説明

体型補整衣類

【課題】部分的に締め付け部材を配置しても、締め付け部材の存在が衣類本体部に現れることを抑制することが可能な体型補整衣類を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る体型補整衣類1は、着用状態において緊締力を作用させるように複数の身頃部材12,14を左右方向に連結して形成された本体部10と、複数の身頃部材12,14の左右方向の異なる連結部分にそれぞれ連結され、本体部10の緊締力を部分的に大きくする締め付け部材CLとを備える。締め付け部材CLは、上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部10に対して遊離するように本体部10に連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体型の補整を行う衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、体型の補整を行う体型補整衣類として、コルセットが開示されている。コルセットは、難伸縮性又は非伸縮性を有する素材による強い緊締力を利用して、胸部下部よりウエストにかけてのラインを補整するための下着である。特許文献1に開示のコルセットは、バストを覆うためのカップ部を有するタイプのものであり、一方、特許文献2に開示のコルセットは、バストを覆わないタイプのものである。
【0003】
体型補整衣類としては、コルセットの他にウエストニッパー等も知られている。ウエストニッパーは、伸縮性を有する素材による強い緊締力を利用して、胸部下部よりウエストにかけてのラインを補整するための下着である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平06−083011号公報
【特許文献2】実用新案登録第3139302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本願発明者らは、この種の体型補整衣類において、部分的に補整力を高めるために(例えば、腹部)、衣類本体部の内側に部分的に締め付け部材(例えば、当て布)を配置して二重構造とすることを考案している。しかしながら、部分的に二重構造とすると、締め付け部材の縫着部分が衣類本体部に現れてしまい、着用者に抵抗感を与えてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、部分的に締め付け部材を配置しても、締め付け部材の存在が衣類本体部に現れることを抑制することが可能な体型補整衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の体型補整衣類は、着用者の上半身の体型補整を行うための体型補整衣類であって、着用状態において緊締力を作用させるように複数の身頃部材を左右方向に連結して形成された本体部と、複数の身頃部材の左右方向の異なる連結部分にそれぞれ連結され、本体部の緊締力を部分的に大きくする締め付け部材とを備える。この締め付け部材は、上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部に対して遊離するように本体部に連結されている。
【0008】
この体型補整衣類によれば、締め付け部材における上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部に対して遊離するように本体部に連結されているので、締め付け部材の存在が衣類本体部に現れることを抑制することができる。したがって、着用者に抵抗感を与えることがない。
【0009】
また、この体型補整衣類によれば、締め付け部材における上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部に対して遊離するように本体部に連結されているので、締め付け部材によって覆う部分の贅肉をその遊離端部よりも外側へ移動させることができる。したがって、締め付け部材によって覆う部分の補整力を高めることができる。
【0010】
ところで、例えば、締め付け部材の全体が衣類本体部に縫着されている場合、締め付け部材の被覆部と非被覆部との境界に段差が生じてしまうことがある。しかしながら、この体型補整衣類によれば、締め付け部材における上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部に対して遊離するように本体部に連結されているので(例えば、縫着されていないので)、締め付け部材の遊離端部近傍のラインをスムージングすることができる。したがって、部分的に締め付け部材を配置しても、締め付け部材の被覆部と非被覆部との境界に段差が生じることを軽減することができる。
【0011】
また、例えば、締め付け部材の全体が衣類本体部に縫着されている場合、着用者の動作に対して締め付け部材が追従し難く、締め付け部材の縫着部分が突っ張ってしまうことがある。これにより、体を捻るような動作を行う際に、着用者に窮屈感を与えてしまうことがある。しかしながら、この体型補整衣類によれば、締め付け部材における上下方向の端部のうち少なくとも一端部が本体部に対して遊離するように本体部に連結されているので、体を捻るような着用者の動作に対して締め付け部材の遊離端部を追従し易くすることができ(運動追従性)、締め付け部材の遊離端部が突っ張り難くすることができる。その結果、着用者の窮屈感を低減することができる。
【0012】
上記した本体部は、複数の身頃部材として前身頃部材と後身頃部材とを少なくとも有していてもよいし、複数の身頃部材として右身頃部材と左身頃部材とを少なくとも有していてもよい。
