説明

住宅情報提供システム、住宅情報提供方法、及び、住宅情報提供プログラム

【課題】住宅を構成する部材に関する情報の端末装置への表示において、ユーザが簡単に所望の部材を選択して、その部材に関する情報を得ることができる住宅情報提供システム、住宅情報提供方法、又は住宅情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】住宅の居住空間におけるユーザの3次元座標位置を決定し、その後、撮影部23が被写体を撮影すると、決定したユーザの3次元座標位置から居住空間を撮影したと仮定して、撮影部23により撮影され得る居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の表示位置を決定する。そして、決定した部材を表すアイコンを、撮影部23が撮影した映像に重ねて、端末装置23の表示部21に表示させる。さらに、表示部21に表示させたアイコンの中から1つのアイコンを選択し、その選択したアイコンで表される部材に関する情報を含むウェブページを端末装置20の表示部21に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅を構成する部材に関する情報を端末装置の表示部に表示させる住宅情報提供システム、住宅情報提供方法、及び、住宅情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅の長寿命化に伴い、住宅のメンテナンスの重要性が高まってきており、このような住宅のメンテナンスにおいて必要となる情報を住宅の居住者に提供するためのシステムの開発が進められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、住宅を構成する各部材の部材情報、図面情報、及び履歴情報をそれぞれ記憶するデータベースと、ユーザインタフェース(住宅の居住者が閲覧可能な端末装置)からの情報の入力を受付けるとともに、ユーザインタフェースに対してデータベースに記憶された情報の中から必要な情報を選択して出力する制御手段と、を備える住宅維持管理情報提供システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示の住宅維持管理情報提供システムにおいて、データベースには、部材情報が階層的に記憶されている。具体的には、住宅を構成する部屋毎に、当該部屋を構成する複数の上位部材に関する上位部材情報が記憶されている。そして、各上位部材について、当該上位部材の上位部材情報と関連付けて、その上位部材を構成する複数の下位部材に関する下位部材情報が記憶されており、さらに、各下位部材について、当該下位部材の下位部材情報と関連付けて、その下位部材のメンテナンスに必要なメンテナンス情報が記憶されている。そして、このようにデータベースに階層的に記憶された部材情報を基に、制御手段は、住宅を構成する部屋又は部材を段階的にユーザインタフェースに選択可能に出力する。例えば、まず、ユーザインタフェースに住宅の間取り図を、部屋又は上位部材の選択が可能な状態で表示し、そして、部屋又は上位部材が選択されると、選択された部屋又は上位部材の模式図を、その部屋又は上位部材を構成する下位部材を選択可能な状態で表示する。そして、下位部材が選択されると、その下位部材のメンテナンス情報をユーザインタフェースに出力する。
【0005】
このような特許文献1に開示の住宅維持管理情報提供システムによれば、ユーザは、ユーザインタフェースに段階的に表示される住宅の間取り図、及び、部屋又は上位部材の構成図を基に、住宅を構成する膨大な数の部材の中から、1つの下位部材を簡単に選択することができ、その選択した下位部材のメンテナンス情報を参照することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−3143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に開示の住宅維持管理情報提供システムにおいて、ユーザインタフェースに表示される部屋又は上位部材の構成図は、その部屋又は上位部材を構成する各下位部材を模式的に示すものであり、構成図には多くの下位部材が示される。ユーザインタフェースである情報端末が小型化すると、表示される構成図のサイズも小さくなるが、このような場合には、その構成図内における下位部材の表記も小さくなるため、その構成図内のどこに所望の下位部材が表記されているのかを把握することが難しくなる。この結果、メンテナンス情報の提供を望む下位部材の選択が難しくなる傾向があった。
【0008】
そこで、上記したような端末装置の表示部に住宅を構成する部材に関する情報を表示させる住宅情報提供システムにおいて、ユーザが部材を選択する選択操作の簡易化が求めらていた。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、住宅を構成する部材に関する情報の端末装置への表示において、ユーザが簡単に所望の部材を選択して、その部材に関する情報を得ることができる住宅情報提供システム、住宅情報提供方法、又は住宅情報提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る住宅情報提供システムは、端末装置の表示部に、住宅を構成する部材に関する情報を表示させる住宅情報提供システムであって、前記住宅を構成する部材毎に、当該部材に関する情報を含むウェブページを記憶するウェブページ記憶部と、撮影レンズ及び撮影素子により被写体を撮影する撮影部と、前記撮影レンズの向きを検出する検出部と、前記住宅を構成する各部材について、前記住宅の居住空間内における3次元座標位置を記憶する位置情報記憶部と、前記居住空間内におけるユーザの3次元座標位置を決定する位置決定部と、前記撮影部が撮影した被写体の映像、及びこの被写体を撮影した時に前記検出部が検出した前記撮影レンズの向きを撮影方向として取得する取得部と、前記位置決定部が決定したユーザの3次元座標位置から前記取得部が取得した撮影方向に前記撮影レンズを向けて前記撮影部が前記居住空間を撮影したと仮定して、前記撮影部により撮影され得る前記居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の前記表示部への表示位置を、前記位置情報記憶部に記憶されている各部材の3次元座標位置に基づいて決定する部材決定部と、前記取得部が取得した前記映像を前記表示部に表示させるとともに、前記部材決定部が決定した各部材について、当該部材を表すアイコンを、前記映像に重ねて、当該部材の前記表示位置に表示させる第1表示制御部と、前記第1表示制御部が前記表示部に表示させたアイコンの中から1つのアイコンを選択し、その選択したアイコンで表される部材に対して前記ウェブページ記憶部に記憶されているウェブページを前記表示部に表示させる第2表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、撮影部が撮影した被写体の映像に重ねて、部材を表すアイコンを端末装置の表示部に表示させることができる。