説明

体位制御のためのシステムおよび方法

装着型体位療法装置の使用者の体位を制御するためのシステムおよび方法を提供する。装着型体位療法装置は、使用者の睡眠の質および睡眠体位の評価に使用可能な生理的信号をモニタリングおよび保存するように構成できる。装置は、使用者の頭、首、または身体の周囲に装着するように構成できる。装置は、使用者が、体位を変えるよう使用者を仕向ける対象とする体位で眠っているか、または対象とする体位である場合に、使用者に対してフィードバックを提供するように構成できる。フィードバックは、様々なレベルのフィードバックを提供するように構成できる1つまたは複数の触覚モーターによって提供でき、フィードバックのレベルは、フィードバックに対する使用者の反応に基づいてカスタマイズできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して睡眠障害の治療分野に関し、より詳細には、睡眠障害を治療するために体位療法(PDT)を用いるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)という診断結果となる睡眠呼吸障害は、睡眠中における上気道の部分的虚脱または完全虚脱の結果として生じる。いびきは、上気道が虚脱しやすい最初の兆候であり、呼気流の制限につながる可能性がある。気道の部分的虚脱の原因となるより大きな閉塞は、呼吸低下および1回換気量における認識可能な変化を引き起こす。完全虚脱は、呼吸停止、一般に無呼吸と呼ばれるイベントをもたらす。無呼吸/呼吸低下指数(AHI)が、OSA重症度の定義に使用される基準であり、睡眠1時間当たりの睡眠呼吸障害イベントの総数に基づく。
【0003】
OSAのある患者が仰臥位の場合、重力によって、睡眠中に気道の部分的虚脱または完全虚脱が起こりやすくなる。咽頭の軟組織における最も頻繁に引用される重力の影響は、舌が口蓋に接触して落ち込みやすくなり、既に障害が起こっている気道の狭窄を引き起こすことである。影響を受けやすい気道は、例として、仰臥位では大いびきをかき、仰臥位でない場合はわずかにいびきをかくか全くかかないこともあり得る。障害の程度がより重い気道の場合は、仰臥位でない場合の大いびき、仰臥位での呼吸低下(部分的虚脱)または無呼吸(完全虚脱)の繰り返しとなり得る。このパターンは、「体位性(positional)」睡眠呼吸障害のある患者と典型的に関連する。「非体位性」OSAとして知られる、気道が重度に障害された患者では、咽頭は、非仰臥位睡眠中に部分的虚脱であり、仰臥位睡眠中に完全虚脱であり得る。仰臥位睡眠中の重力の影響は、肺気量および酸素貯蔵の減少の一因となり、閉塞性呼吸中の酸素飽和度の低下レベルを増大させる。
【0004】
体位性および非体位性OSAの患者では、気道長および頭蓋顔面特徴が側臥位での陰圧パルス(negative pressure pulses)に対するオトガイ舌筋の反応性に影響を与える、2つの異なるが重複する病因が形成されることが、証拠から示されている。OSAと診断された全患者のうちの体位性OSAの推定罹患率(すなわち、仰臥位AHIは、非仰臥位AHIより少なくとも2倍多い)は、55〜65%であり、ほとんど仰向けだけで眠る(例えば、夜間の95%を超える)患者を除いた後、睡眠呼吸障害と診断された患者の50%以上が、仰臥位での睡眠を避けることにより、彼らのAHIを少なくとも50%および/または正常範囲までに減らすことができた。仰臥位睡眠が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を重症化させるため、体位療法は、OSAのある患者の血圧を大幅に低下させる効果があることが、研究で示されている。体位療法は、睡眠呼吸障害の治療成果を高めるため、他の療法と組み合わせることができる。患者が仰臥位ではなく側臥位で眠ると経鼻持続的気道陽圧法(CPAP)の圧力を減らすことができ、CPAPコンプライアンスの高まりが圧力の低下に関連付けられたことを、幾人かの研究者が実証している。
【0005】
本質的にユーザーが仰臥位で眠ると寝心地を悪くする力学的手段を用いることにより、いびきまたは睡眠時無呼吸の重症度を低下させるための体位療法の必要性に対応するために、多量のシャツ、ベスト、ベルト、枕および他の発明品が試みられてきた。これらの発明品のいくつかの例に、テニスボールに代わるかさばる物を提供するため、発砲スチロールが詰まったナップザックがあり、これは仰臥位での睡眠を不可能にする。この種の体位制限は、ノンコンプライアンスが原因による臨床効果のないものに限定されることが少なくも1つの研究で実証されている。これらのアプローチの最大の欠点は、その療法が、患者が寝入る前に開始されることである。CPAP療法で示されるように、患者が眠りについた後にそれが開始される場合、患者はなお一層療法に耐える。
【0006】
仰臥位睡眠を制限するために発明された電子装置の数は、実質的には少ない。米国特許第5,081,447号に記述されている1つの装置は、2つの重力位置センサー(gravity position sensor)および使用者に体位を変えさせる音声アラームを使用する。このアプローチの1つの欠点は、アラームが作動するたびに、使用者のベッドパートナーも目が覚めることである。米国特許第5,381,801号に記述されている代替的アプローチは、使用者によって装着されたベルトのポケットに挿入されたモーターを用いる電気機械的振動を利用することによって仰臥位睡眠を制限する。触覚刺激の利用は、睡眠者の下側の面に接触することによって作動するベルトのポケット内部の電子スイッチへの接近に依存する。
【0007】
体位療法は、いくつかの病状に対して重要な治療効果を提供する可能性がある。例えば、急性虚血性脳卒中の患者の63%以上は、一晩中、仰臥位で眠る。仰臥位での睡眠は、チェーン・ストークス呼吸、すなわち、中枢性睡眠時無呼吸も重症化させる。妊娠の第2期および第3期に仰臥位睡眠を避けると、大動脈血管の圧迫を低下させて、胎児への血流を改善する。体位フィードバックの適用における調整は、股関節手術から回復しつつある患者が仰臥位以外の体位で眠るのを避ける役に立つ。身体要素(例えば、腕、脚、手、手首、足首、膝など)の位置の測定およびそれに関するフィードバックは、けがのリハビリテーションあるいは、使用者が特定の体位/姿勢を見つけるかまたは維持することを必要とする訓練または動作において有用であり得る。それ故、体位療法の潜在的利益は明らかであるが、睡眠体位に作用または影響を与える従来型のシステムおよび方法は、概して効果のないものであった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
装着型体位療法装置の使用者の体位を制御するためのシステムおよび装置が提供される。一実施形態において、装着型体位療法装置は、他の活動中と同様に、使用者の睡眠の質および睡眠体位の評価に使用できる生理的信号をモニタリングおよび保存するように構成される。装置は、使用者の頭、首、または身体の周囲に装着するように構成でき、かつ/または情報を共有するために無線で接続されている2つ以上のユニットから構成できる。装置は、使用者が眠っているか、または体位を変えるように使用者を仕向ける対象とする体位である場合に、使用者に対してフィードバックを提供するように構成できる。例えば、その装置は、OSA患者および妊娠している使用者など、仰臥位での睡眠が推奨されない使用者のために、使用者が仰臥位で眠る時間を制限するように構成できる。フィードバックは、様々なレベルのフィードバックを提供するように構成可能な1つまたは複数の触覚モーター(haptic motor)によって提供でき、フィードバックのレベルは、そのフィードバックに対する使用者の反応に基づいてカスタマイズ可能である。
【0009】
一実施形態では、使用者の体位に影響を与えるための装着型体位療法装置が提供される。その装置は、使用者の体位を判断するために使用できる体位信号データを生成するように構成された体位検出器、その装置の使用者に対して触覚フィードバックを生成するように構成された触覚フィードバック装置、およびマイクロコントローラを含む。マイクロコントローラは、体位検出器からの信号データを受信および分析して、その装置の使用者が対象とする体位であるか否かを判断し、その装置の使用者が対象とする体位である場合には、その使用者を異なる、対象以外の体位に仕向けるために、触覚フィードバック装置にその使用者に対して触覚フィードバックを提供させる制御信号を生成するように構成される。一実施形態では、体位療法装置は、使用者の睡眠体位に影響を与えるように構成でき、使用者が睡眠中に装着できる。対象とする体位は、対象とする睡眠体位にすることができ、マイクロコントローラは、その装置の使用者が対象とする睡眠体位の場合に、その使用者を異なる、対象以外の睡眠体位に仕向けるために、触覚フィードバック装置に、使用者に対して触覚フィードバックを提供させる制御信号を生成するように構成できる。
【0010】
