説明

体の動きをモニターするための光学測定反射システム

衣服およびシステムは、400〜2200ナノメーターの範囲の波長を有する光によって織物が照らされるとき、光反射特性を示し、光透過特性を実質に示さないモニタ−する織物を含む。織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対して失われる光の総計に対する、織物によって反射された受け入れ孔の中への有効光の総計が、織物が伸びるとき、生理学上の活動(例えば心拍数)によって引き起こされる動きのような動きに応じて検知可能に変化する。システムは、受け入れ孔内に配置された検知器と共に、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの放射検知器を含む。光源と検知器とは、検知器による入射放射の検知量が、織物が伸びるとき、織物によって反射された受け入れ孔の中への有効光の総計の、動きに応じた変化によって直接的に影響されるような相関する位置において織物に取り付けることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動きをモニターするためのシステムにおいて有用な織物と、そのような織物を含むモニターシステムに関する。そのようなモニターし得る動きの1つのタイプは、生理学上の活動に応じた、体における幾何学的な変化に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
心拍数モニターは、人および動物の心臓の鼓動を計測し、知らせるためによく知られている。そのようなモニターは、心臓の周期的なポンプ活動に同期する、脈動する血液の流れから信号を受け取る。典型的には、これらのよく知られたモニターは、胸部のベルトの中のセンサを通して、または耳もしくは指に機械的に留められたセンサーを通して、脈動する血液の流れを検知する。米国特許第5,820,567号(マッキー)に、心拍数感知機械の胸部のベルトまたは耳クリップの典型的な配置が記述されている。
胸部のベルトは密着させるのが難しく、使用する前にセンサーの電極を湿らせるためにしばしばゼリー状物質が要求される。心臓をモニターする窮屈な胸部ベルトは、長時間装着するとき、心地良くない。指や耳に留める機械的なセンサーも心地良くない。
【0003】
サルトロン(Salutron Inc.)により販売されるクイックタッチ(QuickTouch)(登録商標)心臓モニターは、運動のすべての面において、心拍数を計測するために、胸部ストラップ、指もしくは耳クリップを除去する。しかしながら、扱いにくいワイヤとストラップを除くけれども、動作において2点のボディコンタクトが要求される。このようにこの装置は、心拍数を読み取るために時計バンドに2本の指、トレッドミルに2本の手、自転車のハンドルバーに2本の手を加えることが要求される。結果として、この装置は、総合的に、その対象をモニターのプロセスから解放する。
【0004】
モニターされた対象を胸部ベルトあるいは指や耳へのクリップ装置の不快と、モニター機械へ縛られる不便さを取り除くシステムが開示されている。
米国特許第6,360,615号(スメラ)に、ポリピロルで処理された織物を用いてストレインゲージを通して、着用者の体における動きを検知する衣服を用いたモニターシステムが開示されている。
米国特許第6,341,504号(イストゥック)に、カーブしたパターンに形成された伝導性ワイヤを持ち、弾性材料の細長い1つもしくは複数のバンドを含む生理的にモニターするための衣服が開示されている。その衣服が人によって着られるとき、人の骨格の幾何学的な変化によって引き起こされるその織物の伸長と弛緩は、その衣服の伝導性ワイヤにおける電気的な特性の変化を引き起こす。そのようなシステムはその織物構造へ複雑さの付加的な構成要素を加え、それは伝統的な衣服デザインと構造にあまり適さない。
【0005】
米国特許第4,909,260号(サレム)に、生理学的なモニターのための大きな腰ベルトシステムが開示されている。
米国特許第5,577,510号(チタム)に、生理学的なモニターのための大きな胸部および腰ベルトが開示されている。
イギリスのヘルスケア テクノロジー リミッテドの国際公開第9714357号に、音声の心臓鼓動メッセージを生成することができるモニターが開示されている。
【特許文献1】米国特許第5,820,567号
【特許文献2】米国特許第6,360,615号
【特許文献3】米国特許第6,341,504号
【特許文献4】米国特許第4,909,260号
【特許文献5】米国特許第5,577,510号
【特許文献6】国際公開第9714357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、体の動きをモニターする織物、衣服、システム、および方法に関し、生理学上の活動に応じた対象の体の幾何学的な変化によって生じる動きをモニターするのに特に有用であると信じる。そのような動きをモニターすることによって、生理的活動を特徴付けるパラメーターの出過ぎない計測を引き出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
織物は、その織物が約400〜約2200ナノメーターの範囲、特に約400〜約800ナノメーターおよび約700〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性と実質的に光を透過しない特性を示す。
受け入れ孔への光損失の総計に対するその織物から伸びる軸について定義される、受け入れ孔へのその織物によって反射された有効光の総計は、動きに応じてその織物が伸びたり、回復したりするとき、変化する。そのような動きは、例えば、生理学上の活動によって引き起こされる体の幾何学的な変化によって、引き起こすことができる。
【0008】
好ましい例では、その織物は、第2の多数のストレッチ糸で編まれ、または織られた電気的伝導性の材料のコーティングをその上に有する、多数の反射糸から成る。それぞれのストレッチ糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成される。
織物は、衣服または織物マントルを含むセッティングのバラエティにおける、モニターするパッチとして用いることができる。
【0009】
その上またはその中に配置されたモニターする織物の、パッチを有する衣服または織物マントルは、生理学上の活動による対象の体の幾何学的な変化によって生じる動きのような、動きをモニターするためのシステムに組み入れることができる。そのシステムは、約400〜約2200ナノメーターの範囲、特に約400〜約800ナノメーターおよび約700〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する放射を供給する光源をさらに含む。そのシステムはまたさらに、同じ波長範囲とサブの範囲における入射放射に反応する検知器を少なくとも含む。
