説明

住所情報を座標情報に変換する情報処理装置及び住所情報を座標情報に変換する方法

【課題】入力された住所が存在しない場合にユーザが意図した住所の地点により近い地点の座標を得ることができるシステムを提供する。
【解決手段】システムは、第1階層住所情報及び第2階層住所情報と地図上の基準点の座標情報とを対応づけて格納する記憶手段と、入力住所情報を受け付ける受付手段と、入力第2階層住所情報が記憶手段に格納されていない場合、入力第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報に対応する地図上の基準点を結んで形成される結線ポリゴンが既定条件を具備するか否かを判定する手段と、判定結果が是である場合、入力第2階層住所情報に含まれる番号に対する修正処理を実行する手段と、処理の結果得られた第2階層住所情報に対応する基準点の座標情報を記憶手段から抽出する手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所情報を緯度・経度の座標情報に変換するジオコーディングシステム及びジオコーディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住所、地名又は駅名などの地理的情報を緯度・経度の座標値に変換する技術が知られている。このような技術はジオコーディングと呼ばれ、例えば、特許文献1(特開平8−50594号公報)に記載されている。特許文献1に記載の情報処理装置は、所定の変換テーブルを利用することにより、住所情報の県・市・町・丁目名から当該位置の緯度及び経度を求め、当該緯度及び経度情報から地図画像情報を取得する。
【0003】
また、図形を対象としてパターン認識をする技術が知られている。このようなパターン認識に関連する技術は、例えば、特許文献2(特開平11−96400号公報)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−50594号公報
【0005】
【特許文献2】特開平11−96400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1に記載の情報処理装置は、「県・市・町・丁目」という階層構造に応じて、住所に対応する地点の緯度・経度データを変換テーブルに記憶している。よって、入力される住所が、「神奈川県横浜市戸塚区吉田町1丁目」のように完全なものではなく、「神奈川県横浜市」、「神奈川県横浜市戸塚区」のように上位階層のみであっても、それぞれの住所に対応する地点の座標を求めることができるようになっている。
【0007】
しかしながら、例えば、ある地域の住所は「○○県○○市○○町△丁目△番△号」のように表記されているところ、上記特許文献1に記載の情報処理装置の構成では「丁目」までしか特定することができないため、「△番△号」に対応する地点の座標を求めて適切な地図を表示することができないという問題がある。
【0008】
また、例えば、地図検索の際にユーザが住所を手入力するケースでは、ユーザが住所を間違えて入力する場合がある。例えば、「○○県○○市○○町6丁目10番1号」の地図を検索したいにもかかわらず、「○○県○○市○○町6丁目10番0号」や「○○県○○市○○町6丁目10番100号」のように誤入力してしまう場合である。特に、住所の一部に番号を入力する場合には、このような誤入力が生じやすい。
【0009】
このように、誤った住所が入力された場合には、これに対応する座標を特定することができないので、例えば、正しい住所の入力を促すメッセージをユーザに表示し、正しい住所が入力されるまで次の画面に進まないようにする対応や、住所として正しく認識できる情報(例えば、「○○県○○市○○町6丁目10番」まで)に基づいて該当する地点の座標を求め、その周辺の地図を表示する対応などが考えられる。
【0010】
しかしながら、前者の方法では、ユーザによって正しい住所が入力されるまで処理が進まないため、仮にユーザが正しい住所を知らない場合は、ユーザは所望する住所の地図を確認することができず不便である。また、後者の方法では、「…6丁目10番」に対応する地点が特定され、その近辺を示す地図が表示されるため、表示された地図にユーザが所望する「…6丁目10番1号」の地点が表示されていない場合や、表示されていても地図の端に表示される場合がある。住所表記は一定の広さを持つ領域を特定しているため、住所の緯度経度には、当該領域内の特定の地点(例えば中心位置)の緯度経度が一般に採用されている。従って、図9に示すように、「…6丁目10番」の地点Aと「…6丁目10番1号」の地点Bが離れている場合に、「…6丁目10番」の地点Aを採用すると、表示される地図は、例えば点線で示す領域A1となり、ユーザが意図した「…6丁目10番1号」の地点Bは含まれていないことになる。従って、ユーザは所望する住所の地図を容易に確認することができないという問題がある。
【0011】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ユーザにより入力された住所が存在しない場合に、ユーザが意図した住所の地点により近い地点の座標を得ることができる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、第1階層と当該第1階層の下位に属する第2階層とを含む階層構造を有する住所情報を座標情報に変換する情報処理システムである。当該情報処理システムは、第1階層に含まれる第1階層住所情報及び第2階層に含まれる第2階層住所情報と、当該第1階層住所情報及び第2階層住所情報にそれぞれ対応する地図上の基準点の座標情報と、を対応づけて格納する住所情報記憶手段と、ユーザより入力された入力住所情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けた入力住所情報に含まれる第2階層住所情報が前記住所情報記憶手段に格納されていない場合、当該入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報に対応する地図上の基準点を結んで形成される結線ポリゴンが既定条件を具備するか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果が是である場合、入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する修正処理(例えば、加減算処理)の結果得られる第2階層住所情報が、住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と、当該修正処理により少なくとも一致するまで、当該修正処理を実行する修正処理手段と、修正処理手段による処理の結果得られた第2階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出する座標情報抽出手段と、を備える。
【0013】
好適には、情報処理システムは、第1階層住所情報と、当該第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報と、を対応付けて格納するパターン情報記憶手段をさらに備える。判定手段は、入力された第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報を、パターン情報記憶手段から抽出するパターン情報抽出手段と、入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報と、を住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする結線ポリゴンを作成する作成手段と、パターン情報抽出手段により抽出されたパターン情報に基づくパターン形状と作成手段により作成された結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定する相似性判定手段と、を備え、相似性判定手段により判定された相似性の度合いが所定基準以上の場合、結線ポリゴンが既定条件を具備すると判定することができる。
【0014】
