説明

低溶解性プロブコールエステル類およびエーテル類の新規な塩形態

【課題】ある一定のプロブコールエステルおよびエーテル誘導体により、これらの化合物の生物学的利用能および薬物動態を増加させる医薬療法を提供する。
【解決手段】式Iの化合物の有機アミン塩類、およびそれらの製薬上許容し得る塩類、およびその医薬療法により使用する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロブコールのある一定のジ−およびモノエステル類は、Atherogenicsに譲渡されている米国特許第5,262,439(‘439)号に開示されている。プロブコールのモノエステル類およびモノエーテル類もまた、やはりAtherogenicsに譲渡されている米国特許第6,147,250(‘250)号および米国特許第6,121,319(‘319)号に開示されている。これらのモノエステル類およびモノエーテル類は、心血管障害および炎症性障害に対する重要な生物活性を有することが示されている。‘250特許のこれらの化合物およびその他が、水に容易に溶解することは知られていない。薬物吸収の完全で精確な尺度ではないが、低水溶性は、薬剤吸収および生物学的利用能の低さに関連することが多い。
【0002】
一連の仏国特許は、ある一定のプロブコール誘導体が、低コレステロール血症剤および低脂血症剤であることを開示している:仏国特許第2168137号(ビス4ヒドロキシフェニルチオアルカンエステル類);仏国特許第2140771号(プロブコールのテトラリニルフェノキシアルカン酸エステル類);仏国特許第2140769号(プロブコールのベンゾフリルオキシアルカン酸誘導体);仏国特許第2134810号(ビス−(3−アルキル−5−t−アルキル−4−チアゾール−5−カルボキシ)フェニルチオ)アルカン類;仏国特許第2133024号(ビス−(4−ニコチノイルオキシフェニルチオ)プロパン類);仏国特許第2130975号(ビス(4−フェノキシアルカノイルオキシ)フェニルチオ)アルカン類)。
【0003】
Parkerらの米国特許第5,155,250号は、2,6−ジアルキル−4−シリルフェノール類が抗アテローム硬化症薬剤であることを開示している。同じ化合物が、1995年6月15日に公表されたPCT公開第WO95/15760号に血清コレステロール低下剤として開示されている。Parkerらの米国特許第5,608,095号は、アルキル化−4−シリル−フェノール類が、LDLの過酸化を阻害し、血漿コレステロールを低下させ、VCAM−1の発現を阻害し、したがってアテローム硬化症の治療に有用であることを開示している。
【0004】
塩野義製薬株式会社に対する一連の欧州特許出願は、動脈硬化症治療の使用のためにフェノールエステル類を開示している。欧州特許出願第348 203号は、LDLの変性およびマクロファージ類によるLDLの取り込みを阻害するフェノール性チオエーテル類を開示している。前記化合物は、抗動脈硬化症剤として有用である。これらの化合物のヒドロキサム酸誘導体は、欧州特許出願第405 788号に開示されており、動脈硬化症、潰瘍、炎症およびアレルギーの治療に有用である。フェノール性チオエーテル類のカルバモイルおよびシアノ誘導体は、Kitaらの米国特許第4,954,514号に開示されている。
【0005】
AtheroGenics社により出願され、2001年9月27日に公表されたWO01/70757は、下式のある一定のチオエーテル類、およびそれらの製薬上許容し得る塩類の使用を開示している。
【0006】
【化1】

式中、
a)Ra、Rb、Rc、およびRdは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アルカリール、置換アルカリール、アラルキル、または置換アラルキルなど、分子の所望の性質に有害な影響を及ぼさない任意の基であり;
b)Zは、(i)置換または非置換炭水化物、(ii)置換または非置換アルジトール、(iii)末端がスルホン酸であるC1〜10アルキルまたは置換C1〜10アルキル、(iv)末端がホスホン酸であるC1〜10アルキルまたは置換C1〜10アルキル、(v)置換または非置換C1〜10アルキル−O−C(O)−C1〜10アルキル、(vi)直鎖ポリヒドロキシ化C3〜10アルキル;(vii)Rが独立して、水素、ハロ、アミノ、またはヒドロキシであり、R置換基の少なくとも1つが水素ではない−(CR)1−6−COOH;または(viii)Xが、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ環であり、およびRが独立して、水素、ハロ、アミノ、またはヒドロキシである−(CR)1−6−Xである。
【0007】
Mengらは、抗酸化特性および脂質調整特性を同時に有する血管細胞接着分子−1(VCAM−1)のTNF−α−誘導発現の有効な阻害剤として発見された一連のフェノール性化合物を開示している。開示された化合物は、アテローム硬化症および高脂血症の動物モデルにおいて有効性を立証している。(Novel Phenolic Antioxidants As Multifunctional Inhibitors Of Inducible VCAM−1 Expression For Use In Atherosclerosis、Bioorganic & Med. Chem Ltrs.12(18)、2545〜2548頁、2002年)。
【0008】
Sundellらは、プロブコールから誘導された新規な代謝的に安定なフェノール性抗酸化剤化合物を開示している。([4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]酢酸)は、ICAM−1超の範囲でリウマチ様関節炎(RA)の関節に対して白血球の漸増に重要な2つのレドックス−感受性炎症遺伝子であるVCAM−1およびMCP−1のTNF−α−刺激内皮発現を阻害する。(AGIX−4207:A Novel Antioxidant And Anti−Inflammatory Compound Inhibits Progression Of Collagen II Arthritis In The Rat、FASEB Journal 16巻、11月4日、A182頁、2002年3月20日。2002年4月20〜24日、Annual Meeting of the Professional Research Scientists on Experimental Biology、ISSN 0892〜6638頁)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,262,439号
【特許文献2】米国特許第6,147,250号
【特許文献3】米国特許第6,121,319号
【特許文献4】仏国特許第2168137号
【特許文献5】仏国特許第2140771号
【特許文献6】仏国特許第2140769号
【特許文献7】仏国特許第2134810号
【特許文献8】仏国特許第2133024号
【特許文献9】仏国特許第2130975号
【特許文献10】米国特許第5,155,250号
【特許文献11】国際公開第95/15760号
【特許文献12】米国特許第5,608,095号
【特許文献13】欧州特許出願第348 203号
【特許文献14】欧州特許出願第405 788号
【特許文献15】米国特許第4,954,514号
【特許文献16】国際公開第01/70757号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Novel Phenolic Antioxidants As Multifunctional Inhibitors Of Inducible VCAM−1 Expression For Use In Atherosclerosis、Bioorganic & Med. Chem Ltrs.12(18)、2545〜2548頁、2002年
【非特許文献2】AGIX−4207:A Novel Antioxidant And Anti−Inflammatory Compound Inhibits Progression Of Collagen II Arthritis In The Rat、FASEB Journal 16巻、11月4日、A182頁、2002年3月20日
【非特許文献3】2002年4月20〜24日、Annual Meeting of the Professional Research Scientists on Experimental Biology、ISSN 0892〜6638頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ある一定のプロブコールエステルおよびエーテル誘導体が、ヒトにおける心血管病態および炎症病態の治療のために商業上大きな重要性を有するのであれば、これらの化合物の生物学的利用能および薬物動態を増加させることは有用であると考えられる。
【0012】
したがって、治療的に有用なプロブコールエステル類およびエーテル類の生物学的利用能を増加させることが、本発明の一目的である。
【0013】
治療的に有用なプロブコールエステル類およびエーテル類の薬物動態特性を増強させることが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
治療的に有用なプロブコールエステル類およびエーテル類の生物学的利用能および薬物動態は、有機アミンの塩形態における化合物を送達することにより増強され得ることが発見された。したがって、本発明は、式:
【0015】
【化2】

[RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し、およびYは、C〜Cアルキル(C、C、C、C、C、およびCを含む)であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、YはC〜Cアルキル(C、C、C、C、およびCを含む)である。]
の化合物を含む。これらの新規な塩類は、単純な金属塩類または親化合物と比較して驚くべきことにより水溶性である。
【0016】
第2の実施形態において、本発明は、式II
【0017】
【化3】

[Yは(CH1〜5である。]
の有機アミン塩によって表される。
【0018】
第3の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0019】
第4の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0020】
第5の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0021】
第6の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0022】
第7の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0023】
第8の実施形態において、本発明は、式III
【0024】
【化4】

[Yは(CH0〜5である。]
の有機アミン塩によって表される。
【0025】
第9の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0026】
第10の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0027】
第11の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0028】
第12の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0029】
第13の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0030】
第14の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0031】
本発明の実施形態のいずれかの一態様のあっても良い側面において、用語の有機アミンまたは他の記載されたアミン対イオンは、アンモニア、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、D−グルコサミン、テトラエチルアンモニウム、アンモニウム、またはエチレンジアミンを含まない。
【0032】
別の実施形態において、非塩形態における式I、IIまたはIIIの化合物を、医薬組成物を形成する有機アミンと混合することができる。他の賦形剤もまた、前記組成物に添加できる。
【0033】
さらに本発明は、米国特許第6,147,250号および米国特許第6,121,319号においてより詳細に開示されているように、種々の心血管障害、炎症性障害および免疫関連疾患の予防または治療においてこれらの塩類の医薬組成物およびそれらの有用性を構成している。
【0034】
第1の主要実施形態において、本発明は、式I:
【0035】
【化5】

(RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し、Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
の有機アミン塩によって表される。
【0036】
第2の実施形態において、本発明は、式II
【0037】
【化6】

(Yは(CH1〜5である。)
の有機アミン塩によって表される。
【0038】
第3の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0039】
第4の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0040】
第5の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0041】
第6の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0042】
第7の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIの有機アミン塩によって表される。
【0043】
第8の実施形態において、本発明は、式III
【0044】
【化7】

(Yは(CH0〜5である。)
の有機アミン塩によって表される。
【0045】
第9の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0046】
第10の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0047】
第11の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0048】
第12の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0049】
第13の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0050】
第14の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式IIIの有機アミン塩によって表される。
【0051】
別個の実施形態において、非塩形態における式I、IIまたはIIIの化合物を、医薬組成物を形成する有機アミンと混合することができる。他の賦形剤もまた、前記組成物に添加できる。
【0052】
他の実施形態において、本発明は、式IV:
【0053】
【化8】

(RおよびRは独立して、水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
のメグルミン塩によって表される。
【0054】
他の実施形態において、本発明は、式V:
【0055】
【化9】

(Yは(CH1〜5である。)
のメグルミン塩によって表される。
【0056】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CH)である式Vのメグルミン塩によって表される。
【0057】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式Vのメグルミン塩によって表される。
【0058】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式Vのメグルミン塩によって表される。
【0059】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式Vのメグルミン塩によって表される。
【0060】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式Vのメグルミン塩によって表される。
【0061】
他の実施形態において、本発明は、式VI:
【0062】
【化10】