【0013】
また、上記した本体部は、複数の身頃部材として本体部を着脱するための開閉部をさらに有していてもよい。
【0014】
また、上記した締め付け部材は、着用者の腹部及び脇腹部に相当する部分に設けられていることが好ましい。
【0015】
また、上記した締め付け部材は、着用者の背部上部に相当する部分に配置されていることが好ましい。
【0016】
例えば、上記したように、体型補整衣類としては、バストを覆わないタイプのものがあり、その場合、体型補整衣類の内側にブラジャーを着用する。この構成によれば、背部上部の締め付け部材によって、ブラジャーのバックベルト、及び、バックベルトの留め具の存在が衣類本体部に現れることを抑制することができる。また、ブラジャーのバックベルト近傍のラインをスムージングすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、部分的に締め付け部材を配置しても、締め付け部材の被覆部と非被覆部との境界に段差が生じることを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を前側から示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を脇側から示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を背側から示す図である。
【図4】第1の実施形態の変形例に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【図6】第2の実施形態の第1の変形例に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【図7】第2の実施形態の第2の変形例に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の体型補整衣類の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施形態]
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を前側から示す図であり、図2は、本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を脇側から示す図であり、図3は、本発明の第1の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を背側から示す図である。図1〜3に示すウエストニッパー1は、本体部10と、緊締部20と、腹部緊締部30とを備えている。図中に、左右(胴回り)方向について符号Xを付し、上下方向について符号Yを付してそれぞれ示す。
【0021】
本体部10は、着用者の胸部下部からウエストにわたる胴回り及び背部上部を被覆し、バストを被覆しない衣類である。本体部10には、伸縮性を有する生地、例えば、パワーネット、サテンネット、トリコネット、ツーウェイトリコット、ツーウェイラッセル等の生地が適用可能である。これにより、本体部10は強い緊締力を有する。
【0022】
本体部10は、前身頃(身頃部材)12と後身頃(身頃部材)14とを有し、これらを両脇側において縫合することにより形成されている。前身頃12は、左前身頃(身頃部材)12Lと右前身頃(身頃部材)12Rとからなる。左前身頃12L及び右前身頃12Rの前中心側端部には、上下方向に等間隔に留め具(開閉部)50が配置されており、この留め具50によって、着脱時に開閉可能になっている。なお、本体部10の裾部は、へそに相当する位置より約3〜4cm下方に位置している。これにより、裾部が捲れることを抑制することができる。
【0023】
なお、本実施形態では、前身頃12を左右に分割し、左前身頃12L、右前身頃12Rによって形成する例を挙げているが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、前身頃12を左右に分割せずに一体的に形成するものとしてもよい。この場合には、本体部10に脚を挿通して着脱するいわゆるステップインタイプの体型補整衣類とすることができる。
【0024】
また、本実施形態のように前身頃12を左右の身頃(左前身頃12L、右前身頃12R)に分割する代わりに、後身頃14を左右の身頃に分割し、分割した左右の後身頃の連結部分に留め具等の開閉部を設けても良い。この場合には、後身頃側を左右に開閉することで着脱可能となる。
【0025】
また、前身頃12の前中心部には、腹部緊締部30が設けられており、前身頃12と後身頃14とは、脇側部分の縫着部40で連結されている。更に、前身頃12及び後身頃14の肌側には、部分的に、緊締部20が設けられている。
【0026】
腹部緊締部30には、難伸縮性又は非伸縮性を有する部材、例えば、マーキゼット等が適用可能である。腹部緊締部30は、留め具50を境にして、左腹部緊締部30Lと右腹部緊締部30Rとからなる。左腹部緊締部30Lは、左前身頃12Lの前中心端部において、上下方向に延在しており、同様に、右腹部緊締部30Rは、右前身頃12Rの前中心端部において、上下方向に延在している。
【0027】
縫着部40は、左右両脇側において上下方向に延在しており、例えば、芯材を内臓したテープ材等によって形成することが好ましい。
【0028】
