説明

体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着

【課題】着用者の腕の動きに合わせて体幹の下部を動かすことができる運動補助着を提供する。
【解決手段】体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着としてのシャツ1には、着用者の腕の動きにともない体幹に力を付与する第1連動部30および第2連動部40が設けられる。第1連動部30は、後身頃12の左脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して前身頃の右脇腹までにわたり設けられる。第2連動部40は、後身頃12の右脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して前身頃の左脇腹までにわたり設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費カロリーを増加させる運動補助着に関する。
【背景技術】
【0002】
肩付近の筋肉を鍛えるために衣服の一部に緊締力の強い生地を設けた上半身用の衣服が知られている。こうした衣服として、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の衣服を着用した着用者は、生地から肩および腕に付与される負荷に対抗して腕を動かすことにより、肩付近の筋肉を鍛えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−75216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運動補助着としては、腹回りのシェイプアップに役立つものが望まれている。しかし、上記特許文献1の衣服は、肩付近の筋肉を鍛えることができるものの、腹回りの筋肉を鍛えることについてはあまり役立たないと考えられる。
【0005】
一方、本願発明者は腹回りのシェイプアップの効果を高めるためには、腕の動きを利用して体幹の下部を動かすことが望ましいということに想到したが、このような機能を有する運動補助着はいまのところ提案されていない。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、腕の動きにより体幹の下部を動かすことのできる運動補助着を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、着用者の背面または前面の一方に対応する部分を第1面とし、着用者の背面または前面の他方に対応する部分を第2面とし、着用者の体幹のうちの胸を含む部分を体幹上部とし、着用者の体幹のうちの腹を含む部分を体幹下部として、腕の動きにともない体幹に力を付与する連動部が設けられること、および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられることを要旨としている。
【0008】
上記発明の運動補助着には、腕の動きにともない体幹に力を付与する連動部が設けられている。このため、当該運動補助着を着用した着用者の腕が肩関節まわりで動かされたとき、以下の(A)〜(H)のように体幹に力が作用する。
【0009】
(A)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の左半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して前面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0010】
この場合、左腕が前方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0011】
(B)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の左半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0012】
この場合、左腕が後方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0013】
(C)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の右半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して前面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0014】
この場合、右腕が前方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0015】
(D)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の右半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0016】
この場合、右腕が後方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0017】
(E)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の左半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して背面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0018】
この場合、左腕が後方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0019】
(F)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の左半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0020】
この場合、左腕が前方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0021】
(G)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の右半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して背面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0022】
この場合、右腕が後方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0023】
(H)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の右半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0024】
この場合、右腕が前方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0025】
以上、上記発明の運動補助着を着用した場合、腕の動きにより体幹を右回りまたは左回りで回転させようとする力が体幹に作用するため、腕を動かす動作にともない腹周りの筋肉も動かされる。また、連動部において体幹上部に対応する部分と連動部において体幹下部に対応する部分とがそれぞれ着用者の前面または背面に設けられるため、連動部の各部分がともに前面または背面に設けられる場合と比較して、腕の動きにともなう体幹の動きがより大きくなる。
【0026】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、この運動補助着が身頃を含むものであること、および、前記連動部に縫い付けられる基礎部と前記連動部とを含めて前記身頃が構成されること、および、前記連動部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されることを要旨としている。
【0027】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記連動部として連動部Aおよび連動部Bが設けられること、および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Aが設けられること、および、前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Bが設けられること、および、前記第1面または前記第2面において前記連動部Aと前記連動部Bとが重なり合うこと、および、前記連動部Aにおいて前記連動部Bに重なり合う部分を重なり部Aとし、前記連動部Bにおいて前記連動部Aに重なり合う部分を重なり部Bとして、前記重なり部Aと前記重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように前記連動部Aおよび前記連動部Bが構成されることを要旨としている。
【0028】
上記発明では、重なり部Aと重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように連動部Aおよび連動部Bが構成されているため、各重なり部が独立して腕の動きを体幹に伝えることができない構成と比較して、腕から体幹により大きな力を伝えることができる。
【0029】
(4)請求項4に記載の発明は、着用者の背面または前面の一方に対応する部分を第1面とし、着用者の背面または前面の他方に対応する部分を第2面とし、着用者の体幹のうちの胸を含む部分を体幹上部とし、着用者の体幹のうちの腹を含む部分を体幹下部として、腕の動きにともない体幹に力を付与する連動部として連動部Aおよび連動部Bが設けられること、および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Aが設けられること、および、前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Bが設けられること、および、前記第1面または前記第2面において前記連動部Aと前記連動部Bとが重なり合うこと、および、前記連動部Aにおいて前記連動部Bに重なり合う部分を重なり部Aとし、前記連動部Bにおいて前記連動部Aに重なり合う部分を重なり部Bとして、前記重なり部Aと前記重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように前記連動部Aおよび前記連動部Bが構成されることを要旨としている。
【0030】
上記発明の運動補助着には、腕の動きにより体幹を動かす連動部が設けられている。このため、当該運動補助着を着用した着用者の腕が肩関節まわりで動かされたとき、以下の(A)〜(D)のように体幹に力が作用する。
【0031】
