説明

住所録管理システム、住所録管理方法及び住所録管理プログラム

【課題】個別に保有していた住所録を活用しながら効率よく管理するための住所録管理システム、住所録管理方法及び住所録管理プログラムを提供する。
【解決手段】住所録管理サーバ20は、会員の住所録ファイルを管理する住所録管理データベース23を備えている。住所録管理サーバ20の制御部21は、会員のクライアント端末から住所録を取得した場合や代行入力によって住所録の登録処理を実行した場合には、住所表記を統一するクリーニング処理を実行し、この住所表記も住所録に含める。更に、住所録ファイルの各住所録管理レコードには、連絡先の住所が変更した場合に通知を希望するか否かの通知設定フラグが含まれている。会員が新住所を登録した場合、制御部21は、この会員の住所変更の通知を希望する他の会員に対して、通知するか否かを会員に選択させ、通知すると選択した会員の住所録を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住所録を管理するための住所録管理システム、住所録管理方法及び住所録管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
年賀状等の季節の挨拶状を作成するために、送り先の氏名や住所等の連絡先を記録した住所録を、自分のパーソナルコンピュータに作成しておくことが多い。この場合、住所録に住所を間違えて登録していた場合や、転居に伴って住所更新できていない場合には、挨拶状を送り届けることができない。
【0003】
そこで、住所録を共通化するためのシステムが検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献記載の技術では、個人が管理する住所録を管理する端末と、共有データベースを有した共有サーバとを備える住所録共有システムにおいて、端末の住所録と共通データベースとの住所情報の内容を整合させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−309590号公報(第1頁、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
住所録の陳腐化を防ぐため、住所変更など情報のアップデートを容易に行なうことが望まれる。上記特許文献においては、端末の住所録と共通データベースとの住所情報の内容を整合させることにより、住所変更など情報のアップデートを行なっている。このアップデートを行なう場合、住所のマッチングを行なう必要がある。しかしながら、各個人が住所を好きな表記で登録するため、同住所であっても、丁目と番地を用いた表記や、丁目と番地の数字とハイフンとを用いた表記等、様々な表記で行われる。従って、住所録のマッチングを効率よく行なって、住所情報を陳腐化しないようにすることは難しかった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、個別に保有していた住所録を活用しながら効率よく管理するための住所録管理システム、住所録管理方法及び住所録管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、クライアント端末とに接続されて、住所録の管理を行なう制御手段を備えた住所録管理システムであって、前記制御手段は、クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する手段と、前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段と、クリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の住所録管理システムにおいて、前記制御手段は、会員識別子に関連付けて、会員の住所及び氏名から構成された会員の属性が記憶された会員管理データ記憶手段に接続されており、前記住所録には、各連絡先の住所、氏名から構成された相手の属性が含まれおり、前記制御手段は、クライアント端末から、会員の新たな属性についての情報を取得した場合には、前記会員管理データ記憶手段に記憶された旧属性を、取得した新属性に変更する手段と、新属性に変更した会員の旧属性が記録された他の会員の住所録の連絡先を前記住所録管理データ記憶手段において特定し、この旧属性を新属性に変更する手段と、を更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の住所録管理システムにおいて、前記住所録管理データ記憶手段には、住所録に記録された他の会員の属性が変更された場合に、自分の住所録の修正を希望する相手であることを識別する通知設定フラグが含まれており、前記制御手段は、会員の旧属性を、取得した新属性に変更した場合には、他の会員の住所録において新属性に変更した会員に対して通知設定フラグが関連付けられている住所録を特定する手段と、特定した住所録を保有する会員の属性情報の一覧を前記クライアント端末に表示させて、住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子を取得する手段と、住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子に対応する住所録において、新属性に更新した会員の旧属性を、新属性に修正する手段と、を更に備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の住所録管理システムにおいて、前記制御手段は、新たに追加する住所のイメージ画像を記録した代行入力データ記憶手段に接続されており、前記制御手段は、前記代行入力データ記憶手段から、住所のイメージ画像を取得し、このイメージ画像を用いて住所に関するテキストデータを取得し、この住所と、この住所に関連付けられる氏名とを含む個人の属性を、前記住所録管理データ記憶手段に記録する手段と、イメージ画像を用いて取得した住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段と、を更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の住所録管理システムにおいて、前記制御手段は、会員のクライアント端末から、住所問合せ要求を受信した場合には、住所を登録する登録画面にアクセスするためのURLを含めたテンプレートに、会員識別子を含めて、前記クライアント端末に送信する手段と、前記テンプレートを用いたメールを前記会員から受け取った第三者が用いるクライアント端末から、前記メールを利用してのアクセスを受けた場合には、前記テンプレートに含められていた会員識別子を取得するとともに、登録画面を送信する手段と、前記登録画面において入力された住所を、前記住所録管理データ記憶手段において、前記会員識別子の会員の住所録に登録する手段と、を更に実行することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、クライアント端末とに接続されて、制御手段を備えた住所録管理システムを用いて、住所録の管理を行なう方法であって、前記制御手段が、クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する段階と、前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する段階と、クリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する段階とを実行することを要旨とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、クライアント端末とに接続されて、制御手段を備えた住所録管理システムを用いて、住所録の管理を行なうプログラムであって、前記制御手段を、クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する手段、前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段、及びクリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する手段として機能させることを要旨とする。
【0014】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、住所録管理データ記憶手段に登録する。制御手段は、住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する。制御手段は、クリーニングされた住所録をクライアント端末に返信する。これにより、制御手段は、住所録を登録する際に、住所表記を統一して住所録の管理を効率よく行なうことができる。
【0015】
本発明によれば、制御手段は、クライアント端末から、会員の新たな属性についての情報を取得した場合には、会員管理データ記憶手段に記憶された旧属性を、取得した新属性に変更する。制御手段は、新属性に変更した会員の旧属性が記録された他の会員の住所録の連絡先を住所録管理データ記憶手段において特定し、この旧属性を新属性に変更する。これにより、会員の属性が変更された場合には、この会員の属性が記録されていた他の会員の住所録が変更されるので、住所録の更新をより確実に行なうことができる。従って、宛先が確実な住所録を保管することができる。
【0016】
本発明によれば、制御手段は、会員の旧属性を、取得した新属性に変更した場合には、他の会員の住所録において新属性に変更した会員に対して通知設定フラグが関連付けられている住所録を特定する。制御手段は、特定した住所録を保有する会員の属性情報の一覧をクライアント端末に表示させて、住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子を取得する。制御手段は、住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子に対応する住所録において、新属性に更新した会員の旧属性を、新属性に修正する。これにより、会員が住所変更を知られたくない等の状況においては、相手に対しては住所変更を通知しないことができる。