緊締部20は、左前緊締部20Lと、右前緊締部20Rと、背緊締部20Bとからなる。左前緊締部20Lと、右前緊締部20Rと、背緊締部20Bは、伸縮性を有し、かつ、端始末不要の生地、例えば、フリーカットの生地、パワーネット、ヘム素材、ラッセル等の当て布(締め付け部材)CLを本体部10の肌側に取り付けることによって形成されている。なお、当て布CLには、難伸縮性や非伸縮性の素材も適用可能である。また、当て布CLの仕様や種類を左前緊締部20Lと、右前緊締部20Rと、背緊締部20Bでそれぞれ変更するようにしても良い。
【0029】
左前緊締部20L及び右前緊締部20Rは、腹部中央から脇腹部を通るように斜め上方へ延在している。左前緊締部20Lの前中心端部20Lcは、左腹部緊締部30Lとの境界において(左腹部緊締部30Lは留め具50と連結しているので、換言すれば、留め具50との境界において)、左前身頃12Lに縫着されており、左前緊締部20Lの脇端部20Lsは、縫着部40において左前身頃12Lに縫着されている。左前緊締部20Lのその他の部分は、左前身頃12Lに縫着されておらず、遊離している。すなわち、左前緊締部20Lの上辺部20Lu及び下辺部20Llは、左前身頃12Lに縫着されておらず、遊離している。
【0030】
なお、本実施形態では、左前緊締部20L及び右前緊締部20Rは、左腹部緊締部30L及び右腹部緊締部30Rをそれぞれ間に挟んで留め具50に連結されているが、左前緊締部20L及び右前緊締部20Rを留め具50に直接連結するようにしても良い。
【0031】
同様に、右前緊締部20Rの前中心端部20Rcは、右腹部緊締部30Rとの境界において(右腹部緊締部30Rは留め具50と連結しているので、換言すれば、留め具50との境界において)、右前身頃12Rに縫着されており、右前緊締部20Rの脇端部30Rsは、縫着部40において右前身頃12Rに縫着されている。右前緊締部20Rのその他の部分は、右前身頃12Rに縫着されておらず、遊離している。すなわち、右前緊締部20Rの上辺部20Ru及び下辺部20Rlは、右前身頃12Rに縫着されておらず、遊離している。
【0032】
次に、背緊締部20Bは、着用者の背部のウエストから上部にわたって配置されている。背緊締部20Bの脇端部20Bsは、縫着部40において後身頃14に縫着されており、背緊締部20Bの襟元部20Bn及び袖部20Baは、それぞれ、後身頃14の襟元部及び袖部において縫着されている。そして、背緊締部20Bのその他の部分は、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。すなわち、背緊締部20Bの上辺部20Bu及び下辺部20Blは、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。なお、背緊締部20Bの下辺部20Blは、ウエストに相当する位置より約3〜4cm下方に位置している。これにより、下辺部20Blが捲れることを抑制することができる。
【0033】
本実施形態では、左前緊締部20Lと、右前緊締部20Rと、背緊締部20Bをそれぞれ異なる当て布CLを本体部10に取り付けることによって形成する例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、商品の仕様に応じて、左前緊締部20Lと、右前緊締部20Rと、背緊締部20Bを一枚の当て布CLによって形成するようにしても良い。
【0034】
この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、緊締部20は、本体部10の前身頃12と後身頃14との連結部、留め具部、襟元部、又は、袖部以外において本体部10に縫着されていないので、緊締部20の存在が衣類本体部10に現れることを抑制することができる。したがって、着用者に抵抗感を与えることがない。
【0035】
また、この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、緊締部20の上辺部20Lu,20Ru,20Bu及び下辺部20Ll,20Rl,20Blが本体部10に縫着されていないので、緊締部20によって覆う部分の贅肉を上辺縁20Lu,20Ru,20Buよりも上方へ、また、下辺縁20Ll,20Rl,20Blよりも下方へ移動させることができる。したがって、緊締部20によって覆う部分の補整力を高めることができる。
【0036】
ところで、例えば、緊締部の全体が衣類本体部に縫着されている場合、緊締部の被覆部と非被覆部との境界に段差が生じてしまう。しかしながら、この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、緊締部20の上辺部20Lu,20Ru,20Bu及び下辺部20Ll,20Rl,20Blが本体部10に縫着されていないので、緊締部20の上辺縁20Lu,20Ru,20Bu及び下辺縁20Ll,20Rl,20Bl近傍部分のラインをスムージングすることができる。したがって、部分的に緊締部20を配置しても、緊締部20の被覆部と非被覆部との境界に段差が生じることを軽減することができる。
【0037】
また、例えば、緊締部の全体が衣類本体部に縫着されている場合、着用者の動作に対して緊締部が追従し難く、緊締部の縫着部分が突っ張ってしまうことがある。これにより、体を捻るような動作を行う際に、着用者に窮屈感を与えてしまうことがある。しかしながら、この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、緊締部20の上辺部20Lu,20Ru,20Bu及び下辺部20Ll,20Rl,20Blが本体部10に縫着されていないので、体を捻るような着用者の動作に対して緊締部20の上辺部20Lu,20Ru,20Bu及び下辺部20Ll,20Rl,20Blを追従し易くすることができ(運動追従性)、緊締部20の上辺部20Lu,20Ru,20Bu及び下辺部20Ll,20Rl,20Blが突っ張り難くすることができる。その結果、着用者の窮屈感を低減することができる。
