低温不可逆性熱変色性組成物
ポリアルコキル側鎖を有する新規なポリチオフェン化合物、および活性化で低温不可逆性(IUA)熱変色性化合物/組成物が本明細書において提供される。IUA熱変色性化合物または組成物は活性化され、可逆性熱変色性転移温度(RTTT)以上に加熱され、次いで、不可逆熱変色性転移温度(IRTTT)以下に2秒未満冷却することにより、IUA色を示す。活性化IUA熱変色性化合物または組成物は、その化合物または組成物がIRTTTより約5℃以上低く保つ限りは、それらのIUA色を保持するであろう。IUA熱変色性化合物/組成物を用いて、所定の温度未満で貯蔵された対象をモニターし、その所定の温度を超える温度に曝露された対象を検出できるIUA熱変色性インジケーターを調製できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2008年5月7日付けで提出された米国仮特許出願第61/051,150号の優先権を主張し、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、熱変色性の化合物、インク、組成物およびその方法に関する。
【0003】
(連邦委託研究または開発に関する記述)
本発明は、米国陸軍/ナティックにより援助され、プロジェクト番号第500−2103−0000−0001326号を有する。米国政府は、本発明における支払い済ライセンスを有しており、USDOTにより与えられたFY01−PS10の条件により提供される妥当な条件で他者にライセンス供与することを特許権者に要求するための限定的状況下の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
食物製品の適切な取り扱いおよび貯蔵温度の維持は、食物製品安全性の重要な態様である。米国農務省の食品安全検査局(FSIS)により後援された最近のシンポジウムにて、毎年7,600万人ものアメリカ人が食物由来の病気を有すると報告されたことが開示された。加えて、1000人のうち1人が毎年、食物由来の病気で入院している。これらの健康問題の結果、医療費は65億ドルを超えている。1993年〜1997年の間に疾病対策センター(CDC)に報告された2,700以上のケースのうち73%が、食物製品の不適切な保持条件の結果であった。従って、容易に統合され、コンピューターでモニターされ、廉価な、食物製品用の追従および追跡温度監視システムを開発する必要性が存在する。
【0005】
熱変色性物質は、時間−温度インジケーター(TTI)に用いられてきている。現在利用可能な時間−温度インジケーターは、3つのタイプの物質:多孔質物質を介する着色された脂肪酸エステルの時間−依存的拡散;脂質の酵素加水分解の制御;および高度に着色ポリマーを生成する有色ではないアセチレン性モノマーの固相重合のうちの1つに由来する。これらのTTIは製品の貯蔵期間の視覚的に検索可能なセンサーとして設計され、微生物増殖に対して良好な相関性を提供する。しかしながら、TTIのコストは高く、標準的TTIを追従および追跡するための自動化方法は存在しない。TTIに現在利用されている着色剤はマクロカプセル化を必要とし、TTI用の標準的なインク製剤に容易に組み込むことができない。かくして、既存の技術を用いて、バーコードまたは他の表示(indicia)となり得るTTIを創製することは非常に高価でかつ不便である。
【0006】
TTI(例えば、バーコード)に用いることができる顔料の開発は、食物製品の温度を連続的にモニターする、安価でコンピューター確認の追従および追跡システムの創製を可能とする。食物製品の貯蔵、輸送または配送中のいずれのポイントでも、TTIをスキャンして、適切な保持温度を維持したことを決定できる。不適切な貯蔵温度がTTIの変化により示され、その製品が食物連鎖から取り除かれることを可能とし、消費者を保護するであろう。
【0007】
現在利用可能な低温熱変色性インクは、可逆性熱変色性インクであり、それを用いて、輸送および貯蔵中のコールド・チェーンにおいて食物製品を連続的でかつ確実にモニターすることができない。可逆性熱変色性インクは、インクの温度が転移温度に合うかまたは超える場合に、第1の色から第2の色に色を変化させるであろう。しかしながら、インクが転移温度以上の温度から、転移温度未満の温度に冷却された場合、そのインクは第2の色から第1の色に変化するであろう。可逆性熱変色性インクに由来するTTIは、現在、可逆性熱変色性インクの転移温度以上である食物製品を検知できるが、過去にその転移温度に合うかまたはそれを超えたが現在転移温度未満である食物製品を検知できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、低温可逆性熱変色性インクを用いてコールド・チェーンにおける食物製品を連続的でかつ確実にモニターできず、熱感受性TTIに用いて、輸送および貯蔵中のコールド・チェーンにおける個々の食物製品パッケージをモニターできる低温不可逆性熱変色性インクについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの具体例は、以下の化学構造:
【0010】
【化1】
【0011】
[式中、各モノマーの各R1は独立して、H、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;各モノマーの各R2およびR3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;各モノマーの各nは独立して選択された整数であって;pは2〜1000である]
を有するポリチオフェン化合物を提供し、その立体異性体も含まれる。
【0012】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性化合物である。
【0013】
もう一つの態様において、構造Iを有する化合物を含む組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物である。
【0014】
特定の具体例において、そのIUA熱変色性組成物は、約−30℃〜約60℃の不可逆性の熱変色性転移温度(IRTTT)を有する。
【0015】
もう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含むIUA熱変色性インジケーターに関し、活性化IUA熱変色性組成物の非活性化が検知可能である。
【0016】
もう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を高温状態のIUA熱変色性組成物に変換し;次いで、冷却時間にIUA熱変色性組成物をその高温状態から冷却温度に冷却することを含む、活性化IUA熱変色性組成物の調製方法に関する。
【0017】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高放射エネルギー(例えば、UV光)に対する曝露により高温状態に変換される。
【0018】
また、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な時間に加熱温度まで加熱されることより、高温状態に変換され得る。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物のRTTT以上である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。
【0019】
特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより30℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。また、冷却時間は約1秒未満であり得る。
【0020】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、特定のパターンで物品にIUA熱変色性組成物を適用し、次いでIUA熱変色性組成物を活性化することを含む、IUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含む方法により作成でき、ここに、その特定のパターンは、活性化IUA熱変色性組成物の非活性化を示すように設計されている。
【0021】
もう一つの態様は、活性化IUA熱変色性インジケーターを対象に適用し、次いで、所定の条件に曝露されるかまたは曝露された対象の非活性化IUA熱変色性インジケーターを検知することを含む、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象のモニタリングに関する。
【0022】
特定の具体例において、所定の条件は、温度関連の所定の条件である。特定の具体例において、温度関連の所定の条件は、所定の時間での所定の温度に対する曝露である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1.ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェン(PMOE−2−SET)のスペクトル分析。
【図2】図2.ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルチオフェン(PMOE−4−LET)のスペクトル分析。
【図3】図3.50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1のスペクトル分析。
【図4】図4.75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2のスペクトル分析。
【図5】図5.25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3のスペクトル分析。
【図6A】図6A.所定の条件への曝露に先立ってPurveyorのバーコードおよび選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図6B】図6B.所定の条件への曝露後にPurveyorのバーコードおよび選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図7A】図7A.所定の条件への曝露に先立ってGILBAR(商標)2バーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター。
【図7B】図7B.所定の条件への曝露後にGILBAR(商標)2バーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター。
【図8A】図8A.所定の条件への曝露に先立ってヒト認識表示および機械認識バーコードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図8B】図8B.所定の条件への曝露後にヒト認識表示および機械認識バーコードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図9】図9.インジケーターが曝露されるかまたは曝露された1または複数の所定の条件を各々同定するための第1の選択的に判読不能な常に判読可能な表示および複数の選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図10】図10.インジケーターが曝露されるかまたは曝露された1を超える所定の条件を同定するための単一のコード化表示を用いるIUA熱変色性インジケーター。
【図11】図11.二次元コードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図12】図12.Composite Component構造を用いるCC−Aコード。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.ポリチオフェン化合物の構造
新規なポリチオフェン化合物は、以下の構造I:
【0025】
【化2】
構造I
【0026】
を有し、その立体異性体も含まれる。
【0027】
本明細書に用いるように、特記しない限りは、各モノマーの各R1は独立して、H、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R2は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
ポリチオフェンの各モノマーの各nは独立して選択された整数であって;
pは整数である。
【0028】
特定の具体例において、nは0〜100から選択され;特定の具体例において、nは0〜15から選択され;特定の具体例において、nは0〜6から選択され;特定の具体例において、nは1〜15から選択され;特定の具体例において、nは1〜6から選択される。特定の具体例において、pは1〜1000であり;特定の具体例において、pは2〜1000であり;特定の具体例において、pは1〜500であり;特定の具体例において、pは2〜500であり;特定の具体例において、pは1〜100であり;特定の具体例において、pは2〜100であり;特定の具体例において、pは10〜100である。
【0029】
本明細書に用いた「アルキル基」なる用語は、分岐したまたは分岐していない、飽和または不飽和の一価または多価の炭化水素基を意味する。アルキルの例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デケニル、ウンデケニル、ドデケニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デキニル、ウンデキニル、ドデキニル、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレンおよびドデシレンが含まれる。特定の具体例において、炭化水素基は1〜20個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は1〜30個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は3〜50個の炭素を含む。
【0030】
本明細書に用いた「アルコキシル」なる用語は、特記しない限りは、さらに1またはそれを超える酸素原子を含むアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを意味する。アルコキシルの例は、限定されるものではないが、−CH2OH、−OCH3および−O−アルキル、−アルキル−OH、−アルキル−O−アルキル−(式中、この2つのアルキルは同一または異なっていてもよい)を含む。
【0031】
本明細書に用いた「シクロアルキル」なる用語は、特記しない限りは、少なくとも1つの環を含み、芳香環を含まないアルキルを意味する。シクロアルキルの例は、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシルを含む。特定の具体例において、炭化水素鎖は3〜20個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は3〜30個の炭素を含む。
【0032】
本明細書に用いた「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、特記しない限りは、少なくとも1つの環原子が非炭素原子であるシクロアルキルを意味する。非炭素の環原子の例は、限定されるものではないが、S、OおよびNを含む。
【0033】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造I[式中、R1は各モノマーについての定義に同じ、R2は各モノマーについての定義に同じである]を有し、その立体異性体も含まれる。特定の具体例において、R1は1〜12個の炭素を含むアルキル基である。特定の具体例において、R1はメチルである。
【0034】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II:
【0035】
【化3】
構造II
【0036】
[式中、ポリチオフェン化合物の各モノマーの各mは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのmの平均(「m」)は7〜21であり;
ポリチオフェン化合物の各モノマーの各nは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのnの平均(「n」)は0〜6であり;
3n+m+1は20〜40であって;
pは独立して選択された整数である]
を有するポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOET)であり、その立体異性体も含まれる。
【0037】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、mは17であって、nの平均は2である(「PMOE−2−SET」)]を有し、その立体異性体も含まれ、対応するモノマーはMOE−2−SETである。
【0038】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、mは11であって、nの平均は4である(「PMOE−4−LET」)]を有し、その立体異性体も含まれ、対応するモノマーはMOE−4−LETである。
【0039】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、モノマーは、MOE−2−SET(mは17であって、nの平均が2である)およびMOE−4−LET(mは11であって、nの平均が4である)の混合物である]を有し、その立体異性体も含まれる。
【0040】
2.ポリチオフェン組成物
本発明のもう一つの態様は、構造I、構造IIを有するポリチオフェン化合物またはその複数もしくは1つの混合物を含むポリチオフェン組成物に関する。
【0041】
特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は、その立体異性体を含めた構造IIを有し、すべてのポリマーのモノマーは、50%のMOE−2−SETおよび50%のMOE−4−LET(共重合体−1)を含む。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は、その立体異性体を含めた構造IIを有し、すべてのポリマーのモノマーは、75%のMOE−2−SETおよび25%のMOE−4−LET(共重合体−2)を含む。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物はその立体異性体を含めた構造IIを有し、ここに、すべてのポリマーのモノマーは、25%のMOE−2−SETおよび75%のMOE−4−LET(共重合体−3)を含む。
【0042】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、担体媒体および、構造I、構造IIを有するポリチオフェン化合物、またはその複数もしくは1つの混合物を含む。ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、約0.05重量%〜約99.5重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、0.05重量%〜25重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、0.05重量%〜5重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は10重量%である。
【0043】
本明細書に用いた「担体媒体」なる用語は、液体または固体溶媒、希釈剤のごとき、物質、組成物またはフォーミュラ(formula)を意味する。担体媒体の例は、限定なくして、ポリウレタン;ポリシロキサンおよびポリジエンを含めたエラストマー;ポリアクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPEおよびLDPE)およびポリプロピレンを含めたポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルハライド、ポリ(ビニルニトリル)、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリソフォン(polysofones)、ポリスルホンアミド、ポリアミド、ポリイミン、ポリイミドおよび炭水化物を含む
【0044】
特定の具体例において、担体媒体は、油、樹脂、顔料増量剤および添加剤を含むインク製剤を含む。
【0045】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物である。
【0046】
本明細書に用いた「熱変色性」なる用語は、温度変化により色を変化させる組成物の能力を意味する。
【0047】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された可逆性熱変色性転移温度(RTTT)を有し、ここに、可変温度スペクトルのS字状転移曲線の中心は、RTTTである。熱変色性転移は可逆的である。また、ポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された低い可逆性熱変色性転移温度(RTTTL)を有し、ここに、可逆性熱変色性転移がスタートする温度はRTTTLである。組成物は、高温状態および低温状態を有する。RTTTL未満の温度にて、組成物は低温色を示し、低温状態にある。組成物がRTTTL以上に加熱される場合、組成物は高温色を示し、高温状態にある。この温度依存性の変色は、高温色組成物がRTTTL未満の温度に冷却される場合に組成物の色がもとの低温色に変化し戻るため、可逆的である。
【0048】
特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は黄色の高温色を有する。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は赤紫色またはスミレ色の低温色を有する。
【0049】
特定の具体例において、RTTTLは、RTTTより約0.5〜40℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約5〜10℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約0.5〜5℃低い。
【0050】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された不可逆熱変色性転移温度(IRTTT)を有し、ここに、可変温度スペクトルのS字状転移曲線の中心は、IRTTTである。熱変色性転移は不可逆性である。また、ポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された低い不可逆熱変色性転移温度(IRTTTL)を有し、ここに、可逆性熱変色性転移がスタートする温度はIRTTTLである。また、かかる組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物といわれる。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約0.5〜40℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約5〜10℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約0.5〜5℃低い。
