説明

低粘性を特徴とする耐酸素プラズマ組成物およびそれに関連する方法

少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるフルオロポリマー;官能性ビフェニル系化合物と式(I):HON=R1=NOHで示されるジオキシム化合物;式(IV):


で示されるモノアミジン系化合物;および/またはパーフルオロポリエーテルを含む硬性フルオロエラストマー組成物。また、関連する組成物および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、参照により全内容が本明細書に組み込まれている、米国仮特許出願61/046,314号の利益を請求する。
【背景技術】
【0002】
フルオロエラストマー、特にパーフルオロエラストマーは、高度な耐薬品性、プラズマ耐性、許容永久圧縮歪性および優れた機械特性を示す材料として知られている。高温環境または腐食性の液体、溶剤、滑剤および酸化または還元条件下などの攻撃的な過酷な環境が処理中または最終使用環境において存在する場合、パーフルオロエラストマーがしばしば選択される。パーフルオロエラストマーは、代表的にはパーフルオロ硬化部位含有モノマーなどのパーフルオロモノマーを用いて、これらのモノマーを重合し、組み入れられた硬化部位含有モノマーと反応する硬化剤で組成物を硬化(架橋)することにより形成され、エラストマー特性を発現する。一般的な硬化部位含有モノマーとしては、特にシアノ硬化部位を有するものがあげられる。一級(プライマリー)および二級(セカンダリー)のシアノ含有硬化部位含有モノマーとしては、この技術の分野で公知のものがあげられる。シアノ硬化部位を有する硬化部位含有モノマーにおいて、ある種の硬化剤は、シアノ硬化部位を三量化しトリアジン架橋を形成すると考えられている。
【0003】
公知の硬化剤としては、有機金属化合物およびその水酸化物、特に、アリル、プロパルギル、トリフェニルおよびアレニルスズなどの有機スズ化合物およびその水酸化物があげられる。テトラアルキルスズ化合物またはテトラアリールスズ化合物、たとえばテトラフェニルスズが一般的である。しかしながら、これらの硬化剤は比較的硬化速度が遅く、有害であって、得られるエラストマーに金属不純物が取り込まれ得る。
【0004】
有機過酸化物、たとえばジアルキル過酸化物は、CH2xおよび架橋用官能基を有するパーフルオロエラストマーを硬化させるために、トリアリルイソシアヌレートなどのコ−エージェントと共に用いられる公知の一級(プライマリー)硬化剤である。有機過酸化物による硬化は、上記の硬化よりも早く、より優れた耐薬品性と良好な加工性を与えるが、比較的熱安定性に劣る。かかる過酸化物/コ−エージェント硬化系は公知であり、米国特許第4983680号明細書に例示されている。同様に、かかる硬化系を第2の異なる硬化系と共に用いる、いわゆる複式(デュアル)硬化系も公知のものである。たとえば米国特許第5447993号明細書および国際公開第02/060969号パンフレット。
【0005】
アミノ基を有する硬化剤も用いられてきた。これらの例としては、N,N'−ジシンナミリデン−1,6−へキサンジアミン、トリメチレンジアミン、シンナミリデントリメチレンジアミン、シンナミリデンエチレンジアミン、シンナミリデンヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタンカーバメート、1,3−ジアミノプロパンモノカーバメート、エチレンジアミンカーバメート、トリメチレンジアミンカーバメートなどのジアミンおよびジアミンカーバメートがあげられる。
【0006】
2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン(「BOAP」)およびその誘導体などの官能性ビフェニル系硬化剤(curative)を用いることは、公知である。これらの化合物を用いた硬化は、硬化の完了まで遅いという傾向がある。したがって、これらの硬化剤は、パーオキサイド硬化系と併用して硬化を早くしてもよいが、過酸化物系における公知の欠点を有するものである。
【0007】
このような硬化を早めた系は改善ではあるが、この技術の分野においては、特にパーオキサイド硬化系の使用が選択肢にはいっていない場合は、フルオロエラストマーおよびパーフルオロエラストマーをより早く硬化することができる改良された硬化剤の必要性が常に存在する。さらに、この技術の分野においては、エラストマーの硬化速度を早め、シール性(低粘着)や耐薬品性、プラズマ耐性などのエラストマーが有する有利な特性を維持する、パーフルオロエラストマー用硬化剤用の硬化促進剤に対する要求がある。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載の発明は、硬化剤と硬化促進剤の入念に選択された組合せを有する特定の硬化系を含む加工可能な硬化性フルオロエラストマー組成物(パーフルオロエラストマー組成物を含む)に関し、それによって硬化時間が短くなり、生産効率が上がる。硬化の完了によって、組成物は、酸素プラズマに暴露されたときの耐劣化性や低粘着性を含む化学的、熱的劣化に対する耐性という特徴を有する。また、本発明は、かかるフルオロエラストマー組成物および/またはパーフルオロエラストマー組成物の硬化時間を減らす方法および酸素プラズマ耐性を発現するフルオロエラストマー組成物および/またはパーフルオロエラストマー組成物の製造方法にも関する。
