説明

住宅エネルギシステム

【課題】消費エネルギの低減を的確に促すことができる住宅エネルギシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】住宅の消費エネルギを所定の範疇に分類するための分類情報の入力や、消費エネルギの改善ポイントのアドバイス等の表示などを行う表示・操作部12と、住宅内の消費エネルギの検出や、消費エネルギを所定の範疇に分類するための情報等の検出を行う検出部14と、検出部14の検出結果に基づいて、消費エネルギの改善ポイント等をアドバイスするための各種演算を行う演算部16と、検出部14の検出結果や、消費エネルギを予め定めた特性(例えば、季節や天候などの消費エネルギを左右する特性)に従って所定の範疇に分類して、分類した範疇毎に過去の消費エネルギや消費エネルギを表す値を定めた評価値テーブルを記憶するデータ蓄積部18と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅エネルギシステムにかかり、特に、省エネルギを促進する住宅エネルギシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化等の環境問題を鑑みて、省エネルギを促進するための技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、構造物の小区画毎に設けられた端末と、該端末とネットワーク接続された管理サーバからなるシステムにおいて、管理サーバが、端末各々から電気、ガス、水を含むエネルギ媒体の使用量、CO2排出量及び廃棄物排出量からなる実績値を計算し、実績値とテナント毎に設定されているエネルギ使用量、CO2排出量及び廃棄物排出量の実績値の基準値に対する割合である達成率を求めて、端末へ配信することが提案することにより、基準値を目標にエネルギの節減を行うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−133469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、実績値と比較する基準値は、過去の使用量データの蓄積値から所定の式を用いて求めると記載されているが、具体的な基準値の設定方法については記載されておらず、基準値次第では省エネルギの促進にならないので、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、消費エネルギの低減を的確に促すことができる住宅エネルギシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、住宅内のエネルギ消費量を検出する消費量検出手段と、前記エネルギ消費量を表す評価値を予め定めた範疇毎に分類し、分類した範疇毎に過去の前記エネルギ消費量又は該過去の前記エネルギ消費量を表す評価値を蓄積する蓄積手段と、分類された前記範疇の中から前記消費量検出手段によって検出された現在の前記エネルギ消費量に対応する前記範疇を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記範疇おける前記評価値を前記蓄積手段から取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記評価値と、前記消費量検出手段によって検出された前記エネルギ消費量と、を比較して比較結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、消費量検出手段では、住宅内のエネルギ消費量が検出される。例えば、消費量検出手段は、エネルギ消費量として、住宅内で消費される電力、ガス、水道等のエネルギ消費量を検出する。
【0009】
蓄積手段では、エネルギ消費量を表す評価値を予め定めた範疇毎に分類して、分類した範疇毎に過去のエネルギ消費量又は過去のエネルギ消費量を表す評価値が蓄積される。例えば、蓄積手段は、家族構成や、設備機器、季節・天候等の範疇毎に過去のエネルギ消費量を分類して記憶する。
【0010】
特定手段では、分類された範疇の中から消費量検出手段によって検出されたエネルギ消費量に対応する範疇が特定される。例えば、特定手段は、請求項2に記載の発明のように、外気温、湿度、室温、日射量、及び風の少なくとも1つを含む天候を検出する天候検出手段によって検出された天候に基づいて範疇を特定することができる。
【0011】
取得手段では、特定手段によって特定された範疇における評価値が蓄積手段から取得される。
【0012】
そして、表示手段では、取得手段によって取得された評価値と、消費量検出手段によって検出されたエネルギ消費量と、が比較されて表示される。すなわち、所定の範疇毎に分類された過去のエネルギ消費量と、検出されたエネルギ消費量とを比較して、比較結果を表示することにより、比較対象に対する消費エネルギの低減具合を報知することができる。そして、範疇毎に比較することにより、条件を合わせて比較することができるので、消費エネルギの低減を的確に促すことができる。
【0013】
