説明

体液から生物学的に有害な物質を除去するための装置及び方法

本発明は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の精製するための及び血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液におけるガス交換のための装置に関し、少なくとも一つのガス透過膜及び担体を備え、その担体が血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液に存在する生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物及び分解産物を吸着除去するための物質で被覆され、前述の装置及び方法は、血液、代替血液あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液に存在する生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物及び分解産物を穏やかにかつ同時に除去するためと、血液、代替血液あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高めるために使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、血液、代替血液、あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の精製のため、及び血液、代替血液、あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液におけるガス交換のための装置であって、少なくとも一つのガス透過膜と、血液、代替血液、あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物を吸着除去するための物質で被覆された担体とを備える装置、前述の装置の利用、並びに血液、代替血液あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物を穏やかにかつ同時に除去するため、及び血液、代替血液あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高めるためのプロセスに関する。
【0002】
血液中の有害物質の除去は、長い間実践されている。それに関しては、急性及び慢性腎不全において行われる透析治療にまず言及する必要がある。これらの治療の開発は、1924年の最初の応用から、腎不全の人々にとって世界的に認識されうまく実践された救命や延命措置をもたらした。過去20年間の透析の分野においては、特にフレゼニウスAG(Fresenius AG)社からの中空糸吸着剤の成功利用が挙げられる。
【0003】
それ以来、これらの体外法は、体液から有害物質を除去するか、又は物質の交換を実行する場合に、医学の多くの分野で使用される。したがって、使用する装置は、通常特定業務用に開発されている。透析(dialysator)が「人工腎臓」のように血液透析時の代謝の廃棄物から患者の血漿を精製するように、免疫系の問題は、吸着剤の助けを借りて解決することが可能である。血液細胞の分離後、血漿は、病原性の抗体が選択的に結合するアフェレーシスカラムに通され、その後精製された血漿が患者に戻される。この場合、カラムは、これらの抗体に必要な特異的結合部位を備え、これらの抗体を結合できなければならない。
【0004】
生命を脅かす状況を改善する可能性は、体液中に存在するその原因を除去することにより増加しつつあるものの、血液適合性材料に加え、体液及び体に導入するための汚染された溶液から有害物質を除去する穏やかで効果的な作業方法の必要性は今日まで依然として高い。
【0005】
同時に、二次的疾患を処置する療法の必要性が高まっている、これは、しばしば初期の疾患が致死でない一方、初期の疾患の結果として発生する合併症が死をもたらすためである。顕著な例は、敗血症であり、敗血症は、現在死亡の主要な原因のリストの10番目にあり、敗血症の発生が着実に増加している。最大限の治療にもかかわらず、敗血症を患っている患者の30%〜50%が死亡するため、このことは非常に深刻な問題を呈している。さらに、増えつつある抗生物質に対する耐性菌の発生は病院ですでに深刻かつますます大きくなっている問題である。
【0006】
敗血症は炎症の発生によって引き起こされ、一般的に負傷した後、通常は手術後に病院で発生する可能性がある。同様に、院内感染はいまだ日常診療において重要な役割を果たしている。例えば、カテーテル関連血流感染症は依然として頻繁に起きる合併症である。
【0007】
炎症により活性化した免疫系は、既存のグラム陰性菌(例えば、大腸菌、緑膿菌、エンテロバクター腸内菌、サルモネラ、赤痢菌、髄膜炎菌及び淋病の病原体などのナイセリア)を攻撃する。この後、細菌の溶解や血流を介しての腎臓への分解産物の除去が続く。これらの分解産物には細胞膜成分を含み、細胞膜成分は、生物全体に腸毒素、内毒素又はリポ多糖類(LPS)として分配され、細胞膜成分の毒性効果を発揮する。体の免疫防御が炎症プロセスを停止することができない場合には、状況は制御不能になり、感染は敗血症に発展する。
【0008】
敗血症に対する標準治療法として、患者は通常、細菌に対する有効性について事前に微生物学的にテストされている抗生物質を処方される。臓器機能不全がすでに起きている場合は、この器官を臓器の機能において支援する(臓器支援療法)か又は臓器を一時的に交換する(臓器置換療法)必要がある。呼吸や循環システムは、この段階で安定化されなければならない。これらの対策が十分でない場合は、結果としてさらなる臓器不全が起きて、多臓器不全による死亡につながる。特に深刻なケースは、抗生物質の必要な投与が細菌の迅速な死滅によって引き起こされる内毒素の急激な増加につながって病態生理学的プロセスが大いに加速されるとき、又は細菌が抗生物質に対して抵抗力を持ち、標準的な治療法はもはや可能でなくなるとき、発生する。
【0009】
血液から敗血症の原因となる内毒素をうまく除去する吸着剤は今日に至るまで存在しない。吸着剤を用いた様々な取り組みは期待されるプラスの効果を示さなかった。
たとえば、DE19648954A1には、共有結合性のアミン又はアンモニウム基含有配位子が結合された微粒子担体と協働する内毒素吸着剤が記載されている。DE4113602A1には、担体材料として真珠セルロース製品及び配位子としてポリエチレンイミンを用いた内毒素吸着が記載されているのに対し、DE102006055558A1には、担体材料は任意の形態の多糖類からなり、配位子を含有するアミノ基は、好ましくは、ポリアリルアミン又はポリエチレンイミンであると記載されている。
【0010】
ミュンヘンの研究グループは、担体にL−アルギニンを結合することによって成功を収めようとした。また、有益な副作用が達成されたものの、10人の患者に行われた実現可能性の調査では、血漿交換の実施後、内毒素の濃度は依然として減少しておらず、内毒素の除去が失敗したことを示した(Blood Purif.2008;26:.333〜339)。
【0011】
したがって、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液からの有害物質の除去、特に全身の血液からの内毒素の除去と敗血症の効果的な治療のための効果的な解決法に対する必要性はいまだ大きい。
【0012】
本発明の目的は、特に敗血症の効果的な治療のための、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物を効果的に除去する装置及び方法を提供することである。
【0013】
この目的は、本発明の独立請求項の技術的教示により達成される。本発明のさらなる有利な実施態様は従属請求項、説明及び実施例から明らかになる。
驚くべきことに、敗血症の治療のための内毒素アフィン(endotoxinaffine)物質への吸着による血液からの内毒素の体外除去、及び同時の体外臓器の交換や支援療法が同じ装置及び吸収剤カラムを使用することによってうまく行われることがわかった。このような結合装置は、同時に二つの機能を実行する。該結合装置は、同時に二つの機能を実行することは、多くの点で治療に大幅な改善をもたらす。同じ装置が、一方で、単回の適用で、患者の血液から生命を脅かす内毒素を除去し、他方で、内毒素の濃度が減少することによって臓器が再びその機能を果たすようになるのを可能にするまで、敗血症によって誘発される罹病臓器を支援する。本発明では、結果的に積極的な治療効果と生存関数を立証する成分との最適な結合をもたらす。また、本発明のシステムにおいて患者の負担は通常の処置における患者の負担よりもはるかに低く、患者の負担は通常の処置における患者の負担よりもはるかに低いことがまた、致命的な病気の患者の回復の可能性を増加する。このような二重のシステムを使用するもう一つの重要な利点は、時間の節約である。前述のように、急性の、生命を脅かす状態は数分以内に発生する可能性があり、さらなる治療処置のための時間はほとんど残らない。さらなる治療処置のための時間はほとんど残らないような状況は二重機能装置の使用により先験的に回避することができる。従って、本明細書に記載の本発明による時宜にかなった処置によって、急性敗血症ショックは避けられ、その結果、患者の命を救うことができる。
【0014】
肺機能の敗血症誘発性の減少における本発明の好ましい実施形態において、膜型人工肺が血中の酸素と二酸化炭素を交換する体外膜型酸素供給(ECMO)が実行され、その人工肺膜は、血中の内毒素を除去し、その結果敗血症の原因となる毒素を除去する内毒素結合物質で被覆される。もちろん、被覆した人工肺膜は内毒素吸着剤としてのみ使用してもよい。この好ましい実施形態は、人工肺−内毒素吸着剤と称してもよい。
【0015】
このように、体外臓器支援装置の使用は、二重の機能を果たしている。まず、臓器不全において必要な処置が行われ、同時に、血液の体外酸素化時に余分な労力をかけず、同じ装置及び同じ膜モジュールでまた内毒素が血液からろ過されることにより、患者を治すために治療的に重要な処置が実施される。
【0016】
また、本発明の別の好ましい実施形態では、腎代替療法としての血液ろ過を、体外酸素化と内毒素の除去と組み合わせることができ、その結果、酸素膜及び/又は血液ろ過のろ過膜が内毒素結合物質で被覆されるという三重の機能がもたらされる。腎機能と肺機能の支援に加えて、三重の機能を備えた装置はまた、血中からの内毒素の除去が可能である。
【0017】
本発明の装置は、このように二重の機能を実行する。その二重の機能の一つは、血液、代替血液あるいはヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の精製を備える。二番目の機能は、ガス交換、すなわち血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の酸素の高濃度化と二酸化炭素の除去である。両方の機能が同時にその装置によって実現される。
【0018】
二重の機能を備えた本発明の装置は、ガス又はガス混合物のための入口とおそらく出口とを備えたカラムIと、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液のための入口及び出口と、少なくとも一つのガス透過膜と、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環中に導入するための溶液中での生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物の吸着除去のための物質で被覆されている担体とを備える。
【0019】
カラムIは、ガス又はガス混合物のための少なくとも一つの入口及び少なくとも一つの任意の出口に加えて、複数の入口及び/又は複数の出口を有していてもよい。さらに、カラムには、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環中に導入するための溶液のための一つ以上の複数の入口及び/又は一つ以上の出口を含めることができる。
【0020】
用語「血」は血液、全血、血漿及び血清として理解され得る。用語「代替血液」とは、例えば少なくとも部分的に酸素運搬を積極的に引き受けることができる代替血液と、残りの血液を薄くして血液循環が再び稼働している限り酸素を補完するが血液自体の生理機能を担うことはできない増量剤、として理解され得る。
【0021】
用語「ヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液」は、生理食塩水、人工栄養のための人工栄養媒体、特にX線造影剤などのイメージング技術のための造影剤及び抗増殖、抗炎症、抗血管新生、抗ウイルス、抗菌又は抗寄生虫薬などの医薬品を含有する注射液などの静脈、動脈又は心臓内投与のための医薬製剤及び医薬濃縮剤として理解され得る。
【0022】
カラムIを備える二重の機能を備えた本発明の装置は、ガス透過膜によって第1チャンバと第2チャンバに分けられ。第1チャンバは、カラムの内部空間により形成される。ガス透過膜は、一つ以上の中空糸の束を含んでいても良い。ガス透過膜が一つ以上の中空糸の束の形で存在している場合、第2チャンバは、カラムに配置された、一つ又はいくつかの中空糸の束の内部空間により形成される。束状構造又は中空糸の束は、その一端が、少なくとも入口の一つに、もう一方の端が少なくとも出口の一つに開くように配置される。これにより、血液又は代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液又はガス又はガス混合物は第2チャンバを通って流れることができる。カラムの内部空間は、また少なくとも一つの入口及び/又は少なくとも一つの出口に接続されており、血液又は代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液又はガス又はガス混合物が第1チャンバを流れることもできるようになっている。カラムは、略円筒形状であるが、他の機能的な形であってもよい。
【0023】
二つの実施形態が可能である。一実施形態では、第1チャンバを、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れ、第2チャンバを、ガス又はガス混合物が流れる。別の実施形態では、第2チャンバを、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れ、第1チャンバを、ガス又はガス混合物が流れる。
