説明

体幹矯正具

【課題】腰部、仙骨部を圧迫することで、S字状の湾曲を整えて姿勢を補整し、股関節の位置を正しくすることを目的とする体幹矯正具の提供。
【解決手段】腰部から仙骨部にかけて圧迫する中央部のパットは、低反発性の素材、又は弾力性のある海綿状のゴムの様な素材でできていて、使用者に合わせてフィットし、安定して圧迫し、押さえることができる。パットから左右に伸びるベルトは長手方向に伸縮性があり、その両端には、左右のベルトを係合するための接合部がそれぞれ付いている。双方の接合部には面ファスナーが取り付けられ、使用者に合わせて、サイズを調整することができる。また、ベルトはX形状を成し、X部が中臀筋を押さえ、上前腸骨棘を挟むように装着することでベルトのずれを防ぎ、骨盤を安定させ、より正しい位置に整えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腰部仙骨部を圧迫することでS字状の湾曲を整えて姿勢を補整し、股関節の位置を正しくすることを目的とする体幹矯正具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、骨盤ベルトは、ゴム等から成る弾力性を有するベルトを用いて腰部・仙骨部を圧迫固定することによって安定させ、腰痛の緩和や姿勢の改善などを目的として、数多くのものが考案されてきた。最近の多くのものは、やや広めの幅(7cm〜10cmくらい)のゴムベルト等を2枚使用して、体型にフィットさせつつ、多くの面積に圧迫を加えて姿勢を正し、安定させようとするものである。また、取り付け安さやフィット感の良さを求めて、スパッツと矯正ベルトを一体化させたものも数多くある。
2枚の幅広ゴムベルトを使用した骨盤ベルトは、1枚のものよりはフィット感があり、矯正力もあったが、動作を繰り返すうちにずれを生じ安く、また姿勢を矯正するために、幅を広くとって強く圧迫する必要があり、身体の動きはかなりの制限を受けた。特許文献1の考案では、ベルトの幅を、体側では広く、腰部や腹部では狭くして変化をつけたり、ずれ防止の補強片などを付け加えたりして、より動き安くずれにくい矯正ベルトが工夫されていた。
スパッツ型のものは、全体的に締め付けが弱くなりがちで、特に腰仙部に空間ができてしまうことは、姿勢矯正には、たいへん重要である仙骨部の圧迫ができないということで、難点であった。特許文献2では、下着一体型を考案していて、仙骨部にウレタンフォーム等のクッション材から成る安定パッドをあてて、この難点を解決しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−209921
【特許文献2】登録実用新案第3161713号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらのものは、やはり幅広なベルトや全体を締め付けるスパッツで、圧迫感が大きいため、広い面積を圧迫することなく、ポイントに効果的な圧力を加えて、姿勢を正す矯正具が求められている。本発明は、身体の動きを損なうことなく、むしろ、付けていた方が動き安く、より少ない締め付け感で、効果的な圧を腰仙部に加えて、S字状の湾曲を整え、姿勢を補整し、股関節の位置を正しくする矯正具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、請求項1として、腰部・仙骨部を圧迫し、姿勢を整え、股関節を整えるためのベルトであって、中央部には腰部・仙骨部にあてて、圧迫を加えるための、逆三角形型のS字状形成パットを有し、そのS字状形成パットの下向きの頂点から左右に向かって1本ずつ、また、S字状形成パットの上部2つの頂点から、やはり1本ずつの、長手方向に伸縮するベルトが取り付けられ、左右それぞれに、2本ずつ取り付けられたそのベルトは、中心付近で交差してX形状を成し、それぞれの端部は、腰部を周回して下腹部に於て係合するための面ファスナー部に固着されることを特徴とする体幹矯正具である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の体幹矯正具は、低反発の素材から成る、S字状形成パットで、腰・仙骨部を圧迫することで、S字状を正しく形成し、骨盤及び股関節の位置を正しく整えるようにした。
【0007】
幅の狭いゴムベルト(幅5cm程度)を用いて、締めつけ感・圧迫感を減らした。
【0008】
また、そのベルトを2本使用して、体側面でX状に交差して、上から下、下から上へとふたつの方向に引っ張ることで、ずれにくく、腰や股関節の動きによりフィットし、幅狭なベルトでも安定して腰部を支え、圧迫することができるようにした。
【0009】
体側面でX状に交差するベルトと、係合ファスナー部によって形成される空間で、上前腸骨棘を狭むように装着することにより、骨盤の位置を安定させ、ずれを防止することができるようにした。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の正面図
【図2】本発明の背面図
【図3】装着時の正面図
【図4】装着時の背面図
【図5】装着時の右側面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の正面図である。体幹矯正具の本体は、正面から見たおもて面のすべてが、面ファスナーのメス素材でできており、面ファスナーのオスをどこにでも係止できる。
【0013】
中心部にある逆三角形型のS字状形成パット2は、低反発素材から成り、身体には柔らかくあたるが、中心部には縦に補強材3が入っていて、形状をしっかり保っている。逆三角形上部の底辺に相等する辺をウエストライン辺りにあてて装着すれば、S字状形成パット2は左右に伸びるベルト4a、4bによってふたつの方向に引っ張られ、腰・仙骨部を圧迫し、背中のS字状を整えるように背骨を矯正できる。
【0014】
左右に伸びるベルト4a、4bはそれぞれ長手方向に伸縮し、幅5cm程度のゴム素材でできており、左右それぞれの4a、4bは中心付近で交差してX形状を成している。この形状は、着用者の体型がどのようであっても、これに合わせてフィットすることができる。また、カバー面積が少ないので、圧迫感が少ない。
【0015】
左右のベルト4bの中心部の裏面には小さな面ファスナー(オス)が付けられていて、(7a、7b)本体装着後に、4aに軽く止めることで、2本のベルトのズレを防ぐことができる。
【0016】
ベルト4a、4bを交差させることによって三角形の空間、8a、8bができる。ベルト4a、4bを腰部に周回させる時、上前腸骨棘を、この空間に挟むようにして装着すれば、上前腸骨棘の突起によって、ベルトをより安定させることができる。
【0017】
係合ファスナー部5a、5bは5bのウラ面の端に面ファスナー(オス)6が取り付けられ、5aオモテ面のどの部分にも着脱が可能であり、幅広いサイズの使用者に合わせることができる。
【0018】
S字状形成パット2と、係合ファスナー5a、5bの裏面は、メッシュ素材になっており、ムレにくい。
【符号の説明】
【0019】
1. 本体
2. S字状形成パット
3. 補強材
4a.4b. X状形状ベルト
5a.5b. 係合ファスナー
6. 面ファスナー(オス)
7a.7b X形状ベルト交点の面ファスナー(オス)
8a.8b . 空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰部・仙骨部を圧迫し、姿勢を整え、股関節を整えるためのベルトであって、中央部には腰部・仙骨部にあてて、圧迫を加えるための、逆三角形型のS字状形成パットを有し、その、S字状形成パットの下向きの頂点から左右に向かって1本ずつ、また、S字状形成パットの上部2つの頂点から、やはり1本ずつの、長手方向に伸縮するベルトが取り付けられ、左右それぞれに、2本ずつ取り付けられたそのベルトは、中心付近で交差してX形状を成し、それぞれの端部は、腰部を周回して下腹部に於て係合するための面ファスナー部に固着されることを特徴とする体幹矯正具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−105813(P2012−105813A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256906(P2010−256906)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(505029089)
【Fターム(参考)】