【0009】
フルオロエラストマー組成物およびパーフルオロエラストマー組成物は、本発明の範囲に含まれる。これらの用語は、それぞれフルオロポリマーまたはパーフルオロポリマーからなる如何なるポリマー組成物をも含む。フルオロポリマーは、2種以上のモノマーを重合して製造されてもよく、好ましくはそのうちの1種がフルオロ化またはパーフルオロ化されているものであり、少なくとも1種が硬化部位含有モノマーであって、硬化を可能にする。同様に、パーフルオロポリマーは、硬化を可能にする少なくとも1種の官能基を有する少なくとも1種のパーフルオロ硬化部位含有モノマーを含む2種以上のパーフルオロモノマーを重合して製造されてもよい。かかる材料は、アメリカン ソサイアティー フォー テスティング アンド マテリアルズ(ASTM)の定義(ASTM−D−1418−01a)に準じた一般的にはFKMs(フルオロエラストマー)およびFFKMs(パーフルオロエラストマー)と呼ばれるものであり、本明細書に組み入れられる。
【0010】
本明細書に記載のフルオロエラストマー組成物は、硬化されてフルオロエラストマーを形成可能な好適な硬化性フルオロエラストマー性フルオロポリマーおよび本明細書に記載の1種以上の硬化剤からなる。本明細書に記載のパーフルオロエラストマー組成物は、硬化されてパーフルオロエラストマーを形成可能な好適な硬化性パーフルオロエラストマー性パーフルオロポリマーおよび本明細書に記載の硬化系からなる。
【0011】
本発明によれば、酸素プラズマ耐性に優れ、低粘性を有する硬化性組成物、およびその製造方法と組成物の硬化時間を減らす方法を提供することができる。
【0012】
パーフルオロエラストマー組成物は、硬化性パーフルオロポリマーを含むポリマー組成物である。前記のパーフルオロポリマーは、2種以上のパーフルオロモノマーを重合して製造され、好ましくは硬化を可能にする少なくとも1種の官能基を有する少なくとも1種のパーフルオロモノマーを含む。パーフルオロエラストマーは、全フルオロ、パーフルオロアルキルまたはパーフルオロアルコキシ置換基をポリマー鎖に有するポリメチレン系パーフルオロゴムであって、これらの置換基の少ない部分が、加硫を容易にするために官能性を有していてもよい。フルオロエラストマーは、コモノマーとしてビニリデンフルオライドを用いた、フルオロ、アルキル、パーフルオロアルキルまたはパーフルオロアルコキシ基などの置換基をポリマー鎖に有するポリメチレン系フルオロゴムであって、(反応性ペンダント基を有する)硬化部位含有モノマーは含んでも、含まなくてもよい。
【0013】
パーフルオロエラストマー組成物は、テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのパーフルオロオレフィン;およびパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)および類似の化合物などの直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有し、1種以上のエーテル結合を有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などの少なくとも1種の含フッ素エチレン性不飽和モノマーからなる2種以上の各種パーフルオロ共重合体を含んでいてもよい。かかるPAVEの例としては、米国特許第5001278号明細書、第5696189号明細書、第4983697号明細書および国際公開第00/08076号パンフレットに記載のものがあげられ、その含有量は、本明細書にもそのまま組みいれられる。本発明の実施において、TFEおよびPAVEを含む三元重合体または四元重合体であるパーフルオロポリマーであって、三元重合体の架橋を可能にする官能基を含む少なくとも1種のパーフルオロ硬化部位含有モノマーからなるパーフルオロポリマーを用いることが望ましく、本明細書に記載の特定の硬化系を用いて硬化させてもよい。本発明の実施形態において、パーフルオロポリマーは、少なくともテトラフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および少なくとも1種の硬化部位含有モノマー(以下に記載)などの各モノマーを含む。
【0014】