【0024】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体は、粒子の形又は中空糸の形をとることができる。血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体は、以下、単に担体と称される。担体が粒子の形で存在する場合、上記の二つの実施形態の担体粒子は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れるチャンバ内にそれぞれ位置する。ガスを流れるチャンバは担体粒子を含まない。担体が中空糸の形で提供されている場合は、担体とガス透過膜は、単一ユニットに組み合わされる、というよりユニットを形成する。
【0025】
さらに、本発明の装置は第三の機能を備えていてもよい。三番目の機能は、血液ろ過による腎機能の支援を備える。三重の機能を備えた本発明の装置は、したがって腎機能の支援、肺機能の支援、そして血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の除去を成し遂げる。
【0026】
三重の機能を備えた本発明の装置は、カラムIと称される上述したカラム、及びカラムIIと称されるさらなるカラムを含む。カラムIIは、同様に、ろ過のための一つ以上の出口と、少なくとも一つの半透膜と、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体とを備える。さらに、カラムIIは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液のための一つ以上の入口及び/又は一つ以上の出口を含んでいてもよい。三重の機能を備えた装置においては、二つのカラム、カラムI及びカラムIIは、直列に接続されているが、これは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液がまず一方のカラムを通り、次いで他方のカラムを通ることを意味する。これにより、最初にカラムIを流れて次にカラムIIを流れる、又は二つのカラムを逆の順序で流れるように選択できる。好ましくは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液は、カラムI(酸素/二酸化炭素の交換や毒素の除去)の前にカラムII(血液ろ過及び必要に応じて、毒素の除去)を流れる。
【0027】
したがって、三重の機能を備えた装置は、必要に応じて、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の精製のために、というよりはむしろ血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の吸着除去のために、カラムIのみを使用できる。あるいは三重の機能を備えた装置は、この機能のためにカラムIに加えてカラムIIも使用することができる。そのため、三重の機能を備えた装置の生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物及び分解産物の結合容量は倍増し、洗浄効果が大幅に増加する。
【0028】
カラムIIは、半透膜によって第1チャンバと第2チャンバに分割されている。ここでは、第1チャンバは、カラムの内部空間により形成される。半透膜は、一つ以上の中空糸の束を含んでいてもよい。半透膜が一つ以上の中空糸の束の形で提供される場合、第2チャンバはカラムに配置された、一つ又はいくつかの中空糸の束の内部空間により形成される。束状構造又は中空糸の束は、その一端が、少なくとも入口の一つに、もう一方の端が少なくとも出口の一つに開くように配置することができる。この構成では、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液は、第2チャンバを通って流れる。束状構造又は中空糸の束が、両端が少なくとも一つの出口につながるように配置されている場合、第2チャンバは、ろ液を収集し、排出するために使用される。カラムIIの内部空間はまた、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が第1チャンバを流れるように、少なくとも一つの入口及び/又は少なくとも一つの出口に接続することもできる。カラムの内部空間に、少なくとも一つの出口が含まれている場合は、第1チャンバは、ろ液を収集し、排出するために使用される。カラムIIは、略円筒形状を有するが、それ以外の機能的な形状であってもよい。
【0029】
これにより、二つの実施形態が可能である。一実施形態では、第1チャンバは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れ、第2チャンバは、ろ液を収集し、排出するために使用される。別の実施形態では、第2チャンバは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れ、第1チャンバはろ液を収集し、排出するために使用される。
【0030】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体は、粒子の形をとる又は中空糸の形を有することができる。血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中における生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体は、以下、単に担体と称される。担体が粒子の形で存在する場合、上記の二つの実施形態の担体粒子は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れるチャンバ内にそれぞれ位置する。ろ液を収集し、排出するために使用されるチャンバは担体粒子を含まない。担体が中空糸の形で提供されている場合は、担体とガス透過膜は、単一ユニットに組み合わされる、というよりユニットを形成する。
【0031】
装置は両方とも、様々なチューブの接続と、フィルターユニットと、ポンプと、必須ではないがあれば有利な焼戻しユニットとを含む。焼戻し装置は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環への導入される溶液の温度を、体温に維持する、又は必要に応じて上昇又は下降させることを確実にする。フィルターユニットは、装置から血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環への導入される溶液中に渡すことができる粒子、あるいは血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環への導入される溶液からの過剰なガスが、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環への導入される溶液が患者に戻される前に確実に分離されるようにする。ポンプは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環への導入される溶液を確実に、患者から装置へ、そして再び患者へ連続的に輸送する。三重の機能を備えた装置は、ろ液の排出と補液の供給を行う二つの追加のポンプを含む。
【0032】
本発明の装置は体外で動作するが、本発明の装置は体外で動作することは、血液が連続的に患者から採取され、血液の洗浄及び/又はガス交換及び/又は流体交換が患者の体外で装置の一つで行われ、処理された血液が連続的に患者に供給されることを意味する。
【0033】
半透膜は、電解質、尿素、クレアチニン、リン酸、アミノ酸、医薬品、水に対して基本的に透過性を持つ。
二重の機能を備えた装置のガス透過膜は、酸素と二酸化炭素にだけでなく、他のガスに対しても基本的に透過性を持つ。ガス透過膜は、液体に対して透過性を持たない。ガス透過膜と半透膜は、以下では簡単に膜と称する。膜は、層状フィルム又は積み重ねたフィルムとして、あるいは一つ以上の中空糸の束として存在してもよい。膜というより中空糸は、以下からなる群から選択される材料又はポリマーで作られる:
ポリオレフィン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE)、フッ素化ポリエチレン、ブテン−(1)、ペンテン−(1)、ヘキセン−(1)とエチレンの共重合体、エチレンとプロピレンの共重合体、EPR又はEPTゴム弾性線維(ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、メチルエンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、シス−シス−シクロオクタジエン−1,5−ヘキサジエン−1,4を含むジエン構造を持つ第三成分)、ヘキソ−(1−ヘキセンメチルヘキサジエン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−N−ビニルカルバゾール、メタクリルアミド−N,N'−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド−アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリメタクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、ポリメチルペンテン、ポリ(メタクリル酸メチルメタクリロイルアミドグルタミン酸)、ポリ(グリシジルメタクリレート/エチレンジメタクリレート共重)、スチレン−ポリビニルピロリドングリシジルメタクリレート共重合体、クロスポビドンとポリビニルピロリドン混合物、エチレントリフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン(1)、ポリ−4−(メチルペンテン)(1))、ポリメチルペンタン、ポリイソブチレン共重合体、イソブチレン−スチレン共重合体、ブチルゴム弾性線維、ポリスチレン及び変性スチレン、クロロメチル化スチレン、スルホン化スチレン、ポリ(4−アミノスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、シス−トランス、1−2及び3−4構造のポリジエン、ブタジエン、イソプレン、精製天然ゴム弾性線維、Chloroporem、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、トリブロックポリマー(SBS)、NBRアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)、脂環式二級アミン、又はベンザル−L−グルタミン酸又はポリペプチド、又はN−カルボベンゾキシリジンを有する末端ポリブタジエントリブロック共重合体、ポリ−(alkenamere)ポリペンテナマー、ポリ−1−hexebmethyl−ヘキサジエン)、ポリ−フェニレン、ポリ−(p−キシリレン)、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−ビニル共重合体、酢酸ビニル−ピバル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルエーテル、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(2−ビニルピリジニウムオキシド)、ポリ(2−メチル−5−ビニルピリジン)、ブタジエン−(2−メチル−5−ビニルピリジン)共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−トリフルオロニトロソメタン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−(パーフルオロ−4−シアノブチルビニルエーテル)共重合体、ポリ−(トリフルオロクロロメチレン、トリフルオロクロロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブチレン−フッ化ビニリデン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、塩素化PE、FVAC又はポリアクリレート、軟質PVC、後塩素化PVC、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニル−塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、ポリアクリル酸、アクリル酸−イタコン酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−2−クロロエチレンビニルエーテル共重合体、ポリ(1,1−ジヒドロパーフルオロ−ブチルアクリレート)、ポリ(3−パーフルオロメトキシ−1,1−ジヒドロパーフルオロプロピルアクリレート)、ポリスルホン、ポリアクロレイン、ポリアクリルアミド、アクリル酸−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−共重合体マレイン酸、アクリルアミドヒドロキシメチルメタクリレート共重合体、アクリルアミドメタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−アクリル酸メチル共重合体、アクリルアミド−無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド−メタクリル酸共重合体、アクリルアミド−アニリノ−アクリルアミド共重合体、アクリルアミド−(N−4−アクリロイルカルボキシメチル−2,2−ジメチルチアリゾン)共重合体、ポリメタクリル、メタクリル酸メタクリロニトリル共重合体、メタクリル酸−3−フルオロスチレン共重合体、メタクリル酸−4−フルオロスチレン共重合体、メタクリル酸−3−フルオロアニリド共重合体、メタクリル酸−3−フルオロアニリド又はフルオロスチレンとメタクリル酸のニトロ化共重合体又は3,4−イソチオシアネイトスチレンとメメタクリル酸の共重合体、又は無水マレイン酸を有するN−ビニルピロリドン、又はポリビニルアルコールとポリアリル、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−2−ビニルピリジン共重合体、アクリロニトリル−メタアリルスルホン酸共重合体、アクリロニトリル−N−ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシルPAN、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、ポリアリル化合物、ポリジアリルフタレート、ポリトリスアリルシアヌル酸、ポリシアノアクリレート−α、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートと、アクリロニトリルを持つ共重合体、メチルメタクリレートラウリルメタクリレート共重合体、P−アセトアミノフェニルエトキシメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリコールジメチルメタクリレートメタクリレート共重合体、ポリ−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリコールジメタクリレートメタクリレート共重合体、ポリ−2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、グリコールメタクリレート−グリコールジメチルメタクリレート共重合体、スチレン−hema−ブロック及びグラフト共重合体、ポリ−N,N−P,P−オキシジフェニレンmellitimid、ポリジエチレングリコールビスアリルカルボナート、脂肪族ポリエーテル、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、ポリフルオラール、ポリクロラール、ポリエチレンオキシド、ポリテトラヒドロフラン、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシドプロピレンオキシド共重合体、プロピレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合体、ポリエピクロロヒドリン、エチレンオキシド−エピクロロヒドリン共重合体、ポリ−1,2−ジクロロメチル−エチレンオキシド、ポリ−2,2−ビス−クロロメチルオキサシクロブタン、エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル、エポキシ化フェノール−ホルムアルデヒド、クレゾール−ホルムアルデヒド、樹脂、酸無水物を有するネットワーク、ジエチレントリアミンなどのアミン類、イソホロンジアミド、4,4−ジアミノジフェニルメタン、芳香族ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、ポリフェノール、フェノキシ樹脂、脂肪族ポリエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ−β−プロピオン酸、ポリ−β−D−ヒドロキシ酪酸、polypivolactone、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリエチレングリコールアジペート、ポリエチレングリコールセバシン酸、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、エトキシル化ビスフェノールシクロドデカンジオールネットワーク又はスチレンと不飽和ポリエステルの共重合による不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂と無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸又はHRTからの不飽和ポリエステル、メタクリル酸、ビニルモノマー、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ビスフェノールAのポリカーボネート及びその誘導体とポリエーテル、ポリエステル、ビスフェノールAからセグメント化されたポリカーボネート及びその誘導体及び脂肪族ポリエーテル、及び脂肪族ポリエステル(上記参照)、アクリル酸であるいはPETの表面の部分加水分解によりグラフトされた表面修飾ポリエチレングリコールテレフタレート(PET)、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールアジペート、ポリエーテルと脂肪族ポリエステルブロックとポリテトラヒドロフランブロックとを有するセグメント化されたポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ−p−ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸ヒドロキノン共重合体、ヒドロキシ安息香酸−テレフタル酸の共重合体、ヒドロキシ安息香酸−p,p−ジフェニルエーテル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン−無水マレイン酸共重合体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールからのアルキド樹脂と、フタル酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸及び、アマニ油、ヒマシ油、大豆油、ヤシ油からの脂肪酸、脂肪族多硫化物(R−Sx)=硫黄度、芳香族多硫化物、ポリチオ−1,4−フェニレン、及びフェノールのチオフェン芳香族多硫化物、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン−1,4−フェニレン、ポリ−p−フェニレンスルホン、ポリイミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、ポリアルキレンアミン、ポリアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカンジアミド、ポリトリデカンブラシルアミド、ジアミン及びトリアミンを有する植物油からのベルサミド、α−,β−,γ−,δ−アミノカルボン酸又はラクタムを有するω−アミノカルボン酸のポリアミド、テレフタル酸m−アミノベンズアミド共重合体、テレフタル酸フェニレンジアミン共重合体、例えばイソフタル酸及びm−アミノ安息香酸ヒドラジドからのポリアミドヒドラジド、ポリピペラジンアミド、例えば、フマル酸とジメチルピペラジン、テレフタル酸及びテトラアミドベンゼン(置換)から、又はジアミノジフェニルエーテルとジクロロジフェニル(置換及び環化)から、又はm−フェニレンイソフタルアミドとテレフタルアミドからのポリベンズイミダゾール、例えばピロメリット酸二無水物からのポリイミド、メトキシ−m−フェニレンジアミン、例えばpyromellitacidmedianhydride及びジアミノベンジジンからのピロン類、芳香族ポリアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、m−アミノ安息香酸p−フェニレンジアミンisophthalsen共重合体、テレフタル酸及びヘキサメチレンテトラミンからのポリ−4,4−ジフェニルスルホンテレフタルアミド、テレフタル酸及び、テレフタル酸からの、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの混合物、イソフタル酸及びラウリンラクタムからの、イソフタル酸及びジ−4−(シクロヘキシルアミノ−3−メチル)メタンからの、1,12−デカンジ酸及び4,4−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンからの、ジアミノメチレンノルボルネン及びε−カプロラクタム、ジカルボン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸からの複素環化合物を有する芳香族ポリアミド、オキサジアゾール、トリアゾールビチアゾールとベンゾイミダゾール構造を持つ複素環含有ジアミン、3−(p−アミノフェニル)−7−アミノ−2,4−(1H,3H)キナゾリンジオン及びイソフタル酸、ポリアミノ酸、ポリメチル−L−グルタメート、ポ


リ−L−グルタミン酸は、例えばグルタミン酸及びロイシンのような、コポリペプチドを含む、フェニルアラニン及びグルタミン酸、グルタミン酸及びバリン、グルタミン酸及びアラニン、リジン及びロイシン、特にp−ニトロ−D,L−フェニルアラニン及びロイシン、ジアミンとジイソシアネートからの尿素を有するポリウレア、脂肪族及び芳香族ジイソシアネートからのポリウレタン、及び二官能性及び三官能性ヒドロキシル化脂肪族ポリエステル及び脂肪族ポリエーテル及び場合によって二官能性アミノとの変性、及びヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどのヒドロキシル基とカルボキシル基含有物質、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトール、3−ジメチル−12−プロパンジオール及び炭水化物、脂肪族及び芳香族ジカルボン酸及びそれらの誘導体、o−,p−,m−フェニレンジアミン、ベンジジン、メチレン−ビス−o−クロロアニリン、p,p−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ジアミノプロパン、エチレンジアミン、尿素及び環状尿素からのアミノ樹脂、メラミン、チオ尿素、グアニジン、ウレタン、シアナミド、アミド及びホルムアルデヒド及びより高位のアルデヒド及びケトン、シリコーン、例えば、官能基を有するアルキルジメチル、ジエチル−、ジプロピル−、ジフェニル−、フェニルメチルシロキサン、シリコーンなどのポリジアルキルシロキサンジアリールシロキサン及びアリールシロキサン、例えば、アリル、アミノプロピルトリエトキシシロキサンなどからのアミノ基及びビニル基を有するγ-置換フッ素化シリコーン、2−カルボキシルプロピルメチルシロキサン、ジメチルシロキサン及びポリスチレン又はポリカーボネートブロックを有するブロックポリマー、スチレンのトリブロック共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサンを有するブチルアクリレート、3,3,3−トリフルオルプロピルメチルシロキサン、avocane(90シリコーン及びポリカーボネート)、例えばポリスルホン−ポリビニルピロリドンなど、親水性ポリマーの付加を有する疎水性ポリマー、セルロース及び例えばセルロースアセテート、パーフルオロブチリルエチルセルロース、パーフルオロアセチルセルロースポリ芳香族ポリアミドポリマー、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、再生セルロース、ビスコースからの再生セルロースなどのセルロース誘導体、及び類似のセルロース誘導体、アガロース、カラギーナンなどの多糖類、デキストラン、マンナン、フラクトサン、キチン、キトサン−(エチレングリコールジグリシジルエーテル)(キトサン−EGDE)、キトサン、ペクチン、グリコサミノグリカン、デンプン、グリコーゲン、アルギン酸、及びすべてのデオキシ多糖類及びそれらの誘導体、ムレイン、アルブミン、ゼラチン、コラーゲンI−XII、ケラチン、フィブリン及びフィブリノーゲン、カゼイン、血漿タンパク質、乳タンパク質、クロスポビドン、動物及び植物組織からの構造タンパク質、大豆タンパク質、食品産業からのタンパク質などのタンパク質。
【0034】
追加の材料又はポリマーは、上記ポリマーとの共重合によって得られ、上記ポリマーは、「Functional Monomers」、Ed.RH.YocumandE.B.Nyquist,VolIandII,MarcelDekker,NewYork,1974に記載されているような他のモノマーと、異なるモノマー単位から合成される。さらに、上記ポリマーは、グラフトすることにより、さらにブロック共重合体及びグラフト共重合体を生成することによって部分的又は完全に変性させてもよい。さらに、ポリマーブレンド、被覆ポリマー及びポリマーは、様々な複合材料の形で製造されてもよい。さらに、ポリマー誘導体は、ペプチド、タンパク質、多糖類の方法及び反応性ポリマーの生産のための高分子化学について知られているように、ニ官能性及び多官能性架橋試薬を用いて調製してもよい。
【0035】
このため、疎水性ポリマーが好まれる。特に好まれるのは、以下の物質又はポリマーを含む膜又は中空糸である:
シリカ、シリコーン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンタン、ポリメチルペンテン、多糖類、ポリペプチド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホネート、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリピロール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ芳香族ポリアミド、酸化アルミニウム、ガラス、セファロース、炭水化物、アクリレート又はメタクリレートとポリアミドの共重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、エチレングリコールジアクリレート又はエチレングリコールジメタクリレートとグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート及び/又はアリルグリシジルエーテルの共重合体、再生セルロース、セルロースアセテート、親水性ポリマーの付加を有する疎水性ポリマー、これらのポリマーの誘導体及び共重合体。
【0036】
中空糸の長さは30〜150mm、好ましくは50〜100mmの間である。このような中空糸の外径は約0.1〜1.5mm、内径は約0.1〜1mmであり、膜又は中空糸自体の壁の厚さは5〜200μm、好ましくは15〜50μmである。
【0037】
中空糸の壁には孔があってもよい。ガス透過膜の中空糸の内側と外側の表面の孔率は10〜90%の範囲にある。孔の直径は、0〜5μmの範囲、好ましくは0から1.5μmである。一般的に、孔の大きさは可能な限り小さく保たれるべきである。なぜなら、二重の機能を備えた装置の長期使用時に、望ましくない血漿が、孔を通ってガスが流れているチャンバ内に入り、こうして患者から取り出され、二重の機能を備えた装置のパフォーマンスの低下にもつながる。中空糸の壁の孔は、好ましくは伸張によって又は固液相分離によって形成される。
【0038】
半透膜の中空糸の内外表面の孔率は10〜90%の範囲である。孔の直径は、好ましくは0.01〜1.5μmの範囲である。
膜の中空糸は内表面と外表面とを備えている。内表面は、中空糸の内腔の表面を表し、外表面は中空糸の外面の表面である。中空糸の表面全体は、0.1と6m2との間である。
【0039】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体は、粒子又は中空糸の形をとることができる。担体が中空糸の形で提供される場合、担体とガス透過膜は、ユニットに組み合わされるか又はユニットを形成するかあるいは一緒に分離不可の構成要素を形成する。中空糸の形での担体は、ガス透過膜の前述のすべての特性を含む。この場合、中空糸の形の担体は二重の機能を果たす。一方で中空糸の形の担体は、ガス交換、好ましくは、中空糸の一方の側の血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の流れと中空糸の他方の側のガスの流れとの間で酸素と二酸化炭素を確実に交換する。さらに、中空糸の形の担体はまた、血液、代替血液、ヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆されている。したがって、担体は、第二の機能、すなわち、同時結合及びそれによる血液、代替血液、ヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液からの生物・化学合成由来の毒素、その代謝物及び分解産物の除去、を果たす。
