説明

体組成計

【課題】生体情報に対する被験者の興味を向上させることのできる体組成計を提供する。
【解決手段】体組成計1は、足電極21及び手電極31を用いた計測結果に基づき体脂肪率を測定する測定部51と、鏡部材42の入力部42aからの入力情報,測定部51での測定結果,スキャン装置44による撮像結果に基づき生体情報を生成する生体情報生成部52、各部の動作を制御する制御部53を備えている。生体情報生成部52は、体脂肪率,身長,肥満タイプ,被験者の身体の輪郭を表す被験者シルエット,目標とする体形の身体の輪郭を表す目標シルエットを、入力部42aからの要求に応じて生成する。制御部53は、調光ミラー421及び表示装置44の駆動を制御し、生成した生体情報を被験者の身体の像と共に鏡部材に映し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体脂肪率等の身体情報を表す生体情報を生成し、表示する体組成計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、体組成計としては、下記の特許文献1に記載の体組成計が開示されている。この体組成計は、生体の適所に接触させた一対の電極に電流を印可して生体インピーダンスに基づき体脂肪率を計測し、計測した体脂肪率を表す生体情報を表示する。
【0003】
【特許文献1】特開2005−261488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の体組成計では、筐体に設けられた小さな表示部で単に数値やアイコンで生体情報が表示されるだけで、表示内容が表す情報を被験者に十分理解させることができず、また、表示内容に対する興味を被験者に十分に持たせることができなかった。この結果、生体情報に関する興味を被験者に対して十分に持たせることができなかった。
【0005】
本発明は、生体情報に対する被験者の興味を向上させることのできる体組成計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために、本発明の体組成計は、被験者の身体情報を取得する身体情報取得手段と、被験者の身体の像を映す鏡部材と、前記身体情報取得手段が取得した身体情報に基づき生体情報を生成する生体情報生成手段と、前記生体情報生成手段が生成した生体情報を前記鏡部材に表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明は、情報入力を受け付ける入力部を前記鏡部材に備えた入力手段を備え、前記生体情報生成手段が、前記入力手段が前記入力部で受け付けた入力情報に基づき、目標とする体形の身体の輪郭を表す目標輪郭画像を、生体情報として生成することを特徴とする。
また、本発明は、前記鏡部材に像を映された被験者を撮像する撮像手段を備え、前記生体情報生成手段が、前記撮像手段による撮像結果に基づき、前記鏡部材に映された被験者の像の輪郭を表す被験者輪郭画像を生成することを特徴とする。
また、本発明は、前記表示手段が、前記生体情報生成手段が生成した目標輪郭画像及び被験者輪郭画像を、重ねて表示することを特徴とする。
また、本発明は、前記鏡部材への前面及び後面からの入射光の光量と、入射光の反射率及び透過率との少なくとも何れかを調整する光量調整手段を備え、前記表示手段が、前記生体情報生成手段が生成した生体情報を、前記鏡部材に後面側から表示し、前記光量調整手段が、前記鏡部材に前面側から映された被験者の像と前記表示手段により表示された生体情報とが、前記鏡部材の前方から共に被験者に視認されるように前記調整を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鏡部材に映された自分の身体の像とを見比べて被験者が生体情報を確認できることから、生体情報に対する被験者の興味を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の体組成計1の外観構成の概略を示す斜視図である。図2は、体組成計1の鏡ユニット4が備える鏡部材42の構成の概略を模式的に示す図である。
【0009】