【0051】
本明細書に用いた、IUA熱変色性組成物は、前記定義のごとく、RTTT、RTTTL、高温の状態および色ならびに低温の状態および色を有する。IUA熱変色性組成物は、さらにIRTTT、IRTTTLおよび準安定状態(活性化状態)を有し、活性化状態でのIUA色を示す。低温状態および高温状態の双方は、非活性化状態といわれ、低温状態は低い非活性化状態であり、また、高温状態は高い非活性化状態である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は高温色の黄色を有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、低温色の赤紫色またはスミレ色を有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、ピンク色またはオレンジ色のIUA色を有する。
【0052】
IUA熱変色性組成物が非活性化状態から活性化状態に変換されるプロセスは、「活性化」と呼ばれる。活性化状態のIUA熱変色性組成物は、「活性化」IUA熱変色性組成物と呼ばれる。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、活性化状態に十分に急速にIUA熱変色性組成物を冷却することにより活性化される。組成物がIRTTT未満に維持される限り、活性化IUA熱変色性組成物はIUA色を保持するであろう。
【0053】
IUA熱変色性組成物が活性化状態から非活性化状態に変換されるプロセスは、非活性化と呼ばれる。非活性化状態のIUA熱変色性組成物は、「非活性化」IUA熱変色性組成物と呼ばれる。活性化IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物がIRTTTL以上であるが、RTTTL未満に加熱される場合に、非活性化され、IUA色から低温色に色を変化させるであろう。非活性化IUA熱変色性組成物は、今や低い非活性化状態にある。この温度依存性の変色は、非活性化IUA熱変色性組成物が低い非活性化状態からIRTTTL以下に冷却される場合に、不可逆性であり、IUA熱変色性組成物は低温色を保持し、非活性化のままであり、もとのIUA色に変化しないであろう。活性化IUA熱変色性組成物は非活性化され、組成物がRTTTL以上に加熱される場合にIUA色から高温色に色を変化させるであろう。IUA熱変色性組成物は今や高い非活性化状態にある。また、非活性化IUA熱変色性組成物が、IUA熱変色性組成物を再活性化することなくして、高い非活性化状態からIRTTTL以下に冷却される場合に、この温度依存性の変色は不可逆性である。IUA熱変色性組成物は、低温色に変化し、非活性化のままであり、もとのIUA色に変化しないであろう。
【0054】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、約−30℃〜約60℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、約−20℃〜約20℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物はPMOE−4−LETであって、5℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物はPMOE−2−SETであって、18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は50:50のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−1であって、−18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、75:25のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−2であって、−6℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は25:75のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−3であって、−20℃のIRTTTを有する。
【0055】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、冷却時間に組成物を冷却温度に冷却することにより活性化される。
【0056】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高放射エネルギー(例えば、UV光)への曝露により高温状態に変換される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、熱に対する曝露により高温状態に変換される。
【0057】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な加熱時間に、IUA熱変色性組成物を加熱温度まで加熱することにより高温状態に変換される。本明細書に用いた「加熱温度」なる用語は、IUA熱変色性組成物を上昇させる温度を意味する。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上の温度である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。
【0058】
本明細書に用いた「冷却温度」なる用語は、IUA熱変色性組成物が冷却される温度を意味する。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより30℃を超えて低い。
【0059】
本明細書に用いた「冷却時間」なる用語は、IUA熱変色性組成物が加熱温度から冷却温度に冷却される時間を意味する。特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は約1秒未満である。
【0060】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、2009年4月22日に出願された特許出願第12/428,323号に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす。熱変色性インクラベル活性剤は、第1段階の活性化エネルギー源および第2段階の急速ラベル冷却ユニットを含む。第1段階の活性化エネルギー源は、UVまたはIRランプのごとき放射照明ユニットを含み得る。また、それは、別法として、IUA熱変色性組成物へのエネルギーの急速な吸収を引き起こすのを助ける接触ホットプレートまたは熱風源を含み得る。急速冷却ユニットは、IUA熱変色性組成物との一時的な物理的接触に移って高温状態のIUA熱変色性組成物をIUA状態に冷却する冷却板を含み得る。
【0061】
3.IUA熱変色性インジケーター
本発明のもう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を用いて調製された少なくとも1つのIUA熱変色性成分を含むIUA熱変色性インジケーターに関する。IUA熱変色性組成物の熱変色性特性に関連する用語(例えば、「活性化」、「活性化された」「非活性化」、「非活性化された」「IUA色」、「RTTT」、「IRTTT」、「RTTTL」、「IRTTTL」)は、IUA熱変色性成分およびIUA熱変色性インジケーターに適用または関連する場合、前記定義に同じである。例えば、IUA熱変色性成分は、IUA熱変色性組成物のものと同一のRTTT/RTTTLまたはIRTTT/IRTTTLを有する。作製されたIUA熱変色性組成物が活性化/非活性化される場合に、IUA熱変色性成分は活性化/非活性化される。
【0062】
IUA熱変色性成分またはインジケーターは、使用前に活性化される。従って、活性化IUA熱変色性成分またはインジケーターは、所定の条件の不存在下で活性化されたままとされ、所定の条件への曝露に際して非活性化されるようになる。本明細書に用いるように、所定の条件への曝露に際して活性化されたIUA熱変色性成分またはインジケーターの非活性化プロセスは、「トリガリング(triggering)」と呼ばれ、非活性化IUA熱変色性成分またはインジケーターは、「トリガーされる」。
【0063】
特定の具体例において、所定の条件は温度関連の所定の条件である。特定の具体例において、温度関連の所定の条件は、所定の時間の間の、所定の温度/温度範囲に対する曝露を含む。特定の具体例において、異なる所定の温度/温度範囲については、所定の時間が異なり得る。例えば、温度関連の所定の条件は、2時間を超える時間の33〜39°Fへの曝露を含み得る。さらに、温度関連の所定の条件は、1時間を超える40〜75°Fへの曝露を含み得る。さらに、温度関連の所定の条件は、5分間を超える90°F以上の温度に対する曝露を含み得る。温度関連の所定の条件のもう一つの例は、2時間の10℃への曝露、および/または1分間未満の15℃への曝露を含む。
【0064】
特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜20℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜10℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜5℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の時間は、1秒〜20時間から選択される。
【0065】
特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、それが活性化される場合に、不可視または検知不能であり、それが所定の条件への曝露に際してトリガーされる場合に可視または検知可能であるように設計される。
【0066】
本明細書に用いた「不可視」なる用語は、対象がヒトの目に不可視であるか、または走査装置もしくは検知装置により認識可能ではないことを意味し、ここに、その対象はパターンであることができ;「可視」なる用語は、対象がヒトの目に可視であるか、または走査装置もしくは検知装置により認識可能であることを意味する。例えば、IUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に拘らず、色を常に示すことによりヒトの目に「可視」のままであり得る。しかしながら、IUA熱変色性成分が所定の波長により走査される場合、可視ではないかもしれない。例えば、IUA熱変色性POMET(例えば、PMOE−2−SET、PMOE−4−LETまたはその共重合体)またはその組成物で調製された活性化IUA熱変色性成分は、650nm下で走査される場合、透明および/または不可視であり得る。しかしながら、IUA熱変色性成分は、非活性化される場合、650nm下で可視になるであろう。従って、IUA熱変色性成分は、それが所定の条件への曝露に際してトリガーされた後に、パターンを「出現」させるであろう。同一の原理に基づいて、IUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に際してトリガーされた後に「消失する」ように設計し得る。例えば、前記の活性化工程において、その高温状態からの急速冷却により全体のIUA熱変色性成分を活性化するのに代えて、一部分だけのIUA熱変色性成分を活性化して、トリガーされる場合に不可視であるかまたは「消失する」パターン(例えば、四角形のドット、または「NOT」のごとき語)を形成する。特定の具体例において、所望のパターンを彫んだ冷却プレスは、その高温状態にあるIUA熱変色性成分上にプレスできる。冷却プレスとの接触を有する一部分のIUA熱変色性成分は急速に冷却され、活性化されるようになる。冷却プレスとの接触を有しない一部分のIUA熱変色性成分はゆっくり冷却され、非活性化されたままであろう。活性化および非活性化IUA熱変色性組成物の異なる視認性または読み易さのために、パターンは、所定の条件の不存在下でのヒトの目または走査もしくは検知装置に「可視である」。しかしながら、所定の条件への曝露後に、IUA熱変色性成分の活性化された部分は非活性化され、IUA熱変色性成分の非活性化された部分とはもはや区別できない。従って、オリジナルの可視パターンは、IUA熱変色性成分がトリガーされる場合、「不可視」であって「消失」し、不可視となる。
【0067】
特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、それ自体で表示であり、そのIUA熱変色性成分がトリガーされた後、その読み易さが変化する。特定の具体例において、IUA熱変色性成分はそれ自体で表示であり、IUA熱変色性成分がトリガーされた後にその読み易さが変化する他の成分または成分群と連携することにより表示を形成できる。特定の具体例において、IUA熱変色性成分はそれ自体では表示ではないが、他の成分と連携することにより、IUA熱変色性成分がトリガーされた後にその読み易さが変化する表示を形成する。
【0068】
表示は、ヒト、通常のスキャナー、光学スキャナー、コンピューターまたは他の自動識別およびデータ収集方法により識別または読み取ることもできる成分または構造であり、所望のメッセージまたは情報と関連する。表示の例は、当該技術分野において公知のもの、例えば、地方、全国および全世界的に提供され、GS−1により使用されるReduced Space Symbology(RSS、http://www.gs1.orgのGS1ウェブサイト参照)、UPC、JAN、EAN/UPC、GS1−128、ITF−14、Data matrix、Composite Component(CC)、RRFID、Auto−ID、RFID、生物測定学、磁気ストライプ、OCR、スマートカード、音声認識、他の識別、標準語システムおよびプラットフォームを含む。また、バーコード・データ、RSS、UPC、EAN、UCC−13、GTIN、RFID、GILBAR(商標)またはFood Sentinel System(商標)の成分を含むものごとき他の判読可能な表示と組み合わせたヒト判読可能なデータを含む表示を含む。
【0069】
特定の具体例において、表示は、その光学的読み易さにより確認または読み取ることができる。「光学的読み易さ」なる用語は、スキャナー、カメラおよびレーザーのごときヒトまたは光学走査装置により認識できるすべての表示を覆うことが意図される。光学的に判読可能な表示の例は、限定なくして、RSS、UPC、JAN、EAN/UPC、GS1−128、ITF−14、Data matrixおよびComposite Component(CC)を含む。
【0070】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の存在または不存在に拘らず、識別可能であるか、または判読可能なままである表示(「常に判読可能な表示」)を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露後に、判読不能である表示(「選択的に判読不能な表示」)を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露後に、判読可能である表示(「選択的に判読可能な表示」)を含む。
【0071】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの常に判読可能な成分または表示は、製品識別情報、製造源、流通業者源、またはアイテムの追従および追跡に有用なまたは望ましい他の情報を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの常に判読可能な成分または表示は、Composite Component構造のごとき二次元構造を含む。
【0072】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの選択的に判読可能な表示は、所定の条件に対するインジケーターの曝露の不存在または存在を識別するように設計された初期に非判読可能な成分およびIUA熱変色性成分を含む。所定の条件へインジケーターを曝露するに際して、IUA熱変色性成分は、初期に非判読可能な成分自体、または、トリガーされたIUA熱変色性成分と連携することにより、製品を識別する判読可能な表示(例えば、判読可能なバーコード)になるようにトリガーされ、製品が所定の条件に曝露されたと識別する。かかる識別に際して、製品は、流通網から除去または選抜除去(culling)のための標的にされる。加えて、かかる製品の存在の発生の位置および時間がマークされ履歴保管される。
【0073】
特定の具体例において、選択的に判読可能な表示はIUA熱変色性成分であり、ここに、その表示は所定の条件の不存在下で判読可能ではなく、所定の条件への曝露後にトリガーされて、判読可能または識別可能になる。
【0074】
特定の具体例において、選択的に判読不能な表示は、初期に判読可能な成分(例えば、判読可能なバーコード)および、所定の条件への曝露の不存在または存在を識別するように設計されたIUA熱変色性成分を含み得る。所定の条件への曝露に際して、IUA熱変色性成分は、トリガーされたIUA熱変色性成分が、それ自体または初期に判読可能な成分と連携させることにより、判読不能の表示になるようにトリガーされ、従って、製品が所定の条件に曝露されたと識別する。かかる識別に際して、製品は、流通網からの除去または選抜除去のための標的となる。加えて、かかる製品の存在の発生の位置および時間はマークされ履歴保管される。
【0075】
特定の具体例において、選択的に非判読可能な表示はIUA熱変色性成分であり、ここに、その表示は所定の条件の不存在下で判読可能であり、所定の条件への曝露後にトリガーされて非判読可能になる。
【0076】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示および選択的に判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示および選択的に非判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読可能な表示および選択的に非判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示、選択的に判読可能な表示、選択的に非判読可能な表示、複数またはその混合物を含む。
【0077】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、IUA成分に連携したペアバーコードおよび印刷構造を含み、インジケーターが所定の条件に曝露しているかまたは曝露した場合、IUA成分は変化して所定の条件に対する曝露を示す表示だけが判読可能になるであろう。かかる表示は、「do not sell」または「remove item from distribution」を示すかまたはコード化し得る。
【0078】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーター(図6Aおよび図6B)は、2つのバーコードおよび1つのIUA熱変色性成分を含む。バーコードのうちの一方はIUA熱変色性成分と連携して、選択的に非判読可能な表示(Purveyorのバーコード、図6Aおよび図6B)を形成し、他方のバーコードはIUA熱変色性成分と連携して、選択的に判読可能な表示を形成する(図6Aにおける不完全なバーコードおよび図6Bにおける完全なバーコード)。各バーコードは、所定の条件の不存在または存在下でもっぱら判読可能である。所定の条件の不存在下、選択的に非判読可能な表示は、製品情報または所望のいずれかの情報(例えば、「not contaminated」)を提供すると認識され、選択的に判読可能な表示を認識しないであろう。所定の条件への曝露後に、選択的に非判読可能な表示は、製品情報または所望のいずれかの情報を示すとは認識できず、選択的に判読可能な表示は所定の条件(例えば、「contaminated」または「heated」)への曝露を示すと認識されるであろう。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示を含み、製品情報または所望のいずれかの他の情報を保存できる。
【0079】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、商標GILBAR(商標)(図7Aおよび図7B)下のバーコード:選択的に判読不能な表示である製品識別バーコード(52、図7Aおよび図7B);および選択的に判読可能な表示である条件検知バーコード(54、図7Aおよび図7B)として整列した2つのバーコードを含む。IUA熱変色性成分(56、図7Aおよび図7B)は、IUA熱変色性組成物を用いて調製される。IUA熱変色性成分は、発明の視覚化における容易さのために図7Aおよび図7Bに示された黒線で輪郭が示される。しかしながら、実際にはこれらの線は存在せず、製品識別バーコードを認識するバーコードスキャナまたはリーダの能力との干渉はない。所定の条件への曝露の不存在下、IUA熱変色性成分は不可視である(56、図7A)。製品識別バーコードは判読可能であり(52、図7A)、条件検知バーコードは、それが完全な完全なバーコードでないので判読不能である(54、図7A)。所定の条件への曝露後、IUA熱変色性成分は可視になる(56、図7B)。元来判読可能な製品識別バーコードは判読不能になり(52、図7B)、元来判読不能な条件検知バーコードは完全なバーコードとなり、判読可能(54、図7B)となって所定の条件への曝露を示す。
こと。
【0080】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、ヒトに認識される言語またはコードおよび機械認識表示(例えば、バーコード)を組み合わせるIUA熱変色性表示を含む(32、図8Aおよび図8B)。図8Aは所定の条件の不存在下でIUA熱変色性インジケーターを示す。「NOT」なる語(29、図8A)は、それが所定の条件の不存在下で単に判読可能であって、「CONTAMINATED」なるもう一つの語(35、図8A)と連携させて、ヒトまたは検知器により認識可能である「NOT CONTAMINATED」を形成するように、IUA熱変色性組成物を用いて調製される。基材27(図8A)は、IUA熱変色性組成物を用いて調製し、バーコードの残り(31、図8A)と整列させ、バーコードを判読可能とする(図8A)。所定の条件への曝露後に、図8Aにおける基材29は、図8Bにおける基材34になり、それは、もはや可視でないか、基材35と連携し、「CONTAMINATED」になる。図8Aにおける基材27は、不可視であり、バーコード31を判読不能にする基材33になる。
