筋細胞へのインビトロでの分化は文書化されている。心拍細胞への分化についてのインビトロ過程は、よく特徴付けられており、かつ高度に標準化されている。mLIF(マウス白血病阻害因子)の存在下で、D3細胞は、無限継代固定細胞系統として未分化段階で維持することができる。mLIFの不在下では、それらの細胞は胚体を形成し、引き続き自発的に機能的な心筋細胞に分化して、拍動が簡単な検鏡評価によって観察できる。
【0253】
本発明の選択された化合物の胎芽毒性の測定は、前記の胚幹細胞試験(EST)によって実施する。2種のマウスの永久細胞系統を使用して試験化合物の胎芽毒性能力を評価する:3T3線維芽細胞(ATCC CCL−92;ATCC CRL−1658、ATCC CCL−163)及び胚幹細胞系統D3(ATCC CRL−1934)。
【0254】
分化と増殖の阻害を、胚幹細胞において測定し、かつ成体細胞の代用を担う3T3線維芽細胞における増殖の阻害と比較する。3つの終点を用いて、ESTにおける試験化合物の胎芽毒性能力の階級付けをする:MTTアッセイ(MTT細胞生死アッセイキット、カタログ番号30006、Biotium Inc.、www.biotium.com)における胚幹細胞及び3T3線維芽細胞の増殖の、コントロール(IC50 D3、IC50 3T3)の50%だけの阻害並びに胚幹細胞の自発収縮する心筋細胞への分化の、50%だけの阻害(ID50)。
【0255】
本発明の選択された化合物の胎芽毒性能力を、先行技術のAPLとの関連で格付け実験によって決定する。
【0256】
IV) 抗細菌活性アッセイ
本発明の選択された化合物を、ブイヨン微量希釈アッセイ法において、細胞増殖阻害に関する細菌株の感受性の測定のためのDIN58940(www.din.de)ガイドラインに従って試験した。該アッセイ法は、595nmで行う光度測定によって液体培養培地の混濁度に相当する細菌細胞増殖を定量化する。
【0257】
MIC測定の方法は、DIN58940−5に従って実施した。容量は、DIN58940−7ガイドラインに記載される微量希釈法に従って適合させた。
【0258】
水溶性に応じて、本発明の化合物を、水もしくはエタノールのいずれかに濃度10mg/mlで溶解させた。引き続き、原液を更に水中に希釈して、濃度512μg/mlにした。以下の連続希釈(2倍)を水中で実施し、以下の10種の試験濃度を得た:256μg/ml、128μg/ml、64μg/ml、32μg/ml、16μg/ml、8μg/ml、4μg/ml、2μg/ml、1μg/ml、0.5μg/ml、0.25μg/ml、0.125μg/ml。希釈した本発明の化合物を、100μlの容量でマイクロタイタープレートのウェルに移した。
【0259】
細菌株を、それらの種々の必要条件(第8表に列記されている)に応じて培地中で増殖させた。
【0260】
第8表
【表12】

【0261】
細菌の前培養を、好適な液体培地(ATCCウェブページを参照、www.atcc.org)中で増殖させ、次いで相応の液体培地中に植種した。100μlの植種物[1mlあたり約1×106の微生物の量に調整した(1mlあたり105〜108の微生物の範囲)]を、それぞれの試験化合物濃度にまで添加し、そして好適な条件下で培養した。
【0262】
植種の前と後に、細胞増殖を、化合物無しで増殖している細菌を含むポジティブコントロール及び培地のみを含有する滅菌/ネガティブコントロールに対して、測光分析によって測定した。最低阻害薬剤濃度(MIC)を、光学密度の増大が観察されない希釈列の最低薬剤濃度として定義する。
【0263】
第9表[(a)〜(e)]は、先行技術の例であるミルテフォシン(ヘキサデシル−ホスホコリン)と比較した、本発明の選択された化合物(化合物2、3、67、89、90、107、260、266、301)について得られた種々の細菌種に対する抗細菌活性アッセイの結果(μg/mLでのMIC値)を示している。
【0264】
第9表: 種々の細菌種の選択されたアルキルリン脂質誘導体化合物に対する感受性(μg/mLでのMIC)
【表13】

【0265】
第9表に表される結果は、本発明の選択された化合物が、先行技術の化合物であるミルテフォシン(ヘキサデシル−ホスホコリン)と比較して、種々のグラム陽性細菌及びグラム陰性細菌に対して強力な抗細菌活性があることを示している。
【0266】
V) 抗真菌活性アッセイ
本発明の選択された化合物の抗真菌活性は、抗真菌感受性試験によって以下のように評価した。
【0267】
本発明の化合物の種々の真菌に対する抗真菌活性は、米国臨床検査標準化委員会(NCCLS)の酵母(NCCLS文書M27−A、1997年)及び糸状菌(NCCLS文書M38−A、2002年)についての標準的なブロス微量希釈法に従って測定した。
【0268】
本発明の化合物を、種々の真菌株(第10表に列記されている)に対するインビトロ抗真菌活性について試験した。
【0269】
第10表
【表14】

【0270】
ATCC菌株の培養条件は、ウェブサイト(www.atcc.org)から得た。
【0271】
本発明の化合物のストック溶液を、実験日に1.28mg/10ml培地に等しく新たに調製した。連続希釈を行って、以下の試験濃度を得た:64μg/ml、32μg/ml、16μg/ml、8μg/ml、4μg/ml、2μg/ml、1μg/ml、0.5μg/ml、0.25μg/ml、0.125μg/ml。
【0272】
106のCFU/mlの真菌株の植種物を、好適な培地中で調製し、そしてインキュベート用の試験管に移した。
【0273】
その方法を使用して、真菌株に対する薬剤の最低阻害濃度(MIC)を測定する。そのMICは、酵母プロトコールについて可視的増殖の80%より高い阻害を示す濃度で35℃において培養48時間後に595nmで光度測定によって定義した。糸状菌プロトコールについては、MIC測定は、培養の48〜72時間後に35℃で行い、そして50%より高い可視的増殖阻害をもたらす濃度で定義した。
【0274】
