説明

体腔近傍組織処置のための真空器具および方法

体腔近接組織に対して処理剤を供給するために器具の近傍に真空を適用して隣接組織をそのような器具近傍へ引き組織の処置を向上させるための器具および方法が提供されている。体腔は自然体腔および癌組織のような組織を除去した後に残された空洞を含んでいる。流体透過性鞘壁を有する鞘アセンブリーはインナーバルーンアセンブリーを含み得る。鞘およびインナーバルーンの間のスペースに適用される真空は組織を引いて器具と接触させるのに有効であり、処置効率を向上させる。そのような器具およびシステムでの組織処置のための方法も提供されている。処置は放射線処置のための放射性材料の提供、化学療法のための化学療法剤の提供、熱処置の提供、およびそれらの組合せを含み得る。システムは本発明の器具および真空源を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に医療処置器具および方法の分野に関する。特に、本発明は癌性の、予癌性の、または他の組織が除去された所のような、体腔(身体内の空洞)を取り囲む組織を処置するための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
或る医学的状態の診断および処置においては、しばしば生検の実施が望ましく、その生検中では組織の試料またはサンプルが医療学上の検査、テストおよび分析のために除去される。生検は一般に除去された組織により以前占有されていたスペースを占める生検空洞をもたらす。知られているように、生検により組織サンプルの採集およびその後の試験は癌および悪性腫瘍の診断、または疑われている障害または腫瘍が悪性でないことの確認のために一般的に採用されている。生検により確認された癌の処置は生検場所を取り囲む組織の後の除去を含み、患者の身体内に拡大された空洞を残す。癌性組織はしばしば放射線の適用により、化学療法により、または熱的処置(例えば、部分加熱、極低温療法、および組織を加熱、冷却または冷凍する他の処置)により処置される。
【0003】
癌処置は自然空洞に対して、またはそこから組織が除去された患者身体内の空洞に対して指向され、一般的には生検または外科手術の間における癌組織の除去の後に行われる。例えば、ウイリアムに対する米国特許第5,429,582号、ウイリアム他に対する米国特許第5,913,813号、ウイリアム他に対する米国特許第5,931,774号、ウイリアムに対する米国特許第6,022,308号、ウイリアムに対する米国特許第6,083,148号、およびウインクラー他に対する米国特許第6,423,204号の開示は全て参考事項として取り込まれるが、これらの特許は癌性組織の除去により生ずる空洞内への移植のための器具を記述しており、その器具は取り囲む組織への癌処理剤の供給に使用され得るものである。組織の除去後に残された体腔近傍の癌処置のために使用される放射性処置の一つの形態は“短療法”であり、そこでは放射源は処置されるべき場所の近くに配置される。
【0004】
ウイリアムおよび協力者達は組織処置のための移植可能な器具を記述しており、その組織は癌性または他の組織の外科的除去により残された空洞を取り囲んでおり、その空洞内に配置するように構成された膨張可能なバルーンを含んでいる。そのような器具は組織が除去された空洞を取り囲む組織に対して放射性療法、化学療法、および熱療法の一つまたはそれより多くを適用するために使用され得る。上記バルーンは容器、注射器、または他の手段からの導管を介して供給される処理剤で充満され、またはバルーン内に配置された固形体放射源を受領し得る。このようにして、放射性処置はバルーン近接の組織に対して適用され、この適用はバルーン内に放射性“種”のような放射性材料を配置することにより、またはバルーンに放射性材料を含む流体またはスラリーを充満させることにより行われる。複数の処置を同時に適用し得る。例えば、放射性種がバルーン内に配置されてバルーンを取り囲む組織を照射し、かつそのバルーンが同時に高温流体を充満して熱処置を提供することもできる。好適な時間の後に、高温流体および/または放射性種が除去され得る。そのような処置は、組み合わされまたは他の方法で、所望されるならば繰り返され得る。
【0005】
例えば、“マンモサイト・登録商標・放射性療法システム”(マンモサイト・登録商標・RTS プロクシマ治療学会社、アルファレッタ、GA、30005 USA)は放射源付きのバルーンカテーテルを備え、それは乳腺腫瘤摘出後に胸内の腫瘍切除空洞内に配置され得る。それは規定された量の放射線を腫瘍切除空洞内から元の腫瘍を取り囲む組織へ供給し得る。放射源は一般的には固形体放射源であるが;流体放射源も体腔(例えば、ロートレックス・登録商標・プロクシマ治療学会社)内に配置されたバルーンカテーテルと共に使用され得る。放射源は各処置期間の後に除去され、またはバルーンが体腔内に残る限り所定位置に残され得る。マンモサイト・登録商標・RTSおよび同様な器具およびシステム(例えば、グリアサイト・登録商標・RTS(プロクシマ 治療 会社))のような膨張可能な処理剤供給器具およびシステムが体腔近傍組織内の癌の処置に有効である。
【0006】
しかしながら、放射線、化学療法、熱処置、および他の癌処置はしばしば癌性組織への所望効果に加えて健康な組織上にも心身に有効な効果を備えている。そのような処置において、病んでいる組織に対して最高処置効果が得られるように注意が払われなければならないが、一方において健康な組織に対するその供給または効果を最小化しなければならない。例えば、放射処置は全ての周囲の組織領域が同じ量の放射線を受け、かつより離れた組織により受領される放射線量が可能な限り少なくかつ均一な時、最も効果的である。しかしながら、組織空洞は一般的にそれらのサイズおよび形状において均一または規則的ではないので、周辺組織の異なる領域に対する、“熱点”および比較的に低い服用量の領域を含む、適用量の差が放射線処置でしばしば生ずる。
【0007】
このように、患者身体内の空洞部分への癌処理剤供給のための改良された器具および方法のための技術が求められている。
【発明の開示】
【0008】
本発明は患者からの組織の除去により形成された空洞のような、体腔隣接組織の処置のためのアセンブリー、器具、システムおよび方法を提供する。本発明の特徴を有する方法および器具においては、真空は体腔内に配置された処置アセンブリー側へ組織を引くのに有効なように適用される。本発明の特徴を具体化したアセンブリーおよび器具は真空を適用するように構成された真空供給要素を備えている。真空供給要素は真空導管を備え、かつ更に真空ポートを備えている。真空供給要素は処置アセンブリーを少なくとも部分的に囲みまたは含むように構成され得る。処置アセンブリーは体腔に隣接した組織に対して放射療法、化学療法、熱療法、または他の処理剤のような処理剤を供給するように構成され得る。処置アセンブリーは放射源のような処理剤を収容するように構成された処理剤供給要素を備え得る。処置アセンブリーは少なくとも処理剤供給要素周りに部分的に配置され得る膨張可能なバルーンを備え得る。
【0009】
本発明の特徴を具体化したアセンブリーおよび器具は鞘またはバルーンのような真空供給要素を備えることができ、その真空供給要素はアセンブリーおよび器具の近傍の組織に真空を効果的に適用できるように構成されている。真空供給要素は好ましくは膨張可能な処理剤供給器具のような処理剤供給アセンブリーの隣接組織に対して吸引力を適用するように構成されている。吸引は少なくとも部分的に処理アセンブリーを取り囲んでいる処理アセンブリー、または真空供給要素(鞘またはバルーンのような)の表面に対して周辺組織を緊密に引くのに有効であり、従って光学的処理のために組織を体腔に密着するように形成する。処置は、例えば、器具により供給される放射線療法、化学療法、熱療法、または他の処理様式により得る。処置アセンブリーはインナーバルーンアセンブリーのような膨張可能処置アセンブリーを備え、このインナーバルーンアセンブリーは鞘またはバルーンのような真空供給要素により少なくとも部分的に包まれるように構成され得る。鞘はインナーバルーン上または周りへの配置に引き続き少なくとも部分的にバルーンを一時的に包むように構成され得る。バルーンはインナーバルーン上または周りへの配置に引き続き少なくとも部分的にバルーンを永久的に包むように構成され得る。
【0010】
器具は更に囲いアセンブリー(これは鞘アセンブリーまたはバルーンアセンブリーを包含し得る)を備え、このアセンブリーは真空導管および流体透過性囲い壁(例えば、鞘壁またはバルーン壁)を包含し、インナーバルーンアセンブリーを部分的にまたは完全に囲むように構成されている。このような囲いアセンブリーはインナーバルーンアセンブリーの外側の中間スペースへ真空と真空通路を提供するのに有効である。中間スペースはインナーバルーンアセンブリーおよび鞘アセンブリーまたはアウターバルーンアセンブリーの間に配置されたスペースを備え得る。囲いアセンブリーは好ましくは真空導管に作動可能に接続されて真空を中間スペースに提供する上で有効とされている。本発明の特徴を有するシステムはそのような器具を備えかつ更に真空導管と作動可能に接続されるように構成された真空源を備えている。本発明の特徴を有する器具の実施例においては、流体透過性囲い壁は流体の通過を許容するように構成された一つまたは多数の孔を備え、流体透過性織物材料、または別途流体透過性とされたような流体透過性材料で作られ得る。インナーバルーンおよび囲いの間のスペースは、真空導管を介して供給された真空からの吸引が存在していても、インナーバルーン壁上、または囲い壁上、または双方に配置された分離要素により、潰れることから阻止されている。別の実施例においては、中間スペース内に配置された分離要素はインナーバルーン壁および囲い壁の双方から独立であり得る。
【0011】
本発明の特徴を有する体腔隣接組織処置のための器具の実施例においては、更にインナーバルーンアセンブリーを包含し、これは流体の通過を許容するように構成された膨張導管を備えまたは作動可能に接続され得る。器具はまたインナーバルーンを備え、このインナーバルーンはインナールーメンを区画する膨張性のインナーバルーン壁を包含している。そのようなインナーバルーンは膨張導管に作動可能に接続されて流体を膨張導管を通してのインターナルルーメン内への通過を許容してインナーバルーンをその流体で膨張させることができる。
【0012】
囲い壁は好ましくは可撓性材料、より好ましくは弾性可撓性材料を包含しており、これは本発明の実施例において、囲い壁が非弾性材料を包含し得るとしてもである。本発明の特徴を有する器具およびシステムの実施例においたは、囲い壁は生物学的適合性を有するポリマー、好ましくは耐放射線ポリマーのような、ポリマーを包含している。好適なポリマーは、ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニールクロライド、ポリスチレン、C−フレックス・登録商標(コンソリデーテド ポリマー テクノロジー 社、クリヤーウオーター FL 33762)のような熱可塑性ポリマー、クラトン・商標(クラトン ポリマーズ、ヒューストン TX 77208)のようなブロック ポリマー、サーリン・登録商標(デユポン、ウイルミントン DE 19880)のようなイノノマー、ナイロン、ラバー、シリコンラバー(例えば、シラスチック・商標、ダウ コーニング、ミッドランド、MI)を含んでいる。
【0013】
本発明の特徴を有する器具およびシステムは処理剤を包むように構成されたインナーバルーンを備えており、その処理剤は放射性材料、化学療法剤、および熱処理剤(例えば、約37℃より大きい温度を有する材料)のようなものである。
【0014】
本発明は更に体腔隣接の組織処置のための方法を提供しており、その方法は体腔近傍の組織を本発明の特徴を有する器具の流体透過性壁を有する鞘またはアウターバルーンに接触させ;かつ真空を適用して流体透過性壁および組織の接触向上に有効な真空を供給させることを包含している。更なる方法は膨張流体をインナーバルーンへ膨張導管を介し供給して膨張性バルーンを膨張させる工程を備え得る。本発明の方法の実施例においては、インナーバルーンアセンブリーはマンモサイト RTSのような処置アセンブリーまたは同様な膨張可能な処理剤供給器具を包含している。方法は処理剤を器具内に配置し、かつ更に処理剤の交換をも備え得る。
【0015】
