説明

体液成分測定装置及びその制御方法

【課題】 空気振動を利用する音響スピーカ、骨伝導を利用する骨伝導スピーカによる報知機能を合わせ持ちながらも、それぞれの音量の設定、更には、いずれかを機能させるかを単一の操作部で実現でき、優れた操作性を提供できる。
【解決手段】 スライダスイッチ301のツマミ302を移動可能な範囲の中央位置より右に位置させると、空気振動を利用する第2の報知手段である音響スピーカのみを用い、且つ、中央位置からの距離に応じたボリュームで測定結果を伝える。一方、スライダスイッチ301のツマミ302を移動可能な範囲の中央位置より左に位置させると、骨伝導を利用する第1の報知手段である骨伝導スピーカのみを用い、且つ、中央位置からの距離に応じたボリュームで測定結果を伝える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体液成分測定装置及びその制御方法に関するものである。特に、血糖計及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
体液の成分を測定する装置の中で、血液の成分等を測定する体液成分測定装置が知られている。その代表的なものが、主に糖尿病患者に利用する血糖値を測定する血糖計である。
【0003】
血糖計は、血液中のブトウ糖に応じて呈色する試験紙を装置に装着し、その試験紙に血液を付着もしくは供給し、その試験紙の呈色の度合を光学的に測定して血糖値を測定するものが知られている。(特許文献1)。
【0004】
測定結果を患者に伝える手段は表示器が一般的であるが、視覚に障害がある患者にも対応させるためスピーカを搭載し、音声で伝えることもある。特に、糖尿病患者の場合、網膜症を発症する虞れがあるので、音声通知機能が望まれる。ただし、音声で測定結果をスピーカを駆動して音響的に伝える場合、周囲に居る他人にもその測定結果を知られる可能性があり、就業時間の枠内で測定する患者の場合の悩みの種となる。また、逆に騒音下では測定結果が周りの騒音に掻き消えてしまい、聞こえにくいという問題もある。
【0005】
本願出願人は、骨伝導を利用して、患者(測定者)に測定結果を伝える体液成分測定装置に係る技術を提案した(特許文献2)。かかる技術によれば、骨伝導スピーカを患者の頭蓋骨(多くは頬骨)に当接して、頭蓋骨を振動させて聴覚神経に伝えるので、患者の聴覚神経が正常である限り、その患者のみに測定結果を伝えることができる。また、測定環境が騒音下であっても、通常の音響スピーカと比べて、確実に測定結果を伝えることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−46834号公報
【特許文献2】特開2003−58359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
さて、空気を媒体とする音響(以下、通常音響という)による伝達、骨伝導での伝達の両方の機能を持つ体液成分測定装置の場合、個人毎に聴覚感度や好みが異なるので、それぞれの音量を調節できるようにすることが望ましいのは明らかである。また、操作者(患者)にとっては、視覚以外で測定結果を知るのに、通常音響、骨伝導のいずれか一方が機能すれば十分である。特に、携帯型の血糖計の場合、常に両方機能させることは消費電力の観点からも望ましくない。従って、通常音響、骨伝導のいずれかを機能させるかを操作者に選択可能にすることも望まれる。
【0008】
上記のように、通常音響によるボリューム、骨伝導のボリューム、更には、通常音響、骨伝導のいずれを機能させるかのスイッチを設けることが望ましいものとなるが、携帯型の血糖計の場合、これらを実現するために個々の機能毎のボタン、スイッチ等を設けるのはサイズ的に無理があり、仮に、小さなスイッチやボタンを設けることに成功しても、その操作性は煩雑なものとなる。何より、製造コスト上の問題も無視できない。
【0009】
本発明はかかる課題に鑑みなされたものであり、空気振動を利用する音響スピーカ、骨伝導を利用する骨伝導スピーカによる報知機能を合わせ持ちながらも、それぞれの音量の設定、更には、いずれかを機能させるかを単一の操作部で実現でき、操作性に優れた体液成分測定装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明に係る体液成分測定装置は以下に示す構成を備える。すなわち、
被検者から採取した体液の所定成分を測定する測定手段を有する体液成分測定装置であって、
骨伝導を利用する第1の報知手段(第1のスピーカ)と、
空気振動を利用する第2の報知手段(第1のスピーカ)と、
