説明

低電力無線ネットワークにおける通信方法及び構成

【課題】1GHzまたはそれ以下の周波数帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムを提供する。
【解決手段】物理層論理が、データストリームの部分を繰り返して、データストリームの検知及び復号を、受信デバイスがし易いようにする繰り返し論理を実装することができる。繰り返し論理は、トレーニングフィールドおよび/または信号フィールドを繰り返すプリアンブルリピータを含んでよい。繰り返し論理は、ペイロードを1回以上繰り返すペイロードリピータを含んでよい。送信デバイスからの通信を検知するために、繰り返されたプリアンブルシンボル同士を相関させる相関器を含む受信デバイスを含む。受信デバイスはさらに、データストリームのペイロードの複数の繰り返しに基づいて、通信信号からのデータストリームを補正する補正論理も含んでよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は無線通信分野に係る。より詳しくは、実施形態は、無線を利用するトランスミッタとレシーバとの間の通信プロトコル分野に属する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】複数の固定型または移動型の通信デバイスを含む、複数の通信デバイスを含む無線ネットワークの一例を示す実施形態である。
【図1A】図1のショートトレーニングフィールドリピータ論理が生成する物理層プロトコルデータユニットの一実施形態である。
【図2】無線ネットワークにおける直交周波数分割多重(OFDM)に基づく通信を生成して送信する装置の一実施形態である。
【図3】図2に示すトランスミッタから通信を送信する際のフローチャートを示す。
【図4】図2に示すレシーバにおいて通信を受信する際のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
添付図面に示す新規な実施形態の詳細な記載を示す。しかし、提供される詳細の量は、記載される実施形態の予期される変形例を制限するものではなく、請求項及び詳細な記載は、全ての変形例、修正例、及び均等物を、添付請求項が定義する本教示の精神及び範囲内に属するものとする。以下の詳細な記載は、これら実施形態を当業者に理解してもらうことを目的にしている。
【0004】
ここで利用される「1つの実施形態」「一実施形態」「例示的な実施形態」「様々な実施形態」といった言い回しは、記載される本発明の実施形態がある特定の特徴、構造、または特性を含むことを示しているが、必ずしも全ての実施形態がこの特定の特徴、構造、または特性を含む、ということではない。さらに、「一実施形態」といった言い回しが繰り返し利用されているからといって、これらは必ずしも同じ実施形態のことを言っている場合ではないが、そういう場合もある。
【0005】
ここで利用されている、共通のオブジェクトを示す「第1」「第2」「第3」等の序数表現は、単に同様のオブジェクトの異なるインスタンスを示すために利用されており、そのオブジェクトが、時間的、空間的、ランク上、またの任意の方式の一定のシーケンスではなくてはならない、という意味ではない。
【0006】
実施形態は、1GHzまたはそれ以下の周波数帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムを含んでよい。多くの実施形態において、物理層論理が、データストリームの部分を繰り返して、受信デバイスがデータストリームを検知及び復号する能力を増すようにできる繰り返し論理を実装することができる。一部の実施形態では、繰り返し論理は、送信デバイスと受信デバイスとの間の通信チャネルを構築、維持する範囲を増大させることができる。多くの実施形態では、範囲の拡張は、キロメートルのオーダで行うことができる。
【0007】
一部の実施形態では、繰り返し論理は、受信デバイスの相関器によってショートトレーニングフィールドの統合時間を長くして、受信デバイスが送信デバイスから通信信号を検知する能力を増大させるプリアンブルリピータを含んでよい。さらなる実施形態では、繰り返し論理は、2回から5回といった回数、ショートトレーニングフィールドを繰り返すプリアンブルリピータを含んでよい。さらなる実施形態では、繰り返し論理は、2回から5回といった回数、ロングトレーニングフィールドを繰り返すプリアンブルリピータを含んでよい。一部の実施形態では、繰り返し論理は、2回から5回といった回数、署名フィールドを繰り返すプリアンブルリピータを含んでよい。またさらなる実施形態では、繰り返し論理は、2回から5回といった回数、プリアンブルの、信号フィールドとペイロードとの間に、マルチストリームアンテナトレーニングのために存在している追加のロングトレーニングフィールドを繰り返すプリアンブルリピータを含んでよい。
【0008】
一部の実施形態では、繰り返し論理は、ペイロードリピータを含んでよい。ペイロードリピータは、2回から5回といった、1以上の回数、ペイロードを繰り返すことができる。多くの実施形態では、ペイロードリピータは、インタリーブの前に、及び、マルチストリームの実施形態では、トランスミッタのデータストリームのストリームパースの前に、物理層デバイスのビットストリームのデータを繰り返すことができる。さらなる実施形態では、ペイロードリピータは、送信チェーンのOFDMシンボルを時間領域に変換する前または後に、送信チェーンでOFDMシンボルを繰り返してよい。他の実施形態では、ペイロードリピータは、IEEE802.11n/acシステムの既存の符号化スキームに加えて、符号レートが1/4である二相位相変調方式(BPSK)等の新たな変調及び符号化スキームを実装することで、通信信号の送信でペイロードを効果的に繰り返すことができる。
【0009】
他の実施形態は、複数のSTF、LTF、及び/または、SIGシンボルを相関させて、送信デバイスから通信を検知する相関器を含む受信デバイスを含む。受信デバイスはさらに、データストリームのデータの複数の繰り返しに基づいて、通信信号からのデータストリームを補正する補正論理も含んでよい。一部の実施形態では、受信デバイスは、ショートトレーニングフィールドの繰り返しにより、初期パラメータ推定を実行することができる。さらなる実施形態では、受信デバイスは、ロングトレーニングフィールドの繰り返しにより、細かいパラメータ推定を行うことができる。
【0010】
1GHz及びそれ以下の周波数帯域では、利用可能な帯域幅が限られているので、20、40、80、及び160MHzの帯域幅を利用するIEEE802.11n/acのタイプのシステムが、一部の地理的領域には実施不可能な場合がある。多くの実施形態では、システムが、約1から10MHzのオーダの帯域幅を有している。一部の実施形態では、802.11n/acタイプのシステムは、より低い帯域幅を達成するためにダウンクロックされる場合がある。例えば多くの実施形態は、例えば20、40、80、及び160MHzをNで除算する、といったように、Nでダウンクロックされてよい(ここではNを10という値として、これにより、2、4、8、及び16MHz帯域幅のオペレーションとする)。別の方法の実施形態では、さらに、1MHzの帯域幅が実装されてもよい。一部の実施形態では、2、4、8、及び16MHz帯域幅のトーン・カウントがIEEE802.11acシステムと同じであってもよいし、他の実施形態では、IEEE802.11acシステムから、例えばより低い帯域幅には不要なトーン・カウントを除去したような、異なるものであってもよい。
【0011】
一部の実施形態では、屋内及び/または屋外の「スマート」グリッド及びセンササービス等が提供される場合もある。例えば一部の実施形態では、特定のエリア内の1または複数の家庭の電気、水、ガス、及び/または、その他の公共設備利用を計測して、これら公共サービスの利用状況を計測サブステーションへ無線で送信するためのセンサが提供される。更なる実施形態では、家庭のヘルスケア、クリニック、または病院においてセンサを利用して、患者のヘルスケア関連の事象及び目に見える兆候(例えば下がったことの検知、薬瓶の監視、重量の監視、睡眠時の無呼吸、血糖値レベル、心調律等)をモニタする。これらサービス用に設計される実施形態は概して、IEEE802.11n/acシステムで提供されるデバイスよりもデータレートがずっと低く、消費する電力もずっと低い(超低である)。
【0012】
一部の実施形態では、この低いデータレート及び超低である消費電力要件を満たすための新たな特徴を有するIEEE802.11n/acを再利用することにより、ハードウェア実装を再利用して、実装コストを削減している。更なる実施形態では、複数のストリームを利用可能としている。一部の実施形態では、マルチユーザ、多入力多出力(MIMO)を実装していないレガシーのトレーニングフィールド及びレガシーの署名を実装しないものもある。また、一部の実施形態はビームフォーミングを利用するものもある。
【0013】