(A)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の左半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面または前面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0032】
この場合、左腕が前方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0033】
(B)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の左半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面または背面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0034】
この場合、左腕が後方に振られることにともない、連動部において右半身の体幹下部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して右半身の体幹下部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0035】
(C)運動補助着の一形態においては、着用者の背面が第1面に相当し、着用者の前面が第2面に相当し、背面の右半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面または前面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0036】
この場合、右腕が前方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0037】
(D)運動補助着の一形態においては、着用者の前面が第1面に相当し、着用者の背面が第2面に相当し、前面の右半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面または背面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり連動部が設けられる。
【0038】
この場合、右腕が後方に振られることにともない、連動部において左半身の体幹下部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、連動部の動きに連動して左半身の体幹下部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0039】
また上記発明では、重なり部Aと重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように連動部Aおよび連動部Bが構成されているため、各重なり部が独立して腕の動きを体幹に伝えることができない構成と比較して、腕から体幹により大きな力を伝えることができる。
【0040】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、この運動補助着が身頃を含むものであること、および、前記連動部に縫い付けられる基礎部と前記連動部とを含めて前記身頃が構成されること、および、前記連動部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されることを要旨としている。
【0041】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動によって消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記連動部Aと前記連動部Bとを互いに接続する接続部が設けられること、および、前記重なり部Aおよび前記重なり部Bが互いに重なり合う部分に前記接続部が設けられること、および、前記重なり部Aおよび前記重なり部Bが互いに重なり合う部分において前記重なり部Aおよび前記重なり部Bのうちの少なくとも一方に接触して前記接続部が設けられることを要旨としている。
【0042】
連動部Aおよび連動部Bが互いに独立している運動補助着によれば、連動部Aおよび連動部Bに捩れが生じることがある。上記発明によれば、重なり部Aおよび重なり部Bのうちの少なくとも一方に接触して接続部が設けられているため、連動部Aおよび連動部Bが捩れることを抑制することができる。
【0043】
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、腕に対応する部分から前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第2面または前記第1面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられることを要旨としている。
【0044】
上記発明によれば、腕に対応する部分が連動部に含まれるため、腕の動きにともない連動部が腕から受ける力が大きくなる。これにより、連動部を介して体幹に伝えられる力をより大きくすることができる。
【0045】
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記連動部において前記腕に対応する部分には肘に対応する部分が設けられることを要旨としている。
【0046】
上記発明によれば、肩関節まわりの動きに加えて肘が曲げられる動きによっても連動部に力が付与される。このため、肘が曲げられたときにも連動部により体幹下部を引っ張ることができる。
【0047】
(9)請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記連動部において前記腕に対応する部分が腕に螺旋状に巻きつくように設けられることを要旨としている。
【0048】
上記発明によれば、連動部が腕に螺旋状に巻きつくように設けられるため、運動補助着が着用者の腕からずれにくくなる。これにより、腕が動かされたときの力をより適切に体幹に伝えることができる。
【0049】
(10)請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、この運動補助着が長袖を含むものであること、および、左手首または右手首の一方の手首に対応する部分から前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第2面または前記第1面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられることを要旨としている。
【0050】
上記発明によれば、長袖の手首に対応する部分が連動部に含まれるため、腕の動きにともない連動部が腕から受ける力が大きくなる。これにより、連動部を介して体幹に伝えられる力をより大きくすることができる。
【0051】
(11)請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分を経由するとともに前記第2面の中間部分を横断して前記第2面の左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられることを特徴としている。
【0052】
上記発明によれば、連動部が体幹下部において前記第2面の中間部分を横断して前記第2面の左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり延長されている。これにより、腕の動きにともなう体幹の動きをより大きくすることができる。
【0053】
(12)請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記連動部として前記第1面の中間部分を横断するものが設けられること、および、腕の動きにより体幹を動かす補助連動部が前記連動部とは各別に設けられること、および、前記補助連動部が前記第2面の中間部分を横断して設けられること、および、左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の中間部分を横断して左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分までにわたり前記補助連動部が設けられることを要旨としている。
【0054】
上記発明の運動補助着には、腕の動きにともない体幹に力を付与する補助連動部が設けられている。このため、当該運動補助着を着用した着用者の腕が肩関節まわりで動かされたとき、連動部および補助連動部により以下の(A)〜(D)のように体幹に力が作用する。
【0055】
(A)運動補助着の一形態においては、連動部が背面の左半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面または前面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり設けられ、補助連動部が右半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して左半身の体幹上部に対応する部分までにわたり設けられる。
【0056】
この場合、左腕が前方に振られることにともない、連動部により体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、右腕が後方に振られることにともない、補助連動部において左半身の体幹上部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部の動きに連動して左半身の体幹上部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0057】
(B)運動補助着の一形態においては、連動部が背面の右半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して背面または前面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり設けられ、補助連動部が左半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して右半身の体幹上部に対応する部分までにわたり設けられる。
【0058】
この場合、右腕が前方に振られることにともない、連動部により体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、左腕が後方に振られることにともない、補助連動部において右半身の体幹上部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部の動きに連動して右半身の体幹上部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0059】
