説明

低電力無線ネットワーク用の方法及び装置

【課題】1GHzまたはそれ以下の周波数帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムを提供する。
【解決手段】物理層論理が、新たな信号フィールドを有する新たなプリアンブル構造を実装する場合もある。新たなプリアンブル構造に基づいて、プリアンブル構造及び/またはプリアンブルを機械アクセス可能な媒体に格納することができる。新たなプリアンブル構造との通信の生成及び送信が行われて良い。新たなプリアンブル構造との通信の受信及び検知が行われてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は無線通信分野に係る。より詳しくは、実施形態は、無線を利用するトランスミッタとレシーバとの間の通信プロトコル分野に属する。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【図1】複数の固定型または移動型の通信デバイスを含む、複数の通信デバイスを含む無線ネットワークの一例を示す実施形態である。
【図1A】無線通信デバイス間で通信を構築するためのプリアンブルの一実施形態である。
【図1B】無線通信デバイス間で通信を構築するためのプリアンブル構造の別の実施形態である。
【図1C】信号フィールドの一実施形態である。
【図1D】無線通信デバイス間で通信を構築するための保護メカニズムを有するプロトコルの一実施形態である。
【図2】無線ネットワークで直交周波数分割多重(OFDM)を利用する通信を生成して送信する装置の一実施形態である。
【図3】図1A及び図1Bに示すプリアンブル構造等のプリアンブル構造を生成するフローチャートの一実施形態である。
【図4A】図2に示すトランスミッタとレシーバとの間の通信を送信・受信する際のフローチャートの実施形態を示す。
【図4B】図2に示すトランスミッタとレシーバとの間の通信を送信・受信する際のフローチャートの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0003】
添付図面に示す新規な実施形態の詳細な記載を示す。しかし、提供される詳細の量は、記載される実施形態の予期される変形例を制限するものではなく、請求項及び詳細な記載は、全ての変形例、修正例、及び均等物を、添付請求項が定義する本教示の精神及び範囲内に属するものとする。以下の詳細な記載は、これら実施形態を当業者に理解してもらうことを目的にしている。
【0004】
実施形態は、1GHzまたはそれ以下の周波数帯域で動作する直交周波数分割多重(OFDM)システムを含んでよい。多くの実施形態において、物理層論理が、新たな信号フィールドを有する新たなプリアンブル構造を実装する場合もある。一部の実施形態では、屋内及び/または屋外の「スマート」グリッド及びセンササービス等が提供される場合もある。例えば一部の実施形態では、特定のエリア内の1または複数の家庭の電気、水、ガス、及び/または、その他の公共設備利用を計測して、これら公共サービスの利用状況を計測サブステーションへ無線で送信するためのセンサが提供される。更なる実施形態では、家庭のヘルスケア、クリニック、または病院においてセンサを利用して、患者のヘルスケア関連の事象及び目に見える兆候(例えば下がったことの検知、薬瓶の監視、重量の監視、睡眠時の無呼吸、血糖値レベル、心調律等)をモニタする。これらサービス用に設計される実施形態は概して、IEEE802.11n/acシステムで提供されるデバイスよりもデータレートがずっと低く、消費する電力もずっと低い(超低である)。
【0005】
一部の実施形態では、この低いデータレート及び超低である消費電力要件を満たすための新たな特徴を有するIEEE802.11n/acを再利用することにより、ハードウェア実装を再利用して、実装コストを削減している。一部の実施形態では、新たなプリアンブル構造が、IEEE802.11ac及びIEEE802.11agシステムからのショートトレーニングフィールド(STF)及びロングトレーニングフィールド(LTF)を利用することで、実装コストを低減させることができる。更なる実施形態では、複数のストリームを利用可能としている。一部の実施形態では、マルチユーザ、多入力多出力(MIMO)を実装していないレガシーのトレーニングフィールド及びレガシーの署名を実装しないものもある。また、一部の実施形態はビームフォーミングを利用するものもある。
【0006】
1GHz及びそれ以下の周波数帯域では、利用可能な帯域幅が限られているので、20、40、80、及び160MHzの帯域幅を利用するIEEE802.11n/acのタイプのシステムが、一部の地理的領域には実施不可能な場合がある。多くの実施形態では、システムが、約1MHzから10MHzのオーダの帯域幅を有している。一部の実施形態では、802.11n/acタイプのシステムは、より低い帯域幅を達成するためにダウンクロックされる場合がある。例えば多くの実施形態は、例えば20MHzをNで除算する、といったように、Nでダウンクロックされてよい(ここではNを、2、4、8、10、及び20という値として、これにより、10、5、2.5、2、及び1MHz帯域幅のオペレーションとする)。更なる実施形態は、例えば160MHzをNで除算する、といったように、Nによりダウンクロックされていてもよい(ここではNを、10,20、40、80、及び160という値として、これにより、16、8、4、2、及び1MHz帯域幅のオペレーションとする)。また一部の実施形態では、帯域幅が、IEEE802.11acシステムのトーン・カウントに基づいていてもよい。一部の実施形態では、トーン・カウントがIEEE802.11acシステムと同じであってもよいし、他の実施形態では、IEEE802.11acシステムから、例えばより低い帯域幅には不要なトーン・カウントを除去したような、異なるものであってもよい。
【0007】
プリアンブル構造の実施形態は、11ah−SIGという新たな信号フィールドを実装することができる。このプリアンブル構造は、1つのストリームオペレーション用にアンテナをトレーニングして、次いで、信号フィールド及びデータペイロードを後続させる、というSTF及びLTFを定義することができる。一部の実施形態では、信号フィールドの前に、ガードインターバル(GI)があって、後には、多入力多出力(MIMO)ストリームを追加できるように追加のLTFが続く。単一のストリームを介してしか通信しない他の実施形態では、この追加のLTFは含まれなくてもよい。
【0008】
ここに記載する論理、モジュール、デバイス、及びインタフェースは、ハードウェア及び/またはコードで実装することができる機能を実行してよい。ハードウェア及び/またはコードは、関連機能を実施するよう設計されたソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、プロセッサ、状態マシン、チップセット、またはこれらの組み合わせを含んでよい。
【0009】
実施形態によって無線通信を行いやすくなる。一部の実施形態では、Bluetooth(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラーネットワーク、IEEE(アイトリプルイー)802.11―2007、情報技術のためのIEEE規格−システム間のテレコミュニケーション及び情報交換−ローカルエリアネットワーク及びメトロポリタンエリアネットワーク−特定の要件−パート11:無線LANメディアアクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様(http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11-2007.pdf)、これらのデバイス間の相互作用を促すための、ネットワークにおける通信、メッセージングシステム、及びスマートデバイスが統合されていてよい。更に、1つのアンテナを利用する無線の実施形態があれば、複数のアンテナを利用する無線の実施形態があってもよい。
【0010】