ここに記載する論理、モジュール、デバイス、及びインタフェースは、ハードウェア及び/またはコードで実装することができる機能を実行してよい。ハードウェア及び/またはコードは、関連機能を実施するよう設計されたソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、プロセッサ、状態マシン、チップセット、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
【0014】
実施形態によって無線通信を行いやすくなる。一部の実施形態では、Bluetooth(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラーネットワーク、IEEE(アイトリプルイー)802.11―2007、情報技術のためのIEEE規格−システム間のテレコミュニケーション及び情報交換−ローカルエリアネットワーク及びメトロポリタンエリアネットワーク−特定の要件−パート11:無線LAN媒体クセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様(http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11-2007.pdf)、これらのデバイス間の相互作用を促すための、ネットワークにおける通信、メッセージングシステム、及びスマートデバイスが統合されていてよい。更に、1つのアンテナを利用する無線の実施形態があれば、複数のアンテナを利用する無線の実施形態があってもよい。
【0015】
図1は、無線通信システム1000の一実施形態を示している。無線通信システム1000は、ネットワーク1005に有線または無線で接続されている通信デバイス1010を含む。通信デバイス1010は、ネットワーク1005経由で複数の通信デバイス1030、1050、及び1055と無線通信することができる。通信デバイス1010、1030、1050、及び1055には、センサ、ステーション、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルータ、コンピュータ、ラップトップ、ノートブック、セルラーフォン、PDA(携帯情報端末)、その他の無線利用可能なデバイスが含まれてよい。このように、通信デバイスはそれぞれ移動型であっても固定型であってもよい。一例として、通信デバイス1010は、ある範囲の家庭のための消費水量の計測サブステーションを含んでもよい。この範囲の各家庭に、通信デバイス1030等の通信デバイスが含まれていてよく、この通信デバイス1030が、利用水計測器に統合、連結されてよい。通信デバイス1030は定期的に、この計測サブステーションに通信を自分から働きかけ、水利用に関するデータを送信することができ、通信デバイス1010から十分な距離離れていてよい。
【0016】
通信デバイス1030は、通信デバイス1010に通信を働きかける際に、ショートトレーニングフィールド(STF)を複数回繰り返して、通信デバイス1010がSTFを例えばプリアンブルリピータ1036により検知することのできる範囲を拡張することができる。一部の実施形態では、通信デバイス1010はさらに、シングルストリームについてロングトレーニングフィールド(LTF)及び信号(SIG)フィールドを繰り返し、マルチストリーム通信については更なるLTFを繰り返す。LTFの繰り返しにより、周波数エラー、タイミングエラー、及びチャネル推定等の長距離通信のパラメータ推定を向上させることができる。
【0017】
多くの実施形態では、通信デバイス1030は、さらに、ペイロード(例えば水利用に関するデータ)を、ペイロードリピータ1042により複数回繰り返して、通信デバイス1010によるデータ復号を促すことができる。プリアンブルリピータ1036及びペイロードリピータ1042は、一般的には、物理層の繰り返し論理と称される場合がある。
【0018】
通信デバイス1010は、通信デバイス1030から送信された複数のSTFのうち1つのSTFを検知するために、受信した信号を統合する相関器を含んでよい。通信デバイス1010は、ペイロードの複数のコピーを利用して、ペイロードの正確な表現を決定する補正論理1026を含んでよい。
【0019】
更なる実施形態では、通信デバイス1010は、データオフロードを行うことができる。例えば、低電力センサである通信デバイスが、Wi−Fi等を介して、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等との通信用にデータオフロードスキームを含むことで、計測ステーションへのアクセスのための待ち時間における、及び/または、帯域幅の益々増えた用途における消費電力を低減させることが可能となる。計測ステーション等のセンサからデータを受信する通信デバイスも、Wi−Fiを介して、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等との通信用にデータオフロードスキームを含むことで、ネットワーク1005の混雑度合いを低減させることが可能となる。
【0020】
ネットワーク1005は、複数のネットワークの間の相互接続を表していてよい。例えばネットワーク1005は、ワイドエリアネットワーク(例えばインターネットまたはイントラネット)と連結して、1以上のハブ、ルータ、またはスイッチを介して有線または無線で相互接続されているローカルデバイス間を相互接続することができる。この実施形態では、ネットワーク1005は、通信デバイス1010、1030、1050、及び1055を通信可能に連結する。
【0021】
通信デバイス1010及び1030は、メモリ1011及び1031、媒体クセス制御(MAC)サブレイヤ論理1018及び1038、並びに、物理層論理1019及び1039をそれぞれ含んでいる。メモリ1011、1031(例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)である)は、フレーム、プリアンブル、及びプリアンブル構造、またはこれらの一部を格納してよい。フレーム(MAC層プロトコルデータユニット(MPDU)とも称される)及びプリアンブル構造によって、送信デバイスと受信デバイスとの間の同期通信を構築したり維持したりすることができる。
【0022】
MACサブレイヤ論理1018、1038はフレームを生成してよく、物理層(PHY)論理1019は、フレームに基づいて物理層データユニット(PPDU)を生成することができる。より詳しくは、フレーム構築器1012及び1032がフレームを生成してよく、物理層論理1019のデータユニット構築器1013及び1033がPPDUを生成してよい。データユニット構築器1013及び1033は、フレーム構築器1012及び1032が生成するフレームを含むペイロードをカプセル化することでPPDUを生成して、それぞれアンテナアレイ1024及び1044並びに1以上のRFチャネルを介して送信するためのペイロードを初めに付けることができる。
【0023】
データユニット構築器1013及び1033は、それぞれプリアンブルリピータ1016及び1036を含んでよい。プリアンブルリピータ1016及び1036は、通信デバイス1010及び1030等のデバイス間の範囲の拡張された通信を促進することができる。プリアンブルリピータ1016、1036は、複数の連結されたSTFのシーケンスで(一部の実施形態では、ロングトレーニングフィールド(LTF)及び信号フィールドで)プリアンブルを生成することができる。例えば、プリアンブルリピータ1016、1036は、5つの連結されたSTFのシーケンス等を有するプリアンブルを含むPPDUを生成することができる。一部の実施形態では、プリアンブルリピータ1016、1036は、5つのSTF、5つのLTF、及び5つの信号フィールドを含むPPDUのプリアンブルを生成することができる。他の実施形態では、PPDUのプリアンブルに含まれるSTF、LTF、及び信号フィールドの数が上述したものと異なっていてもよい。
【0024】
通信デバイス1010、1030、1050、及び1055は、それぞれ、例えばトランシーバ(RX/TX)1020及び1040等のトランシーバ(RX/TX)を含んでよい。多くの実施形態では、トランシーバ1020及び1040は、直交周波数分割多重方式(OFDM)を実装している。OFDMは、複数のキャリア周波数にデジタルデータを符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方法として利用される周波数分割多重化スキームである。多数の空間的に密な直交サブキャリア信号が、OFDMシンボルであるデータの搬送に利用される。OFDMシンボルは、サブキャリアごとに1つ、といったように、複数の並列データストリームまたはチャネルに分割される。各サブキャリアは、低いシンボルレートの変調スキームで変調され、同じ帯域幅の従来のシングルキャリア変調スキームと、全体としては同様のデータレートを保つことができる。
【0025】
