体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法
【課題】歩行中に即時に昇降歩行であることを判別すること
【解決手段】体動検出装置によって、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出され(S102)、第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出部によって検出されてから第2の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出部によって検出されてから第1の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第2の足で立脚している期間であり、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値が、加速度センサの検出値に基づいて算出され(S103)、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かが判別される(S104,S111)。
【解決手段】体動検出装置によって、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出され(S102)、第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出部によって検出されてから第2の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出部によって検出されてから第1の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第2の足で立脚している期間であり、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値が、加速度センサの検出値に基づいて算出され(S103)、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かが判別される(S104,S111)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法に関し、特に、昇降歩行を判別するのに適した体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から加速度センサのみを用いて上昇歩行を検出する装置があった。たとえば、ユーザの腰に装着された3軸加速度センサの検出値に基づいて2歩分の間の進行方向の加速度の平均値が所定値より大きい場合に階段上りと判定し、小さい場合に階段下りと判定する歩数計があった(たとえば、特許文献1の段落[0034])。
【0003】
また、ユーザに装着された3軸加速度センサの検出値に基づき、重力軸に対応する3軸加速度センサのx軸のベクトルを、静止時に特定した重力軸に投影して、重力軸に対するx軸の角度が、一定以上+方向に傾いている場合には、前傾、つまり昇りと判別し、−方向に傾いている場合には、後傾、つまり降りと判別する人体昇降検知装置があった(たとえば、特許文献2の段落[0025]、[図2])。
【0004】
さらに、ユーザの腰周りに装着された3軸加速度センサの検出値に基づき、歩行ピッチと重力方向の加速度振幅値とを実測し、予め記憶された平地歩行時の歩行ピッチと加速度振幅値との関係を示す平地歩行特性テーブルのデータに基づき、実測した歩行ピッチから加速度振幅値を求め、求めた加速度振幅値より、実測した加速度振幅値が大きければ階段降りと判別し、小さければ階段昇りと判別する階段昇降判別装置があった(たとえば、特許文献3の段落[0026]、[図3])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−262522号公報
【特許文献2】特開2008−173248号公報
【特許文献3】特開2008−154878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術によれば、3軸加速度から進行方向の加速度を算出しなければならない。特許文献2の技術によれば、静止時に重力軸を特定したり、歩行時にも特定の軸の加速度を算出しなければならない。特許文献3の技術によれば、重力方向の加速度振幅値を算出しなければならない。
【0007】
このように、特許文献1から特許文献3までの技術によれば、それぞれ、歩数計および活動量計などの体動検出装置を体に固定しないフリー装着に適用することを考えると、それぞれ、所定の方向をまず特定する必要があり、計算量が多くなりすぎるため、実時間で、昇降歩行であることを判別することが困難であるといった問題があった。
【0008】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、歩行中に即時に昇降歩行であることを判別することが可能な体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、体動検出装置は、本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための装置である。制御部は、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出する検出部を含む。第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出部によって検出されてから第2の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第1の足で立脚している期間である。第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出部によって検出されてから第1の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。制御部は、さらに、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値(たとえば、それぞれの期間の積分値、それぞれの期間の最大値と最小値との平均値)を、加速度センサの検出値に基づいて算出する算出部と、算出部によって算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別する判別部とを含む。
【0010】
好ましくは、判別部は、第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比率が所定値以上か否かの比較結果に基づいて、昇降歩行であるか否かを判別する。
【0011】
さらに好ましくは、体動検出装置は、ユーザに所定の情報を報知する報知部と、ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部とをさらに備える。制御部は、さらに、判別部によって判別された結果を報知するよう報知部を制御する報知制御部と、報知部で報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力を入力部から受付ける入力受付部と、入力受付部によって受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて所定値を調整する調整部とを含む。
【0012】
さらに好ましくは、体動検出装置は、ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部をさらに備える。制御部は、さらに、所定値を増減させる入力を入力部から受付ける入力受付部と、入力受付部によって受付けられた入力に応じて所定値を増減させる調整部とを含む。
【0013】
さらに好ましくは、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。好ましくは、算出部は、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の積分値を代表値として算出する。好ましくは、算出部は、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とを用いて算出される値を代表値として算出する。
【0014】
この発明の他の局面によれば、体動検出装置の制御方法は、本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置を制御する方法である。制御部が、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出するステップを含む。第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間である。第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。制御部が、さらに、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値(たとえば、それぞれの期間の積分値、それぞれの期間の最大値と最小値との平均値)を、加速度センサの検出値に基づいて算出するステップと、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別するステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
この発明に従えば、体動検出装置、および、体動検出装置に制御方法によって、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出され、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値が、加速度センサの検出値に基づいて算出され、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かが判別される。
【0016】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく昇降歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に昇降歩行であることを判別することが可能な体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態における活動量計の外観図である。
【図2】この実施の形態における活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図4】上り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図5】平地歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図6】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフを重ねたものである。
【図7】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値および標準偏差を示す図である。
