説明

低用量エンテカビル製剤およびその使用

【課題】B型肝炎ウイルス感染症および/または同時−感染症の処置のための、1日1回投与が可能な、低用量エンテカビル含有製剤、該製造法の提供。
【解決手段】接着性物質としてのポビドンによって医薬的に許容され得る担体に付着したエンテカビルを、一形態あたり0.5mg含有する錠剤またはカプセルの形態の医薬組成物。他の医薬的に活性な物質がエンテカビル組成物中に含まれていてもよく、また別々に投与することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エンテカビル、[1S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オン
【化1】

は、現在、臨床試験中のB型肝炎ウイルス感染症の治療のための抗ウイルス剤である。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎の治療時のエンテカビルおよびその使用は、ザーラーらにより特許文献1に開示されている。この特許文献は、経口または非経口投与のための有効な抗ウイルス投与量が約1.0〜50mg/kg体重の範囲であることおよび望ましい投与は適当な間隔で一日の数回の投与であることを記載している。
【0003】
エンテカビルの改良合成法は、特許文献2にビサッチらによって開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5,206,244号
【特許文献2】WO98/09964
【発明の概要】
【0005】
本発明は低用量のエンテカビル含有医薬組成物およびB型肝炎ウイルス感染症の安全かつ有効な治療のための上記低用量組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明はまた、低用量の医薬活性物質を含有する経口投与のための医薬組成物に関する。これは、当該医薬活性物質の粒子を担体物質の表面に付着させることによって達成される。担体物質上の当該活性物質を沈積させる方法は、当該活性物質/担体物質の粒子の凝塊形成を最小にするように制御するものである。
【0007】
本発明は、成人患者のB型肝炎ウイルス感染症の治療のために1日1回投与される、約0.001mg〜約25mgの低用量の活性な抗ウイルス薬、エンテカビルを含有する医薬組成物に関する。好ましくは、医薬組成物は、約0.01mg〜約10mgのエンテカビルを含有し、最も好ましくは、約0.01mg〜約5mgのエンテカビルを含有する。このような好ましく、最も好ましい医薬組成物はまた、成人患者のB型肝炎ウイルス感染症の治療のために1日1回投与される。
【0008】
用語「成人患者」は、約16才以上であって、体重約50kg以上の患者をいう。上記範囲の下限のエンテカビルを含有する医薬組成物は、体重約50kgより少ない小児患者または成人患者への投与に適する。
【0009】
1日1回投与のための上記に記載の低用量のエンテカビル医薬組成物はまた、頻度は低いものの一定の患者に投与されうる。例えば、低用量のエンテカビル医薬組成物の1日1回投与によって治療されて、現在はB型肝炎が制御されている患者は、さらなる感染の防止のためにその処方を維持することができる。そのような維持治療は、1日1回より少ない回数での低用量のエンテカビル組成物の投与であってもよい。例えば、3または4日に1回または1週間に1回の投与でも十分でありうる。
【0010】
本発明の低用量のエンテカビル医薬組成物は、適当な方法による投与のために製剤化することができる。例えば、好ましい経口投与のための組成物は、錠剤、カプセル、顆粒剤または散剤の形態、あるいはエリキシル剤、溶液または懸濁剤の形態であってもよい。低用量のエンテカビル医薬組成物はまた、当分野で周知の方法によって、経口、経直腸、経皮または経鼻投与のために製剤化され得る。このような製剤は、かかる組成物中で一般的に用いられるような増量剤、滑沢剤、崩壊剤、結合剤などの医薬的に許容され得る賦形剤を含むことができる。徐放性製剤もまた、本発明の範囲内である。
【0011】
驚くべきことに、今回、本発明の低用量のエンテカビル医薬組成物の1日1回投与が、米国特許5,206,244号に記載された高投与量の投薬計画による投与から生じうる望ましくない副作用を伴うことなく、B型肝炎ウイルスの感染症の治療に有効であることが知見された。
【0012】