また、TFE、ビニリデンフルオライド(VF2)およびパーフルオロポリマーに関して上に述べたモノマーなどを含む共重合体であるフルオロポリマーを用いることが望ましい。好ましくは、フルオロポリマーは、標準の硬化剤および/または本明細書に記載の好ましい硬化剤によって硬化され得る硬化部位含有モノマーを含み、本発明における好ましい促進剤によってかかる硬化を促進し得るものである。また、用いるフルオロポリマーは、この技術の分野において公知のより高度にフッ素化されたフルオロポリマーのグループに含まれるものであることが好ましい。
【0015】
本発明の実施において用いられるフルオロポリマーおよびパーフルオロポリマーは、少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマー(「シアノ硬化部位含有モノマー」)を含むものであるが、他の官能基または硬化部位が存在していてもよい。選ばれたシアノ硬化部位含有モノマーは、シアノ基をいくつ有していてもよいが、1〜8個のシアノ基を有するモノマーが好適である。比較的単純なニトリルモノマー、フルオロオレフィン、フルオロビニルエーテルおよびたとえば米国特許第4281092号明細書に記載のモノマーなどのいかなるシアノ硬化部位含有モノマーを用いてもよく、その含有量は、本明細書にもそのまま組みいれられる。シアノ硬化部位含有モノマーの他の例としては、一般式:
−CF2=CF−O−[CF2]n−CN (式中、nは2〜約12または2〜6の整数);
−CF2=CF−O−[CF2−CF(CF3)−O]n−CF2− (式中、nは0〜4または0〜2の整数);
−CF2=C−[OCF2CF(CF3)]m−O−[CF2]n−CN (式中、mは1〜2の整数、nは1〜4の整数);
−CF2=CF−O−[CF2]n−O−CF(CF3)−CN (式中、nは2〜4の整数);
−CF2=CFOCF2CF(CF((F3)OCF2CF2CN);
−CF2=CF−O[CF2]3−O−CF[CF3]−CN;および
−CF2−CF(O−(CF23−O−(CFCF3)−CN)−[CF2−CF(O−CF2−CFCF3−O−CF3−CF2−CN)]
(上記の構造中の「p」は、フルオロポリマーまたはパーフルオロポリマー中に約0.1モル%〜約12モル%、または約1モル%〜約4モル%存在する第2の硬化部位含有モノマーであり、「a」は、約0.1モル%〜約12モル%、または約1モル%〜約7モル%存在する第1の硬化部位含有モノマーを表わす。)などがあげられる。また、共重合体中の第1の硬化部位含有モノマーと第2の硬化部位含有モノマーのモル比は、約1:1〜約10:1または9:1であってもよい。
【0016】
いずれの硬化部位含有モノマーまたはモノマーの組合せが選択されるかにかかわらず、硬化部位含有モノマーは、フルオロポリマーまたはパーフルオロポリマー中に、ある量で存在していてもよい。たとえば、約0.1モル%〜約5モル%、約0.1モル%〜約2.5モル%または約0.3〜約1.5モル%存在すればよい。
【0017】
本発明は、少なくとも官能性ビフェニル系硬化剤およびジオキシム化合物からなる硬化系を含む。ジオキシム化合物は、この分野の技術において公知のまたは開発されるものでよい。たとえば、式(I):HON=R1=NOHで表わされるジオキシム化合物であってもよい。式Iにおいて、R1は、置換または非置換の(環構造およびエーテルを含む)炭化水素基であってもよい。R1は、たとえば、炭素数1〜50、炭素数1〜30、または炭素数1〜10の炭化水素基であってもよく、アルキル基またはアリール基であってもよい。R1の形態としてはp−キノンジオキシムがあげられる。
【0018】
制限はされないが、アリールジオキシムとしては、p−ベンゾキノンジオキシム、ナフトキノンジオキシム、トルイキノンジオキシム、ジフェノキノンジオキシム、ジキノイルジオキシム、ジベンゾイルジオキシム、p、p1−ジベンゾイルキノンジオキシムまたはこれらの化合物の組合せがあげられる。
【0019】
官能性ビフェニル系硬化剤は、この分野の技術において公知のまたは開発されるいかなるものであってもよく;官能性ビフェニル系硬化剤は、1種またはいかなる種類の組合せであってもよい。官能性ビフェニル系硬化剤は、たとえば、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン(「BOAP」)またはその誘導体化合物であってもよい。これらの例としては、1個以上の酸素原子を有していてもよく、置換されていてもよく、少なくとも2個のアミノフェニル基、好ましくは2個のアミノフェノル基を有する、分岐状もしくは直鎖状のアルキル、ハロゲン化アルキル、パーハロゲン化アルキルおよびパーフルオロアルキルを有する化合物があげられる。さらに、選択された官能性ビフェニル系硬化剤は、約240℃以下、約230℃以下、さらには約225℃以下の融点を有することが望ましい。
【0020】
官能性ビフェニル系硬化剤は、式(II):
【化1】