第11表は、先行技術の例であるエルシルホスホコリン(ErPC)との比較における、本発明の化合物(化合物1、2、3、5、8、22)について得られた抗細菌活性アッセイの結果(μg/mLでのMIC値)を表す。
【0275】
第11表: 種々の真菌種の選択されたアルキルリン脂質誘導体化合物に対する感受性(μg/mLでのMIC)
【表15】

【0276】
第11表に表される結果は、本発明の選択された化合物が、先行技術の化合物であるエルシルホスホコリンと比較して強力な抗真菌活性であることを示している。
【0277】
VI) 種々の原生動物に対するインビトロ薬剤活性アッセイ
本発明の選択された化合物の種々の原生動物に対するインビトロ活性は、以下のように評価した。
【0278】
マウス(CD1)腹腔内マクロファージを、デンプン誘導の24時間後に回収し、そして96ウェルプレート中に濃度4×105mLで分配した。24時間後に、それらの細胞をトリパノソーマ・クルジ Tulahan LAC−Z無鞭毛型(Buckner他著のInfection and Immunity 1999,67(1):403−409に従って増殖及び培養をした)に感染させた。24時間後に、感染細胞を、3日間にわたり試験化合物(本発明の化合物並びに公知の先行技術の化合物)に暴露し、そして50μLの500μMのCPRG−1%Nonidet P−40を各ウェルに添加した。それらのプレートを、2〜5時間後に570nmで読取りを行った(Buckner他著のAntimicrobial Agents and Chemotherapy 1996,40(11):2592−2597)。ED50値を、Msxifit(IDBS)で計算した。
【0279】
トリパノソーマ・ブルセイ・ロデシエンセSTIB900血流型の錘鞭毛型を、15%の熱失活された仔ウシ血清を有するHMI−18培地(Hirumi H、Hirumi K著のJ Parasitol.1989,75(6):985−989)中で37℃、5%CO2の加湿雰囲気で維持した。その錘鞭毛型を、2×105mLの濃度の新たな培地中で洗浄し再懸濁した。その錘鞭毛型に試験化合物を与え、プレートを37℃、5%CO2の加湿雰囲気で72時間にわたりインキュベートした。72時間後に、それらのプレートを、アラマーブルーの添加前に検鏡評価した(Raz他著のActa Trop.1997,68:139−147)。それらのプレートを、5〜6時間後に、EX/EM530/585nmにおいて550nmでのフィルタカットオフで読取りを行った。ED50値を、Msxifit(IDBS)で計算した。
【0280】
熱帯熱マラリア原虫株K1及び株3D7の寄生体を、Trager W及びJensen JB(Science 1976,193:673−675)に従って培養した。試験化合物を用いたインビトロ薬剤感受性アッセイは、Korsinczky M他(Antimicrobial agents and chemotherapy 2000,44(8):2100−2108)及びFivelman QL他(Antimicrobial agents and chemotherapy 2004,48(11):4097−4102)に従って、3[H]−ヒポキサンチン放射線同位体法を用いて実施した。ED50値を、Msxifit(IDBS)で計算した。
【0281】
以下の原生動物を評価した:
A) トリパノソーマ・クルジ(PEM中のTulahuan−LACZ無鞭毛型、Lorente SO他著のAntimicrobial agents and chemotherapy 2004,48(8):2937−2950;Buckner他著のInfection and Immunity 1999,67(1):403−409;Buckner他著のAntimicrobial Agents and Chemotherapy 1996,40(11):2592−2597)
B) トリパノソーマ・ブルセイ・ロデシエンセ(株STIB900、Lorente SO他著のAntimicrobial agents and chemotherapy 2004,48(8):2937−2950;Habtemariam S著のBMC Pharmacology 2003,3:6)
C) プラスモジウム・ファルシパルム(株K1、Korsinczky M他著のAntimicrobial agents and chemotherapy 2000,44(8):2100−2108;Thaitong S及びBeale GH著のTrans.R.Soc.Trop.Med.Hyg.1981,75:271−273;Trager W及びJensen JB著のScience 1976,193:673−675)
D) プラスモジウム・ファルシパルム(株3D7、Mu他著のPLoS Biology 2005,3(10):e335)
以下の第12表は、本発明の選択された化合物(化合物1、2、3、4、5)について得られた種々の原生動物に対するインビトロ活性アッセイの結果(μg/mLでのED50値)を示す。
【0282】
第12表: 種々の原生動物についてのインビトロ薬剤活性アッセイ(多くの選択された例示化合物についてのED50値)
【表16】

【0283】
VII) トリパノソーマ・クルジに対するミルテフォシン及びベンゾニダゾールのインビトロ活性
トリパノソーマ・クルジ株Yに対する組み合わせ処理の過程におけるミルテフォシン及びベンゾニダゾールのインビトロ活性は、ミルテフォシンもしくはベンゾニダゾール単独でのそれぞれの単独処理と比較して評価した。
【0284】
ミルテフォシン及びベンゾニダゾールを、インビトロで、ブラジルのサンパウロのシャーガス患者から単離され、Victor Nussenzweig博士(Silva,LH及びNussenzweig,V;Folia din.biol.,20:191−207,1953)から得られたトリパノソーマ・クルジ株Yの上鞭毛型に対して組み合わせて試験した。前記のT.クルジY株は、ATCC50832で注文することもできるが、一方で、ATCC株は、株の当初の分化及び菌力の特性を回復させるためにマウスの数回の継代によって再適合させねばならない。