別の実施形態では、装着型体位療法装置を用いて使用者の体位に影響を与えるための方法が提供される。その方法は、使用者の頭、首、身体、胴体、手、手首または膝に体位療法装置を適用すること、使用者がその装置の装着中に、使用者の体位および挙動を判断するために体位信号データを収集すること、使用者が対象とする体位であることを体位信号データが示しているか否かを判断すること、および、使用者が対象とする体位である場合に、使用者を異なる、対象以外の体位に変えるよう仕向けるために使用者に対して触覚フィードバックを生成することを含む。一実施形態では、その方法は、装着型体位療法装置の使用者の睡眠体位に影響を与えるために利用可能であり、体位信号データは、使用者が対象とする睡眠体位であるか否かを判断して、使用者が対象とする睡眠体位である場合に、異なる、対象以外の睡眠体位に変更するように使用者に影響を与えるために、使用者に対して触覚フィードバックを提供するために使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態による、対象とする体位での睡眠をモニタリングして減少させるように構成された体位療法装置の主な電子的構成要素および回路を示す。
【図2】一実施形態による、睡眠体位を変えるように使用者を仕向けるための触覚フィードバックを提供するために、図1に示す体位療法装置を用いて、対象とする体位での睡眠を減らすための基本的なアプローチの流れ図である。
【図3】一実施形態による、睡眠体位を変えるように使用者を仕向けるための触覚フィードバックを提供するために、図1の体位療法装置を用いて睡眠体位をモニタリングして、影響を与えるための別の方法を示す。
【図4】一実施形態による図1の体位療法装置によって取得されたデータの処理および分析を行うための方法を示す。
【図5】一実施形態による体位療法装置の図である。
【図6】一実施形態による首の周囲に装着する体位療法装置を示す。
【図7】背中に装着する体位療法装置を示す。
【図8】体位療法装置と共に加速度計から取得可能であって、一実施形態による体位療法装置によって収集されたデータから生成される体位療法レポートに含むことが可能な臨床情報を示すためのサンプルの睡眠経過図(hypnogram)を使用する。
【図9】無線送受信機を含む、図1に示す体位療法装置の代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
使用者の体位に影響を与えるシステムおよび方法が提供される。各実施形態は、使用者の身体の体位への影響を制御するために使用可能であり、いくつかの実施形態は、使用者の睡眠体位に影響を与えるために使用できる。装置は、使用者の頭、首、または身体の周囲に装着するように構成可能である。装置は、使用者が睡眠中であるか、または体位を変えるように使用者を仕向ける対象とする体位である場合、使用者に対してフィードバックを提供するように構成可能である。例えば、装置は、OSA患者および妊娠している使用者など、仰臥位での睡眠が推奨されない使用者に対して、使用者が仰臥位で眠る時間を制限するように構成できる。フィードバックは、様々なレベルのフィードバックを提供するように構成可能な1つまたは複数の触覚モーターによって提供可能であり、フィードバックのレベルはフィードバックに対する使用者の反応に基づきカスタマイズできる。
【0013】
一実施形態によれば、使用者の睡眠の質および睡眠体位を評価するために使用可能な生理的信号をモニタリングおよび保存するように構成されている、装着型体位療法装置が提供される。その装置は、使用者の頭、首、または身体の周囲に装着できる。その装置は、体位療法装置が、使用者が対象とする体位で眠っていると判断した場合、睡眠体位を変えるように使用者を仕向けるための触覚フィードバックを提供するように構成できる。一実施形態では、装置の形状ファクタは、装置の装着中に使用者の睡眠力を妨げないように快適である。また、その装置は、使用者が自分で簡単に装着できる。装置は、使用者の睡眠体位に影響を与えるために、触覚フィードバックを含め、フィードバックを提供するように構成できる。適用フィードバックルーチンは、使用者が対象とする睡眠体位に戻らない可能性を低めながら、睡眠継続の中断を最小限にするために含めることができる。フィードバックの適用は、フィードバックの開始後に睡眠体位の変化を比較するため、最初に基準睡眠データを取得するために装置を装着できるよう、一時的に設定できる。夜間に記録された信号は、総睡眠時間および睡眠効率、いびきの頻度と大きさ、ならびに体位による睡眠時間の割合など、治療のコンプライアンスおよび効果の評価に有用なパラメータを評価するために分析可能である。
【0014】
体位療法装置の実施形態は、使用者が眠っていないが、使用者が特定の体位を避ける方が望ましい用途でも使用可能である。例えば、妊娠高血圧腎症の妊娠している使用者は、医師によりベッドに安静に寝かされて、病状の悪化を防ぐために、睡眠時および覚醒時の両方で、仰臥位を避けるよう指示され得る。
【0015】
一実施形態によれば、対象とする体位は、体位療法装置が、使用者がその体位を取るのを阻止する体位としても定義できる。いくつかの実施形態では、許容可能な体位のセットを定義でき、使用者が許容可能な体位のセットに含まれていない体位に移行すると、その体位を対象とする体位と見なすことができ、許容可能な体位の1つの体位に変えるように使用者を仕向けるために、使用者に対してフィードバックを提供するように体位療法装置を構成できる。このアプローチは、使用者がある体位を取る訓練のために体位療法装置が使用できる教育または訓練の実施に有用であり得る。
【0016】
図1は、一実施形態による体位療法装置(PTD:Position Therapy Device)100の機能要素および回路を識別するブロック図である。PTD 100は、使用者の頭、首、または身体に装着するように構成できる。いくつかの実施形態では、PTD 100は、使用者の身体の体位に影響を与えるために、睡眠中に装着可能である。他の実施形態では、PTD 100は、使用者が、避けるべき所定の対象とする体位を取った場合に使用者に対してフィードバックを提供するために、使用者の覚醒中に装着可能である。一実施形態では、PTD 100は、マイクロコントローラ130、触覚フィードバック装置140、電源150、バッテリー155、再充電回路160、および体位検出器110を含む。図1は、PTD 100の様々な構成要素を、相互に通信を行っているものとして示している。各構成要素は、有線または無線接続を経由して相互に通信可能である。
【0017】
体位検出器110は、使用者の睡眠体位を判断するために、PTD 100によって分析できる信号データを生成するように構成される。例えば、体位検出器110は、使用者が仰臥位であるか否を判断するために使用できる。一実施形態によれば、体位検出器110は、加速度計を備えることができる。代替実施形態によれば、加速度計の代わりに、圧力スイッチまたはセンサーが使用できる。PTD 100が使用者の首または使用者の背中に装着されるとき、圧力スイッチまたはセンサーは、使用者が仰臥位で就寝または横になっている場合を検出するために使用できる。
【0018】
一実施形態によれば、PTD 100は、使用者が睡眠中に音声データを捕捉するように構成可能なマイクロホン105を含むことができる。この音声データは、睡眠障害を引き起こしている可能性のあるいびきおよび/または他の可聴症状を検出するために、PTD 100によって分析できる。いびきは、閉塞性呼吸の指標であり得、PTD 100は、使用者が仰臥位での睡眠を推奨されないOSAのための治療法において使用可能である。一例では、マイクロホン105は、いびきの大きさと頻度を評価するための音声信号の捕捉に使用できるが、それは、位置依存の可能性がある。好ましい実施形態では、いびきの定量化レベルを取得するために、音響マイクロホンが使用される。代替実施形態では、音響マイクロホンの代わりに振動マイクロホンが使用できる。一実施形態では、PTD 100は、異なる睡眠体位に移行するように使用者を仕向けるために、使用者に対して触覚フィードバックおよび/または視聴覚フィードバックを提供するかどうかを判断するために、マイクロホン105によって捕捉された音声データを、体位検出器110によって生成された体位データと関連付けるように構成できる。例えば、OSAのある使用者は、PTD 100によって重度のいびきが検出されると、仰臥位以外で眠るように仕向けられ得る。
【0019】
図1に示す実施形態では、PTD 100は、充電式バッテリー155および、再充電回路260経由でのバッテリー155の再充電および/またはPTD 100への電力供給のために外部電源から電力を受け取るための電源150を含む、電力要素160を含む。バッテリー155は、外部の電源コードまたは電源につなぐ必要なくPTD 100が動作できるようにするが、それは装置の使用者にとって不便であったり、不快であったりした。好ましい実施形態では、バッテリー容量は、PTD 100が、使用者に対して必要な触覚フィードバックを提供しながら、複数日間に渡って夜間にデータの取得を可能にするのに十分である。
【0020】