【0040】
代替の実施形態として、担体は、粒子の形で提供されてもよい。粒子もまたポリマーを含むことにより、中空糸についに記載されているように、中空糸とは別に、粒子のポリマーは、同じ群のポリマーから選択される。粒子に好ましいのは次のポリマーである:
メタクリルアミド−N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド−アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ポリアクリル酸、デキストラン、再生セルロース、セルロース、多糖類、ポリメタクリレート、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−ポリビニル共重合体、シリコーン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、クロスポビドン(ポップコーンポリマー)、クロスポビドンを有するスチレン−ポリビニルピロリドンブレンド、ゼオライト、MCM’s(Mm/x[AlmSinO2(m+n)]pH2O)、ポリアミド、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレートメタクリロイルアミドグルタミン酸)、キトサン(エチレングリコールジグリシジルエーテル)(キトサン−EGDE)、キトサン、ポリ(グリシジルメタクリレート−co−エチレンジメタクリレート)、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド。
【0041】
粒子は次の形で提供されてもよい:球状、円筒形、不規則形、円形。粒子の直径は、50μm〜5mmである。円形粒子の内径は20μm〜4.5mmの間である。その大きさと形状により粒子は、装置のカラムで、パッケージを形成することができ、パッケージは、血液及び全血の要素に対して、特に血液細胞に対して透過性を持つチャンネルを含む。カラムに充填される粒子の目詰まりは、この方法で回避される。粒子にはまた、外表面がある。
【0042】
さらに、担体は、粒子として提供される場合又は中空糸又は中空糸束の形で提供される場合のいずれかの場合には、孔があってもよい。担体が中空糸として提供される場合、孔は当該担体の壁に存在し、本質的に完全に壁を貫通することにより、中空糸の内側(ルーメン側)と外側との間のチャネルを形成する。これらのチャネルを介して酸素と二酸化炭素分子とが拡散する。酸素と二酸化炭素分子はまた、中空糸の壁を通して直接拡散してもよい。
【0043】
中空糸又は粒子の孔率は10%から90%の範囲である。。孔の直径は、0〜5μmの範囲、好ましくは0から1.5μmである。中空糸又は粒子の孔はまた、孔の内表面、あるいは孔の表面と呼ばれる表面を有する。
【0044】
担体の表面は、担体を含むポリマーの一部である化学官能基か、又は担体の表面の架橋剤を用いた活性化、変性、反応により調製された化学官能基を有する。
担体の表面は、高エネルギー放射線、光への曝露、酸化、加水分解拡張によって、光化学反応、プラズマ処理によって、ハロゲン化、スルホクロロ化、クロロメチル化、エステル化、エーテル化、エポキシ化によって、ラジカル形成剤、アミン、アミド、イミド、イソシアネート、アルデヒド、ケトン、ニトリル、ビニル化合物、カルボン酸とその誘導体、及びジアゾ化合物との反応によって活性化又は変性させることができる。
【0045】
担体の表面上の化学官能基又は架橋分子としては以下のものが挙げられ得る:
ホスゲン、ホルムアルデヒド、グリオキサール、アクロレイン、グルタルアルデヒド、アジド、活性エステル、無水物、酸塩化物、エステル、混合無水物、臭化シアン、ジフルオロジニトロベンゼンチオイソシアネート、エポキシ、イミド、イソシアネート、ウレチオン基、ジイソシアンート、トリイソシアネート、マレイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−ビス−(トリメチルシリルスルホジイミド)、過酸化物、ビニルケトン基、芳香族ジアゾ化合物、ビニルスルホン、トリクロロトリアジン、モノクロロトリアジン、ジクロロトリアジン、bromacrylamide、ジフルオロクロロピリミジン、トリルオロピリミジン、ジクロロキノキサリン、クロロアセチルアミノ基、クロロアセチル尿素、β−ハロゲンプロピオンアミド、α,β−ジハロゲンプロピオンアミド、β−第四アンモニウムプロピオンアミド、β−スルファトプロピオンアミド、β-スルホニルプロピオンアミド、置換アルカン−ジカルボキサミド、置換アルカンモノカルボキシレート、置換シクロアルカン−カルボキサミド、アルケンモノカルボキサミド、アリールアミド、クロトンアミド、置換アクリルアミド、モノ−,ジ−及びトリハロアリールアミド、置換クロトンアミド、アルケン−ジカルボキサミド、環状ハロゲンマレインイミド、アルキンカルボキサミド、置換脂肪族ケトン、置換脂肪族ケトンのアミド、置換脂肪族スルホン酸のアミド、置換メタンスルホンアミド、置換エタンスルホンアミド、β−チオスルファトエチルスルホンアミド、第四アンモニウムメタンスルホンアミド、ビニルスルホンアミド、β−クロロビニルスルホンアミド、反応性脂肪族スルホン酸のエステル、β−置換エチルスルホン、β−チオスルファトエチルスルホン、β−ハロゲンビニルスルホン、β−置換エチルアミン誘導体、β−スルファトエチルアミン、β−ハロゲンエチルピラゾロン、N−(β−ハロゲン−エチル)−アミド、N−(β−スルファトエチル)−アミド、β−置換エチルアンモニウム化合物、スルホン酸のβ−置換エチルアミド、N,β−ハロゲンエチルスルホンアミド、スルホン酸のβ,γ−ジハロゲンプロピオニルアミド、スルホン酸のβ−スルファトエチルアミド、エチレンイミンとエチレンイミン化合物、アリル基、プロパルギル基、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ベンジル誘導体、2−置換チアゾール炭素酸、クロロスルホニルピリジン、4−置換3,5−ジシアノ−2,6−ジクロロピリジン、2,6−ビス−(メチルスルホニル)−ピリジン−4−カルボニルクロリド、クロロピリダジン、ジクロロピリダゾン、1−アルキル−4,5−ジクロロ−6−ピリダゾン、塩素とブロモピリミジン、3−(2,4,5−トリクロロピリミジル(6)アミノ)アニリン、4,5,6−トリクロロピリミジン−2−カルボニルクロリド、トリフルオロピリミジン、2−クロロトリアジニル誘導体、2−クロロ−4−アルキル−s−(6−トリジニル−6−アミノカルボン酸)、2−クロロベンゾチアゾールカルボニル、6−アミノ−2−フルオロベンゾチアゾール、2−メチルスルホニル−6−アミノベンゾチアゾール、2,3−ジクロロキノキサリン−6−カルボニルクロリド、1,4−ジクロロフタラジン−6−カルボニルクロリド、3−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアジン−1−N−オキシド−7−カルボニルクロリド、フッ素−2−ニトロ−4−アジドベンゼン、スルホン酸、N−スルホニル尿素、チオスルファトS−アルキル、N−メチルチロール尿素、N,N−ジメチロール−グリオキサール−monourein、テレフタルジアルデヒド、メシチレントリアルデヒド、イソチウロニウム基、トリアシルホルマル、4−アジド−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン、N−(4−アジド−2−ニトロフェニル)−1,1−アミノウンデカン酸とオリゴメタクリル酸。
【0046】
好適な化学官能基は、第一級アミンであり、第一級アミンはカルボニル化合物をイミンに変換でき、その後、必要に応じて、水素添加によって安定したアミン結合に変換できる。さらに、カルボン酸は、アミド結合を介してアミン類に固定できる。アジリジン、オキシラン、マレインイミド、N−サクシンイミジルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミド、ヒドラジド、アジド、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、カルボン酸エステル及びエポキシドの使用が好ましい。
【0047】
化学官能基は、担体の表面上で生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物を吸着除去するための物質を固定化するために使用される。血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中での生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質を、以下では単に物質と短く呼ぶ。
【0048】
以下の、様々な担体表面の組み合わせを、物質と特異的に被覆する:
−中空糸の形の担体:内腔の外表面又は表面
−中空糸の形の担体:内腔の外表面及び表面
−粒子の形の担体:粒子の外表面
−粒子の形の担体:孔の外表面と表面
被覆面は、血液、代替血液、又はヒト及び又は動物の血液循環に導入される溶液と直接接触する担体の表面である。
【0049】
物質の固定化は、好ましくは共有結合で行われる。例えば、疎水性、静電及び/又はイオン性相互作用による別の結合も可能である。物質は化学官能基により担体の表面に直接結合されてもよい。
【0050】
あるいは、スペーサーや架橋剤としても知られる、いわゆるリンカ分子を担体の表面上の化学官能基に結合させてもよい。これらの細長い線形分子は各端に反応性官能基を持つ。これらの端の一つを、担体の表面上の化学官能基に特異的に結合させてもよい。官能性を持つもう一方の端は、担体の表面に物質を結合するために利用できる。したがって、物質を担体の表面にリンカーを介して結合してもよい。説明した線形の化合物はリンカーとして使用してもよく、その反応官能性もまた、前記の化学官能基群から選択される。担体の表面上の既存の化学官能基に反応して結合を形成する能力は、適切な反応性官能基を選択するために非常に重要である。あるいはまた、リンカーを前記架橋分子のいずれかから選択してもよい。
【0051】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物を吸着除去するための物質は、次の物質群から選択される:
ポリアクリル酸とポリアクリル酸の誘導体、アルブミン、金属キレート錯体、シクロデキストリン、イオン交換体、直鎖状及び環状ポリ及びオリゴアミノ酸、変性ポリアミノ酸、変性及び未変性ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンと変性ポリアリルアミン、基本的なオリゴペプチド、固定化アミジン基、ヒスチジン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アルキルアリール基、モノアミノアルカン、毒性ショック症候群毒素1−結合ペプチド(毒性ショック症候群毒素1−結合ペプチド、TSST−1結合ペプチド)、ジアミノアルカン、ポリアミノアルカン、芳香族窒素複素環化合物及びそれらの誘導体、抗菌ペプチド(AMP)、内毒素中和タンパク質(内毒素中和タンパク質、ENP)、合成ペプチド、ポリリジン、HDL、コレステロール、ポリミキシンB及びポリミキシンE(コリスチン)、膜形成脂質とリポタンパク質と多糖類とリポ多糖類、糖タンパク質、コレステロールエステル、トリアシルグリセロール、一般的にはステロイド、ホスホグリセリド、スフィンゴ脂質、環状部分を含む及び含まないリポタンパク質、タンパク質含有リポオリゴ糖、R及びR1=H又はRはアミノ保護基又はHであり、R1はカルボキシ保護基又はHである式R−(Lys−Phe−Leu)n−R1を持つペプチド、アミノ酸残基、1〜100の間の炭素原子、好ましくは1〜10間の炭素原子の長さの脂肪酸残基、含窒素複素環化合物、窒素官能基を有する芳香族カルボン酸及び/又はその誘導体。ヘパリン、ヘパリン誘導体、ヘパラン、ヘパラン誘導体、オリゴ糖及び多糖類及び好ましくはオリゴ糖とイズロン酸、グルクロン酸、グルコサミン、ガラクトサミンを含む多糖類は、本発明によれば、内毒素吸着にあまり好ましくなく、よって、毒素吸着のために使用されない又は好んで使用されない。
【0052】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中での生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための好ましい材料は、アルブミン、合成ペプチド、ポリリジン、環状の残基を含む及び含まないリポタンパク質、タンパク質含有リポオリゴ糖、抗菌ペプチド(AMP)、HDL、コレステロール、内毒素中和タンパク質及び毒素性ショック症候群毒素1−結合ペプチド(毒素性ショック症候群毒素1−結合ペプチド、TSST−1−結合ペプチド)である。
【0053】
中空糸の形の担体の外表面の選択的な被覆というよりはむしろ生物・化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物の吸着除去のための物質の標的固定化のため、担体の表面上で、最初は孔、その後に内部空間、内腔と、担体に、媒体を注入する。注入の条件下では、媒体は液体であり、そのために完全に内腔と孔の表面を覆う。さらに、この媒体は、中空糸の形の担体の外表面を被覆するためにその後使用される溶液と混ざらない。媒体が内腔の表面を完全に覆うと同様に、孔の内壁面を完全に覆い、担体の外表面の被覆のための溶液と混和しないという事実により、担体の外表面の被覆のための溶液は内腔の表面又は孔の内壁面を被覆することができないため、被覆は、中空糸の形の担体の外表面にのみ行われる。好ましくは完全に又は定量的に進行する中空糸の形の担体の外表面の被覆後、媒体は担体の内腔と孔から除去される。
【0054】
中空糸の形の担体の内腔の表面を標的被覆のために、孔に最初に媒体を注入する。その後、担体の内腔に中空糸の形の内腔の表面を被覆するのに使用する溶液を注入する。望ましくは完全に又は定量的に進む内腔の表面被覆後、担体の孔から媒体が、担体の内腔から溶液が除去される。
【0055】