【図8】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値を被験者ごとにプロットしたグラフである。
【図9】平地歩行、および、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の範囲を被験者ごとに示したグラフである。
【図10】この実施の形態における活動量計の構成の概略を示すブロック図である。
【図11】この実施の形態における活動量計の制御部によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における活動量計の制御部によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
本実施の形態においては、体動検出装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の実施の形態における活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0021】
本体部191には、後述する操作部130の一部を構成する表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133、ならびに、後述する表示部140の一部を構成するディスプレイ141が設けられる。
【0022】
本実施の形態においては、ディスプレイ141は、液晶ディスプレイ(LCD:LiquidCrystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0023】
図2は、この実施の形態における活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザ10のズボンのポケットに入れた状態で非固定的に所持される。または、活動量計100は、たとえば、ユーザ10の腰部のベルトに、クリップ部192を用いて固定的に装着される。
【0024】
なお、これに限定されず、活動量計100は、ユーザ10の体の他の部分に固定的または非固定的に保持されて用いられるように設計されてもよい。
【0025】
図3は、歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図3を参照して、このグラフは、ユーザが歩行している場合の、活動量計100の加速度センサ170(後述)から出力される3軸合成加速度を示す値の変化を示すグラフである。たとえば、時間軸の0秒付近、1秒付近、2.1秒付近、3.2秒付近、および、4.5秒付近の極小値の時点が、右足が接地した時点であり、時間軸の0.5秒付近、1.5秒付近、2.6秒付近、および、3.8秒付近の極小値の時点が、左足が接地した時点である。
【0026】
このため、たとえば、2.1秒付近の右足接地から2.6秒付近の左足接地までの間の右足で立脚している期間の加速度の変化が、左足の動きによる加速度の変化であり、2.6秒付近の左足接地から3.2秒付近の右足接地までの間の左足で立脚している期間の加速度の変化が、右足の動きによる加速度の変化である。
【0027】
図4は、上り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図5は、平地歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図4および図5を参照して、歩行において、右足が動いているときと左足が動いているときとでは、加速度の変化に違いがあることが分かる。
【0028】
図6は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフを重ねたものである。図6を参照して、上りにおける第1の足で立脚している期間と第2の足で立脚している期間との加速度の差は、平地および下りにおける第1の足で立脚している期間と第2の足で立脚している期間との加速度の差よりも大きくなっていることが分かる。
【0029】
図7は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値および標準偏差を示す図である。図7を参照して、10人の被験者のうち、被験者3,10以外の8人の被験者については、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値が、平地歩行および下り歩行での平均値と比較して、明らかに大きくなっているといった違いを確認することができる。このため、この左足および右足の加速度の比によって、上り歩行か、平地または下り歩行かの判定をすることができる。
【0030】
図8は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値を被験者ごとにプロットしたグラフである。図9は、平地歩行、および、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の範囲を被験者ごとに示したグラフである。
【0031】
図8および図9を参照して、しきい値を1.4にすれば、上り歩行と平地歩行とを、ほぼ、判別することが可能である。上り歩行での比の範囲のうちの多くの割合が、1.4以上であり、平地歩行での比の範囲のうちの多くの割合が、1.4未満であることが分かる。
【0032】
図10は、この実施の形態における活動量計100の構成の概略を示すブロック図である。図10を参照して、活動量計100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、加速度センサ170と、電源190とを含む。また、活動量計100は、音を出力する報音部や外部のコンピュータと通信するためのインターフェイスを含むようにしてもよい。
【0033】
制御部110、メモリ120、操作部130、表示部140、加速度センサ170、および、電源190は、図1で説明した本体部191に内蔵される。
【0034】
操作部130は、図1で説明した表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号を制御部110に送信する。
【0035】
加速度センサ170は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ170は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号を、制御部110に出力する。しかし、加速度センサ170は、3軸のものに限定されず、1軸または2軸のものであってもよい。
【0036】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリを含む。
【0037】
メモリ120は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの所定時間ごと(たとえば日ごと)の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0038】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、加速度センサ170からの検出信号に基づいて、メモリ120、および、表示部140を制御する。
【0039】
表示部140は、図1で説明したディスプレイ141を含み、制御部110からの制御信号に従った所定の情報を、ディスプレイ141に表示するよう制御する。
【0040】
電源190は、取替可能な電池を含み、電池からの電力を活動量計100の制御部110などの動作するのに電力が必要な各部に供給する。
【0041】
図11は、この実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して、ステップS101で、制御部110は、サンプリング周期ごとに、加速度センサ170の検出信号で示される検出値を読込み、メモリ120に記憶させる。
【0042】
次に、ステップS102で、制御部110は、2歩分の歩行を検出したか否かを判断する。2歩分の歩行を検出していないと判断した場合(ステップS102でNOと判断した場合)、制御部110は、ステップS101の処理を繰返す。
【0043】
一方、2歩分の歩行を検出したと判断した場合(ステップS102でYESと判断した場合)、ステップS103で、制御部110は、メモリ120に記憶した加速度の検出値を読出し、1歩目の一方の足での第1の立脚期間、および、2歩目の他方の足での第2の立脚期間の加速度の検出値の擬似積分値da,dbを算出する。たとえば、擬似積分値は、それぞれの期間ごとに、その期間内のサンプリング周期ごとの検出値を加算することによって算出される。
【0044】
次に、ステップS104で、制御部110は、第1の立脚期間および第2の立脚期間の擬似積分値から、左右比rを算出する。
【0045】
具体的には、制御部110は、2歩検出されるごとの第1の立脚期間の擬似積分値da、第2の立脚期間の擬似積分値dbのうち、所定歩数(たとえば、10歩)検出時点での、大きいことが多い方の足での立脚期間の加速度の擬似積分値をdlとして固定し、小さいことが多い方の足での立脚期間の加速度の擬似積分値をdsとして固定して、左右比r=dl/dsを算出する。
【0046】
なお、制御部110は、2歩検出されるごとに、擬似積分値da,dbのうちの大きい方の擬似積分値をdlとし、小さいほうの擬似積分値をdsとして、左右比r=dl/dsを算出するようにしてもよい。このように、rは、基本的に、被験者ごとに、大きな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分子となり、小さな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分母となるようにして算出される。
【0047】
そして、ステップS111で、制御部110は、左右比rがk以上であるか否かを判断する。ここでは、図8で前述したようにkの初期値を1.4とする。
【0048】
rがk以上であると判断した場合(ステップS111でYESと判断した場合)、上り歩行であると判断し、ステップS112で、制御部110は、階段上昇の運動強度に基づき運動量を算出する。
【0049】
運動強度については、具体的には、たとえば、参考文献(運動所要量・運動指針の策定検討会,「健康づくりのための運動指針2006」,平成18年7月)の記載に基づいて、階段上昇、平地歩行、および、階段下降のそれぞれの運動強度が、8.0メッツ、3.0メッツ、および、3.0メッツであることとする。
【0050】
このような運動強度を用いて、運動強度をEs(メッツ)、それぞれの動作状態の継続時間ET(時間)とした場合に、運動量EV(エクササイズ(Ex))=Σ(Es×ET)の式に基づいて、所定周期(たとえば、2歩)ごとの運動量EVを算出する。
【0051】
ここでは、当該2歩分の時間をET(時間)として算出して、Es=8.0(メッツ)であるので、運動量EV(Ex)=8.0(メッツ)×ET(時間)として算出する。
【0052】