で表わされるものであってもよい。
【0021】
式(II)において、R2およびR3は、それぞれ独立して炭素原子または、たとえば、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロ化アルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテル、パーフルオロ化アルキルエーテルなどの炭化水素基から選ばれる。フッ素結合またはハロゲン結合していない1個または1個以上の炭素原子は、置換または非置換されていてもよい。式I中のZ基は、アミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基およびヒドロキシル基を表わし、繰り返しのそれぞれのZに対して独立して選択されてもよい。Aは、独立してフッ素原子、前記のR2として好適な基としてあげられたもの、および式(III):
【化2】

で表わされる化合物から選ばれる。
【0022】
Jは、独立して前記のAとして好適な基としてあげられたものおよび式(III)で表わされる化合物から選ばれる。「r」は、0または1の整数から選ばれる。しかしながら、rが0でありR2が炭素原子である形態においては、JまたはAの少なくとも1個は、式(III)で表わされる化合物ではない。
【0023】
少なくとも官能性ビフェニル系硬化剤およびジオキシム化合物を含む選択された硬化系は、ある量で組成物中に存在し、その量は、フルオロポリマーまたはパーフルオロポリマー中に存在する硬化部位および硬化部位含有モノマーの組合せおよび個数によって変わる。しかしながら、官能性ビフェニル系硬化剤が存在する場合は、その含有量は約0.001〜約2部(phr)、もしくは約0.2〜約1.7phr、もしくは約0.5〜約1.5phrであり、選択されたジオキシム化合物の含有量は約0.001〜約2部、または0.2部〜約1.6部、もしくは約0.5〜約1部であることが望ましい。
【0024】
その他の硬化剤および/または硬化促進剤が硬化系に存在していてもよい。かかるその他の追加成分の性質および種類は、ポリマー中の硬化部位によって変わる。実施の形態において、硬化系は、たとえば、式(IV):
【化3】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であってもよい)で示されるモノアミジン系化合物を含む。Yは、また、炭素数1〜22、または炭素数1〜12、または炭素数1〜9のパーフルオロアルキル基、パーフルオロアリール基、またはパーフルオロアラルキル基であってもよい。R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基である。R5は、独立して前記R4にあげられた基またはヒドロキシル基である。
【0025】
Y、R4またはR5の置換基としては、制限されるものではないが、ハロゲン化アルキル、パーハロゲン化アルキル、チオ、アミン、イミン、アミド、イミド、ハロゲン、カルボキシル、スルフォニル、ヒドロキシルなどがあげられる。R5がヒドロキシル、ハロゲンまたは炭素数1〜6の置換または非置換のアルキル基および/またはR4が水素原子、アミノまたは炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキルであることが望ましい。
【0026】
モノアミジン系化合物の例としては、たとえば、パーフルオロオクタンアミジン、ヘプタフルオロブチリルアミジンおよびベンズアミジンなどのパーフルオロアルキルアミジン、アリールアミジンおよびパーフルオロアルキルアミドラゾンなどがあげられる。
【0027】
たとえば、ヘプタフルオロブチリルアミジンなどのモノアミジン系化合物が存在する場合、硬化系は、官能性ビフェニル系硬化剤を約0.001〜約2部(phr)、もしくは約0.25〜約1.7phr、または約0.5〜約1.5phr、ジオキシム化合物を約0.001部〜約1部、または0.25〜2.0部、または0.5部〜約0.7重量部、およびモノアミジン系化合物を約0.001部〜約2部、0.3部〜約1.7部、または0.7部〜約1.5部含む。
【0028】
硬化系は、選択されたフルオロポリマーまたはパーフルオロポリマー中に存在してもよい非シアノ硬化部位の存在および種類に応じて、他の硬化剤、硬化促進剤および/またはその他の成分を含んでいてもよい。しかしながら、硬化性パーフルオロエラストマーおよび/またはフルオロエラストマー組成物が、パーオキサイド硬化剤またはパーオキサイド(ROOR)官能基を含む他の成分を含有しないことが望ましい場合もある。
【0029】
発明を構成する組成物および方法は、他の添加剤、たとえば、加工助剤、フィラー、その他のポリマーまたはポリマー混合物(粉末、溶融ブレンド、粒子)、レオロジー改質剤、滑剤、可塑剤および着色剤を含んでもよい。かかる添加剤の例としては、グラファィト、カーボンブラック、クレー、シリカ、ガラス、ヘクトライト、酸化ケイ素、フルオロポリマー粒子、硫酸バリウム、着色剤、二酸化チタン、ガラスファイバーまたはその他の粒子、ポリアライド(polyarid)繊維、ヒュームドシリカ、非晶質シリカおよびオイルなどがあげられる。オイルは、ミネラルオイル、植物由来のオイルおよびパーフルオロポリエーテルなどの人工または天然オイルであってよい。
【0030】
実施の形態において、組成物は、ヒュームド酸化ケイ素、PTFE粒子または粉末および/またはカーボン粒子、ナノチューブ、繊維またはフィラメントを含む。かかる実施の形態には、フルオロエラストマー、またはパーフルオロエラストマーが含まれてもよい。
【0031】
前記の組成物には、着色剤を添加してもよい。着色剤としては、いかなるものを用いてもよいが、たとえば、炭素原子、水素原子、窒素原子および酸素原子を有し、実質的に金属を含まない多環の芳香族構造を有するものがあげられる。かかる化合物は、色の変化のため塩素または臭素で置換されていてもよい。
【0032】
好適な着色剤としては、W.ハーブスト(Herbst)ら、インダストリアル オーガニック ピグメンツ、VCH/Wiley,第2版、1997に記載されたものがあげられる。その他の好適な着色剤としては、キナクリドン、ベンズイミダザロン、インダンスロン、ぺリレン、イソインドリノンおよびこれらの着色剤の組合せがあげられる。その他の使用可能な化合物としては、キナセルジオンマゼンタ(C.I.ピグメント レッド 122、192、202および206)、モナストラル レッド B(Monastral red B)、C.I.バイオレット 19、hue 9−ジメチル−置換キナクリドンおよびアンスラキノン染料(C.I.60710、C.I.分散レッド 15、C.I.26050、C.I.ソルベント レッド 19)などのバイオレット染料、ローダミン RS(C.I.ピグメント レッド 81)、C.I.オレンジ 48およびC.I.オレンジ 49などのオレンジ染料、ジアリーライド(diarylide) イエロー、C.I.ピグメント イエロー 12、13、14、16、17、55、83および155)、インダンスレン ゴールデン イエロー G.K、アリールアミド イエロー(C.I.ピグメント イエロー 1、3、10、73、74、97、105、111)およびこれらの着色剤の組合せなどがあげられ、これらは、効果の多様性、異なる組成のために用いることができる。実施の形態においては、用いる着色剤は、下記の構造(V)および式(VI)で表わされる関連構造を有するキナクリジオン:
【化4】