一実施形態では、バッテリー155は、充電式リチウムポリマー電池でもよい。他の実施形態によれば、バッテリー155は、充電式または非充電式のいずれかの別の種類のバッテリーでもよく、いくつかの実施形態では、バッテリー155は、着脱交換式でもよい。一実施形態によれば、バッテリー155は、コンセントまたは標準USBホストに差し込む標準USB充電器を用いてバッテリー155を再充電できるようにするマイクロUSBコネクタを含む充電式バッテリーである。一実施形態では、再充電回路160は、主電源を使用してPTD 100への電力供給および/またはバッテリー155の再充電を行うために、標準的な壁コンセントに差し込む標準的なUSB壁充電器を含む。いくつかの実施形態によれば、装置に電力を供給するために、外部電源が使用できる。
【0021】
PTD 100は、データ記憶のためのメモリ170を含むことができる。一実施形態では、メモリ170は、取り外し可能なマルチメディアメモリカード(MMC)またはセキュアデジタルカード(SDカード)もしくは他の種類の取り外し可能な永続的メモリを含むことができる。別の実施形態では、メモリ170は、固定式フラッシュチップを含むことができる。一実施形態によれば、データ転送インタフェース175が提供される。一実施形態によれば、データ転送インタフェース175は、マイクロUSBもしくは、PTDから外部コンピュータシステムまたはウェブポータルへのデータのダウンロードを容易にするため、マイクロコントローラ130によって実行可能なファームウェアをメモリ170にアップロードするため、またはその両方のために使用できる同様の種類のコネクタを含むことができる。一実施形態では、データ転送インタフェース175は、バッテリー155の再充電のために再充電要素160に電力を供給するための機械的インタフェースも含むことができる。
【0022】
一実施形態によれば、ほとんどの市販のマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサ130は、PTD 100に適している。しかし、好ましい実施形態では、マイクロコントローラ130は、安価で、小型の低出力チップである。PTD 100は、マイクロコントローラ130で実行可能なファームウェアを含むことができる。ファームウェアは、データ記憶170またはマイクロコントローラ130のフラッシュメモリに格納できる。いくつかの実施形態によれば、ファームウェアは、データ転送インタフェース175を経由して外部コンピュータシステムから新しいファームウェアをダウンロードすることによって更新できる。
【0023】
一実施形態によれば、ファームウェアは、体位検出器110、マイクロホン105、および/または他のセンサーからデータを捕捉するために、PTD 100を記録モードで使用している間、マイクロコントローラ130の電力要件を最小限にするように構成できる。ファームウェアは、体位検出器110、マイクロホン105、および/または他のセンサーから受信したデータを分析し、PTD 100の使用者に対して触覚フィードバックを提供するために、視聴覚出力モジュール120および/または触覚フィードバック装置140を介して、装置の使用者に対してフィードバックを提供するように構成できる。一実施形態では、触覚フィードバック装置は、PTD 100の使用者に対して触覚フィードバックを提供するために、1つまたは複数の触覚モーターを含むことができる。一実施形態では、PTD 100は、様々な体位療法(PDT)データをメモリ170に格納するように構成できる。PTDデータは、体位検出器110および/またはマイクロホン105から受信したデータを含むことができる。PDTデータは、例えば、様々な時における睡眠体位、使用者の睡眠体位の変化、睡眠状態と覚醒状態、いびきデータ、ならびに/またはPDT 100によって記録および/もしくは生成可能な他のデータなどのデータを含むことができる。
【0024】
一実施形態では、PTD 100は、様々な体位療法(PDT)データをメモリ170に格納するように構成できる。PDTデータは、体位検出器110および/またはマイクロホン105から受信したデータを含むことができる。PTDデータは、様々な時における睡眠体位、使用者の睡眠体位の変化、睡眠状態と覚醒状態、いびきデータ、ならびに/またはPDT 100によって記録および/もしくは生成可能な他のデータなどのデータを含むことができる。
【0025】
一実施形態によれば、PTD 100は、顧客サービスサポートを支援するために、行動履歴をメモリ170に書き込むように構成できる。例えば、PTD 100のバッテリー155が充電された時、装置の電源がオンおよびオフにされた時、装置が使用者に関する睡眠評価データの記録を開始および停止した時に関する情報、ならびに他の情報が、メモリ170に書き込まれる行動履歴に含まれ得る。
【0026】
一実施形態では、データ転送インタフェースは、PTD 100によって捕捉されるデータの外部コンピュータシステムまたはウェブポータルへの転送を容易にするために、ユニバーサルシリアルバス(USB)データ転送チップを含む。別の実施形態では、USB転送能力は、マイクロコントローラ130に組み込み可能である。
【0027】
メモリ170は、使用者が装置の装着中に、PTD 100によって収集されたデータを格納するために使用できる。代替として、この情報は、マイクロコントローラ130のフラッシュに格納できる。フラッシュメモリへの保存時にデータ損失を防ぐため、ファームウェアは、バッテリー電力の低下を識別でき、データがダウンロードされるまで電力を保存できる。
【0028】
一実施形態では、データ記憶装置からのファイル転送の容易さと速度を向上させるため、USBフラッシュドライブチップをPTD 100に含めることができる。いくつかの実施形態では、USBまたはネイティブUSB経由でデータを転送する機能がマイクロコントローラ130によって提供される。一実施形態によれば、PTD 100は、USB接続を介して外部コンピュータシステムと接続でき、また、PTD 100は、USBヒューマンインタフェース装置として認識でき、それは、Microsoft Windows(登録商標)オペレーティングシステムおよび/またはウェブベースのソフトウェアによる装置の直接制御を可能にする。
【0029】
一実施形態では、PTD 100は、使用者が対象とする体位であることを認識すると、使用者に対して触覚フィードバックを提供するために、マイクロコントローラからの制御信号に応じて振動を生じるように構成できる1つまたは複数の触覚モーター140を含む。触覚フィードバックは、使用者が対象とする体位から体位を変える必要のあることを使用者に警告するために使用できる。一実施形態では、マイクロコントローラからの制御信号に応じて使用者に対して電気的刺激を与えるように構成される電子的フィードバックモジュールは、使用者の睡眠体位に影響を与えるために、触覚フィードバックの代わりに使用できる。一実施形態では、睡眠体位に影響を与えるために、触覚フィードバックの代替または追加として、音声エミッターが使用できる。
【0030】
一実施形態によれば、PTD 100の使い勝手を改善するため、使用者とやりとりする手段として視聴覚出力モジュール120が使用できる。一実施形態では、使用者にフィードバックを提供するために、音声回路またはスピーカーを介して音声メッセージが提供できる。例えば、音声メッセージは、PTD 100が適正な位置から外れたかまたは抜け落ちたことを示すために提供され得る。別の例では、音声メッセージは、バッテリー155が低下しているか、またはPTD 100のデータ記憶用メモリが不足していることを示すために提供され得る。当業者は、装置の使用を容易にするために、他の種類の音声メッセージが使用者に対して提供できることが分かるであろう。代替実施形態では、使用者が認識するように訓練可能な音声パターンの投射に音声エミッターが使用できる。例えば、音声エミッターは、装置がオンにされたか、または装置が抜け落ちた場合に、特定の信号を発するように構成し得る。
【0031】
別の実施形態によれば、PTD 100の電源が投入された時、バッテリー155が充電されたかまたはバッテリー155の再充電が必要な時、あるいはデータがPTD 100からの転送に利用できるかまたはデータがPTD 100から転送されている時を識別するために、発光ダイオード(LED)が使用できる。別の実施形態では、装置使用の操作に関して、使用者に対し、テキストメッセージ、アイコン、または他の視覚標識を表示するためにディスプレイが提供できる。例えば、PTD 100は、装置の使用者に対して情報を表示するための、液晶(LCD)ディスプレイ、LEDディスプレイ、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを含むことができる。当業者は、マイクロコントローラおよびファームウェアは、音声フィードバックおよび視覚フィードバックの様々な組み合わせを用いて、任意の数の通知またはフィードバックを適用する手段を提供することが分かるであろう。
【0032】