【0017】
本発明によれば、制御手段は、代行入力データ記憶手段から、住所のイメージ画像を取得し、このイメージ画像を用いて住所に関するテキストデータを取得し、この住所と、この住所に関連付けられる氏名とを含む個人の属性を、住所録管理データ記憶手段に記録する。制御手段は、イメージ画像を用いて取得した住所表記を統一するクリーニング処理を実行する。これにより、イメージ画像から住所録を生成することができるので、入力する手間を軽減することができる。
【0018】
本発明によれば、制御手段は、会員のクライアント端末から、住所問合せ要求を受信した場合には、住所を登録する登録画面にアクセスするためのURLを含めたテンプレートに、会員識別子を含めて、クライアント端末に送信する。制御手段は、テンプレートを用いたメールを会員から受け取った第三者が用いるクライアント端末から、メールを利用してのアクセスを受けた場合には、テンプレートに含められていた会員識別子を取得するとともに、登録画面を送信する。制御手段は、登録画面において入力された住所を、住所録管理データ記憶手段において、会員識別子の会員の住所録に登録する。これにより、テンプレートを用いて第三者に住所の問合せを行なうことができるので、簡単に住所録に登録したい個人の住所を取得することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、個別に保有していた住所録を活用しながら統一して管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態における住所録管理システムの概略構成図。
【図2】実施形態のデータ構成を説明する説明図であり、(a)は会員管理データベース、(b)は住所録管理データベース。
【図3】実施形態の初期登録処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図4】実施形態の代行入力処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図5】実施形態の住所登録依頼処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図6】実施形態の住所確認依頼処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図7】実施形態の住所変更処理の処理手順を説明するための流れ図。
【図8】実施形態の印刷物の作成処理の処理手順を説明するための流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。本実施形態では、利用者が管理している連絡先の情報を取得し、サーバにおいて管理する住所管理システムについて説明する。
【0022】
図1に示すように、住所管理システムとしての住所録管理サーバ20は、ネットワークを介して、クライアント端末10に接続されている。クライアント端末10は、住所管理システムを利用する利用者や、利用者の住所録に登録されている第三者が用いる端末である。クライアント端末10は、ディスプレイ等の表示手段と、キーボードやマウス等の入力手段とを備える。表示手段は、各種画面を表示する場合に用いられる。入力手段は、指示やデータを入力したり選択したりする場合に用いられる。
【0023】
更に、クライアント端末10は、データ記憶部11を備えている。このデータ記憶部11には、利用者が保有する住所録ファイルが記録されている。住所録ファイルは、住所録管理ソフトウェアを用いて生成されて記憶されている。この住所録ファイルには、連絡先毎に、相手の属性(氏名、住所、郵便番号、電話番号、メールアドレス等)が含まれる。
【0024】
一方、住所録管理サーバ20は、図示しないスキャナ装置、プリンタ及び操作端末を備えている。スキャナ装置は、名刺や郵便物等をスキャンして、スキャン画像データを生成する。プリンタは、封筒、ハガキ等の郵便物や送り状等を印刷する。操作端末は、ディスプレイ等の表示手段と、キーボードやマウス等の入力手段とを備え、OCR(Optical Character Reader)処理結果によって取得した氏名や住所に関するデータを修正する。
【0025】
更に、住所録管理サーバ20は、制御部21、会員管理データベース22、住所録管理データベース23、住所マスタデータベース24、代行入力データ記憶部25、テンプレートデータベース26、デザインデータベース27、印刷受付管理データ記憶部28を備えている。
【0026】
制御部21は、制御手段として機能し、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(会員登録段階、会員認証段階、住所録登録段階、代行入力段階、住所拡充段階、住所変更段階及び印刷物作成段階等を含む処理)を行なう。そして、このための住所管理プログラムを実行することにより、制御部21は、会員登録手段210、会員認証手段211、住所録登録手段212、代行入力手段213、住所拡充手段214、住所更新手段215及び印刷物作成手段216等として機能する。
【0027】
会員登録手段210は、会員となる利用者の情報を登録する処理を実行する。
会員認証手段211は、会員となった利用者の認証する処理を実行する。
住所録登録手段212は、会員が有する住所録に関するデータを登録する処理を実行する。
【0028】
代行入力手段213は、会員の住所録に関するデータを、会員に代わって行なう作業者の入力を支援する処理を実行する。
住所拡充手段214は、会員の住所録を充実させるための処理を実行する。
住所更新手段215は、登録した会員の住所を変更する処理を実行する。
印刷物作成手段216は、会員からの指示に応じて、住所録の宛先に有する印刷物を印刷する処理を実行する。
【0029】
会員管理データベース22は、会員管理データ記憶手段として機能する。この会員管理データベース22には、図2(a)に示すように、会員情報に関する会員管理レコード220が記憶される。この会員管理レコード220は、会員登録が行われた場合に記録される。この会員管理レコード220には、会員識別子、氏名、郵便番号、入力住所、統一表記住所、メールアドレス、パスワード及び履歴に関するデータが記録される。
【0030】
会員識別子データ領域には、会員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、この会員の氏名に関するデータが記録される。
郵便番号データ領域には、この会員の住所の郵便番号に関するデータが記録される。
入力住所データ領域には、この会員の、入力された住所に関するデータが記録される。
【0031】
統一表記住所データ領域には、この会員の入力住所を統一表記に変換した住所に関するデータが記録される。本実施形態では、統一表記による住所は、郵便番号と、郵便番号から特定される住所以外の住所(例えば、丁目、番地及び号数)の英数字とを合成することにより構成される。
【0032】
メールアドレスデータ領域には、この会員のメールアドレスに関するデータが記録される。
パスワードデータ領域には、この会員を認証する際に用いられるパスワードに関するデータが記録される。このパスワードは、会員登録時には制御部21が付与した仮パスワードであり、この仮パスワードを用いて認証が行われた後、会員の希望に応じて新たなパスワードに変更可能である。
【0033】
履歴データ領域には、会員情報や住所録の登録や変更についての更新履歴に関するデータが記録される。この履歴には、更新内容を示すステータスフラグと、ステータスを更新した年月日及び時刻に関する更新日時と、備考欄とが含まれる。
【0034】
住所録管理データベース23は、住所録管理データ記憶手段として機能する。住所録管理データベース23には、図2(b)に示すように、各会員の住所録ファイルが記録される。この住所録ファイルには、会員識別子に関連付けられた住所録管理レコード230が記録される。
【0035】
会員識別子データ領域には、会員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
住所録管理レコード230には、連絡先情報として、氏名、連絡先会員識別子、入力住所、統一表記住所、メールアドレス及び通知設定フラグに関するデータが含まれる。
【0036】
氏名データ領域には、各連絡先の氏名に関するデータが記録される。
連絡先会員識別子データ領域には、各連絡先を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、連絡先の対象者が会員登録されている場合に、この対象者の会員識別子が記録される。
【0037】
入力住所データ領域及び統一表記住所データ領域には、この連絡先の住所として入力された住所、この住所を統一表記に変換した住所に関するデータがそれぞれ記録される。
メールアドレスデータ領域には、この連絡先のメールアドレスに関するデータが記録される。
【0038】
通知設定フラグデータ領域には、この連絡先において住所変更を行なった場合に通知を希望するか否かを特定するフラグ(通知希望フラグ又は非通知希望フラグ)に関するデータが記録される。
【0039】
図1に示す住所マスタデータベース24には、地域を特定する識別コードに関するデータが記録されている。本実施形態では、地域を特定する識別コードとして、郵便番号を用いる。従って、住所マスタデータには、郵便番号と、この郵便番号に対応する地域とが含まれる。
郵便番号データ領域には、郵便番号に関するデータが記録されている。
地域データ領域には、この郵便番号に対応する地域(都道府県、市区町村及び町域)に関するデータが記録されている。
【0040】
代行入力データ記憶部25は、代行入力データ記憶手段として機能する。代行入力データ記憶部25には、住所録として入力する代行入力管理データが記録されている。この代行入力管理データは、代行入力依頼を受信した場合に記録され、スキャンデータを取得した場合に更新される。代行入力作業データには、受付番号、会員識別子、受付日時、決済情報及びスキャン処理結果に関するデータが含まれる。
【0041】
受付番号データ領域には、この代行入力作業を特定するための識別子に関するデータが記録される。