図1は、無線通信システム1000の一実施形態を示している。無線通信システム1000は、ネットワーク1005に有線または無線で接続されている通信デバイス1010を含む。通信デバイス1010は、ネットワーク1005経由で複数の通信デバイス1030、1050、及び1055と無線通信することができる。通信デバイス1010、1030、1050、及び1055には、センサ、ステーション、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルータ、コンピュータ、ラップトップ、ノートブック、セルラーフォン、PDA(携帯情報端末)、その他の無線利用可能なデバイスが含まれてよい。このように、通信デバイスはそれぞれ移動型であっても固定型であってもよい。一例として、通信デバイス1010は、ある範囲の家庭のための消費水量の計測サブステーションを含んでもよい。この範囲の各家庭に、通信デバイス1030等の通信デバイスが含まれていてよく、この通信デバイス1030が、利用水計測器に統合、連結されてよい。通信デバイス1030は定期的に、この計測サブステーションに通信を自分から働きかけ、水利用に関するデータを送信することができる。更に、計測ステーションその他の通信デバイスも、定期的に、自分から通信デバイス1030に通信を働きかけることができる(通信デバイス1030のファームウェアの更新を行うため等の目的で)。他の実施形態では、通信デバイス1030が通信に対する応答しかせず、自分から通信を働きかけるための論理は有さなくてもよい。
【0011】
更なる実施形態では、通信デバイス1010は、データオフロードを行うことができる。例えば、低電力センサである通信デバイスが、Wi−Fi等を介して、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等との通信用にデータオフロードスキームを含むことで、計測ステーションへのアクセスのための待ち時間における、及び/または、帯域幅の益々増えた用途における消費電力を低減させることが可能となる。計測ステーション等のセンサからデータを受信する通信デバイスも、Wi−Fiを介して、別の通信デバイス、セルラーネットワーク等との通信用にデータオフロードスキームを含むことで、ネットワーク1005の混雑度合いを低減させることが可能となる。
【0012】
ネットワーク1005は、複数のネットワークの間の相互接続を表していてよい。例えばネットワーク1005は、ワイドエリアネットワーク(例えばインターネットまたはイントラネット)と連結して、1以上のハブ、ルータ、またはスイッチを介して有線または無線で相互接続されているローカルデバイス間を相互接続することができる。この実施形態では、ネットワーク1005は、通信デバイス1010、1030、1050、及び1055を通信可能に連結する。
【0013】
通信デバイス1010及び1030は、メモリ1011及び1031、並びに、メディアアクセス制御(MAC)サブレイヤ論理1018及び1038をそれぞれ含んでいる。メモリ1011、1031(例えばダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)である)は、フレーム、プリアンブル、及びプリアンブル構造1014及び1034、またはこれらの一部を格納してよい。フレーム(MAC層プロトコルデータユニット(MPDU)とも称される)及びプリアンブル構造1014及び1034によって、送信デバイスと受信デバイスとの間の同期通信を構築したり維持したりすることができる。プリアンブル構造1014及び1034は、更に、通信フォーマット及びレートを構築することができる。特に、プリアンブル構造1014及び1034に基づいて生成または決定されたプリアンブルは、例えばアンテナアレイ1024及び1044をトレーニングすることで、互いに通信させ、通信用の変調及び符号化スキーム、通信用の帯域幅(1または複数)、送信ベクトル(TXベクトル)の長さ、ビームフォーミング適用の是非等を構築することができる。
【0014】
MACサブレイヤ論理1018はフレームを生成してよく、物理層(PHY)論理1019、1039は、物理層データユニット(PPDU)を生成することができる。より詳しくは、フレーム構築器1012及び1032がフレームを生成してよく、データユニット構築器1013及び1033がPPDUを生成してよい。データユニット構築器1013及び1033は、フレーム構築器1012及び1032が生成するフレームを含むペイロードをカプセル化することでPPDUを生成してよい。本実施形態では、データユニット構築器1013及び1033は、それぞれプリアンブル構造1014及び1034に基づいてプリアンブルを含むフレームをカプセル化することができ、1以上のRFチャネルを介して送信するためのペイロードを接頭辞として付けることができる。データユニット構築器(例えばデータユニット構築器1013または1033)の機能は、ビットグループをプリアンブル及びペイロードを構成するコードワードまたはシンボルにアセンブルして、シンボルを、それぞれアンテナアレイ1024及び1044を介して送信するための信号にそれぞれ変換することができるようにする、というものである。
【0015】
各データユニット構築器1013、1031は、信号フィールド1015、1035を含むプリアンブル構造1014、1034を供給して、プリアンブル構造1014、1034に基づいて生成したプリアンブルを、プリアンブルの生成中及び/または生成後にメモリ1011、1031に格納することができる。本実施形態では、プリアンブル構造1014、1034は、信号フィールド1015、1035、及びデータペイロードの前に、1つのショートトレーニングフィールド(STF)及び1つのロングトレーニングフィールド(LTF)を含んでよい。STF及びLTFは、直交周波数信号の間で、相対周波数、振幅、及び位相の変化に関する計測等、通信関連の計測を行って、アンテナアレイ1022及び1024を、互いに通信するようトレーニングする。特に、STFは、パケット検知、自動利得制御、及び粗い周波数計測のために利用することができる。LTFは、空間チャネル用の、チャネル推定、タイミング、及び、細かい周波数推定に利用することができる。
【0016】
信号フィールド1015、1035は、例えば、変調及び符号化スキームMCS、帯域幅、長さ、ビームフォーミング、時空ブロック符号化(STBC)、符号化、アグリゲーション、短いガードインターバル(短いGI)、巡回冗長検査(CRC)、及びテール部(tail)を表すビットを含む、通信構築に関するデータを提供する。例えば一部の実施形態では、信号フィールド1015、1035は、符号レートが1/2である二相位相変調方式(BPSK)、符号レートが3/4である直交振幅変調(256−QAM)を含むMCSを含んでよい。更なる実施形態では、信号フィールド1015、1035は、SQPSK(Staggered-Quadrature, Phase-Shift Keying:スタッガード四相位相変調)等の変調技術を含む。多くの実施形態では、MCSは、1から4の空間ストリームとの通信を構築する。
【0017】
一部の実施形態では、信号フィールド1−1015、1035は、複数の帯域幅(例えば、20メガヘルツ(MHz)をNで除算したもの、40MHzをNで除算したもの、80MHzをNで除算したもの、160MHzをNで除算したもの、Nは整数であり、帯域幅は1MHzと10MHzとの間となる)を含む。例えば帯域幅は、160MHzをNで除算した値を含み、Nは160、80、40、20、及び10を含み、これによって、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHzが生じる。更なる実施形態では、例えば帯域幅が、20MHzをNで除算した値を含み、Nは2、4、8、10、16、及び20を含み、これによって、1MHz、1.25MHz、2MHz、2.5MHz、5MHz、及び10MHzとなる。
【0018】
通信デバイス1010、1030、1050、及び1055は、それぞれ、例えばトランシーバ(RX/TX)1020及び1040等のトランシーバ(RX/TX)を含んでよい。各トランシーバ1020、1040は、RFトランスミッタ及びRFレシーバを含む。各RFトランスミッタは、RF周波数にデジタルデータを電圧をかけて提供し(impress)、データを電磁波で送信可能にする。RFレシーバは、RF周波数で電磁エネルギーを受信して、デジタルデータを抽出する。図1は、4つの空間ストリームを有する多入力多出力(MIMO)システムを含む、複数の実施形態を示しており、これには、最新ではないシステム(degenerate systems)が含まれていてもよい。つまり、最新ではないシステムとは、1以上の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055が、単一入力単一出力(SISO)システム、単一入力多出力(SIMO)システム、及び、多入力単一出力(MISO)システムを含む、単一のアンテナを有するレシーバ及び/またはトランスミッタを含むようなものである。図1の無線通信システム1000は、IEEE(アイトリプルイー)802.11ahシステムであることが意図されている。同様に、デバイス1010、1030、1050、及び1055も、IEEE802.11ahデバイスとして意図されている。
