説明

低CO2火力発電プラント

主に石炭ベースの燃料からの電力を生成するための方法であって、燃焼ガスが、CO捕捉ユニットの中でCOの豊富な流れとCO不足の流れとに分離され、このCO不足の流れが周囲環境中に放出され、このCOの豊富な流れが貯蔵又は移出のために準備される方法。この方法を実行するプラント及びこのプラントのために好ましいインジェクタもまた含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として石炭ベースの燃料から電力を生成するための方法に関し、この方法では燃焼ガスが例えば安全な貯蔵のために移出されるCOの豊富な流れと、周囲環境中に放出されるCO不足の流れとに分離される。さらに、本発明は、この方法を実行するプラント及びこのプラントの一部に関する。
【背景技術】
【0002】
大気中のCO濃度は、主として石炭及び炭化水素など化石燃料の燃焼により過去150年でほぼ30%増加した。メタンの濃度は倍増し、窒素酸化物の濃度は約15%増加した。これは、大気の温室効果を増加させ、以下のことをもたらす要因となった。
・地表近くの平均気温は、過去100年間に約0.5℃上昇し、過去10年で加速的な傾向にある。
・同期間にわたる降雨量は約1%増加した。
・海水位は、氷河の溶解及び加熱による水の膨張により15から20cm上昇した。
【0003】
温室ガスの排出量が増加すると、気候の変化が続くと予想される。温度は次の50年間に0.6から2.5℃だけ上昇することがありうる。科学界では、化石燃料の使用の増加が、COの排出が指数関数的に増加する状態で自然のCOの平衡を変化させたという意見で一致し、したがってこれがこの開発の直接の理由である。
【0004】
大気のCO含有量を安定させる処置をただちに講ずることが重要である。これは、火力発電プラントで生成されるCOが回収され、安全に貯蔵される場合に達成され得る。この回収は大気へのCO排出量制御の総費用の3/4に相当するものと考えられている。
【0005】
通常、火力発電プラントからの排出ガスは容積で4〜10%のCOを含み、通常、その最小値はガスタービンで、一方、その最大値は、例えば蒸気の生産における、冷却装置を備えた燃焼室でのみ達せられる。
【0006】
吸収を用いてCO含有ガスからCOを捕捉することは良く知られている(例えば、特許文献1参照)。このCO含有ガスは、ここで吸収剤、通常はガスからCOを吸収するアミン溶液に接触させられる。このアミン溶液は、その後このアミン溶液を加熱することによって再生される。しかしながら、この吸収はCOの分圧によって決まる。この分圧が低すぎる場合、CO全体の相対的に小さな部分だけが吸収される。通常、燃焼ガス中のCOの分圧は比較的低く、ガスタービンに対して0.04barの値が典型的である。この種のプラントでのエネルギー消費は、給送ガス中のCOの分圧が1.5barの場合よりCO重量単位当り約3倍高い。この洗浄プラントは高価になり、洗浄の範囲及び発電プラントのサイズは限定的要因である。
【0007】
したがって、この開発事業はCO分圧の増加に集中される。特許文献2によれば、ガスタービンにわたって膨張し冷却された燃焼ガスが再加圧される。次いで、この加圧ガスは吸収剤に接触される。この方法で、COの分圧が、例えば0.5bar上昇され、洗浄がより効率的になる。本質的な欠点は、ガス中の酸素の分圧が、例えば1.5bar高くなることであり、一方、通常アミンが約0.2barの上の酸素分圧で急速に劣化される。さらに、高価で余分な装置が必要とされる。
【0008】
COの分圧を上昇させる別の可能性は、空気分離である。燃焼装置の中に入る空気を酸素及び窒素に分離することによって、循環するCOが、ガスタービン複合サイクル又は石炭を燃料とする発電プラントでそれぞれ推進剤(ガスタービンに対して)又は冷却ガス(石炭を燃料とするボイラに対して)として用いられ得る。形成されたCOを希薄化させる窒素がない場合、排気ガス中のCOは、比較的高い分圧、約1bar以下を有することになる。次いで、燃焼からの余分なCOは、CO回収のための装置が簡素化できるように比較的簡単に析出され得る。しかしながら、この種のシステムの総費用は、発電プラントに加えて酸素の生産のための実質的なプラントを有する必要があるので、比較的高くなる。純粋酸素の生産及び燃焼は、材料の大きな需要に加えて考慮すべき安全上の課題を意味する。これはまた、多くの場合新しいタービンの開発を必要となるだろう。
【0009】
特許文献3から、燃焼を高圧下で行わせ、蒸気の生成によって燃焼ガスを冷却し、この燃焼ガスを貯蔵のためのCOの豊富な流れと、CO不足の流れとに分割し、このCO不足の流れが大気に放出される前にタービンにわたって膨張させられることが知られている。しかしながら、そこで問題になっているプラントは、ガスを燃料とするプラントであり、燃料として石炭を用いることに関して言及してない。
【0010】
特許文献4は、ガスを燃料とする火力発電プラントからの燃焼ガスをCOの豊富な流れと、CO不足の流れとに分離するための方法に関する。この発電プラントからの燃焼ガスは、ここで2次の連結した発電プラント及び分離プラントで酸素含有ガスとして用いられる。
【0011】
上述の方法は、ほとんど天然ガスを燃料とする発電プラントに関する。しかしながら、現在、石炭は、火力発電プラントのために天然ガスより広く用いられている燃料である。石炭を燃料とする火力発電プラントは、天然ガスベースのプラントより電力単位当りでより多くのCOをさらに生産する。さらに、石炭は利用可能性が容易で、天然ガスに比べて廉価な燃料である。
【0012】