(C)運動補助着の一形態においては、連動部が前面の左半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面または背面の右半身の体幹下部に対応する部分までにわたり設けられ、補助連動部が右半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して左半身の体幹上部に対応する部分までにわたり設けられる。
【0060】
この場合、左腕が後方に振られることにともない、連動部により体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、右腕が前方に振られることにともない、補助連動部において左半身の体幹上部に対応する部分が右半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部の動きに連動して左半身の体幹上部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0061】
(D)運動補助着の一形態においては、連動部が前面の右半身の体幹上部に対応する部分から前面の中間部分を横断して前面または背面の左半身の体幹下部に対応する部分までにわたり設けられ、補助連動部が左半身の体幹上部に対応する部分から背面の中間部分を横断して右半身の体幹上部に対応する部分までにわたり設けられる。
【0062】
この場合、右腕が後方に振られることにともない、連動部により体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、左腕が前方に振られることにともない、補助連動部において右半身の体幹上部に対応する部分が左半身の体幹上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部の動きに連動して右半身の体幹上部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0063】
以上のように、上記発明の運動補助着を着用した場合、腕の動きにともない連動部により体幹を回転させようとする力が作用するとき、補助連動部によっても体幹を同じ方向に回転させようとする力が作用する。このため、腕の動きにともなう体幹の動きをより大きくすることができる。
【0064】
(13)請求項13に記載の発明は、請求項12に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分Aから前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分Bまでにわたり前記連動部が設けられること、および、前記第1面または前記第2面の左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の中間部分を横断して左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分Cまでにわたり前記補助連動部が設けられること、および、前記第1面において前記連動部の前記部分Aを挟んで前記部分Eと対向する位置に前記補助連動部の一部としての分離部が設けられること、および、前記部分Eおよび前記分離部がそれぞれ前記連動部に接続されることを要旨としている。
【0065】
上記発明によれば、補助連動部の部分Cが連動部を介して分離部に接続されているため、腕が動かされたときに補助連動部を引っ張る力が連動部を介して分離部に伝えられる。これにより、腕の動きにともない分離部と対応する部分の筋肉をさらに動かすことができる。
【0066】
(14)請求項14に記載の発明は、請求項13に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、前記補助連動部が前記連動部よりも緊締力の弱い生地により構成されることを要旨としている。
【0067】
上記発明によれば、補助連動部の生地の緊締力が連動部の生地の緊締力よりも小さいため、補助連動部の生地の緊締力が連動部の生地の緊締力と同じ場合と比較して、着用者が運動補助着を着用したときに着用者に付与される締め付け感を小さくすることができる。
【0068】
(15)請求項15に記載の発明は、請求項1〜14のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、この運動補助着が袖を含むものであること、腕が振られたときに腕に対する前記袖の移動を妨げるずれ抑制部が前記袖に設けられることを要旨としている。
【0069】
腕の動きにともない袖が腕に対して肩方向にずれたとき、連動部に伝えられる力が小さくなる。上記発明によれば、ずれ抑制部によりこのようなずれの発生が抑制されるため、腕から体幹に伝達される力が低減することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0070】
本発明によれば、腕の動きにより体幹の下部を動かすことのできる運動補助着を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態の運動補助着について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面構造の一部を拡大して示す断面図。
【図2】同実施形態の運動補助着について、その背面構造を示す背面図。
【図3】同実施形態の運動補助着について、(a)は図2の部分Xを裏面から見た構造を拡大して示す正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面構造を示す断面図、(c)は(a)のC−C線に沿う断面構造を示す断面図。
【図4】同実施形態の運動補助着について、(a)は運動補助着の腹部に対応する部分を裏面から見た構造を拡大して示す正面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面構造を示す断面図、(c)は(a)のE−E線に沿う断面構造を示す断面図。
【図5】同実施形態の運動補助着について、その機能を模式的に示す作用図。
【図6】同実施形態の運動補助着について、その機能を模式的に示す作用図。
【図7】本発明のその他の実施形態としての運動補助着について、その正面構造を示す正面図。
【図8】同実施形態の運動補助着について、その背面構造を示す背面図。
【図9】本発明のその他の実施形態としての運動補助着について、(a)はその正面構造を示す正面図、(b)はその背面構造を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0072】
図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態では、人体に密着する長袖のシャツ1として本発明の運動補助着を具体化した一例を示している。なお、図1〜図4では、シャツ1を構成する各生地同士の縫い目を実線で示している。また、生地の裏側に縫い付けられた別の生地または同じ生地の縫い目を太破線で示している。
【0073】
シャツ1の説明にあたり以下のように各用語を定義する。
「第1面」は、着用者の身体の背面を示すものとする。
「第2面」は、着用者の身体の前面を示すものとする。
【0074】
「前方」は、背面から前面に向かう方向を示すものとする。
「後方」は、前面から背面に向かう方向を示すものとする。
「上方」は、着用者の足から頭に向かう方向を示すものとする。
【0075】
「下方」は、着用者の頭から足に向かう方向を示すものとする。
「左方」は、着用者の右半身から左半身に向かう方向を示すものとする。
「右方」は、着用者の左半身から右半身に向かう方向を示すものとする。
【0076】
「体幹断面」は、直立した着用者のみぞおちを通過し、かつ水平面に平行な断面を示すものとする。
「体幹上部」は、体幹のうち体幹断面よりも上方の部分を示すものとする。また、体幹上部には肩甲部と胸と脇とが含まれるものとする。
【0077】
「体幹下部」は、体幹のうち体幹断面よりも下方の部分を含むものとする。また、体幹下部には脇腹と腹部と腰とが含まれるものとする。
「脇」は、着用者の肘が閉められたときに腕において体幹と接触する肩から肘までの部分と、着用者の肘が閉められたときに体幹において上腕と接触する部分とを含むものとする。
【0078】
「脇上部」は、脇のうちの上方の部分を示すものとする。
「脇下部」は、脇のうちの下方の部分を示すものとする。
「胸上部」は、胸のうちの上方の部分を示すものとする。
【0079】
「胸下部」は、胸のうちの下方の部分を示すものとする。
「肩甲上部」は、肩甲部のうちの上方の部分を示すものとする。
「肩甲下部」は、肩甲部のうちの下方の部分を示すものとする。
【0080】
「腹上部」は、腹のうちの上方の部分を示すものとする。
「腹下部」は、腹のうちの下方の部分を示すものとする。
「脇腹上部」は、脇腹のうちの上方の部分を示すものとする。
【0081】
「脇腹下部」は、脇腹のうちの下方の部分を示すものとする。
「腰上部」は、腰のうちの上方の部分を示すものとする。
「腰下部」は、腰のうちの下方の部分を示すものとする。
【0082】
「上腕上部」は、上腕のうちの上方の部分を示すものとする。
「上腕下部」は、上腕のうちの下方の部分を示すものとする。
図1および図2を参照して、シャツ1の構成について説明する。
【0083】
図1および図2に示されるように、シャツ1には、前身頃11と後身頃12と左袖13と右袖14とが設けられている。前身頃11は、上半身の前面を覆う部分として設けられている。後身頃12は、上半身の背面を覆う部分として設けられている。左袖13は、左腕を左肩から左手首までにわたり覆う部分として設けられている。右袖14は、右腕を右肩から右手首までにわたり覆う部分として設けられている。
【0084】
左袖13は、前身頃11および後身頃12の左肩口に対応する部分に縫い付けられている。右袖14は、前身頃11および後身頃12の右肩口に対応する部分に縫い付けられている。
【0085】
シャツ1には、基礎部20と第1連動部30と第2連動部40と補助連動部50とが設けられている。基礎部20は、着用者の各部分を覆う一般的な部分として設けられている。第1連動部30は、左腕の動きにより体幹を動かすための部分として設けられている。第2連動部40は、右腕の動きにより体幹を動かすための部分として設けられている。補助連動部50は、右腕または左腕の動きにより体幹を動かすための部分として設けられている。なお、第1連動部30は連動部Aおよび連動部Bの一方に対応し、第2連動部40は連動部Aおよび連動部Bの他方に対応する。
【0086】
シャツ1は、緊締力の強さが互いに異なる3種類により構成されている。すなわち、緊締力が最も強い強緊締力生地、緊締力が最も弱い弱緊締力生地、および緊締力が強緊締力生地と弱緊締力生地との間の大きさとなる中緊締力生地により構成されている。弱緊締力生地としては、一般の下着に用いられる生地と同程度の伸縮性を有するものが用いられている。
【0087】
シャツ1の各部分はそれぞれ以下の生地により構成されている。
・基礎部20は、弱緊締力生地により構成されている。
・第1連動部30は、強緊締力生地により構成されている。
