説明

低VOCポリアミン

【課題】コーティング組成物および他の用途におけるpH調節に有用な新規ポリアミン化合物を提供する。
【解決手段】下記式(I)を有する化合物:


式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NH)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してコーティング組成物および他の用途におけるpH調節に有用なポリアミン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
G.B.Butler(バトラー)、J.Am.Chem.Soc.,1956,78,482−484は下記式
【化1】

(式中、Y=NO、NH)を有する化合物を開示するが、この文献は本願において特許請求されるヒドロキシ置換ポリアミンもしくはニトロアミン化合物を開示も示唆もしていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】G.B.Butler、J.Am.Chem.Soc.,1956,78,482−484
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明により取り組まれる課題はコーティング組成物および他の用途におけるpH調節に有用な新規ポリアミン化合物を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記式(I)を有する化合物に関する:
【化2】

式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NH)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。
【0006】
本発明はさらに下記式(II)を有する化合物に関する:
【化3】

式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NO)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。
【0007】
本発明はさらに、7未満のpHを有するコーティング組成物に、7.5〜9.5の最終pHを生じさせるのに充分な量の式(I)(式(I)中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NO)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である)の化合物を添加することを含む、コーティング組成物におけるpHを調節する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
他に示されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(重量%)である。百万分率での濃度(ppm)は重量/体積基準で計算される。「水性」組成物は水を少なくとも30重量%、あるいは水を少なくとも35重量%、あるいは水を少なくとも38重量%含む組成物である。好ましくは、水性組成物は5重量%を超えて有機溶媒を含まない。他に特定されない限りは、「アルキル」基は線状もしくは分岐の配置の1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。アルキル基は場合によっては1以上の二重結合もしくは三重結合を有する。アルキル基上での1以上のヒドロキシもしくはアルコキシ基の置換が許容される。好ましくは、アルキル基は飽和かつ非置換である。「シクロアルキル」基は少なくとも1つの飽和環を含むアルキル基である。「ヘテロアルキル」基は少なくとも1つの炭素がO、NRもしくはS(ここで、Rは水素、アルキル、アリールもしくはアルアルキルである)によって置き換えられたアルキル基であり、例えば、−CHCHR’(OCHCHR’)−(ここで、R’は水素、メチルもしくはエチルであり、nは1〜9、またはそのヘテロアルキル基の最大サイズおよびR’の種類(identity)によって決定される上限である)である。ヘテロアルキル基の炭素数はそのヘテロアルキル基における実際の炭素原子の数であって、組み込まれたヘテロ原子を含まない。本発明のある実施形態においては、ヘテロアルキル基は酸素へテロ原子だけを有し、かつ炭素原子:酸素原子の比率は5:1〜2:1、あるいは4:1〜2.5:1である。本発明のある実施形態においては、ヘテロアルキル基は窒素へテロ原子だけを有し、かつ炭素原子:窒素原子の比率は2以上:1である。本発明のある実施形態においては、少なくとも1つの窒素原子を含むヘテロアルキル基は窒素原子に結合した−CHC(Y)(R)(CHOH)基を有し、ここでYは化合物(II)もしくは化合物(I)においてそれぞれNOもしくはNHである。本発明のある実施形態においては、ヘテロアルキル基はその鎖のいずれかの末端で炭素原子を介して結合されている。「アリール」基は芳香族炭化水素化合物から得られる置換基である。アリール基は、他に特定されない限りは、全部で6〜20個の環原子を有し、かつ別々もしくは縮合した1以上の環を有する。「アルアルキル」基は「アリール」基で置換された「アルキル」基である。「アリールアルキル」基はアルキル基に二官能性アリール基が挿入されている二官能性基であって、例えば、−(CH)xC(CH−であり、ここでCはo−、m−もしくはp−フェニレンであり、xおよびyは同じかもしくは異なっていてよく、好ましくは同じであり、かつアリールアルキル基の全体のサイズおよび挿入されたアリール基の種類と調和した値を有する。「アリールヘテロアルキル」基はヘテロアルキル基に二官能性アリール基が挿入されている二官能性基である。アリール基上での以下の基の1種以上の置換が許容される:ハロ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ヘテロアルキル、アルカノイル、アミノ、または1以上のアルキル、アリール、アルアルキル、ヘテロアルキルもしくはアルカノイルで置換されたアミノ;1以上のハロ基による置換がアルキル、ヘテロアルキル、アルカノイルもしくはアルコキシ基上で可能である。好ましくは、アリール基はハロゲン原子を含まない。本発明のある好ましい実施形態においては、アリール基は非置換であるか、またはアルキル基だけで置換されている。二官能性基は2つの結合点を有する置換基であり、例えば、二官能性アルキル基の例は、−(CH−(ここで、xは2〜20であり得る)であろう。
【0009】
本発明のある実施形態においては、Rは化合物(II)においては、CHC(NO)(R)(CHOH)であり、化合物(I)においては、CHC(NH)(R)(CHOH)である。ある実施形態においては、このR置換基は一緒になってC二官能性アルキル基を形成し、好ましくは、XもC二官能性アルキル基である。
【0010】
本発明のある実施形態においては、Xは、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、C−Cアリール、C−C12アリールアルキル、C−C10ヘテロアルキル、およびC10−C16アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基であるか;あるいはC−C10アルキル、C−C10ヘテロアルキル、およびC10−C16アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基であるか;あるいはC−CアルキルおよびC−Cヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。本発明のある実施形態においては、Xは対称形であり、すなわち、Xの長さに対して垂直に対称面が存在する。
【0011】
本発明のある実施形態においては、式(I)の化合物は、以下に示されるように、
【化4】

