体液レオロジーを評価するための、作動され表面に付着したポストを使用するための方法及びシステム
体液レオロジーを評価するための、作動され表面に付着したポストを使用するための方法、システム、およびコンピュータ読取可能な媒体が開示される。一態様によれば、体液試料の特性を試験するための方法は、基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイに試料を配置し、各マイクロポストは基板に付着した基部端及び基部端の反対側の先端を含み、マイクロポストを作動させるためにマイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、それによって少なくとも幾つかのマイクロポストに動きを示させることを含む。この方法はさらに、作動力に応じて少なくとも1つのマイクロポストの動きを測定し;及び少なくとも1つのマイクロポストの測定された動きに基づいて、試料の特性を決定することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願
この出願は2009年6月25日に出願された米国仮特許出願No. 61/220,563の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本書に援用される。この出願は又、2009年8月14日に出願された米国仮特許出願No. 61/234,177の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本書に援用される。
【0002】
政府の利益
本書に開示される主題は、全米科学財団によって与えられた助成金No.NSF / NIRT 0507151の下に米国の政府の支援で行われた。従って、米国政府は、本書に開示される主題に一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本書に開示される主題は、表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用して体液の物理的特性を測定するための方法及びシステムに関する。より具体的に、本書に開示される主題は、体液レオロジーを評価するために表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
血栓や粘液などの体液の粘弾性は、それらの能力(performance)にとって重要である。これらの流体の粘弾性特性の測定は、患者の診断と治療を支援するための医療専門家へ、貴重な情報を提供することができる。例えば、血栓を形成する時の速度と強度は、遺伝、病気、薬、又は環境によって影響を受ける可能性がある。血栓の物理的性質を分析することは、治療がどのくらいよく効いているか若しくは効きそうか、又はひょっとしたら治療介入が必要かを決定するのに有用となる重要な情報を提供するであろう。
【0005】
現在、血栓の弾性は、通常は手術を伴うポイントオブケア(POC)、又は分析実験室環境内のいずれかで測定される。ポイントオブケアシステムにおける血栓の粘弾性を理解するための技術は、幾つかの異なる戦略を使用する。一つの技術は、光学的検出によるなどの何らかの方法でモニターされる、チューブを通る流れを用いる。別の技術は、成長中の血栓中に懸濁される電磁ビーズを用い、このビーズは磁場の適用を介して移動させられる。移動するビーズの検出は光学によって行われ、ビーズの動きの停止は血栓が形成されたことを示す。
【0006】
分析実験室環境では、トロンボエラストグラフィー(TEG)などの技術は、血液中の凝固効率を試験することができる。TEGは試料の巨視的な量を使用し、互いに対して2つの表面をせん断的に(in shear)動かすことで粘弾性を測定する。形状は、通常は同心円筒である。同様の技術は、粘液のような他の体液の粘弾性を測定するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
体液のレオロジー特性を試験する現在の方法に関しては欠点がある。TEGのような実験手法は、高スループットの機器として実現されていないので、本質的に試験は一度に1つずつ実行される必要がある。ポイントオブケア技術は、臨床検査ほど高感度又は定量的ではなく、実験室解析に取って代わることはできない。さらに、試料の巨視的量は、実験室解析のために一般に必要とされる。
【0008】
従って、体液レオロジー技術に関連したこれらの欠点を踏まえると、体液レオロジーを評価するために表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用するための方法及びシステムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一の態様によれば、本書に開示される主題は、基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイに前記試料を配置し、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み;前記マイクロポストを作動させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させることを含む方法を含む。この方法はさらに、前記作動力に応じて前記マイクロポストの少なくとも1つの動きを測定し、及び前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する、ことを含む。
【0010】
他の態様によれば、本書に開示される主題は、基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイと、少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させる作動装置と、動きを示す前記マイクロポストの少なくとも1つの動きを測定する動き検出装置と、前記マイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する処理装置と、を有する、体液試料の特性を測定するシステムを含む。
【0011】
別の態様によれば、本書に開示される主題は、基板の少なくとも幾つかの細孔の中に、金属特性、磁性、熱特性、光学特性、及び強誘電体特性の少なくとも1つを含む材料を堆積させることを含む、マイクロポストアレイを製造する方法を含む。この方法はさらに、前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記細孔と相互接続するよう、硬化した時に柔軟性を有する硬化性材料を前記細孔に充填することを含む。この方法はさらに、前記材料を硬化させ、及び前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、ことを含む。
【0012】
さらに別の態様によれば、本書に開示される主題は、硬化した時に柔軟性を有する硬化性材料を、基板内の複数の垂直に並ぶ(vertically- aligned)細孔に充填することを含む、マイクロポストアレイを製造する方法を含む。前記硬化性材料は複数のナノ粒子を含む。この方法はさらに、ナノ粒子の分布が不均一になるよう、細孔の中でナノ粒子を一方向に引き寄せるために力を加えることを含む。この方法はさらに、前記硬化性材料を硬化させ、及び前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、ことを含む。
【0013】
体液のレオロジーを評価するため、表面に付着して作動されるマイクロポストを使用するために本書に開示される主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせに実行されてもよい。そのようなものとして、本書で使用される用語"機能"又は"モジュール"は、記述されている機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアに言及する。一の例示的な実行では、本書に記述された主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されると、ステップを実行するために前記コンピュータを制御する、コンピュータで実行可能な命令を自身に格納したコンピュータ読取り可能な媒体を使用して実行されてもよい。本書に記述される主題を実行するのに適した典型的なコンピュータ読取り可能な媒体は、ディスクメモリ装置(disc memory devices)、チップメモリ装置(chip memory devices)、プログラム可能論理回路(programmable logic devices)、及び特定用途向け集積回路のような、一時的でない(non-transitor)コンピュータ読取り可能な媒体を含む。さらに、本書に記述される主題を実行するコンピュータ読取り可能な媒体は、単一の素子(device)若しくは計算プラットホームに存在することができ、又は複数の素子若しくは計算プラットホームに分散されることができる。
【0014】
本書に開示される主題の好ましい実施形態は、添付の図面に関して説明され、同様な参照数字は同様な部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示す図である。
【図1B】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示す図である。
【図1C】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための別の例示的な製造方法を示す図である。
【図2】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示すブロック図である。
【図3】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマイクロポストアレイの図である。
【図4】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なポイントオブケアシステムを示すブロック図である。
【図5】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的な高スループットスクリーニングシステムを示すブロック図である。
【図6】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマルチウェルプレートの図である。
【図7A】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットシステムのマルチフォースプレートからの励起アセンブリの例示的な分離を示す図である。
【図7B】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの断面図を示す図である。
【図8A】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォースプレートの1つのウェルの選択的な励起を示す図である。
【図8B】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの動作を示す図である。
【図9A】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。
【図9B】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。
【図10】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適した励起アセンブリの磁心の図である。
【図11】本書に開示される主題の実施形態に係る試料の物理的、化学的、又はレオロジー特性を決定するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本書に開示される主題に従い、体液(biofluid)レオロジーを評価するため、作動され表面に付着したポスト(post)を使用するための方法及びシステムのためのシステム、方法、及びコンピュータ読取り可能な媒体が提供される。本書に開示される主題は、電気的、磁気的、熱的(thermal)、又は音波(sonic)力など、マイクロポストアレイ(micropost array)の柔軟なマイクロポスト(micropost)に印加される力を加えることに向けられ、このアレイは少なくとも一部がエラストマーのような弾性材料で構成される。体液試料の粘弾性特性は、上記のマイクロポストの上又はその近傍に体液を配置し、マイクロポストに作動力を加えることによって測定することができる。上記主題はさらに、マイクロポストの動き又は経時的な動きの変化を測定することを含む。マイクロポストアレイのマイクロポストは例えば、ポイントオブケア(point of care)機器と共に使用されるタブ(tab)上、又はベンチトップ(bench-top)実験機器に適した形式で、高スループット(high-throughput)用途(application)のためのマルチウェルプレート(multiwell plate)内に配置されることができる。
【0017】
本書の主題の範囲内に含まれる多くの可能な実施形態が存在する。後に続く詳細な実施形態の基礎として、より広い発明概念が今議論される。本書の主題の実施形態は、関心のある試料が配置されて作動力が加えられるマイクロポストアレイ内のマイクロポストによって示される、動きの検出と測定に基づく。検出された動きは、その後、試料について要求される情報を得るために分析されてもよい。
【0018】
例えば、本書の主題の一つの例示的な方法は、基板底部(substrate base)から外側に伸びる複数の柔軟なマイクロポストを有するマイクロポストアレイに、血液などの体液試料を配置することを含む。
【0019】
用語"マイクロポストアレイ"は、本書では、典型的には高さが1-100μmに及び、基板から外側に延びる微小なポストの配列を記述するために使用される。一実施形態では、マイクロポストアレイのマイクロポストは垂直に並んでもよい。特に、各マイクロポストは基板に付着した基部端(proximal end)及び基部端の反対側の先端(distal end)又は先を含む。用語"体液"は、本書では、血液、粘液(例えば、痰、眼液、副鼻腔(sinus)液、及び子宮頸部(cervical)液)、滑液、膿及びやけどに起因する排泄物を含むがこれに限定されない、体によって形成された全ての流体を言及するために使用される。
【0020】
体液試料を配置すると、マイクロポストアレイの近傍に作動力が生成され、それは少なくともマイクロポストの幾つかに動きを示させる。本書において、用語"作動力"は、マイクロポストに加わる力をいう。例えば、作動力は、磁気、熱的、音波、又は電気力を含んでもよい。特に、作動力は、周波数又は振幅の関数として、又は衝撃力(即ち、ステップ関数)として加えられてもよい。同様に、他の作動力は、例えばマイクロポストアレイを流れる流体の流れのように、本書の主題の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0021】
作動力に反応してマイクロポストが動きを示すにつれ、マイクロポストの動きが測定又は検出されることができる。動き検出システムは、個々の若しくは特定のマイクロポスト、マイクロポストの群、又は全てのマイクロポストの動きを測定するように構成されてもよい。このマイクロポストの動作を検出及び測定するための手段は、光学、磁気、音波、又は電気的な追跡システムを含んでもよい。これらの検出システムは以下により詳細に説明される。
【0022】
最後にマイクロポストの動きが測定された後、測定データは、測定された動きに基づいて試料の少なくとも1つの特性を決定するためにデータを処理する処理装置に供給される。例えば、血液検体が凝固し始めるにつれてマイクロポストの動きは制限され、結果として生じる測定値が凝固時間を決定するために使用されてもよい。
【0023】
体液試料の典型的な特性は、凝固特性、化学的性質、レオロジー特性、物性等を含んでもよい。一実施形態では、体液試料(即ち、血液)の凝固特性を決定するため、処理装置は、PT、PTT、APPT、及びINRアッセイを含むがこれらに限定されない既存の血栓測定アッセイを使用するように構成されてもよい。処理装置はさらに又はその代わり、上記したような血液の凝固時間、又は血栓の絶縁破壊時間(breakdown time)(即ち、一定期間の測定)を決定するように構成されてもよい。別の実施形態では、特に特定のマイクロポスト又はマイクロポストの群の動きが測定された場合には、試料の不均一性を決定するため、処理装置はマイクロポスト動き測定データを使用するように構成されてもよい。他の実施形態は、例えば、試料への薬物の効果を決定するか、又は試料中のDNAの存在を検出してもよい。特に、このタイプのデータは、体液試料のレオロジー的特性に基づいて疾病を検出し、又は薬を処方するためのような、多くの実用的な用途を持つ。同様に、マイクロポストに試薬又は酵素を加えることにより、処理装置は化学センサーとして使用されてもよい。
【0024】
マイクロポストアレイを製造するために使用される材料は多様である。マイクロポストの敏感な動きを可能にするため、マイクロポストアレイは、例えばエラストマーのような少なくとも幾つかの弾性材料を含む。マイクロポスト自身は、柔軟な又は非可撓性(non-flexible)の基板材料上のエラストマーから完全又は部分的に構成されてもよい。その代わり、試料及び加えられた力に応答してマイクロポストが動くことを可能とするため、基板底部材料が弾性的である限り、マイクロポストが非可撓性材料で構成されてもよい。本書に記述されるマイクロポストアレイは、バイオミメティック繊毛(biomimetic cilia)、即ち、生物学的な繊毛に類似するシリコーン(silicone)で形成された構造の配列と見なされるかもしれない。
【0025】
一実施形態では、マイクロポストを構成するエラストマーは、全体に分散された様々な材料のナノ粒子を含んでもよく、それは、特定の用途のためにマイクロポストの特性を微調整することを可能する。本書において、ナノ粒子は、金属粒子、強磁性粒子、強誘電体粒子、熱的粒子、又は光学粒子を含むがこれらに限定されない。さらに、高濃度の粒子がマイクロポストの片側又は端部に存在することができるよう、マイクロポスト材料に懸濁されたナノ粒子がマイクロポスト全体に不均一に分散されてもよい。その代わりに、マイクロポストの全高さ又はマイクロポストの高さの一部のみに延びる棒(rod)やシェル(shell)などの固体材料片を含むよう、マイクロポストが製造されてもよい。さらなる実施形態は、アレイ製造の後にマイクロポストを被覆することを含んでもよく、特に熱作動方式のため、それはマイクロポストの一方の面に被覆するために斜めに(obliquely)被覆されてもよい。
【0026】