本発明はまた、1つまたはそれ以上の他の医薬的に活性な薬剤と組合せて上記に記載されるような低用量のエンテカビル組成物によるB型肝炎ウイルス感染症の治療に関する。このための適当な医薬的に活性な薬剤には、例えば、ディダノシン、ラミブジン、アバカビル、アデフォビル、アデフォビル・ジピボキシル、ファミシクロビル、(2R,4R)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−2−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン(DAPD)、B型肝炎免疫調節タンパク質(EHT899、エンゾ・ビオフェム社製)、エムトリシタビン、1−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシル)チミン(FMAU)、GLQ−223(化合物A、アルファ−トリコサンチン)、エパブジン(L−dT)、エプシタビン(LdC)、リバビリン、テノフォビル(PMPA)、2',3'−ジデオキシ−2', 3'−ジデヒドロ−ベータ−L(−)−5−フルオロシチジン[L(−)Fd4C]、ならびに他のフルオロ−L−およびD−ヌクレオシドなどの抗ウイルス薬が含まれる。このための適当な医薬的に活性な薬剤には、1つまたはそれ以上の免疫調節薬、例えば、アルファ・インターフェロン、ベータ・インターフェロン、ペグ化(pegylated)・インターフェロン、チモシン・アルファ、ならびにHBV/MF59、ヘパジーンおよびテラジグム−HBVなどのB型肝炎ワクチンが含まれる。
【0013】
他の医薬的に活性な薬剤が経口投与に適当である場合、それらは、低用量のエンテカビルを単一の錠剤またはカプセル中で合わせることができる。他の医薬的に活性な薬剤が単一製剤による同時投与についてエンテカビルと混合できない場合、例えば、投与様式が異なるか、または投与頻度が異なる場合、他の医薬的に活性な薬剤は、別々に投与されうる。投与される他の薬剤の量は、単独療法で従来用いられる量か、または臨床医によって定められる低減された量である。別々の製剤が定められた計画に従って同時にまたは連続して投与されうる。
【0014】
本発明はまた、上記に記載の低用量のエンテカビル組成物による同時感染患者の治療を含む。同時感染患者とは、B型肝炎に加えて、他のウイルス性または非ウイルス性疾患にかかっている患者をいう。特に、このような治療は、C型肝炎またはHIVに同時感染しているB型肝炎患者に対して可能である。このような同時感染患者は、好ましくは、上記に記載の低用量のエンテカビル組成物を、上記に記載の1つまたはそれ以上の他の医薬的に活性な薬剤と組合せて治療される。例えば、B型およびC型肝炎に同時感染した患者は、リバビリンおよびインターフェロンの投薬計画での治療に加えて、低用量のエンテカビル組成物で治療することができる。
【0015】
本発明の別の態様は、医薬組成物、特に、約10mg以下の量でエンテカビルを含有する錠剤およびカプセル剤の製造である。このような組成物は、活性物質および賦形剤を単に混合するだけでは、良好な含量均一性をもって製造することはできない。従来の造粒化の方法はまた、このような低用量で活性な生成物には適当ではない。
【0016】
約0.001mg〜約10mgのエンテカビルを含有する錠剤またはカプセル製剤は、生成物の高い有効性および良好な均一性を可能にする下記の方法によって製造される。組成物は、まずエンテカビルを担体物質の粒子の表面上に注意深く付着させることによって製造される。この工程は、約25℃〜約80℃の範囲の温度で、接着性物質を加えた溶媒中のエンテカビル溶液を調製し、担体物質の粒子を動かしながら、その溶液をスプレーまたは液流として適用する。当該条件は、粒子の凝塊形成を最小にするように制御される。次に、溶媒は、担体物質の表面に付着しているエンテカビル粒子を残しながら、担体表面から除去される。これは、当該物質からエンテカビルが分離するのを防ぎ、後の加工工程でのエンテカビルの損失を最小にする。
【0017】
乾燥後、エンテカビルでコーティングされた担体物質の粒子は、崩壊剤および/または滑沢剤などの組成物中に含まれる他の成分と混合される。続いて、得られた粉末は、錠剤に圧縮されるか、またはカプセルに充填される。
【0018】
担体物質の粒子は、機械的または気流攪拌によってスプレー工程中に動かし続けた。機械的攪拌において、担体物質は、機械的な(高剪断)ミキサーに置かれ、攪拌される。約25℃〜80℃の温度に保たれたエンテカビルおよび接着性物質を含有する溶液は、制御された速度および噴霧圧(0〜2バール)で担体物質の粒子上にスプレーされる。当該担体上に付着しているエンテカビルの量を最大にするために、スプレー装置の位置は、噴霧パターンに担体のみが含まれることが確実になるように調整される。付着速度および噴霧パターンは、粒子の凝塊形成が最小となるように制御される。エンテカビルを含有する溶液が一旦付着すると、湿ったエンテカビル/担体物質の粒子は、乾燥機に移され、皿状乾燥機または流動床乾燥機のいずれでも適する。溶媒は、高温で除去される。溶媒が水またはpH調整した水である場合、約50〜約80℃の温度が適当である。
