説明

体液分析装置

【課題】冷蔵庫から出して直ぐの使い捨て検査具であっても、常温に戻されている使い捨て検査具であっても、同じように使うことができる分析装置を提供する。
【解決手段】使い捨て検査具を挿入して、前記使い捨て検査具のセンサ部を介して体液中の成分の分析を行う体液分析装置であって、前記使い捨て検査具を挿入可能な挿入部と、前記挿入された使い捨て検査具のセンサ部の温度を測定可能な温度計測部と、前記挿入された使い捨て検査具のセンサ部の出力を入力するための入力部と、前記センサ部を加熱可能な加熱手段と、前記センサ部からの出力に基づいて体液中の成分の分析処理を行うと共に、前記温度計測部からの出力に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より低い場合には、前記分析処理を実行する前に、センサ部の温度が所定の温度になるまでセンサ部を予熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液例えば血液中のガス成分を分析したりpHを測定するのに使用できる体液分析装置に関し、特に、体液導入孔と、体液導入孔からのびる体液通路と、前記体液通路から供給される体液の少なくとも一つの成分を検出可能なセンサ部とを有する使い捨て検査具を挿入して、前記使い捨て検査具のセンサ部を介して体液中の成分の分析を行う体液分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の分析装置は、例えば病院等において患者の心肺機能を検査する目的で血液の酸性度PH、炭酸ガス分圧PCO2、酸素分圧PO2、ナトリウムイオン濃度Na、カリウムイオン濃度K、塩素イオン濃度Cl、イオン化カルシウム濃度Ca、尿素窒素濃度BUN、グルコース濃度Glu、ヘマトクリット値Hctのような各種ガス分圧やイオン濃度の測定および、重炭酸イオンHCO3−、酸素飽和度SO2、全二酸化炭素量TCO2、塩基過剰BE、ヘモグロビン濃度Hgbのような各種測定結果に基づく演算項目を算出するのに使用され、据置き型や携帯型のものが種々提案され実用に供されている。
出願人は、この種の据置き型や携帯型の分析装置として、分析装置に挿入した後に、体液を導入することができるように構成された使い捨て検査具及び該使い捨て検査具に用いる分析装置を既に提案している(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3761285号公報
【特許文献2】特許第4041560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1及び2に係る使い捨て検査具及び分析装置は、使い捨て検査具を分析装置に挿入した後に、使い捨て検査具に体液を導入することができるように構成されているので、分析すべき体液が分析を行う前に外気に触れることがなく、また、採取した体液に作業者が接触してしまう可能性も極めて少なくなり、かつ、取り扱いが簡単になるという効果を奏する。
上記した特許文献1及び2に係る使い捨て検査具は、それが使い捨てのため、ある程度の量をストックしておく必要がある。しかし、長時間常温下に置いておくとセンサ部が劣化する。そのため、通常は冷蔵庫にて保管をして、使用時には常温に戻してから使用する。しかし、冷蔵庫から出してから常温に戻すのに時間がかかるため、一般的には、数日で使い切るであろう量の使い捨て検査具を予め冷蔵庫から出しておいて、常温に戻しておき、何時でも使えるようにしている。
しかし、このような使い方だと、冷蔵庫から出しておく使い捨て検査具の管理が非常に面倒になる。即ち、冷蔵庫から出しておく数が多すぎると、予定の日数内に使い切らずに使い捨て検査具をダメにしてしまう。逆に、冷蔵庫から出しておく数が少なすぎると、直ぐに使える使い捨て検査具が足らなくなる。血液中のpHおよび血液ガス分析は呼吸機能の病態評価のために実施し、分オーダでの変化を確認し、また分オーダで処置する必要のある患者に対して実施される臨床検査項目である。つまり、緊急性を有する臨床検査項目であるために測定すべき患者が出ることをあらかじめ予測することが出来ず、使用しないときにはほとんど使用しない場合も有り、また突然大量に使用しなければならなくなる事態も発生する検査項目でもある。しかも、測定したいときに直ぐに測定しなければならず、可能な限り短時間で測定する必要がある。そのために、常温の状態から測定する必要があり、すべて冷蔵庫から取り出してインキュベーションを行なうのでは使用に制限が生じる。突然大量に測定する必要が生じた場合、冷蔵庫から出して直ぐに使用すると測定の正確性を確保することが出来ず、臨床検査の目的を果たすことが出来なくなるために、どうしても検査具を常温と同じ温度になるまで待つ必要が生じてくる。