【0010】
検知器は、織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔内に配置される。光源と検知器は好ましくは、検知器による入射放射の受け入れが、織物が伸びるとき、織物によって反射される受け入れ孔への有効光の総計における変化によって直接的に作用されるような関係する位置において、織物に取り付けられる。その衣服を着用する対象Sの体における、またはその上にマントルを有する体の部分における幾何学的な変化による動きに応じてその織物が伸びるとき、そのような変化が起きる。信号処理装置は、その上に入射放射の代表的な検知器からの信号を、衣服を着用する対象のあらかじめ決められた少なくとも1つの生理的パラメーターを代表する信号に変換する。
【0011】
あるいは、そのシステムは、単一以上の光源と各光源のための単一以上の放射検知器を含むことができる。そのような代わりの実施形態において、信号処理装置は、単一以上の光源と単一以上の放射検知器からの信号に反応し、これらの信号を、その衣服を着用する対象と関連した1つまたはそれ以上のあらかじめ決められた生理的パラメーターを代表する信号に変換する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、この出願の一部を形成する添付の図面に関してなされる、以下の詳細な説明からより十分に理解されるだろう。
図1は、対象Sの胴の上に着用されるように寸法を合わせて作られた、本発明に一致する織物を有する衣服を含む、対象Sの少なくとも1つの生理学上のパラメーターをモニターするシステムの様式化した図、
図2は、本発明の織物の反射反応を説明する様式化した図、
図3Aおよび図3Bは、本発明のモニターシステムの動作を説明する概略図、
図3Cは、光のバランス、すなわち、織物が伸び、また回復するとき、受け入れ孔への光損失の総計に対する、織物によって反射される有効光の受け入れ孔への総計における変化のグラフ用いた図、
図3Dは、織物の伸びおよび回復の間の光バランスにおける変化を表わす信号、周期時間のグラフを用いた図である。
【0013】
以下の詳細な説明を通して、類似の参照符号は、図のすべての数字における類似の要素を表わす。
図1は、生理的活動に応じた対象Sの体の幾何学的変化による動きをモニターする作業に適用されるように本発明による動きモニターシステム10の様式化した図である。そのような動きをモニターすることによって、心拍数や呼吸数のような、対象Sの生理的活動を特徴付ける1つまたはそれ以上のパラメーターの出過ぎない測定を引き出すことができる。
【0014】
図1に示されるように、システム10は、モニターする織物16から形成された少なくとも一部またはパッチ14を有する衣服12を含む。モニターする織物16は、観察者に向けられた外のまたは外側の表面16Eと、対象Sの体に向けられた内側の表面16Iを有する。モニターする織物16のパッチ14は、図1では長方形で示されているが、都合のよいどの形状を取ることができる。例えば、パッチは、円形、楕円形状、あるいはどの正多角形状や不規則な形状でもよい。望まれるなら、衣服12の一部、あるいは全体さえも、モニターする織物16から作ることができる。
【0015】
本発明によるモニターする織物16は、その織物が約400〜約2200ナノメーターにおよぶ範囲における波長を有する光で照らされるとき、光反射特性と実質的に光を透過しない特性を示す。この範囲は、近赤外光および可視範囲における波長を有する可視広範囲白色光の両方を包含するという意味において延長される。
【0016】
ここで用いられたように、「広範囲白色光」という語は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光を意味する。
ここで用いられたように、「近赤外光」という語は、約700ナノメーター〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光を意味する。
805ナノメーターの波長または880ナノメーターの波長は、近赤外範囲において動作するシステムに用いることができる。805ナノメーターの波長を有する光が好ましい。
【0017】
図2は、本発明による織物16の反射反応の様式化した概略図により示す。受け入れ孔27を通しての織物16によって反射された有効光の総計は、織物が伸び、また回復するとき、変化する。受け入れ孔27は、織物16の表面からあらかじめ決められた距離離され、織物16の表面から伸びるあらかじめ決められた参照軸上を中心に置く、どのようなあらかじめ決められた形状(例えば図2における円形)の領域として、図2における図示によって示される。
【0018】
「光バランス」という用語は、光の損失の総計に対する、その織物によって反射される有効光の総計を表わすために、この出願を通して用いることができる。「有効光」の用語は、織物16から伸びる参照軸について定義された、受け入れ孔27を通して、織物16から反射されたその織物の照らされた領域17の上に元来入射光のその総計を表わす。「光損失」は、受け入れ孔27の中へ反射されない照らされた領域17の上に元来入射光を表わす。
【0019】
光は、様々な理由のため、受け入れ孔27へ「失われ」得る。例えば、織物16の動きは、織物16から反射された光を、軸24から外れ、受け入れ孔27へ達し損なうことを引き起こす。もしそうでなければ、投射された光は、織物16が形成される材料へ吸収されるとき、損失となり得る。
【0020】
パッチ14において用いられるモニターする織物16は、反射する糸、ストレッチ糸、反射するおよびストレッチ糸のどのような組み合わせ、またはどのような同様な材料からも作ることができる。1つの実例的な構造において、第1の複数の反射する糸は、第2の複数のストレッチ糸と組み合わせることができる。
【0021】
糸は、織られたまたは不織の構造を含む、どのような従来の方法によっても組み合わせることができる。織られた構造のために、糸は、平織り、サテン織り、あや織り、または他のよく知られたどのような構造においても組み合わせることができる。編み構造のような不織の構造のために、糸は、丸編み、経編み、あるいは他の適したどのような編み構造によっても組み合わせることができる。丸編みにおいて、典型的な構造は、シングル・ジャージー(すなわち、前と後と異なる構造)およびダブル・ジャージー(すなわち、前と後と同じ構造)である。経編みは、締まりが、針の数/インチまたは編み目サイズを調整することによって調整可能な、トリコットおよびラッシェルを含むことができる。
【0022】
どのような適した衣料品デニールおよびどのような適した針組み合わせもまたは経糸/緯糸強度を、モニターする織物を作るために用いることができる。各反射する糸は、その上に反射する材料の被覆を含むことができる。被覆もまた、電気的に伝導性とすることができる。さらに、反射する糸は、弾性とすることができる。各ストレッチ糸は、弾性糸の構成要素と、固い糸の構成要素の組み合わせとして形成される。