【0081】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは複数の条件表示を含み、その各条件表示は、異なるまたは同一の所定の条件の不存在または存在を反映する。また、特定の具体例において、所定の条件は、2007年8月14日付で出願された米国特許出願第11/838727号および1994年4月26日付で発行された米国特許第5,306,466号;1999年2月9日付で発行された米国特許第5,869,341号;2001年2月20日付で出願した米国特許第6,190,610号;2001年8月7日付で発行された米国特許第6270724号;2002年11月12日付で発行された米国特許第6,479,016号;2007年1月2日付で発行された米国特許第7156597号および2007年1月2日付で発行された米国特許第7157048号においてのごとき毒素関連の所定の条件を含むことができ、それらの開示をここに出典明示してそれらのすべてを本明細書の一部とみなす。特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、前記に引用された米国特許出願および/または米国特許に開示された条件表示と同じ設計を採用する。
【0082】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、Food Sentinel System(商標)下で市販されたもののごとき複数の条件インジケーターを含む(1998年9月15日付で出願された米国特許シリアル番号09/153,565、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)。(100、図9)。IUA熱変色性インジケーターは、第1の選択的に判読不能な表示(102、図9)を含み、その表示は、いずれかの所定の条件の不存在下で判読可能な表示であり、その表示がいずれかの所定の条件、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、温度関連条件に曝露される場合に判読不能になる。さらに、IUA熱変色性インジケーターは第2のコード化された表示104、第3のコード化された表示106、および第4のコード化された表示108、および第5のコード化された表示110を含み、それらのすべては、選択的に判読可能な表示であり、同一または異なる所定の条件によりトリガーされる。例えば、表示104は大腸菌の存在によりトリガーされ、表示106はサルモネラ菌の存在によりトリガーされ、表示108はリステリア菌の存在によりトリガーされ、また、表示110は温度関連の所定の条件への曝露によりトリガーされる。
【0083】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーター(200、図10)は複数の単一のコード化条件表示(202、204、206および208、図10)を含む。このIUA熱変色性インジケーターは、製品中の汚染を示す1を超える条件を識別するために調製できる。IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読不能な表示であり、通常のインクにより印刷できる判読可能なバーコードを含む。いずれかの所定の条件の不存在下で、すべての条件表示は検知可能であるとは限られず、バーコードは判読可能である。いずれか1つの所定の条件の存在下で、対応する条件表示202、204、206または208をトリガーさせて、元来は判読可能なバーコードを判読不能にさせるであろう。少なくとも1つの条件表示は、所定の条件の不存在下で検知不能であって、所定の条件に対する曝露に際して検知可能であるIUA熱変色性成分である。特定の具体例において、1を超える条件表示はIUA熱変色性成分であり、各IUA熱変色性成分は異なるまたは同一の所定の条件によりトリガーされる。例えば、IUA熱変色性インジケーターの第1のIUA熱変色性成分は、1時間を超える33〜39°Fへの曝露によりトリガーされ、IUA熱変色性インジケーターの第2のIUA熱変色性成分は、1時間を超える40〜75°Fへの曝露および/または5分を超える90°Fへの曝露によりトリガーされるであろう。IUA熱変色性インジケーターが1時間33〜39°Fの温度に曝露される場合、第1のIUA熱変色性成分はトリガーされるが、第2のIUA熱変色性成分は活性化されたままであろう。その結果、選択的に判読不能な表示は判読不能になる。これは、1つのIUA熱変色性成分がトリガーされ、第1のIUA熱変色性成分はそれがトリガーされるので判読可能になり、第2のIUA熱変色性成分は、それがトリガーされないので、判読不能のままであろうためである。
【0084】
各条件表示は、他のものとは離れて配置できるか、またはオーバーラップする方法、連続的方法またはそのいずれかの組合せで配置できる。
【0085】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、米国特許出願第2008/0043804号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載されたRSS形式(例えば、htpp://www.gs1.org/にさらに詳細に記載されたRSS−14スタッグド、RSS拡張スタッグド、RSS限定、RSS−14トランケイティド(Trunctated)、RSS−14スタッグド等)の1つを組み込む。
【0086】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、1を超えるデータを含むRSS記号論を組み込む。例えば、Composite Component構造を用いるCC−Aコード(図12)。
【0087】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、2次元コード構造を含む(図11)。特定の具体例において、2次元コード(例えば、CC構造)は常に判読可能な表示である。IUA熱変色性インジケーターは、選択的に判読可能で、選択的に判読不能な表示、その複数または混合物である非CC構造をさらに含む。
【0088】
Composite Component(CC)のより多くの情報が、http://www.aimglobal.orgで利用可能である。CC構造の例は、制限なくして、CC−A、CC−BおよびCC−Cを含む。また、CC構造は、RSS、GS1、EANおよびUPCのごとき他の記号論に組み込むことができる。結合構造の例は、制限なくして、CC−AとのRSS−14トランケイティド、、CC−BとのRSSリミテッド、CC−CとのGS1−12B(SSCC−18)、CC−AとのEAN−13、CC−AとのEAN−8、CC−BとのUPC−A、CC−AとのUPC−E、CC−AとのGS1−128(SCC−14)およびCC−CとのGS1−128を含む。
【0089】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象に適用できる物品である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物を物品に適用し、活性化して、IUA熱変色性成分/インジケーターを形成される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物を活性化し、次いで、物品に適用して、IUA熱変色性成分/インジケーターを形成する。IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件への曝露なくして活性化したままであろう。IUA熱変色性インジケーターが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、かかる非活性化は検知可能である。
【0090】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の温度未満で貯蔵される対象上のインジケーターであり、それはIUA熱変色性組成物を含み、そのIUA熱変色性組成物は、対象が所定の温度未満に維持される場合に活性化され、対象が所定の温度を超える温度に曝露される場合に非活性化され、かかる非活性化が検知可能である。
【0091】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の薄膜を適用して、所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができるバーコードまたはその一部分を覆う。活性化される場合、IUA熱変色性組成物は所定の波長にて透明である。従って、IUA熱変色性組成物が活性化されたままである限り、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは、もはや所定の波長でのスキャナーにより読み取ることができず、検知されないであろう。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超える、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0092】
特定の具体例において、バーコードまたはその一部分は、インク(IUA熱変色性インク)としてIUA熱変色性組成物を用いて印刷される。IUA熱変色性インクは、活性化された場合に所定の波長にて透明であり、従って、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができない。バーコードが所定の条件に曝露される場合に、IUA熱変色性インクは非活性化され、所定の波長にて吸収する。そのバーコードは、今や所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超える、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0093】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、前記と同様の原理および設計を採用することができ、そのIUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に際して、消失または出現するであろう。
【0094】
4.調製方法
本発明のもう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、冷却時間にその組成物を冷却温度に冷却することを含む、活性化IUA熱変色性組成物の調製方法に関する。
【0095】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、組成物を高放射エネルギー(例えば、UV光)に曝露することにより高温状態に変換される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、熱への曝露により高温状態に変換される。
【0096】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な時間、加熱温度に加熱することにより高温状態に変換される。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分間未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。
【0097】
特定の具体例において、冷却温度はIUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより30℃を超えて低い。
【0098】
特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は1秒未満である。
【0099】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、2009年4月22日付で出願された特許出願第12/428,323号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、放射照明ユニット(例えば、UVまたはIRランプ)または熱源(例えば、接触ホットプレートまたは熱風源)に曝露することにより高温状態に変換される。
【0100】
本発明のもう一つの態様は、活性化IUA熱変色性成分/インジケーターの調製方法に関する。
【0101】
特定の具体例において、方法は、IUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度にて、活性化IUA熱変色性組成物を熱インジケーターとして用いる物品に適用することを含む。
【0102】
特定の具体例において、方法は、
IUA熱変色性組成物を熱インジケーターとして用いる物品に適用し;
IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
冷却時間に、物品および/またはIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却する
ことを含む。
【0103】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の高温状態への変換は、IUA熱変色性組成物を高放射エネルギー(例えば、UV光)に曝露することにより達成される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の高温状態への変換は、IUA熱変色性組成物またはインジケーターを含む物品を加熱するか、または高温色を表示するのに十分な時間にIUA熱変色性組成物を加熱温度に加熱することにより達成される。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上の温度である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分間未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、2009年4月22日付で出願された特許出願第12/428,323号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、そのIUA熱変色性組成物またはインジケーターは、放射照明ユニット(例えば、UVまたはIRランプ)または熱源(例えば、接触ホットプレートまたは熱風源)に曝露することにより高温状態に変換される。
【0104】
特定の具体例において、冷却温度はIUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより5℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより30℃を超えて低い。
【0105】
特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は1秒未満である。
【0106】
5.モニタリング方法
本発明のもう一つの態様は、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象のモニター方法に関する。特定の具体例において、所定の条件は、前記定義に同じである。
【0107】
特定の具体例において、方法は:
所定の条件への曝露なくして貯蔵される対象に対して、活性化IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを適用し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターの非活性化を検知することより、対象が所定の条件に曝露されているかまたは曝露された場合の対象を検知することを含む。
【0108】
特定の具体例において、方法は:
所定の条件への曝露なくして貯蔵される対象に対して、IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを適用し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを活性化し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターの非活性化を検知することにより、対象が所定の条件に曝露された場合の対象を検知することを含む。
【0109】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の薄膜を適用して、所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができるバーコードを覆う。IUA熱変色性組成物は、それが活性化される場合に所定の波長にて透明である。従って、IUA熱変色性組成物が活性化されたままである限りは、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは、もはや所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができず、検知されないであろう。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超えて、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超えて、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0110】
特定の具体例において、バーコードは、インク(IUA熱変色性インク)としてのIUA熱変色性組成物を用いて印刷される。IUA熱変色性インクは、活性化された場合に所定の波長にて透明であり、従って、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができない。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性インクは非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは今や所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超えてIUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTTL以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0111】
以下の実施例は、特許請求された発明をよりよく示すために提供され、本発明の範囲を限定するものとして何ら解釈されるべきではない。以下に記載される特定の組成物、材料および方法のすべては、全体的または部分的に本発明の範囲内にある。これらの特定の組成物、材料および方法は、本発明を限定することを意図せず、本発明の範囲内にある特定の具体例を単に示すことを意図する。当業者は、発明の能力の発揮および発明の範囲からの逸脱なくして、等価な組成物、材料および方法を開発し得る。多数の変形は、依然として本発明の範囲の限度を超えることなく、本明細書に記載された手順においてなすことができると理解される。かかる変形が本発明の範囲内に含まれることが発明者らの意図するものである。
【0112】
実施例
1.構造Iを有する化合物の調製
構造Iを有する化合物は、以下のスキーム1:
【0113】
【化4】
【0114】
によるチオフェンモノマーの重合により調製した。
【0115】
ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOET)の調製
PMOETはスキーム2により調製した。
【0116】
【化5】
【0117】
実施例1.1 ポリ−3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェン(PMOE−2−SET)の調製
PMOE−2−SETはスキーム2により調製され、mの平均値は17であり、nの平均値は2であった。
【0118】
ポジティブな窒素雰囲気下で、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(OE−2−SE、C18H37(OCH2CH2)2−OHの平均分子構造を有する化合物の混合物、和光ケミカルズ、152g、0.424mol)および金属ナトリウム(9.1g、0.395mol)を500mLフラスコに充填し、そのナトリウムが消失するまで(約2日間)約120℃で撹拌して、C18H37(OCH2CH2)2−ONaの平均分子構造を有するナトリウム塩を得た。窒素雰囲気下で、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(50g、0.28mol)、ジグリム(120mL)、塩化銅(0.70g、0.007mol)および2−アミノピリジン(0.56g、0.006mol)を250mLフラスコに充填し、室温で10分間撹拌した。次いで、前記混合物をC18H37(OCH2CH2)2−ONaに加え、100℃で約2日間撹拌した。その反応は、反応が完了した後、室温に冷却し、ろ過し、塩化メチレン(300mL)で濯いだ。濾液は、酢酸エチルを用いて、シリカゲルで精製して、粗生成物(500mL)を溶出した。溶出液を希塩酸(50mL×3)、水(50mL×2)、希水酸化ナトリウム(50mL×3)および飽和塩化ナトリウム(50mL)により洗浄した。洗浄後の溶出液を乾燥および蒸発させて、未反応の3−ブロモ−4−メチルチオフェンを除去した。精製された3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェンモノマー(MOE−2−SET)を50%の収率で得た。
【0119】
窒素雰囲気下で、MOE−2−SETモノマー(250mL塩化メチレン中の158g、0.348mol)を、三塩化鉄(113g、0.696mol)および塩化メチレン(200mL)を含む2Lのフラスコへ移した。その混合物を室温で約24時間撹拌し、、冷メタノールで沈殿させた。得られたポリマーを、ブフナー漏斗で濾過し、NaOH(300mL、1g)を含むメタノール中で撹拌した。ポリマーを再収集し、冷メタノールおよび温メタノールで洗浄し、乾燥して、ポリ(3−メチル−4−ジオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOE−2−SET)(54g、収率:34%)を得た。
【0120】
実施例1.2 ポリ−3−メチル−4−ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルチオフェン(PMOE−4−LET)の調製
PMOE−4−LETをスキーム2により調製し、mの平均値は11であり、nの平均値は4であった。
【0121】
共重合体の調製
共重合体のモノマーを前記のごとく調製した。共重合体は公知の重合方法により調製した。本明細書に用いた「共重合体」は、1を超えるモノマーを有するポリマーを意味する。例えば、共重合体は、交互共重合体(異なるモノマーが交互配列にて配置される)、過ヨウ素酸共重合体(異なるモノマーが反復配列にて配置される)、ランダム共重合体(異なるモノマーのランダムシーケンスを持つ)およびブロック共重合体(共有結合により連結した2以上のホモポリマーサブユニットを持つ)であることができる。
【0122】
