説明

体液を分析するためのシステムおよび方法

血液、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、および唾液を含む細胞を含有する体液を分析するシステムおよび方法が開示される。システムおよび方法は、細胞の単層をスライドに塗布し、スライド上に実質的に均一な細胞の分布を生成するための改良された技術を利用する。また、発明の局面は、受光装置によって取得された画像の品質を向上させるための多色顕微鏡法を利用するためのシステムおよび方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2009年4月27日に提出された米国仮出願番号第61/173,186号の優先権の利益を主張し、本明細書において当該出願の全体が引用により明白に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、流体の組成および成分を判定するためのシステムおよびプロセスに関する。具体的には、本発明は、細胞の形態を観察し、体液の一部分における特定の種類の細胞の数を判定するための改良された技術を提供する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
病理学は、採集され、固定または空気乾燥され、次いで核および細胞質の両方の特徴を強調する染色剤によって視覚化された個々の細胞の形態の検査を含む方法によって、医療専門家が疾病の有無を判定する医学の分野である。細胞の採集は、人間の体液の一部分を取得し、体液をスライド上に配置し、顕微鏡を使用してスライド上の流体を観察することを伴うことが多い。
【0004】
最も一般的に行なわれる病理学研究の1つはCBC(全血球算定)である。CBCを行なうには、血液の試料を患者から採取し、次いで自動化されたまたは手作業による方法によって細胞が算定される。CBCは一般に、流動細胞計測法の原則に基づき、通常、凝固抑制した全血を吸引し、それをいくつかの分析流に分割する器具を使用することによって行なわれる。フローサイトメータを使用すると、i)赤血球(RBC)数、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Hct)、赤血球指数(平均赤血球容積、MCV、平均赤血球ヘモグロビン、MCHおよび平均血中ヘモグロビン濃度MCHC)、赤血球分布幅、網状赤血球および有核赤血球を含む他の赤血球の計数、ならびに赤血球形態、ii)白血球(WBC)数、およびWBC白血球百分率(好中性、リンパ球、好酸球、好塩基性細胞および単球を含む異なる正常な白血球種類、ならびに様々な疾病状態において存在する他の正常なおよび異常な種類のWBCの推定される存在の計数)、iii)血小板数、血小板分布幅、および形態学的特徴を含む血小板の他の特徴、iv)循環する血液中にあり得る他の異常細胞もしくは他の特異な細胞または細胞成分を含む、多数の一次的なおよび派生的な測定値を判定することができる。フローサイトメータでは、赤血球、WBCおよび血小板の形態の特性化は、典型的に、光吸収および光散乱法および/または細胞化学に基づく測定に基づいて間接的に行われる。いくつかの後生的なフローサイトメータは、一次的な測定から二次的なおよび三次的な測定値を算出する。
【0005】
フローベースのCBC器具は一般に、広範囲な較正および制御、メンテナンス、ならびに熟練したオペレータを必要とし、それらは入手、点検、試薬、消耗品、および使い捨て用品に関連する相当な費用を有する。定常的な使用におけるこれらのシステムに関する重要な問題の1つは、血液検体のかなりの部分がCBCの形態的成分の評価を完了するためにさらなる試験を必要とする点である。これは、スライドに血液の試料を配置することと、試料をスライドに塗りつけてくさび形塗抹標本を形成することと、スライドを顕微鏡下に配置することとを伴う。このプロセスは、熟練した臨床検査技師によって手作業で行われることが多く、費用および試験の結果を受取るまでの時間が増大する。自動化された試験の結果が血液試料のさらなる検査を必要とする場合は常に、スライドガラス上での血球の直接的な視覚化が行なわれなければならない。たとえば、有核の未成熟なRBCが発見されたか、または伝染病、白血病もしくは他の血液疾患の疑いがあるWBCが発見された場合は常に、経験豊富な観察者による細胞の直接的な視覚化によって「手作業の」百分率算定が行なわれる。
【0006】
これらの検体のうちさらなる調査を必要とする割合は、検査室の方針、患者の母集団および「印つけ」基準に依存して一般的に10%から50%の範囲であり、中心比率は約27%である。再試験するための最も多い理由は、ウイルス性もしくは細菌性感染症によるWBC、RBCもしくは血小板、異常な細胞種類もしくは細胞形態、臨床的なまたは他の疑いが増大したかまたは減少した数の存在を含む。
【0007】
手作業の百分率算定を行なうことに関わる付加的な作業に加え、このプロセスは多くの付加的な技術的制約を有する。これらは、細胞をスライド上に塗りつけることに関わる機械力と、互いに重なり合う細胞とによる細胞形態の変形を含み、個々の細胞形態の視覚化を困難にする。
【0008】
細胞病理学は、採集され、固定または空気乾燥され、次いで核および細胞質の両方の特徴を強調する特有の染色剤によって視覚化された個々の細胞の形態の検査によって、医療専門家が疾病の有無を判定する病理学の副専門分野である。
【0009】
細胞学的検査の例は、子宮頚部から採集された細胞の評価(Pap試験)、膀胱癌についての尿試料の評価、癌または炎症性疾患の存在についての肺試料の評価、潜在的な腫瘍部位からの吸引物の評価、または体腔中の滲出液から採集された試料の評価を含む。
【0010】
細胞学的検査のために採集された細胞は、ガラス顕微鏡スライド上に直接塗りつけられ得るか、遠心分離によってスライド上に堆積され得るか、フィルタリング法によって採集され得るか、ThinPrepもしくはSurePath(登録商標)法などの液体ベースの細胞学法によって凝縮され得る。これらの手法は、典型的にアルコールベースの異なる種類の保存液を使用し、細胞形態を維持するように細胞を堆積することを試みるものである。
【0011】
現在の細胞学的調製方法にはいくつかの制約がある。これらは、細胞をスライド上に塗りつけるかまたは沈渣させることに関わる機械力による細胞形態の変形を含む。スライド上への細胞の堆積は、細胞が互いに重なり合うことを招き得、したがって個々の細胞形態を視覚化することができない。現在の細胞学的調製方法に関連する付加的な制約は、限定はしないが、スライド上に細胞を沈渣させる差速による検体の不均一なサンプリング、ある種の調製方法中の細胞集塊の損失、調製の密度勾配法に依存する方法における小細胞の損失、遠心分離法における炎症細胞の損傷または非特異性の損失、試料中の細胞種類の絶対数を判定することができないことを含み、これらは、試料中の異常な細胞の数を判定する際、または炎症細胞の数を算定して試料中にある主な種類の炎症を判定する際に重要であり得る。
【0012】
これらの制約の例は、スライドを調製するのに使用される塗りつけまたはフィルタリングプロセスによってある細胞集塊を十分に表示しない場合があるPap試験技術によって発見される。SurePath(登録商標)法によって採用される密度勾配調製法は、勾配上に浮かぶ小さい浮揚性の細胞を捕獲しない場合がある。遠心分離法は小リンパ球の一貫しない損失を招き得、炎症細胞の正確な百分率算定が必要とされる場合に問題となり得る。特発性肺線維症およびサルコイドーシスなどのある種の炎症性肺疾患は、それらの細胞の正確な計数値を判定することができる場合にのみ診断上有用となり得る特有の形状の炎症を特徴とする。
【0013】
形態を変形させず、かつ均一で定量可能な数の細胞がスライド上に配置されることになる細胞学試料の調製法は、現在の調製法の制約を克服するであろう。
【0014】
体液に関する他の例は、末梢血中を循環しているかもしれない細胞または細胞成分の検出を含む。たとえば、非血液腫瘍からの細胞が血液中で発見され得、スライドの目視検査または自動化された検査によって検出されることができる。抗体などの特殊なマーカがこれらの細胞をタグ付けするために使用され得る。特定のタンパク質などの他の細胞成分も血液中の細胞内または細胞外において存在し得、典型的にこれらのスライドをタグ付けするためにあるマーカを使用することによって、スライド上で評価されることができる。血球中のある混入物、たとえば寄生生物も検出可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、体液からの細胞を調製しスライド上に塗布するための改良されたシステムおよび方法を提供する。また、細胞を撮像するためのシステムおよび方法が提供される。画像は、画像ベースの算定および細胞の形態の評価を含む試験を行なうために、後で使用され得る。本発明は、血液、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、および他の流体を含む体液からの種々の細胞に対して使用され得る。
【0016】
例として、血液または骨髄を分析する場合、本発明の局面はスライドを処理し、任意にスライドの画像を取得し得る。画像は、様々な細胞種類の算定または細胞の形態の評価に備えた様々な試験を行なうために後で使用され得る。一例は、RBC、WBCおよび血小板を含む血液の形成要素の形態の、画像ベースの算定および評価を含む全血球算定である。本発明の実施例は、血液の形成要素の直接的な視覚化の結果としてCBCの精度を向上させ得る。スライド上に細胞の単層を塗布するための開示されるシステムおよび処理を使用することで、ある細胞種類の、特に血液悪性腫瘍を含む異常な骨髄機能の場合に発見される異常かつ未成熟なWBCの評価が可能となる。さらに本発明は、計装に関連する費用を低下させ得、消耗品および試薬の費用を低下させ得、必要とするオペレータ時間および試薬、繰り返される試験ならびに可動部が少ない。顕微鏡下の代わりにモニタ上で細胞を視覚化することを可能にすることによって、試験の器具部分が完成した後で血球の視覚化を現在必要とするCBC試験の多くについての所要時間も短縮し得る。
【0017】
本発明の局面は、細胞形態を維持する際に有効である。これは、慢性リンパ球性白血病(CLL)または急性骨髄白血病(AML)などの血液悪性腫瘍を有する患者にとって重要であり得る。体液から細胞の単層を生成するシステムならびに処理は、多数の、形態的によく維持されている芽細胞および他の未成熟なまたは脆弱な細胞の検出を可能にし得る。これは、白血病または他の疾病過程の初期段階におけるそれらのより正確な認識を可能にするであろう。本発明のある局面は、スライドの試験領域を横切る、細胞の実質的に均一な分布を調製することをもたらす。
【0018】
本発明の局面は、体液からの細胞のスライドへの塗布に関連し、場合によっては体液に含有される細胞を希釈剤と混合することと、溶液から既知の量の小口試料(一定分量)を採集することと、次いで投与装置またはアプリケータを使用してスライドなどの基層上に一定分量を堆積させることとを含み得る。細胞は、予期される検査に依存して、大気乾燥されるか、(固定液を使用して)固定されるか、またはその両方であり得る。細胞は染色もされ得る。基層上の染色された細胞は、コンピュータを利用した自動撮像システムによって算定され検査され得るか、または手作業による顕微鏡検査によって観察され得る。手作業による顕微鏡検査の必要性を低減するため、コンピュータディスプレイにデジタル画像が示され得る。
【0019】
発明の局面は、身体部位から細胞を採集し、細胞を保存液中に配置し、均質な分布を確実にするために溶液中で細胞を混合し、保存液から既知の量の一定分量を採集し、次いでアプリケータを使用してスライド上に一定分量を堆積させるためのシステムおよび方法にも関連し得る。細胞は、予期される検査に依存して、固定されるか、染色されるか、または大気乾燥される。検体を含有するスライドは、手作業による顕微鏡検査に使用され得るか、またはスライド上に存在する異なる種類の細胞を計数することができる撮像技術によって検査され得る。
【0020】
本発明のシステムおよび方法は、先行技術に対する多くの改良を提供する。たとえば、本発明の一実施例は、ヒトパピローマウィルスに感染した頚部の試料中の細胞数を判定するために使用され得る(これは、異常が進行し得るか、安定したままであり得るか、または後退し得るかを評価する予後因子であるウイルス性負荷を示し得る)。本発明の実施例は、何個のウイルス性または感染性細胞が試料中にあるかを判定することが可能であり得る。また、本発明のある実施例は、体腔滲出液から採集された非婦人科試料中の分析細胞数を判定することが可能であり得る。さらなる実施例では、システムまたは方法は、(システムまたは方法が細菌感染の存在を判定するために使用し得る)多数の急性炎症細胞が試料中にあることを判定することができる。同様に、本発明の実施例が特定の試料中に多数のリンパ球があると判定した場合、これはウィルス感染、自己免疫性疾患または結核を示唆し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】体液を分析するためのシステムの斜視概略図である。