【0023】
好ましい例において、反射する糸は、登録商標 X-static糸の元でLaird Sauquoit テクノロジー会社(18505 ペンシルベニア スクラントン パーム ストリート 300)によって販売されるその糸である。X-static糸は、電気的に伝導性の銀で電気メッキされた、70-XS-34X2 TEX 5ZのプロダクトIDとして、デラウェア19805、ウィルミントン、INVISTA ノース アメリカ S. ar. l.から利用可能な70デニール(77dtex)、34フィラメントで織られたナイロンの上に基礎を置かれる。
【0024】
その代わりに、モニターする織物16を形成する他の方法は、従来のどのような織られたまたは不織の方法において糸を構成した後に、電気的に伝導性のインクを用いてパターンをスクリーンプリントすることである。適した電気的に伝導性のインクは、限定はされないが、シルバーインク5021またはシルバーインク5096、および同様なものとして、NC 27709 リサーチ トライアングル パーク、デュポン マイクロサーキット マテリアルズによって販売されるものを含む。
【0025】
伝導性インクのスクリーン プリントされたパターンもまた、織物が動くようなものでなければならない。好ましくは、伝導性インクは、織物が伸び、また回復する能力に影響しない。織物の伸び、また回復する特性に影響を与えるのを防ぐ1つの方法は、点の配列の形態で、伝導性インクのパターンをスクリーン プリントすることである。そのような点配列パターンは、望まれる光反射および透過特性を依然示している間、織物の糸の動きを完全な自由にする。
【0026】
その代わりに、モニターする織物16のパッチ14は、例えば、通常のスパンデックス被覆プロセスを用いて、スイス、エショルツマット、ELEKTRO-FEINDRAHT AGから入手される、絶縁された銀−銅 金属で被覆されたLYCRA(登録商標) スパンデックス糸で作られた芯糸を含む、弾性および電気的伝導性複合糸から形成することができる。芯糸はさらに、どのようなナイロンの固い糸またはポリエステルの固い糸でも被覆することができる。
【0027】
ストレッチ糸は、どのような従来の方法でも形成することができる。例えば、ストレッチ糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成することができる。
1つの好ましい実施形態では、被覆された弾性糸は、10デニール(11dtex)7フィラメント ナイロン糸で一重被覆された、20デニール(22dtex)LYCRA(登録商標)スパンデックス糸で作ることができる。LYCRA(登録商標)スパンデックス糸は、デラウェア19805、ウィルミントン、INVISTA ノース アメリカ S. ar. l.から利用可能である。その代わり、本発明の弾性糸構成要素は、デラウェア、ウィルミントンのINVISTA S. ar. l. ノース アメリカ会社からのELASTERELL-P(登録商標)として知られるような、弾性糸またはポリエステル2種系糸を含むことができる。スパンデックスとエラステインの用語は、この技術では取り替えて使用できる。本発明に用いるのに適したブランド品のスパンデックス糸の例は、LYCRA(登録商標)である。
【0028】
合成2種系マルチフィラメント織物糸もまた、弾性糸構成要素を形成するのに用いることができる。1つの好ましい合成2種系フィラメント構成要素ポリマーは、熱可塑物質であり得る。合成2種系フィラメントは、溶融紡糸することができ、またはフィラメント形成技術においてよく知られた他のどのような方法でも形成することができる。最も好ましい例では、構成要素ポリマーは、ポリアミドまたはポリエステルである。
【0029】
ポリアミド2種系マルチフィラメント織物糸の好ましいクラスは、「自己織り」とも呼ばれる自己しぼ(self-crimping)であるナイロン2種系糸を含む。これらの2種系糸は、第1の相関的な粘性を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの構成要素、および第2の相関的な粘性を有するナイロン66ポリマーまたはコポリアミドの構成要素を含み、ポリマーまたはコポリアミドの両方の構成要素は、個々のフィラメントの断面に見られるようなサイドバイサイドの関係にある。登録商標TACTEL T-800の元で、デラウェア19805、ウィルミントン、INVISTA ノース アメリカ S. ar. l.によって販売される糸のような、自己しぼナイロン糸は、特に有用な2種系弾性糸である。
【0030】
ポリエステル構成要素ポリマーのいくつかの例は、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリトリメチレン テレフタレート(PTT)およびポリテトラブチレン テレフタレートを含む。1つの好ましい例では、ポリエステル2種系フィラメントは、個々のフィラメントの断面に見られるようなサイドバイサイドの関係にある、PETポリマーの構成要素およびPTTポリマーの構成要素を含む。この構造を有する1つの例の糸は、登録商標T-400 次世代ファイバーの元で、デラウェア19805、ウィルミントン、INVISTA ノース アメリカ S. ar. l.によって販売される。
【0031】
固い構成要素は、どのような弾力のない合成ポリマーファイバーまたはウール、コットン、ラミー、リネン、レーヨン、シルクおよび同様のもののような自然織物ファイバーから作ることができる。合成ポリマーファイバーは、コンティニュアス・フィラメントまたはマルチフィラメントフラット糸から選ばれたステープル糸、部分的に方向がそろえられた糸、テクスチャード糸、ナイロン、ポリエステル、またはフィラメント混合糸から選ばれた2種系糸である。固い構成要素は、好ましくは260デニール(286dtex)
68フィラメントナイロン糸である。
【0032】
ナイロン糸は好ましくは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン7、ナイロン9、ナイロン10、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン12およびその混合物およびコポリアミドのような、合成ポリアミド構成要素ポリマーを含むことができる。コポリアミドの場合、アリファティック ジアミン構成要素が、登録商標DYTEK AおよびDYTEK EPのそれぞれの元に、E. I. デュポン ドゥ ニューメラス アンド カンパニー インク(19880、米国、デラウェア、ウィルミントン)から利用可能なジアミンのグループから選択されるところの、ポリアジパミドの40モルパーセントまで有するナイロン66を含むものが特に好ましい。さらに本発明によれば、本発明の固い糸の部分は、例えば、ポリエチレン テレフタレート、ポリトリメチレン テレフタレート、ポリブチレン テレフタレートおよびそのコポリエステルのようなポリエステルを含むことができる。