OFDMシステムでは、データ、パイロット、ガード、及びヌル化(nulling)を含む機能のために、幾つかのキャリア、または「トーン」が利用される。データトーンは、チャネルのうちいずれかを介してトランスミッタとレシーバとの間で情報を転送させるために利用される。パイロットトーンは、チャネル維持に利用され、時間/周波数及びチャネルトラッキングに関する情報を提供することができる。ガードトーンは、送信中にショートトレーニングフィールド(STF)及びロングトレーニングフィールド(LTF)シンボル等のシンボルの間に挿入されることで、マルチパスの歪みにつながりかねないシンボル間干渉(ISI)を起こさないようにすることができる。このガードトーンは、更に、信号をスペクトルマスクに則ったものとする手助けも行う。更に、直流成分(DC)をヌルにする(ヌル化)機能によって、ダイレクトコンバージョン方式のレシーバの設計を簡略化することができる。
【0026】
各トランシーバ1020、1040は、RFトランスミッタとRFレシーバとを含む。本実施形態では、各RFトランスミッタは、ペイロードリピータ1022、1042を含み、各RFレシーバは、補正論理1026、1046を含む。ペイロードリピータ1022、1042は、PPDUの送信においてペイロードの繰り返しを含む論理を含んでよい。一部の実施形態では、ペイロードリピータ1022、1042は、ビットストリームがインタリーバに入る前に、及び、マルチビットストリームの場合には、ビットストリームがストリームパーサに入る前に、ビットストリームにデータの繰り返しを連結するベクトル繰り返し論理を含んでよい。
【0027】
更なる実施形態では、ペイロードリピータ1022、1042は、送信チェーンのシンボルを変換する前には周波数領域に、または、この変換の後には時間領域に、1を超える数のシンボルの繰り返しを送信チェーンに作成するシンボル繰り返し論理を含んでよい。他の実施形態では、ペイロードリピータ1022、1042は、新たな変調及び符号化スキームを含んでよい。新たな変調及び符号化スキームは、1/4の符号レートの二相位相変調方式(BPSK)を含み、符号空間でペイロードを効果的に繰り返すことができる。
【0028】
補正論理1026、1046は、レシーバに、通信信号のペイロードの繰り返しを有効活用する論理を提供することができる。特に、補正論理1026、1046は、送信されるペイロードの正確なバージョンを決定するために、受信されたペイロードの複数のバージョンを比較することができる。更なる実施形態では、補正論理1026、1046は、1/4の符号レートのBPSKで、トランスミッタからの通信信号の復調を行うことができる。
【0029】
図1は、4つの空間ストリーム等の多入力多出力(MIMO)システムを含む複数の異なる実施形態を示しており、これには、最新ではないシステム(degenerate systems)が含まれていてもよい。つまり、最新ではないシステムとは、1以上の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055が、単一入力単一出力(SISO)システム、単一入力多出力(SIMO)システム、及び、多入力単一出力(MISO)システムを含む、単一のアンテナを有するレシーバ及び/またはトランスミッタを含むようなものである。図1の無線通信システム1000は、IEEE(アイトリプルイー)802.11ahシステムであることが意図されている。同様に、デバイス1010、1030、1050、及び1055も、IEEE802.11ahデバイスとして意図されている。
【0030】
本実施形態では、アンテナアレイ1024は、個々に別々に励起することができるアンテナエレメントのアレイである。アンテナアレイ1024のエレメントが受けた信号により、アンテナアレイ1024は、1つから4つの空間チャネルを放出することができる。このようにして形成された各空間チャネルは、通信デバイス1030、1050、及び1055の1以上に情報を搬送することができる。同様に、通信デバイス1030も、通信デバイス1010との間で信号を送受信するトランシーバ1040を含む。トランシーバ1040は、アンテナアレイ1044を含んでよく、IEEE802.11ahデバイスとも通信することができる。
【0031】
図1Aは、図1の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055等の無線通信デバイス間の通信を構築するための、プリアンブル構造1062を含む物理層プロトコルデータユニット(PPDU)1060の一実施形態である。PPDU1060はプリアンブル構造1062を含んでよく、プリアンブル構造1062では、単一の多入力多出力(MIMO)ストリームのための直交周波数分割多重(OFDM)トレーニングシンボルの次に信号フィールドが続いており、次に更なるMIMOストリーム用の更なるOFDMトレーニングシンボルが続いており、プリアンブル構造1060の後にはデータ1072ペイロードが含まれている場合もある。具体的には、PPDU1060では、ショートトレーニングフィールド(STF)1064の後にSTFのX個の繰り返し1065が続き、ロングトレーニングフィールド(LTF)1066の後にX個のLTFの繰り返し1067が続き、信号フィールド(SIG)1068の後にX個のSIGフィールドの繰り返し1069が続いていてよく、一部の実施形態では、更なるLTF等の更なるフィールド1070を設けることで、複数のストリームをサポートしてもよい。プリアンブル構造1062の後には、PPDU1060のペイロードであるデータ1072が続いていてよい。
【0032】
STF1064は、長さが0.8マイクロ秒(μs)×Nであってよい10個等の数のショートトレーニングシンボルを含んでよく、ここでNは、20MHzのチャネル間隔のダウンクロック係数を表す整数である。例えば、10MHzのチャネル間隔では、タイミングが2倍となる。20MHzのチャネル間隔におけるSTF1064の時間フレーム全体は、8μs×Nとなる。STF*X1065は、1から4の、STF1064の更なる繰り返しを含み、総時間フレームは、8μs×N×Xとなる。一部の実施形態では、プリアンブル構造1062は、STF1064の繰り返しのみを含み、LTF1066及びSIGフィールド1068の繰り返しは含まなくてもよい。更なる実施形態では、プリアンブル構造1062は、LTF1066及び/またはSIGフィールド1068の繰り返しを含んでいる。これは図1Aに示されている。
【0033】
LTF1066は、ガードインターバル(GI)シンボルと2つのロングトレーニングシンボルとを含む。ガードインターバルシンボルは、1.6μs×Nの期間を有してよく、各ロングトレーニングシンボルは、20MHzチャンル間隔の場合に3.2μs×Nの期間を有してよい。20MHzチャネル間隔の場合のLTF1066の時間フレーム全体は、8μs×Nとなる。LTF*X1067は、1から4の、LTF1066の更なる繰り返しを含み、総時間フレームは、8μs×N×Xとなる。
【0034】
SIGフィールド1068は、0.8μs×Nのガードインターバル(GI)シンボルと、7.2μs×Nの信号フィールドシンボルとを含んでよい。更なるフィールド1070は、必要な場合に、20MHzの場合に4μs×Nで更なるMIMOストリームに1以上のLTFシンボル等を含んでよい。一部の実施形態では、更なるフィールド1070は、さらに、プリアンブル構造1062で1以上の回数繰り返すことができる。例えば、更なるフィールド1070は、マルチストリームアンテナトレーニングについて更なるLTFシンボルを含むことができ、これらの更なるLTFシンボルは、LTFシンボルごとに4μs×Nの期間にX回繰り返されてよい。
【0035】
データ1072は、1以上のMACサブレイヤプロトコルデータユニット(MPDU)を含んでよく、1以上のGIを含んでよい。例えば、データ1072は、20MHzチャネル間隔で0.8μs×NのGIシンボルと、その後に、20MHzチャネル間隔で3.2μs×Nのペイロードデータを含む1以上のシンボルのセットを含んでよい。
【0036】
物理層及びMACサブレイヤのための論理はトランシーバと相互接続された別個のユニットとして描かれているが、一部の実施形態では、論理は、同じ機能を実施する1以上の他のデバイスと統合されていてもよい。
【0037】
図2は、無線ネットワークにおける直交周波数分割多重(OFDM)に基づく通信を送信する装置の一実施形態である。装置は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ論理201及び物理層論理202に連結されたトランシーバ200を含む。MACサブレイヤ論理201はフレームを生成し、物理層論理202は、フレーム(MPDU)をプリアンブルにカプセル化して、トランシーバ200を介して送信する物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を生成することができる。例えばフレーム構築器は、フレームが管理、制御またはデータフレームであるかを指定するタイプフィールドと、そのフレームの機能を特定するサブタイプフィールドとを含むフレームを生成してよい。制御フレームは、「送信準備済み」または「クリアトゥセンド」フレームを含んでよい。管理フレームは、ビーコン、プローブ応答、アソシエーション応答、及び、リアソシエーション応答フレームタイプを含んでよい。そしてデータタイプフレームは、データ送信するよう指定されている。