一実施形態によれば、PTD 100は、PTD 100の形状を最小限にするため、薄型チップを含むことができる。例えば、薄型チップは、マイクロコントローラ130、体位検出器110(例えば、加速度計)の実施に使用できる。一実施形態では、マイクロコントローラ130、データ記憶170用のフラッシュメモリ、およびデータ転送インタフェース175用のUSBチップをプリント基板(PCB)に搭載でき、体位検出器110用の3軸加速度計をPCBの上側の中心に置くことができる。バッテリー155、触覚モーター140、データ転送インタフェース175用のミニUSBコネクタ、視聴覚出力モジュール120用の発光ダイオード、および電源スイッチ用のコネクタが、PCBの下側に搭載できる。これらの構成要素の周囲の利用可能なスペースに受動素子を搭載できる。
【0033】
一実施形態によれば、電源スイッチは、使用者がPTD 100のスイッチを容易に入れられる場所に配置することができるが、スイッチは、装置が使用中に不注意で(例えば、寝る時にひっかける、もしくは枕または使用者の頭や身体で)オフにできないように、十分に奥まったところに配置できる。触覚モーターは、相当量の電流を利用するため、所与のサイズのバッテリーについて、再充電前に何夜使用できるかは、使用者に対してフィードバックを提供するために触覚モーターがどれほど頻繁に使用されたかによって決まる。好ましい実施形態では、触覚モーター140が、必要最低限量の電力消費で最大レベルの振動を伝えることができるように、触覚モーター140は、PTD 100の筐体内部に物理的に配置される。
【0034】
図2は、一実施形態により、使用者の睡眠体位のモニタリングおよび制御を行うために、PTD 100を使用するための方法の流れ図である。前述のとおり、PTD 100は、使用者が自分で装着可能であり、頭、首、または身体に装着でき、使用者の睡眠中に装着される。
【0035】
一旦、PTD 100が使用者によって装着されると、PTD 100は、使用者の睡眠体位を評価する(ステップ210)ために体位検出器110によって収集されるデータを評価するため、マイクロコントローラ130によって実行されるファームウェアに含まれている1組のアルゴリズムを使用できる。一実施形態によれば、体位検出器110は、使用者の睡眠体位の評価に使用可能な1つまたは複数の加速度計を含む。PTD 100は、使用者の睡眠体位の実時間評価を行うために、体位検出器110から受信したデータをモニタリングする。前述したとおり、PTD 100は、使用者がいびきをかいているか否かを示す音声信号の捕捉に使用できるマイクロホン105も含むことができる。一実施形態では、マイクロホン105によって捕捉される音声データは、使用者がいびきをかいているか否かを判断するためにファームウェアによって分析でき、マイクロコントローラ130は、そのデータをデータ記憶170に書き込むことができる。一実施形態では、マイクロコントローラ130によって捕捉される音声データは、データ記憶170に書き込むことができ、その保存された音声データは、さらなる分析および処理のために、PTD 100から外部コンピュータシステムに転送できる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ130は、装置の使用者がいびきをかいているか否かを識別するために、マイクロホン105から受信したデータについて、ファームウェア内に実装された1つまたは複数の分析アルゴリズムを実行するように構成できる。マイクロコントローラ130は、いびきイベントデータをデータ記憶170に書き込むようにも構成でき、その保存されたいびきイベントデータは、さらなる分析および処理のために、後で外部コンピュータシステムまたはウェブポータルに転送できる。
【0036】
体位検出器110からのデータの評価に基づき、対象とする睡眠体位が検出されたか否かの判定が行われる(ステップ220)。対象とする睡眠体位は、避けるべき睡眠体位である。例えば、OSAのある患者にとっての対象とする睡眠体位は、仰向けでの睡眠により気道虚脱が起こりやすくなり、吸気流制限をもたらす可能性があるため、仰臥位であり得る。対象とする体位が仰臥位であり、PTD 100が、使用者が対象とする体位で眠っていると判断した場合、PTD 100は、使用者の睡眠体位に影響を与えるため、使用者に対して触覚フィードバックを提供できる(ステップ230)。例えば、使用者が仰臥位で眠っていて、対象とする体位が仰臥位である場合には、使用者に体位を変えるように促すために触覚フィードバックを提供できる。一実施形態によれば、使用者が体位を変えたことをPTD 100が検出するまで、触覚フィードバックを生じさせることができる。
【0037】
一実施形態によれば、PTD 100は、バッテリー充電するまで複数日の夜間に装着でき、複数日の夜間に渡って、PTD 100は、コンプライアンス、睡眠継続に対するフィードバックの影響、行動覚醒および睡眠効果、ならびにいびきをモニタリングできる。
【0038】
一実施形態によれば、図2に示す方法は、覚醒中にPTD 100を使用している使用者での使用のために適合できる。例えば、PTD 100は、目覚めている使用者の体位を評価するため(ステップ210)およびその使用者が対象とする体位であるか否かを判断するため(ステップ220)に使用でき、使用者に対して触覚フィードバックを提供できる(ステップ230)。例えば、PTD 100は、妊娠している使用者によって、仰臥位で横になるのを避けるよう使用者に警告するために使用できる。別の例では、PTD 100は、腕または肩を負傷している患者に身体の負傷している側を下にして横になるのを避けるよう警告するために使用できる。
【0039】
代替として、PTD 100は、人が適切な体位になる、またはそれを回避するのを支援するために使用できる。例えば、けがのリハビリテーションでの使用では、頭、首、身体または胴体の正確な位置が重要であり得る。触覚フィードバックは、特定の位置になった場合の正の強化、または前述したように、特定の体位を避けるという負の強化に対して、使用できる。
【0040】
図9は、無線送受信機を含む、図1に示す体位療法装置の代替実施形態を示す。図9に示すPTD 100の無線実施形態は、PTD 100の非無線のバージョンで使用可能な、本明細書に記載の任意の様々な方法で使用できる。図9に示すPTD 100の実施形態は、使用者の身体の位置を遠隔でモニタリングでき、使用者に対して触覚フィードバックを提供できる。図9に示すPTD 100の構成要素は、図1のそれらと同様であるが、図9に示す実施形態は、PTD 100が1つまたは複数のリモート位置センサー990との通信を許可するように構成できる無線送受信機980を含む。一実施形態によれば、無線送受信機は、Bluetooth(登録商標)送受信機、Zigbee(登録商標)送受信機、またはPTD 100とリモート位置センサー990との間で無線通信を提供できる他の種類の無線送受信機にできる。図9は、PTD 100の様々な構成要素を相互に通信しているものとして示している。各構成要素は、有線または無線接続を介して相互に通信できる。
【0041】
リモート位置センサー990は、マイクロコントローラ995、位置センサー993、および無線送受信機997を含む。一実施形態では、マイクロコントローラ995は、PTD 100のマイクロコントローラ130と類似のものにして、異なる構成にすることができる。体位検出器993も、PTD 100の体位検出器100と同様の構成でもよく、または異なる構成にしてもよい。一実施形態では、PTD 100は、リモート位置センサー990が使用される場合に無線体位検出器110も含むことができ、他方、他の実施形態では、PTD 100は、1つまたは複数の無線位置センサー990が使用される場合に、無線位置センサー110を含まないように構成できる。
【0042】
リモート位置センサー990によって収集される情報は、PTD 100に送信できる。マイクロコントローラ130は、この情報を使用して、触覚フィードバックモジュール140で使用者に対して触覚フィードバックを提供するための制御信号を生成するか否かを判断できる。
【0043】
一実施形態では、リモートセンサー990は、PTD 100と同様に、電源150、バッテリー155、および再充電回路160を含むことができる。別の実施形態では、リモートセンサー990は、リモートセンサーに電力を供給するための非充電式の交換可能なバッテリーを含むことができる。
【0044】
一実施形態では、使用者の頭、胴体、または四肢の位置に関する情報を提供するため、2つ以上のリモート位置センサー990が使用できる。当業者は、運動選手の身体の重要な側面に複数のリモート位置センサーを装着した場合の潜在的利益は、ある行動(例えば、野球のヒット、ゴルフボールのドライバーショットまたはパット、フリースローなど)を実行する前に、複雑な体位の維持を確実にすることであると認識するであろう。このアプローチでは、性能モデリング、ビデオ撮影中などに取得した体位情報が身体または四肢の位置または角度に変換されて、使用者が、より高機能な測定アプローチにアクセスすることなく、練習中にその正確な姿勢(または同様な姿勢)の獲得を支援するために触覚フィードバックが使用できる。一実施形態では、使用者の身体の一部に対して、より正確な位置にセンサーを配置できるようにするため、1つまたは複数のリモートセンサーが衣類、手袋、リストバンド、ソックスなどに装着されるか、または組み込まれる。一実施形態では、2つ以上のセンサーが同じバッテリーおよび/または送受信機の使用を共有できるようにして、複数のリモートセンサーの990を衣類またはアクセサリに装着または組み込むことができる。一実施形態では、リモートセンサー990および/またはPTD 100のバッテリーに電力を供給するために、エネルギーハーべスティング(energy−harvesting)モジュールが使用できる。エネルギーハーべスティングモジュールは、PTD 100の使用中に使用者の動きに基づいて電力を生成できる。