微粉炭など石炭ベースの燃料の加圧燃焼室内への導入は、技術的課題と関連する。炭粉塵に対する推進剤として空気を用いると、燃焼室に入る前に燃焼が開始される爆発性混合物を与えることになり、空気と石炭を混合する手段、あるいは連結管路又は燃焼室で爆発をもたらすことさえあり得る。窒素など不活性ガスを用いることは別の可能性であるが、窒素の純化はプラントに受け入れがたい費用を加えることになる。さらに窒素を加えると、総ガス流量を増加させ、燃焼ガス中のCOの分圧の低下をもたらすことになり、これはCOの分離の欠点となる。
【0013】
いわゆるPFBCプロセスによると、微粉炭は、水と混合され、燃焼室内に圧入されるペースト状の混合物をもたらす。この水/石炭ペースト混合物は、この流体を送出し、それによってボイラの燃焼圧に打ち勝つために必要とされる。このペースト中の水分は、結果として生じる効率損失を伴い蒸発することになる。この水/石炭ペーストを発火させるために、流動床燃焼器が必要とされる。これは大きく高価な設備である。さらに、この流動床は、ほぼ2bar程度の著しい圧力降下をもたらす。これは下流のタービン出力を低減させる。
【特許文献1】欧州特許第0551876号明細書
【特許文献2】国際公開第WO2000/48709号パンフレット
【特許文献3】国際公開第WO2004/001301号パンフレット
【特許文献4】国際公開第WO2004/026445号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、石炭ベースの燃料から電力を生成するための費用効果に優れる方法の必要性がある。この方法では、燃焼ガスは、貯蔵のためのCOの豊富な流れと、周囲環境中に放出され得るCO不足の流れとに分離される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の態様によると、本発明は、主として石炭ベースの燃料から電力を生成するための方法に関し、この方法では、石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスが燃焼室内に導入されて高圧で燃焼され、燃焼ガスが電力の生産のための蒸気の生成によって燃焼室内で冷却され、燃焼ガスが、さらに冷却され、CO捕捉ユニットの中でCOの豊富な流れと、CO不足の流れとに分離され、CO不足の流れが、周囲環境中に放出される前に電力を生産するために再加熱されてタービンにわたって膨張させられ、COの豊富な流れが、貯蔵又は移出のための流れと、燃焼室に再循環される流れとに分割される。この燃焼室には、再循環されたCOが微粉炭を燃焼区画に持ち込むために用いられる。微粉炭がCOの代わりに空気によってボイラに給送される場合、激しい爆発の危険がある。空気の代わりにCOを用いることによって、爆発の危険が除去される。さらに、流動床反応器に関して言及された圧力降下は消滅する。
【0016】
1つの好ましい実施形態によると、燃焼室に再循環されるCOの豊富な流れの少なくとも一部が、燃焼室に導入される前に石炭ベースの燃料と混合され、石炭ベースの燃料ともに燃焼室内に噴射される。燃焼室に再循環されるCOの豊富な流れは、安定した石炭燃料が燃焼室内への噴射を妨害しないように中間貯蔵手段の中のタンクの中で燃料を流動化するために用いられる。さらに、COの豊富な流れは、燃料をタンクから燃焼室内に圧入するために燃料用の推進剤として用いられ得る。
【0017】
CO不足の流れは、タービンにわたって膨張される前にガスによって発火される2次燃焼室からの燃焼ガスとの熱交換によって加熱されることが好ましい。これは、プラントからのエネルギー出力を最適化し、蒸気が周囲環境中に放出される前に蒸気の膨張によって生産される電気の部分を増加させるために行われる。
【0018】
この燃焼室の圧力が、5〜35bar、好ましくは10〜20bar、より好ましくは12〜16barであればよい。CO捕捉装置の中でのCOの吸収は、低圧より高圧でより効果的である。高圧での燃焼は、エネルギーを消費する圧縮機なしで捕捉装置に高圧で燃焼ガスを供給する。燃焼室内をほぼ完全に発火させ続けることによって、純化されるべき排煙ガスの質量流量は最小化され、COの濃度、したがって分圧はこのようにして最大化される。
【0019】
この燃焼室から出る燃焼ガス中の温度が、蒸気の生産によって約350℃未満に低減されることが好ましい。燃焼室から出る燃焼ガス中の温度を350℃未満に維持することによって、通常の品質の鋼がガスをさらに取り扱うための装置の中で用いられ得る。さらに、高エネルギー出力が、電力の生産のために用いられる蒸気として取り出される。
【0020】
一実施形態によると、天然ガスが燃焼を助長するために燃焼室内に導入される。この燃焼は天然ガスの追加によって助長されるとより効果的になる。
【0021】
第2の様態によると、本発明は、主として石炭ベースの燃料で発火する火力発電プラントに関し、この火力発電プラントは、燃焼室と、この石炭ベース燃料及び酸素含有ガスを燃焼室内に導入するための手段と、この燃焼室で燃焼ガスを冷却するための冷却手段と、この燃焼ガスをCOの豊富な流れ及びCO不足の流れに分離するための手段とを備え、この燃焼室にCOの豊富な流れの一部を再循環する管路と、貯蔵又は移出のために残りのCOの豊富な流れを供給するCO管路とをさらに備える。
【0022】
この冷却手段が燃焼室内の冷却用コイルであることが好ましく、この冷却手段ではこの冷却用コイルは蒸気の生成によって燃焼ガスを冷却する。燃焼室内側の冷却用コイルは電力の生成のための蒸気が生成されると同時に燃焼ガスを冷却し効率的である。
【0023】
この火力発電プラントが、電力の生産のために発電機に連結された蒸気タービンをさらに備えることが好ましい。
【0024】