・第2連動部40は、強緊締力生地により構成されている。
・補助連動部50は、中緊締力生地により構成されている。
・前面接続部70は、中緊締力生地により構成されている。
【0088】
第1連動部30の強緊締力生地および第2連動部40の強緊締力生地としては、展開された状態において長手方向の伸縮性よりも短手方向の伸縮性が小さいものが用いられている。
【0089】
図1を参照して、前身頃11の詳細について説明する。
前身頃11には、基礎部20としての前面上基礎部21および前面側右下基礎部26Aおよび前面側左下基礎部25Aと、第1連動部30としての第1胴部32と、第2連動部40としての第2胴部42と、補助連動部50としての中間部51および右脇部55および後右中間部56および左脇部52および後左中間部53と、前面接続部70とが設けられている。
【0090】
前面上基礎部21は、胸および肩に対応する部分として設けられている。
前面接続部70は、腹に対応する部分として設けられている。
前面側左下基礎部25Aは、左脇腹下部に対応する部分として設けられている。
【0091】
前面側右下基礎部26Aは、右脇腹下部に対応する部分として設けられている。
中間部51は、胸下部および腹上部に対応する部分として設けられている。
左脇部52は、左脇下部に対応する部分として設けられている。
【0092】
右脇部55は、右脇下部に対応する部分として設けられている。
前身頃11においては、右脇腹に対応する部分に第1胴部32の一部が設けられている。また、右脇上部に対応する部分に第2胴部42の一部が設けられている。また、左脇上部に対応する部分に第1胴部32の一部が設けられている。また、左脇腹に対応する部分に第2胴部42の一部が設けられている。
【0093】
図2を参照して、後身頃12の詳細について説明する。
後身頃12には、基礎部20としての背面上基礎部23および背面下基礎部24および背面側右下基礎部26Bおよび背面側左下基礎部25Bと、第1連動部30としての第1胴部32と、第2連動部40としての第2胴部42と、補助連動部50としての右脇部55および左脇部52および右分離部57および左分離部54とが設けられている。
【0094】
背面上基礎部23は、背中および肩に対応する部分として設けられている。
背面下基礎部24は、腰に対応する部分として設けられている。
背面側左下基礎部25Bは、左腰に対応する部分として設けられている。
【0095】
背面側右下基礎部26Bは、右腰に対応する部分として設けられている。
左脇部52は、左脇下部に対応する部分として設けられている。
右脇部55は、右脇下部に対応する部分として設けられている。
【0096】
後左中間部53は、左肩甲部下部に対応する部分として設けられている。
後右中間部56は、右肩甲部下部に対応する部分として設けられている。
左分離部54は、左肩甲部に対応する部分として設けられている。
【0097】
右分離部57は、右肩甲部に対応する部分として設けられている。
後身頃12においては、左脇上部に対応する部分から右腰上部に対応する部分までにわたり第1胴部32の一部が設けられている。また、右脇上部に対応する部分から左腰上部に対応する部分までにわたり第2胴部42の一部が設けられている。
【0098】
左下基礎部25は、前面側左下基礎部25Aおよび背面側左下基礎部25Bにより構成されている。前面側左下基礎部25Aおよび背面側左下基礎部25Bは、前面側から背面側にわたり連続して形成されている。
【0099】
右下基礎部26は、前面側右下基礎部26Aおよび背面側右下基礎部26Bにより構成されている。前面側右下基礎部26Aおよび背面側右下基礎部26Bは、前面側から背面側にわたり連続して形成されている。
【0100】
図1(a)に示されるように、腰に対応する部分には前身頃11および後身頃12の一部として裾15が形成されている。この裾15の内側には、弱緊締力生地および中緊締力生地および強緊締力生地よりも摩擦の大きな生地により構成される裾ずれ抑制部15Mが縫い付けられている。
【0101】
図1(b)に示されるように、左袖13の袖口13Aの内側には、弱緊締力生地および中緊締力生地および強緊締力生地よりも摩擦の大きい生地から構成される袖ずれ抑制部13Mが縫い付けられている。なお、図示しないが、右袖14の袖口14Aの内側についても同様に、袖ずれ抑制部13Mが設けられている。
【0102】
図1および図2を参照して、左袖13の詳細について説明する。
図1に示されるように、左袖13には、基礎部20としての左袖基礎部27と、第1連動部30としての左腕部31とが設けられている。左袖基礎部27は、左肩および左上腕および左下腕に対応する部分として設けられている。
【0103】
図2に示されるように、左腕部31は、左脇および左上腕下部および左肘および左下腕および左手首に対応する部分として設けられている。また、背面においては左脇に対応する部分から左肘に対応する部分を経由して前面において左手首までにわたり設けられている。
【0104】
図1および図2を参照して、右袖14の詳細について説明する。
図1に示されるように、右袖14には、基礎部20としての右袖基礎部28と、第2連動部40としての右腕部41とが設けられている。右袖基礎部28は、右肩および右上腕および右下腕に対応する部分として設けられている。
【0105】
図2に示されるように、右腕部41は、右脇および右上腕下部および右肘および右下腕および右手首に対応する部分として設けられている。また、背面においては右脇に対応する部分から右肘に対応する部分を経由して前面において右手首までにわたり設けられている。
【0106】
図1および図2を参照して、連動部30,40および補助連動部50の各部位の詳細について説明する。
第1連動部30は、左袖13に設けられる左腕部31と、前身頃11および後身頃12にわたり設けられる第1胴部32と、腹部に設けられる第1下腹部34により構成されている。左腕部31と第1胴部32とは、左肩の付け根および左脇に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0107】
左腕部31は、左肘をまたいで左腕の下腕および上腕にわたり設けられている。
第1胴部32は、背面の左脇、背面の中間部分、背面の右腰、前面の右脇腹および腹下部の順に前身頃11および後身頃12の各部位を通過して設けられている。
【0108】
第1下腹部34は、腹部の中間部分に設けられている。第1下腹部34と第1胴部32とは、右脇腹に対応する部分において互いに縫い合わせられている。また、第1下腹部34と第2胴部42とは、左脇腹に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0109】
このように、第1連動部30は、左手首から左肘および左脇および後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の左脇腹までにわたり連続して設けられている。また、後身頃12の中間部分においては、左半身の上部から右半身の下部に向けて斜めに後身頃12を横断して設けられている。
【0110】
第2連動部40は、右袖14に設けられる右腕部41と、前身頃11および後身頃12にわたり設けられる第2胴部42と、腹部に設けられる第2下腹部44により構成されている。右腕部41と第2胴部42とは、右肩の付け根および右脇に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0111】
右腕部41は、右肘をまたいで右腕の下腕および上腕にわたり設けられている。
第2胴部42は、背面の右脇、背面の中間部分、背面の左腰、前面の左脇腹および腹下部の順に前身頃11および後身頃12の各部位を通過して設けられている。
【0112】
第2下腹部44は、腹部の中間部分に設けられている。第2下腹部44と第2胴部42とは、左脇腹に対応する部分において互いに縫い合わせられている。また、第2下腹部44と第1胴部32とは、右脇腹に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0113】
このように、第2連動部40は、右手首から右肘および右脇および後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の右脇腹までにわたり連続して設けられている。また、後身頃12の中間部分においては、右半身の上部から左半身の下部に向けて斜めに後身頃12を横断して設けられている。
【0114】
補助連動部50は、中間部51と、左脇部52と、後左中間部53と、左分離部54と、右脇部55と、後右中間部56と、右分離部57とにより構成されている。
左脇部52は、前身頃11および後身頃12の左脇および左脇付近と対応する部分に設けられている。
【0115】
右脇部55は、前身頃11および後身頃12の右脇および右脇付近と対応する部分に設けられている。
中間部51は、前身頃11において左脇部52と右脇部55との間に設けられている。
【0116】
後左中間部53は、左脇部52と第1胴部32および第2胴部42が交差する部分との間に設けられている。
後右中間部56は、右脇部55と第1胴部32および第2胴部42が交差する部分との間に設けられている。
【0117】
左分離部54は、左肩甲部に設けられるとともに左脇部52および中間部51および後左中間部53のいずれとも直接縫い合わせられない。右分離部57は、右肩甲部に設けられるとともに右脇部55および中間部51および後右中間部56のいずれとも直接縫い合わせられない。
【0118】
左脇部52と中間部51とは、左胸に対応する部分において互いに縫い合わせられている。右脇部55と中間部51とは、右胸に対応する部分において互いに縫い合わせられている。左脇部52と後左中間部53とは、左肩甲部下部に対応する部分において互いに縫い合わせられている。右脇部55と後右中間部56とは、右肩甲部下部に対応する部分において互いに縫い合わせられている。
【0119】
左脇部52は、前面の左脇の全体および背面の左脇の一部にわたり設けられている。右脇部55は、前面の右脇の全体および背面の右脇の一部にわたり設けられている。中間部51は、前面の胸部の下部の全体にわたり設けられている。
【0120】
このように、補助連動部50は、後身頃12の左肩甲部から後身頃12の左脇および前身頃11の右脇を経由し、前身頃11の中間部分を横断して、前身頃11の右脇および後身頃12の右脇を経由して右肩甲部までにわたり連続して設けられている。また、前身頃11の中間部分においては、左右方向の中心が下方に突き出る形状となるように設けられている。
【0121】
図2を参照して、左分離部54および右分離部57の詳細について説明する。
左分離部54は、第1連動部30に縫い合わせられている。左脇部52は、第1連動部30および第2連動部40のそれぞれに縫い合わせられている。これにより、左脇部52と左分離部54とが第1連動部30を介して間接的に接続されている。すなわち、左脇部52を引っ張る力が左脇部52に加えられたとき、この力が第1連動部30を介して左分離部54に伝えられる。