用語"強磁性"は、強磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、フェリ磁性及び磁性流体を含むがこれらに限定されない任意の磁性材料に言及するために本書で使用される。同様に、用語"フェロエラストマー(ferroelastomer)"は、ナノ粒子がどのようにエラストマーに結合されているかに関係なく、全体に分散されたあらゆるタイプの磁性ナノ粒子も含むエラストマーに言及するために本書で使用され、さらに強磁性、常磁性及び超常磁性粒子を含むがこれらに限定されない。用語"強誘電体"は、圧電性、焦電性及び常誘電体材料を含むがこれらに限定されない、あらゆる誘電材料に言及するために本書で使用される。
【0027】
マイクロポストのために選択される材料は、特に作動方式、即ちマイクロポストに加えられる力の性質に関し、マイクロポストアレイの使用目的によって決まる。電気力、即ち電気的作動方法を適用する場合、考慮すべきマイクロポスト材料の特性は、誘電率、分極率及び材料の電荷を含む。磁気的作動方法、即ち磁力が適用される場合、マイクロポスト材料の重要な特性は、透磁率とヒステリシスを含む。
【0028】
熱的作動方法のために考慮すべきマイクロポスト材料の特性は、熱膨張係数、吸光度及び材料の熱容量を含む。マイクロポストが流れ、即ち流体がマイクロポストを横断して流され、結果として得られるポストのたわみが測定される場合、考慮すべき要因は形状(直径と長さ)及びマイクロポストの弾性特性を含む。
【0029】
マイクロポストの動きを測定するための検出機構も変化し、通常はマイクロポストアレイの製造材料によって決まるであろう。検出機構は、磁気的、光学的、音波、若しくは電気的検知システム、又は装置を含んでよいがこれらに限定されない。一実施形態では、磁気検出手段は、マイクロポスト内の磁性材料を含むであろうし、ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、又は半導体(solid state)デバイス及びシステムを利用してもよい。同様に一実施形態では、特にマイクロポストが自身の先端及び/又は側面に反射材料を含むように製造されている場合に、マイクロポストが動く時に光の反射(reflective)、透過又は散乱を測定するため、光学的検出手段はマイクロポスト内に光学材料すなわち、吸収、反射、又は散乱特性を含むがこれらに限定されない光学特性を有する材料又は粒子を含んでもよい。一実施形態では、光学的検出手段は、画像(imaging)システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、又は透過光測定システムを含んでもよい。音波及び電気的検出方法は、同様の方法で動作してもよい。マイクロポストの動きの検出及び測定は、粗く(in coarseness)変化してもよい。即ち、1又はそれ以上の個々のマイクロポスト、マイクロポストの群、又は特定の試料に関連する全てのマイクロポストについて、測定が実行されてよい。
【0030】
本書の主題の特定の実施形態で使用される特定の検出機構に関係なく、検出機構は、マイクロポストの動きの振幅及び位相を測定するように構成される。一実施形態では、振幅又は位相の変化は、周波数の関数として測定されるであろう。加えられる作動力に反応してマイクロポストが振動する時、分析中の試料の特性を決定するために振幅又は位相の変化が使用されてもよい。処理装置は、マイクロポストの測定された動きに基づき、体液試料の種々の特性を計算するために使用されてもよい。例えば、体液試料が血液である場合、そのような特性の1つは凝固時間が含まれてもよい。本書の主題は又、線形若しくは非線形レオロジー、又は化学センシング(chemical sensing)に使用されてもよい。化学センシングに使用される場合、酵素、化学物質、又は薬などの物質がマイクロポスト及び/又はマイクロポスト周囲の試料に塗布(apply)されてもよく、マイクロポストの動きを測定することによって試料の応答が決定されてもよい。
【0031】
本書の主題の例示的な実施形態への参照がここで詳細になされ、その実施例は添付の図面で説明され、可能な限り、同一の参照数字は同等の部分を参照するために図面を通して使用される。
【0032】
図1A及び1Bは、本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な二相(two-phase)法を説明する図である。例示的なフォトリソグラフィー製造方法の第1相(Phase 1)が図1Aに示される。ステップ1では、シリコン(silicon)基板100がフォトレジスト102で被覆され、さらにクロムの特性を有する石英マスクであってよいマスク104でマスクされる。マスク104は、アレイ内の磁気ポストの直径及び間隔を規定する。マスクされたフォトレジストは紫外線(UV)線106に曝され、さらに架橋されなかったフォトレジストを除去するために市販の現像液で洗われる。ステップ2では、シリコン基板100の非被覆領域がエッチングされる。一実施形態では、基板内部に複数の細孔(前述の使用されたマスクで規定されるような)を作成する深彫反応性イオンエッチャー(DRIE)を使用し、エッチングが行われる。エッチング細孔の深さはマイクロポストの高さを規定する。一実施形態では、エッチング細孔の各々の深さは6-25ミクロンの間である。ステップ3では、強磁性材料(例えば、鉄)がDRIEエッチングされたシリコン基板100上に堆積される。一実施形態では、鉄層108は、プラズマ蒸着装置又は他の幾つかの蒸着(deposition)技術を用いて堆積されてもよい。一実施形態では、鉄層108は、ポストの高さの1/3及び1/2の間、即ちエッチングされた細孔の深さの1/3から1/2の間であってもよい。その後、残った(架橋された)フォトレジスト102が除去され、それによって望ましくない鉄も基板100表面から除去する。
【0033】
例示的なフォトリソグラフィー製造方法の第2相(Phase 2)が図1Bに示される。ステップ4では、そこに堆積された鉄を有する複数の細孔を持つようエッチングされたシリコン基板100が、再度フォトレジスト102で被覆される。その後、クロムマスクを同様に含んでよいマスク110が、フォトレジストで覆われた基板100に適用され、フォトレジスト層102が紫外線106に曝される。その後、架橋されなかったフォトレジストは市販の現像液を使用して除去される。マスク104とは異なるマスク110は、磁性マイクロポストにおいて堆積された鉄を囲むマイクロポスト材料の直径を規定する。マスク110は又、非磁性マイクロポストの直径及び間隔を規定し、即ちマスク110は、堆積した鉄の周りの細孔を広げ、さらに磁気を帯びないマイクロポストための新たな細孔を生成する。一実施形態では、全てのマイクロポストは、堆積された磁性材料を含む。別の実施形態では、マイクロポストアレイの幾つかのマイクロポストは磁性材料を含まない。この例示的な製造方法を用いて、作動力に応答するマイクロポストの位置、配置、及び数が設計又は調整されることができる。ステップ5では、シリコン基板102から露出したシリコンが、第1相と同じ深さに(例えば、DRIEを使用して)再びエッチングされる。残ったフォトレジストは除去されるであろう。ステップ6で、新たに作成された細孔及び拡大された細孔は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のような未硬化のマイクロポスト材料112で充填される。PDMSを充填されたシリコン基板100は、次に硬化させられる。一実施形態では、基板は80度(degree)で1時間硬化させられる。ステップ7では、硬化したPDMSマイクロポストアレイ114がシリコン基板100から除去される。マイクロポストアレイ114は、例えば、シリコン基板100から硬化したPDMSを静かに剥がすか、又はマイクロポストアレイ114のみを残してシリコンを特異的にエッチング除去するための溶液を用いて、除去されてもよい。例えば、マイクロポストアレイ114は、複数の柔軟で付着された(attached)マイクロポストを持つものとして図1Bに示され、少なくとも幾つかマイクロポストは、基本的に遠位端又は先端に埋め込まれた1片の(single piece)鉄を含む。
【0034】
代わりの実施形態では、マイクロポストを成型するため、シリコン基板を使用するのではなく、薄いポリカーボネートのシートのような材料が使用されてもよい。即ち、各マイクロポスト内の磁気ロッドの大きさを規定するため、フォトリソグラフィマスクが1つのみ使用される。この実施形態では、マイクロポストアレイ114の全てのマイクロポストは、磁性材料を含む。この実施形態の製造プロセスは、基本的に図1Aに示す製造プロセスの第1相のステップに従う。しかしながら、本実施形態では、鉄の堆積の前に、例えば、パルスレーザー堆積システムを用いて堆積されることができる銀などの材料で、ポリカーボネートシートの穴が裏打ち(backed with)されてもよい。その後、鉄が堆積され、残ったフォトレジストが上記と同一の方法で除去される。この実施形態の第2相は、追加の細孔が作成されない点、つ??まり、第2のマスクが無く、マイクロポストアレイが磁気及び非磁性マイクロポストの組み合わせではなく、磁性マイクロポストのみを含む点で上記したものとは少し異なる。それぞれ鉄の堆積物を含むポリカーボネートの細孔は、その後にエッチングによって(例えば、4M水酸化ナトリウムを使用して)広げられてもよい。拡大された細孔は、その後にPDMSで満たされ、前述のように硬化させられる。硬化後、銀の裏打ち(backing)は除去されてもよい。一実施形態では、銀の裏打ちは、50%硝酸洗浄を用いて除去される。マイクロポストアレイは、その後にポリカーボネートシートから除去されるであろう。例えば、ポリカーボネートを溶解し、それによってアレイを取り外すジクロロメタンを使用して、アレイが除去されてもよい。
【0035】
代わりの実施形態において、電気化学析出(electrochemical deposition)法を用いて細孔内にシェル状構造を形成するため、磁性材料が細孔の側壁に沿って堆積させられてもよい。典型的な製造プロセスが図1Cに示される。ステップ1では、シリコン基板100がフォトレジスト102で被覆された後、マスク116でマスクされる。一実施形態では、マスク116はクロムの特性を有する石英マスクである。マスク116は、アレイ内の全てのポストの直径と間隔を規定する。マスクされたフォトレジストは紫外線106に曝され、さらに架橋されなかったフォトレジストを除去するために市販の現像液で洗われる。ステップ2ではその後、好ましくは基板内に複数の細孔を作成するための深彫反応性イオンエッチャー(DRIE)により、シリコン基板100の非被覆の領域がエッチングされる。エッチング細孔の深さはマイクロポストの高さを決定する。ステップ3では、シリコン基板100の少なくとも幾つかのDRIEエッチング孔に磁性材料(例えば、ニッケル)が堆積され、さらに残った(架橋した)フォトレジスト102が除去される。ニッケル層118は、電気化学析出を用いて堆積させることができる。ニッケル層118は、細孔の全高にわたって細孔の側壁を覆ってもよく、又は、例えば細孔の側壁の下半分のみに選択的に堆積されてもよい。磁性材料が所望の厚さと高さで堆積されると、細孔は硬化性のマイクロポストの材料112で充填され、さらにステップ4で硬化させられる。ステップ5では、硬化したマイクロポストアレイが、図1Bの記述にて前述したように、基板100から取り除かれる。
【0036】
図2は、本書に記述された主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造する別の例示的な方法を示す図である。1片の強磁性材料を持つ幾つかの又は全てのマイクロポストを有するマイクロポストアレイに加えて、マイクロポストアレイは又、アレイを形成する前に、PDMSのような未硬化のマイクロポスト材料内に強磁性材料が堆積されるように製造されてもよい。このような実施形態では、マイクロポストが複合フェロエラストマーで構成されるよう、強磁性材料が粒子、ロッド(棒)、点、ビーズ等の形態であってよい。膜200は、複数の細孔を有する膜である。膜200は、マイクロポストアレイの製造のためのテンプレート又は鋳型として機能してもよく、さらに例えば、トラックエッチングされた(track etched)膜であってもよい。ステップ1では、膜200は、強磁性- PDMS複合体であってよいフェロエラストマー材料202で充填される。ステップ2では、フェロエラストマー202が硬化させられる。フェロエラストマー202がさらなる処理を受けずに硬化させられる場合、フェロエラストマーの強磁性粒子は、結果として得られるそれぞれのマイクロポスト内に実質的に均一な分布を持つ。しかしながら、それぞれのマイクロポストの動きをもたらす磁力の能力を向上させるため、硬化プロセスの前又はその間に、磁力(図示せず)を用いて強磁性粒子がそれぞれの細孔の頂部に引き寄せられて(draw to)もよい。得られたマイクロポストのそれぞれは、基板に付着していない遠位端又は先端に高濃度の強磁性材料を有するであろう。その結果、印加された磁場を使用してマイクロポストが作動されているとき、得られた各マイクロポストの動きは、強磁性材料が均一に分布するか、又は各マイクロポストの基板端に向かって濃縮しているときよりも大きくなるであろう。ステップ3では、例えば、剥離することにより、硬化したフェロエラストマー204の表面層が除去される。ステップ4では、各マイクロポストの先端に濃縮した複数の強磁性粒子を含むマイクロポストを有する、製造されたマイクロポストアレイ206が膜200から取り除かれる。
【0037】
これらの実施形態は、シリコン基板、ポジ型フォトレジスト及びフォトリソグラフィ技術を用いて説明されたが、ネガ型フォトレジスト又は他のリソグラフィ技術及び材料は、本書に開示される主題の意図された範囲から逸脱することなく用いられることができる。さらに、マスク104及び110、並びに膜200は、以下に記述されるように、マルチウェルプレートで使用されるように具体的に設計及び製造されることができる。
【0038】
図3は、本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマイクロポストアレイの図である。マイクロポストアレイ114の走査電子顕微鏡像が表示される。アレイ114は、以下で詳しく説明されるマルチウェルマイクロタイタープレート(multiwell microtiter plate)と共に使用されることができる。図3は又、マルチウェルプレートのウェル300内にあるであろうマイクロポストアレイ114のマイクロポストについて、大きさと間隔の可能な変動を示す。図3は又、アレイのマイクロポストは、大きさ及びアレイ上の互いの近接において異なることを示す。例えば、ボックス302は、直径0.6マイクロメートルで、互いに1.4マイクロメートル離れて配置されたマイクロポストを示す。同様に、ボックス304は又、直径0.6マイクロメートルであるが2.6マイクロメートル離れているマイクロポストを示す。ボックス306は、直径1マイクロメートルで1.5マイクロメートル離れているマイクロポストを示す一方で、ボックス308は直径1マイクロメートルで3マイクロメートル離れているマイクロポストを示す。図3に示される大きさ及び寸法は例示の目的のためであり、本書の主題の範囲を限定するものではないことが理解される。
【0039】
上記したように、体液試料の物理的又はレオロジー特性を測定する1つの技術は、磁性材料を含むマイクロポストに磁場を介して磁力を印加することによるものである。例えば、マイクロポストアレイ114のようなマイクロポストアレイの磁性マイクロポストは、磁場及び磁場勾配から力又はトルクを受けるであろう。特に、磁力は、関心のある試料が配置されるマイクロポストに作用してもよい。上記したように、試料は、血液又は粘液などの体液であってよい。同様に、磁性マイクロポストは、幾つかの磁気特性(常磁性、強磁性、反磁性など)の1つを持つことを特徴とし、さらにアレイ内のマイクロポストの幾つか又は全てが磁性を有してもよい。磁力がマイクロポストに加えられると、強磁性材料を含むマイクロポストは、加えられる磁力及び体液試料によって与えられる力に特有な方法で動く。磁場の影響を受ける時のマイクロポストの動きが、その後に測定されてよい。磁場へのマイクロポストの応答は、試料の固有の線形及び非線形の粘弾性特性などの機械的特性、並びに物性の1つの指標としても使用されることができる。
【0040】
一実施形態では、本書の主題は、体液試料の種々の特性を試験するように構成されたスタンドアロン(standalone)の装置を含む。体液試料の特性を試験するためのスタンドアロン装置のその一実施形態は、ポイントオブケア(POC)携帯(handheld)装置を含む。例えば、図4は、本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なポイントオブケアシステムを示すブロック図である。一実施形態では、本書の主題は、携帯機器に具体化されるポイントオブケアシステムとして実装されることができる。図4は、作動システム402と、動き検出システム404と、処理装置406とを含む携帯機器400を示す。又、機器400は、挿入された使い捨てのタブ408を受けるのに適合された入口ポート(ingress port )416を含んでもよい。タブ408は、マイクロポストアレイ114のようなマイクロポストアレイを含む端部410を含んでもよい。端部410は、小さなサンプルサイズの体液試料(例えば、血液、粘液、滑液等)を受ける(receive)ように構成されている。上述のように、マイクロポスト又は繊毛はシリコンベースの柱又はマイクロポストを含んでもよく、その幾つかは先端(即ち、基板底部に付着していない端)で強磁性材料を含んでもよい。一実施形態では、マイクロポストは垂直に並んでもよい。マイクロポストは又、マイクロポスト先端に配置されたときに細胞を引き付けるため、フィブロネクチン、細胞外基質タンパク質などの物質で刻み付けられ(stamped with)てもよい。一実施形態では、作動システム402によって生成された作動力(例えば、磁力)がマイクロポストの動きをもたらすために、試料を含む端部410が作動システム402に十分に近付くようにタブ408がポート416に挿入されてもよい。
【0041】
一実施形態では、作動システム402は、低消費電力システム(即ち、小型電池又は小型のハンドクランクによって生成された手動作動のいずれかによって電気的に動いてよい)を含む。例えば、作動システム402は、時間的に変化する磁場を生成するように適合された小さな回転永久磁石を含んでよい。タブ408の端部410に磁場を加えるため、機器400がユーザによって制御されてもよく、それによってマイクロポストの動き(例えば、振動)を端部410に引き起こす。マイクロポストが作動システム402によって強制的に動かされる時、動き検出システム404は、マイクロポストの動きを端部410で測定及び記録してもよい。一実施形態では、動き検出システム404は、磁場中のマイクロポストの動きに基づいて電流を生成する磁気ピックアップコイルを含んでよい。例えば、動き検出システム404は、磁気ピックアップコイル内の振幅及び/又は発生した電流の位相を測定するために次に使用されてもよい。生成された電流の振幅及び位相は、マイクロポストの動きに対応する。代替の実施形態では、動き検出システム404は、カメラ又は他の適切な画像装置を使用してマイクロポストの動きを検出する画像システムをその代わりに含んでよい。他の実行では、動き検出システム404は、マイクロポストによる光の散乱、透過、又は反射を測定してもよい。このような実行では、マイクロポストで光を散乱させるため、基板に付着していないマイクロポストの先端は金属化されるか、又は反射材料で処理されてもよい。