また、好適には、判定手段は、入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報と、当該全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報とを住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする結線ポリゴンを作成する作成手段を備え、作成手段により作成された結線ポリゴンの全ての頂点の内角が180度未満である場合、当該結線ポリゴンが既定条件を具備すると判定することができる。
【0015】
さらにまた、情報処理システムは、座標情報と当該座標情報によって特定される位置の周辺の地図画像情報とを対応付けて格納する地図情報記憶手段をさらに備え、座標抽出手段により抽出された座標情報に対応する地図画像情報を地図情報記憶手段から抽出する地図情報抽出手段と、地図情報抽出手段により抽出された地図画像情報に基づく地図画像を出力する出力手段と、さらに備える。
【0016】
また、座標情報抽出手段は、判定手段による判定結果が否である場合、入力された第1階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出する。
【0017】
パターン情報記憶手段が格納するパターン情報には、第1住所情報によって特定される領域を画定する各頂点の頂点座標が含まれる。相似性判定手段は、パターン形状の頂点の数と結線ポリゴンの頂点の数とが一致する場合は、当該パターン形状の頂点を結ぶ結線の傾きと当該結線ポリゴンの頂点を結ぶ結線の傾きとが略一致することを条件に、当該パターン形状と当該結線ポリゴンは相似性が高いと判定することができる。
【0018】
第2階層住所情報に含まれる番号は、第1階層住所情報によって特定される領域の外周に沿って時計回りに付与されている。また、修正処理手段は、入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対して加算処理を実行することにより、住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と一致する第1の第2階層住所情報を算出し、入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する減算処理を実行することにより、当該住所情報記憶手段に格納されている他の第2階層住所情報と一致する第2の第2階層住所情報を算出し、座標抽出手段は、第1の第2階層住所情報に対応する基準点の第1の座標情報と、第2の第2階層住所情報に対応する基準点の第2の座標情報とを、住所情報記憶手段からそれぞれ抽出し、抽出した第1の座標情報及び第2の座標情報の中間座標を算出することができる。
【0019】
また、本発明は、情報処理システムにおいて第1階層と当該第1階層の下位に属する第2階層とを含む階層構造を有する住所情報を座標情報に変換する方法である。当該情報処理システムは、第1階層に含まれる第1階層住所情報及び第2階層に含まれる第2階層住所情報と、当該第1階層住所情報及び第2階層住所情報にそれぞれ対応する地図上の基準点の座標情報と、を対応づけて格納する住所情報記憶手段を備える。本発明の方法は、ユーザより入力された入力住所情報を受け付けるステップと、前記受け付けた入力住所情報に含まれる第2階層住所情報が前記住所情報記憶手段に格納されていない場合、当該入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報に対応する地図上の基準点を結んで形成される結線ポリゴンが既定条件を具備するか否かを判定するステップと、判定結果が是である場合、入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する修正処理の結果得られる第2階層住所情報が、住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と、当該修正処理により少なくとも一致するまで、当該修正処理を実行するステップと、処理の結果得られた第2階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出するステップと、を備える。
【0020】
また、本発明の住所情報を座標情報に変換する方法において、情報処理システムは、第1階層住所情報と、当該第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報と、を対応付けて格納するパターン情報記憶手段をさらに備える。判定するステップにおいて、入力された第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報を、パターン情報記憶手段から抽出するステップと、入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報と、当該全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報とを住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする結線ポリゴンを作成するステップと、抽出されたパターン情報に基づくパターン形状と作成された結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定するステップと、を備え、判定された相似性の度合いが所定基準以上の場合、結線ポリゴンが既定条件を具備するかと判定することができる。
【0021】
また、本発明は、上記記載の住所情報を座標情報に変換する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとしても成立する。
【0022】
また、本発明は、上記記載の住所情報を座標情報に変換する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても成立する。
【0023】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各処理ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0024】
また、本明細書等において、「手段」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザにより入力された住所が存在しない場合に、ユーザが意図した住所の地点により近い地点の座標を得ることができる仕組みを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】地図情報検索システム100の概略構成を示すブロック図である。
【図2】住所情報のデータ構造とパターン情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図3】ジオコーディング処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】相似性の度合いを判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】街区パターンと住居番号の結線ポリゴンの一例を示す図である。
【図6】相似性の度合いを判定する処理を説明するための図である。
【図7】街区パターンと住居番号の結線ポリゴンの相似性の度合いを説明するための図である。
【図8】住居番号に対する加減算処理の結果を説明するための図である。
【図9】住所と当該住所の座標を特定する地点との関係を説明するための図である。
【図10】ジオコーディング処理の流れの他の例を示すフローチャートである。
【図11】住居番号に対する加減算処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0028】
本実施形態では、本発明に係るジオコーディングを、地図情報検索システムに適用する場合について説明するが、本発明は、地図情報検索システムに限られず、ジオコーディングを用いたあらゆるシステムに適用することができる。