式(III)のニトロジオールを、式(IV)におけるような2つの末端アミノ基を有する化合物と化合させ(式中、R、RおよびXは上で定義された通りであり、Rは水素もしくはメチルである)て、式(II)のニトロ化合物を生じさせ、次いでニトロ化合物(II)を式(I)の化合物に還元することにより製造される。化合物(II)の還元は脂肪族ニトロ基を還元できる試薬を用いて達成されうる。この還元剤の例には、触媒、例えば、ラネーニッケル、白金もしくはパラジウム含有触媒、例えば、元素形態のPtもしくはPdまたはその酸化物(無機担体、例えば炭素を有するかもしくは有さない)と組み合わせた水素ガス;並びに他の還元剤、例えば、金属/酸組み合わせ、例えば、鉄/酢酸、水素化アルミニウム、例えば、水素化リチウムアルミニウムもしくは水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが挙げられる。好ましい還元剤には以下の触媒:ラネーニッケル、白金もしくはパラジウムのいずれか:と組み合わせた水素ガスが挙げられる。ニトロ基の水素化の条件は周知であり、例えば、約20〜80℃の温度範囲、約100〜1000psi(690〜6900kPa)の圧力であり、当業者によって容易に調節されうる。
【0012】
本発明のある実施形態においては、化合物(IV)は、アミノアルキル基、例えば、C−Cアミノアルキル基でキャップされたアルキレンオキシド、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドの重合残基、例えば、2〜6つの残基を有する。本発明のある実施形態においては、Xは平均式−CH(CH)CH(OCHCH(CH))−(式中、nは約2.7である)を有する基の混合物を表す。この混合物は、nが2、3および4に等しいものを少なくとも含み、これはそれぞれXがC、C12またはC15ヘテロアルキル基であることに対応する。
【0013】
本発明のある実施形態においては、化合物(III)の化合物(IV)に対するモル比は約2であり、その結果、1モルの化合物(III)が化合物(IV)の各末端に結合することとなり、生成物中のRは水素もしくはメチルである。もちろん、化合物(IV)におけるRがメチルの場合には、Rはメチルである。しかし、Rが水素であり、かつ化合物(III)の化合物(IV)に対する比率が2より大きい場合には、RがCHC(NO)(R)(CHOH)である化合物が形成されるであろう。本発明のある実施形態においては、Xは、水素原子を有する窒素原子を少なくとも1つ含むヘテロアルキル基である。この場合で、化合物(III)の化合物(IV)に対する比率が2より大きい場合には、このヘテロアルキル窒素原子に結合したCHC(NO)(R)(CHOH)基を有する化合物が形成される。例えば、XがCHCHNHCHCHであって、かつ化合物(III)の化合物(IV)に対する比率が約5である場合には、以下の化合物が形成される:
【化5】