そして、ステップS113で、制御部110は、階段歩行である旨を表示部140に表示する。なお、上昇歩行である旨を表示するようにしてもよい。その後、制御部110は、実行する処理をステップS116の処理に進める。
【0053】
一方、rがk未満であると判断した場合(ステップS111でNOと判断した場合)、上り歩行以外(平地歩行、下り歩行など)であると判断し、ステップS114で、制御部110は、平地歩行の運動強度の運動強度に基づき運動量を算出する。
【0054】
ここでは、当該2歩分の時間をET(時間)として算出して、Es=3.0(メッツ)であるので、運動量EV(Ex)=3.0(メッツ)×ET(時間)として算出する。
【0055】
そして、ステップS115で、制御部110は、平地歩行である旨を表示部140に表示する。なお、階段上昇でない旨を表示するようにしてもよい。その後、制御部110は、実行する処理をステップS116の処理に進める。
【0056】
ステップS116では、制御部110は、ステップS112またはステップS114で算出した当該2歩の運動量を表示部140に表示する。そして、制御部110は、ステップS117で、運動量を積算して、メモリ120に記憶させ、ステップS118で、積算した運動量を表示部140に表示する。
【0057】
次に、ステップS121で、制御部110は、ステップS113またはステップS115で表示された判別結果が誤りである旨の入力を操作部113で受付けたか否かを判断する。受付けていないと判断した場合(ステップS121でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0058】
一方、判別結果が誤りである旨の入力を受付けたと判断した場合(ステップS121でYESと判断した場合)、ステップS122で、制御部110は、誤りである旨の入力が階段歩行との判別結果の表示に対してされたか否かを判断する。
【0059】
階段歩行との判別結果に対して誤りとの入力がされたと判断した場合(ステップS122でYESと判断した場合)、ステップS123で、制御部110は、左右比のしきい値kに0.01を加算する。
【0060】
一方、階段歩行との判別結果に対して誤りである旨の入力がされたのではない、つまり、誤りである旨の入力が平地歩行との判別結果の表示に対してされたと判断した場合(ステプS122でNOと判断した場合)、ステップS124で、制御部110は、左右比のしきい値kから0.01を減算する。ステップS123およびステップS124の後、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0061】
[第1の実施の形態のまとめ]
(1) 以上説明したように、第1の実施の形態における活動量計100は、本体部191の加速度を検出するための加速度センサ170と制御部110とを備える本体部191を所定部位に装着するユーザ10の体動を検出するための装置である。制御部110によって、ステップS102で示したように、加速度センサ170の検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出される。
【0062】
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。
【0063】
制御部110によって、ステップS103で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサ170の検出値の擬似積分値が、加速度センサ170の検出値に基づいて算出され、ステップS104,ステップS111で示したように、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比に基づいて、当該歩行が上昇歩行であるか否かが判別される。
【0064】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における擬似積分値の比を算出することによって、当該歩行が上昇歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく上昇歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に上昇歩行であることを判別することができる。
【0065】
(2) また、制御部110によって、ステップS104,ステップS111で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比が所定値(たとえば、1.4)以上か否かの比較結果に基づいて、上昇歩行であるか否かが判別される。
【0066】
(3) さらに、活動量計100は、ユーザに所定の情報を報知する表示部140と、ユーザから所定の情報の入力を受付ける操作部130とをさらに備える。制御部110によって、ステップS113,ステップS115で示したように、上昇歩行か否かの判別結果を報知するよう表示部140が制御され、ステップS121,ステップS122で示したように、報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力が操作部130から受付けられ、ステップS123,ステップS124で示したように、受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて所定値が調整される。
【0067】
このため、ユーザの歩き方の癖などの特性に応じて、より正確に上昇歩行の判別が可能なように適応させることができる。
【0068】
(4) さらに、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。
(5) また、制御部110によって、ステップS103で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の擬似積分値が代表値として算出される。
【0069】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、2歩ごとに当該2歩の左右比rを算出し、上昇歩行であるか否かを判別するようにした。第2の実施の形態においては、1歩ごとに前回の1歩との左右比rを算出し、上昇歩行であるか否かを判別するようにする。
【0070】
また、第1の実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間のサンプリング周期ごとの加速度センサ170の検出値を加算することによって擬似的な積分値を算出するようにした。第2の実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の加速度センサ170の最大加速度検出値と最小加速度検出値とから擬似的な積分値を算出するようにする。
【0071】
図12は、第2の実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。図12を参照して、ステップS101は、図11と同様である。
【0072】
次に、ステップS102Aで、制御部110は、1歩分の歩行を検出したか否かを判断する。1歩分の歩行を検出していないと判断した場合(ステップS102AでNOと判断した場合)、制御部110は、ステップS101の処理を繰返す。
【0073】
一方、1歩分の歩行を検出したと判断した場合(ステップS102AでYESと判断した場合)、ステップS103Aで、制御部110は、メモリ120に記憶した加速度の検出値を読出し、今回の立脚期間の擬似積分値dfを算出する。擬似積分値dfは、当該1歩分の時間をTとして算出して、当該期間の最大加速度検出値をamax、最小加速度検出値をaminとして、df=(|amax|+|amin|)×Tによって算出される。
【0074】
なお、ここでは、最大加速度検出値amaxおよび最小加速度検出値aminがいずれも常に0以上の値をとる場合について説明した。最大加速度検出値amaxおよび最小加速度検出値aminが0未満の値も取り得る場合は、df=|amax+amin|×Tによって算出される。
【0075】
次に、ステップS104Aで、制御部110は、前回の擬似積分値dgを読出し、前回と今回の擬似積分値df,dgから、前回と分母、分子を入替え、左右比rを算出する。具体的には、前回r=df/dgでrを算出した場合は、今回r=dg/dfでrを算出し、前回r=dg/dfでrを算出した場合は、今回r=df/dgでrを算出する。このように、rは、被験者ごとに、大きな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分子となり、小さな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分母となるようにして算出される。
【0076】
次いで、ステップS105で、所定歩数(たとえば、5歩)連続で、r<1であるか否か、つまり、左右比rを算出するときの右足と左足が逆になっていると考えられるか否かを判断する。
【0077】
所定歩数連続でr<1であると判断した場合(ステップS105でYESと判断した場合)、ステップS106で、制御部110は、rの逆数を新たなrとする。
【0078】
所定歩数連続ではr<1でないと判断した場合(ステップS105でNOと判断した場合)、および、ステップS106の後、制御部110は、図11のステップS111からステップS115までと同様の処理を実行する。
【0079】
ステップS113およびステップS115の後、ステップS116Aでは、制御部110は、ステップS112またはステップS114で算出した当該1歩の運動量を表示部140に表示する。そして、制御部110は、図11のステップS117およびステップS118と同様の処理を実行する。
【0080】
次に、ステップS131で、制御部110は、左右比のしきい値kを増減させる旨の入力を操作部130で受付けたか否かを判断する。受付けていないと判断した場合(ステップS131でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0081】
一方、kを増減させる旨の入力を受付けたと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステプS132で、制御部110は、入力に応じて、左右比のしきい値kを増減させる。その後、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0082】
[第2の実施の形態のまとめ]
以上説明したように、第2の実施の形態における活動量計100によれば、第1の実施の形態で説明した活動量計100によって奏される効果に加えて、次のような効果が奏される。
【0083】
(1) 第2の実施の形態における活動量計100は、本体部191の加速度を検出するための加速度センサ170と制御部110とを備える本体部191を所定部位に装着するユーザ10の体動を検出するための装置である。制御部110によって、ステップS102で示したように、加速度センサ170の検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出される。
【0084】
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。