予め決められた範囲内で、操作者の操作によって位置決め可能な指示部の位置を検出する検出手段と、
該検出手段で検出した前記指示部の位置が前記範囲内の予め設定された基準位置に対して第1の方向にあるか、当該第1の方向とは逆の第2の方向にあるかに応じて、前記第1の報知手段、前記第2の報知手段のうちいずれを用いて前記測定手段によって得られた測定結果を通知するかを決定すると共に、前記検出手段で検出した位置の前記基準位置からの距離に応じて音量を決定する決定手段と、
前記第1、第2の報知手段のうち前記決定手段で決定した一方の報知手段を、前記決定した音量に従って駆動し、前記測定結果を通知する通知制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通常の空気振動を利用する音響スピーカ、骨伝導を利用する骨伝導スピーカによる報知機能を合わせ持ちながら、それぞれの音量の設定、更には、いずれかを機能させるかを単一の操作部で実現でき、優れた操作性を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に対応する血糖計100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に対応する血糖計100の正面図である。
【図3】本発明の実施形態に対応する血糖計100の裏面図である。
【図4】本発明の実施形態に対応する処理のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に対応する血糖計100の骨伝導スピーカ112aを利用した測定結果の通知方法を説明するための図である。
【図6】操作部の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、実施形態では体液成分測定装置として携帯型血糖計に適用した例を説明する。
【0014】
図1は、本発明に対応する携帯型の血糖計100の構成の一例を示すブロック図である。図2はこの血糖計100の表面の図であり、図3はその裏面を示している。しかしながら、係る装置の構成は、一例として挙げたものであり、本発明における体液成分測定装置の構成を限定するわけではない。なお、本装置の構成は、本発明を説明する上で重要な要素についてのみ記載を行う。
【0015】
図において、101は試験片で、図2に示すように血糖計100の先端部に着脱自在に取り付けられている。102は血液採取用開口部で、毛細管で形成された血液移動部を介して試薬層部と連通する。
【0016】
この試薬層部は試薬を含有する試薬層103と血球を濾過する血球濾過層104とを有する。この試薬層103には、血液中の糖と反応して呈色を起こすのに必要な試薬、例えばグルコースオキシダーゼ(GOD)、ペルオキシダーゼ(POD),4−アミノアンチピリン,N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン・ナトリウム(TOOS)等が含浸されている。試薬層103を形成する膜の孔径は血球が通過する径、例えば5〜15ミクロン程度が望ましい。このような径にすることで、試薬層103への血液の展開が速くなり、それによって血液と試薬との反応も速くできる。膜材質としてはニトルセルロース等、従来知られているものが使用できる。血球濾過層104は血球を濾過する孔径、例えば0.45ミクロンを有する膜で構成される。膜材質はポリエーテルスルホン等、従来知られているものが使用できる。
【0017】
体液である、血液は開口部102よりチップ内部に侵入し、毛細管からなる移動部を移動して試薬部に到達する。ここで試薬層103に含まれる試薬と、血液中の成分であるグルコースと反応し呈色を起こす。更に、血球濾過層104へ移動し、ここで血球が濾過される。そして反射光は血球濾過層側から測定される。
【0018】
尚、試薬層部は血球濾過が行える細孔を有する膜に試薬を含浸させた一層の膜で構成されてもよいし、従来知られているような多層構造であってもよい。
【0019】
105は光源で、所定波長、例えば約610nmの波長の光を発光する。106は光検出器で、光源105より照射され、血球濾過層104で反射された光の反射光強度を検出している。この反射光強度により血球濾過層104における色の変化を検出することができる。107はA/D変換器で、光検出器106より出力される、反射光強度に応じた検出信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換している。
【0020】