【図1B】体液を分析するためのシステムの斜視概略図である。
【図2】スライドおよびスライドホルダの斜視図である。
【図3】スライドおよびスライド検体の拡大上面図である。
【図4】スライドおよびスライド検体の上面図の代替的な実施例の図である。
【図5】シスメックス(登録商標)のRBC算定値と発明の一実施例を使用して生じたRBC算定値との相関性を例示するグラフである。
【図6】シスメックス(登録商標)のWBC算定値と発明の一実施例を使用して生じたWBC算定値との相関性を例示するグラフである。
【図7A】図1Aに示される実施例のプロセスフロー概略である。
【図7B】図1Bに示される実施例のプロセスフロー概略である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
図1Aを参照して、体液を分析するためのシステム10が開示される。システムは、プラットフォーム100、受光装置200、コンピュータ300、アプリケータ400、ガス循環装置500、光源600、ディスペンサ800、放電装置900、スライドラベラ1000、およびスライドラベルリーダ1100を含み得る。以下の次章は、明細書中のナビゲーションを容易にするように意図された大文字の標題を含むが、いずれかの方法で発明を限定するものとは意図されていない。
【0023】
プラットフォーム100
プラットフォーム100を特色とする実施例では、アドバンサ110は1つ以上のスライド装置700〜700″を受取るように構成され得る。アドバンサ110は、プラットフォームの、上面101などの表面に取付けられ得る。アドバンサ110は、図1Aに示されるようなベルトの形態を取り得る。システムは、プラットフォームの表面101に沿ってスライド装置を移動させるために、機械式アーム、重力、磁気、油圧、ギヤ、または他の移行技術を使用し得る。
【0024】
プラットフォーム100は、スライド装置700を、それぞれスタックもしくはラックに供給しスタックもしくはラックから採集するためのフィーダ102およびコレクタ106も含み得る。フィーダ102には、スライドを傾斜路104を下ってアドバンサ110上に押付けるためのフィーダ推進機構103(ゴム引きされたホイールなど)が搭載され得る。(もちろん、発明の実施例は傾斜路なしで組立てることができ得、たとえばフィーダがアドバンサ110と同じ高さであれば傾斜路は必要ではない。代替的に、スライド装置700を把持しスライド装置700をアドバンサ上に直接配置するために機械式アームを使用することができる。)磁石または油圧装置などの、フィーダ102からスライドを推進する代替的な機構を使用してもよい。フィーダは何個のスライドが存在するかを判定するためのセンサを含み得る。センサは、たとえばスライド装置700の重量を測定して、何個のスライド装置が存在するかを判定することができる。図1Aは、フィーダ102に格納された3つのスライド装置700を例示する。コレクタ106も、コレクタ106内に何個のスライドが存在するかを判定するためのセンサを含み得る。センサは、あらかじめ設定された数のスライドが分析されるとコンピュータに通知し得るか、または進行中のスライドの受取をコンピュータに通知し得る。
【0025】
受光装置200
受光装置200は、顕微鏡(明視野顕微鏡など)、ビデオカメラ、スチールカメラ、または他の光を受取る光学装置であり得る。受光装置は、対物レンズ、接眼レンズ、載物台、またはそれらのいずれかの組合せを含み得る。標準的な明視野顕微鏡を使用する実施例では、自動化された載物台(スライドムーバ201)および焦点を含むものが選択され得る。一実施例では、顕微鏡は、電動載物台および焦点モータアタッチメントに取付けられ得る。顕微鏡は、異なる倍率レンズがコンピュータ300の制御下で選択されることを可能にするために、電動ノーズピースを有し得る。フィルタホイールは、コンピュータ300に光路中の狭帯域カラーフィルタを自動的に選択させ得る。LED照射はフィルタを代用し得、LEDの使用は、フィルタホイール回転に必要とされる時間と比べて、画像取得時間を短縮し得る。LEDおよびフィルタホイール実施例では、受光装置は、受光装置に入る際に合焦されるように光の焦点を変位させるためのオートフォーカスコントローラを含み得る。たとえばオートフォーカスコントローラは、受光装置200の対物レンズまたは載物台の相対位置を制御して、受光装置200のレンズに光を合焦させ得る。狭帯域画像を取得するために、1600×1200画素のfirewire(登録商標)カメラが使用され得る。
【0026】
いくつかの場合には、受光装置は、スライド装置700″から反射した光を受取り、その光の画像を格納することになる。しかし、発光源600はプラットフォームの下に位置することができるため、発光源は、プラットフォーム100およびスライド701を通り抜けて受光装置200に達するように光を向け得る。いくつかの実施例では、細胞物体からの蛍光発光が受光装置200において検出され得る。受光装置はリンク11によってコンピュータに接続され得、X、YおよびZ軸移動が可能であり得る(他の実施例では、電動載物台またはスライドムーバ201がX、YおよびZ移動を提供し得る)。受光装置は、図1Aで示されるようなワイヤなどのリンク11を含み得るか、または他の無線システムが使用され得る。受光装置200および他の構成要素のいずれかは、当該構成要素に電力を供給し得るリンク(11〜15)を介してコンピュータ300と連携し得るか、コンピュータ300から当該構成要素に指示を与え得るか、または当該構成要素がコンピュータ300に情報を送ることを可能にし得る。受光装置200は、コンピュータ300が装置200を適切な位置に位置決めすることを可能にするために、パン、チルトまたは移動式アクチュエータを含み得る。受光装置は、光を合焦させるレンズ210を含み得る。受光装置は、黒白またはカラー画像を取得し得る。代替的に、2つ以上の受光装置を使用して、画像の取得に関連する処理時間を分割することができる。たとえば1つの受光装置は低倍率の画像ステーションとして作動し得、別の受光装置は高倍率画像ステーションとして作動する。同様に、いくつかの実施例では、システム10、プラットフォーム100、コンピュータ300、または受光装置200は、スライド装置700を移動させてスライド中のすべての細胞の画像を格納するようスライドムーバ201に命令し得る。たとえば受光装置200のフィールド寸法が検体区域710(図3)よりも小さい場合は、スライドムーバ201を使用することが望ましい可能性がある。
【0027】
コンピュータ300
コンピュータ300は、図1Aに示されるようなラップトップ、もしくはサーバ、ワークステーション、または他の種類の演算装置であり得る。コンピュータは、プロセッサ、ディスプレイ320、インタフェース310、内蔵メモリおよび/またはディスクドライブを含み得る。コンピュータ300は、メモリに、または光ドライブなどのコンピュータ読取り可能な媒体に格納されたソフトウェアも含み得る。ソフトウェアは、受光装置200、アプリケータ400、アプリケータコントローラ490、ファン500、プラットフォーム100、アドバンサ110、光源600、ディスペンサ450もしくは800、またはこれらの構成要素のうち1つに接続されたいずれかの構成要素をコンピュータに操作させるための指示を含み得る。同様に、コンピュータはこれらの構成要素のうちのいずれかから情報を受取り得る。たとえばソフトウェアは、フィーダ102からのスライドの分散の速度を制御し得、フィーダ102は、存在するスライドの数についてコンピュータに通知し得る。また、コンピュータ300は、受光装置によって取得された画像の分析を行なうことも担当し得る。
【0028】
血液試料から細胞を調製し分析することができる発明の実施例では、コンピュータ300は、たとえば血液、赤血球、白血球および血小板数について、特定の血液量中の特定の種類の細胞の数を算出することが可能であり得、ヘモグロビン含量、赤血球形態、または白血球百分率などのCBCの他の測定され導出された成分を算出することができる。画像分析ソフトウェアは、各個々のフィールドを分析し、赤血球および白血球数を合計し得る。患者のバイアル中の1マイクロリットル当たりの総数を算出するために、スライド上で算定された数が希釈率および小口試料の量によって乗算される。算定、形態の測定、およびスライドからのRBCおよびWBCの画像の結果は、ディスプレイ320に示され得る。いくつかの実施例では、コンピュータ300は、モニタに表示された血球の画像を使用して、数値データ、細胞集団ヒストグラム、散布図、および細胞形態の直接的な評価を表示することが可能であり得る。細胞形態を表示することができることにより、システム10のユーザは、熟練技術者または他の専門家による手作業の調査のために付加的なスライドを調製することを保証し得る細胞形態における異常の有無を迅速に確認することができる。ソフトウェアは、受光装置から受取った画像331を表示するためのコンピュータ指示を提供し得るか、または(おそらくたとえばチャートまたはグラフで)画像の分析の結果332をディスプレイ330に示させ得る。同様に、コンピュータ300は、特定の血液量中の特定の種類の細胞数を計数するか、特定の血液量中の損傷した細胞、癌細胞もしくは溶解細胞の数を計数することが可能であり得る。コンピュータのメモリは、コンピュータに分析処理を行なわせるためのソフトウェアを含み得る。コンピュータは、分析中に1つ以上の倍率を使用し得る。上記の例は、血液の試料から細胞を調製し分析するために発明の実施例を使用することを記載しているが、本発明の実施例は、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、および/または他の体液などの他の流体から細胞を調製し分析するために使用され得る。
【0029】
1つの構成要素として示されたが、コンピュータ300は複数のコンピュータを含んでもよく、構成要素を制御するために第1のコンピュータを使用することができ、受光装置200からの画像を処理するために第2のコンピュータを使用することができる。いくつかの実施例では、コンピュータに情報を共有させるために様々なコンピュータがリンクされ得る。コンピュータ300はネットワークまたは実験室の情報システムに接続され、コンピュータが他のコンピュータと情報を送受信することも可能にし得る。
【0030】
アプリケータ400
ある実施例では、アプリケータ400は、チューブによってアプリケータチップ405に取付けられた注射器、手動もしくは電動ピペッタ、またはモータ制御ポンプを含み得る。多くの異なる種類のピペットまたは注射器を使用することができるが、向上した結果を示した試験結果は、2%よりも良い精度を有するアプリケータ400を使用することによって得ることができる。ポンプは、細胞を含有する小量の流体試料をオリフィスを介して吸引し投与することを可能にする蠕動ポンプ、シリンジポンプ、または他の同様の装置であり得る。典型的に、このようなオリフィスは、外径2〜5ミリメートル、内径0.5ミリメートルのチップ405に含まれる。チップ405は使い捨てまたは洗浄可能であり得る。チップ405は、チップの挿入および洗浄を容易にするために丸められ得る。チップを通る流体の流れは、細胞を含有する体液の薄層をスライド上に堆積させることができるように制御される。チップを通る流量および相対速度、ならびにスライド上のチップの高さを最適化することによって、適切な密度の細胞をスライド上に堆積させることができる。これらの要因の各々は他に影響を及ぼし、したがって高さと、チップを通る流量と、スライド上での速度との適切な組合せを決定しなければならない。一実施例では、チップが約70ミクロンの高さでスライド表面上を毎秒30ミリメートルの速度で移動している間にチップを通る流量は、毎秒0.1マイクロリットルである。別の実施例では、たとえば体液が希釈されていない血液を含む場合、チップがスライド上の点に対して毎秒50ミリメートルの速度でスライド表面上約10ミクロンの高さで移動している間にチップを通る流量は、毎秒およそ0.04マイクロリットルである。特定の体液検体の粘度および軟度は、適切な密度の細胞が検査のためにスライド上に堆積されることを確実にするために必要とされるチップを通る流量と、スライド上のチップの相対速度および高さとに影響を及ぼすことになる。
【0031】