例えば、撮影部により撮影した部材の映像に重ねて、その部材(即ち、撮影部で撮影された部材)を表すアイコンを端末装置の表示部に表示させることができ、その表示部に表示させたアイコンの選択操作に応じて、その選択されたアイコンで表される部材の情報を含むウェブページを表示部に表示させることができる。このため、ユーザは、情報提供を要する部材を、撮影部で撮影し、その撮影した部材の映像に重ねて端末装置の表示部に表示されたアイコンを選択するだけで、その部材に関する情報を参照することができる。つまり、本構成によれば、ユーザは、情報提供を要する部材を簡単に選択することができる。なお、本発明において、「部材」との用語には、住宅の建物の建築に用いる建材の他、照明器具、空調設備、及びキッチンセット等の住宅の居住空間内に設置された設備、家具、及び什器等を含むものとする。
【0012】
本発明に係る住宅情報提供システムにおいて、前記住宅の設計図面を作成するためのCAD装置に通信可能に接続された位置情報生成部をさらに備え、前記位置情報生成部が、
前記CAD装置に記憶されている前記住宅を構成する各部材のデータを基に、それら部材の各々の3次元座標位置を決定し、前記住宅を構成する部材毎に、当該部材と、当該部材について決定した3次元座標位置と、当該部材に関する情報を含む前記ウェブページ記憶部に記憶されたウェブページのURLとが関連付けされた部材情報を生成し、前記位置情報記憶部が、前記位置情報生成部で生成した前記住宅を構成する各部材の前記部材情報を記憶してもよい。
【0013】
この構成によれば、CAD装置に記憶されているデータを基に、位置情報記憶部に記憶させる各部材の3次元位置情報を自動生成することができる。
【0014】
また、本発明に係る住宅情報提供システムにおいて、前記住宅の居住空間内に設置されたエネルギーを消費する各部材のエネルギー消費量を管理するエネルギー管理部を備え、前記第1表示制御部は、前記部材決定部が決定した部材が、エネルギーを消費する部材である場合、そのエネルギーを消費する部材について、エネルギー消費量を前記エネルギー管理部から取得し、取得したエネルギー消費量を、当該部材を表すアイコンと共に、当該部材の前記映像に重ねて前記表示部に表示させてもよい。
【0015】
この構成によれば、撮影部で撮影した部材のエネルギー消費量を、撮影した部材の映像に重ねて端末装置の表示部に表示させることができるから、ユーザは、撮影部で部材を撮影するだけで、その部材のエネルギー消費量を知ることができる。
【0016】
また、本発明に係る住宅情報提供システムにおいて、前記位置決定部は、前記居住空間の少なくとも一部の見取り図を前記表示部に表示させて、前記見取り図内の1つの位置をユーザに選択させ、選択された前記見取り図内の1つの位置を基に、ユーザの3次元座標位置を決定してもよい。この場合、前記位置決定部は、前記居住空間を構成する複数の部屋の中から1つの部屋をユーザに選択させるための画面を前記表示部に表示させ、選択された部屋の見取り図を前記表示部に表示させてもよい。
【0017】
この構成によれば、住宅の居住空間内にいるユーザの位置を正確に把握することができるため、撮影部が実際に撮影した部材と、部材決定部が決定した部材(即ち、表示部にアイコンが示される部材)とを確実に一致させることができる。
【0018】
また、本発明に係る住宅情報提供システムにおいて、前記ウェブページ記憶部に記憶されているウェブページには、部材の製造元が提供するウェブページへのリンクが貼られていてもよい。
【0019】
この構成によれば、部材の製造元のウェブサイトへ容易に接続して、その製造元が提供する部材の情報を確認することができる。
【0020】
また、本発明に係る住宅情報提供方法は、撮影レンズ及び撮影素子により被写体を撮影する撮影部と、前記撮影レンズの向きを検出する検出部とを有する端末装置の前記表示部に、住宅を構成する部材に関する情報を表示させる住宅情報提供方法であって、前記住宅の居住空間内におけるユーザの3次元座標位置を決定する位置決定ステップと、前記撮影部が撮影した被写体の映像、及びこの被写体を撮影した時に前記検出部が検出した前記撮影レンズの向きを撮影方向として取得する取得ステップと、前記位置決定ステップで決定したユーザの3次元座標位置から前記取得ステップで取得した撮影方向に前記撮影レンズを向けて前記撮影部が前記居住空間を撮影したと仮定して、前記撮影部により撮影され得る前記居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の前記表示部への表示位置を、前記住宅を構成する各部材の3次元座標位置に関する情報に基づいて決定する部材決定ステップと、前記取得ステップで取得した前記映像を前記表示部に表示させるとともに、前記部材決定ステップで決定した各部材について、当該部材を表すアイコンを、前記映像に重ねて、当該部材の前記表示位置に表示させる第1表示制御ステップと、前記第1表示制御ステップにより前記表示部に表示させたアイコンの中から1つのアイコンを選択し、その選択したアイコンで表される部材に関する情報を含むウェブページを前記表示部に表示させる第2表示制御ステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
この方法によれば、端末装置の撮影部が撮影した被写体の映像に重ねて、部材を表すアイコンを端末装置の表示部に表示させることができる。例えば、端末装置の撮影部が撮影した部材の映像に重ねて、その部材(即ち、撮影部で撮影された部材)を表すアイコンを端末装置の表示部に表示させることができ、その表示部に表示させたアイコンの選択操作に応じて、その選択されたアイコンで表される部材の情報を含むウェブページを表示部に表示させることができる。このため、ユーザは、情報提供を要する部材を、端末装置の撮影部で撮影し、その撮影した部材の映像に重ねて端末装置の表示部に表示されたアイコンを選択するだけで、その部材に関する情報を参照することができる。つまり、本方法によれば、ユーザは、情報提供を要する部材を簡単に選択することができる。
【0022】