【0285】
上鞭毛型を、1リットルあたり10mgのヘミンと5%の熱失活された仔ウシ血清(FCS)を補ったブレイン−ハートインフュージョン培地(BHI、Becton,Dickinson、カタログ番号221812)中で、28℃で振盪(〜80rpm)しつつ最大で10〜12継代まで無菌培養してから、その培養を老化させて発育終末型を得て、それをDE−52カラム(Whatman DEAEセルロースイオン交換カラム、Waco、カタログ番号17050−03もしくは17050−04)で精製し、そしてマウスに注射した。2〜4週間後に、それらの寄生体を血液から回収し、無菌培養に戻した。
【0286】
ミルテフォシン及びベンゾニダゾールを10mg/ml及び20mg/mlの濃度でメタノール中に溶解させたストック溶液を使用した。ストック溶液を、BHI−FCS培地中で2倍の連続希釈を行った。ベンゾニダゾールについては、以下の試験濃度を使用した:80μg/ml、40μg/ml、20μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/ml。ミルテフォシンについての試験濃度は、20μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/ml、1.25μg/ml、0.625μg/mlであった。
【0287】
2×106の上鞭毛型を、ミルテフォシン及びベンゾニダゾールを有する最終容量200μlのBHI−FCS培地中でインキュベートした。28℃での72時間のインキュベート後に、寄生体の増殖を、ノイバウエルチャンバで寄生体の数を直接的に計数することによって測定した。50%阻害濃度を、線形回帰分析によって測定した。
【0288】
無鞭毛型/錘鞭毛型に対するミルテフォシンとベンゾニダゾールの組み合わせインビトロ試験のために、上鞭毛型が発育終末型の錘鞭毛型に分化するインビトロ分化を、化学的に定義されたトリアトミン人口尿培地(triatomine artificial urine medium)を用いて達成した。レバーインフュージョントリプトース培地(LIT、Castellani他著のJ.Protozool.1967,14(3):447−451)中で27℃で増殖させた、対数期の終わりの約100%の上鞭毛型を含むトリパノソーマ・クルジ培養を、10℃で10000×gで15分間遠心分離し、そして人口トリアトミン尿(TAU)(190mMのCaCl、8mMのリン酸緩衝液(pH6.0)、17mMのKCl、2mMのCaCl2、2mMのMgCl2)中に再懸濁した。寄生体を、2.5%(v/v)の重炭酸ナトリウム、500Uのペニシリン/ml、10mMのL−プロリンを補ったTAU培地中3〜5×106の寄生体/mlの最終濃度まで希釈し、そして密閉培養フラスコ中で27℃において室温で2時間インキュベートした。そのフラスコは、10mmを越えない液体深さを有しており、撹拌せずにインキュベートした。
【0289】
BALB/cマウスの腹腔内から取り出した浸出細胞を、2mMのL−グルタミン、1mMのピルビン酸ナトリウム、10μg/mlのゲンタマイシン、非必須アミノ酸を有する最小必須培地、10mMのHEPES、50μMの2メルカプトエタノール及び5%のFCSを含有する完全RPMI1640培地(Difco)中で培養した。3×105細胞/mlを24ウェルプレートに播種した。マウス腹腔内マクロファージを、1.5×106の発育終末型の錘鞭毛型で、1ウェルあたりのマクロファージあたり5つの寄生体の比率で感染させた。24時間後に、内在していない寄生体を除去し、感染したマクロファージを、1mlの容量において、完全RPMI培地単独において、10ng/mlのLPS及び40U/mlのIFN−γを有する培地又は試験化合物を含有する培地中で培養した。
【0290】
ミルテフォシン及びベンゾニダゾールは、完全RPMI培地中で希釈した。ベンゾニダゾールについての試験濃度は、40μg/ml、20μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/ml、1.25μg/mlであった。ミルテフォシンについては、以下の試験濃度を使用した:40μg/ml、20μg/ml、10μg/ml、5μg/ml、2.5μg/ml、1.25μg/ml、0.625μg/ml。
【0291】
37℃及び5%CO2でのインキュベート後に、運動性の錘鞭毛型を、感染5日後、7日後及び10日後に培養上清中で計数した。細胞内の無鞭毛型の数を評価するために、マクロファージを24ウェルプレート中の13mm2のカバースリップ上に置き、1.5×106の発育終末型の錘鞭毛型で感染させた。培養3日後に、感染マクロファージの単層を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で37℃において洗浄し、メタノール中で固定し、ギムザで染色した。無鞭毛型の数を、二重培養中で少なくとも400のマクロファージを計数することによって測定した。読取り値は、感染マクロファージあたりの無鞭毛型の平均数であった。
【0292】
以下の第13表は、ベンゾニダゾール、ミルテフォシン及びベンゾニダゾール+ミルテフォシンの組み合わせについて種々の濃度で得られた、トリパノソーマ・クルジ株Yの上鞭毛型に対するインビトロ活性アッセイの結果を表す。
【0293】
第13表
【表17】

【0294】
第13表に表される結果は、明らかに、ベンゾニダゾール+ミルテフォシンの種々の薬剤濃度での投与を通じて、それぞれの薬剤の単独投与と比較して、強力な相乗作用が達成されることを裏付けている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、
W、X、Yは、無関係に、"酸素原子、硫黄原子"からなる群から選択される;
R1は、"−[(CR3R4)m−Z]n−R5"である;