体腔は一般的にサイズは不均一であり形は不規則である。本発明の特徴を有する器具、システムおよび方法は吸引力を利用して体腔内の器具表面に対して組織を引き、器具および身体組織の間の良好な接触を確保しかつ組織および器具の間のスペース制御を提供し、この制御は器具内に収容されている処理剤からの距離の制御を含んでいる。本発明の特徴を有する器具と接近してまたは接触して保持されている体腔に沿う組織は均一なかつ制御された面を形成し、これは従来技術の処置器具が単に挿入されて、組織を所望方向および位置に押すことのない場合の体腔に沿う組織と相違している。本発明の器具、システムおよび方法により提供される距離、スペース、および組織接触量の制御は体腔近傍の改良された処置組織の利点を提供する。そのような改良はより均一な服用量、“熱点”の減少、所望および実際の服用量の間のより大きい相互関係によるより短い処置期間、および不適当な服用量を受領した位置の数の減少を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、癌処理剤のような処置剤を、動物の身体内の空洞内に供給するための器具および方法を提供する。例えば、本発明の特徴を有する器具および方法は処理剤を生検場所または患者の身体内から癌性組織を除去した後に残された空洞内に供給するのに使用され得る。真空が組織に対して適用されて身体空洞内の処理剤供給アセンブリーと身体空洞を取り囲んでいる組織の間の接触が強化される。処置アセンブリー周りの真空通路が本発明の特徴を具体化した器具、システムおよび方法により設けられている。真空は組織に対して一つ、二つ、または多数の真空ポートを介して適用され得る。真空ポートは真空供給導管内のポート、鞘内の孔または真空供給導管に接続されたバルーンであり得る。流体透過性壁または流体透過性壁の一部は真空ポートとしての機能上効果的であり得る。
【0017】
図1は本発明の特徴を具体化したシステム10の斜視図で、器具12を図示しており、この器具はインナーバルーン16(図の破断部分内に示されている)を取り囲んでいるアウターバルーン14,シャフト18およびコネクター20を備えている。アウターバルーン14はインナーバルーン16周りの鞘アセンブリーを包含している。アウターバルーン14はこのように囲いアセンブリーであり、かつインナーバルーン16周りの囲い壁を形成している。アウターバルーン14は少なくとも部分的には透過性壁を包含しており;図1内に図示されているように、アウターバルーン14はバルーン14の内外への流体透過を許容する孔22を備えている。別の実施例においては、アウターバルーン14は流体透過性の織られたまたは別様に実質的に連続した材料で製造され得る。更なる実施例においては、アウターバルーンのような囲い壁またはアセンブリーは網、メッシュ、枠組み、または他の非連続構造体を包含し得る。孔22(または流体透過性材料)は流体がアウターバルーン14を通してインナーバルーン16の外側に配置されている中間スペース24内へ通過することを許容している。中間スペース24はインナーバルーン16近傍の真空通路を提供している。少なくともアウターバルーン14がインナーバルーン16の近傍に配置されている所では、中間スペース24はアウターバルーン14とインナーバルーン16の間に配置されている。
【0018】
インナーバルーン16はインナールーメン26を区画しており、その中に供給シャフト28が少なくとも部分的に収容されている。図2内に示されているように、処理剤30は供給シャフト28内に永久的にまたは一時的に配置され得る。供給シャフト28内で動くように構成されている探針32は処理剤30の位置決めに使用されることができ、この位置決めは処理剤30を供給シャフト28内で、その中へ配置しおよび回収することを含んでいる。真空導管34はシャフト18の一部であり、またはシャフト内に収容されることができかつ中間スペース24に作動可能に接続されている。シャフト18はまた膨張導管36を含みまたは収容し、この膨張導管はインナールーメン26内への膨張流体の通過を許容している。インナールーメン26内への膨張流体の通過はインナーバルーン16の膨張に有効である。膨張流体は、ガスまたは液体の何れかの、如何なる好適な流体でよく、かつ典型的には不活性である。膨張流体としての、ガスは、例えば空気、窒素、2酸化炭素または他のガスであり得る。膨張流体としての、液体は、水、塩水、ミネラルオイル、または他の液体であり得る。或る実施例においては、膨張流体は放射線吸収に有効であり、その吸収は、例えば、供給シャフト28内に収容されている放射性処理剤30から患者の組織へ供給される投薬量または放射線量の緩和または調整のためである。
【0019】
中間スペース24に対して適用される真空は患者身体内の身体空洞(体腔)38内へ処理剤を供給するのに有効であり、取り囲んでいる組織をアウターバルーン14の表面の少なくとも一部と接触させる押圧に有効である。
【0020】
図1−5内に示されているアウターバルーン14は永久的にまたは半永久的にインナーバルーン16またはインナーバルーンアセンブリーを包含するように構成されているバルーンとして図示されている。そのような包含は部分的なまたは全体的なものであり得る。理解されるであろうことは、本発明の特徴を具体化した器具およびシステムの外面がインナーバルーンアセンブリー14周りおよび上方に展開されるように構成された鞘50でもあり得ることである。更なる実施例においては、包含は例えば、網、メッシュ、骨組、または他の不連続構造体であり得る。
【0021】
図2は図1のシステムの2−2線に沿う長手断面図で、例えば処理剤30、インナーバルーン16、およびアウターバルーン14または鞘50の相対位置を断面で示している。図2はシャフト18の断面を含んでおり、その断面は供給シャフト28、真空導管34および膨張導管36を備えている。図3は図1のシステムの3−3線に沿う横断面図で、アウターバルーン14およびそれを貫通している孔22、アウターバルーン14内に配置されているインナーバルーン16、供給シャフト28および探針32を示している。
【0022】
図4Aおよび4Bは図1内に指示されているようなアウターバルーン14およびインナーバルーン16の部分を示しており、中間スペース24およびスペーサー40を備え、これらのスペーサーは中間スペース24の解放性を真空導管34を介して供給される真空の影響下にあっても維持するために有効な分離要素として作用している。スペーサー40はアウターバルーン14の一部、またはインナーバルーン16の一部、または双方であり得る。スペーサー40はアウターバルーン14の内面42から内方へ、またはアウターバルーン14の外面44から外方へ突出した出張り、ノブ、隆起または他の構造体であり得る。更に、または代わりに、スペーサー40は中間スペース24内に配置されかつアウターバルーン14およびインナーバルーン16から分離された物体であり得る。例えば、図4Aおよび4Bに示されているように、スペーサー40はアウターバルーン14の内面42から内方へ、またはアウターバルーン14の外面44から外方へ突出した隔離体であり得る。