108はこの血糖計100全体の動作を制御、判断し、血糖値の測定を行うコントローラで、例えばマイクロプロセッサ等のCPU121、CPU121の制御プログラムや音声データ等を記憶するプログラムメモリ123、測定データ等を記憶するRAMエリアであるデータメモリ124、また温度センサ127により検知された周辺温度(環境温度)に応じた補正データ等を記憶している温度テーブル125を備えている。また126はタイマで、後述するように時間の経過を測定して、CPU121に割込み等により報知している。
【0021】
109は入力部で、例えば電源のオン/オフを指示するボタン(図2の電源ボタン201)、測定データの読み出しを指示するボタン(図2の記憶呼出ボタン202)、更には後述する通常音響、骨伝導の制御に係るスイッチ(図3のスライダスイッチ301)等を備えている。110は、例えば液晶等の表示器、111は血糖計100全体に電力を供給するための電池である。112aは、血糖値の測定結果を患者に骨伝導により通知するための第1の報知手段である、骨伝導スピーカ、112bはコントローラ108の制御の元で骨伝導スピーカ112aを駆動する骨伝導スピーカ駆動部である。この骨伝導スピーカ駆動部112bは、D/Aコンバータ、アンプを内蔵し、コントローラ108からの音声データをアナログ信号に変換し、且つ、アナログ信号をコントローラ108からの制御信号に従って増幅し、骨伝送スピーカ112aを振動させる。骨伝導スピーカ112aは、外耳を経ないで頭蓋骨を介して内耳に音の振動を伝達することにより、直接に聴覚神経に情報を伝達(骨伝導)するスピーカである。また、骨伝導スピーカ112aは、接触センサ114を含んでおり、該接触センサ114によりスピーカ部分の患者への接触を検知した場合に動作する。113は、血糖値の測定の開始、終了などを振動により通知するための振動モータである。115aは空気を介在させて振動を伝達する第2の報知手段である、音響スピーカであり、115bは音響スピーカ駆動部である。この音響スピーカ駆動部115bも、先に示した骨伝導スピーカ駆動部112bと同様、D/Aコンバータ、アンプを内蔵し、コントローラ108からの音声データをアナログ信号に変換し、且つ、アナログ信号をコントローラ108からの制御信号に従って増幅し、音響スピーカ112aを振動させる。なお、実施形態では、骨伝導スピーカ駆動部112bと、音響スピーカ駆動部115bを別々にした例を示しているが、駆動(振動)対象に印加する信号を共通化できるのであれば、これら駆動部を1つにしても構わない。なお、図2における250は、音響スピーカ115aからの音を外部に伝達するため、並びに、音響スピーカ115aを保護するための音響孔である。301は、後述するスライダスイッチである。
【0022】
図2に示すように、本実施形態に対応する血糖計100では、体液を採取する試験片101と、骨伝導スピーカ112とが、血糖計100の長手方向の対向する端部に配置されている。このような構成により、患者が測定結果の通知を受け付ける際に皮膚と接触する骨伝導スピーカの周辺が、患者自身の体液により汚されることが無く、清潔に使用することができる。
【0023】
次に、本血糖計の裏面に設けられた、図3のスライダスイッチ301について詳述する。本実施形態におけるスライダスイッチ301は、図示の左右に移動(スライド)可能なツマミ(突起状指示部)302を有し、このツマミ302の位置を多段階で検出するものとする。図3の状態は、スライド可能は範囲のちょうど中央にツマミ302が位置している様を示している。ツマミ302の位置と、それに基づく制御内容は、図示のスイッチの上部の刻印マーク303から類推可能としているが、正確に示すと次の通りである。なお、表示器110は、ツマミ302の位置とは無関係に、測定結果である血糖値を表示する。
・ツマミ302が中央位置(基準位置)にあるとき:
骨伝導スピーカ112a、音響スピーカ115aの両方とも機能しない。換言すれば、ツマミ302が中央位置にあるとき、通常音響、骨伝導の両方のボリュームは「0」とする。
・ツマミ302が中央位置より右側にあるとき:
骨伝導スピーカ112aを機能させない(骨伝導スピーカのボリュームは0)。ツマミ302が、中央位置からの距離が大きいほど音響スピーカ115aのボリュームを上げる。
・ツマミ302が中央位置より左側にあるとき:
ツマミ302が中央位置からの距離が大きいほど骨伝導スピーカ112aのボリュームを上げる。ただし、音響スピーカ115aは機能させない(音響スピーカのボリュームは0)。
【0024】
上記を別な言い方をすれば、単一のツマミ302を操作するだけで、測定した血糖値を伝達(報知)する手段として、通常音響、骨伝導、いずれも利用しない(表示器のみ)、のいずれかを選択するかのモード選択、ならびに、選択したモードでのボリュームの指示が行えることとなる。この結果、血糖計の携帯性を損なうことなく、且つ、操作性の面でも分かりやすい操作環境を操作者(患者)に提供することが可能になる。