R2は、"−(CR6R7)p−R8"である;
R3及びR4は、互いに無関係に、"水素原子;置換もしくは非置換のC1〜C12−アルキル、置換もしくは非置換の(C1〜C12−アルキル)q−A−(C1〜C18−アルキル)r、−OH、置換もしくは非置換の−C(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−OC(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−NHCO−C1〜C12−アルキル、置換もしくは非置換の−N(C1〜C12−アルキル)CO−C1〜C12−アルキル"からなる群から選択される;もしくは
場合により、R3及びR4は、一緒になって、"酸素原子、硫黄原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有する3、4、5、6、7もしくは8個の環原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の複素環式の環系を形成する;
R5は、無関係に、"置換もしくは非置換のC8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換の−C(O)−C8〜C30−アルキル、置換もしくは非置換のステロイド部"からなる群から選択される;
R6及びR7は、互いに無関係に、"水素原子、−OH、ハロゲン原子、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、C1〜C6−アルキル、−CF3、−N3、−NH2、−NO2、−OCF3、−SH"からなる群から選択される;もしくは
場合により、R6及びR7は、一緒になって、3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系を形成する;もしくは
場合により、pが1である場合に、"−(CR6R7)p"は、R6及びR7によって一緒になって形成された3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系であってもよい;
R8は、"−VR9R10R11;置換もしくは非置換の複素環"からなる群から選択され、その際、複素環は、以下の(i)から(iii)のいずれかである:
(i)5員、6員もしくは7員の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の単環式の炭素原子環系であって、"窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ヒ素原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有するが、但し、少なくとも1つのヘテロ原子は、第四級窒素原子もしくは第四級ヒ素原子である炭素原子環系、もしくは
(ii)7員、8員、9員、10員、11員もしくは12員の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の二環式の炭素原子環系であって、"窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ヒ素原子"からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を有するが、但し、少なくとも1つのヘテロ原子は、第四級窒素原子もしくは第四級ヒ素原子である炭素原子環系、もしくは
(iii)トロピン部
その際、複素環の2つ以上の環原子は、付加的にアルキレン架橋を介して結合されていてよく、かつ複素環は、置換されている場合には、少なくとも1つの基R12で置換されており、該基R12は、その基が2つ以上の場合には、互いに無関係に、同一、部分的に同一もしくは異なっている;
R9、R10、R11、R12は、互いに無関係に、"水素原子、置換もしくは非置換のC1〜C18−アルキル、置換もしくは非置換のC3〜C8−シクロアルキル、置換もしくは非置換の(C1〜C12−アルキル)s−B−(C1〜C12−アルキル)t−C−(C1〜C12−アルキル)u、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、置換もしくは非置換のアルコキシ、−OH、ハロゲン、−F、−Cl、−Br、−I、=O、−C(O)O−C1〜C12−アルキル、−C(O)O−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、−C(O)−C1〜C12−アルキル、−C(O)−C3〜C8−シクロアルキル、−C(O)−アリール、−C(O)−ヘテロアリール、−C(O)−ヘテロシクリル"からなる群から選択される;かつ
場合により、2つの置換基R12は、一緒になって、3、4、5、6もしくは7個の炭素原子の、置換もしくは非置換の、飽和の、部分的に不飽和のもしくは芳香族の環系を形成する;
Zは、無関係に、"酸素原子;硫黄原子"からなる群から選択される;
Vは、無関係に、"窒素原子、ヒ素原子"からなる群から選択される;
A、B、Cは、互いに無関係に、"酸素原子;硫黄原子;S(O2)"からなる群から選択される;
mは、無関係に、1、2もしくは3である;
nは、無関係に、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10であり、有利には0、1、2もしくは3である;
pは、無関係に、0、1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には0、1、2もしくは3である;
q、r、s、t、uは、互いに無関係に、0もしくは1である]で示されるアルキルリン脂質誘導体を、哺乳動物における微生物によって引き起こされた疾病及び/又は病態生理学的な状態の治療もしくは予防のための医薬品の製造のために用いる使用。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)で示されるアルキルリン脂質誘導体の使用であって、その式中、pが0であり、R2がR8であり、R8が"置換もしくは非置換の複素環"であることを特徴とする使用。