【0122】
右分離部57は、第2連動部40に縫い合わせられている。右脇部55は、第1連動部30および第2連動部40のそれぞれに縫い合わせられている。これにより、右脇部55と右分離部57とが第2連動部40を介して間接的に接続されている。すなわち、右脇部55を引っ張る力が右脇部55に加えられたとき、この力が第2連動部40を介して右分離部57に伝えられる。
【0123】
図3を参照して、後身頃12において第1連動部30と第2連動部40とが重なり合う部分の構造について説明する。なお、図3(b)および図3(c)の太い実線は、生地同士が互いに縫い合わせられていることを示している。
【0124】
図3(a)に示されるように、第2連動部40の第2重なり部43は第1連動部30の第1重なり部33の表面に重ねられている。第2重なり部43の表面には、接続部60が設けられている。
【0125】
接続部60は、第1胴部32の生地と連続する第1連動部30の一部としての第1接続部61と、第2胴部42の生地と連続する第2連動部40の一部としての第2接続部62とを備えている。第1接続部61と第2接続部62とは互いに縫い合わせられている。接続部60の上縁は、背面上基礎部23に縫い付けられている。接続部60の下縁は、背面下基礎部24に縫い付けられている。
【0126】
図3(b)に示されるように、第2連動部40の第2重なり部43は、第1連動部30には縫い付けられていない。すなわち、第1重なり部33と第2重なり部43とは互いに独立している。図3(c)に示されるように、第1接続部61と第1重なり部33とは第1重なり部33の左上および右下の端部の2ヶ所において互いに縫い付けられている。
【0127】
図3(c)に示されるように、第1連動部30の第1重なり部33は、第2連動部40には縫い付けられていない。すなわち、第2重なり部43と第1重なり部33とは互いに独立している。図3(b)に示されるように、第2接続部62と第2重なり部43とは第2重なり部43の右上および左下の端部の2ヶ所において互いに縫い付けられている。
【0128】
このように、シャツ1において第1重なり部33および第2重なり部43が重なる部分には、第1重なり部33および第2重なり部43および第1接続部61および第2接続部62の4枚の生地が重ね合わせられた4重構造が採用されている。
【0129】
図4を参照して、前身頃11において第1連動部30と第2連動部40とが重なり合う部分の構造について説明する。なお、図4(b)および図4(c)の太い実線は、生地同士が互いに縫い合わせられていることを示している。
【0130】
図4(a)に示されるように、第1下腹部34は第2下腹部44の表面に重ねられている。第2下腹部44の表面には、前面接続部70が設けられている。
図4(b)に示されるように、前面接続部70の上縁は、中間部51に縫い付けられている。前面接続部70の下縁は、第1下腹部34および第2下腹部44および裾ずれ抑制部15Mにそれぞれ縫い付けられている。
【0131】
第1下腹部34の上縁は、第2下腹部44および前面接続部70のいずれにも縫い付けられていない。また、第2下腹部44の上縁は、第1下腹部34および前面接続部70のいずれにも縫い付けられていない。
【0132】
図4(c)に示されるように、前面接続部70の右縁および第1下腹部34の右縁および第2下腹部44の右縁は、第1胴部32に縫い付けられている。前面接続部70の左縁および第1下腹部34の左縁および第2下腹部44の左縁は、第2胴部42に縫い付けられている。
【0133】
このように、シャツ1において着用者の腹部と対応する部分には、第1下腹部34および第2下腹部44および前面接続部70の3枚の生地が重ね合わせられた3重構造が採用されている。
【0134】
図5を参照して、第1連動部30の機能について説明する。
着用者の左腕が前方に振られたとき、第1連動部30と対応する着用者の体表面が伸びるため、第1連動部30に張力が働く。このため、図中の矢印PFで示されるように第1連動部30において、右脇腹に対応する部分が左腕および左脇に向けて引っ張られる。これにより、第1連動部30の動きに連動して右脇腹が左脇腹側に向けて引っ張られる。また、前面において第1下腹部34により左脇腹に対応する部分が右脇腹に向けて引っ張られる。このため、図中の矢印R1で示されるように、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、これにつられて右腕が後方に振られるため、矢印ARで示されるように右腕の後方への振りが大きくなる。
【0135】
第2連動部40の機能について説明する。なお、腕の動きにともない第2連動部40に作用する力、および第2連動部40から着用者に付与される力は、図5の第1連動部30および着用者についての力と左右対称の関係にあるため、ここでは第2連動部40の図示を省略する。
【0136】
着用者の右腕が前方に振られたとき、第2連動部40と対応する着用者の体表面が伸びるため、第2連動部40に張力が働く。このため、第2連動部40において、左脇腹に対応する部分が右腕および右脇に向けて引っ張られる。これにより、第2連動部40の動きに連動して左脇腹が右脇腹側に向けて引っ張られる。また、第2下腹部44により前面において左脇腹に対応する部分が右脇腹に向けて引っ張られる。このため、体幹を左回り、すなわち図中の矢印R1で示される方向とは反対方向に回転させようとする力が体幹に作用する。また、これにつられて左腕が後方に振られるため、左腕の後方への振りが大きくなる。
【0137】
図6を参照して、補助連動部50の機能について説明する。なお、左腕の動きにともない補助連動部50に作用する力、および補助連動部50から着用者に付与される力は、図6の右腕の動きにともない生じる力と左右対称の関係にあるため、ここでは左腕の動きにともない生じる力の図示を省略する。
【0138】
着用者の右腕が後方に振られたとき、補助連動部50に対応する着用者の体表面が伸びるため、補助連動部50に張力が働く。すなわち、図中の矢印PRに示されるように左脇部52が右脇部55に向けて引っ張られる。ここのため、図中の矢印R2で示されるように、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、これにつられて左腕が前方に振られるため、図中の矢印ALで示されるように、左腕の前方への振りが大きくなる。
【0139】
着用者の左腕が後方に振られたとき、補助連動部50に対応する着用者の体表面が伸びるため、補助連動部50に張力が働く。すなわち、右脇部55が左脇部52に向けて引っ張られる。このため、体幹を左回り、すなわち図中の矢印R2で示される方向とは反対方向に回転させようとする力が体幹に作用する。また、これにつられて左腕が前方に振られるため、右腕の前方への振りが大きくなる。
【0140】
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)シャツ1には、腕の動きにともない体幹に力を付与する第1連動部30および第2連動部40が設けられる。
【0141】
第1連動部30は、後身頃12の左脇上部に対応する部分から後身頃12の中間部分を横断して、前身頃11の右脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。このため、シャツ1を着用した着用者の腕が肩関節まわりで動かされたとき、以下のように体幹に力が作用する。
【0142】
左腕が前方に振られることにともない、第1連動部30において右脇腹に対応する部分が左脇上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、第1連動部30の動きに連動して右脇腹が左脇腹側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0143】
第2連動部40は、後身頃12において右脇上部に対応する部分から後身頃12の中間部分を横断して、前身頃11において左脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。
このため、シャツ1を着用した着用者の腕が肩関節まわりで動かされたとき、以下のように体幹に力が作用する。
【0144】
右腕が前方に振られることにともない、第2連動部40において左脇腹に対応する部分が右脇上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、第2連動部40の動きに連動して左脇腹が右脇腹側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0145】
以上のようにシャツ1を着用した場合、腕の動きにより体幹を右回りまたは左回りで回転させようとする力が体幹に作用するため、腕を動かす動作にともない腹周りの筋肉も動かされる。また、連動部30,40において左脇および右脇上部と連動部30,40において右脇腹および左脇腹に対応する部分とがそれぞれ着用者の前面または背面と対応する後身頃12および前身頃11に設けられるため、連動部30,40の各部分がともに前面または背面に設けられる場合と比較して、腕の動きにともなう体幹の動きがより大きくなる。
【0146】
(2)シャツ1には、第1重なり部33と第2重なり部43とが互いに独立してそれぞれの重なり部33,43に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように第1連動部30および第2連動部40が構成される。このため、各重なり部33,43が独立して腕の動きを体幹に伝えることができない構成と比較して、腕から体幹により大きな力を伝えることができる。
【0147】
(3)第1連動部および第2連動部が互いに独立している運動補助着によれば、第1連動部および第2連動部に捩れが生じることがある。シャツ1には、第1連動部30と第2連動部40とを互いに接続する接続部60が設けられている。また、接続部60が第1重なり部33および第2重なり部43が互いに重なり合う部分に設けられる。また、第1重なり部33および第2重なり部43が互いに重なり合う部分において第1重なり部33および第2重なり部43に接触して接続部60が設けられる。これにより、着用者に近い側の重なり部33よりも着用者に近い側に接続部60を設けているため、第1連動部30および第2連動部40が捩れることを抑制することができる。
【0148】
また、第1接続部61が、第1胴部32と連続して強緊締力生地により構成されているため、第1接続部61よりも左上の第1胴部32からの力を、第1接続部61を介して第1接続部61よりも右下の第1胴部32に伝えることができる。また、第2接続部62が、第2胴部42と連続して強緊締力生地により構成されるため、第2接続部62よりも右上の第2胴部42からの力を、第2接続部62を介して第2接続部62よりも左下の第2胴部42に伝えることができる。
【0149】