【0045】
代替実施形態では、リモートセンサー990は、有線インタフェースを用いてPTD 100に接続でき、PTD 100およびリモートセンサー990は、その有線接続用に適切な物理インタフェースを含むことができる。例えば、一実施形態では、リモートセンサー990およびPTD 100は、リモートセンサー990とPTD 100との間に有線通信接続を提供するためにデータケーブルを差し込めるデータポートを含むことができる。
【0046】
図3は、一実施形態による条件付き体位フィードバックを用いた、PTD 100の睡眠体位をモニタリングして影響を与えるための別の方法を示す。図3に示す方法は、図2の方法と同様であるが、図3に示す方法は、対象とする体位以外の体位ではなかなか寝付けない睡眠者を支援するように適合されている。例えば、図3に示す方法は、使用者が最初は仰臥位で眠りにつけるようにして、横向きではなかなか寝付けない、ほとんどが仰臥位での睡眠者の支援に使用できる。この方法は、患者の睡眠体位に影響を与えるために条件付きフィードバックを用いる前に、患者に眠りにつく機会を与える。このアプローチは、使用者が対象としない体位では通常寝付けない場合に、使用者が対象としない体位で寝入ろうと努力することを強制することで使用者の睡眠効率が低下するのを回避する。例えば、使用者が、通常仰臥位での睡眠者であれば、横向きで寝入るように努力することを強制されないであろう。
【0047】
前述したとおり、PTD 100は使用者が自分で取り付けることができ、頭、首、または身体に装着でき、使用者が睡眠中に装着する。一旦、PTD 100が使用者によって装着されると、PTD 100は、使用者の睡眠体位を評価する(ステップ305)ために体位検出器110によって収集されるデータを評価するため、マイクロコントローラ130によって実行されるファームウェア内に含まれている1組のアルゴリズムを使用できる。その後、評価を行うために、使用者が十分な時間、床についていたか否かを判断できる(ステップ310)。一実施形態では、PTD 100を装着して、所定の、または設定可能な経過時間(例えば、15分)の後に初めて、体位フィードバックが開始される。例えば、いくつかの実施形態では、使用者および/もしくは患者を治療する医者または療法士は、最初の評価を行う前にPTD 100が待機する時間を設定でき、また、他の実施形態では、PTD 100は、最初の評価を行う前に所定の期間、待機するように設定できる。評価を行う前に使用者が十分な時間床についていない場合、この方法は、新規の評価を行うことができるステップ305に戻る。
【0048】
そうでなければ、所定の期間または設定可能な期間が経過すると、動きが検出されたか否かが判断できる(ステップ320)。例えば、使用者が彼または彼女の頭または身体の他の部分を動かしていると、使用者はまだ起きている可能性がある。動きが検出されると、使用者は眠りそうになく、体位フィードバックは効果がないであろう。それ故、その方法は、新規の評価を行うことができるステップ305に戻る。
【0049】
一実施形態によれば、使用者がなかなか寝付けない場合、使用者はPTD 100の期間を再設定できる。例えば、使用者がトイレに行く必要があるために、夜間に目覚める可能性があり、トイレの夜間使用から戻ると、フィードバック遅延をリセットするために、使用者はPTD 100のスイッチをオフにした後にオンに戻すことができる。一実施形態によれば、マイクロコントローラ130は、PTD 100によって捕捉されたデータにオン/オフのマークのタイムスタンプを押し、データからコンプライアンスおよび効果のレポートが生成される時に、そのデータを単一の情報に付加できるようにするために使用できるリアルタイムクロックを含むことができる。
【0050】
そうでない場合、動きが検出されなければ、使用者は眠っている可能性があり、いびきが検出されるか否かの判断ができる(ステップ330)。前述したとおり、PTD 100は、使用者がいびきをかいているか否かを判断するために分析され得る音声信号の捕捉に使用できるマイクロホン105を含むことができる。いびきをかいていないことは、使用者が眠っているか否かを示していないが、いびきは、使用者が眠っていて、気道虚脱を起こしやすく、吸気流制限をもたらす可能性があることも示している。いびきが検出されなければ、使用者は眠っていない可能性があり、それ故、体位フィードバックは、逆効果を招き得る。使用者が眠っていて、いびきをかいていなければ、使用者は対象以外の体位(この例では、非仰臥位)である可能性が高く、体位フィードバックの適用は、単に使用者を起こすだけかも知れない。そうでない場合、使用者が眠っていなければ、体位フィードバックを適用すると、使用者が寝入るのを妨げることもあり得る。従って、方法は、新規の評価を行うことができるステップ305に戻る。
【0051】
一実施形態によれば、使用者がステップ310および320の条件を満足し、十分な時間、床についていて、動きが検出されなければ、ステップ330は任意であり得る。いくつかの実施形態では、PTD 100は、ステップ320で動きが検出されてからどれくらいの時間が経過したかを追跡するように構成でき、最後の動きが検出されてから所定の期間が経過した場合、方法は、たとえいびきが検出されていなくても、ステップ340に進むことができる。例えば、一実施形態では、使用者が少なくとも15分間床についている場合、ステップ310の条件が満足される。ステップ320で動きが検出されず、そのステップも満足されるが、いびきが検出されない場合、方法は、たとえ使用者が眠っていても、ステップ305に戻る。従って、PTD 100は、動きが最後に検出されて(または方法が開始されてから動きが検出されていない場合は、ステップ320が最初に実行された時)から経過した時間の記録を開始でき、所定の期間(例えば、5分間)が経過し、動きが検出されず、さらにいびきが認められなければ、使用者は眠っているがいびきをかいていないため、方法は、ステップ340に進むことができる。
【0052】
さらに、代替実施形態では、たとえ多少の動きがあっても、いびきが検出されれば、いびきは使用者が眠っていることを示しており、方法は、ステップ340に進むことができる。さらに別の実施形態では、PTD 100が、使用者の動きをチェックする前にいびきをチェックするように構成されるよう、ステップ320および330の順序を逆にできる。
【0053】
対象とする体位が仰臥位である実施形態について、使用者が仰臥位であるか否かの判定ができる(ステップ340)。一実施形態によれば、使用者の個々のニーズおよび使用者の治療条件に応じて、使用者が他の仰臥位でない対象とする体位であるか否かの判断ができる。使用者が対象とする体位の場合は、使用者に対して触覚フィードバックが提供できる(ステップ350)。好ましい実施形態では、一旦、使用者が眠ると、通常、睡眠者が体位を変えたときに生じる以上に睡眠の継続を変化させたり妨げたりしないように、体位が変わると直ちにフィードバックが提供される。一実施形態では、使用者が体位を変えたことを検出するために体位検出器110が使用できる。例えば、一実施形態では、体位検出器110は、使用者の体位を判断するために使用可能な1つまたは複数の加速度計を含む。
【0054】
一実施形態では、仰臥位が検出されると、フィードバック刺激ルーチンが低強度レベルで、2秒の触覚フィードバック間隔を開始する。使用者に対してフィードバックを適用すると、その後、使用者の睡眠体位を評価するために、体位検出器110によって収集されたデータについて評価を実行でき(ステップ360)、使用者が仰臥位であるか否かの判定を行うことができる(ステップ370)。一実施形態によれば、使用者の体位の全体の動きが識別されない場合は、追加のフィードバックルーチンシーケンスが適用できる。例えば、一実施形態では、以前のフィードバックルーチンの終了から4秒以内に、患者が体位を変え始めたことをPTD 100が検出しなければ、別の2秒間のフィードバックルーチンが、以前のフィードバックルーチンよりも高い強度レベルで提示され得る。一実施形態によれば、使用者が最終的に体位を変えて、仰臥位でない体位に落ち着くまで、一連のステップ350、360、および370を繰り返すことができる。
【0055】
