説明

住宅電気エネルギー管理装置、住宅電気エネルギー管理システム、住宅電気エネルギー管理方法、および、プログラム

【課題】電気自動車の利用者および居住者の利便性を向上させつつゼロエミッションの実現を促進する。
【解決手段】住宅電気エネルギー管理装置100は、電気自動車から供給される電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号、1又は複数の電気機器150で使用される電力量を示す使用電力量情報、および、発電電力量を示す発電電力量情報を受信する。電気自動車遮断信号が受信されたことに応じて、使用電力量情報により示される電気機器毎の電力量を集計し、集計した電力量を発電電力量情報により示される発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する。予め記憶されている電力量と算出された差分使用電力量を比較し、予め記憶されている電力量が差分使用電力量未満である場合、1又は複数の電気機器150へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅電気エネルギー管理装置、住宅電気エネルギー管理システム、住宅電気エネルギー管理方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内で使用する電力に太陽光発電等の自家発電力を利用する等、ゼロエミッションの実現に向けての様々な提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電気自動車の二次電池に蓄積されている電力を家庭用の電力として使用できる電力制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−315193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気自動車の利用は突発的なこともあり、この場合、特許文献1に記載の電力制御システムでは、電力会社との間で予め定められている契約電力の値よりも家庭内で使用されている電力の瞬時値が大きいと、電力会社からの給電が遮断される。そのため、電気自動車の利用者は家庭内で使用されている電力を考慮して電気自動車を利用する必要がある。一方、居住者は電気自動車の利用に応じて家庭内の電気機器を使用する必要がある。従って電気自動車の利用者および居住者の利便性を向上させつつゼロエミッションの実現を促進するという観点からみると未だ十分ではない。
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、電気自動車の利用者および居住者の利便性を向上させつつゼロエミッションの実現を促進することができる住宅電気エネルギー管理装置、住宅電気エネルギー管理システム、住宅電気エネルギー管理方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る住宅電気エネルギー管理装置は、
電気自動車から供給される電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を受信する受信部と、
1又は複数の電気機器で使用される電力量を示す使用電力量情報および発電電力量を示す発電電力量情報を収集するデータ収集部と、
前記受信部で電気自動車遮断信号が受信されたことに応じて、前記データ収集部で収集された使用電力量情報により示される電気機器毎の電力量を集計し、集計した電力量を、前記データ収集部で収集された発電電力量情報により示される発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する電力量算出部と、
予め記憶されている電力量と前記電力量算出部で算出された差分使用電力量を比較し、前記予め記憶されている電力量が前記差分使用電力量未満である場合、前記1又は複数の電気機器へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電気自動車の利用者および居住者の利便性を向上させつつゼロエミッションの実現を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る住宅電気エネルギー管理装置を備えた、住宅電気エネルギー管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の住宅電気エネルギー管理システムにおける住宅電気エネルギー管理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の住宅電気エネルギー管理装置に記憶される優先度テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1の住宅電気エネルギー管理システムにおける車両充電制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図1の住宅電気エネルギー管理システムにおける太陽光発電制御部の構成を示すブロック図である。
【図6】図1の住宅電気エネルギー管理システムにおける住宅電気エネルギー管理装置の処理の一手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態2に係る住宅電気エネルギー管理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】図7の住宅電気エネルギー管理装置に記憶される充放電パターンテーブルの一例を示す図である。
【図9】図7の住宅電気エネルギー管理装置で作成される電気自動車利用履歴情報の一例を示す図である。
【図10】図7の住宅電気エネルギー管理装置の処理の一手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態3に係る住宅電気エネルギー管理装置を備えた、住宅電気エネルギー管理装置システムの構成を示すブロック図である。
【図12】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける電気機器管理装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける電気機器管理装置で記憶される使用電力蓄積データの一例を示す図である。
【図14】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける住宅電気エネルギー管理装置の構成を示すブロック図である。
【図15】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける車両充電制御装置の構成を示すブロック図である。
【図16】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける太陽光発電制御部の構成を示すブロック図である。
【図17】図11の住宅電気エネルギー管理システムにおける住宅電気エネルギー管理装置の処理の一手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(実施形態1)
本実施形態では、本発明に係る住宅電気エネルギー管理装置を、電気自動車の充電制御を行う車両充電制御装置と複数の電気機器等から構成される住宅電気エネルギー管理システムに適用した例について説明する。ここでは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の住宅における排出量を低減することをゼロエミッションという。
【0012】
住宅電気エネルギー管理システム10は、図1に示すように、住宅電気エネルギー管理装置100と、車両充電制御装置130と、複数の電気機器150と、太陽光発電制御部160と、太陽光発電装置180を備えており、これらは送電ケーブル190で接続されている。
【0013】
住宅電気エネルギー管理装置100は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラ等から構成され、電気自動車からの放電電力が遮断されることに基づいて、対象となる電気機器のデマンド制御を行う装置である。なお、電力の抑制には、電力の遮断も含まれる。デマンド制御とは、基幹ブレーカの切断を防ぐために消費電力のピーク値を抑制し、或いは省エネのために電力抑制のための優先順位を特定し、その優先順位の情報に基づいて電気機器に供給する電力を動的に変更する制御である。
【0014】
住宅電気エネルギー管理装置100は、後述する車両充電制御装置130、複数の電気機器150、および、太陽光発電制御部160とそれぞれ相互に通信可能に接続されている。また、住宅電気エネルギー管理装置100には、電力会社からの電力を受電する受電ケーブル120と、電力会社へ電力を売電するために電力会社へ電力を供給する送電ケーブル121が接続されている。
【0015】
住宅電気エネルギー管理装置100は、図2に示すように、主記憶部101、補助記憶部102、インタフェース部103と、制御部104と、上記各部を相互に接続するシステムバス105を備えている。
【0016】
主記憶部101は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、後述するCPUの作業領域として用いられる。
【0017】
補助記憶部102は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部102には、後述する処理を実行するためのデマンド制御プログラム106や、電力を抑制する電気機器150の優先順位を示す優先度とこれに対応する電気機器150とその抑制電力量を示す、図3に示すような優先度テーブル107、および、予め契約により定められている電力会社との契約電力量を示す、図2の契約電力情報108などが記憶されている。
【0018】
デマンド制御プログラム106は、デマンド制御機能を実現するための一連の動作が記述されたプログラムである。
【0019】
インタフェース部103は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。電気機器150、太陽光発電制御部160、車両充電制御装置130から送信される情報は、インタフェース部103によって受信され、システムバス105を介して、後述するCPUへ送信される。
【0020】
制御部104は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部104は、デマンド制御プログラム106に従って動作し、デマンド制御機能を提供する。制御部104は、デマンド制御プログラム106により提供される主要な機能部として、受信部110と、データ収集部111と、電力算出部112と、送信部113と、充放電制御部114と、電力供給制御部115とを備えている。
【0021】
