説明

低減された腐食作用を有するアルカノールアミン系二酸化炭素吸収溶液

少なくとも1つのアルカノールアミンおよび少なくとも1つの第四級アンモニウム塩を含む二酸化炭素吸収水溶液が開示される。二酸化炭素含有気体混合物から二酸化炭素を回収する方法、およびアルカノールアミン系排出ガス処理プロセスにおける金属腐食を低減する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、化石燃料の燃焼、特に、化石燃料燃焼ガス混合物からの二酸化炭素の除去に関する。
【0002】
炭素隔離とは、捕捉および貯蔵しなければ二酸化炭素(CO)として大気中に放出されるかまたは残留する炭素の捕捉および貯蔵をいう。化石燃料は、世界の燃料の主要な供給源であって、全一次エネルギーの85%超を供給しており、残りは、核、水力発電、太陽、風力および地熱が構成している。再生可能なエネルギーの選択肢を増やし、且つ化石燃料利用の節約および効率向上を促進するため、多くの国によって、甚大な努力および資本投資がなされてきたが、次の数十年間の気候変化は、著しい努力および資力を炭素隔離に費やすことを要求するであろう。
【0003】
大気中における温室効果ガス濃度の上昇の潜在的影響は、21世紀になっても、そしてその先も、世界的な関心事であろう。米国エネルギー省が、温室効果ガスの蓄積に対処するために試みてきた3つの主要な構想がある。これらは、エネルギー利用の改善された効率、低炭素燃料の採用、および炭素隔離を含む。炭素地中隔離は、捕捉しなければ大気中に失われるであろうCO排出物を捕捉するだけでなく、それらを油およびガス貯留層などの地層、廃止された石炭層(abandoned coal seam)ならびに深海水中に永久に貯蔵する方法である。
【0004】
COの主要な発生源は、化石燃料発電所、産業プロセス、および将来的には、燃料脱炭素施設の副産物である。発電所は、最も大きな発生源であり、世界中の全CO排出の3分の1超を排出する。発電所のCO排出物を捕捉する3つの主要な経路:煙道ガス分離、オキシ燃料燃焼および燃焼前隔離がある。3つのアプローチの全てが試みられたが、煙道ガス分離が、現在のところ最も一般的な商業的方法である。
【0005】
煙道ガス分離およびCO捕捉は、COがアミンと反応し、液相中に付加物として捕捉される化学的吸収に基づいている。最も一般的に使用されるCOの吸収剤は、モノエタノールアミン(MEA)であるが、これは有害廃棄物の処分を必要とする分解産物および処理装置に対する高い腐食作用などの大きな問題を抱えている。
【0006】
MEA処理に関連する問題に取り組むためにいくつかの試みがなされてきた。例えば、米国特許第4971718号は、アンチモンおよびN−メチルジエタノールアミン(MDEA)をMEAの水溶液に添加することについて開示する。アンチモンとMDEAとの組合せは、腐食を防止し、溶媒の変質を抑制すると考えられていた。しかしながら、アンチモン化合物は、潜在的に深刻な毒性の問題を示し、大規模な産業用途におけるそれらの使用が問題となる可能性がある。
【0007】
米国特許第4477419号は、活性炭またはイオン交換樹脂の使用と組み合わせた、銅塩のアルカノールアミン溶液における使用について開示している。活性炭またはイオン交換樹脂の使用と組み合わせた銅塩は、腐食作用および/または溶媒の変質の性質を低下させると考えられていた。しかしながら、炭素吸着床またはイオン交換樹脂の使用は、CO捕捉プロセスに更なるコストと複雑さとを付加する。
【0008】
米国特許第4596849号において、チオ尿素−アミン−ホルムアルデヒド系ポリマーは、水性MEAを用いるCO洗浄のための腐食防止剤として扱われている。しかしながら、米国特許第4596849号の方法は、発癌物質を生ずる可能性がある。特に、チオ尿素−アミン−ホルムアルデヒド系ポリマーは、変質の際、ヒト発癌性物質であると疑われているいくらかのレベルのホルムアルデヒドを放出し得る。
【0009】
アミンおよびアミン誘導体を吸収助剤として用いて研究が行われてきたが、MEA溶液における腐食の減少の改善、溶媒の安定性の増加および/または塔およびタンクにおいて見出される金属製処理装置に対するより低い腐食作用を示す革新的な技術のための機会が残っている。
【0010】
したがって、本発明の目的は、金属製装置に対する低い腐食作用を示し且つ環境に対して毒性のまたは有害な化合物を含まないか、または生じさせないアルカノールアミン系二酸化炭素吸収水溶液を提供することである。
【0011】
ある第四級アンモニウム塩が、アルカノールアミン水溶液と相溶性であること、および結果として得られる組合せを二酸化炭素の隔離に使用できることが見出された。さらに、ある第四級アンモニウム塩が、完全にアルカノールアミンと相溶性であるだけでなく、1年当たりのmm(mm・year−1)により測定される金属の腐食速度において著しい減少を提供することが見出された。
【0012】
本発明は、全溶液に対して10重量%〜90重量%の量で、最小2つの炭素原子および最大6つの炭素原子、1または2つの水酸基ならびに第1級、第2級または第3級アミノ基を有する少なくとも1つのアルカノールアミンと、0.03重量%〜0.20重量%の量で少なくとも1つの式
【化1】

【0013】
の第四級アンモニウム塩であって、