【0085】
制御部110によって、ステップS103Aで示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサ170の検出値の擬似積分値が、加速度センサ170の検出値に基づいて算出され、ステップS104A,ステップS111で示したように、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比に基づいて、当該歩行が上昇歩行であるか否かが判別される。
【0086】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における擬似積分値の比を算出することによって、当該歩行が上昇歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく上昇歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に上昇歩行であることを判別することができる。
【0087】
(2) また、制御部110によって、ステップS104A,ステップS111で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比が所定値(たとえば、1.4)以上か否かの比較結果に基づいて、上昇歩行であるか否かが判別される。
【0088】
(3) さらに、活動量計100は、ユーザから所定の情報の入力を受付ける操作部130をさらに備える。制御部110によって、ステップS131で示したように、所定値を増減させる入力が操作部130から受付けられ、ステップS132で示したように、受付けられた入力に応じて所定値が増減させられる。
【0089】
このため、ユーザの歩き方の癖などの特性に応じて、より正確に上昇歩行の判別が可能なように適応させることができる。
【0090】
(4) さらに、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。
(5) また、制御部110によって、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の擬似積分値が代表値として算出される。
【0091】
(6) また、制御部110によって、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とが用いられて算出される擬似積分値が代表値として算出される。
【0092】
(7) また、第2の実施の形態の方が、第1の実施の形態よりも、擬似積分値を求める際の計算量が減るので、活動量計100の電力の節減をすることができる。
【0093】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、活動量計100について説明した。しかし、これに限定されず、加速度の値に基づいて昇降歩行であるか否かの判別結果を利用することが可能な装置であれば、他の装置であってもよく、歩数計などの体動検出装置であってもよい。
【0094】
(2) 前述した実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の積分値や擬似平均値の比較結果に基づいて、上昇歩行か否かを判別するようにした。しかし、これに限定されず、下降歩行か否かを判別するようにしてもよい。
【0095】
(3) 前述した実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の代表値として擬似積分値を用いるようにした。しかし、これに限定されず、第1立脚期間および第2立脚期間の加速度センサ170の検出値を比較可能に特定可能な代表値であれば、他の値であってもよい。たとえば、時間当りの平均値であってもよい。
【0096】
(4) 前述した第1の実施の形態においては、上昇歩行であるとの判別結果の正誤度合を、誤っているか否かの2段階で入力でき、入力された正誤度合に応じて左右比のしきい値を調整するようにした。つまり、上昇歩行である旨の判定が誤っている場合は、左右比のしきい値を0.01増加させ、平地歩行である旨の判定が誤っている場合は、左右比のしきい値を0.01減少させるようにした。しかし、これに限定されず、歩行の判別結果の正誤度合に応じて判別のための所定値を調整するものであれば、他の方法であってもよい。
【0097】
たとえば、数十歩平地を歩行して、数十歩上昇歩行した場合の判別結果の正誤度合を、平地歩行および上昇歩行のそれぞれにおいて、「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」の4段階で評価した結果を、操作部130から入力できるように構成する。そして、平地歩行において「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」との評価の入力に対して、それぞれ、左右比のしきい値を、そのまま、そのまま、0.01減少、および、0.02減少とするようにする。また、上昇歩行において、「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」との評価の入力に対して、それぞれ、左右比のしきい値を、そのまま、そのまま、0.01増加、および、0.02増加とするようにする。
【0098】
(5) 前述した実施の形態においては、加速度センサ170として3軸のものを用いるようにしたが、これに限定されず、1軸または2軸の加速度センサを用いた場合であっても本発明を適用することができる。
【0099】
(6) 前述した実施の形態においては、活動量計100などの体動検出装置の発明として説明した。しかし、これに限定されず、体動検出装置を制御するための制御方法の発明として捉えることができるし、体動検出装置を制御するための制御プログラムの発明として捉えることができる。
【0100】
(7) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
10 ユーザ、100 活動量計、110 制御部、120 メモリ、130 操作部、131 表示切換/決定スイッチ、132 左操作/メモリスイッチ、133 右操作スイッチ、140 表示部、141 ディスプレイ、170 加速度センサ、190 電源、191 本体部、192 クリップ部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法に関し、特に、昇降歩行を判別するのに適した体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から加速度センサのみを用いて上昇歩行を検出する装置があった。たとえば、ユーザの腰に装着された3軸加速度センサの検出値に基づいて2歩分の間の進行方向の加速度の平均値が所定値より大きい場合に階段上りと判定し、小さい場合に階段下りと判定する歩数計があった(たとえば、特許文献1の段落[0034])。
【0003】
また、ユーザに装着された3軸加速度センサの検出値に基づき、重力軸に対応する3軸加速度センサのx軸のベクトルを、静止時に特定した重力軸に投影して、重力軸に対するx軸の角度が、一定以上+方向に傾いている場合には、前傾、つまり昇りと判別し、−方向に傾いている場合には、後傾、つまり降りと判別する人体昇降検知装置があった(たとえば、特許文献2の段落[0025]、[図2])。
【0004】
さらに、ユーザの腰周りに装着された3軸加速度センサの検出値に基づき、歩行ピッチと重力方向の加速度振幅値とを実測し、予め記憶された平地歩行時の歩行ピッチと加速度振幅値との関係を示す平地歩行特性テーブルのデータに基づき、実測した歩行ピッチから加速度振幅値を求め、求めた加速度振幅値より、実測した加速度振幅値が大きければ階段降りと判別し、小さければ階段昇りと判別する階段昇降判別装置があった(たとえば、特許文献3の段落[0026]、[図3])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−262522号公報
【特許文献2】特開2008−173248号公報
【特許文献3】特開2008−154878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の技術によれば、3軸加速度から進行方向の加速度を算出しなければならない。特許文献2の技術によれば、静止時に重力軸を特定したり、歩行時にも特定の軸の加速度を算出しなければならない。特許文献3の技術によれば、重力方向の加速度振幅値を算出しなければならない。
【0007】
このように、特許文献1から特許文献3までの技術によれば、それぞれ、歩数計および活動量計などの体動検出装置を体に固定しないフリー装着に適用することを考えると、それぞれ、所定の方向をまず特定する必要があり、計算量が多くなりすぎるため、実時間で、昇降歩行であることを判別することが困難であるといった問題があった。
【0008】
この発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的の1つは、歩行中に即時に昇降歩行であることを判別することが可能な体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、体動検出装置は、本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための装置である。制御部は、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出する検出部を含む。第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出部によって検出されてから第2の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第1の足で立脚している期間である。第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出部によって検出されてから第1の足が接地したと検出部によって検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。制御部は、さらに、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値(たとえば、それぞれの期間の積分値、それぞれの期間の最大値と最小値との平均値)を、加速度センサの検出値に基づいて算出する算出部と、算出部によって算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別する判別部とを含む。
【0010】
好ましくは、判別部は、第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比率が所定値以上か否かの比較結果に基づいて、昇降歩行であるか否かを判別する。
【0011】