会員識別子データ領域には、代行入力作業を依頼した会員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0042】
受付日時データ領域には、この代行入力作業の依頼を受け付けた年月日に関するデータが記録される。
決済データ領域には、この代行入力作業の代金を決済する際に用いる決済方法に関する情報(クレジットカード利用や振込等)に関するデータが記録される。
【0043】
スキャン処理結果データ領域は、スキャン画像及びOCR処理結果に関するデータを含んで構成される。
スキャン画像データ領域は、住所を含む名刺や郵便物のイメージ画像に関するデータが記録される。
OCR処理結果データ領域には、このスキャン画像をOCR処理して、氏名及び住所を文字情報に変換したテキストデータが記録される。
【0044】
テンプレートデータベース26には、メールを利用して相手に住所の問合せを行なう場合に用いるテンプレートに関するデータが記録されている。このテンプレートには、住所回答の依頼をする文言や、回答する際にアクセスするURLが設定されている。
【0045】
デザインデータベース27には、季節の挨拶状等のハガキのデザイン画像データに関するデータが記録されている。このデザイン画像データは、デザイン画像を特定するデザイン識別子に対応付けて記録されている。
【0046】
印刷受付管理データ記憶部28には、印刷依頼を管理するための印刷受付管理レコードが記録される。この印刷受付管理レコードは、印刷の発注を受けた場合に記録される。この印刷受付管理レコードは、受付番号、会員識別子、受付日時、決済情報、デザイン画像、配送先フラグ及び宛先情報に関するデータが含まれる。
【0047】
受付番号データ領域には、各印刷依頼を特定するための識別子に関するデータが記録される。
会員識別子データ領域には、この印刷依頼を行なった会員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0048】
受付日時データ領域には、この印刷依頼を受け付けた年月日に関するデータが記録される。
決済データ領域には、この印刷代金の決済に用いる決済情報に関するデータが記録される。
【0049】
デザイン画像データ領域には、この印刷依頼における郵便物のデザイン画像に関するデータが記録される。
配送先データ領域には、印刷した郵便物の配送先を特定するためのデータが記録される。本実施形態では、配送先を差出人にすることを示す差出人フラグ、又は配送先を各郵便物の宛先人にすることを示す宛先フラグが記録される。
宛先情報データ領域には、印刷する郵便物の宛先についての情報が含まれる。本実施形態では、この宛先情報には、配送先の氏名及び住所が含まれる。
【0050】
次に、上述した住所録管理システムを用いて住所録管理処理を行なう手順を、図3〜図8に従って説明する。ここでは、初期登録処理、代行入力処理、住所問合せ処理、住所確認処理、住所更新処理、印刷物の作成処理の順番で説明する。
【0051】
(初期登録処理)
まず、初期登録処理について、図3を参照して説明する。この初期登録処理は、利用者が、住所録管理システムを用いる場合に最初に行なう。
【0052】
ここでは、クライアント端末10は、仮登録申請処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、利用者は、クライアント端末10を用いて、住所録管理サーバ20にアクセスする。この場合、住所録管理サーバ20は、クライアント端末10のディスプレイにログイン画面を表示する。このログイン画面には、会員識別子及びパスワードを入力する入力欄、ログインボタン及び新規登録ボタンが含まれている。
【0053】
ここで、新規登録ボタンが選択された場合、住所録管理サーバ20は、クライアント端末10のディスプレイに、仮登録申請画面を表示する。この仮登録申請画面には、メールアドレスを入力する入力欄と、申請ボタンとが含まれている。
【0054】
利用者は、メールアドレスを入力し、申請ボタンを選択する。クライアント端末10は、仮登録申請依頼を住所録管理サーバ20に送信する。この仮登録申請依頼には、仮登録申請画面において入力されたメールアドレスを含める。
【0055】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、仮登録申請の受付処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、仮登録申請依頼を受信する。そして、会員登録手段210は、取得したメールアドレスを記録した会員管理レコード220を生成し、会員管理データベース22に記録する。
【0056】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、会員識別子及び仮パスワードの設定処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、登録されていない新たな会員識別子及び仮パスワードを付与し、会員管理レコード220に記録する。
【0057】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、本登録URLの送信処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、本登録用のメールを生成する。このメールには、登録用画面にアクセスするための本登録URLと、この会員の会員識別子とを含める。そして、会員登録手段210は、生成したメールを、会員管理レコード220に記録したメールアドレスに送信する。
【0058】
次に、クライアント端末10は、本登録URLへのアクセス処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、クライアント端末10は、受信したメールに含まれる本登録URLにアクセスする。この場合、住所録管理サーバ20は、クライアント端末10のディスプレイに本登録画面を表示する。この本登録画面には、本登録URLに関連付けられた会員識別子が含まれる。更に、本登録画面には、メールアドレス、仮パスワード、利用者の氏名、住所、郵便番号及び新パスワードをそれぞれ入力する入力欄と、ログインボタンとが含まれる。
【0059】
利用者は、本登録画面に、メールアドレス、仮パスワード、利用者の氏名、住所、郵便番号及び任意のパスワード(新パスワード)を入力する。ここで、郵便番号が入力された場合には、クライアント端末10は、この郵便番号に対応する地域を、住所録管理サーバ20の住所マスタデータベース24から取得して、住所の入力欄に表示する。そして、住所の丁目、番地やメールアドレス、パスワード等、本登録画面への入力が終了して、ログインボタンが選択された場合、クライアント端末10は、本登録要求を住所録管理サーバ20に送信する。この本登録要求には、会員識別子、入力されたメールアドレス、仮パスワード、利用者の氏名、住所及び郵便番号及び新パスワードに関するデータを含める。
【0060】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、メールアドレスと仮パスワードとを用いて認証処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、取得した会員識別子が記録された会員管理レコード220を会員管理データベース22において抽出する。会員登録手段210は、この会員管理レコード220のメールアドレス及び仮パスワードと、受信したメールアドレス及び仮パスワードとが一致しているか否かの判定処理を実行する。ここで、メールアドレス及び仮パスワードが一致している場合、会員登録手段210は認証処理を完了する。
【0061】
認証処理が完了した場合、住所録管理サーバ20の制御部21は、同一住所及び同一氏名の重複登録があるか否かの判定処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、取得した氏名及び住所と同じ氏名及び住所が記録された会員管理レコード220を会員管理データベース22において検索する。
【0062】
ここで、同じ氏名及び住所の会員管理レコード220を抽出することにより、同一住所及び同一氏名の重複登録がある場合(ステップS1−7において「YES」の場合)、住所録管理サーバ20の制御部21は、拒否処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、同一の氏名及び住所が既に登録されているため登録できないことを示したメッセージをクライアント端末10に送信する。
【0063】
一方、同一住所及び同一氏名の重複登録がない場合(ステップS1−7において「NO」の場合)、住所録管理サーバ20の制御部21は、本登録処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、取得した利用者の氏名、住所、郵便番号及び新パスワードをこの会員管理レコード220に記録する。この場合、会員登録手段210は、仮パスワードが記録されたパスワードデータ領域に、新パスワードを上書き保存する。
【0064】
そして、制御部21は、入力住所を用いて統一表記住所を生成する。具体的には、制御部21の会員登録手段210は、住所マスタデータベース24から、入力住所に対応する郵便番号を特定する。そして、会員登録手段210は、特定した郵便番号に関連付けられた地域情報(都道府県、市区町村及び町域)を特定する。住所録登録手段212は、入力住所から、地域情報(都道府県、市区町村及び町域)を除いた住所表示英数字(丁目、番地及び号等)を、その順番で取得する。そして、郵便番号と住所表示英数字とを合成することにより統一表記住所を生成して、この住所の統一表記住所データ領域に記録する。この場合、統一表記住所は、区切り記号等を用いて、郵便番号やそれ以外の住所部分の各構成要素がどの部分を示しているかを区別可能な状態で記録される。
【0065】
次に、会員登録手段210は、この会員の氏名及び統一表記住所が記録されている住所録管理レコード230を住所録管理データベース23において検索する。該当する住所録管理レコード230を抽出した場合には、会員登録手段210は、この住所録管理レコード230の連絡先会員識別子データ領域に、会員識別子を記録する。