式中、RおよびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基であり、RおよびRは、独立して、C1−4アルキル基であり、Xn−は、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式のC1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20ジカルボン酸のアニオン、ヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオンからなる群より選択されるアニオンであり、nは、前記アニオンの負電荷の適切な数を示す第四級アンモニウム塩とを含む水性CO吸収組成物に関する。有利には、組成物は、本質的にハロゲンを含まず、特にハロゲン化物アニオンは少なくとも1つの第四級アンモニウム塩中には存在しない。
【0014】
本発明は、CO含有気体混合物からCOを回収する方法にも関し、これは気体混合物を、最小2つの炭素原子および最大6つの炭素原子、1または2つの水酸基、および第1級、第2級または第3級アミノ基を有する少なくとも1つのアルカノールアミンを全溶液に対して10重量%〜90重量%の量で含み、且つ上記少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩を含む吸収水溶液と接触させることを含み、ここにおいて、CO含有ガス混合物からCOを回収する方法が60℃を超え、95℃よりも低い温度で行われる場合、当該少なくとも1つの第四級アンモニウム塩は、全溶液に対して0.03重量%〜0.20重量%の量で存在している。
【0015】
別の実施形態において、CO含有気体混合物からCOを回収する方法は、最高温度60℃で行われ、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩が0.01重量%〜1.0重量%の量で存在している。
【0016】
本発明の別の実施形態は、アルカノールアミン系排出ガス処理プロセスにおける金属腐食を低減する方法に関し、これは上記少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩をアルカノールアミン水溶液に添加することを含み、ここにおいて、当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩が、0.03重量%〜0.20重量%の量で存在しており、当該ガス処理プロセスは、60℃を超え、95℃よりも低い温度で行われる。
【0017】
別の実施形態であるアルカノールアミン排出ガス処理プロセスにおける金属腐食を低減する方法において、前記プロセスは、60℃を超えない温度で行われ、第四級アンモニウム塩は0.01重量%〜1.0重量%の量で存在している。
【0018】
少なくとも1つのアルカノールアミンは、最小2つの炭素原子および最大6つの炭素原子、1または2つの水酸基、ならびに第1級、第2級または第3級アミノ基を有する。
【0019】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのアルカノールアミンは、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2−(メチルアミノ)−エタノール、およびそれらの混合物からなる群より選択される。最も好ましいアルカノールアミンは、モノエタノールアミンである。
【0020】
少なくとも1つのアルカノールアミンは、10重量%、好ましくは20重量%、より好ましくは30重量%の最小量で存在する。
【0021】
少なくとも1つのアルカノールアミンは、90重量%、好ましくは80重量%、より好ましくは70重量%の最大量で存在する。
【0022】
本発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、重炭酸/炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、リン酸ジデシルジメチルアンモニウム、グリコール酸ジデシルジメチルアンモニウム、水酸化ジデシルジメチルアンモニウム、またはそれらの組合せからなる群より選択される。最も好ましい塩は、重炭酸/炭酸ジデシルジメチルアンモニウムである。「重炭酸塩/炭酸塩」の表現は、重炭酸塩、炭酸塩、または重炭酸塩および炭酸塩の混合物を意味するものと解する。
【0023】
上記方法に関する温度が60℃を超えない場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.01重量%、好ましくは0.05重量%、より好ましくは0.10重量%、最も好ましくは0.25重量%の最小量で存在している。上記方法に関する温度が60℃を超えない場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、1.0重量%、好ましくは0.75重量%、より好ましくは0.6重量%、最も好ましくは0.5重量%の最大量で存在している。
【0024】