【0029】
また、本実施形態では、街区方式に従う住所情報を座標情報に変換する場合について説明する。街区方式に従う住所情報は、例えば、「○○県○○市○○町△丁目△番△号」と表すことができ、県(○○県)、市(○○市)、町(○○町△丁目)、街区(△番)、住居番号(△号)という階層構造を有している。このような街区方式に従う住所情報は階層(レベル)に応じて区切ることができる。この場合、下位階層は上位階層の情報を含むように区切られる。例えば、街区(△番)までの住所情報を第1階層とし、住居番号(△号)を第1階層の下位に位置する住所情報を第2階層とした場合、第1階層は「○○県○○市○○町△丁目△番」、第2階層は「○○県○○市○○町△丁目△番△号」と表わすことができる。なお、住所情報の表記や階層数は、これらに限られず、階層構造を有しているものであれば良い。
【0030】
「街区」は、例えば、人口の集中している地域(市街地)について合理的な住居表示を行うための住居表示の方法の一つで、市区町村内を町丁単位に分け、その中を更に道路、河川等によって区画し、番号化したものである。そして、「住居番号」は、この街区内の建物等に対して所定のルールに従って番号を付けたものである。例えば、市町村の中心に一番近い街区の角を起点にし、そこから街区の外周に沿って原則時計回り(右廻り)に距離を測って所定距離数(例えば、10メートル)ごとに区切り、順番に1、2、3・・・と基礎番号をつけ、建物の玄関または主要な出入り口が接する位置の基礎番号を住居番号とすることができる。
【0031】
ここで、本発明に係るジオコーディングは、このような街区方式に従う住所情報において、住居番号が、原則、その街区上に時計回りで付与される(例えば、1、2、3・・・)点に着目し、ユーザが入力した住居番号(例えば9)が存在しない場合は、その番号に近い番号(例えば8や10)をユーザが意図した番号であると推定し、この推定された番号を座標変換の対象とする。その結果、ユーザが入力した住居番号(例えば9)により近い番号(例えば8や10)の位置の座標を特定することができるので、この座標に基づく地図を提示することにより、上位階層の街区レベルの位置を含む地図を提示する場合と比べて、ユーザが意図した位置により近い位置の地図を表示することが可能になる。
【0032】
しかしながら、このような仕組みは、住居番号が、その街区内に一定のルール(例えば、時計回り)に従って付与されていることを前提とするものであるところ、例えば、市区町村の合併、地上げ、工場の閉鎖などによりできた大きな更地に、分譲住宅の建築による敷地の分筆があったり、複数の小さな敷地を跨る大規模工場、商業施設、マンション等建物による敷地の合筆があったりすることにより、街区がなくなったり、住居番号の配置が乱れていたり、住居番号が欠番になっていたりする場合がある。よって、仮に、ユーザが入力した住居番号(例えば9)に近い番号(例えば10)が、実際には離れた位置に存在するような場合には、この番号(例えば10)の位置を表示することで、かえって座標検索の精度を低くしてしまう可能性がある。そこで、本発明は、座標検索の精度をより一層高めるため、ユーザが入力した住居番号に近い番号を利用する前に、当該住居番号が、その街区内に一定のルールに従って配置されているか否かを確認することとしている。
【0033】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る地図情報検索システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、地図情報検索システム100は、ジオコーディングサーバ10(以下、「サーバ」という。)と、端末装置20とを備え、これらがネットワークNを介して相互に接続されることにより構成される。
【0034】
サーバ10は、ジオコーディングを行うためのサーバ・コンピュータであり、主制御部101、通信手段102、入力住所情報受付手段103、記憶手段104、入力住所情報判定手段105、判定手段106、パターン情報抽出手段107、住居番号の結線ポリゴン作成手段108、相似性判定手段109、加減算処理手段110、座標情報抽出手段111、地図情報抽出手段112などの機能手段を備える。サーバ10は、例えば、マイクロプロセッサからなるCPU(中央演算処理装置)、CPUにバス結合されたメモリ(ROM、RAM)、HDD、及び各種インタフェースなどのハードウェアを備える専用または汎用のコンピュータを用いて構成することができる。上記の各機能手段は、主にCPUがメモリ、HDDなどに格納されるプログラムを実行して各ハードウェアを制御することにより実現される。また、サーバ10は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。また、単一のコンピュータが複数のサーバ機能を備えてもよい。
【0035】
主制御部101は、サーバ10全体の動作を制御する機能を備える。通信手段102は、ネットワークNを介して端末装置20と通信するためのインタフェースである。
【0036】
入力住所情報受付手段103は、ユーザより入力された住所情報(以下、「入力住所情報」という。)を受け付ける機能を備える。入力住所情報受付手段103は、端末装置20から送信された入力住所情報を、通信手段102を介して受け付ける。また、図示しないキーボードやタッチパネル等のユーザインタフェースを介してユーザより直接入力された入力住所情報を受け付けることもできる。入力住所情報は、ユーザが地図情報検索のために入力する情報であり、例えば、「○○県○○市○○町△丁目△番△号」「東京都○○区××△−△−△」などの情報が該当する。
【0037】
記憶手段104は、住所情報と、パターン情報と、地図情報とを格納し、住所情報記憶手段、パターン情報記憶手段、地図情報記憶手段とも呼ばれる。記憶手段104は、データベースとしての機能を有する。
【0038】
住所情報記憶手段は、住所情報と、当該住所情報に対応する地図上の基準点の座標情報(緯度・経度)とを、階層構造に応じて、それぞれ対応付けて格納する(図2(A)参照)。なお、基準点は、住所情報によって特定される領域を地図上に表示する際に基準となる地点(位置)である。図2(A)では、街区(例:…20番)と住居番号(例:…2丁目20番−1、−2、−3…)に対して、それぞれ基準点の座標情報が対応づけて格納される例を示している。なお、図2(A)では、一例として、階層毎にレコードを生成し、それぞれ基準点を対応付けて格納しているが、住所情報記憶手段のデータ構造は、図2(A)に示すものに限られず、住所情報に基づいて当該住所情報に対応する基準点の座標情報が特定可能に構成されているものであれば、設計に応じたものを適宜採用することができる。
【0039】
パターン情報記憶手段は、街区と、当該街区によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報と、を対応付けて格納する(図2(B)参照)。本実施形態では、パターン情報の一例としてポリゴンの頂点座標列及びこれらの角度が格納される。なお、パターン情報は、これらに限られず、当該領域の形状を表すことができるものであれば、設計等に応じたものを適宜用いることができる。
【0040】
地図情報記憶手段は、図示してはいないが、例えばベクタ方式やラスタ方式等で構成される地図データを、座標情報(緯度・経度)と対応付けて格納する。
【0041】
記憶手段104のデータ構造は、上述した構造や項目に限られず、例えば、設計に応じて適宜他の項目を追加することができる。
【0042】
入力住所情報判定手段105は、入力住所情報受付手段103により受け付けた入力住所情報が正しいか否か(記憶手段104に存在するか否か)、階層毎に判定する機能を備える。階層毎に判定するとは、入力住所情報が正しくない場合に、どの階層の住所まで正しく、あるいは、どの階層の住所が間違えているのかを判定することである。ユーザより入力された入力住所情報が正しい場合は、受け付けた入力住所情報を座標情報抽出手段111に引き渡す。一方、ある階層の住所情報(例えば、街区)は正しいが、次の階層の住所情報(例えば、住居番号)が誤っている場合は、その結果を判定手段106に通知する。