【請求項3】
請求項1に記載の式(I)で示されるアルキルリン脂質誘導体の使用であって、その式中、pが無関係に1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には2もしくは3であり、R8が"置換もしくは非置換の複素環"であることを特徴とする使用。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)で示されるアルキルリン脂質誘導体の使用であって、その式中、pが無関係に1、2、3、4、5もしくは6であり、有利には2もしくは3であり、R8が"−VR9R10R11"であることを特徴とする使用。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式(I)で示されるアルキルリン脂質誘導体の使用であって、その式中、R1がR5であり、nが0であることを特徴とする使用。
【請求項6】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の式(I)で示されるアルキルリン脂質誘導体の使用であって、その式中、mが2もしくは3であり、nが1もしくは2であることを特徴とする使用。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用であって、アルキルリン脂質誘導が、
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用であって、微生物が細菌であることを特徴とする使用。
【請求項9】
請求項8に記載の使用であって、細菌がグラム陽性細菌であることを特徴とする使用。
【請求項10】
請求項8に記載の使用であって、細菌がグラム陰性細菌であることを特徴とする使用。
【請求項11】
請求項8から10までのいずれか1項に記載の使用であって、細菌が"アシネトバクター種、アクチノバシラス種、アクチノマイセス種、アエロモナス種、アグロバクテリウム種、アルカリゲネス種、アナプラズマ種、アキフェックス種、バシラス種、バクテロイデス種、ビフィドバクテリウム種、ボルデテラ種、ボレリア種、ブラジリゾビウム種、ブランハメラ種、ブルセラ種、ブフネラ種、ブルクホルデリア種、カンピロバクター種、カプノサイトファガ種、カルジオバクテリウム種、カウロバクター種、クラミディア種、クラミドフィラ種、クロロビウム種、シトロバクター種、クロストリジウム種、コリネバクテリウム種、コキシエラ種、デイノコッカス種、エールリッヒア種、エイケネラ種、エンテロバクター種、エンテロコッカス種、エリシペロトリックス種、エシェリキア種、フランシセラ種、フソバクテリウム種、ガルドネレラ種、ゲメラ種、ハエモフィルス種、ヘリコバクター種、キンゲラ種、キタサトスポラ種、クレブシエラ種、ラクトバシラス種、レジオネラ種、レプトスピラ、リステリア種、マンハイミア種、メソリゾビウム種、モラキセラ種、モルガネラ種、マイコバクテリウム種、マイコプラズマ種、ネイセリア種、ネオリケッチア種、ニトロソモナス種、ノカルディア種、オセアノバシラス種、オリエンチア種、パラコッカス種、パスツーレラ種、ペプトストレプトコッカス種、プレシオモナス種、ポルフィロモナス種、プレボテラ種、プロピオニバクテリウム種、プロテウス種、プロビデンシア種、シュードモナス種、サイコバクター種、ラルストニア種、ロドバクター種、ロドコッカス種、リケッチア種、サルモネラ種、セラチア種、シェバネラ種、シゲラ種、スピリルム種、スタフィロコッカス種、ステノトロフォモナス種、ストレプトバシラス種、ストレプトコッカス種、ストレプトマイセス種、シネココッカス種、シネコシスティス種、タンネレラ種、サーモアナエロバクター種、サーモトガ種、トレポネマ種、トロフェリマ種、ウレアプラズマ種、ベイロネラ種、ビブリオ種、ウィグルスウォルチア種、ウォルバヒア種、キサントモナス種、キシレラ種、エルシニア種及び/又はザイモモナス種"からなる群から選択され、好ましくは、"バクテロイデス種、ブランハメラ種、クラミディア種、エシェリキア種、ヘモフィルス種、クレブシエラ種、マイコバクテリウム種、マイコプラズマ種、プロテウス種、シュードモナス種、セラチア種、スタフィロコッカス種及び/又はストレプトコッカス種"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項12】
請求項8から11までのいずれか1項に記載の使用であって、アルキルリン脂質誘導体が請求項1から7までのいずれか1項に記載のものから選択されるが、但し、
R8が"−VR9R10R11"である場合に、Vは窒素原子であり、
更に、R8が"置換もしくは非置換の複素環"である場合には、"置換もしくは非置換の複素環"は1つ以上のヒ素原子を有さず、かつ1つ以上の第四級ヒ素原子を有さず、かつ
更に、以下の化合物は除く:
【化57】

【化58】

ことを特徴とする使用。
【請求項13】