なお、請求項3に記載の発明のように、蓄積手段が、範疇を特定するための特定パラメータを更に蓄積し、特定手段が、特定パラメータに基づいて範疇を特定するようにしてもよい。この場合には、請求項4に記載の発明のように、特定パラメータを指定するための情報を入力する入力手段を更に備えるようにしてもよい。入力手段としては、例えば、請求項5に記載の発明のように、表示装置に設けられたタッチパネルを適用することができる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明のように、他の住宅と通信するための通信手段を更に備えて、表示手段が、通信手段を介して取得したほかの住宅の評価値と、消費量検出手段によって検出されたエネルギ消費量とを比較して比較結果を表示するようにしてもよい。これによって、1つの住宅だけではなく、他の住宅のエネルギ消費量と比較することが可能となる。また、この場合には、請求項7に記載の発明のように、通信手段が、複数の住宅の蓄積手段に蓄積する評価値を集約して蓄積するサーバと更に通信可能とし、取得手段が、特定手段によって特定された範疇における評価値をサーバから通信手段を介して取得する構成としてもよい。また、このとき、請求項8に記載の発明のように、サーバが、取得手段が特定手段によって特定された範疇における評価値を取得する際に、他の住宅の評価値を住宅を特定不能として送信するようにしてもよい。これによってプライバシーを保護することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、条件を合わせて消費エネルギを比較することができるので、消費エネルギの低減を的確に促すことができる住宅エネルギシステムを提供することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの概略を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図3】(A)は分類特定パラメータの一例を示す表であり、(B)は評価値テーブルの一例を示す表である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの制御装置で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの変形例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの概略を示す機能ブロック図である。
【0018】
本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10は、住宅内の消費エネルギを検出して消費エネルギの低減活動を支援するツールとして機能する。
【0019】
本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10は、表示・操作部12、検出部14、演算部16、及びデータ蓄積部18を備えている。
【0020】
表示・操作部12は、住宅の消費エネルギを所定の範疇に分類するための分類情報の入力や、上述の消費エネルギの改善ポイントのアドバイス等の表示などを行う。例えば、図1に示すように、消費エネルギを所定の範疇に分類するための分類用情報の入力や修正等を入力して、入力結果を演算部16に送信し、演算部16の演算結果を表示する。
【0021】
検出部14は、住宅内の消費エネルギ(エネルギ消費量)の検出や、消費エネルギを分類するための情報等の検出を行う。そして、図1に示すように、検出部14の検出結果を演算部16へ送信する。
【0022】
演算部16は、検出部14の検出結果に基づいて、消費エネルギの改善ポイント等をアドバイスするための各種演算を行う。例えば、演算部16は、図1に示すように、分類された範疇を特定するための演算を行って範疇を特定し、特定した範疇に対応する評価値の要求(分類指定評価値要求)をデータ蓄積部18へ行うことによって、データ蓄積部18から返信される指定分類の評価値テーブルを取得する。そして、検出データから算出した評価値と、評価値テーブルの評価値とを比較して、比較結果を表示・操作部12へ送信する。これによって、表示・操作部12では、消費エネルギの改善ポイントとして比較結果を表示することにより、常にレベルアップ(消費エネルギの低減)に向けた目標を表示することができる。
【0023】
また、データ蓄積部18は、検出部14の検出結果や、後述する評価値テーブル等を記憶する。評価値テーブルとしては、例えば、消費エネルギを予め定めた特性(例えば、季節や天候などの消費エネルギを左右する特性)に従って分類して、分類した範疇毎に過去の消費エネルギや消費エネルギを表す値等を蓄積する。
【0024】
次に、本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステムの具体的な構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
住宅エネルギシステム10は、図2に示すように、上述の演算部16に相当する、住宅内のエネルギの監視及び制御を行う制御装置20を備えている。制御装置20は、マイクロコンピュータを含んで構成されている。すなわち、制御装置20は、CPU22、ROM24、RAM26、及び入出力ポート28を備えて、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス30を介して各々接続されている。
【0026】
入出力ポート28には、各種入出力機器として、表示装置32、操作装置34、及びフラッシュメモリ36等が各々接続されていると共に、各部へ電力を供給する電源部38が接続されている。
【0027】
表示装置32は、例えば、液晶等のディスプレイを適用することができる。また、操作装置34は、表示装置32と一体に設けられたタッチパネルを適用するようにしてもよいし、キーボード等の操作装置を適用するようにしてもよい。すなわち、表示装置32及び操作装置34は、上述の表示・操作部12として機能する。
【0028】
フラッシュメモリ36は、上述のデータ蓄積部18として機能し、住宅の消費エネルギの検出結果や、消費エネルギの低減活動を支援する省エネ支援プログラム、各種情報等を記憶する。