【0038】
物理層論理202のプリアンブルリピータ203は、PPDUのプリアンブルのSTF、LTF、及び/または、SIGフィールドを1以上の回数繰り返して、受信デバイスがプリアンブルを検知及び復号できる範囲を拡張することができる。例えば、範囲拡張は、STFで利用されるシーケンス数を拡張することにより可能となる。新たなSTFは、複数の時間領域波形セットを連結することで生成することができる。STFの時間領域シーケンスは、時間領域で以下のようにして得ることができる。
【数A】

ここで、NTxは、送信アンテナ数であり、
【数B】

は、STFペイロードのトーン数であり、w(t)はウィンドウ関数であり、γは、回転関数であり、NSRは、最高データサブキャリアであり、kはサブキャリアインデックスであり、Δは、サブキャリア周波数間隔である。
【0039】
一部の実施形態では、STFの時間領域シーケンスのうち3から5までが連結されてよい。従って、拡張されたSTFは、複数のシンボル(上で定義した時間領域シーケンス)を連結することで生成可能である。3つのシンボルにより、2MHzで160サンプルシーケンスの全部で12回の繰り返しが提供されてよい。5つのシンボルまでで、160サンプルシーケンスの20回の繰り返しが提供されてよい。時間領域シーケンスを3回繰り返す場合、最後のSTFは以下で与えられる。
【数C】

【0040】
トランシーバ200は、レシーバ204とトランスミッタ206とを含む。トランスミッタ206は、符号器208、インタリーバ209、変調器210、OFDMモジュール212、及びペイロードリピータ207の1以上を含んでよい。なお、一部の実施形態ではプリアンブルリピータ203は含まれているが、ペイロードリピータ207は含まれていない。
【0041】
トランスミッタ206の符号器208は、物理層論理202から送信するべきデータを受信する。物理層論理202は、データのバイト等のブロックまたはシンボルでデータをトランシーバ200に提示することができる。符号器208は、現在公知のまたは開発中の複数のアルゴリズムのうちのいずれかを利用してデータを符号化することができる。符号化は、複数の異なる目的のうちの1以上を達成することを目的として行われてよい。例えば、符号化は、送信される情報の各シンボルを転送するために送信されねばならない平均ビット数を低減させるために行うことができる。符号化は、レシーバでのシンボル検知にエラーが生じる確率を下げるために行うこともできる。符号器によって、データストリームには冗長性が追加される。冗長性を追加することで、情報を送信する際に必要となるチャネル帯域幅は増えるが、エラーは少なくなり、送信信号を低電力で送信することができるようになる。符号化には、更にセキュリティのための暗号化も含まれてよい。
【0042】
本実施形態では、符号器208が、バイナリ畳み込み符号化(BCC)または低密度パリティ検査符号化(LDPC)その他の符号化を実装してもよい。符号器210の出力は、1以上のデータストリームを介してインタリーバ209に供給される。一部の実施形態では、ストリームパーサは、符号器208とインタリーバ209との間に存在して、データを複数のデータストリームへとパースすることができる。
【0043】
多くの実施形態では、ペイロードリピータ207は、符号器208とインタリーバ209との間に配置または実装されて、データストリームの繰り返しを生成して、物理層論理202のPPDUのペイロードについて隣接した繰り返しを効果的に生成することができる。一部の実施形態では、ペイロードリピータ207は、繰り返しコードを含んでよい。本実施形態では、インタリーバ209のすぐ前のビットストリームのデータを繰り返す。更なる実施形態では、繰り返されるデータのシーケンスビットは、逆の順序にすることもできる。この方法により、同じ符号化されたビットを、送信パケットの異なる周波数ビンに異なる時点で置くことにより、パフォーマンスを上げることができるようになる。これにより、周波数及び時間両方のダイバーシティが達成される。
【0044】
インタリーバ209は、データストリームのビットをインタリーブするが、これは、この段階でしばしば、レシーバの復号器に隣接するノイズを有する長いビットシーケンスが入らないようにする空間ストリームと称される場合がある。インタリーバ209は、バッファ、キャッシュ、またはその他のメモリ等のメモリの行にデータを格納することにより、データストリームのデータビットをインタリーブすることができる。インタリーバ209は、データの各列を出力する。列には、メモリに格納されているデータの各行のデータビットが含まれてよい。行列の数は、サブキャリアの数、及び、各空間ストリームのキャリア(Nbpscs)ごとの符号化されたビットの数に応じて決定されてよい。
【0045】
トランスミッタ206の変調器210は、インタリーバ209からデータを受信する。変調器210の目的の1つに、符号器208から受信するバイナリデータの各ブロックを、アップコンバージョン及び増幅時にアンテナが送信可能な固有の連続時間波形に変換する、というものがある。変調器210は、受信したデータブロックが、選択された周波数の正弦曲線になるように、電圧を加える(impress)。具体的には、変調器210は、データブロックを、正弦曲線の、対応する離散した振幅のセット、または、正弦曲線の離散した位相のセット、または、正弦曲線の周波数に対する離散した周波数シフトのセットにマッピングする。変調器210の出力は、バンドパス信号である。
【0046】
一実施形態では、変調器210は、情報シーケンスからの2つの別個のkビットのシンボルに電圧を加えて2つの直交キャリア(cos(2πft)及びsin(2πft))にする直交振幅変調(QAM)を実施することができる。QAMは、2つのキャリア波の振幅を、振幅偏移変調(ASK)デジタル変調スキームを利用して変更する(変調する)ことにより、2つのデジタルビットストリームを伝達する。2つのキャリア波は、互いに対して90度位相がずれているので、直交キャリアまたは直交コンポーネントと称される。変調された波同士を合計して形成される波形は、PSK(位相変調方式)とASK(振幅偏移変調方式)両方の組み合わせとなる。少なくとも2つの位相及び少なくとも2つの振幅、という有限数の位相及び振幅が利用可能となる。
【0047】
一部の実施形態では、変調器210は、四位相偏移変調(QPSK)と称される、円の周りに均等間隔に設けられた4信号点配置図を利用して、符号器208から受信するデータのブロックをマッピングする。4つの位相により、QPSKはシンボルごとに2つのビットを符号化することができる。
【0048】
別の実施形態では、変調器210は、符号器208から受信したデータのブロックを、Iチャネル(「同位相」)と、Qチャネル(「直交位相」)と称される2つのチャネルまたはストリームに交互にマッピングするが、これはSQPSK(staggered quadrature phase-shift keying:スタッガード四相位相変調)と称されている。SQPSKは、信号キャリア波位相遷移が一度につき90度または1/4サイクルであるような位相変調方式(phase-shift keying)である。90度の位相シフトは、直角位相として知られている。単一の位相の遷移は、90度を超えない。SQPSKでは、0、+90、−90、180度という4つの状態が存在している。
【0049】
また別の実施形態では、変調器210は、符号器208から受信するデータブロックを、キャリアの離散した位相のセットへとマッピングして、PSK信号(位相変調された信号)を生成する。入力シーケンスのk=logN個のバイナリディジットのブロックを、N個の対応する位相θ=2π(n−1)/nのうちのいずれかにマッピングすることで、N位相のPSK信号を生成する(nは、N以下の正の整数である)。この結果生成される均等物であるローパス信号は、
【数D】

として表すことができる。ここでg(t−nT)は、例えばシンボル間干渉を低減させることで、レシーバで正確に検知される確率が向上するように最適化された形状を有する基本パルスである。このような実施形態では、PSKの最も簡単な形態であるBPSKが利用されてよい。BPSKは、180度で分離された2つの位相を利用しており、復調器が不正確な決定を生じてしまうような最高レベルのノイズまたは歪みをとることから、全てのPSKのうち最もロバストであるといえる。BPSKでは、信号位相に2つの状態(0及び180度)がある。通常、データは変調前に別々に符号化される。
【0050】