請求項8から12までのいずれか1項に記載の使用であって、アルキルリン脂質誘導体が、"化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、34、37、38、62、66、67、89、90、107、117、144、260、266、301、307及び/又は314"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項14】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用であって、微生物が真菌であり、かつ"アブシディア種、アクレモニウム種、アルタナリア種、アスペルギルス種、ビポラリス種、カンディダ種、クラドフィロフラ種、クラドスポリウム種、コッキディオイデス種、コニオチリウム種、クリプトコッカス種、クニングハメラ種、クルブラリア種、エピデルモフィトン種、エキソフィアラ種、エキセロヒルム種、フォンセカエア種、フサリウム種、ヒストプラズマ種、ラカジア種、ラシオジプロディア種、レプトスファエリア種、マデュレラ種、ミクロスポルム種、ムコール種、ムコラレス種、ネオテスツディナ種、オクロコニス種、オニココラ種、パエシロマイセス種、パラコッキディオイデス種、ペニシリウム種、フィアロフォラ種、シューダレシェリア種、ピレノカエタ種、リゾムコール種、リゾプス種、スケドスポリウム種、スコプラリオプシス種、スシタリジウム種、スポロトリクス種、トリコフィトン種及び/又はワンギエラ種"からなる群から選択され、好ましくは、"アブシディア種、アスペルギルス種、ビポラリス種、カンディダ種、クリプトコッカス種、クニングハメラ種、エキソフィアラ種、フサリウム種、パエシロマイセス種、リゾプス種及び/又はスケドスポリウム種"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用であって、アルキルリン脂質誘導体が、"化合物1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20及び/又は22"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項16】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用であって、微生物が原生動物であり、かつ"アカントアメーバ種、アメーバ種、バベシア種、バランチディウム、クリプトスポリジウム種、シクロスポラ種、ジエントアメーバ種、エキアメーバ種、エンドリマックス種、エントアメーバ種、エンテロサイトゾーン種、ギアルディア種、ハルトマネラ種、イソスポラ種、ヨードアメーバ種、ランブリア種、リーシュマニア種、ミクロスポリディウム種、ナエグレリア種、ノセマ種、パラメシウム種、パラアメーバ種、ペヌモシスティス種、プラモジウム種、サルコシスティス種、テトラヒメナ種、トキソプラズマ種、トリコモナス種及び/又はトリパノソーマ種"からなる群から選択され、好ましくは、"リーシュマニア種、プラスモジウム種、トキソプラズマ種及び/又はトリパノソーマ種"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項17】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用であって、微生物がウイルスであり、かつ"DNAウイルス;dsDNAウイルス、ssDNAウイルス;RNAウイルス;dsRNAウイルス;(+)ssRNAウイルス;(−)ssRNAウイルス;DNA/RNA逆転写ウイルス;ssRNA−RTウイルス及び/又はdsDNA−RTウイルス"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項18】
請求項17に記載の使用であって、ウイルスが"アデノウイルス1型、2型、3型、5型、11型、21型、アデノウイルス、アルファウイルス、アルボウイルス、アレナウイルス、ボルナ病ウイルス、ブニヤウイルス、カリシウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、コロナウイルス牛痘ウイルス、コクサッキーA型ウイルス、コクサッキーB型ウイルス、コクサッキーウイルスA−16型、A−24型、コクサッキーウイルスB1型、B2型、B3型、B4型、B5型、サイトメガロウイルス(CMV)、デルタウイルス、デングウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、EEEウイルス、エンテロウイルス7型、70型、エプスタイン−バールウイルス(EBV)、フィロウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、FSMEウイルス、ハンタウイルス ハンタン型、ソウル型、ドブラヴァ型(ベオグラード型)、プーマラ型、シンノンブレ型、ブラッククリークカナル型、バイユー型、ニューヨーク−1型、ハンタウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、ヘルペスシンプレックスウイルス(HSV)、ヘルペスシンプレックスウイルス1型及び2型(HSV−1、HSV−2)、ヘルペスウイルス、HIV、HIV−1、HIV−2、ヒトパピローマウイルス(HPV)、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒトTリンパ球ウイルスI型及びII型(HTLV−I、−II)、インフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスA型(H5N1)及び(H3N2)、インフルエンザウイルスA型、B型、C型、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、アルボウイルス、カポジ肉腫随伴ウイルス、ラクロスウイルス、ラッサウイルス、レンチウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マクポウイルス、マールブルクウイルス、麻疹ウイルス、軟属腫ウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、ノーウォークウイルス、オルフウイルス、オルトミクソウイルス、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、2型、3型、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス1型、2型、3型、4型、パラミクソウイルス、パルボウイルスB19型、パルボウイルス、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、ポックスウイルス、狂犬病ウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、呼吸系発疹ウイルス、ラブドウイルス、リノウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、リビウイルス、SARSウイルス、シミアンウイルス40、SLEウイルス、トガウイルス、トークテノウイルス、ワクシニアウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ソラマメエンドルナウイルス、WEEウイルス、西ナイルウイルス及び/又は黄熱ウイルス"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項19】