(Yは(CH0〜5である。)
のメグルミン塩によって表される。
【0063】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式VIのメグルミン塩によって表される。
【0064】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CH)である式VIのメグルミン塩によって表される。
【0065】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式VIのメグルミン塩によって表される。
【0066】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式VIのメグルミン塩によって表される。
【0067】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式VIのメグルミン塩によって表される。
【0068】
他の実施形態において、本発明は、Yが(CHである式VIのメグルミン塩によって表される。
【0069】
他の実施形態において、前記メグルミン塩として、限定はしないが、ブタン二酸、モノ[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、メグルミン塩;酢酸、[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩;およびブタン酸、4−[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩が挙げられる。
【0070】
他の実施形態において、本発明は、提供される化合物の有効治療量を、炎症性障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、炎症性障害の治療方法を提供する。炎症疾患としては、限定はしないが、関節炎、リウマチ様関節炎、骨関節炎、喘息、多発性硬化症、および乾癬が挙げられる。
【0071】
他の実施形態において、本発明は、提供される化合物の有効治療量を、心血管障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、心血管障害の治療方法を提供する。心血管障害としては、限定はしないが、アテローム硬化症、血管形成術後の再狭窄、冠動脈疾患、小動脈疾患、およびアンギナが挙げられる。
【0072】
他の実施形態において、本発明は、前記化合物の塩類の有効治療量を、VCAM−1によって媒介される障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、VCAM−1によって媒介される障害の治療方法を提供する。
【0073】
他の実施形態において、本発明は、提供される化合物の塩の有効治療量を、免疫応答の治療を必要とする宿主に投与することを含む、免疫応答の治療方法を提供する。免疫応答としては、限定はしないが、固形臓器移植拒絶が挙げられる。
【0074】
他の実施形態において、本発明は、式:
【0075】
【化11】

(RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し、および
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
によって表される有機アミン塩である。
【0076】
他の実施形態において、本発明は、式
【0077】
【化12】

(Yは(CH1〜5である。)
の有機アミン塩によって表される。
【0078】
他の実施形態において、本発明は、式
【0079】
【化13】

(Yは(CH0〜5である。)
の有機アミン塩によって表される。
【0080】
他の実施形態において、本発明は、場合によって製薬上許容し得る担体中、有機アミンと一緒にされた、
式:
【0081】
【化14】

(RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
の化合物によって表される。
【0082】
他の実施形態において、本発明は、場合によって製薬上許容し得る担体中、有機アミンと一緒にされた、式:
【0083】
【化15】

(Yは(CH1〜5である。)
の化合物によって表される。
【0084】
他の実施形態において、本発明は、場合によって製薬上許容し得る担体中、有機アミンと一緒にされた、
式:
【0085】
【化16】

(Yは(CH0〜5である。)
の化合物によって表される。
【0086】
他の実施形態において、本発明の有機アミンは、第一級有機アミンによって表される。
【0087】
他の実施形態において、本発明の有機アミンは、第二級有機アミンによって表される。
【0088】
他の実施形態において、本発明の有機アミンは、第三級有機アミンによって表される。
【0089】
他の実施形態において、本発明の有機アミンは、1つ以上のヒドロキシまたはヒドロキシアルキル基で置換されており、前記ヒドロキシまたはヒドロキシアルキル基は、環式または非環式であってよく、置換または非置換であってもよい。置換部分の非限定例としては、限定はしないが、アミノ糖が挙げられる。
【0090】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、置換および非置換単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖から誘導される。
【0091】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、アルドースまたはケトースから誘導される。
【0092】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、ピラノースまたはフラノースから誘導される。
【0093】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、限定はしないが、トレオース、リブロース、ケトース、ゲンチオビオース、アルドース、アルドテトロース、アルドペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、ケトテトロース、ケトペントース、エリトロース、トレオース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、デキストロース、マルトース、ラクトース、ショ糖、セルロース、アルドース、アミロース、パラチノース、トレハロース、ツラノース、セロビオース、アミロペクチン、グルコサミン、マンノサミン、フコース、ファムノース、グルクロネート、グルコネート、グルコノ−ラクトン、ムラミン酸、アベクオース、ラムノース、グルコン酸、グルクロン酸、およびガラクトサミンなどの群から誘導される。
【0094】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、(LまたはD)−リボースから誘導される。
【0095】
他の実施形態において、前記アミノ糖は、置換または非置換アルジトールから誘導される。
【0096】
他の実施形態において、前記置換または非置換アルジトールは、単糖の還元から誘導される。
【0097】
他の実施形態において、前記単糖は、ピラノースまたはフラノースである。
【0098】
他の実施形態において、前記置換および非置換アルジトールは、式
【0099】
【化17】

(XおよびZは、独立して、水素であり;非置換C1〜4アルキルまたはヒドロキシ、C1〜4アルキル、またはハロゲンから選択される1つ以上の置換基により置換されているC1〜4アルキルであり;または一緒になって炭素環を形成し;
Rは、水素、C1〜8アルキル、または−(CH1〜4OHであり;
nは、1、2、3、4または5である。)
によって表される。
【0100】
他の実施形態において、本発明は、提供される化合物の医薬組成物、および提供される化合物の医薬療法への使用特に心血管障害または炎症性障害の治療においての使用、を含む。
【0101】
立体化学および多型性
キラル中心を有する本発明の化合物は、光学活性体およびラセミ体において、存在し得、また単離し得ることが認識される。いくつかの化合物は多形を示し得る。本発明は、本明細書に記載されている有用な特性を有する本発明の化合物の任意のラセミ体、光学活性体、多型体、または立体異性体、もしくはこれらの混合物を包含することが解されるべきである。光学活性の調製方法、および本明細書に記載されている標準的な試験を用いる、または当業界によく知られている他の同様な試験を用いる治療活性の判定方法は、当業界によく知られている。本発明の化合物の光学異性体を得るために使用され得る方法の例としては、以下の方法が挙げられる。
【0102】
i) 結晶の物理的分離−個々の鏡像異性体の肉眼的結晶を手で分離する技法。この技法は、個別の鏡像異性体の結晶が存在する場合、すなわち、物質が団塊であり、結晶が視覚的に明瞭である場合に使用できる;
ii) 同時結晶化−個々の鏡像異性体が、ラセミ体溶液から個別に結晶化される技法。後者が固体状態で団塊である場合にのみ可能である;
iii) 酵素的分割−酵素による鏡像異性体に対する反応速度が異なることによりラセミ体を部分的にまたは完全に分離する技法;
iv) 酵素的不斉合成−合成の少なくとも1つのステップにおいて、酵素反応を使用して、所望の鏡像異性体の鏡像的に純粋か、または鏡像的に富む合成前駆体を得る合成法;
v) 化学的不斉合成−キラル触媒またはキラル助剤を用いて達成できる生成物において不斉(すなわち、キラリティ)を生じる条件下でアキラル前駆体から所望の鏡像異性体を合成する合成法;
vi) ジアステレオマー分離−ラセミ化合物を、個々の鏡像異性体をジアステレオマーに変換する鏡像的に純粋な試薬(キラル助剤)と反応させる技法。次いで、生じたジアステレオマーは、ここでより明瞭となった構造的相違に基づくクロマトグラフィーまたは結晶化により分離され、後にキラル助剤を除去して所望の鏡像異性体を得る;
Vii) 第一次および第二次不斉変換−ラセミ体からのジアステレオマーを平衡にさせて、所望の鏡像異性体からのジアステレオマーを溶液中で優勢にするか、または所望の鏡像異性体からのジアステレオマーを優先的結晶化により、原則として最終的に全ての物質が、所望の鏡像異性体から結晶性ジアステレオマーに変換されるように平衡を摂動させる技法。次に、所望の鏡像異性体が、ジアステレオマーから遊離される;
viii) 速度論的分割−この技法は、速度論的条件下でキラル試薬、非ラセミ試薬または触媒と鏡像異性体との反応速度が等しくないことによりラセミ体の部分的分割または完全分割(または部分的に分割された化合物のさらなる分割の)の達成に関係する;
ix) 非ラセミ前駆体からの鏡像異性特異的な合成−所望の鏡像異性体が、非キラル出発物質から得られ、立体化学的完全性が、合成過程の間、損なわれないか、最少にのみ損なわれるれる合成法;
x) キラル液体クロマトグラフィー−ラセミ体の鏡像異性体が、固定相と相互作用が異なるために液体移動相に分離される技法。固定相が、キラル物質から作製できるか、または移動相は、さらなるキラル物質を含有して、異なる相互作用を引き起こすことができる技法;
xi) キラルガスクロマトグラフィー−ラセミ体を揮発させ、鏡像異性体がガス状移動相において固定化非ラセミキラル吸着相を含有するカラムと相互作用が異なるために分離される技法;
xii) キラル溶媒による抽出−鏡像異性体が、特殊なキラル溶媒中への一方の鏡像異性体の優先的解離のために分離される技法;
xiii) キラル膜横断輸送−ラセミ体を、薄膜バリアと接触させる技法。バリアは典型的に、一方がラセミ体を含有する2種の混和性液体を分離し、濃度差または圧力差などの駆動力が、膜バリアを横断する優先的輸送を生じさせる。通過するラセミ体の一方の鏡像異性体の通過のみを可能にする膜の非ラセミキラル性の結果、分離が生じる。
【0103】
定義
本発明の塩類を形成するために用いられた有機アミン類は、場合によっては置換されている第一級アミン類、第二級アミン類または第三級アミン類であり得、アミン類上の置換基は、線状基、分枝状基または2つ以上のアミン置換基の結合により形成されている環化構造などの環式基であり得る。アルジトールおよび炭水化物部分などの1つ以上のヒドロキシ基またはヒドロキシアルキル基により置換されている有機アミン類が特に興味深い。これらのヒドロキシ置換有機アミン類は、環式または非環式であり得、この双方のクラスは、第一級アミン類、第二級アミン類または第三級アミン類であり得る。環式ヒドロキシ置換アミン類の通常のクラスは、アミノ糖である。
【0104】
アミン塩において1つ以上の置換基を含むことができる炭水化物部分としては、置換および非置換単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖から作製されるものが挙げられる。前記糖類は、アルドースまたはケトースであり得、3個、4個、5個、6個、または7個の炭素を含むことができる。一実施形態において、前記炭水化物は単糖である。他の実施形態において、前記炭水化物はピラノース糖およびフラノース糖である。有機アミン塩の部分であり得るピラノースおよびフラノース部分の非限定例としては、トレオース、リブロース、ケトース、ゲンチオビオース、アルドース、アルドテトロース、アルドペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、ケトテトロース、ケトペントース、エリトロース、トレオース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、デキストロース、マルトース、ラクトース、ショ糖、セルロース、アルドース、アミロース、パラチノース、トレハロース、ツラノース、セロビオース、アミロペクチン、グルコサミン、マンノサミン、フコース、ファムノース、グルクロネート、グルコネート、グルコノ−ラクトン、ムラミン酸、アベクオース、ラムノース、グルコン酸、グルクロン酸、およびガラクトサミンが挙げられる。前記炭水化物部分は、任意の対応するC−位で場合によっては脱酸素化され得、および/または水素、ハロ(F、Cl、BrまたはI)、ハロアルキル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、チオエステル、チオエーテル、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、またはこの化合物の生理活性を阻害しない任意の他の実行可能な官能基など、1つ以上の部分で置換され得る。代表的な置換基としては、アミンおよびハロ、特にフッ素が挙げられる。置換基または炭水化物は、無保護か、または当業者に知られているように、例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、第3版、1999年に教示されるように必要な場合に保護され得る。一実施形態において、単糖は、(LまたはD)−リボースなどのフラノースである。
【0105】
本明細書で用いられる用語の「アルキル」とは、他に特定しない限り、飽和の線状、分枝状、または環式、典型的にCからC10の第一級、第二級、または第三級炭化水素を言い、特にメチル、CF、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルが挙げられる。前記用語は、置換または非置換アルキル基を含み、具体的にハロゲン化アルキル基、さらにより具体的にフッ素化アルキル基を含む。アルキル基が置換され得る部分の非限定例としては、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、またはホスホネートからなる群から選択され、これらは、無保護、または当業者に知られているように、例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、第3版、1999年に教示されるように必要な場合に保護される。
【0106】
用語の「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」とは、1つまたは2つのアルキルまたはアリール置換基をそれぞれ有するアミノ基を言う。本出願において他に特に記述されていない限り、アルキルが好適な部分である場合、低級アルキルが好ましい。同様に、アルキルまたは低級アルキルが好適な部分である場合、非置換アルキルまたは低級アルキルが好ましい。
【0107】
本明細書に用いられる用語の「アリール」とは、他に特定しない限り、フェニル、ビフェニル、またはナフチル、好ましくはフェニルを言う。前記用語は、置換および非置換双方の部分を含む。アリール基は、限定はしないが、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、またはホスホネートからなる群から選択される1つ以上の部分など、任意の記載された部分により置換でき、これらは、無保護、または当業者に知られているように、例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、第3版、1999年に教示されるように必要な場合に保護される。
【0108】
用語の「アルカリール」または「アルキルアリール」とは、アリール置換基を有するアルキル基を言う。用語のアラルキルまたはアリールアルキルとは、アルキル置換基を有するアリール基を言う。
【0109】
本明細書に用いられる用語の「ハロ」としては、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが挙げられる。
【0110】
本明細書に用いられる用語の「〜が実質的に存在しない」または「実質的に〜の不在下で」とは、その化合物の指定された鏡像異性体の少なくとも85重量%または90重量%、好ましくは95重量%、98重量%、99重量%または100重量%を含む化合物組成を言う。好ましい実施形態において、立体化学が指定されている場合の本発明の方法および化合物において、化合物は、それらの逆の鏡像異性体が実質的に存在しない。
【0111】
同様に、用語の「単離された」とは、化合物の少なくとも85重量%、90重量%、95重量%、98重量%、99重量%または100重量%などの化合物組成を言い、残りは他の化学種または鏡像異性体を含む。
【0112】
アルジトール部分とは、アルデヒド基またはケトン基がアルコール部分に還元された炭水化物を言う。本発明のアルジトール類はまた、1つ以上の位置で場合によっては置換または脱酸素化され得る。代表的な置換基としては、水素、ハロ、ハロアルキル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、カルボン酸、アミド、アミノ酸、アミノ酸エステル類およびアミド類、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、チオエステル、チオエーテル、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネートが挙げられる。特に代表的な置換基としては、アミンおよびハロ、特にフッ素が挙げられる。置換基またはアルジトールは、無保護、または当業者に知られているように、例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、第3版、1999年に教示されるように必要な場合に保護される。前記アルジトールは、3個、4個、5個、6個、または7個の炭素を有することができる。有用なアルジトールの例としては、特にピラノース糖およびフラノース糖の還元から誘導されるものなど、単糖の還元から誘導されるものである。
【0113】
用語の「製薬上許容し得る塩類」とは、本発明の化合物の所望の生物活性を保持し、望ましくない毒性学的作用を最少に示す塩類または複合体を言う。このような塩類の非限定例は、(a)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)で形成された酸付加塩、酢酸、蓚酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロン酸などの有機酸で形成された塩類;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドニウム、ナトリウム、カリウムなどの金属カチオン、または、アンモニア、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、D−グルコサミン、テトラエチルアンモニウム、またはエチレンジアミンから形成されたカチオンで形成された塩基付加塩;または(c)(a)および(b)の組合わせ;例えば、タンニン酸亜鉛などである。また、この定義は、当業者によって知られている製薬上許容し得る四級塩が含まれ、これらは特に、式−NR+A−の四級アンモニウムが含まれる。ここで、Rは上記に定義されたとおりであり、Aは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、−O−アルキル、トルエンスルホネート、メチルスルホネート、スルホネート、ホスフェート、またはカルボキシレート(ベンゾエート、スクシネート、アセテート、グリコレート、マリエート、マレート、シトレート、タートレート、アスコルベート、ベンゾエート、シンナモエート、マンデロエート、ベンジロエート、およびジフェニルアセテートなど)などの対イオンである。
【0114】
化合物が、安定な非毒性の酸塩または塩基塩類を形成する上で十分に塩基性または酸性である場合において、塩類として化合物の投与が適切であり得る。製薬上許容し得る塩類の例は、生理的に許容し得るアニオン、例えば、トシレート、メタンスルホネート、アセテート、シトレート、マロネート、タータレート、スクシネート、ベンゾエート、アスコルベート、α−ケトグルタレート、およびα−グリセロホスフェートを形成する酸で形成される有機酸付加塩であり、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩および炭酸塩などの好適な無機塩もまた形成し得る。
【0115】
製薬上許容し得る塩類は、当業界によく知られた標準的な方法を用いて、例えば、アミンなどの十分に塩基性化合物と生理的に許容し得るアニオンを与える好適な酸とを反応させることにより得ることができる。カルボン酸類のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)塩類またはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩類もまた作製できる。
【0116】
非環式有機アミン類の中で特に興味深いのは、式
【0117】
【化18】