【0014】
7未満の当初pHを有する水性コーティング組成物または他の水性組成物におけるpHを調節するのに式(I)の化合物が使用される場合には、添加される化合物(I)の量は、当初pH、所望の最終pH、および組成物中に存在する他の成分に応じて変動しうる。しかし、当業者は化合物(I)の必要な量を容易に決定できる。アクリルラテックスコーティング組成物においては、典型的には、化合物(I)の量は、コーティング組成物中のカルボン酸基の全重量の10重量%〜125重量%、あるいは25重量%〜100重量%の範囲であろう。本発明のある実施形態においては、水性組成物の当初pHは2〜7、あるいは2.5〜6である。目標pH値は好ましくは7.8〜9.3、あるいは8〜9.2である。本発明のある実施形態においては、水性コーティング組成物はアクリルもしくはメタクリル酸と、アクリルもしくはメタクリル酸C−Cアルキルとのコポリマーを含むアクリルラテックスである。本発明のある実施形態においては、アクリルラテックスは40〜65重量%、あるいは45〜62重量%、あるいは45〜55重量%のポリマー固形分を含む。
【0015】
化合物(III)と(IV)との反応条件は概して知られており、例えば、典型的には、反応物質が1〜10時間、還流加熱され、次いで場合によっては室温(20〜25℃)で24〜48時間維持される。多くの好適な溶媒、例えば、水、メタノール、エタノールおよびこれらの混合物が存在する。
【実施例】
【0016】
2−メチル−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールの製造:
【化6】

【0017】
滴下漏斗および窒素出口でキャップされた凝縮器、並びに攪拌棒を備えた3つ口丸底フラスコに、ニトロエタン(10g、0.13mol)およびトリエチルアミン(0.3g、10mol%)を入れた。この淡黄色溶液は10分間攪拌され、37%ホルムアルデヒド溶液(21.6g、0.27mol)が1時間の期間にわたって滴下添加された。この反応系は室温で24時間攪拌され、出発材料の消滅を確認するためにこの反応をGCによって周期的に監視した。この反応は24時間後に停止させられ、ロータリーエバポレータによって揮発物質が除去された。得られた溶液は黄色で、GC分析は2種類の生成物の存在を示した。さらなる精製なしに、この生成物混合物が後の反応に使用された。
【0018】
【表1】

【0019】
ピペラジン付加物(7)の製造:
【化7】

【0020】
15mLメタノール中のピペラジンの攪拌溶液(5.7g、0.07mol)に2−メチル−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールおよび2−ニトロプロパン−1−オールの混合物(17.96g)が滴下添加された。この反応混合物は30分間室温で攪拌され、次いで5時間還流された。反応中に白色沈殿が形成し、これは水中に、およびメタノール中にほとんど可溶性ではなかった。この白色固体は濾別され、真空下で2時間乾燥させられた。真空乾燥後の所望の化合物の収率は20g(90%)であった。
H NMR(DMSO−d):δ1.46(s,6H)、δ2.50(s,2H)、δ3.17(s,8H)、δ3.7(s,4H)およびδ5.31(d,4H)。13C NMR(DMSO−d):δ16.8、48.5、54.5、63.9および93.0ppm。
【0021】
NEPD−HMDAアナログ(9)の製造
【化8】

【0022】
窒素出口でキャップされた滴下漏斗および攪拌棒を備えた1つ口丸底フラスコにヘキサメチレンジアミン(HMDA)(20g、0.17mol)が入れられた。2−ニトロ−2−エチル−1,3−プロパンジオールおよび2−エチル−2−ニトロブタノールの混合物の55%水溶液(189g、0.69mol)がこのフラスコに1時間の期間にわたって、連続的に攪拌しつつ滴下添加された。添加完了後、滴下漏斗が凝縮器と交換され、この反応混合物は6時間還流され、そして室温で一晩攪拌された。この反応の完了後、フラスコの内容物が吸引ろ過でろ過され、深赤色で高粘性の物質が集められ、真空下で8時間乾燥させられた。この分子は非常に嵩高でGC/MSで検出できなかった。このサンプルはHPLCカラム(90/10水/アセトニトリル)を通され、3つの異なる生成物の形成を示した。このHPLCの記録された保持時間は1.27、1.66および1.91分であり、最も極性の化合物、すなわち、保持時間1.27分のものが最も多量に形成されていた。
【0023】
NEPD−DETAアナログ(10)の製造
【化9】

