説明

低温サウナ方法、システム、及び専用スーツ

【課題】 低温サウナ装置では室温が高温サウナに比べてかなり低く短時間では十分な発汗が得られないため、長時間入浴が避けられず、高温サウナほどではないが身体への負担が大きくなる、という問題があった。
【解決手段】 入浴者4を低温加熱手段である加熱装置6で加熱する低温サウナシステム1において、該加熱装置6を備えたサウナ装置2と、該サウナ装置2内に収容される入浴者4に装着される低温サウナ専用スーツ3とより構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、短時間で高い発汗作用を付与可能な低温サウナ方法、システム、及び専用スーツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、新陳代謝を良くして健康の維持増進を図るために、室温を80〜100℃程度の高温に上げて発汗を促す高温サウナが普及している。しかし、このような高温サウナに入浴した場合には体温と比較して室温が著しく高いため、心臓への負担増による心拍数の増加、血液中のナトリウム、カリウム等のミネラル分の過剰排出、脱水に伴う血栓の発生などが起こり易い、という問題があった。
【0003】
そこで、年配者や女性でも無理なく入浴してシェイプアップやダイエットが行える、40〜60℃程度の幾分低温で発汗を促す低温サウナが、現在広く普及しつつある。該低温サウナの代表的なものには、入浴者に遠赤外線を照射して身体の内部から発熱させ、穏やかに発汗を促す遠赤外線サウナがある。
【0004】
この遠赤外線サウナにおいては、家庭用の小型で簡便なサウナ装置が種々開示され、その中には遠赤外線の温熱効果を更に向上させた技術も開示されている。例えば、一人又は二人の入浴者を収納可能な容積のハウジングの内部に複数形態の遠赤外線加熱装置(電熱器や面状発熱体)を設けて広い波長域の遠赤外線を照射可能としたサウナ装置(例えば特許文献1)や、ドーム状のハウジングの内部に入浴者を横にして、その身体全体に遠赤外線を均等に照射可能としたサウナ装置(例えば特許文献2)が公知となっている。
【特許文献1】特開2002−11069号公報
【特許文献2】特開2003−245326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、いずれの低温サウナ装置においても、室温そのものが高温サウナと比べてかなり低く、短時間では十分な発汗が得られないため、長時間入浴が避けられず、その結果、高温サウナほどではないが身体への負担が結構大きくなる、という問題があった。
【0006】
また、身体の部分、例えば下半身だけをシェイプアップしたいといった要望も従来より根強いが、いずれの低温サウナ装置においても、部分シェイプアップには新たな局部加熱装置の組み込み等が必要となるためにコストアップが避けられない、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナ方法において、伸縮性に優れた非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツが入浴者に装着された後、該入浴者は前記低温加熱手段を備えたサウナ装置内に低温サウナ専用スーツ装着状態で入るものである。
請求項2においては、入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナシステムにおいて、該低温加熱手段を備えたサウナ装置と、該サウナ装置内に収容される入浴者に装着される低温サウナ専用スーツとより構成されると共に、該低温サウナ専用スーツは、伸縮性に優れた非通気性素材から成るものである。
請求項3においては、前記低温加熱手段は、出力調節可能な遠赤外線加熱装置、トルマリン等の遠赤外線放射物質のうちのいずれか一方又は両方である。
請求項4においては、前記サウナ装置は、ベース部材と、該ベース部材の上方をカバーするカバー部材と、該カバー部材と前記ベース部材との間の空間で身体の挿入方向前後に形成される開口を塞ぐ閉塞部材とを備えたドーム状である。
請求項5においては、前記サウナ装置には、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を備えるものである。
請求項6においては、前記低温サウナ専用スーツには、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えるものである。
請求項7においては、前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成であるものである。