【0066】
そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、クライアント端末10のディスプレイに住所録管理画面を表示する。この住所録管理画面には、利用者の会員識別子に関するデータを含めておく。
【0067】
この住所録管理画面には、住所録一覧表示ボタン、住所登録依頼ボタン、住所確認依頼ボタン、代行入力依頼ボタン、住所変更手続ボタン及び印刷依頼ボタンが含まれる。ここで、住所録一覧表示ボタンが選択された場合、住所録管理サーバ20は、住所録一覧画面を、クライアント端末10のディスプレイに表示する。この住所録一覧画面には、登録情報欄、更新ボタン、新規ボタン、削除ボタン、アップロードボタン、ダウンロードボタン及び終了ボタンが含まれる。登録情報欄には、各連絡先を表示するための欄が表示される。この登録情報欄には、各連絡先の属性を表示して入力するための表示入力欄と、通知希望設定ボタンとが含まれる。表示入力欄には、各連絡先の属性として、氏名、入力住所、統一表記住所、メールアドレス等が表示されて入力される。通知希望設定ボタンは、連絡先相手が住所変更した場合に通知の要否を設定するためのラジオボタンである。
【0068】
ここで、クライアント端末10は、住所印刷ソフトから住所録のエクスポート処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、アップロードボタンが選択された場合、クライアント端末10は、アップロードする住所録のファイルデータを指定するための設定画面を表示する。この設定画面を用いて、クライアント端末10に格納された住所録ファイルを指定する。この場合、クライアント端末10は、指定された住所録ファイルをデータ記憶部11から抽出し、住所録管理サーバ20に送信する。ここで、住所録ファイルには、住所録(氏名及び住所等)に関するデータが含まれる。この場合、クライアント端末10は、住所録ファイルに、住所録一覧画面に含まれていた会員識別子を関連付けて送信する。
【0069】
そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所録のアップロード処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の住所録登録手段212は、この会員識別子が記録された住所録ファイルを住所録管理データベース23において検索する。該当する住所録ファイルを抽出しなかった場合には、この会員識別子を含む住所録ファイルを新たに生成する。
【0070】
更に、住所録登録手段212は、クライアント端末10から取得した住所録ファイルに含まれる連絡先を用いて、住所録管理レコード230を生成する。そして、住所録登録手段212は、新たに生成した住所録ファイル、又は、既存の住所録ファイルにおいて、新たに生成した住所録管理レコード230を追加する。
【0071】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、クリーニング処理を実行する(ステップS1−12)。ここで、制御部21の住所録登録手段212は、住所録管理レコード230に記録された入力住所を、上述した方法と同様に統一表記住所を生成する。そして、住所録登録手段212は、生成した統一表記住所を住所録管理レコード230に記録する。更に、住所録登録手段212は、この会員識別子を含む会員管理レコード220の履歴データ領域に、ステータス「住所登録更新」及び現在日時を記録する。
【0072】
そして、制御部21の住所録登録手段212は、各連絡先の氏名及び統一表記住所を含む会員管理レコード220を会員管理データベース22において検索する。ここで、該当する会員管理レコード220を抽出した場合には、住所録登録手段212は、この会員識別子を、この連絡先会員識別子として、この住所録管理レコード230に記録する。
【0073】
そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、生成した住所録のダウンロード処理を実行する(ステップS1−13)。具体的には、制御部21の住所録登録手段212は、この会員識別子を含めた住所録管理レコード230をクライアント端末10に送信する。
【0074】
そして、クライアント端末10は、住所印刷ソフトへの住所録のインポート処理を実行する(ステップS1−14)。具体的には、制御部21の住所録登録手段212は、取得した住所録管理レコード230の連絡先を住所録表示画面の登録住所欄に表示する。
【0075】
(代行入力処理)
次に、代行入力処理について、図4を参照して説明する。この代行入力処理においては、会員が取得した郵便物や名刺に記載された連絡先情報を、クライアント端末10の住所録ファイルに登録する代わりに、住所録管理サーバ20において代行入力する場合を想定する。この代行入力処理については、クライアント端末10に住所録管理画面が表示されている状態からの処理について説明する。
【0076】
クライアント端末10は、代行入力依頼処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、クライアント端末10は、住所録管理画面において代行入力依頼ボタンが選択された場合、代行入力依頼画面をディスプレイに表示する。この代行入力依頼申請画面には、会員識別子、決済方法に関する情報等を入力する入力欄と送信ボタンとが含まれる。ここで、代行入力依頼画面に決済方法に関する情報が入力されて送信ボタンが選択された場合、クライアント端末10は、代行入力依頼を住所録管理サーバ20に送信する。この代行入力依頼には、入力された会員識別子及び決済方法に関する情報を含める。
【0077】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、申込申請処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、申込者に対して受付番号を付与し、この受付番号を含む代行入力管理レコードを代行入力データ記憶部25に記録する。更に、代行入力手段213は、会員識別子及び現在日時を代行入力データ記憶部25に記録する。そして、代行入力手段213は、この受付番号を含む代行入力受付通知を、会員管理レコード220に記録されたメールアドレスに送信する。更に、代行入力手段213は、会員管理レコード220の履歴データ領域に、代行入力依頼を示すステータス及び現在日時を記録する。
【0078】
その後、代行入力手段213は、会員管理レコード220の会員氏名、会員住所、受付番号を含む送り状印刷データを生成し、プリンタに送信して、送り状を印刷する。この場合、送り状には、返信先情報として、代行入力を行なう作業場所の住所を含める。そして、この送り状を貼付した封筒を、代行入力を依頼した利用者に発送する。利用者は、受け取った封筒に、住所録として登録したい名刺や郵便物等を封入して発送する。
【0079】
利用者から発送された名刺や郵便物が作業場所に到着した場合、住所録管理サーバ20の制御部21は、申込者のID指定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、名刺等を封入していた封筒の送り状の受付番号をスキャナ装置により読み取る。
【0080】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、読み取り対象のイメージデータの取得処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、スキャナ装置を用いてこれら名刺や郵便物をスキャンする。スキャナ装置は、名刺や郵便物のスキャン画像データを生成し、受付番号に関連付けて、代行入力データ記憶部25に記録する。
【0081】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、OCR処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、公知の文字認識技術を用いて、スキャン画像に含まれる文字及び数字をテキストに変換する。そして、代行入力手段213は、変換したテキストのパターン認識により、氏名や住所を特定し、このスキャン画像に関連付けて、代行入力データ記憶部25に記録する。
【0082】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、OCR結果の調整処理を実行する(ステップS2−6)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、操作端末のディスプレイに、受付番号が関連付けられた修正画面を表示する。この修正画面には、同じ受付番号のスキャン画像と、このスキャン画像に関連付けられたOCR処理結果(氏名及び住所)のテキストとが含まれる。ここで、作業者は、スキャン画像とテキストとを比較し、必要に応じて氏名や住所を修正する。
【0083】
そして、正しい住所及び氏名を確認した場合には、修正画面の登録ボタンを選択する。この場合、制御部21の代行入力手段213は、確認された情報に基づいて、氏名及び住所を含むOCR処理結果を、代行入力データ記憶部25に記録する。
【0084】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所録の登録処理を実行する(ステップS2−7)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、代行入力管理レコードの会員識別子に関連付けて、新たな住所録管理レコード230を生成する。この住所録管理レコード230には、OCR処理結果(修正後の氏名及び住所)を記録する。
【0085】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、ステップS1−12と同様に、クリーニング処理を実行する(ステップS2−8)。