【0029】
電源部38は、CPU22等の各部へ電力を供給し、CPU22の制御によってスリープモード等のように一部分への電力供給を停止する等が可能とされている。
【0030】
また、入出力ポート28には、アナログ/デジタル(A/D)変換部40が接続されている。A/D変換部40は、住宅の消費エネルギを検出するためのセンサや、住宅の消費エネルギを分類するための情報を検出するセンサ等から出力されるアナログ信号の検出結果をデジタル信号に変換して、各センサの検出結果を制御装置20に取り込むようになっている。
【0031】
A/D変換部40には、具体的には、住宅内で消費される電流値を検出する電流センサ42、住宅内で消費されるガス量を検出するガスセンサ44、住宅内で消費する水量を検出する水道センサ46、日射量や日照時間を検出する日射センサ48、外気温度を検出する外気温センサ50、住宅内の温度を検出する室温センサ52、及び風向や風速を検出する風向・風速センサ54等のセンサが接続されている。すなわち、A/D変換部40に接続された各種センサが上述の検出部14として機能する。なお、各センサは、上記に限るものではなく、例えば、消費電力を検出する電力センサなどを備えるようにしてもよい。
【0032】
ここで、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10で行われる消費エネルギ低減支援方法について説明する。
【0033】
本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10では、上述の検出部(電流センサ42、ガスセンサ44、水道センサ46、日射センサ48、外気温センサ50、室温センサ52、風向・風速センサ54、外湿度センサ51、及び室内湿度センサ53等の各センサ)14の検出結果を取得して、住宅内の消費エネルギを所定の範疇に分類して記憶する。そして、分類して記憶した過去の消費エネルギを評価値として、現在の実績の消費エネルギと比較することによって、消費エネルギの改善ポイントをアドバイスするようになっている。
【0034】
分類方法としては、例えば、図3(A)に示す予め定めた分類特定パラメータに基づいて、図3(B)に示すように所定の範疇(図3(B)では、A〜C)に分類し、消費エネルギ(例えば、消費電流や、消費ガス、消費水量等)を分類毎にデータ蓄積部18としてのフラッシュメモリ36に記憶する。そして、このとき、図3(B)に示すように、分類して記憶した消費エネルギを消費量が少ない順にソートして評価値テーブルとして記憶することにより、次に検出した消費エネルギ(実績値)と比較して、順位等を表示することにより、消費エネルギの低減を促すようになっている。
【0035】
なお、評価値テーブルとしては、実績値を評価値として随時記憶して評価値としてもよいし、予め定めた値を評価値として記憶しておき、実績値に基づいて予め定めた値を順次更新するようにしてもよい。
【0036】
また、図3(A)の分類特定パラメータを用いて消費エネルギを分類する際には、分類の条件に全て一致しない場合も考えられるため、予め定めた係数等を乗じた評価値とした評価値テーブルとして扱うようにしてもよい。
【0037】
また、図3(A)に示す分類特定パラメータは、一例を示すものであり、これに限るものではなく、他のパラメータを用いるようにしてもよい。例えば、図3(A)では、分類特定パラメータの季節・天候の内容の一例として、天候(気温、日射時間、風向・風速)を挙げているが、天候(気温、湿度、日射時間、日射量、風向・風速)などのパラメータを設定するようにしてもよい。
【0038】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10の演算部として機能する制御装置20で行われる具体的な処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10の制御装置20で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0039】
ステップ100では、予め定めた分類情報入力画面が表示装置32に表示されてステップ102へ移行する。すなわち、消費エネルギの分類を特定するための分類情報を入力する画面が表示され、表示に従って入力が行われる。例えば、入力する内容としては、分類特定パラメータの項目のうち、各種センサで検出不能な項目について入力する。なお、分類特定パラメータのうち各種センサで検出可能な項目については後段の処理で取得して利用する。
【0040】
ステップ102では、入力が終了したか否かが判定され、該判定が肯定されるまで待機してステップ104へ移行する。
【0041】
ステップ104では、各種検出データが取得されてステップ106へ移行する。すなわち、電流センサ42、ガスセンサ44、水道センサ46、日射センサ48、外気温センサ50、室温センサ52、風向・風速センサ54、外湿度センサ51、及び室内湿度センサ53等の検出結果をA/D変換部40によってデジタル信号に変換して取得することにより、エネルギ消費量や、分類を特定するための情報を取得する。
【0042】
ステップ106では、分類特定演算が行われてステップ108へ移行する。分類特定演算は、上記ステップで入力された分類情報、及び各種センサの検出結果に基づいて分類を特定する。すなわち、所定の範疇に分類された中から何れの範疇に該当するか否かを制御装置20が特定する。
【0043】