受信部110は、電気自動車による放電電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を、後述する車両充電制御装置130からインタフェース部103を介して受信する。
【0022】
データ収集部111は、電気機器150の使用電力量を示す使用電力情報を各電気機器150に備えられた電力計からインタフェース部103を介して受信し、電力算出部112へ送信する。なお、データ収集部111は、電力計そのものであってもよい。また、データ収集部111は、太陽光発電装置180の発電電力量を示す発電電力情報を、後述する太陽光発電制御部160からインタフェース部103を介して受信して、電力算出部112へ送信する。
【0023】
電力算出部112は、データ収集部111から受信した各使用電力情報により示される電気機器150それぞれの使用電力量を集計する。電力算出部112は、データ収集部111から受信した発電電力情報により示される発電電力量を、集計した使用電力量から差し引いて差分使用電力量を算出する。電力算出部112は、補助記憶部102に格納されている契約電力情報により示される契約電力量と差分使用電力量を比較する。契約電力量が差分使用電力量未満である場合、電力算出部112は、補助記憶部102に格納されている優先度テーブルを読み込み、優先度に基づいて電力抑制対象となる電気機器150を決定する。一方、契約電力量が差分使用電力量以上である場合、電力算出部112は、処理を終了する。
【0024】
具体的には、契約電力量が差分使用電力量未満である場合、電力算出部112は、優先度テーブルを読み込み、優先度の高い電気機器150から順に、対応する抑制電力量を契約電力量に加算して加算電力量を算出する。電力算出部112は、抑制電力量が契約電力量に加算される度に加算電力量が差分使用電力量以上であるか否かを判定する。電力算出部112は、加算電力量が差分使用電力量以上であると判定した場合、加算電力量の算出を終了する。一方、電力算出部112は、加算電力量が差分使用電力量未満であると判定した場合、加算電力量の算出を繰り返す。
電力算出部112は、加算電力量が差分使用電力量以上であると判定した場合、これまでに加算した各抑制電力それぞれに対応する電気機器150を優先度テーブル107から特定し、これを抑制対象となる電気機器150として決定する。
【0025】
例えば、契約電力量が40kWh、差分使用電力量が60kW、電気自動車から供給される電力量が20kWhである場合を例に説明する。電気自動車による放電が遮断された場合、電気自動車から電力が供給されなくなる。ここで差分使用電力量が契約電力量以上であるため、電力算出部112は補助記憶部102に格納されている図3に示す優先度テーブル107を読み込む。電力算出部112は、優先度の高い電気機器150から順に、対応する抑制電力量を契約電力量に加算し、差分使用電力量以上であるか判定する。図示するように、エアコンの優先度が最も高いため、電力算出部112は、エアコンに対応する抑制電力量(10kWh)を契約電力量(40kWh)に加算し(加算電力量50kW)、差分使用電力(55kWh)と比較する。
【0026】
加算電力量が差分使用電力量未満であるため、電力算出部112は、エアコンの次に優先度の高い温水器に対応する抑制電力量8kWhを前回算出した加算電力量に加算して(加算電力量58kW)、差分使用電力量と比較する。この場合、電力算出部112は、加算電力量が差分使用電力量以上であると判定する。そして電力算出部112は、これまでに加算した各抑制電力量(10kW、8kW)それぞれに対応する電気機器150(エアコン、温水器)を抑制対象となる電気機器150として決定する。
【0027】
電力算出部112は、抑制対象として決定した電気機器150に対応する抑制電力量を、優先度テーブル107から特定する。そして電力算出部112は、抑制対象として決定した電気機器150を特定する電気機器特定情報と、その抑制電力量を示す抑制電力情報を送信部113へ送信する。
【0028】
送信部113は、電力算出部112から受信した電気機器特定情報により特定される電気機器150それぞれに、電力算出部112から受信した抑制電力情報により示される電力量の抑制を行うよう制御信号を送信する。
【0029】
充放電制御部114は、後述する車両充電制御装置130から受信する充放電モード識別情報により示されるモードに従い、電気自動車の二次電池の充電を指示する充電制御信号、または、電気自動車の二次電池の蓄電電力を各電気機器150へ供給するよう指示する放電制御信号を、後述する車両充電制御装置130へ送信する。
【0030】
電力供給制御部115は、後述する太陽光発電装置180から供給される電力の供給先を指定する電力供給制御信号を、インタフェース部103を介して太陽光発電制御部160へ送信する。
【0031】
以上が本実施形態に係る住宅電気エネルギー管理装置100の構成である。
【0032】
図1に戻り、車両充電制御装置130は、電気自動車、住宅電気エネルギー管理装置100、および、複数の電気機器150とそれぞれ相互に通信可能に接続されている。
【0033】
車両充電制御装置130は、電気自動車の二次電池を充電するために住宅電気エネルギー管理装置100から送信される充電制御信号に基づいて、電力会社からの給電電力や太陽光発電装置180により発電される電力を電気自動車へ供給する。また、車両充電制御装置130は、住宅電気エネルギー管理装置100から送信される放電制御信号に基づいて電気自動車の二次電池を放電し、その二次電池の電力を各電気機器150へ供給する。
【0034】
車両充電制御装置130は、図4に示すように、交直流変換部131と、主記憶部132、補助記憶部133、インタフェース部134と、制御部135と、充放電ライン136と、上記各部を相互に接続するシステムバス137を備えている。
【0035】
交直流変換部131は、住宅電気エネルギー管理装置100から充電制御信号を受信することにより、送電ケーブル190を介して供給される交流電力を直流電力に変換し、後述する充放電ライン136を介して二次電池に供給する。送電ケーブル190を介して供給される電力には、電力会社から供給される電力や太陽光発電装置180により発電されて供給される電力が含まれる。また、交直流変換部131は、住宅電気エネルギー管理装置100から放電制御信号を受信することにより、二次電池から後述する充放電ライン136を介して供給される直流電力を交流電力に変換し(一般家庭用の電力、例えば100V、50Hz)、送電ケーブル190を介して複数の電気機器150に供給する。
【0036】
主記憶部132は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、後述するCPUの作業領域として用いられる。
【0037】
補助記憶部133は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部102には、後述する処理を実行するための充放電制御プログラム138や、パラメータなどが記憶されている。
【0038】
充放電制御プログラム138は、電気自動車における二次電池の充放電制御機能を実現するための一連の動作が記述されたプログラムである。
【0039】
インタフェース部134は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。住宅電気エネルギー管理装置100や電気自動車から送信される情報は、インタフェース部134によって受信され、システムバス137を介して、交直流変換部131や後述するCPUへ送信される。
【0040】
制御部135は、CPU等から構成される。制御部135は、充放電制御プログラム138に従って動作し、充放電制御機能を提供する。制御部135は、充放電制御プログラム138により提供される主要な機能部として、接続判定部140と、蓄電量測定部141と、充放電判断部142と、送信部143を備えている。
【0041】
接続判定部140は、電気自動車が後述する充放電ライン136に接続されているか否かを判定する。具体的には、接続判定部140は、所定の周波数信号を生成し、この周波数信号を、システムバス137を介して充放電ライン136で伝送される電力に重畳させ、所定の周期で電気自動車に送信する。そして接続判定部140は、電気自動車からその周波数信号に対応する応答信号を受信できるか否かにより電気自動車と充放電ライン136とが接続されているか否かを判定する。電気自動車から応答信号を受信した場合、接続判定部140は、電気自動車と充放電ライン136とが接続されていると判定する。一方、電気自動車から応答信号を受信できなかった場合、接続判定部140は、電気自動車と充放電ライン136とが接続されていないと判定する。
【0042】
蓄電量測定部141は、接続判定部140において電気自動車と充放電ライン136とが接続されていると判定された場合、電気自動車の二次電池の蓄電量を所定の間隔で繰り返し測定する。蓄電量の測定は、外部または内部に設置された図示しない電力計により計測された情報を取得することにより行う。蓄電量測定部141は、測定した蓄電量を充放電判断部142へ送信する。一方、蓄電量測定部141は、接続判定部140において電気自動車と充放電ライン136とが接続されていないと判定された場合、蓄電量の測定を終了する。
【0043】
充放電判断部142は、蓄電量測定部141から受信した蓄電量に基づいて、電力会社からの給電電力を電気自動車へ供給する充電モードと二次電池の電力を各電気機器150へ供給する放電モードのうち、いずれかのモードを選択する。具体的には、蓄電量測定部141から受信した蓄電量が、補助記憶部133に予め記憶されている閾値未満であるか否かを、蓄電量測定部141から蓄電量を受信する度に判定する。蓄電量が閾値未満である場合、充放電判断部142は、充電モードと放電モードのうち充電モードを選択する。一方、蓄電量が閾値以上である場合、充放電判断部142は放電モードを選択する。閾値は、例えば、電気自動車が一般的な走行を行うことのできる最低限の蓄電量であり、適宜変更可能である。そして充放電判断部142は、選択したモードを識別する充放電モード識別情報を送信部143へ送信する。
【0044】
また、充放電判断部142は、放電モードが選択されている場合に、接続判定部140により電気自動車と充放電ライン136とが接続されていないと判定されると、電気自動車からの放電電力が遮断されたと判断する。そして充放電判断部142は、電気自動車による放電電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を生成する。充放電判断部142は、生成した電気自動車遮断信号を送信部143へ送信する。
【0045】
送信部143は、充放電判断部142から受信した充放電モード識別情報を、インタフェース部134を介して住宅電気エネルギー管理装置100へ送信する。
【0046】
また、送信部139は、充放電判断部142からの電気自動車遮断信号の受信に応じて、この電気自動車遮断信号を、インタフェース部134を介して住宅電気エネルギー管理装置100へ送信する。これにより住宅電気エネルギー管理装置100によるデマンド制御が実行される。