(XおよびZは独立して、水素またはC1〜4アルキルであり、または一緒になって、ヒドロキシ、C1〜4アルキル、またはハロゲンから選択される1つ以上の置換基によって場合により置換されている炭素環形成し;Rは、水素、C1〜8アルキル、または−(CH1−4OHであり;nは、1、2、3、4、または5である。)
によって表されるアルジトールのサブクラスである。これらの中でヒドロキシルアミン類は、nが4である場合に特性化される特殊なクラスである。好適な有機アミンの1つの特定例は、
【0118】
【化19】

である。ある特定の立体配位において、この有機アミンは「メグルミン(meglumine)」と称され、これはまた、メグルミン(meglumin)、メチルグルカミン(methylglucamin)、メチルグルカミン(methylglucamine)、N−メチルグルカミン、N−MG、および1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グルシトールとして当業界に知られており、構造
【0119】
【化20】

を有している。
【0120】
本発明のさらなる実施形態において、本発明の任意の上記有機アミン塩類は、組成物として、特に有機アミン塩および製薬上許容し得る担体、希釈剤および/または賦形剤を含む医薬組成物として製剤化できる。
【0121】
医薬組成物
本発明の化合物にとって、原料のままの化学物質として投与されることは可能であり得るが、本明細書に記載されたいずれの疾患に対しても医薬組成物として提供することが好ましい。さらなる態様によれば、本発明は、本発明の化合物または製薬上許容し得る塩またはその溶媒和物を含む医薬組成物を、1つ以上の製薬上許容し得るその担体と一緒に、また場合によっては、本明細書に特定されたいずれかの適応症に対する1種以上の他の治療成分と一緒に提供する。
【0122】
前記製剤は、限定はしないが、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内および関節内など)、直腸および局所(皮膚、頬側、舌下および眼内など)投与など、任意の所望の投与に好適なものを含むが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの病態および疾患に依存し得る。前記製剤は、単位剤形で都合よく提供でき、製薬業界でよく知られている任意の方法により調製できる。全ての方法は、本発明の化合物または製薬上許容し得る塩またはその溶媒和物(「有効成分」)と、1種以上の補助的成分を構成する担体とを組合わせるステップを含む。一般に、前記製剤は、有効成分と、液体担体または微粉固体担体または双方とを均一にかつ密接に組合わせ、次いで必要ならば、この生成物を所望の製剤に形状化するることにより調製される。
【0123】
経口投与に好適な本発明の製剤は、それぞれ予め決められた量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤などの個別単位として;粉剤または顆粒剤として;水溶液または非水溶液中の液剤または懸濁剤として;または水中油液乳化剤または油中水液乳化剤として提供できる。有効成分は、ボーラス、舐剤または糊状剤としても提供できる。
【0124】
錠剤は、場合によっては1種以上の補助成分と共に圧縮または成形によって作製できる。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、潤滑表面活性剤または分散剤と混合した散剤または顆粒剤などの易流動性形態中の有効成分を、好適な機械において圧縮することにより調製できる。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械において成形することにより作製できる。前記錠剤は、場合によってはコーティングされるか、または刻み目がつけられ、その中の有効成分の遅延放出または制御放出を提供するように製剤化できる。
【0125】
非経口投与用製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤および製剤を指定レシピエントの血液と等張にさせる溶質を含むことができる水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。前記製剤は、単位用量容器または複数用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで提供でき、使用直前に滅菌液体担体、例えば、生理食塩水、注射用水の添加のみを必要とする冷凍乾燥(凍結乾燥)条件で保存できる。即時調合注射溶液および懸濁液は、以前に記載されたような滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製できる。
【0126】
直腸投与用製剤は、カカオ脂またはポリエチレングリコールなどの通常の担体を有する座薬として提供できる。
【0127】
口腔内、例えば、頬側または舌下の局所投与用製剤としては、ショ糖およびアラビアゴムまたはトラガカントゴムなどの香味づけした基剤に有効成分を含む口内錠、およびゼラチンおよびグリセリンまたはショ糖およびアラビアゴムなどの基剤中に有効成分を含むパステル剤が挙げられる。
【0128】
好ましい単位用量製剤は、有効成分の以下に列挙された有効量、またはその適切な分画を含有するものである。
【0129】
特に上記の成分に加えて、本発明の製剤は、当該製剤の種類を考慮して当業界に慣習的な他の試剤を含むことができ、例えば、経口投与に好適なものとしては香味剤を挙げることができることを解すべきである。
【0130】
本発明の化合物は、例えば、経口または注射(静脈内または皮下)により投与できる。患者に投与される化合物の正確な量は、担当医の責任となるであろう。しかしながら、使用される用量は、患者の年令、性別、治療を受けている正確な疾患、およびその重症度など多くの因子に依存するであろう。また、投与経路は、病態およびその重症度に依って変わり得る。
【0131】
本発明の化合物はまた、カテーテルまたはステントを経由して、例えば、腔内ステントの使用により投与できる。ステント類は通常、血管形成術式の一部として使用されるが、腔内ステント類は、任意の身体の管腔開口を維持し、または制御するために使用できる。本発明の化合物は単独に、または治療的に有効な化合物の制御放出を可能にする組成物の一部として使用できる。前記化合物は、ステント上でコーティングでき、またはステントの一部を作製できる。それらは、有効化合物の制限放出を提供するように層化でき、または米国特許出願第20010029660号および米国特許出願第20010032014号に開示されている当業界に知られた様式で使用できる。
【0132】
前記有効化合物または製薬上許容し得るプロドラッグまたはその塩類は、所望の作用を損なわない他の有効物質と共に、または抗生物質、抗真菌剤、抗炎症剤、または抗ウイルス化合物など、所望の作用を補う物質と共に投与もできる。前記有効化合物は、プロブコールおよびニコチン酸などの脂質低下剤;アスピリンなどの血小板凝集阻害剤;クーマジンなどの抗血栓薬;バラパミル、ジルチアゼム、およびニフェジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬;カプトプリルおよびエナロプリルなどのアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、およびプロパナロール、テルブタノール、およびラベタロールなどのβ−遮断薬と共に投与できる。前記化合物は、イブプロフェン、インドメタシン、アスピリン、フェノプロフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、スリンダクなどの非ステロイド抗炎症剤と組合わせて投与もできる。前記化合物はまた、コルチコステロイド類と共に投与できる。
【0133】
静脈内投与する場合、好ましい担体は、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)である。
【0134】
前記有効化合物はまた、経皮パッチを通して投与することができる。経皮パッチを調製する方法は、当業者に知られている。例えば、Brown,L.、およびLanger,R.、Transdermal Delivery of Drugs、Annual Review of Medicine、39:221〜229頁(1988)を参照されたい。
【0135】
他の実施形態において、有効化合物は、移植およびミクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤など、身体からの急速な排泄に対して化合物を防ぐ担体と共に調製される。酢酸エチレンビニル、ポリアンヒドリド、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類およびポリ酢酸などの生分解性の生体適合性ポリマー類を使用できる。このような製剤の調製方法は、当業者に明らかである。前記物質はまた、Alza社およびNova Pharmaceuticals社から商品として入手できる。リポソーム懸濁液もまた、製薬上許容し得る担体であり得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されている当業者に知られた方法に従って調製できる。例えば、リポソーム製剤は、適切な脂質(類)(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、およびコレステロール)を無機溶媒中溶解することにより調製でき、次に溶媒を蒸発させると、容器表面に乾燥脂質の薄膜が残存する。次に有効化合物またはそのモノホスフェート、ジホスフェート、および/またはトリホスフェート誘導体の水溶液を、容器に導入する。次いで前記容器を、容器の側面から脂質物質を遊離させ、脂質凝集物を分散させるために、手で渦巻かせ、それによってリポソーム懸濁液を形成する。
【0136】
併用療法または交互療法
単独または組成物としての本発明の化合物を、任意の数のVCAM−1により媒介される疾病を治療するために単独または併用して使用できる。
【0137】
本発明の化合物またはそれらの組成物は単独でまたは組み合わせて、限定はしないが、関節炎(関節炎の非限定例としては、リウマチ(軟組織リウマチおよび非関節リウマチ、線維筋痛、繊維組織炎、筋肉リウマチ、筋膜疼痛、上腕上顆炎、五十肩、ティーツェ症候群、筋膜炎、腱炎、腱鞘炎、滑液嚢炎など)、幼若慢性脊椎関節症(強直性脊椎炎)、骨関節炎、高尿酸血症および急性通風関連関節炎、慢性通風および全身性紅斑性狼瘡)などの炎症疾患、喘息、膵嚢胞性繊維症、移植後後期および慢性固形臓器拒絶、多発性硬化症、全身性エリテマトーシス、炎症性腸疾患、自己免疫糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性脈管障害、鼻炎、虚血性再灌流傷害、血管形成術後再狭窄、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腎炎、グレーブス病、胃腸アレルギー、結膜炎、アテローム硬化症、冠動脈疾患、アンギナ、小動脈疾患、平滑筋細胞の増殖障害、および炎症性皮膚疾患(限定はしないが、乾癬、皮膚炎、湿疹皮膚炎およびカポジ肉腫などのヒト内皮疾患)を治療するために使用できる。
【0138】
本発明の化合物またはそれらの組成物は単独または組合わせて、組織または臓器移植拒絶の予防または治療に使用できる。臓器または組織移植拒絶の治療または予防としては、限定はしないが、心臓、肺、心臓−肺の組合わせ、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚、脾臓、小腸または角膜移植のレシピエントの治療が挙げられる。本発明の化合物またはそれらの組成物は単独または組合わせて、骨髄移植後に時々生じる移植片対宿主疾患の予防または治療に使用することもできる。
【0139】
他の実施形態において、本発明の化合物またはそれらの組成物は単独または組合わせて、心血管疾病の主要な医薬治療および補助的医薬治療の双方に有用であり得る。それらは、アテローム硬化症、血管形成術後再狭窄、冠動脈疾患およびアンギナなどの冠状疾患状態の主要治療に使用できる。それらは、手術または血管形成術によって治療することが困難である小血管疾患、または手術の選択肢のない他の血管疾患を治療するために投与できる。それらはまた、血管再生療法前に患者を安定化させるためにも使用できる。
【0140】
本発明の化合物またはそれらの組成物は、他の知られた治療剤との併用または標的疾患または障害に対する有効性を増加させる変化により種々の疾患を治療するために使用できる。
【0141】