ステップ108では、評価値が算出されてステップ110へ移行する。評価値の算出は、検出部14として機能する各センサによって検出された消費エネルギを評価値とする。また、分類が一致しない場合には、上述したように、近い範疇と分類を一致させるために予め定めた係数を消費エネルギに乗算するなどして評価値を求めるようにしてもよい。
【0044】
ステップ110では、特定した範疇に対応する評価値テーブルがデータ蓄積部18としてのフラッシュメモリ36から取得されてステップ112へ移行する。
【0045】
ステップ112では、算出した評価値と取得した評価値テーブルの比較が行われると共に、省エネルギに関するアドバイスが算出されてステップ114へ移行する。すなわち、算出した評価値と過去のデータである評価値テーブルとを比較して、どの順位になるかを判断する。そして、分類等を考慮したアドバイスを予め用意しておいて、対応するアドバイスを選択することによってアドバイスを求める。なお、アドバイスとしては、例えば、各センサによって検出された現在の消費エネルギと評価値テーブルとを比較することにより、気温○○度、日照時間○○でエネルギ消費量が○○の時が省エネによいが、気温××、日照時間××でエネルギ消費量が××の時が省エネに悪い等を判断して、表示するようにしてもよいし、今回のデータは気温××度、日照時間××でエネルギ消費量が××に近いので、気温○○度、日照時間○○でエネルギ消費量が○○の時が省エネよいので、「暖房を消すことにより調整してください。」等のようなアドバイスをフラッシュメモリ36等に予め記憶しておいて選択して表示装置32に表示するようにしてもよい。
【0046】
ステップ114では、比較結果が表示・操作部12として機能する表示装置32に表示されてステップ116へ移行する。すなわち、過去の消費エネルギとの比較結果や、省エネに関するアドバイスが表示されるので、節電等の消費エネルギの低減を促すことができ、省エネルギを促進するための支援を行うことができる。また、本実施の形態では、予め定めた範疇毎に消費エネルギを比較することにより、条件を合わせて比較することができるので、消費エネルギの低減を的確に促すことができる。
【0047】
ステップ116では、フラッシュメモリ36に記憶された評価値テーブルが更新されて一連の処理を終了する。すなわち、ステップ112の比較結果を反映することによって評価値テーブルを更新する。
【0048】
なお、上記の実施の形態では、1つの住宅内の消費エネルギを検出して省エネルギを支援する場合について説明したが、これに限るものではなく、複数の住宅の消費エネルギを検出して各住宅において省エネルギを支援する構成としてもよい。
【0049】
ここで、複数の住宅を対象とした場合の住宅エネルギシステムの変形例について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係わる住宅エネルギシステム10の変形例の概略構成を示す図である。なお、上記の実施の形態と同一構成については同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
変形例では、上述の制御装置20及び検出部14に対応する各種センサが複数の住宅に設けられている。
【0051】
各住宅に設けられた制御装置20の入出力ポート28には、インターネット等のネットワーク56が接続されて、ネットワーク56に接続された機器と情報の授受が可能とされている。
【0052】
また、ネットワーク56には、消費エネルギの低減活動を支援するためのサーバ60が接続されている。
【0053】
サーバ60は、図5に示すように、パーソナルコンピュータを含んで構成されている。パーソナルコンピュータは、図5に示すように、CPU62、ROM64、RAM66、及び入出力ポート68を備え、これらがアドレスバス、データバス、及び制御バス等のバス70を介して接続されている。
【0054】
入出力ポート68には、各種入出力機器として、ディスプレイ72、マウス74、キーボード76、ハードディスク(HDD)78、及び各種ディスク82からの情報を読み出しを行うディスクドライブ80が各々接続されている。
【0055】
また、入出力ポート68には、上述のネットワーク56が接続されており、ネットワーク56に接続された各住宅の制御装置20と情報の授受が可能とされている。
【0056】
変形例において各住宅の制御装置20は、検出部14に対応する各センサから得られる情報をサーバ60へ送信し、サーバ60が各住宅から送信される情報をHDD78等に蓄積するようになっており、上記の実施の形態におけるフラッシュメモリ36の役割を果たし、上述のデータ蓄積部18として機能する。
【0057】
すなわち、サーバ60は、各住宅の制御装置20から送信される検出部14の検出結果(消費エネルギ)を、上記の実施の形態で説明したように、所定の範疇に分類して範疇毎に消費エネルギを記憶することによって、上記の実施の形態と同様に消費エネルギの低減活動を支援することができる。また、変形例では、サーバ60を備えたネットワークシステムとすることにより、各住宅毎の消費エネルギの低減だけではなく、複数の住宅における消費エネルギを比較することができるので、さらなる消費エネルギの低減を促すことができる。
【0058】
ところで、変形例では、上記の実施の形態におけるフラッシュメモリ36の機能を単にサーバ60に持たせて複数の住宅の検出部14の検出結果を集約するネットワークシステムとした例を説明したが、これに限るものではなく、例えば、サーバネットワークシステムとして、各住宅の制御装置20は、上記の実施の形態と同様に処理を行って各住宅内の消費エネルギを比較することで消費エネルギの低減を促すと共に、これとは別に、各住宅における検出部14の検出結果をサーバ60が集約して、住宅毎に評価値テーブルを作成して、分類特定パラメータが一致または近い住宅と比較して、消費エネルギの低減を促すようにしてもよい。