【0043】
判定手段106は、入力住所情報判定手段105により通知を受けると、入力された街区に属する全ての住居番号の基準点を結ぶことにより形成される住居番号の結線ポリゴンが既定条件を具備するか否か(ユーザが入力した街区内の住居番号が所定のルール(例えば、時計回り)に従って配置されているか否か)を判定する機能を備える。判定手段106は、住居番号の結線ポリゴンが既定条件を具備すると判定した場合、その結果を加減算処理手段110に通知する。
【0044】
パターン情報抽出手段107は、ユーザより入力された街区によって特定される領域の形状を表すパターン情報をパターン情報記憶手段から抽出する機能を備える。
【0045】
住居番号の結線ポリゴン作成手段108は、ユーザより入力された街区に含まれる全ての住居番号と当該住居番号の基準点の座標情報を住所情報記憶手段から抽出し、抽出した住居番号に従って各基準点を結ぶことにより住居番号の結線ポリゴンを生成する機能を備える。
【0046】
相似性判定手段109は、パターン情報抽出手段107により抽出されたパターン情報に基づくパターン形状と、住居番号の結線ポリゴン作成手段108により作成された住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定する機能を備える。相似性の度合いの判定には、図形を対象とする既存のパターン認識の技術を利用することができる。
【0047】
加減算処理手段110は、ユーザより入力された住居番号を、当該番号が増加及び/又は減少する方向に修正し、この修正処理を住所情報記憶手段に格納されている住居番号と少なくとも一致するまで繰り返すものであり、具体的には、判定手段106より住居番号の結線ポリゴンが既定条件を具備する旨の通知を受け取ると、ユーザより入力された住居番号に対して、住所情報記憶手段に格納されている住居番号と、加減算の少なくとも一方向において一致するまで、加減算処理を実行する。「加減算の少なくとも一方向において一致する」とは、少なくとも加算結果あるいは減算結果のいずれかが一致するまで、という意味である。よって、加算結果あるいは減算結果のいずれかが一致するまでは加減算処理を実行し、加算結果あるいは減算結果のいずれかが一致した段階で加減算処理を終了してもよいし、加算結果あるいは減算結果の両方が一致するまで加減算処理を実行するようにしてもよい。例えば、ユーザより入力された住居番号が「○○県○○市△△2−18−0」である場合には、「0」に対して「±1、±2、±3・・・」というように値を1つずつ加減算していく。ここで、住所情報記憶手段に「○○県○○市△△2−18−1」が格納されている場合は、「+1」を実行した時点で、住所情報記憶手段の住居番号と一致する番号を見つけたことになる。なお、加算処理及び減算処理の具体的な内容は、これに限られず、例えば、ユーザの入力した住居番号や、対象となる街区に含まれる住居番号の最大値/最小値などに応じて、設計に応じて適宜設定することができる。例えば、ユーザの入力した住居番号(例えば、100)が、該当する街区に含まれる住居番号の最大値よりも小さい場合には、減算処理のみを実行するようにしてもよい。
【0048】
座標情報抽出手段111は、住所情報に対応する基準点の座標情報(緯度・経度)を住所情報記憶手段から抽出し、抽出結果を地図情報抽出手段112に渡す機能を備える。座標情報抽出手段111は、加減算処理手段110により新たな住居番号が得られた場合は、当該住居番号に対応する基準点の座標情報を住所情報記憶手段から抽出する。
【0049】
地図情報抽出手段112は、座標情報抽出手段111によって抽出された座標情報に対応する地図画像情報を、地図情報記憶手段から抽出する機能を備える。
【0050】
端末装置20は、例えば、パソコンや携帯電話機などの端末装置であり、主制御部201、記憶手段202、入力手段203、表示手段204、通信手段205、入力住所情報送信手段206などの機能手段を備える。端末装置20は、例えば、マイクロプロセッサからなるCPU(中央演算処理装置)、CPUにバス結合されたメモリ(ROM、RAM)、HDD、及び各種インタフェースなどのハードウェアを備える専用または汎用のコンピュータを用いて構成することができる。上記の各機能手段は、主にCPUがメモリ、HDDなどに格納されるプログラムを実行して各ハードウェアを制御することにより実現される。
【0051】
主制御部201は、端末装置20の全体の動作を制御する機能を備える。
【0052】
記憶手段202には、サーバ10から配信された地図、ガイダンスデータなどのデータが記憶される。これらのデータは、必要に応じて記憶手段202から読み出され、表示手段204に表示される。
【0053】
入力手段203は、ユーザによる操作及び入力のためのものであり、数字キーやアルファベットキー、その他の機能キー、選択キー、スクロールキーなどを含む。また、タッチパネルであってもよい。出力手段である表示手段204に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、また、キー等を操作して、住所情報の入力を含む種々の入力操作を行うものである。
【0054】
表示手段204には、メニュー画面や検索された地図などが表示される。ユーザがサーバ10に地図検索を依頼する場合、入力手段203を操作し、サービスメニュー画面や所定の入力画面を表示手段204に表示して、住所情報などの検索条件を入力する。
【0055】
通信手段205は、ネットワークNを介してサーバ10と通信するためのインタフェースである。
【0056】
入力住所情報送信手段206は、メニュー画面等を介してユーザが住所情報(例えば、東京都○○区××△丁目△番△号)を入力すると、当該入力された住所情報を地図検索依頼に含めてサーバ10に送信する機能を備える。
【0057】
ネットワークNは、サーバ10と端末装置20との間で情報を送受信するための通信回線である。例えば、インターネット、LAN、専用線、パケット通信網、電話回線、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0058】
次に、上記のように構成される地図情報検索システム100の動作の概要について説明する。
【0059】
図3は、地図情報検索システム100によるジオコーディング処理の一例を示すフローチャートである。なお、後述の各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0060】
サーバ10は、地図検索依頼を受け付けると、これに含まれる入力住所情報に基づいて、階層別の入力住所情報を生成する(S101)。例えば、ユーザより入力された入力住所情報が「○○県○○市△△2−18−0」である場合、街区レベルの「○○県○○市△△2−18」と、住居番号レベルの「○○県○○市△△2−18−0」を生成する。このような階層別住所情報の生成は、従来技術を用いて実施することができる。なお、ここでは、入力住所情報に基づいてレベル別の住所情報を生成しているが、これは入力住所情報が正しいか否かを判定するための一例に過ぎず、設計に応じて適宜他の方法を採用することができる。
【0061】
サーバ10は、ユーザより入力された街区が正しいか否かを、住所情報記憶手段を参照することにより判定する(S102)。具体的には、サーバ10は、ユーザより入力された街区が、住所情報記憶手段に格納されている場合は正しいと判定する。一方、サーバ10は、ユーザより入力された街区が住所情報記憶手段に格納されていない場合は正しくないと判定し(S102;NO)、所定処理を実行する(S103)。所定処理とは、例えば、街区の上位レベルの情報(○○県○○市)について住所情報記憶手段を参照し、当該情報が格納されている場合は、対応する座標情報を抽出する処理や、エラーメッセージを出力する処理などが該当する。
【0062】
次に、サーバ10は、ユーザより入力された住居番号が正しいか否かを、住所情報を参照することにより判定する(S104)。具体的には、サーバ10は、ユーザより入力された住居番号が、住所情報記憶手段に格納されている場合は正しいと判定し、格納されていない場合は正しくないと判定する。