また、本発明の住宅情報提供方法は、その各ステップをコンピュータに実行させるための住宅情報提供プログラムとして実現することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の住宅情報提供システム、住宅情報提供方法、又は住宅情報提供プログラムによれば、ユーザは、情報提供を要する部材を、撮影部で撮影し、その撮影した部材の映像に重ねて端末装置の表示部に表示されたアイコンを選択するだけで、その部材に関する情報を参照することができる。つまり、住宅を構成する部材に関する情報の端末装置への表示に際し、ユーザは、簡単に所望の部材を選択して、その部材に関する情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムの全体の概略構成を示す構成図である。
【図2】図2は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムの位置情報記憶部に記憶される部材情報の構成例を示す説明図である。
【図3】図3は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムの端末装置の概略構成を示す構成図である。
【図4】図4は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムで実施される住宅情報提供方法の動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示す住宅情報提供方法における位置決定動作の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させる起動画面の一例を示す説明図である。
【図7】図7は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させるフロア選択画面の一例を示す説明図である。
【図8】図8は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させる部屋選択画面の一例を示す説明図である。
【図9】図9は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させる位置設定画面の一例を示す説明図である。
【図10】図10は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させる映像表示画面の一例を示す説明図である。
【図11】図11は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させる映像表示画面の他の例を示す説明図である。
【図12】図12は、本実施の形態に係る住宅情報提供システムにおいて、端末装置に表示させるメンテナンス情報表示画面の一例を示す説明図である。
【図13】図13は、端末装置に表示させる部材のお手入れ方法画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0026】
<実施の形態>
−全体構成の説明−
本実施の形態に係る住宅情報提供システム1は、図1に示すように、住宅を構成する部材の部材情報を管理する部材情報提供サーバー10と、携帯電話機やPDA、ノートパソコン等の端末装置20と、住宅内に設置されたエネルギーを消費する各部材のエネルギー消費量を管理するエネルギーマネジメント装置(本発明でいうエネルギー管理部)40とを備える。端末装置20と、部材情報提供サーバー10と、エネルギーマネジメント装置40とは、ISDNやインターネットなどに代表されるネットワークNを介して双方向に通信可能に接続されている。ネットワークNには、複数の無線基地局n1,n2・・・が接続されており、端末装置20から任意の無線基地局n1,n2・・・を経由して部材情報提供サーバー10に接続することが可能とされている。さらに、ネットワークNには、住宅を構成する各部材のメーカーが所有するサーバーであるメーカーサーバー81,82・・・が接続されており、端末装置20と各メーカーサーバー81,82との間、及び、各メーカーサーバー81,82・・・と部材情報提供サーバー10との間で双方向に通信することが可能とされている。
【0027】
−部材情報提供サーバー10の説明−
部材情報提供サーバー10は、LAN(Local Area Network)を介して、住宅の設計図面を作成するためのCAD装置に接続されており、ウェブページ記憶部11と、部材情報生成部12とを有している。なお、部材情報提供サーバー10と接続されたCAD装置30には、各住宅について、その住宅の設計図、並びに、その住宅を構成する各部材の仕様(例えば、製造元、型番等)及び3次元座標位置に関するデータが記憶されている。
【0028】
ウェブページ記憶部11は、住宅を構成し得る各種の部材について、当該部材に関する情報を含むウェブページW(図12参照)を記憶する。このウェブページ記憶部11が記憶するウェブページWには、部材に関する情報として、例えば、その部材の名称、製造元(メーカー)名、及び型番が示されている。さらに、このウェブページ記憶部11が記憶するウェブページWには、部材の製造元が提供するウェブページへのリンクが貼られている。例えば、ウェブページ記憶部11が記憶するウェブページWには、図12に示すように、部材の製造元が所有するメーカーサーバー81,82・・・のウェブページに接続(リンク)するための問い合わせ先ボタンL1、製造元が所有するメーカーサーバー81,82・・・が提供する部材のお手入れ方法に関するウェブページに接続(リンク)するためのお手入れ方法ボタンL2、及び消耗品を購入するためのウェブページに接続(リンク)するための手配ボタンL3が設けられている。
【0029】
また、部材情報生成部12は、CAD装置30に設計図が記憶されている各住宅について、CAD装置30からデータを取得し、そのデータに基づいて、端末装置20の後述する位置情報記憶部251に記憶される図2に示すような部材情報50を生成する。この部材情報生成部12は、次に示す方法により、部材情報50を生成する。すなわち、CAD装置30から住宅を構成する各部材の仕様(名称、製造元、及び型番等)、並びに、それらの部材の3次元座標位置に関するデータを取得する。そして、取得した住宅を構成する各部材の3次元座標位置に関するデータが、住宅の敷地に建てられた建物内の1つの点を原点とするものである場合には、その取得した各部材の3次元座標位置に関するデータを、その住宅の敷地の角の1点を原点とするものに変換する。次いで、図2に示すように、住宅の居住空間が有する場所51単位で、CAD装置30から取得した部材の名称52、製造元名54、型番55、及び3次元座標位置56に関するデータを配列する。そして、それら部材の各々と、当該部材に関する情報を含むウェブページ(ウェブページ記憶部11に記憶されているウェブページ)のURL57とを関連付けて、図2に示すような部材情報50の一覧を生成し、生成した部材情報50の一覧を記憶する。なお、CAD装置30から取得した部材のうち、対応するウェブページWがウェブページ記憶部11に記憶されていない部材については、当該部材のウェブページを生成し、生成した部材のウェブページWをウェブページ記憶部11に記憶させる。