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、決済処理を実行する(ステップS2−9)。具体的には、制御部21の代行入力手段213は、会員管理レコード220の決済方法に関する情報に応じた決済処理により、代行入力処理に対応する料金の決済を実行する。
【0086】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、生成した住所録のダウンロード処理を実行する(ステップS2−10)。この場合、制御部21の住所録登録手段212は、この会員識別子の会員管理レコード220のメールアドレスに対して、住所録の登録が完了した旨のメールを送信する。利用者は、クライアント端末10を住所録管理サーバ20にアクセスさせる。この場合、クライアント端末10は、住所録のダウンロード要求を指示する。このダウンロード要求には、会員識別子を送信する。住所録管理サーバ20の制御部21は、取得した会員識別子を含めた住所録管理レコード230をクライアント端末10に送信する。
そして、クライアント端末10は、ステップS1−14と同様に、住所印刷ソフトへの住所録のインポート処理を実行する(ステップS2−11)。
【0087】
(住所登録依頼処理)
次に、住所登録依頼処理について、図5を参照して説明する。この住所登録依頼処理は、利用者が、メールアドレスを知っている相手に対して、住所等の他の連絡先の情報について問い合わせる。この住所登録依頼処理は、初期登録処理等が完了して、会員登録及び住所録が登録された場合に行なわれる。
【0088】
まず、クライアント端末10は、ログイン処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、クライアント端末10は、住所録管理サーバ20にアクセスして、ログイン画面データを取得して、ログイン画面を表示する。クライアント端末10は、ログイン画面において会員識別子及びパスワードが入力されてログインボタンが選択された場合、これら会員識別子及びパスワードを住所録管理サーバ20に送信する。
【0089】
住所録管理サーバ20の制御部21は、認証処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の会員認証手段211は、取得した会員識別子及びパスワードを含む会員管理レコード220を会員管理データベース22において検索する。ここで、該当する会員管理レコード220を抽出した場合には、会員認証手段211は、認証処理を完了する。この場合、会員認証手段211は、住所録管理画面をクライアント端末10のディスプレイに表示する。
【0090】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所登録依頼用テンプレート要求の受信処理を実行する(ステップS3−3)。ここでは、クライアント端末10に表示された住所録管理画面において、住所登録依頼ボタンが選択される。この場合、クライアント端末10は、住所登録依頼用テンプレート要求を住所録管理サーバ20に送信する。この住所登録依頼用テンプレート要求には、住所録管理画面に含まれていた会員識別子を含める。住所録管理サーバは、会員識別子を含む住所登録依頼用テンプレート要求を受信する。
【0091】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、テンプレートの送信処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、住所登録依頼用テンプレートをテンプレートデータベース26から取得する。この住所登録依頼用テンプレートには、住所を回答するための画面にアクセスするためのURLが含まれている。次に、住所拡充手段214は、この住所登録依頼用テンプレートに、クライアント端末10から取得した会員識別子と、この会員識別子が記録された会員管理レコード220の氏名及び住所とを含める。そして、住所拡充手段214は、この住所登録依頼用テンプレートを含めたメールを、この会員のメールアドレスに送信する。
【0092】
次に、クライアント端末10は、相手への転送処理を実行する(ステップS3−5)。具体的には、クライアント端末10は、受信したテンプレートを用いた住所登録依頼メールを生成し、住所登録依頼を送信したい知人(第三者)のメールアドレスに送信する。住所登録依頼メールには、住所を回答するための画面にアクセスするためのURLと、依頼元である会員の氏名、住所及び会員識別子とが含まれる。
【0093】
住所の登録依頼を受けた知人(問合せ先)が、自分の住所を知らせる場合には、自分のクライアント端末10を用いて、住所登録依頼メールに含まれるURLにアクセスする。この場合、住所録管理サーバ20は、問合せ先のクライアント端末10のディスプレイに住所回答画面を表示する。この住所回答画面には、氏名、郵便番号及び住所をそれぞれ入力する入力欄と、メールを送信した会員(依頼元)の会員識別子と、依頼元住所追加ボタンと、送信ボタンとが含まれる。ここで、知人が、住所録管理サーバ20の会員であって、この依頼元の住所等の情報を自分の住所録に追加したい場合には、依頼元住所追加ボタンを選択する。
【0094】
そして、クライアント端末10に表示された住所回答画面において、氏名、郵便番号及び住所が入力されて送信ボタンが選択された場合、問合せ先のクライアント端末10は、住所回答を住所録管理サーバ20に送信する。この住所回答には、住所回答画面に含まれた会員識別子と、問合せ先(知人)の氏名、郵便番号及び住所とに関するデータを含める。更に、依頼元住所追加ボタンが選択されていた場合には、この住所回答に、住所追加指示フラグを含める。
【0095】
住所回答を受信した住所録管理サーバ20の制御部21は、住所取得処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、取得した会員識別子が記録された住所録ファイルを住所録管理データベース23から抽出する。住所拡充手段214は、この住所録ファイルに含まれる住所録管理レコード230に、問合せ先のクライアント端末10から取得した氏名に一致する氏名の連絡先が記録されているか否かを判定する。ここでは、該当する連絡先が記録されていないので、住所拡充手段214は、取得した氏名、郵便番号及び住所を含む新たな住所録管理レコード230を生成して記録する。
【0096】
更に、住所回答に住所追加指示フラグが含まれていた場合、制御部21の住所拡充手段214は、ログイン画面を介して、問合せ先のクライアント端末10から、知人(問合せ先)の会員識別子及びパスワードを取得し、ステップS3−2と同様に、認証処理を実行する。認証処理が完了した場合、制御部21の住所拡充手段214は、認証が完了した会員の会員識別子が記録された住所録ファイルを住所録管理データベース23から抽出する。そして、住所拡充手段214は、この住所録ファイルに、依頼元の氏名及び住所に一致する住所録管理レコード230が含まれていない場合には、依頼元の住所録管理レコード230を生成して記録する。この住所録管理レコード230には、依頼元の会員管理レコード220に記録された会員識別子、氏名及び住所等が含まれる。
【0097】
(住所確認依頼処理)
次に、住所確認依頼処理について、図6を用いて説明する。この処理は、利用者が、住所録に記録された連絡先についての住所の確認を希望した場合に行われる。
まず、クライアント端末10は、ステップS3−1と同様に、ログイン処理を実行する(ステップS4−1)。そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、ステップS3−2と同様に、認証処理を実行する(ステップS4−2)。そして、クライアント端末10は、ディスプレイに表示された住所録管理画面において、住所確認依頼ボタンが選択された場合、住所確認要求を住所録管理サーバ20に送信する。この住所録確認要求には、会員識別子を含める。
【0098】
住所確認要求を受信した住所録管理サーバ20の制御部21は、要確認の連絡先リストの送信処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、取得した会員識別子が記録された住所録ファイルを特定する。住所拡充手段214は、この住所録ファイルから住所録管理レコード230を抽出し、これらを用いて連絡先リストを作成し、この連絡先リストを含めた一覧表示画面データを生成する。そして、住所拡充手段214は、この一覧表示画面データをクライアント端末10に送信する。
【0099】
クライアント端末10は、連絡先リストの出力処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、クライアント端末10は、一覧表示画面をディスプレイに表示する。この一覧表示画面には、連絡先毎の氏名、住所、メールアドレス及びチェックボックスと、確認ボタンとが含まれている。更に、メールアドレスがない連絡先には、メールアドレス入力欄が含まれる。
【0100】
次に、クライアント端末10は、連絡先リストにおける選択処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、利用者は、一覧表示画面において、住所の確認をしたい相手のチェックボックスにチェックを入れる。この場合、メールアドレスが表示されていない相手に対しては、メールアドレス入力欄にメールアドレスを入力する。そして、確認ボタンが選択された場合、クライアント端末10は、選択情報を住所録管理サーバ20に送信する。この選択情報には、チェックが付された連絡先の氏名及びメールアドレス(確認先メールアドレス)と、会員識別子に関するデータを含める。
【0101】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所変更の有無を知りたい相手の特定処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、取得した会員識別子を含む住所録ファイルを抽出する。住所拡充手段214は、クライアント端末10から取得した氏名と一致する住所録管理レコード230を抽出する。住所拡充手段214は、抽出した住所録管理レコード230においてメールアドレスが記録されているか否かを検索する。ここで、メールアドレスが記録されていない場合には、この住所録管理レコード230のメールアドレスに、取得したメールアドレスを記録する。