【0019】
気流攪拌において、担体物質は、底部に細目スクリーンのあるボウルに入れる。送入気流は、物質の粒子の動きが一定かつ流動的であるように調整する。担体物質は、約25℃から約80℃の温度に平衡化する。約25℃〜約80℃の温度に保たれたエンテカビルおよび接着性物質を含有する溶液は、上記に記載の制御された速度および噴霧圧で担体物質の粒子上にスプレーされる。再度、スプレー装置の位置は、噴霧パターンに担体のみが含まれ、付着速度が粒子の凝塊形成を最小にするように制御される。エンテカビル溶液が一旦付着すれば、温度を上昇させて溶媒を除去する。溶媒が水またはpH調整した水である場合、約50から約80℃の温度が適当である。気流攪拌において、担体物質上へのエンテカビルの付着および溶媒の除去は、単一の装置で行われるが、機械的攪拌は2つの装置を必要とする。
【0020】
上記操作は、設備内の空気中のエンテカビルに製造従事者がさらされるのを減じるという別の利点もある。
【0021】
上記方法は、約0.005mg〜約10mgのエンテカビルを含有する医薬組成物の製造について説明されているが、それらは、可溶性の医薬的に活性な物質を低用量で含有する医薬組成物の製造にも用いるこができる。
【0022】
上記方法における好ましい溶媒は、水またはpH調整した水である。水中のエンテカビルの溶解性は、塩酸などの酸の添加によって水のpHを下げるか、または水酸化アンモニウムなどの塩基の添加によって水のpHを上げることによって上昇させることができる。
【0023】
接着性物質は、好ましくは、高い粘着性を有するポリマー性物質である。適当な物質には、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、グアールガムおよびキサンタンガム、およびそれらの混合物が含まれ、ポビドンが好ましい。接着性物質は、好ましくは、総組成物の約0.01重量%〜約10重量%で最終組成物中に存在する。
【0024】
担体物質は、容易にスプレーコーティングされ、しかも容易に凝塊形成しない医薬的に許容される物質である。適当な物質には、乳糖、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、デキストリン、ブドウ糖、デキストレート(dextrates)、マンニトール、ソルビトールおよびショ糖、ならびに乳糖および微結晶性セルロースとのこれらの混合物が含まれ、これらの混合物が好ましい。担体物質は、好ましくは、総組成物の約80重量%〜約95重量%で最終組成物中に存在する。
【0025】
崩壊剤は、好ましくは、総組成物の約1重量%〜約7重量%で最終組成物中に含まれる。適当な崩壊剤としては、クロスポビドン、クロスカルメロース、グリコール酸ナトリウムデンプン、ゼラチン化デンプンおよびトウモロコシデンプンおよびそれらの混合物が含まれ、より好ましくは、クロスポビドンである。
【0026】
滑沢剤は、好ましくは、総組成物の約0.1重量%〜約5重量%で最終組成物中に含まれる。適当な崩壊剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマール酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムが含まれ、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
【0027】
得られた錠剤またはカブセルは、投与を容易にするために、フィルムコーティングされうる。フィルムコーティングに用いられるのに適当な物質には、ポリマー性コーティング剤、色素、可塑剤、可溶化剤などが含まれる。適当なコーティング剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース・フタレートなどが含まれる。ポリエチレングリコールは、可塑剤としてフィルムコーティング組成物に含ませることができる。クエン酸ジエチルおよびクエン酸トリエチルのようなさらなる可塑剤は、フィルムコーティング組成物中に含ませることができる。適当な可溶化剤には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、特に、ポリソルベート80が含まれる。適当な色素としては、二酸化チタンおよび種々の酸化鉄が含まれる。
【0028】
コーティング組成物の成分は、適当な溶媒、好ましくは水中に分散される。コーティング組成物は、従来のパンコーティングまたはスプレーコーティング技術を用いて錠剤またはカプセル剤に適用することができる。
【0029】
下記の実施例は本発明の範囲内の低用量エンテカビル組成物を説明するものである。
【実施例】
【0030】
実施例1
上記方法を用いて、エンテカビル0.5mg濃度の錠剤を製造した。