併用療法において、2つ以上の薬剤の有効用量が、一緒に投与されるが、一方、交互療法期間においては、各薬剤の有効用量が、連続的に投与される。前記用量は、薬物の吸収、不活化および排泄速度ならびに当業者に知られている他の因子に依存する。用量値はまた、軽減すべき病態の重症度により変化することに注意されるべきである。具体的な被験者に関して、特定の投与計画およびスケジュールが、個々の必要および組成物を投与する人または組成物の投与を管理する人の専門的判定に従って経時的に調整するべきことをさらに解すべきである。
【0142】
薬物の有効性は、前記化合物を、主要薬物により生じたものと異なる生物学的経路を誘導する第2の薬剤と組合わせまたは交互に、場合によっては第3の薬剤と組合わせまたは交互に投与することにより持続され、増強され、または回復され得る。あるいは、薬物の薬物動態、体内分布または他のパラメータを、このような併用療法または交互療法により変更することができる。一般に、併用療法は典型的に、病態に対して複数の同時ストレスを誘導することから、交互療法以上に好ましい。
【0143】
患者に治療を提供する任意の交互方法を使用することができる。交互パターンの非限定例としては、1つの薬剤の1〜6週の有効量投与、次いで第2の薬剤の1〜6週の有効量投与が挙げられる。前記交互スケジュールは、治療のない期間を含み得る。一般に併用療法は、2つ以上の有効薬剤の有効用量比の同時投与を含む。
【0144】
本発明の化合物は、ヘパリン、フルセミド、ラニチジン、呼吸機能に作用する薬剤(DNAアーゼ、または免疫抑制剤など)、IVγグロブリン、トロレアンドマイシン、シクロスポリン(ネオラール)、メトトレキサート、FK−506、ミオクリシン(チオリンゴ酸金ナトリウム)などの金化合物、トロンボキサン阻害剤などの血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト、アコラート(Accolate)(ザフィルカスト)、ジフロ(Ziflo)(ジロイトン)、ロイコトリエンCまたはCアンタゴニストおよび喘息治療用ジロイトンなどのロイコトリエン合成阻害剤、または誘導性一酸化窒素シンターゼ阻害剤と併用して、または交互に投与できる。
【0145】
他の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の他の予防薬(類)と併用して、または交互に投与される。交互療法または併用療法に使用され得る予防薬の例としては、
限定はしないが、クロモグリク酸ナトリウム、インタール(クロモリンナトリウム、ナサルクロム、オプチクロム、クロロム、眼科用クロロム)、チレード(Tilade)(ネドクロミル、ネドクロミルナトリウム)およびケトチフェンが挙げられる。
【0146】
他の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の他のβ−アドレナリンアゴニスト(類)(βアゴニスト類)と併用して、または交互に投与される。交互療法または併用療法に使用され得るβ−アドレナリンアゴニスト類(βアゴニスト類)の例としては、限定はしないが、アルブテロール(サルブタモール、プロベンチル、ベントリン)、テルブタリン、マキサイル(Maxair)(ピルブテロール)、セレベント(Serevent)(サルメテロール)、エピネフリン、メタプロテレノール(アルペント(Alupent)、メタプレル(Metaprel))、ブレチン(Brethine)(ブリカニル)、ブレタイレ(Brethaire)、硫酸テルブタリン)、トルナレート(Tornalate)(ビトルテロール)、イソプレナリン、臭化イプラトロピウム、塩酸バムブテロール、ビトルテロールメスリエート、ブロキサテロール、塩酸カルブテロール、塩酸クレンブテロール、塩酸クロルプレナリン、フマル酸エフィルモテロール、エフェドラ(アルカロイド源)、エフェドリン(塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン)、塩酸エタフェドリン、塩酸エチルノルアドレナリン、塩酸フェノテロール、塩酸ヘキソプレナリン、塩酸イソエタリン、イソプレナリン、マブテロール、塩酸メトキシフェナミン、塩酸メチルエフェドリン、硫酸オルシプレナリン、酒石酸フェニルエフリン酸、フェニルプロパノールアミン(フェニルプロパノールアミンポリスチレックス、硫酸フェニルプロパノールアミン)、酢酸ピルブテロール、塩酸プロカテロール、塩酸プロトキロール、プソイドエフェドリン(プソイドエフェドリンポリックスチレックス、タンニン酸プソイドエフェドリン、塩酸プソイドエフェドリン、硫酸プソイドエフェドリン)、塩酸レプロテロール、臭化水素酸リミテロール、塩酸リトドリン、サルメテロールキシナフォアート、硫酸テルブタリン、トレトキノール水和物および塩酸ツロブテロールが挙げられる。
【0147】
他の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の他のコルチコステロイド(類)と併用して、または交互に投与される。交互療法または併用療法に使用され得るコルチコステロイド類の例としては、限定はしないが、グルココルチコイド類(GC)、エアロビッド(Aerobid)(エアロビッド−M、フルニソリド)、アズマコート(Azmacort)(トリアムシノロンアセトニド)、ベクロベット(Beclovet)(バンセリル、ジプロピオン酸ベクロメタゾン)、フロベント(Flovent)(フルチカゾン)、パルミコート(Pulmicort)(ブデゾニド)、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、アドレナリン、アルクロメタゾン、ジプロピオネート、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ジプロピオネート、ベンダコート、ベタメタゾン(酢酸ベタメタゾン、安息香酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、吉草酸ベタメタゾン)、ブデゾニド、シクロメタゾン、シプロシノニド、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾン、ピバリン酸クロコルトロン、クロプレドノール、酢酸コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコート、酢酸デオキシコルトン(ピバリン酸デオキシコルトン)、デプロドン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン(酢酸デキサメタゾン、イソニコチン酸デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾン、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、リン酸デキサメタゾンナトリウム)、酢酸ジクロリゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、ドモプレドネート、エンドリゾン、フルアザコート、フルクロロロンアセトニド、酢酸フルドロコルチゾン、フルメタゾン(ピバリン酸フルメタゾン)、フルニゾリド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオコルトロン(ヘキサン酸フルオコルトロン、ピバリン酸フルオコルトロン)、フルオロメトロン(酢酸フルオロメトロン)、酢酸フルプレドニデン、フルプレドニゾロン、フルランドレノロン、プロピオン酸フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、ハロメタゾン、塩酸ヒドロコルタメート、ヒドロコルチゾン(酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、吉草酸ヒドロコルチゾン)、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン(酢酸メチルプレドニゾロン、ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム)、モメタゾンフロエート、酢酸パラメタゾン、プレドニカルベート、塩酸プレドニゾラメート、プレドニゾロン(酢酸プレドニゾロン、ヘミコハク酸プレドニゾロン、ヘキサン酸プレドニゾロン、ピバリン酸プレドニゾロン、メタスルホ安息香酸プレドニゾロンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロンステアグレート、プレドニゾロンテブテート)、プレドニゾン(酢酸プレドニゾン)、プレドニリデン、プロシノニド、リメキソロン、スプラレナールコルテックス、ピバリン酸チキソコルトール、トリアムシノロン(トリアムシノロンアセトニド、二酢酸トリアムシノロンおよびトリアムシノロンヘキサセトニド)が挙げられる。
【0148】
他の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の他の抗ヒスタミン(類)(H受容体アンタゴニスト類)と併用して、または交互に投与される。交互療法または併用療法に使用され得る抗ヒスタミン類(H受容体アンタゴニスト類)の例としては、アルキルアミン類、エタノールアミン類、エチレンジアミン類、ピペラジン類、ピペリジン類またはフェノチアジン類が挙げられる。抗ヒスタミン類の幾つかの非限定例は、クロルトリメトン(Chlortrimeton)(テルドリン、クロルフェニラミン)、アトロヒスト(Atrohist)(ブロムフェニラミン、ブロマレスト、ブロムフェド、ジメタン)、アクチジル(Actidil)(トリプロリジン)、デキスクロル(Dexchlor)(ポラデックス、ポララミン、デキスクロルフェニラミン)、ベナドリル(Benadryl)(ジフェン−ヒドラミン)、タビスト(Tavist)(クレマスチン)、ジメタブス(Dimetabs)(ジメンヒドリネート、ドラマミン、マルミン)、PBZ(トリペレンナミン)、ピリラミン、マレジン(Marezine)(シクリジン)、ジルテク(Zyrtec)(セチリジン)、ヒドロキシジン、アンチバート(Antivert)(メクリジン、ボニン)、アレグラ(Allegra)(フェキソフェナジン)、ヒスマナール(Hismanal)(アステミゾール)、クラリチン(Claritin)(ロラタジン)、セルダン(Seldane)(テルフェナジン)、ペリアクチン(Periactin)(シプロヘプタジン)、ノラミン(Nolamine)(フェニンダミン、ノラヒスト)、フェナメト(Phenameth)(プロメタジン、フェネルガン)、タカリル(Tacaryl)(メトジラジン)およびテマリル(Temaril)(トリメプラジン)である。
【0149】
あるいは、本発明の有機アミン塩は、テオ−24(テオフィリン、スロ−フィリン、ユニフィリン、スロビド、テオ−デュル)、コレジル(オキシトリフィリン)、アミノフィリンなどのキサンチン類およびメチルキサンチン類;ベラドンナアルカロイド、アトロベント(臭化イプラトロピウム)、アトロピン、臭化オキシトロピウムなどの抗コリン作動薬(抗ムスカリン薬);ザルダベリンなどのホスホジエステラーゼ阻害剤;ニフェジピンなどのカルシウムアンタゴニスト類;または喘息治療用のクロマカリムなどのカリウム活性化剤と併用または交互に投与される。
【0150】
また、本発明の化合物は、アパゾン、アミトリプチリン、キモパパイン、コレゲナーゼ、シクロベンザプリン、ジアゼパム、フルオキセチン、ピリドキシン、アデメチオニン、ジアセレイン、グルコサミン、ヒラン(ヒアルロネート)、ミゾプロストール、パラセタモール、スーパーオキシドジスムターゼミミック類、TNFα受容体アンタゴニスト類、TNFα抗体類、P38キナーゼ阻害剤、三環性抗うつ剤、cJunキナーゼ阻害剤または免疫抑制剤、IVγグロブリン、トロレアンドマイシン、シクロスポリン(ネオラール)、メトトレキサート、FK−506、ミオクリシン(チオリンゴ酸金ナトリウム)などの金化合物、トロンボキサン阻害剤などの血小板活性化因子(PAF)アンタゴニスト類、および誘導性一酸化窒素シンターゼ阻害剤と併用して、または交互に投与できる。
【0151】