図1に示すように、体組成計1は、被験者が足を載置する載置部2と、被験者の手に取り付けられる一対の手電極部材3と、被験者の身体の像及び生体情報を映す鏡ユニット4とを備えている。
【0010】
載置部2は、被験者の足が載置される載置面2aに足電極21を備えている。足電極21は、載置部2の左側及び右側の前部及び後部の上面を覆い、載置面2aの一部を構成している。
【0011】
手電極部材3は、載置部2から伸びたケーブル線に接続された手電極31と、この手電極31を保持して被験者に把持される把持部32とを備えている。手電極31は、把持部32を把持した被験者の手のひらに接触するように把持部32の外部に露出している。
【0012】
鏡ユニット4は、載置部2の後方に位置して上方に延びる筐体41と、筐体41の前面を覆う鏡部材42とを備えている。鏡部材42は、被験者の像を映すためのものであり、情報入力を行うための入力部42aを備えている。図2に示すように、鏡部材42は、フィルム状の調光ミラー421,タッチパネル422,及び透明基板423を、前側からこの順で貼り合わせて構成されている。
【0013】
調光ミラー421は、印可される電圧値に応じて、鏡状態又は半鏡状態に変化する。調光ミラー421は、鏡状態では、載置部2の載置面2aに両足を載置した被験者が、鏡部材42の前面に映し出された自分の像を視認でき、かつ、筐体41に備えられた後述するスキャン装置44で被験者を撮像できる程度に前方からの入射光を反射及び透過し、さらに、筐体41の内部を被験者が視認できない程度に後方からの入射光を透過する。また、半鏡状態では、載置部2の載置面2aに両足を載置した自分の像と、後述する表示装置43が筐体41内に備える液晶表示パネル431の表示画面とを、被験者が重ねて視認できる程度に、鏡部材42の前方からの入射光を反射し、後方からの入射光を透過する。
【0014】
筐体41には、上述した表示装置43(図3参照)及びスキャン装置44(図3参照)が内蔵されている。表示装置43は、液晶表示装置であり、図2に示すように、液晶表示パネル431の表示画面を鏡部材42の後面に所定間隔をおいて向かい合わせ、筐体41に固定されている。
【0015】
スキャン装置44は、鏡部材42と液晶表示パネル431との間の間隙に位置した図示しないスキャン部で、鏡部材42を後面側に透過した像を撮像する。例えば、スキャン装置44は、筐体41の左右の両側部で上下方向に延びた一対のガイドと、両ガイド間に掛け渡されて鏡部材42と液晶表示パネル431との間の間隙に位置したスライダと、スライダに取り付けられたスキャン部とを備えており、昇降手段によりスライダを上下動させて、スキャン部による撮像を行う構成とすることができる。
【0016】
次に、体組成計1の回路構成について説明する。図3は、体組成計1の回路構成の概略を示すブロック図である。
【0017】
体組成計1は、上述した足電極21,手電極31,調光ミラー421,タッチパネル422,表示装置43,及びスキャン装置44の他に、体組成計1の動作を制御する制御装置5を備えている。制御装置5は、被験者の体脂肪率を測定する測定部51と、測定部51での測定結果,スキャン装置44での撮像結果,及びタッチパネル422からの入力情報に基づき生体情報を生成する生体情報生成部52と、調光ミラー421,タッチパネル422,表示装置43,及びスキャン装置44を含む各部の動作を制御する制御部53とを備えている。
【0018】
測定部51は、足電極21及び手電極31に電流を印加して両電極間に生じる電位を検出し、生体インピーダンスに基づき体脂肪率を測定する。生体情報生成部52は、体脂肪率,被験者シルエット,身長,肥満タイプ,及び目標シルエットのうちの少なくとも何れかを表す生体情報を生成する。これらの生体情報のうちの何れを生成するかは、入力部42a(図1参照)からの入力情報に基づき定められる。つまり、入力部42aには表示する生体情報を選択する項目が表示され、この項目を選択された生体情報が、生体情報生成部52により生成される。
【0019】