【0047】
充放電ライン136は、交直流変換部131と電気自動車の二次電池を結ぶ、電力のやり取りを行なう電力線である。二次電池のプラス電極とマイナス電極は、それぞれ、交直流変換部のプラス電極とマイナス電極に接続されている。充放電ライン136は、電気自動車が使用されていない場合に電気自動車に接続され、電気自動車の使用時に接続が解除される。
【0048】
図1に戻り、電気機器150は、例えば、エアコンや温水器、床暖房や浴室乾燥機などの家庭用電気機器から構成され、電力会社から供給される電力、電気自動車の放電による電力、後述する太陽光発電装置180から供給される電力などによって運転される。
【0049】
また、電気機器150は、住宅電気エネルギー管理装置100から受信する制御信号に従って電力の抑制を行う。
電気機器150には、使用電力量を測定する電力計が備えられている。電気機器150は、測定された使用電力量を示す使用電力情報を、住宅電気エネルギー管理装置100に送信する。
【0050】
太陽光発電制御部160は、後述する太陽光発電装置180から供給される電力を制御する。太陽光発電装置180で発電された電力が送電ケーブル190を介して太陽光発電制御部160に供給される。供給された電力を各電気機器150や電気自動車の二次電池の充電に使用するため、太陽光発電制御部160は、住宅電気エネルギー管理装置100からの制御信号に従って各電気機器150や車両充電制御装置130に電力を供給する。
【0051】
太陽光発電制御部160は、図5に示すように、主記憶部161、補助記憶部162、インタフェース部163と、制御部164と、上記各部を相互に接続するシステムバス165を備えている。
【0052】
主記憶部161は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、後述するCPUの作業領域として用いられる。
【0053】
補助記憶部162は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部162には、後述する処理を実行するための発電制御プログラム166やパラメータなどが記憶されている。
【0054】
発電制御プログラム166は、発電制御機能を実現するための一連の動作が記述されたプログラムである。
【0055】
インタフェース部163は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。住宅電気エネルギー管理装置100や後述する太陽光発電装置180から送信される情報は、インタフェース部163によって受信され、システムバス165を介して、後述するCPUへ送信される。
【0056】
制御部164は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部164は、発電制御プログラム166に従って動作し、発電制御機能を提供する。制御部164は、発電制御プログラム166により提供される主要な機能部として、受信部170と、電力測定部171と、送信部172と、発電制御部173を備えている。
【0057】
受信部170は、太陽電池への日射強度や太陽電池の温度を、太陽光発電装置180に含まれる測定器から受信し、発電制御部173へ送信する。また、受信部170は、電力を供給する対象を示す電力供給制御信号を、システムバス165を介して住宅電気エネルギー管理装置100から受信し、発電制御部173へ送信する。
【0058】
電力測定部171は、太陽光発電装置180の発電量を測定する。具体的には、電力測定部171は、太陽光発電装置180から供給される電力量を測定する図示しない電力計からの出力信号を受信することにより太陽光発電装置180の発電量を測定する。
【0059】
また、電力測定部171は、測定した発電量を示す発電電力情報を送信部113へ送信する。
【0060】
送信部172は、電力測定部171から受信した発電電力情報を、インタフェース部163を介して住宅電気エネルギー管理装置100へ送信する。
【0061】
発電制御部173は、受信部170から受信した日射強度や温度に基づいて、太陽光発電装置で発電される電力量を調整する。また、発電制御部173は、受信部170から受信した電力供給制御信号によって示される供給先に電力を供給するよう制御する。
【0062】
図1に戻り、太陽光発電装置180は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して発電を行う装置である。
送電ケーブル190は、電力を伝送するための電力線である。
以上が、住宅電気エネルギー管理システム10の構成である。
【0063】
次に、住宅電気エネルギー管理装置100の動作を中心に、住宅電気エネルギー管理システム10の動作について、図6を参照して説明する。
【0064】
住宅電気エネルギー管理装置100におけるデマンド制御処理は、車両充電制御装置130から電気自動車遮断信号が送信されることにより開始される。
【0065】
車両充電制御装置130が住宅電気エネルギー管理装置100に電気自動車遮断信号を送信する動作については後述する。
【0066】
住宅電気エネルギー管理装置100は、受信部110の機能により車両充電制御装置130から電気自動車遮断信号を受信する(ステップS101)。
【0067】
住宅電気エネルギー管理装置100は、データ収集部111の機能により、各電気機器150から使用電力情報を取得する(ステップS102)。また、住宅電気エネルギー管理装置100は、データ収集部111の機能により、太陽光発電制御部160から発電電力情報を取得する(ステップS103)。
【0068】
続いて住宅電気エネルギー管理装置100は、データ収集部111の機能により取得した使用電力情報および発電電力情報を電力算出部112へ送信する。
【0069】
住宅電気エネルギー管理装置100は、電力算出部112の機能により、受信した使用電力情報により示される使用電力量を集計し、集計した使用電力量と受信した発電電力情報により示される電力量に基づいて、差分使用電力量を算出する(ステップS104)。
【0070】
続いて住宅電気エネルギー管理装置100は、補助記憶部102に記憶されている契約電力情報108により示される契約電力量と、算出した差分使用電力量とを、電力算出部112の機能により比較する(ステップS105)。
【0071】
契約電力量が差分使用電力量以上である場合(ステップS105;No)、住宅電気エネルギー管理装置100は、この処理を終了する。
【0072】
一方、契約電力量が差分使用電力量未満である場合(ステップS105;Yes)、住宅電気エネルギー管理装置100は、電力算出部112の機能により優先度テーブル107を読み込み、優先度の高い電気機器150から順に、対応する抑制電力量を契約電力量に加算して加算電力量を算出する(ステップS106)。そして抑制電力量が契約電力量に加算される度に、加算電力量が差分使用電力量以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0073】
加算電力量が差分使用電力量以上であると判定した場合(ステップS107;Yes)、住宅電気エネルギー管理装置100は、これまでに加算した抑制電力量それぞれに対応する電気機器150を、優先度テーブル107から特定し、抑制対象となる電気機器150として決定する(ステップS108)。
【0074】
一方、加算電力量が差分使用電力量未満であると判定した場合(ステップS107;No)、ステップS107に戻り、前回の優先度の次に高い優先度の電気機器150に対応する抑制電力量を契約電力量に加算して加算電力量を算出する。住宅電気エネルギー管理装置100は、加算電力量が差分使用電力量以上であると判定するまで、電力算出部112の機能によりこの動作を繰り返す。
【0075】
次に、住宅電気エネルギー管理装置100は、電力算出部112の機能により、決定された電気機器150に対応する抑制電力量を、優先度テーブル107から特定する(ステップS109)。
【0076】
住宅電気エネルギー管理装置100は、決定した電気機器150を特定する電気機器特定情報と、特定した抑制電力量を示す抑制電力情報を、電力算出部112の機能により送信部113へ送信する。
【0077】
住宅電気エネルギー管理装置100は、送信部113の機能により、受信した電気機器特定情報により特定される電気機器150へ、受信した抑制電力情報により示される電力量の抑制を行うことを指示する制御信号を送信する(ステップS110)。これにより制御信号を受信した電気機器150は、制御信号に基づいて使用電力を抑制する。
【0078】
以上が、住宅電気エネルギー管理システム10における住宅電気エネルギー管理装置100の動作である。
【0079】
次に、車両充電制御装置130が住宅電気エネルギー管理装置100に電気自動車遮断信号を送信する遮断信号送信処理について説明する。遮断信号送信処理は、図示しない内部タイマにより予め定められた時間が経過する度に繰り返し実行される。
【0080】
車両充電制御装置130は、充放電判断部142の機能により放電モードが選択されているか否かを判定する(ステップS120)。
【0081】
放電モードが選択されていない場合(ステップS120;No)、車両充電制御装置130は、この処理を終了する。
【0082】
一方、放電モードが選択されている場合(ステップS120;Yes)、車両充電制御装置130は、接続判定部140の機能により電気自動車が充放電ライン136に接続されているか否かを判定する(ステップS121)。
【0083】
電気自動車が充放電ライン136に接続されていると判定した場合(ステップS121;Yes)、車両充電制御装置130は、この処理を終了する。
【0084】
一方、電気自動車が充放電ライン136に接続されていないと判定した場合(ステップS121;No)、車両充電制御装置130は、電気自動車による放電電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を生成し(ステップS122)、送信部139の機能により住宅電気エネルギー管理装置100へ電気自動車遮断信号を送信する(ステップS123)。
【0085】
以上が住宅電気エネルギー管理システム10の動作である。
【0086】
このように、本実施形態に係る住宅電気エネルギー管理装置100によれば、電気自動車から放電される電力を家庭内の電気機器150に使用している場合に電気自動車の突発的な利用が生じても、放電電力の不足分をデマンド制御により調整することができる。従ってこの電力不足によって生じる、電力会社からの供給電力の遮断を防止することができる。従って電気自動車の利用者は家庭内で使用されている電力を考慮せずに電気自動車を利用することができる。一方、居住者は電気自動車の利用状況を把握せずに家庭内の電気機器を使用することができる。よって本実施形態に係る住宅電気エネルギー管理装置100によれば、電気自動車の利用者および居住者の利便性を向上させつつゼロエミッションの実現を促進することができる。