実施例1.3 50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を前記のごとき50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0123】
実施例1.4 25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を前記のごとき25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0124】
実施例1.5 75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を、前記のごとき75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0125】
2.ポリチオフェンのスペクトル分析。
反射スペクトルを1つのソースファイバーおよび7つの収集ファイバーを含む円筒状光ファイバー反射プローブ(cylindrical fiber-optic reflection probe)を用いて、Ocean Optics S2000機器で比較した。スペクトルは、450〜800nmの白色標準およびタングステン−ハロゲンランプに対して参照した。可変温度スペクトル用の試料は、1枚の紙にポリチオフェン組成物(THF中で飽和した)を滴下コーティングし、次いで、ヒートガンで溶剤を蒸発除去させることにより調製した。温度計を含むアルミニウム塊上に試料を置き、ホットプレートに配置し、それを用いて約2℃/分にて試料を加熱した。その熱源の除去は同様の冷却速度を与えた。試料側の表面温度は、ビフェニル(69℃)およびナフタレン(80℃)の融解に関連した反射変化を用いることにより較正した。可変温度反射スペクトルは、約−40℃〜約120℃で600nmにて測定した。試料化合物または組成物の転移温度をS字状曲線の中心により決定した。
活性化IUA熱変色性組成物が活性化されたままとなるように、組成物はIRTTTL未満に維持されるべきである。
【0126】
PMOE−4−LET(図1)、PMOE−2−SET(図2)、50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1(図3)、25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2(図4)および50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3(図5)の600nmでの可変温度反射スペクトル。転移温度をそのS字状曲線の中心として決定した(表1)。
【0127】
【表1】
【0128】
3.所定の温度を超える温度に曝露したIUA熱変色性インジケーターおよび対象の検知
実施例3.1 PMOE−2−SETで覆ったバーコード
バーコードをPMOE−2−SETを含む組成物の薄膜で覆った。組成物が活性化相にあった場合、顔料は650nmにて透明であり、バーコードはスキャナーにより検知可能であった。活性化された組成物がIRTTTに達したかまたは超えた場合、組成物は、熱力学的に低温相に戻り、その相にてそれは650nmにて吸収し、そのバーコードはそのスキャナーによりもはや判読可能でなかった。
【0129】
バーコードを純粋なPMOE−2−SETで覆い、ここに、そのPMOE−2−SETを活性化して、40°Fの冷蔵庫中で8週間貯蔵した。過ヨウ素酸走査は、その40°F顔料の活性化相が全8週間で保持されることを確認した。カードソック(card sock)試料(いずれの冷却塊なくして)を冷蔵庫から取り出した場合、IUA熱変色性転移が約20分間生じ、次いで、バーコードをもはや走査できなかった。
【0130】
実施例3.2 PMOE−4−LETで覆ったバーコード
バーコードをPMOE−4−LETを含む組成物の薄膜でコーティングした。その組成物が活性化相にあった場合、顔料は650nmで透明であり、そのバーコードはスキャナーにより検知可能であった。活性化した組成物がIRTTTに達したかまたはそれを超えた場合、その組成物は熱力学的に低温相に戻り、その相にて、それは650nmにて吸収し、そのバーコードはそのスキャナーによりもはや判読可能でなかった。
【0131】
実施例3.3.Purveyorのバーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター
IUA熱変色性インジケーターは、通常のインクを用いる完全なバーコード(Purveyorのバーコードのごとき)および不完全なバーコード(図6A)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、IUA熱変色性組成物(例えば、PMOE−4−LETおよびPMOE−2−SET、またはMOE−4−LETおよびMOE−2−SETの共重合体)を用いて調製したIUA熱変色性成分を含む。IUA熱変色性成分は前記のごとく活性化され、所定の波長(例えば、650nm)下で不可視である。IUA熱変色性インジケーターが所定の条件に曝露される場合、そのIUA熱変色性成分は非活性化され、完全なバーコードおよび/または不完全なバーコードと連携し、その結果、非活性化IUA熱変色性組成物は所定の波長(例えば、650nm)下で可視となり、完全なバーコードを判読不能とさせ、および/または不完全なバーコードを判読可能とさせる(図6B)。
【0132】
実施例3.4.GILBAR(商標)構造を採用するIUA熱変色性インジケーター
IUA熱変色性インジケーターを通常のインクを用い、GILBAR(商標)構造を採用して調製する(図7A)。GILBAR(商標)バーコードは、判読可能なコード(52、図7A)および不完全なコード(54、図7A)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、IUA熱変色性組成物(例えば、PMOE−4−LETおよびPMOE−2−SET、またはMOE−4−LETおよびMOE−2−SETの共重合体)を用いて調製したIUA熱変色性成分を含む(56、図7A)。IUA熱変色性成分はバーコード52および54と連携して、所定の条件(例えば、所定の時間での所定の温度/温度範囲に対する曝露)の不存在下、活性化IUA熱変色性組成物は、所定の波長(例えば、650nm)下で不可視であり、従って、IUA熱変色性成分は所定の波長下で不可視である。所定の条件への曝露後に、活性化IUA熱変色性組成物は非活性化し、所定の波長下で可視となり、従って、IUA熱変色性成分は所定の波長下で可視となる(56、図7B)。IUA熱変色性成分はバーコード52および54と連携して、元来に判読可能なバーコード52はもはや判読可能でなく、元来に不完全なバーコード54は完全でなく判読可能である。
【0133】
実施例3.5 ヒト判読可能なコードおよび機械可読のコードを組み合わせたIUA熱変色性インジケーター
ヒト判読可能な表示(29および35、図8A)および機械可読の表示(27および31、図8A)を含むIUA熱変色性インジケーター(32、図8A)を通常のインクで印刷する。表示35および31は通常のインクで印刷する。表示29および27はIUA熱変色性インクで印刷する。IUA熱変色性インクは所定の条件の不存在下で可視であり、所定の条件への曝露に際して不可視となる。所定の条件の不存在下で、表示29および35は一緒に、ヒトにより認識可能な「NOT CONTAMINATED」を示し;表示27および31は一緒に機械可読の表示を形成する。所定の条件への曝露後、図8Aにおける表示29および27は、各々、図8Bにおける不可視の表示34および33になる。表示34および35は一緒に、ヒトにより認識可能な「CONTAMINATED」を示し、表示33および31は一緒に、もはや機械可読でないバーコードを形成する。
【0134】
実施例3.6.複数の条件表示を含むIUA熱変色性インジケーター(I)
IUA熱変色性インジケーターは、Food Sentinel System(商標)(100、図9)下で市販されたもののごとき複数の条件表示を含む。IUA熱変色性インジケーターは、最初にいずれかの所定の条件の不存在下で判読可能であり、インジケーターが所定の条件(例えば、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、温度関連の条件)のいずれかに曝露される場合に判読不能になる第1の選択的に判読不能な表示(102、図9)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、第2のコード化された表示104、第3のコード化された表示106および第4のコード化された表示108、および第5のコード化された表示110を含み、これらのすべては、選択的に判読可能な表示であり、同一または異なる所定の条件によりトリガーされる。例えば、表示104は大腸菌の存在によりトリガーされ、表示106はサルモネラ菌の存在によりトリガーされ、表示108はリステリア菌の存在によりトリガーされ、また、表示110は温度関連の所定の条件への曝露によりトリガーされる。
【0135】
実施例3.7.複数の条件表示を含むIUA熱変色性インジケーター(II)
IUA熱変色性インジケーター(200、図10)は、複数の単一のコード化条件表示(202、204、206および208、図10)を含み、それを調製して、製品における汚染を示す1を超える条件を同定する。IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読不能な表示であり、いずれの所定の条件の不存在下では、すべての条件表示が検知可能ではなく、IUA熱変色性インジケーターは判読可能である。いずれかの所定の条件の存在下、対応する条件表示202、204、206または208をトリガーして、元来判読可能なコードを判読不能にするであろう。その条件表示の少なくとも1つは、所定の条件の不存在下で検知可能ではなく、所定の条件への曝露に際して検知可能であるIUA熱変色性成分である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2008年5月7日付けで提出された米国仮特許出願第61/051,150号の優先権を主張し、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、熱変色性の化合物、インク、組成物およびその方法に関する。
【0003】
(連邦委託研究または開発に関する記述)
本発明は、米国陸軍/ナティックにより援助され、プロジェクト番号第500−2103−0000−0001326号を有する。米国政府は、本発明における支払い済ライセンスを有しており、USDOTにより与えられたFY01−PS10の条件により提供される妥当な条件で他者にライセンス供与することを特許権者に要求するための限定的状況下の権利を有する。
【背景技術】
【0004】
食物製品の適切な取り扱いおよび貯蔵温度の維持は、食物製品安全性の重要な態様である。米国農務省の食品安全検査局(FSIS)により後援された最近のシンポジウムにて、毎年7,600万人ものアメリカ人が食物由来の病気を有すると報告されたことが開示された。加えて、1000人のうち1人が毎年、食物由来の病気で入院している。これらの健康問題の結果、医療費は65億ドルを超えている。1993年〜1997年の間に疾病対策センター(CDC)に報告された2,700以上のケースのうち73%が、食物製品の不適切な保持条件の結果であった。従って、容易に統合され、コンピューターでモニターされ、廉価な、食物製品用の追従および追跡温度監視システムを開発する必要性が存在する。
【0005】
熱変色性物質は、時間−温度インジケーター(TTI)に用いられてきている。現在利用可能な時間−温度インジケーターは、3つのタイプの物質:多孔質物質を介する着色された脂肪酸エステルの時間−依存的拡散;脂質の酵素加水分解の制御;および高度に着色ポリマーを生成する有色ではないアセチレン性モノマーの固相重合のうちの1つに由来する。これらのTTIは製品の貯蔵期間の視覚的に検索可能なセンサーとして設計され、微生物増殖に対して良好な相関性を提供する。しかしながら、TTIのコストは高く、標準的TTIを追従および追跡するための自動化方法は存在しない。TTIに現在利用されている着色剤はマクロカプセル化を必要とし、TTI用の標準的なインク製剤に容易に組み込むことができない。かくして、既存の技術を用いて、バーコードまたは他の表示(indicia)となり得るTTIを創製することは非常に高価でかつ不便である。
【0006】
TTI(例えば、バーコード)に用いることができる顔料の開発は、食物製品の温度を連続的にモニターする、安価でコンピューター確認の追従および追跡システムの創製を可能とする。食物製品の貯蔵、輸送または配送中のいずれのポイントでも、TTIをスキャンして、適切な保持温度を維持したことを決定できる。不適切な貯蔵温度がTTIの変化により示され、その製品が食物連鎖から取り除かれることを可能とし、消費者を保護するであろう。
【0007】
現在利用可能な低温熱変色性インクは、可逆性熱変色性インクであり、それを用いて、輸送および貯蔵中のコールド・チェーンにおいて食物製品を連続的でかつ確実にモニターすることができない。可逆性熱変色性インクは、インクの温度が転移温度に合うかまたは超える場合に、第1の色から第2の色に色を変化させるであろう。しかしながら、インクが転移温度以上の温度から、転移温度未満の温度に冷却された場合、そのインクは第2の色から第1の色に変化するであろう。可逆性熱変色性インクに由来するTTIは、現在、可逆性熱変色性インクの転移温度以上である食物製品を検知できるが、過去にその転移温度に合うかまたはそれを超えたが現在転移温度未満である食物製品を検知できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、低温可逆性熱変色性インクを用いてコールド・チェーンにおける食物製品を連続的でかつ確実にモニターできず、熱感受性TTIに用いて、輸送および貯蔵中のコールド・チェーンにおける個々の食物製品パッケージをモニターできる低温不可逆性熱変色性インクについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの具体例は、以下の化学構造:
【0010】
【化1】
【0011】
[式中、各モノマーの各R1は独立して、H、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;各モノマーの各R2およびR3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;各モノマーの各nは独立して選択された整数であって;pは2〜1000である]
を有するポリチオフェン化合物を提供し、その立体異性体も含まれる。
【0012】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性化合物である。
【0013】
もう一つの態様において、構造Iを有する化合物を含む組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物である。
【0014】
特定の具体例において、そのIUA熱変色性組成物は、約−30℃〜約60℃の不可逆性の熱変色性転移温度(IRTTT)を有する。
【0015】
もう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含むIUA熱変色性インジケーターに関し、活性化IUA熱変色性組成物の非活性化が検知可能である。
【0016】
もう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を高温状態のIUA熱変色性組成物に変換し;次いで、冷却時間にIUA熱変色性組成物をその高温状態から冷却温度に冷却することを含む、活性化IUA熱変色性組成物の調製方法に関する。
【0017】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高放射エネルギー(例えば、UV光)に対する曝露により高温状態に変換される。
【0018】
また、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な時間に加熱温度まで加熱されることより、高温状態に変換され得る。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物のRTTT以上である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。
【0019】
特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより30℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。また、冷却時間は約1秒未満であり得る。
【0020】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、特定のパターンで物品にIUA熱変色性組成物を適用し、次いでIUA熱変色性組成物を活性化することを含む、IUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含む方法により作成でき、ここに、その特定のパターンは、活性化IUA熱変色性組成物の非活性化を示すように設計されている。
【0021】
もう一つの態様は、活性化IUA熱変色性インジケーターを対象に適用し、次いで、所定の条件に曝露されるかまたは曝露された対象の非活性化IUA熱変色性インジケーターを検知することを含む、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象のモニタリングに関する。
【0022】
特定の具体例において、所定の条件は、温度関連の所定の条件である。特定の具体例において、温度関連の所定の条件は、所定の時間での所定の温度に対する曝露である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1.ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェン(PMOE−2−SET)のスペクトル分析。
【図2】図2.ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルチオフェン(PMOE−4−LET)のスペクトル分析。
【図3】図3.50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1のスペクトル分析。
【図4】図4.75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2のスペクトル分析。
【図5】図5.25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3のスペクトル分析。
【図6A】図6A.所定の条件への曝露に先立ってPurveyorのバーコードおよび選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図6B】図6B.所定の条件への曝露後にPurveyorのバーコードおよび選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図7A】図7A.所定の条件への曝露に先立ってGILBAR(商標)2バーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター。
【図7B】図7B.所定の条件への曝露後にGILBAR(商標)2バーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター。
【図8A】図8A.所定の条件への曝露に先立ってヒト認識表示および機械認識バーコードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図8B】図8B.所定の条件への曝露後にヒト認識表示および機械認識バーコードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図9】図9.インジケーターが曝露されるかまたは曝露された1または複数の所定の条件を各々同定するための第1の選択的に判読不能な常に判読可能な表示および複数の選択的に判読可能な表示を含むIUA熱変色性インジケーター。
【図10】図10.インジケーターが曝露されるかまたは曝露された1を超える所定の条件を同定するための単一のコード化表示を用いるIUA熱変色性インジケーター。
【図11】図11.二次元コードを含むIUA熱変色性インジケーター。
【図12】図12.Composite Component構造を用いるCC−Aコード。
【発明を実施するための形態】
【0024】
1.ポリチオフェン化合物の構造
新規なポリチオフェン化合物は、以下の構造I:
【0025】
【化2】
構造I
【0026】
を有し、その立体異性体も含まれる。
【0027】
本明細書に用いるように、特記しない限りは、各モノマーの各R1は独立して、H、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R2は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
ポリチオフェンの各モノマーの各nは独立して選択された整数であって;
pは整数である。
【0028】
特定の具体例において、nは0〜100から選択され;特定の具体例において、nは0〜15から選択され;特定の具体例において、nは0〜6から選択され;特定の具体例において、nは1〜15から選択され;特定の具体例において、nは1〜6から選択される。特定の具体例において、pは1〜1000であり;特定の具体例において、pは2〜1000であり;特定の具体例において、pは1〜500であり;特定の具体例において、pは2〜500であり;特定の具体例において、pは1〜100であり;特定の具体例において、pは2〜100であり;特定の具体例において、pは10〜100である。
【0029】
本明細書に用いた「アルキル基」なる用語は、分岐したまたは分岐していない、飽和または不飽和の一価または多価の炭化水素基を意味する。アルキルの例には、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デケニル、ウンデケニル、ドデケニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デキニル、ウンデキニル、ドデキニル、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレンおよびドデシレンが含まれる。特定の具体例において、炭化水素基は1〜20個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は1〜30個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は3〜50個の炭素を含む。
【0030】