【0030】
−エネルギーマネジメント装置40の説明−
エネルギーマネジメント装置40は、住宅内に設置されたエアコン、照明等のエネルギーを消費する部材のエネルギー消費量を管理するホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を実現する装置である。このエネルギーマネジメント装置40は、住宅内に設置され、ネットワークNを介した端末装置20と通信可能とされている。
【0031】
このエネルギーマネジメント装置40は、エネルギーを消費する部材と通信可能とされており、それらの部材が消費しているエネルギー量(エネルギー消費量)をリアルタイムで監視し、制御する。つまり、エネルギーマネジメント装置40には、エネルギーを消費する部材のエネルギー消費量がリアルタイムで記憶されている。
【0032】
このようなホームエネルギーマネジメントシステムを実現するエネルギーマネジメント装置40は、従来、よく知られており、本実施の形態におけるエネルギーマネジメント装置40は、周知の技術を用いて実現されている。
【0033】
−端末装置20の説明−
端末装置20は、図3に示すように、主に、画面表示機能及びタッチパネル機能を有する表示部21と、無線基地局n1,n2・・・に接続して通信を行う通信部22と、被写体を撮影する撮影部23と、撮影レンズ231の向きを検出する検出部24と、所定のプログラム及びデータを記憶する記憶部25と、各部の動作を制御する制御部26とを備えている。
【0034】
表示部21は、画面表示を行うためのLCDモジュール213及びLCDコントローラ212と、画面にユーザがタッチする操作に反応し、ユーザの接触位置を検出するセンサモジュール214及び接触位置検出部211とを備えることにより、画面表示機能及びタッチパネル機能を実現したものである。すなわち、表示部21は、制御部26からのデータ及び制御信号をLCDコントローラ212で受信し、制御部26が指示する所定の画面をLCDモジュール213に表示する。そして、LCDモジュール213に表示された画面をユーザがタッチすると、そのユーザのタッチ操作をセンサモジュール214で受付けて接触位置検出部211にて接触位置を検出し、その接触位置に対応する入力信号を制御部26に送信する。
【0035】
通信部22は、任意の無線基地局n1,n2・・・を経由し、他の端末装置、及び、ネットワークNに接続されたサーバーシステムと通信するためのモジュールである。
【0036】
撮影部23は、撮影レンズ231及び撮影素子232を有しており、これらの撮影レンズ231及び撮影素子232により被写体を撮影する構成とされている。撮影部23は、被写体像を取得した撮影レンズ231が発する光を撮影素子232で電気信号に変換し、この電気信号を制御部26に送信する。
【0037】
検出部24は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、又は電子コンパス等の各種の方位センサ241と、これら各種センサの検出情報を基に、端末装置20の姿勢を検出して、撮影レンズ231の向きを検出し、その撮影レンズ231の向きに対応する入力信号を制御部26に送信する向き検出部242とを有している。
【0038】
記憶部25は、住宅を構成する各部材について、その住宅の居住空間内における3次元座標位置を記憶する位置情報記憶部251を有している。本実施の形態において、位置情報記憶部251は、上記した部材情報提供サーバー10の部材情報生成部12により生成され、部材情報生成部12に記憶された図2に示す部材情報50を、通信部22を介して受信し、記憶している。つまり、位置情報記憶部251は、図2に示すように、部材情報50として、住宅の居住空間が有する場所51毎に、その場所に設置されている各部材の名称52、製造元名54、型番55、3次元座標位置56、及び当該部材に関する情報を含むウェブページ(上述のウェブページ記憶部11に記憶されている。)のURL57を記憶している。なお、記憶部25は、位置情報記憶部251で記憶する情報以外に、各種のデータ及びプログラム、例えば、制御部26に以下に示す住宅情報提供方法の各ステップを実行させるためのプログラム(住宅情報提供プログラム)、住宅を構成する各部屋の間取り図及び写真画像、並びに、表示部21に表示する後述するアイコン画像等を記憶している。
【0039】
制御部26は、図3に示すように、記憶部21に記憶された住宅情報提供プログラムを実行することにより、位置決定部261、取得部262、部材決定部263、第1表示制御部264、及び第2表示制御部265として機能する。
【0040】
位置決定部261は、住宅の居住空間における端末装置20の3次元座標位置、言い換えれば、端末装置20を利用するユーザの3次元座標位置を決定する。本実施の形態における位置決定部261は、後述する図5のフローチャートに示す位置決定動作により、図7〜図9に示す画面62,63,64を端末装置20の表示部21(LCDモジュール213)に順に表示させて、端末装置20を利用するユーザに、自らの立ち位置として、居住空間内における1つの位置を選択させ、ユーザが選択した居住空間内における1つの位置をユーザの3次元座標位置として決定する。
【0041】
取得部262は、位置決定部261によりユーザの居住空間における3次元座標位置が決定され、撮影部23により被写体の撮影が実施されると、撮影部23から送信された電気信号を受信して、撮影部23が撮影した被写体の画像を取得する。さらに、検出部24から送信された入力信号を受信して、撮影部23がその被写体を撮影した時の撮影レンズ231の向き(即ち、撮影方向)を取得する。
【0042】
部材決定部263は、取得部262により画像及び撮影方向が取得されると、位置決定部261が決定したユーザの3次元座標位置から取得部262が取得した撮影方向に撮影レンズ231を向けて撮影部23が住宅の居住空間を撮影したと仮定し、撮影部23が撮影した居住空間の範囲を決定する。すなわち、位置決定部261が決定したユーザの3次元座標位置に撮影レンズ231があると仮定し、取得部262が取得した撮影方向(撮影レンズの向き)と、撮影レンズ231の水平方向視野角及び垂直方向視野角とに基づいて、撮影部23が撮影した居住空間の範囲を決定する。そして、決定した居住空間の範囲内に存在する部材を、位置情報記憶部251に記憶されている各部材の3次元座標位置(図2の符号56参照)に基づいて決定する。さらに、決定した部材について、その表示部21への表示位置を決定する。具体的には、位置決定部261が決定したユーザの3次元座標位置を原点とした座標空間に、決定した部材を配置したと仮定し、その原点を中心点として撮影レンズ231の水平方向視野角及び垂直方向視野角、取得部262が取得した映像のサイズ、並びに、位置情報記憶部251に記憶されている部材の3次元座標位置(図2の符号56参照)に基づいて、原点から所定距離に定まる矩形平面に部材を投影する処理を行い、投影された位置を表示位置とする。