【0063】
サーバ10は、ユーザより入力された住居番号が正しい場合は(S104;YES)、住所が最後まで正しく入力されているので、ユーザより入力された住居番号の基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出する(S105)。なお、S104とS102の処理は順序を変えて実行してもよい。
【0064】
一方、サーバ10は、ユーザより入力された住居番号が正しくない場合は(S104;NO)、これに該当する座標情報を抽出することができないので、ユーザが意図した住居番号により近い住居番号を推定するための処理を実行する。
【0065】
サーバ10は、ユーザより入力された街区の形状を表すパターン情報を、当該街区の情報(例えば、○○県○○市△△2−18)に基づいて、パターン情報記憶手段から抽出する(S106)。パターン情報には、例えば、街区のポリゴン頂点座標列と各頂点の角度が含まれており、これらの情報に基づいて図5に示すような街区のパターン形状51を特定する。符号53は、街区の基準点を示す。
【0066】
次に、サーバ10は、ユーザより入力された街区に含まれる全ての住居番号と、当該住居番号の基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出する。そして、抽出した各基準点を住居番号の番号順に結ぶことによって住居番号の結線ポリゴンを生成する(S107)。図5の52は、街区に含まれる住居番号の基準点(3−1、3−2、3−3・・・3−18)を結ぶことによって形成される住居番号の結線ポリゴンの一例を示している。
【0067】
そして、サーバ10は、抽出したパターン情報に基づいて形成される街区パターンと、生成した住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定する(S108)。
【0068】
ここで、図4及び図6を用いて、サーバ10による街区パターンと住居番号の結線ポリゴンの相似性の度合いを判定する処理について説明する。図4は、サーバによる相似性の度合いを判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6は、相似性の度合いを判定する処理を説明するための図である。
【0069】
まず、サーバ10は、街区パターンの頂点数と住居番号の結線ポリゴンの頂点数とを比較する(S601)。両者の頂点数が一致する場合(S602;YES)、サーバ10は、街区パターンの結線の各内角と住居番号の結線ポリゴンの各対応内角の角度を比較する(S603)。そして、各内角の角度が一致する場合は(S604;YES)、両者の相似性の度合いが加減算処理の条件を満たすと判定する(S605)。なお、両者の角度の差が略一致する(両者の角度の差が一定範囲内である)場合にも、両者の相似性の度合いが、加減算処理の条件を満たすと判定することができる。
【0070】
図6(A)は、街区パターンA1と住居番号の結線ポリゴンのパターンB1について、頂点数と結線の角度がそれぞれ一致(又は略一致)する場合の一例を示している。図6(B)は、街区パターンA2と住居番号の結線ポリゴンB2について、頂点数は一致するが、結線の角度が一致(又は略一致)しない場合において、住居番号の結線ポリゴンB2の全ての内角が180度以内である場合の一例を示している。
【0071】
これに対し、街区パターンの結線の各内角と住居番号の結線ポリゴンの各対応内角の角度が一致(又は略一致)しない場合(S604;NO)、サーバ10は、住居番号の結線ポリゴンの該当する内角(不一致な内角)を有する頂点(図6(C)中の頂点B)ついて、当該頂点(図6(C)中の頂点B)とこれに隣接する2つの頂点(図6(C)中の頂点A、頂点C)との距離(AB距離、BC距離)をそれぞれ算出する。また、街区の基準点(図6(C)中のR)と当該2つの頂点(図6(C)中の頂点A、頂点C)との距離(AR距離、RC距離)をそれぞれ算出する。そして、サーバ10は、「結線ポリゴン内角(頂点B)>180°である場合においてAB距離<AR距離 AND BC距離<RC距離」の条件を満たす場合は(S606;YES)、街区パターンと住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを、加減算処理の条件を満たすと判定する(S607)。
【0072】
これに対し、「結線ポリゴン内角(頂点B)>180°である場合においてAB距離<AR距離 AND BC距離<RC距離」の条件を満たさない場合(S606;NO)、サーバ10は、街区パターンと住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを、加減算処理の条件を満たさないと判定する(S608)。図6(C)は、街区パターンA3と住居番号の結線ポリゴンB3について、頂点数は一致するが、結線の傾きが一致せず、かつ、「結線ポリゴン内角(頂点B)>180°である場合において、AB距離<AR距離 AND BC距離<RC距離」の条件を満たす場合の一例を示している。
【0073】
一方、S602に戻り、サーバ10は、街区パターンの頂点数と住居番号の結線ポリゴンの頂点数とが一致しないと判定した場合は(S602;NO)、結線ポリゴンの頂点数が、街区パターンの頂点数よりも大きいか否かを判定し(S609)、大きい場合は(S609;YES)、住居番号の結線ポリゴンの頂点の中から、処理対象となる対象頂点を設定する(S610)。対象頂点は、例えば、番号の小さい住居番号から順に設定することができるが、対象頂点の設定はこれに限られず、設計に応じて任意に設定することができる。一方、結線ポリゴンの頂点数が、街区パターンの頂点数よりも大きくない場合は(S609;NO)、加減算処理の条件を満たさないと判定する(S608)。
【0074】
対象頂点を設定すると(S610)、サーバ10は、街区パターンの最大内角よりも住居番号の結線ポリゴンの対象頂点の内角が大きく、かつ、住居番号の結線ポリゴンの対象頂点の内角が180度以下であるか否かを判定する(S611)。
【0075】
サーバ10は、判定結果が是である場合は(S611;YES)、対象頂点を削除し、新たに結線ポリゴンを生成する(S613)。
【0076】
サーバ10は、結線ポリゴンが、凸ポリゴン(結線ポリゴンの内角が180度未満)であるか否かを判定する(S614)。判定結果が、是である場合は(S614;YES)、加減算処理の条件を満たすと判定する(S615)。これに対し、結線ポリゴンが、凸ポリゴンであるか否かの判定結果が、否である場合は(S614;NO)、ステップS602に戻り、処理を続行する。
【0077】
一方、サーバ10は、S611の判定結果が否である場合は(S611;NO)、住居番号の結線ポリゴンの対象頂点(頂点Xとする)について、当該対象頂点とこれに隣接する2つの頂点(頂点A、頂点Cとする)との距離(AX距離、XC距離)をそれぞれ算出する。また、街区の基準点(Rとする)と当該2つの頂点との距離(AR距離、RC距離)をそれぞれ算出する。そして、サーバ10は、「結線ポリゴン内角(頂点X)>180°である場合において、AX距離<AR距離 AND XC距離<RC距離」の条件を満たす場合は(S612;YES)、対象頂点を削除し、新たに結線ポリゴンを生成する(S613)。一方、「結線ポリゴン内角(頂点X)>180°である場合において、AX距離<AR距離 AND XC距離<RC距離」の条件を満たさない場合は(S612;NO)、加減算処理の条件を満たさないと判定する(S608)。
【0078】
なお、街区パターンと住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを計算する処理は上述した処理内容に限られない。処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に処理内容を変更、削除、あるいは他の処理を追加することができる。
【0079】