乾燥によって除去
【0031】
実施例2
上記方法を用いて、エンテカビル0.1mg濃度の錠剤を製造した。

乾燥によって除去
【0032】
実施例3
上記方法を用いて、エンテカビル0.01mg濃度の錠剤を製造した。

乾燥によって除去
【0033】
実施例4
上記方法を用いて、エンテカビル10mg濃度のカプセル剤を製造した。

乾燥によって除去
【0034】
実施例5
上記方法を用いて、エンテカビル0.05mg濃度のカプセル剤を製造した。

乾燥によって除去
【0035】
実施例6
上記方法を用いて、エンテカビル1mg濃度の錠剤を製造した。

乾燥によって除去
【0036】
実施例7
0.5mgのエンテカビルを含有する実施例1の100mg錠剤、0.1mgのエンテカビルを含有する実施例2の100mg錠剤、0.01mgのエンテカビルを含有する実施例3の100mg錠剤、1.0mgのエンテカビルを含有する実施例6の100mg錠剤を、通常のパンコーティングまたはスプレーコーティング技術を用いて下記の組成物をフィルムコーティングした。
【0037】

乾燥によって除去
【0038】
オパドライ(商標)は市販されており、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、二酸化チタン、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、合成黄色酸化鉄および合成赤色酸化鉄を含む。
1 100mgの錠剤重量を推定して行う。
2 適当な可塑剤はクエン酸ジエチルおよびクエン酸トリエチルである。
【0039】
実施例8
慢性B型肝炎ウイルス感染症にかかったヒト患者に28日間投与したエンテカビルの安全性および抗ウイルス活性を、無作為、二重盲検、プラセボ対照、投与量段階的増量試験で検討した。エンテカビルはすべての投与量で強い抗ウイルス活性を示した。28日目の血中のB型肝炎ウイルスDNAウイルスレベルの平均対数減少は、エンテカビルの1日1回で0.05、0.1、0.5および1.0mgの投与量につき、各々、2.21、2.25、2.81および2.42であった。エンテカビルは十分な耐性を示した。
【0040】
実施例9
24週間1日1回で投与したエンテカビルの3種類の投与量(0.01mg、0.1mgおよび0.5mg)の安全性および抗ウイルス活性を、慢性B型肝炎ウイルス感染症にかかった成人において、無作為、二重盲検、ラムブジン(100mg、QD)対照試験で検討した。エンテカビルの3種類全ての投与量で強い抗ウイルス活性を示した。エンテカビルのより高い2種類の投与量では、ラムブジンと比較して、血中B型肝炎ウイルスDNAウイルス濃度が著しくより大きく減少した。エンテカビルは全ての投与量において十分な耐性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬的に許容され得る担体およびエンテカビル約0.001〜約25mgを含む、B型肝炎ウイルス感染症治療のための1日1回投与のための医薬組成物。
【請求項2】
上記エンテカビルが、約0.01mg〜約10mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
上記エンテカビルが、約0.01mg〜約5mgである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
上記エンテカビルが、約0.01mg〜約5mgである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
上記エンテカビルが、約0.05mgである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
上記エンテカビルが、約0.1mgである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
上記エンテカビルが、約0.5mgである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項8】
上記エンテカビルが、約1.0mgである、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項9】
形態が錠剤またはカプセルである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
1またはそれ以上の他の医薬活性成分を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
担体物質に付着しているエンテカビル約0.001〜約10mgを含む、低用量エンテカビルの経口投与のための医薬組成物。
【請求項12】
上記担体物質が、乳糖、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、デキストリン、ブドウ糖、デキストレート(dextrates)、マンニトール、ソルビトールおよびショ糖、およびそれらの混合物から選ばれ、上記エンテカビルが十分な粘着性のある重合体材料である接着性物質によって上記物質に付着している、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
上記接着性物質が、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、グアールガムおよびキサンタンガム、およびそれらの混合物から選ばれる、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
滑沢剤および崩壊剤を含有する、請求項11に記載の医薬組成物であって、上記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマール酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選ばれ、上記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ゼラチン化デンプンおよびトウモロコシデンプン、およびそれらの混合物から選ばれる医薬組成物。