【0042】
動き検出システム404によって生成されるデータは、計算及び分析のために処理装置406に転送されてもよい。その代わりに、別のコンピュータ上の処理装置に無線でデータを提供するために、機器400が無線アップリンク(radio uplink)(図示せず)を備えてもよい。処理装置によって実行される計算及び分析は、作動システム402によって加えられる力に基づく流体レオロジーの測定値及び動き検出システム404によって検出されたその結果としての動きを決定することを含んでもよい。
【0043】
図5は、本書に記載された主題の実施形態に係る例示的な高スループットスクリーニング(high-throughput screening)システムを示すブロック図である。一実施では、作動及び光学システムは、国際特許出願公開番号WO2008/ 103430に記載のものと同様であってよく、その開示は参照により本書に組み込まれる。高スループットスクリーニングシステム500は、力を加えることができると共にマイクロポストの応答を測定することができる。一般的に言えば、システム500は、制御及び測定サブシステム502、マルチフォース(multiforce)生成サブシステム504、マルチフォースプレートサブシステム506、並びに画像処理及び光学追跡(tracking optical)サブシステム508を含む。
【0044】
高スループットスクリーニングシステム、即ちマルチフォース生成サブシステム504並びに画像処理及び光学追跡サブシステム508のための作動及び動き検出システムは、作動中、上記ポイントオブケアシステムと同様であってよい。高スループットスクリーニングシステム及びポイントオブケアシステムの作動システムの間の1つの物理的な差異は、作動システムがマルチウェルマイクロタイタープレート内の各ウェル又は隣接するウェルの小グループに反復される(replicate)であろうということである。マルチウェルマイクロタイタープレートのための動き検出システムは、マイクロポストの動きを検出するために散乱光を測定する光学系、マイクロタイタープレートの各ウェル若しくはウェルのグループを撮像するカメラを含む画像システム、又は各ウェル内のマイクロポストの動きによって生成される電流の振幅及び位相を測定するピックアップコイルを含んでよいが、これらに限定されない。
【0045】
一実施形態では、マルチフォース生成サブシステム504は、図7Aに示されるような励起アセンブリ(exciter assembly)700などの、磁気作動ブロック(drive block)を含む。サブシステム504は又、余分な熱を放散し、又はシステム500を目標温度に維持するため、適切な冷却機構(図示せず)を含んでもよい。一実施形態では、サブシステム504は、著しく大きい力(例えば、10ナノニュートンよりも大きい力)を、三次元球面上の複数の方向において3キロヘルツ以上までの周波数で変化させて生成することができる。
【0046】
高スループットスクリーニングシステム500は又、マルチフォースプレートサブシステム506を含む。マルチフォースプレートサブシステム506は、複数の試料ウェル300を含む図6に示される、マルチウェルプレート600などのマイクロタイタープレートを含んでもよい。ウェルプレートは又、ウェルプレートの底部として機能するカバーガラス板と結合させてもよい。マルチフォースプレートサブシステム506は又、マルチフォース生成サブシステム504の励起極(excitation pole )と磁気(又は電気的)結合を形成するために使用される複数のフィールド形成極(field-forming pole)を含んでもよい。これは、マルチフォースプレートサブシステム506がマルチフォースプレート702として表される、図7Aにより良く示される。
【0047】
制御及び測定サブシステム502は又、マイクロポストの測定された動きによって決まる、試料の機械的特性を測定するために使用される機械的特性モジュール510を含んでもよい。画像処理及び光学追跡サブシステム508は又、力の印加と同時に、又は連続した力が加えられた後のいずれかで、幾つかの種類の測定を実行するために用いられてもよい。例えば、光学系508は、顕微鏡対物上に各ウェル300を体系的に(systematically)配置することができるロボットステージ(robotic stage)を持つ、単一の試料画像処理システムを含んでもよい。その代わりに、光学系508は、幾つかのウェルを同時に撮像可能なアレイベースのシステムを含んでもよい。記録された画像は、マイクロポスト位置などを追跡するために使用されてもよい。
【0048】
図6は、本書に記載された主題の実施形態に係る例示的なマルチウェルプレートを示す。マルチウェルプレート600は、複数の試料ウェル300を含む。各試料ウェルは、マイクロポストアレイ114の少なくとも一部からマイクロポストを含む。一実施形態では、マルチウェルプレート600は、底の無いマルチウェルマイクロタイタープレートである。このような実施形態では、PDMS"インク"が接着剤として機能し、マルチウェルプレート600をマイクロポストアレイ114に付着させるよう、マルチウェルプレート600の一方の側が例えばPDMSである未硬化のマイクロポスト材料で"インク付けられ(inked)"、さらにマイクロポストアレイ114に押し付けられ、その後に硬化されてもよい。図6は、上から見た時の、このような実施形態を示す。システム500は、最初は標準的な96ウェルプレート配列(例えば、図のように従来のマイクロタイタープレート)で利用されるように設計されたが、システム500がより小さな又は大きな数のウェルを収容するように容易に適合されてもよい。
【0049】
図7Aは、本書に記載された主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットシステムのマルチフォースプレートからの励起アセンブリの例示的な分離を示す図である。図7Aを参照すると、励起アセンブリ700は、自身のそれぞれがコイル704を含んでよい複数の励起極708を含んでもよい。磁場を発生するコイル704は、標準的なワイヤラップボビン(wire-wrapped bobbin)、又はその代わりに、多層プリント回路基板上にパターンされたコイルを含んでもよい。後者の実施形態は、特に高開口数顕微鏡又はより小さなウェル配置によって強いられるであろう、狭い空間的制約に良く適している。励起極708は、磁束もどり(magnetic flux return)プレート706に取り付けられてもよい。一実施形態では、励起極708及び磁束もどりプレート706は、軟鉄のような高透磁率材料から製造されてもよい。マルチフォースプレート702は、フィールド形成極710に隣接する複数の試料ウェル300を備える。試料ウェル300は、マイクロタイターウェルプレートの試料室を含んでもよい。一実施形態では、フィールド形成極710は、磁性材料の薄いシート(例えば、シート磁性材料からレーザー切断され又はフォトリソグラフィマスクを用いた電着による)から製造されてもよく、さらに励起極708によって伝達される磁束を試料ウェル300内のマイクロポストに伝えるのに関与する。
【0050】
特に、フィールド形成極710は、ウェル300に近接して配置されてもよい。各ウェル300は、マイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含んでよい。一実施形態では、マイクロポストアレイ114のマイクロポストは、磁化され得る強磁性材料又は極性を持ち得る強誘電材料を含むマイクロポストを含んでよい。磁気の適用においては、磁性マイクロポストは、常磁性又は反磁性材料を含むことができる。電気の適用においては、マイクロポストアレイ114のマイクロポストは、極性を持ち、荷電し、又は帯電可能な(chargeable)粒子を含むことができる。励起極708がマルチフォースプレート702のフィールド形成極710に近付くか又は接触させられていないため(さらに、コイル704に電源が入っていないため)、図7Aは力が作動されていないことを示す。特に、作動が磁力によって引き起こされる実施形態では、励起極708及びフィールド形成極710が物理的に接触する必要はなく;励起極がフィールド形成極に近づけられてコイルが作動すると磁気回路が完成し、磁場が生成されてマイクロポストアレイ714の磁性マイクロポストが作動する。
【0051】
図7Bは、本書に記載された主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの断面図を示す図である。図7Bは、フィールド形成極/カバーガラス板の結合された組み合わせを有する極プレート(pole plate)の別の断面図を示す。組立マルチフォースプレート702を作成するため、カバーガラス板714(結合されたフィールド形成極710を含む)はさらに、底の無いウェルプレート600及びマイクロポストアレイ114に結合されている。各試料ウェル300は、マイクロポストアレイ114からのマイクロポストの少なくとも一部を含むことができる。励起アセンブリ700はプレート702上に示される。一実施形態では、光学系508は、励起アセンブリ700の照明開口部716にレンズ配置を含んでもよい。
【0052】
一実施形態では、システム500の典型的な動作は、マルチフォースプレート702に試料が充填され、処理され、その後に励起アセンブリ700と係合されることを含む。同時に、磁場を介した力を加えている間にマイクロポストの動きを測定するため、結合したシステムが倒立顕微鏡対物上に配置されてもよい。その代わり、上記のように、ピックアップコイルの電流の変化を介してマイクロポストの動きが測定又は観察されてもよい。
【0053】
一実施形態では、制御及び測定サブシステム502は、コンピュータで制御されるように設計されてよく、さらに、それはコイル704のそれぞれから磁束を生成することができる。試料ウェル300の近くの限られた一組内に磁束を生成するか、又はマルチフォースプレート704上の全てのウェル内に場(フィールド)及び力を生成するよう、各コイル704での磁束の制御はコイル内の電流を調整することによって達成される。作動された試料ウェルの特定の構成について、どのコイルを作動するかを決定する方程式は、磁気回路及び電気回路の量の間の既知の対応と共に、回路理論の標準的な線形方程式によって解くことができる。
【0054】
複数の試料ウェルに磁場を印加することに加え、本書の主題は又、本書に記載された主題の一実施形態に係るマルチフォースプレート内の1つの指定されたウェルに、選択的に電力を供給することも可能である。図8Aは、本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォースプレートの1つのウェルを選択的に励磁することを示す図である。図8Aにおいて、磁束もどりプレート706は、磁束のもどりの経路として機能する高透磁率磁性材料のシートを表す。シリンダーは、励起極708を介して伝達される磁束の生成に関与するコイル704を表す。カバーガラス板714は、複数の試料ウェル300として描かれて各々がマイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含むマルチウェルプレート(例えば、マイクロタイタープレート)の底部を表す。一実施形態では、極プレートを形成するため、カバーガラス板714が薄箔フィールド形成極710と一体化されている。磁気作動ブロック又は励起アセンブリ700は励起極708に結合される単一の磁束もどしプレート706を有し、励起極708はフィールド形成極710のこの層に接触するように配置されてもよい。(コイル704を介して)磁束を生成する励起極708に加えて、励起アセンブリ700は、コイルを備えない磁束もどりポスト712を含んでもよい。磁束もどりポスト712は、磁束もどりプレート706に戻り経路を提供することにより磁気回路を完成するように構成されている。それぞれ分離したウェルに磁束の戻り経路を提供することにより、個々のウェルの制御が達成されてもよい。例えば、特定の試料ウェルに加えられる場及び力は、その特定の試料ウェルに供給されるコイルの電流によって主に生成される。このことは、励起極708及び磁束もどりポスト712がフィールド形成極710と接触する図8Aに示される。特に、励起極7082がフィールド形成極7102と接触し、コイル7042が作動されるため、磁束800のみが生成される。磁束800は、電流コイル7042を通ってフィールド形成極7102へ周り、試料ウェル3002のギャップを越えて磁束もどりポスト7122を通って後退し、その後に磁束もどりプレート706を通って磁気回路を完成するラインとして示される。特に、コイル7041及び7043が作動していないため、試料ウェル3001及び3003には磁束が存在しない。
【0055】
代わりの実施形態では、磁束もどりプレート706は、各コイル704として機能する局所的な戻り経路によって置き換えられてもよい。これは、コイル704の一端からフィールド形成極710を通り、さらに外円筒を通ってコイル704の他端に戻る経路をとる磁束を有し、各コイル704を覆う円筒形キャップを含んでもよい。この実施は、実験方法において最大限の融通性を可能にすることにより、他のウェルの全てから各ウェル300を分離するのに役立つであろう。
【0056】
図8Bは、励起アセンブリ700及び組立マルチフォースプレート702の結合を示す。特に、図8Bは、マルチフォースプレート702の試料ウェル300と一体化されるフィールド形成極710と、磁気的に接触させられる励起アセンブリ700を示す。磁力を形成するため、励起極708はフィールド形成極710と結合される必要があり、さらにコイル704は電圧を印加される必要がある。具体的には、磁気回路抵抗(magnetic circuit reluctance)を最小限にするため、磁束は、磁束戻り経路に磁気結合されるコイル704の組によって生成される。例えば、励起極708は、コイル704からフィールド形成極710へ磁束を伝達し、その後に磁束もどりプレート706(上記の磁束もどりポストを介して)へ戻る。このようにして、比較的低い回路抵抗が得られると共にフィールド形成極710で大きな磁場及び力を生成する磁気回路が形成される。この構成では、マルチフォースプレート702内の各フィールド形成極710が励起極708によって作動される。
【0057】
磁束800の経路は、励起アセンブリ700内でコイル704とつながりそれ自身が閉じた実線として表示される。この構成では、各コイルは、1つの試料ウェルに割り当てられる。コイル704が電流を受けると、磁束800が励起極708で生成され、対応するフィールド形成極に結合し、それにより、対応する試料ウェル300内でマイクロポストアレイ114の磁性マイクロポストなどの磁性材料に力を加える。特に、磁束800の磁束経路は、1つの試料ウェルに局在化される。
【0058】
一実施形態では、試料ウェル300の少なくとも幾つかのマイクロポストにて、電荷を帯びた粒子又は分子に電界を加えるために本書の主題が使用されてもよい。これは、励起極に電位(コイル巻線を介して磁気ポテンシャルを加える代わりに)を印加し、試料ウェル内に電界を形成するために励起極をフィールド形成極と結合することによって達成することができ、この電界は、今度は偏極又は荷電した粒子を有するマイクロポストを動かす。
【0059】
図7B及び図8Bは、励起アセンブリ700の概略断面がマルチフォースプレート702の上に配置される、設計されたシステムの動作を示すことに留意すべきである。図7B及び8Bは、その配置がコイル、試料ウェル、及び磁束戻り経路の間の関係を表す略図形式で示されることに留意すべきである。実際の設計は、図7B及び8Bに示すような"切断"断面を持たないであろう。代替の実施形態では、励起極708が上向きで、励起アセンブリ700がマルチフォースプレート702の下に配置されてもよい。さらに、他の実施形態では、マルチウェルプレート600がまずマイクロポストアレイ114に付着されてもよく、その後にその組み合わせが極プレートの上に配置される。
【0060】
図9A及び図9Bは、本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。一実施形態では、"ポールパターンラミネート(pole pattern laminate)"がマルチフォースプレートの底面を形成するように設計される。図9A及び9Bは、リソグラフィー及び湿式化学エッチングの組み合わせを使用し、箔シート(例えば、パーマロイ)にエッチングされてよいフィールド形成極710の典型的な4x4配列を示す。フィールド形成極は、高分解能顕微鏡に適するカバーガラス板(即ち、極プレートを形成するための)に結合されてもよい。この結合されたシートは、その後に標準のマイクロタイタープレートのような底の無いマルチウェルプレートの底面に貼付されてもよい。図9Aは、極プレート900の特定の構造を示す。一実施形態では、極プレート900は、"極-平面(pole-flat )"領域を形成するためにエッチングされた磁気パーマロイ箔のシートを含んでもよく、極-平面には、高勾配磁場を形成するために平坦な領域(flat one)の近傍に鋭い極先端が配置されている。図9Bは、"涙滴"要素902の丸みを帯びた端がウェルの1つを埋めることを示す。要素902の"先端"からの磁束は、自身の"翼(wing)"906が他の2つの隣接するウェルを覆う反対側の平面で、金属膜に再び入る。コイル極(coil post)708、即ち励起極は、涙滴形の要素902の丸みを帯びた端に結合するように並び、一方で他の2つの隣接するウェル内の2つの磁束もどりポスト712は、翼906に結合するように並ぶ。鋭い先端が平坦な領域(flat one)に対向する高勾配フィールド(field)領域が試料ウェル内になるように配置される。励起アセンブリ704がマルチフォースプレートの上に配置されると、励起アセンブリ714の照明開口部716(図10に示すように)が試料ウェルに並ぶ。
【0061】