【0019】
多くの実施形態では、トランシーバ1020及び1040は、直交周波数分割多重(OFDM)を実装している。OFDMは、複数のキャリア周波数にデジタルデータを符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方法として利用される周波数分割多重化スキームである。多数の空間的に密な直交サブキャリア信号が、データの搬送に利用される。データは、サブキャリアごとに1つ、といったように、複数の並列データストリームまたはチャネルに分割される。各サブキャリアは、低いシンボルレートの変調スキームで変調され、同じ帯域幅の従来のシングルキャリア変調スキームと、全体としては同様のデータレートを保つことができる。
【0020】
OFDMシステムでは、データ、パイロット、ガード、及びヌル化(nulling)を含む機能のために、幾つかのキャリア、または「トーン」が利用される。データトーンは、チャネルのうちいずれかを介してトランスミッタとレシーバとの間で情報を転送させるために利用される。パイロットトーンは、チャネル維持に利用され、時間/周波数及びチャネルトラッキングに関する情報を提供することができる。ガードトーンは、送信中にSTF及びLTFシンボル等のシンボルの間に挿入されることで、マルチパスの歪みにつながりかねないシンボル間干渉(ISI)を起こさないようにすることができる。このガードトーンは、更に、信号をスペクトルマスクに則ったものとする手助けも行う。更に、直流成分(DC)をヌルにする(ヌル化)機能によって、ダイレクトコンバージョン方式のレシーバの設計を簡略化することができる。
【0021】
一実施形態では、通信デバイス1010は、オプションとして、破線で示すデジタルビームフォーマ(DBF)1022を含んでもよい。DBF1022は、情報信号を、アンテナアレイ1024のエレメントに与えられる信号に変換する。アンテナアレイ1024は、個々に別々に励起することができるアンテナエレメントのアレイである。アンテナアレイ1024のエレメントが受けた信号により、アンテナアレイ1024は、1つから4つの空間チャネルを放出することができる。このようにして形成された各空間チャネルは、通信デバイス1030、1050、及び1055の1以上に情報を搬送することができる。同様に、通信デバイス1030も、通信デバイス1010との間で信号を送受信するトランシーバ1040を含む。トランシーバ1040は、アンテナアレイ1044を含んでよく、またオプションとして、DBF1042を含んでよい。トランシーバ1040は、デジタルビーム形成と平行して、IEEE802.11ahデバイスとも通信することができる。
【0022】
図1Aは、図1の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055等の無線通信デバイス間の通信を構築するための、プリアンブル構造1062を含む物理層プロトコルデータユニット(PPDU)1060の一実施形態である。PPDU1060はプリアンブル構造1062を含んでよく、プリアンブル構造1062では、単一の多入力多出力(MIMO)ストリームのための直交周波数分割多重(OFDM)トレーニングシンボルの次に信号フィールドが続いており、次に更なるMIMOストリーム用の更なるOFDMトレーニングシンボルが続いており、プリアンブル構造1060の後にはデータペイロードが含まれている場合もある。具体的には、PPDU1060は、ショートトレーニングフィールド(STF)1064、ロングトレーニングフィールド(LTF)1066、11AH−SIG1068、更なるLTF1069、及びデータ1070を含んでいてよい。STF1064は、長さが0.8マイクロ秒(μs)×Nであってよい10個等の数のショートトレーニングシンボルを含んでよく、ここでNは、20MHzのチャネル間隔のダウンクロック係数を表す整数である。例えば、10MHzのチャネル間隔では、タイミングが2倍となる。20MHzのチャネル間隔におけるSTF1064の時間フレーム全体は、8μs×Nとなる。
【0023】
LTF1066は、1つのガードインターバル(GI)シンボルと、2つのロングトレーニングシンボルとを含んでよい。ガードインターバルシンボルは、1.6μs×Nの長さであってよく、この場合、各ロングトレーニングシンボルは、20MHzチャネル間隔の場合、3.2μs×Nの長さを有することになる。20MHzのチャネル間隔の場合、LTF1066の時間フレーム全体は、8μs×Nとなる。
【0024】
11ah−SIG1068は、図1Cに示すシンボルのように、0.8μs×NのGIシンボル及び7.2μs×Nの信号フィールドシンボルを含んでよい。更なるLTF1069は、20MHzのチャネル間隔で4μs×Nの、更なるMIMOストリーム用の1以上のLTFシンボルを適宜含んでよい。データ1070は、1以上のMACサブレイヤプロトコルデータユニット(MPDU)を含んでよく、1以上のGIを含んでよい。例えばデータ1070は、20MHzチャネル間隔の0.8μs×NのGIシンボルと、これに後続して、20MHzチャネル間隔の3.2μs×Nのペイロードデータとを含む1以上のシンボルのセットを含んでよい。
【0025】
本実施形態は、1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHz等の、5つの許可された帯域幅を含んでよい。一部の実施形態では、プリアンブル構造1062に従って生成されるプリアンブルは、例えば2つの1MHz帯域幅等の2つの帯域幅に複製することもできる。ひとたびデータ部分が開始してしまうと複製は行われず、新たなトーンの割り当てが開始される。例えばプリアンブルのトーンの割り当ては、最小の帯域幅(1MHz)では56トーンに固定されていてよく、次の帯域幅(2MHz)では全体で112トーンが得られるように複製されてよく、次の帯域幅(4MHz)では全体で224トーンが得られるように複製されてよく、次の帯域幅(8MHz)では全体で448トーンが得られるように複製されてよく、最大の帯域幅(16MHz)では全体で896トーンが得られるように複製されてよい。データ1070のトーン割り当ては、1MHz帯域幅では56トーン(52データトーンに4パイロットトーンを足したもの)、2MHzでは114トーン(データ用に108トーンと、6パイロットトーン)、4MHz帯域幅では242トーン(234データトーンに8パイロットトーンを足したもの)、8MHz帯域幅では484トーン(データ用に468トーンと、16パイロットトーン)、及び、16MHzでは968トーン(データ用に936トーンと、32パイロットトーン)という設定であってよい。
【0026】
図1Bは、図1の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055等の無線通信デバイス間の通信を構築するための、プリアンブル構造1082を含む物理層プロトコルデータユニット(PPDU)1080の別の実施形態である。PPDU1080はプリアンブル構造1082を含んでよく、プリアンブル構造1082では、単一の多入力多出力(MIMO)ストリームのための直交周波数分割多重(OFDM)トレーニングシンボルの次に信号フィールドが続いており、プリアンブル構造1080の後にデータペイロードが含まれている場合もある。具体的には、PPDU1080は、ショートトレーニングフィールド(STF)1064、ロングトレーニングフィールド(LTF)1066、11AH−SIG1068、及びデータ1070を含んでいてよい。
【0027】
図1Cは、図1の通信デバイス1010、1030、1050、及び1055等の無線通信デバイス間の通信を構築するための信号フィールドである、11AH−SIG1100の一実施形態である。フィールドの数、タイプ、及び内容は、実施形態間で異なっていてよいが、本実施形態の信号フィールドは、変調及び符号化スキーム(MCS)1104パラメータ、帯域幅(BW)1106パラメータ、長さ1108パラメータ、ビームフォーミング(BF)1110パラメータ、時空ブロック符号化(STBC)1112パラメータ、符号化1114パラメータ、アグリゲーション1116パラメータ、短いガードインターバル(SGI)1118パラメータ、巡回冗長検査(CRC)1120パラメータ、及びテール部1122パラメータのための一連のビットを含んでよい。