【0033】
パッチ14において用いられるモニターする織物16は、経編み、緯編み、ブレイディング、または不織構造を通して含まれる、従来のどのような織物手段によっても作ることができる。糸は、限定されないが、経糸弾性、緯糸弾性または両弾性織物を含む、様々な弾性を示す織物が得られるように組み入れることができる。
【0034】
モニターする織物16もまた、反射するまた伸びる構成要素が同じ糸に組み入れられる、複合糸から形成することができる。そのような複合糸は、1層または多層に弾性糸構成要素について被覆された、ぼんやりと反射する外側表面を有する被覆糸を含む。
【0035】
衣服12の構造の残りは、どのような便利な織物構造(例えば編み、織り)を示すことができ、またどのような適した織物フィラメント衣料品デニール糸からも作ることができる。
【0036】
1つの例では、パッチ14において用いられるモニターする織物16は、衣服12に取り付けられる。パッチ14は、縫い付け、糊付け、テープとめ、ボタンとめ、編み込み(織り混ぜ)またはどのような従来の手段によっても衣服に取り付けることができる。
【0037】
その代わりに、衣服12は、モニターする織物16から全体を形成することができることも、本発明の意図の中に入っている。どのような適した針の組み合わせまたは経糸/緯糸の強度も衣服12のために用いることができる。
【0038】
他の例では、衣服は、衣服12の残りの材料の中へ、どのような適した針の組み合わせを用いることによっても、モニターする織物16でシームレスに構成される。この文脈において、「シームレス」という用語は、(例えばイタリア、ブレシアのサントニ S.p.A.からの)シームレス編み機における、周知の丸編みのプロセスを表わす。この方法で加工された衣服は、ささいなシームを有するかもしれず、例えば、ベストの肩部分またはパンツのホーズの又シームは、従来行われるシームの方法を用いて形成することができる。これらの理由のため、技術の「シームレス」という用語は、1つまたは少しのシームを有する衣服を含み、実質的に織物の単一の要素から構成される。
【0039】
織物が光で照らされるとき、光の透過が実質的になく、望ましい反射反応を示すように、織物16を作ることができる1つのやり方は、ぎっしりと織られたまたは固く編まれた様式において織物を形成することである。そのようなぎっしりと織られた織物は、例えば、センチメーター当たりの経糸と緯糸の20〜60の密度で10〜300デニール(11〜330dtex)の、織糸によって得ることができる。ぎっしりと編まれた織物も、糸のデニールを一定に保つ間、丸編み機のシリンダーにおける針の総数、または織物のゲージを増加することによって得ることができる。
【0040】
加えて、またはその代わりに、織物の密度は、次の織りまたは次の編みの縮みまたはつや出しステップによって増加することができる。例えば、本発明のぎっしり織られたまたは編まれた反射する織物を得るために、織物の横方向、縦方向の少なくとも一方の縮みは、約摂氏60度以上に高められた温度にさらされた上で湿らせ再び乾かした後に得られる。つや出しは、織物の厚さを減少し、密度を挙げるための1組のつや出しロールの間に形成されたニップに織られたまたは編まれた織物を通すことによって行なうことができる。
【0041】
織物の密度を増加し、織りパターンをしっかり締める、他のよく知られた手段は、光の透過を減らすか除くために用いることができる。例えば、織られた構造は、その構造におけるcm当たりの経糸端の増加およびcm当たりの緯糸端の増加によって、しっかり締めることができる。編み構造のような不織構造のために、針/インチまたは編み目サイズを調整することによって、織物を通る光透過を減らし、または除くことができる。
【0042】
図1に示されるシステム10は、対象Sの呼吸または心拍の生理的活動に付随して起こる、体の幾何学的変化によって生じる動きをモニターするために適合されている。他の衣服の形状は予想されるけれども、このように衣服12はベストまたはシャツと同類に構成される。ベストまたはシャツのような織物構成のために、外形および適切な穴が、対象Sの胴上の配置のために形成される。そのような用途のために、モニターする織物16のパッチ14が、対象Sの体の幾何学的な変化に対する最大限の感度の位置に配置されるべきである。例えばパッチ14は、対象Sの左胸の乳首の下にパッチ14を配置することによって、鼓動する心臓または呼吸といっしょの胸の壁の動きの出来事をモニターするために用いることができる。衣服の物理的な形状が、出来事の中にある対象Sの体の他の部分の上の配置のために、適切に変更されるかもしれないことが理解されるべきであり、他の生理的パラメーターと関係する、体の他の部分の動きをモニターすることが望まれる。
【0043】
モニターする織物16が伸びまた回復するとき、光バランスがモニターされる。この目的のために、システム10はさらに、約400ナノメーター〜約2200ナノメーター、特に約400ナノメーター〜約800ナノメーターおよび約700ナノメーター〜約2200ナノメーターの波長範囲において実行可能な適した光源18を含む。関係する検知器22は、それに反応する信号を生じるために、受け入れ孔27の参照軸24に沿う織物16に関係して置かれる。検知器22は、それに反応する信号を生ずるために、与えられた波長範囲およびサブ範囲における入射放射に反応する。
【0044】
光源18は、検知器22に対するその関係する位置を維持するように配置される。例えば、光源と検知器は、空間の関係を維持するために、織物の1つの側にいっしょに厳密に接続することができる。その代わり、光源18と検知器22は、検知器が、モニターする織物から反射される放射を受けることができるように、使用者によって決められた従来のどのような方法によっても維持することができる。検知器に関する光源の空間の関係を維持する他のよく知られた手段は、予想することができる。
【0045】
近赤外光を扱う場合、光源18は、化合物半導体ベース(例えばガリウム 砒素またはガリウム アルミニウム 砒素)の赤外範囲(805ナノメーターまたは880ナノメーターの波長で)を扱う光放射ダイオードまたはどのような類似の光源でもあり得る。放射検知器22は、放射を検知できるどのようなデバイスでも、例えば、適切に構成された出力増幅段階に結合された光ダイオードであり得る。シリコンまたはゲルマニウムを含む、よく知られたどのような半導体も、光ダイオードを形成するために用いることができる。本発明のシステムに用いるのに適した商業的に利用可能な光源および検知器のパッケージは、Fourier システムズ会社(30350
ジョージア アトランタ ハントクリフ トレース 9635)からモデルDT155(0-5電圧出力)として利用可能なものである。
【0046】
広い範囲の白色光(400〜800ナノメーター)を扱うために、光源18は、化合物半導体ベースの「白色LED」(例えば、広い範囲の白色光の放射を供給するために、適した亜リン酸を有するインジウム ガリウム 窒化物をベースとしたデバイスを利用する光照射ダイオード)であり得る。検知器22は好ましくは、適切に構成された出力増幅段階に結合されたシリコン光トランジスタである。