【0024】
窒素出口でキャップされた滴下漏斗および攪拌棒を備えた1つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン(DETA)(10g、0.09mol)が入れられた。2−ニトロ−2−エチル−1,3−プロパンジオールおよび2−エチル−2−ニトロブタノールの混合物の55%水溶液(132g、0.48mol)がこのフラスコに1時間の期間にわたって、連続的に攪拌しつつ滴下添加された。添加完了後、滴下漏斗が凝縮器と交換され、この反応混合物は6時間還流され、そして室温で一晩攪拌された。この反応の完了後、フラスコの内容物が吸引ろ過でろ過され、深赤色で高粘性の物質が集められ、真空下で8時間乾燥させられた。この分子は非常に嵩高でGC/MSで検出できなかった。このサンプルはHPLCカラム(90/10水/アセトニトリル)を通され、2つの異なる生成物の形成を示した。このHPLCの記録された保持時間は1.27および1.92分であり、最も極性の化合物、すなわち、保持時間1.27分のものが最も多量に形成されていた。
【0025】
【化10】

【0026】
磁気攪拌装置、窒素ブランケット、熱電対、凝縮器および添加漏斗を備えた100mLの三ツ口フラスコに、N,N’−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(7.0g/0.08モル、1.0当量)を入れる。添加漏斗に2−エチル−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(水中69.2重量%NEPD:34.4g/0.15モル、2.01当量)を入れた。このNEPDはフラスコ内のアミンに非常にゆっくりと、15〜20分の期間にわたって添加された。10〜12℃のわずかな発熱が観察され、反応混合物が黄色になった。この混合物は60℃で10時間加熱され、次いで、室温でさらに17時間攪拌された。加熱中に反応混合物は深赤色に変わった。この時点で、この反応は完了したと考えられ、停止させられた。材料と水の全量は約50gであった。LC−MS分析で、主生成物としての化合物(1)の形成[M+H]=351.22を確認した。[M+H]=337.21のわずかな不純物が存在していた。この反応生成物はそのまま水素化反応工程に使用された。
【0027】
【化11】

【0028】
磁気攪拌装置、窒素ブランケットおよび添加漏斗を備えた100mLの1つ口フラスコに、ヘキサン−1,6−ジアミン(10.0g/0.09モル、1.0当量)を入れる。添加漏斗に2−エチル−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(水中69.2重量%NEPD:37g/0.17モル、2.01当量)を入れた。このNEPDはフラスコ内のアミンに非常にゆっくりと、15〜20分の期間にわたって添加された。NEPDを混合する際にこの反応混合物は暖まって、曇って黄色に変わった。添加漏斗が凝縮器に交換されて、反応混合物は60℃で10時間加熱され、次いで、室温でさらに24時間攪拌された。この反応混合物を一晩攪拌し、2層、すなわち、水層およびゲル状層(黄色)が生じた。この時点で、この反応は完了したと考えられた。この水層はデカントして除かれ、〜25.8g(79.4%)のゲル状黄色物質が得られた。LC−MS分析で、唯一の生成物としての化合物(2)の形成[M+H]=379.24を確認した。この反応生成物はそのまま水素化反応工程に使用された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)を有する化合物:
【化1】

式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NH)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。
【請求項2】
XがC−CアルキルもしくはC−Cヘテロアルキルである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がCHC(NH)(R)(CHOH)である請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが少なくとも1つの窒素原子を有するC−Cヘテロアルキル基であり、CHC(NH)(R)(CHOH)基がヘテロアルキル窒素原子に結合している請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
下記式(II)の化合物:
【化2】

式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NO)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。
【請求項6】
XがC−CアルキルもしくはC−Cヘテロアルキルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がCHC(NO)(R)(CHOH)である請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
7未満のpHを有するコーティング組成物に、7.5〜9.5の最終pHを生じさせるのに充分な量の式(I)
【化3】

(式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NH)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である)の化合物を添加することを含む、
コーティング組成物におけるpHを調節する方法。
【請求項9】
XがC−CアルキルもしくはC−Cヘテロアルキルである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
下記式(III)のニトロジオールを、下記式(IV)の化合物と化合させることを含む、下記式(II)の化合物を製造する方法:
【化4】

式中、Rはメチルもしくはエチルであり;Rは水素、メチル、CHC(NO)(R)(CHOH)であるか、またはRどうしが一緒になって二官能性C−Cアルキル基を形成し;Rは水素もしくはメチルであり;XはC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C10アリール、C−C20アリールアルキル、C−C20ヘテロアルキル、もしくはC10−C20アリールヘテロアルキルからなる群から選択される二官能性基である。

【公開番号】特開2012−136508(P2012−136508A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−254494(P2011−254494)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【出願人】(591252611)アンガス ケミカル カンパニー (32)
【Fターム(参考)】