図9Bは又、マルチフォースプレートを形成するために極プレート900がマルチウェルプレートの底部に結合されると、それは試料のために全ての4つのウェルを残し、ウェルの残りは励起極708及び磁束もどりポスト712を収容するために使用されることを示しす。特に、図9Bは、マルチウェルプレート600の上に重ねられる極プレート900の視点から、本書の主題がどのように見えるかを示し、それは今度は反対側の励磁又はコイルアセンブリに結合される。図9Bに示すように、マルチウェルプレート及び極プレートの組み合わせは、"概念的に"2x2のウェルセクションに分割されてもよい。具体的には、それぞれの試料ウェル(例えば、ウェル300)について、1つのウェル(例えば、ウェル908)が励起極708から磁束を伝達するのに使用される一方で、2つの隣接するウェル(例えば、ウェル912及び914)は磁束もどりプレートへ磁束を戻すために使用される。ウェルからの戻り経路が互いに結合されているという事実は、電気回路で接地板(ground plane)を持つことに相当するように、磁気回路の範囲では重要ではない。
【0062】
マルチフォースプレート702は、全てのウェル300に同時に接触するか又は近接するフィールド形成極710を持つように設計されてもよい。一実施形態では、試料アレイにおいてフィールド配置の変更に便利なように、フィールド形成極710が励起アセンブリ700から分離してもよい。さらに、マルチフォースプレート702は、試料アレイ(即ち、マルチウェルプレート)に組み込まれてもよく、又は別であってもよい。一実施形態では、試料ウェル300内に配置されたマイクロポストアレイ114のマイクロポストと接触するために試料ウェルに突出する多数のフィールド形成極710を、各ウェル300が持つように、マルチフォースプレート702がマルチウェルプレートに組み込まれる。
【0063】
他の多くのフィールド形成極の構成が試料ウェル内に想定されてもよい。一つのありうる構成は、それらのそれぞれの近傍に大きな力を持つが、対称性のために中央では低い力を持つであろう、2つの同一の極を伴う"極-極(pole-pole)"形状を含んでよい。同様に、自身の領域の近傍にそれぞれ力を提供し、複数の鋭い先端を持つ"櫛(comb)"形状が考えられる。"櫛"構造は、試料ウェル内でより多くのマイクロポストへ大きな力を印加することを可能にする、大きく効果的な"力領域(force-area)"生成物(product)を提供するであろう。
【0064】
図10は、本書の主題で使用され得る例示的な励起アセンブリ700を示す。励起アセンブリ700は、コイルポスト(coil post)708、磁束もどりポスト712、及び照明開口部716を含む。図10は4x4アレイの実施形態のみを示すが、標準の384ウェルマルチウェルプレートを対象にするため、実寸大(full scale)の励起アセンブリが製造されることができる。透過顕微鏡法を可能にするため、励起アセンブリはさらに開放孔である96の照明開口部を含むであろう。具体的には、384マルチウェルプレート用に設計された励起アセンブリは、4つのウェルのうち3つを磁気システムのために使用し、96ウェルを試料のために有効にさせる。つまり、マルチウェルプレートの4穴毎(2x2配列)について、2つは磁束もどりポスト712に使用され、1つは照明開口部716に使用され、さらに1つはコイルポスト708に使用される。
【0065】
中央コイルポスト708を含む円筒形開口1000は、磁束を形成するコイルを保持するために使用される(例えば、ワイヤがコイルポスト708の周りに巻かれ、円筒形開口1000内に取り付けられる)。磁束は、中央ポスト708を通り、マルチフォースプレートの底面上の極プレートに取り付けられているフィールド形成極に結合される。磁束は、試料ウェルに隣接する2つのウェルを介してマルチフォースプレートから入る磁束もどりポスト712を通って戻る。一実施形態では、励起アセンブリ700は、高透磁率及び高磁気飽和(saturation)、並びに低ヒステリシスのため、軟鉄から機械加工されてもよい。
【0066】
図11は、本書に開示される主題の実施形態に係る試料の物理的、化学的、又はレオロジー特性を決定するための例示的なプロセス1100を示すフローチャートである。図11を参照すると、ブロック1102で、例えば、各ウェルがマイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含むマルチフォースプレートのウェル300内のマイクロポストのような、マイクロポストアレイのマイクロポストに試料が配置される。ブロック1104においては、作動力がマイクロポストの近傍に生成される。この例に続いて、マルチフォースプレートは試料ウェルに対応する位置にフィールド形成極を備え、フィールド形成極は場を形成するために使用される。一実施形態では、フィールド形成極は、フィールド形成極の近傍に電界又は磁場の少なくとも一つを形成するために使用される。マイクロポストを動かし、ウェル内の試料の物理的又はレオロジー特性を試験するため、フィールド形成極は電界若しくは磁場及び/又はそれらの勾配を介して、ウェル内に位置するマイクロポストに力を加える。
【0067】
ブロック1106では、試料ウェル300内のマイクロポストのような、マイクロポストへの効果が測定される。一実施形態では、全てのマイクロポストの示された動きが測定され、試料の特性を決定する際に使用するために平均化されてもよい。別の実施形態では、1又はそれ以上の特定のマイクロポスト、又はマイクロポストの群の動きが測定されて計算に使用されてもよい。
【0068】
ブロック1108では、測定されたデータは、試料の物理的、化学的又はレオロジー特性の少なくとも一つを決定するために処理される。
【0069】
本書に開示される主題の種々の詳細は、本書に開示される主題の範囲から逸脱することなく変更されてもよいことが理解されるであろう。さらに、上記の説明は例示のために過ぎず、限定を目的とするものではない。
【技術分野】
【0001】
関連する出願
この出願は2009年6月25日に出願された米国仮特許出願No. 61/220,563の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本書に援用される。この出願は又、2009年8月14日に出願された米国仮特許出願No. 61/234,177の利益を主張し、その開示は参照によりその全体が本書に援用される。
【0002】
政府の利益
本書に開示される主題は、全米科学財団によって与えられた助成金No.NSF / NIRT 0507151の下に米国の政府の支援で行われた。従って、米国政府は、本書に開示される主題に一定の権利を有する。
【0003】
技術分野
本書に開示される主題は、表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用して体液の物理的特性を測定するための方法及びシステムに関する。より具体的に、本書に開示される主題は、体液レオロジーを評価するために表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
血栓や粘液などの体液の粘弾性は、それらの能力(performance)にとって重要である。これらの流体の粘弾性特性の測定は、患者の診断と治療を支援するための医療専門家へ、貴重な情報を提供することができる。例えば、血栓を形成する時の速度と強度は、遺伝、病気、薬、又は環境によって影響を受ける可能性がある。血栓の物理的性質を分析することは、治療がどのくらいよく効いているか若しくは効きそうか、又はひょっとしたら治療介入が必要かを決定するのに有用となる重要な情報を提供するであろう。
【0005】
現在、血栓の弾性は、通常は手術を伴うポイントオブケア(POC)、又は分析実験室環境内のいずれかで測定される。ポイントオブケアシステムにおける血栓の粘弾性を理解するための技術は、幾つかの異なる戦略を使用する。一つの技術は、光学的検出によるなどの何らかの方法でモニターされる、チューブを通る流れを用いる。別の技術は、成長中の血栓中に懸濁される電磁ビーズを用い、このビーズは磁場の適用を介して移動させられる。移動するビーズの検出は光学によって行われ、ビーズの動きの停止は血栓が形成されたことを示す。
【0006】
分析実験室環境では、トロンボエラストグラフィー(TEG)などの技術は、血液中の凝固効率を試験することができる。TEGは試料の巨視的な量を使用し、互いに対して2つの表面をせん断的に(in shear)動かすことで粘弾性を測定する。形状は、通常は同心円筒である。同様の技術は、粘液のような他の体液の粘弾性を測定するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
体液のレオロジー特性を試験する現在の方法に関しては欠点がある。TEGのような実験手法は、高スループットの機器として実現されていないので、本質的に試験は一度に1つずつ実行される必要がある。ポイントオブケア技術は、臨床検査ほど高感度又は定量的ではなく、実験室解析に取って代わることはできない。さらに、試料の巨視的量は、実験室解析のために一般に必要とされる。
【0008】
従って、体液レオロジー技術に関連したこれらの欠点を踏まえると、体液レオロジーを評価するために表面に付着されて作動されるマイクロポストを使用するための方法及びシステムの必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一の態様によれば、本書に開示される主題は、基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイに前記試料を配置し、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み;前記マイクロポストを作動させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させることを含む方法を含む。この方法はさらに、前記作動力に応じて前記マイクロポストの少なくとも1つの動きを測定し、及び前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する、ことを含む。
【0010】
他の態様によれば、本書に開示される主題は、基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイと、少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させる作動装置と、動きを示す前記マイクロポストの少なくとも1つの動きを測定する動き検出装置と、前記マイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する処理装置と、を有する、体液試料の特性を測定するシステムを含む。
【0011】
別の態様によれば、本書に開示される主題は、基板の少なくとも幾つかの細孔の中に、金属特性、磁性、熱特性、光学特性、及び強誘電体特性の少なくとも1つを含む材料を堆積させることを含む、マイクロポストアレイを製造する方法を含む。この方法はさらに、前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記細孔と相互接続するよう、硬化した時に柔軟性を有する硬化性材料を前記細孔に充填することを含む。この方法はさらに、前記材料を硬化させ、及び前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、ことを含む。
【0012】
さらに別の態様によれば、本書に開示される主題は、硬化した時に柔軟性を有する硬化性材料を、基板内の複数の垂直に並ぶ(vertically- aligned)細孔に充填することを含む、マイクロポストアレイを製造する方法を含む。前記硬化性材料は複数のナノ粒子を含む。この方法はさらに、ナノ粒子の分布が不均一になるよう、細孔の中でナノ粒子を一方向に引き寄せるために力を加えることを含む。この方法はさらに、前記硬化性材料を硬化させ、及び前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、ことを含む。
【0013】
体液のレオロジーを評価するため、表面に付着して作動されるマイクロポストを使用するために本書に開示される主題は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせに実行されてもよい。そのようなものとして、本書で使用される用語"機能"又は"モジュール"は、記述されている機能を実行するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアに言及する。一の例示的な実行では、本書に記述された主題は、コンピュータのプロセッサによって実行されると、ステップを実行するために前記コンピュータを制御する、コンピュータで実行可能な命令を自身に格納したコンピュータ読取り可能な媒体を使用して実行されてもよい。本書に記述される主題を実行するのに適した典型的なコンピュータ読取り可能な媒体は、ディスクメモリ装置(disc memory devices)、チップメモリ装置(chip memory devices)、プログラム可能論理回路(programmable logic devices)、及び特定用途向け集積回路のような、一時的でない(non-transitor)コンピュータ読取り可能な媒体を含む。さらに、本書に記述される主題を実行するコンピュータ読取り可能な媒体は、単一の素子(device)若しくは計算プラットホームに存在することができ、又は複数の素子若しくは計算プラットホームに分散されることができる。
【0014】
本書に開示される主題の好ましい実施形態は、添付の図面に関して説明され、同様な参照数字は同様な部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示す図である。
【図1B】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示す図である。
【図1C】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための別の例示的な製造方法を示す図である。
【図2】本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な方法を示すブロック図である。
【図3】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマイクロポストアレイの図である。
【図4】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なポイントオブケアシステムを示すブロック図である。
【図5】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的な高スループットスクリーニングシステムを示すブロック図である。
【図6】本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマルチウェルプレートの図である。
【図7A】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットシステムのマルチフォースプレートからの励起アセンブリの例示的な分離を示す図である。
【図7B】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの断面図を示す図である。
【図8A】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォースプレートの1つのウェルの選択的な励起を示す図である。
【図8B】本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの動作を示す図である。
【図9A】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。
【図9B】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。
【図10】本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適した励起アセンブリの磁心の図である。
【図11】本書に開示される主題の実施形態に係る試料の物理的、化学的、又はレオロジー特性を決定するための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本書に開示される主題に従い、体液(biofluid)レオロジーを評価するため、作動され表面に付着したポスト(post)を使用するための方法及びシステムのためのシステム、方法、及びコンピュータ読取り可能な媒体が提供される。本書に開示される主題は、電気的、磁気的、熱的(thermal)、又は音波(sonic)力など、マイクロポストアレイ(micropost array)の柔軟なマイクロポスト(micropost)に印加される力を加えることに向けられ、このアレイは少なくとも一部がエラストマーのような弾性材料で構成される。体液試料の粘弾性特性は、上記のマイクロポストの上又はその近傍に体液を配置し、マイクロポストに作動力を加えることによって測定することができる。上記主題はさらに、マイクロポストの動き又は経時的な動きの変化を測定することを含む。マイクロポストアレイのマイクロポストは例えば、ポイントオブケア(point of care)機器と共に使用されるタブ(tab)上、又はベンチトップ(bench-top)実験機器に適した形式で、高スループット(high-throughput)用途(application)のためのマルチウェルプレート(multiwell plate)内に配置されることができる。
【0017】
本書の主題の範囲内に含まれる多くの可能な実施形態が存在する。後に続く詳細な実施形態の基礎として、より広い発明概念が今議論される。本書の主題の実施形態は、関心のある試料が配置されて作動力が加えられるマイクロポストアレイ内のマイクロポストによって示される、動きの検出と測定に基づく。検出された動きは、その後、試料について要求される情報を得るために分析されてもよい。
【0018】
例えば、本書の主題の一つの例示的な方法は、基板底部(substrate base)から外側に伸びる複数の柔軟なマイクロポストを有するマイクロポストアレイに、血液などの体液試料を配置することを含む。
【0019】
用語"マイクロポストアレイ"は、本書では、典型的には高さが1-100μmに及び、基板から外側に延びる微小なポストの配列を記述するために使用される。一実施形態では、マイクロポストアレイのマイクロポストは垂直に並んでもよい。特に、各マイクロポストは基板に付着した基部端(proximal end)及び基部端の反対側の先端(distal end)又は先を含む。用語"体液"は、本書では、血液、粘液(例えば、痰、眼液、副鼻腔(sinus)液、及び子宮頸部(cervical)液)、滑液、膿及びやけどに起因する排泄物を含むがこれに限定されない、体によって形成された全ての流体を言及するために使用される。
【0020】