使用の際、アプリケータ400は、30マイクロリットル(ul)などの既知量の体液を含み得る。いくつかの体液は、互いに凝集し得る細胞を分散させるために、または細胞を互いに粘着させ得る粘液もしくは他の蛋白質を最小限にするために、あらかじめ処理される必要があり得る。尿などの他の体液は、体液がアプリケータ内に配置される前に凝縮される必要があり得る。アプリケータは、この流体を染色剤または希釈剤と混合し、この流体の一部分をスライド装置700(特に検体区域710、図3)上に放出し得る。典型的な小口試料は、およそ1/2μlから2μlの一定分量であろうが、1/10から10μlの範囲であり得る。いくつかの実施例では、システム10またはアプリケータ400は、体液を格納するための第1の貯留部420と、希釈剤を格納するための第2の貯留部430とを含み得る。いくつかの実施例では、体液は希釈されない。
【0032】
システム10またはアプリケータ400は、1つ以上のディスペンサ800を含み得る。ディスペンサ800(または図1Bの450)は、スライド701上に固定剤または染色剤を送り出すために使用され得る。この実施例では、アプリケータ400は、アプリケータ400から体液、希釈剤、染色剤、および固定剤を放出するために1つ以上の流体チャンバ410を含み得る。いくつかのディスペンサは、固定剤および染色剤の両方を格納し、それらをスライド上に連続して送り出すことが可能であり得るか、または代替的な実施例では、2つのディスペンサが使用され得る(一方は固定剤用、一方は染色剤用)。余分な染色剤および固定剤は、プラットフォーム表面101に対して直交する(または角度を有する)ようにスライド装置を傾斜させることにより、スライドから除去され得る。この目的で、スライド傾斜器801が使用され得る。スライド傾斜器は、示されるような単純なくさび形を含み得るか、またはスライドを傾斜させる機械式アームを含み得る。
【0033】
図1Aに示される実施例では、染色剤ディスペンサがプラットフォーム100に取付けられる。図1Aに示される実施例に適合する染色剤の例は、ライト−ギムザ染色剤、ギムザ染色剤、およびロマノフスキー染色剤を含み得る。投与することができる他の溶液は、固定剤(メタノール)および緩衝液である。免疫細胞科学的試薬または特定細胞成分の他のマーカを含む他の視覚化法も使用され得る。染色剤ディスペンサは、染色剤貯留部450としても実施され、アプリケータ400に取付けられ得る(図1B参照)。図1Bに示される実施例と適合する染色剤の例は、ロマノフスキー染色剤、網状赤血球染色剤、および特異抗体を使用する染色剤を含み得る。ヘマトキシリンエオジン、免疫細胞科学的染色剤、細胞成分を観察するための組織化学的染色剤、および配位子を抗原に結合することに基づく抗体、アプタマーまたは他の染色剤、を含む付加的な染色剤が発明の実施例で使用され得る。ディスペンサ800を有する実施例では、ディスペンサは染色剤をスライド装置(特に検体区域710)上に投与することができる。ディスペンサ800は、蠕動ポンプの形態を取り得る。染色剤貯留部450を有する実施例では、染色剤は、貯留部420および430からの体液および希釈剤と混合され得る。体液および希釈剤は、ミキサ440によって互いに混合され得、ミキサ440は、ある比率で流体および希釈剤を混合することができる。代替的な実施例では、固定および染色液の1つ以上の槽にスライドを浸漬させることができる。別の実施例では、毛管作用を用いて、固定および染色液をスライドを横切って移動させることができる。
【0034】
様々な固定剤および希釈剤が本発明で使用され得る。たとえば、85%のメタノールを固定剤として使用することができる。いくつかの染色剤について、エチルアルコールまたはホルムアルデヒドベースの固定剤が使用され得る。たとえば全血を希釈するのに有用な希釈剤は、食塩水またはタンパク質溶液を含み得る。食塩水は、「生理的塩類」(0.9N)から、塩類の複合混合物、ヒトの血清に見られるすべての塩類を仮想的にシミュレートする市販の調製物プラズマライトにまで及ぶ。タンパク質溶液は、牛アルブミンの単純な溶液から、選択されたヒト血漿タンパク質を備えた市販の調製物、プラスマネート(登録商標)にまで及び得る。このような調製物は、タンパク質濃度、緩衝液、pH、浸透圧モル濃度、浸透圧、緩衝能、および様々な種類の添加剤において変動することができる。フィコールもしくはデキストランまたは他の多糖類を含む、これらの溶液の合成または「代替」バージョンも使用可能であり得る。他の代替物が使用され得る。希釈剤の一例は、4:1(プラズマライト:プラスマネート(登録商標))の比率のプラズマライトおよびプラスマネート(登録商標)である。希釈剤の別の例は5%のアルブミンである。全血を分析する際、希釈剤が生理適合性の溶液である場合は、容量1の希釈剤に対して容量2の血液の希釈液を使用することができるが、0:1(希釈なし)から10:1(希釈剤:血液)の範囲の希釈液が代替的な実施例において使用され得る。
【0035】
本発明の実施例は、このような流体試料からスライドに細胞の流れを塗布する前に凝縮を必要とする体液試料でも使用され得る。たとえば、尿などの体液は、スライド上に配置された細胞の流れが分析のためにスライド上に十分な量の細胞を含むことを確実にするために凝縮を必要とし得る。流体試料は、遠心分離、フィルタリング、または細胞の凝縮チューブの使用などの技術によって凝縮され得る。
【0036】
アプリケータは、流体チャンバ410から流体を押出すための(注射器またはピペットのような)油圧ピストンを含み得る。チップ405は、流体の流量を調節するために設けられ得る。チップの寸法は溶液がチップから流れ出る速度(ul/秒)には影響しないが、一般に、チップの開口部が小さいほど、チップから流れる流体によって生じる力は大きくなる。また、チップの寸法は、図2および図3に示される流体の流れ750の厚さに影響を及ぼす。0.3ミリメートルの内径を有するチップは、毎秒0.1マイクロリットルの流量に備え得、第1の流れの中間点751から第2の流れの中間点752までの距離は500ミクロンであり得る。図2および図3に示される流れ750を生成するためには、システム10は、所与の体液検体中の細胞数の分散を受け持つように構成され得る。たとえば、ヒトの末梢血試料では、範囲は大きいが1桁の大きさ内である。正確に血球を算定するためには、赤血球同士の重なりを最小化すべきである。細胞同士の最小の重なりをもたらす1つの方法は、アプリケータのチップから、接触しない細胞の列を横たえることである。希釈された流体の粘度または希釈剤の種類もしくは量を増大させることは、流れ750の最終的な沈殿位置の幅に影響を及ぼし得る。血液試料における典型的な変動を見越すために列間の距離を選択することによって、全細胞を全試料において算定することができる。多くの試料については、これらの間隙が流れの間に見られるであろう。しかしこれは画像分析に影響せず、列および間隙の作用は、顕微鏡下の高倍率の手作業による観察中には気づかれにくい。これらの間隙を回避するため、受光装置をアプリケータに取付けるかまたはステーションA(図7A参照)付近に位置決めして、スライド上に細胞を送り出すことにより形成された第1の流れ751(図3)の幅をコンピュータ300に判定させることができる。流れの幅、すなわち流体がスライドに配置された位置からどれだけ遠くに血流が横方向に流れるかを判定することによって、コンピュータ300は、流れ間の間隙寸法をアプリケータに調節させることができる。コンピュータ300は、第2の流れ752(図3)が第1の流れ751から必要とする距離を算出し、互いに隣接して沈殿するように配置し、流れ間のいずれかの間隙の形成を最小化する。この処理を使用すると、間隙がないか、または連続した細胞の流れを検体区域710に塗布することができる。
【0037】
スライド701上に細胞を物理的に配置するために、コンピュータ300は、流れ750の最終的な場所をトレースするようにチップ405を位置決めするためにX、YまたはZ方向に体液チャンバ410を移動させることを含む体液塗布プロセス7B(図7B参照)を行なうようにアプリケータコントローラ490に命令することができる。いくつかの実施例では、当該方向のうちの2つが固定して保持され得、したがってチップ405はスライド701に関して相対的に直線経路で移動する。他の実施例では、当該方向のうちの1つが固定して保持され得、したがってチップはスライド701に関して波状、弓状、または循環的な経路で移動する。さらに別の実施例では、チップ405がスライド701に関して移動されるように、3つの方向すべてが変更され得る。いくつかの実施例では、X、YおよびZ方向は互いにすべて垂直であり、三次元座標系のいずれかの方向に動く能力をアプリケータに与える。他の実施例では、システムは、スライド701をX、YまたはZ方向に移動させて、スライドをチップ405の下に位置決めし、チップ405が体液からの細胞の流れをスライド上に塗布している間スライドを移動させる。
【0038】
コンピュータ300は、この移動を制御するためにアプリケータコントローラ490に接続され得る。図3に示される実施例では、コントローラは、チップを検体区域710の左上の隅に位置決めし、流体チャンバ410からの流体を投与することによって流体試料をスライド上に配置し始め得る。チップが流体を投与する際、コントローラ490は検体区域710の右上部分まで正のX方向にチップを移動させ得る(図3参照)。右上箇所に到達すると、コントローラ490は、1つの流れ幅だけ負のY方向にチップを移動させ得る。流れ750幅は、300から1000ミクロンの範囲であり得、チップからの流体の流量が増大し、および/またはスライドを横切るチップの速度が低下するにつれて、流れの厚さは増大する。また、流体の粘度および希釈剤の選択は流れ750(図3)の幅に影響を及ぼし得る。典型的に、流体の細胞は、スライドに配置されると数秒の内に沈殿することになる。チップが1つの流れ幅だけ移動されると、コントローラは、検体区域710の最も左側までマイナスX方向にチップを移動させ得る。最も左側に到達すると、チップは再び1つの流れ幅だけ負のY方向に移動され得る。このプロセスは、検体区域全体が覆われるまで、または1マイクロリットルなどのある特定量の体液がスライド上に投与されるまで繰り返され得る。代替的な実施例では、固定されたアプリケータと移動可能なスライドコントローラ760によって移動するスライドによって滑動するように、希釈された体液を塗布することができる(この塗布プロセス7Aは図7Aに示される)。スライドコントローラ760はX、Y、Z方向に移動可能であり得、スライド装置を同様の位置に移動させ、検体区域710に体液の流れ750をアプリケータに配置させ得る。
【0039】
この方法を使用してスライド701上に配置される細胞の数は、検査されている体液の種類および希釈率に依存して変動することになる。全血が1:3の比率(血液:希釈剤)で分析されると仮定すると、約900,000個の赤血球、45,000個の血小板、および1、000個の白血球がスライド上に配置されることになる。図3は矩形形状に均一に分散された流体検体の生成を示すが、他の形状が同様のやり方で構築され得る。図4はたとえば、複数の同心円を含む流体の流れを示す。図3のように、流体の流れ750は互いに隣接して配置され、均一な観察フィールドを形成する。このプロセスは、検体区域710を横切って高度に均一な細胞の分布をもたらし、分析プロセスを容易にする。またコンピュータ300は、領域710上の流体の外観および幅を変更することができる。たとえば、コンピュータ300は、検体区域を横切ってチップが移動する速度を制御し得、当該速度は区域上にある流体の厚さに影響を及ぼすであろう。いくつかの実施例では、約1つの細胞厚さである検体を領域に供給するために、10〜100mm/sの速度が選択され得る。コントローラ490は、スライド700の上のチップの高さも選択し得る。スライド上の70+/−40ミクロンの高さは、スライド装置700と接触する際の流体細胞への損傷を最小限にするために、かつチップから基板への流体の流れを維持するために使用され得る。
【0040】
気体移動装置500
気体移動装置500は(図1に示されるように)ファンを含み得るか、またはたとえばコンプレッサもしくは送風機などの他の気体移動装置を含み得る。気体移動装置500は、コンピュータ300に直接接続され得るか、または(図示のような)プラットフォーム100もしくはアプリケータ400などの別の構成要素によって接続され得る。気体移動装置は気体(いくつかの場合には大気)をスライドを横切って押しつけ、スライドが乾燥する速度を制御する。多すぎる空気をスライドを横切って速く移動させすぎる(すなわちファン速度が高すぎる)と、検体中の細胞を過度に迅速な乾燥によって破裂させることがあり、少なすぎる空気をスライドを横切ってゆっくり移動させすぎる(すなわちファン速度が低すぎる)と、細胞をゆっくり乾燥させ、縮むように見える場合がある。コンピュータ300は、気体移動装置のスライドからの距離、分析されている流体の種類、相対湿度、流れの幅、および流れの平均厚さ(これはZ方向の各流れにおける細胞の量であろう)に基づいて、ある期間にスライドを横切って移動する空気の量(すなわち1秒当たりの空気の立方フィート)を選択し得る。気体移動装置500はスライド装置700の付近に配置され、約15〜20秒の期間の間30〜60度(45度を使用することができる)の角度で装置が気体をスライドに当てるように位置決めされ得る。いくつかの実施例では、コンピュータは、気体移動装置500を使用せずに乾燥プロセスを生じさせるためにシステム近傍の湿度および温度設定を制御することができる。
【0041】
発光装置600
発光装置600の2つの異なる実施例が例示される。図1Aにおいて、発光装置600は、ハウジング601、多重スペクトル光源610、多数の光フィルタ620,620′,620″、およびフィルタセレクタ621を含む。図1Aに示されるように、光源610をより良く示すために、ハウジングの一部分が取り除かれている。光源610は、白色光源、またはハロゲン電球、蛍光灯、もしくは白熱バルブなどといった他の多重スペクトル光源を含み得る。フィルタ620〜620″は、多重スペクトル光を単一波長または狭帯域波長にフィルタリングするために使用され得る。フィルタセレクタ621は、どのフィルタが光源610の前に出現するかを選択し得る。いくつかの実施例では、特定の範囲の光でスライドを照射させるために2つ以上のフィルタが使用され得る。フィルタセレクタ621は、光の経路に出入りするようにフィルタを高速回転させるために回転モータおよびロッドを含み得る。第2の実施例では、光源は、狭帯域の光を放射する1つ以上のレーザまたはLED(630)を含み得る(図1B参照)。このシステム10においてLEDを使用する利点は、LEDは迅速にオンオフを切替えることができ、受光装置たとえば単一の黒白カメラに、ごく短時間で多重スペクトルの画像を取得させることが可能となる点である。LEDは、狭帯域の照射、典型的に15〜30nmの半値全幅(最大強度のピーク明るさの半分における波長強度分布の幅)も生成する。また、可視領域中のLEDは、熱を生成する赤外線エネルギを光学システムに発射せず、従来のランプと比較して、相対的に長寿命である。フィルタリングされていない白色光(すなわち広帯域照射)でなく狭帯域照射を使用する利点は、狭帯域照射を使用することで、受光装置200によって生成される画像の鮮鋭度が増大する点である。受光装置200がレンズを含む場合、レンズの存在は、若干の焦点変位または異なる色を使用する際の画質劣化を招く何らかの色収差を引起こし得る。白色光照射では、これは画質の全体的な劣化を招くことがある。受光装置200は、各狭帯域照射について黒白画像を取得し得る。コンピュータ300は、焦点距離またはスライドからのレンズの距離を調節することによって、各波長について焦点および画質を修正し得る。いくつかの実施例では、コンピュータ300は、画像の品質を向上させるために多数の光色が連続して放射されている間にレンズの焦点位置を変位させ得る。
【0042】
光の様々な波長は、発光装置600によって送り出され得る。2から8以上の異なる波長の光がスライド装置700に送り出され得る。たとえば、RBC形態および血色素量を評価するためにヘモグロビンのみの画像を撮像するためには、およそ405〜430nmの波長が有用である。赤血球のみを示すように設計された波長で得られた画像を使用すると、白血球に接している赤血球も示され得る。より正確な細胞の測定および計数を行なうために、より容易にコンピュータに白血球の境界を検出させるべく、接している赤血球はデジタルで画像から除去され得る。570nmで放射された光は、血小板および核に高コントラスト画像を与えるのに有用であり得る。好塩基性細胞、単球、リンパ球(青の濃淡)、好酸球(赤)、および好中性(中間色)の色をもっとも良く識別するために、他の波長が選択され得る。血小板を算定するために、たとえば、2色の照射が使用され得る(430nmおよび570nmなど)。高コントラスト画像は、570nmの画像から430nmの画像を減ずることによって得られ得る。発光装置は400nmから700nmまでの波長の光を使用し得るが、430、500、525または600の波長を有する光が細胞の色情報を示すのに特に有効である。これらの波長は、適宜カラー画像の表示にも使用されることになる。そうでなければ、200個以上の細胞について1つまたは2つの付加的な画像が必要とされ得、百分率算定のために分析されることになり、かつディスプレイ320に示され得る。典型的に、狭帯域画像は400nmから750nmの範囲から選択されることになる。試験結果は、2から8つの別個の光色が良く機能し、3から4つの別個の光色が最適であることを示している。コンピュータ300は、空間変位を補正することによって画像をさらに精密化することが可能であり得る。また、コンピュータは、様々な色画像を組合わせて、表示または分析のための多色画像を生成し得る。個々の画像または組合された画像の数値記述子を使用して、細胞種類を分類するための細胞の空間的、濃度計的、比色、および組織の特徴を判定することができる。狭帯域照射を使用するさらなる利点は、狭帯域照射が油対物レンズまたはカバーガラスの使用の排除を可能にする点である。光がガラスから空気に通過すると、光は屈折する。先行技術のシステムは、空気対ガラス転移におけるこの屈折を最小化するために油対物レンズまたはカバーガラスを使用しているが、油またはカバーガラスを追加しなければならないことで、スライドを処理するためのステップが追加され、スライド当たりの調製時間および分析費用が増大する。先行技術システムのこの欠陥を克服するために、カバーガラスまたは油を使用する必要なしに、狭帯域LEDの組合せまたはフィルタリングされた光を使用することができる。光の波長における分散または帯域幅を減少させると、光がスライド701を通過する際に受光装置200によって取得される画像の変形が減少する。コンピュータ300はまた、光が適切にスライド上で合焦されるように、光源(610または630のいずれか)からの光を合焦させるように発光装置600に指示し得る。これを行うため、コンピュータ300は、光の各色について焦点を最適化するように焦点アジャスタに指示し得る。
【0043】
スライド装置700
図1A、図2および図3は、スライド701、検体区域710、スライドフレーム720、およびスライドホルダ730を含むスライド装置700の一実施例を例示する。しかし、発明の他の実施例は、スライドホルダ730またはスライドフレーム720の使用を必要としない場合がある。また、検体区域710の境界マークは任意でもあり、1つ以上の疎水性リングまたは他の着色されたマークを含んでもよい。これらのリングは、血液試料を含有するのに役立ち得、かつスライドが顕微鏡下で手作業で観察される際に検体区域を迅速に配置することによって、スライドの画像の観察もより容易にし得る(画像を解釈する際の処理も補助し得る)。当該リングは、スライド上への染色剤の転移を容易にすることも補助し得る。また、検体区域は長方形として例示されているが、円形または三角形などの他の形状が使用され得る。2分の1から3平方センチメートルの総面積を有する領域を含む異なる寸法の検体区域が使用されてもよい。スライド701は、ガラスまたはプラスチックから製造されてもよく、1インチ高さ×3インチ幅×1mm厚さであり得る。また、スライド上の流れ750中に分散した流体試料も図2および図3に示される。流体は、図3に示されるように流れに、または図4に示されるように螺旋状パターンに分散させることができる。
【0044】
放電装置900
図1Bを参照して、システムは、スライド701を前処理するための放電装置900を含み得る。放電装置は、コロナ放電装置の形態を取り得る。放電装置900は、小粒子を燃やすために高輝度熱を生成し、スライドを洗浄して親水性表面を作成することによって、スライド701を洗浄し得る。ペンシルバニア州SawickiのElectro-Technic Productsが本発明の実施例と適合するコロナ放電装置を作製している。前処理を行なうには、コンピュータ300は放電装置900をオンし、スライド装置コントローラ760に、約15秒間(1〜20秒の範囲を使用することができるが)螺旋状またはラスタ形動作でスライドを移動させる。放電装置は、スライドからある角度に設定され得るか、またはスライドの真上に位置決めされ得る。典型的には、放電装置900はスライドのおよそ10〜20mm上に位置決めされ得る。
【0045】
スライドラベラ1000およびスライドラベルリーダ1100
システム10は、任意にスライドラベラ1000および任意にスライドラベルリーダ1100を含み得る。スライドラベルリーダ1000は、図1Aおよび図1Bに示されるようにフィーダ102付近のプラットフォーム100上に位置し得るか、自立型であるかもしくは他の構成要素に取付けられ得る。スライドラベラ1000は、スライド上にラベルを配置し得る。ラベル770は、シール、バーコード、RFIDタグ、EASタグ、またはスライド上の他の種類のマーキングなどの要素を含み得る。図3は、UPCバーコードラベルを上に有する例示的なスライドを示すが、他のマーキング規則が使用され得る。さらに、マーキングは、ペイントもしくはインクによってスライドに直接塗布され得るか、または書込媒体および接着剤(たとえばシール)を使用してスライドに粘着させ得る。
【0046】
システム10は、スライドラベルリーダ1100を含み得る。スライドラベルリーダ1100は、スライドラベラ1000から、またはシステム外部のラベラによって、スライドに配置されたマーキングを読取り得る。スライドラベルリーダ1100は、質問機、バーコードリーダ、または他の光学装置を含むことができる。いくつかの実施例では、システム10は、受光装置200を使用してラベル770の画像を取得することによって、スライドラベルリーダ1100なしにラベル770からの情報を判定することが可能であり得る。コンピュータ300または受光装置(プロセッサおよびメモリを含む場合)は、ラベルを含む画像に対して画像処理を行ない、ラベル770に関する情報を判定することができる。
【0047】
骨髄
上述のように、本発明は末梢血または全血を分析するために使用され得る。しかし発明は、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、および他の体液を含む様々な種類の流体の細胞を研究するために使用することもできる。たとえば、ここに記載される調製方法および分析技術は、骨髄吸引試料に適用することもできる。骨髄試料は細胞密度がより高く、末梢血ではめったに見られない多くの未成熟な赤血球および白血球の種類を含む。細胞の薄層を調製し、ロマノフスキー染色剤で染色し、画像分析で分析する技術を骨髄穿刺液にも適用することができるが、付加的な種類の細胞を識別するにはより精巧な画像分析が必要となり得る。
【0048】
末梢血試料と同様に、骨髄試料は、抗凝血薬を備えたコンテナに採集され得る。この抗凝血薬はEDTAまたはヘパリンであり得る。付加的な希釈または保存流体が試料に付加され得る。ここに記載される器具では、骨髄試料は、まず試料を撹拌して十分な混合をもたらすことによって調製されるであろう。そのような試料の不明確な細胞の密度によって、1つ以上の希釈剤が調製され、スライド上にピペットで移され得る。一実施例では、三重の希釈プロセスを使用して3つの検体を作成し得る。第1の検体は、容量2の希釈剤を容量1の骨髄に付加することによって作成され得る。第1の検体は、次いでスライド701の検体区域710の第1の部分上に投与され得る。第2の検体は、容量4の希釈剤を容量1の骨髄に付加することによって作成され得る。第2の検体は、次いでスライド701の検体区域710の第2の部分上に投与され得る。第3の検体は、容量8の希釈剤を容量1の骨髄に付加することによって作成され得る。第3の検体は、次いでスライド701の検体区域710の第3の部分上に投与され得る。
【0049】