上記方法に関する温度が60℃を超え、95℃よりも低い場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、好ましくは0.03重量%、より好ましくは0.05重量%、最も好ましくは0.10重量%の最小量で存在している。上記方法に関する温度が60℃を超え、95℃よりも低い場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、好ましくは0.20重量%、より好ましくは0.18重量%、最も好ましくは0.15重量%の最大量で存在している。
【0025】
少なくとも1つのアルカノールアミンおよび少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩の配合は、二酸化炭素を隔離するプロセスにおいて用いられ得ることが見出された。アルカノールアミン溶液への少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩の添加は、アルカノールアミン溶液の腐食作用を低減し、溶媒の安定性を増加させ、金属処理装置に対するより少ない腐食作用につながる。
【0026】
本発明のより良い理解のために、他のおよび更なる利点と共に、以下の詳細な記載が参照され、その範囲が特許請求の範囲において示されるであろう。
【0027】
本発明は、化石燃料の燃焼に由来する排出ガス(煙道ガス)から二酸化炭素を吸収するための組成物および方法を含むシステムに関する。組成物はアルカノールアミン水溶液および少なくとも1つの式
【化2】

【0028】
の第四級アンモニウム塩を含む。
【0029】
式(I)において、Rは、第四級アンモニウムカチオンを示す。RおよびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基である。したがって、RおよびRは、独立して、置換されていないC1−20アルキル基であるか、またはアリール基により置換されているC1−20アルキル基である。
【0030】
1−20アルキル基は、1〜20の炭素原子を有する直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であり、これは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびイコシルを含むが、これらに限定されない。アリール置換されているC1−20アルキル基は、置換基としてアリール基、特にフェニルを有する上記基のいずれかである。アリール置換されているC1−20アルキル基の好ましい例は、ベンジル、フェニルエチルおよびフェニルプロピルである。
【0031】
ある好ましい実施形態において、Rはメチルである。別の好ましい実施形態において、Rはベンジルまたはフェニルエチルである。
【0032】
別の好ましい実施形態において、RおよびRは、同じC1−20アルキル基である。より好ましくは、RおよびRは、デシル基である。さらにより好ましい実施形態において、RおよびRは、n−デシル基である。
【0033】
およびRは、独立して、C1−4アルキル基である。C1−4アルキル基は、直鎖状であるか、あるいは枝分かれしており、置換されていない。C1−4アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルを含むが、これらに限定されない。
【0034】
およびRは、好ましくは、メチル基である。
【0035】
第四級アンモニウム塩は、アニオンを含み、第四級アンモニウムカチオンの電荷のバランスを取っている。アニオンは、1価、2価、3価または多価である。アニオンはハロゲン化物ではない。さらに、ハロアニオンは、少なくとも1つの第四級アンモニウム塩において存在しない。
【0036】
特に、「Xn−」の表現は、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20ジカルボン酸のアニオン、ならびにヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオンからなる群より選択されるアニオンを示す。nの文字は、アニオンの価数、即ち、アニオンの負電荷の適切な数を示す。
【0037】
「リン酸塩」の語は、酸およびリン酸の中性塩の両方、即ち、二水素リン酸塩(Xn−=HPO)、一水素リン酸塩(Xn−=HPO2−)およびリン酸塩(Xn−=PO3−)、ならびにオリゴ−およびポリリン酸、例えば二リン酸塩(ピロリン酸)および三リン酸を含むものとして理解されるべきである。
【0038】
亜リン酸塩は、アニオンであるHPOおよび/またはHPO2−を含むリン酸の塩である。
【0039】
「硫酸塩」の語は、硫酸水素塩(Xn−=HSO)および中性硫酸塩(Xn−=SO2−)、ならびに二硫酸塩(Xn−=S2−)および関連する塩を含む。
【0040】
ホウ酸塩は、ホウ酸(HBO)および種々のポリホウ酸由来のアニオンを含むいずれかの塩である。
【0041】
飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸は、特に、アルカン酸、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸およびイコサン酸、またはアルケン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸およびリノール酸である。
【0042】