中空糸の形の担体の内腔の外表面と表面は、まず孔を媒体で満たし、内腔を被覆用溶液で満たし、それから被覆用溶液で担体の外表面を囲むことにより、同様に被覆することができる。例えばヘキサン、ヘプタン又はドデカノールなどの、直鎖状、分岐状、鎖状又は環状のC1−C20アルカンを媒体として使用してもよい。
【0056】
内腔の表面が被覆されず、外表面のみが被覆された中空糸の形の担体が得られる。又は外表面が被覆されず、内腔の表面のみが被覆された中空糸の形の担体を得る。したがって、担体の内腔と孔とを満たすことにより、担体の特定の面を一定の被覆から保護することができる。
【0057】
粒子の形の担体の外表面とその孔の内表面の被覆、あるいはむしろこれらの表面上の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質の固定化ために、粒子を被覆溶液に懸濁することによって孔もまた満たされる。望ましくは完全に又は定量的に進む、粒子状の担体の外表面とその孔の内表面の被覆後、溶液を粒子と担体の孔から除去する。
【0058】
特異的に被覆される表面と非被覆表面により、得られた担体は、それぞれ表面上で異なる特性を示す。
中空糸の形の担体は外表面上又は内腔の表面上で物質でそれぞれ被覆されているため、外表面又は内腔の表面は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液によって周りを洗浄される。中空糸の形の担体の他のそれぞれの表面は被覆されないままである。担体は、好ましくは、疎水性ポリマーから作られるので、それぞれの被覆されていない表面は疎水性を持つ。この被覆されていない表面の上にガス流が導かれる。
【0059】
したがって、中空糸の形の担体において、その上にガス流が導かれる被覆されていない表面は、物質が被覆された表面に対向して位置し、被覆された表面は、物質が被覆された表面は血液、代替血液、又はヒト及び又は動物の血液循環に導入するための溶液に接触している。両方の表面は中空糸の担体の壁を通ってつながる孔によって接続されている。生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物は、担体の内腔又は外表面のどちらかに被覆された物質を吸着し、これらの表面に保持される。生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物は、それによって血液、代替血液、又はヒト及び又は動物の血液中に導入される溶液から除去される。血液の場合には、そこに含まれる二酸化炭素が、ガスが流れる空間に担体の孔を通って拡散し、ガス流によって除去される。同時に、孔の小径、孔のガス流接触表面と内表面の疎水性が、血流が孔を通してガスが流れる空間に入るのも防ぐ。
【0060】
孔の直径は、血液細胞の直径よりも小さくなるように選択される。1.5μmの最大孔径が直径約2μmの最小の血液細胞より小さいため、孔径1.5μm以下が好ましく、より好ましくは孔径1.0μm以下である。血液細胞は、したがって、担体の孔を貫通することはできない。
【0061】
ガス流に含まれる酸素もまた、担体の孔を通って拡散できるため、血液が流れる空間に入る。これにより血液の酸素濃度が高まる。この方法によって、二酸化炭素に加えて生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物を血液から除去することができ、同時に血中の酸素濃度が高まる。
【0062】
上述したように、担体の孔を通ってガスが流れる空間への血流の侵入は、とりわけガス流と孔の内面に接触している中空糸の形の担体の表面の疎水性によって、防止される。血中でガス交換のみを行う装置では、血漿漏出、すなわち、例えばガスが流れるコンパートメントへの血漿の侵入は、ガス交換を妨げる頻繁に起きる深刻な問題である。血液中のガス交換のみを実行する装置と二重の機能を備えた本発明の装置を比較することによって、驚くべきことに、血漿漏出がごくまれにしか発生せず、ガス交換が妨害なく行われガス転送速度が高速であることが判明した。
【0063】
中空糸の形の担体の内表面又は外表面、又は粒子の形の担体の外表面はまた、物質被覆に加え血液適合被覆を示してもよい。血液適合被覆は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液と接触するそれぞれの中空糸の側で適用される。血液適合被覆は、異物として認識される装置の表面への血液の反応を防止又は縮小することができ、そのため、患者により優しい治療をもたらす。驚くべきことに、担体の表面を物質とさらに血液適合被覆で被覆すると、両方の被覆は、お互いを妨げることなく、完全な機能を維持することがわかった。担体表面の物質被覆は、血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の除去の機能を提供する。血液適合被覆の機能は、担体の外部表面と装置に血液応答の予防又は減少を続けることである。担体表面への追加の血液適合被覆が、生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物と担体表面上の物質との相互作用に悪影響を与える可能性のあるそれらの表面特性の変化につながり、上述の毒素に対する物質の結合容量を縮小するかもしれないと懸念する理由があったが、驚くべきことに、この問題は確認されなかった。
【0064】
血液適合被覆は、ヘパリン又は化学修飾多糖類、すなわち多糖類の化学誘導体を含む。多糖類の化学修飾には、様々な程度の脱硫、再硫酸化、脱アシル化及び/又は再アシル化が含まれる。
【0065】
多糖類は、以下の群から選択される:
グリコサミノグリカン、合成オリゴ及び多糖類、グルコサミノグルカン、化学修飾ヘパリンとヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸、onuphinic酸、カラギーナン、キチン、キシラン、デキストラン、マンナン、キシログルカン、ガラクタン、キサンタン、アラビノガラクツロナン、ラムノガラクツロナン、ガラクトマナン、ペクチン、アミロペクチン、ラムダ、てんぐさ、アガロース、アルギン、アルギン酸塩、ghattiガム、アラビアゴム、トラガント、カラヤゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、manucol、kelgine、プルラン、isolichenin、ニゲランマイコデキストラン、茶白星病菌α−グリカン、アルテルナン、Evernia prunastriα−グリカン、プスツラン、Icelandic acid、ルテイン酸、ミクロエロボスポリアマンノグルカン、アグロバクテリウムβ-グルカン、根粒菌β-グルカン、アセトバクターβ−グルカン、マイコプラズマβ−グルカン、大腸菌(1−2)−β−オリゴグルコシド、カードラン、ラミナリン、パラミロン、クリソラミナリン、セルリン、マイコラミナリン、リケニン、カロース、ファーセレラン、ヘパリン、ウロキナーゼ、HEMA−St−HEMA共重合体及びポリ−HEMA及びその化学誘導体。
【0066】
このような血液適合被覆は任意であり、また血液適合被覆に使用される物質が毒素の吸着に使用されず、また毒素の吸着に寄与しない少数の例においてのみ好まれる。
また、中空糸の内表面又は外表面は、表面張力低減被覆で被覆することができる。表面張力低減被覆は、血液と接触する中空糸のそれぞれの側に付与される。表面張力の低減は、装置の効率的なプライミングにつながる。
【0067】
装置を患者に使用する前に、血流専用の全内部空間を液体で満たす必要がある。このプロセスはプライミングと呼ばれ、液体の必要量はプライミングボリュームと呼ばれる。プライミングは完全に、装置の血液運搬内部空間から不要なガスを除去し、血液運搬空間の表面を湿らせ、装置が患者の血流に接続されている場合、確実に体外血液循環を液体で完全に満たすために必要である。「装置の血液運搬内部空間」や「血液運搬空間」という用語は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液に接触する装置のすべての空間又は表面を指す。装置の血液運搬内部空間や血液運搬空間には、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液が流れる装置のチャンバも含まれる。
【0068】
装置の血液運搬空間の表面に湿潤剤を塗布した場合は、それらがプライミング中に除去され、したがって、プライミング処理を支援すると有利である。プライミングボリュームは、装置の血液運搬内部空間の総容量に依存する。血液運搬内部空間の体積が大きければ大きいほど、患者の血液循環と体外回路において混合するプライミング液の体積は大きい。患者の血流とプライミング液との混合物は、患者にとって余分な負担となる血液希釈につながる。したがって、可能な限り低くプライミングボリュームを維持するのが有利である。次の溶液又は混合物はプライミング液として使用することができる:0.9%食塩水、乳酸リンゲル液、HAES、マンニトール、ヘパリン、コルチゾン、重炭酸ナトリウム溶液、トラネキサム酸(旧アプロチニン)。
【0069】
表面張力を低減するために、中空糸の表面を、湿潤剤で被覆してもよい。このような湿潤剤は、両性、双性イオン、非イオン、アニオン及び/又はカチオン化合物である。表面張力低減被覆のための湿潤剤は、以下の化合物の群から選択される:
両性湿潤剤には、Miranol社(ニュージャージー州デイトン)で入手可能なラウロアンホカルボキシグリシネート、例えば、MIRANOL 2MHT MOD、又はその相乗コンポーネントが含まれる。典型的な双性イオン性湿潤剤には、β−N−アルキルアミノプロピオン酸、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸、脂肪酸イミダゾリンカルボキシレート、N−アルキルベタイン、スルホベタイン、スルテインとアミノ酸、例えばアスパラギン、L−グルタミンなどが含まれる。アニオン性湿潤剤の例には、芳香族疎水性エステルとアニオン性フッ素含有湿潤剤が含まれる。カチオン性湿潤剤には、メチル−ビス−水素化talgamidoethyl、2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、水溶性四級化縮合ポリマー、cocoアルキルビス−(2−ヒドロキシエチル)−メチル及びエトキシル化塩化物が含まれる。非イオン性湿潤剤には、アルコキシル化アルキルアミン、エタノール、イソプロパノール、メタノール、グリセロール、アルキルピロリドン、直鎖アルコールアルコキシレート、アミノパーフルオロアルキルスルホンネートを含むフッ素化アルキルエステル、N−アルキルピロリドン、アルコキシル化アミン及びポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物)誘導体が含まれる。他の湿潤剤には、C12−18脂肪族及び/又は芳香族の疎水性残基と同一分子内に親水性を持つオリゴマー又は非単量体化合物が含まれる。他の湿潤剤には、末端第二ヒドロキシル基を持つ二官能性ブロック共重合体と末端第一ヒドロキシル基を持つ二官能性ブロック共重合体が含まれる。これらのブロック共重合体は、通常、ポリ(オキシプロピレン)又はプロピレン酸化物(POP)とポリ(オキシエチレン)又は酸化エチレン(POE)の反復単位を含む。非毒性で血液適合性湿潤剤が好ましい。
【0070】
湿潤剤を有する表面張力低減被覆は、表面が血液と接触する前に、湿潤剤が表面から洗い流されるように、中空糸の内表面側又は外表面に可逆的に適用される。
本発明の装置は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物を除去するために使用される。生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物は、以下の群から選択される:
フィブリノゲン、感染症に関連付けられた毒素、例えば、真菌毒素、ニコチン、エタノール、ボツリヌス中毒など栄養摂取に関連付けられた毒素;例えば、酢酸鉛、B及びC武器など作業関連及び犯罪行為からの毒素;COなどのガス、エアロゾル、液体や固体の形の毒素;免疫複合体、医薬品、麻薬、アルコール、界面活性剤、ホスゲン、塩素、シアン化水素、ニトロソアミン、シュウ酸、ベンゾピレン、ソラニン、硝酸塩、亜硝酸塩、アミン、ジクロロジスルフィド、ハロゲン化炭化水素;細菌性、真菌性毒素、例えば、エポキシトリコテカエン、オクラトキシンA、ゼアラレノンなどのマイコトキシン;及び例えば、外毒素、内毒素、真菌胞子などの原虫由来とその成分;及びそれらの分解産物、細菌由来のミクロシスチン、アナトキシン、サキシトキシンとその分解産物としての生物兵器毒素、殺虫剤、殺菌剤、薬剤及びそれらの代謝物、麻薬、医薬品及びそれらの代謝物とそれらの分解産物、抗原、DNA、RNA、ENA、免疫グロブリン、自己免疫抗体、抗DNA抗体、抗核抗体、ウイルス、レトロウイルス及び、肝炎ウイルス粒子のようなウイルス成分を含む抗体、脂質、タンパク質、ペプチド、プロテオリピド、糖タンパク質及びプロテオグリカン、フィブリン、プリオン、ナノ兵器、水銀、カドミウム、鉛、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、錫、アンチモンなどの金属、及びこれらの金属のイオン、ヒ素などの半金属;並びにこれら半金属のイオン、毒性リポ多糖類と内毒素。
【0071】
好ましいのは、代謝物及び分解産物が毒性の内毒素及びリポ多糖類である、生物及び化学合成由来の毒素である。
内毒素又は毒性リポ多糖類は、例示的に以下の生物に由来することができる:大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌、シュードモナス属、淋菌、インフルエンザ菌、百日咳菌やコレラ菌。
【0072】
化学的に内毒素はリポ多糖類(LPS)に対応する;LPSは両親媒性分子である。疎水性部分、脂質A、はグルコサミンダイマーに結合する5から7の飽和脂肪酸を含む。LPS分子の親水性頭部は、オリゴ糖、中心コア領域とO抗原、細菌膜(5−7の炭素原子を有する中性糖、デオキシ及びアミノ糖、ウロン酸とアミノuronacids、Oメチル−、Oアセチル−、リン酸−とアミノ酸置換糖)内でも様々に変化する、3から6の糖残基の反復単位のポリマーを含む。コア領域は、多くの負に帯電した糖残基とリン酸残基を含み二価の陽イオンとも結合することで、一種の透過障壁を形成する。
【0073】
現在の知識に基づくと、病態生理学的相互作用は内毒素の毒素活性部位、脂質A、に依存すると考えられている。脂質Aは、免疫細胞、主にマクロファージ上の受容体と反応する。脂質Aは、最初に膜結合型CD14(表面抗原分類)に結合する。細胞内シグナル伝達のまだ不明なメカニズムによって、影響を受けた細胞が炎症性メディエータ(IL−1、IL−6、IL−12、TNF−α)を生産し、分泌し、体液性免疫系を含む免疫系を活性化する。
【0074】