限定はしないが骨髄を含む粘性体液については、システム10に段階希釈機構(?)を設けることが望ましい場合がある。このプロセスの一実施例では、アプリケータ400はスライド701上に1つ以上の細胞の流れを送り出すことができる。受光装置200は、細胞の流れの画像を取得することができ、コンピュータ300は、スライド上に細胞の単層を形成する、特定の細胞種類の正確な算定を行なう、または細胞形態の評価を可能にする画像を取得するために流れが十分希釈されているかどうかを判定することができる。流れが十分に希釈されてない場合、コンピュータは、体液をさらに希釈するようにミキサ440に指示する。アプリケータ400は次いで、より希釈した細胞の流れをスライド701に塗布することができ、受光装置200はそれを撮像することができる。コンピュータ300は、単層を形成する、算定する、または形態を評価するために流れが十分であるかどうかを再び判定することができ、そうでなければ、システム10は、体液をさらに希釈するようにミキサ440に指示することができる。このプロセスは、十分に希釈した体液試料が作成されるまで繰り返されることができる。いくつかの実施例では、アプリケータ400は、受光装置200が細胞を撮像する前に、スライド全体に沿って細胞の流れを塗布することになる。他の実施例では、細胞の流れが撮像される前に細胞の流れのサブセット(たとえば3〜10)が塗布され得る。いくつかの実施例では、コンピュータ300は、細胞の流れの取得された画像を分析し、撮像された時にその後の細胞の流れが算定され得るように体液を希釈するのに必要な希釈剤の概算量を判定することができる。他の実施例では、システム10は、現在の希釈率が十分ではないとシステムが判定した場合に適用されるように、あらかじめ設定された希釈間隔を含み得る(すなわち流れが十分希釈されていない場合1:1(希釈剤:体液)を試みる)。1:1が低すぎ、流れがまだ十分に希釈されていない場合は、2:1(希釈剤:体液)等)を試みる。いくつかの実施例では、システムのユーザは、希釈剤なし、3:2(希釈剤:体液)、4:1、または8:1などの、体液の特定の希釈間隔をユーザ入力によって選択することができる。いくつかの実施例では、アプリケータ400は、スライド上に第1のグループの細胞の流れ、スライド上に第2のグループの細胞の流れ、スライド上に第3のグループの細胞の流れ等を配置し得、細胞の流れの各グループは、異なる希釈剤−体液比率を有する。代替的に、アプリケータ400は、第1のスライド上に第1のグループの細胞の流れ、第2のスライド上に第2のグループの細胞の流れ、第3のスライド上に第3のグループの細胞の流れ等を配置し得、細胞の流れの各グループは、異なる希釈剤−体液比率を有する。最後に、上記の段階希釈プロセスは、骨髄などの粘性体液に特に有用であるように意図されているが、このプロセスは、末梢血または精液などの粘度が低い体液についても使用され得る。
【0050】
画像分析について、スライド上の細胞領域の低倍率評価は、その後の画像分析のために最適な3分の1を選択することができる。スライドの適切な領域が選択されると、百分率算定を判定するために200個以上の骨髄細胞が測定されるであろう。
【0051】
網状赤血球
システム10は、血液試料中の網状赤血球の数も算定し得る。RNAに印を付けるためにロマノフスキー染色剤を使用すると、コンピュータ300は、検体中にある網状赤血球の数を算定することができる。ロマノフスキー染色剤が使用されると、網状赤血球は他の赤血球より若干青く見え、通常は若干大きい。コンピュータ300は、その分析プロセス(図7Aおよび図7Bの16Aまたは17B)を使用して、赤血球の青色成分を定量化することができる。分析プロセスは、430nm(400〜470nmの範囲)の青い光で得られた1つの画像を600nm(470〜750nmの範囲)の青くない光で得られた画像から減ずることによって作成された細胞の差分画像の集積された光学密度を測定することができる。分析プロセスは、定義された範囲の集積された青色成分を有する赤血球の数を、特殊な染色剤を使用して手作業でまたはフロー法によって算定された多数の網状赤血球と関連付けることができる。分析プロセスの精度は、細胞物質の寸法、形状、色、および測定された特性を測定することを分析プロセス(16Aまたは17B)に要求することによって、さらに向上させることができる。たとえば分析プロセスは、真の網状赤血球に対向した赤血球の下または上に青みを帯びた血小板が位置する赤血球間の差分を検出することができる。他の実施例では、特殊な染色剤を使用して細胞中のRNAを印付けし得、撮像方法を使用してこの染色剤の存在を検出することができる。
【0052】
プロセスフロー
本発明の実施例は、図1Aまたは図1Bに示されるようなパイプライン系において多数のスライド装置700を処理するように意図されているが、スライド装置700を平行に処理する実施例も構築され得る。多数の(たとえば10〜20の)スライド装置を直列にもしくは平行に処理することができる実施例が構築され得るか、またはより小量のシステム10を構築することができる(4〜8個のスライドを一度に処理する)。以下の2つの段落は、図1Aおよび図1Bについての例示的なプロセスフローについて記載するが、代替的なプロセスフローが可能であり、発明の代替的な実施例によって実現可能である。これらのプロセスフローは、図10Aおよび図7Bにも例示される。また、システムの他の構成が可能であり、おそらく異なるプロセスフローを有する。さらに、ステップは直列に示されるが、ステップの多くは異なる順に示されるか、または同時に行なわれ得る。最後に、下記のステップの大部分は任意であり、プロセスフローから除かれ得る。
【0053】
図1Aおよび図7A7Aに示される実施例では、コンピュータ300のメモリに格納されたソフトウェアは、プロセス1A〜16Aに関連する順序、速度、および変数をコンピュータに制御させ得る。プロセスは、コンピュータ300がスライド701上にラベル770を配置するようスライドラベラ1000に指示を送ることで開始し得る。ラベリングプロセス1Aは、フィーダ102内で行なわれ得るか、または傾斜路104上もしくはスライド装置コントローラ760において行なわれ得る。スライド装置700をフィーダ102から移動させるために、コンピュータ300は、フィーダ推進機構103を起動させるようフィーダ102に指示を送り得る。コンピュータ300は、アドバンサ110上にスライド装置700を移動させることを含み得るフィーダプロセス2Aも開始させ得る。フィーダプロセスは、センサを利用して何個のスライドがフィーダ102内にあるかを判定することを含み得る。コンピュータは、アプリケーションステーションAに、かつ(1つ存在する場合)スライド装置コントローラ760上にスライドを移動させることを含む前進プロセス3Aをアドバンサ110に開始させ得る。スライド装置がスライド装置コントローラ上に来ると、スライドは放電装置900によって前処理され得る。前処理プロセス4Aは、放電装置がスライド701からの細片を燃やす際にスライド装置700を回転させるかまたは高速回転させるスライドコントローラ760を含み得る。任意の前処理プロセス4Aが完了すると、アプリケータプロセス5Aが開始し得る。アプリケータプロセス5Aは、オペレータに、貯留タンク420に希釈剤を、貯留タンク430に体液を充填させることを含み得る。尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、末梢血、骨髄穿刺液、または他の体液などの体液が使用され得る。代替的に、流体は患者の試料バイアルから自動的に吸引され得る。ミキサ440は混合プロセス6Aを開始し、2:1(体液:希釈剤)などのある比率で希釈剤を体液と混合させて、希釈された体液を形成し得る。希釈された体液をスライド701に塗布するために、2つの体液塗布プロセス7Aまたは7B(アプリケータ400に関連して上記した図7Aおよび図7B)のうち一方が行なわれ得る(がいずれの処理も両方の実施例に使用することができる)。塗布が完了すると、アドバンサ110は、スライド装置を第2のステーションBに移動させて前進プロセスを継続し得る。体液塗布プロセス7Aが完了すると、乾燥プロセス8Aが開始し得る。乾燥プロセスは、気体移動装置500を使用して、ある期間(20〜30秒など)スライド上に気体を送り出すことを含み得る。スライドが乾燥されると、固定プロセス9Aを使用して体液が固定され得る。体液が固定された後、染色プロセス7Aを使用して染色され得る。体液が染色された後、染色剤除去プロセス11Aを使用して余分な染色剤が除去され得る。染色剤除去プロセス11Aはスライド傾斜プロセスを含み得、染色剤または固定剤をスライドから排出させるために、少なくとも部分的にスライドが傾斜される。検体の画像を取得するために、アドバンサ110はスライド装置を撮像ステーションCまで前進させ続け得る。撮像ステーションCでは、システムは検体照射プロセス12Aおよび撮像プロセス15Aを起動し得、発光装置600および受光装置200をそれぞれ使用して、検体を照射し、照射された検体の画像を取得する。コンピュータ300は、光フィルタリングプロセス13Aを使用して異なるフィルタに光を当てて放射光の波長を変更するよう、発光装置に命令し得る。代替的に、13BのLED照射プロセスは、発光装置600が1つ以上のLEDを含む場合、1つ以上の光の波長を放射し得る。スライド移動プロセス14Aがスライドムーバ201によって行なわれ、スライド701を様々なX,Y,Z方向位置に位置決めし得る。多くの実施例では、受光装置のレンズの倍率は検体の全領域の一部のみを含む視野を生成することになるため、スライド移動プロセス14Aを利用してスライドを異なるX,Y位置に移動させ、受光装置200に複数の画像331を取らせて検体全体を取得し得る。スライドムーバは、多数の撮像ステーションにスライドを移動させることも可能であり、様々な倍率で受光装置に撮像させ得る。スライドムーバは、Z方向にスライドを移動させることも可能であり、1つ以上の受光装置に様々な倍率、焦点位置、および光波長で撮像させ得る。システム10は、ラベルリーダ1100を使用して(ラベル読取プロセス16Aを使用して)スライド上のラベルを読取り得るか、または代替的に、コンピュータは画像認識ソフトウェアを使用してラベル上の記号を認識し得る。受光装置は、リンク11を介してコンピュータに画像を転送し得る。コンピュータは画像を内蔵メモリに保存し、そのソフトウェアを使用して(分析プロセス17Aを使用して)画像を分析し、細胞を算定し、生じたデータについて算出を行ない得る。ソフトウェアは、結果332の表、チャート、またはグラフを含む結果を生成し得、コンピュータ300のディスプレイ320上に画像331を表示し得る。
【0054】
第2のプロセスフローが図7Bに例示される(図1Bも参照)。プロセスは、コンピュータ300がスライド701上にラベル770を配置するようスライドラベラ1000に指示を送ることで開始し得る。ラベリングプロセス1Bは、フィーダ102内で行なわれ得るか、または傾斜路104上もしくはスライド装置コントローラ760において行なわれ得る。スライド装置700をフィーダ102から移動させるために、コンピュータ300は、フィーダ推進機構103を起動させるよう、フィーダ102に指示を送り得る。コンピュータ300は、傾斜路104を下ってアドバンサ110上にスライド装置700を移動させることを含み得るフィーダプロセス2Bも開始させ得る。フィーダプロセス2Bは、センサを利用して何個のスライドがフィーダ102内にあるかを判定することを含み得る。コンピュータは、アプリケーションステーションAに、かつ(1つ存在する場合)スライド装置コントローラ760上にスライドを移動させることを含む前進プロセス3Bをアドバンサ110に開始させ得る。スライド装置がスライド装置コントローラ760上に来ると、スライド701は放電装置900によって前処理され得る。前処理プロセス4Bは、放電装置がスライド701からの細片を燃やす際にスライド装置700を回転させるかまたは高速回転させるスライドコントローラ760を含み得る。任意の前処理プロセス4Bが完了すると、アプリケータプロセス5Bが開始し得る。アプリケータプロセス5Bは、オペレータに、貯留タンク420に希釈剤を、貯留タンク430に体液を充填させることを含み得る。代替的に、流体は患者の試料バイアルから自動的に吸引され得る。末梢血または骨髄穿刺液などの体液が使用され得るが、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、および他の体液を含む流体が、発明の実施例を使用して調製され分析され得る。アプリケータ400は、染色剤を収容するための第3の貯留部と、おそらく固定剤を収容するための第4の貯留部とを含み得る(しかし他の実施例では、染色剤および固定剤は同じ貯留部に格納されることができる)。ミキサ440は混合プロセス6Bを開始し、2:1(体液:希釈剤)などのある比率で希釈剤を体液(ならびに場合によっては染色剤および固定剤)と混合させて、希釈された体液を形成し得る。これらの実施例では、アプリケータ400は、着色プロセスおよび固定剤プロセスをそれぞれ用いて、体液がスライドに塗布された後に染色剤およびまたは固定剤を塗布するであろう。スライドが乾燥されると、固定プロセス9Bを使用して体液が固定され得る。体液が固定された後、染色プロセス7Bを使用して染色され得る。希釈された体液をスライド701に塗布するために、(アプリケータ400に関連して上記した)2つの体液塗布プロセス7Aまたは7Bのうち一方が行なわれ得る(がいずれの処理も両方の実施例に使用することができる)。体液塗布プロセス7Bが完了すると、乾燥プロセス8Bが開始し得る。乾燥プロセスは、気体移動装置500を使用して、ある期間(20〜30秒など)スライド上に気体を送り出すことを含み得る。体液が染色され固定された後、染色剤除去プロセス11Bを使用して染色剤が除去され得る。染色剤除去プロセス11Bはスライド傾斜プロセスを含み得、染色剤およびまたは固定剤をスライドから排出させるために、少なくとも部分的にスライドが傾斜される。検体の画像を取得するために、アドバンサ110はスライド装置を撮像ステーションCまで前進させ続け得る。撮像ステーションCでは、システムは検体照射プロセス12Bおよび撮像プロセス15Bを起動し得、発光装置600および受光装置200をそれぞれ使用して、検体を照射し、照射された検体の画像を取得する。コンピュータ300は、LED照射プロセス13Bを使用して一連の狭帯域光をスライド701に当てるよう発光装置600に命令し得る。代替的に、フィルタを有する発光装置600が設けられている場合、コンピュータ300は、光フィルタリングプロセス13Aを使用して光を放射し異なるフィルタに光を当てて放射光の波長を変更するよう、発光装置に命令し得る。スライドが照射されると、スライド移動プロセス14Bがスライドムーバ201によって行なわれ、スライド701を様々なX,Y,Z位置に位置決めし得る。多くの実施例では、受光装置のレンズの倍率は検体の全領域の一部のみを含む視野を生成することになるため、スライド移動プロセス14Bを利用して、異なるX,Y位置に検体を移動させて、受光装置200に複数の画像を取らせて検体全体を取得し得る。スライドムーバは、受光装置に様々な倍率で撮像させることができる多数の撮像ステーションにスライドを移動させることも可能であり得る。スライドムーバは、Z方向にスライドを移動させることも可能であり、受光装置に様々な倍率で撮像させ得る。システム10は、ラベルリーダ1100を使用して(ラベル読取プロセス16Bを使用して)スライド上のラベルを読取り得るか、または代替的に、コンピュータは画像認識ソフトウェアを使用してラベル上の記号を認識し得る。受光装置は、リンク11を介してコンピュータに画像を転送し得る。コンピュータは画像を内蔵メモリに保存し、そのソフトウェアを使用して(分析プロセス17Bを使用して)画像を分析し、細胞を算定し、生じたデータについて算出を行ない得る。ソフトウェアは、結果の表、チャート、またはグラフを含む結果を生成し得、コンピュータ300のディスプレイ320上に画像331または結果332を表示し得る。