【0087】
(変形例)
この発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施形態では、住宅電気エネルギー管理装置100に含まれる優先度テーブル107の内容が固定されている例を示したが、これは一例である。優先度テーブル107の内容は、居住者の生活環境に合わせて適宜変更可能であってもよい。この場合、住宅電気エネルギー管理装置100は、優先度テーブルの内容を変更する入力部を更に備えていてもよい。この構成によれば、居住者の生活環境に合わせたデマンド制御を行うことができる。
【0088】
また、住宅電気エネルギー管理装置100は、電気自動車の利用スケジュールを予め登録しておき、このスケジュールに合わせてデマンド制御を行ってもよい。例えば、この構成によれば、1時間後に電気自動車が利用されることを利用スケジュールにより把握できるため、この時間に電気機器150による使用電力がピーク値となることのないよう、予め電気機器150を運転しておく等の制御を行うことができる。この場合、住宅電気エネルギー管理装置100は、電気自動車の利用スケジュールを登録する入力部を更に備えていてもよい。この構成によれば、住宅電気エネルギー管理装置100は、電気自動車の利用スケジュールを事前に把握することができる。したがって、このスケジュールに合わせて電力のピーク値をシフトさせるようなデマンド制御を行うことができ、ゼロエミッションの実現をより促進することができる。
【0089】
また、上記実施形態では、車両充電制御装置130の充放電判断部142が、蓄電量測定部141から蓄電量を受信する度に、蓄電量が閾値未満であるか否かを判定し、充電モードもしくは放電モードを選択する例を示したが、これは一例である。充電モードおよび放電モードの選択は、電気自動車の利用者、若しくは居住者(ユーザ)の設定により任意に行ってもよい。例えば、上記実施形態では充電モードが選択されている場合に、蓄電量が閾値以上であると判定されると、放電モードが選択されることとなり放電が開始されるが、ユーザが希望する充電量に合わせて、閾値が変更されるようにしてもよい。例えば、ユーザがフル充電を希望する場合は、充電モードが選択された後、閾値が最大蓄電量の値に変更されるようにしてもよい。
【0090】
(実施形態2)
本実施形態に係る住宅電気エネルギー管理装置200は、実施形態1に係る住宅電気エネルギー管理装置100のデマンド制御機能に加えて、充放電スケジュールを管理する充放電スケジュール管理機能を備えている。二次電池は、フル受電された状態で長期間放置されると劣化することが知られている。また、二次電池は、頻繁に使用されることにより二次電池の劣化が防止されることが知られている。そこで住宅電気エネルギー管理装置200は、充放電スケジュール管理機能により二次電池の充放電のスケジュールを管理し、二次電池の劣化を防止する。
【0091】
住宅電気エネルギー管理装置200の補助記憶部102には、実施形態1の構成に加えて、図7に示すように、充放電パターンテーブル205とスケジュール管理プログラム206がさらに記憶されている。また、住宅電気エネルギー管理装置200は、スケジュール管理プログラム206により提供される主要な機能部として、実施形態1の構成に加えて、車両利用時間推定部201と、充放電スケジュール設定部202を、制御部104にさらに備えている。なお、住宅電気エネルギー管理システム10に含まれる住宅電気エネルギー管理装置200以外の構成は、実施形態1と同様である。
【0092】
スケジュール管理プログラム206は、充放電スケジュール管理機能を実現するための一連の動作が記述されたプログラムである。
【0093】
充放電パターンテーブル205には、図8に示すように、受信した充放電モード識別情報により示されるモードまたは電気自動車遮断信号を受信したことを示す情報と、これらに対応するタイムスタンプが時系列に蓄積されている。
【0094】
車両利用時間推定部201は、充放電パターンテーブル205に基づいて電気自動車利用履歴情報を作成し、これに基づいて当日の電気自動車の利用状況を推定する。ここで、当日とは、スケジュール管理プログラム206が実行された日をいう。また、利用状況とは、1日を複数の時間帯に分けた場合の各時間帯における電気自動車の利用時間をいう。
【0095】
具体的には、車両利用時間推定部201は、車両充電制御装置130から充放電モード識別情報を受信する度に、その充放電モード識別情報により示される充放電モードに、図示しない内部時計で計測されるタイムスタンプを対応付けて、充放電パターンテーブル204へ時系列に蓄積する。また、車両利用時間推定部201は、車両充電制御装置130から電気自動車遮断信号を受信する度に、その旨をタイムスタンプと対応付けて充放電パターンテーブル204へ時系列に蓄積する。そして、車両利用時間推定部201は、充放電パターンテーブル204を読み込み、例えば、図9に示すように、曜日別かつ時間帯別の電気自動車の利用時間を示す電気自動車利用履歴情報を作成する。電気自動車の利用時間は、充放電パターンテーブル205における電気自動車遮断信号を受信してから充電モードが選択されるまで経過時間から特定する。そして特定した利用時間を曜日別かつ時間帯別に集計し、各値の平均値を電気自動車の利用時間とする。車両利用時間推定部201は、作成した電気自動車利用履歴情報に基づいて、当日の電気自動車の利用状況を推定する。
【0096】
例えば、内部時計により示される当日の曜日が水曜日である場合を例に説明すると、車両利用時間推定部201は、作成した電気自動車利用履歴情報を読み込み、水曜日の各時間帯に対応する電気自動車の利用時間を取得し、この利用時間を当日の電気自動車の利用時間として推定する。
【0097】
充放電スケジュール設定部202は、車両利用時間推定部201により推定される当日の電気自動車の利用状況に応じて、電気自動車の二次電池の充放電スケジュールを設定する。ここで、一般的には、電力会社から供給される電力により充電される場合は、深夜時間帯における電気料金は日中の電気料金よりも安く設定されているため、二次電池は深夜時間帯に充電が行われる。また、太陽光発電装置180で発電された電力の余剰電力により充電がなされる場合は、二次電池は太陽光発電装置180により発電が行われている時間帯に充電が行われる。したがって、深夜時間帯に充電を行うようスケジュールが設定された場合には、電力会社から供給される電力により受電が行われ、日中に充電を行うようスケジュールが設定された場合には、太陽光発電装置180で発電された電力の余剰電力により充電がなされる。
【0098】
上述と同様に、当日の曜日が水曜日である場合を例に説明すると、車両利用時間推定部201により推定される電気自動車の利用時間は、図9に示すように、日中の時間帯である時間帯2および3に対応する利用時間以外の時間帯の利用時間が0時間である。そこで、充放電スケジュール設定部202は、深夜時間帯である時間帯1の時間帯に充電を行い、その他の時間帯に放電を行うよう充放電スケジュールを設定する。なお、ここで行われる充電は、常にフル充電であるとする。
【0099】
充放電スケジュール設定部202は、設定した充放電スケジュールを充放電制御部114へ送信し、充放電制御部114は、受信した充放電スケジュールに従って充電または放電が行われるよう、車両充電制御装置130へ充電制御信号または放電制御信号を送信する。
【0100】
以上が、住宅電気エネルギー管理装置200の構成である。
【0101】
次に、住宅電気エネルギー管理装置200の動作について、図10を参照して説明する。なお、住宅電気エネルギー管理装置200によるデマンド制御機能については、実施形態1と同様であるため、ここでは、充放電スケジュール管理機能について説明する。住宅電気エネルギー管理装置200は、車両利用時間推定部201の機能により、充放電モード識別情報や電気自動車遮断信号を受信する度に(ステップS210)、受信した充放電モード識別情報や電気自動車遮断信号をタイムスタンプと対応付けて充放電パターンテーブル204へ時系列に蓄積している(ステップS211)ものとする。
【0102】
住宅電気エネルギー管理装置200における充放電スケジュール管理処理は、日付が変わる度に日付が変わったことを示す信号を送信する、図示しない内部センサからこの信号を受信する度に実行される。
【0103】
住宅電気エネルギー管理装置200は、車両利用時間推定部201の機能により、充放電パターンテーブル204を読み込み(ステップS201)、電気自動車利用履歴情報を作成する(ステップS202)。
【0104】
続いて住宅電気エネルギー管理装置200は、車両利用時間推定部201の機能により、作成した電気自動車利用履歴情報に基づいて過去の電気自動車の利用状況を学習し、当日の電気自動車の利用時間を推定する(ステップS203)。
【0105】
住宅電気エネルギー管理装置200は、充放電スケジュール設定部202の機能により、車両利用時間推定部201により推定される当日の電気自動車の利用状況に応じて、電気自動車の二次電池の充放電スケジュールを設定する(ステップS204)。
【0106】
住宅電気エネルギー管理装置200は、充放電スケジュール設定部202の機能により、設定した充放電スケジュールを充放電制御部114へ送信する。
【0107】
住宅電気エネルギー管理装置200は、充放電制御部114の機能により、受信した充放電スケジュールに従って充電制御信号または放電制御信号を車両充電制御装置130へ送信する(ステップS205)。
【0108】
以上が、住宅電気エネルギー管理装置200の動作である。
【0109】
このように、電気自動車の利用状況を推定することで、二次電池の充電と放電のスケジュールを設定し、これに基づいて充放電を行うことができる。また、住宅電気エネルギー管理装置200では、二次電池をフル充電しておき、充電した電力を放電により徐々に使用する。さらに、電気自動車を利用しないときには、住宅電気エネルギー管理装置200は二次電池の充放電を行う。従って、これによれば、フル受電された状態で二次電池が長期間放置されることもなく、さらに頻繁に使用されることとなり、二次電池の劣化を防止することができる。また、当日の電気自動車の利用状況が推定されることにより、この利用状況に合わせて、各電気機器150のピーク電力が同一時間帯に重ならないよう各電気機器150の運転を制御することもでき、ゼロエミッションの実現をさらに促進することができる。
【0110】
(変形例)
この発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施形態では、二次電池の充電を常にフル充電する例を示したが、これは一例である。必ずしもフル充電する必要はなく、例えば、電気自動車の利用状況や各電気機器150の使用電力量、太陽光発電装置180の発電量に応じて、必要な電力を適宜充電するようにしてもよい。ここで、必要な電力とは、電気自動車の走行に最低限必要な電力量と放電に必要な電力量の合計をいう。電気自動車の走行に最低限必要な電力量は、電気自動車の利用時間に基づいて、平均の消費電力量を算出することにより特定する。消費電力量は、電気自動車の利用前後における二次電池の蓄電量の差を算出することにより特定する。また、放電に必要な電力は、太陽光発電装置180の発電電力量と各電気機器150の使用電力量に基づいて、使用電力量と発電電力量との差を算出することにより特定する。