【0047】
光源18と検知器22は、あらかじめ決められた関連する位置においてモニターする織物16に取り付けられている。その位置は、検知器22による入射放射の受け入れが、織物が伸びまた回復するとき、モニターする織物16によって反射された受け入れ孔27の中への光の総計における変化によって直接的に影響するように、あらかじめ決めることができる。好ましい場合では、光源18と検知器22は、モニターする織物16の織物構造の中に埋め込まれ、またはしっかりと固定される。光源18と検知器22は、限定はされないが、留め金留め、糊付け、縫い付け、テープとめ、またはホックおよびループファスナー(ヴェルクロ)を含む、よく知られたどのような取り付け方法を用いても固定することができる。任意に、光源と検知器の両方を織物16から離れて、および織物16と直接接触しないで配置することが、本発明の、ある動作上の構成(例えば、対象Sがトレッドミル上にいるとき)において望ましいかもしれない。そのような離れた配置において、光源18と検知器22は、伸びまた回復する間、放射の反射における変化を検知器22が検知するような、どのような配置にも置くことができる。
【0048】
図1(および図3Aおよび3Bに関してより十分に論議される)において示される動作上の構成において、光源18と検知器22の両方が、モニターする織物16のパッチ14の外側の表面16Eに取り付けられる。光源18のための適した電源26は、衣服12内に便利よく維持することができる。電源26は、限定はされないが、バッテリーを含む、この技術において周知の従来のどのような電源でもあり得る。
【0049】
システム10はさらに、入射放射に応じてそれによって生じる信号を記憶するための、検知器22に連結された信号取得および記憶ユニット28を含む。電気的伝導パス32が、どのような適切な電気的構成においても、赤外源18、検知器22、電源26および信号記憶ユニット28へ相互連絡するために、衣服12内に供給される。
【0050】
伝導パス32を形成する1つの便利な方法は、衣服12の中に伝導性フィラメントを編む込むか、織り込むことである。そのような用途に適した1つの伝導性フィラメントは、前述のX-static糸である。その代わりに、ワイヤーを織物へ付けないように配置することができる。
【0051】
伝導パス32を形成する他の方法は、電気伝導性インクを用いて、伝導パスのパターンをスクリーン印刷することである。例えば、シルバーインク5021またはシルバーインク5096として、NC27709、リサーチ トライアングル パークのデュポン マイクロサーキット マテリアルズによって販売される電気伝導性インクを含む、どのような伝導性インクも使用することが可能である。シルバーインク5021のインクは、曲げやすい基体上に低い電圧の循環を作り上げるのに有用であり、一方、シルバーインク5096は、極端なしわ状態に直面する状況における用途が示唆される。シルバーインク5021は高い伝導性を有するけれど、シルバーインク5096はより容易に広がり、衣服12の織物のファイバーの間に、より容易にブリッジを形成することができる。
【0052】
一旦、信号が放射検知器22によって受信されると、信号処理装置34は、衣服12を着用する対象Sのあらかじめ決められたパラメーター(例えば呼吸ペース、心拍数)の少なくとも1つ(または複数)を表わす信号の中へのその上の入射放射を表わす、検知器22からの周期的に変化する信号出力を変換するために使用することができる。好ましい例において、信号処理装置34は、適切にプログラムされたデジタルコンピュータを含む。しかしながら、この技術に熟練した人々に周知のどのような信号処理装置も使用可能である。
【0053】
記憶ユニット28内に記憶された検知器22からの信号は、対象Sの生理学上のパラメーターを表わす信号への変換のためのどのような都合のよい方法においても、信号処理装置34へ転送することができる。例えば、記憶ユニット28と処理装置34との間の転送は、図1における参照数字36によって指し示される領域に示唆されるように、固いワイヤー接続または空間を介したワイヤレス(例えばワイヤレス ハイ スピード データ コミュニケーションズの熟練した専門家に周知の2.4GHzおよび802.11a/bまたは802.11g プロトコルを用いたワイヤレスLAN)のいずれか一方または光伝送リンクによって達成することができる。
【0054】
検知器22からの信号は、未処理の信号であり、対象Sの少なくとも呼吸周期および心拍数を含む周波数の合成からなる。不可避のノイズ源が全体の波形に寄与する。そのようなノイズ源は、対象Sまたはモニターする織物16の本筋でない動きから生じると信じられ、呼吸または心拍数に関連しない。これらのノイズ源は、適切な電子のフィルター技術を用いてフィルターすることができる。特に、適切に選ばれた高周波または低周波パスフィルターは、よりきれいな未処理の全体の波形を作ることができる。そのようなフィルターは、呼吸のみに関連する信号または鼓動のみに関連する信号を得るために、この技術において熟練した人々に周知の方法により選ぶことができる。同等に、周知の信号ノイズ源を低減するフィルターはまた、データ取得システムにおいて容易に利用することができる。
【0055】
図1に示された信号処理装置34は、衣服から離れた場所に配置されているが、衣服に物理的に取り付けることができる適した寸法のパッケージ内に処理装置を提供することが本発明の意図内にあることが理解されるべきである。そのような例では、検知器22からの出力は、処理装置34内の適切なメモリに直接緩和することができる。
【0056】
本発明の動きモニターシステムの動作は、図3A〜3Dを参照してより明瞭に理解することができる。始めに言及したように、光源18と検知器22の両方は、モニターする織物16の同一表面、典型的には外側の表面16E上に取り付けられ、または隣接している。
図3Aと3Bに示された例において、光源18は、参照番号17によって示される概して円形のスポットを照らすように置かれている。適切な光学(例えば光源18上のオブジェクト レンズ)を用いて、スポット17の寸法を、織物を形成する糸16Yのどのような任意の数を含む領域上に焦点を合わせ、または糸16Yの単一のフィラメントのみを含む領域上さえに焦点を合わせるように、調節して選択することができる。
【0057】
光源18は、検知器22に対するその相対的な位置を維持するように配置される。例えば、光源18と検知器22は、空間的な関係を維持するように共にしっかりと接続することができる。光源18と検知器22は、「衣服のピン」またはワニ形留め具を用いて、モニターする織物16に取り付けることができる。検知器22に対する光源18の空間の関係を維持するよく知られたどのような手段も、放射検知器22の光反応面が置かれ、および織物16から伸びる参照軸24について定義された受け入れ孔27と一致するように用いることができる。