【0055】
試験結果
この方法の精度を判定するために、コンピュータアルゴリズムが開発され、血液を含む流体試料から得られたデジタル像からRBCおよびWBCを算定した。
【0056】
下記の表1は、34個のスライドについてのデータの概要を示す。「発明」データは、上記の方法を使用して生成され、画像分析算定アルゴリズムを使用して分析されたスライドからの赤血球および白血球数を表わす。「シスメックス(登録商標)」データは、市販の「フローベース」自動CBCアナライザからの赤血球および白血球数を表わす。なお検体は、非常に高いかつ非常に低い赤血球数および白血球数をそれぞれ含む。
【0057】
【表1】

【0058】
表1は、34個のバイアルについて行なわれた算定からの生データを示す。第2および第3の列は、本発明の算定値およびシスメックス(登録商標)の算定値について、患者の血液1マイクロリットル当たり百万単位で表された赤血球数をそれぞれ示す。第4および第5の列は、本発明の算定値およびシスメックス(登録商標)の算定値について、患者の血液1マイクロリットル当たり千単位で表された白血球数をそれぞれ示す。
【0059】
【表2】

【0060】
表2 34個のバイアルについて行なわれた算定からの生データを示す。第2の列は基準(シスメックス(登録商標))RBC数を示し、第3の列は顕微鏡スライドからの自動算定を伝える。第4の列は1:4希釈と仮定して、算定値を1マイクロリットル当たり100万個の細胞に変倍する。第5〜第7の列はWBC数についてのデータを示す。表の底部には、算出された相関係数(Rの2乗)がある。
【0061】
データは、スライドを調製する2回のセッション中に34個の患者試料から得られた。データは典型的な患者を表すが、チューブは赤血球数および白血球数の分布が広い患者から選択された。34個の試料のうちすべてではないにせよ大部分は、日中は冷蔵庫に「保管され」、次いで午後遅くに引出され、器具上で調製された検体から得られた。チューブが引出されると、それらは連続的に処理された。
【0062】
アルゴリズムはまず、手作業で算定された顕微鏡フィールドを自動算定と比較することによって検証された。手作業で算定された細胞と自動的に算定された細胞との間には高い相関性がある。
【0063】
2つの方法間の高い相関性は、赤血球数および白血球数の両方について発見された(表1および表2、ならびに図5および図6参照)。図5のグラフは、赤血球についてのシスメックス(登録商標)算定値と自動スライドに基づいた算定値との間の相関性を示す。データ点は密接に塊となり、縦軸の数(発明の算定値)が横軸の数(シスメックス(登録商標)算定値)と同様であることを示す線を形成する。典型的に、このようなデータについては、100%が完全一致である場合、一致の度合いを示すために相関係数(Rの2乗)を算出することができる。97.95%のR2乗値がこの赤血球データについて算出され、高度な一致を示し、2つの異なる自動器具が示し得るものと同様である。図6に示されるグラフは、白血球についてのシスメックス(登録商標)算定値と自動スライド算定値との間の相関性を示す。未処理数は、1スライド当たり147〜11,250個の白血球の間で変動した。99.70%のR2乗値がこの白血球データについて算出され、高度な一致を示し、2つの異なる自動器具が示し得るものと同様である。これは、細胞の定量的転移への新規の手法が成功であったことと、コンピュータ撮像からの自動細胞算定値が正確な結果を生じたこととを立証する。
【0064】
CBCおよび白血球(WBC)百分率についての例示的なプロセス
以下の一連のステップは順不同に行われ得、いくつかのステップは省略され得るか、または他のステップで置換され得る。
【0065】
ステップ1 患者の血液で充填されたチューブから既知量の血液を抽出する。
ステップ2 必要であれば血液を希釈する。たとえば、希釈剤として5%アルブミン蒸留水を使用し得る。
【0066】
ステップ3 ガラス顕微鏡スライド上のある領域に既知量の血液または血液および希釈剤を薄層に広げる。スライドは、親水性表面を生成して細胞をより良く広げるように処理され得る。スライドは、血液要素のスライドへの最適な付着を可能にするように処理され得る。
【0067】
ステップ4 スライドを空気中で乾燥させるか、または光、空気もしくは熱を使用して乾燥を補助する。
【0068】
ステップ5 カバーガラスなしに、カバーガラスなしのために補正された「乾燥」対物レンズを使用して画像を取得する。たとえばCCDカメラに連結された10倍または20倍の対物レンズを使用し得る。各画像フレームにおいて、赤血球(RBC)と、おそらく白血球(WBC)および血小板とを含む数を判定する。たとえばカラーカメラを使用して、または干渉フィルタもしくはLEDによって生成される狭帯域照射を使用して、1つ以上の色が使用され得る。ヘモグロビン含量の測定もこのときに行われ得る。
【0069】
ステップ6 スライド上に細胞を固定し染色する。固定は別個のステップであるか、または染色と組合され得る。
【0070】
ステップ7 カバーガラスなしに「乾燥」対物レンズを使用して染色されたスライドの画像を取得し、RBC、WBCおよび血小板ならびにヘモグロビンを算定する。このステップは、ステップ5の代わりであるか、またはステップ5と併用され得る。
【0071】
ステップ8 カバーガラスなしに「乾燥」対物レンズ使用して、たとえばカバーガラスのために補正されない40倍または50倍の対物レンズによって得られた高解像度画像からWBC百分率の測定を行なう。カラーフィルタを用いてもしくはLED照射を用いて得られるカラーカメラまたは複合黒白画像が使用され得る。このステップは、ステップ7に付加または組合され得る。
【0072】
ステップ9 CBCに必要とされる所望のパラメータおよび派生したパラメータを算出する。
【0073】
ステップ10 すべてのCBCパラメータをグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のオペレータに表示する。
【0074】
ステップ11 WBC百分率の結果をGUIのオペレータに表示する。
ステップ12 RBC、WBC、血小板、およびいずれかの特異な/異常な血液要素の画像をオペレータに表示する。
【0075】
ステップ13 オペレータに画像およびパラメータと対話させ、CBC、WBC百分率を「確認」し特異なまたは異常な物質を識別する。
【0076】
ステップ14 必要であれば、ステップ13でのオペレータの対話に依存して、CBCおよびWBC算定の結果を更新する。
【0077】
ステップ15 任意に、電動のコンピュータ制御可能な載物台を有する顕微鏡上に対象の物体を再配置させて、観察するために物体の自動再配置を可能にする。
【0078】
ステップ16 任意に、顕微鏡のオペレータの対話に依存して、CBCおよびWBC算定の結果を更新する。
【0079】
上記の例示的なプロセスは血液の試料の調製および検査のためのステップについて記載しているが、発明の実施例は、骨髄、尿、膣組織、上皮組織、腫瘍、精液、唾液、および他の体液を含む他の流体を調製し検査するために使用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液からの細胞を分析するためのシステムであって、
a) 細胞を含有する体液を含む流体を分配するためのアプリケータを備え、前記アプリケータは、アプリケータコントローラと、スライド上に流体を分配するためのチップとを含み、前記チップはスライド上の位置を有し、さらに、
b) スライド上の細胞の画像を取得するためのレンズを含む受光装置と、
c) マイクロプロセッサおよびコンピュータ読取可能な媒体に格納されたソフトウェアを含むコンピュータとを備え、ソフトウェアは、コンピュータに、
i) チップまたはスライドから測定された方向成分および速度成分を有する速度で、スライドに対するチップの位置を変更するステップと、
ii) チップがスライドに対して一定のZ座標を維持している間、ある流量でチップから流体を分配するようアプリケータに指示するステップと、
iii) チップに、細胞の第1の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第1の経路に沿ってスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
iv) スライドに対するチップの位置をXまたはY方向にある距離だけ変更するステップと、
v) チップに、細胞の第2の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第2の経路に沿ってスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿するステップと、を行なわせる、システム。
【請求項2】
細胞の第1および第2の流れは、スライド上で連続した細胞の単層を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
距離は前記第1の流れの流れ幅にほぼ等しい、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
アプリケータは、体液を格納するための第1の貯留部と、希釈剤を格納するための第2の貯留部と、体液を希釈剤と混合して希釈された流体を形成するためのミキサとをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
流体は、体液と、塩ベースまたはタンパク質ベースの希釈剤とを含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
流体は、体液と、牛のアルブミン、プラスマネート(登録商標)、フィコールまたはデキストランとを含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
流体は、体液と、容量1のプラスマネート(登録商標)ごとに容量4のプラズマライトを含有する希釈剤とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
流体は、5%アルブミンを含有する希釈剤1容積部に対して体液2容積部を含有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
流体は、体液と、血清またはプラズマを含有する希釈剤とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 細胞の第1の流れの画像を取得するよう受光装置に指示するステップと、
b) 画像を分析して、細胞の第1の流れの幅を判定するステップと、
c) スライドに対するチップの位置を、XまたはY方向に、細胞の第1の流れの幅と等しい距離だけ変更するステップと、を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 細胞の第3の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第3の経路でスライドを横切って塗布するようアプリケータコントローラに命令するステップであって、前記第3の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