飽和および不飽和非環式C2−20ジカルボン酸は、特に、アルカン二酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸およびアジピン酸、またはアルケン二酸、例えば、フマル酸またはマレイン酸である。
【0043】
ヒドロキシ置換されているカルボン酸は、カルボン酸基に加えて、少なくとも1つのヒドロキシ基を有するいずれかのカルボン酸、例えば、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸またはサリチル酸である。
【0044】
より好ましい第四級アンモニウム塩は、炭酸第四級アンモニウム、重炭酸第四級アンモニウム、リン酸第四級アンモニウムおよびグリコール酸第四級アンモニウムである。「重炭酸塩/炭酸塩」は、重炭酸塩、炭酸塩、またはそれらの混合物として定義される。
【0045】
最も好ましい第四級アンモニウムカチオンは、ジデシルジメチルアンモニウムであり、最も好ましい第四級アンモニウム塩は、重炭酸/炭酸ジデシルジメチルアンモニウム(DDABC)である。
【0046】
少なくとも1つの第四級アンモニウム塩は、式(I)の2以上の第四級アンモニウム塩の組合せまたは混合物を含む。例えば、少なくとも1つの第四級アンモニウム塩は、DDABCと水酸化ジデシルジメチルアンモニウムとの混合物であってもよい。
【0047】
組成物において、少なくとも1つの第四級アンモニウム塩は、0.03重量%、好ましくは0.05重量%、より好ましくは0.10重量%の最小量で存在する。第四級アンモニウムは、組成物において、0.20重量%、好ましくは0.18重量%、より好ましくは0.15重量%の最大量で存在する。
【0048】
少なくとも1つのアルカノールアミンは、二酸化炭素を隔離することのできるいずれかのアルカノールアミンであってよい。効果的なアルカノールアミンは、当該分野において周知である。効果的なアルカノールアミンの例として、Robert J. Hook, “An Investigation of Some Sterically Hindered Amines as Potential Carbon Dioxide Scrubbing Compounds,” Ind. Eng. Chem. Res. 1997, 365, 1779−1790を参照されたい。
【0049】
適切には、少なくとも1つのアルカノールアミンは、最小2つの炭素原子および最大6つの炭素原子、1または2つの水酸基、ならびに第1級、第2級または第3級アミノ基を有する。アルカノールアミンの例は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノールおよび2−(メチルアミノ)−エタノールを含むが、これらに限定されない。
【0050】
1つのアルカノールアミン、または2以上のアルカノールアミンの混合物が、組成物において存在していてもよい。例えば、組成物は、モノエタノールアミンおよびN−メチルジエタノールアミンの混合物を含んでもよい。
【0051】
少なくとも1つのアルカノールアミンは、水溶液において、10重量%、好ましくは20重量%、およびより好ましくは30重量%の最小量で存在する。少なくとも1つのアルカノールアミンは、水溶液において、90重量%、好ましくは80重量%、およびより好ましくは70重量%の最大量で存在する。
【0052】
特に好ましい実施形態において、組成物は、20重量%〜30重量%のモノエタノールアミンを含む水溶液において、0.03重量%〜0.15重量%のDDABCを含む。
【0053】
好ましい実施形態において、組成物中の活性成分は、少なくとも1つのアルカノールアミンおよび少なくとも1つの第四級アンモニウム塩のみである。例えば、他の活性成分(actives)、例えば、ペルオキシダーゼは、組成物に含まれないと考えられている。
【0054】
本発明の組成物は、煙道ガスから二酸化炭素を隔離するために用いられてもよい。本発明は、煙道ガスを上記の吸収水溶液に接触させることにより、煙道ガスから二酸化炭素を回収する方法にも関する。
【0055】
本発明はさらに、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩をアルカノールアミン水溶液に添加することによって、アルカノールアミン煙道ガス処理プロセスにおいて金属腐食を低減する方法に関する。
【0056】
組成物における少なくとも1つの第四級アンモニウム塩の量は、煙道ガスから二酸化炭素を回収する方法および金属腐食を低減する方法が行われる温度に応じて異なる。例えば、方法が60℃を超えない温度で行われる場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.01重量%、好ましくは0.05重量%、より好ましくは0.10重量%、最も好ましくは0.25重量%の最小量で適宜存在する。方法に関する温度が60℃を超えない場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、1.0重量%以下、好ましくは0.75重量%以下、より好ましくは0.6重量%以下、最も好ましくは、0.5重量%以下の量で存在する。
【0057】