【0028】
MCS1104パラメータは、6ビットを含み、二相位相変調方式(BPSK)、16QAM(16信号点配置図の直交振幅変調)、64QAM(64信号点配置図の直交振幅変調)、256QAM(256信号点配置図の直交振幅変調)、四位相偏移変調(QPSK)、またはSQPSKを、通信の変調フォーマットとして指定する。これら選択肢により、通信について1から4つの空間ストリームが提供されうる。BPSKの符号レートは1/2であってよい。256QAMの符号レートは3/4であってよい。SQPSKは、OQPSKと称される場合もあるが、1/2または3/4の符号レートであってよい。一部の実施形態では、SQPSKは、通信デバイスのオペレーションの範囲(例えば屋外センサの監視)を拡張するために、信号及びデータフィールド上に行うことが許可されている変調フォーマットである。
【0029】
BW1106パラメータは、2ビットを含んでよく、2MHz、4MHz、8MHz、及び、16MHz等の4つの帯域幅のいずれかを選択することに関していてよい。5つ目の帯域幅(例えば1MHz)も、別の方法では選択されてよい。他の実施形態では、BW1106パラメータは、20MHz、40MHz、80MHz、または160MHzから整数Nでダウンクロックされた、4つの異なる帯域幅を提供することができる。数Nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等の任意の整数であってよい。
【0030】
長さ1108パラメータは、16ビットを含んでよく、送信ベクトルの長さをオクテットで示すことができる。一部の実施形態では、長さ1108パラメータに許可されている値は、1から4095の範囲である。長さ1108パラメータは、MACサブレイヤ論理が図1の物理層(PHY)デバイス(例えばトランシーバ1020、1040)に現在送信を要求しているMACプロトコルデータユニット(MPDU)のオクテット数を示していてよい。PHYはこの長さ1108パラメータを利用して、送信開始要求を受け取った後でMACとPHYとの間で生じうるオクテット転送の数を決定する。
【0031】
ビームフォーミング(BF)1110パラメータは、1ビットを含んでよく、PHYが、MPDUの送信の際にビームフォーミングを実施するかを指定していてよい。時空ブロック符号化(STBC)1112パラメータは、1ビットを含んでよく、アラモチ符号化等の時空ブロック符号化を実施するかを指定していてよい。符号化1114パラメータは、2ビットを含んでよく、バイナリ畳み込み符号化(BCC)または低密度パリティ検査符号化(LDPC)を利用するかを指定していてよい。
【0032】
アグリゲーション1116パラメータは、1ビットを含んでよく、MPDUアグリゲーション(A−MPDU)を必須とするかが示されていてよい。短いガードインターバル(SGI)1118パラメータは1または2ビットを含んでよく、SGIの期間を指定していてよい。例えば1ビットは、短いガードインターバルを指定するために論理1に設定されたり、長いガードインターバルを指定するために論理ゼロに設定されたりしてよく、2番目のビットは、短いガードインターバルの長さの曖昧さを軽減すること(short guard interval length ambiguity mitigation)を指定していてよい。
【0033】
巡回冗長検査(CRC)1120シーケンスパラメータは、エラーチェック用に11ah−SIG1100の6ビットハッシュを含んでよく、テール部1122パラメータは、信号フィールド(11ah−SIG1100)の終了部を指定する論理ゼロまたは1等の6ビットシーケンスを含んでよい。
【0034】
図1Dは、フレームの機能のうち1つのオペレーションの一実施形態1200である。具体的には図1Dは、実施形態のために保護されている送信オペレーション(TxOP)の利用を示している。一部の実施形態では、この保護されているTxOPを利用して、レシーバ以外のデバイスに対して、フレームを送信する前に、これらの他のデバイスが一定の期間送信を行わないように通知する。この一定の期間は、このフレームの送信に割り当てられる期間である。例えば、送信ビームフォーミング(TxBF)を利用する実施形態では、図1Cに示す信号フィールド1100または図1の信号フィールド1015または1035等の信号フィールドの送信で、ビームフォーミングが始められてよい。この結果、一部の通信デバイス(例えば通信デバイス1010、1030、1050、及び1055等)は、信号フィールドを復号することができなくなる場合もある。このような実施形態では、仮想キャリア検知メカニズムを実装することで、通信デバイスに対して、一定の期間の間、図1のネットワーク1005等の通信媒体へのアクセスを行わないように命令することができる。
【0035】
図1Dに示すように、通信を構築するためには、トランスミッタは、レシーバを送信先とする、送信要求(RTS)フィールドを含む制御フレームを送信する。制御フレームは更に、アドレスフィールド及び期間フィールド(図1Dには不図示)を含む。アドレスフィールドは、送信が意図されている送信先であるレシーバを示している。期間フィールドは、送信のためにリザーブされている期間を示すネットワーク割り当てベクトル(NAV)を示している。RTS信号を送信した後であって送信データを送信するまでの間、トランスミッタは、クリアトゥセンド(Clear To Send(CTS))信号をレシーバから届くのを待つ。CTSが短い期間受信されない場合には、意図されている送信を一時的に破棄して、新たなRTS信号を送信することができる。RTSに対するCTS信号が受信されたら、トランスミッタは、NAVの期間中にデータを送信する(図1D参照)。意図されているレシーバ以外のデバイスは、NAVの期間は通信をしないように自身のNAVを設定することができる。
【0036】
図2は、無線ネットワークで直交周波数分割多重(OFDM)を利用する通信を送信する装置の一実施形態である。装置は、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ論理201及び物理層(PHY)論理250に連結されるトランシーバ200を含む。MACサブレイヤ論理201及び物理層論理250は、トランシーバ200を介して送信する物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を生成することができる。
【0037】
MACサブレイヤ論理201は、フレーム構築器202を介してフレームにMSDUをカプセル化することで、MACサービスデータユニット(MSDU)からMACプロトコルデータユニット(MPDU)を生成することを含むデータリンク層機能を実装するためのハードウェア及び/またはコードを含んでよい。例えばフレーム構築器は、フレームが管理、制御またはデータフレームであるかを指定するタイプフィールドと、そのフレームの機能を特定するサブタイプフィールドとを含むフレームを生成してよい。制御フレームは、「送信準備済み」または「クリアトゥセンド」フレームを含んでよい。管理フレームは、ビーコン、プローブ応答、アソシエーション応答、及び、リアソシエーション応答フレームタイプを含んでよい。第1のフレーム制御フィールドに続く期間フィールドは、この送信の期間を指定する。上述したように、期間フィールドは、通信の保護メカニズムとして利用することのできるネットワーク割り当てベクトル(NAV)を含む。データタイプフレームはデータ送信するよう設定されている。アドレスフィールドが期間フィールドに続いており、送信先として意図されているレシーバ(1または複数)のアドレスを指定している。
【0038】