【請求項15】
担体物質に接着性物質によってコーティングされているエンテカビル、滑沢剤および崩壊剤を含む、低用量エンテカビルの経口投与のための医薬組成物であって、
上記エンテカビルが、上記医薬組成物の約0.001〜約10重量%であり、
上記接着性物質が、上記医薬組成物の約0.01〜約10重量%であり、
上記担体物質が、上記医薬組成物の約80〜約95重量%であり、
上記崩壊剤が、上記医薬組成物の約1〜約7重量%であり、
上記滑沢剤が、上記医薬組成物の約0.1〜約5重量%であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項16】
上記接着性物質が、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、グアールガムおよびキサンタンガム、およびそれらの混合物から選ばれ、
上記担体物質が、乳糖、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、デキストリン、ブドウ糖、デキストレート、マンニトール、ソルビトールおよびショ糖、およびそれらの混合物から選ばれ、
上記崩壊剤が、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、グリコール酸ナトリウムデンプン、ゼラチン化デンプンおよびトウモロコシデンプン、およびそれらの混合物から選ばれ、
上記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマール酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物から選ばれる、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
上記接着性物質が、ポビドンであり;上記担体物質が、微結晶性セルロースまたは乳糖またはそれらの混合物であり;上記崩壊剤が、クロスポビドンであり、上記滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
低用量エンテカビル錠剤組成物であって、
エンテカビル約0.01%、
微結晶性セルロース約93.24%、
クロスポビドン約4.0%、
ポビドン約2.50%、および
ステアリン酸マグネシウム約0.25%(上記%は重量/重量%)であるか;または
エンテカビル約1.0%、
マンニトール約90.0%、
クロスカルメロースナトリウム約4.0%、
メチルセルロース約2.50%、および
ステアリン酸約2.50%(上記%は重量/重量%に基づく);または
エンテカビル約0.5%、
乳糖一水和物約60.00%、
微結晶性セルロース約32.50%、
クロスポビドン約4.0%、
ポビドン約2.50%、および
ステアリン酸マグネシウム約0.50%(上記%は重量/重量%に基づく);または
エンテカビル約0.1%、
乳糖一水和物約60.00%、
微結晶性セルロース約35.39%
クロスポビドン約4.0%、
ポビドン約0.01%、および
ステアリン酸マグネシウム約0.5%(上記%は重量/重量%に基づく)
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項19】
外被覆膜層を有する、請求項18に記載の低用量エンテカビル錠剤組成物。
【請求項20】
低用量カプセル組成物であって、
エンテカビル約10.0%、
微結晶性セルロース約82.03%、
クロスポビドン約4.00%、
ポビドン約2.50%、
ステアリン酸マグネシウム約0.25%、および
塩酸約1.22%(上記%は重量/重量%に基づく);または、
エンテカビル約0.05%、
リン酸二カルシウム約93.20%、
クロスポビドン約4.00%、
ヒドロキシプロピルセルロース約2.50%、および
ステアリン酸マグネシウム約0.25%(上記%は重量/重量%に基づく)
を含むことを特徴とする組成物。
【請求項21】
低用量の可溶性医薬活性成分を含有する経口投与のための医薬組成物の製造方法であって、
(a)上記医薬活性成分および接着性物質を溶媒に溶解させ、
(b)担体物質を動かしながら、上記担体物質に工程(a)の上記溶液をスプレーし、
(c)工程(b)の上記コーティングされた担体物質を乾燥させて上記溶媒を除去し、
(d)工程(c)の乾燥されたコーティングされた担体物質と他の所望の成分を一緒にして上記医薬組成物を製造することを特徴とする方法。
【請求項22】
上記医薬活性物質が、上記医薬組成物の重量/重量に基づいて約0.001〜約10%のエンテカビルであり、上記溶媒が、水または酸性または塩基性のpHの水である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記担体物質が、スプレー工程(b)中機械的攪拌によって動かされつづけ、上記コーティングされた担体物質が、工程(c)中皿状乾燥機または流動床乾燥機中で乾燥されるか;または、
上記担体物質が、スプレー工程(b)中気流攪拌によって動かされつづけ、上記コーティングされた担体物質が、工程(c)中もまた気流攪拌によって乾燥される、請求項21に記載の方法。

【公開番号】特開2012−255017(P2012−255017A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−183484(P2012−183484)
【出願日】平成24年8月22日(2012.8.22)
【分割の表示】特願2001−563118(P2001−563118)の分割
【原出願日】平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】