体脂肪率を表す生体情報は、測定部51での測定結果に基づき生成される。この生体情報は、体脂肪率をグラフ,表,数字等を用いて表す情報であり、何れを用いて表すかは入力部42aから入力情報に基づき定められる。つまり、入力部42aには、体脂肪率をグラフ,表,数字等を用いたどのような態様で表示するかを選択する項目が表示され、選択された項目に応じた表示態様で、体脂肪率が表示される。
【0020】
被験者シルエットを表す生体情報は、被験者の身体の輪郭を表す輪郭画像である。被験者シルエットの画像データは、スキャン装置44による撮像画像中での被験者の身体の外縁を検出することにより生成される。
【0021】
身長を表す生体情報は、被験者シルエットの画像データに基づき生成される。生体情報生成部52は、被験者シルエットの画像中の上下位置と、身長とを対応付ける情報を記憶しており、被験者シルエットの画像中での被験者の頭頂部の上下位置に基づき身長を特定する。
【0022】
肥満タイプを表す生体情報は、被験者が「りんご」,「洋なし」,「バナナ」の3つのタイプ何れの肥満タイプであるかを表す情報であり、被験者シルエットの画像データに基づき特定される。生体情報生成部52は、被験者シルエットが表す被験者の体形を上記3つの肥満タイプに分類するための分類データを記憶しており、被験者シルエットの画像データを分類データに照らし合わせることにより、被験者の肥満タイプを特定する。具体的には、「肥満タイプ」は、被験者シルエットの画像データ中で被験者の腹部が出っ張っていると「りんご型」、下半身が太いと「洋なし型」、全体としてやせていると「バナナ型」と特定される。
【0023】
目標シルエットは、身長、体重脂率などを元に統計的なデータから特定された望ましい体形の身体の輪郭を表す輪郭画像であり、被験者シルエットと身長を合わせたサイズに形成される。目標シルエットの画像データは、入力部42aからの入力情報及び被験者の身長に基づき生成される。生体情報生成部52は、複数種類の目標シルエットを表す画像データを記憶しており、入力部42aの操作で選択された目標シルエットの画像データ及び身長に基づき、目標シルエットの画像データを生成する。
【0024】
生体情報生成部52は、被験者シルエット又は目標シルエットの表示が求められているときには、表示するシルエットが鏡部材42の前面に映された被験者の像と重なるように、その表示位置を特定する。具体的には、生体情報生成部52は、被験者シルエットの画像中の位置と鏡部材42の前面の位置とを対応づける情報、及び、液晶表示パネル431の表示画面に表示された画像が鏡部材42の前面に映し出される位置と、被験者及び目標の各シルエットの画像中の位置とを対応づける情報を記憶しており、被験者シルエットの画像中の位置情報に基づき鏡部材42の前面での被験者の像の映し出された位置を特定し、液晶表示パネル431の表示画面に表示された画像が、鏡部材42の前面で被験者の像と重ねて映し出されるように各シルエットの画像データを生成する。なお、スキャン装置44による撮像面と表示装置43による画像表示面、及び、スキャン装置44による撮像方向及び表示装置43による画面表示方向が一致している場合には、これらの処理を省く構成としてもよい。また、生体情報生成部52は、目標シルエット及び被験者シルエットの双方を表示する場合には、両シルエットが上下位置及び左右の中心軸を一致させるように、表示位置を特定する。
【0025】
制御部53は、調光ミラー421を駆動して鏡状態又は半鏡状態に変化させる。具体的には、制御部53は、通常は調光ミラー421を鏡状態にさせており、表示装置43を用いた表示を鏡部材42を通して被験者に視認させる際に、調光ミラー421を半鏡状態にする。また、制御部53は、表示装置43の駆動を制御して、生体情報の表示や入力部42aでの案内表示を行うための液晶表示パネル431の画面表示を行う。また、制御部53は、被験者の身体の像を撮像するために、スキャン装置44の駆動を制御する。また、制御部53は、上述した各処理を行うために、測定部51及び生体情報生成部52の駆動を制御する。
【0026】
次に、本実施形態の体組成計1で生体情報を表示する際の動作について説明する。
【0027】
体組成計1での生体情報の表示を行う場合には、載置部2の載置面2aに被験者の両足が載置され、載置面2aに載置された被験者の両足には足電極21が接触する。また、鏡状態の鏡部材42には、被験者の身体の像が映し出される。この像は、鏡部材42の裏面にも透過して映し出されており、スキャン装置44による身体の像の撮像が可能となる。