【0025】
次に、本実施形態に対応する血糖計100の動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。当該フローチャートに対応する処理は、プログラムメモリ123に記憶された処理プログラムをCPU121が実行することにより実現される。
【0026】
まず、ステップS401では、試験片101が血糖計100に装着されているか否かを検知する。もし、試験片101が装着されていない場合には(ステップS401において「NO」)、ステップS402において試験片101の装着を促すエラー通知を行う。一方、試験片101が装着されている場合には(ステップS401において「YES」)、ステップS403に移行する。このステップS403では、CPU121は、光源105を駆動し、光検出器106により血球濾過層104で反射された光の反射光強度を検出する。もし、光検出器106の測定結果に基づき反射光量の減少が検知された場合には、測定を開始するために(ステップS403において「YES」)、ステップS404に移行して、測定開始の通知を振動モータ113を介して行う。次に、ステップS405では、コントローラ108において血糖値の測定を行う。もし測定が終了した場合には(ステップS406において「YES」)、ステップS407に移行して、測定の終了を振動モータ113を介して通知し、ステップS408にて、表示器110を利用して測定結果を表示する。
【0027】
次に、ステップS409にて、CPU121は、スライダスイッチ301のツマミ302の位置を検出する。そして、その位置に応じて、骨伝導モード、通常音響モード、或いは、上記の表示器110による表示のみで測定結果の通知を終えるか(視覚モード)を判定する。
【0028】
骨伝導モードであると判定した場合、処理はステップS411に進む。このステップS411では、接触センサ114により骨伝導スピーカ112の患者への接触が検知されたか否かを判定する。もし、図5に示すように、骨伝導スピーカ112が骨伝導再生を行うための患者の所望の部位に接触され、これにより接触が検知された場合、S411の判定は{Yes]となる。この場合、CPU121は、ステップS412にて、スライダスイッチ301のツマミ位置に応じて骨伝導スピーカ駆動部112bを駆動することでボリューム(振動の振幅強度)を決定し、測定結果である血糖値の数値を表わす音声データを骨伝導スピーカ駆動部112bに与える。この結果、骨伝導スピーカ駆動部112bは、それをアナログ信号に変換して音声波形となり、更に設定されたボリュームに応じて増幅し、骨伝導スピーカ112aを駆動する(患者に測定結果を通知する)。なお、患者は、ボタン202を操作して、骨伝導スピーカ112aを利用して測定結果を再生することができる。なお、ボタン202が操作された場合でも、骨伝導スピーカ112の患者への接触が接触センサ114により検知されない場合には(ステップS411において「NO」)、再生は行われない。
【0029】
一方、ステップS410にて、通常音響モードであると判定された場合、処理はステップS413に進む。このステップS413にて、CPU121は、スライダスイッチ301のツマミ位置に応じて音響スピーカ駆動部115bを駆動することでボリューム(振動の振幅強度)を決定し、測定結果である血糖値の数値を表わす音声データを音響スピーカ駆動部115bに与える。この結果、音響スピーカ駆動部115bは、それをアナログ信号に変換して音声波形となり、更に設定されたボリュームに応じて増幅し、音響スピーカ115aを駆動する(患者に空気振動により測定結果を通知する)。なお、患者は、ボタン202を操作した場合、上記の処理を行い、音響スピーカ115aから再度、測定結果を再生する。
【0030】
また、ステップS410にて、視覚モードのみであると判定した場合には、先のステップS408による通知で既に通知したので、本処理を終了する。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、スライダスイッチ301という単一の操作で、骨伝導モード、通常音響モードの切り替え、並びに、そのボリュームを調整できることとなり、優れた操作性を患者に提供できる。しかも、骨伝導モード、通常音響モードが同時に機能してしまうこともなくなるので、消費電力上の問題も小さくなり、内蔵の電池の延命を図ることも可能になる。
【0032】