脂質Aの結合に対する応答の一部としてマクロファージもまた、周辺領域にCD14を放出する。マクロファージも、通常、脂質Aに応答しない細胞に影響を与えることができ、例えば、内皮細胞は、CD14との結合後、セレクチンとインテグリンをますます発現し、今度は血管壁への白血球や血小板のさらなる付着を引き起こす。
【0075】
血管壁への血小板のさらなる付着が凝固の活性化及びキニン(ブラジキニンなど)の放出につながり、その結果、それらの分解の過程で線維素溶解の過程を引き起こす血栓を形成する。キニンの放出はまた、血管拡張を引き起こす。
【0076】
一言で言えば、内毒素の作用は、炎症、凝固、溶解の間の均衡を乱す。起こりうる影響はメディエータの作用と補体系の活性化によって媒介される炎症にある。深刻な影響には、血栓形成時の微小循環の障害や血管拡張によるショックにより引き起こされる臓器不全に加え、凝固及び線維素溶解の活性化を通しての播種血管内凝固が含まれる。
【0077】
コア領域は、多くの負の電荷を含むので、有機アンモニウムイオンのような、求電子性又は正電荷のグループと好ましく相互作用する。このことはまた、抗菌ペプチド(AMP)のような含窒素化合物、内毒素中和タンパク質(内毒素中和タンパク質、ENP)、合成ペプチド、ポリミキシンB及びポリミキシンE(コリスチン)、アルブミン、R及びR1=H、アミノ酸残基、脂肪酸基かつn=1〜100、好ましくは1〜10の式R−(Lys−Phe−Leu)n−Rを持つペプチド;ポリエチレンイミン、ポリアミノ酸、官能性芳香族カルボン酸及び/又はその誘導体の窒素基を有する窒素含有複素環式化合物、へのLPS及び内毒素の吸着も説明する。
【0078】
本発明の装置は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の酸素の高濃度化と、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液からの二酸化炭素の除去とに使用される。流速1L/分の血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入される溶液で、装置は最大100ml/分の酸素移動速度を実現し、流速7L/分の血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血流に導入するための溶液で、最大650ml/分の酸素移動を実現する。二酸化炭素の移動は、流速1L/分の血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入される溶液で最大80ml/分、流速7L/分の血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液で最大350ml/分である。
【0079】
本発明の装置は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物と二酸化炭素の同時除去のために、そして血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高めるために使用される。生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物の除去、例えば内毒素、と二酸化炭素の血液からの除去と血液中の酸素の高濃度化は、疾患の予防、軽減又は治療のための効果的な組み合わせであることが判明している。従って、発明の装置及び方法は、生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物によって引き起こされる疾患の予防、緩和又は治療のために使用される。
【0080】
本発明の装置及び方法は、グラム陰性細菌の崩壊によって引き起こされる病気に対して有効であることが実証されている。従って、本発明の装置及び本発明の方法は、グラム陰性菌の膜断片としてのリポ多糖類又は内毒素の存在に起因する疾患の予防、緩和又は治療のためのものある。
【0081】
生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物又はグラム陰性菌の膜断片の形のリポ多糖類又は内毒素の存在に帰することができるものによって引き起こされる疾患は、次の群の疾患から選択される:
内毒素血症、敗血症、発熱、炎症、臓器不全、多臓器不全、播種性血管内凝固、横紋筋融解症、壊死、ショック、外傷、菌血症、下痢、白血球増多症、血管拡張、低血圧による血液凝固、循環障害、全身性炎症反応症候群(全身性炎症反応症候群=SIRS)、成人の呼吸窮迫症候群(ARDS=急性呼吸窮迫症候群)など。
【0082】
特に、これらの治療法の併用は、敗血症の予防、軽減又は治療にとって効果的な方法である。本発明の装置によって可能になった前記治療法の同時利用は特に有利であり、本発明の装置によって可能になった前記治療法の同時利用は特に有利であるのは、敗血症でひどく弱っている患者が二つ又は三つの異なる治療法で処置されないためである。したがって、治療は非常に効果的なだけでなく、非常に患者に優しい。また、同時治療は、内毒素吸着による治療に続く別途の臓器置換療法により失われたであろう貴重な時間を節約できる。病院スタッフにとっては、この同時利用は追加の作業を生み出すものでなく、内毒素吸着が行われるべきであるかどうか、またそのタイミングを決定する必要はもはやなくなる。したがって、その意思決定プロセスは不要になると共に、患者の重大な局面の間の二つ以上の治療法の逐次適用は貴重な時間を節約でき、敗血症による患者の死亡リスクを大幅に縮小する。
【0083】
本発明の装置は、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物を除去するための本発明の方法に使用され、次の手順を含む。
a)血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物を除去するための装置の提供;
b)血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の通過。
【0084】
ここで、本発明の装置に存在するカラムI及び/又はIIは、使い捨て商品として使用することも、あるいはさらなる使用のために再生成することもできる。したがって、血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物を除去するための本発明の方法は、さらなる工程c)を含んでいてもよい:
c)装置の再生。
【0085】
本発明の装置はまた、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高め、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から二酸化炭素を除去する本発明の方法に使用され、次の手順を含む:
a)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高め、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から二酸化炭素を除去するための装置の提供;
b)血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の通過、そしておそらく
c)装置の再生。
【0086】
本発明の装置は、好ましくは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物と二酸化炭素の同時除去のためと、血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高めるために使用され、以下のステップを含む。
a)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物と二酸化炭素の同時除去のためと、血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の酸素濃度を高めるための装置の提供;
b)血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の通過、そしておそらく
c)装置の再生。
【0087】
内毒素除去が好ましい。
本発明の方法は、体外法を含む。まず、本発明の装置の一つを水溶液で湿らせ、必要な場合、湿潤剤を装置から洗浄し、装置を患者が許容できる液で満たした後、患者の血流にチューブを介して接続する。血液を、連続的又は不連続的に(単針使用)患者から採取し、血液からの生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物は、装置に結合されると同時に血液の酸素濃度を高める。処理された血液を、連続的又は不連続的に患者に再び戻す。
[実施例]
[実施例1]:
カラムIを備えた装置の中空糸外表面上のアルブミンの固定
1)中空糸外表面のアミノ化
中空糸の内腔及び孔もアミノ化されてしまうのを防ぐために、カラムIを水混和性溶媒、この場合ドデカノール、で満たし、その後、溶媒を外表面につながる入口と出口から排水する。その後、優しく等張食塩水で洗浄し、次いで水で洗浄する。中空糸の内腔と孔とはドデカノールで満たされた状態であるため、以下では中空糸の外表面のみが確実にアミノ化される。
【0088】
カラムIのセルロース中空糸を、10%ポリエチレンイミン液の溶液で、室温で60分間、速度1ml/秒で洗い流し、その溶液をカラムIの入口と出口を通過させて、中空糸の外表面だけを湿らせることにより、ポリエチレンイミン溶液に対する中空糸の重量比1:2(w:w)になる。この後、等張生理食塩水で洗浄し、次いで水で中性になるまで洗浄する。
2)アルブミンの固定
アルブミンのカルボキシル基の活性化は、CME−CDI(N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)−カルボジイミド−メチル−p−トルエンスルホン酸塩)を用いて実施される。この目的のために、アルブミンと、0.1M MES緩衝液(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)における4℃での重量比が1:1(w/w)のCME−CDIとの反応液をpH4.75で調製し、30分攪拌した。
【0089】
反応溶液を、室温で4時間、アミノ化中空糸の外表面上を通過させ、この後、PBS緩衝液と水で中性になるまで洗浄する。
内腔及び孔内にあるドデカノールを気流により除去し、カラムIを、室温で一晩乾燥させる。
[実施例2]:
ポリスルホン上のポリアミノ酸又はペプチドの固定化
n−ブチルリチウム、次いでベンゾニトリル、との反応、及びベンジルアミンへの酸性媒体中でのシアノ水素化ホウ素での還元により、ポリスルホンの中空糸又は粒子に、J Polym Sci Part A:Polym Chem 41:1316−1329,2003に記載されるようなアミノ基を与える。ポリリジンのその後の固定化は、実施例1で述べたように、カルボジイミドCME−CDIでのポリリジンのC末端アミノ酸の活性化と、ペプチド結合に対する官能基のその後の反応により実現される。
【0090】
同様に、抗菌ペプチド(AMP)及びHDL又はコレステロールを、ポリスルホンの中空糸又は粒子に結合した。
[実施例3]:
粒子上のヘパリンの固定化
ポリメタクリレートの粒子の形の担体材料100gを、低速回転動作のロータリーエバポレータ(撹拌機の使用は粒子を破壊する)上で、室温で3時間、25%(w/v)のアンモニア溶液300mlでインキュベートする。その後、粒子から反応溶液をろ過し、アミノ化粒子を中性になるまで蒸留水で洗浄した。
【0091】
ヘパリン1.5gを0.1M MES緩衝液220ml及び4℃のCME−CDI 7.5gの溶液中で、4℃で30分間、完全に溶解する。この溶液をアミノ化粒子に追加し、4℃で一晩中回転させる。
【0092】
この後、非共有結合ヘパリンを、変性粒子から4M NaCl水溶液で洗い流し、その後、変性粒子を水で30分間すすぐ。
[実施例4]:
粒子の孔の注入
ドデカノールで粒子の孔を満たすことにより、孔表面上の物質の固定化を防止する。
【0093】
このため、粒子を適当な丸底フラスコに充填し、ドデカノールを粒子が完全にドデカノールに覆われる量加える。10分後にドデカノールを濾別する。孔はドデカノールで満たされた状態である。
[実施例5]:
中空糸外内表面上のヘパリンの固定化
カラムIに完全に、すなわち、両方のチャンバにドデカノールを注入し、約10分後に空にすることによりまず、中空糸(ポリエーテルスルホン)の孔を、ドデカノールで満たす。孔はドデカノールで満たされた状態である。モジュールをその後4℃に冷却する。
【0094】
最初に実施例1に対応する中空糸表面のアミノ化を行う。その後、CME−CDI 7.5mgを、4℃でpH4.75の0.1M MES緩衝液220mlに溶解させ、得られた溶液をカラムIを介して4℃で30分間注入し、その後除去する。冷MES緩衝液250mlで洗浄後、275 MES緩衝液(pH4.75)中のヘパリン1.5gからの固定液を、同じ温度で一晩中カラムIを介して注入する。
【0095】
次の日に、非共有結合ヘパリンを、4M NaCl水溶液で洗い流し、カラムIを30分間蒸留水ですすぐ。孔からのドデカノールの除去は40℃の暖イソプロパノールを使って実施する。ヘパリン被覆中空糸を、再び水、4M NaCl水溶液ですすぎ、そして再び水ですすぎ、その後乾燥させる。
[実施例6]:
中空糸上の毒素性ショック症候群毒素1−結合ペプチド(TSST1−結合ペプチド)の固定化
中空糸の孔の大きさが0.65μm、中空糸の内径が0.5mm、膜面積が0.14m2を有するカラムIを備えた装置を、水200ml中にFeSO4×7H2Oが94mgとNa225が84mgの溶液で円を描くように洗い流す。15分後、まずメタクリル酸3.4mlを、それから2分後に添加過酸化水素(30%)3.4mlを溶液の貯蔵容器に加えた。その後、この溶液を円を描くように2時間注入する。その後、カラムIを備えた装置を4時間流水で洗い流して、中空糸の内側と外側両方上の残りの試薬を除去する。その後カラムIを備えた装置を完全に排水する。
【0096】
0.1m MES(2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸)緩衝液(pH4.75)220ml中に、4℃のCME−CDI(N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメチル−p−トルエンスルホン酸塩)7.5gを完全に溶解する。この溶液を、カラムIを介して円を描くように30分間4℃で注入する。その後、カラムIを完全に排水し、冷4℃の0.1M MES緩衝液(pH4.75)250mlで、可能な限り迅速にすすぐ。洗浄液を除去した後、4℃で0.1M MES緩衝液200mlにTSST−1結合ペプチド(毒素性ショック症候群毒素−1−結合ペプチド、Bachem社で注文したカスタム合成、シーケンス:GADRSYLSFIHLYPELAGA)1gの溶液を、カラムIを備えた装置において18時間円を描くように注入する。その後、カラムIを完全に排水し、水、4M塩化ナトリウム溶液、そして再度水ですすぎ、真空で完全に乾燥させる。