請求項8においては、前記低温サウナ専用スーツは、身体の特定部位に装着可能な構成である。
請求項9においては、低温サウナ専用スーツは、収縮率200%以上の伸縮性を備えた非通気性素材から成るものである。
請求項10においては、低温サウナ専用スーツは、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えるものである。
請求項11においては、低温サウナ専用スーツは、前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成である。
請求項12においては、低温サウナ専用スーツは、身体の特定部位に装着可能な構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナ方法において、伸縮性に優れた非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツが入浴者に装着された後、該入浴者は前記低温加熱手段を備えたサウナ装置内に低温サウナ専用スーツ装着状態で入るので、遠赤外線等による身体内部からの熱が通気性のない低温サウナ専用スーツ内に無駄なく蓄えられ、遠赤外線等による温熱効果を更に向上させることができ、たとえ室温が低くても入浴者は十分に発汗できるため、入浴が短時間で済み、入浴中の身体への負担を一層軽減することができる。
請求項2においては、入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナシステムにおいて、該低温加熱手段を備えたサウナ装置と、該サウナ装置内に収容される入浴者に装着される低温サウナ専用スーツとより構成されると共に、該低温サウナ専用スーツは、伸縮性に優れた非通気性素材から成るので、遠赤外線等による身体内部からの熱が低温サウナ専用スーツ内に無駄なく蓄えられ、遠赤外線等による温熱効果を更に向上させることができ、たとえ室温が低くても入浴者は十分に発汗できるため、入浴が短時間で済み、入浴中の身体への負担を一層軽減することができる。
請求項3においては、前記低温加熱手段は、出力調節可能な遠赤外線加熱装置、トルマリン等の遠赤外線放射物質のうちのいずれか一方又は両方であるので、遠赤外線量を細かく制御したり、身体部位によって遠赤外線量を変更したりできるため、入浴者の希望する発汗量、発汗部位等の要求に的確に対応することができる。
請求項4においては、前記サウナ装置は、ベース部材と、該ベース部材の上方をカバーするカバー部材と、該カバー部材と前記ベース部材との間の空間で身体の挿入方向前後に形成される開口を塞ぐ閉塞部材とを備えたドーム状であるので、ドーム部分から放射される遠赤外線等を入浴者の身体全体に均等に照射することができるため、全身をまんべんなく暖めて身体全体からの発汗を効率的に促進させる。
請求項5においては、前記サウナ装置には、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を備えるので、プラスイオンが過剰となる生体電流のバランスを整えて健康増進を図ることができる。
請求項6においては、前記低温サウナ専用スーツには、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えるので、手間をかけることなく、遠赤外線量を細かく制御したり身体部位によって遠赤外線量を変更し、入浴者の希望する発汗量、発汗部位等の要求に的確に対応することができると共に、プラスイオンが過剰となる生体電流のバランスを整えて健康増進を図ることができる。
請求項7においては、前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成であるので、簡単な構成によって遠赤外線やマイナスイオンの発生源を構成して、遠赤外線やマイナスイオンの作用する身体部位を容易に変更できるため、入浴者の希望する発汗量、発汗部位、あるいはマイナスイオンの供給量、供給部位の要求に的確に対応することができる。
請求項8においては、前記低温サウナ専用スーツは、身体の特定部位に装着可能な構成であるので、新たな局部加熱装置等を設けることなく身体の特定部位のみを保熱できるため、低コストで容易に部分シェイプアップを図ることができる。
請求項9においては、低温サウナ専用スーツは、収縮率200%以上の伸縮性を備えた非通気性素材から成るので、伸縮性に優れスーツ装着による身体への圧迫が少なく血流が阻害されることがない上に、遠赤外線等による身体内部からの熱が通気性のない低温サウナ専用スーツ内に無駄なく蓄えられるため、遠赤外線等による温熱効果を更に向上させることができ、低温サウナのようにたとえ室温が低くても入浴者は十分に発汗できるため、入浴が短時間で済み、入浴中の身体への負担を一層軽減することができる。