【0058】
モニターする動作とシステムは、周期的で生理学上の呼吸運動をモニターする文脈において説明される。図3Aは伸ばされない状態における織物16を説明し、一方、図3Bは伸ばされた状態の織物16を説明する。図3Bに示された伸びは、周期的で生理学上の呼吸運動のような運動によって引き起こされ得る。図3Aと3Bは概略的であり、縮尺で製図するようには描かれていないことに注目すべきである。例えば織物の2次元の動きのみが示されるけれども、すべての方向の動きが予期される。上で説明したように、対象Sまたはモニターする織物16の本筋でないどのような動きも、適切なフィルター技術を用いてノイズとしてフィルターすることができる。
【0059】
図3Aで表わされるように、伸ばされない状態では、モニターする織物16の糸16Yを形成するフィラメントは、相対的に狭いギャップ16Gのパターンを定義するために、互いの相対的に接近した間隔以内に置かれている。4つの代表する光線18A、18B、18Cおよび18Dは、照明のスポット17以内に当たるように説明されている。適切な光学(光源18の上のオブジェクティブレンズ)を用いて、織物を形成するどのような任意の数の糸16Yを含む領域に焦点を合わせるか、または糸16Yの単一のフィラメントのみを含む領域に降りるように、スポット17の寸法を調整可能に選択できる。
【0060】
光線18Aと18Bの両方は、両方の光線が織物16の表面16Eから反射され、検知器22による収集のため、受け入れ孔27を通るように、「有効光」の光線を定義する。光線18Aは、織物16を構成する糸16Yのフィラメントの1本との相互作用によって、織物16の表面16Eから鏡のように反射する。光線18Bは、糸16Yのフィラメントの量の中へ入ることおよび出ることが可能なように示される。図3Bが糸の中の光線18Bの隣接しない入るおよび出るポイントによって示すように、光線は、受け入れ孔27の方へフィラメントから出る前に、複合的な内部の反射を介して向けることができる。このメカニズムは検知器22によって受けられる光の総計に影響を与えるかもしれないが、18Bのような光線は、本発明に意味深く影響するとは信じられない。
【0061】
光線18Cおよび18Dは「無効」光の光線である。図3A中の光線18Cは、織物16を構成するフィラメント16Yの1本と互いに影響し合い、軸24から離れて分岐する道内で反射する。このように光線18は、受け入れ孔27を通らない。結果として、光線18は検知器22によって集められず、「無効」光となる。光線18Dは織物16のフィラメント16Yの1本と互いに影響し合い、織物16から反射されず、しかしその代わりに、織物16の中に吸収される。そのような光線18Dは、受け入れ孔に入らず、検知器22への「無効」光でもある。光は、光線(図示せず)が糸内で複合的な反射を受けないで、フィラメントから出るとき、同様に失われるが、受け入れ孔27から離れて向かう。
【0062】
図3Bに示されるように、織物が伸びるとき、モニターする織物16内に形成されたギャップ16Gの寸法も増加する。このギャップ16Gの寸法の増加は、光子が検知器の方へ有効に反射する可能性を減少させる。このように有効光(例えば光線18A)の光線の数は、図3Aに示される状態から減少し、一方、分岐または他のメカニズム(例えば光線18Bと18Cで表わされる)によって検知器22へ無効の光子の数は、増加する。検知器22からの信号出力は、付随して落ちる。吸収された(例えば光線18Dで表わされる)光子の数は、必ずしも変化しないが、スポット17の寸法以内の糸16Yの総計は減少し、光線は糸16Yに当たり、反射または吸収されることはたぶん少なくなる。
吐き出しの間、対象Sの体は収縮するので、織物16はその伸びの弾性回復フェイズを経る。ギャップ16Gはそれらの元の寸法に戻る(図3A)。光の相対的に多い部分は、検知器22の方へ再び有効に反射され、そこから出力信号を増加させる。
【0063】
連続して見られるように、これらの出来事は、伸長と回復の伸び周期を定義する。モニター システムの検知器22で発生した信号は、図3Cに表わされるように、最初の状態から中間の状態に変化し、最初の状態に戻る。この図は、伸び周期の過程の間、織物の光バランス(図3C中の参照文字「LB」)が変化することをグラフを用いて説明する。最初と吸入状態(図3C中のそれぞれ参照数字「I」と「II」で示される)との間、および吸入と吐き出し状態(図3C中のそれぞれ参照数字「II」と戻る「I」で示される)との間の比較は、検知器による収集のための受け入れ孔27を通りモニターする織物16によって反射された光の総計が、織物が伸びるとき、超過して周期的な形で変化する。吸収によって検知器22への無効光は無視されることに注目すべきである。このように図3Cにおいて、最初の状態(「I」)で、「LB」の下の底部分によって表わされる有効光は、「LB」の上の上部部分によって表わされる無効光よりも多い。対照的に、吸入の状態(「II」)で、「LB」の下の底部分によって表わされる有効光は、「LB」の上の上部部分によって表わされる無効光よりも少ない。
【0064】
光バランスにおけるこの周期的な変化は、織物の伸びの伸長および回復段階に同期する「I」から「II」、「I」への時間変化信号として、図3Dによって表わされる。この信号は、伸長および回復を引き起こす力を供給する、基本的な生理学上のプロセスの一時の測定である。
【0065】
回復が後から起こる伸長の、連続した織物の伸び周期は、時間において同期される光バランスにおける周期的な変化を供給する(図3Dに示される)。このように、織物の伸び周期は、基本的で生理学上のプロセスの頻度によってなされた関連した頻度を有する。頻度または基本的で生理学上のプロセスの頻度または織物の伸び周期を御するどのような動きの頻度を測定するために、検知器22からの出力は、データ取得装置28に向けられる。一般的に、データ取得装置28は、ソフトウェアにおいてユーザーが選択可能な、検知器信号サンプリング率を含む。例えば、普通の人間の呼吸数の頻度(毎分15〜20)が測定されるなら、適切な検知器信号サンプリング・レートが100ヘルツより小さいか同じに選ばれる。取り出された信号は、ソフトウェアまたはハードウェアで達成された、よりきれいな未処理の信号を作るために適切に選ばれたハイまたはローパスフィルターで任意にフィルターされる。データ取得装置28から得られ、結果として生じた波形は、適切なコンピューター(例えば、デル コンピューター会社のモバイル ペンティアム(登録商標) III、750メガヘルツ CPU)内にダウンロードされ、記憶される。記憶されたタイム ドメイン信号は、フォーリア(Fourier)周波数デコンヴォリューション アルゴリズムを用いた、この技術に熟練した人々に周知の、ソフトウェア方法によりフリークエンシー ドメイン スペクトラムに分解可能である。フォーリア方法によって予期される選ばれた最も低い周波数よりも大きいどのような周波数も、周波数ドメイン スペクトラム内に現われ、例えば求められた呼吸数と、このように同一のものと確認できる。例えば、一般的な呼吸数よりも高いまたは低い頻度はまた、フォーリア方法を用いて、信号処理技術における周知のバリエーションによって分解可能である。