(4)第1連動部30は、左腕に対応する左腕部31から後身頃12の左脇に対応する部分を経由して前身頃11の右脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。第2連動部40は、右腕に対応する右腕部41から後身頃12の右脇に対応する部分を経由して前身頃11の左脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。腕に対応する部分としての左腕部31および右腕部41が連動部30,40に含まれるため、腕の動きにともない連動部30,40が腕から受ける力が大きくなる。これにより、連動部30,40を介して体幹に伝えられる力をより大きくすることができる。
【0150】
(5)シャツ1には、連動部30において腕に対応する左腕部31および右腕部41には肘に対応する部分が設けられる。これにより、肩関節まわりの動きに加えて肘が曲げられる動きによっても連動部30,40に力が付与される。このため、肘が曲げられたときにも連動部30,40により右脇または左脇を引っ張ることができる。
【0151】
(6)シャツ1の左袖13および右袖14は長袖として構成される。そして、第1連動部30は、左手首に対応する部分から後身頃12の左脇上部に対応する部分を経由して前身頃11の右脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。第2連動部40は、右手首に対応する部分から後身頃12の右脇上部に対応する部分を経由して前身頃11の左脇腹に対応する部分までにわたり設けられる。すなわち、長袖の手首に対応する部分が連動部30,40の左腕部31および右腕部41に含まれるため、腕の動きにともない連動部が腕から受ける力が大きくなる。これにより連動部30,40を介して体幹に伝えられる力をより大きくすることができる。
【0152】
(7)シャツ1においては、第1下腹部34により第1連動部30が体幹下部において前身頃11の中間部分を横断して右脇腹と対応する部分までにわたり延長されている。また、第2下腹部44により第2連動部40が体幹下部において前身頃11の中間部分を横断して左脇腹と対応する部分までにわたり延長されている。これにより、腕の動きにともなう体幹の動きをより大きくすることができる。
【0153】
(8)シャツ1には、連動部30,40とは別に腕の動きにより体幹を動かす補助連動部50が設けられる。補助連動部50は、後身頃12の左脇下部に対応する左脇部52から前身頃11の中間部分を横断して後身頃12の右脇下部に対応する右脇部55までにわたり設けられる。
【0154】
左腕が前方に振られることにともない、連動部30により体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、右腕が後方に振られることにともない、補助連動部50において左脇上部に対応する部分が右脇上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部50の動きに連動して左脇上部が左半身側から右半身側に向けて引っ張られるため、体幹を右回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0155】
右腕が前方に振られることにともない、連動部40により体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。また、左腕が後方に振られることにともない、補助連動部50において右脇上部に対応する部分が左脇上部に対応する部分に向けて引っ張られる。これにより、補助連動部50の動きに連動して右脇上部が右半身側から左半身側に向けて引っ張られるため、体幹を左回りで回転させようとする力が体幹に作用する。
【0156】
以上のように、腕の動きにともない連動部30,40により体幹を回転させようとする力が作用するとき、補助連動部50によっても体幹を同じ方向に回転させようとする力が作用する。このため、腕の動きにともなう体幹の動きをより大きくすることができる。
【0157】
(9)後身頃12において第1連動部30の左脇と対応する部分を挟んで左脇部52と対向する位置に補助連動部50の一部としての左分離部54が設けられている。また、後身頃12において第2連動部40の右脇と対応する部分を挟んで右脇部55と対向する位置に補助連動部50の一部としての右分離部57が設けられている。そして、左脇部52および左分離部54がそれぞれ第1連動部30に縫い付けられている。そして、右脇部55および右分離部57がそれぞれ第2連動部40に縫い付けられている。これにより、補助連動部50の左脇部52および右脇部55が連動部30,40を介して分離部54,57に接続されているため、腕が動かされたときに補助連動部50を引っ張る力が連動部30,40を介して分離部54,57に伝えられる。これにより、腕の動きにともない分離部54,57と対応する部分の筋肉、すなわち広背筋をさらに動かすことができる。
【0158】
(10)補助連動部50は、連動部30,40よりも緊締力の弱い中緊締力生地により構成される。このため、補助連動部50の生地の緊締力が連動部30,40の生地の緊締力と同じ場合と比較して、着用者が運動補助着を着用したときに着用者に付与される締め付け感を小さくすることができる。
【0159】
(11)腕の動きにともない袖口13A,14Aが腕に対して肩方向にずれたとき、連動部30,40に伝えられる力が小さくなる。シャツ1においては、袖ずれ抑制部13Mによりこのようなずれの発生が抑制されるため、腕から体幹に伝達される力が低減することを抑制することができる。
【0160】
また、体幹の動きにともない裾15が体幹に対して左右方向または上下方向にずれたとき、連動部30,40を介して体幹に伝えられる力が小さくなる。シャツ1においては、裾ずれ抑制部15Mによりこのようなずれの発生が抑制されるため、腕から体幹に伝達される力が低減することを抑制することができる。
【0161】
(12)シャツ1を着用したとき、連動部30,40および補助連動部50により歩行の際に腕の振りおよび体幹の捻りが大きくなるため、腕の振りや体幹の捻りに際して働く腹斜筋や広背筋等がよく刺激される。このため、代謝活動が活発になり消費カロリーが増大する。また、腹回りが動かされるため、腹回りのシェイプアップも行うことができる。また、腕の振り幅が大きくなることにより、歩幅が大きくなることも見込まれるため、運動量および消費カロリーがより増加することが期待される。
【0162】
(13)身体の前面は凹凸に富むため、連動部30,40が前身頃11の中間部分を横断すると着用者の身体の凹凸により腕から脇腹に伝えられる力が低減するおそれがある。これに対して、第1連動部30および第2連動部40は後身頃12の中間部分を横断している。このため、第1連動部30および第2連動部40が前身頃11の中間部分を横断する場合と比較して、第1連動部30および第2連動部40により腕から脇腹に伝える力が低減することを抑制することができる。
【0163】
(14)右袖14および左袖13が基礎部20と連動部30,40とにより構成されている。これにより、袖13,14の全体を連動部30,40とする場合と比較して、着用者が運動補助着を着用したときに着用者に付与される締め付け感を小さくすることができる。
【0164】
(15)後身頃12において、左分離部54および背面上基礎部23の縫い目、第1胴部32および第1接続部61の縫い目、左脇部52および後左中間部53の縫い目、第2胴部42および第2接続部62の縫い目、および左下基礎部25および背面下基礎部24の縫い目が連続している。このため、これらの縫い目が連続していないときと比較して簡単に縫製することができる。
【0165】
同様に、後身頃12において、右分離部57および背面上基礎部23の縫い目、第2胴部42および第2接続部62の縫い目、右脇部55および後右中間部56の縫い目、第1胴部32および第1接続部61の縫い目、および右下基礎部26および背面下基礎部24の縫い目が連続している。このため、これらの縫い目が連続していないときと比較して簡単に縫製することができる。
【0166】
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示すように変更することもできる。また以下の各変形例は、上記実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
【0167】
・上記実施形態では、第1下腹部34および第2下腹部44を設けたが、図7および図8に示されるように、第1下腹部34および第2下腹部44を省略することもできる。この場合、後身頃12の左脇と対応する部分を経由して前身頃11の右脇腹と対応する部分までにわたり第1連動部が設けられる。また、後身頃12の右脇と対応する部分を経由して前身頃11の左脇腹と対応する部分までにわたり第2連動部40が設けられる。
【0168】
・上記実施形態では、後身頃12の左脇と対応する部分を経由して前身頃11の右脇腹と対応する部分までにわたり第1連動部30を設けたが、これに代えてまたは加えて、以下の(X1)〜(X5)の連動部を設けることもできる。
(X1)後身頃12の左脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して前身頃11の右脇腹に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、右脇腹に対応する部分から右腰に対応する部分まで、または右腰に対応する部分を経由するとともに後身頃12を横断して左腰に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(X2)前身頃11の左脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して後身頃12の右腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、右腰に対応する部分から後身頃12を横断して左腰に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(X3)前身頃11の左脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して後身頃12の右腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、右腰に対応する部分から右脇腹に対応する部分まで、または右脇腹に対応する部分を経由するとともに前身頃11を横断して左脇腹に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(X4)後身頃12の左脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して後身頃12の右腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。