このような問題を解決するために、本願発明は、冷蔵庫から出して直ぐの使い捨て検査具であっても、冷蔵庫から出して常温に戻されている使い捨て検査具であっても、同じように使うことができる分析装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、本発明による体液分析装置は、体液導入孔と、体液導入孔からのびる体液通路と、前記体液通路から供給される体液の少なくとも一つの成分を検出可能なセンサ部とを有する使い捨て検査具を挿入して、前記使い捨て検査具のセンサ部を介して体液中の成分の分析を行う体液分析装置であって、前記使い捨て検査具を挿入可能な挿入部と、前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の温度を測定可能な温度計測部と、前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の出力を入力するための入力部と、前記センサ部を加熱可能な加熱手段と、前記センサ部からの出力に基づいて体液中の成分の分析処理を行うと共に、前記温度計測部からの出力に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記センサ部が前記挿入部から挿入された時に前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より低い場合には、前記分析処理を実行する前に前記加熱手段を作動させて、センサ部の温度が所定の温度になるまでセンサ部を予熱するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による体液分析装置は、体液導入孔と、体液導入孔からのびる体液通路と、前記体液通路から供給される体液の少なくとも一つの成分を検出可能なセンサ部とを有する使い捨て検査具を挿入して、前記使い捨て検査具のセンサ部を介して体液中の成分の分析を行う体液分析装置であって、前記使い捨て検査具を挿入可能な挿入部と、前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の温度を測定可能な温度計測部と、前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の出力を入力するための入力部と、前記センサ部を加熱可能な加熱手段と、前記センサ部からの出力に基づいて体液中の成分の分析処理を行うと共に、前記温度計測部からの出力に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段が、前記センサ部が前記挿入部から挿入された時に前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より低い場合には、前記分析処理を実行する前に前記加熱手段を作動させて、センサ部の温度が所定の温度になるまでセンサ部を予熱するように構成されているので、検査具が冷蔵庫から出して直ぐのものである場合には予熱処理をしてから分析処理が行われ、検査具が常温に戻されているものである場合には予熱処理を行わずに分析処理が行われる。よって、検査具の管理が容易になり、かつ、使用時に直ぐに使えるセンサが不足してしまう等の問題も生じない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る体液分析装置に使用する使い捨て検査具の分解斜視図である。
【図2】図1に示した使い捨て検査具の展開斜視図である。尚、同図においては、仕切り板2は省略されている。
【図3】図1に示した使い捨て検査具の斜視図である。
【図4】使い捨て検査具1を装着した本発明に係る体液分析装置の概略斜視図である。
【図5】体液分析装置の内部構造を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明に係る体液分析装置の実施の形態について説明していく。
図1は本発明に係る体液分析装置に使用する使い捨て検査具の分解斜視図である。
図面に示すように、使い捨て検査具1は、透明または半透明なプラスッチク材料のような適当な材料から成り、互いに重畳される二枚の基板1A、1B及び基板間に挟まれ、両面に接着層を備えた適当なシート状材料から成る薄い仕切板2から成り、組立てた時には二枚の基板1A、1Bは薄い仕切板2により液密に接合される。
【0009】