【0028】
このようにして、スキャン装置44による撮像が可能となった状態で、入力部42aの操作により計測開始が指示されると、制御部53は、表示装置43を駆動制御して、液晶表示パネル431の表示画面に、表示する生体情報や表示態様を選択する項目,年齢等の情報を入力する項目を表示する。この表示は、鏡部材42の表面側に透過して、鏡部材42の入力部42aにも同様の表示が映し出される。
【0029】
表示項目の操作により情報が入力されると、制御部53は、表示装置43を駆動制御して、手電極部材3を把持することを促す表示を入力部42aで行う。手電極部材3の把持部32が被験者に把持されると、把持部32を把持した被験者の両手には、手電極31が接触する。手電極31に手を、足電極21に足をそれぞれ接触させることにより、被験者の生体インピーダンスの検出が可能となると、制御部53は、測定部51を駆動制御して、体脂肪率の測定を行う。
【0030】
また、制御部53は、身長,目標シルエット,被験者シルエット,及び肥満タイプの何れかの表示が求められている場合には、スキャン装置44を駆動制御して、被験者の像を鏡部材42の裏面側から撮像する。これにより、鏡部材42を裏面側に透過した被験者の身体の像が、スキャン部により撮像される。生体情報生成部52は、スキャン装置44による撮像画像中での被験者の身体の輪郭線を特定して、被験者シルエットの画像データを生成する。そして、被験者及び目標の各シルエットの表示が求められているときには、その表示位置を特定する。また、身長及び目標シルエットの表示が求められているときには、生成した被験者シルエットの画像データに基づき、被験者の身長を特定する。
【0031】
その後、生体情報生成部52は、入力部42aからの入力情報及び被験者の身長に基づき目標シルエットを表す生体情報を、測定部51による測定結果に基づき体脂肪率を表す生体情報を、被験者シルエットに基づき肥満タイプを表す生体情報を、それぞれ入力部42aからの要求に応じて生成する。
【0032】
生体情報の生成後、制御部53は、表示装置43を駆動制御し、生成した生体情報を液晶表示パネル431に表示する。このとき、身長,体脂肪率,及び肥満タイプは、入力部42aを通して視認できる位置に表示する。また、被験者及び目標の各シルエットは、各シルエット生成の際に特定した表示位置に表示する。
【0033】
また、制御部53は、鏡部材42の調光ミラー421を駆動制御して半鏡状態にし、液晶表示パネル431の表示画面に映し出された生体情報と、鏡部材42の表面に映し出された被験者の像とが共に鏡部材42の前方から被験者に視認されるようにする。これにより、液晶表示パネル431の表示画面に表示された生体情報は、鏡部材42の表面側に透過して、鏡部材42の表面に映し出された被験者の像と共に、被験者に視認される。
【0034】
次に、液晶表示パネル431の表示画面に表示されて鏡部材42に映し出される各生体情報の表示態様について説明する。図4は、鏡ユニット4が備える鏡部材42に被験者の像が映し出された状態を模式的に示す図である。図5は、被験者の像と共に鏡部材42の入力部42aに生体情報が映し出された状態を模式的に示す図である。図6は、鏡部材の被験者の像にシルエットが重ねて映し出された状態を模式的に示す図である。図7は、鏡部材の被験者の像に目標シルエット及び被験者シルエットが重ねて映し出された状態を模式的に示す図である。
【0035】
生体情報の表示されていない状態では、鏡状態の鏡部材42の表面には、図4に示すように、被験者の像が映し出されている。例えば、体脂肪率,身長,及び肥満タイプの何れかの生体情報の表示が入力部から要求されると、表示装置43及び調光ミラー42の駆動により、図5に示すように、被験者の像が映された鏡部材42の入力部42aには、要求された生体情報が映し出される。さらに、被験者シルエット又は目標シルエットの表示も入力部から要求されている場合には、図6に示すように、鏡部材42には、要求されたシルエットが被験者の像に重ねて映し出される。また、被験者及び目標の両シルエットの表示が入力部から要求されている場合には、図7に示すように、鏡部材42の被験者の像に、被験者及び目標の両シルエットが重ねて映し出される。