本明細書に用いた「アルコキシル」なる用語は、特記しない限りは、さらに1またはそれを超える酸素原子を含むアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを意味する。アルコキシルの例は、限定されるものではないが、−CH2OH、−OCH3および−O−アルキル、−アルキル−OH、−アルキル−O−アルキル−(式中、この2つのアルキルは同一または異なっていてもよい)を含む。
【0031】
本明細書に用いた「シクロアルキル」なる用語は、特記しない限りは、少なくとも1つの環を含み、芳香環を含まないアルキルを意味する。シクロアルキルの例は、限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシルおよびシクロドデシルを含む。特定の具体例において、炭化水素鎖は3〜20個の炭素を含む。特定の具体例において、炭化水素基は3〜30個の炭素を含む。
【0032】
本明細書に用いた「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、特記しない限りは、少なくとも1つの環原子が非炭素原子であるシクロアルキルを意味する。非炭素の環原子の例は、限定されるものではないが、S、OおよびNを含む。
【0033】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造I[式中、R1は各モノマーについての定義に同じ、R2は各モノマーについての定義に同じである]を有し、その立体異性体も含まれる。特定の具体例において、R1は1〜12個の炭素を含むアルキル基である。特定の具体例において、R1はメチルである。
【0034】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II:
【0035】
【化3】
構造II
【0036】
[式中、ポリチオフェン化合物の各モノマーの各mは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのmの平均(「m」)は7〜21であり;
ポリチオフェン化合物の各モノマーの各nは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのnの平均(「n」)は0〜6であり;
3n+m+1は20〜40であって;
pは独立して選択された整数である]
を有するポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOET)であり、その立体異性体も含まれる。
【0037】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、mは17であって、nの平均は2である(「PMOE−2−SET」)]を有し、その立体異性体も含まれ、対応するモノマーはMOE−2−SETである。
【0038】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、mは11であって、nの平均は4である(「PMOE−4−LET」)]を有し、その立体異性体も含まれ、対応するモノマーはMOE−4−LETである。
【0039】
特定の具体例において、ポリチオフェン化合物は、構造II[式中、モノマーは、MOE−2−SET(mは17であって、nの平均が2である)およびMOE−4−LET(mは11であって、nの平均が4である)の混合物である]を有し、その立体異性体も含まれる。
【0040】
2.ポリチオフェン組成物
本発明のもう一つの態様は、構造I、構造IIを有するポリチオフェン化合物またはその複数もしくは1つの混合物を含むポリチオフェン組成物に関する。
【0041】
特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は、その立体異性体を含めた構造IIを有し、すべてのポリマーのモノマーは、50%のMOE−2−SETおよび50%のMOE−4−LET(共重合体−1)を含む。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は、その立体異性体を含めた構造IIを有し、すべてのポリマーのモノマーは、75%のMOE−2−SETおよび25%のMOE−4−LET(共重合体−2)を含む。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物はその立体異性体を含めた構造IIを有し、ここに、すべてのポリマーのモノマーは、25%のMOE−2−SETおよび75%のMOE−4−LET(共重合体−3)を含む。
【0042】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、担体媒体および、構造I、構造IIを有するポリチオフェン化合物、またはその複数もしくは1つの混合物を含む。ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、約0.05重量%〜約99.5重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、0.05重量%〜25重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は、0.05重量%〜5重量%である。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物中のポリチオフェン化合物(群)の濃度は10重量%である。
【0043】
本明細書に用いた「担体媒体」なる用語は、液体または固体溶媒、希釈剤のごとき、物質、組成物またはフォーミュラ(formula)を意味する。担体媒体の例は、限定なくして、ポリウレタン;ポリシロキサンおよびポリジエンを含めたエラストマー;ポリアクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPEおよびLDPE)およびポリプロピレンを含めたポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルハライド、ポリ(ビニルニトリル)、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリソフォン(polysofones)、ポリスルホンアミド、ポリアミド、ポリイミン、ポリイミドおよび炭水化物を含む
【0044】
特定の具体例において、担体媒体は、油、樹脂、顔料増量剤および添加剤を含むインク製剤を含む。
【0045】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物である。
【0046】
本明細書に用いた「熱変色性」なる用語は、温度変化により色を変化させる組成物の能力を意味する。
【0047】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された可逆性熱変色性転移温度(RTTT)を有し、ここに、可変温度スペクトルのS字状転移曲線の中心は、RTTTである。熱変色性転移は可逆的である。また、ポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された低い可逆性熱変色性転移温度(RTTTL)を有し、ここに、可逆性熱変色性転移がスタートする温度はRTTTLである。組成物は、高温状態および低温状態を有する。RTTTL未満の温度にて、組成物は低温色を示し、低温状態にある。組成物がRTTTL以上に加熱される場合、組成物は高温色を示し、高温状態にある。この温度依存性の変色は、高温色組成物がRTTTL未満の温度に冷却される場合に組成物の色がもとの低温色に変化し戻るため、可逆的である。
【0048】
特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は黄色の高温色を有する。特定の具体例において、ポリチオフェン組成物は赤紫色またはスミレ色の低温色を有する。
【0049】
特定の具体例において、RTTTLは、RTTTより約0.5〜40℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約5〜10℃低い。特定の具体例において、RTTTLはRTTTより約0.5〜5℃低い。
【0050】
特定の具体例において、本発明のポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された不可逆熱変色性転移温度(IRTTT)を有し、ここに、可変温度スペクトルのS字状転移曲線の中心は、IRTTTである。熱変色性転移は不可逆性である。また、ポリチオフェン組成物は、可変温度反射スペクトルにより決定された低い不可逆熱変色性転移温度(IRTTTL)を有し、ここに、可逆性熱変色性転移がスタートする温度はIRTTTLである。また、かかる組成物は、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物といわれる。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約0.5〜40℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約5〜10℃低い。特定の具体例において、IRTTTLはIRTTTより約0.5〜5℃低い。
【0051】
本明細書に用いた、IUA熱変色性組成物は、前記定義のごとく、RTTT、RTTTL、高温の状態および色ならびに低温の状態および色を有する。IUA熱変色性組成物は、さらにIRTTT、IRTTTLおよび準安定状態(活性化状態)を有し、活性化状態でのIUA色を示す。低温状態および高温状態の双方は、非活性化状態といわれ、低温状態は低い非活性化状態であり、また、高温状態は高い非活性化状態である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は高温色の黄色を有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、低温色の赤紫色またはスミレ色を有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、ピンク色またはオレンジ色のIUA色を有する。
【0052】
IUA熱変色性組成物が非活性化状態から活性化状態に変換されるプロセスは、「活性化」と呼ばれる。活性化状態のIUA熱変色性組成物は、「活性化」IUA熱変色性組成物と呼ばれる。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、活性化状態に十分に急速にIUA熱変色性組成物を冷却することにより活性化される。組成物がIRTTT未満に維持される限り、活性化IUA熱変色性組成物はIUA色を保持するであろう。
【0053】
IUA熱変色性組成物が活性化状態から非活性化状態に変換されるプロセスは、非活性化と呼ばれる。非活性化状態のIUA熱変色性組成物は、「非活性化」IUA熱変色性組成物と呼ばれる。活性化IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物がIRTTTL以上であるが、RTTTL未満に加熱される場合に、非活性化され、IUA色から低温色に色を変化させるであろう。非活性化IUA熱変色性組成物は、今や低い非活性化状態にある。この温度依存性の変色は、非活性化IUA熱変色性組成物が低い非活性化状態からIRTTTL以下に冷却される場合に、不可逆性であり、IUA熱変色性組成物は低温色を保持し、非活性化のままであり、もとのIUA色に変化しないであろう。活性化IUA熱変色性組成物は非活性化され、組成物がRTTTL以上に加熱される場合にIUA色から高温色に色を変化させるであろう。IUA熱変色性組成物は今や高い非活性化状態にある。また、非活性化IUA熱変色性組成物が、IUA熱変色性組成物を再活性化することなくして、高い非活性化状態からIRTTTL以下に冷却される場合に、この温度依存性の変色は不可逆性である。IUA熱変色性組成物は、低温色に変化し、非活性化のままであり、もとのIUA色に変化しないであろう。
【0054】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、約−30℃〜約60℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、約−20℃〜約20℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物はPMOE−4−LETであって、5℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物はPMOE−2−SETであって、18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は50:50のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−1であって、−18℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、75:25のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−2であって、−6℃のIRTTTを有する。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は25:75のMOE−4−LET:MOE−2−SET共重合体−3であって、−20℃のIRTTTを有する。
【0055】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、冷却時間に組成物を冷却温度に冷却することにより活性化される。
【0056】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高放射エネルギー(例えば、UV光)への曝露により高温状態に変換される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、熱に対する曝露により高温状態に変換される。
【0057】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な加熱時間に、IUA熱変色性組成物を加熱温度まで加熱することにより高温状態に変換される。本明細書に用いた「加熱温度」なる用語は、IUA熱変色性組成物を上昇させる温度を意味する。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上の温度である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。
【0058】
本明細書に用いた「冷却温度」なる用語は、IUA熱変色性組成物が冷却される温度を意味する。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより30℃を超えて低い。
【0059】
本明細書に用いた「冷却時間」なる用語は、IUA熱変色性組成物が加熱温度から冷却温度に冷却される時間を意味する。特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は約1秒未満である。
【0060】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、2009年4月22日に出願された特許出願第12/428,323号に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす。熱変色性インクラベル活性剤は、第1段階の活性化エネルギー源および第2段階の急速ラベル冷却ユニットを含む。第1段階の活性化エネルギー源は、UVまたはIRランプのごとき放射照明ユニットを含み得る。また、それは、別法として、IUA熱変色性組成物へのエネルギーの急速な吸収を引き起こすのを助ける接触ホットプレートまたは熱風源を含み得る。急速冷却ユニットは、IUA熱変色性組成物との一時的な物理的接触に移って高温状態のIUA熱変色性組成物をIUA状態に冷却する冷却板を含み得る。
【0061】
3.IUA熱変色性インジケーター
本発明のもう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を用いて調製された少なくとも1つのIUA熱変色性成分を含むIUA熱変色性インジケーターに関する。IUA熱変色性組成物の熱変色性特性に関連する用語(例えば、「活性化」、「活性化された」「非活性化」、「非活性化された」「IUA色」、「RTTT」、「IRTTT」、「RTTTL」、「IRTTTL」)は、IUA熱変色性成分およびIUA熱変色性インジケーターに適用または関連する場合、前記定義に同じである。例えば、IUA熱変色性成分は、IUA熱変色性組成物のものと同一のRTTT/RTTTLまたはIRTTT/IRTTTLを有する。作製されたIUA熱変色性組成物が活性化/非活性化される場合に、IUA熱変色性成分は活性化/非活性化される。
【0062】
IUA熱変色性成分またはインジケーターは、使用前に活性化される。従って、活性化IUA熱変色性成分またはインジケーターは、所定の条件の不存在下で活性化されたままとされ、所定の条件への曝露に際して非活性化されるようになる。本明細書に用いるように、所定の条件への曝露に際して活性化されたIUA熱変色性成分またはインジケーターの非活性化プロセスは、「トリガリング(triggering)」と呼ばれ、非活性化IUA熱変色性成分またはインジケーターは、「トリガーされる」。
【0063】
特定の具体例において、所定の条件は温度関連の所定の条件である。特定の具体例において、温度関連の所定の条件は、所定の時間の間の、所定の温度/温度範囲に対する曝露を含む。特定の具体例において、異なる所定の温度/温度範囲については、所定の時間が異なり得る。例えば、温度関連の所定の条件は、2時間を超える時間の33〜39°Fへの曝露を含み得る。さらに、温度関連の所定の条件は、1時間を超える40〜75°Fへの曝露を含み得る。さらに、温度関連の所定の条件は、5分間を超える90°F以上の温度に対する曝露を含み得る。温度関連の所定の条件のもう一つの例は、2時間の10℃への曝露、および/または1分間未満の15℃への曝露を含む。
【0064】
特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜20℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜10℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の温度は、IUA熱変色性組成物の+/−0〜5℃のIRTTTである。特定の具体例において、所定の時間は、1秒〜20時間から選択される。
【0065】
特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、それが活性化される場合に、不可視または検知不能であり、それが所定の条件への曝露に際してトリガーされる場合に可視または検知可能であるように設計される。
【0066】
本明細書に用いた「不可視」なる用語は、対象がヒトの目に不可視であるか、または走査装置もしくは検知装置により認識可能ではないことを意味し、ここに、その対象はパターンであることができ;「可視」なる用語は、対象がヒトの目に可視であるか、または走査装置もしくは検知装置により認識可能であることを意味する。例えば、IUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に拘らず、色を常に示すことによりヒトの目に「可視」のままであり得る。しかしながら、IUA熱変色性成分が所定の波長により走査される場合、可視ではないかもしれない。例えば、IUA熱変色性POMET(例えば、PMOE−2−SET、PMOE−4−LETまたはその共重合体)またはその組成物で調製された活性化IUA熱変色性成分は、650nm下で走査される場合、透明および/または不可視であり得る。しかしながら、IUA熱変色性成分は、非活性化される場合、650nm下で可視になるであろう。従って、IUA熱変色性成分は、それが所定の条件への曝露に際してトリガーされた後に、パターンを「出現」させるであろう。同一の原理に基づいて、IUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に際してトリガーされた後に「消失する」ように設計し得る。例えば、前記の活性化工程において、その高温状態からの急速冷却により全体のIUA熱変色性成分を活性化するのに代えて、一部分だけのIUA熱変色性成分を活性化して、トリガーされる場合に不可視であるかまたは「消失する」パターン(例えば、四角形のドット、または「NOT」のごとき語)を形成する。特定の具体例において、所望のパターンを彫んだ冷却プレスは、その高温状態にあるIUA熱変色性成分上にプレスできる。冷却プレスとの接触を有する一部分のIUA熱変色性成分は急速に冷却され、活性化されるようになる。冷却プレスとの接触を有しない一部分のIUA熱変色性成分はゆっくり冷却され、非活性化されたままであろう。活性化および非活性化IUA熱変色性組成物の異なる視認性または読み易さのために、パターンは、所定の条件の不存在下でのヒトの目または走査もしくは検知装置に「可視である」。しかしながら、所定の条件への曝露後に、IUA熱変色性成分の活性化された部分は非活性化され、IUA熱変色性成分の非活性化された部分とはもはや区別できない。従って、オリジナルの可視パターンは、IUA熱変色性成分がトリガーされる場合、「不可視」であって「消失」し、不可視となる。
【0067】
特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、それ自体で表示であり、そのIUA熱変色性成分がトリガーされた後、その読み易さが変化する。特定の具体例において、IUA熱変色性成分はそれ自体で表示であり、IUA熱変色性成分がトリガーされた後にその読み易さが変化する他の成分または成分群と連携することにより表示を形成できる。特定の具体例において、IUA熱変色性成分はそれ自体では表示ではないが、他の成分と連携することにより、IUA熱変色性成分がトリガーされた後にその読み易さが変化する表示を形成する。
【0068】
表示は、ヒト、通常のスキャナー、光学スキャナー、コンピューターまたは他の自動識別およびデータ収集方法により識別または読み取ることもできる成分または構造であり、所望のメッセージまたは情報と関連する。表示の例は、当該技術分野において公知のもの、例えば、地方、全国および全世界的に提供され、GS−1により使用されるReduced Space Symbology(RSS、http://www.gs1.orgのGS1ウェブサイト参照)、UPC、JAN、EAN/UPC、GS1−128、ITF−14、Data matrix、Composite Component(CC)、RRFID、Auto−ID、RFID、生物測定学、磁気ストライプ、OCR、スマートカード、音声認識、他の識別、標準語システムおよびプラットフォームを含む。また、バーコード・データ、RSS、UPC、EAN、UCC−13、GTIN、RFID、GILBAR(商標)またはFood Sentinel System(商標)の成分を含むものごとき他の判読可能な表示と組み合わせたヒト判読可能なデータを含む表示を含む。
【0069】