【0038】
また、この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、緊締部20の背部上部によって、ブラジャーのバックベルト、及び、バックベルトの留め具の存在が衣類本体部10に現れることを抑制することができる。また、ブラジャーのバックベルト近傍のライン、及び、バックベルトの留め具の突出をスムージングすることができる。
【0039】
また、この第1の実施形態のウエストニッパー1によれば、腹部緊締部30によって腹部中央の補整力を高めることができる。また、縫着部40によって本体部10及び緊締部20を支持し、本体部10及び緊締部20による補整力を高めることができる。
【0040】
なお、この第1の実施形態のウエストニッパー1は、上記した形態に限定されることなく種々の変形が可能である。図4は、第1の実施形態の変形例に係るウエストニッパー2の裏側を、留め具50を開いて展開した状態で示す図である。図4に示すように、緊締部20における背緊締部20Bの襟元部20Bnが、後身頃14の襟元部に縫着されていなくてもよい。
[第2の実施形態]
【0041】
図5は、本発明の第2の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。図5に示すウエストニッパー3は、ウエストニッパー1において緊締部20に代えて緊締部21を備えている構成で第1の実施形態と異なっている。ウエストニッパー3のその他の構成は、ウエストニッパー1と同一である。
【0042】
緊締部21には、緊締部20と同一の生地が適用可能である。緊締部21は、左前緊締部21Lと、右前緊締部21Rと、上背緊締部21BUと、下背緊締部21BLとからなる。
【0043】
左前緊締部21L及び右前緊締部21Rは、腹部中央から脇腹部を通るように左右方向に延在している。左前緊締部21Lの前中心端部21Lcは、左腹部緊締部30Lとの境界において左前身頃12Lに縫着されており、左前緊締部21Lの脇端部21Lsは、縫着部40において左前身頃12Lに縫着されている。左前緊締部21Lのその他の部分は、左前身頃12Lに縫着されておらず、遊離している。すなわち、左前緊締部21Lの上辺部21Lu及び下辺部21Llは、左前身頃12Lに縫着されておらず、遊離している。
【0044】
同様に、右前緊締部21Rの前中心端部21Rcは、右腹部緊締部30Rとの境界において右前身頃12Rに縫着されており、右前緊締部21Rの脇端部21Rsは、縫着部40において右前身頃12Rに縫着されている。右前緊締部21Rのその他の部分は、右前身頃12Rに縫着されておらず、遊離している。すなわち、右前緊締部21Rの上辺部21Ru及び下辺部21Rlは、右前身頃12Rに縫着されておらず、遊離している。
【0045】
上背緊締部21BUは、着用者の背部上部において左右方向に延在している。上背緊締部21BUの脇端部21BUsは、縫着部40において後身頃14に縫着されており、上背緊締部21BUの襟元部21BUn及び袖部21BUaは、それぞれ、後身頃14の襟元部及び袖部において縫着されている。そして、上背緊締部21BUのその他の部分は、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。すなわち、上背緊締部21BUの上辺部21BUu及び下辺部21BUlは、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。
【0046】
下背緊締部21BLは、着用者のウエスト部において左右方向に延在している。下背緊締部21BLの脇端部21BLsは、縫着部40において後身頃14に縫着されており、下背緊締部21BLのその他の部分は、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。すなわち、下背緊締部21BLの上辺部21BLu及び下辺部21BLlは、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。
【0047】
この第2の実施形態のウエストニッパー3でも、第1の実施形態と同様の利点を得ることができる。
【0048】
なお、この第2の実施形態のウエストニッパー3は、上記した形態に限定されることなく種々の変形が可能である。図6は、第2の実施形態の第1の変形例に係るウエストニッパー4の裏側を、留め具50を開いて展開した状態で示す図である。図6に示すウエストニッパー4は、ウエストニッパー3において緊締部21に代えて緊締部22を備えている点で第2の実施形態と異なっている。緊締部22は、緊締部21において上背緊締部21BUに代えて上背緊締部22BUを備えている点で緊締部21と異なっている。このように、上背緊締部22BUの襟元部22BUnが後身頃14の襟元部に縫着されていなくてもよい。
【0049】
なお、上背緊締部22BUでも、脇端部22BUsが縫着部40において後身頃14に縫着されており、袖部22BUaが後身頃14の袖部において縫着されている。そして、上背緊締部22BUのその他の部分は、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。すなわち、上背緊締部22BUの上辺部22BUu及び下辺部22BUlは、後身頃14に縫着されておらず、遊離している。
【0050】