【0036】
本実施形態の体組成計1によれば、被験者の身体の像を映した鏡部材42に生体情報が表示されるので、被験者は、鏡部材42に視線を向けたまま、自分の身体の像と生体情報とを視認して、自分の体形と見比べながら生体情報を確認することができる。従って、単に数値やアイコンを用いて生体情報を表示する場合に比べ、表示内容が表す生体情報を被験者に容易に理解させることができる。また、表示内容に対する被験者の興味を向上させることができる。この結果、生体情報に対する被験者の興味を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態の体組成計1によれば、入力部42aからの入力情報に基づき生成された目標シルエットが鏡部材42に表示されるので、被験者は、鏡部材42に写った自分の身体の像と目標シルエットとを見比べて、目標とする体形と自分の体形との違いを正確に認識することができる。従って、表示内容が表す情報を被験者に容易に理解させることができる。また、目標とする体形の輪郭画像と自分の体形とを見比べて自分の体形を評価できることから、表示内容に対する被験者の興味を高めることができる。この結果、生体情報に対する被験者の興味を高めることができる。
【0038】
また、本実施形態の体組成計1によれば、スキャン装置44による撮像結果に基づき生成された被験者シルエットが鏡部材42に表示されることから、着衣や被験者の表情が被験者の印象に与える影響を抑えることができる。従って、被験者に自分の体形を正確に認識させて、生体情報を容易に理解させることができる。また、着衣や表情と共に鏡に映る見慣れた自分の身体の像を元に体形を評価する場合に比べ、自分の体形に対する被験者の興味を高めることができる。この結果、生体情報に対する被験者の興味を高めることができる。
【0039】
また、本実施形態の体組成計1によれば、目標シルエットと被験者シルエットとが鏡部材42に重ねて表示されることから、これらを別個に並べて表示する場合に比べて両者の相違を被験者に正確に認識させることができる。
【0040】
また、本実施形態の体組成計1によれば、鏡部材42に後面側から表示された生体情報と前面側から映された被験者の像とを、鏡部材42の前方から共に視認できることから、被験者は、鏡部材42に映された生体情報に妨げられることなく、自分の身体の像を生体情報と共に確認することができる。
【0041】
上記実施形態では、入力部42aを構成するタッチパネル422を、調光ミラー421と透明基板423の間に介装した場合について説明したが、調光ミラー421の前面にタッチパネル422を配置してもよい。また、上記実施形態では、透明基板423の表面に1枚の調光ミラー421を貼り付けて、鏡部材42を構成した場合について説明した。しかしながら、入力部42aと鏡部材42の他の部分とでは別の調光ミラー421を用いて、別個に駆動する構成としてもよい。この構成によれば、液晶表示パネル431に表示された入力部42aの表示画面を視認できるようにするために鏡部材42の全面の反射率及び透過率の調整を行う必要がなく、鏡部材42に映された被験者の像の視認性を高めることができる。また、スキャン装置44での撮像結果に基づく被験者の身長の特定方法は任意である。
【0042】
また、上記実施形態では、スキャン装置44が備えるスキャン部を、鏡部材42と液晶表示パネル431との間隙で移動させて、被験者を撮像した場合について説明した。しかしながら、液晶表示パネル431の後方でスキャン部を移動させて撮像を行う構成としてもよい。例えば、液晶表示パネル431の両側に配置した光源から、導光手段を用いて液晶表示パネル431の裏面に光を照射して画面表示を行うようにし、液晶表示パネル431を通してスキャン装置43による撮像を行える構成としてもよい。この構成によれば、鏡部材42と液晶表示パネル431とを近接させ、又は液晶表示パネル431の表面に調光ミラー421を貼り付けることもできる。
【0043】