好ましい実施形態によると、CO不足の流れを加熱するための熱の生成のためにガスによって発火される2次燃焼室と、周囲環境中に放出される前に加熱されたCO不足の流れを膨張させるためのタービンとが用いられる。この流れが周囲環境中に放出される前にこの流れを加熱すると、ガスにエネルギーを加える。その結果、CO不足の流れのタービンを越える膨張からの電力の生産は、より効果的になり、このプラントの総効率を改善する。
【0025】
このCO不足の流れの膨張のためのタービンが、電力生産のために発電機に連結されていることが好ましい。
【0026】
第3の様態によると、本発明は、加圧燃焼室内への石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスのためのインジェクタに関し、このインジェクタは、酸素含有ガス用の複数のインジェクタに取り囲まれた微粉炭ベースの燃料及びCOガスの混合物の噴射のための中央導管を備える。酸素含有ガス用のインジェクタに取り囲まれた石炭及びCOの噴射用の中央チューブを有するインジェクタの構造は、石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスの短時間での均質な混合を確実にする。この燃料と酸素含有ガスの短時間での均質な混合は燃焼室内での最適な燃焼を確実にする。
【0027】
好ましい実施形態によると、インジェクタが、天然ガスを噴射するための1個又は複数のガスインジェクタをさらに備える。天然ガスの形でのさらなる燃料の追加は、燃焼の始動及び燃焼の維持の両方で用いられ得る。燃焼室内の天然ガスの燃焼により、熱が加わると石炭の中のより軽い成分が蒸発しより効率的に燃焼されることが確実になるので、石炭のより良くより最適な燃焼がもたらされる。
【0028】
らせん状リブがこの中央導管内にさらに設けられ得る。このらせん状リブは、石炭ベースの燃料とCOの混合物を中央チューブの外で渦巻き運動させることになる。この運動により、石炭ベースの燃料、酸素含有ガス及び全ての加えられた天然ガスのさらなる混合が確実になる。
【0029】
一実施形態によると、ガスが石炭粉に対して反対方向に回転するように、ガスインジェクタが方向付けられている。この互いに反対方向のガス及び石炭粉の回転により、ガス及び石炭粉の最適な混合が確実になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
天然ガス及び石炭によって発火される火力発電プラントの模範的な実施形態を図1に示す。石炭及び任意選択の石灰石が、それぞれ石炭管路10及び石灰石管路11を通って石炭用ミル(mill)12の中に導入される。この石炭及び任意選択の石灰石は、石炭用ミル12の中で燃焼室内に給送するのに適した粒子サイズに粉砕された混合物に製粉される。
【0031】
この粉砕された石炭及び任意選択の石灰石は、運搬手段13で中間貯蔵手段14に運ばれる。示した実施形態の中では、中間貯蔵14は、2個以上の貯蔵ユニットを有し、各ユニットは回分式方法で作動させられる。2個以上のユニットが、燃焼室を連続作動させるために必要である。
【0032】
各中間貯蔵ユニットは、入口弁15と、貯蔵タンク16と、出口弁17と、を有する。さらに、各ユニットは、CO管路18から導入されるCOのための1個又は複数個の入口を有する。石炭用ミルからの粉砕された混合物は、中間貯蔵装置に運ばれ、同時に1個の貯蔵タンクの中に充填される。充填されるべきタンク16用の入口弁15は開けられ、出口弁17は閉められる。空気は、タンク16の充填の間又は後、空気及び炭粉塵の危険な混合物の生成を避けるためにCO管路18からのCOを用いてタンクからパージされることが好ましい。
【0033】
このCOは、CO弁19を用いて制御される。このタンクを充填し、タンクからの空気をパージした後、入口弁15は閉められる。タンクの中の混合物が燃焼室25の中に導入されるべき前に、COは、タンクに燃焼の圧力より高い、例えば0.7bar以上など0.5から1barの圧力を与えるためにタンクの中に充填される。
【0034】
一実施形態によると、タンクの中のCO入口が、タンクの中の混合物が入ってくるCOの流れによって少なくとも部分的に流動化されるように配置される。出口弁17はその後開けられ、混合物は管路20を通ってインジェクタ21に導かれる。この混合物は、CO、空気管路23からの圧縮された酸素含有ガス、及びガス管路22からの任意選択の天然ガスとともにインジェクタ21によって燃焼室25の中に導入される。インジェクタ21は、図2を参照して以下で詳述する。ガス管路22からのガスは、燃焼室内の燃焼を促進し、その中の内部燃焼を調整するために用いられる。
【0035】
酸素含有ガスは、空気、酸素に富む空気、又は酸素であってもよい。説明及び特許請求の範囲の中の用語、空気及び酸素含有ガスは、これらの可能性を説明する同義語として用いられる。
【0036】
燃焼室25の中の燃焼は、高圧、例えば5から25bar、より好ましくは約10〜約20bar、最も好ましくは約15barで起こる。
【0037】
石炭、及び燃焼ガス中で硫黄剤の結合で生産された硫酸カルシウムからの不燃残留物などの燃焼室内の固体は、燃焼室の底で回収され、固体除去管路24を通って除去される。
【0038】
上述の燃焼室25は、現在好ましい燃焼室である。しかしながら、当分野の技術者ならば他の構造及び作動原則が可能であることが理解されよう。説明した燃焼室は、例えば流動床式燃焼室によって代用され得る。
【0039】
燃焼から生成された多量の熱は、燃焼室内の冷却用コイル9で蒸気を生成することによって燃焼室から除去される。この熱のほとんどは、燃焼ガス管路35を通って燃焼室25から出る燃焼ガスの温度を低減させるために燃焼室の上部から除去される。