【0111】
上記実施形態では、作成される電気自動車履歴情報における時間帯の数が、図9に示すように、時間帯1から時間帯4までの4つである例を示したが、これは一例である。時間帯の数は、各時間帯の合計が24時間であればよく、分ける時間帯の数は任意であり、例えば5つでも6つでもよい。時間帯の数が多ければ多いほど、住宅電気エネルギー管理装置200は、より細かい時間帯の充放電スケジュールを設定することができ、二次電池の劣化をより防止することができる。
【0112】
また、上記実施形態では、作成される電気自動車履歴情報の利用時間が、特定した利用時間を曜日別かつ時間帯別に集計した値の平均値である例を示したが、必ずしもこれに限定されない。平均値は必ずしも全ての利用時間を集計した値の平均値である必要はなく、利用時間の多いものから順に複数選択して集計し、その平均値であってもよい。また、各利用時間に重み付けをする加重平均値であってもよい。
【0113】
上記実施形態では、電気自動車の利用状況を推定することにより充放電スケジュールを設定する例を示したが、これは一例である。例えば、住宅電気エネルギー管理装置200に入力部を設け、ユーザの入力操作により予め電気自動車の利用状況を登録しておいてもよい。
【0114】
上記実施形態では、充放電スケジュールを1日単位で設定する例を示したが、これは一例である。充放電スケジュールは、例えば、週単位、平日や休日等の単位で設定してもよい。この場合、電気自動車の利用状況についても、週単位、平日や休日等の単位で推定する。これによれば、例えば電気自動車を長期間使用しないこと等を予め推定することができ、より長い期間の充放電スケジュールを設定することができ、太陽光発電装置180で発電された電力によってのみ充電を行うように設定することもできる。したがって、電力会社から供給される電力を使用することなく充電を行うことができるため、ゼロエミッションの実現をより促進することができる。
【0115】
上記実施形態では、住宅電気エネルギー管理装置200において電気自動車の利用状況を推定し、充放電スケジュールを設定する例を示したが、これは一例である。例えば、電気自動車の利用状況を推定するまでの処理は車両充電制御装置130により行い、充放電スケジュールを設定する処理を住宅電気エネルギー管理装置200により行ってもよい。具体的には、上記車両利用時間推定部201に対応する構成を車両充電制御装置130の制御部に備え、これにより推定される当日の電気自動車の利用状況を住宅電気エネルギー管理装置200に送信する。そして住宅電気エネルギー管理装置200が、受信した当日の電気自動車の利用状況に基づいて充放電スケジュールを設定してもよい。
【0116】
(実施形態3)
本実施形態に係る住宅電気エネルギー管理装置300は、太陽光発電装置180の発電量の時間推移の予測を示す発電パターン、電気自動車の利用状況の予測を示す利用パターン、電気機器150の使用電力量の時間推移の予測を示す使用パターンに基づいて、各電気機器150のピーク電力が同一時間帯に重ならないよう各電気機器150のピーク電力をシフトさせる制御を行うことにより、ゼロエミッションの実現をより促進する装置である。また、住宅電気エネルギー管理装置300は、各電気機器150のピーク電力をシフトさせる程度を制御することにより、買電と売電の電力量を調整することができる装置である。
【0117】
この住宅電気エネルギー管理装置300を含む住宅電気エネルギー管理システム20は、図11に示すように、実施形態1で示した住宅電気エネルギー管理システム10の構成に加えて、電気機器管理装置400を備えている。
【0118】
電気機器管理装置400は、各電気機器150および住宅電気エネルギー管理装置300とそれぞれ相互に通信可能に接続されており、各電気機器150の使用電力量の計測や予測を行う。また電気機器管理装置400は、住宅電気エネルギー管理装置300からの制御信号に従って各電気機器150の使用電力量や運転スケジュールを制御する。
【0119】
電気機器管理装置400は、図12に示すように、主記憶部401、補助記憶部402、インタフェース部403と、制御部404と、上記各部を相互に接続するシステムバス405を備えている。
【0120】
主記憶部401は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成され、後述するCPUの作業領域として用いられる。
【0121】
補助記憶部402は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部402には、後述する処理を実行するための機器制御プログラム406が記憶されている。また補助記憶部402には、後述する使用電力蓄積データ420や機器使用パターン421、全機器使用パターン422が記憶される。
【0122】
機器制御プログラム406は、電気機器制御機能を実現するための一連の動作が記述されたプログラムである。
【0123】
インタフェース部403は、シリアルインタフェース、或いはアナログ信号を受信するためのアナログインタフェースを有している。電気機器150、住宅電気エネルギー管理装置300から送信される情報は、インタフェース部403によって受信され、システムバス405を介して、後述するCPUへ送信される。
【0124】
制御部404は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部404は、機器制御プログラム406に従って動作し、電気機器制御機能を提供する。制御部404は、機器制御プログラム406により提供される主要な機能部として、使用電力計測部410と、使用電力集計部411と、使用電力予測部412と、送信部413と、電気機器制御部414を備えている。
【0125】
使用電力計測部410は、各電気機器150において使用される電力を周期的に計測する機能を備え、計測された使用電力量を電気機器150に対応付けて使用電力集計部411へ送信する。使用電力計測部410は、電力計そのものであってもよいし、各電気機器150に備えられている電力計により計測された情報を取得するものであってもよい。
【0126】
使用電力集計部411は、使用電力計測部410から受信した使用電力量を、電気機器150毎に、図示しない内部時計により示されるタイムスタンプと対応付けて時系列に蓄積し、図13に示すような使用電力蓄積データ420を作成する。また、図12の使用電力集計部411は、作成した使用電力蓄積データ420を補助記憶部402へ格納する。
【0127】
使用電力予測部412は、使用電力集計部411で作成された使用電力蓄積データ420に基づいて、各電気機器150の機器使用パターン421を生成する。機器使用パターン421は、過去の使用電力量に基づいて作成される、1日の使用電力量の時間推移の統計的なデータを示すものである。
【0128】
具体的には、使用電力予測部412は、使用電力集計部411で作成された使用電力蓄積データ420を読み込み、時間毎の使用電力量を集計して使用電力量の平均値を算出する。そして使用電力予測部412は、算出した時間毎の平均の使用電力量を、時系列に並べ、機器使用パターン421として補助記憶部402へ格納する。使用電力予測部412は、各電気機器150に対応する機器使用パターン421を順次読み込み、電気機器150毎の機器使用パターン421を生成し、補助記憶部302へ格納する。
【0129】
さらに、使用電力予測部412は、生成した電気機器150毎の機器使用パターン421に基づいて、各電気機器150の平均使用電力量を合計した全機器使用パターン422を生成し、補助記憶部402へ格納する。
【0130】
送信部413は、補助記憶部402に格納された機器使用パターン421と全機器使用パターン422を、インタフェース部403を介して住宅電気エネルギー管理装置300へ送信する。
【0131】
電気機器制御部414は、住宅電気エネルギー管理装置300からインタフェース部403を介して後述する機器利用スケジュール153を受信し、これに従って各電気機器150の使用電力量や運転スケジュールを制御する。
【0132】
以上が、住宅電気エネルギー管理システム20を構成する電気機器管理装置400の構成である。
【0133】
図11の住宅電気エネルギー管理装置300の補助記憶部102には、図14に示すように、実施形態1の構成に加えて、ゼロエミッション実現プログラム306がさらに記憶されている。また、住宅電気エネルギー管理装置300は、ゼロエミッション実現プログラム306により提供される主要な機能部として、運転スケジュール生成部310をさらに備えている。
【0134】
運転スケジュール生成部310は、電気機器管理装置400から受信した機器使用パターン421および全機器使用パターン422と、車両充電制御装置130から受信した後述する利用パターンと、太陽光発電制御部160から受信した後述する発電パターンと、に基づいて、ゼロエミッションを実現できるよう、車両充放電スケジュール151と、買電売電スケジュール152と、機器利用スケジュール153を作成する。なお、上記の各パターンは、住宅電気エネルギー管理装置300の受信部110により、インタフェース部103を介して受信する。
【0135】
車両充放電スケジュール151は、電気自動車の二次電池の充放電のスケジュールを示し、1日のうち充電を行う時間と放電を行う時間を表す。
【0136】
買電売電スケジュール152は、電力会社への電力の供給(売電)スケジュールおよび電力会社からの電力の供給(買電)スケジュールを示し、1日のうち売電を行う時間と買電を行う時間を表す。
【0137】
機器利用スケジュール153は、各電気機器150の運転スケジュールを示し、各電気機器150の1日の運転時間とそのONとOFFのタイミングを表す。
【0138】
運転スケジュール生成部310は、車両充電制御装置130から受信した後述する利用パターンに基づいて電気自動車の利用状況を取得する。取得した利用状況により示される利用時間の間は、放電も充電も行われない。また、この時間の間は放電を行うことができないため、太陽光発電装置180で発電される電力のみで各電気機器150で使用される電力をまかなう必要がある。そのため、運転スケジュール生成部310は、電気機器管理装置400から受信した機器使用パターン421により示される電気機器150の使用電力量のピーク値が、この電気自動車の利用時間に重なる場合、この時間に電気機器150の使用電力量のピーク値がスケジューリングされることのないように調整を行う。
【0139】