図2の変調器210は、ペイロードリピータ207に連結されており、一部の実施形態における、範囲を拡張する目的で1以上の回数データストリームのデータを効果的に繰り返す更なる変調及び符号化スキームを含むものとして示されている。この実施形態では、ペイロードリピータ207は、符号レートが1/4のBPSKの実装を表している。この変調及び符号化スキームは、強いコード(strong code)の利点を持つので、周波数及び時間のダイバーシティおよび符号化利得を向上させることができる。一実施形態では、コードは、135、135、147、及び163(オクテット単位)というジェネレータで形成される。比較すると、現在のレートでは1/2コードの自由距離は10であり、この新たなレートでは1/4コードの自由距離は20である。従って、この新たなコードを利用すると自由距離が二倍にある。
【0051】
変調器209の出力は、OFDMモジュール212に供給される。OFDMモジュール212は、時空ブロック符号化(STBC)モジュール211、デジタルビームフォーミング(DBF)モジュール214、及び、逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール215を含んでよい。STBCモジュール211は、変調器209から、1以上の空間ストリームに対する配置点を受信して、この空間ストリームを、より多い数の時空ストリーム(一般的にはデータストリームと称される)に拡散することができる。空間ストリームの数が時空ストリームの最大数であるような実施形態では、STBC211を、空間ストリームを通るように制御することができる。さらなる実施形態ではSTBCを省くこともできる。
【0052】
OFDMモジュール212は、OFDMシンボルとして形成された変調されたデータに電圧を加えて(impress)複数の直交サブキャリアにマッピングする。一部の実施形態では、OFDM212が、デジタルビームフォーミング(DBF)モジュール214を含む。デジタルビームフォーミング技術を利用して、無線システムの効率及びキャパシティを増加させることができる。一般的には、デジタルビームフォーミングでは、アンテナエレメントアレイが送受信する信号に対して、デジタル信号処理アルゴリズムが利用される。例えば、複数の空間チャネルが形成されてよく、各空間チャネルは、個々にステアリングされて、複数のユーザ端末それぞれから送受信される信号電力を最大化することができる。更に、デジタルビームフォーミングは、マルチパスフェージングを最小限に抑えたり、同一チャネル干渉を拒絶したりするために利用することもできる。
【0053】
OFDMモジュール212はさらに、OFDMシンボルに逆離散フーリエ変換(IDFT)を行う逆フーリエ変換モジュールを含んでもよい。ペイロードリピータ207は、STBC211とIFFT215との間で、周波数領域のデータストリームに対してOFDMシンボルを3から5つ繰り返すことで(例えば、各OFDMシンボルが、変調器210の後に設けられるトランスミッタブロックの最後で繰り返されるように繰り返すことで)、繰り返しコードのペイロードの削除及び復号性能を向上させることができる。一部の実施形態では、この繰り返しは、1/2の符号レートのBPSK変調と称されているMCS0構成でのみ実装されている。この方法により、組み合わせられたシンボルの信号対雑音比(SNR)を、1つの信号シンボルについて3デシベル(dB)程度も向上させることができる。シンボルは、送信チェーンの付近及び最終部分で繰り返されるので、同じビットが同じ周波数ビンに収まり、シンボル同士は時間的に隣り合わせに配置される。他の実施形態では、生成されるシンボルの繰り返し数はこれより多くても少なくてもよい。
【0054】
本実施形態では、IDFTは、IFFTモジュール215を含んで、IFFTをデータに行ってよい。例えば1MHzの帯域幅オペレーションでは、IFFTモジュール215は、32ポイントの逆FFTをデータストリームに行ってよい。
【0055】
ペイロードの削除及び復号性能を向上させるための、周波数領域の繰り返しに代わる方法として、ペイロードリピータ207は、IFFT215と例えばガードインターバル挿入との間で、時間領域のデータストリームに対してOFDMシンボルを3から5つ繰り返すこともできる。この方法でも、変調器210の後に設けられるトランスミッタブロックの付近または最終部分で、各OFDMシンボルが繰り返されることには変わりがない。一部の実施形態では、この繰り返しは、1/2の符号レートのBPSK変調についてのみ実装されている。
【0056】
IFFTモジュール215の出力は、より高いキャリア周波数にアップコンバージョンされてよい、あるいは、アップコンバージョンと統合して行うこともできる。送信前に信号をより高い周波数にシフトさせることにより、実際的な次元のアンテナアレイを利用することができるようになる。つまり、送信周波数が高くなるとアンテナを小型化することができるようになる。このような理由から、アップコンバータを利用して、変調された波形を正弦曲線で乗算して、該波形の中央周波数と正弦曲線の周波数との合計であるキャリア周波数の信号を得る。演算は三角関数の公式(sinAcosB=1/2[sin(A+B)+sin(A−B)])に基づいている。
【0057】
周波数の合計(A+B)の信号を通過させて、周波数の差分(A−B)の信号はフィルタリングして除く。このようにして、バンドパスフィルタは、送信する情報(キャリア(合計)周波数を中心に集まる)以外は全てフィルタリングにより除去することができて理想的である。
【0058】
トランシーバ200は更に、アンテナアレイ218に接続されたダイプレクサ216を含むことができる。従って本実施形態では、1つのアンテナアレイを送信及び受信両方に兼用する。送信時には、信号はダイプレクサ216を通過して、アップコンバージョンされた情報を含む信号xでアンテナが駆動される。送信中に、ダイプレクサ216は、送信信号がレシーバ204に入らないようにする。受信時には、アンテナアレイが受信する、情報を含む信号は、ダイプレクサ216を通過して、アンテナアレイからレシーバ204へと伝達される。ダイプレクサ216は、次に、受信した信号がトランスミッタ206に入らないようにする。このように、ダイプレクサ216は、アンテナアレイエレメントのレシーバ204及びトランスミッタ206に対する接続を交互に切り替えるスイッチとして動作する。
【0059】
アンテナアレイ218は、情報を含む信号を、レシーバのアンテナが受信可能な、時変、空間分布電磁エネルギー(time-varying, spatial distribution of electromagnetic energy)として放射する。次にレシーバは、受信した信号の情報を抽出することができる。アンテナエレメントのアレイは、システムパフォーマンスを最適化するためにステアリングすることのできる複数の空間チャネルを生成することができる。受信アンテナで放射パターンを有する複数の空間チャネルは、相互に、それぞれ異なる空間チャネルに分割することができる。従って、アンテナアレイ218の放射パターンは、高度な選択が可能である。アンテナアレイ218は、プリント回路基板のメタライゼーション技術を利用して実装することができる。アンテナアレイ218の候補となる例には、マイクロストリップ、ストリップライン、スロットライン、及びパッチ等がある。
【0060】
トランシーバ200は、情報を含む信号を受信、変調、及び復号するレシーバ204を含んでよい。レシーバ204は、STF、LTF、及び/またはSIGシンボルの繰り返し等の、プリアンブルの繰り返しシンボルを活用することのできる相関器223を含む。相関器223は、入力信号を、繰り返されるシンボルに関して長くなった(または拡張された)期間にわたって統合して、トランスミッタ206等のトランスミッタからの通信信号のプリアンブルを検知することで、繰り返されたシンボルを活用することができる。相関器223は、STF、LTF、及び/または信号フィールドシンボルの繰り返しを、STF、LTF、及び信号フィールドの既知のシーケンスと比較して、通信信号のプリアンブルを特定することで通信信号を検知することができる。
【0061】
例えば、農場(farm)用のIEEE802.11ahに準拠しているデータ収集局は、IEEE802.11ahに準拠している統合型の無線通信デバイスを有する低電力センサからデータを定期的に受信することができる。センサは、一定の期間、低電力モードに入って、データを収集するために定期的に起動して、センサが収集したデータを送信するために、定期的にデータ収集局と通信することができる。多くの実施形態では、センサは、STFシーケンスの3から5個の繰り返しでプリアンブルを決定する。一部の実施形態では、センサはさらに、ペイロードの繰り返しでPPDUを生成することで、センサが収集したデータの検知及び復号化性能を高める。データ収集局の相関器223は、次に、プリアンブルの3から5個の繰り返しを、STF、LTF、及び/または信号フィールドの既知のシーケンスと比較して、センサからの送信の受信を検知してよい。
【0062】