さらに好ましくは、体動検出装置は、ユーザに所定の情報を報知する報知部と、ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部とをさらに備える。制御部は、さらに、判別部によって判別された結果を報知するよう報知部を制御する報知制御部と、報知部で報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力を入力部から受付ける入力受付部と、入力受付部によって受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて所定値を調整する調整部とを含む。
【0012】
さらに好ましくは、体動検出装置は、ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部をさらに備える。制御部は、さらに、所定値を増減させる入力を入力部から受付ける入力受付部と、入力受付部によって受付けられた入力に応じて所定値を増減させる調整部とを含む。
【0013】
さらに好ましくは、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。好ましくは、算出部は、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の積分値を代表値として算出する。好ましくは、算出部は、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とを用いて算出される値を代表値として算出する。
【0014】
この発明の他の局面によれば、体動検出装置の制御方法は、本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置を制御する方法である。制御部が、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出するステップを含む。第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間である。第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。制御部が、さらに、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値(たとえば、それぞれの期間の積分値、それぞれの期間の最大値と最小値との平均値)を、加速度センサの検出値に基づいて算出するステップと、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別するステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
この発明に従えば、体動検出装置、および、体動検出装置に制御方法によって、加速度センサの検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出され、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサの検出値の代表値が、加速度センサの検出値に基づいて算出され、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かが判別される。
【0016】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく昇降歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に昇降歩行であることを判別することが可能な体動検出装置、および、体動検出装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の実施の形態における活動量計の外観図である。
【図2】この実施の形態における活動量計の使用状態を示す図である。
【図3】歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図4】上り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図5】平地歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。
【図6】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフを重ねたものである。
【図7】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値および標準偏差を示す図である。
【図8】平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値を被験者ごとにプロットしたグラフである。
【図9】平地歩行、および、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の範囲を被験者ごとに示したグラフである。
【図10】この実施の形態における活動量計の構成の概略を示すブロック図である。
【図11】この実施の形態における活動量計の制御部によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態における活動量計の制御部によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
本実施の形態においては、体動検出装置が、歩数測定だけでなく、運動や生活活動(たとえば、掃除機をかける、軽い荷物運び、炊事など)における活動量(運動量ともいう)も測定することが可能な活動量計であることとして実施の形態を説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図1は、この発明の実施の形態における活動量計100の外観図である。図1を参照して、活動量計100は、本体部191と、クリップ部192とから主に構成される。クリップ部192は、活動量計100をユーザの着衣などに固定するために用いられる。
【0021】
本体部191には、後述する操作部130の一部を構成する表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133、ならびに、後述する表示部140の一部を構成するディスプレイ141が設けられる。
【0022】
本実施の形態においては、ディスプレイ141は、液晶ディスプレイ(LCD:LiquidCrystal Display)で構成されることとするが、これに限定されず、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなど他の種類のディスプレイであってもよい。
【0023】
図2は、この実施の形態における活動量計100の使用状態を示す図である。図2を参照して、活動量計100は、たとえば、ユーザ10のズボンのポケットに入れた状態で非固定的に所持される。または、活動量計100は、たとえば、ユーザ10の腰部のベルトに、クリップ部192を用いて固定的に装着される。
【0024】
なお、これに限定されず、活動量計100は、ユーザ10の体の他の部分に固定的または非固定的に保持されて用いられるように設計されてもよい。
【0025】
図3は、歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図3を参照して、このグラフは、ユーザが歩行している場合の、活動量計100の加速度センサ170(後述)から出力される3軸合成加速度を示す値の変化を示すグラフである。たとえば、時間軸の0秒付近、1秒付近、2.1秒付近、3.2秒付近、および、4.5秒付近の極小値の時点が、右足が接地した時点であり、時間軸の0.5秒付近、1.5秒付近、2.6秒付近、および、3.8秒付近の極小値の時点が、左足が接地した時点である。
【0026】
このため、たとえば、2.1秒付近の右足接地から2.6秒付近の左足接地までの間の右足で立脚している期間の加速度の変化が、左足の動きによる加速度の変化であり、2.6秒付近の左足接地から3.2秒付近の右足接地までの間の左足で立脚している期間の加速度の変化が、右足の動きによる加速度の変化である。
【0027】
図4は、上り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図5は、平地歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフである。図4および図5を参照して、歩行において、右足が動いているときと左足が動いているときとでは、加速度の変化に違いがあることが分かる。
【0028】
図6は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における3軸合成加速度の変化を示すグラフを重ねたものである。図6を参照して、上りにおける第1の足で立脚している期間と第2の足で立脚している期間との加速度の差は、平地および下りにおける第1の足で立脚している期間と第2の足で立脚している期間との加速度の差よりも大きくなっていることが分かる。
【0029】
図7は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値および標準偏差を示す図である。図7を参照して、10人の被験者のうち、被験者3,10以外の8人の被験者については、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値が、平地歩行および下り歩行での平均値と比較して、明らかに大きくなっているといった違いを確認することができる。このため、この左足および右足の加速度の比によって、上り歩行か、平地または下り歩行かの判定をすることができる。
【0030】
図8は、平地歩行、上り歩行、および、下り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の平均値を被験者ごとにプロットしたグラフである。図9は、平地歩行、および、上り歩行における左足および右足の立脚期間における加速度の積分値の比の範囲を被験者ごとに示したグラフである。
【0031】
図8および図9を参照して、しきい値を1.4にすれば、上り歩行と平地歩行とを、ほぼ、判別することが可能である。上り歩行での比の範囲のうちの多くの割合が、1.4以上であり、平地歩行での比の範囲のうちの多くの割合が、1.4未満であることが分かる。
【0032】
図10は、この実施の形態における活動量計100の構成の概略を示すブロック図である。図10を参照して、活動量計100は、制御部110と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、加速度センサ170と、電源190とを含む。また、活動量計100は、音を出力する報音部や外部のコンピュータと通信するためのインターフェイスを含むようにしてもよい。
【0033】
制御部110、メモリ120、操作部130、表示部140、加速度センサ170、および、電源190は、図1で説明した本体部191に内蔵される。
【0034】
操作部130は、図1で説明した表示切換/決定スイッチ131、左操作/メモリスイッチ132、および、右操作スイッチ133を含み、これらのスイッチが操作されたことを示す操作信号を制御部110に送信する。
【0035】