であることが好ましい。
【0033】
また、フルオロエラストマー組成物の硬化時間を減らす方法も本発明の範囲に含まれるものとする。かかる方法は、前記の少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーを含むフルオロポリマーと硬化系を配合することからなる。硬化系は、前に詳述したように、少なくとも官能性ビフェニル系化合物およびジオキシム化合物を含む。この方法の硬化系は、また、前に詳述したように、少なくとも1個のモノアミジン系硬化系(たとえば、上記の式IVで表わされる)、ジオキシム化合物および/またはパーフルオロポリエーテル、および/またはこれらのいずれかの組合せからなる。
【0034】
そのほかに、本発明は、前述のパーフルオロポリマーおよび前述の硬化系を配合することからなるパーフルオロエラストマー組成物の硬化時間を減らす方法をも含む。それぞれの場合において、配合されたポリマーおよび硬化系は、次に硬化される。硬化は、この分野の技術において公知のまたは開発されるいかなる手段、すなわち加熱硬化、周囲温度硬化または放射線硬化によって行われてもよい。プレス硬化の例としては、プレス機に材料を置き、材料を加熱し、350〜360°Fの温度で15〜230分間プレスする方法があげられる。本発明のいかなる方法または組成物の形態においても、添加剤および/またはその他の硬化系成分が含まれていてもよい。
【0035】
望ましくは、本明細書に記載の方法によって製造された物品/組成物は、たとえば、物品を空気中または窒素下に550°Fのオーブンにたとえば24時間置いてポストキュアまたは仕上げ処理を行ってもよい。
【0036】
これらの方法を実施することにより、硬化時間は、本明細書に記載された硬化系を含まない硬化性組成物に比べて、約30%〜約60%、また約40%〜約50%減らされる。
【0037】
また、本発明は、耐酸素プラズマ性を発現するパーフルオロエラストマーまたはフルオロエラストマー組成物の製造方法も含む。この方法において、組成物を硬化させることにより前記のパーフルオロエラストマーまたはフルオロエラストマーと硬化系を結合させ、得られるパーフルオロエラストマー組成物は、耐酸素プラズマ性を発現する。
【0038】
さらに、本発明を下記の実施例にしたがって説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。実施例中の耐酸素プラズマ性のデータは、25〜150℃の温度に設定された、側壁およびチャックを有し、酸素とCF4ガスの混合物が入ったプラズマチャンバー内にサンプルを置いて得られたものである。サンプルは、5〜50%に設定された一定のストレッチの状態でチャンバー内に置かれる。サンプルは、拡大されて定期的に肉眼で点検される。耐酸素プラズマ性は、クラックが発生する前の数分において測定される。
【0039】
実施例における粘着力を測定するための試験は、内径0.984±0.010インチで、断面が0.0139±0.004インチの寸法を有するO−リングサンプルを用いて行った。O−リングサンプルは、プレートの間に固定され、25%の圧縮を加える。固定具およびサンプルは、392°Fで24時間強制空気加熱オーブン中に置かれる。固定具を冷却し、プレートが引き離される力を測定する。この力が粘着力である。各サンプルの3点のデータをとり、平均して、平均粘着力を得る。
【0040】
実施例1:パーフルオロエラストマー組成物の調製および耐酸素プラズマ性と粘着力の評価
下記に示すパーフルオロエラストマー組成物A〜Rを、表1に示す成分を混合して調製した。それぞれについて、耐酸素プラズマ性と粘着力のデータを示す。表に示すC1は、比較用の組成物である。
【0041】
【表1】