【0023】
図5A−5Dはアウターバルーンアセンブリー46(鞘50の形のアウターバルーンを含む)のインナーバルーン16を含むインナーバルーンアセンブリー48上への取付けを図示している。図5Bは図6Aの組み合わされたアウター46およびインナー48バルーンを患者の胸52内の空洞38内に配置した後、かつインナーバルーンアセンブリー48を膨張させる前の状態を示している。図5Cにおいては、インナーバルーンアセンブリー48は膨張流体を膨張導管36を通すことにより膨張され、アウターバルーンアセンブリー46の外面54の或る部分を身体空洞38の内面56の部分と接触するように加圧している。さて、しかしながら、殆どの空洞38が不規則な内面56を備えているので、一般的には鞘50(または別の実施例においてはアウターバルーン14)の外面54および空洞38の内面56の間は、図5C内に示されているように、悪いかつ間欠的な接触となる。
【0024】
図5Dは図5Aの組み合わされたアウター46およびインナー48バルーンを示しており、これは真空を真空導管34を介してインナーバルーン16および鞘50(アウターバルーン14)を区画している中間スペース24に対して供給した後の状態である。処理剤30は供給シャフト28内の所定位置にある。空洞38の内面56が鞘50の外面54と親密な接触状態に引かれていることに注目されたい。このような親密な接触は内面56を処理剤30による処理剤適用のための最適構造に構成する。例えば、放射性処理剤30による放射性処理は隣接組織を好適配置して好適放射を提供することにより向上させられる。照射レベルは組織空洞38の隣接組織が放射源から異なる、不規則な、または不適当な距離にあるかにより大きく変動し得る。組織を器具12とより良く接触させる、例えば、鞘50の外面54とより良く接触させるための、組織を効果的に引く真空の適用は、放射性処理剤30からの放射性処理剤の供給の改良に有効である。
【0025】
図6Aは本発明による特徴を具体化したシステムを図示しており、真空供給要素を備え、この要素はインナーバルーンアセンブリー48を部分的に囲むように構成されたリブ62を有する囲い60を包含している。真空は中間スペース24へ真空ポート64を介して供給され、このポートは真空導管34に作動可能に接続されている。図6B内の断面に示されているように、リブ62は分離要素として作用し、組織面56およびインナーバルーンアセンブリー48の外面44の間の中間スペース24内への真空供給に有効である。
【0026】
身体空洞38に隣接した組織のための処理方法は本発明の特徴を具体化した器具12に隣接した組織に対する処理剤の供給方法を含んでいる。例えば、身体空洞38に隣接した組織の処理方法は身体空洞38に隣接した組織を鞘50またはアウターバルーン14と接触させ、かつ真空導管34を介して真空を適用する工程を備えている。真空は隣接組織を鞘50またはアウターバルーン14側へ引きかつ接触させるのに有効であり、かつ外壁54および組織の接触を向上させる。膨張導管36を介してインナーバルーン16を膨張させるためのインナーバルーン16への膨張流体の供給は隣接組織との接触向上に有効なばかりでなく、インナーバルーン16の膨張が無い場合よりも、アウターバルーン14または鞘50を組織へより近づけるように作用する。好ましい実施例においては、インナーバルーンアセンブリー48はマンモサイトRTS(プロクシマ治療学会社、アルファレッタ、GA、30005)または同様の膨張可能処理剤供給器具を包含し得る。
【0027】
方法は更に放射源のような処理剤の器具内への(例えば、供給シャフト28内への配置による)配置工程を備えている。固形体放射源(例えば、短療法種)のような放射源が供給シャフト28内に探針32でまたは他の手段により差し込まれる。他の固形体処理剤30も供給シャフト28内へ探針32でまたは他の手段により同様に差し込まれ得る。液体放射源(例えば、ロトレックス・登録商標、プロクシマ治療学会社、アルファレッタ、GA)が供給シャフト28内へ流体流により、重力の作用で、注射器または他の圧力源により供給される圧力で、またはスペース内への流体供給のための他の手段により前進させられ得る。同様に、熱い液体および他の液体処理剤30も供給シャフト28またはインナーバルーン16内へ(膨張導管36を介して)重力の作用で、注射器または他の圧力源により供給される圧力で、またはスペース内への流体供給のための他の手段により前進させられ得る。
【0028】
或る処理養生法は周期的なまたは一時的な処理を備えることができ、その中で放射線または他の処理剤は処理期間中適用され、かつそれから処理は回復期間の間停止される。そのような周期的なまたは一時的な処理が繰り返され、そのため処理は第1処理期間中適用され、第1回復期間中は停止され、かつそれから処理は第2処理期間中再び適用される。更なる処理期間および回復期間が必要とされるならば使用され得る。このようにして、方法は更に放射源または他の処理剤を供給シャフト28からとりはずし、かつ更に処理剤30の取り換えることも含み得る。
【0029】
空洞38は一般的に生検、手術、または他の医療処置時の組織の除去後に残されたものであるが、身体空洞は自然な身体空洞であり得る。例えば、器具12は膀胱癌の処置のために膀胱内に挿入され得る。吸引の適用はそのような例においても器具12との接触向上に有効である。そのような向上された接触は放射線または他の処理剤の供給改良に効果的であり、かつ“熱点”(隣接組織領域により受領されるよりも多くの放射線を受領している組織領域)回避に効果的でありかつ本発明により提供される重要な利点の一つである。
【0030】
処理剤30は化学療法剤を含むことができ、この療法剤は身体空洞38を取り囲んでいる組織の癌または他の病状の処理に効果的なものである。好ましい実施例においては、処理剤30は放射源を含み、この放射源は器具12近傍の組織に対して放射線を供給するように構成されている。
【0031】
このようにして、処理剤30は固形体または液体であり得る放射源を含み得る。液体放射源は、例えば、放射性ヨウ素同位元素(例えば、125Iまたは131I)を含んでいる液体、スラリーまたは固形体同位元素、例えば196AU、90Y、169Yb、または放射性同位元素を含んでいるゲルである。液体放射源は市場で入手可能である(例えば、ロトレックス・登録商標、プロクシマ治療学会社、アルファレッタ、GA)。