【0102】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、メールアドレスに対して住所確認依頼メールの送信処理を実行する(ステップS4−7)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、住所確認テンプレートをテンプレートデータベース26から取得する。この住所確認テンプレートには、住所を回答するための画面にアクセスするためのURLが含まれている。次に、住所拡充手段214は、このテンプレートに、依頼元の会員氏名及び会員識別子と、問合せ先の氏名及びメールアドレスを含める。住所拡充手段214は、この住所確認メールを、各確認先メールアドレスに送信する。
【0103】
住所確認依頼メールを受信した第三者(問合せ先)が回答を行なう場合、クライアント端末10を、このメールに含まれるURLにアクセスさせる。この場合、クライアント端末10は、会員識別子を住所録管理サーバ20に送信する。この場合、住所録管理サーバ20は、問合せ先のクライアント端末10のディスプレイに住所回答画面を表示する。この住所回答画面には、依頼元の会員氏名及び会員識別子、問合せ先の氏名及びメールアドレス、住所を入力する入力欄、及び完了ボタンを含める。
【0104】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所の取得処理を実行する(ステップS4−8)。ここでは、問合せ先のクライアント端末10に表示された住所回答画面において、氏名、郵便番号及び住所が入力されて完了ボタンが選択された場合、このクライアント端末10は、入力された住所データを住所録管理サーバ20に送信する。この場合、クライアント端末10は、依頼元の会員識別子、問合せ先の氏名及びメールアドレスも送信する。
【0105】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所更新処理を実行する(ステップS4−9)。具体的には、制御部21の住所拡充手段214は、依頼元の会員識別子が記録された住所録ファイルを抽出する。住所拡充手段214は、この住所録ファイルに含まれる住所録管理レコード230に、問合せ先のクライアント端末10から取得した氏名に一致する氏名の連絡先が記録されているか否かを判定する。ここでは、該当する連絡先が記録されているので、住所拡充手段214は、この連絡先の住所録管理レコード230の入力住所データ領域に、取得した住所を記録する。
【0106】
(住所更新処理)
次に、住所変更処理について、図7を用いて説明する。この処理においては、登録した自分の住所を変更する場合に実行される。この場合、クライアント端末10において、ステップS3−1と同様にログイン処理、住所録管理サーバ20の制御部21は、ステップS3−2と同様に認証処理を実行する(ステップS5−1)。この認証処理が完了すると、クライアント端末10のディスプレイには、住所録管理画面が表示される。
【0107】
そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、変更登録希望の相手の登録処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、住所録管理画面において住所録一覧表示ボタンが選択されて、クライアント端末10は、住所録一覧画面を表示する。利用者は、住所録に登録された連絡先の住所変更が行われたときに通知を希望する場合には、この連絡先の通知設定ボタンにおいて通知希望を示すラジオボタンを選択して、更新ボタンを選択する。この場合、住所録管理サーバ20の制御部21は、この連絡先の住所録管理レコード230に通知希望フラグを記録する。
【0108】
次に、会員が自分の住所を変更する場合を説明する。
この場合、住所変更を行なう利用者のクライアント端末10は、ステップS3−1と同様に、ログイン処理を実行する。そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、ステップS3−2と同様に認証処理を実行する(ステップS6−1)。
【0109】
そして、クライアント端末10のディスプレイに表示された住所録管理画面において、住所変更手続ボタンが選択された場合、クライアント端末10は、住所変更画面要求を住所録管理サーバ20に送信する。この住所変更画面要求には、住所変更を行なう会員の会員識別子が含まれる。
【0110】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、新住所の登録処理を実行する(ステップS6−2)。制御部21の住所更新手段215は、クライアント端末10のディスプレイに住所変更画面を表示する。この住所変更画面には、会員識別子、氏名、旧住所、新住所入力欄及び変更ボタンが含まれている。ここで、利用者は、変更住所入力欄に変更後の住所(新住所)を入力して、変更ボタンを選択する。この場合、クライアント端末10は、入力された新住所及び会員識別子を住所録管理サーバ20に送信する。
【0111】
住所録管理サーバ20の制御部21の住所更新手段215は、取得した会員識別子を含む会員管理レコード220を会員管理データベース22において特定し、この会員管理レコード220の住所データ領域に、新住所を記録する。この場合、住所更新手段215は、新住所から統一表記住所を生成して、この会員管理レコード220に記録する。そして、住所更新手段215は、この会員管理レコード220の履歴データ領域に、ステータス「住所変更」及び現在日時を記録する。
【0112】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、変更を通知しない相手のフィルタリング処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部21の住所更新手段215は、住所変更した会員の会員識別子が記録された住所録管理レコード230を、住所録管理データベース23から検索する。該当する住所録管理レコード230を抽出した場合、住所更新手段215は、この住所録管理レコード230に通知希望フラグが関連付けられているか否かの判定処理を実行する。ここで、通知希望フラグが関連付けられている場合には住所更新手段215は、この住所録管理レコード230を含む住所録ファイルの会員識別子を特定する。そして、住所更新手段215は、この会員識別子が記録された会員管理レコード220の氏名及び入力住所を特定する。本実施形態では、特定した会員識別子、氏名及び入力住所は、通知希望者の情報として用いられる。
【0113】
なお、住所変更した会員の会員識別子が記録された住所録管理レコード230を抽出しない場合や、通知希望フラグが記録された住所録管理レコード230がない場合には、通知希望者はなしと判定する。
【0114】
そして、通知希望者がある場合、住所更新手段215は、この通知希望者の情報を含めた通知許可画面データを生成し、クライアント端末10のディスプレイに通知許可画面を表示する。この通知許可画面には、通知希望者情報に対応付けられて「通知」及び「非通知」のラジオボタンと、住所変更を行なう会員の会員識別子と、送信ボタンとを含める。利用者は、この通知許可画面において、通知してもよい相手については、この相手のラジオボタンにおいて「通知」に選択する。また、利用者は、新住所の通知を希望しない相手が含まれている場合には、この相手のラジオボタンにおいて「非通知」に選択する。そして、送信ボタンが選択された場合、クライアント端末10は、「通知」に選択された相手の会員識別子を含む通知先情報を、住所録管理サーバ20に送信する。
【0115】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、通知先の特定処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21の住所更新手段215は、通知先情報に含まれる会員識別子を取得する。そして、住所更新手段215は、各会員識別子を、順次、特定し、会員識別子(通知先)毎に、以下のステップS6−5〜S6−6を繰り返して実行する。
【0116】
住所録管理サーバ20の制御部21は、住所録の更新処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21の住所更新手段215は、対象会員識別子が記録された住所録ファイルを住所録管理データベース23から抽出する。そして、住所更新手段215は、この住所録ファイルにおいて、住所変更した会員の会員識別子が記録された住所録管理レコード230の住所に、新住所を記録する。この場合、住所更新手段215は、入力住所とともに、統一表記住所も更新する。
【0117】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、更新フラグの記録処理を実行する(ステップS6−6)。具体的には、制御部21の住所更新手段215は、対象会員識別子が記録されている会員管理レコード220の履歴データ領域に、住所変更を示すステータス、変更した個人の氏名及び現在日時を記録する。
【0118】
(印刷物の作成処理)
次に、印刷物の作成処理について、図8を参照して説明する。
まず、クライアント端末10は、ステップS3−1と同様に、ログイン処理を実行する(ステップS7−1)。そして、住所録管理サーバ20の制御部21は、ステップS3−2と同様に、認証処理を実行する(ステップS7−2)。そして、住所録管理サーバ20は、住所録管理画面をクライアント端末10のディスプレイに表示する。
【0119】
ここで、利用者は、住所録管理画面において、印刷依頼ボタンを選択する。クライアント端末10は、印刷申込依頼を住所録管理サーバ20に送信する。この場合、印刷申込依頼には、住所管理画面に含まれている会員識別子を含める。