加速度センサ170は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の半導体式のものが用いられるが、これに限定されず、機械式または光学式など他の方式のものであってもよい。加速度センサ170は、本実施の形態においては、3軸方向それぞれの加速度を示す検出信号を、制御部110に出力する。しかし、加速度センサ170は、3軸のものに限定されず、1軸または2軸のものであってもよい。
【0036】
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)(たとえば、フラッシュメモリ)などの不揮発性メモリおよびRAM(Random Access Memory)(たとえば、SDRAM(synchronous Dynamic Random Access Memory))などの揮発性メモリを含む。
【0037】
メモリ120は、活動量計100を制御するためのプログラムのデータ、活動量計100を制御するために用いられるデータ、活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、および、歩数や活動量などの所定時間ごと(たとえば日ごと)の測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ120は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0038】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ120に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、操作部130からの操作信号に応じて、加速度センサ170からの検出信号に基づいて、メモリ120、および、表示部140を制御する。
【0039】
表示部140は、図1で説明したディスプレイ141を含み、制御部110からの制御信号に従った所定の情報を、ディスプレイ141に表示するよう制御する。
【0040】
電源190は、取替可能な電池を含み、電池からの電力を活動量計100の制御部110などの動作するのに電力が必要な各部に供給する。
【0041】
図11は、この実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して、ステップS101で、制御部110は、サンプリング周期ごとに、加速度センサ170の検出信号で示される検出値を読込み、メモリ120に記憶させる。
【0042】
次に、ステップS102で、制御部110は、2歩分の歩行を検出したか否かを判断する。2歩分の歩行を検出していないと判断した場合(ステップS102でNOと判断した場合)、制御部110は、ステップS101の処理を繰返す。
【0043】
一方、2歩分の歩行を検出したと判断した場合(ステップS102でYESと判断した場合)、ステップS103で、制御部110は、メモリ120に記憶した加速度の検出値を読出し、1歩目の一方の足での第1の立脚期間、および、2歩目の他方の足での第2の立脚期間の加速度の検出値の擬似積分値da,dbを算出する。たとえば、擬似積分値は、それぞれの期間ごとに、その期間内のサンプリング周期ごとの検出値を加算することによって算出される。
【0044】
次に、ステップS104で、制御部110は、第1の立脚期間および第2の立脚期間の擬似積分値から、左右比rを算出する。
【0045】
具体的には、制御部110は、2歩検出されるごとの第1の立脚期間の擬似積分値da、第2の立脚期間の擬似積分値dbのうち、所定歩数(たとえば、10歩)検出時点での、大きいことが多い方の足での立脚期間の加速度の擬似積分値をdlとして固定し、小さいことが多い方の足での立脚期間の加速度の擬似積分値をdsとして固定して、左右比r=dl/dsを算出する。
【0046】
なお、制御部110は、2歩検出されるごとに、擬似積分値da,dbのうちの大きい方の擬似積分値をdlとし、小さいほうの擬似積分値をdsとして、左右比r=dl/dsを算出するようにしてもよい。このように、rは、基本的に、被験者ごとに、大きな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分子となり、小さな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分母となるようにして算出される。
【0047】
そして、ステップS111で、制御部110は、左右比rがk以上であるか否かを判断する。ここでは、図8で前述したようにkの初期値を1.4とする。
【0048】
rがk以上であると判断した場合(ステップS111でYESと判断した場合)、上り歩行であると判断し、ステップS112で、制御部110は、階段上昇の運動強度に基づき運動量を算出する。
【0049】
運動強度については、具体的には、たとえば、参考文献(運動所要量・運動指針の策定検討会,「健康づくりのための運動指針2006」,平成18年7月)の記載に基づいて、階段上昇、平地歩行、および、階段下降のそれぞれの運動強度が、8.0メッツ、3.0メッツ、および、3.0メッツであることとする。
【0050】
このような運動強度を用いて、運動強度をEs(メッツ)、それぞれの動作状態の継続時間ET(時間)とした場合に、運動量EV(エクササイズ(Ex))=Σ(Es×ET)の式に基づいて、所定周期(たとえば、2歩)ごとの運動量EVを算出する。
【0051】
ここでは、当該2歩分の時間をET(時間)として算出して、Es=8.0(メッツ)であるので、運動量EV(Ex)=8.0(メッツ)×ET(時間)として算出する。
【0052】
そして、ステップS113で、制御部110は、階段歩行である旨を表示部140に表示する。なお、上昇歩行である旨を表示するようにしてもよい。その後、制御部110は、実行する処理をステップS116の処理に進める。
【0053】
一方、rがk未満であると判断した場合(ステップS111でNOと判断した場合)、上り歩行以外(平地歩行、下り歩行など)であると判断し、ステップS114で、制御部110は、平地歩行の運動強度の運動強度に基づき運動量を算出する。
【0054】
ここでは、当該2歩分の時間をET(時間)として算出して、Es=3.0(メッツ)であるので、運動量EV(Ex)=3.0(メッツ)×ET(時間)として算出する。
【0055】
そして、ステップS115で、制御部110は、平地歩行である旨を表示部140に表示する。なお、階段上昇でない旨を表示するようにしてもよい。その後、制御部110は、実行する処理をステップS116の処理に進める。
【0056】
ステップS116では、制御部110は、ステップS112またはステップS114で算出した当該2歩の運動量を表示部140に表示する。そして、制御部110は、ステップS117で、運動量を積算して、メモリ120に記憶させ、ステップS118で、積算した運動量を表示部140に表示する。
【0057】
次に、ステップS121で、制御部110は、ステップS113またはステップS115で表示された判別結果が誤りである旨の入力を操作部113で受付けたか否かを判断する。受付けていないと判断した場合(ステップS121でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0058】
一方、判別結果が誤りである旨の入力を受付けたと判断した場合(ステップS121でYESと判断した場合)、ステップS122で、制御部110は、誤りである旨の入力が階段歩行との判別結果の表示に対してされたか否かを判断する。
【0059】
階段歩行との判別結果に対して誤りとの入力がされたと判断した場合(ステップS122でYESと判断した場合)、ステップS123で、制御部110は、左右比のしきい値kに0.01を加算する。
【0060】
一方、階段歩行との判別結果に対して誤りである旨の入力がされたのではない、つまり、誤りである旨の入力が平地歩行との判別結果の表示に対してされたと判断した場合(ステプS122でNOと判断した場合)、ステップS124で、制御部110は、左右比のしきい値kから0.01を減算する。ステップS123およびステップS124の後、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0061】
[第1の実施の形態のまとめ]
(1) 以上説明したように、第1の実施の形態における活動量計100は、本体部191の加速度を検出するための加速度センサ170と制御部110とを備える本体部191を所定部位に装着するユーザ10の体動を検出するための装置である。制御部110によって、ステップS102で示したように、加速度センサ170の検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出される。
【0062】
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。
【0063】
制御部110によって、ステップS103で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサ170の検出値の擬似積分値が、加速度センサ170の検出値に基づいて算出され、ステップS104,ステップS111で示したように、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比に基づいて、当該歩行が上昇歩行であるか否かが判別される。
【0064】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における擬似積分値の比を算出することによって、当該歩行が上昇歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく上昇歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に上昇歩行であることを判別することができる。
【0065】
(2) また、制御部110によって、ステップS104,ステップS111で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比が所定値(たとえば、1.4)以上か否かの比較結果に基づいて、上昇歩行であるか否かが判別される。
【0066】
(3) さらに、活動量計100は、ユーザに所定の情報を報知する表示部140と、ユーザから所定の情報の入力を受付ける操作部130とをさらに備える。制御部110によって、ステップS113,ステップS115で示したように、上昇歩行か否かの判別結果を報知するよう表示部140が制御され、ステップS121,ステップS122で示したように、報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力が操作部130から受付けられ、ステップS123,ステップS124で示したように、受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて所定値が調整される。
【0067】
このため、ユーザの歩き方の癖などの特性に応じて、より正確に上昇歩行の判別が可能なように適応させることができる。
【0068】
(4) さらに、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。