体液試料を配置すると、マイクロポストアレイの近傍に作動力が生成され、それは少なくともマイクロポストの幾つかに動きを示させる。本書において、用語"作動力"は、マイクロポストに加わる力をいう。例えば、作動力は、磁気、熱的、音波、又は電気力を含んでもよい。特に、作動力は、周波数又は振幅の関数として、又は衝撃力(即ち、ステップ関数)として加えられてもよい。同様に、他の作動力は、例えばマイクロポストアレイを流れる流体の流れのように、本書の主題の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0021】
作動力に反応してマイクロポストが動きを示すにつれ、マイクロポストの動きが測定又は検出されることができる。動き検出システムは、個々の若しくは特定のマイクロポスト、マイクロポストの群、又は全てのマイクロポストの動きを測定するように構成されてもよい。このマイクロポストの動作を検出及び測定するための手段は、光学、磁気、音波、又は電気的な追跡システムを含んでもよい。これらの検出システムは以下により詳細に説明される。
【0022】
最後にマイクロポストの動きが測定された後、測定データは、測定された動きに基づいて試料の少なくとも1つの特性を決定するためにデータを処理する処理装置に供給される。例えば、血液検体が凝固し始めるにつれてマイクロポストの動きは制限され、結果として生じる測定値が凝固時間を決定するために使用されてもよい。
【0023】
体液試料の典型的な特性は、凝固特性、化学的性質、レオロジー特性、物性等を含んでもよい。一実施形態では、体液試料(即ち、血液)の凝固特性を決定するため、処理装置は、PT、PTT、APPT、及びINRアッセイを含むがこれらに限定されない既存の血栓測定アッセイを使用するように構成されてもよい。処理装置はさらに又はその代わり、上記したような血液の凝固時間、又は血栓の絶縁破壊時間(breakdown time)(即ち、一定期間の測定)を決定するように構成されてもよい。別の実施形態では、特に特定のマイクロポスト又はマイクロポストの群の動きが測定された場合には、試料の不均一性を決定するため、処理装置はマイクロポスト動き測定データを使用するように構成されてもよい。他の実施形態は、例えば、試料への薬物の効果を決定するか、又は試料中のDNAの存在を検出してもよい。特に、このタイプのデータは、体液試料のレオロジー的特性に基づいて疾病を検出し、又は薬を処方するためのような、多くの実用的な用途を持つ。同様に、マイクロポストに試薬又は酵素を加えることにより、処理装置は化学センサーとして使用されてもよい。
【0024】
マイクロポストアレイを製造するために使用される材料は多様である。マイクロポストの敏感な動きを可能にするため、マイクロポストアレイは、例えばエラストマーのような少なくとも幾つかの弾性材料を含む。マイクロポスト自身は、柔軟な又は非可撓性(non-flexible)の基板材料上のエラストマーから完全又は部分的に構成されてもよい。その代わり、試料及び加えられた力に応答してマイクロポストが動くことを可能とするため、基板底部材料が弾性的である限り、マイクロポストが非可撓性材料で構成されてもよい。本書に記述されるマイクロポストアレイは、バイオミメティック繊毛(biomimetic cilia)、即ち、生物学的な繊毛に類似するシリコーン(silicone)で形成された構造の配列と見なされるかもしれない。
【0025】
一実施形態では、マイクロポストを構成するエラストマーは、全体に分散された様々な材料のナノ粒子を含んでもよく、それは、特定の用途のためにマイクロポストの特性を微調整することを可能する。本書において、ナノ粒子は、金属粒子、強磁性粒子、強誘電体粒子、熱的粒子、又は光学粒子を含むがこれらに限定されない。さらに、高濃度の粒子がマイクロポストの片側又は端部に存在することができるよう、マイクロポスト材料に懸濁されたナノ粒子がマイクロポスト全体に不均一に分散されてもよい。その代わりに、マイクロポストの全高さ又はマイクロポストの高さの一部のみに延びる棒(rod)やシェル(shell)などの固体材料片を含むよう、マイクロポストが製造されてもよい。さらなる実施形態は、アレイ製造の後にマイクロポストを被覆することを含んでもよく、特に熱作動方式のため、それはマイクロポストの一方の面に被覆するために斜めに(obliquely)被覆されてもよい。
【0026】
用語"強磁性"は、強磁性、反磁性、常磁性、超常磁性、フェリ磁性及び磁性流体を含むがこれらに限定されない任意の磁性材料に言及するために本書で使用される。同様に、用語"フェロエラストマー(ferroelastomer)"は、ナノ粒子がどのようにエラストマーに結合されているかに関係なく、全体に分散されたあらゆるタイプの磁性ナノ粒子も含むエラストマーに言及するために本書で使用され、さらに強磁性、常磁性及び超常磁性粒子を含むがこれらに限定されない。用語"強誘電体"は、圧電性、焦電性及び常誘電体材料を含むがこれらに限定されない、あらゆる誘電材料に言及するために本書で使用される。
【0027】
マイクロポストのために選択される材料は、特に作動方式、即ちマイクロポストに加えられる力の性質に関し、マイクロポストアレイの使用目的によって決まる。電気力、即ち電気的作動方法を適用する場合、考慮すべきマイクロポスト材料の特性は、誘電率、分極率及び材料の電荷を含む。磁気的作動方法、即ち磁力が適用される場合、マイクロポスト材料の重要な特性は、透磁率とヒステリシスを含む。
【0028】
熱的作動方法のために考慮すべきマイクロポスト材料の特性は、熱膨張係数、吸光度及び材料の熱容量を含む。マイクロポストが流れ、即ち流体がマイクロポストを横断して流され、結果として得られるポストのたわみが測定される場合、考慮すべき要因は形状(直径と長さ)及びマイクロポストの弾性特性を含む。
【0029】
マイクロポストの動きを測定するための検出機構も変化し、通常はマイクロポストアレイの製造材料によって決まるであろう。検出機構は、磁気的、光学的、音波、若しくは電気的検知システム、又は装置を含んでよいがこれらに限定されない。一実施形態では、磁気検出手段は、マイクロポスト内の磁性材料を含むであろうし、ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、又は半導体(solid state)デバイス及びシステムを利用してもよい。同様に一実施形態では、特にマイクロポストが自身の先端及び/又は側面に反射材料を含むように製造されている場合に、マイクロポストが動く時に光の反射(reflective)、透過又は散乱を測定するため、光学的検出手段はマイクロポスト内に光学材料すなわち、吸収、反射、又は散乱特性を含むがこれらに限定されない光学特性を有する材料又は粒子を含んでもよい。一実施形態では、光学的検出手段は、画像(imaging)システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、又は透過光測定システムを含んでもよい。音波及び電気的検出方法は、同様の方法で動作してもよい。マイクロポストの動きの検出及び測定は、粗く(in coarseness)変化してもよい。即ち、1又はそれ以上の個々のマイクロポスト、マイクロポストの群、又は特定の試料に関連する全てのマイクロポストについて、測定が実行されてよい。
【0030】
本書の主題の特定の実施形態で使用される特定の検出機構に関係なく、検出機構は、マイクロポストの動きの振幅及び位相を測定するように構成される。一実施形態では、振幅又は位相の変化は、周波数の関数として測定されるであろう。加えられる作動力に反応してマイクロポストが振動する時、分析中の試料の特性を決定するために振幅又は位相の変化が使用されてもよい。処理装置は、マイクロポストの測定された動きに基づき、体液試料の種々の特性を計算するために使用されてもよい。例えば、体液試料が血液である場合、そのような特性の1つは凝固時間が含まれてもよい。本書の主題は又、線形若しくは非線形レオロジー、又は化学センシング(chemical sensing)に使用されてもよい。化学センシングに使用される場合、酵素、化学物質、又は薬などの物質がマイクロポスト及び/又はマイクロポスト周囲の試料に塗布(apply)されてもよく、マイクロポストの動きを測定することによって試料の応答が決定されてもよい。
【0031】
本書の主題の例示的な実施形態への参照がここで詳細になされ、その実施例は添付の図面で説明され、可能な限り、同一の参照数字は同等の部分を参照するために図面を通して使用される。
【0032】
図1A及び1Bは、本書に開示される主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造するための例示的な二相(two-phase)法を説明する図である。例示的なフォトリソグラフィー製造方法の第1相(Phase 1)が図1Aに示される。ステップ1では、シリコン(silicon)基板100がフォトレジスト102で被覆され、さらにクロムの特性を有する石英マスクであってよいマスク104でマスクされる。マスク104は、アレイ内の磁気ポストの直径及び間隔を規定する。マスクされたフォトレジストは紫外線(UV)線106に曝され、さらに架橋されなかったフォトレジストを除去するために市販の現像液で洗われる。ステップ2では、シリコン基板100の非被覆領域がエッチングされる。一実施形態では、基板内部に複数の細孔(前述の使用されたマスクで規定されるような)を作成する深彫反応性イオンエッチャー(DRIE)を使用し、エッチングが行われる。エッチング細孔の深さはマイクロポストの高さを規定する。一実施形態では、エッチング細孔の各々の深さは6-25ミクロンの間である。ステップ3では、強磁性材料(例えば、鉄)がDRIEエッチングされたシリコン基板100上に堆積される。一実施形態では、鉄層108は、プラズマ蒸着装置又は他の幾つかの蒸着(deposition)技術を用いて堆積されてもよい。一実施形態では、鉄層108は、ポストの高さの1/3及び1/2の間、即ちエッチングされた細孔の深さの1/3から1/2の間であってもよい。その後、残った(架橋された)フォトレジスト102が除去され、それによって望ましくない鉄も基板100表面から除去する。
【0033】
例示的なフォトリソグラフィー製造方法の第2相(Phase 2)が図1Bに示される。ステップ4では、そこに堆積された鉄を有する複数の細孔を持つようエッチングされたシリコン基板100が、再度フォトレジスト102で被覆される。その後、クロムマスクを同様に含んでよいマスク110が、フォトレジストで覆われた基板100に適用され、フォトレジスト層102が紫外線106に曝される。その後、架橋されなかったフォトレジストは市販の現像液を使用して除去される。マスク104とは異なるマスク110は、磁性マイクロポストにおいて堆積された鉄を囲むマイクロポスト材料の直径を規定する。マスク110は又、非磁性マイクロポストの直径及び間隔を規定し、即ちマスク110は、堆積した鉄の周りの細孔を広げ、さらに磁気を帯びないマイクロポストための新たな細孔を生成する。一実施形態では、全てのマイクロポストは、堆積された磁性材料を含む。別の実施形態では、マイクロポストアレイの幾つかのマイクロポストは磁性材料を含まない。この例示的な製造方法を用いて、作動力に応答するマイクロポストの位置、配置、及び数が設計又は調整されることができる。ステップ5では、シリコン基板102から露出したシリコンが、第1相と同じ深さに(例えば、DRIEを使用して)再びエッチングされる。残ったフォトレジストは除去されるであろう。ステップ6で、新たに作成された細孔及び拡大された細孔は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)のような未硬化のマイクロポスト材料112で充填される。PDMSを充填されたシリコン基板100は、次に硬化させられる。一実施形態では、基板は80度(degree)で1時間硬化させられる。ステップ7では、硬化したPDMSマイクロポストアレイ114がシリコン基板100から除去される。マイクロポストアレイ114は、例えば、シリコン基板100から硬化したPDMSを静かに剥がすか、又はマイクロポストアレイ114のみを残してシリコンを特異的にエッチング除去するための溶液を用いて、除去されてもよい。例えば、マイクロポストアレイ114は、複数の柔軟で付着された(attached)マイクロポストを持つものとして図1Bに示され、少なくとも幾つかマイクロポストは、基本的に遠位端又は先端に埋め込まれた1片の(single piece)鉄を含む。
【0034】
代わりの実施形態では、マイクロポストを成型するため、シリコン基板を使用するのではなく、薄いポリカーボネートのシートのような材料が使用されてもよい。即ち、各マイクロポスト内の磁気ロッドの大きさを規定するため、フォトリソグラフィマスクが1つのみ使用される。この実施形態では、マイクロポストアレイ114の全てのマイクロポストは、磁性材料を含む。この実施形態の製造プロセスは、基本的に図1Aに示す製造プロセスの第1相のステップに従う。しかしながら、本実施形態では、鉄の堆積の前に、例えば、パルスレーザー堆積システムを用いて堆積されることができる銀などの材料で、ポリカーボネートシートの穴が裏打ち(backed with)されてもよい。その後、鉄が堆積され、残ったフォトレジストが上記と同一の方法で除去される。この実施形態の第2相は、追加の細孔が作成されない点、つ??まり、第2のマスクが無く、マイクロポストアレイが磁気及び非磁性マイクロポストの組み合わせではなく、磁性マイクロポストのみを含む点で上記したものとは少し異なる。それぞれ鉄の堆積物を含むポリカーボネートの細孔は、その後にエッチングによって(例えば、4M水酸化ナトリウムを使用して)広げられてもよい。拡大された細孔は、その後にPDMSで満たされ、前述のように硬化させられる。硬化後、銀の裏打ち(backing)は除去されてもよい。一実施形態では、銀の裏打ちは、50%硝酸洗浄を用いて除去される。マイクロポストアレイは、その後にポリカーボネートシートから除去されるであろう。例えば、ポリカーボネートを溶解し、それによってアレイを取り外すジクロロメタンを使用して、アレイが除去されてもよい。
【0035】
代わりの実施形態において、電気化学析出(electrochemical deposition)法を用いて細孔内にシェル状構造を形成するため、磁性材料が細孔の側壁に沿って堆積させられてもよい。典型的な製造プロセスが図1Cに示される。ステップ1では、シリコン基板100がフォトレジスト102で被覆された後、マスク116でマスクされる。一実施形態では、マスク116はクロムの特性を有する石英マスクである。マスク116は、アレイ内の全てのポストの直径と間隔を規定する。マスクされたフォトレジストは紫外線106に曝され、さらに架橋されなかったフォトレジストを除去するために市販の現像液で洗われる。ステップ2ではその後、好ましくは基板内に複数の細孔を作成するための深彫反応性イオンエッチャー(DRIE)により、シリコン基板100の非被覆の領域がエッチングされる。エッチング細孔の深さはマイクロポストの高さを決定する。ステップ3では、シリコン基板100の少なくとも幾つかのDRIEエッチング孔に磁性材料(例えば、ニッケル)が堆積され、さらに残った(架橋した)フォトレジスト102が除去される。ニッケル層118は、電気化学析出を用いて堆積させることができる。ニッケル層118は、細孔の全高にわたって細孔の側壁を覆ってもよく、又は、例えば細孔の側壁の下半分のみに選択的に堆積されてもよい。磁性材料が所望の厚さと高さで堆積されると、細孔は硬化性のマイクロポストの材料112で充填され、さらにステップ4で硬化させられる。ステップ5では、硬化したマイクロポストアレイが、図1Bの記述にて前述したように、基板100から取り除かれる。
【0036】
図2は、本書に記述された主題の実施形態に係るマイクロポストアレイを製造する別の例示的な方法を示す図である。1片の強磁性材料を持つ幾つかの又は全てのマイクロポストを有するマイクロポストアレイに加えて、マイクロポストアレイは又、アレイを形成する前に、PDMSのような未硬化のマイクロポスト材料内に強磁性材料が堆積されるように製造されてもよい。このような実施形態では、マイクロポストが複合フェロエラストマーで構成されるよう、強磁性材料が粒子、ロッド(棒)、点、ビーズ等の形態であってよい。膜200は、複数の細孔を有する膜である。膜200は、マイクロポストアレイの製造のためのテンプレート又は鋳型として機能してもよく、さらに例えば、トラックエッチングされた(track etched)膜であってもよい。ステップ1では、膜200は、強磁性- PDMS複合体であってよいフェロエラストマー材料202で充填される。ステップ2では、フェロエラストマー202が硬化させられる。フェロエラストマー202がさらなる処理を受けずに硬化させられる場合、フェロエラストマーの強磁性粒子は、結果として得られるそれぞれのマイクロポスト内に実質的に均一な分布を持つ。しかしながら、それぞれのマイクロポストの動きをもたらす磁力の能力を向上させるため、硬化プロセスの前又はその間に、磁力(図示せず)を用いて強磁性粒子がそれぞれの細孔の頂部に引き寄せられて(draw to)もよい。得られたマイクロポストのそれぞれは、基板に付着していない遠位端又は先端に高濃度の強磁性材料を有するであろう。その結果、印加された磁場を使用してマイクロポストが作動されているとき、得られた各マイクロポストの動きは、強磁性材料が均一に分布するか、又は各マイクロポストの基板端に向かって濃縮しているときよりも大きくなるであろう。ステップ3では、例えば、剥離することにより、硬化したフェロエラストマー204の表面層が除去される。ステップ4では、各マイクロポストの先端に濃縮した複数の強磁性粒子を含むマイクロポストを有する、製造されたマイクロポストアレイ206が膜200から取り除かれる。
【0037】
これらの実施形態は、シリコン基板、ポジ型フォトレジスト及びフォトリソグラフィ技術を用いて説明されたが、ネガ型フォトレジスト又は他のリソグラフィ技術及び材料は、本書に開示される主題の意図された範囲から逸脱することなく用いられることができる。さらに、マスク104及び110、並びに膜200は、以下に記述されるように、マルチウェルプレートで使用されるように具体的に設計及び製造されることができる。
【0038】
図3は、本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なマイクロポストアレイの図である。マイクロポストアレイ114の走査電子顕微鏡像が表示される。アレイ114は、以下で詳しく説明されるマルチウェルマイクロタイタープレート(multiwell microtiter plate)と共に使用されることができる。図3は又、マルチウェルプレートのウェル300内にあるであろうマイクロポストアレイ114のマイクロポストについて、大きさと間隔の可能な変動を示す。図3は又、アレイのマイクロポストは、大きさ及びアレイ上の互いの近接において異なることを示す。例えば、ボックス302は、直径0.6マイクロメートルで、互いに1.4マイクロメートル離れて配置されたマイクロポストを示す。同様に、ボックス304は又、直径0.6マイクロメートルであるが2.6マイクロメートル離れているマイクロポストを示す。ボックス306は、直径1マイクロメートルで1.5マイクロメートル離れているマイクロポストを示す一方で、ボックス308は直径1マイクロメートルで3マイクロメートル離れているマイクロポストを示す。図3に示される大きさ及び寸法は例示の目的のためであり、本書の主題の範囲を限定するものではないことが理解される。