PHY論理250は、データユニット構築器203を含む。データユニット構築器203は、図1Cに示すプリアンブル構造等のプリアンブル構造に基づいて、PPDUを生成するためにMPDUをカプセル化するためのプリアンブルを決定する。多くの実施形態では、データユニット構築器203は、データフレーム送信、制御フレーム送信、または管理送信のために、デフォルトプリアンブル等のプリアンブルをメモリから選択することができる。一部の実施形態では、データユニット構築器203は、別の通信デバイスから受信するプリアンブルのデフォルトの値のセットに基づいて、プリアンブルを生成することができる。例えば、農場(farm)用のIEEE802.11ahに準拠しているデータ収集局は、IEEE802.11ahに準拠している統合型の無線通信デバイスを有する低電力センサからデータを定期的に受信することができる。センサは、一定の期間、低電力モードに入って、データを収集するために定期的に起動して、センサが収集したデータを送信するために、定期的にデータ収集局と通信することができる。一部の実施形態では、センサは、データ収集局に対してプロアクティブに通信を働きかけて、通信機能を示すデータを送信して、CTS等に呼応して、データ収集局にデータを通信し始めてよい。他の実施形態では、センサは、データ収集局の通信の働きかけに応じる形で、データ収集局にデータを送信することもできる。
【0039】
データユニット構築器203は、STF、ガードインターバル、LTF,及び11ah−SIGフィールドを含むプリアンブルを生成してよい。多くの実施形態では、データユニット構築器203は、別の通信デバイスとの相互作用から選択された通信パラメータに基づいてプリアンブルを生成することができる。データユニット構築器203は、1/2の符号レートと4つの空間ストリームを有するBPSKを示す6ビットを有するMCSフィールドを含む11ah−SIGフィールドを持つプリアンブルを生成してよい。データユニット構築器203は、16MHz、8MHz、4MHz、2MHz、及び1MHz等の5つの許可されている帯域幅のなかの、いずれかを決定することができる。帯域幅が1MHzから10MHz内の範囲であるような更なる実施形態では、4つの帯域幅のセットが、10MHz、6.7MHz、5MHz、及び4MHzのセット、10MHz、5MHz、4MHz、及び2.5MHzのセット、10MHz、5MHz、2.5MHz、及び1.25MHzのセット、5MHz、4MHz、3.3MHz、及び2.9MHz等のセットを含んでいてよい。他の実施形態では、4つの帯域幅のセットに、10MHzを越える帯域幅が1以上含まれていてもよく、例えば、4つの帯域幅のセットが、20MHz、10MHz、5MHz、及び2.5MHzのセット、40MHz、20MHz、10MHz、及び5MHzのセット、40MHz、20MHz、10MHz、及び5MHzのセット、26.7MHz、20MHz、16MHz、及び13.3MHz等のセットが含まれていてよい。データユニット構築器203は、10MHz、5MHz、2.5MHz、及び1.25MHz等の4つの帯域幅のいずれかを表す値にBWビットを設定してもよい。多くの実施形態では、5番目の帯域幅が、11ah−SIGフィールド内の他の手段(例えば3番目のビットを有する帯域幅パラメータ、5番目の帯域幅を示す1以上のビットを有する拡張されたデータペイロード、特定の帯域幅に設定されている帯域幅パラメータの情報とあわせた11ah−SIGフィールド内の別のビットの設定)により選択されてもよい。
【0040】
数多くの実施形態において、データユニット構築器203は、最初に最下位ビット(LSB)を持つ16ビット長の長さフィールドを含んだ11ah−SIGフィールドを有するプリアンブルを生成することができる。長さフィールドには、送信ベクトル(TXVECTOR)の長さが含まれてよい。更なる実施形態では、データユニット構築器203は、低密度パリティ検査(LDPC)を選択するための符号ビットと、LDPC期間の曖昧さを提供する余剰の符号ビットとを含む11ah―SIGフィールドを含むプリアンブルを生成することもできる。データユニット構築器203は、送信ビームフォーミング(TxBF)用に1ビットを含む11ah−SIGフィールドを含むプリアンブルを生成することもできる。例えば一部の実施形態では、ビームフォーミング機能を有する通信デバイスに対するデータパケット用に送信をビームフォーンミングする必要があることを示すための論理1にTxBFビットを設定して、送信にビームフォーミングしない旨を示す(例えば保護メカニズムフレーム等の場合)ためにTxBFビットを論理ゼロに設定することができる。
【0041】
一部の実施形態では、データユニット構築器203は、短いガードインターバル(SGI)フィールド(例えば1.6マイクロ秒(μs)×Nであってよく、Nは20MHzチャネル間隔からタイミングをダウンクロックするための整数である)を含む11ah−SIGフィールドを有するプリアンブルを生成することができる。データユニット構築器203は更に、エラー補正のための巡回冗長検査(CRC)フィールド、及び、テール部を含む(例えば、6つのゼロビット)11ah−SIGフィールドを含むプリアンブルを生成することもできる。テール部を設けることで、テール部ビットの受信の直後に、例えばMCS及び長さフィールドの復号を行わせることができる。
【0042】
一部の実施形態では、データユニット構築器203は、IEEE802.11n/acトーン割り当てに基づいて、プリアンブルにトーンを割り当てる。一例では、1.25MHz帯域幅のプリアンブルには56トーンを割り当て、2.5MHz帯域幅には112トーンを割り当て、5MHz帯域幅には224トーンを割り当て、10Mhz帯域幅には448トーンを割り当てる。多くの実施形態では、データユニット構築器203は、PPDUのデータ部分またはMPDU部分にそれぞれ別の割り当てを行うこともできる。例えば、1.25MHz帯域幅のデータに56トーンを割り当て、2.5MHz帯域幅のデータに114トーンを割り当て、5MHz帯域幅のデータに242トーンを割り当て、10MHz帯域幅のデータに484トーンを割り当てる、といったことができる。
【0043】
トランシーバ200は、レシーバ204とトランスミッタ206とを含む。トランスミッタ206は、符号器208、変調器210、OFDM212、及びDBF214の1以上を含んでよい。トランスミッタ206の符号器208は、MACサブレイヤ論理202から送信するためのデータを受信する。MACサブレイヤ論理202は、データバイト等のブロックまたはシンボルの形でデータをトランシーバ200に提示することができる。符号器208は、現在公知のまたは開発中の複数のアルゴリズムのうちのいずれかを利用してデータを符号化することができる。符号化は、複数の異なる目的のうちの1以上を達成することを目的として行われてよい。例えば、符号化は、送信される情報の各シンボルを転送するために送信されねばならない平均ビット数を低減させるために行うことができる。符号化は、レシーバでのシンボル検知にエラーが生じる確率を下げるために行うこともできる。符号器によって、データストリームには冗長性が追加される。冗長性を追加することで、情報を送信する際に必要となるチャネル帯域幅は増えるが、エラーは少なくなり、送信信号を低電力で送信することができるようになる。符号化には、更にセキュリティのための暗号化も含まれてよい。
【0044】
本実施形態では、符号器208が、バイナリ畳み込み符号化(BCC)または低密度パリティ検査符号化(LDPC)その他の符号化を実装してもよい。
【0045】
トランスミッタ206の変調器210は、符号器208からデータを受信する。変調器210の目的の1つに、符号器208から受信するバイナリデータの各ブロックを、アップコンバージョン及び増幅時にアンテナが送信可能な固有の連続時間波形に変換する、というものがある。変調器210は、受信したデータブロックを、選択された周波数の正弦曲線になるように電圧を加える(impress)。具体的には、変調器210は、データブロックを、正弦曲線の、対応する離散した振幅のセット、または、正弦曲線の離散した位相のセット、または、正弦曲線の周波数に対する離散した周波数シフトのセットにマッピングする。変調器210の出力は、バンドパス信号である。
【0046】
一実施形態では、変調器210は、情報シーケンスからの2つの別個のkビットのシンボルに電圧を加えて2つの直交キャリア(cos(2πft)及びsin(2πft))にする直交振幅変調(QAM)を実施することができる。QAMは、2つのキャリア波の振幅を、振幅偏移変調(ASK)デジタル変調スキームを利用して変更する(変調する)ことにより、2つのデジタルビットストリームを伝達する。2つのキャリア波は、互いに対して90度位相がずれているので、直交キャリアまたは直交コンポーネントと称される。変調された波同士を合計して形成される波形は、PSK(位相変調方式)とASK(振幅偏移変調方式)両方の組み合わせとなる。少なくとも2つの位相及び少なくとも2つの振幅、という有限数の位相及び振幅が利用可能となる。
【0047】