図7は、上述の処理に従って街区パターンと住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定した場合の結果の一例を示している。図7(A)は、相似性があり、加減算処理の条件を満たす例を示し、図7(B)は、相似性がなく、加減算処理の条件を満たさない例を示している。
【0080】
図3のS108に戻り、サーバ10は、相似性の度合いを計算した結果、相似性の度合いが加減算処理の条件を満たさないと判定した場合(S109;NO)、上位レベルの街区に対応する基準点の座標情報を住所情報記憶手段104から抽出する(S110)。
【0081】
一方、サーバ10は、相似性の条件を満たす場合は、ユーザより入力された住居番号に対して算出処理を実行する。
【0082】
なお、相似性を算出する計算方法や、相似性の度合いが加減算処理の条件を満たすか否かの基準は、設計等に応じて設定することができる。例えば、ある算出方法で計算された相似性の度合いが90%以上である場合は、相似性があり、加減算処理の条件を満たすと判断することができる。しかし、相似性の度合いが加減算処理の条件を満たすか否かを判定する基準は、ここに記載されているものに限られない。
【0083】
サーバ10は、相似性の度合いが加減算処理の条件を満たすと判定された場合、ユーザより入力された住居番号に対して加減算処理を実行し、加減算処理の計算結果が住所情報記憶手段に格納されている何れかの住居番号と、少なくとも加減算の一方向において一致するまで、この加減算処理を続行する(S111)。例えば、ユーザより入力された住居番号に対して、「±1、±2、±3・・・」の加減算処理、「+1、+2、+3・・・」の加算処理、あるいは「−1、−2、−3・・・」の減算処理を実行する。
【0084】
サーバ10は、加減算処理算により得られた計算結果に対応する基準点の座標情報を、住所情報から抽出する(S112)。
【0085】
サーバ10は、抽出された座標情報に対応する地図画像情報を地図情報記憶手段から抽出する(S113)。
【0086】
サーバ10は、抽出された地図画像情報を端末装置20へ送信する(S114)。端末装置20は、地図画像情報を受信すると、これに基づく地図を表示手段に表示する。
【0087】
図8(A)は、ユーザが誤って入力した住居番号に対して上述の加減算処理を実行した結果の一例を示している。具体的には、ユーザが、「○○県○○市△△2−20−10」と入力したところ、廃番等の理由により住居番号「10」は住所情報記憶手段に存在していないため、住居番号「10」に対して上述の加減算処理を実行した結果、画面中央近辺に表示されている住居番号「9」の基準点(図8(A)中のB)が採用される。一方、街区「20」の基準点(図8中(A)のA)は、画面中央下に表示されており、両者の基準点は離れている。よって、住居番号「9」の基準点(図8(A)中のB)を抽出して、その地図情報を提示することによって、上位レベルの街区「20」の基準点(図8(A)中のA)を抽出する従来の方法よりも、ユーザの意図した位置により近接した地図を表示することが可能になる。
【0088】
以上、本実施形態によれば、ユーザによってデータベースに存在しない住所情報(例えば、住居番号)が入力された場合であっても、誤った住居番号に近接する住居番号の基準点を読み出して地図表示するので、例えば、上位レベルである街区の基準点を読み出して地図表示する場合よりも、ユーザが目的とした位置により近い位置の地図を表示することが可能になる。その結果、使い勝手の良い地図検索をユーザに提供することが可能になる。
【0089】
また、本実施形態によれば、誤って入力された住居番号に対して加減算処理を実行する前に、街区パターンと住居番号の結線ポリゴンの相似性の度合を判定し、判定結果が所定の基準を満たす場合に、加減算処理を実行するようにしている。従って、地図検索の精度をより向上させることが可能になる。
【0090】
また、本実施形態によれば、住所情報の一部をユーザが誤って入力した場合であっても、エラーメッセージなどが表示されることないので、ユーザに煩わしさを与えることもない。
【0091】
[第2の実施形態]
たとえば、第1の実施形態では、街区パターンと住居番号の結線ポリゴンの相似性の度合が、所定の条件を満たす場合に、ユーザの入力した住居番号に対して加減算処理を実行する構成について説明した。しかし、加減算処理を実行する条件は、これに限られず、例えば、住居番号の結線ポリゴンが所定形状(例えば、凸ポリゴン)である場合は、加減算処理を実行するように構成してもよい。また、住居番号の所定形状(例えば、凸ポリゴン)でない場合にのみ、住居番号の結線ポリゴンと街区パターンとの相似性を判定するように、第1の実施形態を変形することもできる。また、図10を用いて、結線ポリゴンが凸ポリゴンであるか否かを判定する処理を組み込んだ場合の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0092】
サーバ10は、端末装置20から送信された、ユーザの入力した入力住所情報を含む地図検索依頼を受信する(S500)。
【0093】
サーバ10は、地図検索依頼に含まれる入力住所情報に基づいて、基準点の座標情報を住所情報記憶手段103から抽出する(S501)。なお、本実施形態では、入力住所情報を検索キーに住所情報記憶手段103を検索する機能を備え、入力住所情報が住所情報記憶手段103に存在しない場合は、住所情報記憶手段103に存在する上位階層の住所情報に対応する座標情報を抽出結果として出力するように予め構成される検索ツールを利用する場合について説明する。この検索ツールによる抽出結果には、座標情報と当該座標情報が対応する住所情報の階層レベルを示す階層フラグとを含むことができる。
【0094】
サーバ10は、抽出結果を得ると、例えば、当該抽出結果に含まれる階層フラグが街区を示すか否かを判断することにより、抽出結果が街区の基準点の座標情報であるか否かを判定する(S502)。そして、街区の基準点の座標情報である場合は(S502;YES)、次に、入力住所情報に住居番号が含まれているか否かを判定する(S503)。なぜなら、抽出結果が街区の座標情報であることの理由としては、最初から街区までしか住所情報が入力されていない場合と、入力された住居番号が住所情報記憶手段に存在しなかった場合とが考えられる。後者の場合、住居番号の上位階層である街区の座標が抽出されるからである。よって、本実施形態では、街区の基準点の座標情報である場合は(S502;YES)、次に、入力住所情報に住居番号が含まれているか否かを判定する(S503)こととし、これにより、入力された住居番号が住所情報記憶手段に存在するのか否かを判定するようにしている。なお、抽出結果が、街区の基準点の座標情報でない場合は(S502;NO)、当該座標情報基づいて、地図画像情報を抽出する(S510)。
【0095】
サーバ10は、住居番号が含まれていると判定した場合(S503;YES),すなわち、入力された住居番号が住所情報記憶手段に存在しないと判定し、上位街区に含まれる全ての住居番号と、当該住居番号の基準点の座標情報を、住所情報記憶手段から抽出する。そして、抽出した各基準点を住居番号の番号順に結ぶことによって住居番号の結線ポリゴンを生成する(S504)。一方、入力住所情報が含まれていない場合(S503;NO)、もともと入力住所情報が含まれていないために、街区の座標情報が抽出されたことがわかるため、当該街区の座標情報を、地図画像情報の検索に用いる(S510)。
【0096】
サーバ10は、生成した結線ポリゴンが、凸ポリゴン(結線ポリゴンの内角が180度未満)であるか否かを判定する(S505)。凸ポリゴンに関する判定結果が、是である場合は(S505;YES)、加減算処理の条件を満たすと判定する(S505;YES:S508;YES)。
【0097】
一方、サーバ10は、凸ポリゴンに関する判定結果が、否である場合は(S505;NO)、ユーザより入力された街区の形状を表すパターン情報を、当該街区の情報に基づいて、パターン情報記憶手段から抽出する(S506)。
【0098】
そして、サーバ10は、抽出したパターン情報に基づいて形成される街区パターンと、生成した住居番号の結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定する(S506)。相似性の度合の判定の処理については、上記実施形態において説明した処理を採用することができるので、ここでは説明を省略する。