液晶表示パネル431の後方でスキャン部を移動させて撮像を行う場合、鏡部材42と液晶表示パネル431とを一体に構成してもよい。つまり、液晶や液晶を駆動するための電極を備えた層の前方にフィルム状やガラス状の部材を液晶表示パネル431が備える場合には、そのフィルムやガラスを鏡部材42から構成してもよい。また、液晶表示パネル431の備えるフィルムやガラスを透明基板423として鏡部材42を構成してもよい。また、液晶表示パネル431を通してスキャン装置44による撮像を行える構成とする場合、スキャン部による撮像を行い易いように、液晶表示パネル431の駆動状態を調整する構成としてもよい。
【0044】
上記実施形態では、調光ミラー421を用いて鏡部材42への入射光の反射率及び透過率を調整した場合について説明した。しかしながら、前面側及び後面側での光の透過率及び反射率の異なるガラスやフィルム、例えばハーフミラーのガラスやフィルムを、調光ミラー421に代えて用いる構成としてもよい。このような構成とする場合、液晶表示パネル431の表示画面の明るさを変えたり、筐体41内に別途設けられた光源を用いることにより、鏡部材42の前面側及び後面側からの入射光の光量を調整して、調光ミラー421を用いた場合と同様の態様で生体情報の表示を行い、被験者の像や生体情報を被験者が視認できるようにしてもよい。また、調光ミラー421を用いる場合にも、液晶表示パネル431の表示画面の明るさを変えたり、筐体41内に別途設けられた光源を用いることを、調光ミラー421の駆動と共に行うことにより、鏡部材42の前面側及び後面側からの入射光の光量を調整して、被験者の像や生体情報を被験者が視認できるようにしてもよい。
【0045】
また、スキャン装置44による撮像を行う際に、鏡部材42への入射光の前面側への透過量が後面側への透過量よりも増えるように、鏡部材42による反射率及び透過率の調整や入射させる光量の調整を行ってもよい。例えば、スキャン装置44による撮像を行う場合には、鏡部材42を半鏡状態にしてもよい。また、スキャン装置44による撮像に好ましい入射光の反射率及び透過率を有する、鏡状態及び半鏡状態とは異なる状態に調光ミラー421の状態を変化させてもよい。また、スキャン装置44による撮像の際には、鏡部材42の透過率の高い波長の光を照射し、この反射光を撮像する構成としてもよい。この場合、スキャン部での撮像に用いる光は可視光には限らない。この構成によれば、鏡部材42に映された被験者の像の視認性を低下させることなく、スキャン部での撮像を行うことができる。
【0046】
また、上記実施形態では、表示装置43による表示を鏡部材42に映し出す際にも、被験者が視認できるように鏡部材42に被験者の像を映し出した場合について説明した。しかしながら、被験者シルエットを表示する際には、鏡部材42に映し出された自分の像を被験者が視認できないように、鏡部材42による反射率及び透過率の調整や光量の調整を行ってもよい。例えば、目標シルエットと被験者シルエットとを重ねて表示する場合には、図8に示すように、鏡部材42に映し出された自分の像を被験者が視認できないようにしてもよい。この構成によれば、被験者は、被験者シルエットを見ることにより自分の体形を確認し、鏡部材42に映し出された自分の像に妨げられることなく、他の生体情報と自分の体形とを比較することができる。
【0047】
上記実施形態では、身体の全身の像の輪郭画像を被験者及び目標の各シルエットとして表示した場合について説明したが、必ずしも全身の像の輪郭画像を表示する必要はなく、例えば、腹部のみ、脚部のみ、腕部のみ、またはぞれぞれを組み合わせた輪郭画像を表示する構成としてもよい。
【0048】
上記実施形態では、被験者シルエットの画像データに基づき特定した身長と入力部42aの操作で選択された目標シルエットの画像データとに基づき、目標シルエットの画像データを生成した場合について説明した。しかしながら、被験者シルエットと上下の高さが揃うようにして目標シルエットの画像データを生成する構成とし、目標シルエットの画像データの生成の際に身長の情報を参照しないようにしてもよい。また、被験者シルエットと目標シルエットとを共に表示する場合には、両者を比較表示してもよい。
【0049】