上記方法に関する温度が、60℃を超え、95℃よりも低い場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、好ましくは0.03重量%、より好ましくは0.05重量%、最も好ましくは0.10重量%の最小量で存在する。上記方法に関する温度が60℃を超え、95℃よりも低い場合、少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、好ましくは0.20重量%、より好ましくは0.18重量%、最も好ましくは0.15重量%の最大量で存在する。
【0058】
ここで、「含む」の語に続くリストはすべてを含んでいるか、あるいは制限がなく、即ち、リストには、列挙されていない更なる構成要素が含まれていても、含まれていなくてもよい。
【0059】
本発明は、ある基として列挙されている各々の構成要素が、いずれかの他の基として列挙されている各々およびあらゆる構成要素と組み合わされてもよい実施形態を意図する。RおよびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基を示すと上で定義されている。RおよびRは、独立して、C1−4アルキル基を示すと上で定義されている。RおよびR(アリール置換されているC1−20アルキル基)の各々の構成要素は、RおよびR(C1−4アルキル基)の各々およびあらゆる構成要素と組み合わされてもよい。例えば、ある実施形態において、Rはドデシル、Rベンジル、Rはメチル、Rはイソプロピルである。あるいは、Rは3−エチルトリデシル、Rはオクチル、Rはメチル、Rはエチルである。
【0060】
各々の基に関して、いずれか1つ以上のメンバーが排除され得ることが明確に意図される。例えば、Xn−が、水酸化物、重炭酸塩/炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20モノカルボン酸のアニオン、ならびにヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオン、またはそれらの組合せもしくは混合物からなる群より選択されるアニオンとして定義される場合、Xn−は、水酸化物、重炭酸塩/炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩ならびに飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオンとして定義されることも意図される。
【0061】
しかしながら、本発明で用いられる化合物は、化学的に実施可能且つ安定なものに限定される。したがって、上記化合物における置換基または変数の組合せは、そのような組合せが、安定な、または化学的に実施可能な化合物をもたらす場合にのみ、許容される。安定な化合物または化学的に実施可能な化合物は、40℃以下の温度で保持される場合、水分の非存在下または他の化学的反応条件で、少なくとも1週間、化学構造が実質的に変化しないものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、55℃での腐食速度を、金属の1年当たりのmm(mm・year−1)の減少で示す。腐食速度は、3つの異なる群の試料について測定され、各々の群は、モノエタノールアミン(MEA)の30%水溶液を含む1つの試料およびMEAの70%水溶液を含む1つの試料を含む。(すべての割合は重量による。)横軸は、3つの群:ジデシルジメチルアンモニウム塩がMEA溶液に添加されていないコントロール群、0.5%Carboshield(登録商標)BTAがMEA溶液に添加された1つの群、および0.5%Carboshield(登録商標)1000がMEA溶液に添加された1つの群を示す。
【0063】
Carboshield(登録商標)1000は、50%がDDABC、1.2%が遊離アミン(ジデシルメチルアミン)、3.3%がメタノール、7.2%がプロピレングリコール、38.3%が水である。Carboshield(登録商標1000)BTAは、92.5%のCarboshield(登録商標)1000と7.5%のベンゾトリアゾール(BTA)との混合物である。
【0064】
0.5%Carboshield(登録商標)1000およびMEAの溶液に関する腐食速度は、MEA溶液自体および0.5%Carboshield(登録商標)BTAを含むものよりも著しく低い。したがって、0.5%Carboshield(登録商標)1000を30%または70%MEA水溶液に55℃で添加することは、著しく腐食速度を低下させることができる。
【図2】図2は、85℃での腐食速度を、金属の1年当たりのmm(mm・year−1)の減少で示す。腐食速度を、4つの異なる群の試料について測定し、各々の群は、30%MEA水溶液を含む1つの試料および70%MEA水溶液を含む1つの試料を含む。横軸は、4つの群:ジデシルジメチルアンモニウム塩がMEA溶液に添加されていないコントロール群、0.5%Carboshield(登録商標)BTAがMEA溶液に添加された1つの群、0.5%Carboshield(登録商標)1000がMEA溶液に添加された1つの群、および0.1%Carboshield(登録商標)1000がMEA溶液に添加された1つの群を示す。
【0065】