【0120】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、郵便のデザインの選択作成処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、デザインデータベース27に記憶されているハガキのデザイン画像を一覧表示するデザイン選択画面をクライアント端末10のディスプレイに表示する。
【0121】
利用者は、クライアント端末10を用いて、表示されたデザイン画像を加工する。そして、作成が完了した場合には、送信ボタンを選択する。この場合、クライアント端末10は、送信ボタンが選択された際に表示されたデザイン画像及び会員識別子を住所録管理サーバ20に送信する。
住所録管理サーバ20の制御部21は、デザイン画像を、会員識別子に関連付けて一時的にメモリに記録する。
【0122】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所録の出力処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、この利用者の会員識別子が記録された住所録管理レコード230を抽出し、これらを一覧表示した送付先選択画面データを生成して、クライアント端末10に送信する。この送付先選択画面データには、住所録管理レコード230に記録された各連絡先(個人)の氏名、住所及び選択するためのチェックボックスと、決定ボタンとを含める。
【0123】
クライアント端末10は、住所録の表示処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、クライアント端末10のディスプレイに送付先選択画面を表示する。
クライアント端末10は、送付対象住所の特定処理を実行する(ステップS7−6)。ここで、利用者は、送付先選択画面において、送付する相手のチェックボックスにチェックを付けて、決定ボタンを選択する。クライアント端末10は、送付先情報を住所録管理サーバ20に送信する。この送付先情報には、チェックが付された相手の氏名と、この利用者の会員識別子とを含める。
【0124】
住所録管理サーバ20の制御部21は、送付対象住所情報の取得処理を実行する(ステップS7−7)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、受信した会員識別子に関連付けられた住所録ファイルにおいて、送付する相手の氏名が記録された住所録管理レコード230を特定する。印刷物作成手段216は、特定した住所録管理レコード230から氏名及び住所を抽出して、宛先情報として、会員識別子に関連付けて一時的にメモリに記録する。
【0125】
更に、印刷物作成手段216は、クライアント端末10のディスプレイに印刷依頼確認画面を表示する。この印刷依頼確認画面には、メモリに記憶したデザイン画像及び宛先人情報と、会員識別子とを含める。更に、印刷依頼確認画面には、決済情報を入力する入力欄と、配送先(差出人又は宛先)を特定するラジオボタンと、発注ボタンとを含める。
【0126】
そして、クライアント端末10は、発注処理を実行する(ステップS7−8)。ここで、利用者は、印刷依頼確認画面において、デザインや宛先の確認をした後、決済情報を入力し、配送先を特定して、発注ボタンを選択する。クライアント端末10は、受付番号を含む発注依頼を住所録管理サーバ20に送信する。この発注依頼には、デザイン画像、宛先人情報、会員識別子、決済情報、配送先フラグ(差出人フラグ又は宛先人フラグ)を含める。
【0127】
発注依頼を受信した住所録管理サーバ20の制御部21は、受注/決済処理を実行する(ステップS7−9)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、受付番号を付与し、この受付番号を付与した印刷受付管理レコードを生成して、印刷受付管理データ記憶部28に記録する。更に、印刷物作成手段216は、この印刷受付管理レコードに、会員識別子、決済情報、受付日時、デザイン画像、配送先フラグ及び宛先人情報を記録する。
【0128】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、印刷指示による印刷処理を実行する(ステップS7−10)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、会員識別子の会員管理レコード220の会員氏名及び会員入力住所を、差出人情報として取得する。印刷物作成手段216は、デザイン画像を、印刷受付管理データ記憶部28から抽出し、差出人情報と、各宛先人情報とを含む印刷データを生成する。そして、制御部21は、生成した印刷データをプリンタに送信し、印刷物を印刷する。
【0129】
次に、住所録管理サーバ20の制御部21は、配送先は差出人又は各宛先か否かの判定処理を実行する(ステップS7−11)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、配送先フラグデータ領域に記録されたフラグ(差出人フラグ又は宛先フラグ)に基づいて判定する。ここで、配送先が各宛先の場合には、印刷物の作成処理は終了する。
【0130】
一方、配送先が差出人の場合、住所録管理サーバ20の制御部21は、差出人に対してまとめて配送するための配送ラベルの印刷処理を実行する(ステップS7−12)。具体的には、制御部21の印刷物作成手段216は、会員識別子の会員管理レコード220の会員氏名及び会員入力住所を含む配送ラベル印刷データを生成し、プリンタに送信して、配送ラベルを印刷する。
【0131】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、住所録をアップロードした場合や登録した場合(ステップS1−11,S2−7)、住所録管理サーバ20の制御部21は、クリーニング処理を実行する(ステップS1−12,S2−8)。これにより、統一表記の住所を用いて住所録の管理を効率よく行なうことができる。
【0132】
(2)本実施形態では、住所録管理レコード230には、この連絡先において住所変更を行なった場合に通知を希望するか否かを特定するフラグを含めた。住所録管理サーバ20の制御部21は、住所変更する利用者について変更を通知しない相手のフィルタリング処理を実行する(ステップS6−3)。この処理においては、住所変更した会員に対して通知希望フラグを設定している通知希望者の情報を含めた通知許可画面を表示する。そして、制御部21は、この通知許可画面において、住所変更した会員が「通知」を選択した相手の住所録における住所を更新する。これにより、住所変更した会員の住所を含む住所録の情報を容易に更新することができるとともに、通知を希望し、かつ利用者が許可した相手に対してのみ、住所変更を行なうことができる。
【0133】
(3)本実施形態では、住所登録依頼処理において、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所を取得して登録したい相手に住所登録依頼のメールを送信する。住所登録依頼を受信した第三者は、登録してもよい場合には、住所録管理サーバ20にアクセスして、住所を登録する。これにより、連絡先としてメールアドレスしか知らない相手の住所を、利用者が容易に取得して管理することができる。また、住所を登録する第三者が依頼元住所追加ボタンを選択した場合には、制御部21は、この第三者の認証処理が完了した後、住所登録を行なった会員の住所録ファイルに、依頼元の住所録管理レコード230を新たに追加する。このため、住所登録依頼を受けた会員が住所を登録した場合には、この会員の住所録に、依頼元の住所情報を、手間をかけることなく追加することができる。
【0134】
(4)本実施形態では、住所確認依頼処理において、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所を確認したい相手に住所確認依頼のメールを送信する。住所登録依頼を受信した第三者は、登録してもよい場合には、住所録管理サーバ20にアクセスして、住所を登録する。これにより、連絡先としてメールアドレスしか知らない相手の住所を、利用者が容易に取得して管理することができる。
【0135】
(5)本実施形態では、代行入力処理において、住所録管理サーバ20の制御部21は、依頼者から送付された名刺や郵便物をスキャンしてOCR結果を生成し、住所録の登録処理を実行する(ステップS2−1〜S2−7)。これにより、会員が自分自身でスキャンや入力することなく住所録を生成することができるので、住所録作成の手間を軽減することができる。
【0136】
(6)本実施形態では、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所録管理画面において印刷依頼ボタンを選択して、印刷物の作成処理を実行する。これにより、住所録管理サーバ20に登録された住所録を用いて容易に郵便物を作成することができる。
【0137】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、住所録管理サーバ20の制御部21は、会員の住所が変更された場合に、住所更新処理を実行した。住所に限らず、その他の属性(氏名、メールアドレス、肩書き等)が変更された場合であっても、同様に、住所更新処理を実行してもよい。
【0138】
・ 上記実施形態の住所更新処理においては、住所録管理サーバ20の制御部21は、住所変更した会員が更新を通知しない相手の登録処理を実行した後(ステップS6−2)、会員の住所変更の通知を希望している他の会員について非通知先でよいか否かの確認処理を実行した(ステップS6−4)。これに代えて、住所変更する会員が予め通知する会員を選択し、選択されなかった会員の住所録ファイルに、住所変更する会員に対して通知希望フラグが記録されている場合には、この会員について通知しなくてよいか否かの確認を行なってもよい。この場合には、住所変更した会員に対して通知を希望していない相手であっても、住所変更した会員が変更後の住所を知らせたい場合には、住所変更を通知することができる。
【0139】