なお、上記実施形態では、モード選択、並びに、ボリュームの設定を図3に示す一次元軸に沿って移動するスライダスイッチ301を用いる例を説明したが、例えば、図6に示すように、回転ツマミ601を操作して回動させるようにしても構わない。この場合、回動角は図示のマーク602で示されるが、マーク602が図示の頂点に位置するときは、視覚モードのみを示すこととなる。そして、回転ツマミ601を図示の反時計回りに回動させると骨伝導モードとなり、その回動角(マーク602の回動位置)に応じてボリュームの設定が行える。そして、回転ツマミ601を図示の時計回りに回動させると通常音響モードとなり、その回動角に応じてボリュームの設定が行える。また、実施形態では、上記のモード、ボリュームを決定するスイッチを装置の背面に設けるものとしたが、側面、正面(表面)のいずれであっても構わない。
【0033】
なお、本発明の実施形態においては、測定装置として生体成分と試薬との呈色反応に基づく光学式の測定装置を例示したが、測定装置の種類はこれに限定されるものではなく、例えば、電極式の測定装置や非侵襲式の測定装置であってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者から採取した体液の所定成分を測定する測定手段を有する体液成分測定装置であって、
骨伝導を利用する第1の報知手段と、
空気振動を利用する第2の報知手段と、
予め決められた範囲内で、操作者の操作によって位置決め可能な指示部の位置を検出する検出手段と、
該検出手段で検出した前記指示部の位置が前記範囲内の予め設定された基準位置に対して第1の方向にあるか、当該第1の方向とは逆の第2の方向にあるかに応じて、前記第1の報知手段、前記第2の報知手段のうちいずれを用いて前記測定手段によって得られた測定結果を通知するかを決定すると共に、前記検出手段で検出した位置の前記基準位置からの距離に応じて音量を決定する決定手段と、
前記第1、第2の報知手段のうち前記決定手段で決定した一方の報知手段を、前記決定した音量に従って駆動し、前記測定結果を通知する通知制御手段と
を有することを特徴とする体液成分測定装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記測定手段による測定結果の通知に用いる一方の報知手段を決定したとき、他方の報知手段の音量はゼロに設定することを特徴とする請求項1に記載の体液成分測定装置。
【請求項3】
更に前記指示部の指示位置とは無関係に、前記測定手段によって得られた測定結果を表示する表示手段を有し、
前記決定手段は、前記指示部の位置が前記基準位置にあるとき、前記第1,第2の報知手段のいずれも非駆動として決定することを特徴とする請求項1に記載の体液成分測定装置。
【請求項4】
前記指示部は直線上に移動可能なスライダスイッチのツマミであり、前記基準位置は前記直線上に移動可能な範囲の中央位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体液成分測定装置。
【請求項5】
前記指示部は直線上に回動自在なスイッチのツマミであり、前記基準位置は前記回動可能な範囲の中央位置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の体液成分測定装置。
【請求項6】
被検者から採取した体液の所定成分を測定する測定手段と、骨伝導を利用する第1の報知手段と、空気振動を利用する第2の報知手段とを有する体液成分測定装置の制御方法であって、
予め決められた範囲内で、操作者の操作によって位置決め可能な指示部の位置を検出する検出工程と、
該検出工程で検出した前記指示部の位置が前記範囲内の予め設定された基準位置に対して第1の方向にあるか、当該第1の方向とは逆の第2の方向にあるかに応じて、前記第1の報知手段、前記第2の報知手段のうちいずれを用いて前記測定手段によって得られた測定結果を通知するかを決定すると共に、前記検出工程で検出した位置の前記基準位置からの距離に応じて音量を決定する決定工程と、
前記第1、第2の報知手段のうち前記決定工程で決定した一方の報知手段を、前記決定した音量に従って駆動し、前記測定結果を通知する通知制御工程と
を有することを特徴とする体液成分測定装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−173065(P2012−173065A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33809(P2011−33809)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】