【0099】
サーバ10は、相似性の度合が加減算処理の条件を満たすか否かを判定し(S508)、判定結果が是である場合(S508;YES)、加減算処理を実行し、地図画像情報を検索するための座標情報を求める(S509)。一方、判定結果が否である場合(S508;NO)、加減算処理を実行しないので、S501にて取得した抽出結果を用いて地図画像情報を抽出する(S113)。
【0100】
ここで、第1の実施形態では、ユーザより入力された住居番号に対する加減算処理において、加減算処理の計算結果が住所情報記憶手段に格納されている何れかの住居番号と、少なくとも加減算の一方向において一致するまで、この加減算処理を続行する場合について説明した。ここでは、加減算の両方向について一致する結果が得られる場合に、得られた両方向の住居番号の座標情報に基づいて中間座標を算出する場合について説明する。図11は、住居番号に対する加減算処理の他の例を示すフローチャートである。
【0101】
サーバ10は、変数Iに初期値(例えば、0)を設定した後(S701)、変数の値に定数(例えば、1)を加算する(S702)。次に、サーバ10は、ユーザより入力された住居番号(以下、「入力住居番号」という。)から変数Iの値を減算し、当該減算して得られる住居番号(以下、「減算住居番号」という。)が、住所情報記憶手段104に存在するか否かを判定する(S703)。
【0102】
サーバ10は、減算住居番号が住所情報記憶手段104に存在すると判定した場合(S703;YES)、住所情報記憶手段104から、減算住居番号に対応する基準点の座標情報(以下、「第1の座標情報」という。)を取得する(S704)。
【0103】
次に、サーバ10は、入力住居番号に変数Iの値を加算し、当該加算して得られる住居番号(以下、「加算住居番号」という。)が、住所情報記憶手段104に存在するか否かを判定する(S705)。そして、加算住居番号が住所情報記憶手段104に存在すると判定した場合(S705;YES)、住所情報記憶手段104から、加算住居番号に対応する基準点の座標情報(以下、「第2の座標情報」という。)を取得する(S706)。
【0104】
サーバ10は、第1の座標情報と第2の座標情報の中間座標を算出し(S707)、算出した中間座標を、地図画像情報の検索に用いる座標情報に設定する(S708)。なお、中間座標は、従来の技術を適用して算出することができる。
【0105】
一方、S705において、サーバ10は、加算住居番号が住所情報記憶手段104に存在しないと判定した場合(S705;NO)、減算住居番号に対応する基準点の第1の座標情報を、検索用の座標情報に設定する(S709)。
【0106】
また、S703において、サーバ10は、減算住居番号が住所情報記憶手段104に存在しないと判定した場合(S703;NO)、入力住居番号に変数Iの値を加算し、当該加算して得られる加算住居番号が、住所情報記憶手段104に存在するか否かを判定する(S711)。加算住居番号が住所情報記憶手段104に存在すると判定した場合(S711;YES)、住所情報記憶手段104から、加算住居番号に対応する基準点の第2の座標情報を取得し(S712)、この第2の座標情報を、地図画像情報の検索に用いる座標情報に設定する(S713)。
【0107】
一方、S711において、サーバ10は、加算住居番号が住所情報記憶手段104に存在しないと判定した場合(S711;NO)、S702に戻り、地図画像情報の検索に用いるいずれかの座標情報(中間座標、第1の座標情報、第2の座標情報)が設定されるまで、S702〜S713の処理を繰り返す。なお、ここでは、入力住居番号に対する減算処理を実行(S703)した後、加算処理を実行(S705)しているが、加算処理を実行してから減算処理を実行するようにしてもよい。
【0108】
図10に戻り、サーバ10は、設定された座標情報に対応する地図画像情報を、地図情報記憶手段から抽出する。具体的には、S501にて抽出された座標情報(例、街区の座標情報や正しい入力住居番号の座標情報)、あるいは加減算処理にて算出された中間座標又は抽出された第1の座標情報/第2の座標情報を用いて、地図画像情報を検索する。
【0109】
サーバ10は、抽出した地図画像情報を、端末装置20へ送信する。図8(B)は、ユーザが誤って入力した住居番号に対して上述の加減算処理を実行した結果の一例を示している。具体的には、ユーザが、「○○県○○市△△2−20−10」と入力したところ、廃番等の理由により住居番号「10」は住所情報記憶手段に存在していないため、住居番号「10」に対して上述の加減算処理を実行した結果、住居番号「9」の基準点(図8(B)中のB)及び住居番号「11」の基準点(図8(B)中のD)の中間座標(図8(B)中のC)が得られたことを示している。
【0110】
以上の実施形態によれば、ユーザより入力された住居番号に所定値を加減算して得られる、両方向の住居番号の座標情報に基づいて中間座標を算出し、この中間座標を地図画像情報検索に用いる座標情報に設定しているので、座標特定の精度をより高めることができる結果、ユーザが意図した地点により近い地点の座標を特定することができるようになる。
【0111】
[その他の実施形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【0112】
また、上記実施形態では、ネットワークシステム100においてサーバ10と端末装置20を上述したような機能を備えたものとしたが、本発明は、端末装置20に、判定手段106の一部である結線ポリゴン作成手段108及び相似性判定手段109、さらに加減算処理手段110を持たせて判定処理を行うように構成し、サーバ装置10では、記憶手段(データベース)104に格納されたデータに関連する処理を実行するように構成することもできる。また、本発明は、スタンドアロンの装置に対しても同様に適用することができる。
【0113】
また、上記実施形態では、「街区」と「住居番号」を含む住所情報を例に説明したが、本願発明が適用される住所情報はこれに限られず、上位階層に相当する住所情報が、ある区画された領域を示すものであり、下位階層に相当する住所情報が、当該区画された領域内に一定のルールに従って付与されるものであれば、これを適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
10 サーバ
20 端末装置
100 地図情報検索システム
101 主制御部
102 通信手段
103 入力住所情報受付手段
104 記憶手段
105 入力住所情報判定手段
106 判定手段
107 パターン情報抽出手段
108 住居番号の結線ポリゴン作成手段
109 相似性判定手段
110 加減算処理手段
111 座標情報抽出手段
112 地図情報抽出手段
201 主制御部
202 記憶手段
203 入力手段
204 表示手段
205 通信手段
206 入力住所情報送信手段
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1階層と当該第1階層の下位に属する第2階層とを含む階層構造を有する住所情報を座標情報に変換する情報処理システムであって、
前記第1階層に含まれる第1階層住所情報及び前記第2階層に含まれる第2階層住所情報と、当該第1階層住所情報及び第2階層住所情報にそれぞれ対応する地図上の基準点の座標情報と、を格納する住所情報記憶手段と、
ユーザより入力された入力住所情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた入力住所情報に含まれる第2階層住所情報が前記住所情報記憶手段に格納されていない場合、当該入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報に対応する地図上の基準点を結んで形成される結線ポリゴンが既定条件を具備するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果が是である場合、前記入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する修正処理の結果得られる第2階層住所情報が、前記住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と、当該修正処理により少なくとも一致するまで、当該修正処理を実行する修正処理手段と、