【0059】
例えば、A宅の消費電流が○、消費ガス量が○、消費水量が○で、B宅の消費電流が△、消費ガス量が△、消費水量が△で、C宅の消費電流が×、消費ガス量が×、消費水量が×としてそれぞれ住宅毎に評価値テーブルがサーバ60に記憶され、A宅と分類特定パラメータが類似するD宅の制御装置20がサーバ60に対して評価値テーブルの取得要求を行う場合には、サーバ60は、A宅の評価値テーブル(例えば、消費電流が○、消費ガス量が○、消費水量が○等の消費エネルギの検出結果)をD宅の制御装置20へ送信する。そして、D宅の制御装置20では、D宅の検出部14によって検出した消費エネルギとサーバ60から受信したA宅の評価値テーブルとを比較して、A宅に対して消費エネルギが多い、あるいは少ない等のアドバイスを表示することができる。或いは、類似する住宅が複数ある場合には、順位等を表示することも可能となり、さらなる消費エネルギの低減を促すことができる。なお、サーバ60は、他の住宅の評価値テーブル等を要求元の制御装置20へ送信する際には、どの住宅の情報であるかを開示不能として送信することにより、プライバシーを保護することができる。
【0060】
また、複数の住宅の評価値テーブルの中から、分類特定パラメータが近い住宅を選択する場合には、予め定めた優先順位に従って対応する住宅を選択するようにしてもよい。例えば、分類特定パラメータとして、建物のタイプ、家族構成、設備構成、立地条件などがある場合には、分類特定パラメータの優先順位を建物のタイプ、家族構成、設備構成、立地条件の順にとして、対応する住宅を選択するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 住宅エネルギシステム
12 表示・操作部
14 検出部
16 演算部
18 データ蓄積部
20 制御装置
42 電流センサ
44 ガスセンサ
46 水道センサ
48 日射センサ
50 外気温センサ
51 外湿度センサ
52 室温センサ
53 室内湿度センサ
54 風向・風速センサ
56 ネットワーク
60 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅内のエネルギ消費量を検出する消費量検出手段と、
前記エネルギ消費量を表す評価値を予め定めた範疇毎に分類し、分類した範疇毎に過去の前記エネルギ消費量又は該過去の前記エネルギ消費量を表す評価値を蓄積する蓄積手段と、
分類された前記範疇の中から前記消費量検出手段によって検出された現在の前記エネルギ消費量に対応する前記範疇を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記範疇おける前記評価値を前記蓄積手段から取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記評価値と、前記消費量検出手段によって検出された前記エネルギ消費量と、を比較して比較結果を表示する表示手段と、
を備えた住宅エネルギシステム。
【請求項2】
前記特定手段は、外気温、湿度、室温、日射量、及び風のうち少なくとも1つを含む天候を検出する天候検出手段によって検出された天候に基づいて前記範疇を特定する請求項1に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項3】
前記蓄積手段は、前記範疇を特定するための特定パラメータを更に蓄積し、前記特定手段が、前記特定パラメータに基づいて前記範疇を特定する請求項1又は請求項2に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項4】
前記特定パラメータを指定するための情報を入力する入力手段を更に備えた請求項3に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項5】
前記入力手段は、前記表示手段に設けられたタッチパネルである請求項4に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項6】
他の住宅と通信するための通信手段を更に備え、前記表示手段が、前記通信手段を介して取得した他の住宅の前記評価値と、前記消費量検出手段によって検出された前記エネルギ消費量と、を更に比較して比較結果を表示する請求項1〜5の何れか1項に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項7】
前記通信手段は、複数の住宅の前記蓄積手段に蓄積する前記評価値を集約して蓄積するサーバと更に通信可能とされ、前記取得手段が、前記特定手段によって特定された前記範疇における前記評価値を前記サーバから前記通信手段を介して取得する請求項6に記載の住宅エネルギシステム。
【請求項8】
前記サーバは、前記取得手段が前記特定手段によって特定された前記範疇における前記評価値を取得する際に、他の住宅の前記評価値を住宅を特定不能として送信する請求項7に記載の住宅エネルギシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−4018(P2013−4018A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137482(P2011−137482)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)