一実施形態によれば、PTD 100は、体位検出器110およびマイクロホン105から受信したデータを保存するようにも構成できる(ステップ380)。一実施形態によれば、マイクロホン105から受信したデータは、使用者がいびきをかいているか否かを判断するためにPTD 100によって分析でき、使用者がいびきをかいていたか否かを示すデータならびに特定のデータおよび時間がデータ記憶170に格納できる。一実施形態によれば、PTD 100により他のデータも収集して、データ記憶170に格納できる。例えば、PDT 100は、使用者の現在の睡眠状態、使用者の現在の睡眠体位、使用者に対して提供されたフィードバック、ならびに/または使用者の睡眠の質およびPTDの治療効果の判定に使用できる他の情報を判断するように構成できる。
【0056】
一実施形態によれば、使用者に提供されて、使用者に体位を変えさせる触覚フィードバックの最終的な強度が、データ記憶170に保存でき、この次にフィードバックが必要な時に提供される触覚フィードバックに対する開始レベルとして使用できる。前述した触覚フィードバックのパターンは、使用者の睡眠に影響を与えるために使用できるフィードバックパターンの一例に過ぎない。他の実施形態では、異なる触覚フィードバック間隔およびフィードバック強度が高まる間の中断長を含めて、触覚フィードバックの異なるパターンが使用できる。一実施形態によれば、異なる数の触覚モーター140も、フィードバックレベル上昇の主観的認識を作成するために使用できる。
【0057】
一実施形態によれば、PTD 100のファームウェアは、平均のフィードバック強度レベルおよび体位を変え始めるのに必要なフィードバック強度の範囲を表すデータを保存するように構成できる。このデータは、データ記憶170に格納でき、PTD 100は、最初のフィードバックパターンを確立するためにPTD 100が次に使用される時に、この情報が利用できる。従って、フィードバックのパターンと強度は、過度に刺激することなく、体位挙動を促すために、個々の使用者に合わせて調整できる。例えば、前述の技術を用いることにより、PTD 100は、眠りの浅い人を過度に刺激して完全に目を覚まさせることがなく、また、PTD 100は、眠りの深い人に対して刺激が不足して、PTD 100によって生成されたフィードバックが無視されるようなこともない。
【0058】
フィードバック強度は、鎮痛剤、睡眠薬を服用しているか、または就寝前にアルコールを摂取している患者にも治療効果があるように適応できる。条件付きアルゴリズムは、睡眠段階およびPTD 100の連続使用への適応に基づき、使用者のフィードバックに対する感受性における変化に対応できる。PTD 100は、PTD 100の機能性に悪影響を与えることなく、様々な数のフィードバック強度レベルのほかに、様々な長さのフィードバックおよびフィードバックイベント間の持続時間を使用するように構成できる。
【0059】
一実施形態によれば、体位検出器110は、使用者の呼吸のモニタリングに使用できるデータを提供できるほど精度が高い加速度計を含む。使用者の呼吸パターンは、PTD 100によって収集される体位療法データの一部として収集でき、使用者の睡眠パターンにおける中断および覚醒の識別に使用できる。例えば、OSA患者では、患者の呼吸が中断すると、苦しそうにあえぐことになり得る。加速度計で収集されたデータは、かかるイベントを識別するために分析できる。PTD 100によって収集された呼吸データは、使用者が眠っているか否かの判定にも使用でき、いくつかの実施形態では、ステップ330で、使用者の動きの検出の追加または代替として使用できる。例えば、使用者の呼吸パターンは、使用者が寝入ると変わる可能性があり、呼吸パターンにおけるこの変化は、加速度計からの信号データのモニタリングおよび分析により、すぐに識別できる。
【0060】
図4は、PTD 100によって取得されたデータを処理するための方法を示す。図2および図3に関連して前述した通り、PTD 100は、使用者の睡眠状態に関するデータを捕捉して保存する(ステップ405)。一実施形態では、このデータは、PTD 100のデータ記憶170に格納できる。PTD 100によって取得されたデータは、コンプライアンスおよび効果の評価(ステップ420)に有用な様々なパラメータを評価する追加処理のため、外部コンピュータシステムまたはウェブポータルに転送できる(ステップ410)。一実施形態によれば、データは、データ転送インタフェース175を用いて、PTD 100から転送できる。前述の通り、データ転送インタフェース175は、PTD 100によって取得されたデータを外部コンピュータシステムまたはウェブポータルに転送するためのUSBインタフェースを含むことができる。
【0061】
PTD 100の使用頻度は、一夜当たりの時間数および1週間当たりの夜数に基づき、使用者のPTD療法のコンプライアンスを評価するための有用な基準を提供する。体位フィードバックへの反応時間と時間の長さ、患者が仰臥位で眠ろうとした一夜当たりの回数、患者が仰臥位で眠っていた時間の合計と割合、およびフィードバックを除去するために夜間に使用者が装置のスイッチを切ったか否かなど、PTD 100によって捕捉される他のデータも、治療効果の有用な基準を提供できる。一実施形態によれば、体位検出器110からの体位信号データは、アクチグラフのデータを表すことができる。アクチグラフィ(actigraphy)は、患者の休息と活動のサイクルをモニタリングするための非侵襲的方法である。PTD 100は、使用者の自発運動量を測定することができ、このデータは、体位療法データの一部として、PTD 100によって捕捉および保存することができる。自発運動量データは、使用者の行動睡眠パターンおよび睡眠効率を測定するために分析できる。このデータは、使用者のために生成される体位療法レポートに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、いびきの大きさと頻度における夜ごとの違いは、使用者または彼らの臨床医がPTD 100の効用を評価するのを支援するため、体位療法レポートに組み込むこともできる追加の評価基準である。
【0062】
外部コンピュータシステムまたはウェブポータルは、PTD 100によって収集および/または生成された体位療法データに基づき、レポートを生成できる。体位療法レポートは、使用者または臨床医が体位療法の効用を評価するのを支援できる。一旦、レポートが生成されると、レポートは、ダウンロードまたは印刷(ステップ440)またはオンラインで閲覧することができる。図8は、PTD 100で捕捉されたデータを使用して生成できるレポートの一例である。このレポート例は、使用者の装置によって、ゆっくり時間をかけて捕捉されたデータの2つのグラフを含む。レポートの上側のグラフの一部は、長時間に渡る使用者の体位を示す体位データを含む。下側のグラフは、長時間に渡って使用者が目覚めていたかまたは眠っていたか、また、使用者が覚醒イベントを経験したか否かを示す。このレポートは、PTD療法の効果を評価するために患者または臨床医が参照用にダウンロードできる。
【0063】
一実施形態によれば、PTD 100は、治療効果をモニタリングするための追加機能を提供するために、外部コンピュータシステムまたはウェブポータルと整合できる。例えば、PTD 100は、使用者の睡眠体位および他の睡眠習慣に対する好みに関する基本的情報を作成するため、一夜または数夜など、所定の長さの期間に渡ってフィードバックを適用することなく、使用者の睡眠体位を記録するように構成できる。一旦、基本データが記録されると、体位フィードバックが開始できる。基本データは、体位療法が使用者の睡眠習慣に影響を与えているか否かを判断するために、体位フィードバックが開始された後に収集されたデータと後で比較できる。
【0064】
いくつかの実施形態では、PTD 100は、外部コンピュータシステムまたはウェブポータルによって提供されたユーザーインタフェースを経由して構成できる。例えば、いくつかの実施形態では、ユーザーインタフェースは、使用者が避けたい睡眠体位を使用者が選択できるように構成される。一例では、使用者は、OSAもしくは妊娠に対する仰臥位、または肩もしくは腕を負傷している患者に対する非仰臥位を避けるよう、PTD 100を構成し得る。一実施形態によれば、ユーザーインタフェースは、日付および時刻など、触覚フィードバックまたは前述の方法で説明した様々な判定を行うために使用されるアルゴリズムに影響を与える他のパラメータを、使用者もしくは臨床医が構成できるようにも構成できる。
【0065】
図5は、PTD 100の例示的な実施形態を示す。図5に示す実施形態では、PTD 100は、小型の射出成形シリコン筐体505を含む。シリコン筐体505は、PTD 100の電子的構成要素をカプセル化しており、筐体は電子的構成要素を保護するのに十分厚い。筐体延長510に対しては、もっと薄くて、もっと快適なデュロメーターシリコンが使用できる。一実施形態では、PTD 100が使用者の首または背中に適合して、PTD 100が睡眠中に誤って別の場所に移動し、誤った正のフィードバックが生じる可能性が減少するように、PTD 100を調整できるようにするために、延長の内側に銅の細長い薄板を形成できる。シリコン筐体505および筐体延長510は、アルコールで簡単に消毒および維持できる。