レシーバ204は、OFDMモジュール222、復調器224、デインタリーバ225、復号器226、及び、補正論理230のうち1以上を含んでよい。OFDM222は、複数のサブキャリアから信号情報をOFDMシンボルとして抽出して、この上に、情報を含む信号を変調する。
【0063】
OFDMモジュール222は、高速フーリエ変換(FFT)モジュール219、DBFモジュール220、及びSTBCモジュール221を含んでよい。受信された信号は、アンテナモジュール218からFFTモジュール219へと供給され、通信信号が時間領域から周波数領域へと変換される。一部の実施形態では、補正論理230は、ペイロードシンボルの複数の繰り返しを受信して、FFTモジュール219の前または後に、レシーバ214が受信したシンボルの繰り返しに基づいてシンボル内のエラーを解消してエラー補正が行われたシンボルを決定する。DBFモジュール220は、N個のアンテナ信号をL個の情報信号に変換する。STBCモジュール221は、時空ストリームからのデータストリームを空間ストリームに変換することができる。一実施形態では、FFTの出力データに、平行して復調を実行する。別の実施形態では、別の復調器224が復調を別個に行う。
【0064】
復調器224は空間ストリームを復調する。復調とは、空間ストリームからデータを抽出して、変調されていない(demodulated)空間ストリームを生成する処理のことである。復調方法は、その情報を受信キャリア信号上に変調した方法に応じたものであってよく、これに関する情報は、通信信号に含まれている送信ベクトル(TXVECTOR)に含まれている。従って、例えば変調がBPSKである場合には、復調は、位相検知を行い、位相情報をバイナリシーケンスに変換する処理となる。本実施形態では、復調器224が補正論理230に連結されており、復調器224が、既存の符号化スキームであるIEEE802.11n/acシステムに加えて、新たな変調及び符号化スキームである、符号レートが1/4のBPSKをも復調することができる論理を含んでいることを示している。
【0065】
復調器224は、情報ビットシーケンスをデインタリーバ225に提供する。デインタリーバ225は、データビット列を格納して、データ行を除去することで、データをデインタリーブすることができる。一部の実施形態では、補正論理230は、デインタリーバ225から出力された後のデータストリームのデータの繰り返しにエラー補正を行うことができる。
【0066】
復号器226は、復調器224から受信したデータを復号して、復号された情報であるMPDUを物理層論理202に送信する。一部の実施形態では、補正論理230は、データストリームに対してエラー補正を行うことができる。
【0067】
当業者であれば、トランシーバが、図2には不図示である複数の更なる機能を含むことができ、レシーバ204及びトランスミッタ206が、1つのトランシーバにパッケージ化されるのではなく、別個のデバイスであってもよいことを理解する。例えばトランシーバの実施形態には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、参照オシレータ、フィルタリング回路、空間マッパー、循環シフト挿入モジュール、ガードインターバル挿入モジュール、同期回路、またおそらくは複数の周波数変換段階及び複数の増幅段階等が含まれてよい。更に、図2に示す機能の一部を統合することもできる。例えばデジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重と統合されてもよい。
【0068】
多くの実施形態では、ペイロードリピータ207は、インタリーバ209の前、変調器210内、またはIFFT215の前または後などのOFDM212内、に、データストリーム内のある位置に実装されてよい。他の実施形態では、ペイロードリピータ207は、データストリームにおける2以上の位置に実装することもできる。同様に、一部の実施形態では、補正論理230は、FFT129の前、FFT219の後、変調器224内、またはデインタリーバ225の後、といった場所に実装することができる。他の実施形態では、補正論理230は2以上の位置に実装することもできる。
【0069】
図3は、図2に示すトランスミッタから通信を送信する際のフローチャートを示す。フローチャート300では4つの代替フローが示されている。具体的には、エレメント317、327、332、及び337が、4つの任意に実行してよいプロセスを示している。他の実施形態では、これら代替例であるエレメントの2以上を同じプロセス内に含めることもできる。
【0070】
フローチャート300は、フレーム構築器からフレームを受信することから開始される(エレメント305)。MACサブレイヤ論理は、他の通信デバイスに送信するフレームを生成して、物理層論理のデータユニット構築器に、このフレームをMPDUとして渡して、データユニット構築器は、このデータを、他の通信デバイスに送信することができるパケットに変換してよい。データユニット構築器は、STF、LTF、及び/またはSIGフィールドシーケンスの3から5個の連結された繰り返しを含むプリアンブルを生成することができる(エレメント307)。データユニット構築器は、次に、このプリアンブルを利用してPSDU(フレーム構築器からのMPDU)をカプセル化して、送信用のPPDUを形成してよい(エレメント310)。一部の実施形態では、1を超える数のMPDUをPPDUにカプセル化する。
【0071】
フローチャート300では次に、トランスミッタ206等のトランスミッタが、物理層論理からPPDUを受信する。トランスミッタは、バイナリ畳み込み符号化(BCC)または低密度パリティ検査符号化でPPDUを符号化して(エレメント315)、データ送信のエラーを制御する。より詳しくは、トランスミッタは、BBCまたはLDPC等のPPDUのプリアンブルに記述されている1以上の符号化スキームによりPPDUを符号化してよい。
【0072】
フレームの符号化の後に、一部の実施形態では、トランスミッタは、ビットストリームを1以上の回数繰り返して、ペイロードの繰り返しを提供することができる(エレメント317)。一部の実施形態では、トランスミッタは、さらに、逆の順序でもビットストリームのビットの繰り返しシーケンスを生成してよい。
【0073】
トランスミッタは、1以上のデータストリーに、フレームをインタリーブすることができる(エレメント320)。例えば、トランスミッタのインタリーバは、例えばストリームパーサからの複数のデータストリームのデータで、フレームを受信することができる。インタリーバは次に、このデータストリームからのデータを、メモリの行に格納して、メモリの列のデータストリームとしてデータを出力して、送信用のデータビットをインタリーブすることができる。
【0074】
トランスミッタは、BPSK、16QAM、64QAM、256QAM、QPSK、またはSQPSK等のプリアンブルが示す変調及び符号化スキームで、データストリームを変調することができる(エレメント325)。例えば、コンステレーションマッパーが、データストリームのビットシーケンスを配置点にマッピングすることができる(複素数)。一部の実施形態では、トランスミッタが、データストリームを、1/4の符号レートのBPSK変調でデータストリームを変調して(エレメント327)、ペイロードのシンボルを効果的に繰り返すこともできる。
【0075】
トランスミッタのOFDMモジュールは、配置点のデータストリームを、OFDMシンボルとして送信チェーンにマッピングすることができる(エレメント330)。例えばOFDMモジュールは、配置点の空間ストリームを時空ストリームにマッピングするSTBC符号器と、時空ストリームを、サブキャリアで符号化されたOFDMシンボルとして送信チェーンにマッピングする空間マッパーとを含んでよい。空間マッパーは、各時空ストリームの配置点を直接、送信チェーンにマッピングする(一対一のマッピング)、という直接マッピングを提供することもできる。空間マッピングはまた、全ての時空ストリームの配置点のベクトルを、行列乗算して拡張することで、全ての送信チェーンへのOFDMシンボルの入力を生成する、という空間拡張を行ってもよい。あるいは、空間マッパーは、全ての時空ストリームの配置点の各ベクトルを、ステアリングベクトル行列で乗算して、送信チェーンへの入力としてOFDMシンボルを生成する、という方法をとることもできる。
【0076】
一部の実施形態では、データストリームをOFDMシンボルとしてマッピングした後に、送信チェーンのペイロードの繰り返しを含むようにシンボルを繰り返して(エレメント332)、レシーバがペイロードを効果的に検知及び復号できる範囲を拡張することもできる。
【0077】
トランスミッタは、逆フーリエ変換により、OFDMシンボルを時間領域に変換してよい(エレメント335)。一部の実施形態では、シンボルを時間領域に変換した後で、送信チェーンのペイロードの繰り返しを含むようにこのシンボルを繰り返すことができる(エレメント337)。この後で、トランスミッタは、送信用のOFDMシンボルをアップコンバージョンして(エレメント340)、このOFDMシンボルを通信信号としてアンテナに送信して、別の通信デバイスへの送信に備えさせることができる(エレメント345)。送信すべきフレームがまだある場合(エレメント360)、エレメント305からの処理を再開してよい。