一方の基板1Aには、その内側面すなわち薄い仕切板2と対向する面に、図1に示すように、検査すべき人間または動物の体液を通す溝から成る体液通路3が基板1Aの周囲縁部に沿ってコの字状に形成されている。この体液通路3の一端は体液導入孔4に連通し、体液通路3の他端は、基板1Aの内側面に形成された溝から成る第1の体液貯蔵部5に連通している。
第1の体液貯蔵部5を構成している溝は図示したように、屈曲させて配列し、その幅及び深さは、十分容積を得るため体液通路3を構成している溝の幅及び深さより大きく設定されている。
また、体液通路3は図示したように、体液の注入孔4からのびる比較的幅の狭い部分3aと、この比較的幅の狭い部分3aに続くセンサ当接部分3bと、センサ当接部分3bにつづく括れ部分3cと、括れ部分3cから第1の体液貯蔵部5の溝へのびる部分3dとを備えている。通路3のセンサ当接部分3bの比較的幅の狭い部分3aに隣接した部位には試薬通路の一部を構成している細い溝6が内方へ向って形成されている。
さらに体液通路3のセンサ当接部分3bには周縁部に向かってのびる分枝通路7が形成され、その先端は貫通孔8で終端している。この貫通孔8は後で説明する参照電極に相対するように位置決めされ、ゲル状の飽和塩化カリウム溶液が装填され得る。
さらに一方の基板1Aのコの字状の通路3で囲まれた内側領域には開口部9が形成されており、この開口部9は測定時に後で説明する試薬容器を押圧する手段を受けるために設けられている。
さらにまた一方の基板1Aのほぼ中央部には、この使い捨て検査具を、本発明に係る体液分析装置に挿入する際の案内及び係止用の貫通孔15が設けられている。
【0010】
他方の基板1Bにおける、内側面すなわち薄い仕切板2と対向する面の一つの隅角部には凹部12が形成されている。この凹部12には、図2に示すように、センサ部を構成するセンサ基板11と、センサ部を加熱するための加熱用基板10とが、加熱用基板10を下にして重ねて装着される。
また、基板1Bにおける一方の基板1Aの開口部9に対応する位置には、較正液容器13の装着凹面14が形成されている。この装着凹面14の底部中央には丸い窪みが形成され、その中央には内方へ向かって突起して、後述する体液分析装置の押圧手段36によって較正液容器13が押圧された時に、較正液容器13に穿孔するための針状体が一体的に設けられている。
符号16は、一方の基板1Aにおける第1の体液貯蔵部5に対応した位置に、第1の体液貯蔵部5と対称形状に設けられた屈曲した溝から成る第2の体液貯蔵部を示している。
較正液容器13には、センサ基板11における各センサの較正用の試薬が充填されており、この較正液容器13は、測定に先立ってセンサを較正する際に開口部9を介して押圧手段により針状体に対して押圧された時、容易に穴あけされ得る材料で構成され、一例として好ましくはフォイルパック状に構成され得る。
基板1Bには、装着凹面14の底部中央の丸い窪みから一方の基板1Aにおける試薬通路の一部を構成している細い溝6の自由端に相応した位置まで試薬通路の一部を成す細い溝17が形成されている。
センサ基板11は、基板上に導電性インキを塗布して複数の電極11bを形成し、各電極11bには、酸性度PH、炭酸ガス分圧PCO、酸素分圧PO、ナトリウムNa、カリウムK、塩素Cl、イオン化カルシウムCa、尿素窒素BUN、グルコースGlu、ヘマトクリットHct、重炭酸イオンHCO3−、酸素飽和度SO、全二酸化炭素TCO、塩基過剰BE、ヘモグロビンHgbのような各種ガス濃度やイオン濃度を測定するセンサ11cが設けられている。
各センサ11cはそれ自体の既存のものを使用することができ、電圧値または電流値として検出するように構成されており、それらの詳細についての説明は省略する。
また各電極11bは導体11dを介して基板11aの一側縁部に沿って整列して設けた端子11eに接続され、これらの端子11eは、薄い仕切板2を挟んで二枚の基板1A、1Bを互いに固着した際に露出するようにされている。すなわち、図3から分かるように一方の基板1Aの幅は他方の基板1Bより若干小さく構成されており、それにより他方の基板1B上の各端子11eは露出する。
また、図2に示すように、センサ基板11は、その一つの隅角部が切り欠かれており、加熱用基板10と重ねて配置した時に、この隅角部が切り欠かれた部分から加熱用基板10の端子10aが露出するように構成されている。加熱用基板10には、その端子10aを介して体液分析装置から所定値の電流が流された時に、発熱するよう適当な抵抗値を有する導体10bが設けられている。
【0011】