(5) また、制御部110によって、ステップS103で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の擬似積分値が代表値として算出される。
【0069】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、2歩ごとに当該2歩の左右比rを算出し、上昇歩行であるか否かを判別するようにした。第2の実施の形態においては、1歩ごとに前回の1歩との左右比rを算出し、上昇歩行であるか否かを判別するようにする。
【0070】
また、第1の実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間のサンプリング周期ごとの加速度センサ170の検出値を加算することによって擬似的な積分値を算出するようにした。第2の実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の加速度センサ170の最大加速度検出値と最小加速度検出値とから擬似的な積分値を算出するようにする。
【0071】
図12は、第2の実施の形態における活動量計100の制御部110によって実行される運動量算出処理の流れを示すフローチャートである。図12を参照して、ステップS101は、図11と同様である。
【0072】
次に、ステップS102Aで、制御部110は、1歩分の歩行を検出したか否かを判断する。1歩分の歩行を検出していないと判断した場合(ステップS102AでNOと判断した場合)、制御部110は、ステップS101の処理を繰返す。
【0073】
一方、1歩分の歩行を検出したと判断した場合(ステップS102AでYESと判断した場合)、ステップS103Aで、制御部110は、メモリ120に記憶した加速度の検出値を読出し、今回の立脚期間の擬似積分値dfを算出する。擬似積分値dfは、当該1歩分の時間をTとして算出して、当該期間の最大加速度検出値をamax、最小加速度検出値をaminとして、df=(|amax|+|amin|)×Tによって算出される。
【0074】
なお、ここでは、最大加速度検出値amaxおよび最小加速度検出値aminがいずれも常に0以上の値をとる場合について説明した。最大加速度検出値amaxおよび最小加速度検出値aminが0未満の値も取り得る場合は、df=|amax+amin|×Tによって算出される。
【0075】
次に、ステップS104Aで、制御部110は、前回の擬似積分値dgを読出し、前回と今回の擬似積分値df,dgから、前回と分母、分子を入替え、左右比rを算出する。具体的には、前回r=df/dgでrを算出した場合は、今回r=dg/dfでrを算出し、前回r=dg/dfでrを算出した場合は、今回r=df/dgでrを算出する。このように、rは、被験者ごとに、大きな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分子となり、小さな加速度の擬似積分値となる方の足での立脚期間の擬似積分値が分母となるようにして算出される。
【0076】
次いで、ステップS105で、所定歩数(たとえば、5歩)連続で、r<1であるか否か、つまり、左右比rを算出するときの右足と左足が逆になっていると考えられるか否かを判断する。
【0077】
所定歩数連続でr<1であると判断した場合(ステップS105でYESと判断した場合)、ステップS106で、制御部110は、rの逆数を新たなrとする。
【0078】
所定歩数連続ではr<1でないと判断した場合(ステップS105でNOと判断した場合)、および、ステップS106の後、制御部110は、図11のステップS111からステップS115までと同様の処理を実行する。
【0079】
ステップS113およびステップS115の後、ステップS116Aでは、制御部110は、ステップS112またはステップS114で算出した当該1歩の運動量を表示部140に表示する。そして、制御部110は、図11のステップS117およびステップS118と同様の処理を実行する。
【0080】
次に、ステップS131で、制御部110は、左右比のしきい値kを増減させる旨の入力を操作部130で受付けたか否かを判断する。受付けていないと判断した場合(ステップS131でNOと判断した場合)、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0081】
一方、kを増減させる旨の入力を受付けたと判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステプS132で、制御部110は、入力に応じて、左右比のしきい値kを増減させる。その後、制御部110は、実行する処理をステップS101の処理に戻す。
【0082】
[第2の実施の形態のまとめ]
以上説明したように、第2の実施の形態における活動量計100によれば、第1の実施の形態で説明した活動量計100によって奏される効果に加えて、次のような効果が奏される。
【0083】
(1) 第2の実施の形態における活動量計100は、本体部191の加速度を検出するための加速度センサ170と制御部110とを備える本体部191を所定部位に装着するユーザ10の体動を検出するための装置である。制御部110によって、ステップS102で示したように、加速度センサ170の検出値に基づいて、ユーザのいずれかの足が接地したか否かが検出される。
【0084】
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの第1の足で立脚している期間であり、第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第2の足が接地したと検出されてから第1の足が接地したと検出されるまでの第2の足で立脚している期間である。
【0085】
制御部110によって、ステップS103Aで示したように、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの加速度センサ170の検出値の擬似積分値が、加速度センサ170の検出値に基づいて算出され、ステップS104A,ステップS111で示したように、算出された第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比に基づいて、当該歩行が上昇歩行であるか否かが判別される。
【0086】
このため、1回の第1の立脚期間および第2の立脚期間における擬似積分値の比を算出することによって、当該歩行が上昇歩行であるか否かを判別することができる。また、体動検出装置の傾きを特定する必要なく上昇歩行を判別することができるため、計算量を少なくすることができる。その結果、歩行中に即時に上昇歩行であることを判別することができる。
【0087】
(2) また、制御部110によって、ステップS104A,ステップS111で示したように、第1立脚期間および第2立脚期間の擬似積分値の比が所定値(たとえば、1.4)以上か否かの比較結果に基づいて、上昇歩行であるか否かが判別される。
【0088】
(3) さらに、活動量計100は、ユーザから所定の情報の入力を受付ける操作部130をさらに備える。制御部110によって、ステップS131で示したように、所定値を増減させる入力が操作部130から受付けられ、ステップS132で示したように、受付けられた入力に応じて所定値が増減させられる。
【0089】
このため、ユーザの歩き方の癖などの特性に応じて、より正確に上昇歩行の判別が可能なように適応させることができる。
【0090】
(4) さらに、所定値は、統計的手法で予め定められた値である。
(5) また、制御部110によって、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の擬似積分値が代表値として算出される。
【0091】
(6) また、制御部110によって、第1立脚期間および第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とが用いられて算出される擬似積分値が代表値として算出される。
【0092】
(7) また、第2の実施の形態の方が、第1の実施の形態よりも、擬似積分値を求める際の計算量が減るので、活動量計100の電力の節減をすることができる。
【0093】
[変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、活動量計100について説明した。しかし、これに限定されず、加速度の値に基づいて昇降歩行であるか否かの判別結果を利用することが可能な装置であれば、他の装置であってもよく、歩数計などの体動検出装置であってもよい。
【0094】
(2) 前述した実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の積分値や擬似平均値の比較結果に基づいて、上昇歩行か否かを判別するようにした。しかし、これに限定されず、下降歩行か否かを判別するようにしてもよい。
【0095】
(3) 前述した実施の形態においては、第1立脚期間および第2立脚期間の代表値として擬似積分値を用いるようにした。しかし、これに限定されず、第1立脚期間および第2立脚期間の加速度センサ170の検出値を比較可能に特定可能な代表値であれば、他の値であってもよい。たとえば、時間当りの平均値であってもよい。
【0096】
(4) 前述した第1の実施の形態においては、上昇歩行であるとの判別結果の正誤度合を、誤っているか否かの2段階で入力でき、入力された正誤度合に応じて左右比のしきい値を調整するようにした。つまり、上昇歩行である旨の判定が誤っている場合は、左右比のしきい値を0.01増加させ、平地歩行である旨の判定が誤っている場合は、左右比のしきい値を0.01減少させるようにした。しかし、これに限定されず、歩行の判別結果の正誤度合に応じて判別のための所定値を調整するものであれば、他の方法であってもよい。
【0097】
たとえば、数十歩平地を歩行して、数十歩上昇歩行した場合の判別結果の正誤度合を、平地歩行および上昇歩行のそれぞれにおいて、「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」の4段階で評価した結果を、操作部130から入力できるように構成する。そして、平地歩行において「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」との評価の入力に対して、それぞれ、左右比のしきい値を、そのまま、そのまま、0.01減少、および、0.02減少とするようにする。また、上昇歩行において、「ほぼ正しい」「正しい場合が多い」「誤っている場合が多い」および「ほぼ誤っている」との評価の入力に対して、それぞれ、左右比のしきい値を、そのまま、そのまま、0.01増加、および、0.02増加とするようにする。
【0098】
(5) 前述した実施の形態においては、加速度センサ170として3軸のものを用いるようにしたが、これに限定されず、1軸または2軸の加速度センサを用いた場合であっても本発明を適用することができる。
【0099】
(6) 前述した実施の形態においては、活動量計100などの体動検出装置の発明として説明した。しかし、これに限定されず、体動検出装置を制御するための制御方法の発明として捉えることができるし、体動検出装置を制御するための制御プログラムの発明として捉えることができる。