【0078】
図4は、図2に示すレシーバにおいて通信を受信する際のフローチャート400を示す。フローチャート400には4つの代替フローが示されている。具体的には、エレメント412、417、427、及び433が、4つの任意に実行してよいプロセスを示している。他の実施形態では、これら代替例であるエレメントの2以上を同じプロセス内に含めることもできる。
【0079】
フローチャート400は、レシーバ204等のレシーバが、通信信号を、プリアンブルの既知のシーケンスと相関付けすることで、通信信号を検知することから開始される(エレメント403)。フローチャート400は、次に、アンテナアレイ218のアンテナエレメント等の1以上のアンテナ経由で、トランスミッタからの通信信号を受信する(エレメント405)。レシーバは、通信信号をダウンコンバートして(エレメント410)より低い周波数にしてよい。一部の実施形態では、この後に、レシーバが、ペイロードのシンボルにエラー補正を行い、ペイロードの繰り返しを活用して、エラーが補正されたシンボルを決定することができる(エレメント412)。
【0080】
レシーバは、通信信号を、FFTにより周波数領域に変換することができる(エレメント415)。一部の実施形態では、レシーバは、ペイロードシンボルの繰り返しに基づいて周波数領域にシンボルを変換した後で、ペイロードのシンボルにエラー補正を行ってよい(エレメント417)。
【0081】
トランスミッタは、通信信号からOFDMシンボルを抽出して(エレメント420)、OFDMシンボルを復調して、復調されたシンボルのデータストリームを生成してよい(エレメント425)。例えば復調器224等の復調器は、データストリームを、BPSK、16QAM、64QAM、256QAM、QPSK、またはSQPSKにより復調する。一部の実施形態では、復調器は、符号レートが1/4のBPSK変調に基づいてデータストリームを復調してよい(エレメント427)。
【0082】
デインタリーバは、復調されたデータストリームを受信して、列にデータを格納して、行のデータを除去することで、データストリームをデインタリーブしてよい。一部の実施形態では、レシーバは、データストリームをデインタリーブした後で、このデータストリームにエラー補正を行い、データストリーム内に繰り返されているシンボルのエラーを補正することもできる(エレメント433)。
【0083】
復号器226等の復号器は、BCCまたはLDPCにより、復調器からのデータストリームを復号してPPDUを決定することができる(エレメント435)。トランスミッタは次に、PPDUからMPDUを抽出して(エレメント440)、このMPDUを、MACサブレイヤ論理201等のMACサブレイヤ論理に送信してよい(エレメント445)。
【0084】
別の実施形態として、図1から図4に記載するシステム及び方法を実装するためのプログラムプロダクトとして実装されるものがある。一部の実施形態は、その全体がハードウェアの実施形態であったり、全体がソフトウェアの実施形態であったり、または、ハードウェアエレメント及びソフトウェアエレメント両方を含んでいたりする実施形態であったりしてよい。一実施形態では、これらに限定はされないがファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むソフトウェアに実装されるものもある。
【0085】
更に、実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムにより利用される、またはそれらと関連したコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み出し可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクト(または機械アクセス可能プロダクト)の形態をとることもできる。記載の便宜上、コンピュータ利用可能またはコンピュータ読み出し可能媒体とは、命令実行システム、装置、またはデバイスにより利用される、またはそれらと関連したプログラムを含んだり、格納したり、通信したり、伝播させたり、トランスポートしたりすることのできる任意の装置であってよい。
【0086】
媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体システム(または装置またはデバイス)であってよい。コンピュータ可読媒体の例には、半導体または固体のメモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リジッドな磁気ディスク、及び光ディスクが含まれてよい。現在の光ディスクの例には、CD−ROM,CD−R/W、及びDVDが含まれてよい。
【0087】
プログラムコードの格納及び/または実行に適したデータ処理システムは、直接または間接にメモリエレメントにシステムバスを介して連結された少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。メモリエレメントは、少なくとも一部のプログラムコードを一時的に格納して、実行中のバルクストレージから取得するべき時間コード数を減らすためのプログラムコード、バルクストレージ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0088】
上述した論理は、集積回路チップのための設計の一部であってよい。チップ設計は、グラフィックコンピュータプログラミング言語で生成されて、コンピュータ格納媒体(例えばディスク、テープ、物理ハードドライブ、または格納アクセスネットワーク内のような仮想ハードドライブ)に格納される。設計者が、チップ生成時に利用されるチップまたはフォトリソグラフィーを生成しない場合には、設計者は、生成する設計を物理的手段により送信する(例えば、設計を格納した格納媒体のコピーを提供すること等により)、または、電子的に(例えばインターネット経由で)これら実体に直接または間接に送信することにより提供する。格納される設計は、次に製造に適したフォーマット(例えばGDSII)に変換される。
【0089】
生成される集積回路チップは、生のウェハ(つまり、複数のパッケージ化されていないチップを有する単一のウェハとして)、覆われていないダイ(bare die)の形態で提供されても、またはパッケージ化された形態で製造業者により提供されてよい。後者の場合には、チップはシングルチップパッケージ(例えばプラスチックキャリア等、マザーボードまたはその他のより高位のキャリアに添付されたリードを含む)、または、マルチチップパッケージ(表面相互接続機構または埋め込み型相互接続機構のいずれかまたは両方を有するセラミック製のキャリア)に搭載される。いずれの場合にも、チップは、他のチップ、離散した回路エレメント、及び/または、他の信号処理デバイスと、例えば(a)マザーボード等の中間製品、または(b)最終製品の一部として集積される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリアンブルを介して通信する方法であって、
物理層論理により、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及び信号フィールドの繰り返しで、直交周波数分割多重通信のための前記プリアンブルを生成する段階と、
媒体アクセス制御サブレイヤ論理で生成されたフレームを受信する段階と、
前記物理層論理により、前記フレームを前記プリアンブルにカプセル化して、物理層プロトコルデータユニットを生成する段階と
を備える方法。
【請求項2】
アンテナにより、前記プリアンブルによりカプセル化されている前記フレームを送信する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体アクセス制御サブレイヤ論理により、メモリに前記プリアンブルを格納する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリアンブルを生成する段階は、
更なるストリーム用の更なるトレーニングシーケンスの繰り返しで、前記プリアンブルを生成する段階を有し、
前記更なるトレーニングシーケンスは、前記プリアンブルの前記信号フィールドに後続する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
データストリームをインタリーブする前に、前記データストリームのペイロードのデータを繰り返して、前記繰り返されたデータのビットの順序を逆にすることで、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記データの変調の後であってガードインターバルの挿入の前に、データストリームのペイロードのデータを繰り返すことにより、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