【0043】
また、第1表示制御部264は、部材決定部263で部材及びその部材の表示位置が決定されると、図10及び図11に示すような映像表示画面65,66を表示部21(LCDモジュール213)に表示させる。この映像表示画面65,66では、取得部262が取得した映像に重ねて、部材決定部263が決定した各部材を表すアイコンI1,I2,I3,I4(決定した部材の名称が付記されたアイコンI1,I2,I3,I4)を、部材決定部263が決定した表示位置に表示する。ここで、部材決定部263が決定した部材が、例えば、照明又はエアコン等といったエネルギーを消費する部材である場合には、その部材の現在のエネルギー消費量をエネルギーマネジメント装置40から取得し、取得したエネルギー消費量を、図10の映像表示画面65に示すように、その部材を表すアイコンI1,I2に付記して表示する。このようなエネルギー消費量の表示により、ユーザは、照明又はエアコン等といったエネルギーを消費する部材のエネルギー消費量をリアルタイムで知ることができる。
【0044】
さらに、第2表示制御部265は、表示部21から映像表示画面65,66でユーザがタッチした箇所(接触位置)を示す入力信号を受信し、この入力信号を基に、映像表示画面65,66上で、ユーザが選択したアイコンを認識する。そして、その認識したアイコンで表される部材と関連付けて位置情報記憶部251に記憶されているURL(図2の符号57参照)が示す部材情報提供サーバー10(ウェブページ記憶部11)のウェブページWに通信部22を介して接続し、その接続先のウェブページWを表示部21(LCDモジュール213)に表示させる(図12参照)。
【0045】
このような本実施の形態に係る住宅情報提供システムでは、端末装置20(撮影部23)で部材を被写体とする撮影を行うと、その部材の映像に重ねて、その部材の名称を付したアイコンI1,I2,I3,I4が端末装置20(表示部21)に表示される(図10及び図11参照)。このとき、撮影した部材がエネルギーを消費する部材であるときには、アイコンI1,I2と対応させてエネルギー消費量が端末装置20(表示部21)に表示される。さらに、そのアイコンI1,I2,I3,I4をタッチ(選択)すれば部材に関する情報を含むウェブページWが端末装置20(表示部21)に表示される(図12参照)。そして、このウェブページWに設けられた問い合わせ先ボタンL1,お手入れ方法L2,消耗品の手配ボタンL3をタッチすれば、撮影した部材について、さらに詳しい情報が端末装置20(表示部21)に表示される(図13参照)。このため、実施の形態に係る住宅情報提供システムによれば、住宅の居住者(ユーザ)は、端末装置20(撮影部23)で部材を撮影するだけで簡単に、住宅を構成する複数の部材の中から1つの部材を選択することができ、容易に、その部材の情報を得ることができる。
【0046】
−住宅情報提供方法の動作の説明−
次に、本実施の形態に係る住宅情報提供システム1により実行される住宅情報提供方法の具体的な処理の流れについて、図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0047】
本実施の形態に係る住宅情報提供方法の動作は、表示部21(LCDモジュール213)に表示された図6に示すような起動画面61を、ユーザがタッチすることにより開始される。具体的には、端末装置20の制御部26が、起動画面61でユーザがタッチした箇所(接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信すると、図4のフローチャートに示す住宅情報提供方法の動作を開始して、位置決定部261が、ユーザの3次元座標位置を決定する(ステップS1:位置決定ステップ)。
【0048】
具体的には、位置決定部261が、図5のフローチャートに示す位置決定処理を開始し、住宅が有する複数のフロアの中から1つのフロアをユーザに選択させるためのフロア選択画面62(図7参照)を、表示部21(LCDモジュール213)に表示させる(ステップS11)。なお、このフロア選択画面62は、住宅が有する各フロアの画像を表示させることができるように構成されており、ユーザは、このフロア選択画面62で、1つのフロアの画像をタッチすることにより、所望のフロアを選択することができる。
【0049】
次いで、位置決定部261は、ユーザがフロアを選択したか否かを判断する(ステップS12)。具体的には、フロア選択画面62でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信したか否かを判断する。表示部21から接触位置に関する入力信号を受信していない場合には、未だフロアが選択されていないと判断して(即ち、ステップS12でNOと判断して)、接触位置に関する入力信号を受信するまで、ステップS12の処理を繰り返す。一方、表示部21から接触位置に関する入力信号を受信した場合には、フロアの選択が有ったと判断して(即ち、ステップS12でYESと判断して)、ステップS13の処理に移行する。
【0050】
ステップS13では、位置決定部261が、表示部21から受信した接触位置に関する入力信号を基に、ユーザが選択したフロアを把握し、このフロアにある複数の部屋の中から、1つの部屋をユーザに選択させるための部屋選択画面63(図8参照)を表示部21(LCDモジュール213)に表示させる。なお、この部屋選択画面63は、住宅が有する各部屋の画像を表示させることができるように構成されており、ユーザは、この部屋選択画面63で、1つの部屋の画像をタッチすることにより、所望の部屋を選択することができる。
【0051】
次いで、位置決定部261は、ユーザが部屋を選択したか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、部屋選択画面63でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信したか否かを判断する。表示部21から接触位置に関する入力信号を受信していない場合には、未だ部屋が選択されていないと判断して(即ち、ステップS14でNOと判断して)、接触位置に関する入力信号を受信するまで、ステップS14の処理を繰り返す。一方、表示部21から接触位置に関する入力信号を受信した場合には、部屋の選択が有ったと判断して(即ち、ステップS14でYESと判断して)、ステップS15の処理に移行する。