【0097】
カラムIを備えた乾燥した装置をドデカノールで完全に満たし、10分後完全に空にして4℃に冷却する。
[実施例7]:
TSST1−結合ペプチドの中空糸の外表面及び内腔表面からの除去:
実施例6のように調製されたカラムIを備えた冷却された装置に、中空糸内とその周辺で4℃の冷6M塩酸を満たし、4℃で15時間保存した。その後、カラムIを空にし、TSST−1結合ペプチドの成分を6M塩酸で捕捉する。4℃の冷水でカラムIをpHが中性になるまですすぎ、その後40℃の暖イソプロパノールですすいだ。最後に、再度水で、4M塩化ナトリウム溶液でそそぎ、再び水ですすぎ、乾燥させた。
[実施例8]:
ポリアクリル酸でのポリエーテルイミド中空糸の内外表面の被覆
1.ポリエーテルイミド中空糸表面のアミノ化
中空糸の表面のアミノ化のために、カラムIの両方のチャンバを、4%水溶液(脱気蒸留水)ジエチレンアミン溶液で泡をたてずに徐々に入口を介して満たし、90℃で30分間加熱する。その後、アミノ化したカラムIを、pHが中性になるまで、冷蒸留水に続いてたくさんの暖蒸留水で洗浄し、乾燥させる。
2.ポリアクリル酸で被覆
ポリアクリル酸のカルボニル基の活性化をEDCを用いて実施する。この目的のために、10%ポリアクリル酸溶液(w/w)25gを、pH4.75に調整した等張性NaCl溶液175gに溶解する。その後、ポリアクリル酸溶液を、等張性NaCl溶液100ml中N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)2.50gの溶液と混合し、室温で45分間撹拌する。
【0098】
アミノ化中空糸を活性化ポリアクリル酸溶液に加え、中空糸と共に室温で少なくとも4時間インキュベートする。
[実施例9]:
内毒素中和タンパク質(ENP)での中空糸の被覆
これから、ENPを、カラムIにおいてポリプロピレン中空糸の外表面上に固定する。
【0099】
この目的のために、エタノール/水1/1(v/v)の混合物200mlを、40℃で30分間円を描くようにカラムIの第1チャンバを介して注入した。その後、3−(トリエトキシシリル)−プロピルアミン4mlを加え、40℃でさらに15時間円を描くように注入した。その後、エタノール/水200mlと、水200mlで各2時間洗浄を続けた。
【0100】
ENP220mgを、pH4.75の0.1M MES緩衝液30ml中に4℃で溶解し、CME−CDI 30mgと混合した。この溶液を、カラムIへ第1チャンバを介して円を描くように、4℃で15時間注入した。水、4M NaCl溶液と水で各2時間洗浄を行い、乾燥させた。
【0101】
この実施例9に記載したのと同じ方法で、カラムI中のポリエステル中空糸とシリコーン中空糸は、ENPでうまく被覆された。
[実施例10]:
粒子と中空糸の変性表面の分析
被覆した材料(粒子又は中空糸)上に固定化された物質のレベルを測定するために、表面修飾ポリマーを100℃で16時間、3M塩酸でインキュベートした。塩酸を除去した後、加水分解物を陰イオン交換クロマトグラフィーによって分離した。
【0102】
以前に固定化した物質の選択成分からのシグナルを、選択物質の規定濃度を有する標準試料の加水分解物のシグナル領域と統合し比較する。試料上に固定化した物質の含有量を、標準的な加水分解物に対するポリマー加水分解物のシグナル領域の比から計算する。
[実施例11]:
ポリプロピレン中空糸の表面修飾
ポリプロピレン中空糸の外表面をアルブミンで被覆する。まず、繊維材料とカラムの内部空間をエタノールで洗浄する。
【0103】
中空糸の内部空間をドデカノールで満たす。ポリプロピレン中空糸の外表面上でのアルブミンの共有結合は、修正ツーステップ標準法によって行われる。
最初のステップでは、オリゴメタクリル酸スペーサーをポリプロピレンに共有結合させる。その後のステップでは、アルブミン被覆をオリゴメタクリル酸スペーサーのカルボキシル基に結合する。アルブミン100mgは、中空糸の被覆に使用される。
[実施例12]:
カラムIの表面修飾
カラムIの第1チャンバの表面をアルブミンで被覆する。実施例11と同様に、カラムIの第1チャンバをエタノールで洗浄する。その後、カラムIの第1チャンバを蠕動ポンプへの血液入口/出口接続によって接続する。最初に、オリゴメタクリル酸スペーサーの溶液500mlを回路内のカラムIの第1チャンバを介して注入する。続いて、回路内のアルブミン溶液500mlを、第1チャンバを介して注入する。その後、第1チャンバを脱イオン水で徹底的にすすぐ。220mgのアルブミンを使用する。
【0104】
実施例10で説明したように実施例11の被覆ポリプロピレン中空糸のアルブミン含有量と実施例12の被覆されたカラムIから採取した試料を分析した。結果を表1に示す。
【0105】
【表1】

【0106】
表1:ポリプロピレン繊維及びカラムIの第1チャンバの表面上のアルブミン配分の比較。
繊維の表面上の測定含有量(32pmol/cm2)は、12倍の大きさとなる仮定の滑面領域を被覆するのに十分なほど大きい。従って、アルブミン被覆は完全にカラムIの第1チャンバの表面を覆っていると記載することができる。
[実施例13]:
アルブミン修飾ポリプロピレン表面における血小板損失の判断
ポリプロピレン繊維材料(PP)4mlとアルブミン表面修飾PP繊維材料(実施例1に記載のように調製)4mlを、それぞれ5ml注入ドロップチャンバ内に滴下される。
【0107】
ドロップチャンバの入口は、プラスチック製の三方弁で接続されている。システム全体を生理食塩水(NaCl)200mlで洗い流す。血液提供者の下腕の静脈を翼状針で穿刺する。血小板濃度の測定のために血液サンプルを取る。その後、翼状針の出口を、NaClを注入したドロップチャンバの三方弁の自由接続を備える別の三方弁によって接続する。血液は、二つのドロップチャンバを自由に流れる。抗凝固のために三方弁の開ポートを介してヘパリンを加える。ヘパリンの薬量はできるだけ低く抑える必要があり、各実験毎に個別に決定する必要がある。最初の流出するNaCl溶液を破棄する。血液は、少なくとも3ml/分で流れ、約50mlの血液をドロップチャンバの下にある二つの貯蔵タンクに収集する。血小板含有量も決定する。
以下の事柄を決定する。
1.アルブミン被覆試験材料を用いたドロップチャンバ内の血小板回復
2.未修飾表面PP繊維材料を用いたドロップチャンバ内の血小板回復。
3.さらなる測定では血小板の回復は、満たすことをしていないドロップチャンバ内で決定される(基準値)。
【0108】
血小板回復は非修飾材料の場合52%程度、アルブミン被覆材料の場合56%程度、空のドロップチャンバの場合84%程度である。
[実施例14]:
カラムIの表面修飾
ポリメチルペンテン中空糸束を持つカラムIを蠕動ポンプへの血液の入口/出口接続部と接続する。ポリエチレンイミン及びアルブミン/CME−CDI溶液(実施例1を参照)それぞれ500mlを、カラムIを介して再循環させ、その後、脱イオン水で十分にすすぐ。アルブミン220mgを使用した。
【0109】
実施例10の手順に従ってアルブミン含量の決定を行う。
[実施例15]:
被覆されたカラムIを用いた内毒素吸着のIn Vitro分析
実験条件:
灌流液:内毒素(150 IU、大腸菌由来のLPS 055:B5、Sigma−Aldrich)を加えたクエン酸ウシ血漿
pH=7.5;OFSP(表面張力):53.5±0.8mN/m
灌流速度10ml/分
ガス速度10ml/分
ガス温度22℃
灌流温度約37℃
灌流時間2時間
予備手段:
毛細血管及び血液腔の空気がなくなるまで、被覆されたカラムI(第1チャンバ)の血液コンパートメントを、CO2でパージした。その後、接続された血液の熱交換器と酸素発生を備えたシステム(第1チャンバ)を等張生理食塩水で調節した。
実験:
等張食塩水は、連続的に灌流液を含む内毒素に置き換えられる。24時間の灌流時間後に、灌流液中あるいはむしろ血漿収集後の内毒素含有量を、発色性のリムルスアメーバ様細胞溶解物法(LALアッセイ)により決定する。
【0110】
この実施例15で説明したのと同じ方法で、牛の全血、生理食塩水と代替血液Oxygent(登録商標)からの内毒素の吸着を行った。本発明の装置の助けで、すべての溶液から内毒素を約90%に除去することができた。
[実施例16]:
カラムIIを備えた装置については、カラムIIの中空糸の壁を介してろ液が通過できるように孔径を大きくした(0.01から最大1.5μm)ことを除いてはカラムI(実施例1、2、3、5、6、8、11、12)について使用したのと同じポリマー材料を使用した。
【0111】
カラムIIの中空糸又は粒子の被覆を、実施例1−6、8、9、12に記載したのと同じ物質を用いて同じ方法で行った。様々な高分子材料とその被覆について、固定化した物質量と同じレベルを実現した。
[実施例17]:
カラムIIを使用する装置について、被覆中空糸又は被覆粒子上での内毒素の吸着も測定した。吸着は実施例15で説明したように測定した。クエン酸ウシ血漿、ウシ全血、生理食塩水と血液代替Oxygent(登録商標)からの内毒素の吸着について、約90%の値となることがわかった。
[実施例18]:
本発明のカラムIとIIを組み合わせた装置について、被覆中空糸又は被覆粒子上での内毒素の吸着も測定した。そのため、二つのカラムを、内毒素含有溶液が最初にカラムIを介して、次いでカラムIIを介して、あるいはその逆に流れるように、連続して配置した。吸着条件は実施例15に記載されているものと同じである。ウシクエン酸血漿、ウシ全血、生理食塩水及び代替血液Oxygent(登録商標)からの内毒素吸着値は、カラムIとIIを含む本発明の装置を使用して、95%及び97%の間であった。これらのデータは、カラムI/IIの流れ方向が、内毒素の吸着の度合いに影響を及ぼさないことを示す。
[実施例19]:
本発明のカラムIとIIを組み合わせた装置を、さらにカラムIについては酸素と二酸化炭素のガス転送速度を、カラムIIについては血液ろ過の有効性を判断することによって分析した。
ガス転送、カラムI:
ガス転送速度を測定するために、酸素と二酸化炭素用のセンサをカラムIの血液の入口前と血液の出口後ろに配置した。さらに、カラムIのガスの入口に酸素源を設けた。ウシクエン酸血漿及びウシ全血を、明確に定義された少量の酸素と大量の二酸化炭素と混合した。2連続実行中に、酸素分圧の変化及び二酸化炭素分圧の変化を、カラムIの第1チャンバを介して循環中の酸素化クエン酸血漿及び全血で測定した。クエン酸血漿と全血の二つの実験をポリメチルを含む未被覆中空糸を備えたカラムIで、そして比較のためにENPで被覆したポリメチルペンテン中空糸を備えたカラムIで行った。カラム間の比較では、クエン酸血漿についてだけでなく、全血についても血液への酸素移動が示され、被覆されていない中空糸を備えたカラムよりも被覆された中空糸を備えたカラムが約20%低かった。同様に、血液からの二酸化炭素の移動は被覆されていない中空糸を備えたカラムよりも被覆された中空糸を備えたカラムのほうが約20%低かった。
血液ろ過、カラムII:
カラムIIの血液ろ過の効果を、ウシクエン酸血漿又はウシ全血の循環の前後でクレアチニン、尿素及び電解質のナトリウムとカリウムのパラメータを測定することにより判断した。
【0112】
アルブミンで被覆したポリエーテルスルホン中空糸を含むカラムIIを使用した。このカラムの第2チャンバに、限外ろ過液の出口を設け、ろ過される液体が流れる第1チャンバの回路を置換液の供給部に接続した。クレアチニン、尿素、ナトリウムとカリウムの濃度を、ろ過する液体、ウシクエン酸血漿及びウシ全血について次のように調整した:
クレアチニン3×10-2mg/ml
尿素2mg/ml
ナトリウムイオン250mM
カリウムイオン10mM
2連続実験では、ろ過する流体500mlを、カラムIIの第1チャンバの回路を介して200ml/分の流速で2時間循環させた。この後、上記の物質の含有量を測定した。表2は、ろ過される液体の外へ除去された物質の一部分を編集したものを示す。
【0113】
【表2】

【0114】
よって、カラムIIでろ過した後のすべてのパラメータの濃度は正常な生理的範囲内にある。
[実施例20]:
カラムIを備えた装置について、中空糸に、1つの血液適合物質と1つの毒素結合物質との複合被覆を行った。
20A.ポリメチルペンテン中空糸上のヘパリンとENP:
最初に、実施例1に記載のように、中空ポリメチルペンテン繊維の外表面をアミノ化した。CME−CDI 5mgを4℃でpH4.75の0.1M MES緩衝液220mlに溶解させた後、得られた溶液を4℃で30分間カラムIの第1チャンバを介して注入し、その後除去する。冷MES緩衝液250mlですすいだ後、275 MES緩衝液(pH4.75)でヘパリン1gの固定化溶液を、カラムIの第1チャンバを介して同じ温度で一晩中注入する。翌日、非共有結合ヘパリンを、第1チャンバから4M NaCl水溶液で洗い流し、その後、第1チャンバを、pHが中性になるまで水で洗浄する。最後のステップとして、実施例9に記載のようにしてENP被覆を行った。
20B.ポリメタクリレート中空糸上のアルブミンとヘパリン:
中空糸の外表面のアミノ化を、ポリメタクリレート中空糸を含んだカラムIの第1チャンバを介して室温で3時間供給された25%(w/v)のアンモニア溶液の溶液300mlを用いて行った。その後、第1チャンバ及び中空糸の外表面を中性になるまで水で洗浄した。第1被覆工程として、ヘパリン1gを、0.1M MES緩衝液及び4℃で5gのCME−CDIの溶液220ml中で完全に溶解し、4℃で30分間攪拌した。次いで、この溶液を、カラムIの第1チャンバを介して同じ温度で一晩中注入した。この後、実施例20Aで説明したように、非共有結合ヘパリンを、第1チャンバと、中空糸の表面から除去した。最後のステップとして、中空糸の外表面上のアルブミンの固定化を、実施例1に記載のようにして行った。
[実施例21]:
実施例15に示すように、実施例20A及び20Bに示すような複合被覆をもつカラムIの内毒素の結合能力についても試験した。同時に、実施例19に記載したように、実施例20A及び20BからのカラムIについての酸素と二酸化炭素の移動を測定した。
【0115】
クエン酸ウシ血漿、ウシ全血、生理食塩水、代替血液Oxygent(登録商標)からの内毒素の吸着値は、実施例20A又は20BのカラムIを含む本発明の装置の使用で約90%であった。
【0116】
実施例20A及び20BからのカラムIについて測定された酸素と二酸化炭素の移動は実施例19のカラムIについてのものと同じ範囲であった。