0.1%Carboshield(登録商標)1000およびMEAの溶液に関する腐食速度は、MEA溶液自体および0.5%Carboshield(登録商標)BTAまたは0.5%Carboshield(登録商標)1000を含むものよりも著しく低い。したがって、0.1%のCarboshield(登録商標)1000、即ち、DDABCを30%または70%MEA水溶液に85℃で添加することにより、腐食速度を著しく低下させることができる。
【0066】
本発明は、本発明を説明し、いかなる方法によっても本発明またはその範囲に限定することを意図しない以下の例を参照することにより、より良く理解されるであろう。
【0067】
例1
30%モノエタノールアミン水溶液中に0.5%Carboshield(登録商標)1000を含む溶液を調製した。Carboshield(登録商標)1000は、50%がDDABC、1.2%が遊離アミン(ジデシルメチルアミン)、3.3%がメタノール、7.2%がプロピレングリコール、38.3が%水である。70%モノエタノールアミン水溶液中に0.5%Carboshiled(登録商標)1000を含む別の溶液を調製した。これらの溶液の腐食速度は、(1)30%モノエタノールアミンのコントロール溶液または(2)70%モノエタノールアミンのコントロール溶液、および(3)30%モノエタノールアミンにおける0.5%Carboshield(登録商標)BTAの溶液または(4)70%モノエタノールアミンにおける0.5%Carboshield(登録商標)BTAの溶液と比較される。Carboshield(登録商標)BTAは、92.5%のCarboshield(登録商標)1000と7.5%のベンゾトリアゾール(BTA)との混合物である。
【0068】
循環動電位分極(cyclic potentiodynamic polarization)(CPP)試験を、添加された抑制剤を含むか、または含まないモノエタノールアミンにおけるASTM1018カーボンスチールによって行い、カーボンスチールの挙動および抑制剤の役割について検討した。2つの異なる濃度のモノエタノールアミン(30%および70%)および2つの抑制剤(Carboshield(登録商標)BTAおよびCarboshield(登録商標)1000)を用いた。
【0069】
CPP試験は、55℃および85℃で、一定の二酸化炭素スパージング(sparging)下で行われた。各々の試験に先立って、モノエタノールアミン溶液を約24時間、二酸化炭素によりスパージングし、次に、溶液を、望まれる温度まで加熱し、望まれる濃度の抑制剤を添加した(抑制剤はコントロール試験では用いられなかった)。白金めっきしたニオビウムのワイヤループを対電極として用い、タングステン/三酸化タングステンのワイヤを参照電極として用いた。CPP曲線は、W/WOに対して0.17mV/sの速度で−0.1Vから1Vまで、または電流が1mA/cmに達するまでの最初に起こるいずれかまで電位をスキャンすることにより得られた。
【0070】
試験が終了すると、試料は試験溶液から取り除かれ、腐食の程度について調べられた。抑制剤の性能の直接的な比較を提供するため、CPP曲線から抽出された腐食電流から、以下の等式を用いて腐食速度が算出された:
【数1】

【0071】
CR=腐食速度(1年あたりのmm)
=変換定数、0.003272mm・year−1・μA−1・g・cm−3
corr=観察された腐食電流(μA)
ρ=密度(g/cm
EW=カーボンスチールの等量、27
腐食速度の比較の結果は、図1および2に示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)2〜6つの炭素原子、1または2つの水酸基および第1、第2または第3級アミノ基を有する、全溶液に対して10重量%〜90重量%の少なくとも1つのアルカノールアミン;および
(ii)全溶液に対して0.03重量%〜0.20重量%の少なくとも1つの式
【化1】

の第四級アンモニウム塩であって、
式中:
およびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基であり;
およびRは、独立して、C1−4アルキル基であり;
n−は、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20ジカルボン酸のアニオンならびにヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオンからなる群より選択されるアニオンであり;
nは、前記アニオンの負電荷の適切な数を示す第四級アンモニウム塩
を含む二酸化炭素吸収水溶液。
【請求項2】
n−は、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、グリコール酸塩および水酸化物からなる群より選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチレンジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2−(メチルアミノ)−エタノールおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、少なくとも20重量%の量で存在する請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、少なくとも30重量%の量で存在する請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、80重量%以下の量で存在する請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、70重量%以下の量で存在する請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