【0039】
上記したように、体液試料の物理的又はレオロジー特性を測定する1つの技術は、磁性材料を含むマイクロポストに磁場を介して磁力を印加することによるものである。例えば、マイクロポストアレイ114のようなマイクロポストアレイの磁性マイクロポストは、磁場及び磁場勾配から力又はトルクを受けるであろう。特に、磁力は、関心のある試料が配置されるマイクロポストに作用してもよい。上記したように、試料は、血液又は粘液などの体液であってよい。同様に、磁性マイクロポストは、幾つかの磁気特性(常磁性、強磁性、反磁性など)の1つを持つことを特徴とし、さらにアレイ内のマイクロポストの幾つか又は全てが磁性を有してもよい。磁力がマイクロポストに加えられると、強磁性材料を含むマイクロポストは、加えられる磁力及び体液試料によって与えられる力に特有な方法で動く。磁場の影響を受ける時のマイクロポストの動きが、その後に測定されてよい。磁場へのマイクロポストの応答は、試料の固有の線形及び非線形の粘弾性特性などの機械的特性、並びに物性の1つの指標としても使用されることができる。
【0040】
一実施形態では、本書の主題は、体液試料の種々の特性を試験するように構成されたスタンドアロン(standalone)の装置を含む。体液試料の特性を試験するためのスタンドアロン装置のその一実施形態は、ポイントオブケア(POC)携帯(handheld)装置を含む。例えば、図4は、本書に開示される主題の実施形態に係る例示的なポイントオブケアシステムを示すブロック図である。一実施形態では、本書の主題は、携帯機器に具体化されるポイントオブケアシステムとして実装されることができる。図4は、作動システム402と、動き検出システム404と、処理装置406とを含む携帯機器400を示す。又、機器400は、挿入された使い捨てのタブ408を受けるのに適合された入口ポート(ingress port )416を含んでもよい。タブ408は、マイクロポストアレイ114のようなマイクロポストアレイを含む端部410を含んでもよい。端部410は、小さなサンプルサイズの体液試料(例えば、血液、粘液、滑液等)を受ける(receive)ように構成されている。上述のように、マイクロポスト又は繊毛はシリコンベースの柱又はマイクロポストを含んでもよく、その幾つかは先端(即ち、基板底部に付着していない端)で強磁性材料を含んでもよい。一実施形態では、マイクロポストは垂直に並んでもよい。マイクロポストは又、マイクロポスト先端に配置されたときに細胞を引き付けるため、フィブロネクチン、細胞外基質タンパク質などの物質で刻み付けられ(stamped with)てもよい。一実施形態では、作動システム402によって生成された作動力(例えば、磁力)がマイクロポストの動きをもたらすために、試料を含む端部410が作動システム402に十分に近付くようにタブ408がポート416に挿入されてもよい。
【0041】
一実施形態では、作動システム402は、低消費電力システム(即ち、小型電池又は小型のハンドクランクによって生成された手動作動のいずれかによって電気的に動いてよい)を含む。例えば、作動システム402は、時間的に変化する磁場を生成するように適合された小さな回転永久磁石を含んでよい。タブ408の端部410に磁場を加えるため、機器400がユーザによって制御されてもよく、それによってマイクロポストの動き(例えば、振動)を端部410に引き起こす。マイクロポストが作動システム402によって強制的に動かされる時、動き検出システム404は、マイクロポストの動きを端部410で測定及び記録してもよい。一実施形態では、動き検出システム404は、磁場中のマイクロポストの動きに基づいて電流を生成する磁気ピックアップコイルを含んでよい。例えば、動き検出システム404は、磁気ピックアップコイル内の振幅及び/又は発生した電流の位相を測定するために次に使用されてもよい。生成された電流の振幅及び位相は、マイクロポストの動きに対応する。代替の実施形態では、動き検出システム404は、カメラ又は他の適切な画像装置を使用してマイクロポストの動きを検出する画像システムをその代わりに含んでよい。他の実行では、動き検出システム404は、マイクロポストによる光の散乱、透過、又は反射を測定してもよい。このような実行では、マイクロポストで光を散乱させるため、基板に付着していないマイクロポストの先端は金属化されるか、又は反射材料で処理されてもよい。
【0042】
動き検出システム404によって生成されるデータは、計算及び分析のために処理装置406に転送されてもよい。その代わりに、別のコンピュータ上の処理装置に無線でデータを提供するために、機器400が無線アップリンク(radio uplink)(図示せず)を備えてもよい。処理装置によって実行される計算及び分析は、作動システム402によって加えられる力に基づく流体レオロジーの測定値及び動き検出システム404によって検出されたその結果としての動きを決定することを含んでもよい。
【0043】
図5は、本書に記載された主題の実施形態に係る例示的な高スループットスクリーニング(high-throughput screening)システムを示すブロック図である。一実施では、作動及び光学システムは、国際特許出願公開番号WO2008/ 103430に記載のものと同様であってよく、その開示は参照により本書に組み込まれる。高スループットスクリーニングシステム500は、力を加えることができると共にマイクロポストの応答を測定することができる。一般的に言えば、システム500は、制御及び測定サブシステム502、マルチフォース(multiforce)生成サブシステム504、マルチフォースプレートサブシステム506、並びに画像処理及び光学追跡(tracking optical)サブシステム508を含む。
【0044】
高スループットスクリーニングシステム、即ちマルチフォース生成サブシステム504並びに画像処理及び光学追跡サブシステム508のための作動及び動き検出システムは、作動中、上記ポイントオブケアシステムと同様であってよい。高スループットスクリーニングシステム及びポイントオブケアシステムの作動システムの間の1つの物理的な差異は、作動システムがマルチウェルマイクロタイタープレート内の各ウェル又は隣接するウェルの小グループに反復される(replicate)であろうということである。マルチウェルマイクロタイタープレートのための動き検出システムは、マイクロポストの動きを検出するために散乱光を測定する光学系、マイクロタイタープレートの各ウェル若しくはウェルのグループを撮像するカメラを含む画像システム、又は各ウェル内のマイクロポストの動きによって生成される電流の振幅及び位相を測定するピックアップコイルを含んでよいが、これらに限定されない。
【0045】
一実施形態では、マルチフォース生成サブシステム504は、図7Aに示されるような励起アセンブリ(exciter assembly)700などの、磁気作動ブロック(drive block)を含む。サブシステム504は又、余分な熱を放散し、又はシステム500を目標温度に維持するため、適切な冷却機構(図示せず)を含んでもよい。一実施形態では、サブシステム504は、著しく大きい力(例えば、10ナノニュートンよりも大きい力)を、三次元球面上の複数の方向において3キロヘルツ以上までの周波数で変化させて生成することができる。
【0046】
高スループットスクリーニングシステム500は又、マルチフォースプレートサブシステム506を含む。マルチフォースプレートサブシステム506は、複数の試料ウェル300を含む図6に示される、マルチウェルプレート600などのマイクロタイタープレートを含んでもよい。ウェルプレートは又、ウェルプレートの底部として機能するカバーガラス板と結合させてもよい。マルチフォースプレートサブシステム506は又、マルチフォース生成サブシステム504の励起極(excitation pole )と磁気(又は電気的)結合を形成するために使用される複数のフィールド形成極(field-forming pole)を含んでもよい。これは、マルチフォースプレートサブシステム506がマルチフォースプレート702として表される、図7Aにより良く示される。
【0047】
制御及び測定サブシステム502は又、マイクロポストの測定された動きによって決まる、試料の機械的特性を測定するために使用される機械的特性モジュール510を含んでもよい。画像処理及び光学追跡サブシステム508は又、力の印加と同時に、又は連続した力が加えられた後のいずれかで、幾つかの種類の測定を実行するために用いられてもよい。例えば、光学系508は、顕微鏡対物上に各ウェル300を体系的に(systematically)配置することができるロボットステージ(robotic stage)を持つ、単一の試料画像処理システムを含んでもよい。その代わりに、光学系508は、幾つかのウェルを同時に撮像可能なアレイベースのシステムを含んでもよい。記録された画像は、マイクロポスト位置などを追跡するために使用されてもよい。
【0048】
図6は、本書に記載された主題の実施形態に係る例示的なマルチウェルプレートを示す。マルチウェルプレート600は、複数の試料ウェル300を含む。各試料ウェルは、マイクロポストアレイ114の少なくとも一部からマイクロポストを含む。一実施形態では、マルチウェルプレート600は、底の無いマルチウェルマイクロタイタープレートである。このような実施形態では、PDMS"インク"が接着剤として機能し、マルチウェルプレート600をマイクロポストアレイ114に付着させるよう、マルチウェルプレート600の一方の側が例えばPDMSである未硬化のマイクロポスト材料で"インク付けられ(inked)"、さらにマイクロポストアレイ114に押し付けられ、その後に硬化されてもよい。図6は、上から見た時の、このような実施形態を示す。システム500は、最初は標準的な96ウェルプレート配列(例えば、図のように従来のマイクロタイタープレート)で利用されるように設計されたが、システム500がより小さな又は大きな数のウェルを収容するように容易に適合されてもよい。
【0049】
図7Aは、本書に記載された主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットシステムのマルチフォースプレートからの励起アセンブリの例示的な分離を示す図である。図7Aを参照すると、励起アセンブリ700は、自身のそれぞれがコイル704を含んでよい複数の励起極708を含んでもよい。磁場を発生するコイル704は、標準的なワイヤラップボビン(wire-wrapped bobbin)、又はその代わりに、多層プリント回路基板上にパターンされたコイルを含んでもよい。後者の実施形態は、特に高開口数顕微鏡又はより小さなウェル配置によって強いられるであろう、狭い空間的制約に良く適している。励起極708は、磁束もどり(magnetic flux return)プレート706に取り付けられてもよい。一実施形態では、励起極708及び磁束もどりプレート706は、軟鉄のような高透磁率材料から製造されてもよい。マルチフォースプレート702は、フィールド形成極710に隣接する複数の試料ウェル300を備える。試料ウェル300は、マイクロタイターウェルプレートの試料室を含んでもよい。一実施形態では、フィールド形成極710は、磁性材料の薄いシート(例えば、シート磁性材料からレーザー切断され又はフォトリソグラフィマスクを用いた電着による)から製造されてもよく、さらに励起極708によって伝達される磁束を試料ウェル300内のマイクロポストに伝えるのに関与する。
【0050】
特に、フィールド形成極710は、ウェル300に近接して配置されてもよい。各ウェル300は、マイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含んでよい。一実施形態では、マイクロポストアレイ114のマイクロポストは、磁化され得る強磁性材料又は極性を持ち得る強誘電材料を含むマイクロポストを含んでよい。磁気の適用においては、磁性マイクロポストは、常磁性又は反磁性材料を含むことができる。電気の適用においては、マイクロポストアレイ114のマイクロポストは、極性を持ち、荷電し、又は帯電可能な(chargeable)粒子を含むことができる。励起極708がマルチフォースプレート702のフィールド形成極710に近付くか又は接触させられていないため(さらに、コイル704に電源が入っていないため)、図7Aは力が作動されていないことを示す。特に、作動が磁力によって引き起こされる実施形態では、励起極708及びフィールド形成極710が物理的に接触する必要はなく;励起極がフィールド形成極に近づけられてコイルが作動すると磁気回路が完成し、磁場が生成されてマイクロポストアレイ714の磁性マイクロポストが作動する。
【0051】
図7Bは、本書に記載された主題の実施形態に係るマルチフォース高スループットスクリーニングシステムの断面図を示す図である。図7Bは、フィールド形成極/カバーガラス板の結合された組み合わせを有する極プレート(pole plate)の別の断面図を示す。組立マルチフォースプレート702を作成するため、カバーガラス板714(結合されたフィールド形成極710を含む)はさらに、底の無いウェルプレート600及びマイクロポストアレイ114に結合されている。各試料ウェル300は、マイクロポストアレイ114からのマイクロポストの少なくとも一部を含むことができる。励起アセンブリ700はプレート702上に示される。一実施形態では、光学系508は、励起アセンブリ700の照明開口部716にレンズ配置を含んでもよい。
【0052】
一実施形態では、システム500の典型的な動作は、マルチフォースプレート702に試料が充填され、処理され、その後に励起アセンブリ700と係合されることを含む。同時に、磁場を介した力を加えている間にマイクロポストの動きを測定するため、結合したシステムが倒立顕微鏡対物上に配置されてもよい。その代わり、上記のように、ピックアップコイルの電流の変化を介してマイクロポストの動きが測定又は観察されてもよい。
【0053】
一実施形態では、制御及び測定サブシステム502は、コンピュータで制御されるように設計されてよく、さらに、それはコイル704のそれぞれから磁束を生成することができる。試料ウェル300の近くの限られた一組内に磁束を生成するか、又はマルチフォースプレート704上の全てのウェル内に場(フィールド)及び力を生成するよう、各コイル704での磁束の制御はコイル内の電流を調整することによって達成される。作動された試料ウェルの特定の構成について、どのコイルを作動するかを決定する方程式は、磁気回路及び電気回路の量の間の既知の対応と共に、回路理論の標準的な線形方程式によって解くことができる。
【0054】
複数の試料ウェルに磁場を印加することに加え、本書の主題は又、本書に記載された主題の一実施形態に係るマルチフォースプレート内の1つの指定されたウェルに、選択的に電力を供給することも可能である。図8Aは、本書に開示される主題の実施形態に係るマルチフォースプレートの1つのウェルを選択的に励磁することを示す図である。図8Aにおいて、磁束もどりプレート706は、磁束のもどりの経路として機能する高透磁率磁性材料のシートを表す。シリンダーは、励起極708を介して伝達される磁束の生成に関与するコイル704を表す。カバーガラス板714は、複数の試料ウェル300として描かれて各々がマイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含むマルチウェルプレート(例えば、マイクロタイタープレート)の底部を表す。一実施形態では、極プレートを形成するため、カバーガラス板714が薄箔フィールド形成極710と一体化されている。磁気作動ブロック又は励起アセンブリ700は励起極708に結合される単一の磁束もどしプレート706を有し、励起極708はフィールド形成極710のこの層に接触するように配置されてもよい。(コイル704を介して)磁束を生成する励起極708に加えて、励起アセンブリ700は、コイルを備えない磁束もどりポスト712を含んでもよい。磁束もどりポスト712は、磁束もどりプレート706に戻り経路を提供することにより磁気回路を完成するように構成されている。それぞれ分離したウェルに磁束の戻り経路を提供することにより、個々のウェルの制御が達成されてもよい。例えば、特定の試料ウェルに加えられる場及び力は、その特定の試料ウェルに供給されるコイルの電流によって主に生成される。このことは、励起極708及び磁束もどりポスト712がフィールド形成極710と接触する図8Aに示される。特に、励起極7082がフィールド形成極7102と接触し、コイル7042が作動されるため、磁束800のみが生成される。磁束800は、電流コイル7042を通ってフィールド形成極7102へ周り、試料ウェル3002のギャップを越えて磁束もどりポスト7122を通って後退し、その後に磁束もどりプレート706を通って磁気回路を完成するラインとして示される。特に、コイル7041及び7043が作動していないため、試料ウェル3001及び3003には磁束が存在しない。
【0055】
代わりの実施形態では、磁束もどりプレート706は、各コイル704として機能する局所的な戻り経路によって置き換えられてもよい。これは、コイル704の一端からフィールド形成極710を通り、さらに外円筒を通ってコイル704の他端に戻る経路をとる磁束を有し、各コイル704を覆う円筒形キャップを含んでもよい。この実施は、実験方法において最大限の融通性を可能にすることにより、他のウェルの全てから各ウェル300を分離するのに役立つであろう。
【0056】
図8Bは、励起アセンブリ700及び組立マルチフォースプレート702の結合を示す。特に、図8Bは、マルチフォースプレート702の試料ウェル300と一体化されるフィールド形成極710と、磁気的に接触させられる励起アセンブリ700を示す。磁力を形成するため、励起極708はフィールド形成極710と結合される必要があり、さらにコイル704は電圧を印加される必要がある。具体的には、磁気回路抵抗(magnetic circuit reluctance)を最小限にするため、磁束は、磁束戻り経路に磁気結合されるコイル704の組によって生成される。例えば、励起極708は、コイル704からフィールド形成極710へ磁束を伝達し、その後に磁束もどりプレート706(上記の磁束もどりポストを介して)へ戻る。このようにして、比較的低い回路抵抗が得られると共にフィールド形成極710で大きな磁場及び力を生成する磁気回路が形成される。この構成では、マルチフォースプレート702内の各フィールド形成極710が励起極708によって作動される。
【0057】