別の実施形態では、変調器210は、符号器208から受信するデータブロックを、キャリアの離散した位相のセットへとマッピングして、PSK信号を生成する。N位相のPSK信号を、入力シーケンスのk=logN個のバイナリディジットのブロックを、N個の対応する位相θ=2π(n−1)/nのうちのいずれかにマッピングすることで生成する(nは、N以下の正の整数である)。この結果生成される均等物であるローパス信号は、
【数1】

として表すことができる。ここでg(t−nT)は、例えばシンボル間干渉を低減させることで、レシーバで正確に検知される確率が向上するように最適化された形状を有する基本パルスである。このような実施形態では、PSKの最も簡単な形態であるBPSKが利用されてよい。BPSKは、180度で分離された2つの位相を利用しており、復調器が不正確な決定を起こしてしまうような最高レベルのノイズまたは歪みをとることから、全てのPSKのうち最もロバストなものである。BPSKでは、信号位相に2つの状態(0及び180度)がある。通常、データは変調前に別々に符号化される。
【0048】
また別の実施形態では、変調器210は、符号器208から受信したデータのブロックを、Iチャネル(「同位相」)と、Qチャネル(「直交位相」)と称される2つのチャネルまたはストリームに交互にマッピングするが、これはSQPSK(staggered quadrature phase-shift keying:スタッガード四相位相変調)と称されている。SQPSKは、信号キャリア波位相遷移が一度につき90度または1/4サイクルであるような位相変調方式(phase-shift keying)である。90度の位相シフトは、直角位相として知られている。単一の位相の遷移は、90度を超えない。SQPSKでは、0、+90、−90、180度という4つの状態が存在している。
【0049】
変調器210の出力は、より高いキャリア周波数にアップコンバージョンされてよい。あるいは、変調をアップコンバージョンと統合して行うこともできる。送信前に信号をより高い周波数にシフトさせることにより、実際的な次元のアンテナアレイを利用することができるようになる。つまり、送信周波数が高くなるとアンテナを小型化することができるようになる。このような理由から、アップコンバータを利用して、変調された波形を正弦曲線で乗算して、該波形の中央周波数と正弦曲線の周波数との合計であるキャリア周波数の信号を得る。演算は三角関数の公式(sinAcosB=1/2[sin(A+B)+sin(A−B)])に基づいている。
【0050】
周波数の合計(A+B)の信号を通過させて、周波数の差分(A−B)の信号はフィルタリングして除く。このようにして、バンドパスフィルタは、送信する情報(キャリア(合計)周波数を中心に集まる)以外は全てフィルタリングにより除去することができて理想的である。
【0051】
変調器210の出力は、時空ブロック符号化(STBC)を介して直交周波数分割多重器(OFDM)212に供給されてよい。OFDM212は、変調器210からの変調されているデータに電圧を加えて、複数の直交サブキャリアにする。OFDM212の出力は、デジタルビームフォーマ(DBF)214に供給される。デジタルビームフォーミング技術を利用して、無線システムの効率及びキャパシティを増加させることができる。一般的には、デジタルビームフォーミングでは、アンテナエレメントアレイが送受信する信号に対して、向上したシステムパフォーマンスを達成するためにデジタル信号処理アルゴリズムが利用される。例えば、複数の空間チャネルが形成されてよく、各空間チャネルは、個々にステアリングされて、複数のユーザ端末それぞれから送受信される信号電力を最大化することができる。更に、デジタルビームフォーミングは、マルチパスフェージングを最小限に抑えたり、同一チャネル干渉を拒絶したりするために利用することもできる。
【0052】
トランシーバ200は更に、アンテナアレイ218に接続されたダイプレクサ216を含むことができる。従って本実施形態では、1つのアンテナアレイを送信及び受信両方に兼用する。送信時には、信号はダイプレクサ216を通過して、アップコンバージョンされた情報を含む信号xでアンテナが駆動される。送信中に、ダイプレクサ216は、送信信号がレシーバ204に入らないようにする。受信時には、アンテナアレイが受信する、情報を含む信号は、ダイプレクサ216を通過して、アンテナアレイからレシーバ204へと伝達される。ダイプレクサ216は、次に、受信した信号がトランスミッタ206に入らないようにする。このように、ダイプレクサ216は、アンテナアレイエレメントのレシーバ204及びトランスミッタ206に対する接続を交互に切り替えるスイッチとして動作する。
【0053】
アンテナアレイ218は、情報を含む信号を、レシーバのアンテナが受信可能な、時変、空間分布電磁エネルギー(time-varying, spatial distribution of electromagnetic energy)として放射する。次にレシーバは、受信した信号の情報を抽出することができる。アンテナエレメントのアレイは、システムパフォーマンスを最適化するためにステアリングすることのできる複数の空間チャネルを生成することができる。受信アンテナで放射パターンを有する複数の空間チャネルは、相互に、それぞれ異なる空間チャネルに分割することができる。従って、アンテナアレイ218の放射パターンは、高度な選択が可能である。アンテナアレイ218は、プリント回路基板のメタライゼーション技術を利用して実装することができる。アンテナアレイ218の候補となる例には、マイクロストリップ、ストリップライン、スロットライン、及びパッチ等がある。
【0054】
トランシーバ200は、情報を含む信号を受信、変調、及び復号化するレシーバ204を含んでよい。レシーバ204は、DBF220、OFDM222、復調器224、及び復号器226のうち1以上を含んでよい。受信信号は、アンテナエレメント218からDBF220へと供給される。DBV220は、N個のアンテナ信号をL個の情報エレメントに変換する。
【0055】
DBF220の出力は、OFDM222に供給される。OFDM222は、複数のサブキャリアからの信号情報を抽出して、この上に、情報を含む信号を変調する。
【0056】
復調器224は、受信した信号を復調する。復調とは、受信した信号から信号を抽出して、変調されていない(un-demodulated)情報信号を生成する処理のことである。復調方法は、情報が受信キャリア信号に変調された方法に応じたものであってよい。例えば変調がBPSKである場合には、復調は、位相検知を行い、位相情報をバイナリシーケンスに変換する処理となる。復調によって、情報ビットシーケンスが復号器に提供される。復号器226は、復調器224からの受信データを復号化して、復号化された情報(MPDU)を、MACサブレイヤ論理202に送信する。
【0057】
当業者であれば、トランシーバが、図2には不図示である複数の更なる機能を含むことができ、レシーバ204及びトランスミッタ206が、1つのトランシーバにパッケージ化されるのではなく、別個のデバイスであってもよいことを理解する。例えばトランシーバの実施形態には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、参照オシレータ、フィルタリング回路、同期回路、またおそらくは複数の周波数変換段階及び複数の増幅段階等が含まれてよい。更に、図2に示す機能の一部を統合することもできる。例えばデジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重と統合されてもよい。
【0058】
図3は、図1A及び図1Bに示すプリアンブル構造等のプリアンブル構造を生成するフローチャート300の一実施形態である。フローチャート300は、フレーム構築器からフレームを受信することから開始される(エレメント305)。MACサブレイヤ論理は、別の通信デバイスの送信するフレームを生成して、このフレームをMPDUとしてデータユニット構築器に渡してよく、データユニット構築器は、他の通信デバイスに送信することができるパケットに、このデータを変換する。データユニット構築器は、図1Aのプリアンブル構造1062等のプリアンブル構造に基づいてプリアンブルを生成して、PSDU(フレーム構築器からのMPDU)をカプセル化して、送信用のPPDUを形成することができる。一部の実施形態では、1を超える数のMPDUが、PPDUにカプセル化されてよい。
【0059】