請求項10においては、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えるので、手間をかけることなく、遠赤外線量を細かく制御したり身体部位によって遠赤外線量を変更し、入浴者の希望する発汗量、発汗部位等の要求に的確に対応することができると共に、プラスイオンが過剰となる生体電流のバランスを整えて健康増進を図ることができる。
請求項11においては、前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成であるので、簡単な構成によって遠赤外線やマイナスイオンの発生源を構成して、遠赤外線やマイナスイオンの作用する身体部位を容易に変更できるため、入浴者の希望する発汗量、発汗部位、あるいはマイナスイオンの供給量、供給部位の要求に的確に対応することができる。
請求項12においては、身体の特定部位に装着可能な構成であるので、低温サウナに新たな局部加熱装置等を設けることなく身体の特定部位のみを保熱できるため、低コストで容易に部分シェイプアップを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係わる低温サウナシステムの斜視図、図2は本発明に係わるサウナ装置の斜視図、図3は本発明に係わる低温サウナ専用スーツの背面図、図4は別形態の低温サウナ専用スーツの正面図である。
【0010】
なお、以下の実施例では、低温加熱に遠赤外線を使用する遠赤外線サウナによって実施形態を説明しているが、40℃前後の非常に微細な水滴のミストを入浴者に吹き付けて湿度と温度を高めて発汗を促すミストサウナなどのように、身体を比較的低温で加熱するサウナであれば本発明は適用可能であり、遠赤外線サウナのみに限定されるものではない。
【0011】
まず、低温サウナシステム1の全体構成について、図1により説明する。
該低温サウナシステム1は、加熱装置6で遠赤外線を入浴者4に照射して発汗を促すサウナ装置2と、該サウナ装置2内の入浴者4が装着する低温サウナ専用スーツ3とから構成され、そして該低温サウナ専用スーツ3は、伸縮性に優れた非通気性素材から成るものである。
【0012】
前記入浴者4は、入浴する前に、後で詳述する低温サウナ専用スーツ3を装着し、該低温サウナ専用スーツ3を装着した状態で前記サウナ装置2内に入り、頭部だけをサウナ室5の外部に出したままで入浴する。
【0013】
この際、入浴する前に、非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツ3を装着した状態でダイエット運動やシェイプアップ運動を行ってもよく、これにより、運動により発生した熱を低温サウナ専用スーツ3内に十分蓄熱してからサウナ室5に入ることができ、入浴中の入浴者の発汗を一層促進することができる。
【0014】
なお、前記入浴者4は、室温を所定温度に上昇させてからサウナ室5に入っても良いが、入浴者4が常温のサウナ室5内に入ってから徐々に室温を上昇させてもよく、これにより、発汗が穏やかに行われ、年配者や女性の身体への負担を一層軽減させることができる。
【0015】
すなわち、入浴者4を低温加熱手段である加熱装置6で加熱する低温サウナシステム1において、該加熱装置6を備えたサウナ装置2と、該サウナ装置2内に収容される入浴者4に装着される低温サウナ専用スーツ3とより構成されると共に、該低温サウナ専用スーツ3は、伸縮性に優れた非通気性素材から成り、また、この伸縮性に優れた非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツ3が入浴者4に装着された後、該入浴者4は前記加熱装置6を備えたサウナ装置2内に低温サウナ専用スーツ3装着状態で入るので、遠赤外線等による身体内部からの熱が低温サウナ専用スーツ内に無駄なく蓄えられ、遠赤外線等による温熱効果を更に向上させることができ、たとえ室温が低くても入浴者は十分に発汗できるため、入浴が短時間で済み、入浴中の身体への負担を一層軽減することができるのである。
【0016】
次に、前記サウナ装置2について、図2により説明する。
サウナ装置2は、ベース部材7と、該ベース部材7の上方を覆うドーム状のカバー部材8と、該カバー部材8と前記ベース部材7との間に形成される身体の挿入方向前後の開口を塞ぐ閉塞部材9・10とから構成され、これらベース部材7、カバー部材8及び閉塞部材9・10により囲まれた空間が前記サウナ室5を形成している。