請求項1から18までのいずれか1項に記載の使用であって、疾病及び/又は病態生理学的な状態が、"アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンディダ症、色素酵母菌症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、白癬、表在性白癬、ヒストプラズマ症、ロボ真菌症、ムコール菌症、菌腫、糸状菌性角膜炎、眼真菌症、爪甲真菌症、耳真菌症、パラコクシジオイデス症、褐藻菌類症、砂毛症、粃糠疹、でん風、リノスポリジウム症、スポロトリクス症、白癬性毛瘡、頭部白癬、体部白癬、股部白癬、黄癬、黒色癬、足白癬、爪白癬、接合菌症、アフリカトリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、アメーバ症、アメーバ赤痢、アメーバ角膜炎、アメーバ髄膜脳炎、アメーバ膣炎、バベシア症、シャーガス病、コクシジウム症、クリプトスポリジウム症、皮膚リーシュマニア症、サイクロスポーラ症、二核アメーバ症、エントアメーバ症、ジアルジア虫症、イソスポリア症、ランブル鞭毛虫症、リーシュマニア症、マラリア、4日熱、3日熱、熱帯マラリア、小胞子虫症、粘膜皮膚リーシュマニア症、ニューモシスティス症、住肉胞子虫症、睡眠病、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症、内臓リーシュマニア症、放線菌症、急性咽頭蓋炎、急性中耳炎、化膿性(敗血症性)関節炎、急性化膿性髄膜炎、炭疽、虫垂炎、赤痢、菌血症、黒死病、境界域らい、ボレリア症、ボツリヌス中毒、乳房膿腫、気管支炎、ブルセラ症、腺ペスト、よう、小胞炎、頭部破傷風、脳炎、子宮頚炎、コレラ、結膜炎、皮膚炭疽、膀胱炎、皮膚炎、下痢、蓄膿、脳炎群、心内膜炎、腸熱、腸炎、全腸炎、精巣上体炎、丹毒、エリシペロトリックス病、表皮剥脱、肺外結核、食中毒、フルンケル、ガス壊疽、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、胃腸結核、尿生殖器結核、糸球体腎炎、血行性もしくはリンパ血行性結核、インペチゴ、腹腔内感染、咽頭炎、らい腫らい、らい、レプトスピラ症、リステリア症、限局性破傷風、ライム病、乳腺炎、類鼻疽、髄膜炎、髄膜脳炎、粟粒結核、筋壊死、悪心、壊死性腸炎、新生児リステリア症、新生児敗血症、ノカルジア症、眼炎、骨髄炎、骨髄炎、中耳炎、耳炎、膵臓炎、耳下腺炎、心嚢炎、腹膜炎、百日咳、ペスト、咽頭炎、悪疫、肺炎、産褥敗血症、原発性リステリア血症、直腸炎、前立腺症、産褥敗血症、肺炭疽、肺結核、膿疱性もしくは水疱性皮下膿瘍、腎盂腎炎、膿皮症、シカバエ/ウサギバエ熱、鼠咬症、回帰熱、リウマチ熱、鼻炎、菱脳炎、サルモネラ症、耳管炎、熱傷様皮膚症候群、猩紅熱、敗血症、敗血症性関節炎、敗血症性血栓静脈炎、毒血症、細菌性赤痢、副鼻腔炎、皮膚感染、縫合部膿瘍、梅毒、テタヌス、ダニ熱/回帰熱/飢餓熱、扁桃炎、トキシックショック症候群、気管気管支炎、トレポネーマ症、結核、結核様らい、結核性リンパ節炎、結核性髄膜炎、結核性心嚢炎、結核性腹膜炎、ツラレミア、腸チフス、潰瘍、波状熱/マルタ熱/地中海熱/ジブラルタル熱、尿道炎、尿路感染(UTI)、嘔吐、傷感染、急性熱性呼吸器疾患(AFRD)、急性出血性結膜炎、急性出血性膀胱炎、急性咽頭結膜熱(APC)、急性後部神経節炎、急性呼吸器疾患(ARD)、AIDS、アルボウイルス脳炎、無菌性髄膜炎、ボルナ病、ボルンホルム病(胸膜痛)、デング熱、細気管支炎、気管支炎、バーキットリンパ腫、カリフォルニア脳炎、カストルマン病、子宮頚癌、水痘、チクングンヤ病、コロラドダニ熱、かぜ症候群、結膜炎、牛痘、クロイツフェルト・ヤコブ病、クルップ、巨細胞性封入体病、デング、デング出血熱、デビルグリップ(胸膜痛)、東部ウマ脳脊髄炎、エボラ出血熱、エボラウイルス感染、脳脊髄炎、流行性角結膜炎(EKC)、流行性腎症腎炎、伝染性紅斑、致死性家族性不眠症、第五病、インフルエンザ、口蹄疫(手足口病)、胃腸炎、膝帯状疱疹、性器ヘルペス、陰部疣贅、風疹、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、歯肉口内炎、ハンターン・コリア出血熱、ハンタウイルス出血熱、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、腎症候性出血熱(HFRS)、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヘルパンギーナ、口唇ヘルペス、帯状疱疹、疱疹性口内炎、HIV感染、ホジキン病、HTLV−I関連脊髄症、狂犬病、感染性心筋症、感染性心嚢炎、インフルエンザ、日本脳炎、ジャングル(森林)黄熱、フニンアルゼンチン出血熱、カポジ肉腫、角膜炎、角結膜炎、コリアン出血熱、クールー、ラクロス脳炎、喉頭炎、喉頭気管気管支炎(1型及び2型)、ラッサ出血熱、白血病、リンパ球性脈絡膜髄膜炎、リンパ腫、ボリビア出血熱、マールブルク出血熱、マヤロ病、麻疹、髄膜脳炎、伝染性軟属腫、単核細胞症、単核細胞症様症候群、多巣性白質脳症、流行性耳下腺炎、上咽頭癌、悪心、新生児ヘルペス、流行性ネフロパシー、ガン部帯状疱疹、睾丸炎、羊