b) 細胞の第4の流れを、固定されたXまたはY成分を有する経路に沿ってスライドを横切って塗布するようアプリケータコントローラに命令するステップであって、前記第4の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第3の流れは細胞の第2の流れに隣接して沈殿し、細胞の第4の流れはスライド上の細胞の第3の流れに隣接して沈殿するステップと、を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 細胞の第3の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第3のラインでスライドを横切って塗布するようアプリケータコントローラに命令するステップであって、前記第3の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第3の流れは細胞の第2の流れに隣接して沈殿するステップと、
b) 細胞の流れの画像を取得するステップと、
c) 細胞を算定するのに十分に細胞が希釈されているかどうかを画像から判定するステップと、
d) 体液を希釈し、細胞を算定するのに十分に細胞が希釈されていないとシステムが判定した場合、細胞の付加的な流れをスライドを横切って塗布するようアプリケータコントローラに命令するステップと、を行わせる、請求項4に記載のシステム。
【請求項13】
スライドを洗浄するための放電部と、
スライド上に染色剤を分配するためのディスペンサと、
余分な染色剤を除去するためにスライドを傾けるためのスライド傾斜器と、
スライドの画像を得るための受光装置と、
受光装置の下にスライドを位置決めするためのスライドムーバと、
スライド上にまたはスライドを通るように光を送り出すための発光装置と、を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) チップをスライドに対して、スライドの約2〜100ミクロン上のある場所へ、
b) アプリケータに、毎秒約0.01〜1.0マイクロリットルの速度でチップから流体を送り出させることと、
c) 毎秒約10〜100ミリメートルの速度でスライドに対するチップの位置を変更することと、を指示させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
a) 新しいスライドを格納するためのフィーダと、
b) 細胞の流れをスライド上に塗布するための第1のステーションと、
c) スライドを染色し、固定し、かつ乾燥させるための第2のステーションと、
d) スライドを照射し撮像するための第3のステーションと、
e) 処理されたスライドを受取るためのコレクタと、
f) フィーダから始まってスライドをシステムを通って移動させ、スライドを第1のステーション、第2のステーション、第3のステーション、次いでコレクタに移動させるためのアドバンサと、を有するプラットフォームをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 発光源に、
i) スライドを照射するために白色光を放射することと、
ii) 第1のフィルタを光に当てて、光の放射を第1の波長に制限することとを指示するステップと、
b) 第2のフィルタを光に当てて、光の放射を第2の波長に制限し、スライド上の細胞の1つ以上の画像を取得することを受光装置に指示するステップと、を行わせる、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
ソフトウェアは、コンピュータに、第3のフィルタを光に当てて、光の放射を第3の波長に制限するよう発光源に指示させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
第1の波長は約405〜430nmであり、第2の波長は570nmである、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
第1の波長、第2の波長、および第3の波長は、400〜700nmの範囲から選択される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 鮮鋭化するかまたは空間変位もしくは他の変形を補正することによって、画像を精密化させ、
b) 少なくとも2つの別個の波長の光がスライドに送り出されたときに、受光装置によって取得された2つ以上の画像を組合せて、表示のために多色画像を生成させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
ソフトウェアは、コンピュータに、細胞種類の分類のために、細胞の空間的、濃度計的、比色、および組織の特徴を判定させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項22】
コンピュータのソフトウェアは、コンピュータに、
a) スライドの黒白画像を取得するよう受光源に指示させ、
b) レンズの焦点距離を調節することによって焦点および画質を修正させ、
c) 多数のフィルタがスライドと光源との間に介在している間に、レンズの焦点位置を変位させる、請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
白色光を生成するためのハロゲンバルブと、フィルタの位置を変更するための回転モータとを備える、請求項16に記載の発光源。
【請求項24】
ソフトウェアは、コンピュータに、
a) 光源に第1の波長で第1のLEDに光を放射させることと、
b) 光源に第2の波長で光を第2のLEDに放射させ、かつスライド上の細胞の1つ以上の画像を受光装置に取得するよう指示することと、
c) 受光装置にスライド上の細胞の1つ以上の画像を取得させることと、
d) 受光装置のレンズに入る際に光が合焦されるように、LEDのうち少なくとも1つから出る光の焦点位置を変位させることと、を指示する、請求項1に記載に記載のシステム。
【請求項25】
体液からの細胞を分析するためのプロセスであって、
a) チップを使用して、細胞を含む体液を含有する流体をスライド上に分配することと、
b) 細胞の第1の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第1の経路に沿ってスライドを横切って塗布することとを含み、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、さらに、
c) スライドに対するチップの位置をXまたはY方向のある距離だけ変更することと、
d) 細胞の第2の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第2の経路に沿ってスライドを横切って塗布することとを含み、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿し、さらに、
e) レンズを有する受光装置でスライドの1つ以上の画像を取得することを含む、プロセス。
【請求項26】
第1の貯留部に体液を格納するステップと、
第2の貯留部に希釈剤を格納するステップと、
ミキサにおいて体液を希釈剤と混合して、希釈された流体を形成するステップと、
チップを使用して、希釈された流体および細胞をスライド上に分配するステップとをさらに含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
細胞の第1および第2の流れは、連続した細胞の単層をスライド上に形成する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項28】
第1の流れの中心点と第2の流れの中心点との間の距離は、細胞の第1のまたは第2の流れの流れ幅と等しい、請求項25に記載のプロセス。
【請求項29】
流体は、体液と、塩ベースのまたはタンパク質ベースの希釈剤とを含有する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項30】
流体は、体液と、牛のアルブミン、プラスマネート(登録商標)、フィコールまたはデキストランとを含有する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項31】
流体は、体液と、容量1のプラスマネート(登録商標)ごとに容量4のプラズマライトを含有する希釈剤とを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項32】
流体は、体液とアルブミンとを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項33】
流体は、体液と、血清またはプラズマを含有する希釈剤とを含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項34】
a) 細胞の第1の流れの画像を取得するよう受光装置に指示するステップと、
b) 画像を分析して細胞の第1の流れの幅を判定するステップと、
c) 細胞の第2の流れをスライドに塗布する前に、スライドに対するチップの位置をある距離だけ変更するステップと、をさらに含み、前記距離は、XまたはY方向のいずれかにおける変化に対応し、細胞の第1の流れの幅に等しい、請求項25に記載のプロセス。
【請求項35】
a) 細胞の第3の流れを、固定されたXまたはY成分を有する経路に沿ってスライドを横切って塗布するステップであって、前記第3の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
b) 細胞の第4の流れを、固定されたXまたはY成分を有する経路に沿ってスライドを横切って塗布するステップであって、前記第4の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、をさらに含み、
c) 細胞の第3の流れは細胞の第2の流れに隣接して沈殿し、細胞の第4の流れはスライド上の細胞の第3の流れに隣接して沈殿する、請求項25に記載のプロセス。
【請求項36】
a) 細胞の第3の流れを、固定されたXまたはY成分を有する第3のラインに沿ってスライドを横切って塗布するステップを含み、前記第3の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第3の流れは細胞の第2の流れに隣接して沈殿し、さらに、
b) 細胞の流れの画像を取得するステップと、
c) 細胞を算定するのに十分に細胞が希釈されているかどうかを画像から判定するステップと、
d) 体液を希釈し、細胞を算定するのに十分に細胞が希釈されていないとシステムが判定した場合、細胞の付加的な流れをスライドを横切って塗布するようアプリケータコントローラに命令するステップと、を含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項37】
スライドを洗浄するための放電部を設けるステップと、
スライド上に染色剤を分配するためのディスペンサを設けるステップと、
余分な染色剤を除去するためにスライドを傾けるためのスライド傾斜器を設けるステップと、
スライドの画像を得るための受光装置を設けるステップと、
受光装置の下にスライドを位置決めするためのスライドムーバを設けるステップと、
スライド上にまたはスライドを通るように光を送り出すための発光装置を設けるステップと、をさらに含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項38】
a) チップをスライドに対して、スライドの約2〜100ミクロン上のある場所に位置決めするステップと、
b) 毎秒約0.01〜1.0マイクロリットルの速度でチップから流体を送り出すステップと、
c) 毎秒約10〜100mmの速度でスライドに対してチップの位置を移動させるステップと、を含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項39】
a) 新しいスライドを格納するためのフィーダを含むプラットフォームを設けるステップと、
b) 細胞の流れをスライド上に塗布するための第1のステーションを設けるステップと、
c) スライドを染色し、固定し、かつ乾燥させるための第2のステーションを設けるステップと、
d) スライドを照射し撮像するための第3のステーションを設けるステップと、
e) 処理されたスライドを受取るためのコレクタを設けるステップと、
f) フィーダから始まってスライドをシステムを通って移動させ、スライドを第1のステーション、第2のステーション、第3のステーション、次いでコレクタに移動させるステップと、を含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項40】