【0017】
前記ベース部材7の本体は、スポンジ等で形成された矩形の厚板状の部材であり、複数の部材7t・7a・7b・7cを折り畳み自在に連結して構成されている。そして、該ベース部材7の上面には、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を混入したシート状部材11・11・・・が取り付けられ、その上から本体上面全面がアルミ箔等の反射部材12で被装されている。
【0018】
ところで、ゲルマニウム(特に無機ゲルマニウム)からは恒常的にマイナスイオンが発生し、このマイナスイオンが健康増進に効果があることが知られている。そして、人体に流れる微弱な生体電流のバランスが崩れてプラスイオンが多くなると、肩・首・腰の凝りや膝などの痛みを引き起こすが、このプラスイオンをゲルマニウムから発生するマイナスイオンによって相殺して生体電流を正常に戻すことで、凝りや痛みが解消されるのである。なお、このようなマイナスイオンを発生するものには、セレニウム、トルマリン石、貴陽石、麦飯石又は健緑石などがあるが、これらの中の一種又は二種以上の組み合わせたものを前記マイナスイオン放射物質として用いてもよい。
【0019】
すなわち、このように、前記サウナ装置2には、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を備えるので、プラスイオンが過剰となる生体電流のバランスを整えて健康増進を図ることができる。
【0020】
なお、前記反射部材12は、身体以外の部分に照射された遠赤外線を身体側に反射するため、遠赤外線による温熱効率を高めると共に、その高い遮熱性からサウナ室5内の室温低下を防止することができ、電気代などのランニングコストを大幅に低減することができる。
【0021】
また、前記カバー部材8は、スポンジ等で形成された矩形の厚板状の部材であり、前カバー部材8aと中カバー部材8bと後カバー部材8cとに3分割され、身体の挿入方向に互いに着脱自在に連結されている。
【0022】
そして、この各カバー部材8a・8b・8cの両側端部は、前記ベース部材7を構成する部材7a・7b・7cの両側端部のそれぞれに、カバー部材8全体がドーム状に湾曲するように、マジックテープ(登録商標)やファスナー等の接続具を介して着脱自在に連結されている。
【0023】
更に、各カバー部材8a・8b・8cの両側部の内側面にも、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を混入したシート状部材13・13・・・が取り付けられると共に、該シート状部材13・13・・・の間には、前記加熱装置6が配設されている。
【0024】
該加熱装置6は、図1にも示すように、例えば屈曲自在な電熱線を縦横に張り巡らせ、図示せぬ制御装置で遠赤外線の発生量を自在に変更可能な構成としている。更に、各カバー部材8a・8b・8cの内側面の特定位置に、トルマリン等の遠赤外線放射物質を混入したシート状部材を配置してもよい。例えば入浴者4が下半身のシェイプアップを望む場合には、入浴者4がベース部材7の上に身体を横たえた際の下半身直上に位置する中カバー部材8bの内側面に、シート状部材14を取り付けるのである。これにより、加熱装置6からの遠赤外線量の調整によって全身の発汗の程度を変更したり、特定の身体部位、例えば下半身のみの発汗を促進させたりすることができる。
【0025】
すなわち、低温加熱手段は、出力調節可能な遠赤外線加熱装置6、トルマリン等の遠赤外線放射物質のうちのいずれか一方又は両方であるので、遠赤外線量を細かく制御したり、身体部位によって遠赤外線量を変更したりできるため、入浴者の希望する発汗量、発汗部位等の要求に的確に対応することができるのである。
【0026】
また、前記閉塞部材9・10は、スポンジ等で形成された半円形の厚板状の部材であり、それぞれ前記ベース部材7・カバー部材8と着脱自在に連結されている。このうちの閉塞部材9には、貫通孔9aが開口され、図1に示すように、該貫通孔9aから入浴者4は頭部を前記サウナ室5の外に出すようにしている。この時、この貫通孔9aは入浴者4の頭部によって塞がれサウナ室5内は適度に密閉されるため、サウナ室5内の温度低下を防ぐことができる。
【0027】
以上のように、サウナ装置2においては、ドーム状のカバー部材8の内側面に加熱装置6や遠赤外線放射物質を取り付け、これらの低温加熱手段から、焦点位置にある入浴者4の身体に向かって散乱することなく遠赤外線を照射できるようにしている。
【0028】