およびRは、独立してC8−12アルキル基である請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
およびRはデシル基である請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
およびRはメチル基である請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、重炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、リン酸ジデシルジメチルアンモニウム、グリコール酸ジデシルジメチルアンモニウム、水酸化ジデシルジメチルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、少なくとも0.05重量%の量で存在する請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、少なくとも0.10重量%の量で存在する請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.18重量%以下の量で存在する請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.15重量%以下の量で存在する請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
当該アルカノールアミンは、モノエタノールアミンであり、当該式(I)の少なくとも1つのアンモニウム塩は、重炭酸ジデシルジメチルアンモニウムおよび/または炭酸ジデシルジメチルアンモニウムである請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記少なくとも1つのアルカノールアミンおよび前記少なくとも1つのアンモニウム塩のみが、当該組成物における活性成分である請求項1〜16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
二酸化炭素含有気体混合物から二酸化炭素を回収する方法であって、前記二酸化炭素含有気体混合物を、
(i)2〜6つの炭素原子、1または2つの水酸基、および第1級、第2級または第3級アミノ基を有する、全溶液に対して10重量%〜90重量%の少なくとも1つのアルカノールアミン;および
(ii)全溶液に対して0.01重量%〜1.0重量%の少なくとも1つの式
【化2】

の第四級アンモニウム塩であって、
式中:
およびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基であり;
およびRは、独立して、C1−4アルキル基であり;
n−は、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20ジカルボン酸のアニオンならびにヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオンからなる群より選択されるアニオンであり;
nは、前記アニオンの負電荷の適切な数を示す第四級アンモニウム塩
を含む吸収水溶液に接触させることを含む方法。
【請求項19】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.03重量%〜0.20重量%の量で存在する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
当該二酸化炭素含有気体混合物を、60℃以下の温度で当該吸収水溶液に接触させる請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
当該二酸化炭素含有気体混合物を、60〜95℃の温度で当該吸収水溶液に接触させる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
アルカノールアミン系排出ガス処理プロセスにおける金属腐食を低減する方法であって、2〜6つの炭素原子、1または2つの水酸基、および第1級、第2級または第3級アミノ基を有する、全溶液に対して10重量%〜90重量%の少なくとも1つのアルカノールアミンを含む水溶液に、全溶液に対して0.01重量%〜1.0重量%の少なくとも1つの式
【化3】

の第四級アンモニウム塩であって、
式中:
およびRは、独立して、任意にアリール置換されるC1−20アルキル基であり;
およびRは、独立して、C1−4アルキル基であり;
n−は、水酸化物、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、飽和および不飽和非環式C1−20モノカルボン酸のアニオン、飽和および不飽和C2−20ジカルボン酸のアニオンならびにヒドロキシ置換されているカルボン酸のアニオンからなる群より選択されるアニオンであり;