実施例22:
対応するカラムIについての実施例20で説明したように、カラムIIの中空糸に同じ被覆を行った。実施例19で説明したように、複合被覆をもつカラムIIの血液ろ過の有効性を測定した。
【0117】
複合被覆をもつカラムIIの血液ろ過の効果は、実施例19のカラムIの測定と同じ範囲であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の精製のため、及び血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中でのガス交換のための装置であって、
a)ガス又はガス混合物用の入口及び出口と、
b)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液用の入口及び出口と、
c)少なくとも一つのガス透過膜と、
d)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体と、
を含むカラムを備える装置。
【請求項2】
a)ろ液用の出口と、
b)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の入口及び出口と、
c)少なくとも一つの半透膜と、
d)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、その代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体と、
を含む別のカラムを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ガス透過膜と前記被覆された担体とが一つのユニットに結合される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ガス透過膜は、酸素と二酸化炭素に対して透過性を持つ請求項1又は請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ガス透過膜は、液体に対して透過性がない請求項1〜請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ガス透過膜は、中空糸の1以上の束を含む請求項1〜請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中空糸は、以下の群から選択される材料又はポリマーを含む請求項1〜請求項6に記載の装置:
シリカ、シリコーン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンタン、ポリメチルペンテン、多糖類、ポリペプチド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホネート、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリピロール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ芳香族ポリアミド、酸化アルミニウム、ガラス、セファロース、炭水化物、アクリレート又はメタクリレートとポリアミドの共重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、エチレングリコールジアクリレート又はエチレングリコールジメタクリレートとグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート及び/又はアリルグリシジルエーテルの共重合体、再生セルロース、セルロースアセテート、親水性ポリマーを加えた疎水性ポリマー、前述したポリマーの誘導体及び共重合体。
【請求項8】
前記膜の中空糸は、0.01〜5μmの範囲の直径、好ましくは0.01〜1.5μmの直径の孔を備える請求項1〜請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記膜の中空糸は、約0.1〜1.5mmの外径と、約0.1〜1mmの内径と、5〜200μm、好ましくは15〜50μm、の壁厚を有する請求項1〜請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記担体は、粒子の形で又は中空糸の形で存在する請求項1〜請求項3に記載の装置。
【請求項11】
中空糸の形の前記担体は、前記ガス透過膜のすべての特性を備える請求項1〜請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記担体は、粒子の形で存在し、該粒子が以下の群から選択されるポリマーを含む請求項10に記載の装置:
シリカ、シリコーン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルペンタン、ポリメチルペンテン、多糖類、ポリペプチド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリスルホネート、ポリプロピレン、ポリエーテルスルホン、ポリピロール、ポリビニルピロリドン、ポリスルホン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ芳香族ポリアミド、酸化アルミニウム、ガラス、セファロース、炭水化物、アクリレート又はメタクリレートとポリアミドの共重合体;ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアクリロニトリル、エチレングリコールジアクリレート又はエチレングリコールジメタクリレートとグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート及び/又はアリルグリシジルエーテルの共重合体、再生セルロース、セルロースアセテート、親水性ポリマーを加えた疎水性ポリマー、前述したポリマーの誘導体及び共重合体。
【請求項13】
前記担体は、粒子の形で存在し、該粒子が50μm〜5mmの間の直径を有する請求項1〜請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記担体は、粒子の形で存在し、0.01〜5μmの範囲の直径、好ましくは0.01〜1.5μmの直径の孔を含む請求項1〜請求項13に記載の装置。
【請求項15】
粒子の形の前記担体は、外表面を有し、粒子の形の前記担体の孔が内表面を有し、前記担体の内表面と外表面は、化学官能基を示す請求項1〜請求項14に記載の装置。
【請求項16】
中空糸の形の前記担体は内表面と外表面とを有し、前記担体の内表面と外表面は、化学官能基を示す請求項1〜請求項11に記載の装置。
【請求項17】
粒子の形の前記担体の内表面及び/又は外表面と中空糸の形の前記担体の内表面及び/又は外表面とは、血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆される請求項1〜請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質が、前記担体の表面に化学官能基又はリンカーを介して直接結合されることを特徴とする請求項1〜請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の誘導体、アルブミン、金属キレート錯体、シクロデキストリン、イオン交換体、ポリアミノ酸、変性ポリアミノ酸、変性及び未変性ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンと変性ポリアリルアミン、基本的なオリゴペプチド固定化アミジン基、ヒスチジン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アルキルアリール基、モノアミノアルカン、毒性ショック症候群毒素1−結合ペプチド、ジアミノアルカン、ポリアミノアルカン、芳香族含窒素複素環化合物及びそれらの誘導体、抗菌ペプチド、内毒素中和タンパク質、合成ペプチド、ポリリジン、HDL、コレステロール、ポリミキシンB、ポリミキシンE、R及びR1=Hである式R−(Lys−Phe−Leu)n−R1を有するペプチド、アミノ酸残基、膜形成脂質、製膜リポタンパク質、膜形成多糖類、膜形成リポ多糖類、糖タンパク質、コレステロールエステル、トリアシルグリセロール、ステロイド、ホスホグリセリド、スフィンゴ脂質、環状残基を持つリポタンパク質、環状残基を持たないリポタンパク質、タンパク質含有するリポオリゴ糖類、1〜100の炭素原子、好ましくは1〜10の炭素原子間の長さの脂肪酸残基、窒素含有複素環化合物、窒素官能芳香族カルボン酸及び/又はそれらの誘導体、の群から選択される請求項1〜18に記載の装置。
【請求項20】
ヒト及び/又は動物の血液循環に導入する血液、代替血液、又は溶液に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物の除去のために、
a)ガス又はガス混合物用の入口及び出口と、
b)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入する溶液用の入口及び出口と、
c)少なくとも一つのガス透過膜と
d)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、血液中のそれらの代謝物や分解産物の吸着除去のための物質で被覆された担体と、
を含むカラムを備えた装置の使用。
【請求項21】
前記血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液中に存在する生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物や分解産物が、フィブリノゲン、感染症に関連付けられた毒素、例えば、真菌毒素、ニコチン、エタノール、ボツリヌス中毒など栄養に関連付けられた毒素;例えば、酢酸鉛、B及びC武器など作業関連及び犯罪行為からの毒素;例えば一酸化炭素(CO)などのガス、エアロゾル、液体や固体の形の毒素;免疫複合体、医薬品、麻薬、アルコール、界面活性剤、ホスゲン、塩素、シアン化水素、ニトロソアミン、シュウ酸、ベンゾピレン、ソラニン、硝酸塩、亜硝酸塩、アミン、ジクロロジスルフィド、ハロゲン化炭化水素;細菌性、真菌性毒素、例えば、エポキシトリコテカエン、オクラトキシンA、ゼアラレノンなどのマイコトキシン;及び例えば、外毒素、内毒素、真菌胞子などの原虫由来とその成分;及びそれらの分解産物、細菌由来のミクロシスチン、アナトキシン、サキシトキシンとその分解産物としての生物兵器毒素、殺虫剤、殺菌剤、薬剤及びその代謝物、麻薬、医薬品及びその代謝物とその分解産物、抗原、DNA、RNA、ENA、免疫グロブリン、自己免疫抗体、抗DNA抗体、抗核抗体、ウイルス、レトロウイルス及び、肝炎ウイルス粒子のようなウイルス成分を含む抗体、脂質、タンパク質、ペプチド、プロテオリピド、糖タンパク質及びプロテオグリカン、フィブリン、プリオン、ナノ兵器、水銀、カドミウム、鉛、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、錫、アンチモンなどの金属、及びこれらの金属のイオン、ヒ素などの半金属;並びにこれら半金属のイオン、毒性リポ多糖類と内毒素、の群から選択される請求項20に記載の使用。
【請求項22】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入する溶液の酸素濃度を高めるための請求項20〜請求項21に記載の使用。
【請求項23】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液から二酸化炭素を除去する請求項20〜請求項22に記載の使用。
【請求項24】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入のための溶液から、生物・化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物及び二酸化炭素を同時除去するため、及び血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入する溶液の酸素濃度を高めるための請求項20〜請求項23に記載の使用。
【請求項25】
生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物によって引き起こされる疾患の予防、軽減又は治療のための請求項20〜請求項24に記載の使用。
【請求項26】
グラム陰性菌の膜断片としてのリポ多糖類や内毒素の存在によるものである疾患の予防、緩和又は治療のための請求項20〜請求項25に記載の使用。
【請求項27】
生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物によって引き起こされるか又はグラム陰性菌の膜断片としてのリポ多糖類や内毒素の存在によるものである疾患が、内毒素血症、敗血症、発熱、炎症、臓器不全、多臓器不全、凝固障害、横紋筋融解症、壊死、ショック、外傷、菌血症、下痢、白血球、血管拡張、血圧低下に起因する凝固、循環不全、全身性炎症反応症候群、成人呼吸窮迫症候群の群から選択されることを特徴とする請求項20〜請求項26に記載の使用。
【請求項28】
前記疾患が敗血症である請求項27に記載の使用。
【請求項29】
血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入する溶液から生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物を除去するプロセスであって、
a)血液、代替血液やヒト及び/又は動物の血液循環に導入するための溶液の生物及び化学合成由来の毒素、それらの代謝物及び分解産物の除去のための装置の提供する工程と、
b)血液、代替血液、又はヒト及び/又は動物の血液循環に導入する溶液を通過させる工程と、
を含むプロセス。
【請求項30】
さらに、以下の工程c):
c)装置の再生する工程
を含む請求項29に記載のプロセス。

【公表番号】特表2013−500797(P2013−500797A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523201(P2012−523201)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000954
【国際公開番号】WO2011/015197
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(504150209)ヘモテック アーゲー (12)
【氏名又は名称原語表記】Hemoteq AG
【Fターム(参考)】