【0032】
固形体放射源は短治療種または放射線療法で使用される他の固形体放射源を含むことができ、それらは、例えば、3M社、セント.ポウル、MNから入手可能な放射性ミクロスフィアのようなものである。固形体放射性源は製造時に器具12内へ予め装填されるか、または器具12内に器具12の末端部の身体空洞38内に配置後に装填され得る。そのような末端部は好ましくはアウターバルーン14、インナーバルーン16、および供給シャフト28の少なくとも一部を備えている。そのような固形体放射性コアー構造は利点があり、なぜならば液体に限定されるよりも広範囲の放射性核種を許容するからである。本発明の特徴を具体化した供給器具と共に使用するための固形体放射性核種は最近一般的に短療法放射源(例えば、アイ−プラント.商標、メド−テク、オレンジ シテイ IA)として入手可能である。
【0033】
一般的に、外科医により所望される放射線量は或る最低量であり、それは身体空洞38の壁(例えば、そこから腫瘍が摘出される)から0−3cm離れた場所へ供給される。中間スペース24へ適用される真空は身体空洞38を取り囲む組織とアウターバルーン14または鞘50の間の良い接触をもたらし、周辺組織に対する放射線の供給のような、効果的な処理剤供給を促進する。望ましいことは、アウターバルーン14または鞘50の壁近傍領域の放射線をできるだけ均一化してリザーバーまたはその近傍における組織に対する過剰照射を阻止することである。放射源の外側の点における吸収される投与量率が放射源および目標点の間の距離の二乗に反比例することは良く知られている。このように、隣接組織に対して供給される放射線投与量はより遠隔位置に配置された組織に対して供給される量から異なり得る。或る例においては、器具12から遙かに離れた位置に対する放射線の透過は所望されていない。例えば、膀胱癌のような癌の処置において、そこでは新生物組織が一般に膀胱表面上に配置されているので、深い透過は不必要でありかつ避けられるべきである。
【0034】
膨張流体も放射線吸収流体であり得る。例えば、膨張流体は血管造影に使用されるようなX線対比剤であり、それはバリウム塩(例えば、バリウム硫酸塩)、水、塩水または他のそのような流体であり得る。供給シャフト28内に配置されている放射源を取り囲んでいる放射線吸収膨張流体は放射源から周辺組織への放射線の供給を緩和しかつ制御するように機能する。放射線吸収膨張流体で得られるそのような緩和および制御は周辺組織の或る部分に対する過剰量の放射線供給の回避を助け得る。
【0035】
このように、そのような放射線吸収膨張流体が無ければ、或る例では、器具12から一定量離れた所に効果的な投与量を供給するのに充分な放射源が、アウターバルーン14または鞘50の壁に直接隣接した組織を過剰放射線投与に晒し得る。器具12近傍のそのような組織に対するそのような過剰露光は健康組織の壊死を招き得る。
【0036】
代わりに、膨張流体は流体またはスラリーの何れかの放射線要素を含むことができ、従ってインナーバルーン16は放射源で満たされ、その放射源は極めて均一な放射源を提供し、その放射源はインナーバルーン16の体積全体に分布されている。そのような実施例においては、それ自体が放射源として作用する膨張流体は、それにより良く制御された量の放射線を周辺組織へ提供する一方、特定場所に対し供給される投与量の不揃いを最小化する。
【0037】
本発明の実施例で膨張流体が放射源を含んでいるものにおいては、供給シャフト28が放射線吸収材料を含むことができ、従って、例えば、もし器具12の全体積が放射性材料で充満される場合よりも、所要の放射性材料の体積が少なくなる。そのような構造は輪郭が組織面でより高い強度を示しているがより少ない透過性が所望されている場合に有効である。更に、アウターバルーン14は球状である必要はないが、放射線供給の均一な輪郭は得られ得る。ウイリアムによる米国特許第5,918,813号内で報告されている実験はより急な半径方向吸収源勾配が同様な放射線供給器具のインナーチャンバー内に放射線減衰流体を使用することにより得ることができ、それは単一膨張チャンバー(ウイリアムの米国特許第5,429,582号内に記述されているような)を有する器具で得られるものと対比されるものとして記述されている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の特徴を具体化したシステムの一部を破断した斜視図で処理剤を患者の身体組織内の空洞内に供給しかつ組織をアウターバルーン面に押圧するように真空を提供している状態を示している。
【図2】図1のシステムの2−2線に沿う長手方向断面図である。
【図3】図1のシステムの3−3線に沿う横断面図である。
【図4A】図1のシステムの断面図であって、実施例の4−4間のバルーン壁のパイ形部分を示しており、そこでは外壁が隔離部材を備えている。
【図4B】図1のシステムの断面図であって、実施例の4−4間のバルーン壁のパイ形部分を示しており、そこでは内壁が隔離部材を備えている。
【図5A】本発明の特徴を具体化したシステムの斜視図を示しており、その中では鞘形のアウターバルーンアセンブリーがインナーバルーンアセンブリー上に適合されている。
【図5B】図5Aのアウターおよびインナーバルーンアセンブリーの組合せ状態の断面を示しており、患者の胸内の空洞内に配置した後でインナーバルーンアセンブリーの膨張前の状態である。
【図5C】図5Aのアウターおよびインナーバルーンアセンブリーの組合せ状態の断面を示しており、インナーバルーンアセンブリーの膨張後の状態である。
【図5D】図5Aのアウターおよびインナーバルーンアセンブリーの組合せ状態の断面を示しており、インナーバルーンアセンブリーとアウターバルーンアセンブリーを分離しているルーメンに対する真空の供給に引き続き、インナーバルーンアセンブリー内に放射性アセンブリーを配置した後の状態である。
【図6A】本発明の特徴を具体化したシステムの斜視図で、インナーバルーンアセンブリーを部分的に覆うように構成された真空供給要素を備えている。
【図6B】図6Aのシステムの線6B−6Bに沿う断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔近傍組織の処置のための器具であって:
流体の通過を許容するように構成された膨張導管およびインナールーメンを区画する膨張性のインナーバルーン壁を包含しているインナーバルーンアセンブリーであって、上記インナーバルーンは上記膨張導管に動作可能に接続されて上記流体の上記膨張導管および上記インターナルルーメン内への通過を許容して上記流体で上記インナールーメンを効果的に膨張させるインナーバルーンアセンブリー;および
真空導管および上記インナーバルーンアセンブリーを含むように構成されて上記インナーバルーンアセンブリーおよび上記鞘アセンブリーの間の中間スペースを区画する流体透過性鞘を包含している鞘アセンブリーであって、上記鞘アセンブリーが上記真空導管に作動可能に接続されて上記中間スペースに対して真空を供給するように構成されている鞘アセンブリーを包含している、体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項2】
上記流体透過性鞘壁がそれを通る孔を包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項3】
上記流体透過性鞘壁が流体透過性材料を包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項4】
上記流体透過性材料が織られた材料を包含している、請求項3に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項5】
上記鞘壁が上記鞘壁および上記インナーバルーン壁の間に分離を保持するように構成された分離要素を備えている、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項6】
上記インナーバルーン壁が上記鞘壁および上記インナーバルーン壁の間に分離を保持するように構成された分離要素を備えている、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項7】
上記鞘壁が可撓性材料を包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項8】
上記鞘壁が弾力性のある可撓性材料を包含している、請求項7に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項9】
上記鞘壁が弾力性のない可撓性材料を包含している、請求項8に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項10】
上記鞘壁がポリマーを包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項11】
上記鞘壁が生物学的適合性を有するポリマーを包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項12】
上記鞘壁が耐放射性ポリマーを包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項13】
上記ポリマーがポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニールクロライド、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスラバー、シリコンラバー、熱可塑性ポリマー、C−フレックス・登録商標、イノノマー、サーリン・登録商標、クラトン・商標、およびシラスチック・商標から成るポルマーの群から選択されている、請求項10に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項14】
上記インターナルルーメンが処理剤を含むように構成されている、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項15】
上記処理剤が放射性材料、化学療法剤、および約37℃より大きい温度を有する材料から成る群から選択されている、請求項14に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項16】
上記鞘アセンブリーがアウターバルーンアセンブリーを包含しかつ上記鞘壁がアウターバルーン壁を包含している、請求項1に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項17】
上記アウターバルーン壁がポリマーを包含している、請求項16に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項18】
上記ポリマーがポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニールクロライド、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスラバー、シリコンラバー、熱可塑性ポリマー、C−フレックス・登録商標、イノノマー、サーリン・登録商標、クラトン・商標、およびシラスチック・商標から成るポルマーの群から選択されている、請求項17に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項19】
上記アウターバルーン壁が処理剤を含むように構成されている、請求項16に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項20】
上記処理剤が放射性材料、化学療法剤、および約37℃より大きい温度を有する材料から成る群から選択されている、請求項19に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項21】
体腔近傍組織の処置のためのシステムであって:
流体の通過を許容するように構成された膨張導管およびインナールーメンを区画する膨張性のインナーバルーン壁を包含しているインナーバルーンアセンブリーであって、上記インナーバルーンは上記膨張導管に動作可能に接続されて上記流体の上記膨張導管および上記インターナルルーメン内への通過を許容して上記流体で上記インナールーメンを効果的に膨張させるインナーバルーンアセンブリー;および
真空導管および上記インナーバルーンアセンブリーを含むように構成されて上記インナーバルーンアセンブリーおよび上記鞘アセンブリーの間の中間スペースを区画する流体透過性鞘を包含している鞘アセンブリーであって、上記鞘アセンブリーが上記真空導管に作動可能に接続されて上記中間スペースに対して真空を供給するように構成されている鞘アセンブリー;および