nは、前記アニオンの負電荷の適切な数を示す第四級アンモニウム塩
を添加する工程を含む方法。
【請求項23】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.03重量%〜0.20重量%の量で存在する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
当該ガス処理プロセスは、60℃以下の温度で行われる請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
当該ガス処理プロセスは、60〜95℃の温度で行われる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
n−は、重炭酸塩、炭酸塩、リン酸塩、グリコール酸および水酸化物からなる群より選択される請求項18〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2−(メチルアミノ)−エタノールおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項18〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、少なくとも20重量%の量で存在する請求項18〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、少なくとも30重量%の量で存在する請求項28に記載の方法。
【請求項30】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、80重量%以下の量で存在する請求項18〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、70重量%以下の量で存在する請求項30に記載の方法。
【請求項32】
およびRは、独立してC8−12アルキル基である請求項18〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
およびRはデシル基である請求項32に記載の方法。
【請求項34】
およびRはメチル基である請求項18〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、重炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、炭酸ジデシルジメチルアンモニウム、リン酸ジデシルジメチルアンモニウム、グリコール酸ジデシルジメチルアンモニウム、水酸化ジデシルジメチルアンモニウムおよびそれらの混合物からなる群より選択される請求項18〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、少なくとも0.05重量%の量で存在する請求項18〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、少なくとも0.10重量%の量で存在する請求項36に記載の方法。
【請求項38】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、少なくとも0.25重量%の量で存在する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.75重量%以下の量で存在する請求項18、20〜22および24〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.60重量%以下の量で存在する請求項39に記載の方法。
【請求項41】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.50重量%以下の量で存在する請求項40に記載の方法。
【請求項42】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.18重量%以下の量で存在する請求項18〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
当該少なくとも1つの式(I)の第四級アンモニウム塩は、0.15重量%以下の量で存在する請求項42に記載の方法。
【請求項44】
当該少なくとも1つのアルカノールアミンは、モノエタノールアミンであり、当該式(I)の第四級アンモニウム塩は、重炭酸ジデシルジメチルアンモニウムおよび/または炭酸ジデシルジメチルアンモニウムである請求項18〜43のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−506306(P2012−506306A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532542(P2011−532542)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007642
【国際公開番号】WO2010/046134
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(592233462)ロンザ インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】