他の実施形態において、本発明の化合物は、1つ以上の他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と併用して、または交互に投与される。交互療法または併用療法に使用され得るNSAIDSの例は、カルボン酸類、プロピオン酸類、フェナメート類、酢酸類、ピラゾロン類、オキシカン類、アルカノン類、金化合物および、好ましくは、シクロオキゲナーゼ−2(COX−2)を選択的に阻害することによってプロスタグランジン合成を阻害するその他のものである。COX−2阻害剤の幾つかの非限定例は、セレブレックス(Celebrex)(セレコキシブ)、ベクストラ(Bextra)(バルデコキシブ)、ジナスタット(Dynastat)(パレコキシブナトリウム)およびビオックス(Vioxx)(ロファコキシブ)である。NSAIDSの他の非限定例は、アスピリン(アセチルサリチル酸)、ドロビド(Dolobid)(ジフルニサール)、ジサルシド(Disalcid)(サルサレート、サリチルサリチレート)、トリシレート(Trisilate)(トリサリチル酸コリンマグネシウム)、サリチル酸ナトリウム、クプリミン(Cuprimine)(ペニシラミン)、トレクチン(Tolectin)(トルメチン)、イブプロフェン(モトリン、アドビル、ヌプリンルフェン)、ナプロシン(Naprosyn)(ナプロキセン、アナプロックス、ナプロキセンナトリウム)、ナルフン(Nalfon)(フェノプロフェン)、オルジス(Orudis)(ケトプロフェン)、アンセッド(Ansaid)(フルルビプロフェン)、デイプロ(Daypro)(オキサプロジン)、メクロフェナメート(メクロファナム酸、メクロメン)、メフェナム酸、インドシン(インドメタシン)、クリノリル(Clinoril)(スリンダク)、トルメチン、ボルタレン(Voltaren)(ジクロフェナク)、ロジン(Lodine)(エトドラク)、ケトロラック、ブタゾリジン(Butazolidin)(フェニルブタゾン)、タンデアリル(Tandearil)(オキシフェンブタゾン)、ピロキシカム(フェルデン)、レラフェン(Relafen)(ナブメトン)、ミオクリシン(チオリンゴ酸金ナトリウム)、リダウラ(Ridaura)(アウラノフィン)、ソルガナール(Solganal)(アウロチオグルコース)、アセトアミノフェン、コルヒチン、ジロプリム(Zyloprim)(アロプリノール)、ベネミド(Benemid)(プロベネシド)、アンツラン(Anturane)(スフィンピリゾン)、プラケニル(Plaquenil)(ヒドロキシクロロキン)、アセクロフェナク、アセメタシン、アセトアニリド、アクタリト、アルクロフェナク、アルミノプロフェン、アロキシプリン、アルミニウムアスピリン、アムフェナクナトリウム、アモドピリン、アミノプロピロン、サリチル酸アンモニウム、アンピロキシカム、サリチル酸アミル、アニロラク、アスピリン、アウラノフィン、アウロチオグルコース、アウロチオプロール、アザプロパゾン、ベンダザク(ベンダザクリジン)、ベノリレート、ベノキサプロフェン、べンズピペリロン、塩酸ベンジダミン、サリチル酸ボルニル、ブロムフェナクナトリウム、ブフェキサマク、ブマジゾンカルシウム、ブチブフェンナトリウム、カプサイシン、カルバスピリンカルシウム、カルプロフェン、クロルテノキサジン、トリサリチル酸コリンマグネシウム、サリチル酸コリン、シンメタシン、クロフェキサミド、クロフェゾン、クロメタシン、クロニキシン、クロルアセタゾール、シメン、ジアセレイン、ジクロフェナク(ジクロフェナクジエチルアンモニウム塩、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム)、サリチル酸ジエチルアミン、ジエチルサリチルアミド、ジフェンピラミド、ジフルニザール、ジピロン、ドロキシカム、エピリゾール、エテンザミド、エテルサレート、サリチル酸エチル、エトドラク、エトフェナメート、フェルビナク、フェンブフェン、フェンクロフェナク、フェノプロフェンカルシウム、フェンチアザク、フェプラジノール、フェプラゾン、フロクタフェニン、フルフェナミック、フルノキサプロフェン、フルルビプロフェン(フルルビプロフェンナトリウム)、ホスホサール、フルプロフェン、グラフェニン、グルカメタシン、サリチル酸グリコール、金ケラチネート、ハルパゴフィツムプロクンベンス、イブフェナク、イブプロフェン、イブプロキサム、サリチル酸イミダゾール、インドメタシン(インドメタシンナトリウム)、インドプロフェン、イサミファゾン、イソニキシン、イソキシカム、ケブゾン、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタモール、サリチル酸リチウム、ロナゾラクカルシウム、ロルノキシカム、ロキソプロフェンナトリウム、リジンアスピリン、サリチル酸マグネシウム、メクロフェナメナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、ブテチサリチル酸メチル、メチルゲンチセート、サリチル酸メチル、メチアジン酸、メチフェナゾン、モフェブタゾン、モフェゾラク、塩酸モラゾン、モルニフルルネート(Morniflurnate)、サリチル酸モルホリン、ナブメトン、ナプロキセン(ナプロキセンナトリウム)、ニフェナゾン、ニフルミ酸、ニメスリド、オキサメタシン、オキサプロジン、オキシインダナク、オキシフェンブタゾン、パルサルミド、フェニルブタゾン、塩酸フェニルアミドール、塩酸ピセナドール、サリチル酸ピコラミン、ピケトプロフェン、ピラゾラク、ピロキシカム、ピルプロフェン、プラノプロフェン、プラノサール、リンゴ酸プログルメタシン、プロクアゾン、プロチジン酸、ラミフェナゾン、サラセタミド、サラミド酢酸、サリチルアミド、サリックス、サロール、サルサレート、アウロチオリンゴ酸ナトリウム、ナトリウムゲンチセート、サリチル酸ナトリウム、チオサリチル酸ナトリウム、スリンダク、スーパーオキシドジスムターゼ(オルゴテイン、ペゴルゴテイン、スジスマーゼ)、スプロフェン、スキシブゾン、テニダプナトリウム、テノキシカム、テトリダミン、サリチル酸ツルフィル、チアプロフェニク、塩酸チアラミド、塩酸チノリジン、トルフェナム酸、トメチンナトリウム、サリチル酸トリエタノールアミン、ユフェナメート、ザルトプロフェン、ジドメタシンおよびゾメピラクナトリウムである。
【0152】
心血管障害の治療のため、本発明の化合物との組合わせに有用な化合物は、広範囲な治療化合物を包含する。
【0153】
例えば、回腸胆汁酸トランスポータ(IBAT)阻害剤は、本発明において有用であり、PCT/米国特許出願第95/10863号に開示されている。さらにIBAT阻害剤は、PCT/米国特許出願第97/04076号に開示されている。なおさらに本発明に有用なIBAT阻害剤は、米国出願第08/816,065号に記載されている。さらに本発明に有用なIBAT阻害剤化合物は、WO98/40375およびWO00/38725に記載されている。本発明に有用なさらなるIBAT阻害剤化合物は、米国出願第08/816,065号に記載されている。
【0154】
他の態様において、第2の生物活性剤は、スタチンである。スタチン類は、コレステロール生合成経路において主要酵素である、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)レダクターゼを阻害することによりコレステロール濃度を低下させる。前記スタチン類は、LDL受容体の産生を増加させる肝コレステロール生合成を減少させ、それによって血漿中総LDLコレステロールを減少させる(Grundy,S.M.New Engl.J.Med.319、24頁(1988);Endo、A.J.Lipid Res.33、1569頁(1992))。使用される薬剤および用量に依って、スタチン類は、血漿中トリグリセリド濃度を減少し得、HDLc濃度を増加し得る。現在市販のスタチン類は、ロバスタチン(Merck)、シンバスタチン(Merck)、プロバスタチン(Sankyo and Squibb)、フルバスタチン(Sandoz)、およびアトルバスタチン(Parke−Davis/Pfizer)である。これらのスタチン類のいずれも、本発明のカルコン類と併用して使用できる。
【0155】
本発明の組合せおよび方法に有用なMTP阻害剤化合物は、広範囲な構造および機能性を有する。本発明に使用するため特に興味のあるMTP阻害剤化合物の幾つかは、WO00/38725に開示されている。これらの治療用化合物の記載は、Science、282、1998年10月23日、751〜754頁に見ることができる。
【0156】
本発明の組合せおよび方法に有用なコレステロール吸収アンタゴニスト化合物は、広範囲な構造および機能性を有する。本発明に使用するため特に興味のあるコレステロール吸収アンタゴニスト化合物化合物の幾つかは、米国特許第5,767,115号に開示されている。さらに本発明に使用するため特に興味のあるコレステロール吸収アンタゴニスト化合物、およびこのようなコレステロール吸収アンタゴニスト化合物を作製する方法は、米国特許第5,631,365号に記載されている。
【0157】
本発明の併用療法に好適な多くの植物ステロール類は、LingおよびJonesにより、「Dietary Phytosterols:A Review of Metabolism,Benefits and Side Effects」、Life Sciences、57(3)、195〜206頁(1995)に記載されている。限定はしないが、本発明の組合せに特に使用される植物ステロール類の幾つかは、クロフィブレート、フェノフィブレート、シプロフィブレート、ベザフィブレート、ゲムフィブロジルである。前述の化合物の構造は、WO00/38725に見ることができる。
【0158】
植物ステロール類はまた、Nes(Physiology and Biochemistry of Sterols、American Oil Chemists’ Society、Champaign、III.、1991年、表7−2)により一般に記述されている。本発明の組合せに使用するための植物ステロール類の中に、飽和植物ステロール類またはスタノール類がある。さらなるスタノール類はまた、Nes(Id.)により記載されており、本発明の組合せに有用である。本発明の組合せにおいて、植物ステロールは、スタノールを含むことが好ましい。一実施形態において前記スタノールは、カンペスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、コレスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、クリオナスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、コプロスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、22,23−ジヒドロブラッシカスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、エピコレスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、フコスタノールである。他の実施形態において前記スタノールは、スチグマスタノールである。
【0159】
本発明の他の実施形態は、本発明の化合物とHDLc上昇剤との治療用の組合せを包含する。一態様において、第2のHDLc上昇剤は、CETP阻害剤であり得る。本発明に有用な個々のCETP阻害剤化合物は、個々にWO00/38725に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO99/14174、EP818448、WO99/15504、WO99/14215、WO98/04528、およびWO00/17166において個々に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO00/18724、WO00/18723、およびWO00/18721において個々に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO98/35937ならびに米国特許第6,313,142号、米国特許第6,310,075号、米国特許第6,197,786号、米国特許第6,147,090号、米国特許第6,147,089号、および米国特許第6,140,343号において個々に記載されている。
【0160】
他の併用療法において、第2の生物活性剤は、フィブリン酸誘導体であり得る。本発明の組合せおよび方法に有用なフィブリン酸誘導体は、当業界に報告され、また公表されている多種多様の構造および機能性を有する。
【0161】
他の実施形態において、本発明は、本発明の化合物と降圧剤との治療用の組合せを包含する。高血圧は、持続的高血圧として定義される。例えば、前記化合物は、ACE阻害剤、βアドレナリン遮断剤、αアドレナリン遮断剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、血管拡張剤および/または利尿剤と併用して投与できる。
【0162】
あるいは、本発明の化合物または組成物は、単独または併用して使用でき、下表に例示された多数のVCAM−1により媒介される疾患を治療する。
【0163】
以下のリストは、これらの好ましいスタチン類およびそれらの好ましい投与量範囲を開示している。
【0164】
【表1】