【0040】
冷却用コイル9で生成された蒸気は、蒸気管路26を通って燃焼室から除去され、発電機27で電力を生産するためにタービン28を越えて膨張させられる。膨張した蒸気は、管路29で凝縮器30に導かれ、この凝縮器30の中で膨張したガスは冷却され、凝縮される。凝縮された水は、管路33を通って燃焼室25の中の冷却用コイル9の中に再び導入される前に、ポンプ31によって送出され、予熱器32の中の熱交換によって予熱される。この回路が非常に複雑である場合があることに留意する必要がある。冷却用コイル9は、2個以上の冷却用コイルに分割されることができ、それぞれが1個又は複数個の蒸気タービンに熱の一部を取り出す。
【0041】
燃焼ガス管路35を通って燃焼室25を出る燃焼ガスは、約350℃以下の温度を有することが好ましい。燃焼室を出る燃焼ガス中の350℃未満の温度により、管路及び加工装置の構造が比較的廉価な鋼を用いることを可能にし、建造費用が削減される。
【0042】
管路35の中の燃焼ガスは燃焼室からの粉塵を含む。この粉塵は燃焼ガスのさらなる加工に有害である場合がある。したがって、この粉塵は、複数のサイクロン及び/又はフィルタ38を有する粉塵除去ユニット36で除去される必要がある。
【0043】
示した粉塵除去ユニット36は、互いに並列接続の2つの管路を有し、それぞれが直列にいくつかのサイクロン及び/又はフィルタを有する。しかしながら、このユニットは2つ以上の並列接続の管路を有し得る。この粉塵除去ユニットの連続作動を可能にするためには、1つ又は複数の並列接続管路は、これら並列接続管路の少なくとも1つが開けられ常に作動中である限り、洗浄及び点検のために閉鎖され得る。
【0044】
この並列接続管路の一方の入口側は上流弁37を用いて閉められ、これに反してこの並列接続管路の他方の側は下流弁40によって閉められ得る。サイクロン及び/又はフィルタで分離された粉塵は、粉塵除去管路39を通って除去される。
【0045】
この粉塵除去ユニットから、粉塵のない燃焼ガスは、管路41を通って、燃焼室で生成されたNOxを実質的に削減するための選択的触媒還元ユニット(SCRユニット)に導かれる。SCRユニット42の中では、NOxは、3NO+2NH=2.5N+3HOの反応によりNHとともに除去され得る。この洗浄は、大気圧で最大90%の効率を有するが、通常10barの上の作動圧力がより良いと考えられている。したがって、NOxを5ppm以上の残余含有量に洗浄することが可能である。熱交換器を適合することによって、このガスはこのプロセスに最適な温度を与えられ得る。公知である、他のNHを用いないでNOxを除去する方法もまた用いられ得る。このNH方法は、いくつかのNH「スリップ」をもたらす欠点を有する。
【0046】
この洗浄されたガスは、管路43でSCRユニットから出て、熱交換器44で冷却される。熱交換器44からは、このガスが管路46で凝縮器47の中に導かれる。この凝縮器の中で、ガスはさらに冷却され、凝縮された水がこのガスから除去される。凝縮器から出るガスは、管路48でCO捕捉ユニット49に導かれる。
【0047】
代替的には、ガス洗浄装置がこの凝縮器の上流に設けられ得る。任意選択のガス洗浄装置の中で、このガスは、水蒸気で飽和させられ、適温で水との向流接触によって冷却される。この洗浄装置は、NOx、SO、他の酸又はガス、及び粒子を含む排煙ガスの流れの複数の残留物を酸化させ、及び/又は吸収するために化学物質を用い得る。この種の化学物質は、アルカリ性溶液、あるいはアルカリ性及び/又は酸化特性を備えた特有の化学物質をもたらすSCRシステムからのNH「スリップ」であってもよい。後者の場合には、この洗浄装置は、完全にSCRユニット42に取って代わり得る。
【0048】
この排煙ガスの純化は、CO捕捉吸収剤の中の耐熱性塩の形成を最小化し、経時的なCO捕捉性能の劣化を最小化するために不可欠である。
【0049】
通常、CO捕捉ユニットは、その中を排煙ガスがアミン、高温炭酸塩、又は物理的な吸収剤などの吸収剤に向流して流れる吸収器を有する。通常、排煙ガス中のCOの総量は、排煙ガスがCO不足の流れとして吸収器から出る前に吸収器の中で90から99%削減される。吸収されたCOを有する吸収剤(豊富な吸収剤)は、溶媒/溶媒熱交換器の中で加熱され、ストリッパコラム(stripper column)内で再生される。この再生された溶媒は、この溶媒/溶媒交換器で冷却され、トリムクーラー(trim cooler)内で冷却され、CO吸収塔へ戻され、一方、このCOは、COの豊富な流れとしてストリッパコラムから除去される。図6は模範的なCO捕捉ユニットを示す。しかしながら、このユニットの詳細設計は用いられる溶媒のタイプに基づく。
【0050】
CO捕捉ユニット49は、この部分的に洗浄された燃焼ガスを、CO管路51を通ってこのユニットから出るCOの豊富な流れと、管路50を通ってこのユニットから出るCO不足の流れとに分割することが可能などのような種類のユニットであってもよい。管路51の中のCOの豊富な流れは、電動機53によって動力を供給された圧縮機52の中で約100barの圧力に圧縮される。圧縮されたCOの豊富な流れの一部は、管路54から圧縮機を出て、中間貯蔵手段14用のCO源として再循環される。残りのCOは、さらに圧縮され、CO管路55でこのプラントから除去される。
【0051】