データユニット構築器は、フレームをカプセル化するプリアンブルを決定したり生成したりすることができる(エレメント310から345の1以上)。プリアンブル生成にあたっては、データユニット構築器は、図1Aから図1Cの11ah−SIG1100等の信号フィールドを生成することができるが、フィールド及びその内容は、図1Cに関して説明したフィールドとは異なっていてもよい。信号フィールドを生成する際に、データユニット構築器は、PPDUに対する変調及び符号化スキームを決定してよい(エレメント310)。データ構築器は、デフォルトの変調及び符号化スキームを選択して、他の通信デバイスとの通信によって示される変調及び符号化スキームを選択することができ、または、ある変調及び符号化スキームを選択することもできる。多くの実施形態では、データユニット構築器は、1/2のレートのBPSK、3/4のレートの256QAM、またはSQPSKを含む変調及び符号化スキームのグループから、1つの変調及び符号化スキームを選択することができる。
【0060】
プリアンブルのフィールド生成は、任意の順序で行われてよく、メモリからのプリアンブルの選択が含まれてもよいが、本実施形態では、変調及び符号化スキームの決定の後に、通信の帯域幅を決定することができる(エレメント315)。帯域幅の決定には、5つの帯域幅(例えば1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHz等)からいずれかの帯域幅を選択することができる。
【0061】
データユニット構築器は、ビームフォーミングビットを設定することにより、ビームフォーミングを実装するかを決定することができる(エレメント320)。データユニット構築器は、ビームフォーミングビットを、論理1に設定することで、データフレームについてビームフォーミングを実装することを示し、ビームフォーミングビットを論理ゼロに設定することで、複数の異なる理由からビームフォーミングをオフにすることができる。例えば、ビームフォーミングは、送信を開始する通信デバイスまたは送信先の通信デバイスがビームフォーミングをサポートしていないとき等にオフにされてよい。
【0062】
多くの実施形態では、データユニット構築器は、ビットを論理1に設定してSTBCをONにしたり、論理ゼロに設定してSTBCをオフにしたりして、時空ブロック符号化(STBC)ビットを決定する(ビット325)。STBCは、複数のアンテナを介してデータストリームの複数のコピーを送信したり、データの様々な受信コピーを利用したりして、データ転送の信頼度を向上させることができる。冗長性を付与することにより、受信コピーの1以上を利用して、受信信号を正確に復号化することができる可能性を高めることができる。一部の実施形態では、STBCは、受信信号の全てのコピーを組み合わせることで、コピーそれぞれからの情報として抽出することができる。
【0063】
STBC値を決定した後に、データユニット構築器は、符号化値を決定することができる(エレメント330)。データユニット構築器は、バイナリ畳み込み符号化(BCC)または低密度パリティ検査符号化(LDPC)を利用するかを決定してよい。一部の実施形態では、符号化パラメータが、LDPC期間の曖昧さを示すための余剰ビットを含んでいてもよい。BCCは、入力シーケンスの線形の組み合わせのセットを含む出力シーケンスを有する線形の有限状態シフトレジスタ(linear finite-state shift register)として捉えることができる。各入力ビットに対するシフトレジスタからの出力ビット数は、コード内の冗長性の計測値である。LDPCコードは線形誤り補正コードであり、ノイズのある送信チャネルでメッセージを送信する方法であり、スパースな二部グラフを利用して構築することができる。LDPCコードは、キャパシティが近いコードであり、タイムリニアに自身のブロック長まで復号することができ、スパースなパリティ検査行列で定義される。
【0064】
一部の実施形態では、データユニット構築器は、アグリゲーション値を論理1に設定して、アグリゲーションMPDU(A−MPDU)を必須とすることにより、アグリゲーション値を決定することができる(エレメント335)。アグリゲーションMPDUを必須とする際、データユニット構築器は、PPDUの各データ送信のデータペイロードに、1を超える数のMPDUを含めることを要求することができる。管理情報はPPDU1つについて一度だけ指定される必要があるので、ペイロードデータの送信データ量全体に対する比率を高くして、消費電力を低くすることができる。
【0065】
次にデータユニット構築器は、短いガードインターバル(SGI)値を決定することができる(エレメント340)。多くの実施形態では、データユニット構築器が、2以上のSGI値の間で選択することができる。例えば、データユニット構築器は、SGI値を論理ゼロに設定して400ナノ秒のSGIを選択したり、SGI値を論理1に設定して600ナノ秒のSGIを選択したりすることができる。
【0066】
一部の実施形態では、データ構築器は、巡回冗長検査(CRC)(エレメント345)及びテール部でプリアンブルを完成させることができる。CRCは、例えば、データ送信のエラーを検知するチェックサムを生成するために利用するハッシュ関数の一種等を含んでよく、テール部には、プリアンブルの終端部を指定するための6つの論理ゼロ等の一連のビットが含まれてよい。
【0067】
プリアンブルを決定すると、データユニット構築器は、フレーム(MPDU)を、または、A−MPDUが論理1に設定されている場合には複数のフレームをプリアンブルにカプセル化して、別の通信デバイスに対する送信用のPPDUを生成してよい(エレメント350)。PPDUは次に、図2のトランスミッタ206、または、図1のトランシーバ1020、1040等の物理層デバイスに送信されて、ここで、PPDUは、プリアンブルに基づいて信号に変換され、アンテナ経由の送信に備えさせる(エレメント355)。これ以上のフレームをフレーム構築器から受信する場合には(エレメント360)、更なるPPDUをエレメント310から350で決定することができる。
【0068】
図4Aから図4Bは、図2に示すトランスミッタとレシーバとの間の通信を送信・受信する際のフローチャートの実施形態を示す。図4Aを参照すると、フローチャート400は、トランスミッタ206等のトランスミッタが、MACサブレイヤ論理からPHY論理を介してPPDUを受信することから始まる(エレメント405)。トランスミッタは、PPDUを、アンテナアレイ218のなかのアンテナエレメント等のアンテナを介して送信することができる通信信号に変換してよい(エレメント410)。より具体的には、トランスミッタは、PPDUを、BCCまたはLDPC等のPPDUのプリアンブルに記述されている1以上の符号化スキームにより符号化することができる。トランスミッタは、BPSK,16QAM、64QAM、256QAM、QPSK、またはSQPSK等の、プリアンブルが示す変調及び符号化スキームによりPPDUを変調することができる。トランスミッタは、サブキャリア中のデータを、プリアンブルに従ってOFDMにより分割することができ、トランスミッタは、信号をビームフォーミングして、通信信号を生成することができる。その後に、トランスミッタは、通信信号をアンテナに送信して、別の通信デバイスへと送信させることができる(エレメント415)。
【0069】
図4Bでは、フローチャート450は、レシーバ204等のレシーバが、アンテナアレイ218のうちのアンテナエレメント等の1以上のアンテナを介して受信することから始まる(エレメント455)。レシーバは、通信信号を、図1A及び図1Bのプリアンブル構造1062または1082に基づくプリアンブル等のプリアンブルに記述されている処理に従ってMPDUに変換することができる(エレメント460)。より詳しくは、受信信号を、1以上のアンテナから、図2に示すDBF220等のDBFに供給する。DBFは、アンテナ信号を、図3に示すような情報信号に変換する。DBFの出力は、OFDM222等のOFDMに供給される。OFDMは、複数のサブキャリアからの信号情報を抽出して、この上に、情報を含む信号を変調する。そして復調器224等の復調器は、信号情報を、例えばBPSK,256QAM、またはSQPSKにより復調する。復号器226等の復号器は、BCCまたはLDPC等を用いて復調器からの信号情報を復号して、MPDUを抽出して(エレメント460)、MPDUをMACサブレイヤ論理202等のMACサブレイヤ論理に送信する(エレメント465)。
【0070】