【0052】
ステップS15において、位置決定部261は、表示部21から受信した接触位置に関する入力信号を基に、ユーザが選択した部屋を把握し、この部屋内の1つの位置をユーザに選択させるための位置設定画面64(図9参照)を表示部21に表示させる。なお、この位置設定画面64には、ユーザが選択した部屋の間取り図641が表示されており、ユーザは、この位置設定画面64に表示された間取り図641内の1つの位置をタッチすることにより、タッチした1つの位置を自らの立ち位置として選択することができる。
【0053】
次いで、位置決定部261は、ユーザが自らの立ち位置を選択したか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、位置設定画面64でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信したか否かを判断する。表示部21から接触位置に関する入力信号を受信していない場合には、未だ立ち位置が選択されていないと判断して(即ち、ステップS16でNOと判断して)、接触位置に関する入力信号を受信するまで、ステップS16の処理を繰り返す。一方、表示部21から接触位置に関する入力信号を受信した場合には、立ち位置の選択が有ったと判断して(即ち、ステップS16でYESと判断して)、ステップS17の処理に移行する。
【0054】
ステップS17では、位置決定部261が、表示部21から受信した接触位置に関する入力信号を基に、ユーザの居住空間における3次元座標位置を決定し、位置決定動作を終了する。ここで、ユーザの2次元方向の位置座標(X及びY座標)は、表示部21から受信した接触位置(2次元の間取り図641においてユーザがタッチした位置)を基に求められ、高さ方向の位置座標(Z座標)は、ユーザの身長を1600mmと仮定して、1600mmに固定される。なお、Z座標は、予め端末装置20に記憶されたユーザの身長とされてもよい。
【0055】
ユーザの居住空間における3次元座標位置を決定したら、図4のフローチャートに示すように、上記した位置決定部261によるユーザの3次元座標位置の決定後に、撮影部23で撮影が行われたか否かを判断する(ステップS2)。具体的には、位置決定部261によるユーザの3次元座標位置の決定後に、撮影部23から電気信号を受信したか否かを判断する。位置決定部261によるユーザの3次元座標位置の決定後に、撮影部23から未だ電気信号を受信していない場合には、未だ、撮影部23で撮影が行われていないと判断して(ステップS2でNOと判断して)、撮影部23から電気信号を受信するまで、ステップS2の処理を繰り返す。一方、位置決定部261によるユーザの3次元座標位置の決定後に、撮影部23から電気信号を受信した場合には、ステップS3(取得ステップ)の処理に移行する。
【0056】
ステップS3では、取得部262が、撮影部23から送信された電気信号を基に、撮影部23が撮影した被写体の画像を作成する。さらに、検出部24から送信された入力信号を受信して、撮影部23が居住空間を撮影した時の撮影レンズ231の向き(即ち、撮影方向)を決定する。そして、ステップS4(部材決定ステップ)の処理に移行する。
【0057】
ステップS4では、部材決定部263が、上記した通り、ステップS1で決定したユーザの3次元座標位置から、ステップS3で取得した撮影方向に撮影レンズ231を向けて撮影部23が居住空間を撮影したと仮定して、撮影部23により撮影され得る居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の表示部21への表示位置を、位置情報記憶部251に記憶されている各部材の3次元座標位置に基づいて決定する。そして、ステップS5(第1表示制御ステップ)の処理に移行する。
【0058】
ステップS5では、第1表示制御部264が、図10及び図11の映像表示画面65,66に示すように、ステップS3で取得した映像を表示部21(LCDモジュール213)に表示させるとともに、ステップS4で決定した各部材について、当該部材を表すアイコン(当該部材の名称を付記したアイコン)I1,I2,I3,I4を、映像に重ねて、当該部材の表示位置に表示する。この際、ステップ4が決定した部材が、例えば、照明又はエアコン等といったエネルギーを消費する部材である場合には、その部材の現在のエネルギー消費量をエネルギーマネジメント装置40から取得し、取得したエネルギー消費量を、図10の映像表示画面65に示すように、その部材を表すアイコンI1,I2に付記して表示する。そして、ステップS6の処理に移行する。
【0059】
ステップS6では、本住宅情報提供方法の動作を終了するか否かを判断する。具体的には、映像表示画面65,66又は後述する図12に示すメンテナンス情報画面67でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信したか否かを判断し、その受信した入力信号が映像表示画面65,66又はメンテナンス情報表示画面67上の終了ボタンEをユーザがタッチしたことを示すものである場合には、本住宅情報提供方法の動作を終了すると判断して(即ち、ステップS6でYESと判断して)、本住宅情報提供方法の動作を終了する。一方、映像表示画面65,66又はメンテナンス情報表示画面67でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信していない場合、又は、その受信した入力信号が映像表示画面65,66又はメンテナンス情報表示画面67上の終了ボタンEをユーザがタッチしたことを示すものではない場合には、本住宅情報提供方法の動作を継続すると判断して(即ち、ステップS6でNOと判断して)、ステップS7(第2表示制御ステップ)の処理に移行する。
【0060】
ステップS7では、映像表示画面65,66上に表示された1つのアイコンI1,I2,I3,I4が選択されたか否かを判断する。具体的には、映像表示画面65,66上でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信したか否かを判断し、その受信した入力信号が映像表示画面65,66上のアイコンI1,I2,I3,I4をユーザがタッチしたことを示すものである場合には、ユーザが1つのアイコンを選択したと判断して(即ち、ステップS7でYESと判断して)、ステップS8の処理に移行する。一方、映像表示画面65,66でユーザがタッチした箇所(即ち、接触位置)に関する入力信号を表示部21から受信していない場合、又は、その受信した入力信号が映像表示画面65,66上のアイコンI1,I2,I3,I4をユーザがタッチしたことを示すものではない場合には、ユーザは1つのアイコンを選択していないと判断して(即ち、ステップS7でNOと判断して)ステップS9の処理に移行する。