【0066】
図6は、一実施形態に従って使用者の首の周囲に装着された図5に示すPTD 100の構造を示す。図6に示す実施形態では、薄型で円形のシリコン筐体ストラップ610が、使用者の首の周囲の所定の位置でPTD 100の筐体605を保つ。左右のストラップの長さを筐体605について調整できる。一実施形態によれば、使用者がPTD 100を簡単に装着したり外したりできるよう、ある種の手首用ブレスレットで使用されるものと同様の、薄型の磁気留め金(図示せず)が、PTD 100のストラップの前で使用できる。一実施形態によれば、睡眠中に首輪を装着することに関する安全性の懸念に対応するため、PTD 100が使用者の衣類や寝具類に巻き込まれた場合には、磁気留め金が自動的に外れるのを確実にするよう、磁気留め金に含まれる磁石の強度が選択できる。
【0067】
図7は、図5および図6に示されるPTDの別の実施形態を示しており、その実施形態では、筐体705が脊椎に関して装着でき、図5および図6に示す実施形態で使用されているよりも長くて厚い筐体ストラップ705を用いて適切な位置に保つことができる。PTD 100を適切な位置に保つため、筐体ストラップが使用者の胸の周囲に巻き付けられ肩に掛けられる。
【0068】
当業者は、前述の図および本明細書で開示した実施形態に関連して説明した種々の例示的なモジュールおよび方法のステップは、多くの場合、電子機器、ソフトウェア、ファームウェアまたは前述の組み合わせとして実施できることが理解されるであろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの相互交換可能性をはっきりと説明するため、様々なモジュールおよび方法のステップを概して機能性の観点から説明してきた。かかる機能性がハードウェアまたはソフトウェアのいずれとして実装されるかは、システム全体に課される特定の適用および設計の制約によって決まる。当業者は、説明した機能性を各特定の適用に対して様々な方法で実装できるが、かかる実装の決定は、本発明の範囲から逸脱するように解釈すべきではない。さらに、モジュールまたはステップ内の機能のグループ化は、説明を容易にするためである。本発明から逸脱することなく、特定の機能をあるモジュールから別のモジュールに移動することができる。
【0069】
また、本明細書で開示した実施形態に関連して説明した種々の例示的なモジュールおよび方法のステップは、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラム可能論理回路、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどのハードウェアで実装または実行できる。汎用プロセッサは、ハードウェアであり、マイクロプロセッサにすることができるが、別の方法では、プロセッサは、任意のハードウェアプロセッサまたはコントローラ、マイクロコントローラでもよい。プロセッサは、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結された1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のかかる構成としても実装できる。
【0070】
さらに、本明細書で開示した実施形態に関連して説明した方法のステップまたはアルゴリズムは、直接、ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、またはその2つの組み合わせで具体化できる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱式ディスク、CD−ROM、またはネットワーク記憶媒体を含む任意の他の形式の記憶媒体を含む、コンピュータ可読記憶媒体上で、アクセス可能なコンピュータまたはコントローラに存在できる。例示的な記憶媒体は、プロセッサに連結して、プロセッサが記憶媒体に対して、情報の読み取りおよび情報の書き込みをできるようにする。別の方法では、記憶媒体は、プロセッサにとって不可欠であり得る。プロセッサおよび記憶媒体もASICに存在できる。
【0071】
開示した実施形態の前述の説明は、当業者が本発明の作成または使用を可能にするために提供されるものである。これらの実施形態に対する様々な変更は当業者には容易に明らかであり、本明細書に記載の一般的原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用できる。従って、本明細書で提示する説明および図は、本発明の例示的な実施形態を示し、それ故、本発明によって広く予定される主題を代表することが理解されるであろう。さらに、本発明の範囲が十分に他の実施形態を包含し、従って、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ制限されることを理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体位に影響を与えるための装着型体位療法装置であって、
前記使用者の体位の判定に使用可能な体位信号データを生成するように構成された体位検出器と、
前記装置の前記使用者に対して触覚フィードバックを生成するように構成された触覚フィードバック装置と、
前記体位検出器および前記触覚フィードバック装置と通信するマイクロコントローラであって、
前記体位検出器からの前記信号データを受信および分析し、
前記装置の前記使用者が対象とする体位であるか否かを判断して、
前記装置の前記使用者が前記対象とする体位である場合は、前記使用者が異なる、対象としない体位に変えるように仕向けるため、前記触覚フィードバック装置に前記使用者に対して触覚フィードバックを提供させる制御信号を生成するように構成されている前記マイクロコントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
前記対象とする体位が対象とする睡眠体位であって、前記体位療法装置が前記使用者の睡眠体位に影響を与えるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記対象とする体位が対象とする睡眠体位であって、前記マイクロコントローラが、前記使用者に対して触覚フィードバックを提供する前に、前記装置の前記使用者が眠りにつく時間を考慮に入れるため、前記装置の前記使用者が前記対象とする睡眠体位であるか否かの最初の判定を行う前に、所定の期間待機するように構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記マイクロコントローラが、前記使用者が睡眠体位を変えるように仕向けるために前記使用者に対してフィードバックを提供する前に、所定の期間、基準睡眠データを収集するように構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、前記マイクロコントローラと通信する視聴覚フィードバックモジュールをさらに備え、前記視聴覚モジュールが、前記装置の前記使用者に対して、少なくとも1つの音声フィードバックおよび/または視覚フィードバックを提供するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記視聴覚フィードバックモジュールが、前記使用者に装置が正しく適用されていないことを示す音声信号を発するための音声出力回路を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記視聴覚フィードバックモジュールが、前記装置が睡眠データを取得して保存していることを示す発光ダイオードを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記装置が、前記マイクロプロセッサと通信する永続的メモリをさらに備え、