別の実施形態として、図1から図4Bに記載するシステム及び方法を実装するためのプログラムプロダクトとして実装されるものがある。一部の実施形態は、その全体がハードウェアの実施形態であったり、全体がソフトウェアの実施形態であったり、または、ハードウェアエレメント及びソフトウェアエレメント両方を含んでいたりする実施形態であったりしてよい。一実施形態では、これらに限定はされないがファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含むソフトウェアに実装されるものもある。
【0071】
更に、実施形態は、コンピュータまたは任意の命令実行システムにより利用される、またはそれらと関連したコンピュータ利用可能またはコンピュータ読み出し可能媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクト(または機械アクセス可能プロダクト)の形態をとることもできる。記載の便宜上、コンピュータ利用可能またはコンピュータ読み出し可能媒体とは、命令実行システム、装置、またはデバイスにより利用される、またはそれらと関連したプログラムを含んだり、格納したり、通信したり、伝播させたり、トランスポートしたりすることのできる任意の装置であってよい。
【0072】
媒体は、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体システム(または装置またはデバイス)であってよい。コンピュータ可読媒体の例には、半導体または固体のメモリ、磁気テープ、取り外し可能コンピュータディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リジッドな磁気ディスク、及び光ディスクが含まれてよい。現在の光ディスクの例には、CD−ROM,CD−R/W、及びDVDが含まれてよい。
【0073】
プログラムコードの格納及び/または実行に適したデータ処理システムは、直接または間接にメモリエレメントにシステムバスを介して連結された少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。メモリエレメントは、少なくとも一部のプログラムコードを一時的に格納して、実行中のバルクストレージから取得するべき時間コード数を減らすためのプログラムコード、バルクストレージ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0074】
上述した論理は、集積回路チップのための設計の一部であってよい。チップ設計は、グラフィックコンピュータプログラミング言語で生成されて、コンピュータ格納媒体(例えばディスク、テープ、物理ハードドライブ、または格納アクセスネットワーク内のような仮想ハードドライブ)に格納される。設計者が、チップ生成時に利用されるチップまたはフォトリソグラフィーを生成しない場合には、設計者は、生成する設計を物理的手段により送信する(例えば、設計を格納した格納媒体のコピーを提供すること等により)、または、電子的に(例えばインターネット経由で)これら実体に直接または間接に送信することにより提供する。格納される設計は、次に製造に適したフォーマット(例えばGDSII)に変換される。
【0075】
生成される集積回路チップは、生のウェハ(つまり、複数のパッケージ化されていないチップを有する単一のウェハとして)、覆われていないダイ(bare die)の形態で提供されても、またはパッケージ化された形態で製造業者により提供されてよい。後者の場合には、チップはシングルチップパッケージ(例えばプラスチックキャリア等、マザーボードまたはその他のより高位のキャリアに添付されたリードを含む)、または、マルチチップパッケージ(表面相互接続機構または埋め込み型相互接続機構のいずれかまたは両方を有するセラミック製のキャリア)に搭載される。いずれの場合にも、チップは、他のチップ、離散した回路エレメント、及び/または、他の信号処理デバイスと、例えば(a)マザーボード等の中間製品、または(b)最終製品の一部として集積される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリアンブルを介して通信する方法であって、
20メガヘルツ、40メガヘルツ、80メガヘルツ、及び160メガヘルツを整数で除算して得られる複数の帯域幅からの選択を可能とする信号フィールドを含み、当該信号フィールドの前に1つのストリーム用にアンテナをトレーニングするためのショートトレーニングシーケンス及びロングトレーニングシーケンスを含む前記プリアンブルを物理層論理により生成する段階と、
媒体アクセス制御サブレイヤ論理が生成するフレームを受信する段階と、
前記物理層論理により、前記プリアンブルに前記フレームをカプセル化する段階と
を備える方法。
【請求項2】
アンテナにより、前記プリアンブルがカプセル化している前記フレームを送信する段階を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記媒体アクセス制御サブレイヤ論理によって、メモリに前記プリアンブルを格納する段階を更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリアンブルを生成する段階は、
前記信号フィールドが定義する更なるストリーム用の更なるトレーニングシーケンスを有する前記プリアンブルを生成する段階を有し、
前記更なるトレーニングシーケンスは、前記プリアンブルの前記信号フィールドの後に設けられる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プリアンブルを生成する段階は、
SQPSK(staggered quadrature phase-shift keying:スタッガード四相位相変調)を変調フォーマットとして示すよう設定されている変調及び符号化スキームパラメータを有する前記プリアンブルを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プリアンブルを生成する段階は、
BQPSK(binary quadrature phase-shift keying:二相位相変調方式)、QAM(直交振幅変調)、QPSK(四位相偏移変調)、及び、SQPSKを含む変調フォーマットのセットのうちのいずれかの変調フォーマットを示すよう設定されている変調及び符号化スキームパラメータを有する前記プリアンブルを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プリアンブルを生成する段階は、
1つの空間ストリームから4つの空間ストリームまでで、空間ストリーム数を指定するよう設定されている変調及び符号化スキームパラメータを有する前記プリアンブルを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プリアンブルを生成する段階は、
ビームフォーミングを指定するよう設定されているビームフォーミングパラメータを有する前記プリアンブルを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プリアンブルを生成する段階は、
前記フレームを、少なくとも1つの他のフレームでアグリゲーションすることを必須とするよう設定されているアグリゲーションパラメータを有する前記プリアンブルを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プリアンブルを生成する段階は、
1メガヘルツ、2メガヘルツ、4メガヘルツ、8メガヘルツ、及び16メガヘルツを含む帯域幅のセットから、1つの帯域幅を選択するための物理層プロトコルデータユニットを生成する段階を有する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記プリアンブルを生成する段階は、
8マイクロ秒にNを乗算した期間を有するショートトレーニングシーケンスを生成する段階を有し、周波数帯域幅をNで乗算した値は20メガヘルツに等しい請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公開番号】特開2012−231451(P2012−231451A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−61790(P2012−61790)
【出願日】平成24年3月19日(2012.3.19)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)