a) スライドを照射するために白色光を放射するステップと、
b) 第1のフィルタを光に当てて、光の放射を第1の波長に制限するステップと、
c) 第2のフィルタを光に当てて、光の放射を第2の波長に制限するステップと、さらに含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項41】
第3のフィルタを光に当てて、光の放射を第3の波長に制限するステップをさらに含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項42】
第1の波長は約405〜430nmであり、第2の波長は570nmである、請求項40に記載のプロセス。
【請求項43】
第1の波長、第2の波長、および第3の波長は、400〜700nmの範囲から選択される、請求項41に記載のプロセス。
【請求項44】
a) 鮮鋭化するかまたは空間変位を補正することによって、画像を精密化させるステップと、
b) 少なくとも2つの別個の波長の光がスライドに送り出されたときに、受光装置によって取得された2つ以上の画像を組合せて、表示のために多色画像を生成するステップと、をさらに含む、請求項40に記載のプロセス。
【請求項45】
細胞種類の分類のために、細胞の空間的、濃度計的、比色、および組織の特徴を判定するステップをさらに含む、請求項40に記載のプロセス。
【請求項46】
a) スライドの黒白画像を取得するよう受光源に指示するステップと、
b) レンズの焦点距離を調節することによって焦点および画質を修正するステップと、
c) 多数のフィルタがスライドと光源との間に介在している間にレンズの焦点位置を変位させるステップと、をさらに含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項47】
白色光を生成するためのハロゲンバルブと、フィルタの位置を変更するための回転モータとを設けるステップをさらに含む、請求項40に記載のプロセス。
【請求項48】
a) 第1の波長で第1のLEDに光を放射させるステップと、
b) 第2の波長で第2のLEDに光を放射させるステップと、
c) スライド上の細胞の1つ以上の画像を取得するよう受光装置に指示するステップと、
d) 受光装置のレンズに入る際に光が合焦されるように、LEDのうち少なくとも1つから出る光の焦点位置を変位させるステップと、をさらに含む、請求項25に記載のプロセス。
【請求項49】
体液からの細胞を分析するためのシステムであって、
a) 細胞を含有する体液を含む流体を分配するためのアプリケータを備え、前記アプリケータはアプリケータコントローラと、スライド上に流体を分配するためのチップとを含み、さらに、
b) マイクロプロセッサおよびコンピュータ読取可能な媒体上に格納されたソフトウェアを含むコンピュータを備え、ソフトウェアは、コンピュータに、
i) チップをスライドの上のある高さに位置決めするようアプリケータコントローラに指示するステップであって、前記位置はX、YおよびZ方向成分を有するステップと、
ii) スライドを横切ってある速度でアプリケータチップを移動させるようアプリケータコントローラに指示するステップであって、前記速度は方向成分および速度成分を有するステップと、
iii) ある流量でチップから流体を送り出すようアプリケータに指示するステップと、
iv) チップの位置がスライドに対して一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第1の流れを、第1の経路に沿ってスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
v) チップの位置をXまたはY方向を有するある距離だけ変更するようアプリケータコントローラに命令するステップと、
vi) チップの位置がスライドに対して一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第2の流れを、第2の経路でスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿するステップと、を行なわせる、システム。
【請求項50】
2つの受光装置を備え、コンピュータは、染色されておらず固定されていないスライドの画像を第1の受光装置に取得させ、コンピュータは、染色され固定された後のスライドの画像を第2の受光装置に取得させる、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
体液からの細胞を分析するためのプロセスであって、
a) チップを使用して、細胞を含有する体液を含む流体をスライド上に分配することと、
b) チップをスライドの上のある高さに位置決めするようアプリケータコントローラに指示することと、
c) スライドを横切ってある速度でアプリケータチップを移動させるようアプリケータコントローラに指示することとを含み、前記速度は方向成分および速度成分を有し、さらに、
d) ある流量でチップから流体を送り出すようアプリケータに指示することと、
e) チップの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第1の流れを、スライド上の第1の経路に沿って塗布させることとを含み、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、さらに、
f) 前記第1の流れ幅に等しいある距離だけチップの位置をXまたはY方向に変更するようアプリケータコントローラに命令することと、
g) チップの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第2の流れを、スライドを横切って第2の経路で塗布させることとを含み、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿する、プロセス。
【請求項52】
染色されておらず固定されていないスライドの画像を取得するよう第1の受光装置に指示するステップと、
染色され固定された後のスライドの画像を取得するよう第2の受光装置に指示するステップと、を含む、請求項51に記載のプロセス。
【請求項53】
体液からの細胞を分析するためのシステムであって、
a) 細胞を含有する体液を含む流体を分配するためのアプリケータを備え、前記アプリケータはスライド上に流体および細胞を分配するためのチップを含み、さらに、
b) スライドを移動させるためのスライドコントローラと、
c) マイクロプロセッサおよびコンピュータ読取可能な媒体に格納されたソフトウェアを含むコンピュータとを備え、ソフトウェアは、コンピュータに、
i) チップの下のある高さにスライドを位置決めするようスライドコントローラに指示するステップと、
ii) チップに対してある速度でスライドを移動させるようスライドコントローラに指示するステップであって、前記速度は方向成分および速度成分を有するステップと、
iii) 希釈された流体をある流量でチップから送り出すようアプリケータに指示するステップと、
iv) スライドに対するチップの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第1の流れを、第1の経路でスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
v) スライドの位置をXまたはY方向にある距離だけ変更するようスライドコントローラに命令するステップと、
vi) スライドに対するチップの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第2の流れを、第2の経路でスライドを横切って塗布させるステップであって、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿するステップと、を行なわせる、システム。
【請求項54】
体液からの細胞を分析するためのプロセスであって、
a) チップを使用して、細胞を含有する体液を含む流体をスライド上に分配することと、
b) チップの下のある高さにスライドを位置決めするようスライドコントローラに指示することと、
c) ある速度でスライドを移動させるようスライドコントローラに指示することとを含み、前記速度は方向成分および速度成分を有し、さらに、
d) ある速度でチップから流体を送り出すことと、
e) チップの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第1の流れを、第1の経路でスライドを横切って塗布させることとを含み、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、さらに、
f) スライドの位置をXまたはY方向にある距離だけ変更するようスライドコントローラに指示することと、
g) チップに対するスライドの位置が一定のZ成分を有するように、チップに、細胞の第2の流れを、第2の経路でスライドを横切って塗布させることとを含み、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿する、プロセス。
【請求項55】
体液からの細胞を分析するためのシステムであって、
a) 細胞を含有する体液を含む流体を分配するためのアプリケータを備え、前記アプリケータは、アプリケータコントローラと、スライド上に流体を分配するためのチップとを含み、さらに、
b) スライド上の細胞の画像を取得するためのレンズを含む受光装置と、
c) マイクロプロセッサおよびコンピュータ読取可能な媒体に格納されたソフトウェアを含むコンピュータとを備え、ソフトウェアは、コンピュータに、
i) チップまたはスライドから測定された方向成分および速度成分を有する速度で、スライドに対するチップの位置を変更するステップと、
ii) チップがスライドに対して一定のZ座標を維持している間、ある流量でチップから流体を分配するようアプリケータに指示するステップと、
iii) チップに、細胞の第1の流れを、第1の直径を有する第1の円形経路でスライド上に塗布させるステップであって、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含むステップと、
iv) スライドに対するチップの位置をXまたはY方向にある距離だけ変更するステップと、
v) チップに、細胞の第2の流れを、第1の直径より大きい直径を有する第2の円形経路に沿ってスライド上に塗布させるステップであって、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿するステップと、
vi) 受光装置でスライド上の細胞の1つ以上の画像を取得するステップと、を行なわせる、システム。
【請求項56】
体液からの細胞を分析するためのプロセスであって、
a) チップを使用して、細胞を含む体液を含有する流体をスライド上に分配することと、
b) 細胞の第1の流れを、第1の直径を有する第1の円形経路でスライド上に塗布することとを含み、前記第1の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、さらに、
c) スライドに対するチップの位置をXまたはY方向にある距離だけ変更することと、
d) 細胞の第2の流れを、第2の直径を有する第2の円形経路でスライド上に塗布することとを含み、前記第2の流れは細胞の単層およびある流れ幅を含み、細胞の第2の流れは細胞の第1の流れに隣接した位置に沈殿し、さらに、
e) 受光装置でスライド上の細胞の1つ以上の画像を取得することを含む、プロセス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7A】
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【図7B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−525592(P2012−525592A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508603(P2012−508603)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/032612
【国際公開番号】WO2010/126903
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511259429)コンスティテューション・メディカル・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CONSTITUTION MEDICAL, INC.
【Fターム(参考)】