また第2の体液貯蔵部16を構成している溝の始端16aは仕切板2における連通孔18を介しての一方の基板1Aにおける第1の体液貯蔵部5の終端5aと連通し、第2の体液貯蔵部16の溝の終端16bには外部へ連通する孔19が設けられ、この孔には空気に対しては透過性で液体に対しては不透過性の材料から成る栓部材(図示してない)が装着され、使用時に注入した体液が体液通路3を通って第1、第2の体液貯蔵部へ流れ込み、しかも、流れ込んだ体液が外部へ漏れないようにしている。一方の基板1Aにおける貫通孔15に対応した他方の基板1B上の位置には貫通孔20が設けられ、二枚の基板1A、1Bを互いに貼合わせた時にこれら貫通孔15、20は整列して合致するようにされている。
【0012】
仕切板2には、一方の基板1Aにおける通路3のセンサ当接部分3b及び分枝通路7に沿った位置に複数の開口部21が設けられ、通路3のセンサ当接部分3b及び分枝通路7に流れてくる体液がこれらの開口部21を通して他方の基板1B上の各センサ11c及び電極11bと接触するようにされている。
さらに仕切板2は、一方の基板1Aにおける貫通孔10及び他方の基板1B上の貫通孔20に対応した位置に設けられた孔22、一方の基板1Aにおける細い溝6の自由端と他方の基板1B上の細い溝17の自由端とを連通させる孔23、及び一方の基板1Aにおける開口部9に相応した位置に設けられた孔25または易破断部26を備えている。
【0013】
次に、図4及び図5を参照して、上述した使い捨て検査具1を使用する本発明に係る体液分析装置の構成について説明していく。
図4は、使い捨て検査具1を装着した体液分析装置の概略斜視図であり、図5は、体液分析装置の内部構造を示す概略ブロック図である。尚、図5は、体液分析装置に使い捨て検査具を装着した状態における概略ブロック図であり、使い捨て検査具は横断面で示されている。
図中、符号30は体液分析装置を示し、符号31は体液分析装置のケーシングを示している。図面に示すように、体液分析装置31は、そのケーシング31の前面に使い捨て検査具1の挿入口32を有し、ケーシング31の上面部には操作部としても機能するようにタッチパネルで構成されたモニタ33と、プリンタ34とが設けられている。
ケーシング31は、その内部に、
挿入された検査具1のセンサ部、即ち、センサ基板11の温度を非接触で測定するように、挿入された検査具1のセンサ部の上方に相当する位置に配置された温度センサ35(温度計測部)と、
挿入された検査具1の開口部9の上方に相当する位置に配置された押圧手段36と、
挿入された検査具1の貫通孔15の上方に相当する位置に配置された係止ピン37と、
検査具1のセンサ端子11dに接続される端子部38と、加熱用基板の端子10aに接続される端子部39と、
温度センサ35、係止ピン37及びタッチパネルで構成されたモニタ33からの操作信号を入力し、これらの入力情報に基づいて押圧手段36及び加熱用基板10を操作すると共に、センサ端子11dからの入力情報に基づいて体液に関する演算を行う制御手段40と
を備えている。
前記係止ピン37は、体液分析装置のケーシングの挿入口から、検査具1が適正な位置まで挿入された時に検査具1の貫通孔15に係止すると共に、係止信号を制御手段40に出力するように構成されており、制御手段40は、係止ピン37からの係止信号をトリガとして作動する。
検査具1が体液分析装置に挿入されると、制御手段40は温度センサ35によるセンサ基板11の温度の計測を開始する。制御手段40は、温度センサ35の計測結果を入力し、センサ基板11の温度が予め決めた所定の温度より低い場合には、端子部39を介して加熱用基板10に電流を流して加熱用基板10を発熱させ、その結果、センサ基板11が加熱される。制御装置40は、加熱用基板10の発熱によりセンサ基板11の温度が所定の温度を超えた時に、加熱用基板10への電流の供給を停止し、押圧手段36を作動させて検査具1の較正液容器13を上方から下方に押圧する。その結果、較正液容器13は、針状体によって穴あけされ、内部の較正液が押し出され、該較正液は、溝6及び17を介して試薬通路に押し出され、センサ基板11に至る。ここで、制御装置40は、較正液によるセンサ部の較正を行い、その後、モニタ3に、体液導入孔からの体液の導入を促す表示を表示させる。
使用者が、このモニタ3の表示に従って、体液導入孔から体液を導入すると、体液は試薬通路を流れてセンサ基板11に至る。ここで、制御装置40は、センサ部からの信号に基づいて体液の成分分析を行い、その分析結果を適当な記憶手段に記憶させると共に、必要に応じて、モニタ3に表示し、かつ、プリンタ4から出力する。
【符号の説明】
【0014】
1A、1B 基板
2 薄い仕切板
3 体液通路
4 体液導入孔
5 第1の体液貯蔵部
6 試薬通路の一部を構成している細い溝