【0042】
硬化パラメーターA〜OおよびC1:350〜360°Fで15〜30分間成形、空気中550°Fで24時間ポストキュア。硬化パラメーターP〜R:350°Fで20分間成形。空気中550°Fで2時間(ランプアップ)/20時間(保持)/2時間(ランプダウン)ポストキュア。「N/t」は、試験されていないことを示す。
【0043】
R1 − 360°Fで30分間
R2 − 350°Fで30分間
R3 − 350°Fで10分間
R4 − 360°Fで10分間
R5 − 360°Fで15分間
R6 − 300°Fで8分間
【0044】
表1からわかるように、すべての組成物A〜Rは、低粘着特性と同様、C1に比べてより大きな酸素プラズマ耐性を発現する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるフルオロポリマー;
(ii)官能性ビフェニル系化合物および
式(I):
HON=R1=NOH
(R1は、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアリール基から選ばれる)で示されるジオキシム化合物;式(IV):
【化1】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基から選ばれ;R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基から選ばれ;R5は、独立して水素原子、炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基、アミノ基またはヒドロキシル基から選ばれる)で示されるモノアミジン系化合物;および/または
パーフルオロポリエーテルの少なくとも1種を含む硬化系
を含む硬化性フルオロエラストマー組成物。
【請求項2】
フルオロポリマーが、さらにテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロアルキルビニルエーテルを含む請求項1記載の組成物。
【請求項3】
官能性ビフェニル系化合物が、式(II):
【化2】

(R2およびR3は、おのおの独立して炭素原子、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロアルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテルおよびパーフルオロアルキルエーテルから選ばれ;Zは、独立してアミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基およびヒドロキシル基から選ばれ;Aは、独立してフッ素原子、R2および式(III):
【化3】

で示される化合物から選ばれ;Jは独立してAおよび式(III)で示される化合物から選ばれる;ただし、rが0およびR2が炭素原子であるとき、JまたはAの少なくとも一方は式(III)
【化4】

で示される化合物ではない)
で示される化合物から選ばれる請求項1記載の組成物。
【請求項4】
官能性ビフェニル系化合物が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンである請求項1記載の組成物。
【請求項5】
硬化部位含有モノマーがシアノ基を2〜5個有する請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ジオキシム化合物がアリールジオキシムである請求項1記載の組成物。
【請求項7】
硬化系が、官能性ビフェニル系化合物を約0.5部〜約2.0部含み、ジオキシム化合物を約0.25部〜約2.0重量部含む請求項1記載の組成物。
【請求項8】
硬化系が、ヘプタフルオロブチリルアミジンを含む請求項1記載の組成物。
【請求項9】
硬化系が、官能性ビフェニル系化合物を約0.5部〜約1.0部含み、ジオキシム化合物を約0.01部〜約1部含み、ヘプタフルオロブチリルアミジンを約0.15部〜約1.0重量部含む請求項8記載の組成物。
【請求項10】
さらに、着色剤、レオロジー改質剤、可塑剤、滑剤、オイル、酸化ケイ素およびポリテトラフルオロエチレン粒子から選ばれる材料を含む請求項1記載の組成物。
【請求項11】
パーフルオロポリエーテルを含む請求項1記載の組成物。
【請求項12】
キナクリドン、ベンズイミダザロン、インダンスロン、ぺリレン、イソインドリノンおよびイソインドリンから選ばれる着色剤を含む請求項10記載の組成物。
【請求項13】
着色剤が、キナクリドンである請求項12記載の組成物。
【請求項14】
(i)少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるパーフルオロポリマー;
(ii)官能性ビフェニル系化合物および
式(I):
HON=R1=NOH
(R1は、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアリール基から選ばれる)で示されるジオキシム化合物;式(IV):
【化5】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基から選ばれ;R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基から選ばれ;R5は、独立して水素原子、炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基、アミノ基またはヒドロキシル基から選ばれる)で示されるモノアミジン系化合物および/または
パーフルオロポリエーテル
の少なくとも1種を含む硬化系
を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物。
【請求項15】
官能性ビフェニル系化合物が、式(II):
【化6】