(X5)前身頃11の左脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して前身頃11の右脇腹に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。
【0169】
・上記実施形態および上記(X1)〜(X3)の形態においては、接続部60を省略することもできる。
・上記(X1)および(X2)および(X5)の形態においては、補助連動部50の中間部51に代えてまたは加えて、後身頃12において左脇部52と右脇部55とを接続する第2の中間部を設けることもできる。この第2の中間部は、左脇部52および右脇部55に縫い付けられる。また、左分離部54に代えて、前身頃11において左脇上部に対応する部分に左前分離部を設けることもできる。
【0170】
・上記実施形態では、後身頃12の右脇と対応する部分を経由して前身頃11の左脇腹と対応する部分までにわたり第2連動部40を設けたが、これに代えてまたは加えて、以下の(Y1)〜(Y5)の連動部を設けることもできる。
(Y1)後身頃12の右脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して前身頃11の左脇腹に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、左脇腹に対応する部分から左腰に対応する部分まで、または左腰に対応する部分を経由するとともに後身頃12を横断して右腰に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(Y2)前身頃11の右脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して後身頃12の左腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、左腰に対応する部分から後身頃12を横断して右腰に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(Y3)前身頃11の右脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して後身頃12の左腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。また、この形態においては、左腰に対応する部分から左脇腹に対応する部分まで、または左脇腹に対応する部分を経由するとともに前身頃11を横断して右脇腹に対応する部分までにわたり下腹部を設けることもできる。
(Y4)後身頃12の右脇に対応する部分から、後身頃12の中間部分を横断して後身頃12の左腰に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。
(Y5)前身頃11の右脇に対応する部分から、前身頃11の中間部分を横断して前身頃11の左脇腹に対応する部分までにわたり胴部を有する連動部を設けることもできる。
【0171】
・上記実施形態および上記(Y1)〜(Y3)の形態においては、接続部60を省略することもできる。
・上記(Y1)および(Y2)および(Y5)の形態においては、補助連動部50の中間部51に代えてまたは加えて、後身頃12において右脇部55と左脇部52とを接続する第2の中間部を設けることもできる。この第2の中間部は、右脇部55および左脇部52に縫い付けられる。また、右分離部57に代えて、前身頃11において右脇上部に対応する部分に右前分離部を設けることもできる。
【0172】
・上記実施形態では、第1連動部30を介して左脇部52と左分離部54とを互いに接続したが、左脇部52を延長して左脇部52を左分離部54に縫い付けることもできる。この場合、左脇部52および左分離部54を一枚の生地により構成することもできる。また、左脇部52と左分離部54との間に別の生地を設けて、この生地を左脇部52および左分離部54のそれぞれに縫い付けることもできる。
【0173】
・上記実施形態では、第2連動部40を介して右脇部55と右分離部57とを互いに接続したが、右脇部55を延長して右脇部55を右分離部57に縫い付けることもできる。この場合、右脇部55および右分離部57を一枚の生地により構成することもできる。また、右脇部55と右分離部57との間に別の生地を設けて、この生地を右脇部55および右分離部57のそれぞれに縫い付けることもできる。
【0174】
・上記実施形態では、左腕部31から後身頃12の左脇を経由して後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の右脇腹までにわたり第1連動部30を設けたが、第1連動部30の構成を次のように変更することもできる。すなわち、左腕部31から後身頃12の左肩を経由して後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の右脇腹までにわたり第1連動部30を設けることもできる。
【0175】
・上記実施形態では、右腕部41から後身頃12の右脇を経由して後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の左脇腹までにわたり第2連動部40を設けたが、第1連動部30の構成を次のように変更することもできる。すなわち、右腕部41から後身頃12の右肩を経由して後身頃12の中間部分を横断して前身頃11の左脇腹までにわたり第2連動部40を設けることもできる。
【0176】
・上記実施形態の右袖14および左袖13の構成を以下のように変更することもできる。すなわち、図7および図8に示されるように、右袖14においては、腕に螺旋状に巻きつくように右腕部141を構成し、これに対応する螺旋状の右袖基礎部28に右腕部141を縫い付ける。同様に、左袖13においては、腕に螺旋状に巻きつかせるように左腕部131を構成し、これに対応する螺旋状の左袖基礎部27に左腕部131を縫い付ける。
【0177】
・上記実施形態では、左袖13の下腕の前面に対応する部分を左袖基礎部27により構成したが、左袖13の下腕下部と対応する部分を左腕部31により構成することもできる。また、左袖13の全体を左腕部31により構成することもできる。
【0178】
・上記実施形態では、右袖14の下腕の前面に対応する部分を右袖基礎部28により構成したが、右袖14の下腕下部と対応する部分を右腕部41により構成することもできる。また、右袖の全体を右腕部41により構成することもできる。
【0179】
・上記実施形態では、シャツ1を長袖のものとしたが、半袖または袖なしのものにすることもできる。
・上記実施形態では、前面接続部70を設けたが、図7に示されるように前面接続部70および第1下腹部34および第2下腹部44を省略するとともに、第1胴部32および第2胴部42を前身頃11の中心に向けて延長し、第1連動部30と第2連動部40とを互いに縫い合わせることもできる。
【0180】
・上記実施形態では、第1重なり部33と第2重なり部43とが互いに縫い付けられない構成としたが、第1重なり部33と第2重なり部43とが互いに縫い付けられる構成とすることもできる。このとき、接続部61および接続部62の少なくとも一方を省略することもできる。
【0181】
・上記実施形態では、第1連動部30と第2連動部40とが重なり合う部分において、後身頃12の裏面側から第1重なり部33および第2重なり部43および第1接続部61および第2接続部62の順で各生地が重なり合う構造を採用したが、重なり合う順は適宜変更することができる。例えば、裏面側から第2接続部62および第1接続部61および第2重なり部43および第1重なり部33の順で各生地が重なり合う構造とすることもできる。また、裏面側から第1重なり部33および第1接続部61および第2重なり部43および第2接続部62の順で各生地が重なり合う構造とすることもできる。
【0182】
・上記実施形態では、袖口13A,14Aに摩擦の大きな生地からなる袖ずれ抑制部13Mを設けたが、これに加えてまたは代えて、以下の(A)〜(C)のいずれかのずれ抑制部を設けることもできる。
(A)袖口13A,14Aに通される紐により構成される袖ずれ抑制部を設けることもできる。この場合、紐を結ぶことによって袖口13A,14Aを絞ることによりずれが抑制される。
(B)袖口13Aに設けられる面ファスナにより構成される袖ずれ抑制部を設けることもできる。この場合、面ファスナによって袖口13A,14Aを絞ることによりずれが抑制される。
(C)袖口13Aの一部を延長し、指に引っ掛ける袖ずれ抑制部。
【0183】
・上記実施形態では、左脇部52の右側に後左中間部53を設けたが、図8に示されるように、後左中間部53を省略することもできる。このとき、後身頃12において、左分離部54および背面上基礎部23の縫い目、第1胴部32および第1接続部61の縫い目、第2胴部42および第2接続部62の縫い目、および左下基礎部25および背面下基礎部24の縫い目を不連続にすることもできる。
【0184】
・上記実施形態では、右脇部55の左側に後右中間部56を設けたが、図8に示されるように、後右中間部56を省略することもできる。このとき、後身頃12において、右分離部57および背面上基礎部23の縫い目、第2胴部42および第2接続部62の縫い目、第1胴部32および第1接続部61の縫い目、および右下基礎部26および背面下基礎部24の縫い目を不連続にすることもできる。
【0185】
・上記実施形態では、基礎部20と第1連動部30と第2連動部40と補助連動部50と接続部60とを互いに縫い合わせることによりシャツ1を形成したが、基礎部20のみから構成されるシャツの外側に第1連動部30と第2連動部40と補助連動部50とを縫い付けたシャツとすることもできる。
【0186】
・上記実施形態では、着用者の身体に密着するシャツ1に本発明を適用したが、シャツの上から着る上衣に本発明を適用することもできる。また、水着のようなスポーツ用の被服に本発明を適用することもできる。また、サポーターとすることもできる。
【0187】
図9に示されるように、本発明の一実施形態としてのサポーターは、緊締力の大きい第1ベルト35により構成される第1連動部30と、緊締力の大きい第2ベルト45により構成される第2連動部40とを備えるサポーターが設けられる。
【0188】
第1ベルト35は、着用者の左肩に巻きつけられる左肩部36と、左肩部36から背面の中間部に対応する部分を斜めに横断する第1横断部37と、前面の右脇腹に対応する右腹部38とを備えている。第2ベルト45は、着用者の右肩に巻きつけられる右肩部46と、右肩部46から背面の中間部に対応する部分を斜めに横断する第2横断部47と、前面の左脇腹に対応する左腹部48とを備えている。
【0189】
第1横断部37および第2横断部47は、背中の中央において互いに重ね合わせられる。第1横断部37と第2横断部47とは互いに縫い合わせられずに独立している。右腹部38および左腹部48の一方には面ファスナが設けられている。右腹部38および左腹部48は、腹部の中心において互いに重ね合わせられた状態で面ファスナにより互いに固定される。