【0066】
この技術に熟練した人々はまた、今まで述べたような本発明の基本的な原理が、体の動きをモニターするのに望まれる、他の状況の多様性に適用することができることを認めるだろう。例えば、他の実施形態では、本発明の動きモニターシステムは、多要素構造の要素の動きをモニターするのに使うことができる。
【0067】
そのような使い方のための動きモニターシステムは、モニターする織物から形成される少なくとも一部で、織物マントを含む。「織物マント」という用語は、構造の構成要素(全体または部分)を被覆するどのような織物構造も包含する。
【0068】
織物マントは、その動きがモニターされる構成要素の上にどのような便利な方式においても配置される。同じように今まで述べたように、光源18と検知器22は、織物が伸び周期を経るとき、検知器22に対する無効光の総計に対する、検知器22による収集のための受け入れ孔27を通しての織物16から反射される有効光の総計が、構成要素の動きに応じて変化するように、相関する位置に織物マントに取り付けられる。
【0069】
前記のことから、本発明の織物、衣服およびシステムが、衣服の着替えまたは胸や体のストラップやクランプを使用することなしに、対象Sの1つまたはそれ以上の生理的パラメーターをモニターするための、特に有用な出過ぎない技術を提供するということを認識することができる。
【0070】
衣服やマントの中に組み込まれるときのように、織物が用いられるとき、伸長および回復の伸び周期は、受け入れ孔へ向かうモニターする織物による反射された総計を変化させる。
【0071】
それに加えて、上記のように本発明の技術の利益を有する、この技術に熟練した人々は、変更することができる。そのような変更は、添付の請求の範囲で定義されるように本発明の範囲内にあるように組み合わされる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、対象Sの胴の上に着用されるように寸法を合わせて作られた、本発明に一致する織物を有する衣服を含む、対象Sの少なくとも1つの生理学上のパラメーターをモニターするシステムの様式化した図である。
【図2】図2は、本発明の織物の反射反応を説明する様式化した図である。
【図3】図3Aおよび図3Bは、本発明のモニターシステムの動作を説明する概略図、図3Cは、光のバランス、すなわち、織物が伸び、また回復するとき、受け入れ孔への光損失の総計に対する、織物によって反射される有効光の受け入れ孔への総計における変化のグラフ用いた図、図3Dは、織物の伸びおよび回復の間の光バランスにおける変化を表わす信号、周期時間のグラフを用いた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物が、約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされるとき、光反射特性を有し、実質的に光透過特性を有さず、
前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対して失われる光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計が、前記織物が伸びるときに変化する織物。
【請求項2】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項1記載の織物。
【請求項3】
着用者の少なくとも1つのあらかじめ決められた生理学上のパラメーターをモニターするためのモニター システムに用いるための衣服であって、
織物が約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされるとき、光反射特性を示し、実質的に光透過特性を示さない前記織物から形成される前記衣服の少なくとも一部を有し、
前記織物が伸びるとき、前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対する無効光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔への中への有効光の総計が、前記衣服の着用者の少なくとも1つのあらかじめ決められた生理学上のパラメーターに応じて検知可能に変化する衣服。
【請求項4】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項3記載の衣服。
【請求項5】
着用者の少なくとも1つのあらかじめ決められた生理学上のパラメーターをモニターするためのシステムであって、
約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で織物が照らされたとき、光反射特性を示し、実質的に光透過特性を示さない前記織物を含む衣服と、
前記織物が伸びるとき、前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対する無効光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計が、前記衣服の着用者の少なくとも1つのあらかじめ決められた生理学上のパラメーターに応じて検知可能に変化し、
約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する少なくとも1つの光源と、
前記受け入れ孔内に配置された少なくとも1つの検知器とを含み、
前記織物が伸びるとき、前記検知器によって検知された入射放射の検知量が、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計における変化によって直接的に影響されるように、前記光源と前記検知器が相関的な位置において前記織物に関係しているシステム。
【請求項6】
前記システムはさらに、
前記検知器上に入射する約440〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する放射を表わす前記検知器からの信号を、衣服の着用者のあらかじめ決められた生理学上のパラメーターを表わす信号に変換する信号処理装置を含む請求項5記載のモニター システム。
【請求項7】
前記織物は、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項5記載のモニター システム。
【請求項8】
前記織物は、前記衣服から分離可能である請求項5記載のモニター
システム。
【請求項9】
前記織物は、前記衣服と一体的である請求項5記載のモニター システム。
【請求項10】
前記信号処理装置は前記衣服内に取り付けられ、前記衣服は、