(R2およびR3は、おのおの独立して炭素原子、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロアルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテルおよびパーフルオロアルキルエーテルから選ばれ;Zは、独立してアミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基およびヒドロキシル基から選ばれ;Aは、独立してフッ素原子、R2および式(III):
【化7】

で示される化合物から選ばれ;Jは独立してAおよび式(III)で示される化合物から選ばれ;rは0または1;ただし、rが0およびR2が炭素原子であるとき、JまたはAの少なくとも一方は式(III)で示される化合物ではない)
で示される化合物から選ばれる請求項14記載の組成物。
【請求項16】
官能性ビフェニル系化合物が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンである請求項14記載の組成物。
【請求項17】
硬化部位含有モノマーがシアノ基を2〜5個有する請求項14記載の組成物。
【請求項18】
ジオキシム化合物がアリールジオキシムである請求項14記載の組成物。
【請求項19】
硬化系が、官能性ビフェニル系化合物を約0.25部〜約2.0部含み、ジオキシム化合物を約0.25部〜約1.5重量部含む請求項14記載の組成物。
【請求項20】
硬化系が、さらにヘプタフルオロブチリルアミジンを含む請求項14記載の組成物。
【請求項21】
硬化系が、官能性ビフェニル系化合物を約0.25部〜約1.5部含み、ジオキシム化合物を約0.01部〜約1.5部含み、ヘプタフルオロブチリルアミジンを約0.25部〜約1.0重量部含む請求項20記載の組成物。
【請求項22】
さらに、着色剤、レオロジー改質剤、可塑剤、滑剤、オイル、酸化ケイ素およびポリテトラフルオロエチレン粒子から選ばれる材料を含む請求項14記載の組成物。
【請求項23】
パーフルオロポリエーテルを含む請求項14記載の組成物。
【請求項24】
さらに、キナクリドン、ベンズイミダザロン、インダンスロン、ぺリレン、イソインドリノンおよびイソインドリンから選ばれる着色剤を含む請求項14記載の組成物。
【請求項25】
(i)少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるフルオロポリマーと(ii)官能性ビフェニル系化合物と
式(I):
HON=R1=NOH
(R1は、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアリール基から選ばれる)で示されるジオキシム化合物;式(IV):
【化8】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基から選ばれ;R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基から選ばれ;R5は、独立して水素原子、炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基、アミノ基またはヒドロキシル基から選ばれる)で示されるモノアミジン系化合物;および/または
パーフルオロポリエーテル
の少なくとも1種を含む硬化系を配合し;組成物を硬化時間硬化する、フルオロエラストマー組成物の硬化時間を減少させる方法。
【請求項26】
硬化系が、ヘプタフルオロブチリルアミジンを含む請求項25記載の方法。
【請求項27】
フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルおよび少なくとも1種の硬化部位含有モノマーを含む請求項25記載の方法。
【請求項28】
官能性ビフェニル系化合物が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび式(II):
【化9】

(R2およびR3は、おのおの独立して炭素原子、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロアルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテルおよびパーフルオロアルキルエーテルから選ばれ;Zは、独立してアミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基およびヒドロキシル基から選ばれ;Aは、独立してフッ素原子、R2および式(III):
【化10】