管路50を通ってCO捕捉ユニット49から出るCO不足の流れは、再加湿機の中に導入され、この再加湿機の中でガスは、管路57を通って熱交換器44に導かれる前に加熱され水で飽和され、この熱交換器44の中でCO枯渇ガスが管路43の中の高温ガスに対して加熱される。好ましくは、空気又は別の適したガスが、CO不足の流れの熱容量が管路43の中の燃焼ガスの熱容量とほぼ同じになるように燃焼ガスから除去されたCOの質量を補うために空気管路73を通って管路57(又は、代替的に管路50)の中に導入される。空気が、空気取入口70を通ってこのシステムの中に取り入れられ、電動機72によって動力を供給される圧縮機71を用いて圧縮される。代替としては、いくらかの圧縮機78からの空気が、燃焼器25及び下流の装置を迂回し、管路50又は管路57の中に導入され得る。(これは図1に示されない。)
【0052】
加熱されたCO不足の流れは、熱交換器44から管路58を通って出て、熱交換器59の中に導入され、この熱交換器59の中でCO不足の流れは、2次燃焼室81から管路82でこの熱交換器に入る燃焼空気に対して加熱される。2次燃焼室81は、ガス入口管路80からの天然ガスによって発火される。2次燃焼室81の中の燃焼のための酸素は、管路87を通って2次燃焼室内に導入される。
【0053】
熱交換器59からの冷却されたガスは、CO除去のために管路41の中に導かれる管路86でこの熱交換器から出る。管路86の中のガスの一部は、管路83で取り出され、ファン84及び管路85を用いて管路82の中に再循環され得る。管路83を通る再循環は、管路82から熱交換器59を通る加熱されたガスの質量流量を増加させるために用いられる。この熱交換器が2,000℃以下などの高温に耐える材料で作製されている場合、この再循環は不必要である。
【0054】
管路60で熱交換器59から出る加熱されたCO不足の流れは、タービン61を越えて膨張させられる。管路62を通ってタービン61から出るこの膨張したCO不足の流れは、このガス流れが管路64を通って大気の中に放出される前に、熱交換器63でさらに冷却される。熱交換器63は、膨張したCO不足の流れの中のエネルギーが予熱器63の中の水を加熱するために用いられるように、燃焼室内の冷却用コイルに入る水を予熱する予熱器32と同一であってよい。
【0055】
燃焼室25及び2次燃焼室81の両方のための空気は、示した実施形態で空気取入口75を通ってこのシステムに導入される。空気取入口75の中の空気は、好ましくは2個の圧縮機76、78及び中間冷却器77を有する2段圧縮機の中で圧縮される。管路79で圧縮機78から出る圧縮されたガスは、インジェクタ21へ導かれる空気管路23の中へと、2次燃焼室81の中に導かれる2次空気管路87の中へとの2つの流れに分けられる。圧縮機76、78及び/又はタービン61の中の漏出は、漏出管路88によって示される。示した実施形態で圧縮機は、圧縮機76、78の両方、電力の生成のためのタービン61、及び発電機65に共通の軸66に配置される。代替としては、低圧タービンが低圧圧縮機76を駆動し、高圧タービンが発電機65に加えて高圧圧縮機78を駆動するように、2段圧縮機76、78(図示のように)及び2段タービン61(低圧段階及び高圧段階、図示せず)であってもよい。
【0056】
図2aは、燃焼室を貫く縦断面及びインジェクタ21の好ましい実施形態を示す。インジェクタ21は、燃焼室の壁に溶接されたカラー101によって支持される。このインジェクタは、カラー101の中に挿入され、保持板100を用いてカラーに締め付けられる。このインジェクタは、石炭の注入のための中央チューブ102と、空気インジェクタ103と、この中央チューブを取り囲むガスインジェクタ104とを有する。カラー101は、好ましくはこのカラーを取り囲む冷却用ジャケット106で循環する空気入口109からの空気を用いて冷却される。好ましくは、冷却用ジャケットの中でカラーを冷却することによって加熱された空気は、管路107の中に導かれ、空気インジェクタ103の中に導入され、燃焼室内に噴射される。
【0057】
管路20を通ってインジェクタ21に入る石炭、CO、及び任意選択の石灰石の混合物は、中央導管102の中に導入される。この混合物は、加圧COを用いてチューブを通って吹き飛ばされ、燃焼室内に噴射される。図に示すようにノズルを用いることによって燃焼室内に空気を注入するために、ノズルによって引き起こされるベンチュリ効果が、中央配管から燃焼室内に材料をさらに引き込ませる。
【0058】
インジェクタ21から出る高温の燃えているガス/石炭混合物は、燃焼室の壁及び蒸気を加熱するコイル9に有害である場合がある。燃焼室の壁及び蒸気を加熱するコイル9への損傷を避けるために、反射板111が、残りの未燃粒子の速度を低減させ、燃焼室の内壁への損傷を避け又は軽減するようにインジェクタ21の反対側に配置される。好ましくは、この反射板は、ガス管路110を通って供給されるCOを用いて冷却され、このCOは反射板の後ろ側で冷却用チャネル112を通って循環される。2個以上のインジェクタが燃焼室の壁の中に配置される場合は、通常は1個の反射板がインジェクタ毎に配置される。代替としては、この反射板はインジェクタ用に開口部を有する円錐台形であってもよい。
【0059】
図2bは、図2aのA−A断面を示す。中央導管102は、複数の空気インジェクタ103によって取り囲まれる。ガス管路22でインジェクタの中に導入される天然ガス噴射用のこれらガスインジェクタは、例示のインジェクタであり、2個以上の空気インジェクタの内側に位置している。中央導管の内壁の複数のらせん状リブ105が、石炭混合物を回転させ、したがって燃焼室内で乱気流を引き起こす。この乱気流の生成は、注入された石炭、ガス及び空気の適した混合が燃焼のための最適な状態を確実に促進するために重要である。
【0060】