また、運転スケジュール生成部310は、太陽光発電制御部160から受信した発電パターンにより示される発電量の時間推移から、1日の合計発電量を算出する。そして運転スケジュール生成部310は、電気機器管理装置400から受信した全機器使用パターン421により示される全電気機器150の使用電力量の時間推移から、1日の合計使用電力量を算出する。また、運転スケジュール生成部310は、車両充電制御装置130から受信した利用パターンに基づいて、電気自動車の利用電力量を算出する。運転スケジュール生成部310は、算出した合計使用電力量に電気自動車の利用電力量を加算して、1日の消費電力量を算出する。ここで、1日の消費電力量とは、電気自動車による利用電力量と各電気機器150で使用される電力量の合計を指し、1日で消費される全体の電力量をいう。
【0140】
運転スケジュール生成部310は、算出した1日の合計発電量と1日の必要電力量とを比較して、合計発電量が消費電力量以上である場合、太陽光発電装置180による発電量で各電気機器150の使用電力量と、電気自動車の二次電池を充電する電力量をまかなうことが可能であると判定する。
【0141】
この場合、運転スケジュール生成部310は、太陽光発電制御部160から受信した発電パターンにより示される発電量の時間推移と、電気機器管理装置400から受信した各電気機器150の機器使用パターン421により示される使用電力量の時間推移に基づいて、時間毎に発電量と使用電力量を比較する。なお、各電気機器150の使用電力量のピーク値が同一時間帯に重なっている場合、運転スケジュール生成部310は、各電気機器150の使用電力量のピーク値を他の時間にシフトして、時間毎に比較を行う。また、発電量と比較する各電気機器150の使用電力量は、同一時間に複数の電気機器150の使用電力が計上される場合には、これらの合計の使用電力量とする。このように、運転スケジュール生成部310は、各電気機器150の使用電力量のピーク値をシフトさせ、電気機器150の機器利用スケジュール153を作成する。
【0142】
運転スケジュール生成部310は、使用電力量が発電量未満である時間を、電気自動車の二次電池を充電する充電時間として決定する。なお、上述したように、この時間が電気自動車の利用期間が重なる場合には、その時間は充電時間から除かれる。一方、使用電力量が発電量以上である時間を、電気自動車の二次電池を放電する放電時間として決定する。この時間に電気自動車の利用期間が重なる場合には、同様にその時間は放電時間から除かれる。運転スケジュール生成部310は、決定した充電時間および放電時間を時間毎に集計し、1日のうち充電を行う時間または放電を行う時間を示す車両充放電スケジュール151を作成する。
【0143】
運転スケジュール生成部310は、住宅電気エネルギー管理装置300に接続された、図示しない入力装置におけるユーザの入力操作により設定される設定情報を取得する。設定情報には、ゼロエミッション設定と、非ゼロエミッション設定と、非ゼロエミッション設定の場合の売電電力量設定情報が含まれる。
【0144】
ゼロエミッション設定とは、各時間における太陽光発電装置180による発電量と電気自動車からの放電による電力量の合計が、作成した機器利用スケジュール153により示される各時間の電気機器150の使用電力量と等しくなる設定をいう。
【0145】
非ゼロエミッション設定とは、電力量の合計が使用電力量と等しくならない設定をいい、売電を行う設定をいう。売電電力量設定情報とは、非ゼロエミッション設定が設定されている場合にその売電電力量を示す売電電力量設定情報が含まれる。
【0146】
取得した設定情報により示される設定内容がゼロエミッション設定である場合、運転スケジュール生成部310は、各時間における太陽光発電装置180による発電量と電気自動車からの放電による電力量の合計が、作成した機器利用スケジュール153により示される各時間の電気機器150の使用電力量と等しくなるように、電気自動車からの放電電力量を調整する調整信号を生成する。そして運転スケジュール生成部310は、この調整信号を車両充電制御装置130へ送信し、放電電力量の調整を行うよう制御する。これによりゼロエミッションの実現を促進する。
【0147】
また、取得した設定情報により示される設定内容が非ゼロエミッション設定である場合、運転スケジュール生成部310は、各時間における太陽光発電装置180による発電量と電気自動車からの放電による電力量の合計が、各時間の電気機器の使用電力量よりも多くなるように放電電力量を調整する。この場合には、この期間を売電期間として買電売電スケジュール152を作成する。なお、放電電力量の調整は、売電電力量が、取得した設定情報に含まれる売電電力量設定情報により示される売電電力量となるよう、売電電力量設定情報に従って行われる。また放電電力量の調整は、上記と同様に、運転スケジュール生成部310が電気自動車からの放電電力量を調整する調整信号を生成し、この調整信号を車両充電制御装置130へ送信することにより行われる。
【0148】
一方、合計発電量が消費電力量未満である場合、運転スケジュール生成部310は、太陽光発電装置180による発電量で各電気機器150の使用電力量と、電気自動車の二次電池を充電する電力量をまかなうことが不可能であると判定する。
【0149】
この場合、上記の合計発電量が消費電力量以上である場合と同様に、運転スケジュール生成部310は、各電気機器150の使用電力量のピーク値をシフトさせ、電気機器150の機器利用スケジュール153を作成する。また、運転スケジュール生成部310は、上記と同様に発電量と使用電力量を比較して車両充放電スケジュール151を作成する。
【0150】
そして運転スケジュール生成部310は、各時間における太陽光発電装置180による発電量と電気自動車からの放電による電力量の合計と、作成した機器利用スケジュール153により示される各時間の電気機器150の使用電力量を比較する。運転スケジュール生成部310は、電力量の合計が使用電力量未満である時間を買電時間として決定し、これを集計して買電売電スケジュール152を作成する。上記の合計発電量が消費電力量以上である場合と同様に、運転スケジュール生成部310は、ユーザの入力操作により設定される設定情報を取得する。
【0151】
住宅電気エネルギー管理装置300は、作成した買電売電スケジュール152と取得した設定情報に含まれる買電電力量設定情報に従って、電力会社との間で電力のやりとりを行う。具体的には、買電売電スケジュール152により示される時間に、売電電力量設定情報または買電電力量設定情報により示される電力量の電力を電力会社との間でやりとりする。
【0152】
運転スケジュール生成部310は、作成した車両充放電スケジュール151を車両充電制御装置130へ送信する。これにより車両充電制御装置130において、車両充放電スケジュール151に従って充放電が行われるよう制御される。また、運転スケジュール生成部310は、作成した機器利用スケジュール153を電気機器管理装置400へ送信する。これにより、電気機器管理装置400において、機器利用スケジュール153に従って各電気機器150の運転が行われるよう制御される。
【0153】
以上が、住宅電気エネルギー管理システム20を構成する住宅電気エネルギー管理装置300の構成である。
【0154】
図11の車両充電制御装置130は、充放電制御プログラム138により提供される主要な機能部として、実施形態1の構成に加えて、図15に示すように、計測部331と、車両利用予測部332を、制御部135にさらに備えている。また、車両充電制御装置130の補助記憶部133には、後述する車両利用データ335が記憶される。
【0155】
計測部331は、日毎の電気自動車の利用状況を算出する。この電気自動車の利用状況には、電気自動車の利用時間とその使用電力量とが含まれる。そして計測部331は、算出した日毎の利用状況を車両利用データ335として時系列に蓄積する。なお、電気自動車の利用時間の算出は、上記実施形態2における車両利用時間推定部201の処理と同様に行う。また、電気自動車の使用電力量は、電気自動車が使用される直前の二次電池の蓄電量と使用後の蓄電量との差を、蓄電量測定部141により測定される蓄電量に基づいて算出することにより取得する。
【0156】
車両利用予測部332は、計測部331により計測される電気自動車の利用状況に基づいて、当日の電気自動車の利用状況を予測して利用パターンを作成する。この当日の電気自動車の利用状況の予測は、上記実施形態2における車両利用時間推定部201の処理と同様に行う。車両利用予測部332は、作成した利用パターンを、インタフェース部134を介して住宅電気エネルギー管理装置300へ送信する。
【0157】
以上が、住宅電気エネルギー管理システム20を構成する車両充電制御装置130の構成である。
【0158】
図11の太陽光発電制御部160は、発電制御プログラム166により提供される主要な機能部として、実施形態1の構成に加え図16に示すように、発電量予測部174をさらに備えている。また、太陽光発電制御部160の電力測定部171は、太陽光発電装置180の発電電力量を測定する機能に加え、測定した1日の発電電力量を、当日の日照情報および図示しない内部時計によって計時されるタイムスタンプと対応付けて、発電量履歴データ177として日単位で補助記憶部162へ蓄積する機能を備えている。インタフェース部163は、インターネット等に接続されており、当日の日照情報は、インターネット等を介して取得される。太陽光発電制御部160の補助記憶部162には、上述のように発電量履歴データ177がさらに記憶される。
【0159】
発電量予測部174は、インターネット等を介して取得される当日の予想日照情報に基づいて、蓄積された発電量履歴データ177から当日の発電量とその時間推移を予測し、発電パターンを作成する。
【0160】
具体的には、発電量予測部174は、蓄積された発電量履歴データを読み込み、取得した当日の予想日照情報と同様の日照情報を示す日に対応する発電量履歴データを数日分取得し、これらを集計して時間毎の発電量の平均値を算出する。そして発電量予測部174は、この発電量の平均値の時間推移を発電パターンとする。
【0161】
また、発電量予測部174は、作成した発電パターンを、インタフェース部163を介して住宅電気エネルギー管理装置300へ送信する。
【0162】
以上が、住宅電気エネルギー管理システム20を構成する太陽光発電制御部160の構成である。
【0163】
次に、住宅電気エネルギー管理装置300の動作を中心に、住宅電気エネルギー管理システム20の動作について、図17を参照して説明する。なお、住宅電気エネルギー管理装置300におけるデマンド制御機能については、上記実施形態1と同様であるため、ここでは、ゼロエミッション実現機能について説明する。
【0164】
ゼロエミッション実現機能は、住宅電気エネルギー管理装置300のインタフェース部103が、機器使用パターン421、全機器使用パターン322、利用パターン、発電パターンをそれぞれ受信することにより開始される。
【0165】