前記衣服の上または中に配置され、前記検知器と前記信号処理装置に接続された伝導路を含む請求項5記載のモニター システム。
【請求項11】
構造の動きをモニターするためのシステムに用いられる織物であって、
前記織物は、前記構造の上または近くに配置され、
前記織物は、前記織物が約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされるとき、光反射特性を示し、実質的に光透過特性を示さず、
前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対して失われる光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計が、前記織物が伸びるときに前記織物が配置された構造の動きに応じて検知可能に変化する織物。
【請求項12】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項11記載の織物。
【請求項13】
構造の動きをモニターするためのモニター システムに用いられる織物マントであって、
織物が約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされるとき、光反射特性を示し、実質的に光透過特性を示さない前記織物から形成される前記マントの少なくとも一部を含み、
前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対して失われる光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計が、前記織物が伸びるときに前記マントが配置された構造の動きに応じて検知可能に変化する織物マント。
【請求項14】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項13記載の織物マント。
【請求項15】
構造の動きをモニターするためのシステムであって、
織物が約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされるとき、光反射特性を示し、実質的に光透過特性を示さない前記織物から少なくとも一部が形成され、前記構造の少なくとも一部に取り付けられた織物マントを含み、
前記織物が伸びるとき、前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔に対する無効光の総計に対する、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計が、第1の構成要素の動きに応じて検知可能に変化し、
約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する少なくとも1つの光源と、
前記受け入れ孔内に配置され、約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する入射放射に反応し、それを表わす信号を生じる少なくとも1つの検知器とを含み、
前記織物が伸びるとき、第1の構成要素の動きに応じて、前記検知器による入射放射の検知量が、前記織物によって反射された前記受け入れ孔の中への有効光の総計における変化によって直接的に影響されるように、前記光源と前記検知器が相関的な位置において前記織物に関係しているシステム。
【請求項16】
前記光源と前記検知器が前記織物に取り付けられている請求項15記載のモニター システム。
【請求項17】
前記システムはさらに、
前記検知器上に入射する約440〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する放射を表わす前記検知器からの信号を、前記第1の構成要素の動きを表わす信号に変換する信号処理装置を含む請求項15記載のモニター システム。
【請求項18】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項15記載のモニター システム。
【請求項19】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示す請求項1記載の織物。
【請求項20】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示す請求項3記載の衣服。
【請求項21】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示し、
前記光源は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する放射を供給し、
前記検知器は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する放射に反応する請求項5記載のシステム。
【請求項22】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示す請求項11記載の織物。
【請求項23】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示す請求項13記載の織物マント。
【請求項24】
前記織物は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する光で照らされたとき、光反射特性を示し、
前記光源は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する放射を供給し、
前記検知器は、約400ナノメーター〜約800ナノメーターの範囲の波長を有する放射に反応する請求項15記載のモニター システム。
【請求項25】
織物の動きをモニターする方法であって、
光反射特性を有し、実質的に光透過特性を有しない織物に向かって、約400〜約2200ナノメーターの範囲の波長を有する光を向け、
前記織物を伸ばし、
前記織物の伸びと前記織物の回復の間、前記織物から伸びる軸について定義された受け入れ孔の中へ前記織物によって反射される光の総計を測定する方法。
【請求項26】
前記織物が、
第2の複数の伸びる糸といっしょに編まれ、または織られた第1の複数の反射糸を含み、
各前記伸びる糸は、被覆された弾性糸と固い糸の組み合わせとして形成されている請求項25記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−504911(P2007−504911A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526364(P2006−526364)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/029792
【国際公開番号】WO2005/046476
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】