前記マイクロプロセッサが、前記使用者が前記装置の装着中に収集した体位療法データを前記永続的メモリに保存するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサによって収集された前記体位療法データを、前記体位療法の結果の分析のため、および前記体位療法データに基づき体位療法レポートを生成するために、外部コンピュータシステムに転送するように構成されたデータ転送インタフェースをさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が前記使用者の首、背中、または胴体の周囲に装着できる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記使用者の首の周囲に装着するように構成されるとき、前記装置が、前記装置を前記使用者の首の周囲に保つための筐体ストラップを含み、前記筐体ストラップが、前記使用者が前記装置の装着中に前記装置が引っ掛かった場合に自動的に外れるように構成されている取り外し可能な磁気留め金を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロコントローラが、前記使用者の以前に適用された触覚フィードバックに対する反応に基づき、前記使用者に対して適応フィードバックを提供するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記マイクロコントローラが、前記使用者が、前記使用者に対して適用された以前のレベルの触覚フィードバックに対して反応しなかった場合に、前記使用者に対して提供する触覚フィードバックの前記レベルを高める、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記体位療法装置が、前記マイクロコントローラに音声データを提供するため、前記使用者が睡眠中に前記音声データを捕捉するためのマイクロホンを含み、前記マイクロコントローラが、いびきイベントを検出するために前記音声データを分析するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロコントローラが、前記使用者を異なる体位に変えるよう仕向けるため、前記触覚フィードバック装置に前記使用者に対して触覚フィードバックを提供させる制御信号を生成するか否かを判断するために、前記いびきイベントデータを、前記体位検出器から受信した前記体位信号データと関連付けるように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記マイクロコントローラが、前記使用者が睡眠状態にないことを示す前記体位検出器から受信した前記体位信号データに基づき、使用者の動きを検出するように構成されていて、かつ、前記マイクロコントローラが、前記使用者が睡眠状態にない場合には、前記使用者を前記異なる体位に変えるよう仕向けるため、前記触覚フィードバック装置に前記使用者に対して触覚フィードバックを提供させる前記制御信号を生成しないように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記体位検出器が1つまたは複数の加速度計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記体位検出器が圧力スイッチを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記体位検出器が圧力センサーを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記装置が、前記マイクロコントローラからの制御信号に応じて、前記使用者が体位を変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して電気的フィードバックを提供するための電気的フィードバックモジュールを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
装着型体位療法装置を用いて使用者の前記体位に影響を与えるための方法であって、
前記体位療法装置を前記使用者の身体に適用することと、
前記使用者が前記装置の使用中に、前記使用者の体位を判断するために体位信号データを収集することと、
前記体位信号データに少なくとも一部基づき、前記使用者が対象とする体位であるか否かを判定することと、
前記使用者が前記対象とする体位である場合には、前記使用者を異なる、対象としない体位に変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して触覚フィードバックを生成することと、を含む方法。
【請求項22】
前記体位信号データに少なくとも一部基づく、前記使用者が対象とする体位であるか否かの判定が、前記体位信号データに少なくとも一部基づく、前記使用者が対象とする睡眠体位で眠っているか否かの判定をさらに含み、
前記使用者が前記対象とする睡眠体位である場合に、前記使用者を異なる、対象としない体位に変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して触覚フィードバックを生成することが、前記使用者が前記対象とする睡眠体位である場合に、前記使用者を異なる、対象としない睡眠体位に変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して触覚フィードバックを生成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記使用者に対して触覚フィードバックを提供する前に、前記装置の前記使用者が眠りにつく時間を考慮に入れるため、前記装置の前記使用者が前記対象とする睡眠体位であるか否かの最初の判定を行う前に、所定の期間待機することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記使用者が睡眠体位を変えるように仕向けるために前記使用者に対してフィードバックを提供する前に、所定の期間、基準睡眠データを収集することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記使用者が睡眠中に音声データを捕捉することと、
いびきイベントを識別するために音声データを分析することとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記いびきイベントの発生に基づき、前記使用者が睡眠中か否かを判定することと、
前記使用者が睡眠中の場合に限り、前記用者が前記異なる睡眠体位に変えるように仕向けるための触覚フィードバックを生成することとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記使用者が睡眠状態にないことを示す前記体位検出器から受信した前記体位信号データに基づき使用者の動きを検出することと、
前記使用者が睡眠状態にある場合に、前記使用者が前記異なる睡眠体位に変えるように仕向けるための触覚フィードバックを生成することとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記体位療法装置が前記使用者の首に適用される、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記体位療法装置が前記使用者の背中に適用される、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記体位療法装置が前記使用者の胴体に適用される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
前記体位療法装置が前記使用者の身体に正しく適用されていないことを前記使用者に通知するために音声信号を発することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記体位療法の前記結果の分析のために、前記体位療法によって収集された体位療法データを外部コンピュータシステムに転送することと、
前記装置によって収集された前記体位療法データに基づき体位療法レポートを生成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記使用者が前記対象とする睡眠体位である場合に、前記使用者を異なる、対象としない体位に変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して触覚フィードバックを生成することが、
以前に適用された触覚フィードバックに対する前記使用者の反応に基づき、前記使用者に対してレベル適応フィードバックを提供することをさらに含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項34】
以前に適用された触覚フィードバックに対する前記使用者の反応に基づき、前記使用者に対してレベル適応フィードバックを提供することが、
前記使用者が前記使用者に対して適用された以前のレベルの触覚フィードバックに対して反応しなかった場合に、前記使用者に対して強化したレベルの触覚フィードバックを提供することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記使用者が前記対象とする体位である場合に、前記使用者の体位を変えるよう仕向けるために、前記使用者に対して電気的フィードバックを提供することをさらに含む、請求項21に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−528701(P2012−528701A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514198(P2012−514198)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037507
【国際公開番号】WO2010/141893
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511250460)アドバンスド ブレイン モニタリング,インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】