特定の具体例において、表示は、その光学的読み易さにより確認または読み取ることができる。「光学的読み易さ」なる用語は、スキャナー、カメラおよびレーザーのごときヒトまたは光学走査装置により認識できるすべての表示を覆うことが意図される。光学的に判読可能な表示の例は、限定なくして、RSS、UPC、JAN、EAN/UPC、GS1−128、ITF−14、Data matrixおよびComposite Component(CC)を含む。
【0070】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の存在または不存在に拘らず、識別可能であるか、または判読可能なままである表示(「常に判読可能な表示」)を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露後に、判読不能である表示(「選択的に判読不能な表示」)を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露後に、判読可能である表示(「選択的に判読可能な表示」)を含む。
【0071】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの常に判読可能な成分または表示は、製品識別情報、製造源、流通業者源、またはアイテムの追従および追跡に有用なまたは望ましい他の情報を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの常に判読可能な成分または表示は、Composite Component構造のごとき二次元構造を含む。
【0072】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターの選択的に判読可能な表示は、所定の条件に対するインジケーターの曝露の不存在または存在を識別するように設計された初期に非判読可能な成分およびIUA熱変色性成分を含む。所定の条件へインジケーターを曝露するに際して、IUA熱変色性成分は、初期に非判読可能な成分自体、または、トリガーされたIUA熱変色性成分と連携することにより、製品を識別する判読可能な表示(例えば、判読可能なバーコード)になるようにトリガーされ、製品が所定の条件に曝露されたと識別する。かかる識別に際して、製品は、流通網から除去または選抜除去(culling)のための標的にされる。加えて、かかる製品の存在の発生の位置および時間がマークされ履歴保管される。
【0073】
特定の具体例において、選択的に判読可能な表示はIUA熱変色性成分であり、ここに、その表示は所定の条件の不存在下で判読可能ではなく、所定の条件への曝露後にトリガーされて、判読可能または識別可能になる。
【0074】
特定の具体例において、選択的に判読不能な表示は、初期に判読可能な成分(例えば、判読可能なバーコード)および、所定の条件への曝露の不存在または存在を識別するように設計されたIUA熱変色性成分を含み得る。所定の条件への曝露に際して、IUA熱変色性成分は、トリガーされたIUA熱変色性成分が、それ自体または初期に判読可能な成分と連携させることにより、判読不能の表示になるようにトリガーされ、従って、製品が所定の条件に曝露されたと識別する。かかる識別に際して、製品は、流通網からの除去または選抜除去のための標的となる。加えて、かかる製品の存在の発生の位置および時間はマークされ履歴保管される。
【0075】
特定の具体例において、選択的に非判読可能な表示はIUA熱変色性成分であり、ここに、その表示は所定の条件の不存在下で判読可能であり、所定の条件への曝露後にトリガーされて非判読可能になる。
【0076】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示および選択的に判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示および選択的に非判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読可能な表示および選択的に非判読可能な表示を含む。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示、選択的に判読可能な表示、選択的に非判読可能な表示、複数またはその混合物を含む。
【0077】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、IUA成分に連携したペアバーコードおよび印刷構造を含み、インジケーターが所定の条件に曝露しているかまたは曝露した場合、IUA成分は変化して所定の条件に対する曝露を示す表示だけが判読可能になるであろう。かかる表示は、「do not sell」または「remove item from distribution」を示すかまたはコード化し得る。
【0078】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーター(図6Aおよび図6B)は、2つのバーコードおよび1つのIUA熱変色性成分を含む。バーコードのうちの一方はIUA熱変色性成分と連携して、選択的に非判読可能な表示(Purveyorのバーコード、図6Aおよび図6B)を形成し、他方のバーコードはIUA熱変色性成分と連携して、選択的に判読可能な表示を形成する(図6Aにおける不完全なバーコードおよび図6Bにおける完全なバーコード)。各バーコードは、所定の条件の不存在または存在下でもっぱら判読可能である。所定の条件の不存在下、選択的に非判読可能な表示は、製品情報または所望のいずれかの情報(例えば、「not contaminated」)を提供すると認識され、選択的に判読可能な表示を認識しないであろう。所定の条件への曝露後に、選択的に非判読可能な表示は、製品情報または所望のいずれかの情報を示すとは認識できず、選択的に判読可能な表示は所定の条件(例えば、「contaminated」または「heated」)への曝露を示すと認識されるであろう。特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは常に判読可能な表示を含み、製品情報または所望のいずれかの他の情報を保存できる。
【0079】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、商標GILBAR(商標)(図7Aおよび図7B)下のバーコード:選択的に判読不能な表示である製品識別バーコード(52、図7Aおよび図7B);および選択的に判読可能な表示である条件検知バーコード(54、図7Aおよび図7B)として整列した2つのバーコードを含む。IUA熱変色性成分(56、図7Aおよび図7B)は、IUA熱変色性組成物を用いて調製される。IUA熱変色性成分は、発明の視覚化における容易さのために図7Aおよび図7Bに示された黒線で輪郭が示される。しかしながら、実際にはこれらの線は存在せず、製品識別バーコードを認識するバーコードスキャナまたはリーダの能力との干渉はない。所定の条件への曝露の不存在下、IUA熱変色性成分は不可視である(56、図7A)。製品識別バーコードは判読可能であり(52、図7A)、条件検知バーコードは、それが完全な完全なバーコードでないので判読不能である(54、図7A)。所定の条件への曝露後、IUA熱変色性成分は可視になる(56、図7B)。元来判読可能な製品識別バーコードは判読不能になり(52、図7B)、元来判読不能な条件検知バーコードは完全なバーコードとなり、判読可能(54、図7B)となって所定の条件への曝露を示す。
こと。
【0080】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、ヒトに認識される言語またはコードおよび機械認識表示(例えば、バーコード)を組み合わせるIUA熱変色性表示を含む(32、図8Aおよび図8B)。図8Aは所定の条件の不存在下でIUA熱変色性インジケーターを示す。「NOT」なる語(29、図8A)は、それが所定の条件の不存在下で単に判読可能であって、「CONTAMINATED」なるもう一つの語(35、図8A)と連携させて、ヒトまたは検知器により認識可能である「NOT CONTAMINATED」を形成するように、IUA熱変色性組成物を用いて調製される。基材27(図8A)は、IUA熱変色性組成物を用いて調製し、バーコードの残り(31、図8A)と整列させ、バーコードを判読可能とする(図8A)。所定の条件への曝露後に、図8Aにおける基材29は、図8Bにおける基材34になり、それは、もはや可視でないか、基材35と連携し、「CONTAMINATED」になる。図8Aにおける基材27は、不可視であり、バーコード31を判読不能にする基材33になる。
【0081】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは複数の条件表示を含み、その各条件表示は、異なるまたは同一の所定の条件の不存在または存在を反映する。また、特定の具体例において、所定の条件は、2007年8月14日付で出願された米国特許出願第11/838727号および1994年4月26日付で発行された米国特許第5,306,466号;1999年2月9日付で発行された米国特許第5,869,341号;2001年2月20日付で出願した米国特許第6,190,610号;2001年8月7日付で発行された米国特許第6270724号;2002年11月12日付で発行された米国特許第6,479,016号;2007年1月2日付で発行された米国特許第7156597号および2007年1月2日付で発行された米国特許第7157048号においてのごとき毒素関連の所定の条件を含むことができ、それらの開示をここに出典明示してそれらのすべてを本明細書の一部とみなす。特定の具体例において、IUA熱変色性成分は、前記に引用された米国特許出願および/または米国特許に開示された条件表示と同じ設計を採用する。
【0082】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、Food Sentinel System(商標)下で市販されたもののごとき複数の条件インジケーターを含む(1998年9月15日付で出願された米国特許シリアル番号09/153,565、その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)。(100、図9)。IUA熱変色性インジケーターは、第1の選択的に判読不能な表示(102、図9)を含み、その表示は、いずれかの所定の条件の不存在下で判読可能な表示であり、その表示がいずれかの所定の条件、例えば、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、温度関連条件に曝露される場合に判読不能になる。さらに、IUA熱変色性インジケーターは第2のコード化された表示104、第3のコード化された表示106、および第4のコード化された表示108、および第5のコード化された表示110を含み、それらのすべては、選択的に判読可能な表示であり、同一または異なる所定の条件によりトリガーされる。例えば、表示104は大腸菌の存在によりトリガーされ、表示106はサルモネラ菌の存在によりトリガーされ、表示108はリステリア菌の存在によりトリガーされ、また、表示110は温度関連の所定の条件への曝露によりトリガーされる。
【0083】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーター(200、図10)は複数の単一のコード化条件表示(202、204、206および208、図10)を含む。このIUA熱変色性インジケーターは、製品中の汚染を示す1を超える条件を識別するために調製できる。IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読不能な表示であり、通常のインクにより印刷できる判読可能なバーコードを含む。いずれかの所定の条件の不存在下で、すべての条件表示は検知可能であるとは限られず、バーコードは判読可能である。いずれか1つの所定の条件の存在下で、対応する条件表示202、204、206または208をトリガーさせて、元来は判読可能なバーコードを判読不能にさせるであろう。少なくとも1つの条件表示は、所定の条件の不存在下で検知不能であって、所定の条件に対する曝露に際して検知可能であるIUA熱変色性成分である。特定の具体例において、1を超える条件表示はIUA熱変色性成分であり、各IUA熱変色性成分は異なるまたは同一の所定の条件によりトリガーされる。例えば、IUA熱変色性インジケーターの第1のIUA熱変色性成分は、1時間を超える33〜39°Fへの曝露によりトリガーされ、IUA熱変色性インジケーターの第2のIUA熱変色性成分は、1時間を超える40〜75°Fへの曝露および/または5分を超える90°Fへの曝露によりトリガーされるであろう。IUA熱変色性インジケーターが1時間33〜39°Fの温度に曝露される場合、第1のIUA熱変色性成分はトリガーされるが、第2のIUA熱変色性成分は活性化されたままであろう。その結果、選択的に判読不能な表示は判読不能になる。これは、1つのIUA熱変色性成分がトリガーされ、第1のIUA熱変色性成分はそれがトリガーされるので判読可能になり、第2のIUA熱変色性成分は、それがトリガーされないので、判読不能のままであろうためである。
【0084】
各条件表示は、他のものとは離れて配置できるか、またはオーバーラップする方法、連続的方法またはそのいずれかの組合せで配置できる。
【0085】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、米国特許出願第2008/0043804号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載されたRSS形式(例えば、htpp://www.gs1.org/にさらに詳細に記載されたRSS−14スタッグド、RSS拡張スタッグド、RSS限定、RSS−14トランケイティド(Trunctated)、RSS−14スタッグド等)の1つを組み込む。
【0086】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、1を超えるデータを含むRSS記号論を組み込む。例えば、Composite Component構造を用いるCC−Aコード(図12)。
【0087】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、2次元コード構造を含む(図11)。特定の具体例において、2次元コード(例えば、CC構造)は常に判読可能な表示である。IUA熱変色性インジケーターは、選択的に判読可能で、選択的に判読不能な表示、その複数または混合物である非CC構造をさらに含む。
【0088】
Composite Component(CC)のより多くの情報が、http://www.aimglobal.orgで利用可能である。CC構造の例は、制限なくして、CC−A、CC−BおよびCC−Cを含む。また、CC構造は、RSS、GS1、EANおよびUPCのごとき他の記号論に組み込むことができる。結合構造の例は、制限なくして、CC−AとのRSS−14トランケイティド、、CC−BとのRSSリミテッド、CC−CとのGS1−12B(SSCC−18)、CC−AとのEAN−13、CC−AとのEAN−8、CC−BとのUPC−A、CC−AとのUPC−E、CC−AとのGS1−128(SCC−14)およびCC−CとのGS1−128を含む。
【0089】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象に適用できる物品である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物を物品に適用し、活性化して、IUA熱変色性成分/インジケーターを形成される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物を活性化し、次いで、物品に適用して、IUA熱変色性成分/インジケーターを形成する。IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件への曝露なくして活性化したままであろう。IUA熱変色性インジケーターが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、かかる非活性化は検知可能である。
【0090】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、所定の温度未満で貯蔵される対象上のインジケーターであり、それはIUA熱変色性組成物を含み、そのIUA熱変色性組成物は、対象が所定の温度未満に維持される場合に活性化され、対象が所定の温度を超える温度に曝露される場合に非活性化され、かかる非活性化が検知可能である。
【0091】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の薄膜を適用して、所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができるバーコードまたはその一部分を覆う。活性化される場合、IUA熱変色性組成物は所定の波長にて透明である。従って、IUA熱変色性組成物が活性化されたままである限り、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは、もはや所定の波長でのスキャナーにより読み取ることができず、検知されないであろう。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超える、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0092】
特定の具体例において、バーコードまたはその一部分は、インク(IUA熱変色性インク)としてIUA熱変色性組成物を用いて印刷される。IUA熱変色性インクは、活性化された場合に所定の波長にて透明であり、従って、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができない。バーコードが所定の条件に曝露される場合に、IUA熱変色性インクは非活性化され、所定の波長にて吸収する。そのバーコードは、今や所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超える、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0093】
特定の具体例において、IUA熱変色性インジケーターは、前記と同様の原理および設計を採用することができ、そのIUA熱変色性成分は、所定の条件への曝露に際して、消失または出現するであろう。
【0094】
4.調製方法
本発明のもう一つの態様は、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し、次いで、冷却時間にその組成物を冷却温度に冷却することを含む、活性化IUA熱変色性組成物の調製方法に関する。
【0095】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、組成物を高放射エネルギー(例えば、UV光)に曝露することにより高温状態に変換される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、熱への曝露により高温状態に変換される。
【0096】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物は、高温色を表示するのに十分な時間、加熱温度に加熱することにより高温状態に変換される。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分間未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。
【0097】
特定の具体例において、冷却温度はIUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより約5〜20℃低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度はIRTTTより30℃を超えて低い。
【0098】
特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は1秒未満である。
【0099】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、2009年4月22日付で出願された特許出願第12/428,323号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、放射照明ユニット(例えば、UVまたはIRランプ)または熱源(例えば、接触ホットプレートまたは熱風源)に曝露することにより高温状態に変換される。
【0100】
本発明のもう一つの態様は、活性化IUA熱変色性成分/インジケーターの調製方法に関する。
【0101】
特定の具体例において、方法は、IUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度にて、活性化IUA熱変色性組成物を熱インジケーターとして用いる物品に適用することを含む。
【0102】
特定の具体例において、方法は、
IUA熱変色性組成物を熱インジケーターとして用いる物品に適用し;
IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
冷却時間に、物品および/またはIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却する
ことを含む。
【0103】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の高温状態への変換は、IUA熱変色性組成物を高放射エネルギー(例えば、UV光)に曝露することにより達成される。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の高温状態への変換は、IUA熱変色性組成物またはインジケーターを含む物品を加熱するか、または高温色を表示するのに十分な時間にIUA熱変色性組成物を加熱温度に加熱することにより達成される。特定の具体例において、加熱温度はRTTTL以上の温度である。特定の具体例において、加熱温度はIUA熱変色性組成物のRTTTより20℃低い。特定の具体例において、加熱温度は、IUA熱変色性組成物が約1分間未満で高温色を示す温度である。特定の具体例において、加熱温度は80〜150℃である。特定の具体例において、加熱時間は0.5〜4秒間である。特定の具体例において、IUA熱変色性組成物またはインジケーターは、2009年4月22日付で出願された特許出願第12/428,323号(その開示をここに出典明示してそのすべてを本明細書の一部とみなす)に記載された熱変色性インクラベル活性剤を用いて活性化され、そのIUA熱変色性組成物またはインジケーターは、放射照明ユニット(例えば、UVまたはIRランプ)または熱源(例えば、接触ホットプレートまたは熱風源)に曝露することにより高温状態に変換される。
【0104】