・ 上記実施形態の代行入力処理においては、住所録管理サーバ20の制御部21は、申込申請処理において、スキャンする名刺や郵便物等を送付してもらうための送り状を印刷した。これに代えて、クライアント端末10にプリンタが接続されている場合には、このプリンタにおいて、送り状を印刷してもよい。具体的には、制御部21は、会員管理レコード220の会員氏名、会員住所、受付番号を含む送り状印刷データを生成し、クライアント端末10に送信する。利用者は、クライアント端末10に接続されたプリンタを用いて、封筒に添付する送り状を印刷してもよい。これにより、名刺や郵便物等を迅速に発送することができるので、代行入力を迅速に行なうことができる。
【0140】
また、上記実施形態の代行入力作業において、依頼者から発送された名刺や郵便物をスキャンした。これに代えて、依頼者のクライアント端末10がスキャナ装置に接続されている場合には、依頼者自身で名刺や郵便物をスキャンしてもよい。この場合には、スキャナ装置において生成されたスキャン画像を、クライアント端末10を介して、受付番号に関連付けて送信する。これにより、依頼者がスキャナ装置を有している場合には、発送する手間を省略することができる。
【0141】
・ 上記実施形態において、住所マスタデータベース24には、地域を特定する識別コードとして郵便番号を記録した。ここで、地域を特定する識別コードであれば、郵便番号に限定されるものではなく、例えば、国土地理協会が設定した11桁の地域識別コード(町・字コード)を用いてもよい。この場合、住所マスタデータベース24には、町・字コードと、これによって表示される全国の町・字及び丁目までの地名とが関連付けて記録される。そして、上記実施形態と同様に、この地域識別コードを用いて、クリーニング処理を行なうことができる。
【0142】
・ 上記実施形態において、住所録管理サーバ20の制御部21は、クリーニング処理(ステップS1−12)において、入力住所を用いて統一表記住所を生成した。これに加えて、制御部21は、取得した住所が実在しているか否かの確認処理を行ってもよい。具体的には、住所録管理サーバ20に、住所表記データベースに接続できるようにしておく。この住所表記データベースには、実在する各住所に関するデータが記憶されている。また、住所録管理レコード230に、住所確認を要することを示す要確認フラグを記録するための要確認フラグデータ領域を設ける。
【0143】
住所録管理サーバ20の制御部21は、クリーニング処理(ステップS1−12)において、生成した統一表記住所を住所録管理レコード230に記録した後、この統一表記住所が、住所表記データベースに登録されているか否かを判定する。ここで、制御部21は、住所表記データベースに登録されていない場合には、この住所録管理レコード230の要確認フラグデータ領域に要確認フラグを記録する。そして、制御部21は、ディスプレイに、住所録一覧画面を表示した場合に、要確認フラグが記録された連絡先について、確認が必要であるメッセージを表示する。これにより、利用者は、確認が必要な連絡先を把握することができる。
【0144】
また、住所だけでなく、この住所の居住者の氏名についても確認してもよい。具体的には、住所表記データベースに、各住所に関連付けて、この住所の居住者の氏名を記録する。制御部21は、住所録管理レコード230に記録された統一表記住所を用いて、住所表記データベースを検索し、この住所の居住者及び住所と、連絡先の氏名及び住所とが一致するかどうかを確認する。一致しない場合には、住所録登録手段212は、住所録管理レコード230に要確認フラグを記録する。これにより、住所は実在しても居住者の氏名が異なるために、郵便物が宛先不明となるような連絡先を把握することができる。
【符号の説明】
【0145】
10…クライアント端末、11…データ記憶部、20…住所録管理サーバ、21…制御部、22…会員管理データベース、23…住所録管理データベース、24…住所マスタデータベース、25…代行入力データ記憶部、26…テンプレートデータベース、27…デザインデータベース、28…印刷受付管理データ記憶部、210…会員登録手段、211…会員認証手段、212…住所録登録手段、213…代行入力手段、214…住所拡充手段、215…住所更新手段、216…印刷物作成手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、
クライアント端末とに接続されて、住所録の管理を行なう制御手段を備えた住所録管理システムであって、
前記制御手段は、
クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する手段と、
前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段と、
クリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する手段と
を備えたことを特徴とする住所録管理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、会員識別子に関連付けて、会員の住所及び氏名から構成された会員の属性が記憶された会員管理データ記憶手段に接続されており、
前記住所録には、各連絡先の住所、氏名から構成された相手の属性が含まれおり、
前記制御手段は、
クライアント端末から、会員の新たな属性についての情報を取得した場合には、前記会員管理データ記憶手段に記憶された旧属性を、取得した新属性に変更する手段と、
新属性に変更した会員の旧属性が記録された他の会員の住所録の連絡先を前記住所録管理データ記憶手段において特定し、この旧属性を新属性に変更する手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の住所録管理システム。
【請求項3】
前記住所録管理データ記憶手段には、住所録に記録された他の会員の属性が変更された場合に、自分の住所録の修正を希望する相手であることを識別する通知設定フラグが含まれており、
前記制御手段は、
会員の旧属性を、取得した新属性に変更した場合には、他の会員の住所録において新属性に変更した会員に対して通知設定フラグが関連付けられている住所録を特定する手段と、
特定した住所録を保有する会員の属性情報の一覧を前記クライアント端末に表示させて、住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子を取得する手段と、
住所録の修正を許容する他の会員の会員識別子に対応する住所録において、新属性に更新した会員の旧属性を、新属性に修正する手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の住所録管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、新たに追加する住所のイメージ画像を記録した代行入力データ記憶手段に接続されており、
前記制御手段は、
前記代行入力データ記憶手段から、住所のイメージ画像を取得し、このイメージ画像を用いて住所に関するテキストデータを取得し、この住所と、この住所に関連付けられる氏名とを含む個人の属性を、前記住所録管理データ記憶手段に記録する手段と、
イメージ画像を用いて取得した住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の住所録管理システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
会員のクライアント端末から、住所問合せ要求を受信した場合には、住所を登録する登録画面にアクセスするためのURLを含めたテンプレートに、会員識別子を含めて、前記クライアント端末に送信する手段と、
前記テンプレートを用いたメールを前記会員から受け取った第三者が用いるクライアント端末から、前記メールを利用してのアクセスを受けた場合には、前記テンプレートに含められていた会員識別子を取得するとともに、登録画面を送信する手段と、
前記登録画面において入力された住所を、前記住所録管理データ記憶手段において、前記会員識別子の会員の住所録に登録する手段と、
を更に実行することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の住所録管理システム。
【請求項6】
会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、
クライアント端末とに接続されて、制御手段を備えた住所録管理システムを用いて、住所録の管理を行なう方法であって、
前記制御手段が、
クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する段階と、
前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する段階と、
クリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する段階と
を実行することを特徴とする住所録管理方法。
【請求項7】
会員を特定する会員識別子に関連付けて、この会員が保有する住所録を関連付けた住所録管理データ記憶手段と、
クライアント端末とに接続されて、制御手段を備えた住所録管理システムを用いて、住所録の管理を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
クライアント端末から会員識別子に関連付けて住所録を取得し、前記住所録管理データ記憶手段に登録する手段、
前記住所録管理データ記憶手段の各連絡先の住所表記を統一するクリーニング処理を実行する手段、及び
クリーニングされた住所録を前記クライアント端末に返信する手段
として機能させることを特徴とする住所録管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97558(P2013−97558A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239487(P2011−239487)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(507347048)日本郵便株式会社 (3)
【出願人】(508212303)株式会社JPメディアダイレクト (1)