【0165】
以下のリストは、幾つかの好ましいスタチン類の化学式を記載している:
ロバスタチン:[1S[1a(R),3α,7β,8β(2S,4S),8aβ]]−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−(テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1−マフタレニル−2−メチルブタノエート
プラバスタチンナトリウム:1−ナフタレン−ヘプタン酸、1,2,6,7,8a−ヘキサヒドロ−β,δ,6−トリヒドロキシ−2−メチル−8−(2−エチル−1−オキシブトキシ)−1−、モノナトリウム塩[1S−[1α(βs,δS)、2α、6α、8β(R)、8aα
シンバスタチン:ブタン酸、2,2−ジメチル−、1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)エチル]−1−ナフタレニルエステル[1S−[1α、3α、7β、8β、(2S,4S)、−8aβ
ナトリウムフルバスタチン:[R,S−(E)]−(+/−)−7−[3(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルエチル)−1H−インドール−2−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸、一ナトリウム塩
他のスタチン類、およびそれらの記載が由来する引用文献を以下に挙げる。
【0166】
【表2】

【0167】
他のスタチン類としては、リバスタチン、SDZ−63,370(Sandoz)、CI−981(W−L)、HR−780、L−645、164、CL−274、471、α−、β−、およびγ−トコトリエノール、(3R,5S,6E)−9,9−ビス(4−フルオロ−フェニル)−3,5−ジヒドロキシ−8−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−6,8−ノナジエン酸、L−アルギニン塩、(S)−4−[[2−[4−(4−フルオロフェニル)−5−メチル−2−(1−メチルエチル)−6−フェニル−3−ピリジニル]エテニル]−ヒドロキシホスフィニル]−3−ヒドロキシブタン酸、二ナトリウム塩、BB−476、(British Biotechnology)、ジヒドロコンパクチン、[4R−[4α,6β(E)]]−6−[2−[5−(4−フルオロフェニル)−3−(1−メチルエチル)−1−(2−ピリジニル)−1H−ピラゾール−4−イル]エテニル]テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−2H−ピラン−2−オン、および1H−ピロール−1−ヘプタン酸、2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−[(フェニルアミノ)カルボニル]カルシウム塩[R−(R,R)]が挙げられる。
【0168】
しかしながら、本発明は、前述のスタチン類に限定されると考えてはならない。天然スタチン類は、Pythium ultimum、Monacus ruber、Penicillium citrinum、Penicillium brevicompactumおよびAspergillus terreusから単離された真菌代謝物(ML−236B/コンパクチン/モノカリンK)の誘導体があり、上記に示されているとおりであるが、それらを、合成的に調製することもできる。スタチン誘導体は、文献上よく知られており、米国特許第4,397,786号に開示されている方法により調製できる。他の方法は、The Peptides:5巻、Analysis、Synthesis、Biology;Academic Pressニューヨーク(1983);およびBringmannらによる、Synlett(5)、253〜255頁(1990)に引用されている。
【0169】
したがって、本明細書に用いられる用語のスタチンは、HMG−CoAレダクターゼに対する基質結合部位に関して3−ヒドロキシ−3−メチルグルタル酸(HMG)CoAと競合することにより3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG CoA)レダクターゼを阻害する天然または合成ペプチドを含む。スタチンが、この生物学的経路を通して作用するかどうかを判定するアッセイは、米国特許第4,231,938号、6欄、およびWO84/02131の30〜33頁に開示されている。
【0170】
本発明の組合せおよび方法に有用なMTP阻害剤化合物は、多種多様の構造および機能性を有する。本発明の使用に特に興味のあるMTP阻害剤化合物の幾つかは、WO00/38725および米国特許第6,458,851号および米国特許第6,458,850号に開示されている。これらの治療用化合物の記載は、Science、282、1998年10月23日、751〜754頁に見ることができる。
【0171】
本発明の組合せおよび方法に有用なコレステロール吸収アンタゴニスト化合物は、多種多様の構造および機能性を有する。本発明の使用に特に興味のあるコレステロール吸収アンタゴニスト化合物の幾つかは、米国特許第5,767,115号に開示されている。さらに、本発明の使用に特に興味のあるコレステロール吸収アンタゴニスト化合物およびこのようなコレステロール吸収アンタゴニスト化合物を作製する方法は、米国特許第5,631,365号に記載されている。
【0172】
本発明の併用療法に好適な多くの植物ステロール類は、LingおよびJonesにより「Dietary Phytosterols:A Review of Metabolism,Benefits and Side Effects」、Life Sciences、57(3)、195〜206頁(1995)に記載されている。限定はしないが、本発明の組合せに特に使用される幾つかの植物ステロール類は、クロフィブレート、フェノフィブレート、シプロフィブレート、ベザフィブレート、ゲムフィブロジルである。前述の化合物の構造は、WO00/38725に見ることができる。
【0173】
植物ステロール類はまた、Nes(Physiology and Biochemistry of Sterols、American Oil Chemists’ Society、Champaign、III.、1991年、表7−2)により一般に記述されている。本発明の組合せに使用するための植物ステロール類の中では、飽和植物ステロール類またはスタノール類が特に好ましい。さらなるスタノール類はまた、Nes(Id.)により記載されており、本発明の組合せに有用である。本発明の組合せにおいて、植物ステロールは、スタノールを含むことが好ましい。1つの好ましい実施形態において前記スタノールは、カンペスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、コレスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、クリオナスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、コプロスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、22,23−ジヒドロブラッシカスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、エピコレスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、フコスタノールである。他の好ましい実施形態において前記スタノールは、スチグマスタノールである。
【0174】
本発明の他の実施形態は、本発明の化合物と他のHDLc上昇剤との治療用の組合せを包含する。一態様において、第2のHDLc上昇剤は、CETP阻害剤であり得る。本発明に有用な個々のCETP阻害剤化合物は、個々にWO00/38725に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO99/14174、EP818448、WO99/15504、WO99/14215、WO98/04528、およびWO00/17166、および米国特許第6,462,091号、米国特許第6,458,852号、米国特許第6,458,850号、米国特許第6,458,803号、および米国特許第6,458,849号において個々に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO00/18724、WO00/18723、およびWO00/18721において個々に記載されている。本発明に有用な他の個々のCETP阻害剤化合物は、WO98/35937において個々に記載されている。本発明による組合せにおける使用に好適な特定のCETP化合物は、The Discovery of New Cholesteryl Ester Transfer Protein Inhibitors(Sikorskiら、Curr.Opin.Drug Disc.&Dev.、4(5):602〜613頁(2001))に記載されている。
【0175】
他の態様において、第2のHDLc上昇剤は、フィブリン酸(fibric acid)誘導体であり得る。本発明の組合せおよび方法に有用なフィブリン酸誘導体は、多種多様の構造および機能性を有する。本発明に関する特定のフィブリン酸誘導体は、表3に記載されている。表3の治療用化合物は、酸形態、塩形態、ラセミ体、鏡像異性体、両性イオン体、および互変異性体など種々の形態で本発明に使用できる。
【0176】
【表3】