図3は、連結したミル及び中間貯蔵装置14を示す。石炭及び石灰石は、ミル12に導かれるファンネル(funnel)150の中に運搬手段10、11、13で運搬される。このファンネル150は、石炭/石灰石のミル12の中への給送速度を低減させるために複数の内部フラップ151を有する。給送速度を低減させると、最適な空気の減少を可能にさせることになる。ミル12は、2個以上のミルを有することが好ましく、このミルの中で、入ってくる石炭及び石灰石は、初めにミルの中に導入され、その後好ましい粒子サイズをもたらすために細かいミルの中に導入される。
【0061】
ミル、及びファンネルの下部は、石炭の粉塵及び酸素の混合物が爆発性であることがあるので、石炭及び石灰石とともに運ばれる酸素又は空気の量を低減させるためにパージ管路152から入るCOによってパージされることが好ましい。パージ管路の中のCOの流れは、弁153によって制御される。
【0062】
このミルから、石炭及び石灰石の粉塵は、アルキメデスねじ13によってタンク16に垂直に給送される。運搬装置13とタンク16の間に挿入された弁15は、このタンクが石炭及び石灰石の粉塵で一杯であるとき、タンクの入口を閉めるために用いられる。タンク16が燃焼室内で空にされるとき、弁15は閉められ、COがタンクの上部での弁155で制御されるCO管路154を通って、及び/又は弁158によって制御されるCO管路157を通ってタンクの中に導入される。管路154かそれとも管路157を通るCOの導入は、タンクの中の圧力を高める。このタンクの中の圧力は、燃焼室内の圧力より高い圧力に高められる。タンクの中の圧力は燃焼室内より0.5から1bar高いことが好ましい。タンクの底に近い管路157を通るCOの導入は、タンクの内容物を少なくとも部分的に流動化させる。次いで、管路20の中の弁17が開けられ、上述のようにCO、石炭の粉塵及び石灰石の混合物が、管路20、インジェクタ21を通り、燃焼室内に押し出される。タンク16が空になった後、弁17は再び閉められ、弁15は開けられ、タンクは再び上述のように粉塵で充填される。
【0063】
図4は、2次燃焼室81、熱交換器59、及びそれらを連結する管路の代用のための連結した2次燃焼室及び熱交換器200を示す。この連結により、熱効率がより良くなり、連結管路の使用がなくされるか又は削減される。
【0064】
空気及び天然ガスは、それぞれ空気管路203及びガス管路202を通って燃焼室201の中に導入される。COは、燃焼室の上部を冷却するためにCO管路204から冷却用ジャケット205を通って導入され、燃焼室内のガスの組成を調整するために燃焼室内に放出される。燃焼の中で燃えるガスは、燃焼室内で下方に押され、燃焼室の底の近くの開口部206を通って押し出される。燃焼室からの暖かい排煙ガスは、燃焼室を取り囲む排煙ガス室の中で循環される。排煙ガス室の高温の排煙ガスは、入口212を通ってこの装置に入る管路58からのCO不足の流れとの熱交換によって冷却される。このCO不足の流れは、排煙ガス室207の外壁と熱交換器シェル210の間に画成された循環空間の中を循環する。
【0065】
2次燃焼室201からの排煙ガスは、排煙ガス出口208を通って装置から出て、管路86の中に導入される。この加熱されたCO不足の流れは、この装置から熱交換器出口213を通って管路60の中に出る。管路203の中に導入されるべき空気は、空気が熱交換器シェル210の少なくとも一部を取り囲むジャケット216の空気入口の中に導入されるとき、CO不足の流れとの熱交換によって予熱されることが好ましい。この加熱された空気は、空気出口217を通って除去され、空気管路203の中に導入される。
【0066】
この連結した燃焼室及び熱交換器は、連結装置により小型の構造をもたらす。この装置の燃焼室と熱交換部とを分離する壁の間の高い温度差は、比較的狭い熱交換領域の必要性をもたらす。
【0067】
図5は、CO用の貯蔵手段250を有する中間貯蔵手段14の実施形態を示す。CO貯蔵手段250は、CO貯蔵タンク255と、電動機263よって運転される圧縮機259と、粉塵フィルタ252と、連結管路257、261と、このシステム内の流れを制御するいくつかの弁253、254、258、260、262とを有する。CO貯蔵手段250は、任意選択弁251を用いて中間貯蔵手段14から閉められ得る。
【0068】
タンク255の中で加圧下のCOがタンク16、16’又は16’’の1つの中に充填されるべきとき、タンク16に連結された弁、すなわち248、248’又は248’’が開けられる。次いで、タンク255の中のガスが管路256、261、及び249、249’又は249’’を通って流れることを可能にするために弁256、262が開けられる。タンク255からタンク16、16’又は16’’への流れがより低い圧力差により低減されると、弁256は閉められ、弁254、260、258が開けられ、タンク255からのCOは、タンク255の中の圧力がほぼ外気圧になるまで圧縮機259によって圧縮される。その後、全ての弁253、254、256、258、260、262、248は閉められる。
【0069】
タンク16、16’又は16’’からタンク255の中に余分なCOを充填するためには、対応する弁248、248’又は248’’は、開けられる。次いで、COは、弁253、254を開けることによってタンク16、16’又は16’’からフィルタ252を通ってタンク255の中に流れることが可能にされる。この流れが、タンク間の圧力差の低下により低減されると、弁254は閉められ、弁260、258、256は開けられ、タンク16、16’又は16’’からのガスは、圧縮され、一時的な貯蔵のためタンク255に導かれる。タンク16、16’又は16’’の中の圧力がほぼ大気圧になると、全ての弁248、248’、248’’、253、254、256、258、260、262は閉められる。