【0061】
ステップS8では、第2表示制御部265が、表示部21から受信した入力信号を基に、映像表示画面65,66上でユーザが選択したアイコンI1,I2,I3,I4を認識し、認識したアイコンI1,I2,I3,I4で表される部材と関連付けて位置情報記憶部251に記憶されているURL(図2の符号57参照)が示す部材情報提供サーバー10(ウェブページ記憶部11)のウェブページWに通信部22を介して接続する。そして、その接続先のウェブページWを含むメンテナンス情報表示画面67を表示部21(LCDモジュール213)に表示させる(図12参照)。そして、処理をステップS9に移行する。
【0062】
なお、このメンテナンス情報表示画面67に表示されるウェブページWには、上述した通り、部材の製造元(メーカー)名、型番が示されるとともに、例えば、部材の問い合わせボタンL1、お手入れ方法ボタンL2,消耗品の手配ボタンL3が備えられている。このメンテナンス情報表示画面67において、ユーザがウェブページWの問い合わせボタンL1をタッチすると、制御部26は、その部材の製造元が所有するメーカーサーバー81,82・・・に接続し、そのメーカーサーバー81,82に記憶されている製造元に関する情報を含むウェブページを表示部21(LCDモジュール213)に表示させる。また、ユーザがウェブページWのお手入れ方法ボタンL2をタッチすると、制御部26は、その部材の製造元が所有するメーカーサーバー81,82・・・に接続し、図13に示すように、そのメーカーサーバー81,82に記憶されている当該部材のお手入れ方法に関するウェブページ(お手入れ方法画面68)を表示部21に表示させる。さらに、ユーザがウェブページWの消耗品の手配ボタンL3をタッチすると、制御部26は、その部材の製造元が所有するメーカーサーバー81,82・・・に接続し、そのメーカーサーバー81,82に記憶されている当該部材の消耗品の購入に関するウェブページを表示部21に表示させる。
【0063】
ステップS9では、撮影部23で新たな撮影が行われたか否かを判断する。具体的には、撮影部23から新たに電気信号を受信したか否かを判断する。撮影部23から新たに電気信号を受信した場合には、撮影部23で新たな撮影が行われたと判断して(即ち、ステップS9でYESと判断して)、上述のステップS3の処理に移行し、取得部262による映像及び撮影方向の取得を行う。一方、撮影部23から新たに電気信号を受信していない場合には、撮影部23で新たな撮影は行われていないと判断して上述のステップS6の処理に移行して、本住宅情報提供方法の動作を終了するか否かの判断を行う。
【0064】
このような、本実施の形態に係る住宅情報提供方法は、CPU等で構成されるコンピュータ(端末装置20の制御部26)に本実施の形態に係る住宅情報提供方法の各ステップを実行させる住宅情報提供プログラムにより実現される。上述した各ステップ(住宅情報提供方法)を実行する住宅情報提供プログラムは、適宜の記憶装置(例えばコンピュータが内蔵する記憶装置またはコンピュータに接続された外部記憶装置)を介して適宜の記録媒体に格納することが可能である。
【0065】
なお、記録媒体としては、マスクROM、フラッシュROMといった半導体装置、ハードディスク、フレキシブルディスク、MOディスク、CD―ROM、DVD―ROM、BD―ROM、光磁気ディスク、ICカード、磁気テープなどを設置することができ、コンピュータプログラムを記録することが可能であればどのような他の記録媒体であっても良い。
【0066】
また、住宅情報提供プログラムそのものを通信により伝送して送信先の記録媒体に記録することも可能である。
【0067】
なお、上記した実施の形態では、位置決定部261が、図5のフローチャートに示す位置決定動作を実行することにより、居住空間内におけるユーザの3次元座標位置を決定する構成とされているが、本発明の住宅情報提供システムにおける位置決定部は、このような構成に限定されない。例えば、位置決定部は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して、現在の端末装置20の位置情報を求め、求めた端末装置20の位置情報を居住空間内におけるユーザの3次元座標位置として決定するものであってもよい。或いは、位置決定部は、住宅内に配置されたユーザの位置検出器からの位置検出情報を基に、ユーザの3次元座標位置を決定するものであってもよい。同様に、本発明の住宅情報提供方法において、位置決定ステップでは、図5のフローチャートに示す位置決定動作によりユーザの3次元位置情報を決定することに限定されず、例えば、上記したようなCPS衛星からの情報に基づいて、現在の端末装置20の位置情報を求め、求めた端末装置20の位置情報を居住空間内におけるユーザの3次元座標位置として決定してもよく、或いは、住宅内に配置されたユーザの位置検出器からの位置検出情報を基に、ユーザの3次元座標位置を決定してもよい。このように、GPS衛星からの情報、又は、住宅内に配置されたユーザの位置検出器からの情報に基づいて、ユーザの3次元座標位置を決定する場合には、図7〜図9に示すような画面を端末装置20の表示部21に表示して、ユーザに自らの位置を設定させる必要がなくなる。つまり、ユーザは、より簡単な操作で、部材に関する情報を得ることができる。
【0068】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0069】
1 住宅情報提供システム
10 部材情報提供サーバー
11 ウェブページ記憶部
12 部材情報生成部
20 端末装置
21 表示部
211 接触位置検出部
212 LCDコントローラ
213 LCDモジュール
214 センサモジュール
22 通信部
23 撮影部
231 撮影レンズ
232 撮影素子
24 検出部
241 方位センサ
242 向き検出部
25 記憶部
251 位置情報記憶部
26 制御部
261 位置決定部
262 取得部
263 部材決定部
264 第1表示制御部
265 第2表示制御部
30 CAD装置
40 エネルギーマネジメント装置(エネルギー管理部)
50 部材情報
51 場所
52 部材名
54 製造元名
55 型番
56 3次元座標位置
57 URL
61 起動画面
62 フロア選択画面
63 部屋選択画面
64 位置設定画面
641 見取り図
65,66 映像表示画面
67 メンテナンス情報表示画面