上記実施形態では、タッチパネル422,表示装置43,及びスキャン装置44が別個に構成されている場合について説明したが、これらの機能を搭載した液晶表示装置を用いる構成としてもよい。また、表示装置43は、液晶表示装置には限らず、他の表示手段を用いることができる。また、載置面2aに加えられた荷重を測定する体重計の機能を載置部2に持たせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態の体組成計の外観構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図1に示す体組成計の鏡ユニットが備える鏡部材の構成の概略を模式的に示す図である。
【図3】図1に示す体組成計の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図4】鏡ユニットが備える鏡部材に被験者の像が映し出された状態を模式的に示す図である。
【図5】被験者の像と共に鏡部材の入力部に生体情報が映し出された状態を模式的に示す図である。
【図6】鏡部材の被験者の像にシルエットが重ねて映し出された状態を模式的に示す図である。
【図7】鏡部材の被験者の像に目標シルエット及び被験者シルエットが重ねて映し出された状態を模式的に示す図である。
【図8】鏡部材に目標シルエット及び被験者シルエットが重ねて映し出された状態を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 体組成計
2 載置部
21 足電極
3 手電極部材
31 手電極
4 鏡ユニット
41 筐体
42 鏡部材
421 調光ミラー
422 タッチパネル
423 透明基板
43 表示装置
431 液晶表示パネル
44 スキャン装置
5 制御装置
51 測定部
52 生体情報生成部
53 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の身体情報を取得する身体情報取得手段と、
被験者の身体の像を映す鏡部材と、
前記身体情報取得手段が取得した身体情報に基づき生体情報を生成する生体情報生成手段と、
前記生体情報生成手段が生成した生体情報を前記鏡部材に表示する表示手段とを備えることを特徴とする体組成計。
【請求項2】
情報入力を受け付ける入力部を前記鏡部材に備えた入力手段を備え、
前記生体情報生成手段は、前記入力手段が前記入力部で受け付けた入力情報に基づき、目標とする体形の身体の輪郭を表す目標輪郭画像を、生体情報として生成することを特徴とする請求項1に記載の体組成計。
【請求項3】
前記鏡部材に像を映された被験者を撮像する撮像手段を備え、
前記生体情報生成手段は、前記撮像手段による撮像結果に基づき、前記鏡部材に映された被験者の像の輪郭を表す被験者輪郭画像を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の体組成計。
【請求項4】
前記表示手段は、前記生体情報生成手段が生成した目標輪郭画像及び被験者輪郭画像を、重ねて表示することを特徴とする請求項3に記載の体組成計。
【請求項5】
前記鏡部材への前面及び後面からの入射光の光量と、入射光の反射率及び透過率との少なくとも何れかを調整する光量調整手段を備え、
前記表示手段は、前記生体情報生成手段が生成した生体情報を、前記鏡部材に後面側から表示し、
前記光量調整手段は、前記鏡部材に前面側から映された被験者の像と前記表示手段により表示された生体情報とが、前記鏡部材の前方から共に被験者に視認されるように前記調整を行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の体組成計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−183531(P2009−183531A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27581(P2008−27581)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【Fターム(参考)】