住宅電気エネルギー管理装置300は、受信部110の機能によりインタフェース部103から機器使用パターン421、全機器使用パターン322、利用パターン、発電パターンをそれぞれ受信する(ステップS301)。
【0166】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、受信部110で受信した利用パターンに基づいて、電気自動車の利用時間を取得し、この利用時間に電気機器150の使用電力量のピーク値がスケジューリングされることのないように調整を行う(ステップS302)。
【0167】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、受信部110で受信した発電パターンと全機器使用パターン322に基づいて、1日の合計発電量と1日の合計使用電力量を算出する(ステップS303)。
【0168】
また、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、受信部110で受信した利用パターンに基づいて、電気自動車の利用電力量を算出する(ステップS304)。
【0169】
続いて住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、算出した1日の合計使用電力量に電気自動車の利用電力量を加算して1日の消費電力量を算出する(ステップS305)。
【0170】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、算出した1日の合計発電量と1日の消費電力量を比較する(ステップS306)。
【0171】
合計発電量が消費電力量以上である場合(ステップS306;Yes)、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、電気機器管理装置400から受信した各電気機器150の機器使用パターン421により示される使用電力の時間推移に基づいて、各電気機器150の使用電力量のピーク値をシフトさせ、電気機器150の機器利用スケジュール153を作成する(ステップS307)。
【0172】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、電気機器管理装置400から受信した各電気機器150の機器使用パターン421により示される使用電力の時間推移に基づいて、時間毎に発電量と使用電力量を比較する(ステップS308)。
【0173】
使用電力量が発電量未満である場合(ステップS308;Yes)、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、この時間を充電時間として決定する(ステップS309)一方、使用電力量が発電量以上である場合(ステップS308;No)、住宅電気エネルギー管理装置300は、この時間を放電時間として決定する(ステップS310)。
【0174】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、決定された充電時間および放電時間を集計し、車両充放電スケジュール151を作成する(ステップS311)。
【0175】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、ユーザの入力操作により設定される設定情報を取得する(ステップS312)。
【0176】
取得した設定情報により示される設定内容が、ゼロエミッション設定である場合(ステップS313;Yes)、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、電気自動車からの放電電力量を、電力量の合計と使用電力量が等しくなるように調整するゼロエミッション調整信号を生成し(ステップS314)、このゼロエミッション調整信号を車両充電制御装置130へ送信する(ステップS315)。
【0177】
一方、取得した設定情報により示される設定内容が、非ゼロエミッション設定である場合(ステップS313;No)、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、売電電力量が取得した設定情報に含まれる売電電力量設定情報により示される売電電力量となるよう、電気自動車からの放電電力量を調整する売電調整信号を生成し(ステップS316)、この売電調整信号を車両充電制御装置130へ送信する(ステップS317)。
また、住宅電気エネルギー管理装置300は、電力量の合計が使用電力量より大きくなる期間を、売電期間として買電売電スケジュール152を作成する(ステップS318)。
【0178】
一方、合計発電量が消費電力量未満である場合(ステップS306;No)、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、合計発電量が消費電力量以上である場合と同様に、電気機器150の機器利用スケジュール153および車両充放電スケジュール151を作成する(ステップS319)。
【0179】
また、住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、ユーザの入力操作により設定される設定情報を取得する(ステップS320)。各時間における太陽光発電装置180による発電量と電気自動車からの放電による電力量の合計と、作成した機器利用スケジュール153により示される各時間の電気機器150の使用電力量を比較して買電売電スケジュール152を作成する(ステップS321)。
【0180】
住宅電気エネルギー管理装置300は、作成した買電売電スケジュール152と取得した設定情報に含まれる買電電力量設定情報に従って、電力会社との間で電力のやりとりを行う(ステップS322)。
【0181】
住宅電気エネルギー管理装置300は、運転スケジュール生成部310の機能により、作成した車両充放電スケジュール151を車両充電制御装置130へ送信する(ステップS323)。これにより車両充電制御装置130は、受信した車両充放電スケジュール151に従って充放電を行うよう制御する。
【0182】
また、住宅電気エネルギー管理装置300は、同様に、作成した機器利用スケジュール153を電気機器管理装置400へ送信する(ステップS324)。これにより、電気機器管理装置400は、機器利用スケジュール153に従って各電気機器150の運転を行うよう制御する。
【0183】
以上が、住宅電気エネルギー管理装置300の動作を中心とした住宅電気エネルギー管理システム20の動作である。
【0184】
(変形例)
この発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。上記実施形態では、1日の合計発電量と1日の消費電力量との比較により買電と売電のどちらかを行う例を示したが、これは一例である。電気自動車の利用状況や各電気機器150の使用状況に応じて、ユーザの入力操作等により買電と売電の両方を行うように適宜設定することも可能である。例えば、ユーザの入力操作により予め閾値を設定しておき、合計供給電力量と消費電力量との差が閾値未満となるように、買電量および売電量を調整してもよい。ここで、合計供給電力量とは、買電電力量と放電電力量と発電電力量の合計である。これによれば、買電量や売電量を適宜変更することが可能となるため、ユーザにとっての利便性が向上される。
【0185】
また、上記実施形態では、各電気機器150の使用電力のピーク値が同一時間帯に重なっている場合に、各電気機器150の使用電力量のピーク値を他の時間にシフトする例を示したが、これは一例である。例えば、ピーク値のみでなく、各電気機器150それぞれの使用時間帯が同一時間帯に重ならないようにシフトしてもよい。これによれば、各時間における使用電力量を抑制することができるため、ゼロエミッションの実現をより促進することができる。
【0186】
上記実施形態では、住宅電気エネルギー管理装置300が、全機器使用パターン322を受信する例を示したが、これは一例である。機器使用パターン421により示される各電気機器の使用電力量を加算することにより住宅電気エネルギー管理装置300が全機器使用パターン322を生成してもよい。
【0187】
また、上記実施形態では、住宅電気エネルギー管理装置300が、電気機器管理装置400、車両充電制御装置130、太陽光発電制御部160によって生成された各パターンを受信することにより各スケジュールを生成し、これらを送信することにより各電気機器150の運転や二次電池の充放電を制御させる例を示したが、必ずしもこれに限定されない。例えば、電気機器管理装置400は住宅電気エネルギー管理装置300に含まれていてもよい。また、電気機器管理装置400、車両充電制御装置130、太陽光発電制御部160のいずれかの構成、若しくはその全ての構成が住宅電気エネルギー管理装置300に含まれていてもよい。
【0188】
本発明の上記実施形態1〜3にかかる各機能を実現するための住宅電気エネルギー管理装置は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するための各プログラムを格納した媒体(CD−ROMなど)から当該プログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する住宅電気エネルギー管理装置を構成することができる。
【0189】
また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションとの分担、またはOSとアプリケーションとの協同により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納してもよい。
【0190】
また、搬送波に各プログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS、Bulletin Board System)に当該プログラムを掲示し、ネットワークを介して当該プログラムを配信してもよい。そして、これらのプログラムを起動し、オペレーティングシステムの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上述の処理を実行できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0191】
10 住宅電気エネルギー管理システム
20 住宅電気エネルギー管理システム
100 住宅電気エネルギー管理装置
101 主記憶部
102 補助記憶部
103 インタフェース部
104 制御部
105 システムバス
106 デマンド制御プログラム
107 優先度テーブル
108 契約電力情報
110 受信部
111 データ収集部
112 電力算出部
113 送信部
114 充放電制御部
115 電力供給制御部
120 受電ケーブル
121 送電ケーブル
130 車両充電制御装置
131 交直流変換部
132 主記憶部
133 補助記憶部
134 インタフェース部
135 制御部