すなわち、前記サウナ装置2は、ベース部材7と、該ベース部材7の上方をカバーするカバー部材8と、該カバー部材8と前記ベース部材7との間の空間で身体の挿入方向前後に形成される開口を塞ぐ閉塞部材9・10とを備えたドーム状であるので、ドーム部分から放射される遠赤外線等を入浴者の身体全体に均等に照射することができるため、全身をまんべんなく暖めて身体全体からの発汗を効率的に促進させることができるのである。
【0029】
なお、前述の如く、ベース部材7は小さく折り畳み可能であり、カバー部材8は複数に分割可能であるのに加え、該ベース部材7、カバー部材8及び前記閉塞部材9・10は互いに着脱自在に連結されているので、前記サウナ装置2は容易に組立・解体を行うことができ、部屋の片隅や押し入れ等にコンパクトに収納することができる。
【0030】
次に、前記低温サウナ専用スーツ3について説明する。
この低温サウナ専用スーツ3の素材には、サウナ室5内の熱が入浴者4の身体に十分伝わるように、スーツが身体に密着してスーツと身体表面との間に空気の断熱層を形成しないようにする必要から、高い伸縮性が要求される。更に、スーツ内に蓄熱された熱が汗の蒸気となってスーツの外に排出され体温が奪われるのを防ぐ必要から、非通気性も要求される。なお、代表的な素材としては積層ゴムスポンジ等が挙げられるが、伸縮性、非通気性を備えるものであればよく、特には限定されない。
【0031】
更に、低温サウナ専用スーツ3が収縮率200%以上の伸縮性を備える場合には、自在に伸張して身体への圧迫がほとんどなり、スーツ装着による血流の抵抗が減少する。
すなわち、収縮率200%以上の伸縮性を備えた非通気性素材から成るので、伸縮性に優れスーツ装着による身体への圧迫が少なく血流が阻害されることがない上に、遠赤外線等による身体内部からの熱が通気性のない低温サウナ専用スーツ内に無駄なく蓄えられるため、遠赤外線等による温熱効果を更に向上させることができ、低温サウナのようにたとえ室温が低くても入浴者は十分に発汗できるため、入浴が短時間で済み、入浴中の身体への負担を一層軽減することができる。
【0032】
ここで、低温サウナ専用スーツ3には、図3に示すように、頭部と、手足の先だけを残して、身体の略全体を覆う全身タイプスーツ15と、図4に示すように、例えば下半身だけを覆う部分タイプスーツ16とがある。
【0033】
このうちの全身タイプスーツ15では、前述の遠赤外線放射物質やマイナスイオン放射物質をシリコン等に混入したシート状部材17を、全身タイプスーツ15装着前に身体表面に直接貼付しておくことで、遠赤外線やマイナスイオンを身体の特定部位に集中照射することができる。更には、全身タイプスーツ15の内側表面であって、該全身タイプスーツ15装着時に身体の特定部位に接触する位置に、シート部材17を予め取り付けておくこともでき、これにより、入浴の度にシート状部材17を身体に貼付するといった手間を省くことができる。特に、図3に示すように、シート状部材17を背中の首下や膝裏のリンパ節の位置に取り付けておくと、全身の血流を短時間で大きく改善することができるのである。
【0034】
すなわち、前記低温サウナ専用スーツ15には、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えるので、手間をかけることなく、遠赤外線量を細かく制御したり身体部位によって遠赤外線量を変更し、入浴者4の希望する発汗量、発汗部位等の要求に的確に対応することができると共に、プラスイオンが過剰となる生体電流のバランスを整えて健康増進を図ることができる。
【0035】
加えて、前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材17内に混入され、該シート状部材17は低温サウナ専用スーツ15の特定部位に適宜装着可能な構成であるので、簡単な構成によって遠赤外線やマイナスイオンの発生源を構成して、遠赤外線やマイナスイオンの作用する身体部位を容易に変更できるため、入浴者の希望する発汗量、発汗部位、あるいはマイナスイオンの供給量、供給部位の要求に的確に対応することができる。
【0036】
また、図4に示す部分タイプスーツ16は下半身のみに装着され、下半身からの熱が逃げることなく蓄えられるようにしている。なお、本実施例では、部分タイプスーツ16は下半身専用であるが、上腕部や腹部等でもよく、特に限定されるものではない。
【0037】
すなわち、前記低温サウナ専用スーツ16は、身体の特定部位に装着可能な構成であるので、新たな局部加熱装置等を設けることなく身体の特定部位のみを保熱できるため、低コストで容易に部分シェイプアップを図ることができるのである。
【0038】