7 分枝通路
8 貫通孔
9 開口部
10 加熱用基板
10a 端子
10b 導体
11 センサ基板
11a 基板
11b 電極
11c センサ
11d 導体
11d 端子
12 凹面
13 較正液容器
14 装着凹面
15 貫通孔
16 第2の体液貯蔵部
17 試薬通路の一部を成す細い溝
18 連通孔
19 孔
20 貫通孔
21 複数の開口部
22 孔
23 孔
25 孔
26 易破断部
30 体液分析装置
31 ケーシング
32 挿入部
33 モニタ
34 プリンタ
35 温度センサ
36 押圧手段
37 係止ピン
38 端子部
39 端子部
40 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液導入孔と、体液導入孔からのびる体液通路と、前記体液通路から供給される体液の少なくとも一つの成分を検出可能なセンサ部とを有する使い捨て検査具を挿入して、前記使い捨て検査具のセンサ部を介して体液中の成分の分析を行う体液分析装置であって、
前記使い捨て検査具を挿入可能な挿入部と、
前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の温度を測定可能な温度計測部と、
前記挿入部から挿入された使い捨て検査具のセンサ部の出力を入力するための入力部と、
前記センサ部を加熱可能な加熱手段と、
前記センサ部からの出力に基づいて体液中の成分の分析処理を行うと共に、前記温度計測部からの出力に基づいて前記加熱手段を制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段が、
前記センサ部が前記挿入部から挿入された時に前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より低い場合には、前記分析処理を実行する前に前記加熱手段を作動させて、センサ部の温度が所定の温度になるまでセンサ部を予熱する
ように構成されている
ことを特徴とする体液分析装置。
【請求項2】
前記温度計測部が非接触式温度センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の体液分析装置。
【請求項3】
体液分析装置が、前記挿入部から使い捨て検査具が挿入されたか否かを検知する挿入検知手段を備え、
前記挿入検知手段が使い捨て検査具の挿入を検知した時に体液分析装置が作動するように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の体液分析装置。
【請求項4】
前記使い捨て検査具が、前記センサ部を較正する較正液を収容した較正液収容部を備えており、
体液分析装置が、
前記使い捨て検査具の較正液収容部を押圧して、較正液収容部から較正液をセンサ部まで押し出す押圧手段を備え、
前記制御装置が、
前記挿入部から挿入された時に前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より低い場合には、始めに前記加熱手段を作動させて、センサ部の温度が所定の温度になるまでセンサ部を予熱し、次いで、前記押圧手段を作動させてセンサ部を較正させ、その後、分析処理を実行し、
前記挿入部から挿入された時に前記温度計測部で得られるセンサ部の温度が所定の温度より高い場合には、前記加熱手段による予熱処理を行わせず、前記押圧手段を作動させてセンサ部を較正させ、その後、前記分析処理を実行する
ように構成されている
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の体液分析装置。
【請求項5】
体液分析装置が、使用者に操作に関する情報を表示する表示手段を備え、
前記制御装置が、前記押圧手段を作動させてセンサ部を較正させた後であって、前記分析処理部による分析処理を実行させる前に、前記体液導入孔からの体液の導入を促す表示を前記表示手段に表示させるように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の体液分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−220826(P2011−220826A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90278(P2010−90278)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(591086854)株式会社テクノメデイカ (50)
【Fターム(参考)】