136 充放電ライン
137 システムバス
138 充放電制御プログラム
140 接続判定部
141 蓄電量測定部
142 充放電判断部
143 送信部
150 電気機器
160 太陽光発電制御部
161 主記憶部
162 補助記憶部
163 インタフェース部
164 制御部
165 システムバス
166 発電制御プログラム
170 受信部
171 電力測定部
172 送信部
173 発電制御部
174 発電量予測部
177 発電量履歴データ
180 太陽光発電装置
190 送電ケーブル
200 住宅電気エネルギー管理装置
201 車両利用時間推定部
202 充放電スケジュール設定部
205 充放電パターンテーブル
206 スケジュール管理プログラム
300 住宅電気エネルギー管理装置
306 ゼロエミッション実現プログラム
310 運転スケジュール生成部
331 計測部
332 車両利用予測部
335 車両利用データ
400 電気機器管理装置
401 主記憶部
402 補助記憶部
403 インタフェース部
404 制御部
405 システムバス
406 機器制御プログラム
410 使用電力計測部
411 使用電力集計部
412 使用電力予測部
413 送信部
414 電気機器制御部
420 使用電力蓄積データ
421 機器使用パターン
422 全機器使用パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車から供給される電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を受信する受信部と、
1又は複数の電気機器で使用される電力量を示す使用電力量情報および発電電力量を示す発電電力量情報を収集するデータ収集部と、
前記受信部で電気自動車遮断信号が受信されたことに応じて、前記データ収集部で収集された使用電力量情報により示される電気機器毎の電力量を集計し、集計した電力量を、前記データ収集部で収集された発電電力量情報により示される発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する電力量算出部と、
予め記憶されている電力量と前記電力量算出部で算出された差分使用電力量を比較し、前記予め記憶されている電力量が前記差分使用電力量未満である場合、前記1又は複数の電気機器へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項2】
予め記憶されている前記電気自動車の過去の利用履歴に基づいて将来の電気自動車の利用時間帯を推定する車両利用時間推定部と、
前記車両利用時間推定部で推定された将来の電気自動車の利用時間帯以外の時間帯に電気自動車に含まれる二次電池の充電および放電の実行スケジュールを設定する充放電スケジュール設定部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項3】
前記充放電スケジュール設定部は、前記二次電池が満充電となるように充電の実行スケジュールを設定することを特徴とする請求項2に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項4】
前記車両利用時間推定部で推定された将来の前記電気自動車の利用時間帯において消費される電力量と、前記データ収集部で受信した使用電力量情報および発電電力量情報により示されるそれぞれの電力量と、に基づいて、電気自動車の走行および放電に必要な電力量を示す必要電力量を算出する必要電力量算出部をさらに備え、
前記充放電スケジュール設定部は、前記二次電池の蓄電量が前記必要電力量算出部で算出された必要電力量以上となるように実行スケジュールを設定することを特徴とする請求項2に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項5】
電力量を抑制する対象となる電気機器の優先順位を示す優先度と該優先度に対応する電気機器および該電気機器の抑制電力量を示す、予め記憶されている優先度テーブルに基づいて、電力量を抑制する対象となる電気機器と該電気機器の抑制電力量を決定する抑制機器決定部をさらに備え、
前記送信部は、前記抑制機器決定部で決定された電気機器へ前記抑制機器決定部で決定された抑制電力量の抑制を指示する制御信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項6】
ユーザの操作により電気自動車の将来の利用状況を示す電気自動車利用情報が入力される入力部をさらに備え、
前記入力部で入力される電気自動車利用情報と、前記データ収集部で受信した使用電力量情報に基づいて、予め前記1又は複数の電気機器の使用電力量のピーク値が前記電気自動車利用情報により示される電気自動車の利用時間と重なることのない運転を行うよう前記1又は複数の電気機器へ制御信号を送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項7】
前記受信部は、将来の発電量の時間推移を示す発電パターンと、前記電気自動車の将来の利用状況を示す利用パターンと、前記複数の電気機器の将来の使用電力量の時間推移を示す使用パターンをさらに受信し、
ユーザの入力操作に応じて、前記受信された発電パターンで示される発電量の内で、所定期間において電力会社へ送電される売電電力量と、前記所定期間において前記電力会社から受電される買電電力量とを設定する設定情報を取得する設定情報取得部と、
前記受信された発電パターンと前記電気自動車の利用パターンと前記複数の電気機器それぞれの使用パターンとに基づいて、前記設定情報で設定された買電電力量と、前記所定期間の発電電力量と、前記所定期間の放電電力量との和から、前記所定期間の充電電力量と、前記複数の電気機器の前記所定期間における使用電力量の集計値との和を減算した値と、前記設定情報で設定された売電電力量との差が所定値よりも小さくなる設定条件を満足するように、前記電力会社との間で電力の送電および受電を行う電力供給制御部と、をさらに備え、
前記送信部は、前記設定条件を満足するように前記制御信号を前記1又は複数の電気機器へ送信する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項8】
前記受信部で受信された発電パターンに基づいて発電される全体の発電量を算出する発電量算出部と、
前記受信部で受信された使用パターンに基づいて前記複数の電気機器の使用電力量のピーク値をシフトさせ、前記複数の電気機器の運転スケジュールを示す機器利用スケジュールを作成する機器利用スケジュール作成部と、
前記受信部で受信された使用パターンと前記発電量算出部で算出された発電量とに基づいて前記電気自動車の二次電池の充電と放電を行う時間を示す車両充放電スケジュールを作成する車両充放電スケジュール作成部と、
ユーザの入力操作に応じて電気自動車の二次電池からの放電の電力量を調整し、電力会社へ送電する売電と電力会社から受電する買電の電力量を制御する調整信号と、前記機器利用スケジュール作成部で作成された機器利用スケジュールと、前記車両充放電スケジュール作成部で作成された車両充放電スケジュールと、をそれぞれ送信する送信部と、
ユーザの入力操作に応じて、前記売電を行う時間と前記買電を行う時間を示す買電売電スケジュールを作成する買電売電スケジュール作成部と、をさらに備え、
前記買電売電スケジュール作成部で作成された買電売電スケジュールに従って電力会社との間で電力の送電および受電を行うことを特徴とする請求項7に記載の住宅電気エネルギー管理装置。
【請求項9】
電気自動車から供給される電力が遮断されたか否かを判別する判別部と、
1又は複数の電気機器でそれぞれ使用される電力量をそれぞれ検出する1又は複数の使用電力量検出部と、
発電装置の発電電力量を検出する発電電力量検出部と、
前記判別部が電気自動車から供給される電力が遮断されたと判別したことに応じて、前記1又は複数の使用電力量検出部で検出された電力量を集計し、集計した電力量を、前記発電電力量検出部で検出された発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する電力量算出部と、
予め記憶されている電力量と前記電力量算出部で算出された差分使用電力量を比較し、前記予め記憶されている電力量が前記差分使用電力量未満である場合、前記1又は複数の電気機器へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする住宅電気エネルギー管理システム。
【請求項10】
電気自動車から供給される電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を受信する受信ステップと、
1又は複数の電気機器で使用される電力量を示す使用電力量情報および発電電力量を示す発電電力量情報を収集するデータ収集ステップと、
前記受信ステップで電気自動車遮断信号が受信されたことに応じて、前記データ収集ステップで収集された使用電力量情報により示される電気機器毎の電力量を集計し、集計した電力量を、前記データ収集ステップで収集された発電電力量情報により示される発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する電力量算出ステップと、
予め記憶されている電力量と前記電力量算出ステップで算出された差分使用電力量を比較し、前記予め記憶されている電力量が前記差分使用電力量未満である場合、前記1又は複数の電気機器へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする住宅電気エネルギー管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
電気自動車から供給される電力が遮断されたことを示す電気自動車遮断信号を受信する受信部、
1又は複数の電気機器で使用される電力量を示す使用電力量情報および発電電力量を示す発電電力量情報を収集するデータ収集部、
前記受信部で電気自動車遮断信号が受信されたことに応じて、前記データ収集部で収集された使用電力量情報により示される電気機器毎の電力量を集計し、集計した電力量を、前記データ収集部で収集された発電電力量情報により示される発電電力量から差し引いた電力量を示す差分使用電力量を算出する電力量算出部、
予め記憶されている電力量と前記電力量算出部で算出された差分使用電力量を比較し、前記予め記憶されている電力量が前記差分使用電力量未満である場合、前記1又は複数の電気機器へ予め定められた電力量の抑制を指示する制御信号を送信する送信部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−120295(P2012−120295A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266639(P2010−266639)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】