特定の具体例において、冷却温度はIUA熱変色性組成物のIRTTTL未満の温度である。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより5℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い。特定の具体例において、冷却温度は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより30℃を超えて低い。
【0105】
特定の具体例において、冷却時間は約2秒未満である。特定の具体例において、冷却時間は1秒未満である。
【0106】
5.モニタリング方法
本発明のもう一つの態様は、所定の条件の不存在下で貯蔵された対象のモニター方法に関する。特定の具体例において、所定の条件は、前記定義に同じである。
【0107】
特定の具体例において、方法は:
所定の条件への曝露なくして貯蔵される対象に対して、活性化IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを適用し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターの非活性化を検知することより、対象が所定の条件に曝露されているかまたは曝露された場合の対象を検知することを含む。
【0108】
特定の具体例において、方法は:
所定の条件への曝露なくして貯蔵される対象に対して、IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを適用し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターを活性化し;
IUA熱変色性組成物、成分またはインジケーターの非活性化を検知することにより、対象が所定の条件に曝露された場合の対象を検知することを含む。
【0109】
特定の具体例において、IUA熱変色性組成物の薄膜を適用して、所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができるバーコードを覆う。IUA熱変色性組成物は、それが活性化される場合に所定の波長にて透明である。従って、IUA熱変色性組成物が活性化されたままである限りは、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性組成物は非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは、もはや所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができず、検知されないであろう。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超えて、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超えて、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTT以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0110】
特定の具体例において、バーコードは、インク(IUA熱変色性インク)としてのIUA熱変色性組成物を用いて印刷される。IUA熱変色性インクは、活性化された場合に所定の波長にて透明であり、従って、バーコードは所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができない。バーコードが所定の条件に曝露される場合、IUA熱変色性インクは非活性化され、所定の波長にて吸収する。バーコードは今や所定の波長にてスキャナーにより読み取ることができる。特定の具体例において、所定の波長は650nmである。特定の具体例において、所定の条件は、2時間を超えてIUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上低い温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、15分間を超える、IUA熱変色性組成物のほぼIRTTTL以上の温度への曝露である。特定の具体例において、所定の条件は、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5℃以上高い温度への曝露である。
【0111】
以下の実施例は、特許請求された発明をよりよく示すために提供され、本発明の範囲を限定するものとして何ら解釈されるべきではない。以下に記載される特定の組成物、材料および方法のすべては、全体的または部分的に本発明の範囲内にある。これらの特定の組成物、材料および方法は、本発明を限定することを意図せず、本発明の範囲内にある特定の具体例を単に示すことを意図する。当業者は、発明の能力の発揮および発明の範囲からの逸脱なくして、等価な組成物、材料および方法を開発し得る。多数の変形は、依然として本発明の範囲の限度を超えることなく、本明細書に記載された手順においてなすことができると理解される。かかる変形が本発明の範囲内に含まれることが発明者らの意図するものである。
【0112】
実施例
1.構造Iを有する化合物の調製
構造Iを有する化合物は、以下のスキーム1:
【0113】
【化4】
【0114】
によるチオフェンモノマーの重合により調製した。
【0115】
ポリ(3−メチル−4−ポリオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOET)の調製
PMOETはスキーム2により調製した。
【0116】
【化5】
【0117】
実施例1.1 ポリ−3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェン(PMOE−2−SET)の調製
PMOE−2−SETはスキーム2により調製され、mの平均値は17であり、nの平均値は2であった。
【0118】
ポジティブな窒素雰囲気下で、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル(OE−2−SE、C18H37(OCH2CH2)2−OHの平均分子構造を有する化合物の混合物、和光ケミカルズ、152g、0.424mol)および金属ナトリウム(9.1g、0.395mol)を500mLフラスコに充填し、そのナトリウムが消失するまで(約2日間)約120℃で撹拌して、C18H37(OCH2CH2)2−ONaの平均分子構造を有するナトリウム塩を得た。窒素雰囲気下で、3−ブロモ−4−メチルチオフェン(50g、0.28mol)、ジグリム(120mL)、塩化銅(0.70g、0.007mol)および2−アミノピリジン(0.56g、0.006mol)を250mLフラスコに充填し、室温で10分間撹拌した。次いで、前記混合物をC18H37(OCH2CH2)2−ONaに加え、100℃で約2日間撹拌した。その反応は、反応が完了した後、室温に冷却し、ろ過し、塩化メチレン(300mL)で濯いだ。濾液は、酢酸エチルを用いて、シリカゲルで精製して、粗生成物(500mL)を溶出した。溶出液を希塩酸(50mL×3)、水(50mL×2)、希水酸化ナトリウム(50mL×3)および飽和塩化ナトリウム(50mL)により洗浄した。洗浄後の溶出液を乾燥および蒸発させて、未反応の3−ブロモ−4−メチルチオフェンを除去した。精製された3−メチル−4−ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルチオフェンモノマー(MOE−2−SET)を50%の収率で得た。
【0119】
窒素雰囲気下で、MOE−2−SETモノマー(250mL塩化メチレン中の158g、0.348mol)を、三塩化鉄(113g、0.696mol)および塩化メチレン(200mL)を含む2Lのフラスコへ移した。その混合物を室温で約24時間撹拌し、、冷メタノールで沈殿させた。得られたポリマーを、ブフナー漏斗で濾過し、NaOH(300mL、1g)を含むメタノール中で撹拌した。ポリマーを再収集し、冷メタノールおよび温メタノールで洗浄し、乾燥して、ポリ(3−メチル−4−ジオキシエチレンアルキルエーテル)チオフェン(PMOE−2−SET)(54g、収率:34%)を得た。
【0120】
実施例1.2 ポリ−3−メチル−4−ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルチオフェン(PMOE−4−LET)の調製
PMOE−4−LETをスキーム2により調製し、mの平均値は11であり、nの平均値は4であった。
【0121】
共重合体の調製
共重合体のモノマーを前記のごとく調製した。共重合体は公知の重合方法により調製した。本明細書に用いた「共重合体」は、1を超えるモノマーを有するポリマーを意味する。例えば、共重合体は、交互共重合体(異なるモノマーが交互配列にて配置される)、過ヨウ素酸共重合体(異なるモノマーが反復配列にて配置される)、ランダム共重合体(異なるモノマーのランダムシーケンスを持つ)およびブロック共重合体(共有結合により連結した2以上のホモポリマーサブユニットを持つ)であることができる。
【0122】
実施例1.3 50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を前記のごとき50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0123】
実施例1.4 25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を前記のごとき25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0124】
実施例1.5 75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3の調製
MOE−2−SETおよびMOE−4−LETを前記のごとく調製した。共重合体−1を、前記のごとき75:25のMOE−2−SET:MOE−4−LETを含むモノマー混合物を重合することにより調製した。
【0125】
2.ポリチオフェンのスペクトル分析。
反射スペクトルを1つのソースファイバーおよび7つの収集ファイバーを含む円筒状光ファイバー反射プローブ(cylindrical fiber-optic reflection probe)を用いて、Ocean Optics S2000機器で比較した。スペクトルは、450〜800nmの白色標準およびタングステン−ハロゲンランプに対して参照した。可変温度スペクトル用の試料は、1枚の紙にポリチオフェン組成物(THF中で飽和した)を滴下コーティングし、次いで、ヒートガンで溶剤を蒸発除去させることにより調製した。温度計を含むアルミニウム塊上に試料を置き、ホットプレートに配置し、それを用いて約2℃/分にて試料を加熱した。その熱源の除去は同様の冷却速度を与えた。試料側の表面温度は、ビフェニル(69℃)およびナフタレン(80℃)の融解に関連した反射変化を用いることにより較正した。可変温度反射スペクトルは、約−40℃〜約120℃で600nmにて測定した。試料化合物または組成物の転移温度をS字状曲線の中心により決定した。
活性化IUA熱変色性組成物が活性化されたままとなるように、組成物はIRTTTL未満に維持されるべきである。
【0126】
PMOE−4−LET(図1)、PMOE−2−SET(図2)、50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−1(図3)、25:75のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−2(図4)および50:50のMOE−2−SET:MOE−4−LET共重合体−3(図5)の600nmでの可変温度反射スペクトル。転移温度をそのS字状曲線の中心として決定した(表1)。
【0127】
【表1】
【0128】
3.所定の温度を超える温度に曝露したIUA熱変色性インジケーターおよび対象の検知
実施例3.1 PMOE−2−SETで覆ったバーコード
バーコードをPMOE−2−SETを含む組成物の薄膜で覆った。組成物が活性化相にあった場合、顔料は650nmにて透明であり、バーコードはスキャナーにより検知可能であった。活性化された組成物がIRTTTに達したかまたは超えた場合、組成物は、熱力学的に低温相に戻り、その相にてそれは650nmにて吸収し、そのバーコードはそのスキャナーによりもはや判読可能でなかった。
【0129】
バーコードを純粋なPMOE−2−SETで覆い、ここに、そのPMOE−2−SETを活性化して、40°Fの冷蔵庫中で8週間貯蔵した。過ヨウ素酸走査は、その40°F顔料の活性化相が全8週間で保持されることを確認した。カードソック(card sock)試料(いずれの冷却塊なくして)を冷蔵庫から取り出した場合、IUA熱変色性転移が約20分間生じ、次いで、バーコードをもはや走査できなかった。
【0130】
実施例3.2 PMOE−4−LETで覆ったバーコード
バーコードをPMOE−4−LETを含む組成物の薄膜でコーティングした。その組成物が活性化相にあった場合、顔料は650nmで透明であり、そのバーコードはスキャナーにより検知可能であった。活性化した組成物がIRTTTに達したかまたはそれを超えた場合、その組成物は熱力学的に低温相に戻り、その相にて、それは650nmにて吸収し、そのバーコードはそのスキャナーによりもはや判読可能でなかった。
【0131】
実施例3.3.Purveyorのバーコード構造を採用するIUA熱変色性インジケーター
IUA熱変色性インジケーターは、通常のインクを用いる完全なバーコード(Purveyorのバーコードのごとき)および不完全なバーコード(図6A)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、IUA熱変色性組成物(例えば、PMOE−4−LETおよびPMOE−2−SET、またはMOE−4−LETおよびMOE−2−SETの共重合体)を用いて調製したIUA熱変色性成分を含む。IUA熱変色性成分は前記のごとく活性化され、所定の波長(例えば、650nm)下で不可視である。IUA熱変色性インジケーターが所定の条件に曝露される場合、そのIUA熱変色性成分は非活性化され、完全なバーコードおよび/または不完全なバーコードと連携し、その結果、非活性化IUA熱変色性組成物は所定の波長(例えば、650nm)下で可視となり、完全なバーコードを判読不能とさせ、および/または不完全なバーコードを判読可能とさせる(図6B)。
【0132】
実施例3.4.GILBAR(商標)構造を採用するIUA熱変色性インジケーター
IUA熱変色性インジケーターを通常のインクを用い、GILBAR(商標)構造を採用して調製する(図7A)。GILBAR(商標)バーコードは、判読可能なコード(52、図7A)および不完全なコード(54、図7A)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、IUA熱変色性組成物(例えば、PMOE−4−LETおよびPMOE−2−SET、またはMOE−4−LETおよびMOE−2−SETの共重合体)を用いて調製したIUA熱変色性成分を含む(56、図7A)。IUA熱変色性成分はバーコード52および54と連携して、所定の条件(例えば、所定の時間での所定の温度/温度範囲に対する曝露)の不存在下、活性化IUA熱変色性組成物は、所定の波長(例えば、650nm)下で不可視であり、従って、IUA熱変色性成分は所定の波長下で不可視である。所定の条件への曝露後に、活性化IUA熱変色性組成物は非活性化し、所定の波長下で可視となり、従って、IUA熱変色性成分は所定の波長下で可視となる(56、図7B)。IUA熱変色性成分はバーコード52および54と連携して、元来に判読可能なバーコード52はもはや判読可能でなく、元来に不完全なバーコード54は完全でなく判読可能である。
【0133】
実施例3.5 ヒト判読可能なコードおよび機械可読のコードを組み合わせたIUA熱変色性インジケーター
ヒト判読可能な表示(29および35、図8A)および機械可読の表示(27および31、図8A)を含むIUA熱変色性インジケーター(32、図8A)を通常のインクで印刷する。表示35および31は通常のインクで印刷する。表示29および27はIUA熱変色性インクで印刷する。IUA熱変色性インクは所定の条件の不存在下で可視であり、所定の条件への曝露に際して不可視となる。所定の条件の不存在下で、表示29および35は一緒に、ヒトにより認識可能な「NOT CONTAMINATED」を示し;表示27および31は一緒に機械可読の表示を形成する。所定の条件への曝露後、図8Aにおける表示29および27は、各々、図8Bにおける不可視の表示34および33になる。表示34および35は一緒に、ヒトにより認識可能な「CONTAMINATED」を示し、表示33および31は一緒に、もはや機械可読でないバーコードを形成する。
【0134】
実施例3.6.複数の条件表示を含むIUA熱変色性インジケーター(I)
IUA熱変色性インジケーターは、Food Sentinel System(商標)(100、図9)下で市販されたもののごとき複数の条件表示を含む。IUA熱変色性インジケーターは、最初にいずれかの所定の条件の不存在下で判読可能であり、インジケーターが所定の条件(例えば、大腸菌、サルモネラ菌、リステリア菌、温度関連の条件)のいずれかに曝露される場合に判読不能になる第1の選択的に判読不能な表示(102、図9)を含む。IUA熱変色性インジケーターは、さらに、第2のコード化された表示104、第3のコード化された表示106および第4のコード化された表示108、および第5のコード化された表示110を含み、これらのすべては、選択的に判読可能な表示であり、同一または異なる所定の条件によりトリガーされる。例えば、表示104は大腸菌の存在によりトリガーされ、表示106はサルモネラ菌の存在によりトリガーされ、表示108はリステリア菌の存在によりトリガーされ、また、表示110は温度関連の所定の条件への曝露によりトリガーされる。
【0135】
実施例3.7.複数の条件表示を含むIUA熱変色性インジケーター(II)
IUA熱変色性インジケーター(200、図10)は、複数の単一のコード化条件表示(202、204、206および208、図10)を含み、それを調製して、製品における汚染を示す1を超える条件を同定する。IUA熱変色性インジケーターは選択的に判読不能な表示であり、いずれの所定の条件の不存在下では、すべての条件表示が検知可能ではなく、IUA熱変色性インジケーターは判読可能である。いずれかの所定の条件の存在下、対応する条件表示202、204、206または208をトリガーして、元来判読可能なコードを判読不能にするであろう。その条件表示の少なくとも1つは、所定の条件の不存在下で検知可能ではなく、所定の条件への曝露に際して検知可能であるIUA熱変色性成分である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学構造:
【化1】
[式中、各モノマーの各R1は独立して、Hおよびアルキル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R2は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各nは、1〜15から独立して選択された整数、またはnの平均が2もしくは4である整数から独立して選択された整数であって;
pは2〜1000であり、
この化合物の立体異性体も含む]
を有するポリチオフェン化合物。
【請求項2】
R1がCH3である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R3がCmH2m+1であり、ここに、各モノマーのmは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのmの平均は7〜21であって;
3n+m+1は20〜40である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R2がCH2CH2であり;
mは17または11であり;
mが11である場合、nの平均は4であり(モノマーMOE−4−LET);および
mが17である場合、nの平均は2である(モノマーMOE−2−SET)である請求項3記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物を含む組成物。
【請求項6】
さらに、担体媒体を含む請求項5記載の組成物。
【請求項7】
R1がCH3である請求項5記載の組成物。
【請求項8】
R3がCmH2m+1であり、ここに、各モノマーのmは独立して選択された整数であり;
各ポリチオフェン化合物のすべてのモノマーのmの平均は、7〜21であり;
各ポリチオフェン化合物のすべてのモノマーのnの平均は、0〜6であって;
3n+m+1は20〜40である請求項7記載の組成物。
【請求項9】
R2がCH2CH2である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
モノマーが、請求項4に記載のMOE−2−SETおよびMOE−4−LETよりなる群から選択される請求項9記載の組成物。
【請求項11】
担体媒体が、インク製剤、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPEおよびLDPE)およびポリプロピレンを含めたポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルハライド、ポリ(ビニルニトリル)、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリソフォン、ポリスルホンアミド、ポリアミド、ポリイミン、ポリイミドまたは炭水化物である請求項6記載の組成物。
【請求項12】
インク製剤が、油、樹脂、顔料増量剤および添加剤を含む請求項11記載の組成物。
【請求項13】
組成物中の化合物の濃度が、約0.05重量%から約99.5重量%である請求項6記載の組成物。
【請求項14】
組成物中の化合物の濃度が約10重量%である請求項6記載の組成物。
【請求項15】
不可逆熱変色性転移温度(IRTTT)および低い不可逆熱変色性転移温度(IRTTTL)を有する請求項5に記載の組成物を含む、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物。
【請求項16】
IRTTTが約−30℃〜約60℃である請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項17】
IUA組成物が、5℃のIRTTTを有するMOE−4−LETのポリマー組成物、18℃のIRTTTを有するMOE−2−SETのポリマー組成物、−18℃のIRTTTを有する50:50のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物、−6℃のIRTTTを有する75:50のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物、および−20℃のIRTTTを有する25:75のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物よりなる群から選択される請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項18】