【0177】
他の実施形態において、本発明は、本発明の化合物と降圧剤との治療用の組合せを包含する。高血圧は、持続的高血圧として定義される。一般に成人は、収縮期血圧が140mmHg超であり、または弛緩期血圧が90mmHg超である場合、高血圧であると分類される。心血管死に関する長期危険性は、持続血圧と直接的に関連して増加する。(E.Braunwald、Heart Disease、第5版、W.B.Saunders & Co.、フィラデルフィア、1997年、807〜823頁)。血圧は、心拍出と血管系の末梢抵抗との関数であり、以下の式により表すことができ:
BP=CO × PR
[式中、BPは血圧であり、COは、心拍出であり、PRは、末梢抵抗である(Id.、816頁)。]末梢抵抗に影響を及ぼす因子としては、肥満および/または機能的狭窄が挙げられる。心拍出に影響を及ぼす因子としては、静脈狭窄が挙げられる。血管の機能的狭窄は、血管壁の肥厚を含む種々の因子により引き起こされ得、血管の内径を減少させる結果となる。収縮期血圧に影響を及ぼす他の因子は、大動脈の硬直である(Id.811頁)。
【0178】
高血圧とアテローム硬化症または他の高脂血症の病態は、患者に共存することが多い。アテローム硬化症などのある一定の高脂血症病態は、高血圧に対して直接的または間接的影響を有し得ることが可能である。例えば、アテローム硬化症は、血管の内径減少をもたらすことが多い。さらに、アテローム硬化症は、大動脈などの血管の硬直を増大させることが多い。血管の内径減少および血管硬直の双方とも、高血圧に寄与する因子である。
【0179】
心筋梗塞は、酸素欠乏から生じる心筋細胞の壊死であり、通常、影響組織に対する血液供給障害により引き起こされる。例えば、高脂血症または高コレステロール血症は、血流障害を生じることにより心筋梗塞を生じ得るアテローム硬化性プラーク形成を生じ得る。(Id.1185〜1187頁)。心筋梗塞に関する他の主要な危険因子は、高血圧である。(Id.815頁)。言い換えると、アテローム硬化症または高コレステロール血症などの高血圧および高脂血症病態は、協同して作用し心筋梗塞を引き起こす。
【0180】
冠心臓疾患は、高脂血症病態および高血圧などの複数因子により生じるか、または悪化させられる他の疾患である。高脂血症および高血圧双方の制御は、冠心臓疾患の症状または疾患進行を制御するために重要である。
【0181】
アンギナ鳩胸は、心臓への血液供給が減少することにより生じる急性胸痛である。心臓への血液供給減少は、心筋虚血として知られている。アンギナ鳩胸は、例えば、大動脈の狭窄、肺狭窄および心室肥大の結果であり得る。幾つかの降圧剤、例えば、アムロジピンは、末梢抵抗を減じることによりアンギナ鳩胸を制御する。
【0182】
本発明に有用な幾つかの降圧剤は、限定はしないが表4に示される。多種多様の化学構造は、本発明の組合せにおける降圧剤として有用であり、前記薬剤は種々の機構により効果的に作用できる。例えば、有用な降圧剤としては、限定はしないが、アドレナリン遮断剤、混合α/βアドレナリン遮断剤、αアドレナリン遮断剤、βアドレナリン遮断剤、アドレナリン刺激剤、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断剤、利尿剤、または血管拡張剤を挙げることができる。本発明に有用なさらなる降圧剤は、R.Scottによる米国特許出願第60/057,276号に記載されている(PCT特許出願WO99/11260の先行文書)。
【0183】
【表4】


【0184】
本発明の組合せに有用であるさらなるカルシウムチャネル遮断剤としては、限定はしないが、表5に示されるものが挙げられる。
【0185】
【表5】

【0186】
本発明の組合せに有用であるさらなるACE阻害剤としては、限定はしないが、表6に示されるものが挙げられる。
【0187】
【表6】

【0188】
本発明の組合せに有用であるさらなるβアドレナリン遮断剤としては、限定することなく表7に示されるものが挙げられる。
【0189】
【表7】


【0190】
本発明の組合せに有用であるさらなるαアドレナリン遮断剤としては、限定はしないが、表8に示されるものが挙げられる。
【0191】
【表8】

【0192】
本発明の組合せに有用であるさらなるアンジオテンシンII受容体アンタゴニスト類としては、限定はしないが、表8に示されるものが挙げられる。
【0193】
【表9】

【0194】
本発明の組合せに有用であるさらなる血管拡張剤としては、限定はしないが、表10に示されるものが挙げられる。
【0195】
【表10】



【0196】
本発明の組合せに有用であるさらなる利尿薬としては、限定はしないが、表11に示されるものが挙げられる。
【0197】
【表11】


【0198】
以下の実施例は、本発明の調製法の詳細な説明を含む。これらの詳細な説明は、例示目的のために提供され、本発明の範囲を限定または制限する意図はない。
【実施例1】
【0199】
【化21】

ブタン二酸,モノ[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、メグルミン塩
メグルミン(N−メチル−D−グルカミン、1.95g、10mmol)を、水(4mL)に溶解した。THF(8mL)を加えた。適量のメタノールをTHFの替わりに置換できる。ブタン二酸,モノ[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル(6.17g、10mmol)を加え、次いでTHF(20mL)を加えた。生じた溶液を室温で30分間攪拌した。この溶液を蒸発させた。残渣をTHF(5mL)に溶解してから、蒸発させた。THFとヘキサンとからの結晶化によりブタン二酸,モノ[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、メグルミン塩を白色固体(7.30g)として得た。融点105〜110℃。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.60(s,2H)、7.42(s,2H)、5.5〜6.05(br.s,5H)、5.38(s,1H)、4.14(br.s,1H)、3.62〜3.85(br.m,5H)、3.08(br.s,2H)、2.92(br.s,2H)、2.50〜2.61(br.m,5H)、1.42(s,6H)、1.40(s,18H)、1.27(s,18H)。MS m/z=616(M)。水溶性:0.39mg/mL。
【実施例2】
【0200】
【化22】

酢酸、[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩
メグルミン(N−メチル−D−グルカミン、1.95g、10mmol)を、水(3mL)に溶解した。THF(6mL)を加えた。適量のメタノールをTHFの替わりに置換できる。酢酸、[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−(5.75g、10mmol)を加え、次いでTHF(14mL)を加えた。生じた溶液を室温で30分間攪拌した。この溶液を蒸発させ、乾燥して、酢酸、[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩を白色固体(7.06g)として得た。融点71〜76℃。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.55(s,2H)、7.42(s,2H)、5.50〜6.50(br.s,5H)、5.38(s,1H)、4.27(br.s,1H)、4.20(br.S,2H)、3.87(br.S,2H)、3.79(br.S,3H)、3.10〜3.30(br.m,2H)、2.72(br.s,3H)、1.43(s,24H)、1.40(s,18H)、1.40(s,18H)。MS m/z=574(M)。水溶性:1.01mg/mL。
【実施例3】
【0201】
【化23】

ブタン酸、4−[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]−チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩
メグルミン(N−メチル−D−グルカミン、195mg、1mmol)を、水(0.44mL)に溶解した。THF(2mL)を加えた。適量のメタノールをTHFの替わりに置換できる。ブタン酸、4−[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−(603mg、1mmol)を加え、次いでTHF(4mL)を加えた。生じた溶液を室温で30分間攪拌した。この溶液を蒸発させた。THFとヘキサンとからの結晶化によりブタン酸、4−[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩を白色固体(504mg)として得た。融点124〜126℃。H NMR(300MHz,CDCl)δ7.51(s,2H)、7.46(s,2H)、5.38(s,1H)、5.00〜5.40(br.s,5H)、4.12(br.s,1H)、3.62〜3.90(br.m,5H)、3.10(br.s,2H)、2.68(br.s,3H)、2.30(br.s,2H)、2.12(br.s,2H)、1.43(s,24H)、1.40(s,18H)、1.39(s,18H)、1.25(t,2H)。MS m/z=602(M)。水溶性:1.91mg/mL。
【実施例4】
【0202】
インビトロVCAM−1アッセイ
細胞培養および化合物の用量:培養された第一次ヒト大動脈内皮細胞(HAEC)またはヒト肺内皮細胞(HPAEC)をClonetics社から入手し、下記の第9節で用いた。細胞が翌日に90〜95%集密に到達するように96ウェルプレートに接種した。翌日までに、DMSOの最終濃度が0.25%以下になるように、DMSOに溶解した化合物の存在下または非存在下で、細胞をTNF−α(1ng/ml)で刺激した。各化合物の用量曲線を確立するために、2倍から5倍の増分量で4つの濃度を用いた。細胞を約16時間、TNF−αと化合物とに曝露した。翌日細胞を顕微鏡下で調べて、毒性または細胞ストレスの可視的徴候を評価した。
【0203】
TNF−αと化合物とに曝露16時間後、培地を捨てて、細胞をハンクス平衡塩類溶液(HBSS)/リン酸緩衝食塩水(PBS)(1:1)で1回洗浄した。VCAM−1(HBSS/PBS+5% FBS中0.25μg/ml)に対する一次抗体を加え、37℃で30〜60分間温置した。細胞をHBSS/PBSで3回洗浄し、二次抗体西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)共役ヤギ抗マウスIgG(HBSS/PBS+5% FBS中1:500)を加え、37℃で30分間温置した。細胞をHBSS/PBSで4回洗浄し、TMB基質を加え、青色の十分な発色となるまで暗所、室温で温置した。温置時間の長さは、典型的には5〜15分であった。2N硫酸を加えてカラー発色を中止し、BioRad ELISAプレートリーダーによりOD 450nmにおける吸光度を読み取ることによりデータを採取した。この結果は、IC50値(TNF−αのみで刺激された対照サンプルの最大応答の50%を阻害するのに必要な化合物の濃度(マイクロモル))として表される。実施例および実施例の遊離酸のIC50値を、VCAM−1の表1aに挙げる。
【0204】
【表12】

【実施例5】
【0205】
溶解度
実施例および実施例の遊離酸の溶解度は、表2aに記載されている。
【0206】
【表13】

【0207】
種々の修飾および変更は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく本発明においてなし得ることは当業者にとって明白であろう。本発明の他の実施形態は、ここに開示された本発明の明細書および実践を考慮することにより当業者にとって明白となるであろう。明細書および実施例は例示的なものとしてのみ考慮されることが意図されており、本発明の範囲または精神は以下の請求項により指定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表されるメグルミン塩。
【請求項2】
式:
【化2】