【0070】
COは、タンク16からの管路154、157、又は18などタンクの中へのどれかのCO管路を通ってタンク16の中に導入されるか又は除去されることができ、管路249は例示的であり、単独に、又は連結して上述の管路のいずれかを補うことができることが当分野の技術者には明白であろう。
【0071】
図6は、模範的で少し簡素化されたCO捕捉ユニット49を示す。冷却された燃焼ガスは、管路48を通ってユニット49に入り、吸収器300の底近くで中に導入される。洗浄された燃焼ガスは、吸収器の上部に近くの管路50で吸収器300から出る。アミン又は高温炭酸塩溶液など吸収剤が、吸収器の上部近くの管路301を通って吸収器の中に導入され、吸収器の底近くの管路302を通って豊富な吸収剤(COの豊富な)として吸収器から出る。吸収器を通って洗浄され吸収されるべきガスの対向流は、COの吸収のための最適な条件を確実にする。
【0072】
管路302の中のこの豊富な吸収剤は、その上部近くのストリッピングコラム(stripping column)305の中に導入される前に、熱交換器303で再生された(リーンな)吸収剤に対して加熱される。このストリッピングコラムの中の温度は、吸収器300の中の温度より高く、圧力は吸収器300の中の圧力より低く、これによりCOを吸収剤から放出させる。吸収剤から放出されたCOは、CO管路306を通ってストリッピングコラムから除去される。管路306の中のCOは、管路51を通ってCO捕捉ユニットから出るCOの豊富な流れの中の湿気を除去するために還流凝縮器307の中で冷却される。還流凝縮器307の中で凝縮された湿気は、還流管路308でストリッピングコラムに戻される。
【0073】
この揮散されたか又はリーンな吸収剤は、管路301でストリッピングコラム305から底近くで取り出される。管路301の中のこのリーンな吸収剤は、吸収器300の中に再び入れられる前に、熱交換器303及び冷却器311の中で冷却される。このリーンな吸収剤の一部は、加熱されたリーンな吸収剤がストリッピングコラム305の中に再導入される前に、リボイラ310の中で加熱される加熱回路309の中に取り出され得る。
【0074】
図1による模範的なプラントでは、温度、圧力、質量流量に対する重要な数値が、次の通りであってもよい。
【0075】
【表1】

【0076】
当業界の技術者ならば、言及された熱交換器、タービン、圧縮機及び同種のものが2つ以上の並列及び/又は直列して連結される装置を意味することが理解されよう。さらに、2個以上の並列が言及された場合、並列の数は例示された実施形態とは異なることがある。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の好ましい実施形態の概略図である。
【図2a】本発明によるインジェクタを貫く縦断面図である。
【図2b】図2aのA−Aの断面図である。
【図3】本発明によるプラント用の模範的な粉砕及び中間燃料貯蔵装置を示す図である。
【図4】本発明によるプラント用の連結した熱交換器及び2次燃焼室を貫く縦断面図である。
【図5】中間燃料貯蔵装置及びCOを処理する手段の概略図である。
【図6】模範的なCO捕捉ユニットを示す概略図である。
【符号の説明】
【0078】
9 冷却用コイル
10 石炭管路
11 石灰石管路
12 石炭用ミル
13 運搬手段、アルキメデスねじ、運搬装置
14 中間貯蔵手段
15 入口弁
16 貯蔵タンク
17 出口弁
18 CO管路
19 CO
20 管路
21 インジェクタ
22 ガス管路
23 空気管路
24 固体除去管路
25 燃焼室
26 蒸気管路
27 発電機
28 タービン
29 管路
30 凝縮器
31 ポンプ
32 予熱器
33 管路
35 燃焼ガス管路
36 粉塵除去ユニット
37 上流弁
38 サイクロン及び/又はフィルタ
39 粉塵除去管路
40 下流弁
41 管路
42 SCRユニット
43 管路
44 熱交換器
46 管路
47 凝縮器
48 管路
49 CO捕捉ユニット
50 管路
51 CO管路
52 圧縮機
53 電動機
54 管路
55 CO管路
57 管路
58 管路
59 熱交換器
60 管路
61 タービン、2段タービン
62 管路
63 熱交換器
64 管路
65 発電機
66 軸
70 空気取入口
71 圧縮機
72 電動機
73 空気管路
75 空気取入口
76 圧縮機、低圧圧縮機
77 中間冷却器
78 圧縮機、高圧圧縮機
79 管路
80 ガス入口管路
81 2次燃焼室
82 管路
83 管路
84 ファン
85 管路
86 管路
87 2次空気管路
88 漏出管路
100 保持板
101 カラー
102 中央チューブ、中央導管
103 空気インジェクタ
104 ガスインジェクタ
105 らせん状リブ
106 冷却用ジャケット
107 管路
109 空気入口
110 ガス管路
111 反射板
112 冷却用チャネル
150 ファンネル
151 内部フラップ
152 パージ管路
153 弁
154 CO管路
155 弁
157 CO管路
158 弁
200 連結した2次燃焼室及び熱交換器
201 2次燃焼室
202 ガス管路
203 空気管路
204 CO管路
205 冷却用ジャケット
206 開口部
207 排煙ガス室
208 排煙ガス出口
210 熱交換器シェル
212 入口
213 熱交換器出口
216 ジャケット
217 空気出口
248 弁
249 管路
250 CO貯蔵手段
251 任意選択弁
252 粉塵フィルタ
253 弁
254 弁
255 CO貯蔵タンク
256 弁、管路
257 連結管路
258 弁
259 圧縮機
260 弁