で示される化合物から選ばれ;Jは独立してAおよび式(III)で示される化合物から選ばれる;ただし、rが0およびR2が炭素原子であるとき、JまたはAの少なくとも一方は式(III)で示される化合物ではない)
で示される化合物から選ばれる請求項25記載の方法。
【請求項29】
硬化時間が、(ii)の硬化系を含まない硬化性組成物に比べて約30%〜約60%減少する請求項25記載の方法。
【請求項30】
(i)少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるパーフルオロエラストマー;官能性ビフェニル系化合物と式(I):
HON=R1=NOH
(R1は、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアリール基から選ばれる)で示されるジオキシム化合物およびヘプタフルオロブチリルアミジンからなる硬化系;平均粒子径が約2〜約25μmの酸化ケイ素;およびポリテトラフルオロエチレン粒子を配合し
(ii)組成物を硬化時間硬化し、耐プラズマ性を発現するパーフルオロエラストマー組成物を得る、耐プラズマ性を発現するパーフルオロエラストマー組成物を製造する方法。
【請求項31】
ジオキシム化合物がアリールジオキシムである請求項30記載の方法。
【請求項32】
硬化系が、さらに式(IV):
【化11】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基から選ばれ;R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基から選ばれ;R5は、独立して水素原子、炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基、アミノ基またはヒドロキシル基から選ばれる)で示されるモノアミジン系化合物;および/または
パーフルオロポリエーテルの少なくとも1種
を含む請求項30記載の方法。
【請求項33】
さらに、キナクリドン、ベンズイミダザロン、インダンスロン、ぺリレン、イソインドリノンおよびイソインドリンから選ばれる着色剤を(i)に配合する請求項30記載の方法。
【請求項34】
着色剤が、キナクリドンである請求項30記載の組成物。
【請求項35】
官能性ビフェニル系化合物が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび式(II):
【化12】

(R2およびR3は、おのおの独立して炭素原子、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロアルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテルおよびパーフルオロアルキルエーテルから選ばれ;Zは、独立してアミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基およびヒドロキシル基から選ばれ;Aは、独立してフッ素原子、R2および式(III):
【化13】

で示される化合物から選ばれ;Jは独立してAおよび式(III)で示される化合物から選ばれる;ただし、rが0およびR2が炭素原子であるとき、JまたはAの少なくとも一方は式(III)で示される化合物ではない)
で示される化合物から選ばれる請求項30記載の方法。
【請求項36】
(i)少なくとも1個のシアノ基を有する少なくとも1種の硬化部位含有モノマーからなるパーフルオロポリマー;
(ii)官能性ビフェニル系化合物と式(I):
HON=R1=NOH
(R1は、炭素数1〜10のアルキル基および炭素数1〜10のアリール基から選ばれる)で示されるジオキシム化合物;式(IV):
【化14】

(Yは、置換または非置換のアルキル基、アリール基またはアラルキル基もしくは非置換または置換の、全部または一部がハロゲン化された炭素数〜22のアルキル基、アリール基またはアラルキル基から選ばれ;R4は、水素原子または炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基またはアミノ基から選ばれ;R5は、独立して水素原子、炭素数1〜6の置換または非置換の低級アルキル基、アミノ基またはヒドロキシル基から選ばれる)で示されるモノアミジン系化合物;および/またはパーフルオロポリエーテル
の少なくとも1種を含む硬化系;
(iii)ポリテトラフルオロエチレン粒子;および
(iv)発煙酸化ケイ素
を含む硬化性パーフルオロエラストマー組成物。
【請求項37】
さらに、キナクリドン、ベンズイミダザロン、インダンスロン、ぺリレン、イソインドリノンおよびイソインドリンから選ばれる着色剤を含む請求項39記載の組成物。
【請求項38】
パーフルオロポリエーテルを含む請求項39記載の組成物。
【請求項39】
ジオキシム化合物がアリールジオキシムである請求項39記載の組成物。
【請求項40】
官能性ビフェニル系化合物が、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび式(II):
【化15】

(R2およびR3は、おのおの独立して炭素原子、アルキル、ハロゲン化アルキル、パーフルオロアルキル、アルキルエーテル、ハロゲン化アルキルエーテルおよびパーフルオロアルキルエーテルから選ばれ;Zは、独立してアミノ基、メルカプト基、スルフヒドリル基またはヒドロキシル基から選ばれ;Aは、独立してフッ素原子、R2および式(III):
【化16】

で示される化合物から選ばれ;Jは独立してAおよび式(III)で示される化合物から選ばれる;ただし、rが0およびR2が炭素原子であるとき、JまたはAの少なくとも一方は式(II)で示される化合物ではない)
で示される化合物から選ばれる請求項39記載の組成物。

【公表番号】特表2011−516693(P2011−516693A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504154(P2011−504154)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/039904
【国際公開番号】WO2009/126708
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(505283588)グリーン, ツイード オブ デラウェア, インコーポレイテッド (17)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】