鵞口瘡、パラインフルエンザ、耳下腺炎、咽頭炎、咽頭結膜熱、胸膜痛、肺炎、ポリオ、灰白髄炎、進行性多病巣性白質脳障害(PML)、恐水症、突発性発疹、三日ばしか、風疹全脳炎、硬化性全脳炎、重度急性呼吸器症候群(SARS)、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、紅斑病(伝染性紅斑)、天然痘、ソエオラ、セントルイス脳炎、側頭葉脳炎、気管気管支炎、伝染性海綿状脳症、局所性痙攣性不全対麻痺、都市型黄熱、尿道炎、水痘、疣贅、嘔吐、いぼ、西部ウマ脳炎、黄熱、帯状疱疹及び/又は帯状ヘルペス並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択され、好ましくは、"トリパノソーマ症、アメリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、粘膜皮膚リーシュマニア症、内臓リーシュマニア症、マラリア、熱帯マラリア、急性中耳炎、気管支炎、皮膚炎、脳炎、心内膜炎、胃炎、胃腸炎、胃腸管(GI)感染、喉頭炎、髄膜炎、中耳炎、心嚢炎、咽頭炎、肺炎、敗血症、副鼻腔炎、皮膚感染、結核及び/又は尿路感染(UTI)並びにそれらの種々の形及び派生形"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項20】
請求項1から7までのいずれか1項に記載のアルキルリン脂質誘導体を、哺乳動物における腫瘍の治療のための医薬品の製造のために用いる使用。
【請求項21】
請求項1から20までのいずれか1項に記載の使用であって、哺乳動物が、"ヒト、家畜、ウシ、家畜、ペット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、ポニー、ロバ、ヒニー、ラバ、野ウサギ、ウサギ、ネコ、イヌ、モルモット、ハムスター、ラット、マウス"からなる群から選択され、好ましくは、ヒトであることを特徴とする使用。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか1項に記載の使用であって、係る医薬品が、少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質を含有することを特徴とする使用。
【請求項23】
請求項1から22までのいずれか1項に記載の使用であって、医薬品が、治療の前及び/又は間及び/又は後に、少なくとも1種の付加的な薬理学的に活性な物質と一緒に適用されることを特徴とする使用。
【請求項24】
請求項22から23までのいずれか1項に記載の使用であって、係る少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質が、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項25】
請求項22から23までのいずれか1項に記載の使用であって、アルキルリン脂質誘導体が、"ミルテフォシン(ヘキサデシルホスホコリン)、ペリフォシン(オクタデシル−1,1−ジメチル−ピペリジノ−4−イル−ホスフェート)及び/又はエルシルホスホコリン[(13Z)−ドコセニルホスホコリン]"からなる群から選択され、かつ少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質が、"ベンゾニダゾール(N−ベンジル−2−ニトロイミダゾール−1−イル−アセトアミド);ニフルチモックス[3−メチル−4−(5−ニトロフルフリリデンアミノ)テトラヒドロ−1,4−チアジン−1,1−ジオキシド];アンフォテリシンB[(1R,3S,5R,6R,9R,11R,15S,16R,17R,18S,19E,21E,23E,25E,27E,29E,31E,33R,35S,36R,37S)−33−[(3−アミノ−3,6−ジデオキシ−β−D−マンノピラノシル)オキシ]−1,3,5,6,9,11,17,37−オクタヒドロキシ−15,16,18−トリメチル−13−オキソ−14,39−ジオキサビシクロ[33.3.1]ノナトリアコンタ−19,21,23,25,27,29,31−ヘプタエン−36−カルボン酸];リポソーム性アンフォテリシンB、シタマキン(N,N−ジエチル−N′−(6−メトキシ−4−メチル−8−キノリニル)−1,6−ヘキサンジアミン)及び/又はパロモマイシン[O−2−アミノ−2−デオキシ−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−O−[O−2,6−ジアミノ−2,6−ジデオキシ−β−L−ヨードピラノシル−(1−3)−β−D−リボフラノシル−(1−5)]−2−デオキシ−D−ストレプタミン]"からなる群から選択されることを特徴とする使用。
【請求項26】
請求項22から25までのいずれか1項に記載の使用であって、少なくとも1つのアルキルリン脂質誘導体及び少なくとも1つの付加的な薬理学的に活性な物質を医薬キットとして適用することを特徴とする使用。

【公表番号】特表2009−519999(P2009−519999A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546419(P2008−546419)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069873
【国際公開番号】WO2007/071658
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508048713)エテルナ ツェンタリス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (4)
【氏名又は名称原語表記】AEterna Zentaris GmbH
【住所又は居所原語表記】Weismuellerstrasse 50, D−60314 Frankfurt am Main, Germany
【Fターム(参考)】