活性化IUA熱変色性組成物が、第1のセットの光学的特性を有し、非活性化IUA熱変色性組成物が、第2のセットの光学的特性を有し、ここに、2つのセットの光学特性は同一ではなく、その2つのセットの光学特性間の差または複数の差は、ヒトの目または検知用デバイスにより認識できる請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項19】
活性化IUA熱変色性組成物が、所定の波長下で透明であって、非活性化IUA熱変色性組成物が、所定の波長下で透明ではない請求項18記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項20】
IUA熱変色性組成物が、高温色を示すのに十分な時間で加熱温度にIUA熱変色性組成物を加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満でIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却することにより活性化される請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を含む活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項21】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低い請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項22】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項23】
IUA熱変色性組成物が1秒未満で冷却温度に冷却される請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項24】
請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含む、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性インジケーター。
【請求項25】
IUA熱変色性成分が、それ自体および/またはIUA熱変色性インジケーターの他の成分または成分群と連携させることにより、選択的に判読可能な表示であり、IUA熱変色性成分が所定の条件の不存在下で活性化され、非判読可能であり、非活性化され、かつ所定の条件への曝露で判読可能になる請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項26】
IUA熱変色性成分が、それ自体および/またはIUA熱変色性インジケーターの他の成分または成分群と提携することにより、選択的に非判読可能な表示であり、IUA熱変色性成分が所定の条件の不存在下で活性化され判読可能であり、所定の条件への曝露で非活性化されて、非判読可能になる請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項27】
さらに、常に判読可能な表示、選択的に判読可能な表示、選択的に判読不能な表示、その複数および混合物よりなる群から独立して選択される1以上の表示を含む、請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項28】
各成分が、同一または異なる所定の条件への曝露でトリガーでき、ここに、IUA熱変色性成分をトリガーする所定の条件は、所定の時間の所定の温度への曝露である請求項27記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項29】
所定の温度が、IUA熱変色性成分を調製するために用いたIUA熱変色性組成物のIRTTTの+/−0〜10℃であって;所定の時間は、1秒間〜20時間から選択される請求項28記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項30】
IUA熱変色性組成物のIRTTTが、約−30℃〜約60℃である請求項29記載の方法。
【請求項31】
IUA熱変色性組成物のIRTTTが、約−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃である請求項29記載の方法。
【請求項32】
表示が所定の条件の不存在下で非判読可能であって、所定の条件への曝露で判読可能になる、請求項24に記載の活性化IUA熱変色性組成物により印刷された表示を含む請求項25記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項33】
表示の一部または全体が、請求項24に記載の活性化IUA熱変色性組成物で覆われ、表示が所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露で非判読可能になる、判読可能な表示を含む請求項26記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項34】
請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を高温色を示すのに十分な時間加熱温度に加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満でIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却すること含むことを特徴とする活性化IUA熱変色性組成物の調製方法。
【請求項35】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低いことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低いことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
IUA熱変色性組成物が1秒未満で冷却温度に冷却されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項38】
活性化IUA熱変色性組成物が活性化されたままとなる条件下で、請求項20に記載の活性化IUA熱変色性組成物を物品に適用することを含むことを特徴とする、IUA熱変色性インジケーターの調製方法。
【請求項39】
請求項20に記載のIUA熱変色性組成物を物品に適用し、次いで、IUA熱変色性組成物を活性化することを含むことを特徴とする、IUA熱変色性インジケーターの調製方法。
【請求項40】
活性化工程が、
高温色を示すのに十分な時間に、IUA熱変色性組成物を加熱温度に加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満で物品またはIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却することを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低いことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低いことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項43】
物品またはIUA熱変色性組成物が、1秒未満で冷却温度に冷却されることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項44】
請求項24に記載のIUA熱変色性インジケーターを対象に適用し、ここに、IUA熱変色性インジケーターは対象を損なわずに既に活性化されたか、または活性化され;
活性化IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件への曝露で非活性化され;
非活性化IUA熱変色性インジケーターを検知することを含むことを特徴とする、所定の条件への曝露なくして、貯蔵される対象をモニターする方法。
【請求項45】
所定の条件が、所定の時間の所定の温度への曝露であることを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
所定の温度が、IUA熱変色性インジケーターを調製するために用いたIUA熱変色性組成物のIRTTTの+/−0〜10℃であって;所定の時間が、1秒〜20時間から選択されることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
IRTTTが約−30℃〜約60℃であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
IRTTTが、約−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項1】
以下の化学構造:
【化1】
[式中、各モノマーの各R1は独立して、Hおよびアルキル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R2は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各R3は独立して、アルキル基およびアルコキシル基よりなる群から選択され;
各モノマーの各nは、1〜15から独立して選択された整数、またはnの平均が2もしくは4である整数から独立して選択された整数であって;
pは2〜1000であり、
この化合物の立体異性体も含む]
を有するポリチオフェン化合物。
【請求項2】
R1がCH3である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R3がCmH2m+1であり、ここに、各モノマーのmは独立して選択された整数であり;
すべてのモノマーのmの平均は7〜21であって;
3n+m+1は20〜40である請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R2がCH2CH2であり;
mは17または11であり;
mが11である場合、nの平均は4であり(モノマーMOE−4−LET);および
mが17である場合、nの平均は2である(モノマーMOE−2−SET)である請求項3記載の化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物を含む組成物。
【請求項6】
さらに、担体媒体を含む請求項5記載の組成物。
【請求項7】
R1がCH3である請求項5記載の組成物。
【請求項8】
R3がCmH2m+1であり、ここに、各モノマーのmは独立して選択された整数であり;
各ポリチオフェン化合物のすべてのモノマーのmの平均は、7〜21であり;
各ポリチオフェン化合物のすべてのモノマーのnの平均は、0〜6であって;
3n+m+1は20〜40である請求項7記載の組成物。
【請求項9】
R2がCH2CH2である請求項8記載の組成物。
【請求項10】
モノマーが、請求項4に記載のMOE−2−SETおよびMOE−4−LETよりなる群から選択される請求項9記載の組成物。
【請求項11】
担体媒体が、インク製剤、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPEおよびLDPE)およびポリプロピレンを含めたポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルハライド、ポリ(ビニルニトリル)、ポリビニルエステル、ポリエステル、ポリソフォン、ポリスルホンアミド、ポリアミド、ポリイミン、ポリイミドまたは炭水化物である請求項6記載の組成物。
【請求項12】
インク製剤が、油、樹脂、顔料増量剤および添加剤を含む請求項11記載の組成物。
【請求項13】
組成物中の化合物の濃度が、約0.05重量%から約99.5重量%である請求項6記載の組成物。
【請求項14】
組成物中の化合物の濃度が約10重量%である請求項6記載の組成物。
【請求項15】
不可逆熱変色性転移温度(IRTTT)および低い不可逆熱変色性転移温度(IRTTTL)を有する請求項5に記載の組成物を含む、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性組成物。
【請求項16】
IRTTTが約−30℃〜約60℃である請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項17】
IUA組成物が、5℃のIRTTTを有するMOE−4−LETのポリマー組成物、18℃のIRTTTを有するMOE−2−SETのポリマー組成物、−18℃のIRTTTを有する50:50のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物、−6℃のIRTTTを有する75:50のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物、および−20℃のIRTTTを有する25:75のMOE−4−LET:MOE−2−SETの共重合体組成物よりなる群から選択される請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項18】
活性化IUA熱変色性組成物が、第1のセットの光学的特性を有し、非活性化IUA熱変色性組成物が、第2のセットの光学的特性を有し、ここに、2つのセットの光学特性は同一ではなく、その2つのセットの光学特性間の差または複数の差は、ヒトの目または検知用デバイスにより認識できる請求項15記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項19】
活性化IUA熱変色性組成物が、所定の波長下で透明であって、非活性化IUA熱変色性組成物が、所定の波長下で透明ではない請求項18記載のIUA熱変色性組成物。
【請求項20】
IUA熱変色性組成物が、高温色を示すのに十分な時間で加熱温度にIUA熱変色性組成物を加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満でIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却することにより活性化される請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を含む活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項21】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低い請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項22】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低い請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項23】
IUA熱変色性組成物が1秒未満で冷却温度に冷却される請求項20記載の活性化IUA熱変色性組成物。
【請求項24】
請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を用いて調製されたIUA熱変色性成分を含む、活性化で不可逆性(IUA)の熱変色性インジケーター。
【請求項25】
IUA熱変色性成分が、それ自体および/またはIUA熱変色性インジケーターの他の成分または成分群と連携させることにより、選択的に判読可能な表示であり、IUA熱変色性成分が所定の条件の不存在下で活性化され、非判読可能であり、非活性化され、かつ所定の条件への曝露で判読可能になる請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項26】
IUA熱変色性成分が、それ自体および/またはIUA熱変色性インジケーターの他の成分または成分群と提携することにより、選択的に非判読可能な表示であり、IUA熱変色性成分が所定の条件の不存在下で活性化され判読可能であり、所定の条件への曝露で非活性化されて、非判読可能になる請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項27】
さらに、常に判読可能な表示、選択的に判読可能な表示、選択的に判読不能な表示、その複数および混合物よりなる群から独立して選択される1以上の表示を含む、請求項24記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項28】
各成分が、同一または異なる所定の条件への曝露でトリガーでき、ここに、IUA熱変色性成分をトリガーする所定の条件は、所定の時間の所定の温度への曝露である請求項27記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項29】
所定の温度が、IUA熱変色性成分を調製するために用いたIUA熱変色性組成物のIRTTTの+/−0〜10℃であって;所定の時間は、1秒間〜20時間から選択される請求項28記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項30】
IUA熱変色性組成物のIRTTTが、約−30℃〜約60℃である請求項29記載の方法。
【請求項31】
IUA熱変色性組成物のIRTTTが、約−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃である請求項29記載の方法。
【請求項32】
表示が所定の条件の不存在下で非判読可能であって、所定の条件への曝露で判読可能になる、請求項24に記載の活性化IUA熱変色性組成物により印刷された表示を含む請求項25記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項33】
表示の一部または全体が、請求項24に記載の活性化IUA熱変色性組成物で覆われ、表示が所定の条件の不存在下で判読可能であって、所定の条件への曝露で非判読可能になる、判読可能な表示を含む請求項26記載のIUA熱変色性インジケーター。
【請求項34】
請求項15に記載のIUA熱変色性組成物を高温色を示すのに十分な時間加熱温度に加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満でIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却すること含むことを特徴とする活性化IUA熱変色性組成物の調製方法。
【請求項35】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低いことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低いことを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項37】
IUA熱変色性組成物が1秒未満で冷却温度に冷却されることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項38】
活性化IUA熱変色性組成物が活性化されたままとなる条件下で、請求項20に記載の活性化IUA熱変色性組成物を物品に適用することを含むことを特徴とする、IUA熱変色性インジケーターの調製方法。
【請求項39】
請求項20に記載のIUA熱変色性組成物を物品に適用し、次いで、IUA熱変色性組成物を活性化することを含むことを特徴とする、IUA熱変色性インジケーターの調製方法。
【請求項40】
活性化工程が、
高温色を示すのに十分な時間に、IUA熱変色性組成物を加熱温度に加熱して、IUA熱変色性組成物を高温状態に変換し;次いで
2秒未満で物品またはIUA熱変色性組成物を冷却温度に冷却することを含むことを特徴とする請求項39記載の方法。
【請求項41】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより約5〜20℃低いことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
冷却温度が、IUA熱変色性組成物のIRTTTより20℃を超えて低いことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項43】
物品またはIUA熱変色性組成物が、1秒未満で冷却温度に冷却されることを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項44】
請求項24に記載のIUA熱変色性インジケーターを対象に適用し、ここに、IUA熱変色性インジケーターは対象を損なわずに既に活性化されたか、または活性化され;
活性化IUA熱変色性インジケーターは、所定の条件への曝露で非活性化され;
非活性化IUA熱変色性インジケーターを検知することを含むことを特徴とする、所定の条件への曝露なくして、貯蔵される対象をモニターする方法。
【請求項45】
所定の条件が、所定の時間の所定の温度への曝露であることを特徴とする請求項44記載の方法。
【請求項46】
所定の温度が、IUA熱変色性インジケーターを調製するために用いたIUA熱変色性組成物のIRTTTの+/−0〜10℃であって;所定の時間が、1秒〜20時間から選択されることを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
IRTTTが約−30℃〜約60℃であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
IRTTTが、約−20℃、−18℃、−12℃、−6℃、5℃または18℃であることを特徴とする請求項46記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2011−520019(P2011−520019A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508682(P2011−508682)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043190
【国際公開番号】WO2009/137709
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510294210)
【氏名又は名称原語表記】RHODE ISLAND BOARD OF GOVERNORS FOR HIGHER EDUCATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043190
【国際公開番号】WO2009/137709
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510294210)
【氏名又は名称原語表記】RHODE ISLAND BOARD OF GOVERNORS FOR HIGHER EDUCATION
【Fターム(参考)】
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