磁束800の経路は、励起アセンブリ700内でコイル704とつながりそれ自身が閉じた実線として表示される。この構成では、各コイルは、1つの試料ウェルに割り当てられる。コイル704が電流を受けると、磁束800が励起極708で生成され、対応するフィールド形成極に結合し、それにより、対応する試料ウェル300内でマイクロポストアレイ114の磁性マイクロポストなどの磁性材料に力を加える。特に、磁束800の磁束経路は、1つの試料ウェルに局在化される。
【0058】
一実施形態では、試料ウェル300の少なくとも幾つかのマイクロポストにて、電荷を帯びた粒子又は分子に電界を加えるために本書の主題が使用されてもよい。これは、励起極に電位(コイル巻線を介して磁気ポテンシャルを加える代わりに)を印加し、試料ウェル内に電界を形成するために励起極をフィールド形成極と結合することによって達成することができ、この電界は、今度は偏極又は荷電した粒子を有するマイクロポストを動かす。
【0059】
図7B及び図8Bは、励起アセンブリ700の概略断面がマルチフォースプレート702の上に配置される、設計されたシステムの動作を示すことに留意すべきである。図7B及び8Bは、その配置がコイル、試料ウェル、及び磁束戻り経路の間の関係を表す略図形式で示されることに留意すべきである。実際の設計は、図7B及び8Bに示すような"切断"断面を持たないであろう。代替の実施形態では、励起極708が上向きで、励起アセンブリ700がマルチフォースプレート702の下に配置されてもよい。さらに、他の実施形態では、マルチウェルプレート600がまずマイクロポストアレイ114に付着されてもよく、その後にその組み合わせが極プレートの上に配置される。
【0060】
図9A及び図9Bは、本書に開示される主題の実施形態で使用するのに適したフィールド形成極の例示的な配列の図である。一実施形態では、"ポールパターンラミネート(pole pattern laminate)"がマルチフォースプレートの底面を形成するように設計される。図9A及び9Bは、リソグラフィー及び湿式化学エッチングの組み合わせを使用し、箔シート(例えば、パーマロイ)にエッチングされてよいフィールド形成極710の典型的な4x4配列を示す。フィールド形成極は、高分解能顕微鏡に適するカバーガラス板(即ち、極プレートを形成するための)に結合されてもよい。この結合されたシートは、その後に標準のマイクロタイタープレートのような底の無いマルチウェルプレートの底面に貼付されてもよい。図9Aは、極プレート900の特定の構造を示す。一実施形態では、極プレート900は、"極-平面(pole-flat )"領域を形成するためにエッチングされた磁気パーマロイ箔のシートを含んでもよく、極-平面には、高勾配磁場を形成するために平坦な領域(flat one)の近傍に鋭い極先端が配置されている。図9Bは、"涙滴"要素902の丸みを帯びた端がウェルの1つを埋めることを示す。要素902の"先端"からの磁束は、自身の"翼(wing)"906が他の2つの隣接するウェルを覆う反対側の平面で、金属膜に再び入る。コイル極(coil post)708、即ち励起極は、涙滴形の要素902の丸みを帯びた端に結合するように並び、一方で他の2つの隣接するウェル内の2つの磁束もどりポスト712は、翼906に結合するように並ぶ。鋭い先端が平坦な領域(flat one)に対向する高勾配フィールド(field)領域が試料ウェル内になるように配置される。励起アセンブリ704がマルチフォースプレートの上に配置されると、励起アセンブリ714の照明開口部716(図10に示すように)が試料ウェルに並ぶ。
【0061】
図9Bは又、マルチフォースプレートを形成するために極プレート900がマルチウェルプレートの底部に結合されると、それは試料のために全ての4つのウェルを残し、ウェルの残りは励起極708及び磁束もどりポスト712を収容するために使用されることを示しす。特に、図9Bは、マルチウェルプレート600の上に重ねられる極プレート900の視点から、本書の主題がどのように見えるかを示し、それは今度は反対側の励磁又はコイルアセンブリに結合される。図9Bに示すように、マルチウェルプレート及び極プレートの組み合わせは、"概念的に"2x2のウェルセクションに分割されてもよい。具体的には、それぞれの試料ウェル(例えば、ウェル300)について、1つのウェル(例えば、ウェル908)が励起極708から磁束を伝達するのに使用される一方で、2つの隣接するウェル(例えば、ウェル912及び914)は磁束もどりプレートへ磁束を戻すために使用される。ウェルからの戻り経路が互いに結合されているという事実は、電気回路で接地板(ground plane)を持つことに相当するように、磁気回路の範囲では重要ではない。
【0062】
マルチフォースプレート702は、全てのウェル300に同時に接触するか又は近接するフィールド形成極710を持つように設計されてもよい。一実施形態では、試料アレイにおいてフィールド配置の変更に便利なように、フィールド形成極710が励起アセンブリ700から分離してもよい。さらに、マルチフォースプレート702は、試料アレイ(即ち、マルチウェルプレート)に組み込まれてもよく、又は別であってもよい。一実施形態では、試料ウェル300内に配置されたマイクロポストアレイ114のマイクロポストと接触するために試料ウェルに突出する多数のフィールド形成極710を、各ウェル300が持つように、マルチフォースプレート702がマルチウェルプレートに組み込まれる。
【0063】
他の多くのフィールド形成極の構成が試料ウェル内に想定されてもよい。一つのありうる構成は、それらのそれぞれの近傍に大きな力を持つが、対称性のために中央では低い力を持つであろう、2つの同一の極を伴う"極-極(pole-pole)"形状を含んでよい。同様に、自身の領域の近傍にそれぞれ力を提供し、複数の鋭い先端を持つ"櫛(comb)"形状が考えられる。"櫛"構造は、試料ウェル内でより多くのマイクロポストへ大きな力を印加することを可能にする、大きく効果的な"力領域(force-area)"生成物(product)を提供するであろう。
【0064】
図10は、本書の主題で使用され得る例示的な励起アセンブリ700を示す。励起アセンブリ700は、コイルポスト(coil post)708、磁束もどりポスト712、及び照明開口部716を含む。図10は4x4アレイの実施形態のみを示すが、標準の384ウェルマルチウェルプレートを対象にするため、実寸大(full scale)の励起アセンブリが製造されることができる。透過顕微鏡法を可能にするため、励起アセンブリはさらに開放孔である96の照明開口部を含むであろう。具体的には、384マルチウェルプレート用に設計された励起アセンブリは、4つのウェルのうち3つを磁気システムのために使用し、96ウェルを試料のために有効にさせる。つまり、マルチウェルプレートの4穴毎(2x2配列)について、2つは磁束もどりポスト712に使用され、1つは照明開口部716に使用され、さらに1つはコイルポスト708に使用される。
【0065】
中央コイルポスト708を含む円筒形開口1000は、磁束を形成するコイルを保持するために使用される(例えば、ワイヤがコイルポスト708の周りに巻かれ、円筒形開口1000内に取り付けられる)。磁束は、中央ポスト708を通り、マルチフォースプレートの底面上の極プレートに取り付けられているフィールド形成極に結合される。磁束は、試料ウェルに隣接する2つのウェルを介してマルチフォースプレートから入る磁束もどりポスト712を通って戻る。一実施形態では、励起アセンブリ700は、高透磁率及び高磁気飽和(saturation)、並びに低ヒステリシスのため、軟鉄から機械加工されてもよい。
【0066】
図11は、本書に開示される主題の実施形態に係る試料の物理的、化学的、又はレオロジー特性を決定するための例示的なプロセス1100を示すフローチャートである。図11を参照すると、ブロック1102で、例えば、各ウェルがマイクロポストアレイ114の少なくとも一部を含むマルチフォースプレートのウェル300内のマイクロポストのような、マイクロポストアレイのマイクロポストに試料が配置される。ブロック1104においては、作動力がマイクロポストの近傍に生成される。この例に続いて、マルチフォースプレートは試料ウェルに対応する位置にフィールド形成極を備え、フィールド形成極は場を形成するために使用される。一実施形態では、フィールド形成極は、フィールド形成極の近傍に電界又は磁場の少なくとも一つを形成するために使用される。マイクロポストを動かし、ウェル内の試料の物理的又はレオロジー特性を試験するため、フィールド形成極は電界若しくは磁場及び/又はそれらの勾配を介して、ウェル内に位置するマイクロポストに力を加える。
【0067】
ブロック1106では、試料ウェル300内のマイクロポストのような、マイクロポストへの効果が測定される。一実施形態では、全てのマイクロポストの示された動きが測定され、試料の特性を決定する際に使用するために平均化されてもよい。別の実施形態では、1又はそれ以上の特定のマイクロポスト、又はマイクロポストの群の動きが測定されて計算に使用されてもよい。
【0068】
ブロック1108では、測定されたデータは、試料の物理的、化学的又はレオロジー特性の少なくとも一つを決定するために処理される。
【0069】
本書に開示される主題の種々の詳細は、本書に開示される主題の範囲から逸脱することなく変更されてもよいことが理解されるであろう。さらに、上記の説明は例示のために過ぎず、限定を目的とするものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液試料の特性を試験する方法であって:
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイに前記体液試料を配置し、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み;
前記マイクロポストを作動させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させ;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定し;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記体液試料の特性を決定する、
工程を有する方法。
【請求項2】
携帯端末、ポイントオブケア機器、ベンチトップ機器、及び高スループット機器の少なくとも1つによって前記方法が行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも幾つかのマイクロポストは、金属材料、磁性材料、熱的材料、光学材料、及び強誘電体材料の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料は、前記少なくとも幾つかのマイクロポストの高さの少なくとも一部の周りにシェルを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記磁性材料が一片の強磁性材料を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロポストが複数のナノ粒子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のナノ粒子は、金属的、磁性、熱的、光学的、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のナノ粒子は、前記マイクロポストの先端の近傍に濃縮されている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記作動力は、衝撃力、周波数に依存する力、及び振幅に依存する力の1つとして生成される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記動きは、磁気、光学、電気、及び音響の測定手段の少なくとも1つを用いて測定される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記磁気手段は、磁気ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、及び半導体システムの少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光学手段は、画像システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、及び透過光測定システムの少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記作動力は、磁力、電気力、熱的力、音波力、及び流体の流れに関連する力の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記試料の特性を決定することは、前記試料の凝固特性、粘弾性特性、劣化特性、レオロジー特性、物性、及び化学的性質の少なくとも1つを決定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
体液試料の特性を試験するシステムであって、
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイであって、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含むマイクロポストアレイ;
前記マイクロポストを作動させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させる作動装置;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定する動き検出装置;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する処理装置、を有するシステム。
【請求項16】
前記システムは、携帯端末、ポイントオブケア機器、ベンチトップ機器、及び高スループット機器の少なくとも1つである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理装置は、前記動き検出装置から離れて配置されると共に該動き検出装置と無線通信される請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロポストアレイは、単一の体液試料を収容するためのタブの受け端に配置され、前記タブは前記作動装置の近傍に移動される請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも幾つかのマイクロポストは、金属材料、磁性材料、熱的材料、光学材料、及び強誘電体材料の少なくとも1つを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記材料は、前記少なくとも幾つかのマイクロポストの高さの少なくとも一部の周りにシェルを含む請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記磁性材料が一片の強磁性材料を含む請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロポストが複数のナノ粒子を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のナノ粒子は、金属性、磁性、熱的、光学的、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のナノ粒子は、前記マイクロポストの先端の近傍に濃縮されている請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記マイクロポストが金属材料からなる請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記作動力は、衝撃力、周波数に依存する力、及び振幅に依存する力の1つとして生成される請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
前記動き検出装置は、磁気、光学、電気、及び音響の測定手段の少なくとも1つを用いて動きを測定する請求項15に記載のシステム。
【請求項28】
前記磁気手段は、磁気ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、及び半導体システムの少なくとも1つを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記光学手段は、画像システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、及び透過光測定システムの少なくとも1つを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記作動力は、磁力、電気力、熱的力、音波力、及び流体の流れに関連する力の少なくとも1つを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項31】
前記試料の特性を決定することは、前記試料の凝固特性、粘弾性特性、劣化特性、レオロジー特性、物性、及び化学的性質の少なくとも1つを決定することを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項32】
請求項15に記載のシステムであって、
複数の試料を保持するための複数のウェルを含むマルチウェルプレートであって、各ウェルの表面から前記マイクロポストアレイが延びるよう、各ウェルが前記マイクロポストアレイの少なくとも一部を含むマルチウェルプレート:をさらに含み、
かつ前記作動装置がさらに:
自身の表面に複数のフィールド形成極が配置されるマルチフォースプレートであって、各フィールド形成極は、前記マルチウェルプレートの前記ウェルの少なくとも1つに対応する位置で前記マルチフォースプレートの上に配置されるマルチフォースプレートと、
磁気的又は電気的に前記フィールド形成極に結合して磁気的又は電気的効果を生成するため、前記フィールド形成極に対応する位置の上に励起極を有する励起アセンブリと、を含み、前記マイクロポストの動きに影響を与えるため、前記結合されたフィールド形成極は、前記マルチウェルプレートの前記ウェル内に配置される前記マイクロポストに前記磁気的又は電気的効果を加える、システム。
【請求項33】
コンピュータで実行可能な命令を自身に格納したコンピュータ読取り可能な媒体であって、コンピュータのプロセッサによって実行されると、以下を含むステップを実行する前記コンピュータを制御するコンピュータ読取り可能な媒体:
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるため、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み、かつ前記マイクロポストアレイは体液試料を含み;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定し;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する。
【請求項34】
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイを製造する方法であって:
複数の細孔を有する基板の少なくとも幾つかの細孔の中に、金属特性、磁性、熱特性、光学特性、及び強誘電体特性の少なくとも1つを含む材料を堆積させ;
前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記複数の細孔と相互接続するよう、前記複数の細孔に前記硬化性材料を充填し、前記硬化性材料は硬化した時に柔軟性を有し;
前記硬化性材料を硬化させ;及び
前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、
ことを含む方法。
【請求項35】
前記堆積される材料が、一片の強磁性材料である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも幾つかの細孔は、前記基板の表面に塗布されたフォトレジスト材料の第1層に第1パターンをフォトリソグラフィ的に現像するため、第1マスクを用い、さらに前記第1パターンを用いて前記基板内に前記少なくとも幾つかの細孔をエッチングして形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記基板の表面に塗布されたフォトレジスト材料の第2層に第2パターンをフォトリソグラフィ的に現像するため、第2マスクを用いることをさらに含み、前記第2パターンを用いたエッチングは、前記少なくとも幾つかの細孔の前記堆積された材料の周りの同心円領域をエッチングする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2パターンは、堆積された材料を有しない追加の細孔をさらに形成する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
堆積された材料を有する前記少なくとも幾つかの細孔が堆積された材料を有しない前記追加の細孔と交互に配置されるよう、堆積された材料を有しない前記追加の細孔が配置される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記堆積は、前記細孔の深さの少なくとも一部にわたって、前記細孔の側壁に前記材料を電気化学的に堆積することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記堆積された材料は、前記細孔の深さの少なくとも一部にわたって、前記細孔に並ぶニッケルシェルを形成する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の細孔が垂直に並ぶ請求項34に記載の方法。
【請求項43】
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイを製造する方法であって:
前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記複数の細孔と相互接続するよう、基板内の細孔に前記硬化性材料を充填し、前記硬化性材料は硬化した時に柔軟性を有すると共に複数のナノ粒子を含み;
ナノ粒子の濃度が前記細孔内で不均一になるよう、前記複数のナノ粒子を一方向に取り出す力を加え;
前記硬化性材料を硬化させ;及び
前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、
ことを含む方法。
【請求項44】
前記複数のナノ粒子は、金属性、磁性、反射、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記基板を除去した後、前記マイクロポストが材料で斜めに被覆される請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の細孔が垂直に並ぶ、請求項43に記載の方法。
【請求項1】
体液試料の特性を試験する方法であって:
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイに前記体液試料を配置し、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み;
前記マイクロポストを作動させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させ;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定し;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記体液試料の特性を決定する、
工程を有する方法。
【請求項2】
携帯端末、ポイントオブケア機器、ベンチトップ機器、及び高スループット機器の少なくとも1つによって前記方法が行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも幾つかのマイクロポストは、金属材料、磁性材料、熱的材料、光学材料、及び強誘電体材料の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記材料は、前記少なくとも幾つかのマイクロポストの高さの少なくとも一部の周りにシェルを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記磁性材料が一片の強磁性材料を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記マイクロポストが複数のナノ粒子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のナノ粒子は、金属的、磁性、熱的、光学的、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のナノ粒子は、前記マイクロポストの先端の近傍に濃縮されている請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記作動力は、衝撃力、周波数に依存する力、及び振幅に依存する力の1つとして生成される請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記動きは、磁気、光学、電気、及び音響の測定手段の少なくとも1つを用いて測定される請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記磁気手段は、磁気ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、及び半導体システムの少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光学手段は、画像システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、及び透過光測定システムの少なくとも1つを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記作動力は、磁力、電気力、熱的力、音波力、及び流体の流れに関連する力の少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記試料の特性を決定することは、前記試料の凝固特性、粘弾性特性、劣化特性、レオロジー特性、物性、及び化学的性質の少なくとも1つを決定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
体液試料の特性を試験するシステムであって、
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイであって、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含むマイクロポストアレイ;
前記マイクロポストを作動させ、それによって少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるために前記マイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させる作動装置;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定する動き検出装置;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する処理装置、を有するシステム。
【請求項16】
前記システムは、携帯端末、ポイントオブケア機器、ベンチトップ機器、及び高スループット機器の少なくとも1つである請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理装置は、前記動き検出装置から離れて配置されると共に該動き検出装置と無線通信される請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロポストアレイは、単一の体液試料を収容するためのタブの受け端に配置され、前記タブは前記作動装置の近傍に移動される請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも幾つかのマイクロポストは、金属材料、磁性材料、熱的材料、光学材料、及び強誘電体材料の少なくとも1つを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記材料は、前記少なくとも幾つかのマイクロポストの高さの少なくとも一部の周りにシェルを含む請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記磁性材料が一片の強磁性材料を含む請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記マイクロポストが複数のナノ粒子を含む請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数のナノ粒子は、金属性、磁性、熱的、光学的、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数のナノ粒子は、前記マイクロポストの先端の近傍に濃縮されている請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記マイクロポストが金属材料からなる請求項15に記載のシステム。
【請求項26】
前記作動力は、衝撃力、周波数に依存する力、及び振幅に依存する力の1つとして生成される請求項15に記載のシステム。
【請求項27】
前記動き検出装置は、磁気、光学、電気、及び音響の測定手段の少なくとも1つを用いて動きを測定する請求項15に記載のシステム。
【請求項28】
前記磁気手段は、磁気ピックアップコイル、微小電気機械(MEM)システム、及び半導体システムの少なくとも1つを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記光学手段は、画像システム、散乱光測定システム、反射光測定システム、及び透過光測定システムの少なくとも1つを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
前記作動力は、磁力、電気力、熱的力、音波力、及び流体の流れに関連する力の少なくとも1つを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項31】
前記試料の特性を決定することは、前記試料の凝固特性、粘弾性特性、劣化特性、レオロジー特性、物性、及び化学的性質の少なくとも1つを決定することを含む請求項15に記載のシステム。
【請求項32】
請求項15に記載のシステムであって、
複数の試料を保持するための複数のウェルを含むマルチウェルプレートであって、各ウェルの表面から前記マイクロポストアレイが延びるよう、各ウェルが前記マイクロポストアレイの少なくとも一部を含むマルチウェルプレート:をさらに含み、
かつ前記作動装置がさらに:
自身の表面に複数のフィールド形成極が配置されるマルチフォースプレートであって、各フィールド形成極は、前記マルチウェルプレートの前記ウェルの少なくとも1つに対応する位置で前記マルチフォースプレートの上に配置されるマルチフォースプレートと、
磁気的又は電気的に前記フィールド形成極に結合して磁気的又は電気的効果を生成するため、前記フィールド形成極に対応する位置の上に励起極を有する励起アセンブリと、を含み、前記マイクロポストの動きに影響を与えるため、前記結合されたフィールド形成極は、前記マルチウェルプレートの前記ウェル内に配置される前記マイクロポストに前記磁気的又は電気的効果を加える、システム。
【請求項33】
コンピュータで実行可能な命令を自身に格納したコンピュータ読取り可能な媒体であって、コンピュータのプロセッサによって実行されると、以下を含むステップを実行する前記コンピュータを制御するコンピュータ読取り可能な媒体:
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイの近傍に作動力を発生させ、少なくとも幾つかの前記マイクロポストに動きを示させるため、各マイクロポストは前記基板に付着した基部端及び前記基部端の反対側の先端を含み、かつ前記マイクロポストアレイは体液試料を含み;
前記作動力に応じて前記少なくとも幾つかのマイクロポストのうち少なくとも1つの動きを測定し;及び
前記少なくとも1つのマイクロポストの前記測定された動きに基づいて、前記試料の特性を決定する。
【請求項34】
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイを製造する方法であって:
複数の細孔を有する基板の少なくとも幾つかの細孔の中に、金属特性、磁性、熱特性、光学特性、及び強誘電体特性の少なくとも1つを含む材料を堆積させ;
前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記複数の細孔と相互接続するよう、前記複数の細孔に前記硬化性材料を充填し、前記硬化性材料は硬化した時に柔軟性を有し;
前記硬化性材料を硬化させ;及び
前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、
ことを含む方法。
【請求項35】
前記堆積される材料が、一片の強磁性材料である請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも幾つかの細孔は、前記基板の表面に塗布されたフォトレジスト材料の第1層に第1パターンをフォトリソグラフィ的に現像するため、第1マスクを用い、さらに前記第1パターンを用いて前記基板内に前記少なくとも幾つかの細孔をエッチングして形成される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記基板の表面に塗布されたフォトレジスト材料の第2層に第2パターンをフォトリソグラフィ的に現像するため、第2マスクを用いることをさらに含み、前記第2パターンを用いたエッチングは、前記少なくとも幾つかの細孔の前記堆積された材料の周りの同心円領域をエッチングする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2パターンは、堆積された材料を有しない追加の細孔をさらに形成する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
堆積された材料を有する前記少なくとも幾つかの細孔が堆積された材料を有しない前記追加の細孔と交互に配置されるよう、堆積された材料を有しない前記追加の細孔が配置される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記堆積は、前記細孔の深さの少なくとも一部にわたって、前記細孔の側壁に前記材料を電気化学的に堆積することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記堆積された材料は、前記細孔の深さの少なくとも一部にわたって、前記細孔に並ぶニッケルシェルを形成する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記複数の細孔が垂直に並ぶ請求項34に記載の方法。
【請求項43】
基板から外側に伸びる複数のマイクロポストを有するマイクロポストアレイを製造する方法であって:
前記基板の少なくとも1つの平面に沿って硬化性材料が前記複数の細孔と相互接続するよう、基板内の細孔に前記硬化性材料を充填し、前記硬化性材料は硬化した時に柔軟性を有すると共に複数のナノ粒子を含み;
ナノ粒子の濃度が前記細孔内で不均一になるよう、前記複数のナノ粒子を一方向に取り出す力を加え;
前記硬化性材料を硬化させ;及び
前記マイクロポストアレイを形成するために前記基板を除去する、
ことを含む方法。
【請求項44】
前記複数のナノ粒子は、金属性、磁性、反射、及び強誘電的特性の少なくとも1つを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記基板を除去した後、前記マイクロポストが材料で斜めに被覆される請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記複数の細孔が垂直に並ぶ、請求項43に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図6】
【図7A】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図11】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図6】
【図7A】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図11】
【公表番号】特表2012−531595(P2012−531595A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517775(P2012−517775)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/040011
【国際公開番号】WO2010/151780
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/040011
【国際公開番号】WO2010/151780
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]