また、図7は、第2の実施形態の第2の変形例に係るウエストニッパー5の裏側を、留め具50を開いて展開した状態で示す図である。図7に示すウエストニッパー5は、ウエストニッパー3において緊締部21に代えて緊締部23を備えている点で第2の実施形態と異なっている。緊締部23は、緊締部21において上背緊締部21BUに代えて上述した上背緊締部22BUを備えており、左前緊締部21L及び右前緊締部21Rに代えて上述した左前緊締部20L、右前緊締部20Rを備えていてもよい。
[第3の実施形態]
【0051】
図8は、本発明の第3の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。図8に示すウエストニッパー6は、ウエストニッパー3において緊締部21に代えて緊締部24を備えている構成で第2の実施形態と異なっている。ウエストニッパー6のその他の構成は、ウエストニッパー3と同一である。
【0052】
緊締部24は、緊締部21において上背緊締部21BUを備えていない点で緊締部21と異なっている。すなわち、緊締部24は、緊締部21における左前緊締部21L、右前緊締部21R、及び、下背緊締部21BUのみを備えている。換言すれば、緊締部24は、ウエスト周りのみに緊締部を備えている。
【0053】
この第3の実施形態のウエストニッパー6でも、第2の実施形態のウエストニッパー3における左前緊締部21L、右前緊締部21R、及び、下背緊締部21BUと同様の利点を得ることができる。
[第4の実施形態]
【0054】
図9は、本発明の第4の実施形態に係るウエストニッパーの裏側を、開閉部を開いて展開した状態で示す図である。図9に示すウエストニッパー7は、ウエストニッパー3において緊締部21に代えて緊締部25を備えている構成で第2の実施形態と異なっている。ウエストニッパー7のその他の構成は、ウエストニッパー3と同一である。
【0055】
緊締部25は、緊締部21において左前緊締部21L、右前緊締部21R、及び、下背緊締部21BUを備えていない点で緊締部21と異なっている。すなわち、緊締部25は、緊締部21における上背緊締部21BUのみを備えている。換言すれば、緊締部25は、背部上部のみに緊締部を備えている。
【0056】
この第4の実施形態のウエストニッパー7でも、第2の実施形態のウエストニッパー3における上背緊締部21BUと同様の利点を得ることができる。
【0057】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、腹部緊締部を備えていたが、腹部緊締部は備えていなくともよい。
【0058】
また、本実施形態では、着脱時のための留め具(開閉部)50を前身頃12の前中心部に設けたが、留め具50は後身頃14の後中心部に設けてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、バストを被覆しないタイプのウエストニッパーを例示したが、本実施形態の特徴は、バストを覆うためのカップ部を備えるタイプのウエストニッパーにも適用可能である。また、本実施形態の特徴は、コルセットやボディスーツのように体型を補整するための衣類であればすべてに適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1,2,3,4,5,6,7…ウエストニッパー(体型補整衣類)、10…本体部、12…前身頃(身頃部材)、12L…左前身頃(身頃部材)、12R…右前身頃(身頃部材)、14…後身頃(身頃部材)、20,21,22,23,24,25…緊締部、20L,21L…左前緊締部、20R,21R…右前緊締部、20B…背緊締部、21BU,22BU…上背緊締部、21BL…下背緊締部、30…腹部緊締部、30L…左腹部緊締部、30R…右腹部緊締部、40…縫着部、50…留め具(開閉部)、CL…当て布(締め付け部材)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の上半身の体型補整を行うための体型補整衣類であって、
着用状態において緊締力を作用させるように複数の身頃部材を左右方向に連結して形成された本体部と、
前記複数の身頃部材の左右方向の異なる連結部分にそれぞれ連結され、前記本体部の緊締力を部分的に大きくする締め付け部材と、
を備え、
前記締め付け部材は、上下方向の端部のうち少なくとも一端部が前記本体部に対して遊離するように前記本体部に連結されている、
体型補整衣類。
【請求項2】
前記本体部は、前記複数の身頃部材として前身頃部材と後身頃部材とを少なくとも有している、
請求項1に記載の体型補整衣類。
【請求項3】
前記本体部は、前記複数の身頃部材として右身頃部材と左身頃部材とを少なくとも有している、
請求項1または2に記載の体型補整衣類。
【請求項4】
前記本体部は、前記複数の身頃部材として前記本体部を着脱するための開閉部をさらに有している、
請求項2または3に記載の体型補整衣類。
【請求項5】
前記締め付け部材は、着用者の腹部及び脇腹部に相当する部分に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の体型補整衣類。
【請求項6】
前記締め付け部材は、着用者の背部上部に相当する部分に配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の体型補整衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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