なお、この部分タイプスーツ16にも、前記全身タイプスーツ15と同様に、遠赤外線放射物質やマイナスイオン放射物質を混入したシート部材18を予め取り付けておくことができる。また、いずれのタイプの低温サウナ専用スーツも、一体であっても、上着とズボンのように複数のスーツ部材を装着するものであってもよく、特に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、低温で加熱することにより患者への負荷を軽減する必要のある、ガン治療等用等の温熱医療用途にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係わる低温サウナシステムの斜視図である。
【図2】本発明に係わるサウナ装置の斜視図である。
【図3】本発明に係わる低温サウナ専用スーツの背面図である。
【図4】別形態の低温サウナ専用スーツの正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 低温サウナシステム
2 サウナ装置
3・15・16 低温サウナ専用スーツ
4 入浴者
6 加熱装置
7 ベース部材
8 カバー部材
9・10 閉塞部材
11・13・14・17・18 シート状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナ方法において、伸縮性に優れた非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツが入浴者に装着された後、該入浴者は前記低温加熱手段を備えたサウナ装置内に低温サウナ専用スーツ装着状態で入ることを特徴とする低温サウナ方法。
【請求項2】
入浴者を低温加熱手段で加熱する低温サウナシステムにおいて、該低温加熱手段を備えたサウナ装置と、該サウナ装置内に収容される入浴者に装着される低温サウナ専用スーツとより構成されると共に、該低温サウナ専用スーツは、伸縮性に優れた非通気性素材から成ることを特徴とする低温サウナシステム。
【請求項3】
前記低温加熱手段は、出力調節可能な遠赤外線加熱装置、トルマリン等の遠赤外線放射物質のうちのいずれか一方又は両方であることを特徴とする請求項2記載の低温サウナシステム。
【請求項4】
前記サウナ装置は、ベース部材と、該ベース部材の上方をカバーするカバー部材と、該カバー部材と前記ベース部材との間の空間で身体の挿入方向前後に形成される開口を塞ぐ閉塞部材とを備えたドーム状であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の低温サウナシステム。
【請求項5】
前記サウナ装置には、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の低温サウナシステム。
【請求項6】
前記低温サウナ専用スーツには、トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の低温サウナシステム。
【請求項7】
前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成であることを特徴とする請求項6記載の低温サウナシステム。
【請求項8】
前記低温サウナ専用スーツは、身体の特定部位に装着可能な構成であることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一項に記載の低温サウナシステム。
【請求項9】
収縮率200%以上の伸縮性を備えた非通気性素材から成る低温サウナ専用スーツ。
【請求項10】
トルマリン等の遠赤外線放射物質、ゲルマニウム等のマイナスイオン放射物質のうちのいずれか一方又は両方を備えることを特徴とする請求項9記載の低温サウナ専用スーツ。
【請求項11】
前記遠赤外線放射物質、マイナスイオン放射物質は、シート状部材内に混入され、該シート状部材は低温サウナ専用スーツの特定部位に適宜装着可能な構成であることを特徴とする請求項10記載の低温サウナ専用スーツ。
【請求項12】
身体の特定部位に装着可能な構成であることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか一項に記載の低温サウナ専用スーツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−304887(P2006−304887A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−128641(P2005−128641)
【出願日】平成17年4月26日(2005.4.26)
【出願人】(505157289)
【Fターム(参考)】