上記真空導管と作動可能に接続されるように構成された真空源を包含している、体腔近傍組織の処置のためのシステム。
【請求項22】
体腔近傍組織の処置のためのシステムであって:
体腔近傍の組織に鞘で接触するための手段であって、上記鞘が内面および外面付きの流体透過性壁を備え、上記鞘が膨張性バルーンの外側に配置され、上記バルーンがインナーバルーンルーメンを備えかつ処理剤を内包し、上記インナーバルーンルーメンが膨張導管に対して作動可能に接続されている手段;および
上記バルーンの上記透過性壁の内面に対して真空を供給して上記流体透過性壁および上記組織の間の上記接触を向上させるための手段を包含している、体腔近傍組織の処置のためのシステム。
【請求項23】
更に膨張流体を上記インナーバルーンルーメン内に上記膨張導管を介して供給し上記膨張性バルーンを膨張させるための手段を包含している、請求項22に記載の体腔近傍組織の処置のためのシステム。
【請求項24】
体腔近傍組織の処置のためのシステムであって:
体腔近傍の組織にバルーンアセンブリーで接触するための手段であって、上記バルーンアセンブリーがインナーバルーン壁面およびアウターバルーン壁面付きの流体透過性壁を備え、上記バルーンアセンブリーが膨張性インナーバルーンアセンブリーの外側に配置され、上記インナーバルーンアセンブリーがインナーバルーンルーメンを備えかつ処理剤を内包し、上記インナーバルーンルーメンが膨張導管に対して作動可能に接続されている手段;および
真空を上記バルーンの上記透過性壁のインナーバルーン壁面に対して供給して上記流体透過性壁および上記組織の間の上記接触を向上させるための手段を包含している、体腔近傍組織の処置のためのシステム。
【請求項25】
更に、膨張流体を上記インナーバルーンルーメンへ上記膨張導管を介して供給して上記膨張性インナーバルーンアセンブリーを膨張させる手段を包含している、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
上記インナーバルーンアセンブリーが膨張可能な処理剤供給器具を包含している、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
上記膨張可能な処理剤アセンブリーがマンモサイト・登録商標・RTS、グリアサイト・登録商標・RTS、およびマンモサイト・登録商標・RTSと類似した器具から選択された器具を包含している、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
更に上記処理剤の取替えを包含している、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
体腔隣接組織処置のための処理アセンブリーを収容しているシステムであって:
上記体腔に真空を供給して体腔に隣接した上記組織を上記処理アセンブリー側へ引くための手段を包含している、システム。
【請求項30】
上記体腔への真空の適用が真空を上記体腔へ真空導管を介して適用し、上記導管が包囲器具に少なくとも上記処理アセンブリーを部分的に包囲するように作動可能に装着されている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
体腔隣接組織の処置を強化するための器具で体腔近接組織へ処理剤を供給するように構成された処置アセンブリーによるものであって:
体腔隣接身体組織へ処理剤を供給するための処置アセンブリーを少なくとも部分的に包囲するように構成された包囲器具;
真空導管;および
上記真空導管に作動可能に接続された真空ポートであって、上記真空導管は上記包囲器具が上記処置アセンブリーを少なくとも部分的に包囲するように配置された時に上記処置アセンブリーの近傍に真空を供給するように構成されている真空ポートを包含している、器具。
【請求項32】
体腔隣接組織の処置を強化するための器具で体腔近接組織へ処理剤を供給するように構成された処置アセンブリーによる請求項31に記載の器具であって、上記処置アセンブリーが膨張可能な処理剤供給器具を包含している、器具。
【請求項33】
更に膨張可能な処理剤供給器具を少なくとも部分的に包囲するように構成された包囲アセンブリーを包含している、請求項32に記載の体腔隣接組織の処置を強化するための器具。
【請求項34】
上記包囲アセンブリーが流体透過性面を包含している、請求項33に記載の器具。
【請求項35】
上記包囲アセンブリーが鞘を包含している、請求項34に記載の器具。
【請求項36】
上記包囲アセンブリーがバルーンを包含している、請求項34に記載の器具。
【請求項37】
上記膨張可能な処理剤供給器具が処理剤を含むように構成されている処理剤供給要素を包含している、請求項34に記載の器具。
【請求項38】
上記処理剤が放射性材料、化学療法剤、および熱処置材料から選択された材料を包含している、請求項37に記載の器具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔の少なくとも一部を形成している組織を照射するための器具であって:
a. 基端シャフト部分、末端シャフト部分および末端シャフト部分内の照射位置とを有する伸長シャフト;
b. 末端シャフト部分上の照射位置を囲みかつ体腔内配備のために形成されている処置部材;および
c. 体腔と流体連通するように構成された器具の末端部分内の少なくとも一つの真空ポートであって、その時処置部材は体腔および真空ルーメン内に配置されており、真空ルーメンは真空ポートに連通されて真空を体腔内に展開し体腔を形成している組織を処置部材に適合させて放射源からの治療放射の効果的な量を照射位置で体腔を形成している組織に対して供給するようにした真空ポート
を包含している器具。
【請求項2】
少なくとも一つの真空ポートが処置部材に対して基端部にある、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
少なくとも一つの真空ポートが処置部材に対して末端部にある、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
少なくとも一つの真空ポートが処置部材に対して基端部にありかつ少なくとも一つの真空ポートが処置部材に対して末端部にある、請求項1に記載の器具。