前記修正処理手段による処理の結果得られた第2階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、前記住所情報記憶手段から抽出する座標情報抽出手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第1階層住所情報と、当該第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報と、を対応付けて格納するパターン情報記憶手段をさらに備え、
前記判定手段は、
前記入力された第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報を、前記パターン情報記憶手段から抽出するパターン情報抽出手段と、
前記入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報を前記住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする前記結線ポリゴンを作成する作成手段と、
前記パターン情報抽出手段により抽出されたパターン情報に基づくパターン形状と前記作成手段により作成された結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定する相似性判定手段と、を備え、
前記相似性判定手段により判定された相似性の度合いが所定基準以上の場合、前記結線ポリゴンが前記既定条件を具備すると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報と、当該全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報とを前記住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする前記結線ポリゴンを作成する作成手段を備え、
前記作成手段により作成された結線ポリゴンの全ての頂点の内角が180度未満である場合、当該結線ポリゴンが前記既定条件を具備すると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
座標情報と当該座標情報によって特定される位置の周辺の地図画像情報とを対応付けて格納する地図情報記憶手段をさらに備え、
前記座標抽出手段により抽出された座標情報に対応する地図画像情報を前記地図情報記憶手段から抽出する地図情報抽出手段と、
前記地図情報抽出手段により抽出された地図画像情報に基づく地図画像を出力する出力手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記座標情報抽出手段は、
前記判定手段による判定結果が否である場合、前記入力された第1階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、前記住所情報記憶手段から抽出することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記パターン情報記憶手段が格納するパターン情報には、前記第1住所情報によって特定される領域を画定する各頂点の頂点座標が含まれ、
前記相似性判定手段は、
前記パターン形状の頂点の数と前記結線ポリゴンの頂点の数とが一致する場合は、当該パターン形状の頂点を結ぶ結線の傾きと当該結線ポリゴンの頂点を結ぶ結線の傾きとが略一致することを条件に、当該パターン形状と当該結線ポリゴンは相似性が高いと判定することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2階層住所情報に含まれる番号は、前記第1階層住所情報によって特定される領域の外周に沿って時計回りに付与されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記修正処理手段は、
前記入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対して加算処理を実行することにより、前記住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と一致する第1の第2階層住所情報を算出し、前記入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する減算処理を実行することにより、当該住所情報記憶手段に格納されている他の第2階層住所情報と一致する第2の第2階層住所情報を算出し、
前記座標抽出手段は、
前記第1の第2階層住所情報に対応する基準点の第1の座標情報と、前記第2の第2階層住所情報に対応する基準点の第2の座標情報とを、前記住所情報記憶手段からそれぞれ抽出し、抽出した第1の座標情報及び第2の座標情報の中間座標を算出することを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理システムにおいて第1階層と当該第1階層の下位に属する第2階層を含む階層構造を有する住所情報を座標情報に変換する方法であって、
当該情報処理システムは、前記第1階層に含まれる第1階層住所情報及び前記第2階層に含まれる第2階層住所情報と、当該第1階層住所情報及び第2階層住所情報にそれぞれ対応する地図上の基準点の座標情報と、を対応づけて格納する住所情報記憶手段を備え、
前記方法は、
ユーザより入力された入力住所情報を受け付けるステップと、
前記受け付けた入力住所情報に含まれる第2階層住所情報が住所情報記憶手段に格納されていない場合、当該入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報に対応する地図上の基準点を結んで形成される結線ポリゴンが既定条件を具備するか否かを判定するステップと、
前記判定結果が是である場合、前記入力された第2階層住所情報に含まれる番号に対する修正処理の結果得られる第2階層住所情報が、前記住所情報記憶手段に格納されている第2階層住所情報と、当該修正処理により少なくとも一致するまで、当該修正処理を実行するステップと、
前記処理の結果得られた第2階層住所情報に対応する基準点の座標情報を、前記住所情報記憶手段から抽出するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記情報処理システムは、前記第1階層住所情報と、当該第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報と、を対応付けて格納するパターン情報記憶手段をさらに備え、
前記判定するステップにおいて、
前記入力された第1階層住所情報によって特定される地図上の領域の形状を表すパターン情報を、前記パターン情報記憶手段から抽出するステップと、
前記入力された第1階層住所情報に属する全ての第2階層住所情報にそれぞれ対応する基準点の座標情報とを前記住所情報記憶手段から抽出し、当該抽出した各基準点を頂点とする前記結線ポリゴンを作成するステップと、
前記抽出されたパターン情報に基づくパターン形状と前記作成された結線ポリゴンとの相似性の度合いを判定するステップと、を備え、
前記判定された相似性の度合いが所定基準以上の場合、前記結線ポリゴンが前記既定条件を具備するかと判定することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−53982(P2011−53982A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203071(P2009−203071)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】