符号レートが1/4である二相位相変調方式(BPSK)でデータストリームを変調する段階をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項8】
プリアンブルを介して通信するデバイスであって、
メモリと、
前記メモリに連結されて、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及び信号フィールドの繰り返しで前記プリアンブルを生成して、媒体アクセス制御サブレイヤ論理が生成したフレームを受信して、前記フレームを前記プリアンブルにカプセル化して物理層プロトコルデータユニットを生成するデータユニット構築器と
を備えるデバイス。
【請求項9】
前記データユニット構築器に連結され、前記プリアンブルがカプセル化している前記フレームを送信するトランスミッタをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記メモリには、前記プリアンブルの少なくとも一部を格納するために、前記データユニット構築器のメモリが連結される請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
前記データユニット構築器は、更なるストリームの更なるトレーニングシーケンスの繰り返しで前記プリアンブルを生成し、
前記更なるトレーニングシーケンスは、前記プリアンブルの前記信号フィールドに後続する請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
データストリームをインタリーブする前に、前記データストリームのペイロードのデータを繰り返して、前記繰り返されたデータのビットの順序を逆にすることで、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成するトランスミッタをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記データの変調の後であってガードインターバルの挿入の前に、データストリームのペイロードのデータを繰り返すことにより、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成するトランスミッタをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項14】
符号レートが1/4である二相位相変調方式(BPSK)でデータストリームを変調するトランスミッタをさらに備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項15】
プリアンブルを介して通信するシステムであって、
ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及び信号フィールドの繰り返しで前記プリアンブルを生成して、媒体アクセス制御サブレイヤ論理が生成したフレームを受信して、前記フレームを前記プリアンブルにカプセル化して物理層プロトコルデータユニットを生成するデータユニット構築器と、
前記データユニット構築器に連結されたトランスミッタと、
前記データユニット構築器からの前記フレームを送信するアンテナアレイと
を備えるシステム。
【請求項16】
前記データユニット構築器は、更なるストリームの更なるトレーニングシーケンスの繰り返しで前記プリアンブルを生成し、
前記更なるトレーニングシーケンスは、前記プリアンブルの前記信号フィールドに後続する請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記トランスミッタは、データストリームをインタリーブする前に、前記データストリームのペイロードのデータを繰り返して、前記繰り返されたデータのビットの順序を逆にすることで、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成するペイロードリピータを有する請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記トランスミッタは、前記データの変調の後であってガードインターバルの挿入の前に、データストリームのペイロードのデータを繰り返すことにより、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成するペイロードリピータを有する請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記トランスミッタは、符号レートが1/4である二相位相変調方式(BPSK)でデータストリームを変調する変調器を有する請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
機械アクセス可能プロダクトであって、
実行されるとトランスミッタにオペレーションを実行させる直交周波数分割多重通信のための命令を有する媒体を備え、
前記オペレーションは、データストリームのペイロードのデータを繰り返すことで、物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成することを含む機械アクセス可能プロダクト。
【請求項21】
前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成することは、
データストリームをインタリーブする前に、前記データストリームのペイロードのデータを繰り返して、前記繰り返されたデータのビットの順序を逆にすることで、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成することを含む請求項20に記載の機械アクセス可能プロダクト。
【請求項22】
前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成することは、
前記データの変調の後であってガードインターバルの挿入の前に、データストリームのペイロードのデータを繰り返すことにより、前記物理層プロトコルデータユニットのペイロードの繰り返しを生成することを含む請求項20に記載の機械アクセス可能プロダクト。
【請求項23】
プリアンブルを介して通信する方法であって、
相関論理により、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及び信号フィールドの繰り返しで前記プリアンブルを含む通信信号を受信する段階と、
前記相関論理により、前記プリアンブルの前記ショートトレーニングフィールドの繰り返しを、既知のショートトレーニングフィールドシーケンスと比較して、前記通信信号を検知する段階と
を備える方法。
【請求項24】
アンテナにより、前記プリアンブルによりカプセル化されているペイロードを受信する段階をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記通信信号のペイロードの繰り返しに基づいて、前記ペイロードにエラー補正を行う段階をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記ショートトレーニングフィールドの繰り返しで初期パラメータ推定を行う段階をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ロングトレーニングフィールドの繰り返しで細かいパラメータ推定を行う段階をさらに備える請求項23に記載の方法。
【請求項28】
プリアンブルを介して通信するデバイスであって、
アンテナと、
前記アンテナに連結されて、ショートトレーニングフィールド、ロングトレーニングフィールド、及び信号フィールドの繰り返しで前記プリアンブルを含む通信信号を受信して、前記プリアンブルの前記ショートトレーニングフィールドの繰り返しを、既知のショートトレーニングフィールドシーケンスと比較して、前記通信信号を検知するレシーバと
を備えるデバイス。
【請求項29】
前記レシーバは、前記通信信号のペイロードの繰り返しに基づいて、前記ペイロードにエラー補正を行う論理を有する請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記レシーバは、前記ショートトレーニングフィールドの繰り返しで初期パラメータ推定を行い、前記ロングトレーニングフィールドの繰り返しで細かいパラメータ推定を行う論理を有する請求項28に記載のデバイス。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−235449(P2012−235449A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−61803(P2012−61803)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)