68 お手入れ方法画面
81,82・・・ メーカーサーバー
E 終了ボタン
I1,I2,I3,I4 アイコン
L1 お問い合わせ先ボタン
L2 お手入れ方法ボタン
L3 消耗品の手配ボタン
N ネットワーク
n1,n2・・・ 無線基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の表示部に、住宅を構成する部材に関する情報を表示させる住宅情報提供システムであって、
前記住宅を構成する部材毎に、当該部材に関する情報を含むウェブページを記憶するウェブページ記憶部と、
撮影レンズ及び撮影素子により被写体を撮影する撮影部と、
前記撮影レンズの向きを検出する検出部と、
前記住宅を構成する各部材について、前記住宅の居住空間内における3次元座標位置を記憶する位置情報記憶部と、
前記居住空間内におけるユーザの3次元座標位置を決定する位置決定部と、
前記撮影部が撮影した被写体の映像、及びこの被写体を撮影した時に前記検出部が検出した前記撮影レンズの向きを撮影方向として取得する取得部と、
前記位置決定部が決定したユーザの3次元座標位置から前記取得部が取得した撮影方向に前記撮影レンズを向けて前記撮影部が前記居住空間を撮影したと仮定して、前記撮影部により撮影され得る前記居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の前記表示部への表示位置を、前記位置情報記憶部に記憶されている各部材の3次元座標位置に基づいて決定する部材決定部と、
前記取得部が取得した前記映像を前記表示部に表示させるとともに、前記部材決定部が決定した各部材について、当該部材を表すアイコンを、前記映像に重ねて、当該部材の前記表示位置に表示させる第1表示制御部と、
前記第1表示制御部が前記表示部に表示させたアイコンの中から1つのアイコンを選択し、その選択したアイコンで表される部材に対して前記ウェブページ記憶部に記憶されているウェブページを前記表示部に表示させる第2表示制御部と
を備えることを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の住宅情報提供システムであって、
前記住宅の設計図面を作成するためのCAD装置に通信可能に接続された位置情報生成部をさらに備え、
前記位置情報生成部が、
前記CAD装置に記憶されている前記住宅を構成する各部材のデータを基に、それら部材の各々の3次元座標位置を決定し、
前記住宅を構成する部材毎に、当該部材と、当該部材について決定した3次元座標位置と、当該部材に関する情報を含む前記ウェブページ記憶部に記憶されたウェブページのURLとが関連付けされた部材情報を生成し、
前記位置情報記憶部が、
前記位置情報生成部で生成した前記住宅を構成する各部材の前記部材情報を記憶することを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の住宅情報提供システムであって、
前記住宅の居住空間内に設置されたエネルギーを消費する各部材のエネルギー消費量を管理するエネルギー管理部を備え、
前記第1表示制御部は、前記部材決定部が決定した部材が、エネルギーを消費する部材である場合、そのエネルギーを消費する部材について、エネルギー消費量を前記エネルギー管理部から取得し、取得したエネルギー消費量を、当該部材を表すアイコンと共に、当該部材の前記映像に重ねて前記表示部に表示させることを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の住宅情報提供システムであって、
前記位置決定部が、前記居住空間の少なくとも一部の見取り図を前記表示部に表示させて、前記見取り図内の1つの位置をユーザに選択させ、選択された前記見取り図内の1つの位置を基に、ユーザの3次元座標位置を決定することを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項5】
請求項4に記載の住宅情報提供システムであって、
前記位置決定部が、前記居住空間を構成する複数の部屋の中から1つの部屋をユーザに選択させるための画面を前記表示部に表示させ、選択された部屋の見取り図を前記表示部に表示させることを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1つに記載の住宅情報提供システムであって、
前記ウェブページ記憶部に記憶されているウェブページには、部材の製造元が提供するウェブページへのリンクが貼られていることを特徴とする住宅情報提供システム。
【請求項7】
撮影レンズ及び撮影素子により被写体を撮影する撮影部と、前記撮影レンズの向きを検出する検出部とを有する端末装置の前記表示部に、住宅を構成する部材に関する情報を表示させる住宅情報提供方法であって、
前記住宅の居住空間内におけるユーザの3次元座標位置を決定する位置決定ステップと、
前記撮影部が撮影した被写体の映像、及びこの被写体を撮影した時に前記検出部が検出した前記撮影レンズの向きを撮影方向として取得する取得ステップと、
前記位置決定ステップで決定したユーザの3次元座標位置から前記取得ステップで取得した撮影方向に前記撮影レンズを向けて前記撮影部が前記居住空間を撮影したと仮定して、前記撮影部により撮影され得る前記居住空間の範囲内に存在する部材及びその部材の前記表示部への表示位置を、前記住宅を構成する各部材の3次元座標位置に関する情報に基づいて決定する部材決定ステップと、
前記取得ステップで取得した前記映像を前記表示部に表示させるとともに、前記部材決定ステップで決定した各部材について、当該部材を表すアイコンを、前記映像に重ねて、当該部材の前記表示位置に表示させる第1表示制御ステップと、
前記第1表示制御ステップにより前記表示部に表示させたアイコンの中から1つのアイコンを選択し、その選択したアイコンで表される部材に関する情報を含むウェブページを前記表示部に表示させる第2表示制御ステップとを含む
ことを特徴とする住宅情報提供方法。
【請求項8】
請求項7に記載の住宅情報提供方法の各ステップをコンピュータに実行させるための住宅情報提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−33386(P2013−33386A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169085(P2011−169085)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、ネットワーク総合制御システム標準化等推進委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)