261 連結管路
262 弁
263 電動機
300 吸収器
301 管路
302 管路
303 熱交換器
305 ストリッピングコラム
306 CO管路
307 還流凝縮器
308 還流管路
309 加熱回路
310 リボイラ
311 冷却器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として石炭ベースの燃料から電力を生成するための方法であって、
前記石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスが燃焼室内に導入されて高圧で燃焼され、前記燃焼ガスが電力生産のための蒸気の生成によって前記燃焼室内で冷却され、前記燃焼ガスが、さらに冷却され、CO捕捉ユニットの中でCOの豊富な流れとCO不足の流れとに分離され、前記CO不足の流れが、周囲環境中に移出される前に電力を生産するために再加熱されてタービンにわたり膨張させられ、一方、前記COの豊富な流れが、貯蔵又は移出のための流れと前記燃焼室に再循環される流れとに分割されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記燃焼室に再循環される前記COの豊富な流れの少なくとも一部が、前記燃焼室に導入される前に前記石炭ベースの燃料と混合され、前記石炭ベースの燃料とともに前記燃焼室内に噴射されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CO不足の流れが、タービンにわたり膨張される前に、ガスによって発火される2次燃焼室からの燃焼ガスとの熱交換によって加熱されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記燃焼室内の圧力が5〜35barであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力が10〜20bar、より好ましくは約12〜約16barであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記燃焼室から出る前記燃焼ガス中の温度が、蒸気の生産によって約350°未満に低減されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
天然ガスが前記燃焼を助長するために前記燃焼室内に導入されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
主に石炭ベースの燃料を燃焼させる火力発電プラントであって、燃焼室(25)と、前記石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスを前記燃焼室(25)の中に導入するための手段(21)と、前記燃焼室で前記燃焼ガスを冷却するための冷却手段と、前記燃焼ガスをCOの豊富な流れとCO不足の流れとに分離するための手段(49)と、を含んでなる火力発電プラントにおいて、前記燃焼室に前記COの豊富な流れの一部を再循環させるための管路(54)と、貯蔵又は移出のために前記COの豊富な流れの残りを供給するためのCO管路(55)と、をさらに含んでなることを特徴とする火力発電プラント。
【請求項9】
前記冷却手段が前記燃焼室(25)内の冷却用コイル(9)であり、前記冷却用コイルが蒸気の生成によって前記燃焼ガスを冷却することを特徴とする請求項8に記載の火力発電プラント。
【請求項10】
電力生産のために、発電機(27)に連結された蒸気タービン(28)をさらに含んでなることを特徴とする請求項9に記載の火力発電プラント。
【請求項11】
前記CO不足の流れを加熱するための発熱用2次燃焼室(81)であって、ガスを燃焼させる2次燃焼室(81)と、周囲環境中に放出される前に前記加熱されたCO不足の流れを膨張させるためのタービン(61)と、をさらに含んでなることを特徴とする請求項8に記載の火力発電プラント。
【請求項12】
電力生産のために前記タービン(61)が発電機(65)に連結されていることを特徴とする請求項11に記載の火力発電プラント。
【請求項13】
石炭ベースの燃料及び酸素含有ガスを加圧燃焼室内へ噴射するインジェクタであって、
酸素含有ガス用の複数のインジェクタ(103)に取り囲まれた、微粉炭ベースの燃料とCOガスとの混合物噴射用の中央導管(102)を含んでなることを特徴とするインジェクタ。
【請求項14】
天然ガス噴射用の1個又は複数のガスインジェクタ(104)をさらに含んでなることを特徴とする請求項13に記載のインジェクタ。
【請求項15】
らせん状リブ(105)が前記中央導管(102)内に設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載のインジェクタ。
【請求項16】
前記ガスが石炭粉に対して反対方向に回転するように、前記ガスインジェクタ(104)が方向付けられていることを特徴とする請求項15に記載のインジェクタ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−534862(P2008−534862A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505251(P2008−505251)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/NO2005/000117
【国際公開番号】WO2006/107209
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(504467428)
【Fターム(参考)】