【請求項5】
処置部材が少なくとも一つの真空ポートを備えている、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
少なくとも一つの真空ルーメンが処置部材に対して基端の少なくとも一つの真空ポートと流体連通している、請求項2に記載の器具。
【請求項7】
少なくとも一つの真空ルーメンが処置部材に対して末端の少なくとも一つの真空ポートと流体連通している、請求項3に記載の器具。
【請求項8】
少なくとも一つの真空ルーメンが処置部材の少なくとも一つの真空ポートと流体連通している、請求項5に記載の器具。
【請求項9】
処置部材が膨張可能である、請求項1に記載の器具。
【請求項10】
膨張可能な処置部材が膨張流体を受領するように構成されている内側付きの膨張可能バルーンである、請求項9に記載の器具。
【請求項11】
シャフトが膨張ルーメンを備え、その膨張ルーメンが末端シャフト部分へ延びかつバルーンの内側と流体連通している、請求項10に記載の器具。
【請求項12】
膨張可能バルーンがその外側上に少なくとも一つのリブを備えている、請求項10に記載の器具。
【請求項13】
少なくとも一つのリブが空洞近傍組織の少なくとも一部をバルーンの外側から離すスペースを構成するように構成されている、請求項12に記載の器具。
【請求項14】
バルーンが少なくとも部分的に重合体材料で形成されている、請求項10に記載の器具。
【請求項15】
重合体材料が撓み得る材料である、請求項14に記載の器具。
【請求項16】
重合体材料が弾性材料である、請求項14に記載の器具。
【請求項17】
重合体材料が非弾性材料である、請求項14に記載の器具。
【請求項18】
重合体材料が生物学的適合性を有する材料である、請求項14に記載の器具。
【請求項19】
重合体材料が少なくとも部分的に耐放射性である、請求項14に記載の器具。
【請求項20】
重合体材料がポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニールクロライド、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスラバー、シリコンラバーおよび熱可塑性ポリマーから成るポルマーの群から選択されている、請求項14に記載の器具。
【請求項21】
重合体材料がポリエステルである、請求項14に記載の器具。
【請求項22】
重合体材料がナイロンである、請求項14に記載の器具。
【請求項23】
重合体材料が熱可塑性ポリマーである、請求項14に記載の器具。
【請求項24】
処置部材が球形である、請求項1に記載の器具。
【請求項25】
バルーンが膨張状態で球形である、請求項14に記載の器具。
【請求項26】
流体透過性鞘壁を包含している鞘アセンブリーは処置部材を取り囲みかつその周りに配置され、処置部材と鞘の間に中間スペースを区画するのに有効であり、かつ中間スペースに対して真空を供給するように真空導管と流体連通している、、請求項1に記載の器具。
【請求項27】
流体透過性鞘壁がそれを通過する少なくとも一つの孔を備えている、請求項26に記載の器具。
【請求項28】
流体透過性鞘壁が少なくとも部分的に流体透過性材料で形成されている、請求項26に記載の器具。
【請求項29】
流体透過性材料が織物材料である、請求項26に記載の器具。
【請求項30】
鞘壁が鞘壁とバルーンの間の分離を保持するように形成された分離要素を備えている、請求項26に記載の器具。
【請求項31】
バルーンが鞘壁とバルーンの間の分離を保持するように形成された分離要素を備えている、請求項26に記載の器具。
【請求項32】
鞘壁が少なくとも部分的に可撓性材料で形成されている、請求項26に記載の器具。
【請求項33】
鞘壁が少なくとも部分的に弾性的可撓性材料で形成されている、請求項32に記載の器具。
【請求項34】
鞘壁が少なくとも部分的に非弾性的可撓性材料で形成されている、請求項32に記載の器具。
【請求項35】
鞘壁が少なくとも部分的にポリマーで形成されている、請求項26に記載の器具。
【請求項36】
鞘壁が少なくとも部分的に生物学的適合性を有するポリマーで形成されている、請求項35に記載の器具。
【請求項37】
鞘壁が少なくとも部分的に耐放射線ポリマーで形成されている、請求項35に記載の器具。
【請求項38】
ポリマーがポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニールクロライド、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスラバー、シリコンラバー、熱可塑性ポリマー、C−フレックス・登録商標、イノノマー、サーリン・登録商標、クラトン・商標、およびシラスチック・商標から成る群から選択されている、請求項35に記載の器具。
【請求項39】
内側ルーメンが処理剤を包むように構成されている、請求項1に記載の体腔近傍組織処置のための器具。
【請求項40】
処置材料が放射性材料、化学療法剤、および約37℃より大きい温度を有する材料から選択されている、請求項39に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項41】
アウターバルーン壁が処理剤を包むように構成されている、請求項24に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。
【請求項42】
処理剤が放射性材料、化学療法剤、および約37℃より大きい温度を有する材料から選択されている、請求項41に記載の体腔近傍組織の処置のための器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−505346(P2006−505346A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551571(P2004−551571)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/033775
【国際公開番号】WO2004/043531
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(500408371)セノークス・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】