【0100】
(7) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
10 ユーザ、100 活動量計、110 制御部、120 メモリ、130 操作部、131 表示切換/決定スイッチ、132 左操作/メモリスイッチ、133 右操作スイッチ、140 表示部、141 ディスプレイ、170 加速度センサ、190 電源、191 本体部、192 クリップ部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える前記本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置であって、
前記制御部は、
前記加速度センサの検出値に基づいて、前記ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出する検出手段を含み、
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと前記検出手段によって検出されてから第2の足が接地したと前記検出手段によって検出されるまでの前記第1の足で立脚している期間であり、
第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、前記第2の足が接地したと前記検出手段によって検出されてから前記第1の足が接地したと前記検出手段によって検出されるまでの前記第2の足で立脚している期間であり、
前記制御部は、さらに、
前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの前記加速度センサの検出値の代表値を、前記加速度センサの検出値に基づいて算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別する判別手段とを含む、体動検出装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比率が所定値以上か否かの比較結果に基づいて、昇降歩行であるか否かを判別する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
ユーザに所定の情報を報知する報知部と、
ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部とをさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記判別手段によって判別された結果を報知するよう前記報知部を制御する報知制御手段と、
前記報知部で報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力を前記入力部から受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて前記所定値を調整する調整手段とを含む、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項4】
ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記所定値を増減させる入力を前記入力部から受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受付けられた入力に応じて前記所定値を増減させる調整手段とを含む、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項5】
前記所定値は、統計的手法で予め定められた値である、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの検出値の積分値を前記代表値として算出する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項7】
前記算出手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とを用いて算出される値を前記代表値として算出する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項8】
本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える前記本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置を制御する制御方法であって、
前記制御部が、
前記加速度センサの検出値に基づいて、前記ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出するステップを含み、
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの前記第1の足で立脚している期間であり、
第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、前記第2の足が接地したと検出されてから前記第1の足が接地したと検出されるまでの前記第2の足で立脚している期間であり、
前記制御部が、さらに、
前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの前記加速度センサの検出値の代表値を、前記加速度センサの検出値に基づいて算出するステップと、
算出された前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別するステップとを含む、体動検出装置の制御方法。
【請求項1】
本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える前記本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置であって、
前記制御部は、
前記加速度センサの検出値に基づいて、前記ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出する検出手段を含み、
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと前記検出手段によって検出されてから第2の足が接地したと前記検出手段によって検出されるまでの前記第1の足で立脚している期間であり、
第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、前記第2の足が接地したと前記検出手段によって検出されてから前記第1の足が接地したと前記検出手段によって検出されるまでの前記第2の足で立脚している期間であり、
前記制御部は、さらに、
前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの前記加速度センサの検出値の代表値を、前記加速度センサの検出値に基づいて算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別する判別手段とを含む、体動検出装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比率が所定値以上か否かの比較結果に基づいて、昇降歩行であるか否かを判別する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項3】
ユーザに所定の情報を報知する報知部と、
ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部とをさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記判別手段によって判別された結果を報知するよう前記報知部を制御する報知制御手段と、
前記報知部で報知された結果の正誤度合を示す正誤情報の入力を前記入力部から受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受付けられた正誤情報で示される正誤度合に応じて前記所定値を調整する調整手段とを含む、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項4】
ユーザから所定の情報の入力を受付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記所定値を増減させる入力を前記入力部から受付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段によって受付けられた入力に応じて前記所定値を増減させる調整手段とを含む、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項5】
前記所定値は、統計的手法で予め定められた値である、請求項2に記載の体動検出装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの検出値の積分値を前記代表値として算出する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項7】
前記算出手段は、前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの検出値の最大値と最小値とを用いて算出される値を前記代表値として算出する、請求項1に記載の体動検出装置。
【請求項8】
本体部の加速度を検出するための加速度センサと制御部とを備える前記本体部を所定部位に装着するユーザの体動を検出するための体動検出装置を制御する制御方法であって、
前記制御部が、
前記加速度センサの検出値に基づいて、前記ユーザのいずれかの足が接地したか否かを検出するステップを含み、
第1立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、第1の足が接地したと検出されてから第2の足が接地したと検出されるまでの前記第1の足で立脚している期間であり、
第2立脚期間は、歩行の1サイクルのうち、前記第2の足が接地したと検出されてから前記第1の足が接地したと検出されるまでの前記第2の足で立脚している期間であり、
前記制御部が、さらに、
前記第1立脚期間および前記第2立脚期間のそれぞれの前記加速度センサの検出値の代表値を、前記加速度センサの検出値に基づいて算出するステップと、
算出された前記第1立脚期間および前記第2立脚期間の前記代表値の比較結果に基づいて、当該歩行が昇降歩行であるか否かを判別するステップとを含む、体動検出装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−17615(P2013−17615A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152717(P2011−152717)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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