【0190】
・上記実施形態では、補助連動部50を中緊締力生地により形成したが、強緊締力生地により形成することもできる。
・上記実施形態では、前面接続部70を中緊締力生地により形成したが、図7に示されるように、前面接続部70を弱緊締力生地により形成される接続部22にすることもできる。
【0191】
・上記実施形態では、前面接続部70を中緊締力生地により形成したが、前面接続部70を強緊締力生地により形成することもできる。
・上記実施形態では、第1連動部30および第2連動部40強緊締力生地により形成し、補助連動部50を中緊締力生地により形成したが、これら連動部30,40,50の少なくとも1つをゴム等に変更することもできる。
【符号の説明】
【0192】
1…シャツ、11…前身頃、12…後身頃、13…左袖、13A…袖口、13M…袖ずれ抑制部(ずれ抑制部)、14…右袖、14A…袖口、15…裾、15M…裾ずれ抑制部、20…基礎部、21…前面上基礎部、23…背面上基礎部、24…背面下基礎部、25…左下基礎部、25A…前面側左下基礎部、25B…背面側左下基礎部、26…右下基礎部、26A…前面側右下基礎部、26B…背面側右下基礎部、27…左袖基礎部、28…右袖基礎部、30…第1連動部、31…左腕部、32…第1胴部、33…第1重なり部、34…第1下腹部、40…第2連動部、41…右腕部、42…第2胴部、43…第2重なり部、44…第2下腹部、50…補助連動部、51…中間部、52…左脇部、53…後左中間部、54…左分離部、55…右脇部、56…後右中間部、57…右分離部、60…接続部、61…第1接続部、62…第2接続部、70…前面接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の背面または前面の一方に対応する部分を第1面とし、着用者の背面または前面の他方に対応する部分を第2面とし、着用者の体幹のうちの胸を含む部分を体幹上部とし、着用者の体幹のうちの腹を含む部分を体幹下部として、
腕の動きにともない体幹に力を付与する連動部が設けられること、
および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項2】
請求項1に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
この運動補助着が身頃を含むものであること、
および、前記連動部に縫い付けられる基礎部と前記連動部とを含めて前記身頃が構成されること、
および、前記連動部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項3】
請求項1または2に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記連動部として連動部Aおよび連動部Bが設けられること、
および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Aが設けられること、
および、前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面において左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Bが設けられること、
および、前記第1面または前記第2面において前記連動部Aと前記連動部Bとが重なり合うこと、
および、前記連動部Aにおいて前記連動部Bに重なり合う部分を重なり部Aとし、前記連動部Bにおいて前記連動部Aに重なり合う部分を重なり部Bとして、前記重なり部Aと前記重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように前記連動部Aおよび前記連動部Bが構成されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項4】
着用者の背面または前面の一方に対応する部分を第1面とし、着用者の背面または前面の他方に対応する部分を第2面とし、着用者の体幹のうちの胸を含む部分を体幹上部とし、着用者の体幹のうちの腹を含む部分を体幹下部として、
腕の動きにともない体幹に力を付与する連動部として連動部Aおよび連動部Bが設けられること、
および、前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Aが設けられること、
および、前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部Bが設けられること、
および、前記第1面または前記第2面において前記連動部Aと前記連動部Bとが重なり合うこと、
および、前記連動部Aにおいて前記連動部Bに重なり合う部分を重なり部Aとし、前記連動部Bにおいて前記連動部Aに重なり合う部分を重なり部Bとして、前記重なり部Aと前記重なり部Bとが互いに独立してそれぞれの重なり部に対応する腕の動きを体幹に伝えることができるように前記連動部Aおよび前記連動部Bが構成されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項5】
請求項4に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
この運動補助着が身頃を含むものであること、
および、前記連動部に縫い付けられる基礎部と前記連動部とを含めて前記身頃が構成されること、
および、前記連動部が前記基礎部よりも緊締力の強い生地で構成されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記連動部Aと前記連動部Bとを互いに接続する接続部が設けられること、
および、前記重なり部Aおよび前記重なり部Bが互いに重なり合う部分に前記接続部が設けられること、
および、前記重なり部Aおよび前記重なり部Bが互いに重なり合う部分に前記重なり部Aおよび前記重なり部Bのうちの少なくとも一方に接触して前記接続部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
腕に対応する部分から前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第2面または前記第1面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項8】
請求項7に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記連動部において前記腕に対応する部分には肘に対応する部分が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項9】
請求項7または8に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記連動部において前記腕に対応する部分が腕に螺旋状に巻きつくように設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
この運動補助着が長袖を含むものであること、
および、左手首または右手首の一方の手首に対応する部分から前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第2面または前記第1面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分を経由するとともに前記第2面の中間部分を横断して前記第2面の左半身または右半身の一方の体幹下部に対応する部分までにわたり前記連動部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記連動部として前記第1面の中間部分を横断するものが設けられること、
および、腕の動きにより体幹を動かす補助連動部が前記連動部とは各別に設けられること、
および、前記補助連動部が前記第2面の中間部分を横断して設けられること、
および、左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の中間部分を横断して左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分までにわたり前記補助連動部が設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項13】
請求項12に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記第1面において左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分Aから前記第1面または前記第2面において左半身または右半身の他方の体幹下部に対応する部分Bまでにわたり前記連動部が設けられること、
および、前記第1面または前記第2面の左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分から前記第2面の中間部分を横断して左半身または右半身の一方の体幹上部に対応する部分を経由して前記第1面において左半身または右半身の他方の体幹上部に対応する部分Cまでにわたり前記補助連動部が設けられること、
および、前記第1面において前記連動部の前記部分Aを挟んで前記部分Eと対向する位置に前記補助連動部の一部としての分離部が設けられること、
および、前記部分Eおよび前記分離部がそれぞれ前記連動部に接続されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項14】
請求項13に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
前記補助連動部が前記連動部よりも緊締力の弱い生地により構成されること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載される体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着において、
この運動補助着が袖を含むものであること、
腕が振られたときに腕に対する前記袖の移動を妨げるずれ抑制部が前記袖に設けられること
を特徴とする体幹の回旋運動を促すことにより消費カロリーを増加させる運動補助着。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−122170(P2012−122170A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274922(P2010−274922)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【特許番号】特許第4834175号(P4834175)
【特許公報発行日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(000131555)株式会社シャルレ (16)
【Fターム(参考)】