[Yは(CH1〜5である。]
によって表されるメグルミン塩。
【請求項3】
Yが(CH)である請求項2に記載の塩。
【請求項4】
Yが(CHである請求項2に記載の塩。
【請求項5】
Yが(CHである請求項2に記載の塩。
【請求項6】
Yが(CHである請求項2に記載の塩。
【請求項7】
Yが(CHである請求項2に記載の塩。
【請求項8】
式:
【化3】

[Yが(CH0〜5である。]
によって表されるメグルミン塩。
【請求項9】
Yが(CHである請求項8に記載の塩。
【請求項10】
Yが(CH)である請求項8に記載の塩。
【請求項11】
Yが(CHである請求項8に記載の塩。
【請求項12】
Yが(CHである請求項8に記載の塩。
【請求項13】
Yが(CHである請求項8に記載の塩。
【請求項14】
Yが(CHである請求項8に記載の塩。
【請求項15】
ブタン二酸,モノ[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチルエチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル、メグルミン塩;酢酸、[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩;およびブタン酸、4−[4−[[1−[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシフェニル]チオ]−1−メチル−エチル]チオ]−2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−、メグルミン塩からなる群から選択されるメグルミン塩。
【請求項16】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化4】

[RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表されるメグルミン塩を含む医薬組成物。
【請求項17】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化5】

[Yは(CH1〜5である。]
によって表されるメグルミン塩を含む医薬組成物。
【請求項18】
Yが(CH)である請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
Yが(CHである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
Yが(CHである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項21】
Yが(CHである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項22】
Yが(CHである請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項23】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化6】

[Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表されるメグルミン塩を含む医薬組成物。
【請求項24】
Yが(CHである請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
Yが(CH)である請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項26】
Yが(CHである請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項27】
Yが(CHである請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項28】
Yが(CHである請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項29】
Yが(CHである請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項30】
式:
【化7】

(式中:
およびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
の化合物をメグルミンおよび製薬上許容し得る担体と共に含む医薬組成物。
【請求項31】
式:
【化8】

(Yは(CH1〜5である。)
の化合物をメグルミン塩および製薬上許容し得る担体と共に含む医薬組成物。
【請求項32】
Yが(CH)である請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
Yが(CHである請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項34】
Yが(CHである請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項35】
Yが(CHである請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項36】
Yが(CHである請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項37】
式:
【化9】

(Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。)
の化合物をメグルミンおよび製薬上許容し得る担体と共に含む医薬組成物。
【請求項38】
Yが(CHである請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
Yが(CH)である請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項40】
Yが(CHである請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項41】
Yが(CHである請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項42】
Yが(CHである請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項43】
Yが(CHである請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項44】
請求項1に記載の塩の有効治療量を、炎症性障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、炎症性障害の治療方法。
【請求項45】
前記炎症性障害が関節炎である請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記炎症性障害がリウマチ様関節炎である請求項44に記載の方法。
【請求項47】
前記炎症性障害が骨関節炎である請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記炎症性障害が喘息である請求項44に記載の方法。
【請求項49】
前記炎症疾性患が多発性硬化症である請求項44に記載の方法。
【請求項50】
前記炎症性障害が乾癬である請求項44に記載の方法。
【請求項51】
請求項1に記載の塩の有効治療量を、心血管障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、心血管障害の治療方法。
【請求項52】
前記心血管障害がアテローム硬化症である請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記心血管障害が血管形成術後の再狭窄である請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記心血管障害が冠動脈疾患である請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記心血管障害が小動脈疾患である請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記心血管障害がアンギナである請求項51に記載の方法。
【請求項57】
請求項1に記載の塩の有効治療量を、VCAM−1により媒介される障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、VCAM−1により媒介される障害の治療方法。
【請求項58】
請求項1に記載の塩の有効治療量を、免疫応答の治療を必要とする宿主に投与することを含む、免疫応答の治療方法。
【請求項59】
前記免疫応答が、固形臓器移植拒絶である請求項58に記載の方法。
【請求項60】
式:
【化10】

[RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表される有機アミン塩。
【請求項61】
式:
【化11】

[Yは(CH1〜5である。]
によって表される有機アミン塩。
【請求項62】
式:
【化12】

[Yは(CH0〜5である。]
によって表される有機アミン塩。
【請求項63】
請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の有効治療量を、炎症性障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、炎症性障害の治療方法。
【請求項64】
請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の有効治療量を、心血管障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、心血管障害の治療方法。
【請求項65】
請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の有効治療量を、VCAM−1により媒介される障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、VCAM−1により媒介される障害の治療方法。
【請求項66】
請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の有効治療量を、免疫応答の治療を必要とする宿主に投与することを含む、免疫応答の治療方法。
【請求項67】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化13】

[RおよびRは、独立して水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表される医薬組成物。
【請求項68】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化14】

[Yは(CH1〜5である。]
によって表される医薬組成物。
【請求項69】
製薬上許容し得る担体と一緒になった、
式:
【化15】

[Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
によって表される医薬組成物。
【請求項70】
場合によって製薬上許容できる担体中、有機アミンと一緒になった、
式:
【化16】

[RおよびRは独立して、水素またはアルキルであり、または一緒になってカルボニルを形成し;
Yは(CH0〜5であり;RおよびRが一緒になってカルボニルを形成する場合、Yは(CH1〜5である。]
の化合物。
【請求項71】
場合によって製薬上許容できる担体中、有機アミンと一緒になった、
式:
【化17】

[Yは(CH1〜5である。]
の化合物。
【請求項72】
場合によって製薬上許容できる担体中、有機アミンと一緒になった、
式:
【化18】

[Yは(CH0〜5である。]
の化合物。
【請求項73】
前記有機アミンが、第一級アミンである請求項70から72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】
前記有機アミンが、第二級アミンである請求項70から72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
前記有機アミンが、第三級アミンである請求項70から72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
前記有機アミンが、1つ以上のヒドロキシ基またはヒドロキシアルキル基によって置換されている請求項70から72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
前記ヒドロキシまたはヒドロキシアルキル置換有機アミンが環式である請求項76に記載の化合物。
【請求項78】
前記ヒドロキシまたはヒドロキシアルキル置換有機アミンが非環式である請求項76に記載の化合物。
【請求項79】
前記ヒドロキシまたはヒドロキシアルキル置換有機アミンがアミノ糖である請求項76に記載の化合物。
【請求項80】
前記アミノ糖が、置換および非置換単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖である請求項79に記載の化合物。
【請求項81】
前記アミノ糖が、置換および非置換単糖から誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項82】
前記アミノ糖が、アルドースまたはケトースから誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項83】
前記アミノ糖が、ピラノースおよびフラノースから誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項84】
前記アミノ糖が、トレオース、リブロース、ケトース、ゲンチオビオース、アルドース、アルドテトロース、アルドペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、ケトテトロース、ケトペントース、エリトロース、トレオース、リボース、デオキシリボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、エリトルロース、リブロース、キシルロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、デキストロース、マルトース、ラクトース、ショ糖、セルロース、アルドース、アミロース、パラチノース、トレハロース、ツラノース、セロビオース、アミロペクチン、グルコサミン、マンノサミン、フコース、ファムノース、グルクロネート、グルコネート、グルコノ−ラクトン、ムラミン酸、アベクオース、ラムノース、グルコン酸、グルクロン酸、およびガラクトサミンからなる群から誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項85】
前記アミノ糖が、(LまたはD)−リボースから誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項86】
前記アミノ糖が、置換および非置換アルジトールから誘導される請求項79に記載の化合物。
【請求項87】
前記置換および非置換アルジトールが、単糖の還元から誘導される請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
前記単糖が、ピラノースまたはフラノースである請求項87に記載の化合物。
【請求項89】
前記置換および非置換アルジトールが、式
【化19】

[XおよびZは、独立して、水素であり;非置換C1〜4アルキルまたは(ヒドロキシ、C1〜4アルキル、またはハロゲンから選択される1つ以上の置換基で置換されている)C1〜4アルキルであり;または一緒になって炭素環を形成し;
Rは、水素、C1〜8アルキル、または−(CH1〜4OHであり;
nは、1、2、3、4または5である。]
によって表される請求項86に記載の化合物。
【請求項90】
nが4である請求項89に記載の化合物。
【請求項91】
請求項67から90のいずれか一項に記載の化合物の有効治療量を、炎症性障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、炎症性障害の治療方法。
【請求項92】
請求項67から90のいずれか一項に記載の化合物の有効治療量を、心血管障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、心血管障害の治療方法。
【請求項93】
請求項67から90のいずれか一項に記載の化合物の有効治療量を、VCAM−1により媒介される障害の治療を必要とする宿主に投与することを含む、VCAM−1により媒介される障害の治療方法。
【請求項94】
請求項67から90のいずれか一項に記載の化合物の有効治療量を、免疫応答の治療を必要とする宿主に投与することを含む、免疫応答の治療方法。
【請求項95】
炎症性障害の治療用薬剤の製造における請求項1に記載の塩の使用。
【請求項96】
前記炎症性障害が関節炎である請求項95に記載の使用。
【請求項97】
前記炎症性障害がリウマチ様関節炎である請求項95に記載の使用。
【請求項98】
前記炎症性障害が骨関節炎である請求項95に記載の使用。
【請求項99】
前記炎症性障害が喘息である請求項95に記載の使用。
【請求項100】
前記炎症性障害が多発性硬化症である請求項95に記載の使用。
【請求項101】
前記炎症性障害が乾癬である請求項95に記載の使用。
【請求項102】
心血管障害の治療用薬剤の製造における請求項1に記載の塩の使用。
【請求項103】
前記心血管障害がアテローム硬化症である請求項102に記載の使用。
【請求項104】
前記心血管障害が血管形成術後の再狭窄である請求項102に記載の使用。
【請求項105】
前記心血管障害が冠動脈疾患である請求項102に記載の使用。
【請求項106】
前記心血管障害が小動脈疾患である請求項102に記載の使用。
【請求項107】
前記心血管障害がアンギナである請求項102に記載の使用。
【請求項108】
VCAM−1により媒介される障害の治療の治療用薬剤の製造における請求項1に記載の塩の使用。
【請求項109】
免疫応答の治療用薬剤の製造における請求項1に記載の塩の使用。
【請求項110】
前記免疫応答が、固形臓器移植拒絶である請求項109に記載の使用。
【請求項111】
炎症性障害の治療用薬剤の製造における請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項112】
心血管障害の治療用薬剤の製造における請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項113】
VCAM−1により媒介される障害の治療用薬剤の製造における請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項114】
免疫応答の治療用薬剤の製造における請求項60から62のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項115】
炎症性障害の治療用薬剤の製造における請求項67から90のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項116】
心血管障害の治療用薬剤の製造における請求項67から90のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項117】
VCAM−1により媒介される障害の治療用薬剤の製造における請求項67から90のいずれか一項に記載の塩の使用。
【請求項118】
免疫応答の治療用薬剤の製造における請求項67から90のいずれか一項に記載の塩の使用。

【公開番号】特開2010−90148(P2010−90148A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279150(P2009−279150)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【分割の表示】特願2004−521714(P2004−521714)の分割
【原出願日】平成15年7月14日(2003.7.14)
【出願人】(501185903)アセロジエニクス・インコーポレイテツド (8)
【Fターム(参考)】